【実施例】
【0182】
本発明は、下記の例を参照してよりよく理解されるであろう。これらの例は、本発明の具体的な実施形態を代表することが意図されており、本発明の範囲を限定するものとして意図されていない。
【0183】
I.化学実施例
後述する例において提供されているMSデータは、次の通りに取得した:質量スペクトル:LC/MSアジレント6110(ESI)またはWatersアクイティSQD(ESI)。
【0184】
後述する例において提供されているNMRデータは、次の通りに取得した:Bruker Ultrashield(商標)400PLUSおよびBrukerフーリエ300MHz、TMSを内標準として使用した。
【0185】
マイクロ波化学は、Biotage製単一モードマイクロ波反応器イニシエーターマイクロ波システムEUで実施した。
【0186】
分取HPLC精製は、別段の報告がない限り、Xbridge(商標)分取C18 OBDカラム 19×150mm 5μmを備えたWaters製質量分離自己精製(mass directed autopurification)フラクションリンクスで実施した。すべてのHPLC精製は、CH
3CN/H
2O/NH
4HCO
3(5mM)、CH
3CN/H
2O/TFA(0.1%)、またはCH
3CN/H
2O/NH
3H
2O(0.1%)のグラジエントで実施した。
【0187】
化合物1:3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0188】
【化29】
A. ルートA
AcOH(2mL)中の5−フルオロ−1H−インドール(300mg、2.22mmol)、マレイミド(646mg、6.65mmol)の混合物を、マイクロ波反応下、170℃で2時間にわたって攪拌した。反応混合物を真空で濃縮した。残留物を飽和NaHCO
3水溶液でpH7〜8に中和し、EtOAc(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、分取HPLCによって精製すると、180mg(35%)の表題化合物が黄色固体として生じた。LC-MS、C
12H
9FN
2O
2-H
-
[M-H]: 計算値231.1; 実測値: 231.0.
1H
NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.30 (brs,
1H), 11.14 (s, 1H), 7.41(d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.36 (dd, J = 9.0, 4.6 Hz, 1H),
7.20 (dd, J = 10.1, 2.5 Hz, 1H), 6.94 (ddd, J = 9.2, 9.0, 2.5 Hz, 1H), 4.33
(dd, J = 9.5, 5.5 Hz, 1H), 3.17 (dd, J = 18.0, 9.5 Hz, 1H), 2.79 (dd, J = 18.0,
5.5 Hz, 1H).
【0189】
ルートB:
代替として、5−フルオロインドール(5.00g、5.00g、35.5mmol、96質量%、1.00)およびマレイミド(1.5当量、5.17g、53.3mmol、1.50)の混合物を、50mLのベッセルに投入し、次いで、アセトニトリル(3L/kg、15.0mL、11.7g、286mmol、100質量%)および塩化亜鉛(1.05当量、5.08g、37.3mmol、100質量%)を添加した。反応物を10分間かけて85℃に加熱し、次いで、85℃で24時間にわたって維持した。85℃の間に、温度を80℃超に維持しながら水(6L/kg、30.0mL、30.0g、1670mmol、100質量%)をゆっくりと添加した。黄色固体が沈殿した。反応混合物を1時間かけて50℃に冷却し、続いて、50℃で2時間にわたって攪拌し、次いで、1時間かけて10℃に冷却した。反応物を10℃で1時間にわたって攪拌した。固体を濾過除去し、次いで、濾過ケーキを5mlの1:1 ACN/水で2回洗浄すると、単離化合物(6.85g、6.85g、29.5mmol、83.1%収率)が生じた。
【0190】
精製のために、得られた単離化合物(6.85g、6.85g、29.5mmol、100質量%)をベッセルに投入し、続いて、テトラヒドロフラン(6L/kg、41.1mL、36.4g、505mmol、100質量%)を添加した。この混合物を60℃に加熱して、均一溶液を形成した。ヘプタン(4L/kg、27.4mL、18.7g、187mmol、100質量%)を66℃でゆっくり添加し、5体積後に固体が沈殿し始めた。混合物を3時間かけて25℃に冷却し、次いで、濾過し、ヘプタンで洗浄し、続いて、高真空オーブン内で終夜乾燥させた。単離化合物(4.93g、4.93g、21.2mmol、100質量%、72.0%収率)。
【0191】
この単離化合物を2個(1.00g、4.3mmol、100質量%)、50mlのベッセルに投入し、テトラヒドロフラン(6L/kg、6mL、100質量%)およびヘプタン(6L/kg、6mL、100質量%)を添加した。スラリーを25℃で48時間にわたって攪拌した。固体を濾過除去し、高真空オーブン内で終夜乾燥させた。単離化合物:(0.89g、0.89g、3.83mmol、100質量%、89.00%収率)。
【0192】
化合物1a:(3−
2H)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0193】
【化30】
D
2O(3mL)中の3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−2,5−ジオン(化合物1、200mg、0.87mmol)の溶液に、K
2CO
3(300mg、2.2mmol)を添加した。反応物を40℃で終夜攪拌した。混合物をEtOAcで抽出した。有機層を乾燥させ、濾過し、濃縮し、分取HPLCによって精製すると、表題化合物(20mg、10%)が黄色固体として生じた。LC-MS、C
12H
8DFN
2O
2-H
-
[M-H]
-: 計算値232.1; 実測値: 232.1.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.28 (s, 1H), 11.15 (s, 1H), 7.41(d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.36
(dd, J = 8.7, 4.5 Hz, 1H), 7.20 (dd, J = 10.2, 2.4 Hz, 1H), 6.97-6.90 (m, 1H),
3.19-3.13 (m, 1H), 2.80-2.74 (m, 1H).
【0194】
化合物2:(−)−(R)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0195】
【化31】
50mgの表題化合物が、150mgの化合物1のキラル分取HPLC分離によって黄色固体として得られた。分取キラルHPLC:Chiralpak(登録商標)AS−H 250mm×20mm 5μm;移動相:CO
2/IPA=60/40;流量:50mL/分 214nm 周囲温度。分析的キラルHPLC:Chiralpak(登録商標)IC 250mm×4.6mm 5μm;移動相:ヘキサン/EtOH=70/30;流量:1.0mL/分 230nm 周囲温度;保持時間:6.25分。P1:96.3%e.e.[α]
254D=−75.4(c=0.0014、MeOH)。LC-MS、C
12H
9FN
2O
2+H
+
[M+H]
+: 計算値233.1; 実測値: 233.1.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.30 (brs, 1H), 11.14 (s, 1H), 7.41(d, J = 2.5 Hz, 1H),
7.36 (dd, J = 9.0, 4.6 Hz, 1H), 7.20 (dd, J = 10.1, 2.5 Hz, 1H), 6.94 (ddd, J =
9.2, 9.0, 2.5 Hz, 1H), 4.33 (dd, J = 9.5, 5.5 Hz, 1H), 3.17 (dd, J = 18.0, 9.5
Hz, 1H), 2.79 (dd, J = 18.0, 5.5 Hz, 1H).
