(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判別手段によって、前記第2の通信装置が送信した信号でないと判別された場合に、前記受信した信号を送信した第3の通信装置に優先権があるか否かを判別する第2の判別手段をさらに備え、
前記拡散符号変更手段は、前記第2の判別手段によって、前記第3の通信装置に優先権があると判別された場合に、前記第1拡散符号を変更する、
請求項1に記載の制御回路。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、造船所などで多数の溶接装置を使用する場合、溶接電源装置をまとめて設置し、ワイヤ送給装置をパワーケーブルでそれぞれ溶接電源装置に接続する。
【0006】
図9は、5台の溶接装置を用いて溶接作業を行っている状態を示している。5台の溶接電源装置1a〜1eは、一か所にまとめて設置されている。各作業者が持ち運んでいるワイヤ送給装置2a〜2eは、それぞれパワーケーブル3a〜3eで溶接電源装置1a〜1eに接続されている。パワーケーブル3a〜3eは、溶接電源装置1a〜1eの設置場所から作業場所の近くまで、束ねて配置されている。したがって、隣接するパワーケーブル間で磁気結合が発生し、あるパワーケーブルを搬送される信号が別のパワーケーブルでも搬送される場合がある。
【0007】
直接スペクトル拡散通信方式では、送信側は、送信する信号に対して拡散符号による演算を行い、元の信号のスペクトルをより広い帯域に拡散して送信する。受信側は、受信した信号を共通する拡散符号を用いて逆拡散することで、元の信号に戻す。溶接装置毎に異なる拡散符号を用いていれば、別の溶接装置で送受信される信号を受信したとしても、当該信号は異なる拡散符号で逆拡散されて、ノイズとして除去されるので、クロストークは発生しない。なお、本明細書では、クロストークとは、ある回線を伝わる同一拡散符号で拡散された信号が他の回線に漏れて、他の回線に接続されている機器に影響を与えることを意味する。
【0008】
図10は、複数の溶接装置間で発生するクロストークを説明するための図である。溶接電源装置1aとワイヤ送給装置2aとがパワーケーブル3aで接続され、溶接電源装置1bとワイヤ送給装置2bとがパワーケーブル3bで接続されている。
図10(a)においては、溶接電源装置1aは、送信データAに対して拡散符号αによるスペクトル拡散を行って、符号化データAを生成している。符号化データAはデジタル/アナログ変換などの処理をされて信号Aとして送信される。信号Aはパワーケーブル3aを介してワイヤ送給装置2aに受信される。同様に、溶接電源装置1bは送信データBに対して拡散符号βによるスペクトル拡散を行って、符号化データBを生成している。符号化データBは信号Bとして送信され、信号Bはパワーケーブル3bを介してワイヤ送給装置2bに受信される。パワーケーブル3aとパワーケーブル3bとの間の磁気結合により、信号Bがパワーケーブル3aを介してワイヤ送給装置2aにも受信されたとしても、ワイヤ送給装置2aは拡散符号αによる逆拡散を行うので、信号Bはノイズとして除去される。したがって、クロストークは発生しない。
【0009】
しかしながら、拡散符号の数は有限なので、使用される溶接装置が増加した場合や出荷時の初期設定条件により、クロストークが発生するという問題がある。例えば、拡散率127のM系列を用いる場合、完全に直行性のある(他の拡散符号をノイズ化できる)拡散符号は8種類になる。したがって、9台以上の溶接装置を使用する場合、いずれかの溶接装置は他の溶接装置と同じ拡散符号を用いることになる。同じ拡散符号を用いて逆拡散を行うとノイズとして除去されないので、クロストークが発生する。
【0010】
図10(b)は、溶接電源装置1bおよびワイヤ送給装置2bも拡散符号αを用いる場合を示している。溶接電源装置1bは送信データBに対して拡散符号αによるスペクトル拡散を行って、符号化データB’を生成している。符号化データB’は信号B’として送信され、信号B’はパワーケーブル3aを介してワイヤ送給装置2aにも受信される。ワイヤ送給装置2aは拡散符号αによる逆拡散を行うので、信号B’はノイズとして除去されず、送信データBに戻され、クロストークが発生する。
【0011】
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、使用される溶接装置が増加してクロストークが発生した場合でも、クロストークを解消することができる溶接装置を提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0013】
本発明の第1の側面によって提供される制御回路は、スペクトル拡散した信号を電力伝送線で送受信する通信装置の制御回路であって、前記通信装置が受信した信号が、前記電力伝送線を介して前記通信装置と通信を行う第2の通信装置が送信した信号であるか否かを判別する判別手段と、前記判別手段によって、前記第2の通信装置が送信した信号でないと判別された場合に、
