(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1において、前記電圧出力回路は、正極側出力トランジスタと、負極側出力トランジスタと、第1増幅回路とを備え、前記正極側出力トランジスタは正極側電源と前記駆動端子の間に接続され、前記負極側出力トランジスタは負極側電源と前記駆動端子の間に接続され、前記第1増幅回路は、前記階調電圧が入力され、前記正極側出力トランジスタの制御電極を制御する正極側制御信号と、前記負極側出力トランジスタの制御電極を制御する負極側制御信号とを出力し、
前記スルーレートアシスト回路は、前記正極側制御信号と前記負極側制御信号の遷移を加速可能に構成される、表示駆動装置。
請求項2において、前記スルーレートアシスト回路は、正極側クロックと負極側クロックが入力され、前記正極側クロックに基づいて前記正極側制御信号の遷移を加速するか否かを制御し、前記負極側クロックに基づいて前記負極側制御信号の遷移を加速するか否かを制御する、表示駆動装置。
請求項4において、前記正極側クロックのパルス幅を指定可能な第1レジスタと、前記第1レジスタに格納されるパラメータに基づいて前記正極側クロックのパルス幅を調整する、第1パルス幅調整回路と、前記負極側クロックのパルス幅を指定可能な第2レジスタと、前記第2レジスタに格納されるパラメータに基づいて前記負極側クロックのパルス幅を調整する、第2パルス幅調整回路とをさらに備える、表示駆動装置。
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項において、前記信号電極駆動回路は、前記複数のソースアンプと、前記複数のソースアンプに接続され前記複数のソースアンプのそれぞれに、複数の電位レベルからなる複数の階調電圧を供給する、複数の階調電圧選択回路と、前記複数の階調電圧選択回路に接続され前記複数の階調電圧選択回路のそれぞれに表示データのディジタル値をレベル変換して供給する複数のレベルシフタとを含んで構成され、
前記複数の階調電圧選択回路には複数の階調電圧が供給され、前記階調電圧選択回路は、それぞれに供給される前記表示データのディジタル値に基づいて、供給される複数の階調電圧の中から1つの電位レベルを選択して、接続されるソースアンプに供給する、表示駆動装置。
請求項6において、前記複数のソースアンプと前記複数の階調電圧選択回路と前記複数のレベルシフタは、前記複数の駆動端子が配置されるピッチと同一ピッチで、同一半導体基板上に形成される、表示駆動装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0016】
〔1〕<スルーレートアシストを遅れて開始>
本発明の代表的な実施の形態に係る表示駆動装置(1)は、表示パネルの信号電極に接続される複数の駆動端子(3、3_1〜3_m)と、信号電極駆動回路(2)とを有し、以下のように構成される。
【0017】
前記信号電極駆動回路は、前記複数の駆動端子のそれぞれに接続される、表示データに対応した階調電圧が入力され前記階調電圧に対応する駆動電圧を前記駆動端子に出力する、複数のソースアンプ(5、5_1〜5_m)を含んで構成される。
【0018】
前記ソースアンプは、入力された階調電圧に対応する駆動電圧を出力する電圧出力回路(6)と、前記電圧出力回路による出力電圧の遷移を加速するスルーレートアシスト回路(7)とを備え、前記スルーレートアシスト回路は前記階調電圧の遷移開始から所定期間待って前記加速を開始する。
【0019】
これにより、大規模な論理回路を使用せずに、それぞれの駆動電圧の遷移時におけるノイズ波高値を抑えるソースアンプ(5、5_1〜5_m)を有する表示駆動装置(1)を提供することができる。
【0020】
〔2〕<正極側と負極側の駆動トランジスタ>