【0196】
化合物2a:(+)−(S)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0197】
【化32】
化合物2aについて記述されているキラル分離から第二の溶離鏡像異性体として単離した。キラルHPLC保持時間:6.96分。98.5%e.e.[α]
254D=70(c=0.0014、MeOH)。
【0198】
化合物3:3−(1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0199】
【化33】
化合物1について概説した通りの一般的方法に準拠し、1H−インドール(2.00g、17.1mmol)およびマレイミド(4.96g、51.1mmol)から出発して、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=1/1)による精製後に、2.50g(68%)の表題化合物が黄色固体として得られた。LC-MS、C
12H
10FN
2O
2+H
+
[M+H]
+: 計算値215.1; 実測値: 215.1.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.29 (s, 1H), 11.02 (s, 1H), 7.42 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.39
(d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.12-7.07 (m, 1H), 7.02 - 6.97
(m, 1H), 4.33 (dd, J = 9.5, 5.3 Hz, 1H), 3.18 (dd, J = 18.0, 9.5 Hz, 1H), 2.76
(dd, J = 18.0, 5.3 Hz, 1H).
【0200】
化合物4:(−)−(R)−3−(1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0201】
【化34】
100mgの表題化合物が、250mgの化合物3のキラル分取HPLC分離によって黄色固体として得られた。分取キラルHPLC:キラルセルOJ−H 250mm×4.6mm 5μm;移動相:CO
2/MeOH=60/40;流量:50mL/分 230nm 周囲温度。分析的キラルHPLC:キラルセルIC 250mm×4.6mm 5μm;移動相:ヘキサン/EtOH=70/30;流量:1.0mL/分 230nm 周囲温度;保持時間:7.632分。P1:99.7%e.e.[α]
254D=−64.6(c=0.01、MeOH)。LC-MS、C
12H
10FN
2O
2+H
+
[M+H]
+: 計算値215.1; 実測値: 215.1.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.29 (s, 1H), 11.02 (s, 1H), 7.42 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.39
(d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.12-7.07 (m, 1H), 7.02 - 6.97
(m, 1H), 4.33 (dd, J = 9.5, 5.3 Hz, 1H), 3.18 (dd, J = 18.0, 9.5 Hz, 1H), 2.76
(dd, J = 18.0, 5.3 Hz, 1H).
【0202】
化合物4a:(+)−(S)−3−(1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0203】
【化35】
化合物4aについて記述されているキラル分離から第二の溶離鏡像異性体として単離した。キラルHPLC保持時間:9.028分。99.6%e.e.[α]
254D=64.5(c=0.01、MeOH)。
【0204】
化合物5:3−(5−クロロ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0205】
【化36】
化合物1について概説した通りの一般的方法に準拠し、5−クロロ−1H−インドール(2.00g、13.2mmol)およびマレイミド(3.84g、39.6mmol)から出発して、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=3/1)による精製後に、160mg(4.9%)の表題化合物が黄色固体として得られた。LC-MS、C
12H
9ClN
2O
2-H
-
[M-H]
-: 計算値247.0; 実測値: 247.0.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.30 (br s, 1H), 11.25 (br s, 1H), 7.49 (d, J = 2.0 Hz,
1H), 7.42 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.10 (dd, J = 8.6, 2.0
Hz, 1H), 4.36 (dd, J = 9.5, 5.5 Hz, 1H), 3.17 (dd, J = 18.0, 9.5 Hz, 1H), 2.80
(dd, J = 18.0, 5.5 Hz, 1H).
【0206】
化合物6:(−)−(R)−3−(5−クロロ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0207】
【化37】
25mgの表題化合物が、120mgの化合物5のキラル分取HPLC分離によって得られた。分取キラルHPLC:Chiralpak(登録商標)IC 250mm×20mm 5μm;移動相:ヘキサン/EtOH=70/30;流量:15mL/分 214nm 周囲温度。分析的キラルHPLC:Chiralpak(登録商標)IC 250mm×4.6mm 5μm;移動相:ヘキサン/EtOH=70/30;流量:1.0mL/分 230nm 周囲温度;保持時間:6.073分。P1:99.5%e.e.[α]
254D=−69.0(c=0.0042、MeOH)。LC-MS、C
12H
9ClN
2O
2+H
+
[M+H]
+: 計算値249.0; 実測値: 249.1.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.29 (br s, 1H), 11.25 (br s, 1H), 7.49 (d, J = 2.0 Hz,
1H), 7.42 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.10 (dd, J = 8.6, 2.0
Hz, 1H), 4.36 (dd, J = 9.5, 5.5 Hz, 1H), 3.17 (dd, J = 18.0, 9.5 Hz, 1H), 2.80
(dd, J = 18.0, 5.5 Hz, 1H).
【0208】
化合物6a:(+)−(S)−3−(5−クロロ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0209】
【化38】
化合物6aについて記述されているキラル分離から第二の溶離鏡像異性体として単離した。キラルHPLC保持時間:6.868分。P1:99.6%e.e.[α]
254D=67.4(c=0.0038、MeOH)。
【0210】
化合物7:3−(6−クロロ−5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0211】
【化39】
化合物1について概説した通りの一般的方法に準拠し、6−クロロ−5−フルオロ−1H−インドール(300mg、1.77mmol)およびマレイミド(513mg、5.28mmol)から出発して、分取HPLCによる精製後に、110mg(23%)の表題化合物が黄色固体として得られた。LC-MS、C
12H
8ClFN
2O
2-H
-
[M-H]
-: 計算値265.1; 実測値: 265.0.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.30 (br s, 1H), 11.27 (br s, 1H), 7.54 (d, J = 6.4 Hz,
1H), 7.47 (s, 1H), 7.46 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 4.35 (dd, J = 9.4, 5.8 Hz, 1H),
3.16 (dd, J = 18.0, 9.4 Hz, 1H), 2.81 (dd, J = 18.0, 5.8 Hz, 1H).
【0212】
化合物8:(R)−3−(6−クロロ−5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0213】
【化40】
25mgの表題化合物が、70mgの化合物7のキラル分取HPLC分離によって得られた。分取キラルHPLC:Chiralpak(登録商標)AS−H 250mm×20mm 5μm;移動相:CO
2/IPA=60/40;流量:50mL/分 220nm 周囲温度。分析的キラルHPLC:Chiralpak(登録商標)IA 250mm×4.6mm 5μm;移動相:CO
2/IPA/DEA=70/30/0.2;流量:1.0mL/分 230nm 周囲温度;保持時間:3.72分。P1:99.5%超e.e.LC-MS、C
12H
8ClFN
2O
2-H
-
[M-H]
-: 計算値265.1; 実測値: 265.1.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.30 (br s, 1H), 11.27 (br s, 1H), 7.54 (d, J = 6.4 Hz,
1H), 7.47 (s, 1H), 7.46 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 4.35 (dd, J = 9.4, 5.8 Hz, 1H),
3.16 (dd, J = 18.0, 9.4 Hz, 1H), 2.81 (dd, J = 18.0, 5.8 Hz, 1H).
