(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6231242
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】電化機器取り付けシステム
(51)【国際特許分類】
H01R 25/14 20060101AFI20171106BHJP
H01R 9/26 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
H01R25/14 C
H01R9/26
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-143342(P2017-143342)
(22)【出願日】2017年7月25日
(62)【分割の表示】特願2015-556959(P2015-556959)の分割
【原出願日】2014年1月22日
【審査請求日】2017年8月23日
(31)【優先権主張番号】13/763,853
(32)【優先日】2013年2月11日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506345786
【氏名又は名称】ファーノ−ワシントン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 修
(72)【発明者】
【氏名】チン,ロバート・シー
【審査官】
前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】
特開平5−275133(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0006873(US,A1)
【文献】
米国特許第4763360(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 25/14
H01R 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏打板と、複数のスロットと、複数の電気接点部と、を備えている軌道において、
前記複数のスロットは、前記裏打板に沿って配置され、互いに実質的に平行であり、
前記複数のスロットのうち少なくとも1つは、複数の目標開口領域と、複数の非目標開口領域とを備え、
前記複数の電気接点部は前記裏打板に沿って配置され、前記複数のスロットの少なくとも1つに隣接し、前記目標開口領域は直径及び/又は寸法が前記非目標開口領域より大きい軌道。
【請求項2】
請求項1に記載の軌道において、
前記軌道は、前記複数のスロットに実質的に平行な前記軌道の中心に沿った複数のロック穴を備えている軌道。
【請求項3】
請求項1に記載の軌道において、
前記軌道は、前記軌道の中心に沿った平坦面を備えている軌道。
【請求項4】
請求項1に記載の軌道において、
前記裏打板は複数の配線管を含んでいる軌道。
【請求項5】
請求項4に記載の軌道において、
前記軌道は、電気伝導体が前記裏打板を通って前記複数の配線管の少なくとも1つの中へ通じることができるように前記複数のスロットに配置されている複数の配線管アクセス点を更に備えている軌道。
【請求項6】
請求項1に記載の軌道において、
前記複数の電気接点部は、銅、アルミニウム、銀、又は金である軌道。
【請求項7】
請求項1に記載の軌道において、
前記複数の電気接点部は、条片又はパッドから選定されている軌道。
【請求項8】
請求項1に記載の軌道において、
前記複数の電気接点部を絶縁するように前記軌道へ取り外し可能に連結されているカバーを更に備えている軌道。
【請求項9】
請求項1に記載の軌道において、
前記複数の電気接点部は、前記裏打板の表面に沿って配置されている軌道。
【請求項10】
請求項1に記載の軌道において、
前記複数の電気接点部は前記裏打板に埋め込まれている軌道。
【請求項11】
請求項1に記載の軌道において、
前記電気接点部のうち少なくとも1つは電源又はデータ源へ電気的に連結されている軌道。
【請求項12】
請求項11に記載の軌道において、
前記複数の電気接点部は、前記電源へ電気的に連結されている電気接点部のサブセット及び前記データ源又は複数データ源へ電気的に連結されている電気接点部の共存するサブセットを有する軌道。
【請求項13】
軌道と、取付台とを備えた電気接点を有する機器取り付け装置において、
前記軌道は、裏打板と、複数のスロットと、複数の電気接点部とを備え、
前記複数のスロットは前記裏打板に沿って配置され、互いに実質的に平行であり、
前記複数のスロットのうち少なくとも1つは、複数の目標開口領域と、複数の非開口領域とを備え、前記目標開口領域は直径及び/又は寸法が前記非目標開口領域より大きく、
前記複数の電気接点部は前記裏打板に沿って配置され、前記複数のスロットのうち少なくとも1つに隣接しており、
前記取付台は、
後面と前面を有する取り付け板と、
