(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231346
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】絶縁防護具
(51)【国際特許分類】
H02G 1/02 20060101AFI20171106BHJP
H01B 17/56 20060101ALI20171106BHJP
H01B 17/60 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
H02G1/02
H01B17/56 H
H01B17/60 D
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-217423(P2013-217423)
(22)【出願日】2013年10月18日
(65)【公開番号】特開2015-80371(P2015-80371A)
(43)【公開日】2015年4月23日
【審査請求日】2016年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】500024160
【氏名又は名称】大都工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(72)【発明者】
【氏名】近平 拓夫
【審査官】
久保 正典
(56)【参考文献】
【文献】
実公昭49−029040(JP,Y1)
【文献】
特開2000−350340(JP,A)
【文献】
実開昭54−13000(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/02
H01B 17/56
H01B 17/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気設備に取付けて感電のリスクを低減するための絶縁防護具に於て、
表裏層に外皮(1)(1)を有し、中間層が可撓性発泡体(2)から成る絶縁性シート体(3)をもって構成され、上記電気設備に被覆自在とし、
上記可撓性発泡体(2)は、独立気泡発泡体であって、厚さ寸法(t1)が2.0mm〜3.0mmに設定され、かつ、発泡倍率が1.5倍〜30倍に設定されていることを特徴とする絶縁防護具。
【請求項2】
電気設備に取付けて感電のリスクを低減するための絶縁防護具に於て、
周方向の1箇所に設けた切離部で離間して弾発的に拡開自在とした円筒部(14)を有する絶縁性発泡体(4)をもって構成され、上記電気設備に外嵌状に着脱自在とし、
上記絶縁性発泡体(4)は、厚さ寸法(t2)が2.0mm〜3.0mmに設定され、かつ、発泡倍率が1.3倍〜20倍に設定され、さらに、上記切離部の一方の端縁部から他方の端縁部の内周面に沿って突設され上記切離部を筒内部から覆う短寸の小片部(16)を有することを特徴とする絶縁防護具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁防護具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建造物の改築や外壁塗装工事等の作業を行う際、作業者は、電柱に架設された送電線から建造物に引き込まれる低圧引込線や低圧引込線を建造物に引き留めるための引留碍子に接近して作業をしなければならない状況があった。そこで、合成樹脂製の電線防護管と絶縁防護カバーで、低圧引込線と引留碍子を覆って、作業者の感電の危険を回避して安全を確保していた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−75237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1記載の従来の絶縁防護カバーは、筒状に形成され、その内部に引留碍子を収容して必要最小限の範囲で覆うことができる程度の大きさに形成されていた。よって、形状やサイズの異なる引留碍子の種類の変化には対応することができず、大小多種の絶縁防護カバーを用意する必要があった。