【0214】
化合物8a:(S)−3−(6−クロロ−5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0215】
【化41】
化合物8aについて記述されているキラル分離から第二の溶離鏡像異性体として単離した。キラルHPLC保持時間:5.48分。99.6%e.e.
【0216】
化合物9:3−(6−ブロモ−5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0217】
【化42】
化合物1について概説した通りの一般的方法に準拠し、6−ブロモ−5−フルオロ−1H−インドール(213mg、1.00mmol)およびマレイミド(388mg、4.00mmol)から出発して、分取HPLCによる精製後に、70mg(23%)の表題化合物が黄色固体として得られた。LC-MS、C
12H
8BrFN
2O
2-H
-
[M-H]
-: 計算値309.0; 実測値: 308.9.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.31 (s, 1H), 11.27 (s, 1H), 7.66 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.48
(d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 4.36 (dd, J = 9.2, 5.6 Hz, 1H),
3.17 (dd, J = 18.0, 9.2 Hz, 1H), 2.82 (dd, J = 18.0, 5.6 Hz, 1H).
【0218】
化合物10:(R)−3−(6−ブロモ−5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0219】
【化43】
22mgの表題化合物が、60mgの化合物9のキラル分取HPLC分離によって得られた。分取キラルHPLC:Chiralpak(登録商標)AD−H 250mm×20mm 5μm;移動相:CO
2/MeOH=60/40;流量:50mL/分 214nm 周囲温度。分析的キラルHPLC:Chiralpak(登録商標)ID 250mm×4.6mm 5μm;移動相:CO
2/MeOH=60/40;流量:3.0mL/分 230nm 周囲温度;保持時間:2.14分。P1:99.5%超e.e.LC-MS、C
12H
8BrFN
2O
2-H
-
[M-H]
-: 計算値309.0; 実測値: 308.8.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.31 (s, 1H), 11.27 (s, 1H), 7.66 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.48
(d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 4.36 (dd, J = 9.2, 5.6 Hz, 1H),
3.17 (dd, J = 18.0, 9.2 Hz, 1H), 2.82 (dd, J = 18.0, 5.6 Hz, 1H).
【0220】
化合物10a:(S)−3−(6−ブロモ−5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0221】
【化44】
化合物10aについて記述されているキラル分離から第二の溶離鏡像異性体として単離した。キラルHPLC保持時間:4.20分。98.9%e.e.
【0222】
化合物11:3−(5−ブロモ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0223】
【化45】
化合物1について概説した通りの一般的方法に準拠し、5−ブロモ−1H−インドール(500mg、2.56mmol)およびマレイミド(666mg、6.86mmol)から出発して、分取HPLCによる精製後に、160mg(21%)の表題化合物が黄色固体として得られた。LC-MS、C
12H
9BrN
2O
2+H
+
[M+H]
+: 計算値293.0; 実測値: 293.0.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.29 (s, 1H), 11.26 (s, 1H), 7.64 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.40
(d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.21 (dd, J = 8.6, 1.8 Hz, 1H),
4.36 (dd, J = 9.5, 5.5 Hz, 1H), 3.17 (dd, J = 18.0, 9.5 Hz, 1H), 2.80 (dd, J =
18.0, 5.5 Hz, 1H).
【0224】
化合物12:3−(5−メチル−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0225】
【化46】
化合物1について概説した通りの一般的方法に準拠し、5−メチル−1H−インドール(300mg、2.29mmol)およびマレイミド(670mg、6.87mmol)から出発して、MeOH中での再結晶後に、200mg(38%)の表題化合物が黄色固体として得られた。LC-MS、C
13H
12N
2O
2+H
+
[M+H]
+: 計算値229.1; 実測値: 229.1.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.27 (s, 1H), 10.88 (s, 1H), 7.26 (dd, J = 8.3, 2.0 Hz),
7.25 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.19 (s, 1H), 6.92 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 4.29 (dd, J =
9.5, 5.3 Hz, 1H), 3.16 (dd, J = 18.0, 9.5 Hz, 1H), 2.74 (dd, J = 18.0, 5.3 Hz,
1H), 2.36 (s, 3H).
【0226】
化合物13:3−(5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0227】
【化47】
化合物1について概説した通りの一般的方法に準拠し、5−メトキシ−1H−インドール(200mg、1.36mmol)およびマレイミド(407mg、4.19mmol)から出発して、分取HPLCによる精製後に、170mg(51%)の表題化合物が黄色固体として得られた。LC-MS、C
13H
12N
2O
3+H
+
[M+H]
+: 計算値245.1; 実測値: 245.1.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.25 (brs, 1H), 10.86 (s, 1H), 7.27 (d, J = 2.2 Hz 1H),
7.26 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.76 (dd, J = 8.6, 2.2 Hz,
1H), 4.30 (dd, J = 9.6, 5.3 Hz, 1H), 3.74 (s, 3H), 3.18 (dd, J = 17.9, 9.6 Hz,
1H), 2.75 (dd, J = 17.9, 5.3 Hz, 1H).
【0228】
化合物14:3−(2,5−ジオキソピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
【0229】
【化48】
NMP(3mL)中の3−(5−ブロモ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン(化合物11、500mg、1.71mmol)およびCuCN(231mg、2.58mmol)の混合物を、マイクロ波反応器内、200℃で1.5時間にわたって攪拌した。反応混合物を分取HPLCによって精製すると、110mg(27%)の表題化合物が緑色固体として生じた。LC-MS、C
13H
9N
3O
2+H
+
[M+H]
+: 計算値240.1; 実測値: 240.1.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.63 (brs, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.57 (d, J = 1.8 Hz, 1H),
7.54 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.45 (dd, J = 8.6, 1.8 Hz, 1H), 4.44 (dd, J = 9.5,
5.8 Hz, 1H), 3.18 (dd, J = 17.8, 9.5 Hz, 1H), 2.87 (dd, J = 17.8, 5.8 Hz, 1H).
【0230】
化合物15:3−(5,6−ジフルオロ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0231】
【化49】
化合物1について概説した通りの一般的方法に準拠し、5,6−ジフルオロ−1H−インドール(200mg、1.31mmol)およびマレイミド(380mg、3.91mmol)から出発して、分取HPLCによる精製後に、15mg(5%)の表題化合物が黄色固体として得られた。LC-MS、C
12H
8F
2N
2O
2+H
+
[M+H]
+: 計算値251.1; 実測値: 251.0.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.27 (brs, 1H), 11.21 (brs, 1H), 7.45 (dd, J = 11.5, 8.0
Hz, 1H), 7.41 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.37 (dd, J = 11.2, 7.0 Hz, 1H), 7.48-7.34
(m, 3H), 4.34 (dd, J = 9.3, 5.6 Hz, 1H), 3.16 (dd, J = 18.0, 9.3 Hz, 1H), 2.80
(dd, J = 18.0, 5.6 Hz, 1H).
