【実施例】
【0031】
以下、試験例などにより本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによりなんら限定されるものではない。
【0032】
1.カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)に対するバイオフィルム抑制力の確認試験
(1)被検試料
表1に示すグリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンジ脂肪酸エステル、グリセリントリ脂肪酸エステル、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル、ヘキサグリセリンモノ脂肪酸エステル、デカグリセリンモノ脂肪酸エステル、ショ糖モノ脂肪酸エステル、ショ糖ジ脂肪酸エステル、ショ糖ポリ脂肪酸エステル、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールジ脂肪酸エステル及び陽性対照(ケトコナゾール)をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解して1.0重量%溶液としたものを被検試料とした。
表1において購入先に関する表記「−」は、当該試料を自社で製造したことを示す。当該試料は、特開2009−183210号公報に準じて製造した。以下では、表1の構造上の分類に基づいて、自社製造試料の製造方法の概要を記載した。
【0033】
【表1】
【0034】
<グリセリルモノヘプタノエート(グリセリンモノ脂肪酸エステル)の合成例>
30mlのバイアル瓶中に、ヘプタン酸(和光純薬社製)3.33g及びグリセリン(和光純薬社製)6.66gを仕込んだ。同バイアルに、精製水0.10g、及びノボザイム435(ノボザイムズ社製)を添加し、マグネチックスターラーで撹拌しながら、50℃、15mmHgにて48時間反応させた。反応終了後、グリセリルモノヘプタノエートを含む粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフにより、精製を行うことで、グリセリルモノヘプタノエート2.90gを得た。
同様の手法にて、グリセリルモノノナノエート、グリセリルモノウンデカノエート、グリセリルモノトリデカノエート、グリセリルモノペンタデカノエート、グリセリルモノヘプタデカノエート、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノリノレート及びグリセリルモノリノレネートを得た。
【0035】
<ジグリセリルモノカプリレート(ジグリセリンモノ脂肪酸エステル)の合成例>
30mlのバイアル瓶中に、オクタン酸(和光純薬社製)3.00g及びジグリセリン(坂本薬品社製)を仕込んだ。同バイアルに、精製水0.10g、及びノボザイム435(ノボザイムズ社製)を添加し、マグネチックスターラーで撹拌しながら、50℃、15mmHgにて48時間反応させた。反応終了後、ジグリセリルモノカプリレートを含む粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフにより、精製を行うことで、ジグリセリルモノカプリレート3.40gを得た。
同様の手法にて、ジグリセリルモノカプレート、ジグリセリルモノラウレート及びジグリセリルモノミリステートを得た。
【0036】
<スクロースモノカプリレート(ショ糖モノ脂肪酸エステル)及びスクロースジカプリレート(ショ糖ジ脂肪酸エステル)の合成例>
脱水DMSO(ジメチルスルホキシド)(和光純薬社製)を仕込んだ200mlナスフラスコにスクロース(和光純薬社製)6.84g及びメチルオクタノエート(和光純薬社製)4.74gを加えた。さらに、炭酸カリウム(和光純薬社製)40mgを添加し、マグネチックスターラーによる攪拌を開始した。オイルバス上にて、フラスコ内温を95℃まで加熱したのを確認した後、減圧下30mmHgにて反応を開始した。反応終了後、乳酸(和光純薬社製)50mgを加えることによって反応を停止した。得られた反応粗液に精製水50mlを加え、イソブタノール(和光純薬社製)50mlを用いて抽出を行い、続いて有機相を精製水50mlにて二回、洗浄した。洗浄後、溶媒を留去し、スクロースモノカプリレート及びスクロースジカプリレートからなる粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=3:1)によって精製、単離し、目的の化合物であるスクロースモノカプリレート2.34g及びスクロースジカプリレート3.25gを得た。
