(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
[遊技機の全体構成について]
遊技機の一例としてのパチンコ機1は、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠2と、この機枠2の一側部においてヒンジ機構により開閉自在に取り付けられた本体枠3と、当該本体枠3内に収容された遊技盤30と、本体枠3の前方において開閉可能に軸着され、中央部に配設されたガラス窓4A、及びガラス窓4Aの下方に設けられた受皿6を有するパネル枠4と、パネル枠4の下部一側部より前方に突設されたハンドルユニット7、及びパネル枠4の上部両側部に配設されたスピーカユニット8を主たる構成として備える。パネル枠4が本体枠3側に閉じられた状態において、パチンコ機1の前方に着座する遊技者からは、パネル枠4に配設されたガラス窓4Aを介して本体枠3内に収容された遊技盤30の遊技領域30Aを視認することが可能である。
【0011】
受皿6の中央部には、遊技者の任意によって操作可能な操作手段としての操作機構9が配設される。操作機構9は、遊技者による押下操作が可能な円形のプッシュボタン9Aと、当該プッシュボタン9Aの周囲において遊技者による回動操作が可能なダイアル9Bとにより構成される。操作機構9は、後述する演出制御基板200と接続されており、プッシュボタン9A、及びダイアル9Bから出力される信号は、演出制御基板200側に入力する。なお、当該操作機構9を用いる具体的な場面については後述する。受皿6には、この他、球貸ボタンや返却ボタン等が配設されており、これらのボタン操作によって図外のCRユニットに投入されたICカード等の記録媒体に記録された貸し球可能数に対応する遊技球の貸し出し動作、或いは記録媒体の返却動作が実行される。
【0012】
[遊技盤の構成について]
図2に示すように、本体枠3内に収容された遊技盤30には、外ガイドレール27及び内ガイドレール28によって略円形状に区画された遊技領域30Aが形成される。遊技領域30Aは、遊技盤30の前面とガラス窓4Aの後面との間に形成される空間である。遊技盤30には、図外の多数の釘や風車が配設されており、遊技者のハンドルユニット7の操作によって図外の発射機構により発射された遊技球は、多数の釘や風車によって不規則に誘導されつつ遊技領域30A内を流下する。
【0013】
また、遊技領域30A内には、第1始動入賞部品60、第2始動入賞部品62、大入賞部品64、及び複数の一般入賞部品66が配設されており、これらの入賞部品に遊技球が入球すると、各入賞部品に対応した所定数の賞球が受皿6に払出される。また、詳細については後述するが、遊技球が第1始動入賞部品60、又は第2始動入賞部品62に入球すると、上記賞球の払出しの他、大入賞部品64を開放動作させ、遊技者にとって有利な状態を醸成する特別遊技の可否に関する抽選や、当該特別遊技の態様、或いは特別遊技後の遊技状態を決定するための抽選を始めとする各種の抽選が主制御基板100により実行される。即ち、第1始動入賞部品60、又は第2始動入賞部品62への遊技球の入球は、上記各種の抽選を受けるための契機となるものである。
【0014】
また、第2始動入賞部品62は、
図2中において破線で示す閉鎖状態と、実線で示す開放状態を取り得る開閉体63を備えており、当該開閉体63の状態に応じて、第2始動入賞部品62への入球の難易が変化するようになっている。具体的には、開閉体63が上下方向に直立した閉鎖状態にあっては、第2始動入賞部品62の直上に位置する障害部品との関係により、第2始動入賞部品62への入球が極めて困難、又は不可能とされる。一方、開閉体63が左右方向に倒伏した開放状態にあっては、第2始動入賞部品62の直上に位置する障害部品との関係により、第2始動入賞部品62への入球が容易とされる。
【0015】
開閉体63の開放動作は、遊技領域30A内に配設された通過ゲート68への遊技球の通過を契機として主制御装置100により実行される開閉体63の開放動作の可否に関する抽選の結果が当りとなった場合に実行される。
【0016】
第1始動入賞部品60、及び第2始動入賞部品62よりも下方に配設された大入賞部品64は、遊技球が入球可能な大入賞口64Aと、当該大入賞口64Aの全域を閉鎖又は開放する開閉体64Bとを備えており、通常時においては大入賞口64Aが開閉体64Bにより閉鎖され、遊技球の入球が不可能となっている。一方で、前述の特別遊技が実行されると開閉体64Bが開放動作し、遊技球の入球が容易とされる。また、遊技領域30Aの最下部には、上記複数の入賞部品のいずれにも入球しなかった遊技球を回収するアウト口69が開設されており、当該アウト口69まで流下した遊技球は、遊技盤30の背部側を経由して外部に排出される。
【0017】
また、遊技盤30の略中央部には例えば液晶表示装置からなる演出表示装置50が設けられている。演出表示装置50は、後述するキャラクター選択に関する画像や、演出図柄に関する画像、特別遊技中において表示される画像等の種々の画像を表示可能な演出表示部50Aを有し、一般に遊技者は、当該演出表示部50Aに表示される多様な画像表示による演出を視認しながら遊技を進行する。
【0018】
また、遊技盤30の遊技領域30Aの外方には、第1特別図柄表示装置35A、第2特別図柄表示装置35B、第1特別図柄保留表示装置36A、第2特別図柄保留表示装置36B、普通図柄表示装置37、及び普通図柄保留表示装置38が設けられている。各表示装置は、遊技の進行状況に応じて主制御基板100によって制御され、その表示の変化によって遊技状況を遊技者に報知する。
【0019】
[パチンコ機の内部構成について]
図3は、パチンコ機1の制御を担う制御手段の構成を示すブロック図である。同図に示すように、パチンコ機1は、主として遊技全般に係る基本動作を制御する主制御基板100と、主として遊技球の発射動作、及び払出動作を制御する払出制御基板150と、主として前述の演出表示装置50を制御する演出制御基板200とを備える。
【0020】
主制御基板100は、(メイン)CPU100A、(メイン)ROM100B、及び(メイン)RAM100Cを備えてなり、CPU100Aが後述する各検出スイッチやタイマからの入力に対応してROM100Bに予め格納されたプログラムを読み出して、当該プログラムに従った演算処理を行い、主制御基板100に接続された上述の各装置を直接的に制御したり、他の基板にコマンドを送信する。また、このときRAM100Cは、CPU100Aの演算処理時におけるワークエリアとして機能し、演算に必要な各種のデータや、コマンドを一時的に保持する。
【0021】
図3に示すように、主制御基板100には、第1始動入賞部品60への遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチSW1、第2始動入賞部品62への遊技球の入球を検出する第2始動口検出スイッチSW2、大入賞部品64への遊技球の入球を検出する大入賞口検出スイッチSW3、一般入賞部品66への遊技球の入球を検出する一般入賞口検出スイッチSW4、及び通過ゲート68への遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチSW5が接続されており、各検出スイッチから出力される検出信号が主制御基板100側に入力する。
【0022】
また、主制御基板100には、前述の第2始動入賞部品62に設けられた開閉体63を開閉動作させるためのソレノイドSOL1、及び大入賞部品64に設けられた開閉体64Bを開閉動作させるためのソレノイドSOL2が接続され、これらのソレノイドが主制御基板100によって直接的に制御される。また、主制御基板100には、第1特別図柄表示装置35A、第2特別図柄表示装置35B、第1特別図柄保留表示装置36A、第2特別図柄保留表示装置36B、普通図柄表示装置37、及び普通図柄保留表示装置38が接続されており、これらの表示装置が主制御基板100によって直接的に制御される。
【0023】
また、主制御基板100には、払出制御基板150、及び演出制御基板200が接続されている。払出制御基板150は、主制御基板100と同様に不図示のCPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータであって、主制御基板100に対して通信可能に接続されている。当該払出制御基板150には、外部情報出力端子板151が接続されている。外部情報出力端子板151は、払出制御基板150を介して主制御基板100から送信された遊技の進行に関する種々の情報をパチンコ機1の設置店等に設けられたホストコンピュータ側に送信する。
【0024】
また、払出制御基板150には、遊技者に対して賞球を払い出すための払出モータ152、及び賞球数計数スイッチ153が接続されている。払出制御基板150は、主制御基板100から送信される払出コマンドに含まれる賞球数情報に基づいて所定の賞球数が払い出されるように払出モータ152を制御する。当該払出モータ152の駆動により払い出された賞球は、賞球数計数スイッチ153により検出され、払出制御基板150側において、適正な賞球数が払い出されたかが把握される。なお、払出制御基板150には、この他、受皿6に許容数以上の遊技球が貯留されていることを検知する皿満タン検出スイッチや、ガラス窓4Aや本体枠3が開放していることを検知する窓開放検出スイッチ等の各種のスイッチが接続される。
【0025】
また、払出制御基板150には、発射制御基板160が接続される。発射制御基板160には、ハンドルユニット7内に搭載されたタッチセンサ161、発射ボリューム162、図外の発射機構内に受皿6に貯留された遊技球を送り込む球送りモータ163、及び発射機構内に格納された球発射モータ164が接続されており、発射制御基板160は、タッチセンサ161からの入力を条件として、遊技者によるハンドルユニット7の操作量に応じて変化する発射ボリューム162からの入力信号に基づいて球発射モータ164を制御し、受皿6に貯留された遊技球を所定の発射力により遊技領域30A内に打ち出す。
【0026】
演出制御基板200は、遊技進行中や待機中、或いは特別遊技中における各種の演出を制御する演出制御手段として機能する。演出制御基板200は、(サブ)CPU200A、(サブ)ROM200B、(サブ)RAM200Cを備えてなり、主制御基板100に対して主制御基板100から一方向通信が可能なように接続されている。当該演出制御基板200は、主制御基板100から送信される演出に関する各種のコマンドや内部タイマからの入力信号に基づいて、ROM200Bに予め格納されたプログラムを読み出して、当該プログラムに従った演算処理を行い、演出制御基板200に接続された画像制御基板210や、電飾制御基板220に対して演出実行に関する各種のコマンドを送信する。なお、このときRAM200Cは、CPU200Aの演算処理時におけるワークエリアとして機能し、演算に必要な各種のデータや、コマンド等を一時的に保持する。
また、演出制御基板200には、遊技者の任意に操作可能な前述の操作機構9が接続されており、当該操作機構9の操作に基づいて画像制御基板210に所定のコマンドを送信し、特に演出表示部50Aに後述するキャラクター選択に関する画像を表示させる。
【0027】
画像制御基板210は、演出制御基板200側から送信されるコマンドに基づいて、前述の演出表示部50Aに各種の画像を表示させる画像表示制御を実行するものであり、不図示のCPU、ROM、RAM及びVRAMを備えてなる。ROM内には、例えば遊技進行中における背景画像や後述の演出図柄Sに係る画像、或いは、待機中において表示可能となる後述のキャラクター選択に係る画像データ等が多数格納されており、CPUが演出制御基板200側から送信されたコマンドに基づいてROMから上記画像を読み出し、VRAMに書き込むことにより、演出表示部50Aに多様な画像が表示される。
【0028】
電飾制御基板220は、演出制御基板200側から送信されるコマンドに基づいて、前述したスピーカユニット8から遊技進行中における楽曲や効果音などの音声を出力させる音声出力制御や、演出表示装置50の両側部に配設された可動体55A;55Bを動作させるソレノイドやモータ等の駆動手段を動作させる可動体制御や、パネル枠4や遊技盤30に配設されたLED等の発光手段を所定の態様によって点灯させる点灯制御を実行する。
また、図示は省略するが、上述の各制御基板には電源基板が接続されており、当該電源基板に設けられた電源スイッチの操作により、遊技設置店側の外部電源から電源が供給され、各制御基板が起動する。また、当該電源基板には、バックアップ用電源として例えばコンデンサが搭載されており、電源スイッチの操作による断電時、或いは不測の停電による断電時においては当該コンデンサからの電源供給により、各基板のRAMに格納された各種のデータやコマンドが保持される。
また、詳細については後述するが、本実施形態においては特に、遊技者の任意により決定が可能な後述の複数のキャラクターそれぞれと対応する識別情報を記憶するキャラクター種別記憶領域に記憶された識別情報を、所定の条件が成立したことに基づいてキャラクター識別情報バックアップ領域に逐次記憶することにより(キャラクター識別情報バックアップ処理)、断電後、次回の電源投入時においてキャラクター識別情報バックアップ領域に記憶されている識別情報に基づいて、キャラクター種別記憶領域に記憶された識別情報を変更する処理(キャラクター識別情報変更処理)を実行する。
【0029】
以下、上記構成からなるパチンコ機1の遊技の流れについて概説する。
遊技者のハンドルユニット7の操作により遊技領域30A内を流下する遊技球が前述の第1始動入賞部品60又は第2始動入賞部品62に入球すると、主制御基板100では特別遊技(所謂大当り遊技)の実行可否に関する抽選(以下、特図当否抽選ともいう)、特別図柄の種類を決定する抽選(以下、特図種別決定抽選ともいう)、特別図柄の変動パターンを決定する抽選(以下、特図変動パターン決定抽選ともいう)等の種々の抽選を実行する。