前記取り付け板の前記後面へ連結されている少なくとも1つの取り付けスタッドであって、各取り付けスタッドは、前記後面から外向きに延びている軸部分及びそれぞれの軸部分の遠位端に配置されている拡大頭部分を含んでいる、少なくとも1つの取り付けスタッドと、
機器を前記取付台の前記前面へ固定するために前記取り付け板を貫いて配置されている複数の機器取り付け場所と、
前記後面上に配置され、前記機器へ電気的に連結されている少なくとも1つの端子台であって、前記少なくとも1つの端子台へ連結されている複数の電気ワイパを更に備え、各電気ワイパは前記機器へ電気的に連結される少なくとも1つの端子台と、
前記取付台が前記軌道へ固定されると、前記複数の電気接点部のうち少なくとも1つが、前記少なくとも1つの電気ワイパへ電気的に連結してパワー又はデータを前記機器へ提供する、機器取り付け装置。
【請求項14】
請求項13に記載の機器取り付け装置において、
前記軌道は、前記複数のスロットに実質的に平行な前記軌道の中心に沿った複数のロック穴を備えている機器取り付け装置。
【請求項15】
請求項13に記載の機器取り付け装置において、
前記軌道は前記軌道の中心に沿った平坦面を備えている機器取り付け装置。
【請求項16】
請求項13に記載の機器取り付け装置において、
前記複数の電気接点部のうち少なくとも1つは、電源又はデータ源へ電気的に連結されている機器取り付け装置。
【請求項17】
請求項13に記載の機器取り付け装置において、
前記複数の電気ワイパは、電源へ電気的に連結されている電気ワイパのサブセット及びデータ源又は複数データ源へ電気的に連結される電気ワイパの共存するサブセットを有する機器取り付け装置。
【請求項18】
請求項13に記載の機器取り付け装置において、
前記取付台は、解放機構であって、
前記取り付け板を貫いて配置されていて前記後面から外向きに延びるロックピンと、
前記ロックピンへ動作可能に接続されている少なくとも1つの被解放ロックピンと、を備える解放機構を更に備える機器取り付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本明細書は概括的には機器及び装置のための取り付けシステムに関する。
【発明の概要】
【0002】
[0002]1つの実施形態では、軌道が、互いに実質的に平行な多数のスロットを配置させた裏打板を含んでいる。各スロットは、複数の開口領域と、当該複数の開口領域を接続している複数のネックダウン領域と、を含んでいる。軌道は、更に、裏打板に沿って複数のスロットの少なくとも1つに隣接して配置されている複数の電気接点部を含むものとすることができ、複数の電気接点部の少なくとも1つは電源又はデータ源へ電気的に連結されている。
【0003】
[0003]別の実施形態では、取付台が、後面と前面を有する取り付け板を含んでいる。取付台は、更に、取り付け板の後面へ連結されている少なくとも1つの取り付けスタッドを含むものとすることができ、各取り付けスタッドは、後面から外向きに延びている軸部分と、それぞれの軸部分の遠位端に配置されている拡大頭部分と、を含んでいる。取付台は、更に、機器を取付台の前面へ固定するために取り付け板を貫いて配置されている複数の機器取り付け場所と、取り付け板へ固定されていて機器へ電気的に連結されている少なくとも1つの電気コネクタと、を含んでいてもよい。取付台は、更に、取り付け板を貫いて配置されていて裏面から外向きに延びているロックピンと、ロックピンへ動作可能に接続されている少なくとも1つの被解放ロックピン(locking pin released)と、を含む解放機構を含んでいてもよい。
【0004】
[0004]更に別の実施形態では、機器取り付け装置が、互いに実質的に平行な多数のスロットを配置させている裏打板を有する軌道を含んでいる。各スロットは、複数の開口領域と、当該複数の開口領域を接続している複数のネックダウン領域と、を含んでいる。軌道は、更に、裏打板に沿って複数のスロットの少なくとも1つに隣接して配置されている複数の電気接点部を含むものとすることができ、複数の電気接点部の少なくとも1つは電源又はデータ源へ電気的に連結されている。機器取付は、更に、後面と前面を有する取り付け板を含む取付台を含んでいてもよい。取付台は、更に、取り付け板の後面へ連結されている少なくとも1つの取り付けスタッドを含むものとすることができ、各取り付けスタッドは、後面から外向きに延びている軸部分と、それぞれの軸部分の遠位端に配置されている拡大頭部分と、を含んでいる。取付台は、更に、機器を取付台の前面へ固定するために取り付け板を貫いて配置されている複数の機器取り付け場所と、取り付け板へ固定されていて機器へ電気的に連結されている少なくとも1つの電気コネクタと、を含んでいてもよい。取付台は、更に、取り付け板を貫いて配置されていて裏面から外向きに延びているロックピンと、ロックピンへ動作可能に接続されている少なくとも1つの被解放ロックピンと、を含む解放機構を含んでいてもよい。
