【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年8月19日掲載,SNS公式サイト(https://www.facebook.com/kobayashiseimitu) 平成28年12月28日掲載,公式ホームページ(http://www.kobasei.com/project/aoritetujin.php)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、作業者は、例えば荷台に積んだ荷物をラッシングベルト等で縛って固定する際に、立てた状態のあおり板の上端面に乗って作業を行う場合がある。
【0006】
しかし、立てた状態のあおり板の上端面は幅が狭く、作業性が非常に悪い。また、立てた状態のあおり板の上端面は、作業者に対して高い位置にあるため、そこに上り下りするのは簡単ではなく、作業性が非常に悪い。
【0007】
特許文献1に記載された荷台用ステップを立てた状態のあおり板に取り付けたとしても、荷台用ステップは作業者に対して高い位置にあるため、そこに上り下りするのは簡単ではない。また、ラッシングベルトを固定する位置に荷台用ステップがある場合、荷台用ステップが邪魔となるため、一旦取り外す必要があり、作業性が悪い。
【0008】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、より作業性を向上した荷台用足場を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本願発明の
一態様に係る荷台用足場は、第1の踏板と、前記第1の踏板の背面に設けられ、前記第1の踏板を車両の荷台の側板に係止するための係止部と、前記第1の踏板の下側の左右に設けられた一対の支持部と、前記一対の支持部
に対して直接または連結部を介して軸支された第2の踏板と、を備え、前記第2の踏板は、その先端が前記
一対の支持部の間に収納される第一の姿勢、及びその先端が前記
一対の支持部よりも前方に延在する第二の姿勢を選択可能
に軸支されて
おり、前記第1の踏板は、左右に長い長方形状に形成されており、背面側には切り欠きが形成されているものである。
また、本願発明の他の態様に係る荷台用足場は、第1の踏板と、前記第1の踏板の背面に設けられ、前記第1の踏板を車両の荷台の側板に係止するための係止部と、前記第1の踏板の下側の左右に設けられた一対の支持部と、前記一対の支持部に対して直接または連結部を介して軸支された第2の踏板と、を備え、前記第2の踏板は、その先端が前記一対の支持部の間に収納される第一の姿勢、及びその先端が前記一対の支持部よりも前方に延在する第二の姿勢を選択可能に軸支されており、前記一対の支持部は、側面視した場合に、上方から下方に架けて幅が小さくなるように形成されているものである。
【0010】
前記荷台用足場は、
一対の前記連結部を備え、前記一対の連結部は、一端が前記一対の支持部に軸支され、他端が前記第2の踏板の左右端を軸支する
ようにすることができる。
【0011】
前記第2の踏板は、その後方両端が前記一対の連結部に軸支されており、その後方両端を軸回転させることでその先端を前記一対の連結部の間に収納可能であり、前記第2の踏板を収納した前記一対の連結部は、その一端を軸回転させることでその他端を前記
一対の支持
部の間に収納可能であるようにすることができる。
【0012】
前記一対の連結部には、背面側に緩衝部材が設けられているようにすることができる。
【0013】
前記第2の踏板は、軸支される軸の後方に係止部材を備え、当該係止部材は前記一対の連結部に係止されることで、略水平に固定されるようにすることができる。
【0015】
前
記第一の姿勢において、側面視した場合に
、前記第2の踏板及び前記連結部が、前記支持部に隠れるようにすることができる。
【0016】
前記支持部は、前記第2の踏板を収納した
前記一対の連結部の回転動作をロック/解除するロック機構を備えるようにすることができる。
【0018】
また、本願発明のさらに他の態様に係る荷台用足場は、車両の荷台の側板の上端部にかける鈎状部分を有する一対の係止部を有し、前記係止部の鈎状部分の背面に使用状態でほぼ水平になるように固定された踏み板を有し、前記踏み板の係止部側の側縁部に少なくとも一つの切欠部が設けられている
ものである。
【発明の効果】
【0019】
本願発明によれば、より作業性を向上した荷台用足場が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本願発明の実施形態を、図面を用いて説明する。
【0022】