そして、上記抽選のうち、特図当否抽選の結果が「当り」である場合には、前述の大入賞部品64を開放し、遊技球の入球を容易とする特別遊技が実行される。以下、各抽選の概要について説明する。
【0030】
まず、遊技球が第1始動入賞部品60又は第2始動入賞部品62に入球すると、上記特図当否抽選において参照される特図当否判定用乱数や、特図種別決定用乱数、第1変動パターン乱数、第2変動パターン乱数等、種々の乱数が同時に取得され、当該取得された乱数がRAM100Cの保留記憶領域に格納される。なお、以下の説明においては、第1始動入賞部品60への入球を契機として取得される上記種々の乱数を総称して第1特図遊技情報といい、第2始動入賞部品62への入球を契機として取得される上記種々の乱数を総称して第2特図遊技情報という場合がある。
【0031】
上記保留記憶領域は、第1特図遊技情報、及び第2特図遊技情報をそれぞれ独立して最大4つずつ記憶可能な第1記憶部〜第4記憶部を有している。そして、第1始動入賞部品60への入球を契機として取得される第1特図遊技情報は、4つを上限として第1記憶部〜第4記憶部に順に記憶され、第2始動入賞部品62への入球を契機として取得される第2特図遊技情報についても4つを上限として第1記憶部〜第4記憶部に順に記憶される。つまり、保留記憶領域は最大8つの特図遊技情報を記憶可能である。
【0032】
[各種抽選処理について]
図4は、特図当否抽選において参照される特図当否判定テーブル(TB)の概要を示す図である。遊技球が、第1始動入賞部品60又は第2始動入賞部品62に入球すると、0〜65535の範囲から1つの特図当否判定用乱数が取得される。
同図に示すように特図当否判定テーブルは、遊技状態が特図低確率である場合に参照される低確率用特図当否判定テーブルTB1と、遊技状態が特図高確率である場合に参照される高確率用特図当否判定テーブルTB2とに細分化されている。各特図当否判定テーブルには、0〜65535までの特図当否判定用乱数に対応する判定結果(当り又はハズレ)が規定されている。例えば、低確率用特図当否判定テーブルTB1が参照された場合に判定結果が「当り」となる確率は、約399分の1となり、これに対して高確率用特図当否判定テーブルTB2が参照された場合に判定結果が「当り」となる確率は、10倍の約39.9分の1となる。そして、上記取得された特図当否判定用乱数が、当りと対応する乱数である場合は当りと判定され、特図当否判定用乱数が、ハズレと対応する乱数である場合はハズレと判定される。
【0033】
詳細については後述するが、特図低確率状態とは、特図当否抽選において低確率用特図当否判定テーブルTB1を参照して抽選結果を判定する遊技状態である。一方、特図高確率状態とは、特図当否抽選において高確率用特図当否判定テーブルTB2を参照して抽選結果を判定する遊技状態であり、特図低確率状態と比べて判定結果が「当り」となり易く、前述の特別遊技を獲得し易い状態である。
【0034】
図5は、上記特図種別決定抽選において参照される特図種別決定テーブル(TB)の概要を示す図である。同図に示すように、特図種別決定テーブルは、前述の特図当否抽選の結果が当りであり、かつ、特図種別決定用乱数が第1始動入賞部品60への入球を契機として取得されたもの(第1特図遊技情報)である場合に参照される特図種別決定テーブルTB1と、特図当否抽選の結果が当りであり、かつ、特図種別決定用乱数が第2始動入賞部品62への入球を契機として取得されたもの(第2特図遊技情報)である場合に参照される特図種別決定テーブルTB2と、特図当否抽選の結果がハズレである場合に参照される特図種別決定テーブルTB3とに細分化される。
【0035】
第1始動入賞部品60又は第2始動入賞部品62に入球すると、例えば0〜99の範囲から1つの特図種別決定用乱数が取得される。同図に示すように、各特図種類決定テーブルには、0〜99までの特図種類決定用乱数に対応する特別図柄種別が所定の割合(選択率)で規定されている。例えば、特図種別決定テーブルTB1が参照され、取得された特図種別決定用乱数が0〜19の範囲である場合には、特図種別が特別図柄Aとして決定され、20〜59の範囲である場合には、特図種別が特別図柄Bとして決定され、60〜99の範囲である場合には、特図種別が特別図柄Cとして決定される。つまり、第1始動入賞部品60への入球を契機とする特図当否抽選の結果が当りとなり、特図種別決定テーブルTB1が参照された場合の特別図柄A〜特別図柄Cの選択率は、それぞれ20%、40%、40%となる。
【0036】
また、特図種別決定テーブルTB2が参照され、取得された特図種別決定用乱数が0〜19の範囲である場合には、特図種別が特別図柄Aとして決定され、20〜99の範囲である場合には、特図種別が特別図柄Cとして決定される。つまり、第2始動入賞部品60への入球を契機とする特図当否抽選の結果が当りとなり、特図種別決定テーブルTB2が参照された場合の特別図柄A及び特別図柄Cの選択率は、それぞれ20%、80%となる。
【0037】
また、特図種別決定テーブルTB3は、上記特図当否抽選の結果がハズレである場合に参照され、取得された特図種別決定用乱数の範囲に関わらず、特別図柄の種別が決定される。具体的には、特図種別決定用乱数が第1始動入賞部品60への入球を契機として取得されたものである場合には、特図種別が特別図柄X(ハズレ図柄X)に決定され、特図種別決定用乱数が第2始動入賞部品62への入球を契機として取得されたものである場合には特図種別が特別図柄Y(ハズレ図柄Y)に決定される。
【0038】
図6は、上記変動パターン決定抽選において参照される変動パターン決定テーブルの概要を示す図である。なお、同図に示す変動パターン決定テーブルは、遊技状態が後述する普図低確率である場合に参照されるテーブル(低確率用変動パターン決定テーブル)である。第1始動入賞部品60又は第2始動入賞部品62に入球すると、0〜99の範囲から1つの第1変動パターン乱数が取得され、同じく0〜99の範囲から1つの第2変動パターン乱数が取得される。
【0039】
同図に示すように、変動パターン決定テーブルには、前述の抽選により決定された特図種別、現在の保留記憶数に応じて、第1変動パターン乱数に対応する第1変動パターン、及び第2変動パターン乱数に対応する第2変動パターンが規定されている。第1変動パターンとは、演出図柄が変動を開始してから所定時間(前半部)までの態様を示すものであり、本例においては例えば「リーチ」,「リーチなし」,「弱予告1」〜「弱予告2」,「強予告1」〜「強予告2」,「疑似1」〜「疑似4」等の複数の態様が規定されている。
また、第2変動パターンとは、演出図柄が変動を開始してから所定時間経過後(後半部)の態様を示すものであり、例えば「発展なし」,「スーパーA」〜「スーパーD」,「プレミアA」が規定されている。
また、各第1変動パターン及び第2変動パターンには、所定の秒数が規定されており、第1変動パターンの秒数、及び第2変動パターンの秒数を合算した秒数が特別図柄の変動表示時間、及びこれに略同期して変動する演出図柄の変動表示時間となる。
【0040】
上記変動パターン決定テーブルから、第1変動パターン乱数及び第2変動パターン乱数に対応する第1変動パターン及び第2変動パターンが決定されると、それぞれの変動パターンに対応する変動パターンコマンドが演出制御基板200側に送信され、各変動パターンに従った種々の演出を表現する画像表示が演出表示部50Aに表示されることとなる。
なお、本例においては、第1変動パターン及び第2変動パターンを個別に決定するものとしたが、単一の変動パターンにより変動パターンコマンドを送信してもよい。
【0041】
[特別遊技について]
図7は、前述の特図当否抽選の結果が当りとなり、遊技者にとって有利な特別遊技(大当り遊技)が実行される場合に参照される開閉体(64B)作動テーブル(TB)の概要を示す図である。同図に示すように、開閉体作動テーブルには、特別遊技中におけるラウンド数(R)、1ラウンドの終了条件、1ラウンドあたりの開閉回数、ラウンド間のインターバル時間が規定されている。
また、開閉体作動テーブルは、前述の特図種別が特別図柄Aである場合に参照される開閉体作動テーブルTB1と、特別図柄Bである場合に参照される開閉体作動テーブルTB2、及び特別図柄Cである場合に参照される開閉体作動テーブルTB3とに細分化され、特図種別に応じて、これに対応するいずれかの開閉体作動テーブルが参照される。
【0042】
例えば、開閉体作動テーブルTB1を参照した特別遊技が実行されると、開閉体64Bの開放動作によって大入賞口64Aが6秒間開放すること、又は、大入賞口64A内に遊技球が9個(カウントC=9)入球することのいずれかの条件が成立するまでラウンドが継続し、当該ラウンドが2回繰り返される。
また、開閉体作動テーブルTB2を参照した特別遊技が実行されると、開閉体64Bの開放動作によって大入賞口64Aが29秒間開放すること、又は、大入賞口64A内に遊技球が9個(カウントC=9)入球することのいずれかの条件が成立するまでラウンドが継続し、当該ラウンドが5回繰り返される。
また、同様に開閉体作動テーブルTB3を参照した特別遊技が実行されると、開閉体64Bの開放動作によって大入賞口64Aが29秒間開放すること、又は、大入賞口64A内に遊技球が9個(カウントC=9)入球することのいずれかの条件が成立するまでラウンドが継続し、当該ラウンドが15回繰り返される。なお、インターバル時間とは、各ラウンド間における開閉体64Bの閉鎖時間である。
【0043】
つまり、開閉体作動テーブルTB1が参照される特別遊技よりも、開閉体作動テーブルTB2が参照される特別遊技の方が、ラウンド数(R)が増加する分、遊技者が獲得可能な賞球数が多くなり、開閉体作動テーブルTB3が参照される特別遊技が実行された場合に、最も多くの賞球数を獲得することが可能となる。
【0044】
[遊技状態について]
図8は、上述の特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技後の遊技状態を設定するために参照される遊技状態設定テーブルの概要を示す図である。同図に示すように、遊技状態設定テーブルには、特図種別に対応して、特図低確率又は特図高確率、及び普図低確率又は普図低確率のいずれかの組み合わせに係る遊技状態が規定されている。
【0045】
ここで、特図低確率とは、前述の特図当否抽選において、低確率用特図当否判定テーブルTB1が参照される状態(当り確率=399分の1)であり、特図高確率とは、高確率用特図当否判定テーブルTB2が参照される状態(当り確率=39.9分の1)である。
また、普図低確率とは、前述の特図変動時間決定抽選において、
図6に示す低確率用変動パターン決定テーブルが参照され、後述の普図当否抽選において、低確率用普図当否判定テーブルTB1が参照され、後述の普図変動時間決定抽選において、低確率用普図変動時間テーブルTB1が参照される状態である。
また、普図高確率とは、前述の特図変動時間決定抽選において、
図6に示す低確率用変動パターン決定テーブルとは異なり、決定される時間(秒数)が相対的に短く規定された変動パターン決定テーブル(高確率用変動パターン決定テーブル)が参照され、後述の普図当否抽選において、高確率用普図当否判定テーブルTB2が参照され、後述の普図変動時間決定抽選において、高確率用普図変動時間テーブルTB2が参照される状態である。
【0046】
例えば、特図種別が特別図柄Aである場合、特別遊技後の遊技状態は、特図低確率、かつ、普図低確率の遊技状態となり、特別図柄B又は特別図柄Cである場合、特別遊技後の遊技状態は、特図高確率、かつ、普図高確率の遊技状態となる。また、このうち特別種別が特別図柄Bである場合の普図高確率の状態は前述の特図当否抽選が50回実行されるまで継続する。一方、特別種別が特別図柄Cである場合の普図高確率の状態は前述の特図当否抽選が10000回実行されるまで継続する。つまり、特別図柄Cであることを契機として特図高確率、かつ、普図高確率の状態となった場合、特図高確率である場合における大当り確率は39.1分の1であることから、当該遊技状態に移行すれば、実質的に次回の特別遊技が実行されるまで特図高確率、かつ、普図高確率の状態が継続する。
なお、特図種別の数及び遊技状態の組み合わせは上述のものに限られることなく、特図種別をさらに細分化して設定することにより、特別遊技の態様や、特別遊技後の遊技状態をさらに細分化して設定することも可能である。
【0047】
以上説明したとおり、パチンコ機1においては、第1始動入賞部品60又は第2始動入賞部品62への入球を契機とする各種の抽選が実行され、上記各種抽選の結果が所定の結果である場合に、遊技者にとって有利な特別遊技が実行され、さらに当該特別遊技後の遊技状態が切り替わる構成である。
一方、パチンコ機1においては、上記特別遊技の実行等に関する種々の抽選とは独立して、第2始動入賞部品62に設けられた開閉体63の開放動作させる普通遊技実行の可否等に関する抽選(普図当否抽選,普図変動パターン決定抽選)も実行される。以下、普通遊技実行の可否等に関する種々の抽選の概要について説明する。
【0048】
遊技球が通過ゲート68を通過すると、後述の普図当否抽選において参照される普図当否判定用乱数や、普図変動パターンが同時に取得され、当該取得された乱数がRAM100Cの保留記憶領域に格納される。上記保留記憶領域は、上記同時に取得される乱数を最大4つまで記憶可能な第1記憶部〜第4記憶部を有している。
【0049】