【0005】
[0005]これらの特徴及びここに記載の実施形態によって提供される更なる特徴は、次の詳細な説明を図面と関連付けて見てゆけばより深く理解されるはずである。
[0006]図面に示されている実施形態は、説明が目的であり、本質的に例示であり、特許請求の範囲によって定義されている主題を限定しようとするものではない。次に続く説明を目的とした実施形態の詳細な記述は、添付図面と関連付けながら閲読されれば理解され得るものであり、図面中、同様の構造は同様の符号で表示されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】[0007]ここに示され説明されている1つ又はそれ以上の実施形態による電化機器取り付けシステムでの使用のための軌道の前面図を描いている。
【
図2】[0008]ここに示され説明されている1つ又はそれ以上の実施形態による軌道の側面図を描いている。
【
図3】[0009]ここに示され説明されている1つ又はそれ以上の実施形態による複数の電気接点部を有する軌道の斜視図である。
【
図4】[0010]ここに示され説明されている1つ又はそれ以上の実施形態による、機器へ付着された取付台の斜視図である。
【
図5】[0011]ここに示され説明されている1つ又はそれ以上の実施形態による
図1の軌道と
図3の取付台の間の相互作用を示している。
【
図6】[0011]
図5と共に
図1の軌道と
図3の取付台の間の相互作用を示している。
【
図7】[0012]ここに示され説明されている1つ又はそれ以上の実施形態による、一体にロックされた取付台と軌道の側面図である。
【
図8】[0013]ここに示され説明されている1つ又はそれ以上の実施形態による取付台を使用して軌道へ付着された機器を描いている。
【
図9】[0014]ここに示され説明されている1つ又はそれ以上の実施形態による電気アダプタの斜視図を描いている。
【
図10】[0015]ここに示され説明されている1つ又はそれ以上の実施形態による、軌道へ付着されていて取付台へ電気的に連結されている電気アダプタを示している。
【
図11】[0016]ここに示され説明されている1つ又はそれ以上の実施形態による電気アダプタの第2の実施形態を示している。
【
図12】[0017]ここに示され説明されている1つ又はそれ以上の実施形態による、軌道へ付着されていて取付台へ電気的に連結されている電気アダプタの第2の実施形態を描いている。
【
図13】
図13は、軌道の代わりとしての定位板の斜視前面図である。
【
図14】
図14は、複数の目標開口領域及び非目標開口領域を有する軌道を描いている。
【
図15】
図15は、複数のロック穴を有する軌道を描いている。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0018]次に続く本文は、本開示の多数の異なった実施形態の広範な説明を記している。
本説明は、単に例示と見なされるべきであり、実現され得る実施形態全てを記述するのは不可能ではないにしても非現実的であろうことから、本説明は実現され得るあらゆる実施形態を記述しているわけではなく、また、ここに記述されている特徴、特性、構成要素、組成、成分、生成物、工程、又は方法論は何れも、全体的又にせよ又は部分的にせよ、削除されることもあり得るし、ここに記述されている何れか他の特徴、特性、構成要素、組成、成分、生成物、工程、又は方法論と組み合わされたり又は置き換えられたりすることもあり得るものと理解しておきたい。多数の代わりの実施形態が、既存の技術を使用するなり或いは本特許の出願日以降に開発された技術を使用するなりして、なお特許請求の範囲による範囲に入るものとして実施されることがあるかもしれない。ここに挙げられている全ての出版物及び特許はここに参考文献として援用される。
【0008】
[0019]用語はどれも、そう言明されていない限り、本発明に必要不可欠であるとするものではない。本特許の末尾の特許請求の範囲に述べられている如何なる用語も、それが本特許の中で或る単一の意味と整合するやり方で言及される限りにおいて、読み手を混乱させないよう分かり易くすることのみを目的にそうなされるものであり、特許請求の範囲のその様な用語は、暗示的にも又はそれ以外にも、当該単一の意味に限定されるものでなはい。
【0009】
[0020]
