(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231211
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】移動する材料ウェブを搬送するためのランニングローラを有する、テンタークリップから構成されたチェーンのための偏向装置
(51)【国際特許分類】
B29C 55/20 20060101AFI20171106BHJP
B29C 55/16 20060101ALI20171106BHJP
B65G 23/00 20060101ALI20171106BHJP
B29L 7/00 20060101ALN20171106BHJP
【FI】
B29C55/20
B29C55/16
B65G23/00 Z
B29L7:00
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-533877(P2016-533877)
(86)(22)【出願日】2014年7月31日
(65)【公表番号】特表2016-532580(P2016-532580A)
(43)【公表日】2016年10月20日
(86)【国際出願番号】EP2014066508
(87)【国際公開番号】WO2015022199
(87)【国際公開日】20150219
【審査請求日】2016年4月12日
(31)【優先権主張番号】102013216180.8
(32)【優先日】2013年8月14日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591021578
【氏名又は名称】リンダウェル、ドルニエ、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング
【氏名又は名称原語表記】LINDAUER DORNIER GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100199255
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 大幸
(72)【発明者】
【氏名】カルシュテン、レッシュ
(72)【発明者】
【氏名】カイ、ウルバンツィーク
(72)【発明者】
【氏名】マルテイン、ベイル
【審査官】
辰己 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−136848(JP,A)
【文献】
特開平10−235731(JP,A)
【文献】
特開2010−269463(JP,A)
【文献】
特開2005−052986(JP,A)
【文献】
特開2006−198854(JP,A)
【文献】
特開平04−027523(JP,A)
【文献】
特開昭60−107321(JP,A)
【文献】
特表平10−502590(JP,A)
【文献】
特開平03−169530(JP,A)
【文献】
英国特許出願公開第01080915(GB,A)
【文献】
国際公開第2015/022199(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C55/00−55/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テンタークリップ(1)のチェーンのための偏向装置(3)であって、
移動する材料ウェブの搬送のためのランニングローラ(2)と、
スプロケット(4)と、
前記テンタークリップ(1)の前記ランニングローラ(2)のための少なくとも2つのトラック(6.1、6.2)を含むガイドレール(5)と、
を備え、
前記2つのトラック(6.1、6.2)は、それぞれ、前記スプロケット(4)の回転軸と平行に、前記ガイドレール(5)の互いに反対方向を向いた2つの側面上に配置されており、
前記ガイドレール(5)は、前記チェーンを偏向するための少なくとも1つの湾曲区画(5.2)を有し、
前記ガイドレール(5)の前記湾曲区画(5.2)には、接続要素(8、9、10)が存在し、当該接続要素(8、9、10)によって前記ガイドレール(5)が当該偏向装置(3)に接続され、
複数の接続要素(8、9、10)は、前記ガイドレール(5)の前記湾曲区画(5.2)の少なくとも一部が前記スプロケット(4)に対して径方向及び接線方向にスライド可能であるような態様で、具現化されており、
前記偏向装置は、前記ガイドレール(5)の前記湾曲区画(5.2)に平行に延在する湾曲区画(9.1)を有するレール保持部材(9)を更に備え、
前記ガイドレール(5)は、前記レール保持部材(9)を介して当該偏向装置(3)に接続されており、
複数の接続要素(8、9、10)は、長手方向を有するスタッド(8)として具現化されており、
前記スタッド(8)は、それらの長手方向が前記スプロケット(4)の径方向に延在するような態様で前記レール保持部材(9)上に装着されており、