図9は、普図当否抽選において参照される普図当否判定テーブル(TB)の概要を示す図である。遊技球が、通過ゲート68を通過すると、例えば0〜99の範囲から1つの普図当否判定用乱数が取得される。同図に示すように普図当否判定テーブルは、遊技状態が前述の普図低確率である場合に参照される低確率用普図当否判定テーブルTB1と、遊技状態が普図高確率である場合に参照される高確率用普図当否判定テーブルTB2とに細分化されている。各普図当否判定テーブルには、0〜99までの普図当否判定用乱数に対応する判定結果(当り又はハズレ)が規定されている。例えば、低確率用普図当否判定テーブルTB1が参照された場合に判定結果が「当り」となる確率は、50分の1となり、これに対して高確率用普図当否判定テーブルTB2が参照された場合に判定結果が当りとなる確率は、1.2分の1となる。
そして、上記取得された普図当否判定用乱数が、当りと対応する乱数である場合は当りと判定され、普図当否判定用乱数が、ハズレと対応する乱数である場合はハズレと判定される。
【0050】
図10は、普図変動パターン決定抽選において参照される普図変動パターン決定テーブル(TB)の概要を示す図である。遊技球が通過ゲート68を通過すると、0〜99の範囲から1つの普図変動パターン決定用乱数が取得される。同図に示すように、普図変動パターン決定テーブルは、遊技状態が普図低確率である場合に参照される低確率用普図変動パターンテーブルTB1と、遊技状態が普図高確率である場合に参照される高確率用普図変動パターンテーブルTB2とに細分化されている。例えば、低確率用普図変動パターンテーブルTB1には、0〜49の範囲の普図変動パターン決定用乱数に対して30秒の変動時間が規定され、50〜99の範囲の普図変動パターン決定用乱数に対して45秒の変動時間が規定されている。
一方、高確率用普図変動パターンテーブルTB2には、0〜49の範囲の普図変動パターン決定用乱数に対して1秒の変動時間が規定され、50〜99の範囲の普図変動パターン決定用乱数に対して2秒の変動時間が規定されている。
【0051】
上記各変動パターン決定テーブルから、普図変動パターン決定用乱数に対応する変動パターンが決定されると、当該決定された変動時間に渡り、普通図柄表示装置37により表示される普通図柄の変動表示が開始され、変動時間経過後に上記普図当否抽選の結果を示す態様で停止表示される。ここで、普通図柄表示装置37は、例えば複数のLEDランプを配列した形態として構成されており、変動表示中においては複数のランプが点滅し、上記普図当否抽選の結果が当りである場合には、複数のランプのうち、いずれかLEDのランプが点灯して停止した状態となり、ハズレである場合には、例えば全てのLEDランプが消灯した状態となる。
【0052】
[普通遊技について]
図11は、前述の普図当否抽選の結果が当りとなり、普通図柄が当りであることを示す態様で停止した場合に実行される普通遊技において参照される開閉体(63)作動テーブル(TB)の概要を示す図である。同図に示すように、開閉体作動テーブルには、開閉体63の開放回数、1回の開放動作当りの開放時間が規定されており、遊技状態が普図低確率である場合に参照される低確率用開閉体作動テーブルTB1と、遊技状態が普図高確率である場合に参照される高確率用開閉体作動テーブルTB2とに細分化されている。
【0053】
そして、遊技状態が普図低確率である場合において、普通図柄が当りを示す態様で停止した場合、上記開閉体作動テーブルTB1が参照されることにより、第2始動入賞部品62の開閉体63が0.3秒間1回開放動作される。一方、遊技状態が普図高確率である場合において、普通図柄が当りを示す態様で停止した場合、上記開閉体作動テーブルTB2が参照されることにより、第2始動入賞部品62の開閉体63が2.8秒間の開放する動作が3回繰り返されることとなる。つまり、遊技状態が普図高確率である場合、普図低確率と比較して普図当否抽選の結果が当りとなり易く、普通図柄の変動時間が大幅に短縮され、かつ開閉体63の開放時間の合計が長くなることから、遊技球が第2始動入賞部品62に入球し易くなり、遊技球の消費を抑えながら第2始動入賞部品62への入球を契機とする上述の各種の抽選を受けることが可能となる。
以下、上述したパチンコ機1における遊技の流れの主要部につき、複数のフローチャートを用いて説明する。
【0054】
図12は、主制御基板100のCPU100Aによって実行されるメイン処理の概要を示す図である。
[主制御基板メイン処理について]
(ステップS1)
電源基板からの電源供給により、CPU100Aは、ROM100Bから起動プログラムを読み込むとともに、RAM100Cのバックアップアップ領域に記憶されていた情報の読み込み処理、チェックサム処理等の起動処理を実行し、読み込み処理が正常に行われたことを条件として、S2に移行する。ここで、バックアップ領域に記憶される情報としては、例えば、前回の断電時における遊技状態を表す遊技状態フラグ、或いは後述する他のフラグ、RAM100Cの出力バッファ内に記憶された各種のコマンド等が挙げられ、当該処理が実行されることにより、電源投入時において前回の断電時における状態が維持される。一方、電源投入時において図外のRAMクリアスッチが投入されていた場合、又はチェックサム処理の結果が異常であった場合には、RAMに記憶された上記各種の情報が初期化(消去)される。
【0055】
(ステップS2)
次に、CPU100Aは、初期値乱数更新処理を実行し、S3に移行する。当該初期値乱数更新処理は、特図当否判定用乱数以外のプログラム上の処理により発生するソフトウェア乱数として生起される乱数の初期値を更新(変更)するための乱数(初期値乱数)をインクリメントして更新する処理である。ソフトウェア乱数は、図外の割り込み処理により所定の範囲をとるようにループカウンタにより更新されており、カウンタが一巡するたびに、初期値乱数が参照され、その初期値が変更される。
【0056】
(ステップ3)
次にCPU100Aは、ソフトウェア乱数のうち、特別遊技の可否、及びその態様の決定に関わらない乱数(第1変動パターン乱数,第2変動パターン乱数,普図変動パターン決定用乱数等)の更新処理を実行する。以降、所定の割込み処理が実行されるまで、S2及びS3の処理が繰り返される。
【0057】
[主制御基板の割込み処理について]
図13は、主制御基板100のCPU100Aによって実行される割込み処理の概要を示す図であり、CPU100Aは、主制御基板100に搭載されたクロックパルス発生回路により所定の周期(例えば2ms,4ms)で発生する割込み信号に基づいて以下の割込み処理を実行する。
【0058】
(ステップS100,S200)
まず、CPU100Aは、各種のタイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。次に、S200においてCPU100Aは、特図当否判定用乱数、特図種別決定用乱数、及び普図当否判定用乱数の更新処理を実行する。具体的には、それぞれのカウンタの値を1加算して更新する。また、カウンタの値が一巡した場合には、前述の初期値乱数に基づいてその初期値が更新される。なお、ハードウェアカウンタにより生起される特図当否判定用乱数については、その更新周期が割込み周期よりも高速であるため、前述の初期値乱数更新処理が行われることはない。
【0059】
(ステップS300)
次に、CPU100Aは、第1始動入賞部品60、第2始動入賞部品62、大入賞部品64、一般入賞部品66、及び通過ゲート68とそれぞれ対応する検出スイッチSW1〜SW5からの入力に基づいて、入力制御処理を実行する。
【0060】
(ステップS400,S500)
次に、CPU100Aは、特別図柄遊技処理を実行し、その後普通図柄遊技処理を実行する。特別図柄遊技処理は、概略、前述の特図変動パターン決定テーブルを参照して所定の変動パターンを決定し、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bを制御するとともに、その結果に応じ大入賞部品64の開閉体64Bを開放動作させる処理であり、当該処理経過において演出制御基板200側に送信される変動パターンコマンドを始めとする種々のコマンドが生成され、RAM100Cに設けられたコマンド送信用領域(バッファ)に格納される。なお、上記特別図柄遊技処理の詳細については後述する。
また、普通図柄遊技処理は、概略、前述の普図変動パターン決定テーブルを参照して所定の変動パターンを決定するとともに、普通図柄表示装置37を制御するとともに、その結果に応じ第2始動入賞部品62の開閉体63を開放動作させる処理である。
【0061】
(ステップS600)
次に、CPU100Aは、賞球払出処理を実行する。当該処理により、前述のS300において第1始動入賞部品60、第2始動入賞部品62、大入賞部品64、一般入賞部品66と対応する検出スイッチSW1〜SW4からの入力に基づいて、それぞれの入賞部品と対応する賞球数情報を含む払出コマンドが生成され、RAM100Cに設けられたコマンド送信用領域に格納される。
【0062】
(ステップS700)
次に、CPU100Aは、外部情報データや、開閉体63と対応するソレノイドSOL1の開閉動作データ、及び開閉体64Bと対応するソレノイドSOL2の開閉動作データ、及び各表示装置(35A、35B、36A、36B、37、38)の表示用データを作成するデータ生成処理を実行し、RAM100Cのデータ出力用領域(バッファ)内に格納する。
【0063】
(ステップS800)
次に、CPU100Aは、上記各ステップにおいて生成され、RAM100Cのコマンド送信用領域に格納された各種のコマンドの送信、及びS800においてデータ出力用領域に格納された各種のデータの信号のポート出力を行う出力制御処理を実行し、処理を終了する。
【0064】
以下、上述の各ステップのうち、特に入力制御処理、及び特別図柄遊技処理について詳説する。
図14は、入力制御処理のフローチャートである。
[入力制御処理について]
(ステップS310、S320)
同図に示すように、まず、CPU100Aは、一般入賞口検出スイッチSW4から検出信号が入力したかを判定し、入力した場合、RAMに設けられた一般入賞口賞球カウンタに所定のデータ(賞球数)を加算して更新する。次に、CPU100Aは、大入賞口検出スイッチSW3から検出信号が入力したかを判定し、入力した場合、RAMに設けられた大入賞口賞球カウンタに所定のデータ(賞球数)を加算して更新する。また、大入賞口64Aへの(上限)入球数を計数するための大入賞口入球カウンタを加算して更新する。
【0065】
(ステップS330、S340)
次に、CPU100Aは、第1始動口検出スイッチSW1から検出信号が入力したかを判定し、入力した場合、RAMに設けられた第1始動入賞口賞球カウンタに所定のデータ(賞球数)を加算して更新するとともに、前述した各種の乱数からなる第1特図遊技情報(データ)をRAMの保留記憶領域に格納する。
次に、CPU100Aは、第2始動口検出スイッチSW2から検出信号が入力したかを判定し、入力した場合、RAMに設けられた第2始動入賞口賞球カウンタに所定のデータ(賞球数)を加算して更新するとともに、前述した各種の乱数からなる第2特図遊技情報(データ)をRAMの保留記憶領域に格納する。
【0066】
(ステップS350)
次に、CPU100Aは、ゲート検出スイッチSW5から検出信号が入力したかを判定し、入力した場合、前述した普図当否抽選乱数、及び普図変動パターン決定用乱数からなる普図遊技情報(データ)をRAMの保留記憶領域に格納する。次に、
図15を参照して、S330の第1始動口検出スイッチ入力処理について説明する。
【0067】
[第1始動口検出スイッチ入力処理について]
(ステップS330−1、S330−2)
まず、CPU100Aは、第1始動口検出スイッチSW1からの検出信号が入力したかを判定し、検出信号が入力した場合、S330−2に移行し、入力がない場合、処理を終了する。次に、CPU100Aは、第1始動口検出スイッチSW1から検出信号が入力したことに基づいて、第1始動入賞口賞球カウンタに所定のデータ(賞球数)を加算して更新する。
【0068】
(ステップS330−3)
次に、CPU100Aは、前述したRAMの保留記憶領域に記憶された第1特図遊技情報数(X1)が4未満であるかを判定する。X1<4である場合、S330−4に移行し、X1≧4である場合、処理を終了する。
【0069】
(ステップS330−4,S330−5)
次に、CPU100Aは、S330−3の判定がX1<4であることに基づいて、上述した各乱数カウンタから、特図当否判定用乱数、特図種別決定用乱数、及び第1変動パターン乱数,第2変動パターン乱数を取得し、各乱数を紐付けされたデータ(第1特図遊技情報)としてRAMの保留記憶領域に記憶する。
次に、CPU100Aは、遊技球が第1始動入賞部品60に入球したことを演出制御基板200に伝達するための始動口入球コマンドを生成し、RAM100Cのコマンド送信用領域に格納し、処理を終了する。当該始動口入球コマンドを演出制御基板200が受信すると、
図2に示すように、演出表示部50A上に設けられた保留球数表示K1の数が増大する演出が実行され、遊技者が現在の保留記憶数を把握することが可能となる。
以上、第1始動口検出スイッチ入力処理について説明したが、遊技球が第2始動入賞部品62に入球した場合にも、上記と略同様の処理が実行される。
【0070】
次に、
図16乃至
図21を参照してS400の特別図柄遊技処理について説明する。
図16は、特別図柄遊技処理の概要を示すフローチャートである。
[特別図柄遊技処理について]
(ステップS410)
図16に示すように、まず、CPU100Aは、RAMの記憶領域に設けられた特図変動開始フラグ(例えば00又は01、以下同様)、特図変動停止フラグ、特図停止後フラグ、特別遊技実行フラグ、及び特別遊技終了フラグの状態を読み込み、各フラグの状態に応じて以下に示す特図変動開始処理(S420)、特図変動停止処理(S430)、特図停止後処理(S440)、特別遊技実行処理(S450)、及び特別遊技終了処理を実行する。
【0071】
[特図変動開始処理について]
(ステップS420−1)
図17は、上記特図変動開始処理のフローチャートである。