また、同様の手法にて、スクロースモノカプレート及びスクロースジカプレートを得た。
【0037】
(2)供試菌株
カンジダ・アルビカンス(NBRC 1594株)
(3)供試菌液
ポテトデキストロース寒天培地(DIFCO社製)を溶解し滅菌済みシャーレに分注固化した。凍結保存品の供試菌株をこの寒天培地に塗抹して、30℃にて二日間培養した。2%グルコース含有酵母ニトロゲンベース(DIFCO社製)を10倍希釈することにより調製した培地20mlを三角フラスコに分注し、上記シャーレ内の菌を一白金耳取り植菌した。その後、30℃にて、24時間攪拌培養し、前培養液とした。次いで、遠心分離(3,000rpm,10分、4℃)を行い集菌した。生理食塩水20mlを用いて、得られたペレットを2回洗浄し、L−グルタミン含有RPMI1640培地(和光純薬工業社製,本試験において以下では、単に「1640培地」という)10mlを加え、再懸濁した。血球計算板を用いて、再懸濁液の細胞数をカウントし、細胞数が2.0×10
6cell/mlになるように1640培地を適宜加えたものを供試菌液として用いた。
【0038】
(4)実験方法
96穴マイクロプレートを用い、各被検試料について、10段階の2倍希釈系列を調製した。具体的には、まず、1段目ウェル(初発濃度用ウェル)及び2〜10段目ウェルに、それぞれ、196μl及び100μlの1640培地を分注した。そして、1段目ウェルに4μlの被検試料を添加し(被検試料濃度:200ppm)、次いで2〜10段目ウェルを2倍段階希釈法により順次希釈することで、10段目ウェルから1段目ウェルにかけて、被検試料濃度がそれぞれ、0.39ppm、0.78ppm、1.56ppm、3.13ppm、6.25ppm、12.5ppm、25ppm、50ppm、100ppm、200ppmで、容量が100μlの希釈系列を調製した。
次に、被検試料を上記濃度で含む各ウェルに供試菌液を100μlずつ添加し、10段目ウェルから1段目ウェルにかけて、被検試料濃度がそれぞれ、0.20ppm、0.39ppm、0.78ppm、1.56ppm、3.13ppm、6.25ppm、12.5ppm、25ppm、50ppm、100ppmの希釈系列を調製した。
【0039】
その後、30℃、二日間の培養を行った。培養終了後、各ウェルの培養液をアスピレーターにより除去し、各ウェルに付着した菌体、分泌物及び沈着物をバイオフィルムとし、各ウェルに対して0.01重量%水溶液として調製したクリスタルバイオレット(和光純薬工業社製)水溶液50μlを添加し、バイオフィルムを染色した。次いで、各ウェルからクリスタルバイオレット液を除き、200μlの蒸留水で2回洗浄後、エタノール200μlを加え、各ウェルからクリスタルバイオレットを溶出させることにより、マイクロプレートに固着したバイオフィルムを定量した。具体的には、マイクロプレートリーダー(MTP−120,CORONA ELECTRIC社製)を用いて、各ウェルの600nmにおける吸光度(O.D.600)を測定した。
【0040】
なお、96穴マイクロプレートの1つのウェルに1640培地を96μl添加し、次いでジメチルスルホキシド(DMSO)を4μl添加したものをコントロールとし、供試菌液を100μl添加し、上記と同様の条件で培養した。
【0041】
該コントロールのバイオフィルム形成率を100%とし、そのときの吸光度(O.D.600)を基準吸光度として、各被検試料について該基準吸光度の50%に相当する濃度(すなわち、バイオフィルムの形成を50%阻止するために必要な最低濃度(以下、「50%阻害濃度」という))を算出した。