前記通信装置に設定されているスペクトル拡散の拡散符号
である第1拡散符号を変更する拡散符号変更手段とを備えていることを特徴とする。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記判別手段によって、前記第2の通信装置が送信した信号でないと判別された場合に、前記受信した信号を送信した第3の通信装置に優先権があるか否かを判別する第2の判別手段をさらに備え、前記拡散符号変更手段は、前記第2の判別手段によって、前記第3の通信装置に優先権があると判別された場合に、前記
第1拡散符号を変更する。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2の判別手段によって、前記第3の通信装置に優先権がないと判別された場合に、前記第3の通信装置が
自装置に設定されている拡散符号
である第3拡散符号を変更したか否かを判別する第3の判別手段をさらに備え、前記拡散符号変更手段は、前記第3の判別手段によって、前記第3の通信装置が
前記第3拡散符号を変更しなかったと判別された場合に、前記
第1拡散符号を変更する。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第3の判別手段は、所定時間経過後に前記第2の通信装置が送信した信号を受信した場合に、前記第3の通信装置が
前記第3拡散符号を変更したと判別する。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第3の判別手段は、所定時間経過後に前記第3の通信装置が送信した信号を受信した場合に、前記第3の通信装置が
前記第3拡散符号を変更しなかったと判別する。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第3の判別手段は、前記第3の通信装置が送信した信号を所定回数以上受信した場合に、前記第3の通信装置が
前記第3拡散符号を変更しなかったと判別する。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記通信装置および前記第2の通信装置には、共通の識別番号が付与されており、前記判別手段は、前記受信した信号に含まれる識別番号が前記付与された識別番号に一致するか否かで判別を行う。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記拡散符号変更手段は、さらに、前記第2の通信装置
に設定されている拡散符号
である第2拡散符号も変更させる。
【0021】
本発明の第2の側面によって提供される通信装置は、本発明の第1の側面によって提供される制御回路を備えていることを特徴とする。
【0022】
本発明の第3の側面によって提供される溶接電源装置は、本発明の第2の側面によって提供される通信装置を備えており、前記電力伝送線を介して、ワイヤ送給装置との間で通信を行うことを特徴とする。
【0023】
本発明の第4の側面によって提供されるワイヤ送給装置は、本発明の第2の側面によって提供される通信装置を備えており、前記電力伝送線を介して、溶接電源装置との間で通信を行うことを特徴とする。
【0024】
本発明の第5の側面によって提供される溶接装置は、本発明の第2の側面によって提供される通信装置を備えている溶接電源装置と、本発明の第2の側面によって提供される通信装置を備えているワイヤ送給装置とを備えており、前記電力伝送線を介して、前記溶接電源装置と前記ワイヤ送給装置との間で通信を行うことを特徴とする。
【0025】
本発明の第6の側面によって提供される溶接システムは、本発明の第5の側面によって提供される溶接装置を複数備えており、前記複数の溶接装置の各電力伝送線が、束ねて配置されていることを特徴とする。
【0026】
本発明の第7の側面によって提供される制御方法は、スペクトル拡散した信号を電力伝送線で送受信する通信装置の制御方法であって、前記通信装置が受信した信号が、前記通信装置に前記電力伝送線で接続された第2の通信装置が送信した信号であるか否かを判別する工程と、前記第2の通信装置が送信した信号でないと判別された場合に、
前記通信装置に設定されているスペクトル拡散の拡散符号を変更する工程とを備えていることを特徴とする。
【0027】
本発明の第8の側面によって提供されるプログラムは、コンピュータを、スペクトル拡散した信号を電力伝送線で送受信する通信装置の制御回路として機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、前記通信装置が受信した信号が、前記通信装置に前記電力伝送線で接続された第2の通信装置が送信した信号であるか否かを判別する判別手段と、前記判別手段によって、前記第2の通信装置が送信した信号でないと判別された場合に、
前記通信装置に設定されているスペクトル拡散の拡散符号を変更する拡散符号変更手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によると、受信した信号が第2の通信装置が送信した信号でないと判別された場合に、
