【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年11月 3日 http://www.ume−care.com/ 平成28年11月23日 https://www.facebook.com/mypl.edogawa/posts/1018254284988093 http://edogawa.mypl.net/mp/kaigo_edogawa/?sid=52638 平成29年 1月28日 https://tdpro.jp/ https://tdpro.jp/tdpro/ https://tdpro.jp/overview/ https://www.facebook.com/tadaimaproject/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ウェブ上のサーバコンピュータである捜索支援サーバと、行方不明となる可能性のある見守り対象者の家族が有する端末機器と、行方不明者の捜索に協力する複数の協力サポーターがそれぞれ有する端末機器とを、インターネットを介して接続してなる行方不明者捜索支援システムであって、
前記ウェブ上のサーバコンピュータは、
あらかじめ登録された行方不明になる可能性のある見守り対象者の顔写真と年齢情報と特徴情報とに関連付けられ、秘匿性の高い見守り対象者リストを記憶する見守り対象者リストDB装置と、
個々の行方不明者について、家族又はそれに代わる権限を有する者の端末機器から直接、捜索依頼を受付ける捜索依頼受付装置と、
前記捜索依頼の受付から前記本人確認にいたるまでの捜索期間のみ前記複数の協力サポーターに対して開示される捜索情報開示書面を作成する捜索情報開示書面作成装置と、
あらかじめ登録された捜索に協力する協力サポーターのメールアドレスと名前と地域的行動範囲との情報を含む協力サポーターリストを記憶する協力サポーターリストDB装置と、
捜索に協力する複数の協力サポーターへ捜索に必要な情報を通知する捜索情報通知装置と、
前記捜索情報開示書面を前記複数の協力サポーターに閲覧させる捜索情報閲覧装置と、
前記複数の協力サポーターのうちの捜索対象者らしい人を発見した人が発見報告の投稿をすることを受け付けて当該捜索情報開示書面に書き込む発見報告書込装置と
を備え、
前記捜索情報閲覧装置は、前記捜索情報開示書面を、前記ウェブ上のサーバにセキュリティを施した状態で備えて、前記協力サポーターのみに開示し、捜索終了した場合には当該捜索情報開示書面を閉鎖し、前記協力サポーターが閲覧できなくすることを特徴とする行方不明者捜索支援システム。
前記協力サポーターが投稿する発見報告の情報には、発見場所を特定する情報と、発見した協力サポーターのコメント情報と、当該協力サポーターが発見した人が捜索対象者であることの主観的確からしさを数値化した信頼度の情報とを含むことを特徴とする請求項1に記載の行方不明者捜索支援システム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。図中の符号が同一のものは、同様の構成、機能を有する。
【0018】
≪システム全体のハードウェア構成≫
図1は、行方不明者捜索支援システム全体のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1の中央に描いた楕円状のものは、インターネット(通信網)である。インターネット上に捜索支援サーバ(行方不明者捜索支援サーバ)10、管理者端末20、見守り対象者家族端末31、…、39、協力サポーター端末41、42、43、…、48、49が接続された全体が本発明に係る行方不明者捜索支援システムである。捜索支援サーバ10は、サーバコンピュータであり、インターネットに常時接続した状態で24時間、365日稼動し、他の端末からのアクセスに応答して処理を実行する。管理者端末20は、パソコンと呼ばれるデスクトップコンピュータ、ノートブックパソコン、タブレットコンピュータなどのうちのいずれかからなる端末コンピュータである。本行方不明者捜索支援システムを管理する管理者は、介護の窓口責任者などが勤めるのが望ましい。たとえば当該地域における地域包括支援センターの長が勤めることが考えられる。