図1を参照すると、電化機器取り付けシステム又は類似の軌道システムでの使用のための軌道10の前面図が示されている。複数の軌道が使用されてもよいが、同じ軌道システムの複数の軌道は同じか又は実質的に同じ特徴を有していることから1つの軌道10だけを説明してゆく。また、軌道10の寸法、形状、及び/又は構成は、据え付け面の寸法及び軌道10へ取り付けられることになる機器の寸法に依存して変わり得る。軌道10は、細長く矩形の形状(又は何れか他の適当な形状)を有している裏打板15と複数のスロットを含んでいる。幾つかの実施形態では、複数のスロットは3つのスロット、即ち、左スロット20、中央スロット25、及び右スロット30とすることができ、それらスロットは、裏打板に沿って配置されていて、裏打板15に沿って何れかの長さに延びていて、複数のスロットの少なくとも1つに隣接している。換言すると、複数のスロットは互いに実質的に平行である。各スロット20、25、及び30は、複数のネックダウン領域40に隣接する複数の開口領域35を有している。幾つかの実施形態では、開口領域35は、それらが等距離に離間され且つ裏打板15の長さに沿って幅方向に一列に整列するように対称である。別の例として、スロット20、25、及び30の1つ又はそれ以上のスロットの開口領域35は、どれもが等距離にあるとは限らず、及び/又は他のスロットの他の開口領域と一列に整列していない場合もある。
【0010】
[0021]軌道10は、電源(図示せず)及び/又はデータ源又は複数データ源(図示せず)へ電気的に連結されている複数の電気接点部45を有していてもよい。複数の電気接点部45は、複数のスロットに実質的に平行であり、裏打板15に沿って何れかの長さに延びていてもよい。幾つかの実施形態では、複数の電気接点部は、電気伝導性の条片又は
図13に示されている複数のパッド
281であってもよい。複数の電気接点部45はどれもが電源へ電気的に連結されていてもよいし、又はそれらはどれもがデータ源又は複数データ源へ電気的に連結されていてもよい。代わりに、複数の電気接点部45は、電源へ電気的に連結されている電気接点部のサブセット及びデータ源又は複数データ源へ電気的に連結されている電気接点部の共存するサブセットを有していてもよい。電気接点部45は複数のスロット20、25、及び30に実質的に平行であるものとして示されているが、例えば非平行な向き付け、プラグ型式の接点部、など、の様な他の構成も実施可能であると理解している。
【0011】
[0022]
図2には、軌道10の側面図が示されている。複数の電気接点部45及びT字形状の3つのスロット(左スロット20、中央スロット25、及び右スロット30)が示されている。幾つかの実施形態では、複数の電気接点部45は、表面実装型であり、
図2に示されている様に埋め込まれてはいない。例えば、複数の電気接点部45は、軌道10上に押出成形されているか又は軌道10の上へ形成されていてもよい。複数の電気接点部45は、それら複数の電気接点部45を絶縁するカバー50を有していてもよい。カバー50は、軌道10へ取り外し可能に付着されるようになっていてもよい。カバー50は、複数の電気接点部45の不注意による接触に曝される部分のみを絶縁するように切られていてもよい。幾つかの実施形態では、軌道10は、電気伝導体を管理及び保護するために使用される複数の配線管60を含んでいてもよい。
【0012】
[0023]
図3は、複数の電気接点部45を有する軌道10の斜視図である。複数の配線管60は軌道10の長さを走っていてもよいし、又はそれらは、少なくとも1つの配線又は電気伝導体175(
図9)が配線管60を抜け出ることができるように短く切られているか又は切り抜きを有していてもよい。幾つかの実施形態では、複数の配線管アクセス点65が複数のスロットの少なくとも1つに配置されていて、電気伝導体175が裏打板15を通って配線管60の1つの中へ通じることができるようにしている。
図3には配線管アクセス点65が中央スロット25に設けられている非限定の例が示されている。例えば、配線管アクセス点65は、同様に、左スロット20及び/又は右スロット30を含めて3つのスロットの何れに配置されていてもよい。
【0013】
[0024]
図4は、機器75へ付着されている取付台70の斜視図である。取付台70は、取り付け板80、後面85、前面90、及び少なくとも1つの取り付けスタッド95を有している。例えば、少なくとも1つの取り付けスタッド95は、4つの取り付けスタッド95a、95b、95c、及び95d、であってもよい。取付台70は、
図1に示されている軌道10又は定位板250(
図13)へ取り外し可能に接続及び/又は付着させるように操作可能であってもよい。各取り付けスタッド95a−95dは、後面85から外向きに延びているそれぞれの軸部分100a−100dと、それぞれの軸部分100a−100dの遠位端に配置されているそれぞれの拡大頭部分105a−105dを含んでいる。取付台70がひとたび軌道10又は定位板250へ固定されてしまったら動けないようにするするために、ロックピン110と少なくとも1つのロックピン解放を有する解放機構(図示せず)が使用されていてもよい。例えば、少なくとも1つのロックピン解放は、右ロックピン解放115及び左ロックピン解放120であってもよい。ロックピン110は、取り付け板80を貫いて配置されていて、後面から外向きに延びていて、軌道10の中央スロット25又は対応するロックピン孔(図示されていないが定位板の部分)に係合するための伸展ロック位置に向けて(例えば、ばね、弾性材料、又は他の付勢手段によって)外方付勢されるようになっていてもよい。