第1拡散符号が変更される。したがって、第2の通信装置以外の第3の通信装置が送信した信号を受信してクロストークが発生しても、
第1拡散符号が変更された後は、第3の通信装置が送信した信号は逆拡散によりノイズとして除去されるので、クロストークを解消することができる。
【0029】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を、本発明に係る通信装置を用いて溶接電源装置とワイヤ送給装置との間で通信を行う溶接装置を例として、図面を参照して具体的に説明する。
【0032】
図1は、第1実施形態に係る溶接装置の全体構成を説明するための図である。
【0033】
図1に示すように、溶接装置Aは、溶接電源装置1、ワイヤ送給装置2、パワーケーブル3,4、および、溶接トーチTを備えている。溶接電源装置1の一方の出力端子は、パワーケーブル3を介して、ワイヤ送給装置2に接続されている。ワイヤ送給装置2は、ワイヤ電極を溶接トーチTに送り出して、ワイヤ電極の先端を溶接トーチTの先端から突出させる。ワイヤ送給装置2において、パワーケーブル3とワイヤ電極とは電気的に接続されている。溶接電源装置1の他方の出力端子は、パワーケーブル4を介して、被加工物Wに接続される。溶接電源装置1は、溶接トーチTの先端から突出するワイヤ電極の先端と、被加工物Wとの間に高電圧を印加してアークを発生させる。溶接装置Aは、当該アークの熱で被加工物Wの溶接を行う。なお、溶接装置Aは、実際には、溶接トーチTから放出するためのシールドガスのガスタンク、溶接トーチTを冷却する冷却水を循環させる冷却水循環装置などを備えている場合もあるが、図への記載や説明を省略している。
【0034】
溶接電源装置1は、アークを発生させるための電力を供給するものである。溶接電源装置1は、電力変換回路5、制御回路6、および通信回路7を備えている。
【0035】
電力変換回路5は、電力系統から入力される三相交流電力をアーク溶接に適した直流電力に変換して出力するものである。電力変換回路5に入力される三相交流電力は、整流回路によって直流電力に変換され、インバータ回路によって交流電力に変換される。そして、トランスによって昇圧され、整流回路によって直流電力に変換されて出力される。なお、電力変換回路5の構成は、上記したものに限定されない。
【0036】
制御回路6は、溶接電源装置1の制御を行うものであり、例えばマイクロコンピュータなどによって実現されている。制御回路6は、溶接電源装置1から出力される溶接電圧や溶接電流が設定された設定電圧や設定電流になるように、制御を行う。また、図示しない設定スイッチの操作に応じて設定電圧または設定電流の変更を行ったり、図示しない起動スイッチの操作に応じて電力変換回路5を起動させたりなどの制御を行う。また、制御回路6は、図示しないセンサによって検出された溶接電圧や溶接電流の検出値を図示しない表示装置に表示させたり、異常が発生した場合に図示しない報知装置に報知させたりする。また、制御回路6は、通信回路7から入力される信号に基づいても、設定電圧または設定電流の変更や電力変換回路5の起動を行い、検出された溶接電圧または溶接電流の検出信号や、異常発生を示す信号を通信回路7に出力する。
【0037】
通信回路7は、パワーケーブル3を介して、ワイヤ送給装置2との間で通信を行うためのものである。通信回路7は、ワイヤ送給装置2から受信した信号を復調して、制御回路6に出力する。ワイヤ送給装置2から受信する信号には、例えば、設定電圧または設定電流の変更を指示する信号や、電力変換回路5の起動を指示する信号などがある。また、通信回路7は、制御回路6から入力される信号を変調して、ワイヤ送給装置2に送信する。ワイヤ送給装置2に送信する信号には、例えば、検出された溶接電圧または溶接電流の検出信号や、異常発生を示す信号などがある。
【0038】
通信回路7は、直接スペクトル拡散通信方式を用いて通信を行う。通信回路7は、ワイヤ送給装置2の通信回路9との間で、共通の拡散符号を用いて拡散した信号の送受信を行う。受信した信号を共通の拡散符号を用いて逆拡散してノイズを除去することができるので、高い通信品質で通信を行うことができる。
【0039】
また、通信回路7は、クロストークが発生しているか否かを判断し、クロストークが発生していると判断した場合には、所定のアルゴリズムに応じて、拡散符号の変更を行う。すなわち、通信回路7は、クロストークの相手に対して優先権があるか否かを判断し、優先権がない場合(相手側に優先権がある場合)、拡散符号の変更を行う。優先権がある場合、相手側が拡散符号を変更するので自分の拡散符号を変更する必要がないが、相手側がクロストークに気付いていない場合がある。本実施形態では、相手側がクロストークに気付かない場合にクロストークの状態が継続してしまうことを防ぐために、所定時間が経過しても相手側が拡散符号を変更しない場合に、通信回路7が拡散符号を変更する。クロストーク発生時の拡散符号変更のためのアルゴリズムの詳細については後述する。なお、通信回路7にはあらかじめ所定の拡散符号が設定されており、拡散符号は所定の順番に従って変更される。
