(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
(発明に至った経緯)
家電機器など、1つの端末装置の動作状況に合わせて同一宅内に設置された他の端末装置を動作させるような制御を行う場合、どの端末装置が他のどの端末装置と同一の宅内に設置されているかを管理しなければならない。特に、サーバ装置を用いて端末装置を遠隔制御しようとする場合、以下のような問題が生じる。特許文献1に開示されているようにホーム端末を使用する場合、ホーム端末に他の家庭の端末装置が接続されることはないので、1つのホーム端末に接続されている複数の端末装置は、同一の宅内に設置されていると判断できる。しかしながら、各家庭にホーム端末を設置しなければならず、端末装置の制御のための設備が必要となってしまう。一方、ホーム端末を使用せずに外部のサーバ装置から端末装置を制御しようとした場合、端末装置がどの家庭に設置されているのか判別するためのデータが必要となる。そうしなければ、動作状況を取得した端末装置と同一の宅内に設置されている他の端末装置がどの端末装置であるか特定できないからである。
【0013】
端末装置が同一の宅内に設置されているのか否かを判別するためのデータとして、一般的にはユーザ登録データが用いられる。すなわち、ユーザを特定するためのユーザIDを予め準備し、端末装置を一意に識別するための端末IDとユーザIDとの組み合わせをユーザがサーバ装置に登録することで、対応するユーザIDが同一である端末装置同士は同一の家庭に設置されていると判断できる。しかしながら、ユーザは端末装置を設置するたびにユーザ登録を行い、端末装置を手放すたびに当該端末装置に係るユーザ登録を抹消する必要があり、ユーザが端末装置の設置時に行うべき準備作業が煩わしいという課題がある。特に、照明装置や冷蔵庫など、データの入出力機能を有していないかそのような機能が貧弱な端末装置をユーザ登録する場合、パーソナルコンピュータやスマートホン等を用いる必要があり、正しくユーザ登録されているかを端末装置単体で確認することが難しい。
【0014】
そこで、発明者らは、家電装置等の端末装置が家庭用のルータを介してネットワークに接続されることに着目し、接続元を示す接続元情報を用いて、複数の端末装置が同一の家庭内に設置されているか否かを判別するという着想を得た。端末装置が家庭用のルータを介してサーバ装置に接続した場合、接続元情報は端末装置ごとに固有ではなく、ルータと接続時刻ごとに固有となるため、端末装置が同一の家庭用のルータを経由しているか否かを容易に判別できる。そのため、ユーザ登録データもホーム端末も用いる必要がなく、ユーザは単に端末装置を同一の家庭用のルータに接続するだけで、端末装置同士を連携動作させることが可能となる。
【0015】
(実施の形態)
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
1.1 端末制御システムの構成
端末制御システムは、
図1に示すように、サーバ装置101と、複数の端末装置102からなる端末装置群103とからなる。
【0016】
端末装置群103は、相互に連携することを前提とした、複数の端末装置102の集合である。1つの端末装置群103は、例えば、同一の宅内に設置されている複数の端末装置102からなる。また、例えば、1つの端末装置群103は、さらに、同一の宅内で使用されるとともに宅外にも持ち出される端末装置102を含んでいてもよい。なお、1つの端末装置群103に含まれる端末装置102それぞれのユーザは、例えば、同一の1人のユーザであってもよいし、あるいは、一つの家族など2人以上のユーザの内の任意の誰かであってもよい。ここで、同一の宅内とは、1個人の宅内であってもよいし、1つの家族の宅内であってもよい。また、同一の宅内は個人宅に限られず、例えば、1つの店舗の店舗内であってもよいし、1つの会社、団体等が使用しているオフィススペース内であってもよい。
【0017】
端末装置102は、宅内に設置される家電機器、または、宅内で使用されるとともに宅外にも持ち出される携帯情報端末である。具体的には、テレビ受像機、エアコン、洗濯機、IH(Induction Heating)クッキングヒータ、電子レンジ、携帯電話などである。
サーバ装置101は、複数の端末装置102を端末装置群103として管理する。サーバ装置101は、端末装置群103内の各端末装置102から情報を収集し、端末装置群103内の1つの端末装置102の動作状況に従って、1以上の他の端末装置102の動作を決定する。このようにすることで、端末装置群103に属する複数の端末装置102の連携が実現される。
【0018】
1.2 サーバ装置101の構成
以下、サーバ装置101の詳細な構成を説明する。
サーバ装置101は、マイクロプロセッサ、及びRAM、ROM、ハードディスクなどからなるコンピュータである。下記のサーバ装置101の各機能ブロックは、RAM、ROM、ハードディスクに記憶されているコンピュータプログラムをマイクロプロセッサが実行することにより実現される。
【0019】
図2に示すように、サーバ装置101は、機能ブロックとして、送受信手段201と、指示決定手段202と、端末情報管理手段203と、動作状況管理手段204と、制御手段205とを備える。
(1)送受信手段201
送受信手段201は、ネットワークを介して端末装置102と通信を行うための通信手段であり、例えば、GbE(Gigabit Ethernet(登録商標))のインターフェースを有する。送受信手段201は、端末装置102から端末固有情報と動作状況とを受信する。端末固有情報には、端末装置102を一意に識別するための端末IDと、端末装置102の種別を示す品番と、ファームウェアやミドルウェアなど内蔵するプログラムのバージョンを示すソフトウェアバージョンに関する情報とが含まれる。また、動作状況は、端末装置102が受け付けたユーザからの操作指示に関する情報、または、端末装置102の動作に関する情報である。端末装置102の動作に関する情報とは、例えば、電源オンした、扉が開けられた、温め機能を使用した等、端末装置102が検知した動作、または、端末装置102が行った動作についての情報である。
【0020】
また、送受信手段201は、端末装置102に対して、指示を送信する。具体的には、送受信手段201は、端末装置102に対して、例えば、電源オンする、電源オフタイマーをセットする、温度調節する等の動作指示を送信する。または、送受信手段201は、端末装置102に対して、機能追加や不具合修正を行うためのプログラムを送信する。なお、送受信手段201は、プログラムに代えて、プログラムをインストールするためのインストーラ、または、プログラムの所在を示すURI(Uniform Resource Identifier)やプログラムを取得するためのダウンローダを送信してもよい。
【0021】
(2)端末情報管理手段203
端末情報管理手段203は、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブなどの不揮発性の記憶媒体を有しており、送受信手段201を介して受信した各端末装置102の端末固有情報を、データベースとして記憶し管理する。さらに、端末情報管理手段203は、受信した端末固有情報を用いて、管理するデータベースを更新する。
【0022】
(3)動作状況管理手段204
動作状況管理手段204は、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブなどの不揮発性の記憶媒体を有しており、送受信手段201を介して受信した動作状況を、データベースとして記憶し管理する。さらに、動作状況管理手段204は、受信した動作状況を用いて、管理するデータベースを更新する。
【0023】
(4)指示決定手段202
指示決定手段202は、送受信手段201を介して受信した端末固有情報、又は動作状況、又はその両方と、端末情報管理手段203で管理するデータベース、又は動作状況管理手段204で管理するデータベース、又はその両方に基づいて、端末装置群に対して送信する指示を決定する。決定した指示は、送受信手段201を介して端末装置102に対して送信される。ここで、送信できる動作指示や送信するプログラムは、それぞれ記憶手段(図示せず)で記憶して管理されている。具体的には、エアコンに対する電源オフ指示や照明器具に対する明るさ設定を「暗」にする指示を、当該端末装置が受信して実行できるコードに変換したもの、または、ファームウェアをインストールするためのプログラム、ファームウェアの所在を表すURI等である。
(5) 制御手段205
制御手段205は、上述した送受信手段201、端末情報管理手段203、動作状況管理手段204、指示決定手段202のそれぞれを管理し制御することで、サーバ装置101の機能を実現する。
【0024】
1.3 端末装置102の構成
続いて、端末装置102の詳細な構成を説明する。
図3に示すように、端末装置102は、機能ブロックとして、送受信手段301と、端末情報保持手段302と、入力受付手段303と、実行手段304と、制御手段305とを備える。
(1)送受信手段301
送受信手段301は、ネットワークを介してサーバ装置101と通信を行うための通信手段であり、例えば、GbE(Gigabit Ethernet(登録商標))のインターフェースを有する。
【0025】
