(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記連結部は、前記昇降コードを巻取軸に巻き取るための駆動軸の回転に伴って前記保持力が変化するように構成される、請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の日射遮蔽装置。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態のロールアップブラインドの構成を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は低保持力状態の連結部17の拡大断面図である。
【
図2】
図1よりもスクリーン4を上昇させた状態を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は高保持力状態の連結部17の拡大断面図である。
【
図3】
図2よりもスクリーン4を上昇させた状態を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)はガイド部材の斜視図である。
【
図4】
図1の連結部17の構成を示す分解斜視図である。
【
図5】
図4の第1嵌合部43aを示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)は(a)中のC−C断面図である。
【
図6】
図4の連結部材42を示し、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は(a)中のD−D断面図、(d)は(a)中のE−E断面図、(e)は(c)中のF−F断面図、(f)は第1嵌合部43aとの嵌合状態を示す断面図である。
【
図7】本発明の第1実施形態のロールアップブラインドにおいて、(a)〜(d)の順にスクリーン4が上昇する際の連結部17の位置を示す右側面図である。
【
図8】
図1の状態のロールアップブラインドの昇降コード7に異物Wが引っ掛かった状態を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は低保持力状態の連結部17の拡大断面図である。
【
図9】
図8の状態から連結部17が分離された後の状態を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図である。
【
図10】本発明の第1実施形態の変形例1のロールアップブラインドの構成を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は低保持力状態の連結部17の拡大断面図である。
【
図11】
図10よりもスクリーン4を上昇させた状態を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は高保持力状態の連結部17の拡大断面図である。
【
図12】本発明の第1実施形態の変形例2の連結部17の構成を示し、(a)は低保持力状態、(b)は高保持力状態を示す。
【
図13】本発明の第2実施形態の日射遮蔽装置の構成を示し、(a)は左側面図、(b)〜(c)は、連結部17が分離される前後の状態を示す正面図である。
【
図14】
図13の状態から昇降コード7が巻取軸10に巻き取られた後の状態を示す正面図である。
【
図15】本発明の第3実施形態のたくし上げカーテンの構成を示し、(a)は右側面図、(b)は低保持力状態の連結部17の拡大断面図である。
【
図16】
図15の状態から昇降コード7の引き上げを開始した直後の状態を示し、(a)は右側面図、(b)は高保持力状態の連結部17の拡大断面図である。
【
図17】本発明の第4実施形態のたくし上げカーテンの構成を示し、(a)〜(b)は連結部17が分離される前後の状態を示す右側面図である。
【
図18】
図17の状態から、連結部17をリング18の位置まで引き上げてリング18に係合させた状態を示す右側面図である。
【
図19】本発明の第4実施形態の変形例1のたくし上げカーテンの構成を示し、(a)〜(b)は、それぞれ、連結部17が低保持力状態及び高保持力状態である状態を示す右側面図である。
【
図20】本発明の第4実施形態の変形例2のたくし上げカーテンの構成を示し、(a)は右側面図、(b)は低保持力状態の連結部17の拡大断面図である。
【
図21】
図20の状態から連結部17を上昇させた状態を示し、(a)は右側面図、(b)は高保持力状態の連結部17の拡大断面図である。
【
図22】本発明の第2実施形態の変形例1の日射遮蔽装置の構成を示す正面図である。
【
図23】
図22の状態から昇降コード7が巻取軸10に巻き取られた後の状態を示す正面図である。
【
図24】本発明の第2実施形態の変形例2の日射遮蔽装置の構成を示す正面図である。
【
図25】
図24の状態から昇降コード7が巻取軸10に巻き取られた後の状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
【0012】
<第1実施形態>
図1〜
図9に示す本実施形態のロールアップブラインドは、ヘッドボックス1からスクリーン4が吊下支持され、スクリーン4の下端にウェイトバー5が取着されている。
【0013】
昇降コード7は、一端がヘッドボックス1の背面1aに取着され、他端がウェイトバー5の下方を経てヘッドボックス1側に導かれる。ヘッドボックス1の前面側には、ガイド部材8a,8bを支持するサポート部材10lと、ガイド部材8b及びストッパ24を支持するサポート部材10rが取着される。