【0019】
見守り対象者家族端末31、…、39は、スマートフォン、タブレットコンピュータ又はノートブックパソコンなどのうちのいずれかであって、持ち運び可能な端末機器(コンピュータ)である。
協力サポーター端末41、…、49は、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ又はノートブックパソコンなどのうちのいずれかであって、持ち運び可能な端末機器(コンピュータ)である。
【0020】
≪捜索支援サーバの構成≫
図2は、捜索支援サーバ10の構成を示すブロック図である。捜索支援サーバ10は、コンピュータであるので、CPU(中央処理装置)が必要なコンピュータプログラム(ソフトウェア)を読み込んで、当該コンピュータプログラムを実行することによりさまざまな装置として機能する。CPUが特定のコンピュータプログラムを読み込んでセキュリティ管理の機能を果たすとき、そのCPUは、たとえばセキュリティ管理装置50を構成すると捉える。以下、そのように、○○装置と表現する。
セキュリティ管理装置50は、捜索支援サーバ10が管理する秘密情報、すなわち管理者に関する情報、見守り対象者に関する情報、見守り対象者の家族に関する情報、協力サポーターに関する情報、捜索情報開示書面に関する情報、発見報告に関する情報、投稿に関する情報、捜索履歴に関する情報などを、必要な時に必要な相手だけに開示し、ほかには開示せずに秘匿する機能を果たす。たとえば、接続する端末機器の機体固有番号を取得し、それに基づいて接続管理をして接続相手の認証を行う。
【0021】
ログイン認証装置69は、捜索支援サーバ10へのアクセスに対して、ID、パスワードを要求し、権限の有無を認証する装置である。
事前登録装置51は、行方不明者捜索支援システムの管理者、見守り対象者、その家族、介護担当者、協力サポーターなどの氏名、ニックネーム、性別、年齢などの個人情報、メールアドレス、捜索依頼を受け取る地域の選択などをあらかじめ登録する機能を果たす。
捜索依頼受付装置52は、老人の徘徊や、地震災害などにより、行方不明、安否不明が発生したときに、その家族又は介護担当者からの捜索依頼を受付ける機能を果たす。
捜索情報開示書面作成装置53は、捜索依頼に基づいて、協力サポーターに開示する情報を開示するウェブページ(捜索情報開示書面)を作成する機能を果たす。
【0022】
捜索情報通知装置54は、捜索情報開示書面のURLを捜索依頼者及び協力サポーターに通知して、捜索依頼者及び協力サポーターが捜索情報開示書面にアクセスすることを促す機能を果たす。
捜索情報閲覧装置55は、捜索依頼者及び協力サポーターが捜索情報開示書面にアクセスするときに、捜索情報開示書面の内容を捜索依頼者及び協力サポーターに閲覧させる機能を果たす。
発見報告書込装置56は、捜索依頼者又は協力サポーターが捜索の対象となっている見守り対象者を発見した又はそれらしい人を発見したという報告を受付ける機能を果たす。
【0023】
投稿受付装置57は、捜索依頼者又は協力サポーターが、見守り対象者の発見にまでは至らないが、捜索している仲間と共有することが有益と思われる情報を投稿するのを受付ける機能を果たす。たとえば、捜索依頼者が補充的事項を投稿したい場合、協力サポーターが質問事項を挙げる場合、そしてその質問に対して捜索依頼者が回答する場合などが考えられる。この投稿のやりとりは、チャット(短い文でリアルタイムで複数の人間の会話をするツール)を用いることが、捜索活動を進めるために便利である。
捜索情報開示書面編集装置58は、発見報告又は投稿に基づいて、捜索情報開示書面に変更を加える機能を果たす。
閲覧停止処理装置59は、発見報告に基づいて捜索依頼者がその情報の真偽を確かめた結果、行方不明者本人であると確認できた場合に、捜索依頼者の手続にしたがって、捜索情報開示書面をそれ以降、アクセスできなくする機能を果たす。