同図において、まず、CPU100Aは、特図変動開始フラグが特図変動開始処理の実行を示す(01)であるかを判定する。判定の結果が(01)である場合S420−2に移行し、(01)でない場合、特図変動開始処理を終了する。
(ステップS420−2,S420−3)
次にCPU100Aは、RAM100Cの保留記憶領域に第2特図遊技情報が記憶されているかを判定し、第2特図遊技情報が記憶されている場合、S420−3に移行し、記憶されていない場合S420−4に移行する。次にCPU100Aは、保留記憶領域内に記憶されている第2特図遊技情報をシフトする。具体的には、保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている第2特図遊技情報を抽選処理記憶部に移動して1減算するとともに、例えば第2記憶部〜第4記憶部に第2特図遊技情報が記憶されている場合、これらの第2特図遊技情報を第1記憶部〜第3記憶部に移動(シフト)させる。なお、上記処理によって減算対象となり、抽選処理記憶部に移動された第2特図遊技情報は、後述の処理において読み出される。
【0072】
(ステップS420−4,S420−5)
上記S420−2において第2特図遊技情報が記憶されていない場合、CPU100Aは、第1特図遊技情報が記憶されているかを判定し、第1特図遊技情報が記憶されている場合S420−5に移行し、記憶されていない場合S420−11に移行する。
また、CPU100Aは、保留記憶領域内に記憶されている第1特図遊技情報をシフトする。具体的には、保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている第1特図遊技情報を抽選処理記憶部に移動して1減算するとともに、例えば第2記憶部〜第4記憶部に第1特図遊技情報が記憶されている場合、これらの第1特図遊技情報を第1記憶部〜第3記憶部に移動(シフト)させる。なお、上記処理によって減算対象となり、抽選処理記憶部に移動された第1特図遊技情報は、後述の処理において読み出される。
つまり、S420−3、及びS420−5の処理から明らかなとおり、本実施形態に係るパチンコ機1においては、保留記憶領域内に第1特図遊技情報及び第2特図遊技情報の両方が記憶されている場合、第2特図遊技情報が第1特図遊技情報に優先して抽選処理記憶部内に記憶される。
【0073】
(ステップS420−6)
次に、CPU100Aは、上記S420−3又はS420−5の処理によって抽選処理記憶部に第1特図遊技情報又は第2特図遊技情報として記憶された特図判定用乱数、及び特図種別決定用乱数を読み出すとともに、現在の遊技状態に応じて前述した特図当否判定テーブル、及び特図種別決定テーブルを読み出し、各乱数に対応した特図当否抽選の結果(当り又はハズレ)、及び特図種別に関するデータをRAM100Cの所定の記憶領域に記憶する。当該処理を実行するCPU100Aが本発明に係る当否抽選手段に相当する。
【0074】
(ステップS420−7)
次にCPU100Aは、上記S420−3又はS420−5の処理によって抽選処理記憶部に第1特図遊技情報又は第2特図遊技情報として記憶された第1変動パターン乱数、及び第2変動パターン乱数を読み出すとともに、現在の遊技状態に応じて前述した変動パターン決定テーブルを読み出し、各乱数に対応する第1変動パターン、及び第2変動パターンをRAM100Cの所定の記憶領域に記憶する。
【0075】
(ステップS420−8,S420−9)
次にCPU100Aは、前述の第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bによる所定の変動時間にわたる特別図柄の変動表示を開始させるための変動表示データをセットし、特別図柄の変動表示を開始する。なお、上記S420−6,S420−7の処理が第1特図遊技情報に基づいて行われた場合には、第1特別図柄表示装置35Aによる変動表示が開始され、第2特図遊技情報に基づいて行われた場合には、第2特別図柄表示装置35Bによる変動表示が開始される。また、具体的な変動表示の態様としては、第1特別図柄表示装置35A、及び第2特別図柄表示装置35Bをそれぞれ構成する複数のLEDランプが高速で点滅する態様が挙げられる。また、第1特別図柄表示装置35Aによる変動表示開始時には、第1特別図柄保留表示装置36Aを構成する4つのLEDランプのうちの1つが消灯され、第2特別図柄表示装置35Bによる変動表示開始時には、第2特別図柄保留表示装置36Bを構成する4つのLEDランプのうちの1つが消灯される。
また、変動表示データのセットとともに、特別図柄の変動と略同期して変動する後述の演出図柄Sを変動させるための変動パターンコマンドをRAM100Cに設けられたコマンド送信用領域にセットする。
次にCPU100Aは、第1変動パターン及び第2変動パターンの秒数を合算した時間を変動時間カウンタにセットする。当該変動時間カウンタにセットされた時間が特別図柄の変動時間となり、後述の特図変動停止処理において参照される。
【0076】
(ステップS420−10)
次にCPU100Aは、特図変動開始フラグを更新(01→00)するとともに、特図変動停止フラグを更新(00→01)し、以下に説明する特図変動停止処理が実行されるようにして特図変動開始処理を終了する。
【0077】
(ステップS420−11)
一方、上記S420−4の判定により第1特図遊技情報が保留記憶領域に記憶されていないと判定された場合、デモ演出移行処理を実行する。当該デモ演出移行処理は、前回の特別図柄の変動停止後、非変動時間タイマにセットされた所定時間(例えば2分)が経過したことに基づいて、デモ演出移行コマンドをRAM100Cのコマンド送信用領域にセットする処理である。当該デモ演出移行コマンドを受信した演出制御基板200は、後述の演出図柄Sが表示される演出表示部50Aを、客待ち待機状態であるデモ演出に係る画像に切り替える処理を実行する。なお、デモ演出の具体例については後述する。
【0078】
[特図変動停止処理について]
次に、
図18を参照して特図変動停止処理について説明する。
(ステップS430−1)
まずCPU100Aは、上記特図変動停止フラグが特図変動停止処理の実行を示す(01)であるかを判定する。判定の結果が(01)である場合S430−2に移行し、(01)でない場合、特図変動停止処理を終了する。
【0079】
(ステップS430−2)
次にCPU100Aは、前述のS420−9で変動時間カウンタにセットされた時間(変動時間)が経過したかを判定し、経過したと判定した場合にS430−3に移行し、経過していないと判定した場合には、特図変動停止処理を終了する。
【0080】
(ステップS430−3)
次にCPU100Aは、上記S420−6で決定、記憶された特図種別を第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35B上に表示させるための停止表示データをセットする。これにより、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bで変動表示されていた特別図柄は、特図種別に対応した態様で停止表示されることとなる。
【0081】
(ステップS430−4)
次にCPU100Aは、上記処理によって特別図柄が停止表示されたと同時に確定報知時間カウンタに特別図柄が停止表示される時間(例えば2秒)をセットする。当該確定報知時間とは、特別図柄が停止表示してから当該停止表示の態様を維持する時間であり、例えは保留記憶領域に後続の特図遊技情報が記憶されている場合、当該後続の特図遊技情報に基づく特別図柄の変動は、確定報知時間経過後に開始される。
【0082】
(ステップS430−5)
次にCPU100Aは、特図変動停止フラグを更新(01→00)するとともに、特図停止後フラグを更新(00→01)し、以下に説明する特図停止後処理が実行されるようにして特図変動停止処理を終了する。上記S420−7〜S420−10、及びS430−1〜S430−4の処理を実行するCPU100Aが、本発明の図柄変動表示手段に相当する。
【0083】
[特図停止後処理について]
次に、
図19を参照して特図停止後処理について説明する。
(ステップS440−1)
まずCPU100Aは、上記特図停止後フラグが特図停止後処理の実行を示す(01)であるかを判定する。判定の結果が(01)である場合S440−2に移行し、(01)でない場合、特図停止後処理を終了する。
【0084】
(ステップS440−2)
次にCPU100Aは、前述のS430−4で確定報知時間カウンタにセットされた時間(停止時間)が経過したかを判定し、経過したと判定した場合にS440−3に移行し、経過していないと判定した場合には、特図停止後処理を終了する。
【0085】
(ステップS440−3)
次にCPU100Aは、特別図柄の停止表示時間が経過したことに基づいて、遊技状態設定処理を実行する。ここで、遊技状態設定処理とは、遊技状態が「特図高確率」又は「普図高確率」であることに基づいて、RAM100Cの特図高確率変動回数記憶領域、及び普図高確率変動回数記憶領域にセットされた残り変動回数(10000回又は50回)を減算して更新する処理である。
具体的には、CPU100Aは、RAM100Cの記憶領域に設けられ、遊技状態が特図高確率であるかを示す特図高確率フラグがオンであることを条件として、特図高確率変動回数記憶領域にセットされた残り変動回数を1減算して更新する。
同様に、CPU100Aは、RAM100Cの記憶領域に設けられ、遊技状態が普図高確率であるかを示す普図高確率フラグがオンであることを条件として、普図高確率変動回数記憶領域にセットされた残り変動回数を1減算して更新する。このように特別図柄が変動停止するたびに上記変動回数の減算が行われ、残り変動回数が0となった場合、特図高確率フラグ及び普図高確率フラグがOFFの状態とされる。なお、特図高確率フラグ及び普図高確率フラグがOFFである場合には、そのままS440−4に移行する。
【0086】
(ステップS440−4)
次にCPU100Aは、停止表示されている特別図柄が特図当否抽選の結果が当りであることを示す態様(大当り図柄)であるかを判定し、大当り図柄である場合にS440−5に移行し、大当り図柄でない場合にS440−6に移行する。
【0087】
(ステップS440−5)
次にCPU100Aは、前述のS440−4において、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定されたことに基づいて、特図停止後フラグを更新(01→00)するとともに、特別遊技実行フラグを更新(00→01)する。これにより、後述の特別遊技実行処理が開始される。
【0088】
(ステップS440−6)
一方、CPU100Aは、前述のS440−4において停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定されたことに基づいて、特図停止後フラグを更新(01→00)するとともに、特別図柄変動開始フラグを更新(00→01)する。これにより、次の特別図柄の変動表示が開始可能となる。
【0089】
[特別遊技実行処理について]
次に、
図20を参照して特別遊技実行処理について説明する。
(ステップS450−1)
まずCPU100Aは、上記特別遊技実行フラグが特別遊技実行処理の実行を示す(01)であるかを判定する。判定の結果が(01)である場合S450−2に移行し、(01)でない場合、特別遊技実行処理を終了する。
【0090】
(ステップS450−2)
次にCPU100Aは、ソレノイドSOL2を制御して大入賞口64Aの開閉体64Bを動作させる特別遊技実行処理を実行する。具体的には、特図種別に基づいて、前述した開閉体作動テーブルTB1〜TB3のいずれかをROMから読み出し、当該開閉体作動テーブルTB1〜TB3に規定された開閉体64Bの開閉動作の態様に従ってソレノイドSOL2を制御する。
なお、当該特別遊技の初回ラウンド開始前には、特別遊技オープニングコマンドが、その後の各ラウンド前にはラウンド開始コマンドが、最終ラウンド後には特別遊技エンディングコマンドがコマンド送信用領域にそれぞれセットされる。
そして、当該各コマンドを受信した演出制御基板200は、特別遊技の開始時におけるオープニング演出、ラウンド開始時におけるラウンド間演出、及び特別遊技終了時におけるエンディング演出を醸成する画像を演出表示部50A上に表示する。当該処理を実行するCPU100Aが本発明の特別遊技実行手段に相当する。
【0091】
(ステップS450−3,S450−4)
次にCPU100Aは、上記S450−2における特別遊技処理が終了したかを判定し、終了したと判定した場合には、S450−4に移行し、終了していないと判定した場合、特別遊技実行処理を終了する。
次にCPU100Aは、S450−3において特別遊技が終了したと判定されたことに基づいて、特別遊技実行処理フラグを更新(01→00)するとともに、特別遊技終了フラグを更新(00→01)する。これにより、以下の特別遊技終了処理が実行される。
【0092】
[特別遊技終了処理について]
次に、
図21を参照して特別遊技終了処理について説明する。
(ステップS460−1)
まずCPU100Aは、上記特別遊技終了フラグが特別遊技終了処理の実行を示す(01)であるかを判定する。判定の結果が(01)である場合S460−2に移行し、(01)でない場合、特別遊技終了処理を終了する。
【0093】
(ステップS460−2)
次にCPU100Aは、S420−6においてRAM100Cの所定の記憶領域に記憶された特図種別に関するデータ、及び
図8に示す遊技状態設定テーブルを参照し、特図種別に従って特図高確率フラグ、及び普図確率フラグを更新する。
ここで、例えば特図種別が「特別図柄B」又は「特別図柄C」である場合には、特図高確率フラグ、及び普図確率フラグがオンの状態とされるとともに、特図高確率変動回数記憶領域、及び普図高確率変動回数記憶領域に、残り変動回数として10000回又は50回がセットされる。