【0040】
図2は、通信回路7の内部構成を説明するためのブロック図である。通信回路7は、信号結合回路71、フィルタ回路72、アナログ/デジタル変換回路73、通信制御回路74、デジタル/アナログ変換回路75、および、フィルタ回路76を備えている。
【0041】
信号結合回路71は、磁気結合を利用して、パワーケーブル3で信号を送信し、また、パワーケーブル3で送られる信号を検出するものである。信号結合回路71は、パワーケーブル3の周囲に配置されてパワーケーブル3に磁気結合したコイルを備えており、当該コイルを介して、フィルタ回路76より入力される送信信号をパワーケーブル3で送信する。また、信号結合回路71は、パワーケーブル3で送られる信号を当該コイルによって検出し、受信信号としてフィルタ回路72に出力する。
【0042】
フィルタ回路72は、バンドパスフィルタを備えており、信号結合回路71より入力される受信信号から、所定の周波数帯域以外の信号を除去して、アナログ/デジタル変換回路73に出力する。アナログ/デジタル変換回路73は、フィルタ回路72より入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換し、拡散受信信号SRとして、通信制御回路74に出力する。
【0043】
デジタル/アナログ変換回路75は、通信制御回路74より入力されるデジタル信号である拡散送信信号SSをアナログ信号に変換して、フィルタ回路76に出力する。フィルタ回路76は、バンドパスフィルタを備えており、デジタル/アナログ変換回路75より入力される信号から、所定の周波数帯域以外の信号を除去して、送信信号として、信号結合回路71に出力する。
【0044】
通信制御回路74は、送受信する信号を処理するものであり、例えばマイクロコンピュータなどによって実現されている。通信制御回路74は、アナログ/デジタル変換回路73より入力される拡散受信信号SRを復調して、制御回路6に出力する。また、通信制御回路74は、制御回路6より入力される信号に応じて変調した拡散送信信号SSを、デジタル/アナログ変換回路75に出力する。通信制御回路74は、逆拡散処理部74a、復調処理部74b、データ処理部74c、変調処理部74d、拡散処理部74e、および、拡散符号変更部74fを備えている。
【0045】
変調処理部74dは、BPSK(Binary Phase Shift Keying)変調により、入力された信号に応じてキャリア信号を変調するものである。変調処理部74dは、データ処理部74cより入力される情報送信信号ISに応じてキャリア信号を変調して、変調送信信号MSとして拡散処理部74eに出力する。なお、変調方法はこれに限られず、ASK変調やFSK変調を行うようにしてもよい。拡散処理部74eは、拡散符号を用いてスペクトル拡散を行って、狭帯域の信号を広帯域の信号に拡散するものである。拡散処理部74eは、変調処理部74dより入力される変調送信信号MSを拡散送信信号SSに拡散し、デジタル/アナログ変換回路75に出力する。
【0046】
逆拡散処理部74aは、拡散符号を用いて、広帯域に拡散された信号を狭帯域の信号に逆拡散するものである。逆拡散処理部74aは、アナログ/デジタル変換回路73より入力される拡散受信信号SRを逆拡散して、フィルタリングを行い、変調受信信号MRとして復調処理部74bに出力する。これにより、異なる拡散符号を用いて拡散された信号やノイズが除去される。復調処理部74bは、変調された信号を復調するものである。復調処理部74bは、逆拡散処理部74aより入力される変調受信信号MRを復調して、情報受信信号IRとしてデータ処理部74cに出力する。なお、溶接電源装置1からワイヤ送給装置2に送信する信号と、ワイヤ送給装置2から溶接電源装置1に送信する信号とでは、異なる周波数帯域を利用している。したがって、変調処理部74dで用いられるキャリア信号と、復調処理部74bで用いられるキャリア信号とは、異なる周波数のものを用いている。
【0047】
なお、逆拡散処理部74aと復調処理部74b、および、変調処理部74dと拡散処理部74eをそれぞれ入れ替えてもよい。すなわち、送信側は、データ処理部74cから出力される情報送信信号ISをまずスペクトル拡散してから変調を行うようにし、受信側は、まず復調を行ってから逆拡散するようにしてもよい。
【0048】
データ処理部74cは、制御回路6との間でデータを受け渡しする処理を行うものである。溶接装置Aには、それぞれ固有の識別IDが付与されている。データ処理部74cは、制御回路6より入力される送信データに識別IDを付加して、情報送信信号ISとして変調処理部74dに出力する。
図3は、情報送信信号ISのフレームフォーマットを示している。
【0049】