ワンタイムパスワード発行装置70は、協力サポーターに対して捜索情報開示書面にアクセスさせるために、当該捜索活動の期間の間のみ用いるワンタイムパスワードを発行する装置である。捜索情報開示書面のURLを知った人であっても、このワンタイムパスワードを知らなければ、当該捜索情報開示書面にアクセスすることはできない。
【0024】
管理者情報DB装置61は、管理者についての情報を記憶するデータベース装置であり、必要に応じて、管理者情報を取り出して関連する装置に引渡す。
見守り対象者リストDB装置62は、行方不明になる可能性のある見守り対象者のリストを記憶するデータベース装置であり、捜索依頼が発せられた場合に、捜索情報開示書面を作成するのに用いられる。
見守り対象者家族情報DB装置63は、見守り対象者の家族情報を記憶するデータベース装置である。捜索依頼を発する家族が権限ある者であるか否かを判断する際に用いられる。
協力サポーターリストDB装置64は、協力サポーターの情報を記憶するデータベース装置である。
捜索情報開示書面DB装置65は、捜索情報開示書面の情報を記憶するデータベース装置である。
発見報告DB装置66は、協力サポーターが投稿する発見報告に関する情報を記憶するデータベースである。
投稿DB装置67は、家族又は協力サポーターが投稿する内容に関する情報を記憶するデータベース装置である。
捜索履歴DB装置68は、捜索活動が終了するごとに当該捜索活動の記録に関する情報を記憶するデータベース装置である。
【0025】
これらの装置は、捜索支援サーバ10という1個のサーバコンピュータがすべてを実現するものとして説明したが、サーバコンピュータを複数設けて、いくつかの装置を別のサーバに分担させ、複数(たとえば2個)のサーバコンピュータが連携して動作するように構成することもできる。
【0026】
≪家族及び協力サポーターの事前登録処理≫
図3は、捜索を依頼する家族(見守り対象者の家族)を事前に登録する処理を示すフローチャートである。見守り対象者の家族情報、介護者の情報を見守り対象者家族情報DB装置63に登録しておくことが望ましい。捜索依頼をする権限の有無を判定するのに役立てるためである。この家族の事前登録処理は、管理者がすべて行うことも可能である。しかし、ログイン情報(たとえば、ID、パスワード)の発行など、最低限に留め、その情報をあらかじめ見守り対象者家族情報DB装置63及び協力サポーターDB装置64に登録しておくところまでとすることができる。その場合、家族及び協力サポーターが捜索支援サーバ10にアクセスして、他の大部分の必要な情報を入力し、
図2の見守り対象者家族情報DB63及び協力サポーターリストDB64のデータベースに登録する。
【0027】
見守り対象者の家族は、本システムにログインしてID、パスワードの入力をする(ステップ301)。捜索支援サーバ10が、見守り対象者家族情報DB63を参照して、そのログインの正当性を認証し、ログインした者が権限あり(ステップ302でYes)と判断すると、その結果、ステップ303以降に進み、家族はその自身の情報を入力することができる(ステップ303)。その入力された内容は、
図2における見守り対象者家族情報DB63に登録される(ステップ304)。ステップ302で権限が認められないと、入力及び登録の処理に進むことができずに終了する(ステップ302でNo)。
図3の家族登録処理には、ログイン認証装置69、事前登録装置51、見守り対象者家族情報DB63が関与する。
【0028】
図3において、家族・協力サポーターが自身で自分の情報を登録する処理をする場合に、ノートパソコン、タブレットコンピュータ、スマートフォンにより本発明の行方不明者捜索支援システムのサーバコンピュータにアクセスして登録処理をすることが可能である。家族や協力サポーターは、行方不明者の捜索依頼を緊急時に行う必要や、捜索活動中にサーバコンピュータにアクセスして情報を確認したり、投稿したりする必要があるので、スマートフォンによるアクセスが通常なされるものと考えられる。そして、スマートフォンによるアクセスを汎用的なブラウザによりなす場合には、アクセスするたびにログイン処理をする必要があるので、専用アプリケーションを準備して、ログインしたままで、必要に応じて何度でも本サーバにアクセスすることを可能にすることが望ましい。