図1は本実施形態による荷台用足場1の使用状態を示した斜視図である。
【0023】
図1に示すように、本実施形態による荷台用足場1は、トラック等の車両の荷台のあおり板2の上端部にかけるための鈎状部分3aを有する一対の係止部3を有している。
【0024】
なお、本願発明の説明において、便宜上立てたり倒したりしない固定的な車両の荷台の側板も含めて「あおり板」という。
【0025】
前記一対の係止部3の鈎状部分3aの背面には、係止部3をあおり板2の上端部にかけたときに、その上端面があおり板2の上端面とほぼ同一の平面を形成する第1の踏み板4が固定されている。
【0026】
第1の踏み板4のあおり板2側の側縁部には切欠部4aが設けられている。切欠部4aについては後にさらに説明する。
【0027】
第1の踏み板4の下方には、正面から見て左右に一対の支持部5が設けられている。支持部5は、第1の踏み板4を下方から支持するように、各係止部3の鈎状部分3aの背面と第1の踏み板4の下面に固定されている。
【0028】
前記一対の支持部5は、側面視した場合に、上方から下方にかけて幅が小さくなるように形成されている。
【0029】
各支持部5の下端部の内側には支承部6が設けられている。それらの支承部6には孔が設けられており、その支承部6の孔には連結軸7が貫挿されている。
【0030】
連結軸7は両支承部6の間に掛け渡され、その連結軸7に一対の連結部8が枢動可能に嵌着されている。
【0031】
連結部8は、
図1に示すように下方に懸垂されている状態で側面視した場合に、上方から下方にかけて幅が大きくなるように形成されている。
【0032】
連結部8の下部の先端部には孔が設けられており、その孔には軸9が貫着されている。
【0033】
軸9は、作業者が足をかけるための第2の踏み板10を軸支している。なお、軸9は第2の踏み板10を一定の角度の間で回動できるように支持している。
【0034】
連結部8について見ると、連結部8の一端は一対の支持部5に軸支され、他端は第2の踏み板10の後部の左右端を軸支していることになる。
【0035】
連結部8の下部の後端部には凹部8aが設けられている。一方、第2の踏み板10の軸9の後方には係止部材11が設けられている。係止部材11は本実施形態では丸棒からなり、第2の踏み板10の両側面から突出した該丸棒の両端部からなる。
【0036】
第2の踏み板10は、軸9を中心に回動するが、展開した時には係止部材11が連結部8の凹部8aに係止されることで、使用時には略水平に固定される。
【0037】
一対の連結部8の間には、たとえば丸棒からなる押え部材12が固定されている。第2の踏み板10は、折り畳まれる時は軸9を中心に回動し、第2の踏み板10の上面が押え部材12に当接して係止されるまで回動することができる。
【0038】
このように、第2の踏み板10は、係止部材11が凹部8aに係止される展開状態から、上面が押え部材12に係止される折り畳み状態の間で回動することができるようになっている。
【0039】
さらに連結部8は、
図1に示す使用状態であおり板2の方向に延伸し、さらにその先でほぼ直角に内側に折れ曲がるように形成された当接部8bを有している。
【0040】
当接部8bのあおり板2側の側面には、緩衝部材13が設けられている。
【0041】
緩衝部材13により、連結部8を展開した時または作業者が第2の踏み板10に体重をかけた時に、連結部8があおり板2あるいはトラック本体を傷つけないようになっている。
【0042】
同様に、係止部3のあおり板2に面する側面の下端部には、緩衝部材14が設けられている。緩衝部材14も、作業者が第2の踏み板10に体重をかけた時等に、あおり板2やトラック本体を保護するようになっている。なお、緩衝部材13,14の素材は、例えばゴム等任意の緩衝部材を用いることができる。
【0043】
さらに、係止部3の鈎状部分3aの内側にも緩衝部材3bが設けられている。
【0044】
本実施形態の荷台用足場1は、折り畳み可能であり、折り畳んだ状態をロックするロック機構を有している。
【0045】
図2は、ロック機構を拡大して示している。以下、
図1及び
図2を参照しながらロック機構について説明する。
【0046】
図1に示すように連結部8の両側面にはロックピン15が外方に突設されている。一方、連結部8が連結軸7を中心に回動したときに、ロックピン15の軌道と交差する支持部5の側壁部分には、ロックピン15が通過できるような切欠16が設けられている。
【0047】
ロック機構はさらに、開閉操作するための開閉子17を有している。
【0048】