【0232】
化合物16:3−(5−フルオロ−6−メチル−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0233】
【化50】
化合物1について概説した通りの一般的方法に準拠し、5−フルオロ−6−メチル−1H−インドール(1.00g、6.70mmol)およびマレイミド(2.10g、21.6mmol)から出発して、分取HPLCによる精製後に、4.2mg(0.2%)の表題化合物が黄色固体として得られた。LC-MS、C
13H
11FN
2O
2+H
+
[M+H]
+: 計算値247.1; 実測値: 247.1.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.28 (s, 1H), 10.99 (s, 1H), 7.31 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.22
(d, J = 6.4 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 4.29 (dd, J = 9.4, 5.4 Hz, 1H),
3.16 (dd, J = 18.0, 9.4 Hz, 1H), 2.76 (dd, J = 18.0, 5.4 Hz, 1H), 2.30 (d, , J
= 1.6 Hz, 3H).
【0234】
化合物17:3−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0235】
【化51】
化合物1について概説した通りの一般的方法に準拠し、6−フルオロ−1H−インドール(4.00g、29.6mmol)およびマレイミド(8.80g、90.7mmol)から出発して、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=3/1〜2/3)による精製後に、3.0g(44%)の表題化合物が橙色固体として得られた。LC-MS、C
12H
9FN
2O
2-H
-
[M-H]
-: 計算値231.1; 実測値: 231.1.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.10 (s, 1H), 7.43 (dd, J = 8.7, 5.4 Hz, 1H), 7.33 (d, J =
2.0 Hz, 1H), 7.14 (dd, J = 10.1, 2.3 Hz, 1H), 6.87 (td, J = 9.8, 8.7, 2.3 Hz,
1H), 4.34 (dd, J = 9.5, 5.4 Hz, 1H), 3.17 (dd, J = 18.0, 9.5 Hz, 1H), 2.77 (dd,
J = 18.0, 5.4 Hz, 1H).
【0236】
化合物18:3−(6−クロロ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0237】
【化52】
化合物1について概説した通りの一般的方法に準拠し、6−クロロ−1H−インドール(0.50g、3.3mmol)およびマレイミド(0.96g、9.9mmol)から出発して、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=5/1)による精製後に、100mg(12%)の表題化合物が黄色固体として得られた。LC-MS、C
12H
9ClN
2O
2-H
-
[M-H]
-: 計算値247.0; 実測値: 247.0.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.27 (brs, 1H), 11.17 (s, 1H), 7.45 (d, J = 8.4 Hz, 1H),
7.41 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.03 (dd, J = 8.4, 1.8 Hz,
1H), 4.34 (dd, J = 9.5, 5.5 Hz, 1H), 3.17 (dd, J = 18.0, 9.5 Hz, 1H), 2.77 (dd,
J = 18.0, 5.5 Hz, 1H).
【0238】
化合物19:3−(6−ブロモ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0239】
【化53】
化合物1について概説した通りの一般的方法に準拠し、6−ブロモ−1H−インドール(2.00g、10.2mmol)およびマレイミド(2.96g、30.5mmol)から出発して、分取HPLCによる精製後に、1.5g(50%)の表題化合物が黄色固体として得られた。LC-MS、C
12H
9BrN
2O
2+H
+
[M+H]
+: 計算値293.0; 実測値: 293.0.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.30 (brs, 1H), 11.18 (s, 1H), 7.56 (d, J = 1.6 Hz, 1H),
7.41 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.14 (dd, J = 8.5, 1.7 Hz,
1H), 4.34 (dd, J = 9.5, 5.4 Hz, 1H), 3.17 (dd, J = 18.0, 9.5 Hz, 1H), 2.77 (dd,
J = 18.0, 5.4 Hz, 1H).
【0240】
化合物20:3−(6−メチル−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0241】
【化54】
化合物1について概説した通りの一般的方法に準拠し、6−メチル−1H−インドール(0.20g、1.52mmol)およびマレイミド(0.44g、4.53mmol)から出発して、分取HPLCによる精製後に、0.22g(63%)の表題化合物が黄色固体として得られた。LC-MS、C
13H
12N
2O
2-H
-
[M-H]
-: 計算値227.1; 実測値: 227.1.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 10.85 (brs, 2H), 11.18 (s, 1H), 7.28 (d, J = 8.0 Hz, 1H),
7.20 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.83 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.28 (dd, J =
9.5, 5.3 Hz, 1H), 3.17 (dd, J = 18.0, 9.5 Hz, 1H), 2.73 (dd, J = 18.0, 5.3 Hz,
1H), 2.38 (s, 3H).
【0242】
化合物21:3−(6−メトキシ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0243】
【化55】
化合物1について概説した通りの一般的方法に準拠し、6−メトキシ−1H−インドール(0.20g、1.36mmol)およびマレイミド(0.40g、4.12mmol)から出発して、分取HPLCによる精製後に、80mg(24%)の表題化合物が黄色固体として得られた。LC-MS、C
13H
12N
2O
3-H
-
[M-H]
-: 計算値243.1; 実測値: 243.1.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.26 (s, 1H), 10.81 (s, 1H), 7.29 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.16
(d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.66 (dd, J = 8.7, 2.2 Hz, 1H),
4.27 (dd, J = 9.5, 5.2 Hz, 1H), 3.75 (s, 3H), 3.16 (dd, J = 18.0, 9.5 Hz, 1H),
2.73 (dd, J = 18.0, 5.2 Hz, 1H).
【0244】
化合物22:3−(2,5−ジオキソピロリジン−3−イル)−1H−インドール−6−カルボニトリル
【0245】
【化56】
化合物14について概説した通りの一般的方法に準拠し、3−(6−ブロモ−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン(化合物19、0.20g、0.68mmol)およびCuCN(90mg、1.00mmol)から出発して、分取HPLCによる精製後に、14mg(8.6%)の表題化合物が黄色固体として得られた。LC-MS、C
13H
9N
3O
2+H
+
[M+H]
+: 計算値240.1; 実測値: 240.1.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.63 (brs, 1H), 11.32 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.68 - 7.62
(m, 2H), 7.35 (dd, J = 9.5, 5.6 Hz, 1H), 4.42 (dd, J = 17.8, 9.5 Hz, 1H), 3.18
(dd, J = 18.0, 9.9 Hz, 1H), 2.82 (dd, J = 17.8, 5.6 Hz, 1H).
【0246】
化合物23:3−(ナフタレン−1−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0247】
【化57】
1,4−ジオキサン(9mL)および水(1.4mL)中のナフタレン−1−イルボロン酸(0.27g、1.57mmol)の溶液に、Et
3N(0.10g、0.99mmol)、[RhOH(cod)]
2(23mg、0.05mmol)およびマレイミド(100mg、1.03mmol)を添加した。暗褐色混合物を50℃で2.5時間にわたって加熱し、室温に冷却し、真空で濃縮した。残留物をH
2O(10mL)で希釈し、DCM(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、分取HPLCによって精製すると、136mg(59%)の表題化合物が白色固体として生じた。LC-MS、C
14H
11NO
2-H
-
[M-H]
-: 計算値224.1; 実測値: 224.1.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 11.50 (s, 1H), 8.02-7.95 (m, 2H), 7.89 (d, J = 9.1 Hz, 1H),
7.63 - 7.53 (m, 2H), 7.53 - 7.46 (m, 1H), 7.41 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 4.96 (dd, J
= 9.6, 5.7 Hz, 1H), 3.32 (dd, J = 18.0, 9.6 Hz, 1H), 2.71 (dd, J = 18.0, 5.7
Hz, 1H).
