(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記流量調節部材は、板状に形成されており、当該流量調節部材は、前記仕切板に設けられて、前記上流側流路部内を前記温度制御対象の空気が流れる方向に対し交差する方向に沿って延びている、
ことを特徴とする請求項3に記載の空気調和装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の空気調和装置は、取り込んだ空気を冷却、加熱及び加湿により所望の温度及び湿度に制御し、ユース領域に供給する。また、この空気調和装置は、取り込んだ空気を主流と副流とに分岐させるダクトを備え、このダクトでは、主流が通流する流路部分に冷却手段が配置されている。一方、副流が通流する流路部分には流量調節部材が配置され、当該流路部分は冷却手段の下流側で主流の流路部分に接続されている。これにより、流路調節部材によって冷却が必要な流量分の空気を冷却手段に供給して冷却することが可能となり、省エネルギー化を図ることができる。
【0006】
しかしながら、この空気調和装置では、ダクトにおける主流の流路部分と副流の流路部分とが互いに独立して構成され、且つ冷却手段、加熱手段、加湿手段等の比較的多くの部材が設置されるため、装置全体が大型化するという課題がある。
【0007】
また、近時、半導体製造設備に用いられるこの種の空気調和装置では、温度に加えて、湿度についても厳密に制御されることが求められる傾向にある。とりわけ、フォトリソグラフィで用いられるフォトレジストの塗布装置では、フォトレジストが温度だけでなく湿度によっても特性が大きく変化するため、湿度制御の精度向上が強く求められている。
【0008】
本発明は、このような実情を考慮してなされたものであり、温度制御対象の空気における冷却する空気及び冷却しない空気の流量を調節可能とするダクト等の部材により、装置全体を大型化させることなく省エネルギー化を図ることができる空気調和装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、温度制御対象の空気を取り込む取込口が設けられた上流側流路部と、前記温度制御対象の空気を吐出する吐出口が設けられた下流側流路部と、を有するダクトと、前記ダクトの前記上流側流路部内に配置され、前記温度制御対象の空気を冷却する冷却部と、前記ダクトの前記下流側流路部内に配置され、前記温度制御対象の空気を加熱する加熱部と、を備え、前記上流側流路部は、その内部空間を主流用流路と副流用流路とに仕切る仕切板を有し、前記冷却部は、前記主流用流路に配置され、前記上流側流路部に、前記副流用流路の少なくとも一部を覆って、当該副流用流路の開口面積を調節する流量調節部材が設けられている、ことを特徴とする空気調和装置、である。
【0010】
本発明によれば、冷却部が配置されるダクトの上流側流路部内を主流用流路と副流用流路とに仕切板によって仕切り、流量調節部材の設置によって冷却部が配置されない副流用流路の開口面積を調節することで、ダクトを大型化することなく、冷却する空気及び冷却しない空気の流量を調節することが可能となる。そして冷却する空気の流量に応じて冷却部の冷却能力を調節することで、省エネルギー化を図ることができる。
【0011】
前記流量調節部材は、着脱可能に設けられていてもよい。これにより、冷却する空気及び冷却しない空気の流量を柔軟に調節することができる。
前記流量調節部材は、前記仕切板に設けられていてもよい。この場合、流量調節部材をダクトに直接的に設ける場合に比較して流量調節部材の設置構造を簡素化できるため、生産性を向上できる。
【0012】
とりわけ、前記流量調節部材は、板状に形成され、当該流量調節部材は、前記仕切板に設けられて、前記上流側流路部内を前記温度制御対象の空気が流れる方向に対し交差する方向に沿って延びることが好ましい。この場合、流量調節部材の設置構造を極めて簡素化できるため、生産性を効果的に向上できる。
【0013】
また、前記上流側流路部と前記下流側流路部とは、L字状をなすように結合されていてもよい。この場合、上流側流路部と下流側流路部とが直線状に結合する場合に比較して、装置全体を小型化し易くなる。
【0014】