開閉子17はハウジング18の内部に上下動可能に支持されており、下端部17aが後ろ側、すなわちあおり板2に近接する方向に屈折している。開閉子17はさらに前側に延出している操作部17bを有している。
支持部5の側壁の該当部分には細長い開口部19が設けられ、開閉子17の操作部17bが貫通して前側に突出するようになっている。
【0049】
開閉子17の上端部にはバネ20が装着され、開閉子17を下方に付勢し、操作しない状態では操作部17bが開口部19の下端に係止した状態になっている。
【0050】
連結部8が折り畳まれる時は、ロックピン15は支持部5の切欠16を通過し、開閉子17の下端部17aにあたる。ロックピン15をさらに押し込むと、開閉子17の下端部17aの傾斜により開閉子17が押し上げられて、ロックピン15が開閉子17の下端を通過する。ロックピン15が通過した後は、バネ20の力によって開閉子17が元の位置に下がり、ロックピン15の逆戻りを防止する。
【0051】
連結部8を展開する時は、指によって操作部17bを押し上げる。これによって開閉子17がバネ20の力に逆らって上昇し、ロックピン15がその下を通って外側に出ることができるようになる。
【0052】
次に、本実施形態の荷台用足場1の折り畳みと展開の動作について説明する。
【0053】
図3は、第2の踏み板10を折り畳んだ状態を示している。
図3では第2の踏み板10はその先端が連結部8の間に収納された第一の姿勢になっている。これに対して
図1では第2の踏み板10はその先端が連結部8の間の収納部から前方に延在した第二の姿勢になっている。第2の踏み板10は上記第一の姿勢と第二の姿勢を選択可能になっている。
【0054】
図4は、
図3の状態からさらに連結部8を回動させ、連結部8を支持部5の間の収納部に収納した状態を示している。
【0055】
このように、第2の踏み板10は、その後方の両端が軸9を介して一対の連結部8に軸支されており、軸9を中心に軸回転させることでその先端を一対の連結部8の間に収納可能になっている。さらに、第2の踏み板10を収納した状態で一対の連結部8は、その一端(連結軸7に軸支された端部)を中心に軸回転させることで、その他端(第2の踏み板10を軸支する端部)を支持部5の間の収納部に収納可能になっている。
【0056】
連結部8を完全に支持部5の間の収納部に押し込むと、
図4に示していないロックピン15がロック機構によってロックされ、開閉子17の操作部17bを操作しない限り、連結部8や第2の踏み板10が不用意に展開することはない。
【0057】
さらに、第2の踏み板10が押え部材12によって押さえられ、第2の踏み板10が揺動して先端が外側に振れ出すことがない。
【0058】
図5は、連結部8と第2の踏み板10を展開した状態(
図5(a))と、連結部8を展開し、第2の踏み板10のみを折り畳んだ状態(
図5(b))と、連結部8と第2の踏み板10をすべて折り畳んだ状態(
図5(c))を比較可能に側面から見たところを示している。
【0059】
図5(a)に示すように、連結部8と第2の踏み板10を展開した状態では、第2の踏み板10の先端が連結部8から前方に延在し(第2の踏み板10の第二の姿勢)、係止部材11が連結部8の凹部8aに係止することによって第2の踏み板10の上面がほぼ水平に維持される。このため、作業者は第2の踏み板10に足をかけて登ることができる。
【0060】
これにより、従来のようにトラックの荷台の突起物等に足をかけてあおり板2の上面によじ登ることがなく、容易にあおり板2の上面の高さまで登ることができるようになる。
【0061】
図5(b)に示すように、第2の踏み板10を折り畳んだ状態では、第2の踏み板10が連結部8の間の収納部に完全に収納される(第2の踏み板10の第一の姿勢)。
【0062】
第2の踏み板10を折り畳む時は、第2の踏み板10が垂直の状態を通り過ぎて上面が押え部材12に当たるまで傾斜するため、折り畳んだ状態では姿勢が安定し、第2の踏み板10が重力によって自動的に展開することがない。
【0063】
図5(c)は連結部8と第2の踏み板10をすべて折り畳んだ状態を示している。図に示すように、連結部8が完全に支持部5の間の収納部に収納される。
【0064】
本実施形態の支持部5は、側面から見た場合に上方から下方にかけて幅が小さくなっているのに対し、連結部8は展開した状態で上方から下方にかけて幅が大きくなっているが、
図5(c)のように完全に折り畳んだ状態では、支持部5と連結部8の側面の形状が互いに整合し、連結部8が支持部5の間の収納部にすっぽり納まるようになっている。また第2の踏み板10は連結部8の間の収納部にすっぽり納まるようになっている。
【0065】