各被検試料についてのバイオフィルムの形成抑制効果の判定は、各被検試料について算出された50%阻害濃度をケトコナゾール(陽性対照)の50%阻害濃度と比較し、以下の基準に基づいて評価した。表2に結果を示す。
・バイオフィルム抑制力に優れる:被検試料の50%阻害濃度が20ppm以下
・バイオフィルム抑制力に劣る:被検試料の50%阻害濃度が20ppmを超える
【0042】
【表2】
【0043】
(グリセリン脂肪酸エステルの結果)
表2の結果から、グリセリンモノ脂肪酸エステルについては、炭素数7〜14の飽和脂肪酸残基を有する被検試料及び炭素数11の不飽和脂肪酸残基を有するグリセリルモノウンデセノエートが、陽性対照であるケトコナゾールの50%阻害濃度(20ppm)よりも小さい値を示し、カンジダ菌に対してバイオフィルム抑制力に優れることが認められた。一方、炭素数15〜18の飽和脂肪酸残基を有するグリセリンモノ脂肪酸エステル及び炭素数18の不飽和脂肪酸残基を有するグリセリンモノ脂肪酸エステルは、いずれも20ppmを超える50%阻害濃度を示し、カンジダ菌に対してバイオフィルム抑制力に劣ることが分かった。
グリセリンジ脂肪酸エステル、グリセリントリ脂肪酸エステルについては、上記グリセリンモノ脂肪酸エステルの場合に優れたバイオフィルム抑制力を示した炭素数12の脂肪酸残基を有するグリセリルジラウレート、グリセリルトリラウレートのいずれについても、200ppmを超える50%阻害濃度を示し、バイオフィルム抑制力に劣ることが認められた。
上記の結果から、カンジダ菌に由来するバイオフィルムの形成抑制力は、グリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸残基数によって顕著に異なることが分かった。
【0044】
(ジグリセリンモノ脂肪酸エステルの結果)
表2の結果から、炭素数8〜14の飽和脂肪酸残基を有する被検試料のうち、炭素数12の飽和脂肪酸残基を有するジグリセリルモノラウレートが、唯一20ppm以下の50%阻害濃度を示し、カンジダ菌に対してバイオフィルム抑制力に優れることが認められた。
【0045】
(ヘキサグリセリンモノ脂肪酸エステル、デカグリセリンモノ脂肪酸エステルの結果)
表2の結果から、上記グリセリンモノ脂肪酸エステルまたはジグリセリンモノ脂肪酸エステルの場合に優れたバイオフィルム抑制力を示した炭素数12の脂肪酸残基を有するヘキサグリセリルモノラウレート、デカグリセリルモノラウレートのいずれについても、100ppmを超える50%阻害濃度を示し、バイオフィルム抑制力に劣ることが認められた。
【0046】
(ショ糖脂肪酸エステルの結果)
表2の結果から、ショ糖モノ脂肪酸エステルについては、炭素数8〜20の飽和脂肪酸残基を有する被検試料のうち、炭素数10〜18の飽和脂肪酸残基を有する被検試料が、20ppm以下の50%阻害濃度を示し、カンジダ菌に対してバイオフィルム抑制力に優れることが認められた。
ショ糖ジ脂肪酸エステルについては、炭素数8〜12の飽和脂肪酸残基を有する被検試料のうち、炭素数10〜12の飽和脂肪酸残基を有する被検試料が、10ppm以下の50%阻害濃度を示し、バイオフィルム抑制力に優れることが認められた。
一方、ショ糖ポリ脂肪酸エステルについては、上記ショ糖モノ脂肪酸エステル及びショ糖ジ脂肪酸エステルの場合に優れたバイオフィルム抑制力を示した炭素数12の脂肪酸残基を有するスクロースポリラウレートは200ppm以上の50%阻害濃度を示し、バイオフィルム抑制力に劣ることが認められた。
【0047】
(ソルビタンモノ脂肪酸エステルの結果)
炭素数12の飽和脂肪酸残基を有するソルビタンモノラウレートは、20ppm以下の50%阻害濃度を示し、バイオフィルム抑制力に優れることが認められた。
【0048】
(プロピレングリコール脂肪酸エステルの結果)
プロピレングリコールモノ脂肪酸エステルについては、炭素数12の飽和脂肪酸残基を有するプロピレングリコールモノラウレートが60ppm以上の50%阻害濃度を示し、バイオフィルム抑制力に劣ることが認められた。