この行方不明者捜索支援システムを、家族や協力サポーターがアクセスする際に汎用ブラウザを用いることも可能であるが、専用アプリケーションプログラムを用意することで便利になる。専用アプリケーションプログラム(アプリ)を用いて接続管理をする場合、たとえばIDとパスワード、そしてスマートフォンの機体固有番号で接続管理をすることができる。その場合には、アプリを介して機体固有番号の確認が可能なので、接続のたびにIDとパスワードによる認証をする必要がなくなる。したがって、捜索活動の間、ずっとログインした状態を保持したままで使用することが可能となる。
【0029】
協力サポーターの登録は、
図3に示す家族の登録の処理に比べるとより簡易な手続によりなされるのでフローチャートを描くのを省略する。より簡易な手続で登録できるのは、家族が捜索依頼を発する立場であるのに対して、協力サポーターは、捜索依頼をしない立場だからである。たとえば、申込者(協力サポーターとなりたい人)がサイトにアクセスして空メールを送る。それを受けて、捜索支援サーバ10が申込みのフォーム(のURL)を送り返す。申込者は、必要事項を記入して送信する。捜索支援サーバは、その内容を協力サポーターリストDB64にデータベース登録する。という手続によりなされ得る。この処理には、ログイン認証装置69、事前登録装置51、協力サポーターリストDB64が関与する。
【0030】
≪見守り対象の事前登録処理≫
図4は、捜索支援サーバ10が、行方不明となる可能性のある見守り対象者を事前に登録する処理を示すフローチャートである。見守り対象者は、たとえば地域において一人暮らしの人や、行方不明となる可能性のある高齢者などである。本発明の行方不明者捜索支援システムの管理者が、たとえば地域包括支援センターの責任者であるとする。一つの行政単位にいくつかの地域包括支援センターがあるものと考えられる。一つの地域包括支援センターで、又は隣接する複数の地域包括支援センターで一つの行方不明者捜索支援システムを設置することが可能である。本システムの管理者が誰であるかの情報は、
図2における管理者情報DBに登録されているものとする。
管理者(たとえば、地域包括支援センターの責任者)は、本システムにログインしてID、パスワードの入力をする(ステップ401)。捜索支援サーバ10が、管理者情報DB61を参照して、そのログインの正当性を認証する。ログインした者が権限あり(ステップ402でYes)と判断すると、その結果、ステップ403以降に進み、管理者はその地域内の見守り対象となる対象者の情報を入力することができる(ステップ403)。そして、その対象者一人一人の顔写真をアップロードする(ステップ404)。これらは、
図2における見守り対象者リストDB62に登録される。ステップ402で管理者権限が認められないと、入力及び登録の処理に進むことができずに終了する(ステップ402でNo)。
図4の見守り対象者登録処理には、ログイン認証装置69、事前登録装置51、管理者情報DB61が関与する。
【0031】
≪捜索依頼を受付ける処理≫
図5は、捜索依頼を受付ける処理を示すフローチャートである。見守り対象者の家族又は管理者が捜索依頼をすることができるものとする。
図5においては、見守り対象者の家族は、スマートフォンを用い、アプリを起動しており、既にログインしている状態とする。見守り対象者の家族が、当該アプリの画面に設けられている捜索依頼受付のボタンをクリックすると、捜索支援サーバ10は、管理者情報DB61及び見守り対象者家族情報DB63を参照して捜索依頼をする権限を有する者であるか否かを判断する(ステップ501)。
【0032】