【0248】
化合物24:3−(6−フルオロナフタレン−1−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0249】
【化58】
ステップ1:6−フルオロナフタレン−1−ジアゾニウムテトラフルオロボレート
【0250】
【化59】
0℃のH
2O(2mL)中の6−フルオロナフタレン−1−アミン(500mg、3.10mmol)およびHBF
4(40%、2mL、12.6mmol)の溶液に、H
2O(0.5mL)中のNaNO
2(214mg、3.10mmol)の冷溶液を滴下添加した。反応物を室温で1時間にわたって攪拌した。沈殿物を濾過によって収集し、EtOH(5mL)、Et
2O(5mL)で洗浄し、真空下で乾燥させると、0.40g(50%)の表題化合物が淡色固体として生じ、これを、さらに精製することなく次のステップにおいて直接使用した。
【0251】
ステップ2:2−(6−フルオロナフタレン−1−イル)コハク酸
【0252】
【化60】
マレイン酸無水物(150mg、1.54mmol)を、NaOH水溶液(4M、0.70mL、2.8mmol)に添加した。得られた溶液を、0〜5℃でTiCl
3水溶液(15%、3.2g、3.11mmol)に、続いて、アセトン(2mL)を添加した。冷却浴を除去し、6−フルオロナフタレン−1−ジアゾニウムテトラフルオロボレート(ステップ1:400mg、1.54mmol)を0.7時間かけてゆっくりと添加した。懸濁液を室温で1.5時間にわたって攪拌し、濃縮してアセトンを除去し、Et
2O(10mL×3)で抽出した。水性層をHCl(1M)でpH約1に酸性化し、EtOAc(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、190mg(47%)の表題化合物が褐色固体として生じ、これを、さらに精製することなく次のステップにおいて直接使用した。C
14H
11FO
4+NH
4+のLC-MS [M+ NH
4]
+: 計算値280.1;
実測値: 280.0.
【0253】
ステップ3:
2−(6−フルオロナフタレン−1−イル)コハク酸(190mg、0.72mmol)および尿素(170mg、2.83mmol)の混合物を、180℃で1時間にわたって攪拌した。反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=1/1)によって精製して黄色固体を得て、これを分取HPLCによってさらに精製すると、63mg(36%)の表題化合物が白色固体として生じた。LC-MS、C
14H
10FNO
2+H
+
[M+H]
+: 計算値244.1; 実測値:243.9.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ [ppm]: 8.08 (dd, J = 9.3, 5.6 Hz, 1H), 7.87 (d, J = 8.2 Hz, 1H),
7.76 (dd, J = 10.2, 2.7 Hz, 1H), 7.56 - 7.46 (m, 2H), 7.38 (d, J = 6.6 Hz, 1H),
4.95 (dd, J = 9.4, 5.6 Hz, 1H), 3.30 (dd, J = 18.0, 9.4 Hz, 1H), 2.71 (dd, J =
18.0, 5.6 Hz, 1H).
【0254】
化合物25:3−(7−フルオロナフタレン−1−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0255】
【化61】
ステップ1:7−フルオロナフタレン−1−ジアゾニウムテトラフルオロボレート
【0256】
【化62】
化合物24ステップ1について概説した通りの一般的方法に準拠し、H
2O(4mL)中の7−フルオロナフタレン−1−アミン(300mg、1.86mmol)、HBF
4(40%、1.5mL、9.4mmol)、H
2O(5mL)、NaNO
2(260mg、3.77mmol)から出発して、300mg(62%)の表題化合物が淡色固体として得られ、これを、さらに精製することなく次のステップにおいて直接使用した。C
10H
6FN
2+のLC-MS [M]
+: 計算値173.1; 実測値: 173.0.
【0257】
ステップ2:2−(7−フルオロナフタレン−1−イル)コハク酸
【0258】
【化63】
化合物24ステップ2について概説した通りの一般的方法に準拠し、マレイン酸無水物(110mg、1.12mmol)、NaOH水溶液(4M、0.7mL、2.8mmol)、TiCl
3水溶液(15%、2.36g、2.32mmol)、アセトン(2mL)および7−フルオロナフタレン−1−ジアゾニウムテトラフルオロボレート(ステップ1:300mg、1.15mmol)から出発して、200mg(66%)の表題化合物が褐色固体として得られ、これを、さらに精製することなく次のステップにおいて直接使用した。
【0259】
ステップ3:
化合物24ステップ3について概説した通りの一般的方法に準拠し、2−(7−フルオロナフタレン−1−イル)コハク酸(ステップ2、200mg、0.76mmol)および尿素(180mg、3.00mmol)から出発して、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=1/1)および分取HPLCによる精製後に、3.3mg(1.8%)の表題化合物が白色固体として得られた。LC-MS、C
14H
10FNO
2-H
-
[M-H]
-: 計算値242.1; 実測値: 242.0.
1H NMR (300 MHz, MeOH-d
4) δ [ppm]: 7.99 (dd, J = 9.0, 5.9 Hz, 1H), 7.88 (dd, J = 6.8, 2.0 Hz,
1H), 7.70 (d, J = 11.1, 2.0 Hz, 2H), 7.50-7.42 (m, 1H), 7.41 - 7.32 (m, 1H),
4.88 (dd, J = 9.5, 5.1 Hz, 1H), 3.43 (dd, J = 18.2, 9.5 Hz, 1H), 2.72 (dd, J =
18.2, 5.1 Hz, 1H).
【0260】
化合物26:3−(6−クロロナフタレン−1−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0261】
【化64】
ステップ1:6−クロロナフタレン−1−ジアゾニウムテトラフルオロボレート
【0262】
【化65】
化合物24ステップ1について概説した通りの一般的方法に準拠し、H
2O(1mL)中の6−クロロナフタレン−1−アミン(1.00g、5.63mmol)、HBF
4(40%、4mL、25.2mmol)、H
2O(4mL)およびNaNO
2(390mg、5.65mmol)から出発して、1.50g(96%)の表題化合物が紫色固体として得られ、これを、さらに精製することなく次のステップにおいて直接使用した。C
10H
6ClN
2+のLC-MS [M]
+: 計算値189.0; 実測値: 188.9.
【0263】
ステップ2:2−(6−クロロナフタレン−1−イル)コハク酸
【0264】
【化66】
化合物24ステップ2について概説した通りの一般的方法に準拠し、マレイン酸無水物(216mg、2.20mmol)、NaOH水溶液(4M、6.0mL、24mmol)、TiCl
3水溶液(15%、4.5g、4.4mmol)、アセトン(2mL)および6−クロロナフタレン−1−ジアゾニウムテトラフルオロボレート(ステップ1:600mg、2.17mmol)から出発して、600mg(99%)の表題化合物が黒色固体として得られ、これを、さらに精製することなく次のステップにおいて直接使用した。
【0265】
ステップ3:
化合物24ステップ3について概説した通りの一般的方法に準拠し、2−(6−クロロナフタレン−1−イル)コハク酸(ステップ2、600mg、2.15mmol)および尿素(600mg、9.99mmol)から出発して、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=2/1)および分取HPLCによる精製後に、10mg(2%)の表題化合物が黄色固体として得られた。LC-MS、C
14H
10ClNO
2-H
-
[M-H]
-: 計算値258.0; 実測値: 257.9.