送受信手段301は、サーバ装置101に対して、端末情報保持手段302で保持する端末固有情報と動作状況とを送信する。さらに、送受信手段101は、サーバ装置101から、動作指示、プログラムなどの指示を受信する。
(2)端末情報保持手段302
端末情報保持手段302は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体を有しており、当該端末装置を一意に識別するための識別子である端末ID、種別を示す品番、ファームウェアやミドルウェアなど内蔵するプログラムのバージョンを示すソフトウェアバージョンを、当該端末装置の端末固有情報として保持する。
【0026】
(3)入力受付手段303
入力受付手段303は、ボタン、タッチパネル、リモコンなどで構成される。入力受付手段303は、ユーザによる操作指示の入力を受け付ける。
(4)実行手段304
実行手段304は、端末装置102のそれぞれが有する個別の機能を実現する機能部である。実行手段304は、送受信手段301を介して受信した指示に基づく動作を実行する。指示が動作指示である場合、当該動作指示に従って動作する。指示がプログラムである場合、受信したプログラムのインストールやアップデートを実行する。
【0027】
また、実行手段304は、入力受付手段303が受け付けたユーザからの操作指示を実行する。
(5)制御手段305
制御手段305は、マイクロプロセッサ、及びメモリを含んで構成され、端末装置102全体の動作を制御する機能を有する。制御手段305の各機能はメモリに記憶されているコンピュータプログラムをマイクロプロセッサが実行することにより実現される。
【0028】
1.4 端末制御システムの動作
図4を用いて、サーバ装置101が端末装置102を制御する動作の一例について説明する。
端末装置102は、端末情報保持手段302で保持している端末固有情報と、実行手段304で実行した動作に関する動作状況とを、送受信手段301を介して、サーバ装置101へ送信する(ステップS101)。
【0029】
サーバ装置101は、送受信手段201を介して端末装置102から端末固有情報と動作状況とを受信し、受信した端末固有情報及び動作状況と、端末情報管理手段203に管理される端末固有情報および動作状況管理手段204に管理される動作状況とに基づき、端末装置群103へ送信する1以上の指示を指示決定手段202が決定する(ステップS102)。
【0030】
サーバ装置101の端末情報管理手段203は、送受信手段201が受信した端末固有情報に基づいて自身が管理するデータベースを更新し、動作状況管理手段204は、送受信手段201が受信した動作状況に基づいて自身が管理するデータベースを更新する(ステップS103)。
サーバ装置101の送受信手段201は、指示決定手段202が決定した指示を、端末装置群103の端末装置102に送信する(ステップS104)。
【0031】
端末装置群103の端末装置102は、送受信手段301を介して指示を受信し、当該端末装置102の実行手段304は、受信した指示に基づいて動作を実行する(ステップS105)。
1.5 まとめ
以上説明したように、一つの端末装置群103に含まれる1の端末装置102が行った動作またはユーザから受け付けた指示に基づいて、同一の端末装置群103に含まれる他の端末装置102に連係動作を行わせることができる。そのため、各端末装置102がサーバ装置101に通信する機能を備えるだけで、端末装置102が他の端末装置102を制御する機能を有していなくても、連係動作が可能となる。
【0032】
(実施の形態2)
本実施の形態では、端末装置の動作状況に基づいて端末装置群に送信する指示を決定し、指示を決定するために用いた端末固有情報の装置情報を用いて、指示の送信先となる端末装置を特定する構成について説明する。
なお、実施の形態1と同様の構成については同じ符号を、同様の動作については同じステップ番号をそれぞれ付し、説明を省略する。
【0033】
2.1 端末制御システムの構成
本実施の形態に係る端末制御システムは、
図5に示すように、サーバ装置104と、複数の端末装置102からなる端末装置群103とからなる。
ここで、本実施の形態に係るユースケースの一例を
図6に示す。端末装置群103には端末装置102として、分電盤102−1、エアコン102−2、IHクッキングヒータ102−3が含まれる。ルータ105は、NAPT(Network Address and Port Translation)機能により各端末装置102とサーバ装置104との通信を可能とする、いわゆるブロードバンドルータである。各端末装置102は、ルータ105を経由してサーバ装置104と通信を行う。
【0034】
2.2 サーバ装置104の構成
続いて、サーバ装置104の詳細な構成を説明する。
サーバ装置104は、サーバ装置101と同様に、マイクロプロセッサ、及びRAM、ROM、ハードディスクなどから構成されるコンピュータとして実現される。
図7に、サーバ装置104の機能ブロック図を示す。サーバ装置104は、機能ブロックとして、送受信手段211と、指示決定手段212と、端末情報管理手段213と、動作状況管理手段214と、制御手段215と、端末装置特定手段216とを備える。
【0035】
(1)送受信手段211
送受信手段211は、ネットワークを介して端末装置102と通信を行うための通信手段であり、例えば、GbE(Gigabit Ethernet(登録商標))のインターフェースを有する。送受信手段211は、端末装置102から端末固有情報と動作状況とを受信する。
【0036】
さらに、送受信手段211は、端末装置102に対して、指示を送信する。具体的には、送受信手段211は、端末装置102に対して、例えば、電源オンする、電源オフタイマーをセットする、温度調節する等の動作指示を送信する。または、送受信手段201は、端末装置102に対して、機能追加や不具合修正を行うためのプログラムを送信する。なお、送受信手段211は、送受信手段201と同様に、プログラムに代えてプログラムをインストールするためのインストーラ、または、プログラムの所在を示すURIやプログラムを取得するためのダウンローダを送信してもよい。
【0037】
(2)端末情報管理手段213、動作状況管理手段214
端末情報管理手段213は、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブなどの不揮発性の記憶媒体を有しており、送受信手段211を介して受信した端末固有情報を、接続情報と対応付けて、データベースとして記憶し管理する。接続情報は、端末装置の接続元IPアドレスと、接続時刻とを含み、送受信手段211が端末固有情報を取得した際に生成する。
【0038】
動作状況管理手段214は、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブなどの不揮発性の記憶媒体を有しており、送受信手段211を介して受信した動作状況を、接続情報と対応付けて、データベースとして記憶し管理する。
端末固有情報と動作状況との具体例を
図8に示す。
図8は、同一の接続情報に対応付けられた端末固有情報と動作状況とを1つのレコードとして示している。例えば、レコードR1の端末固有情報は、端末IDが”12345678”であり、品番が”AIRCON2011”である。端末IDは、この端末装置102を一意に特定する識別子である。また、品番は端末装置102の種類を識別するためのものであり、”AIRCON2011”は、2011年製造のエアコンであることを示している。また、レコードR1の動作状況は、”電源オン”である。これは、この動作状況が送信されたときに、エアコンの電源がオンになったことを示している。レコードR1の接続情報は、接続元IPアドレスが”1.2.3.4”であり、接続時刻が”2012/9/26 21:33:50”である。これは、当該端末装置102のIPv4アドレスが”1.2.3.4”であり、接続情報と動作状況とが、”2012年9月26日 21時33分50秒”に取得されたものであることを示している。
【0039】
なお、上述したように、端末装置102はルータ105を経由してサーバ装置104と通信を行っているため、接続元IPアドレスは、実際には接続時刻におけるルータ105のグローバルIPアドレスである。
(3)指示決定手段212
指示決定手段212は、送受信手段211を介して受信した動作状況と、端末情報管理手段213で管理するデータベースと動作状況管理手段214で管理するデータベースとの両方に基づいて、端末装置群に対して送信する指示を決定する。指示には、動作指示、プログラム、又はその両方が含まれる。決定した指示は、送受信手段211を介して端末装置102に対して送信される。ここで、指示できる動作の一覧や送信するプログラムは、指示決定手段212が有しているフラッシュメモリ、ハードディスクドライブなどの不揮発性の記憶媒体に記憶され、指示決定手段212が管理している。
【0040】
指示決定手段212は複数の連携ルールを保持しており、この連携ルールに従って、指示決定手段は受信した動作状況に基づいてどの端末装置にどのような指示をするかを決定する。