「権限あり」と判断すると、捜索支援サーバは、状況の入力を促す(ステップ502)。見守り対象者の家族は、捜索支援サーバの表示する画面にしたがって、行方不明者が誰であるか、行方不明と気づいた日時、最後に見た場所、そのときの服装、持ち物などの情報を入力する。捜索支援サーバ10は、その入力を受付けると、確認画面を表示する(ステップ503)。見守り対象者の家族はその確認画面を見て内容に間違いがないかを確認して、間違いがあれば訂正し、よければ捜索依頼実行ボタンをクリックする(ステップ504)。
権限がないと判断する(ステップ501でNo)と、この処理をおわる。
【0033】
ステップ504で捜索依頼の内容が確定すると、捜索支援サーバ10は、捜索情報開示書面を作成する(ステップ505)。捜索情報開示書面は、協力サポーターに閲覧させるウェブページであり、捜索依頼の内容(行方不明者の顔写真を含む行方不明者を特定する情報、行方不明となった日時、最後にいた場所、そのときの服装、持ち物などの情報)を示すのみならず、協力サポーターが投稿した発見報告を含む投稿記事をも表示することが望ましい。また、さらに、家族と複数の協力サポーターがチャットするためのチャット画面も表示することができる。捜索支援サーバ10は、作成した捜索情報開示書面のURLを家族及び協力サポーターに電子メール、プッシュ通知などで送る(ステップ506)。
図5に示す捜索依頼受付処理には、
図2における捜索依頼受付装置52、捜索情報開示書面作成装置53、捜索情報通知装置54、見守り対象者リストDB62、見守り対象者家族情報DB63、協力サポーターリストDB64が関与する。
【0034】
≪捜索活動中の閲覧処理≫
図6は、捜索活動中の協力サポーターによる閲覧処理を示すフローチャートである。捜索依頼をした家族及び協力サポーターには、
図5のステップ506で、捜索情報(捜索情報開示書面のURL)の通知がされている。このURL自体は、秘匿すべき情報ではない。しかし、そのURLに置かれた捜索情報開示書面は、秘匿すべき情報であり、権限のある者だけが閲覧することのできるものである。
【0035】
家族及び協力サポーターが電子メール又はプッシュ通知で捜索情報開示書面のURLの通知を受けて、そこにアクセスすることにより、
図6の閲覧処理にはいる。捜索支援サーバ10は、アクセスした者に権限があるか否かをワンタイムパスワード又はアクセスするのに用いた機体固有番号により判断し(ステップ601)、権限がある場合に(ステップ601でYes)、閲覧を許可する(ステップ602)。
権限がないもののアクセスの場合(ステップ601でNo)、閲覧を許可せずに終わる。
このようにして、予め登録された家族及び協力サポーターのみが、捜索情報開示書面の閲覧をすることができる。この閲覧処理には、
図2における捜索情報閲覧装置55、捜索情報開示書面DB65、協力サポーターリストDB64、見守り対象者家族情報DB63が関与する。また、権限のない者がアクセスしようとする行為については、
図2に示すセキュリティ管理装置50及びログイン認証装置69が連携して侵入を防止する。
【0036】
≪捜索活動中の投稿及び発見報告の処理≫
図7は、捜索活動中の家族又は協力サポーターによる投稿及び発見報告の処理を示すフローチャートである。捜索支援サーバ10(の捜索情報開示書面作成装置53)が作成した捜索情報開示書面は、たとえば、三つの領域をもつ1つのページまたは三つのページから構成される。三つのページからなる場合には、タブがそれぞれ用意されて、それぞれのページにすぐに移動ができるように配慮される。以後、三つのページを有する場合について説明する。
【0037】
三つのページの第一のページは、
図5の捜索依頼受付処理によって捜索依頼者が行方不明の状況(日時、場所、服装、持ち物)を入力したことによって捜索情報開示書面作成装置53が作成したものであり、行方不明者の顔写真など行方不明者を特定できる情報を含む情報で構成されている。この第一のページについては、捜索活動の始まりから終わりに至るまでに捜索依頼をした家族により情報が追加されることがあり得る。捜索依頼を出したときには、動転していたために、失踪時の服装を取り違えて書いてしまったなどの場合に、あとから思い直して変更されるなどの場合があり得る。