また、データ処理部74cは、復調処理部74bより入力される情報受信信号IRを識別IDと受信データとに分解し、識別IDに基づいてクロストークが発生しているか否かを判断する。すなわち、識別IDが溶接装置Aに付与された識別IDでない場合に、クロストークが発生していると判断する。データ処理部74cは、クロストークが発生していない場合には受信データを制御回路6に出力する。クロストークが発生している場合には受信データを制御回路6に出力せず、所定のアルゴリズムに応じて、拡散符号変更部74fに変更信号を出力する。データ処理部74cは、識別IDに基づいて優先権があるか否かを判断し、優先権がない場合は拡散符号変更部74fに変更信号を出力する。優先権がある場合は所定時間経過後にクロストークが継続しているか否かを判断し、継続していると判断した場合には、拡散符号変更部74fに変更信号を出力する。
【0050】
図4は、データ処理部74cが行う受信処理を説明するためのフローチャートである。当該受信処理は、溶接電源装置1が起動されたときに開始される。
【0051】
まず、復調処理部74bから情報受信信号IRが入力されたか否かが判別される(S1)。信号結合回路71が受信信号を検出すると、フィルタリング、アナログ/デジタル変換、逆拡散、および復調がなされて、情報受信信号IRがデータ処理部74cに入力される。情報受信信号IRが入力されない場合(S1:NO)、ステップS1に戻ることで、情報受信信号IRの入力を待つ。情報受信信号IRが入力された場合(S1:YES)、情報受信信号IRが識別IDと受信データとに分解され、識別IDが抽出される(S2)。
【0052】
次に、抽出された識別IDが、溶接装置Aに付与された識別IDであるIDmであるか否かが判別される(S3)。抽出された識別IDがIDmである場合(S3:YES)、受信信号が、パワーケーブル3で溶接電源装置1に接続されたワイヤ送給装置2から送信された信号と判断できるので、受信応答が出力されて(S4)、受信データが制御回路6に出力される(S5)。制御回路6は、入力された受信データに基づいた処理を行う。ステップS6およびS7の説明は後述する。
【0053】
抽出された識別IDがIDmでない場合(S3:NO)、受信信号がワイヤ送給装置2とは別のワイヤ送給装置(以下では区別するために「ワイヤ送給装置2’」とする。また、ワイヤ送給装置2’を備える溶接装置を「溶接装置A’」とする。)から送信された信号と判断され、クロストークが発生していると判断される。この場合は、受信データが制御回路6に出力されず、抽出された識別IDがIDmより大きいか否かが判別される(S8)。抽出された識別IDがIDmより大きい場合(S8:YES)、拡散符号変更部74fに変更信号が出力されて(S9)、ステップS1に戻る。すなわち、溶接装置A’が溶接装置Aより優先度が高い(溶接装置Aに優先権がない)として、拡散符号が変更される。なお、本実施形態では識別IDが大きい方に優先権があるようにしているが、識別IDが小さい方に優先権があるようにしてもよい。この場合は、ステップS8の不等号を逆にすればよい。
【0054】
抽出された識別IDがIDmより小さい場合(S8:NO)、すなわち、溶接装置Aに優先権がある場合、クロストーク発生からの経過時間が計時される。すなわち、経過時間を計時するためのタイマーが計時中か否かが判別され(S10)、計時中でない場合(S10:NO)には、計時が開始される(S11)。計時中の場合(S10:YES)には、経過時間が所定時間を超えているか否かが判別される(S12)。当該所定時間は、クロストークの発生を認識してから拡散符号を変更するまでに十分な時間が設定されている。経過時間が所定時間を超えている場合(S12:YES)は、拡散符号変更部74fに変更信号が出力され(S13)、計時が停止されて(S14)、ステップS1に戻る。すなわち、本来なら、クロストークの発生から所定時間が経過していて、優先権のない溶接装置A’で拡散符号の変更がなされて、クロストークが解消されているはずである。しかし、クロストークの状態が継続しているので、溶接装置A’がクロストークに気付いていない可能性がある。この場合は、クロストークの状態が継続してしまうことを防ぐために、データ処理部74cは拡散符号を変更させる。経過時間が所定時間を超えていない場合(S12:NO)は、ステップS1に戻る。
【0055】
クロストークが継続している間でも、通信回路7はワイヤ送給装置2から送信された信号を受信する。この信号に基づく情報受信信号IRの識別IDはIDmなので、ステップS3〜S5によって、適切に処理される。また、続くステップS6で、クロストーク発生からの経過時間が所定時間を超えているか否かが判別され(S6)、所定時間を超えている場合(S6:YES)は計時が停止される(S7)。すなわち、クロストークの発生から所定時間が経過した直後に、ワイヤ送給装置2から送信された信号を受信したことをもって、クロストークが解消したと仮に判断し、拡散符号を変更しないようにしている。なお、実際にはクロストークが解消していなかった場合には、再度、ワイヤ送給装置2’からの信号を受信することになるので、ステップS3,S8,S10での判別(S3:NO,S8:NO,S10:NO)によってステップS11に進み、クロストーク発生からの経過時間の計時が開始される。つまり、優先権のない溶接装置A’で拡散符号の変更がされるか、ステップS12でYESになってデータ処理部74cが拡散符号を変更させることになるので、クロストークは解消される。
