特許第6231278号(P6231278)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231278
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】移動局及び無線基地局
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/10 20090101AFI20171106BHJP
   H04W 28/02 20090101ALI20171106BHJP
【FI】
   H04W48/10
   H04W28/02
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-1846(P2013-1846)
(22)【出願日】2013年1月9日
(65)【公開番号】特開2014-135596(P2014-135596A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2016年1月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100117064
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 市太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】ウリ アンダルマワンティ ハプサリ
(72)【発明者】
【氏名】青柳 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】植木 敦史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀明
【審査官】 米倉 明日香
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−263587(JP,A)
【文献】 NTT DOCOMO, INC,ETWS reception in relation with access class barring,3GPP TSG-RAN WG2 #80 R2-125468,2012年11月 3日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各変更期間において同一の報知情報を繰り返し報知するように構成されている送信部を具備し、
緊急情報を送信するように指示するメッセージが受信された場合、前記送信部は、ページング信号によって前記緊急情報を送信する旨を示す指示情報を送信し、次の変更期間の到来を待たずに更新されたアクセス規制情報を前記報知情報によって報知しており、前記報知情報の更新に伴い更新されるタグ情報を、次の変更期間の到来を待たずに更新するように構成されていることを特徴とする無線基地局。
【請求項2】
前記送信部は、前記指示情報を送信する際に、前記ページング信号によって次の変更期間において前記報知情報を更新することを示す情報を送信するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動局及び無線基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)方式では、ETWS(Earthquake Tsunami Warning System)情報の配信方法について規定されている。
【0003】
ここで、ETWS情報が配信された後、アプリケーションやユーザの動作に基づいて、「RRC_Idle状態」の移動局UEが「RRC_Connected状態」に遷移することに起因するアクセスバーストが生じるケースが多く見られる。
【0004】
かかるアクセスバーストが、無線アクセスネットワーク(無線基地局eNB)の輻輳を引き起こす原因となっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP TS36.331
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ETWS情報の配信は、ネットワーク側で決めるものであるため、ネットワーク側で、かかるアクセスバーストの発生を抑制することができるはずであるが、実際には、以下の原因で、適切にアクセスバーストの発生を抑御することができないという問題点があった。
【0007】
具体的には、ETWS情報は、SIB(System Information Block)10/11によって報知されており、ACB(Access Class Barring)情報は、SIB2によって報知されている。
【0008】
図7に示すように、移動局UEは、Pagingによって「ETWS Indication IE(TRUE)」を受信すると、次の「Modification Period」の到来を待たずに、SIB1を読み、SIB1に含まれている「Scheduling Info List IE」に従って、SIB10/11を読み、SIB10/11に含まれているETWS情報を取得する。
【0009】
一方、移動局UEは、Paingによって「SImodification IE(TRUE)」を受信すると、次の「Modification Period」において、SIB1を読み、SIB1に含まれている「Sheduling Info List IE」に従って、SIB2を読み、SIB2に含まれているACB情報を取得する。
【0010】
したがって、移動局UEは、Pagingによって「ETWS Indication IE(TRUE)」を受信した場合に、現在の「Modification Period」において、ETWS情報について取得することができるが、ACB情報については取得することができないため、適切に、上述のアクセスバーストの発生を抑御することができないという問題点があった。
【0011】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、ETWS情報の配信が行われる場合に適切にアクセスバーストの発生を抑制することができる移動局及び無線基地局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の特徴は、無線基地局が各変更期間において同一の報知情報を繰り返し送信するように構成されている移動通信システムで用いられる移動局であって、前記無線基地局によって送信されるページング信号を受信するように構成されているページング信号受信部と、前記報知情報を受信するように構成されている報知情報受信部とを具備しており、前記ページング信号受信部が、受信した前記ページング信号内に緊急情報を送信する旨を示す指示情報が含まれていることを検出した場合、前記報知情報受信部は、次の変更期間の到来を待たずに、更新されたアクセス規制情報を含む前記報知情報を取得するように構成されていることを要旨とする。
【0013】