【0038】
第二のページは、発見報告のページである。発見報告は、協力サポーターが行方不明者、もしくは行方不明者らしい人を発見したときに、その日時、場所、確率(確からしさ)の情報を投稿するページである。この発見報告は、一つのみに限らず、複数の発見報告が複数の協力サポーターからなされる可能性がある。第二のページには、この発見報告が時系列で、その報告をした協力サポーターを特定する情報(ニックネームなど)とともに表示される。信頼度(確からしさ)は報告者の主観に基づくものであるが、当該報告をした協力サポーターが誰であるかを特定する情報(ニックネームなど)ともに開示されることで、他の協力サポーターがその主観的確からしさがいかほどであるかを判断する材料になると考えられる。また、当該協力サポーターの捜索活動への参加の頻度が高まるにつれて、主観的確からしさの信頼度が増していくことが期待される。発見報告が逐次アップロードされるので、この第二のページは、捜索活動の間、複数回、更新される可能性がある。
【0039】
第三のページは、チャットのページである。捜索活動にたずさわる複数の協力サポーター及び捜索依頼をした家族は、捜索活動の間、こまかな情報をリアルタイムでやり取りすることが望ましい。そのためにチャットのページを備えて、捜索活動の便宜を図る。捜索依頼をした家族にとっては、このチャットページで複数の協力サポーターが支援してくれていることを知って励まされ、地域における見守りの態勢を血の通ったものとして形成していく効果が期待できる。
【0040】
図7において、権限のある家族又は協力サポーターが発見報告を書き込むときには、捜索支援サーバ10は、ステップ701でYes、ステップ702でYesと判断して、当該発見報告を発見報告DB66に書き込む(ステップ703)。そして、捜索情報開示書面を編集する(ステップ704)。書き込もうとする人に権限がない場合には、ステップ701でNoと判断し、おわる。この処理には、主に
図2における発見報告書込装置56及び捜索情報開示書面編集装置58が関与する。
【0041】
図7において、権限のある家族又は協力サポーターがチャット(投稿)を書き込むときには、捜索支援サーバ10は、ステップ701でYes、ステップ702でNo、ステップ705でYesと判断して、投稿を受付けて(ステップ706)、それに基づいて捜索情報開示書面を編集する(ステップ704)。書き込もうとする人に権限がない場合には、ステップ701でNoと判断し、おわる。この処理には、主に
図2における投稿受付装置及び投稿DB67が関与する。
【0042】
図7において、ステップ704で捜索情報開示書面の編集がなされると、その旨を家族及び協力サポーターのそれぞれに通知する(ステップ705)。この処理には、捜索情報通知装置54が関与する。
捜索活動が悪意のある第三者により妨害されないために、セキュリティ管理装置50、ログイン認証装置69、捜索情報閲覧装置55などが連携して、捜索情報開示書面の秘匿性を守る。一方で、捜索活動にたずさわる協力サポーターや捜索依頼をした家族は、スマートフォンを持ち歩いて捜索活動を続けることが想定される。スマートフォンのアプリを利用して、常時ログインをした状態で捜索活動を続ける。そして、自分が携帯するスマートフォンにプッシュ通知を受けたら、開示書面が編集されたかもしれないと、スマートフォンをチェックして、捜索活動に役立てる。という使い方が想定される。
【0043】
≪捜索活動の終了の際の処理≫
図8は、捜索活動の終了の際の処理を示すフローチャートである。行方不明者の個人情報は、秘匿すべき情報である。したがって、捜索活動が終了したらすぐに、アクセスできなくする。行方不明者の家族又は介護担当者など、あらかじめ捜索依頼の権限を有する者として登録された者が捜索終了処理の依頼をすることができる。
【0044】