すなわち、第2の踏み板10の先端が連結部8の間の収納部に収納された第一の姿勢において、側面視した場合に、第2の踏み板10及び連結部8をすべて折り畳んだ状態では第2の踏板10及び連結部8は、支持部5に隠れるようになっている。
【0066】
さらに、第2の踏み板10は連結部8の間の収納部の奥の方に収納され、かつ、押え部材12によって揺動が押さえられ、安定した収納状態になる。
【0067】
また、ロックピン15が開閉子17の下端部17aと係合し、意図的にロックを解除しない限り、連結部8と第2の踏み板10が外側に開くことがない。
【0068】
このように、折り畳んだ状態では、荷台用足場1は持ち運びに便利な小型形状になり、荷積みや荷下ろしのときだけ、必要なところに運んで使用することができる。
【0069】
さらに本実施形態の荷台用足場1によれば、ラッシングベルト等で積み荷を固定するための作業の安全性・作業性が大幅に改善される。このことについて以下に説明する。
【0070】
図1に示すように、荷台用足場1をあおり板2に掛けた状態では、第1の踏み板4の上面はあおり板2の上面とほぼ同一の高さの平面になり、第1の踏み板4の上面とあおり板2の上面が合わさって作業者が安全に立つことができる面積の足場21を形成する。
【0071】
さらに、第1の踏み板4には切欠部4aが形成されており、この切欠部4aはあおり板2の上面と第1の踏み板4の上面によって形成される足場21の中央部分にラッシングベルト22を通すことができる通し穴23を形成する。
【0072】
積み荷を固定する時は、ラッシングベルト22の一端をトラックの荷台のフック等に固定し、他端を他のラッシングベルトと連結するためのバックルに通し、バックルから出たラッシングベルトの端部を引っ張って積み荷をきつく縛るようにする。
【0073】
本実施形態の荷台用足場1を使用すれば、ラッシングベルト22を足場21の中央部の通し穴23に通し、作業者は足場21上で通し穴23の両側に足を置き、体の中心線に沿ってラッシングベルト22を引っ張ることができる。体の中心線に沿ってラッシングベルト22を引っ張ることができることにより、力を入れやすく、かつ、足場21が安定しているため、安全かつ効率的に作業を行うことができる。また、ラッシングベルト22を固定する位置に荷台用ステップがある場合に、荷台用足場を一旦取り外す必要もない。
【0074】
なお、本実施形態では支持部5が連結部8を介して第2の踏み板10を支持するようにしているが、他の実施形態では連結部8を介さず、支持部5によって直接第2の踏み板10を支持するようにしても良い。
【0075】
この場合は、展開した状態で第2の踏み板をほぼ水平に維持するために、支持部に係止部材を設けてもよい。
【0076】
この連結部を有していない実施形態の荷台用足場においても、第2の踏み板10を有していることにより、あおり板2の上面の高さまでの上り下りが容易である。また、あおり板2の上面とほぼ同一の平面であって作業者が立つのに十分な面積の足場を簡単に形成することができることも同様である。また、折り畳んだ状態で第2の踏み板10が支持部5の間の収納部にすっぽり納まり、持ち運びが簡単な小型形状になることも同様である。さらに、第1の踏み板4の上面とあおり板2の上面が形成する足場の中央部にラッシングベルトを通す通し穴を形成し、ラッシングベルトの締付作業の作業性・安全性が大幅に改善されることも同様である。
【0077】
なお、第1の踏み板のあおり板側の側縁部に切欠部を設け、第1の踏み板の上面とあおり板の上面が形成する足場の中央部にラッシングベルトを通す通し穴を形成することに注目し、第2の踏み板を省略した荷台用足場を提供することもできる。
【0078】
本願発明の荷台用足場の各部材は、例えばアルミニウムを用いることができ、軽量かつコンパクトとなるように構成されている。
【0079】
また、第1の踏み板と第2の踏み板の上面には、隆起した複数の線状の模様が設けられおり、これにより滑り止めの効果を提供することもできる。
【0080】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本願発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
第1の踏板と、前記第1の踏板の背面に設けられ、前記第1の踏板を車両の荷台の側板に係止するための係止部と、前記第1の踏板の下側の左右に設けられた一対の支持部と、前記一対の支持部の間の収納部に設けられた第2の踏板と、を備え、前記第2の踏板は、その先端が前記収納部に収納される第一の姿勢、及びその先端が前記収納部から前方に延在する第二の姿勢を選択可能に、前記一対の支持部に軸支されているように構成した。