本発明の第2の特徴は、無線基地局であって、各変更期間において同一の報知情報を繰り返し報知するように構成されている送信部を具備し、緊急情報を送信するように指示するメッセージが受信された場合、前記送信部は、ページング信号によって前記緊急情報を送信する旨を示す指示情報を送信し、次の変更期間の到来を待たずに更新されたアクセス規制情報を前記報知情報によって報知するように構成されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、ETWS情報の配信が行われる場合に適切にアクセスバーストの発生を抑制することができる移動局及び無線基地局を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局の機能ブロック図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムにおけるSIBの更新方法について説明するための図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る移動局の機能ブロック図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る移動局の動作を示すフローチャートである。
図6】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局の動作を示すフローチャートである。
図7】従来技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図6を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0017】
本実施形態に係る移動通信システムは、LTE方式の移動通信システムであって、図1に示すように、移動管理ノードMME(Mobility Management Entity)や、無線基地局eNB等を具備している。
【0018】
図2に示すように、本実施形態に係る無線基地局eNBは、受信部11と、送信部12とを具備している。
【0019】
受信部11は、移動局UEや移動管理ノードMMEから、各種信号を受信するように構成されており、送信部12は、移動局UEや移動管理ノードMMEに対して、各種信号を送信するように構成されている。
【0020】
例えば、送信部12は、無線基地局eNB配下のセル内の移動局UEに対して、Pagingを送信するように構成されている。
【0021】
また、図3に示すように、送信部12は、無線基地局eNB配下のセル内で、各「Modification Period」において同一のSIB1〜SIB11を繰り返し送信するように構成されている。
【0022】
具体的には、受信部11が、移動管理ノードMMEからS1-APメッセージである「ETWS Warning Message」を受信した場合、送信部12は、Pagingによって「ETWS Indication IE(TRUE)」を送信し、次の「Modification Period」の到来を待たずに、SIB10/SIB11によってETWS情報を報知すると共に、更新されたACB情報をSIB2によって報知するように構成されている。
【0023】
ここで、「ETWS Warning Message」は、緊急情報を送信するように指示するメッセージである。
【0024】
かかる場合、送信部12は、SIB2内のACB情報のみを更新するように構成されていてもよいし、SIB2内の他の情報を更新するように構成されていてもよい。
【0025】
また、送信部12は、上述の「ETWS Indication IE(TRUE)」を送信する際に、Pagingによって「System Info Modification IE(TRUE)」を送信するように構成されていてもよい。
【0026】
ここで、「System Info Modification IE(TRUE)」は、次の「Modification Period」においてSIB1〜SIB11を変更することを示す情報である。
【0027】
また、送信部12は、上述の「ETWS Indication」を送信する際に、「System Info Value Tag」を更新するように構成されていてもよい。
【0028】
ここで、「System Info Value Tag」は、SIB1〜SIB11の内容が更新されるたびに更新されるタグ情報である。
【0029】
一方、送信部12は、「ETWS Indication」を送信する際に、「System Info Value Tag」を更新しないように構成されていてもよい。
【0030】
図4に示すように、本実施形態に係る移動局UEは、ページング信号受信部21と、報知情報受信部22とを具備している。
【0031】
ページング信号受信部21は、無線基地局eNBによって送信されるPagingを受信するように構成されている。
【0032】
例えば、ページング信号受信部21は、Pagingを介して、「ETWS Indication IE(TRUE)」や「System Info Modification IE(TRUE)等を取得するように構成されている。
【0033】
報知情報受信部22は、無線基地局eNBによって各「Modification Period」において繰り返し送信されているSIB1〜SIB11を受信するように構成されている。
【0034】
ページング信号受信部21が、受信したPaging内に「ETWS Indication IE(TRUE)」が含まれていることを検出した場合、報知情報受信部22は、次の「Modification Period」の到来を待たずに、ETWS情報を含むSIB10/11を取得すると共に、更新されたACB情報を含むSIB2を取得するように構成されている。
【0035】
なお、従来の移動局UE(本実施形態に係る発明の機能を具備していない移動局UE)は、受信したPaging内に「ETWS Indication IE(TRUE)」が含まれていることを検出した場合、次の「Modification Period」において、更新されたACB情報を含むSIB2を取得するように構成されている。
【0036】
以下、図5及び図6を参照して、本実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。
【0037】
第1に、図5を参照して、本実施形態に係る移動局UEの動作について説明する。
【0038】
図5に示すように、本実施形態に係る移動局UEは、ステップS102において、Pagingを介して「ETWS Indication IE(TRUE)」を受信すると、ステップS103において、次の「Modification Period」の到来を待たずに、現在の「Modification Period」において、ETWS情報を含むSIB10/11を取得すると共に、更新されたACB情報を含むSIB2を取得する。
【0039】
一方、本実施形態に係る移動局UEは、ステップS102において、Pagingを介して「ETWS Indication IE(TRUE)」を受信せず、ステップS104において、Pagingを介して「System Info Modification IE(TRUE)」を受信すると、ステップS105において、次の「Modification Period」において、更新されている全てのSIB1〜SIB11を取得する。