項1において、前記電圧出力回路は、正極側出力トランジスタ(11)と、負極側出力トランジスタ(12)と、第1増幅回路(10)とを備える。前記正極側出力トランジスタは、正極側電源(VH)と前記駆動端子(VOUT)の間に接続され、前記負極側出力トランジスタは負極側電源(VL)と前記駆動端子(VOUT)の間に接続される。前記第1増幅回路は、前記階調電圧が入力され、前記正極側出力トランジスタの制御電極を制御する正極側制御信号(VCP)と、前記負極側出力トランジスタの制御電極を制御する負極側制御信号(VCN)とを出力する。
【0021】
前記スルーレートアシスト回路は、前記正極側制御信号と前記負極側制御信号の遷移を加速可能に構成される。
【0022】
これにより、駆動電圧の遷移時におけるノイズ波高値を抑えるソースアンプ(5)を簡単なアナログ回路で実現することができる。
【0023】
〔3〕<スルーレートアシスト回路のオン/オフ制御>
項2において、前記スルーレートアシスト回路は、正極側クロック(CLK)と負極側クロック(CLKB)が入力され、前記正極側クロックに基づいて前記正極側制御信号の遷移を加速するか否かを制御し、前記負極側クロックに基づいて前記負極側制御信号の遷移を加速するか否かを制御する。
【0024】
これにより、スルーレートアシスト回路(7)のオン/オフを、簡単な回路で制御することができる。
【0025】
〔4〕<クロックのパルス幅により、加速開始までの期間を制御>
項3において、前記スルーレートアシスト回路は、前記階調電圧の遷移開始から、前記正極側クロックのパルス幅の期間後に前記正極側制御信号の遷移の加速を開始し、前記負極側クロックのパルス幅の期間後に前記負極側制御信号の遷移の加速を開始する。
【0026】
これにより、スルーレートアシスト回路(7)のオン/オフを、正極側と負極側で独立に制御することができ、正極側と負極側の特性が対称になるように調整することを可能にする。
【0027】
〔5〕<クロックのパルス幅調整回路>
項4において、前記表示駆動装置(1)は、前記正極側クロックのパルス幅を指定可能な第1レジスタ(16)と、前記第1レジスタに格納されるパラメータに基づいて前記正極側クロックのパルス幅を調整する、第1パルス幅調整回路(18)と、前記負極側クロックのパルス幅を指定可能な第2レジスタ(17)と、前記第2レジスタに格納されるパラメータに基づいて前記負極側クロックのパルス幅を調整する、第2パルス幅調整回路(19)とをさらに備える。
【0028】
これにより、スルーレートアシスト回路(7)が遷移の加速を開始するまでの期間を、正極側と負極側で独立且つ簡単に設定することができ、正極側と負極側の特性が対称になるように調整することを可能にする。
【0029】
〔6〕<信号電極駆動回路の構成>
項1から項5のうちのいずれか1項において、前記信号電極駆動回路は、前記複数のソースアンプと、前記複数のソースアンプに接続され前記複数のソースアンプのそれぞれに、複数の電位レベルからなる複数の階調電圧を供給する、複数の階調電圧選択回路(8_1〜8_m)と、前記複数の階調電圧選択回路に接続され前記複数の階調電圧選択回路のそれぞれに表示データのディジタル値をレベル変換して供給する複数のレベルシフタ(9_1〜9_m)とを含んで構成される。
【0030】
前記複数の階調電圧選択回路には複数の階調電圧が供給され、前記階調電圧選択回路は、それぞれに供給される前記表示データのディジタル値に基づいて、供給される複数の階調電圧の中から1つの電位レベルを選択して、接続されるソースアンプに供給する。
【0031】
これにより、駆動すべき信号電極に接続される複数の駆動端子(3_1〜3_m)ごとに、ソースアンプ(5_1〜5_m)と階調電圧選択回路(8_1〜8_m)とレベルシフタ(9_1〜9_m)をそれぞれ備えた、信号電極駆動回路(2)を構成することができる。
【0032】
〔7〕<信号電極駆動回路の実装>