更なる複数のクランプ要素(10)が接続要素(8、9、10)として設けられており、当該複数のクランプ要素(10)を介して前記ガイドレール(5)が前記スタッド(8)に接続されている
ことを特徴とする偏向装置(3)。
【請求項2】
前記スタッド(8)は、それらの長手方向にスライド可能に支持されており、
前記クランプ要素は、2部材のクランプジョーとして具現化され、一方部分のクランプジョーがそれぞれのスタッド上にしっかりと装着される一方、他方部分のクランプジョーは、前記ガイドレールがその長手方向、従って前記スプロケットの接線方向、にスライド可能であるように、前記ガイドレールが当該2部材のクランプジョーの間に保持されるような態様で、最初のクランプジョー上に固定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の偏向装置(3)。
【請求項3】
前記ガイドレール(5)の直線区画(5.3)が、当該ガイドレール(5)の前記湾曲区画(5.2)に繋がっており、
前記直線区画(5.3)は、当該偏向装置(3)に、前記ガイドレール(5)の長手方向にスライド可能に接続されている
ことを特徴とする請求項2に記載の偏向装置(3)。
【請求項4】
前記ガイドレール(5)は、それが前記スタッド(8)に対してスライド可能であるような態様で、当該スタッド(8)に接続されており、
前記クランプ要素(10)及び前記スタッド(8)は、当該クランプ要素(10)が当該スタッド(8)に対してそれらの長手方向にスライド可能であるような態様で、具現化されている
ことを特徴とする請求項1に記載の偏向装置(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動する材料ウェブを搬送するためのランニングローラを有する、テンタークリップチェーンのための偏向装置に関する。
【背景技術】
【0002】
材料ウェブの引っ張りまたは引き伸ばしのためのプラントまたは装置において、無限に回転し材料ウェブの両側で長手方向に配置されるテンタークリップチェーンを形成するために、複数のテンタークリップが組み付けられる。材料ウェブは、テンタークリップによって、引っ張りまたは引き伸ばし機を通じて搬送される。
【0003】
そのような装置は、例えば、DE 34 43 905 C2にて説明されている。そのような装置は、プラスチックフィルムの製造において利用されているが、他の分野、例えば織物のウェブを引っ張るためにも利用されている。一般に、テンタークリップは、材料ウェブをしっかりとクランプするための機構と、チェーンを形成するために個々のテンタークリップを接続するための要素と、ガイドレール上でのテンタークリップの鉛直方向及び水平方向のガイドのためのランニングローラと、を含んでいる。典型的には、テンタークリップのランニングローラ及びガイドレールは、材料ウェブの平面内でテンタークリップの支持または支えがガイドレールの互いに反対方向を向いた2つの側面に配置された2つのトラック上で達成されるように具現化ないし構成されている。
【0004】
装置の出口では、テンタークリップは、材料ウェブを解放する。そこでは、無限のテンタークリップチェーンが駆動され、更なるガイドシステムを介して偏向されスタート地点に戻ってくる、という領域が提供される。チェーンホイールまたはスプロケットの上方の装置の出口におけるテンタークリップチェーンの偏向は、とりわけ、大きなトラック力(track force)を伴って高速で動作している装置において、テンタークリップの運動において障害を引き起こす。これらの問題は、例えば、ガイドレールの直線区画から偏向領域内への搬送において(例えばDE 13 03 870 C2)、または、摩耗に起因するテンタークリップチェーンのチェーンピッチの誤差もしくは欠陥によって(例えばDE 34 43 905 C2)、生じる。
【0005】
テンタークリップの運動の障害は、構成部品の許容誤差に起因しても生じる。真っ直ぐに延在するトラック区画におけるガイドレールとランニングローラとの間のそのような許容誤差を補償するために、ガイドレール内にて弾性を有する中間要素によって2つのトラック間の離間距離を適合させることが、EP 0 760 740 B1で提案されている。
【0006】
本発明の目的は、偏向の領域において障害がほとんど生じない、テンタークリップチェーンのための偏向装置を提供することである。そのような障害とは、許容誤差または摩耗により誘発されるチェーンピッチ誤差によって引き起こされるものである。
【発明の概要】
【0007】
前記目的は、独立請求項による、移動する材料ウェブの搬送のためのランニングローラを有する、テンタークリップチェーンのための偏向装置によって、達成される。
【0008】