一方、例えば特図種別が「特別図柄A」である場合には、特図高確率フラグ、及び普図確率フラグがオフの状態とされる。当該処理によって、特別遊技前後の遊技状態が変更(更新)され、特別遊技後の遊技においては変更後の遊技状態による遊技が進行することとなる。当該S460−2の処理を実行するCPU100Aは、遊技状態設定手段として機能する。
【0094】
(ステップS460−3)
次にCPU100Aは、上記変更後の遊技状態に関する情報を含む遊技状態指定コマンドをコマンド送信用領域にセットする。当該遊技状態指定コマンドが演出制御基板200側に送信されると、演出制御基板200側では、RAM200Cの遊技状態記憶フラグを変更後の遊技状態に更新し、以後各遊技状態に応じた演出を実行する。
なお、当該遊技状態に関する情報は、前述の変動パターンコマンドに付加して毎回(毎変動)送信するようにしてもよい。
【0095】
(ステップS460−4)
次にCPU100Aは、特別遊技終了フラグを更新(01→00)するとともに、特図変動開始フラグを更新(00→01)する。これにより、特別遊技終了後、初回の変動表示が開始可能とされる。
【0096】
以上説明したとおり、主制御基板100においては、第1始動入賞部品60又は第2始動入賞部品62への入球に基づいて各種の抽選を実行し、所定の変動パターンに基づいて特別図柄を変動表示させ、上記抽選の結果に対応する態様で特別図柄を停止表示させ、当該停止表示された特別図柄が所定の態様(大当り図柄)である場合に大入賞部品64を動作させる特別遊技を実行する構成である。そして、これら一連の遊技の流れは、後述する演出制御基板200によって各種の演出として表現される。
以下、演出制御基板200の処理によって決定され、演出表示装置50の演出表示部50A上に表示される代表的な演出の内容について説明するとともに、当該演出を実現する演出制御基板200の処理について説明する。
【0097】
[演出図柄について]
図22は、前述の特別図柄の変動表示時間と略同期して変動表示される演出図柄Sの具体例を示す図である。
図2に示すように、演出図柄Sは、演出表示部50Aの表示領域AL;AC;ARにおいて上下に変動表示(スクロール表示)される。また、
図22に示すように、各演出図柄Sは、1〜7までの数字表記と、所定のキャラクターCHA1〜CHC7が組み合わされてなる。
【0098】
また、表示領域AL,AC,ARにおいてそれぞれ変動表示される演出図柄Sは、例えば、前述の特図当否抽選の結果が当りである場合、最終的に(変動表示時間経過後に)全ての領域において同一の演出図柄Sが停止表示されることにより(
図2参照)、遊技者に対して特図当否抽選の結果が当りであることが報知される。一方、特図当否抽選の結果がハズレである場合、最終的に演出図柄Sが上記組み合わせ以外の組み合わせで停止表示されることにより、遊技者に対して特図当否抽選がハズレであることが報知される。なお、詳細については後述するが、演出図柄Sは、その変動表示中において、主制御基板100から送信される前述の変動パターンコマンドに応じて、多様な変動演出を伴って表示される。
【0099】
図22に示すように、本実施形態に係るパチンコ機1においては、1〜7までの数字表記を伴う演出図柄Sの組み合わせが3グループ(G1〜G3)設定されている。例えばグループG1には、1〜7までの数字表記に対応して、それぞれ容姿,風貌が異なる7人の女性のキャラクターCHA1〜CHA7が一体となって演出図柄Sのグループを形成している。また、これらグループG1に属する各キャラクターCHA1〜CHA7は、その演出上の設定として、A店(店舗A)に所属する女性として意味付けされている。
また、同じく、グループG2には、1〜7までの数字表記に対応して、それぞれ容姿,風貌が異なる7人の女性のキャラクターCHB1〜CHB7が一体となって演出図柄Sのグループを形成している。
また、これらグループG2に属する各女性キャラクターCHB1〜CHB7は、その演出上の設定としてB店(店舗B)に所属する女性として意味付けされている。
また、同じくグループG3には、1〜7までの数字表記に対応して、それぞれ容姿,風貌が異なる7人の女性のキャラクターCHC1〜CHC7が一体となって演出図柄Sのグループを形成している。
また、これらグループG3に属する各女性キャラクターCHC1〜CHC7は、その演出上の設定としてC店(店舗C)に所属する女性として意味付けされている。
なお、演出図柄Sを構成する数字表記に係る画像データ、及び各キャラクターに関する画像データは、画像制御基板210のROM内に予め格納されており、数字表記とキャラクターを組み合わせることにより、多様なパターンの演出図柄Sを演出表示部50A上に表示することが可能とされている。
【0100】
そして、上記複数のグループG1〜G3に区分けされた演出図柄Sのうち、いずれのグループに属する演出図柄Sが変動表示の対象として表示されるかは、後述のキャラクター選択演出において遊技者の任意によって、或いは、後述するキャラクター識別情報変更処理によって決定される遊技者選択キャラクターPの種別に応じて決定される。
例えば
図2の例においては、数字表記「2」に対応するキャラクターCHA2が遊技者選択キャラクターPとされていることから、当該キャラクターと同じグループG1に属する各演出図柄Sが変動表示の対象として表示されている。
【0101】
[キャラクター選択演出について]
図23は、後述のデモ演出中、又は、演出図柄Sの変動表示前に遊技者による操作機構9の操作によって遷移するキャラクター選択演出において表示される画像を示す図である。
同図(a)に示すように、キャラクター選択演出において、演出表示部50Aには、上述した計21人のキャラクターのうち、数字表記の1〜5と対応するキャラクターCHA1〜CHA5、CHB1〜CHB5、及びCHC1〜CHC5がそれぞれ所属する店舗ごとに色分けして表示されたキャラクター表示領域R1が設けられている。
店舗Aに所属するキャラクターCHA1〜CHA5は、例えば赤色の表示枠に囲まれ、上段において左右方向に隣接するように表示されている。また、店舗Bに所属するキャラクターCHB1〜CHB5は、例えば青色の表示枠に囲まれ、中段において左右方向に隣接するように表示されている。また、店舗Cに所属するキャラクターCHC1〜CHC5は、例えば黄色の表示枠に囲まれ、下段において左右方向に隣接するように表示されている。
【0102】
また、演出表示部50Aには、上述の色分けされた表示枠と対応して点滅するカーソルCUが表示される(図の一点鎖線)。カーソルCUは、遊技者によるダイアル9Bの回動操作に対応して表示枠上を移動可能であり、演出制御基板200は、ダイアル9Bの所定の回動操作量に応じて、上段に表示されたキャラクターCHA1〜CHA5、中段に表示されたキャラクターCHB1〜CHB5、下段に表示されたキャラクターCHC1〜CHC5の順にカーソルCUを移動表示する。そして、カーソルCUの移動によって色分けされた表示枠が点滅するとともに、他の表示枠よりも僅かに拡大されることにより、カーソルCUの現在位置が把握可能となっている。
【0103】
また、演出表示部50Aには、上記カーソルCUの位置と対応するいずれかのキャラクターをクローズアップして表示するプロフィール紹介領域R2が設けられている。当該プロフィール紹介領域R2には、カーソルCUの位置と対応するキャラクター(同図(a)の例ではキャラクターCHA1)がプロフィール紹介領域R2内に大きく表示されるとともに、当該キャラクターに関するプロフィール項目(例えば名前,年齢,趣味等の)が併せて表示される。そして、同図(a)に示す状態からダイアル9Bが操作され、カーソルCUが例えば隣接するキャラクターCHA2の位置に移動した場合、同図(b)に示す如く、プロフィール紹介領域R2には、キャラクターCHA2が大きく表示されるとともに、当該キャラクターに関するプロフィールが併せて表示される。このように、プロフィール紹介領域R2には、カーソルCUの位置と対応する各キャラクターの容姿,風貌が大きく表示されるとともに、プロフィールが併せて表示される。
【0104】
そして、遊技者は、上記キャラクター選択演出中において、ダイアル9Bを回動操作しながら、プロフィール紹介領域R2においてクローズアップされて表示される各キャラクター(キャラクターCHA1〜CHA5,CHB1〜CHB5,CHC1〜CHC5)の容姿,風貌、或いはプロフィールを参照した上で、好みのキャラクターの位置にカーソルCUを合わせ、プッシュボタン9Aを押下操作することにより、当該遊技者が選択したいずれかのキャラクターが、遊技者選択キャラクターPとして決定される。なお、各グループの数字表記6;7に対応するキャラクターCHA6;7,CHB6;7,CHB6;7については固定キャラクターとして設定されており、当該4人のキャラクターについては、遊技者選択キャラクターPとして決定することはできない。
詳細については後述するが、遊技者選択キャラクターPが決定されると、RAM200Cのキャラクター種別記憶領域に各キャラクターに対応して割り当てられた識別情報(データ)が記憶され、当該識別情報に基づいて、上述の演出図柄Sのグループや背景、及びキャラクターを変更する演出図柄配列,背景変更演出、演出図柄Sの変動表示に伴う変動演出、特別遊技実行中における演出(オープニング演出、ラウンド間演出、エンディング演出)等の態様が決定されるとともに、パチンコ機1の断電までに実行されるキャラクター識別情報バックアップ処理、及び電源投入時におけるキャラクター識別情報変更処理等の各種の処理が実行される。また、
図2に示すように、遊技者選択キャラクターPが決定されると演出表示部50Aの隅に遊技者選択キャラクターPとして決定されたキャラクター(図示の例ではCHA2)が表示される。
【0105】
図24(a)は、ROM200Bに格納され、後述のキャラクター識別情報変更処理において参照されるキャラクター識別情報テーブルの概要図である。同図に示すように、識別情報テーブルには、店舗Aに属するキャラクターCHA1〜CHA5に対して「1」〜「5」までの識別番号が割り当てられ、店舗Bに属するキャラクターCHB1〜CHB5に対して「6」〜「10」までの識別番号が割り当てられ、店舗Cに属するキャラクターCHC1〜CHC5に対して「11」〜「15」までの識別番号が割り当てられている。
つまり、遊技者選択キャラクターPとして選択,決定が可能な複数のキャラクターは、その所属するグループごとに区分けされ、互いに異なる識別番号と対応して規定されている。
そして、キャラクター選択演出中に遊技者選択キャラクターPが決定されると、RAM200Cのキャラクター種別記憶領域に各キャラクターに対応して割り当てられた1つの識別番号が記憶される。
【0106】
[変動演出について]
図25は、演出図柄Sの変動表示中において展開される変動演出の一例(化粧リーチ)の流れを示す図である。詳細については後述するが、変動演出は、変動パターンコマンドの受信と同時に取得される演出パターン決定用乱数(第1演出決定用乱数、第2演出決定用乱数)と、演出パターン決定用テーブル(第1演出決定用テーブル、第2演出決定用テーブル)とを用いたランダムな抽選により決定される。
【0107】
図25(a)に示すように、上記抽選により、変動演出がメイクアップリーチに決定した場合、上下方向に変動表示されている3つの演出図柄Sのうち、表示領域AL;ARにおいて変動表示されていた2つの演出図柄Sが同一の演出図柄S(本例では7)で仮停止し、残る表示領域ACにおける演出図柄Sが変動を継続した状態で演出表示部50Aの隅に表示されるとともに、演出表示部50A下方に「メイクアップリーチ」との表記を含む画像が表示される。そして、演出表示部50Aの中央部には、遊技者選択キャラクターPとしてのキャラクターCHA1が大きく表示され、その周囲には、女性の化粧道具を示す画像が表示される。
【0108】
そして、次段階において
図25(b)に示す如く、キャラクターCHA1が化粧道具を用いてメイクアップする様子が表示される。そしてさらに次段階において
図25(c)に示すメイクアップ失敗表示、又は
図25(d)に示すメイクアップ成功表示のいずれかに分岐する。
【0109】
ここで、メイクアップ失敗表示は、キャラクターCHA1の浮かない顔の表情とともに、「イマイチ」との表示が併せて表示される態様であり、当該表示とともに、演出表示部50Aの隅において変動を継続していた残り1つの演出図柄Sがリーチを形成した2つの演出図柄Sと異なる演出図柄S(本例では6)で停止表示される。また、メイクアップ失敗表示は、前述の特図当否抽選の結果に係る情報が「ハズレ」である場合に表示される。
つまり、化粧リーチにおいて、最終的にメイクアップ失敗表示が表示された場合、前述した特図当否抽選の結果が「ハズレ」であったことが遊技者に報知される。
【0110】
一方、メイクアップ成功表示は、遊技者選択キャラクターPとしてのキャラクターCHA1の晴れやかな表情とともに、「バッチリ」との表示が併せて表示される態様であり、当該表示とともに、演出表示部50Aの隅において変動を継続していた残り1つの演出図柄Sがリーチを形成した2つの演出図柄Sと同一の演出図柄S(本例では7)で停止表示される。また、メイクアップ成功表示は、特図当否抽選の結果に係る情報が「当り」である場合に表示される。
つまり、メイクアップリーチにおいて、最終的にメイクアップ成功表示が表示された場合、前述した特図当否抽選の結果が「当り」であったことが遊技者に報知される。
【0111】
なお、上記メイクアップ失敗表示、メイクアップ成功表示の後にはそれぞれ
図25(d),(e)に示す如く、3つの演出図柄Sがハズレ又は当りを示す態様で一定期間停止表示され、特図当否抽選の結果が「ハズレ」又は「当り」であったことが遊技者に改めて報知される。なお、当該停止表示される期間は、前述の確定報知時間と略同期している。
【0112】