1H NMR (400 MHz, MeOH-d
4) δ [ppm]: 8.02 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.81 (d,
J = 8.3 Hz, 1H), 7.57 - 7.49 (m, 2H), 7.42 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 4.96 (dd, J =
9.8, 5.3 Hz, 1H), 3.44 (dd, J = 18.3, 9.8 Hz, 1H), 2.77 (dd, J = 18.2, 5.3 Hz,
1H).
【0266】
化合物27:3−(7−クロロナフタレン−1−イル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0267】
【化67】
ステップ1:7−クロロナフタレン−1−ジアゾニウムテトラフルオロボレート
【0268】
【化68】
化合物24ステップ1について概説した通りの一般的方法に準拠し、H
2O(4mL)中の7−クロロナフタレン−1−アミン(0.45g、2.53mmol)、HBF
4(40%、2.5mL、15.7mmol)、H
2O(2mL)およびNaNO
2(190mg、2.75mmol)から出発して、400mg(57%)の表題化合物が淡色固体として得られ、これを、さらに精製することなく次のステップにおいて直接使用した。C
10H
6ClN
2+のLC-MS [M]
+: 計算値189.0; 実測値: 188.9.
【0269】
ステップ2:2−(7−クロロナフタレン−1−イル)コハク酸
【0270】
【化69】
化合物24ステップ2について概説した通りの一般的方法に準拠し、マレイン酸無水物(213mg、2.17mmol)、NaOH水溶液(4M、0.7mL、2.8mmol)、TiCl
3水溶液(15%、4.46g、4.3mmol)、アセトン(2mL)および7−クロロナフタレン−1−ジアゾニウムテトラフルオロボレート(ステップ1:600mg、2.17mmol)から出発して、500mg(83%)の表題化合物が褐色固体として得られ、これを、さらに精製することなく次のステップにおいて直接使用した。
【0271】
ステップ3:
化合物24ステップ3について概説した通りの一般的方法に準拠し、2−(7−クロロナフタレン−1−イル)コハク酸(ステップ2、500mg、1.79mmol)および尿素(430mg、7.16mmol)から出発して、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=1/1)および分取HPLCによる精製後に、2.5mg(0.5%)の表題化合物が白色固体として得られた。LC-MS、C
14H
10ClNO
2+H
+
[M+H]
+: 計算値260.0; 実測値: 260.0.
1H NMR (300 MHz, MeOH-d
4) δ [ppm]: 8.08 (s, 1H), 7.95 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 8.4 Hz,
1H), 7.59 - 7.53 (m, 3H), 4.94 (dd, J = 9.6, 5.4 Hz, 1H), 3.44 (dd, J = 18.3,
9.6 Hz, 1H), 2.75(dd, J = 18.3, 5.4 Hz, 1H).
【0272】
II.生物学実施例
II.1.IDO1酵素活性決定のためのアッセイ
本発明の化合物は、ヒトIDO1の酵素活性を阻害する。
【0273】
ヒトIDO1の酵素活性を測定するために、反応混合物は、(最終濃度)リン酸カリウム緩衝液(50mM、pH6.5)、アスコルビン酸(10mM)、メチレンブルー(5μM)およびヒト組換えIDO1酵素(Rohrigら、J Med Chem、2012、55、5270〜5290において記述されている通りに調製したもの;最終濃度5μg/mL)を、指示された濃度の本発明の化合物を加えずにまたは加えて含有していた(総体積112.5μL)。室温での37.5μLのL−Trp(最終濃度100μM)の添加によって、反応を開始させた。反応を、室温で15分間行い、30μLの30%(w/v)トリクロロ酢酸の添加によって停止させた。
【0274】
N−ホルミルキヌレニンをキヌレニンに変換するために、反応混合物を65℃で30分間にわたってインキュベートした。次いで、120μLの酢酸中2.5%(w/v)4−(ジメチルアミノ)−ベンズアルデヒドを添加し、混合物を室温で5分間にわたってインキュベートした。キヌレニン濃度は、480nmにおける吸光度を測定することによって決定した。標準曲線を純粋なキヌレニンで作成した。IDO1活性は、10倍連続濃度の本発明の化合物を使用して、上述されている通りに測定した。プリズムソフトウェア(GraphPad Software,Inc.)を使用して、データを当てはめた。
【0275】
代表的化合物の生物活性を、下記の表にまとめる:
【0276】
【表2】
【0277】
一実施形態において、5μM未満のIC50を持つ化合物は、概して、さらなる研究のために選択されることが望ましい。
【0278】
II.2.A IDO活性決定のための細胞アッセイ:hIDO1 P815細胞
本発明の化合物は、hIDO1 P815細胞[(ATCC(登録商標)TIB−64(商標))、American Type Culture Collection(ATCC)、Manassas VAから入手可能なハツカネズミ肥満細胞腫細胞)]におけるヒトIDOの活性を阻害する。
【0279】
アッセイは、hIDO1を過剰発現しているP815細胞(Rohrigら、J Med Chem、2012、55、5270〜5290において記述されている通りに調製したもの)を、200μLの最終体積で、2×10
5細胞/ウェルの濃度で播種した96ウェル平底プレートにおいて実施した。IDO1活性を決定するために、細胞を、異なる濃度の本発明の化合物の存在下、2%FBSおよび2%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したIMDM(Invitrogen)中、37℃、5%CO
2で24時間インキュベートした。
【0280】
次いで、プレートを1000rpmで5分間遠心分離し、100μLの上清を円錐形プレート中に収集し、30uLのTCA30%を添加し、3000×gで10分間にわたってさらに遠心分離(centrifugated)した。100μLの上清を平底プレート中に収集し、100μLの酢酸中2%(w/v)4−(ジメチルアミノ)−ベンズアルデヒドを添加し、室温で5分間にわたってインキュベートした。キヌレニン濃度は、480nmにおける吸光度を測定することによって決定した。標準曲線を純粋なキヌレニンで作成した。IDO1活性は、10の異なる濃度の本発明の化合物を使用して、上述されている通りに測定した。プリズムソフトウェア(GraphPad Software,Inc.)を使用して、データを当てはめた。
【0281】
代表的化合物の生物活性を、下記の表にまとめる:
【0282】
【表3】
【0283】
一実施形態において、5μM未満のIC50を持つ化合物は、概して、さらなる研究のために選択されることが望ましい。