また、電気設備の周囲を覆って確実に絶縁保護するためには、少なくとも2mm以上の厚さ寸法が必要となり、引留碍子を収容する絶縁防護カバーや低圧引込線に取着される電線防護管等の重量が重くなり、作業性が悪かった。また、2mm以上の厚さ寸法の合成樹脂から成る絶縁防護カバーや電線防護管は、強張って柔軟性がなく使い勝手が悪かった。また、合成樹脂の原料費が多くかかり、コストが増大するという欠点があった。
【0005】
そこで、本発明は、十分な絶縁性を有し安全性が高く、かつ、軽量で扱い易い絶縁防護具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る絶縁防護具は、電気設備に取付けて感電のリスクを低減するための絶縁防護具に於て、表裏層に外皮を有し、中間層
が可撓性発泡体から成る絶縁性シート体をもって構成され、上記電気設備に被覆自在とし
、上記可撓性発泡体は、独立気泡発泡体であって、厚さ寸法が2.0mm〜3.0mmに設定され、かつ、発泡倍率が1.5倍〜30倍に設定されているものである。
【0007】
また、電気設備に取付けて感電のリスクを低減するための絶縁防護具に於て、
周方向の1箇所に設けた切離部で離間して弾発的に拡開自在とした円筒部を有する絶縁性発泡体をもって構成され、上記電気設備に
外嵌状に着脱自在とし
、上記絶縁性発泡体は、厚さ寸法が2.0mm〜3.0mmに設定され、かつ、発泡倍率が1.3倍〜20倍に設定され、さらに、上記切離部の一方の端縁部から他方の端縁部の内周面に沿って突設され上記切離部を筒内部から覆う短寸の小片部を有するものであ
る。
【発明の効果】
【0008】
本発明の絶縁防護具によれば、十分な厚さ寸法を確保しつつ柔軟(フレキシブル)で、引留碍子等の電気設備に巻き付けて覆うことができ、電気設備を確実に絶縁保護して安全性を向上できる。軽量で、かつ、引張強度が高く、取り扱い容易で使い勝手が良い。引留碍子の形状やサイズが異なる場合であっても、その周囲を被覆でき、複数種類の電気設備にも対応して、感電事故を防止できる。
また、十分な厚さ寸法を確保しつつ柔軟(フレキシブル)で、引込線や送電線等の電線に取付けることができ、電気設備を確実に絶縁保護して安全性を向上できる。軽量で、取り扱い容易であり、使い勝手が良い。電線の径が異なる場合であっても、その周囲を外嵌状に被覆でき、感電事故を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の一形態を示した拡大断面図である。
【
図2】本発明の絶縁防護具の使用例を示した斜視図である。
【
図3】本発明の他の実施形態を示した拡大断面図である。
【
図4】本発明の絶縁防護具の他の使用例を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
本発明の絶縁防護具は、電線や、引留碍子、配電器具等の電気設備に取付けられ、作業者の感電のリスクを低減するために設けられている。適用される電気設備としては、例えば、
図5に示すように、電柱50に架設された送電線49から建造物40に引き込まれる低圧引込線41に外嵌状に取付け、又は、低圧引込線41を建造物40に引き留めるための引留碍子42と建造物40に固着されるブラケット等の(低圧側)電気設備45に、包囲状として取付けられる。なお、本発明の絶縁防護具は、引込線41を電柱50に引き留めるための引留碍子47や送電線49に取り付けても良い。
【0011】
図1に示すように、本発明の絶縁防護具は、表裏層に外皮1,1を有し、中間層が2.0mm〜3.0mmの厚さ寸法t
1の可撓性発泡体2から成る絶縁性シート体3をもって構成されている。
可撓性発泡体2は、EPDMやブチルゴム等のゴム、又は、EVAやPE(ポリエチレン)等の合成樹脂から成り、発泡倍率は、1.5倍〜30倍である。可撓性発泡体2は、微小な気泡20が独立して多数形成された独立気泡(発泡)体であって、吸水性は無く、厚み方向に電気を通さない絶縁性を有している。
外皮1,1は、例えば、ターポリンシートのような軽量で且つ丈夫な薄い布が用いられ、面方向に引っ張っても伸縮することがなく、引張強度が十分に高いものが望ましい。外皮1,1は、可撓性発泡体2の表裏面に接着され、可撓性発泡体2が(面方向へ)引っ張られるのを防止している。
【0012】
図2に示すように、絶縁性シート体3は、電気設備45に被覆自在である。