このように、変動演出(リーチ演出)の一例としてのメイクアップリーチにおいては、メイクアップを行うキャラクター(主人公)として、遊技者の任意により、或いは、後述するキャラクター識別情報変更処理によって決定される遊技者選択キャラクターPが登場することから、遊技者は一層の高揚感を持って演出を見守ることが可能となる。
なお、メイクアップを行うキャラクターを毎回遊技者選択キャラクターPとして決定されたキャラクターとすることなく、後述のように、遊技者選択キャラクターPとして決定されたキャラクターが登場する確率を他のキャラクターが登場する確率よりも向上するように設定すれば、より一層遊技の興趣を向上させることができる。
【0113】
図26は、演出図柄Sの変動表示中において展開される変動演出の一例(店内リーチ)の流れを示す図である。
図26(a)〜(c)に示すように、店内リーチでは、まず3つの演出図柄Sのうち、表示領域AL;ARにおいて変動表示されていた2つの演出図柄Sが同一の演出図柄S(本例では7)で仮停止し、残る表示領域ACにおける演出図柄Sが変動を継続した状態で演出表示部50Aの隅に表示されるとともに、演出表示部50Aの下方に「店内リーチ」との表記を含む画像が表示される。
そして、演出表示部50Aの中央部には、店舗の入り口を表す扉が大きく表示され、店舗内に入店する様子が表示される。また、同図(a)〜(c)に示すように、店舗の入り口を表す扉の形状や色彩は、前述のキャラクター選択演出において遊技者の任意により、或いは、後述するキャラクター識別情報変更処理によって決定される遊技者選択キャラクターPが所属する店舗によって異なる。
【0114】
例えば店舗Aに所属するキャラクターCHA1が遊技者選択キャラクターPとして決定されている場合、同図(a)に示す如く店舗Aの入り口を表す扉が大きく表示され、店舗Bに所属するキャラクターCHB1が遊技者選択キャラクターPとして決定されている場合、同図(b)に示す如く店舗Bの入り口を表す扉が大きく表示され、店舗Cに所属するキャラクターCHC1が遊技者選択キャラクターPとして決定されている場合、同図(c)に示す如く店舗Cの入り口を表す扉が大きく表示される。
【0115】
そして、次段階においては、
図26(d)〜(f)に示す如く、各店舗に入店後の様子が表示される。具体的には、キャラクターPとして決定されたキャラクターが接客(飲酒)する様子が表示されるとともに、その背景には、店舗ごとに雰囲気の異なる店内背景が表示される。
【0116】
そして、次段階において
図26(g)〜(l)に示す如く、アフター失敗表示、又はアフター成功表示のいずれかに分岐する。
ここで、
図26(g),(i),(k)に示すアフター失敗表示は、各キャラクターの浮かない顔の表情とともに、「また今度」との表示が併せて表示される態様であり、当該表示とともに、演出表示部50Aの隅において変動を継続していた残り1つの演出図柄Sがリーチを形成した2つの演出図柄Sと異なる演出図柄Sで停止表示される。
また、アフター失敗表示は、前述の特図当否抽選の結果に係る情報が「ハズレ」である場合に表示される。つまり、店内リーチにおいて、最終的にアフター失敗表示が表示された場合、前述した特図当否抽選の結果が「ハズレ」であったことが遊技者に報知される。
【0117】
一方、
図26(h),(j),(l)に示すアフター成功表示は、各キャラクターの晴れやかな表情とともに、「もう一軒いこう」との表示が併せて表示される態様であり、当該表示とともに、演出表示部50Aの隅において変動を継続していた残り1つの演出図柄Sがリーチを形成した2つの演出図柄Sと同一の演出図柄Sで停止表示される。
また、アフター成功表示は、前述の特図当否抽選の結果に係る情報が「当り」である場合に表示される。つまり、店内リーチにおいて、最終的にアフター成功表示が表示された場合、前述した特図当否抽選の結果が「当り」であったことが遊技者に報知される。
【0118】
このように、変動演出の一例としての店内リーチにおいては、入店する店舗として、遊技者選択キャラクターPとして決定されたキャラクターが所属する店舗(扉,店内背景)が表示され、さらに店内において接客するキャラクターについても、遊技者選択キャラクターPとして決定されたキャラクターが登場することから、遊技者は一層の高揚感を持って演出を見守ることが可能となる。
【0119】
上記複数の変動演出の例(化粧リーチ,店内リーチ)に関する説明から明らかなように、変動パターンコマンドの受信に基づいて特定の変動演出が決定された場合、当該決定された変動演出中においては、遊技者選択キャラクターPとして決定されたキャラクターが反映された表示が演出表示部50A上において展開されることとなる。
【0120】
[特別遊技演出について]
図27は、主制御基板100より送信される特別遊技オープニングコマンド、ラウンド開始コマンド、及びエンディングコマンド等、特別遊技中における演出に関するコマンドを受信した場合に遷移する特別遊技演出の流れの一例を示す図である。
【0121】
同図(a)に示すように、特別遊技オープニングコマンドを受信した場合、演出表示部50Aには、遊技者選択キャラクターPとして決定されたキャラクター(本例ではキャラクターCHA1)が大きく表示されるとともに、「大当りおめでとう」の表示が中央部に表示される。また、このときの背景は、遊技者選択キャラクターPとして決定されたキャラクターが所属する店舗(本例では店舗A)が表示される。当該表示が演出表示部50Aに表示されることにより、遊技者はこれから特別遊技が開始されることを認識できる。また、当該表示は例えば初回の1ラウンド間継続して表示される。
【0122】
次に、同図(b)に示すように、ラウンド開始コマンドを受信した場合、演出表示部50Aには、遊技者選択キャラクターPとして決定されたキャラクターが所属する店舗のキャラクター(本例では、本例ではキャラクターCHA2)が大きく表示されるとともに、例えば当該キャラクターに関する詳細なプロフィールが中央部に表示される。以後、同図(c),(d)に示すように、ラウンド開始コマンドを受信する度に、遊技者選択キャラクターPとして決定されたキャラクターと同一店舗に所属するキャラクターが順次差し替えられて表示されるとともに、当該キャラクターに関する詳細なプロフィールが併せて表示される。また、各表示は、1ラウンド間継続して表示される。
【0123】
次に、同図(e)に示すように、特別遊技エンディングコマンドを受信した場合、各ラウンド中において表示されたキャラクターが全員表示されるとともに、「また来てね」との表示が表示される。当該表示がなされることにより、遊技者は特別遊技が終了したことを認識できる。
【0124】
以上のとおり、特別遊技オープニングコマンド、ラウンド開始コマンド、特別遊技オープニングコマンドの受信に基づいて展開される一連の特別遊技演出においても、遊技者選択キャラクターPとして決定されたキャラクターが反映された表示が演出表示部50A上において表示されることとなる。
【0125】
[デモ演出について]
図28は、主制御基板100より送信されるデモ演出移行コマンドを受信した場合に遷移するデモ演出の流れの一例を示す図である。上述のとおり、デモ演出移行コマンドは、前回の特別図柄(=演出図柄S)の変動停止後、非変動時間カウンタにセットされた所定時間が経過したことに基づいて演出制御基板200側に送信されるコマンドであり、当該コマンドを受信した演出制御基板200は、演出図柄Sが停止表示された状態の同図(a)に示す状態から、同図(b)に示すデモ演出に係る表示に切り替える。
【0126】
デモ演出においては、例えば演出表示部50Aの中央部にパチンコ機1のタイトル(機種名)に関する表示や、製造者名等に関する表示が大きく表示される。また、当該デモ演出表示の後、所定の時間が経過すると、同図(c)に示すように、操作機構9の形状を模した所定のボタン表示、及び「ボタンを押してね」とのセリフ表示が重ねて表示され、例えばデモ演出中に着座した遊技者に対して操作機構9を操作すべきことが促される。
また、上記「ボタンを押してね」とのセリフを発するキャラクターとして、遊技者選択キャラクターPとして決定されたキャラクター(図示の例ではキャラクターCHB4)が表示される。つまり、当該一連のデモ演出においても、遊技者選択キャラクターPとして決定されたキャラクターが反映された表示が演出表示部50A上において表示されることとなる。
【0127】
このように、デモ演出は、特別図柄、及び演出図柄Sが一定期間変動していない場合、パチンコ機1のタイトル等の表示することにより、未だ遊技を行っていない周囲の客に対して視覚的なアピールをするとともに、パチンコ機1の正面に着座し、これから遊技を行おうとする遊技者に対して操作機構9の操作を促すものである。
そして、遊技者が上記デモ演出中において操作機構9のプッシュボタン9Aを押下操作した場合、演出表示部50Aの表示がデモ演出から前述のキャラクター選択演出へと切り替わり、操作機構9を引き続き操作することにより、キャラクター選択演出を通じて遊技者が遊技者選択キャラクターPを任意に決定することが可能となる。
【0128】
以上、演出表示部50Aにおいて展開される演出の一例であるキャラクター選択演出、変動演出、特別遊技演出、及びデモ演出について説明したが、これらの演出表示は、演出制御基板200による以下の制御処理によって実現される。以下、演出制御基板200によって実行される処理をフローチャートに従って説明する。
【0129】
[演出制御基板メイン処理について]
(ステップS1000)
図29(a)は、演出制御基板メイン処理を示す図である。同図に示すように、電源基板からの電源供給により、CPU200Aは、ROM200Bから起動プラグラムを読み込むとともに、前回の断電時においてRAM200Cのバックアップアップ領域に記憶された情報の読み込み処理、チェックサム処理等の起動処理を実行し、読み込み処理が正常に行われたことを条件として、S1001に移行する。
ここで、バックアップ領域に記憶される情報としては、例えば、前回の断電時において受信バッファ、又は送信バッファ内に記憶された各種のコマンド、遊技状態記憶フラグ、或いは、キャラクター種別記憶領域に記憶された識別情報等が挙げられる。
なお、電源投入時において図外のRAMクリアスッチが投入されていた場合、又はチェックサム処理の結果が異常であった場合には、RAM200Cに記憶された各種の情報が初期化(消去)される。
【0130】
(ステップS1001)
次にCPU200Aは、キャラクター識別情報変更処理を実行する。詳細については後述するが、当該処理が実行されることにより、断電時点において遊技者選択キャラクターPとして決定されていたキャラクターが、電源投入後において他のキャラクターに変更される。
【0131】
(ステップS1002)
次にCPU200Aは、電源投入経過時間タイマの値をクリア処理するとともに、当該タイマによる電源投入経過時間の計測を開始する。当該電源投入経過時間タイマによって計測される電源投入経過時間は、後述のキャラクター識別情報バックアップ処理において参照される。
【0132】
(ステップS1003)
次に、CPU200Aは、各演出用乱数(第1演出乱数、第2演出乱数)を更新する処理を行うとともに、以後、以下に説明する割込み処理が行われるまで当該ステップS1003の処理を繰り返し行う。また、上記第1演出乱数、及び第2演出乱数は、例えば0〜99までの値を取り得るソフトウェア上の乱数カウンタである。
【0133】
[キャラクター識別情報変更処理について]
(ステップS1001−1,S1001−2)
図29(b)は、前述のキャラクター識別情報変更処理の流れを示すフローチャートである。同図に示すように、まずCPU200Aは、後述するキャラクター識別情報バックアップ処理によってRAM200Cのキャラクター識別情報バックアップ領域に記憶されたキャラクターの識別情報を読み込む。次に、CPU200Aは、上記バックアップ領域に記憶されたキャラクターの識別情報としての識別番号に所定の値(本例では「7」)を加算する。
【0134】
(ステップS1001−3)
次に、CPU200Aは、上記S1001−2の処理で加算した後の識別番号をRAM200Cのキャラクター種別記憶領域に書き込み、処理を終了する。
【0135】
具体的には、
図24(a)において示すように、本例においては各キャラクターに対応する識別情報として1〜15までの識別番号が順に割り当てられている。そして、パチンコ機1の電源投入操作から断電操作までを1日のサイクルとみなした場合、例えば1日目の断電時におけるキャラクター識別情報バックアップ領域に記憶されたキャラクターの識別番号が、「1」である場合、当該識別番号に「7」を加算した識別番号「8」が、2日目の電源投入時にキャラクター種別記憶領域の識別情報として書き込まれる(記憶される)。
また、2日目の断電時におけるキャラクター識別情報バックアップ領域に記憶された識別番号が「8」である場合、当該識別番号に「7」を加算した識別番号「15」が、3日目の電源投入時にキャラクター種別記憶領域の識別情報として書き込まれる。
また、3日目の断電時におけるキャラクター識別情報バックアップ領域に記憶された識別番号が「15」であり、これに「7」を加算した場合、識別番号の最大値「15」を超えるため、識別番号「1」に戻って該当する識別番号「7」が4日目の電源投入時にキャラクター種別記憶領域の識別情報として書き込まれる。
【0136】
以後、上記法則に従って、電源投入の度にキャラクター識別情報バックアップ領域に記憶された識別番号の読み込み、読み込んだ識別情報への加算、キャラクター種別記憶領域に対する加算後の識別番号の書き込み(記憶)処理が実行されることにより、前日(断電直前)にキャラクター種別記憶領域に記憶されていた識別情報と、電源投入後にキャラクター種別記憶領域に記憶される識別情報とを異なる識別情報とすることが可能となり、結果として前日(断電直前)に遊技者選択キャラクターPとして決定されていたキャラクターと、本日(投入直後)に遊技者選択キャラクターPとして決定されるキャラクターとを常に異なるキャラクターに変更することが可能となる。