また、本発明による空気調和装置は、前記吐出口の下流側に設けられ、前記取込口から前記吐出口へ前記温度制御対象の空気を通流させる送風機と、前記下流側流路部内に配置される加湿器と、をさらに備え、前記加湿器は、上方に向けて開放し水を貯留する貯留槽と、前記貯留槽内の水を加熱するヒータと、前記貯留槽を上方から覆うカバーと、を有し、前記カバーには、上下方向に貫通する開口部が部分的に設けられていてもよい。この場合、加湿器を通過する空気の影響により貯留槽内の水の水面が乱れることが抑制されるので、加湿制御の精度を向上できる。
【0015】
とりわけ、前記開口部の周縁には、前記貯留槽の底部側に突出すると共に前記周縁の少なくとも一部にわたって延びる囲繞部が設けられることが好ましい。この場合、開口部の周縁に水滴が付着しても、水滴は成長に伴う自重により囲繞部に案内されて貯留槽側に戻り易くなる。これにより、開口部の周縁に付着した水滴が空気の影響でダクト側に飛散することが抑制されることで、加湿制御の精度を向上できる。
【0016】
また、前記加湿器は、前記加熱部の下流側に配置され、前記加熱部、前記加湿器及び前記送風機は、水平方向に並んでおり、前記開口部は、前記カバーの前記送風機側の端部よりも前記加熱部側の位置に設けられていてもよい。この場合、送風機の近傍は渦が発生し易いが、渦の発生し易い領域から開口部が離れるため、渦の影響によって加湿制御が乱れることが抑制される。すなわち、渦の発生領域に加湿器からの蒸気が供給された場合には、蒸気が空気に供給されなかったり、渦が崩れた場合に過剰に空気中に蒸気が供給されたりして、渦の影響によって加湿制御が乱れ得る。これに対して、本構成では、渦の影響によって加湿制御が乱れることが抑制されるため、加湿制御の精度を向上できる。
【0017】
また、前記開口部は、平面視における前記カバーの全体の面積に対する面積が20%〜60%の単一の開口部であってもよい。本件発明者の知見によれば、平面視におけるカバーの全体の面積に対する面積が20%〜60%の単一の開口部をカバーに設けることで、加湿制御の精度を向上できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、温度制御対象の空気における冷却する空気及び冷却しない空気の流量を調節可能とするダクト等の部材により、装置全体を大型化させることなく省エネルギー化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる空気調和装置1の概略図である。空気調和装置1は、例えば、フォトレジストの塗布を行う塗布装置に対し、温度制御された空気を供給して、装置内温度を一定に維持するために用いられる。
【0021】
図1に示すように、本実施の形態にかかる空気調和装置1は、温度制御対象の空気を取り込む取込口21が設けられた上流側流路部10Uと温度制御対象の空気を吐出する吐出口22が設けられた下流側流路部10Dとを有するダクト10と、上流側流路部10U内に配置され、温度制御対象の空気を冷却する冷却部31と、下流側流路部10D内に配置され、温度制御対象の空気を加熱する加熱部41と、吐出口22の下流側に設けられ、取込口21から吐出口22へ温度制御対象の空気を通流させる送風機50と、冷却部31及び加熱部41等を制御する制御部60と、を備えている。
【0022】
図1において、複数示された矢印Aは、空気の流れを示す。矢印Aに示すように、この空気調和装置1では、送風機50の駆動により、ダクト10の取込口21から取り込まれた温度制御対象の空気が上流側流路部10U及び下流側流路部10Dを通過した後、吐出口22から吐出される。その後、吐出口22からの空気は、送風機50によって接続流路51を介してユース領域Uに供給される。ユース領域Uは、例えばフォトレジストの塗布を行う塗布装置(コータ等)の内部空間等である。
【0023】
この空気調和装置1では、上述のように通流する空気が、冷却部31によって冷却されると共に加熱部41によって加熱され、ユース領域Uの温度が予め設定された目標ユース温度に向けて制御される。また、本実施の形態では、下流側流路部10Dにおける加熱部41の下流側に加湿器70が設けられ、温度制御対象の空気は、予め設定された目標ユース湿度に向けても制御される。制御部60は、ユース領域Uを所望の温度及び湿度とするために、冷却部31の冷却能力、加熱部41の加熱能力及び加湿器70の加湿量を制御するようになっている。
【0024】
冷却部31は、圧縮機32、凝縮器33及び膨張弁34と協働して、冷却回路30を構成している。冷却回路30は、冷却部31、圧縮機32、凝縮器33及び膨張弁34が熱媒体を循環させるように当該順序で配管35により接続されて構成されている。冷却部31は、冷却コイルであり、膨張弁34からの低温の熱媒体を通流させて、圧縮機32に流出させるようになっている。