【0056】
なお、信号結合回路71が検出した受信信号の状態が悪く、適切に復調されなかった場合は、抽出された識別IDが不適切な値になるので、ステップS8に進み(ステップS3:NO)、ID>IDmの場合(S8:YES)はすぐに拡散符号が変更され(S9)、ID<IDmの場合(S8:NO)でもその状態が継続する場合は拡散符号が変更される(S13)。
【0057】
なお、受信処理のフローチャートは、
図4に示したものに限定されない。例えば、優先権を尊重して、溶接装置Aに優先権がある場合は相手(溶接装置A’)側が拡散符号を変更するのを待ち、自分は拡散符号を変更しないようにしてもよい。この場合のフローチャートは、
図5(a)に示すものになる。
図5(a)のフローチャートは、
図4のフローチャートおいて、ステップS6,S7,およびS10〜S14を削除したものである。ただし、この場合は相手側がクロストークに気付くまでクロストークの状態が継続することになるので、クロストークが解消されるまでにかかる時間が長くなる場合がある。
【0058】
また、優先権に関係なく、クロストークが発生した場合に拡散符号を変更するようにしてもよい。この場合のフローチャートは、
図5(b)に示すものになる。
図5(b)のフローチャートは、
図4のフローチャートおいて、ステップS3がNOの場合にステップS9に進むようにし、ステップS6,S7,S8,およびS10〜S14を削除したものである。この場合もクロストークを解消することができるが、相手側と自分とが同じタイミングで拡散符号を変更する場合もある。
【0059】
図4に示す受信処理のフローチャートにおいては、クロストーク発生から所定時間が経過した後に受信した信号が正当な通信相手から送信されたものであるか否かで、クロストークの相手が拡散符号を変更したか否かを判断しているが、他の方法を用いてもよい。例えば、クロストークの相手からの信号を所定回数以上受信した場合に、クロストークの相手が拡散符号を変更していないと判断してもよい。また、クロストークの相手から、所定時間内に所定回数以上の信号を受信した場合に、クロストークの相手が拡散符号を変更していないと判断してもよい。
【0060】
図2に戻って、拡散符号変更部74fは、拡散処理部74eおよび逆拡散処理部74aに設定されている拡散符号を変更するものである。拡散符号変更部74fは、データ処理部74cから変更信号が入力される毎に、所定の順番に従って拡散符号を変更する。
【0061】
なお、本実施形態では、通信制御回路74をマイクロコンピュータで実現する場合について説明したが、これに限られない。例えば、通信制御回路74を汎用コンピュータで実現するようにしてもよい。すなわち、各部が行う処理をプログラムで設計し、当該プログラムを実行させることで汎用コンピュータを通信制御回路74として機能させてもよい。また、当該プログラムを記録媒体に記録しておき、汎用コンピュータに読み取らせるようにしてもよい。
【0062】
図1に戻って、ワイヤ送給装置2は、ワイヤ電極を溶接トーチTに送り出すものである。ワイヤ送給装置2は、制御回路8および通信回路9を備えている。
【0063】
制御回路8は、ワイヤ送給装置2の制御を行うものであり、例えばマイクロコンピュータなどによって実現されている。制御回路8は、図示しない送給モータを制御して、ワイヤ電極の送り出しを制御する。また、制御回路8は、図示しない起動スイッチの操作に応じて、溶接電源装置1の電力変換回路5を起動するための信号を通信回路9に出力する。また、図示しない設定スイッチの操作に応じて、溶接電源装置1の設定電圧または設定電流の変更を行うための信号を通信回路9に出力する。また、制御回路8は、通信回路9より入力される溶接電圧または溶接電流の検出値を図示しない表示装置に表示させたり、通信回路9より入力される異常発生を示す信号に基づいて、図示しない報知装置に報知させたりする。
【0064】
通信回路9は、パワーケーブル3を介して、溶接電源装置1との間で通信を行うためのものである。通信回路9は、溶接電源装置1から受信した信号を復調して、制御回路8に出力する。溶接電源装置1から受信する信号には、例えば、溶接電源装置1においてセンサで検出された溶接電圧または溶接電流の検出信号や、異常発生を示す信号などがある。また、通信回路9は、制御回路8から入力される信号を変調して、溶接電源装置1に送信する。溶接電源装置1に送信する信号には、例えば、電力変換回路5の起動を指示する信号や、設定電圧または設定電流の変更を指示する信号などがある。
【0065】
通信回路9の構成は、溶接電源装置1の通信回路7と同様の構成である。すなわち、通信回路9も、直接スペクトル拡散通信方式を用いて通信を行う。通信回路9は、溶接電源装置1の通信回路7との間で、共通の拡散符号を用いて拡散した信号の送受信を行う。また、通信回路9も、クロストークが発生しているか否かを判断し、クロストークが発生していると判断した場合には、所定のアルゴリズムに応じて、拡散符号の変更を行う。通信回路9の内部構成は、