図10に連携ルールの例を示す。例えば、分電盤から”消費電力が許容量の80%以上”の動作状況を受信した場合、指示決定手段212はRULE1に基づいて、”1口以上が動作中”のIHクッキングヒータに対して”火力を弱める”、”照度設定が「強」”のLED照明に対して”照度設定を「弱」に変更”、”画面の明るさが「明」”のテレビ受像機に対して”画面の明るさを「暗」に変更”、”乾燥動作中”の食器洗乾燥機に対して”乾燥を一時停止”、”動作モードが98℃保温”の電気ポットに対して”動作モードを60℃保温に変更”の順に指示を決定する。このようにすることで、消費電力が許容量を超える恐れがあることを予測して端末装置の消費電力を削減する連携動作を行い、ブレーカが落ちてしまうことを未然に防ぐことができる。また、例えば、エアコンが室外機に設けている湿度計の測定結果から”湿度が70%以上に上昇”の動作状況を送信した場合、指示決定手段212はRULE2に基づいて、”動作モード:洗濯のみ”で動作中または動作予約中の洗濯機に対して”動作モード:洗濯+乾燥”に変更する指示を決定する。このようにすることで、エアコンの湿度計を用いて天候が崩れる恐れがあることを予測し、洗濯機の乾燥機能を自動的に使用するという連携動作が可能となる。なお、上述したRULE1の場合のように、指示決定手段212は、複数の端末装置のそれぞれに異なる指示を送ることを決定してもよいし、その際に優先度を設けて優先度の高い指示から順に指示を決定するとしてもよい。
【0041】
(4)端末装置特定手段216
端末装置特定手段216は、指示決定手段212で決定した指示の送信対象となる端末装置102を特定する。
具体的には以下のような手順で端末装置102の特定を行う。まず、端末装置特定手段216は、指示決定手段212が指示を決定するために用いた動作状況に対応する接続情報を取得する。次に、取得した端末固有情報の接続元IPアドレスと接続時刻を基に、接続時刻が取得した接続時刻前後の一定時間内、例えば5分以内であり、かつ、接続元IPアドレスが取得した接続元IPアドレスと同一である接続情報を、端末情報管理手段213が管理するデータベースから探し出す。上述したように、接続元IPアドレスは実際にはルータ105のグローバルIPアドレスであるから、接続時刻が近く同一の接続元IPアドレスを有する端末装置102同士は同一のルータ105に接続されている、すなわち、1つの端末装置群103に属すると見なせるからである。最後に、探し出した接続情報に含まれる品番を参照し、指示決定手段212が決定した指示の送信対象に該当するか否かを判別する。品番が指示の送信対象に該当すると判別された場合、指示決定手段212は、当該接続情報に対応する端末装置102を指示の送信先であると特定する。
【0042】
なお、品番が指示の送信対象に該当するような接続情報を一つも見つけられなかった場合、端末装置102が特定できなかったことを制御手段215に通知する。
(5)制御手段215
制御手段215は、上述した送受信手段211と、指示決定手段212と、端末情報管理手段213と、動作状況管理手段214と、端末装置特定手段216とのそれぞれを管理し制御することで、サーバ装置104の機能を実現する。
【0043】
2.4 端末制御システムの動作
本実施の形態に係る端末制御システムの動作の一例について説明する。
図9は、本実施の形態に係る端末制御システムの動作を示すフローチャートである。
まず、端末装置102は、端末情報保持手段302で保持する端末固有情報と、動作状況とを、送受信手段301を介してサーバ装置104に送信する(ステップS111)。動作状況とは、実行手段304が実行した処理に関する情報、または、入力受付手段303が受け付けたユーザの指示である。端末装置102は、入力受付手段303でユーザの指示を受け付けたとき、または、実行手段304が何らかの処理を行った際に、このステップS111の動作を行う。
【0044】
サーバ装置104は、送受信手段211を介して端末装置102から動作状況と端末固有情報とを受信し、送受信手段211が受信した動作状況と、端末情報管理手段213が管理する端末固有情報と、動作状況管理手段214が管理する動作状況とに基づき、指示決定手段212が、端末装置群103へ送信する1つ以上の指示を決定する(ステップS112)。
【0045】
ステップS112の動作について具体的に説明する。
図8のレコードR1からR4はエアコン102−2から取得したものであり、品番「AIRCON2011」はエアコンを示す。同様に、レコードR11からR14は分電盤102−1から取得したものであり、品番「PANEL2012」は分電盤を示す。また、レコードR21からR24はIHクッキングヒータ102−3から取得したものであり、品番「IHCH2010」はIHクッキングヒータを示す。
【0046】
例えば、
図8のレコードR11を分電盤102−1から送受信手段211が受信したとき、指示決定手段212は、消費電力が許容量の85%であることを認識する。指示決定手段212は、
図10に示す連携ルールを参照し、端末装置「分電盤」が動作状況「消費電力が許容量の85%」を通知してきた場合に、端末装置群103へ送信することのできる指示があるか否かを判定する。指示決定手段212は、
図10の連携ルールRULE1に基づいて指示できることが分かるので、端末装置「IHクッキングヒータ」において「1口以上が動作中」である場合に、「火力を弱める」指示を送信することを決定する。同様に、指示決定手段212は、LED照明の照度設定が「強」であれば「弱」に変更する指示、テレビ受像機の画面の明るさが「明」であれば「暗」に変更する指示、食器洗乾燥機が乾燥動作中であれば一時停止する指示、電気ポットの動作モードが98℃保温であれば60℃保温に変更する指示を決定する。
【0047】
サーバ装置104の端末情報管理手段213は、送受信手段211が受信した端末固有情報に基づいて自身が管理するデータベースを更新し、動作状況管理手段214は、送受信手段211が受信した動作状況に基づいて自身が管理するデータベースを更新する(ステップS113)。
次に、サーバ装置104は、端末装置特定手段216において、指示決定手段212が決定した1つ以上の指示に対し、送付する端末装置102を特定する(ステップS114)。上述の具体例に従って説明を続ける。指示決定手段212が指示を決定するために用いた動作状況は
図8のレコードR11であるから、端末装置特定手段216は、レコードR11の接続元IPアドレス「1.2.3.4」を接続元とし、かつ、レコードR11の接続時刻「2012年9月26日 21時37分50秒」の前後5分間を接続時刻とする接続情報に対応する端末固有情報を、端末情報管理手段213が管理するデータベースから探し出す。この条件に該当する端末固有情報は、レコードR1とレコードR21である。次に、端末装置特定手段216は、レコードR1とレコードR21との品番から、それぞれの端末装置102が指示の送信対象であるか否かを判定する。レコードR1、レコードR21の品番はそれぞれ「AIRCON2011」、「IHCH2010」であるから、端末装置特定手段216は、レコードR1に係る端末装置がエアコン102−2、レコードR21に係る端末装置がIHクッキングヒータ102−3であることが判別できる。以上の処理により、端末装置特定手段216は、IHクッキングヒータ102−3であるレコードR21に係る端末ID「98765432」を、指示の送信先となる端末装置の端末IDとして特定する。
【0048】
次に、端末装置特定手段216は、端末装置102に対して指示を送信してよいかを判断する(ステップS115)。上述の具体例に従って説明を続ける。端末装置特定手段216は、動作状況管理手段214が管理するデータベースから、特定した端末装置102−3である端末ID「98765432」の動作状況を取得し、指示を受け付ける状態、すなわち、「1口以上が動作中」であるか否かを判定する。端末装置特定手段216は、レコードR21の動作状況「電源オン、火力5」より、IHクッキングヒータ102−3において「1口以上が動作中」であることが判別できるので、端末ID「98765432」のIHクッキングヒータ102−3に対して指示を送信してよいと判断する。
【0049】
制御装置215は、端末装置特定手段216が端末装置102に対して指示を送信してよいと判断した場合、送受信手段211を介して端末装置102へ送信する(ステップS116)。例えば、制御装置215は、IPアドレス「1.2.3.4」に対し、対象装置が端末ID「98765432」のIHクッキングヒータ102−3であり、指示内容が「火力を弱める」である指示を送信する。ここで、サーバ装置104とIHクッキングヒータ102−3との通信路は、予め開かれているとしてもよいし、端末102−3が定期的に指示を受け取るためにサーバ装置104に接続するとしてもよいし、または、ルータ105がUPnP(Universal Plug and Play)によりサーバ装置104からIHクッキングヒータ102−3への接続を可能にしてもよい。なお、制御装置215は、端末装置特定手段216が端末装置102に対して指示を送信しないと判定した場合は処理を終了する。
【0050】
端末装置102は、送受信手段301を介して指示を受信し、実行手段304は、受信した指示に基づいた動作を実行する(ステップS117)。上述の例の場合、端末ID「98765432」のIHクッキングヒータ102−3は、実行手段304において、火力を5から3に変更する。
2.5 まとめ