権限ある者が、捜索支援サーバ10にアクセスして捜索終了依頼のボタンを押すと、ステップ801でYes、ステップ802でYesと判断して、捜索情報開示書面の表示を停止する(ステップ803)。そして、「本件の行方不明者は協力サポーターの皆様のおかげで無事にみつかりました。ご協力ありがとうございました。」という内容の御礼画面の表示をする(ステップ804)。そして、電子メール及びプッシュ通知により家族及び協力サポーターにその旨の通知をする(ステップ805)。捜索終了依頼をする者が権限のない者である場合には、ステップ802でNoと判断して終わる。この捜索終了処理には、閲覧停止処理装置59、捜索履歴DB68などが関与する。閲覧を停止した捜索情報開示書面は、捜索履歴DB68に保存することができる。
【0045】
≪表示画面の例≫
図9は、表示画面の例を示す。
図9(a)及び
図9(b)は、捜索依頼がされた行方不明者の情報を表示する画面である。捜索情報開示書面の一部として
図9(a)及び
図9(b)に、徘徊対象者情報が掲載されている。
図9(a)には、対象者の名前、フリガナ、性別、年齢、顔写真、身長、体重、頭髪(髪の色など)、姿勢(猫背かどうか、歩き方など)、体格(やせている、ふとっているなど)、めがね(有無)、ひげ(有無)、義歯(有無)、自分の名前は(いえる、いえない)、会話は成立しますか(する、しない)、特記事項(北海道出身など)が記載されている。さらに、「徘徊から4分経過しました」と、行方不明となってから経過した時間が上部に表示されている。
【0046】
図9(b)には、その対象者が過去に徘徊した際に見つかった場所が「篠崎駅」と表示されている。さらに徘徊の頻度が「不定期」と表示され、さらに失踪時の住所がその地図を示した上で、所定のマークにより示されている。
【0047】
図9(c)は、協力サポーターが行方不明者又はそれらしい人を発見した際の報告を投稿する画面である。
図9(c)には、発見した場所をその住所(町名、番地)を入力することにより特定し、コメントを記入し、信用度を選らぶようになっている。信用度は、当該協力サポーターが見つけた人が、行方不明者本人であると考える主観的確からしさ(確率)をあらわす数字である。10パーセント、30パーセント、70パーセント、90パーセントなど数字で選ぶことができる。
【0048】
図9(d)は、協力サポーターと家族(行方不明の捜索依頼をした人)との間で、チャットをすることで情報交換する際の画面である。複数の協力サポーターと家族との間で、リアルタイムでチャットすることで、情報の確からしさに確信が持てる場合がある。そして、迅速な発見につながることがきたいできる。
【0049】
≪捜索依頼から捜索終了までの流れ≫
図10は、捜索依頼から捜索終了に至る手続の流れを示すシーケンス図である。見守り対象者家族端末31、協力サポーター端末41,42,43が事前に登録されているものとする。見守り対象者家族端末31を用いて家族が捜索依頼をすると、捜索支援サーバ10は、捜索情報開示書面を作成し、その旨を協力サポーター端末41,42,43などに通知するとともに、当該家族にも通知する。さらに捜索支援サーバ10は、各協力サポーター端末が閲覧(アクセス)するときに、その閲覧を許可する。協力サポーターは、閲覧した結果、行方不明の捜索活動に参加する。捜索活動の最中に協力サポーターは、投稿や発見報告をする。投稿には、チャットも含まれる。また、投稿する事項には、投稿者の「主観的な確からしさ、情報の信頼度、確率」に関する情報も含まれる。協力サポーターの協力により、行方不明者がみつかり、本人であることの確認がとれると、捜索依頼を出した家族が終了依頼を捜索支援サーバ10に出して、捜索支援サーバ10は、「捜索情報開示書面の表示停止」及び「御礼画面(おかげさまで無事に見つかりました。ご協力ありがとうございました。)の表示」の処理をして、その旨を家族及び協力サポーターに通知する。
【0050】
≪本発明の特徴となりえる事項≫
捜索情報開示書面には、行方不明者を特定する情報や、捜索に協力する協力サポーターからの発見報告の投稿をできるようにしたことが本発明の特徴の一つであるが、それのみならず、チャットを行えるチャット画面を設けるようにしたことも本発明の特徴である。