偏向装置は、一般に知られているが、ガイドレール上に沿って回転するランニングローラを有するテンタークリップチェーンの偏向のために、機能する。典型的には、テンタークリップは、複数の要素を有しており、この要素によって、テンタークリップチェーンを形成するように個々のテンタークリップが互いに接続されている。偏向装置は、チェーンホイールまたはスプロケットを含んでおり、これは、テンタークリップチェーンのチェーンリンクまたはチェーンピン内に係合するように、配置されている。スプロケットは、モータ駆動によって駆動され得る。更に、テンタークリップのランニングローラのための少なくとも2つのトラックを有するガイドレールが、偏向装置上に設けられている。2つのトラックは、それぞれ、ガイドレールの2つの互いに反対方向を向いた側面上に配置されている。これらの2つのトラックは、スプロケットの回転軸と平行に延在している。トラックは、テンタークリップ上の力を吸収するように作用する。この力は、移動する材料ウェブの平面と平行でそれぞれ反対方向において影響を及ぼす。本実施の形態を通じて、本実施の形態は一般に次のように知られているが、例えば引っ張り装置においては、材料ウェブの張力がしっかりと確実にそれらのランニングローラによって吸収され、その一方で、減少された張力または動的な力を伴う領域においては、それは反対方向に影響を及ぼし、力の支持ないし支えが2つのトラックのうちの他方に沿って回転するランニングローラを介して達成される。ここで、ランニングローラは2つのトラックのうちの1つに対して支持ないし支えられている。もちろん、更なるランニングローラ及びトラックが設けられ得て、それを越えて前述の力が分配される、あるいはそれが更なる力、例えば移動する材料ウェブの平面に実際に直交するそのような力を、吸収する。
【0009】
テンタークリップチェーンを偏向させるために、ガイドレールは、少なくとも1つの曲げられたまたは湾曲した区画を有している。引き伸ばし装置の実施の形態に応じて、それは、例えば、90°未満の、90°の、180°の、または、180°より大きな偏向であり得る。1以上のそのような偏向を通じて、無限テンタークリップチェーンが、例えば引き伸ばし装置の終端で材料ウェブの移動方向に沿った方向から当該材料ウェブの移動方向とは反対の方向へと偏向される。
【0010】
本発明による偏向装置は、ガイドレールの曲げられたまたは湾曲した区画の少なくとも一部がスプロケットに対して径方向にスライド可能である。
【0011】
この目的のため、接続要素が設けられ、当該接続要素を通じてガイドレールが偏向装置に接続されている。これらの接続要素のいくつかは、ガイドレールまたはガイドレールの一部における径方向へのスライド可能性が保証されるような態様で、具現化ないし構成されている。
【0012】
スプロケットの領域内でのガイドレールの径方向のスライド可能性を通じて、ガイドレールのより大きなまたはより小さな曲率(湾曲部の半径)が、ガイドレールの湾曲区画内で、ある限度内で、達成され得る。この点で、接続要素の構造は、装置の運転動作中においても径方向のスライド移動が区画方向に、すなわち湾曲区画の周囲全体に亘って生じ得るように、具現化されている。これにより、テンタークリップチェーンの(例えば摩耗に起因する)変化したピッチに対して、独立のまたは自動の適応が達成され得る。これは、例えばチェーンリンクにおける許容誤差に起因して、テンタークリップチェーンの様々な異なる区画内で異なる大きさでさえあり得る。
【0013】
スプロケットの領域内でガイドレールの径方向へのスライド可能性を支援するために、径方向のスライド可能性に加えてガイドレールの接線方向へのスライド可能性がガイドレールの湾曲区画の領域内で保証されていれば、特に有利である。これは、ガイドレールが、その湾曲区画内で、区画に沿った態様で、すなわち湾曲区画の全体の円周に渡って、ある限度内で、円周方向、従ってスプロケットに関する接線方向、にもスライド可能であるということを意味する。これは、偏向がより大きな偏向角度で生じる時、または、ガイドレールがわずかに弾性を有しているのみであり径方向のスライド可能性のために接続要素が近距離で配置されている時に、特に好適である。
【0014】
そのような接線方向のスライド可能性を保証するために、例えば、ガイドレールと偏向装置との間で、スプロケットに対するガイドレールの接線方向のスライドが可能であるような態様で、複数の接続要素が具現化または構成され得る。これらは、同一の接続要素であり得て、これらの接続要素によって径方向のスライドが可能とされ、更には、相応して他の接続要素が接線方向のスライド可能性のために適合され得る。
【0015】