以上説明したように、一つの端末装置群103に含まれる1の端末装置102が行った動作またはユーザから受け付けた指示に基づいて、同一の端末装置群103に含まれる他の端末装置102に連係動作を行わせることができる。その際、端末装置102がサーバ装置104に接続した際の接続時刻と接続元IPアドレスとを用いて他の端末装置102を特定することにより、各端末装置102がどの端末装置群103に属するかのデータをサーバ装置104が保持する必要がない。そのため、ユーザは、ユーザ登録などの所有する各端末装置102をサーバ装置104に登録する作業を行う必要がなく、所有する家電装置等をネットワークに接続するだけで、相互に連携動作をさせることが可能となる。
【0051】
(実施の形態3)
本実施の形態では、端末装置が宅外へ持ち出し可能な可搬端末である場合に、宅内にある端末装置と、宅外に存在する可搬端末との間で連携動作を行うための構成について説明する。
なお、実施の形態1および実施の形態2と同様の構成については同じ符号を、同様の動作については同じステップ番号をそれぞれ付し、説明を省略する。
【0052】
3.1 端末制御システムの構成
本実施の形態に係る端末制御システムは、
図11に示すように、サーバ装置106と、複数の端末装置102からなる端末装置群103とからなる。
ここで、本実施の形態に係るユースケースの一例を
図12に示す。端末装置群103には、携帯電話102−11と、エアコン102−12とが含まれる。エアコン102−12は、実施の形態2と同じくルータ105を経由してサーバ装置106と通信を行う。一方、携帯電話102−11は、次のように通信を行う。すなわち、携帯電話102−11は、宅内で使用される場合には、例えば、IEEE802.11nでルータ105と接続し、ルータ105を経由してサーバ装置106と通信を行う。一方、携帯電話102−11は、宅外で使用される場合は、例えば、LTEで携帯電話網に接続し、サーバ装置106と通信を行う。
【0053】
3.2 サーバ装置106の構成
続いて、サーバ装置106の詳細な構成を説明する。
サーバ装置106は、サーバ装置101、サーバ装置104と同様に、マイクロプロセッサ、及びRAM、ROM、ハードディスクなどから構成されるコンピュータとして実現される。
【0054】
サーバ装置106の機能ブロック図を
図13に示す。サーバ装置106は、可搬機器判別手段227をさらに備え、制御手段215と端末装置特定手段216とに代えて制御手段225と端末装置特定手段226とを備える以外、サーバ装置104と同じ構成である。
(1)可搬機器判断手段227
可搬機器判断手段227は、端末情報管理手段213が管理する端末固有情報に基づいて、各端末装置102が、宅外に持ち出される可能性のある可搬端末であるか、宅内に設置されたまま使用される端末装置であるかを判断する。具体的には、端末固有情報に含まれる品番から、当該端末が可搬端末であるか否かを判断する。例えば、
図14に示されるR51およびR52の端末固有情報に対して、可搬機器判断手段227は、品番”CELLPHONE”が携帯電話を示すことから、端末IDが5678の端末装置である携帯電話102−11を可搬端末であると判断する。同様に、
図14で示されるR31およびR41の端末固有情報に対して、可搬機器判断手段227は、品番”AIRCON2012”および”WASHER2010”がそれぞれエアコンと洗濯機とを示すことから、端末IDが12345678および98765432の各端末装置を、いずれも可搬端末ではないと判断する。
【0055】
(2)端末装置特定手段226
端末装置特定手段226は、指示決定手段212で決定した指示の送信対象となる端末装置102を特定する。
具体的には、端末装置特定手段226は、以下の手順で端末装置102の特定を行う。まず、端末装置特定手段226は、指示決定手段212が指示を決定するために用いた動作状況を取得し、当該動作状況に係る端末装置102が可搬端末であるか否かを可搬機器判断手段227に問い合わせる。指示決定手段212が指示を決定するために用いた動作状況に係る端末装置102が可搬端末でない場合には、端末装置特定手段226は、端末装置特定手段216と同じ方法で指示の送信対象となる端末装置102を特定する。
【0056】
一方、指示決定手段212が指示を決定するために用いた動作状況に係る端末装置102が可搬端末である場合には、端末装置特定手段226は、指示決定手段212が指示を決定するために用いた動作状況に対応する端末固有情報を取得する。次に、取得した端末固有情報の端末IDを基に、「取得したIDを含む端末固有情報」と、「取得したIDを含む端末固有情報と接続元IPアドレスが等しく、かつ、取得したIDを含む端末固有情報の接続時間前後の一定時間内に取得された端末固有情報」との組み合わせを、端末情報管理手段213が管理するデータベースから探し出す。指示を決定するために用いた動作状況に係る端末装置102が可搬端末であれば、当該端末装置102の接続元IPアドレスは、ルータ105のグローバルIPアドレスであることもあれば、携帯電話網から割り当てられたグローバルIPアドレスであることもあり得る。したがって、当該端末装置102の現在の接続元IPアドレスのみならず、過去の接続元IPアドレスを参照すれば、ルータ105のグローバルIPアドレスを接続元IPアドレスとする接続情報を用いて1つの端末装置群103を見つけ出すことができるからである。最後に、探し出した接続情報に含まれる品番を参照し、指示決定手段212が決定した指示の送信対象に該当するか否かを判別する。品番が指示の送信対象に該当すると判別された場合、指示決定手段212は、当該接続情報に対応する端末装置102を指示の送信先であると特定する。
【0057】
なお、品番が指示の送信対象に該当するような接続情報を一つも見つけられなかった場合、端末装置102が特定できなかったことを制御手段215に通知する。
(3)制御手段225
制御手段225は、上述した送受信手段211と、指示決定手段212と、端末情報管理手段213と、動作状況管理手段214と、端末装置特定手段226と、可搬機器判別手段227とのそれぞれを管理し制御することで、サーバ装置106の機能を実現する。
【0058】
3.4 端末制御システムの動作
本実施の形態に係る端末制御システムの動作の一例について説明する。
図15は、本実施の形態に係る端末制御システムの動作を示すフローチャートである。
まず、端末装置102は、端末情報保持手段302で保持する端末固有情報と、動作状況とを、送受信手段301を介してサーバ装置106に送信する(ステップS111)。動作状況とは、実行手段304が実行した処理に関する情報、または、入力受付手段303が受け付けたユーザの指示である。例えば、携帯電話102−11は、「エアコンの電源オフ指示」をユーザから受け取り、「エアコンオフ」の動作状況をサーバ装置106に送信する。
【0059】
サーバ装置106は、送受信手段211を介して端末装置102から動作状況と端末固有情報とを受信し、送受信手段211が受信した動作状況と、端末情報管理手段213が管理する端末固有情報と、動作状況管理手段214が管理する動作状況とに基づき、指示決定手段212が、端末装置群103へ送信する1つ以上の指示を決定する(ステップS112)。
【0060】
ステップS112の動作について具体的に説明する。例えば、
図14のR52を次送受信手段211が受信したとき、指示決定手段212は、端末IDが「5678」の携帯電話102−11を通じて、ユーザから「エアコンオフ」の指示があったことを認識する。指示決定手段212は、自身が保持している連携ルールを参照し、端末装置「携帯電話」から動作状況「エアコンオフ」を通知してきた場合に、端末装置群103へ送信することのできる指示があるか否かを判定する。指示決定手段212は、端末装置「エアコン」において「電源オン」である場合に、「電源オフ」指示を送信することを決定する。
【0061】
サーバ装置106の端末情報管理手段213は、送受信手段211が受信した端末固有情報に基づいて自身が管理するデータベースを更新し、動作状況管理手段214は、送受信手段211が受信した動作状況に基づいて自身が管理するデータベースを更新する(ステップS113)。
次に、サーバ装置106は可搬機器判断手段227において、指示決定手段212が指示を決定するために用いた動作状況に係る端末装置102が可搬機器であるか否かを判断する(ステップS124)。例えば、指示決定手段212が
図14のR52に示す動作状況に基づいて指示を決定した場合、可搬機器判断手段227は、指示決定手段212が指示を決定するために用いた動作状況に係る携帯電話102−11の品番が「CELLPHONE」であることから携帯電話102−11が可搬機器であると判別する。
【0062】
次に、サーバ装置106は、端末装置特定手段226において、指示決定手段212が決定した1つ以上の指示に対し、送付する端末装置102を特定する(ステップS125)。例えば、指示決定手段212が指示を決定するために用いた動作状況に係る端末装置102が可搬機器であると判別している場合、端末装置特定手段226は、R52の端末ID「5678」を端末IDとする端末固有情報Xと、端末固有情報Xと接続元IPアドレスを同じくし、かつ、端末固有情報Xの接続時刻の前後5分間を接続時刻とする端末固有情報Yとを、端末情報管理手段213が管理するデータベースから探し出す。この条件に該当する端末固有情報の組み合わせは、端末固有情報XとしてのR51と、端末固有情報YとしてのR31との組み合わせである。次に、端末装置特定手段226は、R31の品番から、対応する端末装置102が指示の送信対象であるか否かを判定する。R31の品番は「AIRCON2012」であるから、R31に対応する端末装置102がエアコン102−12であることが判別できる。以上の処理により、端末装置特定手段226は、エアコン102−12の端末ID「12345678」を、指示の送信先として特定する。