図2に示す通信回路7の内部構成と共通するので、ブロック図および詳細な説明を省略する。拡散符号変更のためのアルゴリズムも通信回路7のものと共通し、受信処理を示すフローチャートも通信回路7のもの(
図4参照)と共通するので、記載を省略する。
【0066】
通信回路9の構成が通信回路7と同様の構成であり、互いに信号の送受信を行っているので、通信回路7で拡散符号が変更された場合、同様にほぼ同じタイミングで、通信回路9でも拡散符号が変更される。したがって、通信回路7と通信回路9には、共通する拡散符号が設定されることになる。なお、一方の拡散符号が変更された場合に他方の拡散符号が変更されるようにしてもよい。
【0067】
図6および
図7は、クロストークが発生した場合に、どの溶接電源装置1およびワイヤ送給装置2が拡散符号を変更するかを説明するための図である。
図6および
図7では、3つの溶接装置Aa、Ab,Acが同時に使用されている状態を示している。溶接装置Aaの識別IDが最も大きく(優先順位が一番高く)、溶接装置Abの識別IDがその次であり、溶接装置Acの識別IDが一番小さい(優先順位が一番低い)。溶接装置Aaでは、溶接電源装置1aとワイヤ送給装置2aとが、パワーケーブルを介して通信を行っている。また、同様に、溶接装置Abでは、溶接電源装置1bとワイヤ送給装置2bとが通信を行っており、溶接装置Acでは、溶接電源装置1cとワイヤ送給装置2cとが通信を行っている。
【0068】
図6(a)においては、溶接電源装置1aおよびワイヤ送給装置2aに拡散符号αが設定され、溶接電源装置1bおよびワイヤ送給装置2bにも拡散符号αが設定され、溶接電源装置1cおよびワイヤ送給装置2cに拡散符号βが設定されている状態を示している。このとき、溶接装置Aaと溶接装置Abとの間でクロストークが発生している(図の破線矢印参照)。すなわち、溶接電源装置1aが送信した信号をワイヤ送給装置2bも受信し、溶接電源装置1bが送信した信号をワイヤ送給装置2aも受信している。また、ワイヤ送給装置2aが送信した信号を溶接電源装置1bも受信し、ワイヤ送給装置2bが送信した信号を溶接電源装置1aも受信している。
【0069】
この場合、溶接電源装置1aは、受信した信号から抽出した識別IDが自分の識別IDより小さいので(
図4において、S8:NO)、経過時間の計時を開始する。ワイヤ送給装置2aも同様である。一方、溶接電源装置1bは、受信した信号から抽出した識別IDが自分の識別IDより大きいので(
図4において、S8:YES)、拡散符号をαからβに変更する。同様に、ワイヤ送給装置2bも、拡散符号をαからβに変更する。そして、溶接電源装置1aはワイヤ送給装置2bが送信した信号を受信しなくなって、拡散符号を変更することなく計時を停止する(
図4におけるS7)。ワイヤ送給装置2aも同様である。これにより、
図6(b)の状態になる。
【0070】
図6(b)においては、溶接電源装置1bおよびワイヤ送給装置2bと溶接電源装置1cおよびワイヤ送給装置2cとに、拡散符号βが設定されているので、溶接装置Abと溶接装置Acとの間でクロストークが発生している(図の破線矢印参照)。すなわち、溶接電源装置1bが送信した信号をワイヤ送給装置2cも受信し、溶接電源装置1cが送信した信号をワイヤ送給装置2bも受信している。また、ワイヤ送給装置2bが送信した信号を溶接電源装置1cも受信し、ワイヤ送給装置2cが送信した信号を溶接電源装置1bも受信している。この場合、
図6(a)の状態と同様にして、溶接電源装置1cおよびワイヤ送給装置2cが拡散符号をβからγに変更する。これにより、
図6(c)の状態になる。
【0071】
図6(b)の状態において、溶接装置Ab側にのみクロストークが発生し、溶接装置Ac側がクロストークに気付かない場合がある。すなわち、溶接電源装置1cが送信した信号をワイヤ送給装置2bも受信し、ワイヤ送給装置2cが送信した信号を溶接電源装置1bも受信するが、溶接電源装置1bが送信した信号をワイヤ送給装置2cが受信せず、ワイヤ送給装置2bが送信した信号を溶接電源装置1cが受信しない状態である。
【0072】
この場合、溶接電源装置1cおよびワイヤ送給装置2cはクロストークの発生に気付かず、拡散符号の変更を行わない。溶接電源装置1bは、所定時間経過後もワイヤ送給装置2cが送信した信号を受信し続けるので(
図4において、S12:YES)、拡散符号をβからγに変更する。同様に、ワイヤ送給装置2bも、拡散符号をβからγに変更する。これにより、
図6(d)の状態になる。
【0073】
次に、拡散符号の種類が限定されている場合について、
図7を参照して説明する。
図6(b)の状態において、拡散符号がαとβの2種類しかない場合、溶接電源装置1cおよびワイヤ送給装置2cが拡散符号をβからαに変更する。これにより、
図7(a)の状態になる。
【0074】