項6において、前記複数のソースアンプと前記複数の階調電圧選択回路と前記複数のレベルシフタは、前記複数の駆動端子が配置されるピッチと同一のピッチで、同一半導体基板上に形成される、表示駆動装置。
【0033】
これにより、ソースアンプと階調電圧選択回路とレベルシフタの出力部分が配置される高耐圧領域と、レベルシフタの入力部分とレベルシフタへ表示データを入力するラインラッチ回路などのディジタル回路が形成される、低耐圧領域とが入り交ることなく、効率的にレイアウトされる。
【0034】
〔8〕<スルーレート調整機能を有するソースアンプ>
本発明の代表的な実施の形態に係る表示駆動装置(1)は、表示パネルの信号電極に接続される複数の駆動端子(3、3_1〜3_m)と信号電極駆動回路(2)とを有し、以下のように構成される。
【0035】
前記信号電極駆動回路は、前記複数の駆動端子のそれぞれに接続され、表示データに対応した階調電圧が入力され前記階調電圧に対応する駆動電圧を前記駆動端子に出力する、複数のソースアンプ(5、5_1〜5_m)を含む。
【0036】
前記ソースアンプは、前記駆動電圧の出力開始(t1、t4)からの第1期間(t1〜t2、t5〜t6)における、前記駆動端子に対する電流駆動能力を、前記第1期間よりも後で前記駆動電圧が前記階調電圧に対応する駆動電圧に達する前までの第2期間(t2〜t4、t6〜t8)における、前記駆動端子に対する電流駆動能力よりも低く制御される。
【0037】
これにより、大規模な論理回路を使用せずに、それぞれの駆動電圧の遷移時におけるノイズ波高値を抑えるソースアンプ(5、5_1〜5_m)を有する表示駆動装置(1)を提供することができる。駆動電圧の出力開始直後の第1期間には、ソースアンプ(5)の電流駆動能力を低く抑えることによって、表示パネルの信号電極(3、3_1〜3_m)に流れ込む突入電流の波高値を抑え、その後の第2期間にソースアンプ(5)の電流駆動能力を高くすることによって、表示パネルの信号電極が所定の期間内に表示データに対応する階調の駆動電圧に達するように、スルーレートを大きくする方向に制御する。ノイズ波高値は、ソースアンプの駆動電流によって決まるので、駆動電流の大きさを平均化して波高値を低く抑えることにより、ノイズ波高値を低く抑えることができる。
【0038】
〔9〕<スルーレートアシスト回路>
項8において、前記ソースアンプは、入力された階調電圧に対応する駆動電圧(VOUT)を出力する電圧出力回路(6)と、前記電圧出力回路による出力電圧の遷移を加速するスルーレートアシスト回路(7)とを備え、前記第1期間は前記スルーレートアシスト回路を停止させ、前記第2期間に前記スルーレートアシスト回路を動作させる。
【0039】
これにより、大規模な論理回路を使用せずに、それぞれの駆動電圧の遷移時におけるノイズ波高値を抑えるソースアンプ(5)を有する表示駆動装置(1)を提供することができる。
【0040】
〔10〕<正極側と負極側のスルーレートアシスト停止期間>
項9において、前記表示駆動装置は、前記出力電圧の遷移が立上りであるときに前記スルーレートアシスト回路を停止させる前記第1期間の長さを規定する第1レジスタ(16)と、前記出力電圧の遷移が立下がりであるときに前記スルーレートアシスト回路を停止させる前記第1期間の長さを規定する第2レジスタ(17)とをさらに備える。
【0041】
これにより、スルーレートアシスト回路の停止期間を、正極側と負極側で独立に制御することができ、前記信号電極駆動回路の正極側と負極側の特性が対称になるように調整することを可能にする。
【0042】
2.実施の形態の詳細
本発明の実施の形態について更に詳述する。
【0043】
図2は、本発明の一実施の形態に係る表示駆動装置1の構成例を示すブロック図である。
【0044】