【0063】
次に、端末装置特定手段226は、端末装置102に対して指示を送信してよいかを判断する(ステップS115)。例えば、端末装置特定手段226は、動作状況管理手段214が管理するデータベースから、端末ID「12345678」を用いて、特定した端末装置102であるエアコン102−12の動作状況を取得し、指示を受け付ける状態、すなわち、「電源オン」であるか否かを判定する。端末装置特定手段226は、R35の動作状況「電源オン」より、エアコン102−12が動作中であることが判別できるので、エアコン102−12に対して指示を送信してよいと判断する。
【0064】
制御装置225は、端末装置特定手段226が端末装置102に対して指示を送信してよいと判断した場合、送受信手段211を介して端末装置102へ送信する(ステップS126)。ここで、送受信手段211は、指示の送信先となる端末装置102の端末IDに係る最新の接続情報を、端末情報管理手段113が管理するデータベースから取得し、指示の送信先となる端末装置102のIPアドレスを特定する。送受信手段211は、エアコン102−2に係る最新の接続情報R35から、エアコン102−2のIPアドレスが「1.2.5.6」であることを特定できる。
【0065】
端末装置102は、送受信手段301を介して指示を受信し、実行手段304は、受信した指示に基づいた動作を実行する(ステップS117)。上述の例の場合、端末ID「12345678」のエアコンは、実行手段304において、電源をオフにする。
3.5 その他の連携ルール例
以上、携帯電話の動作状況に基づいてエアコンに連携動作をさせる例について説明したが、これ以外にも、下記のような連携ルールを用いてもよい。
【0066】
例えば、携帯電話から「冷蔵庫内の画像を取得」の動作状況を受信した場合に、端末装置「冷蔵庫」に「各室内の画像を庫内カメラで撮影し携帯電話に転送」させる指示を送信してもよい。このようにすることで、冷蔵庫に何があるかをユーザが買い物中に確認することができ、買い忘れや、購入済みのものを重複して買うことを防ぐことができる。
また、例えば、携帯電話から「帰宅時間が2時間遅延」の動作状況を受信した場合に、端末装置「炊飯器」に「タイマがセットされており、炊飯を開始していなければ、予約時間を2時間遅らせる」指示を送信してもよい。このようにすることで、外出前に設定したタイマに合わせた帰宅ができなくなった場合に、帰宅時間のずれに合わせてタイマの時間をずらし、炊き上がりが早すぎる、あるいは、炊飯が完了していないといった事態を防ぐことができる。
【0067】
3.6 まとめ
以上説明したように、一つの端末装置群103に含まれる1の端末装置102が行った動作またはユーザから受け付けた指示に基づいて、同一の端末装置群103に含まれる他の端末装置102に連係動作を行わせるとき、当該1の端末装置102が携帯電話等の可搬端末であっても、当該1の端末装置102が過去にサーバ装置106に接続した際の接続時刻と接続元IPアドレスとを用いることで、他の端末装置102を特定できる。そのため、ユーザは、ユーザ登録などの所有する各端末装置102をサーバ装置106に登録する作業を行わなくても、外出先から携帯電話等を用いて、自宅の家電機器に連携動作をさせることが可能となる。
【0068】
(変形例1)
4.1 端末制御システムの動作
実施の形態3においては、可搬端末である端末装置102の動作状況を基に、可搬端末でない端末装置102に指示を送る場合について説明した。
本変形例においては、端末装置102の動作状況を基に、可搬端末である端末装置102に指示を送る場合について説明する。
【0069】
図16に本変形例に係る動作のフローチャートを示す。
図16に示すように、サーバ装置106の端末情報管理手段213と動作状況管理手段214とがデータベースを更新する動作(S113)までは、実施の形態2および実施の形態3と同様であるので説明を省略する。
次に、サーバ装置106は、可搬機器判断手段227において、指示決定手段212が決定した指示の送信対象となる端末装置102が可搬機器であるか否かを判断する(ステップS134)。例えば、指示の送信対象となる端末装置102が携帯電話であれば、可搬機器判断手段227は、指示の送信対象となる端末装置が可搬機器であると判断する。
【0070】
次に、サーバ装置106は、端末装置特定手段226において、指示決定手段212が決定した1つ以上の指示に対し、送付する端末装置102を特定する(ステップS135)。ここで、可搬機器判断手段227が指示の送信対象となる端末装置102が可搬機器であると判断している場合、端末装置特定手段226は、S125と同様に、指示決定手段212が指示を決定するために用いた動作状況に対応する端末固有情報と、当該端末固有情報と接続元IPアドレスが等しく、かつ、当該端末固有情報の接続時間前後の一定時間内に取得された端末固有情報との組み合わせを、端末情報管理手段213が管理するデータベースから探し出す。そして、探し出した接続情報に含まれる品番を参照し、指示決定手段212が決定した指示の送信対象に該当するか否かを判別する。品番が指示の送信対象に該当すると判別された場合、指示決定手段212は、当該接続情報に対応する端末装置102を指示の送信先であると特定する。
【0071】
次に、端末装置特定手段226は、端末装置102に対して指示を送信してよいかを判断する(ステップS115)。端末装置特定手段226は、動作状況管理手段214が管理するデータベースから、特定した端末装置102の動作状況を取得し、指示を受け付ける状態であるか否かを判断する。
制御装置225は、端末装置特定手段226が端末装置102に対して指示を送信してよいと判断した場合、送受信手段211を介して端末装置102へ送信する(ステップS126)。
【0072】
端末装置102は、送受信手段301を介して指示を受信し、実行手段304は、受信した指示に基づいた動作を実行する(ステップS117)。
このようにすることで、宅内の端末装置の動作状況を基に、宅外の携帯電話などの可搬機器を連係動作させることができる。例えば、留守にしている自宅の家電機器の動作状況を、外出中のユーザの携帯電話に通知することができる。
【0073】
4.2 連携ルールの例
以下に、宅内の家電機器の動作状況を基に、宅外の携帯電話などの可搬機器を連携させる連携ルールを示す。
例えば、端末装置「エアコン」から「外出モードにおいて人を検知した」動作状況を得てから3分以内に「外出モード解除」の動作状況が送られてこない場合、端末装置「携帯電話」に「自宅に侵入者ありのメッセージを表示」する指示を送るとしてもよい。具体的には、ユーザは外出直前に、リモコンを用いてエアコンに外出モードに設定する。エアコンは、外出モードに設定された旨の動作状況をサーバ装置に送信する。エアコンはさらに、室内機に内蔵された人感センサで人を検知すると、その旨の動作状況をサーバ装置に送信する。サーバ装置は、連携ルールに基づき、外出モード設定時に人の検知があり、人の検知から3分以内に外出モード解除の動作状況がない場合には、スマートホンに「自宅に侵入者あり」のメッセージを表示する指示を決定する。サーバ装置は、人を検知した旨の動作状況を受信してから3分以内に同一のエアコンから動作モードが解除された旨の動作状況を得られない場合、エアコンと同一の端末装置群103に属する全てのスマートホンに対して、「自宅に人が侵入した」ことを通知する指示を送信する。
【0074】
また、例えば、端末装置「電子錠システム」から「子供が帰宅した」動作状況を得た場合、端末装置「携帯電話」に「子供が帰宅したメッセージを表示する」指示を送るとしてもよい。具体的には、ユーザが子供に持たせている鍵で電子錠システムが開錠されたとき、電子錠システムは「子供が帰宅した」動作状況をサーバ装置に送信する。サーバ装置は、連携ルールに基づき、携帯電話に「子供が帰宅した」のメッセージを表示する指示を送信する。なお、端末装置「電子錠システム」から「子供が帰宅した」動作状況を得た場合、のトリガに代えて、端末装置「テレビ受像機」から「子供向けジャンルの番組が視聴されている」動作状況を得た場合、としてもよい。この場合、テレビ受像機は、例えば、EPG(Electronic Program Guide)のジャンル情報や番組タイトルから視聴されている番組が子供向けであるかどうか判定することができる。なお、テレビ受像機は動作状況として単に視聴されている番組のタイトルとジャンル情報を送信し、その番組が子供向けであるか否かはサーバ装置が判定するとしてもよい。
【0075】
(変形例2)
5.1 端末制御システムの動作