【0284】
II.2.B IDO1活性決定のための細胞アッセイ:HeLa細胞
本発明の化合物は、HeLa細胞[ヒト腺癌細胞、(登録商標)CCL−2(商標)]におけるヒトIDO1の活性を阻害する。
【0285】
アッセイは、IFN□で刺激してヒト子宮頸がんHeLa細胞株を播種した96ウェル平底プレートにおいて実施した。
【0286】
接着させるために、HeLa細胞(5×10
3細胞/ウェルの濃度)を、200μLの最終体積で、10%FBS、2%ペニシリン/ストレプトマイシンおよび2mMウルトラグルタミンを補充したEMEM(Lonza)中、37℃、5%CO
2で終夜インキュベートした。
【0287】
IDO1の発現を刺激するために、次いで、細胞を、2%FBS、2%ペニシリン/ストレプトマイシンおよび2mMウルトラグルタミンならびに100ng/mLのIFNγ(R&D)を補充したEMEM(Lonza)中、37℃、5%CO
2で2日間インキュベートした。
【0288】
IDO1活性を決定するために、培地を除去し、次いで、細胞を、異なる濃度の本発明の化合物の存在下、2%FBSおよび2%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したEMEM(Lonza)中、37℃、5%CO
2で1日間インキュベートした。次いで、100μLの上清を円錐形プレート中に収集し、30uLのTCA30%を添加し、3000×gで10分間にわたって遠心分離を行った。100μLの上清を平底プレート中に収集し、100μLの酢酸中2%(w/v)4−(ジメチルアミノ)−ベンズアルデヒドを添加し、室温で5分間にわたってインキュベートした。キヌレニン濃度は、480nmにおける吸光度を測定することによって決定した。標準曲線を純粋なキヌレニンで作成した。プリズムソフトウェア(GraphPad Software,Inc.)を使用して、データを当てはめた。
【0289】
代表的化合物の生物活性を、下記の表にまとめる:
【0290】
【表4】
【0291】
一実施形態において、5μM未満のIC50を持つ化合物は、概して、さらなる研究のために選択されることが望ましい。
【0292】
II.2.C ヒト血液におけるIDO1活性決定のためのアッセイ:全血白血球濃縮物
本発明の化合物は、ヒト全血アッセイ(全血白血球濃縮物)におけるヒトIDO1の活性を阻害する。
【0293】
ヒト全血白血球濃縮物は、全献血からの赤血球および血小板濃縮物の製造において、副産物として得られた(van der Meerら、Vox Sang、1999、76(2)、90〜99において記述されている通り)。
【0294】
アッセイは、リポ多糖(LPS)(12.5μg/mL)および組換えヒトガンマインターフェロン(rhIFNg)(50ng/mL)で刺激した未希釈ヒト全血白血球濃縮物(2%ペニシリン/ストレプトマイシンを加えたもの)を含有する96ウェル平底プレート中、18時間にわたって実施して、トリプトファンのキヌレニンへの変換を誘発した。遠心分離後に血漿を収集し、血漿中キヌレニンレベルをLC−MS/MS(HPLCカラムUnison(商標)UK−フェニル、75×4.6、3μm、流速0.8mL/分、水+0.2%酢酸からメタノール+0.1%ギ酸の4分間グラジエント、保持時間2.7分;AB Sciex製API4000(商標)MS−MSシステム、ESI+モード、親イオン209.2、娘イオン94.1)によって決定した。
【0295】
キヌレニン産生に対するIDO1阻害の効果を決定するために、本発明の化合物を、異なる濃度で共インキュベートした。プリズムソフトウェア(GraphPad Software,Inc.)を使用して、データを当てはめた。
【0296】
代表的化合物の生物活性を、下記の表にまとめる(結果は、数人の異なるドナーからの血液を用いた結果の平均である):
【0297】
【表5】
【0298】
II.2.D IDO1依存性T細胞増殖決定のための細胞アッセイ:SKOV−3 PBMC共培養
本発明の化合物は、SKOV−3 PBMC共培養アッセイにおいてT細胞増殖を修復する。
【0299】
アッセイは、ヒト卵巣腺癌SKOV−3細胞株[SKOV−3;SKOV3](ATCC(登録商標)HTB−77(商標))]を播種した96ウェル平底プレート中で実施し、CD3/CD28ビーズおよびrhIL−2で刺激したヒト末梢血単核細胞(PBMC)と共培養した。
【0300】
接着させるために、放射線照射したSKOV−3細胞(150×10
3細胞/ウェルの濃度)を、150μLの最終体積で、50%FBS、2%ペニシリン/ストレプトマイシンおよび2mMウルトラグルタミンを補充したイスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)(Lonza)中、37℃、5%CO
2で終夜インキュベートした。単離したPBMC(CD3/CD28ビーズおよびrhIL−2(30U/mL)で刺激したもの)を、1:1の比で添加した。24時間の共培養後、
3H−チミジン(1μキュリー/10uL)を添加して、50%血清の存在下、終夜インキュベーション後に、増殖を評価した(トップカウントカウンター、Perkin Elmer)。
【0301】
T細胞増殖の修復に対するIDO1阻害の効果を決定するために、本発明の化合物を異なる濃度で共インキュベートした。
【0302】
化合物2は、このアッセイにおいて0.074μMのEC
50(3個の独立した実験の平均)を示した。
図1は、チミジン取込みに対する漸増濃度の化合物2の効果を示す。
【0303】
II.3.健常なマウスにおける血中キヌレニンレベルのインビボ阻害
本発明の化合物は、健常なマウスの血液中におけるキヌレニンの量を低減させる。
【0304】
簡潔に述べると、マウスを、異なる用量の0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)K4M/0.25%Tween20中の本発明の化合物のうちの1個の懸濁液のいずれかで、またはビヒクル対照(0.5%HPMC K4M/0.25%Tween20)で、強制飼養による経口ルート(投薬体積5mL/kg、1群当たり10匹のマウス)によって処置した。2時間後、血液を採取し、血漿を調製し、存在するキヌレニンの量を、LC−MS−MS(HPLCカラムユニゾンUK−フェニル、75×4.6、3μm、流速0.8mL/分、水+0.2%酢酸からメタノール+0.1%ギ酸の4分間グラジエント、保持時間2.7分;AB Sciex製API4000(商標)MS−MSシステム、ESI+モード、親イオン209.2、娘イオン94.1)によって決定した。
【0305】
化合物1は、100mg/kgで41%(p<0.0001)および200mg/kgで59%(p<0.0001)、循環キヌレニンを阻害した:以下の表を参照されたい。
【0306】
【表6】
【0307】
化合物2は、10mg/kgで39%(p<0.0001)、30mg/kgで55%(p<0.0001)および100mg/kgで68%(p<0.0001)、循環キヌレニンを阻害した:以下の表および
図2を参照されたい。
【0308】
【表7】
【0309】
実施例II.4:4T1乳がん同系モデルにおけるインビボ効能研究