図7(a)においては、溶接電源装置1aおよびワイヤ送給装置2aと溶接電源装置1cおよびワイヤ送給装置2cとに、拡散符号αが設定されているので、溶接装置Aaと溶接装置Acとの間でクロストークが発生している(図の破線矢印参照)。この場合、溶接装置Aaに優先権があるので、溶接電源装置1cおよびワイヤ送給装置2cが拡散符号をαからβに変更する。これにより、
図7(b)の状態になる。
【0075】
図7(b)においては、溶接電源装置1bおよびワイヤ送給装置2bと溶接電源装置1cおよびワイヤ送給装置2cとに、拡散符号βが設定されているので、溶接装置Abと溶接装置Acとの間でクロストークが発生している(図の破線矢印参照)。この場合、溶接装置Abに優先権があるので、溶接電源装置1cおよびワイヤ送給装置2cが拡散符号をβからαに変更する。これにより、
図7(a)の状態になる。つまり、
図7(a)の状態と
図7(b)の状態とが繰り返されることになる。
【0076】
本実施形態によると、データ処理部74cは、クロストークが発生すると、所定のアルゴリズムに応じて、拡散符号を変更させる。クロストークが発生している2つの溶接装置Aの少なくとも一方が拡散符号を変更するので、2つの溶接装置Aの拡散符号は異なるものになる。スペクトル拡散された信号を異なる拡散符号で逆拡散してもノイズとして除去されるので、クロストークを解消することができる。
【0077】
また、データ処理部74cは、識別IDに基づいて優先権があるか否かを判断し、自分に優先権がない場合に拡散符号を変更させる。自分に優先権がある場合は、クロストークの相手側が拡散符号を変更するので、拡散符号を変更する必要がない。また、データ処理部74cは、自分に優先権がある場合でも、クロストークの相手側が拡散符号を変更しない場合、拡散符号を変更させる。したがって、相手側がクロストークに気付かない場合にクロストークの状態が継続してしまうことを防止することができる。
【0078】
なお、本実施形態においては、信号結合回路71が、パワーケーブル3の周囲に配置されたコイルによる磁気結合を利用する場合について説明したが、これに限られない。例えば、パワーケーブル3に接続されたコンデンサを用いて、送信信号を電圧信号としてパワーケーブル3で送信し、また、パワーケーブル3で送られる電圧信号を検出するようにしてもよい。
【0079】
上記第1実施形態においては、溶接装置Aの溶接電源装置1とワイヤ送給装置2との間で通信を行う場合について説明したが、これに限られない。例えば、非消耗電極式の溶接装置の場合、ワイヤ送給装置2は用いられず、溶接電源装置1と溶接トーチTに接続されたリモコンとの間で、通信を行う。この場合、リモコンに通信回路を設け、溶接電源装置1の通信回路7との間で通信を行うようにすればよい。
【0080】
図8は、第2実施形態に係る溶接装置の全体構成を説明するための図である。同図において、第1実施形態に係る溶接装置A(
図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
【0081】
図8に示す溶接装置A1は、ワイヤ送給装置2に代えて、リモコン21を備えている点で、第1実施形態に係る溶接装置Aと異なる。リモコン21は、パワーケーブル3を介して、溶接電源装置1との間で通信を行う。通信回路9は、第1実施形態におけるワイヤ送給装置2の通信回路9と同様の構成で同様の機能を有する。したがって、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0082】
なお、溶接トーチTにリモコン21を取り付けるのではなく、溶接トーチT自体に制御回路8および通信回路9を設けて、溶接電源装置1と溶接トーチTとの間で通信を行うようにしてもよい。
【0083】
なお、本発明に係る通信装置は、溶接装置以外でも用いることができる。例えば、トーチの先端にプラズマを発生させて被加工物Wを切断するプラズマ切断装置や、トーチの先端に発生させたアークの熱と圧縮空気の噴射を利用して溝掘りを行うエアアークガウジング装置などにおいても、本発明に係る通信装置を用いることができる。すなわち、設置された電源装置と、作業者によって持ち運ばれて実際に加工を行うトーチやトーチに取り付けられたリモコンとの間でパワーケーブルを介して通信を行う場合に、電源装置およびトーチ(リモコン)にそれぞれ通信装置を設ければよい。
【0084】
また、電源を有する機械との間で通信を行うリモコンが、機械から電力を供給され、電力伝送線を介して通信を行う場合も、本発明に係る通信装置を用いることができる。
【0085】
本発明に係る通信装置の制御回路、通信装置、溶接電源装置、ワイヤ送給装置、溶接装置、溶接システム、制御方法、および、プログラムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る通信装置の制御回路、通信装置、溶接電源装置、ワイヤ送給装置、溶接装置、溶接システム、制御方法、および、プログラムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。