実施の形態2および実施の形態3においては、接続情報において接続元IPアドレスが一致し、接続時刻が相互に近傍であることを基準として、同一の端末装置群103に所属するか否かの判定を行った。しかしながら、一時的に端末装置群103に組み込んだ可搬端末の動作に基づいて他の端末装置102に指示を送った場合、その履歴を基にして、当該可搬端末が端末装置群103から離れた後でも、当該可搬端末の動作に基づいてその端末装置群103に属する他の端末装置102に対して指示を送信することが可能になってしまう問題がある。具体的には、実家に帰省した学生が所有する携帯電話の動作に基づいて実家の家電機器を連携動作させた場合、当該学生が実家を離れた後であっても、携帯電話の動作に基づいて実家の家電機器が連携動作するという不具合が発生し得る。
【0076】
そこで、例えば、サーバ装置104は、1の端末装置102の動作状況に基づいて他の端末装置102に指示を送信してよいか否かの連携許可をユーザから取得してデータベースとして管理する指示許可情報管理手段をさらに有し、当該データベースに従って指示を送信するか否かを決定するとしてもよい。
具体的には、指示許可情報管理手段は、指示決定手段212が指示を決定するために用いる動作状況に係る端末装置102の装置IDと、指示の送信対象となる端末装置102の装置IDとの組み合わせについて、ユーザから連携許可を得ているか否かを管理する。
図17に、ユースケースを示す。ここでは、指示決定手段212が指示を決定するために用いる動作状況に係る端末装置102は携帯電話102−21であり、指示の送信対象となる端末装置102はエアコン102−22であり、テレビ受像機102−23は後述する表示端末である。サーバ装置104は、ステップS115において、指示決定手段212が指示を決定するために用いる動作状況に係る端末装置102の装置IDと、指示の送信対象となる端末装置102の装置IDとの組み合わせについて、ユーザから連携許可を得ているか否かを判断し、連携許可を得ている場合は、指示の送信対象となる端末装置102に指示を送信してよいと判定する。一方、連携許可がない場合、連携を行ってよいか否かの問い合わせを表示するための指示を表示端末に送信し、表示端末を介してユーザから連携許可を得られた場合には、指示決定手段212が指示を決定するために用いる動作状況に係る端末装置102の装置IDと、指示の送信対象となる端末装置102の装置IDとの組み合わせについて連携許可を得た旨を指示許可情報管理手段が管理するデータベースに登録し、指示の送信対象となる端末装置102に指示を送信してよいと判定する。
【0077】
ここで、表示端末とは、端末装置102と同じ端末装置群103に属する端末装置であって、表示部と入力部を有する任意の端末装置であり、例えば、テレビ受像機102−23である。表示端末は、端末装置特定手段216が指示の送信先となる端末装置102を特定するのと同様に、例えば、指示決定手段212が指示を決定するために用いた動作状況に係る端末固有情報と接続元IPアドレスが一致し、当該端末固有情報と接続時刻が近く、品番にテレビ受像機を示すTVを含む端末固有情報を探すことで特定することができる。例えば、表示端末であるテレビ受像機102−23は、
図18のように、携帯電話102−21と、エアコン102−22との組み合わせに対して連携動作を行ってよいか否かの表示を行い、リモコンからユーザの指示を受領する。なお、
図18に示す画面においてユーザから「今回のみ」の指示があった場合、サーバ装置104は、指示許可情報管理手段が管理するデータベースに連携許可を得た旨を登録せずに指示の送信対象となる端末装置102に指示を送信してよいと判定する、としてもよい。
【0078】
なお、表示端末は、ユーザへの問い合わせとユーザからの指示の受付ができるものであればテレビ受像機に限られず、例えば、タッチパネルモニタのついた冷蔵庫など、可搬端末でない任意の装置であってよい。なお、スマートホンなど可搬端末であっても、当該可搬端末の現在のIPアドレスと指示の送信対象となる端末装置102の現在のIPアドレスとが同一であれば、当該可搬端末を表示端末として使用してもよい。また、指示の送信対象となる端末装置102と、表示端末とが同一の装置であってもよい。
【0079】
(実施の形態に係るその他の変形例)
(1)実施の形態1〜3において、端末情報管理手段203または端末情報管理手段213と、動作状況管理手段204または動作状況管理手段214とが個別に記憶媒体を有し、データベースを管理する場合について説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限られない。例えば、端末情報管理手段203と動作状況管理手段204とは、単一の記憶媒体を共有し、同一のデータベースを管理するものとしてもよい。また、例えば、サーバ装置101は、端末情報管理手段203と動作状況管理手段204との双方の機能を備える単一の情報管理手段を、端末情報管理手段203と動作状況管理手段204とに代えて備えるとしてもよい。
【0080】
また、変形例2において、指示許可情報管理手段と端末情報管理手段213と動作状況管理手段214とは、単一の記憶媒体を共有し、同一のデータベースを管理するものとしてもよい。
または、例えば、端末情報管理手段203と動作状況管理手段204とは、サーバ装置101の外部にあるデータベースサーバを管理するものとしてもよい。
【0081】
(2)実施の形態2〜3において、接続情報を送受信手段211が生成する場合について説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限られない。例えば、端末情報管理手段213と動作状況管理手段214とがそれぞれ接続情報を生成するものとしてもよい。または、端末装置102が接続情報を生成し、端末固有情報または動作状況とともに送受信手段211に送信するものとしてもよい。
【0082】
(3)実施の形態2〜3において、接続情報に含まれる接続元IPアドレスは、IPv4アドレスであるとしたが、本発明は必ずしもこの場合に限られない。例えば、接続情報として、IPv6アドレスを用いてもよい。また、接続元IPアドレスに代えて、同一のルータの配下であることを認識できる任意の識別子を用いてもよい。
(4)実施の形態2〜3において、各端末装置102が、入力受付手段303でユーザの指示を受け付けたとき、または、実行手段304が何らかの処理を行った際に、サーバ装置104もしくは106に端末固有情報と動作状況とを送信する場合について説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限られない。例えば、端末装置102は、ユーザ指示や自身の動作の有無に関係なく、定期的に端末固有情報と動作状況とを送信するとしてもよい。
図19に端末装置の設定例を示す。このようにすることで、サーバ装置104もしくは106は、端末装置102の送信間隔が1時間であれば、1時間以内に送信された端末固有情報と動作状況とを常に保持することができる。
【0083】
または、例えば、端末装置102は、端末固有情報を最後に送信した後一定の時間が経過した際に、端末固有情報を送信するとしてもよい。具体的には、例えば、一定の時間が1時間であるとした場合、端末装置102は、入力受付手段303でユーザの指示を受け付けたとき、または、実行手段304が何らかの処理を行った際に、サーバ装置104もしくは106に端末固有情報と動作状況とを送信し、最後に端末固有情報を送ってから1時間経過したときは、端末固有情報だけを送信する。このようにすることで、動作状況は変化があった場合にのみ送信して不必要な通信を行わない一方で、端末固有情報は定期的に送信することで、当該端末装置102の接続元IPアドレスに変更があった場合には速やかに端末情報管理手段213が管理するデータベースを更新させることが可能となる。
【0084】
(5)実施の形態2〜3において、端末装置特定手段216または226は、特定の動作状況に対応する接続情報と、接続元IPアドレスを同じくし、かつ、接続時間が当該接続情報の前後5分以内の接続情報を検索する場合について説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限られない。例えば、端末装置特定手段216は、接続時間が当該接続情報の前後10分以内の接続情報を検索するものとしてもよい。
【0085】
または、検索しようとしている端末装置102が上述の(4)のように一定のポーリング間隔で端末固有情報を送信する装置であれば、ポーリング間隔の範囲内で当該接続情報の前後を検索してもよい。例えば、
図19に示すように品番AIRCON2012のエアコンのポーリング間隔が30.0分の場合、端末装置特定手段216は、IHクッキングヒータの動作状況に基づいて決定された指示をエアコンに送信しようとする場合、当該IHクッキングヒータの動作状況に係る接続時刻の前後30.0分以内に取得されたエアコンの端末固有情報を検索するとしてもよい。
【0086】
(6)実施の形態2〜3において、端末装置特定手段216または226が指示決定手段212にて決定された指示の送信対象となる端末装置102の端末IDを特定する場合について説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。例えば、指示決定手段212が、同一の端末装置群103に属する全ての端末装置102に対して動作状態の通知を要求する指示を決定した場合、端末装置特定手段216は品番を限定することなく、複数の端末装置102を特定するとしてもよい。
【0087】