表示駆動装置1は、走査電極駆動端子4と駆動端子3とシステムバス端子27と電源端子31を備え、走査電極駆動端子4と駆動端子3により、例えば液晶表示パネル(不図示)に接続され、システムバス端子27により、例えばホストプロセッサ(不図示)のシステムバスSBUSに接続される。表示駆動装置1は、ホストプロセッサから入力される表示データに基づいて、走査電極駆動端子4から出力される走査パルスによって指定される液晶画素に、駆動端子3から出力される駆動電圧を印加する。
【0045】
表示駆動装置1に接続される液晶表示パネルは、特に制限されるものでないが、多数の表示画素がマトリックス状に配列されたドットマトリックス方式のパネルである。液晶表示パネルは走査電極(ゲート線)と信号電極(ソース線)がマトリクス状に配置され、その交差部分には、TFT(Thin Film Transistor)スイッチが形成される。TFTスイッチのゲートには走査電極が接続され、ドレインには信号電極が接続される。TFTスイッチのソース側にはサブピクセルとなる液晶容量の液晶画素電極が接続され、その液晶容量の反対側の電極は共通電極になっている。信号電極S1〜Smには表示駆動装置1の駆動端子3から出力される駆動電圧が供給される。ゲート電極G1〜Gnは例えばその配列順に表示駆動装置1の走査電極駆動端子4から走査パルスが印加されて駆動される。
【0046】
液晶表示パネルには、さらに入力装置としてのタッチパネルが積層されていてもよい。タッチパネルは、例えば、マルチタッチ検出を可能にする相互容量方式のタッチパネルであって、複数のタッチ駆動電極と複数のタッチ検出電極によって形成された複数の交差部を備える。タッチパネルに接続される、タッチパネルコントローラはタッチ駆動電極に順次駆動パルスを供給し、これによってタッチ検出電極から順次得られる信号に基づいて各交差部における容量結合状態の変動に応ずる検出データを得る。
【0047】
表示駆動装置1は、システムバス端子27により、例えば図示されないホストプロセッサのシステムバスSBUSに接続される。特に制限されるものでないが、ホストプロセッサは表示データを生成し、表示駆動装置1はホストプロセッサから受け取った表示データを液晶表示パネルに表示するための表示制御を行う。タッチパネルが積層されている場合は、ホストプロセッサは、接触イベントが発生したときの位置座標のデータを取得し、位置座標データと表示駆動装置1に与えて表示させた表示画像との関係から、タッチパネルの操作による入力を解析する。
【0048】
特に制限されないが、表示駆動装置1は、例えば、公知のCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor field effect transistor)半導体集積回路の製造技術を用いて、シリコンなどの単一半導体基板上に形成される。
【0049】
表示駆動装置1は、システムインタフェース28、フレームバッファメモリ29、ラインラッチ回路30、信号電極駆動回路2、液晶駆動レベル発生回路32、クロック発生回路23、コマンドレジスタ24、シーケンサ25、アドレスカウンタ26、タイミング発生回路20、階調電圧発生回路34、及び、走査電極駆動回路33を含んで構成される。システムインタフェース28は、システムバス端子27を介して例えばホストプロセッサから入力される、コマンドや表示データを受信する。受信したコマンドはコマンドレジスタ24に転送され、表示データはフレームバッファメモリ29に格納される。クロック発生回路(CPG:Clock Pulse Generator)23は、表示駆動装置1内で使用するクロック信号を生成し、タイミング発生回路20に供給する。コマンドレジスタ24に格納されるコマンドに基づいて、シーケンサ25が表示駆動装置1全体の制御シーケンスを生成し、それに基づいて、アドレスカウンタ26は、フレームバッファメモリ29に対するアクセスのためのアドレスを生成して供給し、タイミング発生回路20は、タイミング制御信号を表示駆動装置1内の各ブロックに供給する。液晶駆動レベル発生回路32は、例えばDC−DCコンバータを含んで構成され、電源端子31を通して外部から供給される電源を、表示駆動装置1内の各ブロックに対して必要な電圧レベルに変換して供給する。階調電圧発生回路34は、表示データに対応する駆動電圧として出力される全ての階調の電圧を生成して、信号電極駆動回路2に供給する。信号電極駆動回路2は、入力された全ての階調の電圧の中から、表示データに対応する駆動電圧を選択して電流増幅し、駆動端子3から出力する。信号電極駆動回路2の詳しい構成例とその動作については後述する。走査電極駆動回路33は、走査電極駆動端子4を通して、表示パネルの走査電極を駆動するための走査パルス信号を出力する。フレームバッファメモリ29に格納された表示データは、順次1ライン分が読み出されて、ラインラッチ回路30の表示されるべき位置に転送され、その後さらに信号電極駆動回路2に転送される。信号電極駆動回路2からは、1ライン毎、1画素毎に、表示データに対応する駆動電圧が駆動端子3から出力される。時分割駆動が採用されていれば、例えば、1ライン期間に1画素を構成するRGBの3色分、または、2色分の表示データに対応する駆動電圧が出力される。
【0050】
表示モードによっては、フレームバッファメモリ29をバイパスしてシステムインタフェース28から直接ラインラッチ回路30に、表示データを転送しても良い。一方、フレームバッファメモリ29に格納される表示データを繰り返し読み出して静止画として表示することもできる。表示駆動装置1は、フレームバッファメモリ29を搭載しないで構成することもできる。
【0051】
図3は、信号電極駆動回路2の構成例を示すブロック図である。
【0052】
信号電極駆動回路2は、駆動すべき信号電極に接続される複数の駆動端子3_1〜3_mごとに、ソースアンプ5_1〜5_mと、階調電圧選択回路8_1〜8_mと、レベルシフタ9_1〜9_mとをそれぞれ備えて構成される。ラインラッチ回路30から供給された、駆動端子3_1〜3_mに対応する表示データは、レベルシフタ9_1〜9_mによって適切な電圧レベルの信号に変換されて、階調電圧選択回路8_1〜8_mに供給される。階調電圧選択回路8_1〜8_mには複数の階調電圧(
図3ではM本)が供給されている。階調電圧選択回路8_1〜8_mは、それぞれに供給される表示データのディジタル値に基づいて、供給される複数の階調電圧の中から1つの電位レベルを選択して、接続されるソースアンプ5_1〜5_mのVINに供給する。ソースアンプ5_1〜5_mは、駆動端子3_1〜3_mごとに表示データに対応する駆動電圧の信号を出力する。ソースアンプ5_1〜5_mから出力される駆動電圧は、駆動端子3_1〜3_mを通して表示パネルの信号電極S1〜Smに供給される。ソースアンプ5_1〜5_mの詳しい構成例とその動作については後述する。
【0053】
表示パネルの信号電極S1〜Smの駆動電圧は、例えば−5Vから+5Vと比較的高電圧である一方、システムインタフェース28、フレームバッファメモリ29、ラインラッチ回路30は、ディジタル論理回路で構成されることができるので、例えば1.4Vなどの比較的低電圧で動作させることができる。例えばCMOS半導体集積回路では、動作電圧の高低によって、耐圧の異なるトランジスタを使って回路を構成することが好適である。低電圧で動作する回路は、耐圧の低いトランジスタを使って構成すればよく、高密度に実装することができるからである。高耐圧のトランジスタが形成される領域と低耐圧のトランジスタが形成される領域の境界部分には、所定のバッファエリア(緩衝領域)を設ける必要があるので、レイアウト効率を考えれば、高耐圧領域と低耐圧領域は入り交じることなく明確に分離されることが望ましい。
図2に示される表示駆動装置1では、ラインラッチ回路30までが低耐圧領域に形成され、
図3に示す信号電極駆動回路2のソースアンプ5_1〜5_mと、階調電圧選択回路8_1〜8_mと、レベルシフタ9_1〜9_mの出力部分は、高耐圧領域に形成される。レベルシフタ9_1〜9_mで、ラインラッチ回路30から入力される低電圧信号を高電圧信号に変換して、階調電圧選択回路8_1〜8_mに供給する。これにより、ソースアンプ5_1〜5_mと階調電圧選択回路8_1〜8_mとレベルシフタ9_1〜9_mの出力部分が配置される高耐圧領域と、レベルシフタ9_1〜9_mの入力部分とレベルシフタ9_1〜9_mへ表示データを入力するラインラッチ回路30などのディジタル回路が形成される、低耐圧領域とが入り交ることなく明確に分離されて、効率的にレイアウトされる。
【0054】
図1は、ソースアンプ5の構成例を示す回路図である。ソースアンプ5は、電圧出力回路6とスルーレートアシスト回路7とを含んで構成される。電圧出力回路6は、特に制限されないが例えば、オペアンプ10と正極側出力トランジスタ11と負極側出力トランジスタ12で構成されるボルテージフォロワ回路である。階調電圧選択回路8からVIN端子に入力される階調電圧が、オペアンプ10の正極入力端子に入力され、駆動電圧が出力されるVOUT端子からオペアンプ10の負極入力端子にフィードバックされている。ボルテージフォロワ回路は、VOUTをVINと同電位に保つ制御を行い、出力インピーダンスを低インピーダンスに変換する。正極側出力トランジスタ11と負極側出力トランジスタ12により、さらに電流増幅率を向上する。正極側出力トランジスタ11と負極側出力トランジスタ12は、例えば、それぞれPチャネルMOSFETとNチャネルMOSFETで構成される。オペアンプ10から正極側出力トランジスタ11に接続される正極側制御信号VCPは、正極側出力トランジスタ11がPチャネルMOSFETのときは、VINが上昇すると降下する、オペアンプ10の反転出力である。オペアンプ10から負極側出力トランジスタ12に接続される負極側制御信号VCNは、負極側出力トランジスタ12がNチャネルMOSFETのときは、VINが上昇すると降下する、オペアンプ10の反転出力である。正極側出力トランジスタ11にもNチャネルMOSFETを用いる場合には、正極側制御信号VCPは、オペアンプ10の非反転出力に接続される。
【0055】
スルーレートアシスト回路7は、特に制限されないが例えば、オペアンプ13で構成されるボルテージフォロワ回路で構成することができる。本発明の一実施の形態では、さらに、オペアンプ13の正極側制御信号出力とVCPとの間に正極側スイッチトランジスタ14を設け、オペアンプ13の負極側制御信号出力とVCNとの間に負極側スイッチトランジスタ15を設ける。正極側スイッチトランジスタ14と負極側スイッチトランジスタ15は、例えば、それぞれPチャネルMOSFETとNチャネルMOSFETで構成され、正極側スイッチトランジスタ14のゲートには正極側クロックCLKが接続され、正極側スイッチトランジスタ15のゲートには負極側クロックCLKBが接続される。正極側クロックCLKによって正極側制御信号VCPの遷移を加速するか否かが制御され、負極側クロックCLKBによって負極側制御信号VCNの遷移を加速するか否かが制御される。正極側クロックCLKがロウで正極側スイッチトランジスタ14がオンのとき、正極側制御信号VCPのスルーレートは、VCPがオペアンプ10のみで駆動される場合よりも大きくなり、それに伴って、VOUTのスルーレートも大きくなる。負極側も同様に、負極側クロックCLKBがハイで負極側スイッチトランジスタ15がオンのとき、負極側制御信号VCNのスルーレートは、VCPがオペアンプ10のみで駆動される場合よりも大きくなり、それに伴って、VOUTのスルーレートも大きくなる。
【0056】
図4と
図5は、それぞれ、ソースアンプ5の正極側と負極側の動作例を示す、タイミング図である。
【0057】
図4はソースアンプ5の正極側が動作して、VOUT、即ち表示パネルの信号電極を駆動する駆動電圧が、立ち上るときの動作であり、
図5はソースアンプ5の負極側が動作して、VOUTが立ち下がるときの動作である。
図4と
図5は、どちらも横軸は時間であり、縦軸方向に上からVOUTの波形、正極側クロックCLKまたは負極側クロックCLKBの波形、及び、ソースアンプ5の消費電流波形が示される。ソースアンプ5の消費電流波形は、表示パネルのソース線駆動に伴う駆動電圧の立ち上がりや立下りなどの遷移時に発生するソース線の充放電電流であり、ソース線駆動に伴って発生するノイズの大きさに相当する。VOUTの波形とソースアンプ5の消費電流波形について、実線は本実施形態の波形であり、破線は比較例として本発明を実施しないソースアンプの波形である。ここで比較例のソースアンプは、電圧出力回路6とスルーレートアシスト回路7とで構成され、スルーレートアシスト回路7を停止する制御を行わず、常に動作させる構成であるとする。
【0058】
図4には、VINに入力される階調電圧が、時刻t1にVLからVHに遷移した場合が示される。階調電圧が正方向に最も大きく変化する、即ち、駆動電圧が最も急峻に立上る場合に当たる。階調電圧としてのVH,VLは説明を簡略化するために、ソースアンプの電源電圧VH,VLと同じ記号を使用するが、同じ電圧である必要はない。階調電圧VINが変化する時刻t1から所定期間である時刻t2までの期間は、正極側クロックCLKがハイで、正極側スイッチトランジスタ14がオフされているので、VCPがオペアンプ10のみで駆動される。時刻t1〜t2の期間は、スルーレートアシスト回路7を機能させない。その後、時刻t2において正極側クロックCLKをロウに変化させ、正極側スイッチトランジスタ14をオンしてスルーレートアシスト回路7を機能させる。スルーレートアシスト回路7が動作しない時刻t1〜t2の期間は、VOUTの波形はスルーレートが小さく、それに伴ってソースアンプの消費電流は低い。時刻t2にスルーレートアシスト回路7の動作が開始されると、VOUTのスルーレートは大きくなり、これに伴ってソースアンプの消費電流も増加する。一方、破線の比較例のソースアンプの場合、スルーレートアシスト回路は常に動作しているので、VOUTのスルーレートは、遷移を開始する時刻t1から大きく、時刻t3にはVOUTがVHに達する。これに伴って消費電流も、時刻t1から急峻に増加し時刻t3から急峻に減少する。
【0059】
図5には、階調電圧が負方向に最も大きく変化する、即ち、駆動電圧が最も急峻に立下がる場合の波形が示される。VINに入力される階調電圧が、時刻t5にVHからVLに遷移した場合である。階調電圧VINが変化する時刻t5から所定期間である時刻t6までの期間は、負極側クロックCLKBがロウで、負極側スイッチトランジスタ15がオフされているので、VCNがオペアンプ10のみで駆動される。時刻t5〜t6の期間は、スルーレートアシスト回路7は機能しない。その後、時刻t6において負極側クロックCLKBをハイに変化させ、負極側スイッチトランジスタ15をオンしてスルーレートアシスト回路7を機能させる。スルーレートアシスト回路7が機能しない時刻t5〜t6の期間は、VOUTの波形はスルーレートが小さく、それに伴ってソースアンプの消費電流は低い。消費電流は、
図4が正方向であったのに対して
図5は負方向に変化するが、絶対値が大きい程消費電流は大きい。説明を簡略化するため、VOUTが遷移しない期間の消費電流は0と表示したが、一定のアイドリング電流が流れている場合、
図4と
図5のグラフの0はその電流である。時刻t6にスルーレートアシスト回路7の動作が開始されると、VOUTのスルーレートは大きくなり、これに伴ってソースアンプの消費電流も増加する。一方、破線の比較例のソースアンプの場合、スルーレートアシスト回路は常に動作しているので、VOUTのスルーレートは、遷移を開始する時刻t5から大きく、時刻t7にはVOUTがVLに達する。これに伴って消費電流も、時刻t5から急峻に増加し時刻t7から急峻に減少する。
【0060】
図4に示した立上り波形では、VOUTがVHに到達して遷移が終了する時刻は、比較例が時刻t3であるの対して本実施形態は時刻t4であり、
図5に示した立下り波形では、VOUTがVLに到達して遷移が終了する時刻は、比較例が時刻t7であるの対して本実施形態は時刻t8であり、いずれも比較例の方が早い。遷移の速度は比較例の方が早いが、消費電流の波高値は、本実施例により大幅に低減される。消費電流の積分値は、どちらも同じであるが、電流のピークを分散させることにより、波高値を下げることに成功している。これにより、表示パネルのソース線を駆動することにより、タッチパネルなどの周辺回路へ漏洩するノイズの波高値を抑えることができる。
【0061】
図6は、スルーレートアシスト回路7を制御する回路の構成例を示すブロック図である。
【0062】
表示駆動装置1は、スルーレートアシスト回路7を制御する回路として、正極側クロックCLKのパルス幅を指定するCLKパルス幅設定レジスタ16と、そのレジスタに格納されるパラメータに基づいて正極側クロックCLKのパルス幅を調整するパルス幅調整回路18と、負極側クロックCLKBのパルス幅を指定するCLKBパルス幅設定レジスタ17と、そのレジスタに格納されるパラメータに基づいて負極側クロックCLKBのパルス幅を調整するパルス幅調整回路19とをさらに備える。タイミング発生回路20から供給されるクロックをインバータ21で反転してパルス幅調整回路19に供給し、インバータ22で再度反転してパルス幅調整回路18に供給する。これにより、スルーレートアシスト回路7が遷移の加速を開始するまでの期間、即ち、正極側は
図4の時刻t1〜t2、負極側は
図5の時刻t5〜t6を、正極側と負極側で独立且つ簡単に設定・調整することができる。正極側と負極側で独立に設定・調整することを可能に構成することにより、正極側と負極側の特性が対称になるように調整することができる。製造ばらつきなどに起因して正極側と負極側の特性の対称性が崩れた場合に、これを補償することができる。
【0063】
パルス幅調整回路18、19は、例えば、カウンタ回路で構成することができる。入力されるクロックパルスを、CLKパルス幅設定レジスタ16とCLKBパルス幅設定レジスタ17に設定される数値だけカウントして、CLKとCLKBのパルス幅をそれぞれ制御することができる。入力されるクロックの周波数を、製造ばらつきに依存しないように構成すれば、スルーレートアシスト回路7の加速動作開始までの時間の制御も、製造ばらつきによって変動しないように構成することができる。
【0064】
パルス幅調整回路18、19は、例えば、論理ゲート遅延を利用して構成することもできる。クロック周期を利用する上記の構成例と比較して、CLKとCLKBのパルス幅が製造ばらつきの影響によって変化するものの、より細かく調整することができる。パルス幅の調整単位である論理ゲート遅延は、製造ばらつきによって変化するが、論理ゲート1段当たりの遅延量はクロック周期よりも十分小さいからである。
【0065】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0066】
例えば、1個のソースアンプに複数のスルーレートアシスト回路を備え、オン/オフする個数を制御することによって、駆動電圧のスルーレートを制御し、消費電流のピークを分散させてもよい。また、スルーレートアシスト回路を用いず、ソースアンプを構成する電圧出力回路(ボルテージフォロワ)の電流駆動能力をアナログ的またはディジタル的に調整して、駆動電圧のスルーレートを制御し、消費電流のピークを分散させてもよい。電圧出力回路(ボルテージフォロワ)の電流駆動能力は例えば、オペアンプに供給するバイアス電流を制御することにより調整することができる。