【0040】
また、本実施形態に係る発明の機能を具備していない移動局UEは、ステップS106において、Pagingを介して「ETWS Indication IE(TRUE)」を受信し、かつ、ステップS107において、Pagingを介して「System Info Modification IE(TRUE)」を受信すると、ステップS108において、次の「Modification Period」において、更新されている全てのSIB1〜SIB11を取得する。
【0041】
第2に、図6を参照して、本実施形態に係る無線基地局eNBの動作について説明する。
【0042】
図6に示すように、無線基地局eNBは、ステップS201において、移動管理ノードMMEから「ETWS Warning Message」を受信すると、次の「Modification Period」の到来を待たずに、現在の「Modification Period」において、ETWS情報をSIB10/SIB11に設定して報知し(ステップS202)、ACB情報を更新してSIB2によって報知する(ステップS203)。
【0043】
ステップS204において、無線基地局eNBは、Pagingに「ETWS Indication IE(TRUE)」及び「System Info Modification IE(TRUE)」を設定して、移動局UEに対して、かかるPagingを送信する。
【0044】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0045】
本実施形態の第1の特徴は、無線基地局eNBが各「Modification Period(変更期間)」において同一のSIB1〜SIB11(報知情報)を繰り返し送信するように構成されている移動通信システムで用いられる移動局UEであって、無線基地局eNBによって送信されるPaging(ページング信号)を受信するように構成されているページング信号受信部21と、SIB1〜SIB11を受信するように構成されている報知情報受信部22とを具備しており、ページング信号受信部21が、受信したPaging内に「ETWS Indication IE(TRUE)(緊急情報を送信する旨を示す指示情報)」が含まれていることを検出した場合、報知情報受信部22は、次の「Modification Period」の到来を待たずに、更新されたACB情報(アクセス規制情報)を含むSIB2を取得するように構成されていることを要旨とする。
【0046】
かかる構成によれば、移動局UEが、ETWS情報を取得した「Modification Period」内で、ACB情報についても取得することができるため、ETWS情報の送信時における「RRC_Idle状態」の移動局UEの「RRC_Connected状態」への遷移に起因するアクセスバーストの多発を回避することができる。
【0047】
本実施形態の第2の特徴は、無線基地局eNBであって、各「Modification Period」において同一のSIB1〜SIB11を繰り返し報知するように構成されている送信部12を具備し、「ETWS Warning Message(緊急情報を送信するように指示するメッセージ)」が受信された場合、送信部12は、Pagingによって「ETWS Indication IE(TRUE)」を送信し、次の「Modification Period」の到来を待たずに更新されたACB情報をSIB2によって報知するように構成されていることを要旨とする。
【0048】

かかる構成によれば、移動局UEに対して、ETWS情報を送信した「Modification Period」内で、ACB情報についても送信することができるため、ETWS情報の送信時における「RRC_Idle状態」の移動局UEの「RRC_Connected状態」への遷移に起因するアクセスバーストの多発を回避することができる。
【0049】
本実施形態の第2の特徴において、送信部12は、「ETWS Indication IE(TRUE)」を送信する際に、Pagingによって「System Info Modification IE(TRUE)(次の変更期間において報知情報を変更することを示す情報)」を送信するように構成されていてもよい。
【0050】
かかる構成によれば、本実施形態に係る発明の機能を具備していない移動局UEが、次の「Modification Period」において、ETWS情報に関連する必要な情報を取得することができる。
【0051】
本実施形態の第2の特徴において、送信部12は、「ETWS Indication」を送信する際に、「System Info Value Tag(報知情報が更新されるたびに更新されるタグ情報)」を更新するように構成されていてもよい。
【0052】
かかる構成によれば、本実施形態に係る発明の機能を具備していない移動局UEや、Pagingの受信に失敗した移動局UEや、RLF(Radio Link Failure)から復帰する移動局UEが、現在の「Modification Period」において、ACB情報を取得することができる。
【0053】
本実施形態の第2の特徴において、送信部12は、「ETWS Indication」を送信する際に、「System Info Value Tag」を更新しないように構成されていてもよい。
【0054】
Pagingを介して「System Info Modification IE(TRUE)」を受信しても「System Info Value Tag」をチェックするように構成されている本実施形態に係る発明の機能を具備していない移動局UEが存在する場合、「ETWS Indication」を送信する際に、「System Info Value Tag」を更新すると、かかる移動局UEにおいて競合処理が発生してしまう可能性がある。
【0055】
かかる構成によれば、かかる移動局UEに対するインパクトを最低限にすることができる。
【0056】
なお、上述の移動局UEや無線基地局eNBの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0057】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0058】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、移動局UEや無線基地局eNB内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして移動局UEや無線基地局eNB内に設けられていてもよい。
【0059】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0060】
eNB…無線基地局
11…受信部
12…送信部
UE…移動局
21…ページング信号受信部
22…報知情報受信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7