(7)実施の形態2〜3において、端末装置特定手段216または226が、指示の送信対象となる端末装置102に指示を送信してよいと判断できなかったときは処理を終了する場合について説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限られない。例えば、端末装置特定手段216は、指示の送信対象となる端末装置102に指示を送信してよいと判断できなかったとき、次の優先度を持つ指示の送信対象となる端末装置102の特定と、特定した端末装置102に指示を送信してよいかを判断するとしてもよい。このようにすることで、サーバ装置104は、連携動作の指示が送信できなかった場合に、次の優先度を持つ連携動作の指示の送信を試みることが可能となる。
【0088】
(8)実施の形態1〜3および変形例1、変形例2において、端末装置特定手段216または226が、指示の送信対象となる1の端末装置102を特定する場合について説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限られない。例えば、端末装置特定手段216は、指示の送信対象となる端末装置102を1つも特定できなかった場合、次の優先度を持つ指示の送信対象となる端末装置102の特定を試みるとしてもよい。このようにすることで、サーバ装置104は、指示の送信先となる端末装置が見つけられなかった場合に、次の優先度を持つ連携動作の指示の送信を試みることが可能となる。
【0089】
また、端末装置特定手段216は、指示の送信対象となる端末装置102を2以上特定した場合、ユーザに対していずれの端末装置102に指示を送るか問い合わせるとしてもよい。例えば、エアコンに対して電源オフの指示を送信しようとした場合に、同一宅内にエアコンが2台以上あった場合、変形例2のように表示端末を用いて、どのエアコンの電源オフを実行させるかの指定をユーザに入力させるとしてもよい。あるいは、可搬端末である携帯電話からエアコンに対して電源オフの指示を送信しようとした場合、携帯電話にエアコンの型番をリストアップし、どのエアコンの電源オフを実行させるかの指定をユーザに入力させてもよい。
【0090】
(9)実施の形態3および変形例1において、端末装置特定手段226が、指示決定手段212が指示を決定するために用いた動作状況に対応する端末固有情報と、当該端末固有情報と接続元IPアドレスが等しく、かつ、当該端末固有情報の接続時間前後の一定時間内に取得された端末固有情報との組み合わせを、端末情報管理手段213が管理するデータベースから無制限に探し出す場合について説明した。しかしながら、本発明は必ずしもこの場合に限られない。例えば、端末装置特定手段226は、端末固有情報の組み合わせに係る各端末固有情報の接続時刻は、現在時刻から一定期間内、例えば、2週間以内、あるいは、1か月以内に限るとしてもよい。このようにすることで、一時的に宅内に持ち込まれた可搬端末や、譲渡や廃棄等で宅内に存在しなくなった端末装置を排除することが可能となる。
【0091】
(10)変形例2において、サーバ装置106は、品番を基に表示装置を特定するとしたが、本発明は必ずしもこの場合に限られない。例えば、端末装置102が送信する端末固有情報には、当該端末装置が表示装置の機能を有するか否かを示す情報が含まれ、サーバ装置106は、当該情報を基に表示装置を特定するものとしてもよい。
(11)変形例2において、サーバ装置106は、連携許可がない場合、連携を行ってよいか否かの問い合わせを表示するための指示を表示端末に送信し、表示端末を介してユーザから連携許可を得られなかった場合には端末装置102に指示を送信しないとしたが、本発明は必ずしもこの場合に限られない。例えば、サーバ装置106は、指示決定手段112が指示を決定するために用いた動作指示に係る端末装置102が可搬端末でない場合には、連携許可がなくても、指示の送信対象となる端末装置102に指示を送信するとしてもよい。
【0092】
また、例えば、サーバ装置106は、指示決定手段112が指示を決定するために用いた動作指示に係る端末装置102が可搬端末である携帯電話であり、連携許可がない場合において、当該携帯電話にパスワードを入力する画面を表示し、ユーザが、指示の送信対象となる端末装置102を遠隔制御するために事前に設定したパスワードを入力すれば、指示の送信対象となる端末装置102に指示を送信するとしてもよい。
【0093】
また、サーバ装置106は、連携を行ってよいか否かの問い合わせを表示するための指示を表示端末に送信し、表示端末を介してユーザから連携拒否の入力を受け付けた場合に、指示決定手段112が指示を決定するために用いた動作指示に係る端末装置102と、指示の送信対象となる端末装置102との組み合わせをブラックリストに記憶し、当該組み合わせにおいては連携動作を行わないとしてもよい。
【0094】
(12)端末装置102とサーバ装置101、104、106の間の通信路は、セキュリティを施してもよい。例えば、端末装置102が送信データに暗号化を行い、サーバ装置101が復号してもよいし、その逆でもよい。また、サーバ装置101が端末装置102をチャレンジレスポンス認証してもよいし、その逆でもよいし、双方向認証をおこなってもよい。
【0095】
(13)実施の形態1〜3では、1つの装置が複数の機能(構成要素)を持つ構成としたが、本発明はこの構成に限定されるものではない。各機能(構成要素)が複数の装置に分かれ、それらの組み合わせにより同様の効果や機能が実現される場合も本発明に含まれる。例えば、実施の形態2では、サーバ装置104が端末情報管理手段213と動作状況管理手段214とを含むとしたが、これらを含まないサーバ装置と、端末情報管理手段213と動作状況管理手段214とを含むデータベースサーバとの組み合わせにより、サーバ装置104の機能が実現されてもよい。
【0096】
(14)実施の形態1〜3のサーバ装置の各機能ブロックのそれぞれは、典型的にはLSI(Large Scale Integration)として実現されてよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、1以上の手段、又は各手段の一部を含むように1チップ化されてもよい。
ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Ingegrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0097】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。
【0098】
また、各機能ブロックは、ソフトウェアで実現されてもよいし、LSIとソフトウェアの組み合わせで実現されてもよい。また、ソフトウェアは耐タンパ化されていてもよい。
(15)実施の形態1〜3に係るサーバ装置101、104、106、端末装置102のそれぞれを構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。前記ICカードまたは前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカードまたは前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカードまたは前記モジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0099】
(16)本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしてもよい。
【0100】
また、本発明は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。
【0101】
また、前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、または前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
(17)実施の形態1〜3の説明は本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができる。例えば、実施の形態2と変形例1とを組み合わせるとしてもよい。
【0102】
(補足)
以下に、実施の形態に係る制御方法、制御システム、サーバの構成および効果について説明する。
(1)実施の形態に係る制御方法は、ネットワークを介して、宅内に存在する複数の端末装置を1つの端末装置群として一元管理しコントロールするシステムにおける、端末装置の制御方法であって、前記システムは、情報取得手段と、情報管理手段と、指示決定手段と、端末装置特定手段と、指示送信手段とを含み、前記制御方法は、前記情報取得手段が、宅内にあるそれぞれの端末装置から、端末装置を特定するための端末固有情報と、端末装置の状況を示す動作状況とを取得する情報取得ステップと、前記情報管理手段が、前記情報取得手段が取得した端末固有情報と動作状況と、前記端末固有情報と前記動作状況とを取得した取得元の端末装置をネットワーク上で特定する接続元情報と、前記端末固有情報と前記動作状況とを取得した取得時刻とを関連付けて管理する情報管理ステップと、前記指示決定手段が、ある1つの端末装置から取得した動作状況に基づいて、前記取得した動作状況に応じた動作を他の端末装置に実行させるための指示を決定する指示決定ステップと、前記端末装置特定手段が、前記1つの端末装置から取得した動作状況に関連付けられた接続元情報と同じ接続元情報に関連付けられた端末固有情報であって、かつ、当該動作状況の取得時刻の前後の所定時間内に取得した端末固有情報で特定される端末装置を、前記指示の送信先として特定する端末装置特定ステップと、前記指示送信手段が、前記端末特定ステップで特定された端末装置に前記指示を送信する指示送信ステップとを含むことを特徴とする。