プロピレングリコールジ脂肪酸エステルについては、炭素数12の飽和脂肪酸残基を有するプロピレングリコールジラウレートが60ppm以上の50%阻害濃度を示し、バイオフィルム抑制力に劣ることが認められた。
【0049】
2.カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)に対する本発明品の殺菌効果
(1)被検試料
表1に示すグリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンジ脂肪酸エステル、グリセリントリ脂肪酸エステル、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル、ヘキサグリセリンモノ脂肪酸エステル、デカグリセリンモノ脂肪酸エステル、ショ糖モノ脂肪酸エステル、ショ糖ジ脂肪酸エステル、ショ糖ポリ脂肪酸エステル、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル及びプロピレングリコールジ脂肪酸エステル及び陽性対照(ケトコナゾール)のうちから、下記に示す化合物をDMSOに溶解して1.0重量%溶液としたものを被検試料とした。
<グリセリンモノ脂肪酸エステル>
グリセリルモノヘプタノエート、グリセリルモノカプリレート、グリセリルモノカプレート、グリセリルモノラウレート、グリセリルモノトリデカノエート、グリセリルモノミリステート、グリセリルモノパルミテート
<ジグリセリンモノ脂肪酸エステル>
ジグリセリルモノカプレート、ジグリセリルモノラウレート、ジグリセリルモノミリステート
<ショ糖モノ脂肪酸エステル>
スクロースモノカプリレート、スクロースモノカプレート、スクロースモノラウレート、スクロースモノミリステート、スクロースモノパルミテート、スクロースモノステアレート、スクロースモノアラキデート
<ショ糖ジ脂肪酸エステル>
スクロースジカプリレート、スクロースジカプレート、スクロースジラウレート
<ソルビタンモノ脂肪酸エステル>
ソルビタンモノラウレート
<陽性対照>
ケトコナゾール
【0050】
(2)供試菌株
カンジダ・アルビカンス(NBRC 1594株)
(3)供試菌液
ポテトデキストロース寒天培地(DIFCO社製)を溶解し滅菌済みシャーレに分注固化した。凍結保存品の供試菌株をこの寒天培地に塗抹して、30℃にて二日間培養した。2%グルコース含有酵母ニトロゲンベース(DIFCO社製)を10倍希釈することにより調製した培地20mlを三角フラスコに分注し、上記シャーレ内の菌を一白金耳取り植菌した。その後、30℃にて、24時間攪拌培養し、前培養液とした。次いで、遠心分離(3,000rpm,10分、4℃)を行い集菌した。生理食塩水20mlを用いて、得られたペレットを2回洗浄し、L−グルタミン含有RPMI1640培地(和光純薬工業社製,本試験において以下では、単に「1640培地」という)10mlを加え、再懸濁した。血球計算板を用いて、再懸濁液の細胞数をカウントし、細胞数が2.0×10
6cell/mlになるように1640培地を適宜加えたものを供試菌液として用いた。
【0051】
(4)実験方法
96穴マイクロプレートを用い、各被検試料について、10段階の2倍希釈系列を調製した。具体的には、まず、1段目ウェル(初発濃度用ウェル)及び2〜10段目ウェルに、それぞれ、196μl及び100μlの1640培地を分注した。そして、1段目ウェルに4μlの被検試料を添加し(被検試料濃度:200ppm)、次いで2〜10段目ウェルを2倍段階希釈法により順次希釈することで、10段目ウェルから1段目ウェルにかけて、被検試料濃度がそれぞれ、0.39ppm、0.78ppm、1.56ppm、3.13ppm、6.25ppm、12.5ppm、25ppm、50ppm、100ppm、200ppmで、容量が100μlの希釈系列を調製した。
次に、被検試料を上記濃度で含む各ウェルに供試菌液を100μlずつ添加し、10段目ウェルから1段目ウェルにかけて、被検試料濃度がそれぞれ、0.20ppm、0.39ppm、0.78ppm、1.56ppm、3.13ppm、6.25ppm、12.5ppm、25ppm、50ppm、100ppmの希釈系列を調製した。