ロックピン110は、取付台70上の軌道の右スロット30又は左スロット25に係合する場所に設けることができるものと理解されたい。ロックピン110は、解放機構(図示せず)へ動作可能に接続されている右ロックピン解放115又は左ロックピン解放120を個別か又は合同のどちらかで使用して引っ込ませることができる。両ロックピン解放は、邪魔になるのを避け尚且つ取付台70を軌道10又は定位板から解放できるようにするために、何れの方向に向き付けられていてもよいものと理解されたい。また、幾つかの実施形態では、取付台70の取り付け板80を解放するには2つ又はそれ以上の解放レバーを作動させる必要がある。その様な実施形態は、ロックピン解放115又は120の一方が過って作動された場合の取り付け板80の望まれない運動を未然に防ぐことによる追加の安全確保を提供することができる。前面90は、何れの装置及び/又は機器75をそれへ付着させていてもよい。或る非限定的な例では、複数の機器取り付け場所150がロックピン110の周りに示されており、機器75を取付台70へ固定するのに使用されるようになっている。複数の機器取り付け場所150は、何れかの機器75を取付台70へ固定できるようにする何れの構成であってもよい。
【0014】
[0025]取付台70は、取り付け板80へ固定されている少なくとも1つの電気コネクタを有していてもよい。幾つかの実施形態では、電気コネクタは後面85上に配置されている少なくとも1つの端子台140である。複数の電気ワイパ145が端子台140へ連結されており、それらは取付台70へ付着されている機器75へ電気的に連結されていてもよい。幾つかの実施形態では、軌道10上の電気接点部45と等しい数量の電気ワイパ145が設けられている。別の実施形態では、電気ワイパは軌道10の複数の電気接点部45のパッドと嵌め合い式に連結するパッドであってもよい。
【0015】
[0026]
図5及び
図6を参照すると、軌道10と取付台70は、取付台70を軌道10へロックするのに使用される異相配列(out-of-phase configuration)を提供している。
図5を参照して、取付台70の取り付けスタッド95a、95b、95c、及び95dの拡大頭部分105a、105b、105c、及び105dが、左スロット20及び右スロット30それぞれの複数の開口領域35a、35b、35c、及び35d内に挿入されたところである。ロックピン110は、それがネックダウン領域40eと整列していることに因り中央スロット25に進入することを阻止されている。幾つかの実施形態では、拡大頭部分105a、105b、105c、及び105dを左スロット20及び右スロット30それぞれの中に設置することが、ロックピン110をその外方付勢された伸展位置から引っ込ませることになる。
【0016】
[0027]
図6を参照して、取り付けスタッド95a、95b、95c、及び95dの軸部分100(図示せず)は、拡大頭部分105a、105b、105c、及び105dを左スロット20及び右スロット30それぞれの中に留まらせた状態で、ネックダウン領域40a、40b、40c、及び40dをそれぞれ通って滑動する寸法である。取付台70の矢印125の方向への下方運動は、拡大頭部分105a、105b、105c、及び105dを、左スロット20及び右スロット30のネックダウン領域40a、40b、40c、及び40dとそれぞれ整列させ、ロックピン110を中央スロット25の拡大頭部開口105eと整列させる。ロックピン110の幅は、拡大頭部開口105eに隣接するネックダウン領域40e及び40fを通る上側通路130及び下側通路135より大きくなっており、ひとたびロックピン110が拡大頭部開口105eを通って中央スロット25の中へ通じてしまえば取付台70のそれ以上の運動は阻止される。ロックピン110がその伸展位置に向けて付勢される実施形態では、ひとたびロックピン110が拡大頭部開口105eと整列するや、ロックピン110は自動的にその伸展位置へパチンと入る。操作員は、上述のロックピン解放115及び/又は120の何れかを作動させることによってロックピン110を中央スロット25から引っ込ませたら、再度、取付台70を軌道10に沿って異なった高さへ動かすことができる。
【0017】
[0028]
図5及び
図6は、取付台70が軌道10へ4つの取り付けスタッド95a、95b、95c、及び95dと1つのロックピン110を使用して固定されていることを示しているが、何れの他の数のスタッド及びロックピンが代わりに採用されてもよいものと認識されたい。その様な実施形態は、取付台70と軌道10の間により多い接触点を提供することによって、増加した荷重下でも安全確保された接続を可能にさせる。別の実施形態では、取付台70は、8つの取り付けスタッド95を取り付け板80の周りに均等に分配して組み入れていてもよい。更に別の実施形態では、軌道10との解放可能な接続を可能にさせる何れかの他の数の取り付けスタッド95が取り付け板80上に配置されていてもよい。拡大頭部分105は、スロット20、25、及び30の複数の開口領域35を通って受け入れられネックダウン領域40の後ろに捕捉される寸法であり、一方、軸部分100はスロット20、25、及び30のネックダウン領域40を通り過ぎる寸法である。