【0025】
圧縮機32は、冷却部31から流出した低温かつ低圧の気体の状態の熱媒体を圧縮し、高温(例えば80℃)かつ高圧の気体の状態として、凝縮器33に供給する。圧縮機32は、可変運転周波数で運転され運転周波数に応じて回転数を調節可能なインバータ圧縮機である。圧縮機32では、運転周波数が高いほど、より多くの熱媒体が凝縮器33に供給される。圧縮機32としては、スクロール型圧縮機が採用されることが好ましい。しかしながら、インバータによる運転周波数の調節により回転数を調節して熱媒体の供給量(流量)を調節可能であれば、圧縮機32の形式は特に限定されない。
【0026】
凝縮器33は、圧縮機32で圧縮された熱媒体を冷却水によって冷却すると共に凝縮し、所定の冷却温度(例えば、40℃)の高圧の液体の状態として、膨張弁34に供給する。凝縮器33の冷却水には、水が用いられてよいし、その他の冷媒が用いられてもよい。また、膨張弁34は、凝縮器33から供給された熱媒体を膨張させることにより減圧させて、低温(例えば、2℃)かつ低圧の気液混合状態として、冷却部31に供給する。冷却部31は、供給された熱媒体を温度制御対象の空気と熱交換させて空気を冷却する。空気と熱交換した熱媒体は、低温かつ低圧の気体の状態となって冷却部31から流出して再び圧縮機32で圧縮される。
【0027】
この冷却回路30では、圧縮機32の運転周波数を変化させ回転数を調節することにより、凝縮器33に供給される熱媒体の供給量を調節可能であると共に、膨張弁34の開度を調節可能であることで、冷却部31に供給される熱媒体の供給量を調節可能となっている。このような調節により冷却能力が可変となっている。
【0028】
一方、加熱部41は、例えば電気ヒータである。より具体的には、加熱部41として、シーズヒータ又はフィンヒータ、或いはこれらの組合せからなる電気ヒータ等が採用され得る。
【0029】
本実施の形態におけるダクト10において、上流側流路部10Uと下流側流路部10DとはL字状をなすように結合されている。この例において、上流側流路部10Uは上下方向に沿って延びるように配置され、下流側流路部10Dは水平方向に沿って延びるように配置されている。なお、ダクト10の形状はL字状に限られることなく、例えば直線状に形成されていてもよい。
【0030】
図2は、ダクト10の上流側流路部10Uを示す図であり、本実施の形態におけるダクト10の上流側流路部10Uは、その内部空間を主流用流路S1と副流用流路S2とに仕切る仕切板11を有し、冷却部31は、主流用流路S1に配置されている。ここで、上流側流路部10Uには、副流用流路S2の少なくとも一部を覆って、副流用流路S2の開口面積(流路面積)を調節する流量調節部材12が設けられている。本実施の形態における流量調節部材12は、仕切板11に設けられており、板状に形成されている。
【0031】
本実施の形態における流量調節部材12は、仕切板11に設けられて、上流側流路部10U内を温度制御対象の空気が流れる方向に対し交差する方向に沿って延びている。図示の例では、上流側流路部10Uが直線状に延び且つ仕切板11も上流側流路部10Uに沿って直線状に延びることで、温度制御対象の空気は、上流側流路部10U内の主流用流路S1と副流用流路S2の両方で直線状に流れる。流量調節部材12は、上述のように上流側流路部10U内を空気が直線状に流れる方向(すなわち上流側流路部10Uの延在方向)に対し直交する方向に沿って延びるように、仕切板11に設けられている。
【0032】
本実施の形態において、流量調節部材12は、仕切板11の下流側の端部から折れ曲がるように当該端部に形成された固定板部11Aに、ボルト13によって着脱可能に固定されている。このボルト13を取り外して流量調節部材12の位置を変更した後、又は、ボルト13を貫通させるボルト孔の位置の異なる他の流量調節部材12を準備した後、ボルト13によって再度、同じ流量調節部材12又は他の流量調節部材12を仕切板11に固定することで、副流用流路S2の開口面積を調節することができる。なお、同じ流量調節部材12を位置変更可能に仕切板11に設ける場合には、流量調節部材12に複数のボルト孔が形成されるが、ボルト13を貫通させないボルト孔は閉じられることが好ましい。
【0033】
図3(A)は、
図2に示す状態よりも副流用流路S2の開口面積が小さくなるように、流量調節部材12の位置を変更した様子を示している。