図2に於て、電気設備45は、低圧引込線41を建造物40に引き留めるための引留碍子42と引留碍子42を保持するブラケット43、並びに、低圧引込線41の一部と宅内引込線等を包含する。絶縁性シート体3は、前記電気設備45の全体を覆うように被せて巻き付けられ、絶縁粘着テープ46によって固定されている。なお、合成樹脂製の絶縁クリップや係止バンド等の留め具を用いて、絶縁性シート体3を電気設備45に取着しても良い。なお、図示省略するが、絶縁性シート体3は、
図5の電柱50側の引留碍子47を被覆する際も、同様に電気設備全体を覆うように被せて巻き付け、絶縁粘着テープによって固定する。
【0013】
次に、本発明の絶縁防護具の他の実施形態について説明する。
図3に示すように、電気設備に取付けて感電のリスクを低減するための絶縁防護具に於て、2.0mm〜3.0mmの厚さ寸法t
2に設定され、(周方向の1箇所で離間して弾発的に拡開自在とした筒状の)絶縁性発泡体4をもって構成されている。
絶縁性発泡体4は、EPDMやブチルゴム等のゴム、又は、EVAやPE(ポリエチレン)等の合成樹脂から成り、発泡倍率は、1.3倍〜20倍である。絶縁性発泡体4は、微小な気泡20が独立して多数形成された独立気泡(発泡)体であって、吸水性は無く、厚み方向に電気を通さない絶縁性を有している。絶縁性発泡体4の形状としては、周方向の1箇所に設けられた切離部で切り離された円筒部14と、円筒部14の切離部に延設されラジアル外方向に突出状の一対の突出片15,15とを、有している。なお、円筒部14の切離部には、内周面に沿って突設される短寸の小片部16が形成されている。
【0014】
図3に示すように、絶縁性発泡体4は、低圧引込線41に外嵌状に着脱自在である。
絶縁性発泡体4は、低圧引込線41を突出片15,15の間に挟み込んで円筒部14を拡開しつつ押し込んで、低圧引込線41の周囲を覆うように遊嵌状(外嵌状)に取付けられている。
なお、図示省略するが、絶縁性発泡体4は、
図5に示す送電線49に取付けることもでき、送電線49に取付ける際も、同様に送電線49を突出片15,15の間に押し込んで遊嵌状(外嵌状)に取付ける。
【0015】
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、絶縁性発泡体4は、各種の形状やサイズに変更自由である。さらには、
参考例としては以下のような構成であっても良い。つまり、絶縁性発泡体4をシート状とすることも可能であって、
図1に示す外皮1,1を省略した構成としても良い。
【0016】
以上のように、本発明に係る絶縁防護具は、電気設備に取付けて感電のリスクを低減するための絶縁防護具に於て、表裏層に外皮1,1を有し、中間層が2.0mm〜3.0mmの厚さ寸法t
1の可撓性発泡体2から成る絶縁性シート体3をもって構成され、電気設備に被覆自在としたので、十分な厚さ寸法を確保しつつ柔軟(フレキシブル)で、引留碍子42等の電気設備に巻き付けて覆うことができ、電気設備を確実に絶縁保護して安全性を向上できる。軽量で、かつ、引張強度が高く、取り扱い容易で使い勝手が良い。引留碍子42の形状やサイズが異なる場合であっても、その周囲を被覆でき、複数種類の電気設備にも対応して、感電事故を防止できる。
【0017】
また、電気設備に取付けて感電のリスクを低減するための絶縁防護具に於て、2.0mm〜3.0mmの厚さ寸法t
2に設定され、絶縁性発泡体4をもって構成され、電気設備に着脱自在としたので、十分な厚さ寸法を確保しつつ柔軟(フレキシブル)で、電気設備に容易に取付けることができ、電気設備を確実に絶縁保護して安全性を向上できる。軽量で、取り扱い容易であり、使い勝手が良い。
【0018】
また、電気設備に取付けて感電のリスクを低減するための絶縁防護具に於て、2.0mm〜3.0mmの厚さ寸法t
2に設定され、周方向の1箇所で離間して弾発的に拡開自在とした筒状の絶縁性発泡体4をもって構成され、電気設備に外嵌状に着脱自在としたので、十分な厚さ寸法を確保しつつ柔軟(フレキシブル)で、低圧引込線41や送電線49等の電線に取付けることができ、電気設備を確実に絶縁保護して安全性を向上できる。軽量で、取り扱い容易であり、使い勝手が良い。電線の径が異なる場合であっても、その周囲を外嵌状に被覆でき、感電事故を防止できる。
【符号の説明】
【0019】
1 外皮
2 可撓性発泡体
3 絶縁性シート体
4 絶縁性発泡体
14 円筒部
16 小片部
t
1 厚さ寸法
t
2 厚さ寸法