【0018】
[0029]
図7は、
図5及び
図6で説明されている様に一体にロックされた取付台70と軌道10の側面図である。取付台70へ付着されている複数の取り付けスタッド95は、軌道10の3つのスロット20、25、及び30の中へロックされている。機器75を取付台70の取り付け板80へ複数の機器取り付け場所150を介して固定するのに複数の機器締結具155が使用されていてもよい。端子台140は後面85から離れて外方付勢されていてもよい。付勢力は、確実に複数の電気ワイパ145が複数の電気接点部45へ電気的に連結されるようにする。示されている様に、例えば、電気ワイパ145の数は複数の電気接点部45の数に等しい。複数の電気ワイパは、電源へ電気的に連結されている電気ワイパのサブセットを有していてもよいし、又はデータ源又は複数データ源へ電気的に連結されている電気ワイパの共存するサブセットを有していてもよい。
【0019】
[0030]
図8は、取付台70を使用して軌道10へ付着されている機器75を描いている。カバー50が、機器75の周りの複数の電気接点部45(
図1)を絶縁して、結果的に複数の電気ワイパ145だけが複数の電気接点部へ電気的に連結されるようにしていることが示されている。
【0020】
[0031]
図9は、電気アダプタ160の斜視図である。電気アダプタ160は、機器75(
図4)を電源又はデータ源へ電気的に連結するのに使用することができる。コネクタ板165が、少なくとも1つの取り付けスタッド95及びロック機構180のための土台の役目を果たしている。少なくとも1つの取り付けスタッド95は、コネクタ板165の第1面161へ固定されていてもよい。ロック機構180はコネクタ板165の第2面163へ連結されていてもよい。ロック機構180は、アダプタロックピン205(
図11)へ動作可能に連結されているハンドル185を有している。アダプタロックピン205は、コネクタ板165を貫いて配置されているものとすることができ、第1面161から外向きに延びている。ロック機構180は、電気アダプタ160を軌道10又は定位板250(
図11)へ固定する。ハンドル185は、
図9に着座位置にあるところが示されている。ハンドル185が着座位置にあるとき、アダプタロックピン205はロック位置又は伸展位置にあり、即ちアダプタロックピン205は第1面161から外向きに延びている。ハンドル185が非着座位置へ動かされるとき、それはアダプタロックピン205をロック解除位置又は引き込み位置へ動かし、即ちアダプタロックピン205は第1面161と面一になる。ハンドル185が非着座位置から着座位置へ動かされると、アダプタロックピン205はロック解除位置(又は引き込み位置)からロック位置(又は伸展位置)へ動く。代わりの実施形態では、ハンドル185及び/又はアダプタロックピン205は、上述の様に、限定するわけではないが1つ又はそれ以上のばね、弾性材料、それらの組合せ、など、を含む付勢部材を使用して、着座位置及び/又はロック位置へ付勢されていてもよい。例えば、ハンドル185は、アダプタロックピンを伸展させる又は引き込むのに必要な付勢力を提供するばねを圧縮するようになっていてもよい。他の実施形態では、ハンドル185はアダプタロックピンを伸展させる又は引き込むカム(図示せず)を作動させるようになっていてもよい。
【0021】
[0032]電気伝導体175は複数の第2電気端子
170と電気的に連結している。複数の第2電気端子
170はコネクタ板165上に取り付けられていてもよい。幾つかの実施形態では、複数の第2電気端子
170は、電気アダプタ160の前面190側の第2端子ハウジング195に設けられていてもよい。幾つかの実施形態では、複数の第2電気端子
170は、ハンドル185が着座位置にあるときには前面190から突き出ることができ、ハンドル185が非着座位置にあるときには陥没するようになっていてもよい。
【0022】
[0033]
図10は、軌道10へ付着されていて取付台70へ電気的に連結されている電気アダプタ160を示している。電気コネクタは、複数の第1電気端子(図示せず)を含んでいる、前面90へ連結された第1端子ハウジング200とすることができる。電気アダプタ160が軌道10上に設置されハンドル185が着座位置に入れられると複数の第1電気端子と複数の第2電気端子170が整列し電気的に連結する。例えば、第1端子ハウジング200と第2端子ハウジング195は軌道10へ固定されたとき整列する。取付台70は既に定位置へロックされていることになっているが、本開示は取付台70を最初に軌道10上へ設置することに限定されないものと理解されたい。複数の第1電気端子及び複数の第2電気端子は機器75の電源及び/又はデータ源又は複数データ源を電気的に連結している。代わりに、複数の第1電気端子及び複数の第2電気端子は、それぞれ、電源へ電気的に連結されている電気端子のサブセット及びデータ源又は複数データ源へ電気的に連結されている電気端子の共存するサブセットを有していてもよい。幾つかの実施形態では、複数の第1電気端子及び複数の第2電気端子は雄型プラグと雌型プラグのセットであってもよいし、又はそれらは電気伝導性のリング又はパッドのセットであってもよい。
【0023】
[0034]
図11は、電気伝導体175が
図1に示されている軌道10の中央スロット25を電気伝導体175を管理及び固定するための配線管として使用している電気アダプタ160の別の実施形態を示している。電気伝導体175は、コネクタ板165の第1面161から突き出ている。電気伝導体175は、第1面161の3つのスロット20、25、又は30の何れかの配線管としての使用を可能にさせる何れかの場所から突き出ているものと理解されたい。1つより多い電気伝導体175が第1面161から突き出ていてもよい。アダプタロックピン205は、第1面161から
図9で説明されている様にロック位
置又は伸展位置に突き出ていることが示されている。アダプタロックピン205は、
図4に示されている取付台70のロックピン110と同様の機能を果たす。
電気伝導体175は複数の第2電気端子170と電気的に連結している。
【0024】
[0035]次に
図12を参照すると、中央スロット25を配線管として使用している電気伝導体175を有する電気アダプタ160が示されている。この図を
図10と比較すると、電気伝導体175は中央スロット25で以て管理及び固定されているか、又は代わりに電気伝導体175は複数の配線管アクセス点65(
図3)の1つに入り、電気伝導体175を管理及び固定する複数の配線管60を使用している場合もある。複数の第1電気端子及び複数の第2電気端子は、機器75の電源及び/又はデータ源を電気的に連結している。電気アダプタ160が軌道10上に、第1端子ハウジング200と第2端子ハウジング195が整列するような具合に設置され、ハンドル185が着座位置に入れられると、複数の第1電気端子と複数の第2電気端子170は整列し電気的に一体に連結する。幾つかの実施形態では、複数の第1電気端子及び複数の第2電気端子は雄型プラグと雌型プラグのセットであってもよいし、又はそれらは電気伝導性のリング又はパッドのセットであってもよい。
【0025】
[0036]
図13は、軌道10の代わりとしての定位板250の斜視前面図である。定位板250は、
図4の取付台70又は
図9の電気アダプタ160へ取り外し可能に連結又は付着させることができる。定位板250は、それを面へ固定するための何れかの適当な取り付け構造又は締結装置を含んでいてもよい。締結装置は、限定されるわけではないが、ねじ、ボルト、リベット、釘、接着剤、Velcro、溶接、エポキシ、又は2つ又はそれ以上の物体を機械的に一体に接合又は固着する何れかの類似の装置を含む。取り付け構造は、限定されるわけではないが、ダブテール、フックとスロット、さねはぎ、滑動式連結部材、ピンとスロット、又は何れかの類似の装置を含む。この例示的な実施形態では、定位板250は、定位板250を面へ固定するのに4つの取り付け穴255a−255dを組み入れている。定位板250は、更に、拡大頭部開口280とネックダウン部分285をそれぞれに有する鍵穴型スロット260、265、270、及び275の形態をしたスロットを含んでいる。鍵穴型スロット260、265、270、及び275の拡大頭部開口280は、
図4の拡大頭部分105a、105b、105c、及び105dを通して受け入れる寸法と配列であり、ネックダウン部分285は、拡大頭部分105a、105b、105c、及び105dがネックダウン部分285内に捕捉された状態で
図4の軸部分100に中を滑動させる寸法である。ロックピン290が、
図4のロックピン110がロックピン孔290と整列したときにロックピン110を受け入れる寸法に設けられていてもよい。
【0026】
[0037]
図14は、複数の目標開口領域300及び非目標開口領域305を有する軌道10を描いている。左スロット20及び右スロット30は、
図4の取り付けスタッド95又は類似のスタッドに適合する目標開口領域300を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、目標開口領域300は、機器を付着させた取付台70が、取り付けスタッド95と
図1の開口領域35との視線整列の必要性無しに、滑動式に軌道10と連結できるようにしている。目標開口領域300は、直径及び/又は寸法が非目標開口領域305より大きく、取付台70の軌道10に対する向き付けにおけるより大きな可変性を許容しながらもなお軌道10と取付台70の間の正確な係合を可能にする。目標開口領域300によって端子台140の複数の電気接点部45に対する整列が変わることはない。代わりの実施形態(図示せず)では、軌道10は非目標開口領域305を含んでいない。それは、軌道20及び30に沿った或る特定数の目標開口領域300と当該特定数の目標開口領域300の間を走っているネックダウン領域しか含んでいない。