よって、パチンコ機1の電源投入直後、所謂朝一(アサイチ)の状態で遊技を開始する遊技者が当該遊技の開始前に、あえて前述のキャラクター選択演出を通じた遊技者選択キャラクターPの決定を行わずとも、略毎回異なるキャラクターが遊技者選択キャラクターPとしてパチンコ機1側で決定されることとなるため、遊技者選択キャラクターPの相違に基づく前述の各演出における演出表示の態様を毎回異なる態様とすることが可能となり、例えばパチンコ機1の電源投入直後からの遊技を複数日に渡って繰り返すたびに、演出の目新しさを感じながら遊技を進行することができる。
【0137】
なお、上記加算される値は、各キャラクターが所属するグループ数、及びグループ内のキャラクター数に応じて適宜設定可能であるが、本実施形態においては加算する値を「7」とすることにより、電源投入時において、遊技者選択キャラクターPとして決定されるキャラクター、及び当該キャラクターが所属するグループの双方を、前日のキャラクター及び当該キャラクターが所属するグループと異ならせることが可能となる。
さらに、15日の稼働日数において、キャラクター選択演出を通じた遊技者の任意による遊技者選択キャラクターPの決定が一度も行われなかったことを想定した場合、15人全てのキャラクターを各日の電源投入時において均等に遊技者選択キャラクターPとして設定することが可能となる。そして、上記キャラクター識別情報変更処理を実行するCPU200Aが、本発明の識別情報変更手段に相当する。
【0138】
[演出制御基板割込み処理について]
図30は、演出制御基板200のCPU200Aによって実行される割込み処理の概要を示す図であり、CPU200Aは、演出制御基板200に搭載されたクロックパルス発生回路により所定の周期(例えば2ms,4ms)で発生する割込み信号に基づいて以下の割込み処理を実行する。
【0139】
(ステップS1100,S1200)
まず、CPU200Aは、演出制御基板200で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。次に、CPU200Aは、サブRAM200Cの受信バッファに格納される種々のコマンドを解析するとともに、解析したコマンドに応じた種々の処理を行う。
演出制御基板200においては、主制御基板100から送信された各種のコマンドが受信バッファに格納され、当該受信バッファに格納されたコマンドを解析することにより、
図31以降に示す各種の処理が実行され、画像制御基板210や電飾制御基板220に対して送信される各種の演出制御コマンドが生成される。
【0140】
(ステップS1300)
次に、CPU200Aは、演出の進行状況に応じて、操作機構9の操作受け付けの可否を判定するとともに、プッシュボタン9A又はダイアル9Bからの入力信号の有無を判定する。そして、上記プッシュボタン9A又はダイアル9Bからの入力信号が入力した場合に操作機構9の操作受け付け中である場合においては、当該操作機構9の操作に基づく演出を実行するべく、画像制御基板210に対して送信される演出制御コマンドを生成する。
【0141】
(ステップS1400)
次に、CPU200Aは、上述のS1200,S1300の処理において生成され、RAM200Cの送信バッファに格納(セット)された各種の演出制御コマンドを画像制御基板210や電飾制御基板220へ送信する。
【0142】
(ステップS1500)
次に、CPU200Aは、特定の条件が成立したことに応じて、キャラクター種別記憶領域に記憶された識別情報をRAM200Cに設けられたキャラクター識別情報バックアップ領域に記憶する識別情報バックアップ処理を実行して処理を終了する。
【0143】
[変動演出制御処理について]
以下、
図31を参照して、前述のコマンド解析処理(S1200)において解析したコマンドが変動パターンコマンドである場合に実行される変動演出制御処理について説明する。同図に示すように変動演出制御処理は、発展前変動演出決定処理(S1210)、発展後変動演出決定処理(S1220)、及び保留表示更新処理(S1230)からなる。
【0144】
発展前変動演出決定処理は、変動パターンコマンドに含まれる第1変動パターンの種別に基づいて、後述する複数の第1演出決定テーブルの中から特定の第1演出決定テーブルを参照し、当該特定の第1演出決定テーブルの中から、予め取得された第1演出乱数に対応する演出(予告演出)を決定する処理である。
【0145】
また、発展後変動演出決定処理は、変動パターンコマンドに含まれる第2変動パターンの種別等に基づいて、後述する複数の第2演出決定テーブルの中から特定の第2演出決定テーブルを参照し、当該特定の第2演出決定テーブルの中から、予め取得された第2演出乱数に対応する第2演出(変動演出)を決定する処理である。
【0146】
また、保留表示更新処理は、前述の始動口入球コマンドの受信に基づいて増大して表示された保留球数表示K1の数を減少させるべく、保留記憶表示減少コマンドを生成する処理である。当該保留記憶表示減少コマンドが画像制御基板210に送信されると、演出表示部50Aに表示される保留球数表示K1の数が減少して表示されるため、遊技者は、現在の保留記憶数を把握することが可能となる。
【0147】
図32は、発展前変動演出決定処理の流れを示すフローチャートである。以下、発展前変動演出決定処理の流れについて説明する。
(ステップS1211,S1212)
まず、CPU200Aは、S1003において更新される第1演出乱数を取得する。次に、CPU200Aは、変動パターンコマンドに含まれる第1変動パターンの種別に基づいて、ROM200Bに格納された複数の第1演出決定テーブルの中から1の第1演出決定テーブルを読み込む。
【0148】
図34は、複数の第1演出決定テーブルの一例を示し、同図においては第1変動パターンの種別が「弱予告1」である場合、「強予告1」である場合に参照されるTB1〜TB2を例示している。なお、第1演出決定テーブルは、この他第1変動パターンの種別数に対応した数の複数のテーブルに細分化されている。
同図に示すように、各テーブルTB1〜TB2には、遊技者の選択によって決定された遊技者選択キャラクターPごとに、第1演出乱数の範囲と対応する具体的な予告演出が規定されている。
【0149】
例えば、第1変動パターンに対応して、第1演出決定テーブルTB1が参照され、遊技者選択キャラクターPがCHA1(キャラクター種別記憶領域の識別番号「1」)であり、かつ、第1演出乱数の範囲が0〜49である場合、CHA1が登場する「あおり予告1」が予告演出(予告パターン)として決定される。また、例えば、第1変動パターンに対応して、第1演出決定テーブルTB2が参照され、遊技者選択キャラクターPがCHC5(識別番号「15」)であり、かつ、第1演出乱数の範囲が60〜89である場合、CHC5が登場する「夜景予告」が予告演出として決定される。また、各テーブルにおける乱数の振分(選択率)からも明らかなとおり、上記テーブルにより決定される予告演出は、遊技者選択キャラクターPとして決定されたキャラクターが登場する確率が高く設定されており、遊技者は自己が選択,決定したキャラクターが活躍するのを見ながら遊技を進行することができる。なお、前述のとおり、遊技者選択キャラクターPの識別番号は、キャラクター種別記憶領域に記憶されている。
なお、上記第1演出決定テーブルには、この他、各予告演出に対応する音声出力制御に係る内容や、可動体制御に係る内容、或いは点灯制御に係る内容も規定されており、CPU200Aは、決定された各内容を含む後述の発展前演出実行コマンドを生成し、RAM200Cの送信バッファにセットする。
【0150】
(ステップS1213,1214)
次に、CPU200Aは、S1212において読み出した1の第1演出決定テーブルの中から第1演出乱数に対応する予告演出を決定する第1演出決定処理を行う。
そして、CPU200Aは、当該第1演出決定処理において決定された予告演出内容と対応する発展前演出実行コマンドをRAM200Cの送信バッファにセットし、処理を終了する。また、前述のとおり、セットされた発展前演出実行コマンドは、画像制御基板210、及び電飾制御基板220に送信され、受信したコマンドの内容に基づく演出が実行されることとなる。
【0151】
次に、発展後変動演出決定処理について説明する。
図33は、発展後変動演出決定処理の流れを示すフローチャートである。
(ステップS1221,S1222)
まず、CPU200Aは、S1003において更新される第2演出乱数を取得する。次に、CPU200Aは、変動パターンコマンドに含まれる第2変動パターンの種別に基づいて、ROM200Bに格納された複数の第2演出決定テーブルの中から1の第2演出決定テーブルを読み出す。
【0152】
図35は、複数の第2演出決定テーブルの一例を示し、同図においては第2変動パターンの種別が「スーパーA」である場合、「スーパーB」である場合に参照される演出決定テーブルTB1〜TB2を例示している。なお、第2演出決定テーブルはこの他、第2変動パターンの種別数に対応した数の複数のテーブルに細分化されている。
同図に示すように、各演出決定テーブルTB1〜TB2には、遊技者の選択によって決定された遊技者選択キャラクターPごとに、第2演出乱数の範囲と対応する具体的な変動演出が規定されている。
【0153】
例えば、第2変動パターンに対応して、第2演出決定テーブルTB1が参照され、遊技者選択キャラクターPがCHA2(キャラクター種別記憶領域の識別番号「2」)であり、かつ、第2演出乱数の範囲が15〜64である場合、CHA2が登場する「化粧リーチ」が変動演出(リーチパターン)として決定される。また、例えば、第2変動パターンに対応して、第2演出決定テーブルTB2が参照され、遊技者選択キャラクターPがCHC4(識別番号「14」)であり、かつ、第2演出乱数の範囲が0〜29である場合、CHC4が登場する「店内リーチ」が変動演出として決定される。また、各テーブルにおける乱数の振分(選択率)からも明らかなとおり、上記テーブルにより決定される変動演出は、前述の予告演出と同様に遊技者選択キャラクターPとして決定されたキャラクターが登場する確率が高く設定されており、遊技者は自己が選択,決定したキャラクターが活躍するのを見ながら遊技を進行することができる。なお、上記第2演出決定テーブルには、この他、各予告演出に対応する音声出力制御に係る内容や、可動体制御に係る内容、或いは点灯制御に係る内容も規定されており、CPU200Aは、決定された各内容を含む後述の発展後演出実行コマンドを生成し、RAM200Cの送信バッファにセットする。
【0154】
(ステップS1223,1224)
次に、CPU200Aは、S1222において読み出した1の第2演出決定テーブルの中から第2演出乱数に対応する変動演出を決定する第2演出決定処理を行う。そして、CPU200Aは、当該第2演出決定処理において決定された変動演出と対応する発展後演出実行コマンドをRAM200Cの所定領域にセットし、処理を終了する。また、当該セットされた発展後演出実行コマンドは、画像制御基板210、及び電飾制御基板220に送信され、受信したコマンドの内容に基づく演出が実行されることとなる。
【0155】
[デモ演出制御処理について]
以下、
図36を参照して、前述のコマンド解析処理(S1200)において解析したコマンドがデモ演出移行コマンドである実行されるデモ演出制御処理について説明する。
図36は、デモ演出制御処理の流れを示すフローチャートである。
(ステップS1250)
まず、CPU200Aは、演出図柄Sが変動を開始したか、換言すれば変動パターンコマンドを受信したかを判定し、受信しない場合には、S1251に移行し、受信した場合には処理を終了する。つまり、演出図柄Sの変動が開始される場合、デモ演出は中断される。
【0156】
(ステップS1251)
次に、CPU200Aは、デモ演出移行コマンドを受信したことに応じて前述のパチンコ機1のタイトル(機種名)に関する表示や、製造者名等に関する表示、或いは操作機構9を模した所定のボタン表示を演出表示部50Aに表示すべく、デモ演出実行コマンドをセットする。当該デモ演出実行コマンドが画像制御基板210側に送信されることにより、演出表示部50Aに前述のデモ演出が展開されることとなる。
【0157】
[キャラクター選択演出制御処理について]
以下、
図37を参照して、S1300の操作機構入力処理において、操作機構9からの入力があった場合に実行されるキャラクター選択演出制御処理について説明する。
図37は、キャラクター選択演出制御処理の流れを示すフローチャートである。
(ステップS1260,S1261)
まず、CPU200Aは、操作機構9のプッシュボタン9Aが遊技者によって押下操作されたか、換言すればプッシュボタン9Aからの信号の入力の有無を判定し、入力があった場合、S1261に移行し、入力がない場合、処理を終了する。
次に、CPU200Aは、演出表示部50Aに前述のデモ演出が表示されているかを判定し、表示されている場合S1263に移行し、表示されていない場合、S1262に移行する。
【0158】
(ステップS1262)
CPU200Aは、S1261において、デモ演出が表示されていないと判定されたことに応じて、演出図柄Sが変動表示中であるいか、或いは、特別遊技演出中であるかを判定し、演出図柄Sが変動表示中でなく、かつ、特別遊技演出中でない場合S1263に移行し、演出図柄Sが変動表示中、或いは、特別遊技演出中である場合、処理を終了する。
【0159】
(ステップS1263)
次に、CPU200Aは、
図23で示した画像表示がなされるように、キャラクター選択表示実行コマンドをセットして処理を終了する。
【0160】
上記S1263の処理が実行されることにより、