図3(B)は、
図2に示す状態よりも副流用流路S2の開口面積が大きくなるように、流量調節部材12の位置を変更した様子を示している。この例では、
図2、
図3(A),(B)において、同じ流量調節部材12を使用する例を示している。この場合、流量調節部材12の位置が副流用流路S2の開口面積を小さくする方向に変更された際に、主流用流路S1の開口面積が大きくなる。逆に、流量調節部材12の位置が副流用流路S2の開口面積を大きくする方向に変更された際に、主流用流路S1の開口面積が小さくなる。
【0034】
このようなダクト10では、冷却部31が配置されるダクト10の上流側流路部10U内を主流用流路S1と副流用流路S2とに仕切板11によって仕切り、流量調節部材12によって冷却部31が配置されない副流用流路S2の開口面積を調節することで、冷却する空気及び冷却しない空気の流量を調節することが可能となる。そして冷却する空気の流量に応じて冷却部31の冷却能力を調節することで、省エネルギー化を図ることができる。なお、本実施の形態における流量調節部材12は板状であるが、副流用流路S2の開口面積を調節可能であれば、その形状及び構造は特に限定されるものではない。例えば、流量調節部材12はバタフライバルブ等であっても構わない。ただし、本実施の形態のように、流量調節部材12が板状で仕切板11に設けられる場合には、その構造が簡易となることで生産性を向上できる。
【0035】
次に加湿器70について説明する。
図4は本実施の形態における加湿器70を示している。加湿器70は、上方に向けて開放し水Wを貯留する貯留槽71と、貯留槽71内の水Wを加熱するヒータ72と、貯留槽71を上方から覆うカバー73と、を有し、カバー73には、上下方向に貫通する開口部74が部分的に設けられている。
図4において、符号75は、貯留槽71の側面に連接された供給槽を示している。貯留槽71と供給槽75とは、図示しない連通路によって連通されている。加湿器70では、供給槽75に供給された水が上述の連通路を通って貯留槽71に供給されるようになっている。
【0036】
カバー73は、板状に形成され、貯留槽71を上方から覆っている。
図5は、
図4の符号Zで示すカバー73の要部の拡大図を示している。
図5に示すように、本実施の形態では、開口部74の周縁に、貯留槽71の底部側に突出すると共に前記周縁の全周にわたって延びる囲繞部76が設けられている。なお、この例では、囲繞部76が開口部74の周縁の全周にわたって延びるが、囲繞部76は開口部74の周縁の一部にわたって延びる構成であってもよい。
【0037】
また、
図1及び
図4に示すように、本実施の形態では、加熱部41、加湿器70及び送風機50が、水平方向に並ぶ。ここで、開口部74は、カバー73の送風機50側の端部よりも加熱部41側の位置に設けられている。また、図示の開口部74は、平面視におけるカバー73の全体の面積に対する面積が20%〜60%の単一の開口部である。「平面視におけるカバー73の全体の面積」は、平面視において、カバー73の外縁に囲まれる領域の面積を意味する。本件発明者は、開口部74が、平面視におけるカバー73の全体の面積に対する面積が上述の範囲となる単一の開口部である場合に、加湿制御の精度を向上できることを知見し、開口部74の面積を当該範囲に設定している。なお、開口部74の面積は、平面視におけるカバー73の全体の面積に対して35%〜45%であることがより好ましい。また、開口部74は複数設けられても構わない。
【0038】
このような加湿器70では、貯留槽71を、部分的に開口部74が形成されたカバー73によって覆うことにより、貯留槽71内の水Wの水面における空気の流れに晒される部分を小さくすることで、
図4に示すように、水面の乱れが抑制される。これに対して、
図6は、一般的な加湿器を示しており、この加湿器のように貯留槽710が上方に全体的に開放する場合には、貯留槽710内の水の水面が空気の流れに大きく晒されるため、水面の乱れが大きくなる。水面の乱れが大きい場合には、水面の表面積が増加することで空気に供給される蒸気が想定外に増加することにより、加湿制御の安定性が損なわれる場合がある。これに対して、本実施の形態にかかる構成によれば、貯留槽71内の水の水面の乱れが抑制されることで、加湿制御の精度を向上できる。
【0039】