本発明の化合物についてのインビボ効能研究を、乳腺に同所性移植されたBalb/cマウスの4T1同系腫瘍モデルについて実施した。10万個の4T1乳がん細胞(ATCC(登録商標)CRL−2539(商標))]を、7週齢Balb/cマウスの乳腺内に同所性移植した(0日目)。動物を、腫瘍平均が60mm
3に到達したときの腫瘍サイズ(7から11日目の間)に基づき、異なる処置群に無作為化した。本発明の化合物を、無作為化の日から出発して、1日に2回(およそ午前9時および午後5時に)、経口的に投与した。化合物をMethocel(商標)セルロースエーテルビヒクル中に懸濁し、音波破砕した後、強制飼養針を使用して動物に経口投与した。研究の終わりまで、毎日処置を施した。すべての実験動物を、週に2回、体重変化についてモニターした。腫瘍体積をキャリパーデバイスによって週に2回測定し、下記の式:腫瘍体積=0.5×(長さ×幅
2)で算出した。腫瘍体積が2000mmに到達する前に研究を終了させた。TGI(%腫瘍成長阻害)は、
【0310】
【数1】
として決定した。以下の表および
図3Aは、化合物1が4T1腫瘍成長をインビボで阻害することを示す。
【0311】
【表8】
【0312】
実施例II.5:PancO2膵臓がん同系モデルを用いるインビボ効能研究
本発明の化合物のインビボ効能研究を、皮下に移植されたC57/Bl6マウスのPancO2同系腫瘍モデルについて実施した。500万個のPancO2膵臓がん細胞を、7週齢C57/Bl6マウスの皮下に移植した(0日目)。動物を、腫瘍平均が60mm
3に到達したときの腫瘍サイズ(10から12日目の間)に基づき、異なる処置群に無作為化した。本発明の化合物を、無作為化の日から出発して、1日に2回(およそ午前9時および午後5時に)、経口的に投与した。化合物をメトセルビヒクル中に懸濁し、音波破砕した後、強制飼養針を使用して動物に経口投与した。研究の終わりまで、毎日処置を施した。すべての実験動物を、毎週、体重変化についてモニターした。腫瘍体積を、キャリパーデバイスを使用して毎週測定し、下記の式:腫瘍体積=0.5×(長さ×幅
2)で算出した。腫瘍体積が2000mmに到達する前に研究を終了させた。TGI(%腫瘍成長阻害)は、
【0313】
【数2】
として決定した。以下の表および
図4は、化合物1がPancO2腫瘍成長をインビボで阻害することを示す。
【0314】
【表9】
【0315】
同じ条件下で実施した別個の研究において、化合物2(100mg/kg 1日に2回)を研究した。メトセルビヒクルまたは100mg/kgの化合物2を、無作為化の日から出発して、1日に2回(8時間おきに)経口的に投与した。化合物2をメトセルビヒクルに再懸濁し、音波破砕した後、強制飼養針を使用して動物に経口投与した。研究の終わりまで、毎日処置を施した。腫瘍体積を、キャリパーデバイスを使用して毎週測定し、下記の式:腫瘍体積=0.5×(長さ×幅
2)で算出した。腫瘍サイズが400mm
3に到達したら、マウスは死亡したとみなした。以下の表は、化合物2がPancO2腫瘍成長をインビボで阻害することを示す。SEMは、測定の標準誤差を指す。
【0316】
【表10】
【0317】
実施例II.6:4T1腫瘍組織におけるトリプトファン分解の阻害についてのインビボ効能研究
本発明の化合物は、マウス腫瘍、例えば、乳腺に同所性移植されたBalb/cマウスの4T1同系腫瘍内のキヌレニン濃度を低下させることができる。10万個の4T1乳がん細胞を、7週齢Balb/cマウスの乳腺内に同所性移植した(0日目)。動物を、腫瘍平均が60mm
3に到達したときの腫瘍サイズ(6日目)に基づき、異なる処置群に無作為化した(n=10/群)。動物を、6から26日目まで、腫瘍が1500から2000mm
3の間に含まれるサイズに到達するまで、メトセルビヒクルで処置した。化合物1をメトセルビヒクル中に懸濁し、音波破砕した後、強制飼養針を使用して動物に経口投与した。メトセルビヒクルまたは200mg/kgの化合物1を、26日目および27日目に、1日に2回(およそ午前9時および午後5時に)、経口的に投与した。翌朝、処置を施し、化合物1投与の4時間後にマウスを屠殺した。腫瘍を除去し、秤量し、ドライアイスで凍結させた。腫瘍を、LC/MS−MSにより、キヌレニン濃度について分析した。化合物1は、キヌレニン濃度を47%(p<0.0001)低減させた:以下の表および
図5を参照されたい。
【0318】
【表11】
【0319】
実施例II.7:CT26腫瘍組織におけるトリプトファン分解の阻害についてのインビボ効能研究
A. 本発明の化合物は、マウス腫瘍内のキヌレニン濃度を低下させることができる
本研究では、CT26同系腫瘍をBalb−cマウスの皮下に移植した。より詳細には、50万(500,000)個のCT26結腸癌のがん細胞[CT26.WT、ATCC(登録商標)CRL−2628(商標)から入手可能]を、7週齢Balb/cマウスの皮下に移植した(0日目)。動物を、腫瘍平均が150mm
3に到達したときの腫瘍サイズ(11日目)に基づき、異なる処置群に無作為化した(n=10/群)。化合物1をMethocel(商標)(メチルセルロース)ビヒクル中に懸濁し、音波破砕した後、強制飼養針を使用して動物に経口投与した。腫瘍が1500から2000mm
3の間に含まれるサイズに到達したら、メトセルビヒクルまたは化合物1を、1日に2回(およそ午前9時および午後5時に)、200mg/kgで2日間にわたってマウスに経口的に投与した。翌朝、処置を施し、化合物1投与の2時間後にマウスを屠殺した。腫瘍を除去し、秤量し、ドライアイスで凍結させた。腫瘍を、LC/MS−MSにより、キヌレニン濃度について分析した。
【0320】
化合物1は、キヌレニン濃度を59%(p<0.0001)低減させた:以下の表および
図6を参照されたい。
【0321】
【表12】
【0322】
B. 化合物1は腫瘍成長をインビボで阻害する
別個の研究では、IDO−1阻害の抗腫瘍効能を、広範な異なる治療レジメンを持つ結腸同系マウス腫瘍モデルCT26において試験した。0日目にリン酸緩衝溶液(PBS)中の1×10
6細胞を8週齢Balb/c雌の脇腹の皮下に移植した(各群において10)ことを除き、モデルは本質的に上述されている通りであった。マウスを、処置を開始した9日目の腫瘍サイズに基づき、処置群(100mg/kg 1日に2回、200mg/kg 1日に2回または600mg/kg 1日に2回)に無作為化した。結果を下記の表および
図7に示す。
【0323】
【表13】
【0324】
600mg/kg 1日に2回の最高用量において、有意な腫瘍成長阻害(TGI)は最大51%。100および200mg/kg 1日に2回のより低用量において、腫瘍測定の群平均に基づくTGIは、わずかに低く、故に、用量比例性を示唆している。
【0325】
本明細書、および2014年5月15日に出願された米国仮特許出願第61/996,976号を含む優先出願において引用されているすべての刊行物は、参照により本明細書に組み込まれる。特定の実施形態を参照して本発明について記述してきたが、本発明の趣旨から逸脱することなく、変更が為され得ることが分かるであろう。そのような変更は、添付の請求項の範囲内であるように意図されている。