【0027】
[0038]
図15は、複数のロック穴310を有する軌道10を描いている。
図14に示されている中央スロット25は、複数のロック穴310と置き換えられて、
図4のロックピン110を個別のロック穴310に滑動式に連結して取付台70を軌道10へ固定させられるようにしている。幾つかの実施形態では、左スロット20及び右スロット30は複数の目標開口領域300及び非目標開口領域305を有していてもよいが、それらは必須ではない。端子台140の複数の電気接点部45に対する整列が変わることはない。
【0028】
[0039]
図16は、
図14に示されている中央スロット25無しの軌道10を描いている。左スロット20及び右スロット30が複数の目標領域300及び非目標開口領域305を有しているが、それらは必須ではない。平坦面315は、
図4のロックピン110が付勢力を均一的な表面へ加えて取り付けスタッド95と左スロット20及び右スロット30のネックダウン領域40の間に干渉嵌めを作り出せるようにしている。付勢力は、取付台70を軌道10から分離させる力を働かせる。干渉嵌め又は摩擦嵌めが、2つの部品をそれら部品の一体押圧後に摩擦によって締結する締結装置になっている。端子台140の複数の電気接点部45に対する整列が変わることはない。
【0029】
[0040]適用は説明中に述べられている又は図に示されている詳細又は方法論に限定されないものと理解されたい。用語遣いは説明のみを目的としており、限定を課すものと考えられてはならない。或る特定の用語遣いが付随の説明中に使用されているが便宜上使用されているだけであって限定を課すものではない。「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、「下」という語は、参照先の図面中の方向を指定している。用語遣いは、以上に指摘されている語並びにそれらの派生語及び同様の意味の語を含む。
【0030】
[0041]「実質的に」及び「約」という用語は、ここでは、何れかの量的比較、数値、測定値、又は他の表現、に起因する特有の不確定度を表すのに用いられていることを指摘しておく。これらの用語は、更に、ここでは、量的表現が、表明されている基準から、問題になっている主題の基本的機能に変化を生じさせることなく変動し得る程度を表すのにも用いられている。
【0031】
[0042]具体的な実施形態がここに示され説明されてきたが、特許請求の範囲に記載の主題の精神及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正がなされ得るものと理解されたい。また、特許請求の範囲に記載の主題の様々な態様がここに説明されてきたが、その様な態様は組み合わせて利用される必要はない。従って、付随の特許請求の範囲は、特許請求の範囲に記載の主題の範囲に入る全てのその様な変更及び修正を網羅するものとする。
【符号の説明】
【0032】
10 軌道
15 裏打板
20 左スロット
25 中央スロット
30 右スロット
35、35a−35d 開口領域
40、40a−40f ネックダウン領域
45 電気接点部
50 カバー
60 配線管
65 配線管アクセス点
70 取付台
75 機器
80 取り付け板
85 後面
90 前面
95、95a−95d 取り付けスタッド
100a−100d 軸部分
105a−105d 拡大頭部分
105e 拡大頭部開口
110 ロックピン
115 右ロックピン解放
120 左ロックピン解放
130 上側通路
135 下側通路
140 端子台
150 機器取り付け場所
155 機器締結具
160 電気アダプタ
161 第1面
163 第2面
165 コネクタ板
170 第2端子
175 電気伝導体
180 ロック機構
185 ハンドル
195 第2端子ハウジング
200 第1端子ハウジング
205 アダプタロックピン
250 定位板
255a−255d 取り付け穴
260、265、270、275 鍵穴型スロット
280 拡大頭部開口
285 ネックダウン部分
290 ロックピン孔
300 目標開口領域
305 非目標開口領域
310 ロック穴
315 平坦面
【要約】 (修正有)
【課題】機器の高速配置転換を可能にするモジュール式機器取付台を提供する。
【解決手段】機器は取付台へ固定される。互いに実質的に平行な多数のスロット20、25、30を有する軌道10を用いた軌道システムが、機器を固定することのできる複数の場所へ固定されている。パワー接続部及びデータ接続部が軌道システムと一体に含まれていて、パワー及びデータを機器へ取付台上のコネクタを通じて提供する。
【選択図】
図2