次に制御部60について説明する。本実施の形態における制御部60は、各種センサの検出値に応じて、冷却部31の冷却能力、加熱部41の加熱能力及び加湿器70の加湿量等を制御する。本実施の形態では、制御部60に、環境温度センサ81、環境湿度センサ82、冷却温度センサ83、ソース温度センサ84、ソース湿度センサ85、ユース温度センサ86、及びユース湿度センサ87が接続されている。
【0040】
環境温度センサ81は、上流側流路部10Uの副流用流路S2に配置され、取込口21から取り込まれ冷却部31によって冷却されない空気の温度を検出する。環境湿度センサ82は、上流側流路部10Uの副流用流路S2に配置され、取込口21から取り込まれ冷却部31によって冷却されない空気の湿度を検出する。冷却温度センサ83は、冷却部31によって冷却され、加熱部41による加熱前の空気の温度を検出する。ソース温度センサ84は、送風機50によって吐出される空気が通過する接続流路51に配置され、接続流路51を通過する空気の温度を検出する。ソース湿度センサ85は、接続流路51に配置され、接続流路51を通過する空気の湿度を検出する。ユース温度センサ86は、ユース領域Uに配置され、ユース領域U内の空気の温度を検出する。ユース湿度センサ87は、ユース領域Uに配置され、ユース領域U内の空気の湿度を検出する。
【0041】
制御部60の具体的な処理を説明すると、本実施の形態における制御部60は、環境温度センサ81が検出する環境温度、環境湿度センサ82が検出する環境湿度、風量(本例では、送風機50の駆動状態に応じて演算)、流量調節部材12の設置状態によって定まる主流用流路S1と副流用流路S2との流量の割合、冷却温度センサ83が検出する温度等に基づき、冷却温度センサ83が検出する温度が目標温度となる冷却部31の冷却能力を演算して、この演算した冷却能力となるように圧縮機32の運転周波数を制御する。また、本実施の形態における制御部60は、冷却回路30内の熱媒体が一定の圧力に維持されるように膨張弁34の開度を、パルスコンバータ52を介して制御するようにもなっている。このように熱媒体の圧力が一定に維持されることで、冷却部31の冷却能力が安定する。
【0042】
また、制御部60は、ユース温度センサ86が検出する温度とユース領域Uに予め設定される目標ユース温度との差分、及び、ユース湿度センサ87が検出する湿度とユース領域Uに予め設定される目標ユース湿度との差分、に基づき、接続流路51を通過する温度制御対象の空気の目標ソース温度及び目標ソース湿度を設定する。そして制御部60は、ソース温度センサ84が検出する温度と前記目標ソース温度との差分、及び、ソース湿度センサ85が検出する湿度と前記目標湿度との差分に基づき、ソース温度センサ84が検出する温度を前記目標ソース温度に一致させるための加熱部41の加熱能力を演算して、この演算された加熱能力となるように加熱部41を制御すると共に、ソース湿度センサ85が検出する湿度を前記目標ソース湿度に一致させるための加湿器70の加湿量を演算して、この演算された加湿量となるように加湿器70を制御するようになっている。
【0043】
次に、本実施の形態にかかる空気調和装置1の動作を説明する。
【0044】
空気調和装置1では、まず、制御部60において、ユース領域Uの目標温度である目標ユース温度と、ユース領域Uの目標湿度である目標ユース湿度とが入力される。また、送風機50が駆動されることにより、ダクト10内の空気が吐出口22側に流動することにより、ダクト10の取込口21から温度制御対象の空気が取り込まれる。さらに、冷却回路30の圧縮機32も駆動される。
【0045】
ダクト10の取込口21から取り込まれた空気は、流量調節部材12の設置状態によって定まる主流用流路S1と副流用流路S2との流量の割合に応じて、主流用流路S1と副流用流路S2とを流れる。主流用流路S1と副流用流路S2との流量の割合は、空気調和装置1が用いられる環境に応じて選択されて設定される。具体的に、この割合は、空気調和装置1が用いられる環境に応じて冷却部31による冷却能力をできるだけ抑えることができる値であって、省エネルギー化を図れる値に設定される。
【0046】
例えば、空気調和装置1が用いられる環境の温度が比較的低温である場合には、主流用流路S1を通流する空気よりも副流用流路S2を通流する空気が多くなるように、副流用流路S2の開口面積を比較的大きく設定することが好ましい。これにより、冷却部31により冷却される空気量を少なくして、冷却部31による冷却能力を抑えて省エネルギー化を図ることができる。一方、空気調和装置1が用いられる環境の温度が比較的高温である場合には、主流用流路S1を通流する空気よりも副流用流路S2を通流する空気が少なくなるように、副流用流路S2の開口面積を比較的小さく設定するか、閉じることが好ましい。これにより、取り込んだ空気の温度を大きく下げる必要がある場合において、空気を効率的に冷却することができる。