図23に示す如く、演出表示部50Aのキャラクター表示領域R1にキャラクターCHA1〜CHA5、CHB1〜CAB5、及びCHC1〜CHC5がそれぞれ所属する店舗ごとに色分けして表示され、プロフィール紹介領域R2には、ダイアル9Bの操作によって移動可能なカーソルCUの位置と対応するいずれかのキャラクターがクローズアップして表示されるとともに、当該キャラクターに関するプロフィール項目が併せて表示される。そして、上記キャラクター演出制御処理を実行するCPU200Aが本発明のキャラクター選択演出実行手段に相当する。
【0161】
[キャラクター決定処理について]
以下、
図38を参照し、前述のキャラクター選択演出が画像表示部50Aに表示されている状態において、操作機構9の操作が行われた場合のキャラクター決定処理について説明する。
図38は、キャラクター決定処理の流れを示すフローチャートである。
(ステップS1280)
まず、CPU200Aは、演出図柄Sが変動を開始したか、換言すれば変動パターンコマンドを受信したかを判定し、受信しない場合には、S1281に移行し、受信した場合には処理を終了する。つまり、演出図柄Sの変動が開始される場合、キャラクター選択演出が中断され、操作機構9の操作により遊技者選択キャラクターPを決定することはできない。
【0162】
(ステップS1281,S1282)
次に、CPU200Aは、ダイアル9Bが回動操作されたか、換言すればダイアル9Bからの信号の入力有無を判定し、信号が入力した場合、S1282に移行し、信号の入力がない場合、S1283に移行する。次に、CPU200Aは、上記ダイアル9Bからの信号の入力に従ってカーソル移動コマンドを逐次、画像制御基板210側に送信し、上述のカーソルCUを移動表示させる。
【0163】
(ステップS1283)
次に、CPU200Aは、キャラクター選択演出が開始してから所定時間が経過したか、或いはプッシュボタン9Aが押下操作されたか、換言すればプッシュボタン9Aからの信号の入力有無を判定し、所定時間を経過した場合、或いは信号が入力した場合、S1284に移行し、所定時間が経過していない場合、又は信号の入力がない場合、S1280に移行する。
【0164】
(ステップS1284)
次に、CPU200Aは、上記所定時間が経過した時点でのカーソルCUの位置と対応する特定のキャラクター、又は、遊技者によるプッシュボタン9Aの押下操作により決定された特定のキャラクターに割り当てられた識別情報(識別番号)をRAM200Cに設けられたキャラクター種別記憶領域に記憶する。
なお、所定時間が経過した時点でのカーソルCUの位置と対応する特定のキャラクターの識別情報をキャラクター種別記憶領域に記憶するのは、一定期間の間、遊技者による操作がない場合を考慮したものである。
以後、当該キャラクター種別記憶領域に記憶された識別情報に対応する特定のキャラクターが遊技者選択キャラクターPとして設定される。
なお、遊技者によっては、あえて特定のキャラクターを遊技者選択キャラクターPとして決定せずに遊技を進行することもあり得るが、例えば当該遊技の開始が電源投入直後である場合、キャラクター種別記憶領域には、電源投入後の初期の識別情報(初期識別情報)として、前述のキャラクター識別情報変更処理によって記憶された識別情報が設定されている。つまり、遊技者選択キャラクターPは、遊技者の任意に決定することが可能であるとともに、遊技者による任意の決定が行われない場合であっても、キャラクター識別情報変更処理によって予め決定されている。以上、S1280〜S1284に係るキャラクター決定処理を実行するCPU200Aが本発明のキャラクター決定手段に相当する。
【0165】
(ステップS1285)
次に、CPU200Aは、上記S1280〜S1284が設定されたことに基づいて演出図柄配列,背景設定処理を実行して処理を終了する。
【0166】
[演出図柄配列,背景変更処理について]
以下、
図39〜
図41を参照して、演出図柄配列,背景変更処理について説明する。
図39は、演出図柄配列,背景変更処理の流れを示すフローチャートである。まず、演出図柄配列,背景変更処理によって実現される演出図柄配列,背景変更演出の概要について説明する。
【0167】
図22を用いて前述したとおり、本実施形態においては、1〜7まで数字表記を伴う演出図柄Sが3つのグループ(G1〜G3)に分かれて画像制御基板210のROM内に格納されている。そして、いずれのグループが演出図柄Sとして演出表示部50Aに表示されるかは、キャラクター種別記憶領域に記憶された識別情報に応じて、換言すれば遊技者選択キャラクターPがいずれのキャラクターであるかに応じて決定される。
【0168】
例えば、キャラクター種別記憶領域に記憶された識別情報が、「3」である場合、
図40(a),
図41(a)に示すように、当該識別情報「3」と対応するキャラクターCHA3が所属するグループG1の各キャラクターCHA1〜CHA7が1〜7までの数字表記と一体となって演出図柄Sを構成するとともに、その背景画像がグループ1に特有の背景画像(図示の例では「太陽を含む背景画像」)とされる。
【0169】
また、例えばキャラクター種別記憶領域に記憶された識別情報が「5」に更新された場合、
図40(b),
図41(b)に示すように、キャラクターCHA5が所属するグループG1内において、
図22,
図40(a)の配列を基準として識別情報「3」と対応するキャラクターCHA3の位置(数字表示3の位置)と、識別情報「5」と対応するキャラクターCHA5の位置(数字表記5の位置)とが入れ替わるように演出図柄Sが構成される。
【0170】
また、例えばキャラクター種別記憶領域に記憶された識別情報が「1」に更新された場合、
図40(c),
図41cに示すように、キャラクターCHA1が所属するグループG1内において、
図22,
図40(a)の配列を基準として識別情報「3」と対応するキャラクターCHA3の位置(数字表記3の位置)と、識別情報「1」と対応するキャラクターCHA1の位置(数字表記1の位置)とが入れ替わるように演出図柄Sが構成される。
つまり、キャラクター種別記憶領域の識別情報が更新された場合、当該更新後の識別情報と対応するキャラクターの位置が必ずキャラクターCHA3の位置(数字表記3の位置)となるように入れ替わる。
【0171】
また、例えばキャラクター種別記憶領域に記憶された識別情報が「15」に更新された場合、
図40(d),
図41(d)に示すように、キャラクターCHA15が所属するグループG3内において、
図22の配列を基準として識別情報「13」と対応するキャラクターCHC3の位置(数字表記5の位置)と、識別情報「15」と対応するキャラクターCHC5の位置(数字表記5の位置)とが入れ替わるように演出図柄Sが構成される。またこのとき、その背景画像は、グループ3に特有の背景画像(図示の例では「星を含む背景画像」)とされる。なお、図示は省略するが、グループ2内において配列の変更が生じる場合には、上記同様にグループ2に特有の背景画像(例えば、雲を含む背景画像)が変更後の演出図柄Sと共に表示される。
このように、演出図柄配列,背景変更演出によれば、遊技者選択キャラクターPが新たに決定される度に、数字表記に対応するキャラクターの配列に変化が生じ、遊技者選択キャラクターPとしてのキャラクターの属するグループが変わるたびに背景表示に変化が生じるため、例えば1人の遊技者が前日の断電直前まで遊技を行っており、次の日のパチンコ機1の電源投入直後からの遊技を行う場合を想定した場合、前日に演出表示部50Aに表示されていた演出図柄S、及び背景表示の態様が、遊技開始直後に様変わりしていることから、演出の目新しさを感じながら遊技を進行することができる。
【0172】
以下、
図39を参照して、上記演出図柄配列,背景変更演出を実現する演出図柄配列,背景変更処理について説明する。
(ステップS1285−1,S1285−2)
まず、CPU200Aは、キャラクター種別記憶領域に記憶された識別情報を読み出す。
次に、CPU200Aは、読み出した識別情報に応じた演出図柄S、及び背景表示が構成されるように、画像制御基板210に演出図柄配列,背景変更コマンドをセットして処理を終了する。
当該演出図柄配列変更コマンドを受信した画像制御基板210側では、CPUが演出図柄配列変更コマンドを解析し、ROMに格納された数字表記に係る画像データ、及び各キャラクターに関する画像データを識別情報に従って組み合わせることにより、識別情報に対応するキャラクターが属するグループの演出図柄Sを再構成し、演出表示部50Aに表示する。また、ROMに格納され、グループごとに異なる態様とされた背景画像データを読み込み、グループに特有の背景画像を演出表示部50Aに表示する。
これにより、遊技者選択キャラクターPの変更に伴う演出図柄S、及び背景表示の態様を変更することが可能となる。つまり、上記演出図柄配列,背景変更処理を実行するCPU200Aは、演出図柄配列,背景変更手段として機能する。
【0173】
[キャラクター識別情報バックアップ処理について]
次に、
図30のS1500において実行されるキャラクター識別情報バックアップ処理を説明する。
図42は、キャラクター識別情報バックアップ処理の流れを示すフローチャートである。
【0174】
(ステップS1500−1)
まず、CPU200Aは、前述のS1002においてセットされた電源投入経過時間タイマによって計測された電源投入経過時間が、予め設定された所定時間を経過しているかを判定し、経過している場合S1285−2に移行し、経過していない場合、処理を終了する。なお、本例において、予め設定された所定の時間は、例えば10時間に設定されており、パチンコ機1への電源投入から10時間が経過している場合にS1500−2に移行し、経過していない場合、処理を終了する。
【0175】
(ステップS1500−2,S1500−3)
次に、CPU200Aは、RAM200Cのキャラクター種別記憶領域に記憶されているキャラクターの識別情報を読み込む。次に、CPU200Aは、S1500−2においてキャラクター種別記憶領域から読み込んだキャラクターの識別情報をRAM200Cのキャラクター識別情報バックアップ領域に書き込み、処理を終了する。具体的には、キャラクター種別記憶領域から読み込んだキャラクターの識別番号と同一の識別番号をキャラクター識別情報バックアップ領域に書き込む。
【0176】
上記処理が実行されることにより、電源投入から10時間経過後にS1280〜S1284に係るキャラクター決定処理によってキャラクター種別記憶領域にキャラクターの識別情報としての識別番号が新たに記憶された場合、当該新たに記憶された識別番号がキャラクター識別情報バックアップ領域にも同時に記憶され、当該処理が断電に至るまで逐次繰り返されることにより、キャラクター種別情報記憶領域に記憶された最新の識別情報が、常にキャラクター識別情報バックアップ領域にも記憶されることとなる。
【0177】
そして、前述のとおり、当該キャラクター識別情報バックアップ処理によってキャラクター識別情報バックアップ領域に記憶された識別番号は、電源投入時に実行される前述のキャラクター識別情報変更処理において読み出され、当該読み出された識別番号と異なる識別番号が、キャラクター種別記憶領域に改めて記憶されることにより、断電に至る直前のキャラクターとは異なるキャラクターが電源投入直後、初期の遊技者選択キャラクターPとして設定されることとなる。なお、電源投入経過時間タイマによって計測された電源投入経過時間が、予め設定された所定時間を経過している場合に、S1500−2,S1500−3の処理を行うものとしたのは、常時処理を実行する場合と比べて演出制御基板200に掛かる処理負荷を軽減するためであるが、電源投入後、断電に至るまで上記処理を常時実行してもよい。また、予め設定された所定時間を経過後、所定時間(例えば10分)が経過するごとに、識別情報をバックアップするものとしてもよい。いずれにしろ、電断直前にキャラクター種別記憶領域に記憶された識別情報がキャラクター識別情報バックアップ領域にバックアップ情報として記憶される。
そして、当該キャラクター識別情報バックアップ処理を実行するCPU200Aが、本発明の識別情報バックアップ手段に相当する。
【0178】
以上説明したとおり、本実施形態に係るパチンコ機1においては、断電前の所定時間経過後から断電に至るまでの間に、キャラクター種別記憶領域に記憶されるキャラクターの識別情報を逐次、キャラクター識別情報バックアップ領域に記憶するキャラクター識別情報バックアップ処理を実行するとともに、電源投入時のキャラクター識別情報変更処理において、前記キャラクター識別情報バックアップ領域に記憶された識別情報に基づいて、当該識別情報とは異なる新たな識別情報をキャラクター種別記憶領域に記憶することにより、断電時において遊技者選択キャラクターPとして設定されていたキャラクターとは異なるキャラクターを電源投入後の初期の遊技者選択キャラクターPとして設定することが可能となる。
即ち、本実施形態に係るパチンコ機1によれば、電源投入の度に遊技者選択キャラクターPとして設定されるキャラクターが異なることから、遊技者が遊技開始前に、キャラクター選択演出を経由した操作機構9の操作による遊技者選択キャラクターPの決定を行わない場合であっても、上記遊技者選択キャラクターPとして設定されるキャラクターの相違によってその態様が変化する前述の変動演出、特別遊技演出、或いは演出図柄の配列、或いは背景表示等を略毎回異なる態様で見せることが可能となるとともに、キャラクターの相違によってその演出表示の態様が変化するという遊技性を十分に発揮することが可能となる。
【0179】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に何ら限定されることはなく、実施形態を組み合わせて多様な変更、改良を行い得ることが当業者において明らかである。また、そのような多様な変更、改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが特許請求の範囲の記載から明らかである。