投稿には、投稿者の主観による確からしさ(信頼度、確率)の情報を含むことも本発明の特徴である。
また、地域包括支援センターなどの介護事業者との連携を図ることができるようにしたことも本発明の特徴である。
また、行方不明者の家族が、システムの管理者によらずに、直接捜索依頼(SOS)を発することができるようにしたことも本発明の特徴である。
また、行政単位の枠を超えて、隣接する他の地域との連携を図ることができるのも本発明の特徴である。
【0051】
≪変形実施例1≫
上述の説明においては、主に、高齢者の徘徊の場合を前提に、行方不明者の捜索について説明した。徘徊の場合に限らず、地震災害、大水災害などの場合に、一人暮らしの人の安否を確認する必要がある場合にも本発明の行方不明者捜索支援システムを利用可能である。とりわけリアルタイムで捜索依頼者と複数の協力サポーターとの間の質疑応答をできるので、地域における協力体制を有効に作り上げることに適している。
【0052】
≪変形実施例2≫
上述の説明において、本発明に係る行方不明捜索支援システムの管理者を地域包括支援センターの責任者として説明したが、特別養護老人ホームの施設長など、社会福祉施設の責任者としてもよい。
【0053】
≪変形実施例3≫
図11は、複数の地域を統合的に管理する実施例を示す図である。本部100は、たとえば「ただいまプロジェクト」と名づけられたプロジェクトの事務局として、全国に一つのものである。一般社団法人などの法人格を有するものとして運営することが可能である。
本部100がフランチャイザーとすれば、法人特別会員120は、フランチャイジーであって、地域に一つ存在し、その地域の捜索支援サーバ10を管理する。そして、法人特別会員は、株式会社又はNPO法人などの組織であって、当該地域内の会員(個人会員及び法人会員)をふやし、協力サポーターを増やす活動をする。また地域行政110にアプローチし、タイアップして活動する。
法人会員200は、たとえば介護事業者であり、特別養護老人施設であることができる。法人会員200は、法人特別会員120が管理する地域内に複数存在してかまわない。特別養護老人施設のような介護施設には、見守り対象者(行方不明者となりえる高齢者)が複数いることが考えられる。当該介護施設の利用者は、当該法人会員ごとに登録、管理する。通常は、介護施設の利用者が行方不明になると、当該介護施設のスタッフで捜索して見つかるケースが多いと考えられるが、すぐに見つからない場合など、当該介護施設の施設長の判断により、捜索支援サーバ10に捜索依頼を発することが考えられる。その場合に、協力サポーター(ツバメイト)が捜索することになる。
個人会員210、…、219は、自宅に見守り対象者を抱える家族などである。協力サポーター230、…、239は、協力サポーター(ここでは、ツバメイトと呼ぶ)である。協力サポーターは、自身の行動範囲を考慮して、複数の地域での協力をすることが可能である。
その場合、隣接する法人特別会員120同士であらかじめ提携関係を結んで、地域を越える協力関係を構築することができる。捜索依頼を出す家族からみると、市区町村や都道府県を越えて、捜索依頼を出すことが可能である。協力サポーターからすると、市区町村や都道府県を越えて協力することも可能である。
【解決手段】捜索依頼を受付けて、協力サポーターへ通知し、発見報告を受付けて、本人確認をする行方不明者捜索支援方法に用い、サーバコンピュータと端末機器とを接続してなる行方不明者捜索支援システムであって、サーバコンピュータは、秘匿性の高い見守り対象リストと、捜索期間のみ協力サポーターに対して開示される捜索情報開示書面と、サポーターリストと、捜索情報閲覧装置と、投稿を受け付けて書き込む発見報告書込装置と
を備え、捜索情報閲覧装置は、捜索情報開示書面を、協力サポーターのみに開示し、本人確認ステップにて発見された人が捜索依頼対象の本人であると確認できた場合には捜索情報開示書面を閉鎖し、閲覧できなくする。