【0047】
そして、主流用流路S1を通流する空気は冷却部31によって冷却され、冷却直後に、冷却温度センサ83によって温度を検出される。一方、副流用流路S2を通流する空気は、何ら温度制御されずに、副流用流路S2の通過後に、冷却された主流用流路S1を通過した空気と合流する。その後、合流された空気は、加熱部41によって加熱された後、加湿器70によって加湿され、最終的にユース領域Uに至る。この際、加湿器70によって加湿された後の空気は、ソース温度センサ84によって温度を検出され、ソース湿度センサ85によって湿度を検出される。また、ユース領域Uに至った空気は、ユース温度センサ86によって温度を検出され、ユース湿度センサ87によって湿度を検出される。そして、制御部60が、各種センサに基づく、制御を行うことで、ユース領域Uの温度及び湿度が、設定された目標ユース温度及び目標ユース湿度に向けて制御される。
【0048】
以上に説明した本実施の形態の空気調和装置1によれば、冷却部31が配置されるダクト10の上流側流路部10U内を主流用流路S1と副流用流路S2とに仕切板11によって仕切り、流量調節部材12によって冷却部31が配置されない副流用流路S2の開口面積を調節することで、ダクト10を大型化することなく、冷却する空気及び冷却しない空気の流量を調節することが可能となる。そして冷却する空気の流量に応じて冷却部31の冷却能力を調節することで、省エネルギー化を図ることができる。これにより、冷却する空気及び冷却しない空気の流量を調節可能とするダクト10等の部材により、装置全体を大型化させることなく省エネルギー化を図ることができる。
【0049】
また、流量調節部材12は、着脱可能に設けられているので、冷却する空気及び冷却しない空気の流量を柔軟に調節することができる。また、流量調節部材12は仕切板11に設けられているので、流量調節部材12をダクト10に直接的に設ける場合に比較して流量調節部材12の設置構造を簡素化できるため、生産性を向上できる。とりわけ、流量調節部材12は、板状に形成され、流量調節部材12は、仕切板11に設けられて、上流側流路部10U内を温度制御対象の空気が流れる方向に対し交差する方向に延びるため、流量調節部材12の設置構造を極めて簡素化できることで生産性を効果的に向上できる。
【0050】
また、上流側流路部10Uと下流側流路部10Dとは、L字状をなすように結合されているので、上流側流路部と下流側流路部とが直線状に結合する場合に比較して、装置全体を小型化し易くなっている。
【0051】
また、空気調和装置1は、吐出口22の下流側に設けられ、取込口21から吐出口22へ温度制御対象の空気を通流させる送風機50と、下流側流路部10D内に配置される加湿器70と、をさらに備える。加湿器70は、上方に向けて開放し水を貯留する貯留槽71と、貯留槽71内の水を加熱するヒータ72と、貯留槽71を上方から覆うカバー73と、を有し、カバー73には、上下方向に貫通する開口部74が部分的に設けられている。これにより、加湿器70を通過する空気の影響により貯留槽71内の水の水面が乱れることが抑制されるので、加湿制御の精度を向上できる。
【0052】
さらに、開口部74の周縁には、貯留槽71の底部側に突出すると共に前記周縁の少なくとも一部にわたって延びる囲繞部76が設けられている。これにより、
図5に示すように、開口部74の周縁に水滴Waが付着しても、水滴Waは成長に伴う自重により囲繞部76に案内されて貯留槽71側に戻り易くなる。これにより、開口部74の周縁に付着した水滴が空気の影響でダクト10側に飛散することが抑制されることで、加湿制御の精度を向上できる。
【0053】
また、加湿器70は、加熱部41の下流側に配置され、加熱部41、加湿器70及び送風機50は、水平方向に並んでおり、開口部74は、カバー73の送風機50側の端部よりも加熱部41側の位置に設けられている。送風機50の近傍は渦が発生し易いが、この構成によれば、渦の発生し易い領域から開口部74が離れるため、渦の影響によって加湿制御が乱れることが抑制される。これにより加湿制御の精度を向上できる。
【0054】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではない。