(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
充電して繰り返し利用することのできる二次電池の多くは、バッテリパックに加工されてユーザに提供される。特に重量エネルギ密度の高いリチウムイオン二次電池においては、ユーザ及び電子機器の安全を確保するために、一般的に、過充電保護、過放電保護等のいくつもの保護回路をバッテリパックに内蔵し、所定の場合にバッテリパックの出力を遮断する機能を有している。
【0003】
この種の保護素子には、バッテリパックに内蔵されたFETスイッチを用いて出力のON/OFFを行うことにより、バッテリパックの過充電保護又は過放電保護動作を行うものがある。しかしながら、何らかの原因でFETスイッチが短絡破壊した場合、雷サージ等が印加されて瞬間的な大電流が流れた場合、あるいはバッテリセルの寿命によって出力電圧が異常に低下したり、逆に過大異常電圧を出力した場合であっても、バッテリパックや電子機器は、発火等の事故から保護されなければならない。そこで、このような想定し得るいかなる異常状態においても、バッテリセルの出力を安全に遮断するために、外部からの信号によって電流経路を遮断する機能を有するヒューズ素子からなる保護素子が用いられている。
【0004】
図10(A)及び
図10(B)に示すように、このようなリチウムイオン二次電池等向けの保護回路の保護素子80としては、電流経路上に接続された第1及び第2の電極81,82間に亘って可溶導体83を接続して電流経路の一部をなし、この電流経路上の可溶導体83を、過電流による自己発熱、あるいは保護素子80内部に設けた発熱体84によって溶断するものが提案されている。
【0005】
具体的に、保護素子80は、絶縁基板85と、絶縁基板85に積層され、絶縁部材86に覆われた発熱体84と、絶縁基板85の両端に形成された第1、第2の電極81,82と、絶縁部材86上に発熱体84と重畳するように積層された発熱体引出電極88と、両端が第1、第2の電極81,82にそれぞれ接続され、中央部が発熱体引出電極88に接続された可溶導体83とを備える。
【0006】
保護素子80は、過充電、過放電等の異常が検知されると、発熱体84が通電されることにより発熱する。すると、この熱により可溶導体83が溶融し、この溶融導体83を発熱体引出電極88に集めることにより、第1及び第2の電極81,82間の電流経路を遮断する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
保護素子80は、第1、第2の電極81,82に設けられたハーフスルーホール90,91を介して絶縁基板85の裏面に形成された第1、第2の接続端子92,93が、回路基板95側に形成された第1、第2の接続電極96,97に接続されることにより実装される。これにより、回路基板95に形成された第1、第2の接続電極96,97間にわたって接続された保護素子80が電流経路の一部を構成する。保護素子80は、ハーフスルーホール90が絶縁基板85の中央からオフセットされた位置に設けられることにより、回路基板95上に反対の向きに回転実装されることが防止されている。
【0009】
ここで、例えばリチウムイオン二次電池の熱暴走は重大な事故を招く恐れもあることから、この種の保護素子としては、可溶導体をできる限り速やかに溶断することが求められる。したがって、保護素子80は、過充電、過放電等の異常が検知されると速やかに可溶導体83を溶融させて電流経路を遮断する必要があることから、発熱体の熱を優先的に可溶導体83へ伝えることが求められる。
【0010】
しかし、保護素子80は、絶縁基板85として熱伝導性の高いセラミック基板等を用いた場合に、絶縁基板85が傾いて実装されることにより一部のコーナー部が回路基板95に接触すると、発熱体84の熱が回路基板95との接点から逃げてしまう。このため、発熱体14の熱を効率よく可溶導体83へ伝えることができず、溶断時間の短縮を図る上で不利となる。
【0011】
そこで、本発明は、このような絶縁基板の片当たりを防止し、発熱体の熱の放熱を抑えて可溶導体の溶断特性を向上することができる保護素子、及びこれを用いた保護回路基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するために、本発明に係る保護素子は、矩形状に形成された絶縁基板と、上記絶縁基板に形成された発熱体と、少なくとも上記発熱体を覆うように、上記絶縁基板に積層された絶縁部材と、上記絶縁基板の表面に積層された第1及び第2の電極と、上記絶縁基板の裏面に設けられ、上記第1の電極と連続する第1の接続端子、及び上記第2の電極と連続する第2の接続端子と、上記第1及び第2の電極の間の電流経路上に設けられ、上記発熱体に電気的に接続された発熱体引出電極と、上記発熱体引出電極から上記第1及び第2の電極にわたって積層され、熱により溶断することにより、該第1の電極と該第2の電極との間の電流経路を遮断する可溶導体とを備え、上記絶縁基板は、
平面視において少なくとも一つのコーナー部が面取り
された面取り部が形成され、
上記第1又は第2の電極は、上記絶縁基板の側縁部であって、上記面取り部よりも内側に形成されているものである。
【0013】
また、本発明に係る保護回路基板は、回路基板と、上記回路基板上に実装される保護素子とを有する保護回路基板において、上記保護素子は、矩形状に形成された絶縁基板と、上記絶縁基板に形成された発熱体と、少なくとも上記発熱体を覆うように、上記絶縁基板に積層された絶縁部材と、上記絶縁基板の表面に積層された第1及び第2の電極と、上記絶縁基板の裏面に設けられ、上記第1の電極と連続する第1の接続端子、及び上記第2の電極と連続する第2の接続端子と、上記第1及び第2の電極の間の電流経路上に設けられ、上記発熱体に電気的に接続された発熱体引出電極と、上記発熱体引出電極から上記第1及び第2の電極にわたって積層され、熱により溶断することにより、該第1の電極と該第2の電極との間の電流経路を遮断する可溶導体とを備え、上記絶縁基板は、
平面視において少なくとも一つのコーナー部が面取り
された面取り部が形成され、
上記第1又は第2の電極は、上記絶縁基板の側縁部であって、上記面取り部よりも内側に形成されているものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、
平面視において絶縁基板のコーナー部に面取り部を形成
し、第1又は第2の電極は、絶縁基板の側縁部であって、面取り部よりも内側に形成することにより、絶縁基板が傾いて実装された場合にも、回路基板への片当たりを防止する。これにより、保護素子は、絶縁基板からの放熱を抑制し、発熱体の熱を効率よく可溶導体に伝達して速やかに溶断することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明が適用された保護素子、及びこれを用いた保護回路基板について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0017】
[保護回路基板]
本発明が適用された保護回路基板1は、
図1に示すように、回路基板2と、回路基板2上に実装される保護素子3とを有する。この保護回路基板1は、例えばリチウムイオン二次電池のバッテリパックに内蔵され、電流経路の一部を構成するとともに、過充電、過放電等の異常が検知されると速やかに保護素子3の可溶導体13を溶融させて電流経路を遮断する。
【0018】
[保護素子]
保護素子3は、
図1(A)に示すように、絶縁基板11と、絶縁基板11に積層され、絶縁部材15に覆われた発熱体14と、絶縁基板11の両端に形成された第1の電極12(A1)及び第2の電極12(A2)と、絶縁部材15上に発熱体14と重畳するように積層された発熱体引出電極16と、両端が第1、第2の電極12(A1),12(A2)にそれぞれ接続され、中央部が発熱体引出電極16に接続された可溶導体13とを備える。
【0019】
絶縁基板11は、たとえば、アルミナ、ガラスセラミックス、ムライト、ジルコニアなどの絶縁性を有する部材によって形成される。その他、ガラスエポキシ基板、フェノール基板等のプリント配線基板に用いられる材料を用いてもよいが、ヒューズ溶断時の温度に留意する必要がある。
【0020】
絶縁基板11は、例えば
図1(A)に示すように矩形状に形成されている。また、絶縁基板11は、各コーナー部に面取り部10が形成されている。面取り部10は、絶縁基板11のコーナー部が直線状、あるいは円弧状に面取り加工されることにより形成される。面取り部10は、絶縁基板11のコーナー部の少なくとも一つ、好ましくは全コーナー部に形成されている。
【0021】
保護素子3は、面取り部10を形成することにより、回路基板2に実装される際に、傾きによる片当たりを防止し、これにより放熱抑制を図ることができる。すなわち、保護素子3を回路基板2に実装する際に、
図2に示すように、絶縁基板11が傾いてコーナー部が回路基板2に接触する、いわゆる片当たりが生じる場合がある。このとき、絶縁基板11を、耐熱衝撃性に優れるが熱伝導率も高いセラミック材料により形成した場合には、後述する発熱体14の熱が絶縁基板11のコーナー部を介して回路基板2側へ放熱され、効率よく可溶導体13を昇温させることができない。
【0022】
そこで、保護素子3は、絶縁基板11のコーナー部に面取り部10を形成することにより、
図3に示すように、絶縁基板11が傾いて実装された場合にも、回路基板2への片当たりを防止する。これにより、保護素子3は、絶縁基板11からの放熱を抑制し、発熱体14の熱を効率よく可溶導体13に伝達して速やかに溶断することができる。
【0023】
面取り部10は、絶縁基板11をワークから所定の製品サイズに切り出す際に、打ち抜き加工を施すことにより形成することができる。このとき、
図4に示すように、面取り部10は、製品サイズの絶縁基板11がマトリクス状に複数配列されたワーク5の、相隣接する絶縁基板11のコーナー部を矩形、あるいは円形等に打ち抜くことにより形成することができる。また、面取り部10は、プレス加工により絶縁基板11を形成する際に形成することができる。さらに、面取り部10は、絶縁基板11に切削加工を施すことにより形成することができる。
【0024】
また、面取り部10は、
図1に示すように、直線状に形成してもよく、
図5に示すように円弧状に形成してもよい。
【0025】
発熱体14は、比較的抵抗値が高く通電すると発熱する導電性を有する部材であって、たとえばW、Mo、Ru等からなる。これらの合金あるいは組成物、化合物の粉状体を樹脂バインダ等と混合して、ペースト状にしたものを絶縁基板11上にスクリーン印刷技術を用いてパターン形成して、焼成する等によって形成する。
【0026】
発熱体14を覆うように絶縁部材15が配置され、この絶縁部材15を介して発熱体14に対向するように発熱体引出電極16が配置される。発熱体14の熱を効率良く可溶導体13に伝えるために、発熱体14と絶縁基板11の間にも絶縁部材15を積層しても良い。絶縁部材15としては、例えばガラスを用いることができる。
【0027】
発熱体引出電極16の一端は、発熱体電極18(P1)に接続されるとともに、発熱体14の一端と連続される。また、発熱体14の他端は、他方の発熱体電極18(P2)に接続される。なお、発熱体電極18(P1)は、絶縁基板11の第3の辺11d側に形成され、発熱体電極18(P2)は、絶縁基板11の第4の辺11e側に形成されている。また、
図6に示すように、発熱体電極18(P2)は、第4の辺11eに形成されたハーフスルーホール20を介して絶縁基板11の裏面11aに形成された外部接続電極21(P2)と接続されている。
【0028】
可溶導体13は、発熱体14の発熱により速やかに溶断される材料からなり、例えばSnを主成分とするPbフリーハンダ等の低融点金属を好適に用いることができる。また、可溶導体13は、In、Pb、Ag、Cu又はこれらのうちのいずれかを主成分とする合金等の高融点金属を用いてもよく、あるいは低融点金属と高融点金属との積層体であってもよい。
【0029】
なお、可溶導体13は、発熱体引出電極16及び電極12(A1),12(A2)へ、ハンダ等により接続されている。可溶導体13は、リフローはんだ付けによって容易に接続することができる。
【0030】
図6に示すように、絶縁基板11の両側縁に形成され、可溶導体13によって接続されている第1の電極12(A1)、第2の電極12(A2)は、それぞれ、ハーフスルーホール20を介して、絶縁基板の裏面11aに設けられた第1、第2の外部接続端子21(A1),21(A2)と接続されている。保護素子3は、外部接続端子21(A1),21(A2)が、後述する回路基板2に設けられた接続電極25(A1),25(A2)に接続されることにより、電流経路の一部に組み込まれる。
【0031】
ハーフスルーホール20は、内壁に導電層が形成され、第1の電極12(A1)と第1の外部接続端子21(A1)、第2の電極12(A2)と第2の外部接続端子21(A2)とを、電気的に接続するものである。ハーフスルーホール20は、第1の電極12(A1)が形成された絶縁基板11の第1の辺11b、及び第2の電極12(A2)が形成された第2の辺11cに形成されている。ハーフスルーホール20の内壁に形成された導電層は、例えば導電ペーストを充填することにより形成することができる。
【0032】
第1の電極12(A1)は、矩形状に形成された絶縁基板11の第1の辺11bの側縁部に形成されている。また、第1の電極12(A1)は、絶縁基板11の第1の辺11bの両端に形成された面取り部10よりも内側に形成されている。これにより、保護素子3は、第1の電極12(A1)を絶縁基板11の外縁からできるだけ離間した位置に設け、発熱体14の熱が第1の電極12(A1)を介して回路基板2や外方へ放熱することを防止でき、可溶導体13の速溶断特性を向上することができる。
【0033】
すなわち、発熱体14の熱は可溶導体13を介して第1の電極12(A1)にも伝わり、第1の電極12(A1)からも放熱される。保護素子3は、電子機器等の異常時には可溶導体13を速やかに溶断し電流経路を遮断することが求められており、そのために発熱体14の熱が第1の電極12(A1)等から放熱される事態をできるだけ抑え、速やかに可溶導体13を溶融温度まで昇温させることが求められる。第1の電極12(A1)の熱は、絶縁基板11の外縁より多く放熱されることから、保護素子3は、第1の電極12(A1)を絶縁基板11の第1の辺11bの両端よりも内側に形成し、第1の電極12(A1)を絶縁基板11の外縁からできるだけ離間した位置に設ける。これにより、保護素子3は、発熱体14の熱が第1の電極12(A1)を介して回路基板2や外方へ放熱される事態を抑制することができる。
【0034】
また、第1の電極12(A1)は、絶縁基板11の当該第1の辺11bの中央部C1付近に形成してもよい。これにより、第1の電極12(A1)は、電極面積が小さくなり熱容量が抑えられるとともに、放熱経路がハーフスルーホール20に限定され、より第1の電極12(A1)からの放熱を抑制することができる。
【0035】
[スルーホール]
第1の電極12(A1)と第1の外部接続端子21(A1)とを接続するハーフスルーホール20は、絶縁基板11の第1の辺11bの中央部C1に形成されている。これにより、ハーフスルーホール20が第1の辺11bの一端側に偏倚して形成されている場合に比して(
図10参照)、放熱経路が短く、発熱体14の熱が第1の電極12(A1)に拡散することを防止し、効率よく発熱体14の熱を可溶導体13に集中させることができる。
【0036】
すなわち、保護素子3は、絶縁基板11の外縁から最も遠く発熱体14の熱が最も逃げにくい基板中心が最も高温になる。この基板中心に応じて、スルーホール20を絶縁基板11の第1の辺11bの中央部C1に形成することにより、放熱経路が第1の電極12(A1)や第1の電極12(A1)が形成された第1の辺11bに拡散することがなく、発熱体14の熱を可溶導体13に集中させることができる。
【0037】
このとき、上述したように、第1の電極12(A1)も、絶縁基板11の第1の辺11bの中央部C1に形成することにより、第1の電極12(A1)の熱容量を抑えるとともに、第1の電極12(A1)に拡散した熱も放熱しにくくなり、より発熱体14の熱の放熱を抑制することができる。
【0038】
以上は、第1の電極12(A1)について述べたが、第2の電極12(A2)においても、同様である。すなわち、第2の電極12(A2)は、絶縁基板11の第2の辺11cの面取り部10よりも内側に形成され、好ましくは絶縁基板11の当該第2の辺11cの中央部C2付近に形成される。
【0039】
これにより、第2の電極12(A2)は、発熱体14の熱が伝搬しても回路基板2や外方へ放熱することを防止でき、可溶導体13の速溶断特性を向上することができ、また、電極面積が小さくなり熱容量が抑えられるとともに、放熱経路がハーフスルーホール20に限定され、より第2の電極12(A2)からの放熱を抑制することができる。
【0040】
また、第2の電極12(A2)に設けられるハーフスルーホール20も、同様に、絶縁基板11の第2の辺11cの中央部C2に形成されている。これにより、ハーフスルーホール20が第2の辺11cの一端側に偏倚して形成されている場合に比して、放熱経路が短く、発熱体14の熱が第2の電極12(A2)に拡散することを防止し、効率よく発熱体14の熱を可溶導体13に集中させることができる。
【0041】
[可溶導体の位置]
また、このとき、可溶導体13は、絶縁基板11の第1の辺11b及び第2の辺11cの中央部C1、C2を結ぶ絶縁基板11の中心線C0上に搭載されることが好ましい。これにより、可溶導体13は、絶縁基板11の最も高温となる基板中央部上に搭載されるため、効率よく発熱体の熱が伝達され、速やかに溶断することができる。
【0042】
なお、可溶導体13は、第1、第2の電極12(A1),12(A2)間に接続されていればよく、絶縁基板11の中心線C0上からオフセットされて配置されていてもよい。この場合も、可溶導体13は、第1の電極12(A1)及び第2の電極12(A2)からの放熱が抑制されているため、発熱体14の熱で効率よく昇温され、速やかに溶断することができる。また、可溶導体13は、第1、第2の電極12(A1),12(A2)間に複数搭載されていてもよく、このうち1つの可溶導体13は絶縁基板11の中心線C0上に配置されてもよく、あるいはすべての可溶導体13が絶縁基板11の中心線C0上からオフセットされて配置されていてもよい。
【0043】
なお、保護素子3は、可溶導体13の酸化防止のために、可溶導体13上のほぼ全面にフラックス17を塗布してもよい。
【0044】
また、保護素子3は、内部を保護するために、絶縁基板11上にカバー部材(図示せず)が設けられている。
【0045】
[回路基板]
次いで、保護素子3が接続される回路基板2について説明する。回路基板2は、例えばガラスエポキシ基板やガラス基板、セラミック基板等のリジッド基板や、フレキシブル基板等、公知の絶縁基板が用いられ、
図7に示すように、保護素子3が実装される実装領域Rを有し、実装領域R内に保護素子3との接続電極が設けられている。実装領域Rは、保護素子3の絶縁基板11と同形、同面積である。なお、回路基板2は、保護素子3の発熱体14に通電させるFET等の素子が実装される。
【0046】
実装領域Rは、保護素子3の絶縁基板11と同じ面積を有し、絶縁基板11の裏面11aに設けられた外部接続端子21(A1),21(A2),21(P2)とそれぞれ接続される接続電極25(A1),25(A2),25(P2)が形成されている。また、実装領域Rには、保護素子3との接続に必要な接続電極25(A1),25(A2),25(P2)を除いて、保護素子3との接続に不要な電極パターンが形成されていない。
【0047】
これにより、実装領域Rには、熱容量の大きな電極パターンが保護素子3の実装に必要な限度で形成されているため、絶縁基板11の裏面11a側からの放熱を抑制することができる。したがって、保護回路基板1は、発熱体14の熱を効率よく可溶導体13へ熱を伝えることができる。これにより、保護回路基板1は、過充電、過放電等の異常が検知されると速やかに可溶導体13を溶融させて電流経路を遮断することができる。
【0048】
接続電極25(A1),25(A2)は、外部接続端子21(A1),21(A2)の幅以上の幅を有し、保護素子3との接続抵抗を低減させている。一方、接続電極25(A1),25(A2)は、保護素子3の実装領域R内において広範に設けると、発熱体14の熱を吸収し、可溶導体13の速やかな溶断を阻害する。以上のことから、接続電極25(A1),25(A2)は、外部接続端子21(A1),21(A2)と略同じ幅に形成されることが好ましい。
【0049】
[保護回路基板の使用方法]
次いで、保護回路基板1の使用方法について説明する。
図8に示すように、上述した保護回路基板1は、例えば、リチウムイオン二次電池のバッテリパック内の回路として用いられる。
【0050】
たとえば、保護素子3は、合計4個のリチウムイオン二次電池のバッテリセル41〜44からなるバッテリスタック45を有するバッテリパック40に組み込まれて使用される。
【0051】
バッテリパック40は、バッテリスタック45と、バッテリスタック45の充放電を制御する充放電制御回路50と、バッテリスタック45の異常時に充電を遮断する本発明が適用された保護素子3と、各バッテリセル41〜44の電圧を検出する検出回路46と、検出回路46の検出結果に応じて保護素子3の動作を制御する電流制御素子47とを備える。
【0052】
バッテリスタック45は、過充電及び過放電状態から保護するための制御を要するバッテリセル41〜44が直列接続されたものであり、バッテリパック40の正極端子40a、負極端子40bを介して、着脱可能に充電装置55に接続され、充電装置55からの充電電圧が印加される。充電装置55により充電されたバッテリパック40の正極端子40a、負極端子40bをバッテリで動作する電子機器に接続することによって、この電子機器を動作させることができる。
【0053】
充放電制御回路50は、バッテリスタック45から充電装置55に流れる電流経路に直列接続された2つの電流制御素子51、52と、これらの電流制御素子51、52の動作を制御する制御部53とを備える。電流制御素子51、52は、たとえば電界効果トランジスタ(以下、FETと呼ぶ。)により構成され、制御部53によりゲート電圧を制御することによって、バッテリスタック45の電流経路の導通と遮断とを制御する。制御部53は、充電装置55から電力供給を受けて動作し、検出回路46による検出結果に応じて、バッテリスタック45が過放電又は過充電であるとき、電流経路を遮断するように、電流制御素子51、52の動作を制御する。
【0054】
保護素子3は、たとえば、バッテリスタック45と充放電制御回路50との間の充放電電流経路上に接続され、その動作が電流制御素子47によって制御される。
【0055】
検出回路46は、各バッテリセル41〜44と接続され、各バッテリセル41〜44の電圧値を検出して、各電圧値を充放電制御回路50の制御部53に供給する。また、検出回路46は、いずれか1つのバッテリセル41〜44が過充電電圧又は過放電電圧になったときに電流制御素子47を制御する制御信号を出力する。
【0056】
電流制御素子47は、たとえばFETにより構成され、検出回路46から出力される検出信号によって、バッテリセル41〜44の電圧値が所定の過放電又は過充電状態を超える電圧になったとき、保護素子3を動作させて、バッテリスタック45の充放電電流経路を電流制御素子51、52のスイッチ動作によらず遮断するように制御する。
【0057】
以上のような構成からなるバッテリパック40において、保護素子3の構成について具体的に説明する。
【0058】
まず、本発明が適用された保護素子3は、
図9に示すような回路構成を有する。すなわち、保護素子3は、発熱体引出電極16を介して直列接続された可溶導体13と、可溶導体13の接続点を介して通電して発熱させることによって可溶導体13を溶融する発熱体14とからなる回路構成である。また、保護素子3では、たとえば、可溶導体13が充放電電流経路上に直列接続され、発熱体14が電流制御素子47と接続される。保護素子3の2個の電極12は、それぞれ外部接続端子21を介して、一方は、A1に接続され、他方は、A2に接続される。また、発熱体引出電極16とこれに接続された発熱体電極18は、P1に接続され、他方の発熱体電極18は、外部接続端子21を介してP2に接続される。
【0059】
このような回路構成からなる保護素子3は、発熱体14の発熱により、電流経路上の可溶導体13を確実に溶断することができる。このとき、保護素子3の絶縁基板11のコーナー部には面取り部10が形成されているため、絶縁基板11が傾いて実装された場合にも、回路基板2への片当たりが防止されている。これにより、保護素子3は、絶縁基板11からの放熱を抑制し、発熱体14の熱を効率よく可溶導体13に伝達して速やかに溶断することができる。
【0060】
なお、本発明の保護素子は、リチウムイオン二次電池のバッテリパックに用いる場合に限らず、電気信号による電流経路の遮断を必要とする様々な用途にももちろん応用可能である。