【0052】
その後、30℃、二日間の培養を行った。培養終了後、各ウェルの培養液を懸濁し、生理食塩水を用いて10倍段階希釈を行い、それぞれ、10
−1、10
−2、10
−3希釈液を調製した。上記菌希釈液100μlをポテトデキストロース寒天培地に塗抹し、30℃において二日間の静置培養を行った。培養後、各寒天培地のコロニー形成数を計測し、1ml当たりの生菌数を算出した。
各被検試料の各希釈系列について、バイオフィルム形成率と生菌数をそれぞれ棒グラフと折れ線グラフで示し、これらを1つのグラフにまとめた2軸グラフを作成した。
図1〜
図22に結果を示す。
【0053】
図1〜
図22から、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル、ショ糖モノ脂肪酸エステル、ショ糖ジ脂肪酸エステル、ソルビタンモノ脂肪酸エステルのうち、カンジダ菌に対するバイオフィルム抑制力に優れた本発明の有効成分について、生菌数が各希釈系列でほとんど変化しないか、100ppm程度の希釈系列で1.0×10
2〜1.0×10
3(CFU/ml)に維持された。したがって、本発明の有効成分は、カンジダ菌に対して殺菌力を有しないか、殺菌力が小さいことが分かった。
【0054】
3.カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)に対するバイオフィルム抑制効果の形態観察
(1)被検試料
表1に示すグリセリンモノ脂肪酸エステルのうち、グリセリルモノカプレート(サンソフトNo.760)をDMSOに溶解して1.0重量%溶液としたものを被検試料とした。
【0055】
(2)供試菌株
カンジダ・アルビカンス(NBRC 1594株)
(3)供試菌液
ポテトデキストロース寒天培地(DIFCO社製)を溶解し滅菌済みシャーレに分注固化した。凍結保存品の供試菌株をこの寒天培地に塗抹して、30℃にて二日間培養した。2%グルコース含有酵母ニトロゲンベース(DIFCO社製)を10倍希釈することにより調製した培地20mlを三角フラスコに分注し、上記シャーレ内の菌を一白金耳取り植菌した。その後、30℃にて、24時間攪拌培養し、前培養液とした。次いで、遠心分離(3,000rpm,20分、4℃)を行い集菌した。生理食塩水20mlを用いて、得られたペレットを2回洗浄し、L−グルタミン含有RPMI1640培地(和光純薬工業社製,本試験において以下では、単に「1640培地」という)10mlを加え再懸濁した。血球計算板を用いて、再懸濁液の細胞数をカウントし、細胞数が1.0×10
7cell/mlになるように1640培地を適宜加えたものを供試菌液として用いた。
【0056】
(4)実験方法
滅菌済みの三角フラスコに1640培地20mlを分注した。その後、100μlの上記被検試料を添加し、濃度が100ppmとなるように調整した。なお、上記被検試料に代えて、DMSOのみを用いたものをコントロールとした。これらの試料含有培地に供試菌液2mlを加え、30℃にて、二日間静置培養した。培養後、菌液を適宜スライドガラスに滴下し、顕微鏡による形態観察を行った。
図23と
図24に結果を示す。
【0057】
図23は、被検試料(グリセリルモノカプレート)含有培地で培養したカンジダ・アルビカンスの顕微鏡観察図を示し、
図24は、コントロール(DMSO)含有培地で培養したカンジダ・アルビカンスを示している。
図23では大部分が酵母型の形態で存在するのに対し、
図24では大部分が菌糸状の形態で存在することが分かった。また前記1,2の試験によれば、グリセリルモノカプレートを用いた試験ではバイオフィルムが形成されず、一方コントールではバイオフィルムが形成されている。このことから、グリセリルモノカプレートは、カンジダ・アルビカンスの形態を酵母形態から菌糸状形態へ移行するのを抑制することにより、結果として優れたバイオフィルム抑制力を有するものと推測される。
なお、グリセリルモノカプレート以外にも、本発明に係るバイオフィルム抑制剤の有効成分として使用することができる化合物についても同様の試験を行ったが、上記と同様の結果が得られた。