【0103】
また、実施の形態に係るシステムは、ネットワークを介して、宅内に存在する複数の端末装置を1つの端末装置群として一元管理しコントロールするシステムであって、宅内にあるそれぞれの端末装置から、端末装置を特定するための端末固有情報と、端末装置の動作状況とを取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した端末固有情報と動作状況と、前記端末固有情報と前記動作情報とを取得した取得元の端末装置をネットワーク上で特定する接続元情報と、前記端末固有情報と前記動作情報を取得した取得時刻とを関連付けて管理する情報管理手段と、ある1つの端末装置から取得した動作状況に基づいて、前記取得した動作状況が示す状況に応じた動作を他の端末装置に実行させるための指示を決定する指示決定手段と、前記1つの端末装置から取得した動作状況に関連付けられた接続元情報と同じ接続元情報に関連付けられた端末固有情報であって、かつ、当該動作状況の取得時刻の前後所定時間内に取得した端末固有情報で特定される端末装置を、前記指示の送信先として特定する端末装置特定手段と、前記端末特定手段が特定した端末装置に前記指示を送信する指示送信手段とを備えることを特徴とする。
【0104】
また、実施の形態に係るサーバ装置は、ネットワークを介して、宅内に存在する複数の端末装置を1つの端末装置群として一元管理しコントロールするサーバ装置であって、
宅内にあるそれぞれの端末装置から、端末装置を特定するための端末固有情報と、端末装置の動作状況とを取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した端末固有情報と動作状況と、前記端末固有情報と前記動作状況とを取得した取得元の端末装置をネットワーク上で特定する接続元情報と、前記端末固有情報と前記動作状況とを取得した取得時刻とを関連付けて管理する情報管理手段と、ある1つの端末装置から取得した動作状況に基づいて、前記取得した動作状況が示す状況に応じた動作を他の端末装置に実行させるための指示を決定する指示決定手段と、前記1つの端末装置から取得した動作状況に関連付けられた接続元情報と同じ接続元情報に関連付けられた端末固有情報であって、かつ、当該動作状況の取得時刻の前後所定時間内に取得した端末固有情報で特定される端末装置を、前記指示の送信先として特定する端末装置特定手段と、前記端末特定手段が特定した端末装置に前記指示を送信する指示送信手段とを備えることを特徴とする。
【0105】
このようにすることで、宅内に存在する複数の端末装置を1つの端末装置群として管理し、1つの端末装置の動作状況を取得して、同一宅内の他の端末装置を特定し、特定した端末装置に前記1つの端末装置の動作状況に合わせた動作をさせることのできる端末制御システムを実現することができる。
(2)実施の形態に係る上記(1)の方法は、前記端末固有情報は、さらに、前記端末装置の種類を示す種別情報を含み、前記指示決定ステップは、さらに、決定した指示の送信対象となる端末装置の種別情報を決定し、前記端末装置特定ステップは、前記指示決定ステップが決定した種別情報を端末固有情報に含む端末装置を、前記指示の送信先として特定する、としてもよい。
【0106】
このようにすることで、各端末装置の機能に合わせた指示が可能となり、状況に合わせた的確な動作を他の端末装置にさせることができる。
(3)実施の形態に係る上記(2)の方法は、前記システムは可搬機器判断手段をさらに含み、前記制御方法は、前記可搬機器判断手段が、前記端末装置の種別情報に基づいて、当該端末装置が宅外に持ち出されて使用される可搬端末であるか否かを判断する可搬機器判断ステップをさらに含み、前記端末装置特定ステップは、前記可搬機器判断ステップが前記1つの端末装置を可搬端末であると判断する場合、前記情報取得ステップが前記1つの端末装置から取得した全ての動作状況のうちいずれか1つを、前記1つの端末装置から取得した動作状況として用い、前記可搬機器判断ステップが前記1つの端末装置を可搬端末でないと判断する場合、前記情報取得ステップが前記1つの端末装置から取得した最新の動作状況を、前記1つの端末装置から取得した動作状況として用いる、としてもよい。
【0107】
このようにすることで、可搬端末が宅外に持ち出されていても当該可搬端末が宅内に存在していた時の接続情報を用いて指示の送信対象となる他の端末装置が特定できるため、可搬端末の動作状況に応じて他の端末装置を動作させることができ、可搬でない端末装置の動作状況に応じて他の端末装置を動作させる場合には、他の端末装置を特定する際の検索処理の負荷を軽減させることができる。
【0108】
(4)実施の形態に係る上記(2)の方法は、前記システムは可搬機器判断手段をさらに含み、前記制御方法は、前記可搬機器判断手段が、前記端末装置の種別情報に基づいて、当該端末装置が宅外に持ち出されて使用される可搬端末であるか否かを判断する可搬機器判断ステップをさらに含み、前記端末装置特定ステップは、前記情報取得ステップが前記1つの端末装置から取得した全ての動作状況のうちいずれか1つを、前記1つの端末装置から取得した動作状況として用い、前記指示送信ステップは、前記可搬機器判断ステップが前記特定された他の端末装置を可搬端末であると判断する場合、前記特定された他の端末装置から取得した最新の接続元情報を用いて、前記特定された他の端末装置に前記指示を送信する、としてもよい。
【0109】
このようにすることで、指示の送信対象となる端末装置が可搬端末である場合、当該可搬端末が宅内にあった際の端末固有情報を用いて特定することができ、宅内の端末装置の動作状況に応じて宅外に持ち出されている可搬端末を動作させることができる。
(5)実施の形態に係る上記(1)の方法は、前記他の端末装置に送信する指示は、前記他の端末装置が実行する動作指示、または、前記他の端末装置にプログラムを取得させ実行させる指示である、としてもよい。
【0110】
このようにすることで、端末装置に対して特定の動作を実行させたり、あるいは、端末装置が内蔵するプログラムの更新を実行させたりすることが可能となる。
(6)実施の形態に係る上記(1)の方法は、前記動作情報は、前記端末装置がユーザから受け付けた動作指示、前記端末装置が取得した環境情報、または、前記端末装置が実行した動作を示す情報である、としてもよい。
【0111】
このようにすることで、端末装置が実行した動作に連携して他の端末装置を動作させるのみならず、ユーザが任意の端末装置に入力した指示に連携して適切な他の端末装置に当該指示を実行させることが可能となる。
(7)実施の形態に係る上記(1)の方法は、前記複数の端末装置は、端末装置ごとに定められた所定の時間間隔ごとに、端末固有情報と動作状況とを送信し、前記情報取得ステップは、前記複数の端末装置が送信する端末固有情報と動作状況とを取得する、としてもよい。
【0112】
このようにすることで、情報取得ステップは、端末装置それぞれから端末固有情報と動作状況とを確実に取得することができる。
(8)実施の形態に係る上記(1)の方法は、前記複数の端末装置は、動作状況が変化するごとに、端末固有情報と動作状況とを送信し、前記情報取得ステップは、前記複数の端末装置が送信する端末固有情報と動作状況とを取得する、としてもよい。
【0113】
このようにすることで、各端末装置は、動作状況を必要な場合に送信することができ、無駄な通信を発生させることなく、かつ、変化があった動作状況を速やかに送信することができる。
(9)実施の形態に係る上記(8)の方法は、前記複数の端末装置は、端末固有情報を最後に送信した後に一定の時間が経過すると、端末固有情報を送信する、としてもよい。
【0114】
このようにすることで、各端末装置は、動作状況を必要な場合に速やかに送信することができるとともに、接続元情報を定期的に更新させることで、接続元情報が変化した場合に速やかにシステムに反映させることができる。
(10)実施の形態に係る上記(1)の方法は、前記端末装置群には、表示部と入力部とを有する表示端末が含まれ、前記情報管理ステップは、さらに、前記1つの端末装置から取得した動作状況に基づいて前記他の端末装置を動作させてよいか否かの連携許可を、前記1つの端末装置と前記他の端末装置の組み合わせごとに管理し、前記指示送信ステップは、前記1つの端末装置と前記他の端末装置の組み合わせに対する連携許可がない場合、前記他の端末装置に指示を送信する前に、前記表示端末の前記表示部を用いて、前記1つの端末装置の動作状況に基づいて前記他の端末装置を動作させてよいか否かの問い合わせをユーザに行い、前記入力部を用いてユーザが指示を許容したことを前記表示端末から取得した場合に限り、当該連携許可を前記情報管理ステップに管理させるとともに前記他の端末装置に前記指示を送信する、としてもよい。
【0115】
このようにすることで、端末装置を初めて連携動作させる際にその連携動作の可否をユーザに選択させ、誤ってユーザの端末装置と第3者の端末装置とを連携させる事故を防ぐことができる。