そのようなスライド可能性を達成するために、ガイドレールがそれ自体に何らかの弾性を有していることが、有利であり得る。径方向または接線方向における自由度(すなわち遊び)がガイドレールと偏向装置との間の接続要素上に設けられるならば、当該ガイドレールは、それ自身の自己弾性によって、ある定められた規定位置―しかしながら当該位置は、より大きな力の影響下で変化し得る―にて保持されるであろう。この目的のためのガイドレールの自己弾性が好適に選択され得ないならば、接続要素上にバネ弾性スペーサ部材を設けることも考えられる。当該バネ弾性スペーサ部材は、ガイドレールの基本位置を固定し、より大きな力の影響下で弾性的に屈曲し、これによりガイドレールの径方向及び/または接線方向のスライド移動を許容する。
【0016】
更なる実施の形態では、ガイドレールの直線区画がガイドレールの湾曲区画に隣接し、当該直線区画がガイドレールの長手方向にスライド可能であるように偏向装置に接続されている。この配置により、ガイドレールの湾曲区画の一端が偏向装置にしっかりと接続することが可能になる一方で、他端が湾曲区画内でガイドレールの径方向及び/または接線方向のスライド移動に適応することが可能である。
【0017】
ガイドレールは、例えば、矩形のスプリングスチールバンドや、複数のスプリングバンドによるスプロケット等、既知のタイプ及び態様で具現化され得る。
【0018】
ガイドレールと偏向装置との間の接続は、典型的にはレールキャリアによって達成される。レールキャリアがガイドレールの湾曲区画と平行に延在する湾曲区画を有していれば、有利である。本実施の形態を通じて、レールキャリアは、ガイドレールと平行に、且つ、例えばスプロケットの一方が他方の上にある2つのリングまたはホイールの間に、配置され得る。典型的には、追加的にチェーンローラまたはチェーンピンがテンタークリップ上に存在し、これらのチェーンローラまたはチェーンピンがスプロケットのまわりを偏向する間に当該スプロケットの歯に係合するので、レールキャリアの前述の実施の形態は、テンタークリップの小型の構造とガイドレールの安定的な支持とを達成する。更に、レールキャリアは、矩形またはT形のプロファイルないし断面の部材として具現化され得る。
【0019】
接続要素は、例えば、長手方向を有するシャフト片、ピン、またはスタッドとして具現化され得て、この点に関し、スタッドの当該長手方向は、本質的に、スプロケットの半径方向に延在している。
【0020】
この点に関し、例えば、スタッドを受容するための孔がレールキャリア内に存在している。しかしながら、レールキャリア上にスタッドを固定する他の態様、例えば、突合せ溶接、または様々な異なるタイプの固定または係止の組合せも、考えられ得る。
【0021】
ガイドレールは、スタッドに対してスライド可能であるような態様で、スタッドに接続され得る。それは、ピンの長手方向へのスライドであり得るが、スタッドの長手方向を横断する、従って周方向の、ガイドレールの湾曲区画の接線方向への、スライドでもあり得る。
【0022】
しかしながら、複数のスタッドがそれらの長手方向にスライド可能に支持される場合、有利な実施の形態がもたらされる。この場合、スタッドに接続されたガイドレールの正確なガイドが径方向において保証されるように、スタッドの長さ及びそれに伴うガイド長さが相対的に大きく選択され得る。
【0023】
とりわけ、スプロケットに対するがガイドレールの接線方向のスライドが依然として実現される場合、複数のスタッド上にクランプ要素が設けられ、そのクランプ要素によってガイドレールがスタッドに接続されるならば有利である。これらのクランプ要素は、例えば、2部材のクランプジョーとして具現化され得て、一方部分のクランプジョーがそれぞれのスタッド上にしっかりと装着される一方、他方部分のクランプジョーは、ガイドレールがその長手方向、従ってスプロケットの接線方向、にスライド可能であるように、ガイドレールが2つの部分のクランプジョーの間に保持されるような態様で、最初のクランプジョー上に固定される。
【0024】
径方向のスライド及び接線方向のスライドはまた、もちろん、スタッド及びクランプ要素がスタッドに対して、そこにクランプされたガイドレールと共にクランプ要素のスライドを可能にするような態様で具現化または構成されて、達成され得る。
【0025】
本発明による偏向装置の保証されたまたは信頼性がある機能化のために、スライドの大きさないし程度が制限されていれば、更に好都合である。これは、例えば、接続要素またはガイドレールのスライド経路の領域内の接触停止部(contact stops)によって、可能とされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明による偏向装置の一実施の形態のA−A断面の図である。
【
図3】
図1における切り抜き部Cに略対応する図における、更なる実施の形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、チェーンホイールまたはスプロケット4と、ガイドレール5とを有する偏向装置の一実施の形態を示している。ガイドレール5は、直線区画5.1、5.3と湾曲区画5.2とを有している。テンタークリップ1のチェーンは、破線の輪郭で矩形の列として示されている。テンタークリップチェーンは、ガイドレール5の第1直線区画から始まり、当該ガイドレール5の第2直線区画5.3上へと、スプロケット4の周りをガイドレール5の湾曲区画5.2を越えて偏向される。ここで、スプロケット4が回転する間、テンタークリップ1は矢印の方向に移動する。本実施の形態では、90°の偏向が生じる。図示されていない更なる偏向装置は、テンタークリップチェーンを、例えば、更に約90°偏向させ、当該テンタークリップチェーンは最終的にそのスタート地点に再び戻るようにガイドされ得る。通常、第2の図示されていない偏向装置では、スプロケット4は必要ではなく、直線区画及び湾曲区画を有する更なるガイドレールのみが必要とされる。スプロケット4は、一方が他方の上に配置された歯が形成された2つの部分を有している。
図1において、スプロケット4上には、底部に歯が設けられたリングないしホイールの3つの個々の歯のみが図示されている。
【0028】
図1に示されている偏向装置のガイドレール5は、複数のクランプ要素10及びスタッド8によって、レールキャリア9に接続されている。レールキャリア9は、ガイドレール5の湾曲区画5.2と平行に延在する湾曲区画9.1を有している。すなわち、レールキャリア9は、スプロケット4の周りを湾曲している。レールキャリア9は、偏向装置3の装置フレーム11上に固定または係止されている。
【0029】
図2は、
図1のB−B断面図を示している。更に、
図2には、断面線A−Aが記されており、これは
図1のA−A図の切断線の位置を示している。
【0030】
図2は、破線の輪郭線でテンタークリップ1の幾つかの要素を示している。そのようなテンタークリップ1は、先行技術によって知られている。しかしながら、本発明の理解を可能にするために、そのような要素がここで繰り返し説明される。テンタークリップ1は、全体として、材料ウェブをしっかりとクランプするためのクランプまたはフラップ機構1.1を含んでいる。テンタークリップに対して材料ウェブが延在する平面が、7で示されている。偏向装置3の領域において、フラップ1.1は、材料ウェブが偏向されておらず、むしろ直線的に延在しているため、開かれている。
【0031】
更に、チェーンを形成するように個々のテンタークリップ1を接続するための要素が、テンタークリップ1上に存在している。それらは、ここでは互いに上下に存在している2列のチェーンピン1.2として図示されており、これらは、隣接するテンタークリップ1のチェーンピン1.2を有するリンクプレート1.3によって接続されている。チェーンピン1.2は、スプロケット4の歯が形成され一方が他方の上に存在する2つのリングないしホイール内に、係合している。テンタークリップ1は、ガイドレール5上の当該テンタークリップ1の鉛直方向及び水平方向のガイドのためのランニングローラを、有している。本発明の範囲では、テンタークリップ1のランニングローラ2とガイドレール5とは、テンタークリップ1の支持が、水平方向においてガイドレール5の互いに反対方向を向いた側面上に配置されたトラック6.1、6.2上で行われるように、具現化ないし構成されている。本実施の形態では、ガイドレール5は、複数のスプリングバンドの束(パケット)として具現化されている。2つのトラックのうちの1つ6.1は、フラップ機構1.1から離れる方を向いてガイドレール5の側面上に存在している。それは、偏向装置3の領域内でスプロケット4の方を向いているガイドレールの側面である。スプロケット4の方を向いているトラック6.1は、平面7内で関連するランニングローラ2を介して材料ウェブの張力を吸収する。他方のトラック6.2は、スプロケット4から離れる方を向いてガイドレール5すなわちスプリングの束の側面上に存在している。このトラック6.2及び関連付けられたランニングローラ2を介して、力学的な加速力が支援ないし支持される。この力学的な加速力は、材料ウェブの張力の反対を向く方向においてテンタークリップ1上に作用する。本実施の形態では、一対のランニングローラ2を介して前述の力が支援ないし支持されるように、ガイドレール5のトラックの2つの側面6.1、6.2の各々の上で、それぞれ2つのトラック6が上下に配置されている。
【0032】
本実施の形態では、一方が他方の上にある2つのランニングローラ2の間に、接続要素8、9、10が配置されている。この接続要素8、9、10によって、ガイドレール5が残りの偏向装置3に接続されている。
図1及び
図2による実施の形態では、接続はT形のレールキャリア9によって達成されている。レールキャリア9には開口が設けられている。当該開口内では、複数のスタッド8が、スプロケット4の径方向であるその長手方向にスライド可能であるように、支持されている。スタッド8の一端には、スプロケット4の回転点から径方向外側へのスライド移動を制限するための接触停止部として作用する、段付き肩部(stepped shoulder)が設けられている。クランプ要素10としてのそれぞれ2つのクランプジョーが、スタッド8の他方の端部上に固定されており、クランプ要素は、それらの間に離れた空間を残しており、その内部に、ガイドレール5が所定の半径位置にて保持されている。2つのクランプジョー10は、スクリュー14.1を介して互いに張力がかけられている。2つのクランプジョー10の間の空間は、それぞれ、ガイドレール5がスタッド8の長手方向において当該クランプジョー10に対して固定される一方、横断方向において関連するスタッド8に対するガイドレール5のスライド移動が可能であるように、寸法決めされている。このため、クランプジョー10の領域において、ガイドレール5は、それぞれ、長孔またはスロット孔を有しており、当該長孔またはスロット孔は、スプロケット4の接線方向へのガイドレール5のスライド移動を、可能にする。更に、スタッド8は、径方向内側へのスタッド8のスライド移動を制限するように機能する、更なる接触停止部を有している。
図2は、スタッド8またはガイドレール5のスタート位置を示している。この位置において、テンタークリップチェーンのピッチの変化は何も生じていない。チェーンのピッチの段階的で進行的な拡大の際、すなわち、リンクプレート1.3上の張力下でガイドレール5の長手方向におけるテンタークリップ1からテンタークリップ1までの離間距離の段階的で進行的な拡大の際、ガイドレール5の径方向位置の適合無しで、スプロケット4とテンタークリップ1のチェーンピン1.2との間の始終増大する係合の障害を生じさせる。ガイドレール5の外側に向かう径方向の移動という本発明の可能性によって、スプロケット4上を延び、チェーンピン1.2が沿うピッチ円(pitch circle)が拡大される。この点に関し、ピッチ円は、変化したチェーンピッチが変化した当該ピッチ円に力学的に係合または嵌合する限り、拡大される。この態様においては、スプロケット4とテンターチェーンとの間の歯の係合における前述の係合の障害が、回避される。
【0033】
図3は、本発明による偏向装置の更なる実施の形態を示している。
図3は、
図1に示されている切り抜き部Cに概略的に対応する切り抜き部を示している。しかしながら
図3においては、特にはスタッド8の長手方向を通過する平面において、切断線が
図1の切断線A−Aに対して平行にオフセットされて延びている。
【0034】
図3において、本実施の形態のスタッドは、レールキャリア9に対して当該スタッドの長手方向にはスライド可能でないということが分かる。実際、ここでは、複数のクランプジョー10がそれぞれ関連するスタッド8上を当該スタッド8の長手方向、従ってスプロケット4の径方向、にスライド可能である。スタッド上に装着ないし配置されている2つの接触停止部は、スライド移動の大きさのために、相互補完的な接触停止部として機能する。更に、本実施の形態では、スタッド8の長手方向を横断するガイドレールのスライド移動が可能である。これは、特には、ここではガイドレール5の厚みに対する2つのクランプジョー10の間の隙間が、ガイドレール5の単なる案内ではないが強固なクランプでもないことが達成されるように、寸法決めされているからである。同様に、前述の実施の形態のように、ガイドレール5がクランプジョー10の各ペア上に、対応する長孔またはスロット孔を有している。
【0035】
図4は、
図1による実施の形態のD−D部分の図を示している。この位置では、本装置の隣接領域において、ガイドレール5の直線区画5.3がガイドレールの直線区画5.4へと遷移している。この遷移では、ガイドレール5の直線区画5.3は、接続要素12、13、14.2によって、及び、装置フレーム11によって、ガイドレール5の長さ方向におけるスライド可能性が与えられるような態様で、偏向装置3に接続されている。このことを可能にするために、スペーサスリーブ13の長さ、及び、接続レール12と装置フレーム11の係止ないし接続要素との間のスペース距離が、カシメネジ14.2を用いて、長手方向におけるガイドレール5のスライド移動が依然として可能であるように、寸法決めされている。この点に関し、テンタークリップ1のランニングローラ2が、段差またはオフセット肩部上に捕らえたれたり積み重なったりすることなく、区画5.3から区画5.4までの搬送においても接続レール12の上下方向に沿って延び得るように、近くのまたは隣接するガイドレール5.4への搬送が、2つのガイドレール区画5.3、5.4の対応する補完的なプロファイリングを介して具現化されている。
【符号の説明】
【0036】
1,1.1,1.2 テンタークリップ
2 ランニングローラ
3 偏向装置
4 スプロケット
5.1,5.2,5.3,5.4 ガイドレール
6.1,6.2 トラック
7 材料ウェブの移動面
8 スタッド
9,9.1 レールキャリア
10 クランプ要素
11 装置フレーム
12 接続レール
13 スペーサスリーブ
14.1,14.2 クランプスクリュー