図1(a)の左側の昇降コード7は、ガイド部材8aによって転向されてストッパ24を経て、操作部7aとして垂下される。昇降コード7の操作部7aの先端には、操作部7aを把持しやすくするためのグリップ部材9が設けられている。一方、
図1(a)の右側の昇降コード7は、ガイド部材8bによって転向されてガイド部材8cに導かれ、ガイド部材8cで再度転向されてストッパ24に導かれて、操作部7aとして垂下される。昇降コード7をガイド部材8cに掛装させているのは、ガイド部材8bとストッパ24の間の昇降コード7長を長くすることによって、後述する連結部17が
図3に示すようにガイド部材8bによって転向された後にストッパ24に到達してストッパ24に引っ掛かってしまうことを防ぐためである。なお、本実施形態での昇降コード7の取り回しは、一例であり、例えば、連結部17が通過できる構成のストッパ24を用いる場合には、昇降コード7をガイド部材8bから直接ストッパ24に導いてもよい。
【0014】
ストッパ24は、昇降コード7の非操作時には、昇降コード7を保持してウェイトバー5及びスクリーン4の自重降下を防ぎ、昇降コード7の操作時には昇降コード7の保持を解除する機能を有する。
【0015】
操作部7aを引き下げると、
図2〜
図3に示すように、昇降コード7のうちスクリーン4を保持している部分の長さが短くなり、それに伴って、スクリーン4がウェイトバー5に巻き取られることによってスクリーン4の下端が上昇する。スクリーン4は、ヘッドボックス1から吊り下げられているので、ウェイトバー5に巻き取られていない状態では、そのほぼ全重量がヘッドボックス1によって支持される。一方、スクリーン4のうちウェイトバー5に巻き取られている部分4aの重量は、昇降コード7によって支持される。このため、スクリーン4がウェイトバー5に巻き取られて上昇するにつれてスクリーン7に加わる張力が増大する。
【0016】
昇降コード7には、連結部17が設けられており、通常の張力を超える過度の張力が昇降コード7に加わると、昇降コード7が連結部17において分断されることによって安全が確保されるようになっている。
【0017】
ここで連結部17の詳細な構成を、
図4〜
図6を用いて説明する。
【0018】
図4に示すように、連結部17は、2つの第1嵌合部43a,43bを筒状の連結部材(第2嵌合部)42で連結した構成である。2つの第1嵌合部43a,43bの基本構成は、同一であるが、一方の第1嵌合部43aは、丸軸状の嵌合突部45に円筒状の移動部材40をスライド移動可能に収容する移動部材収容部29が設けられている点において、第1嵌合部43bとは異なっている。移動部材収容部29の深さ方向の長さは、移動部材40の高さ方向の長さよりも長い(例えば1.5倍以上、好ましくは2倍以上である。)。
【0019】
第1嵌合部43a,43bは、合成樹脂で昇降コード7の端部に成形される。第1嵌合部43a,43bの基端部は、半球状に形成され、第1嵌合部43a,43bの先端部には、丸軸状の嵌合突部45が形成されている。
【0020】
嵌合突部45の先端部の外周面上には、
図4〜
図5に示すように、丸軸の中心に対し線対称状に膨径部46が形成され、その膨径部46の中間には断面半円状の凹条47がそれぞれ形成されている。
【0021】
嵌合突部45の基端部には、
図4〜
図5に示すように、丸軸の径方向に突出する回動規制部48が中心に対し線対称状に形成されている。また、各回動規制部48は、丸軸の中心に対し凹条47から周方向に45度隔てた位置に形成される。
【0022】
連結部材42は、第1嵌合部43a,43bと同一の合成樹脂で円筒状に成形されて嵌合孔を備えた第2嵌合部として形成され、
図4及び
図6に示すように、両側の開口部49a,49bは嵌合突部45の膨径部46を含む先端部を挿入可能とした俵形に形成されている。また、開口部49a,49bは、その俵形の方向が円筒の中心に対し互いに90度回転した形状となっている。
【0023】
連結部材42の内部には、嵌合突部45の先端部を回動可能とする径を備えた円形孔50が形成されている。そして、開口部49aの俵形の短軸方向の開口縁には、第1嵌合部43aの膨径部46の円形孔50からの抜けを妨げる係止部51a,51bがそれぞれ形成され、開口部49bの俵形の短軸方向の開口縁には、第1嵌合部43bの膨径部46の円形孔50からの抜けを妨げる係止部51c,51dがそれぞれ形成されている。
【0024】
また、係止部51a,51cの内側において、円形孔50の内周面には凹条47に係合する突条52がそれぞれ形成されている。第1嵌合部43a,43bと連結部材42とを連結するには、第1嵌合部43aの嵌合突部45を連結部材42の開口部49aに挿入し、第1嵌合部43aを連結部材42に対し時計方向に90度回動する。すると、嵌合突部45の凹条47が円形孔50内の突条52に係合し、回動規制部48が開口部49aの俵形の角部から隣の角部まで移動して、
図6(f)に示すように位置決めされる。
【0025】
また、連結部材42の他方の開口部49bにも同様に第1嵌合部43bの嵌合突部45を挿入して90度回動させて位置決めする。すると、
図1(c)及び
図2(c)に示すように、連結部材42を介して第1嵌合部43a,43bが連結される。
【0026】
この状態では、第1嵌合部43a,43bの嵌合突部45の膨径部46が連結部材42の係止部51a〜51dに係合して、連結部材42の円形孔50内に保持される。また、連結部材42の両側に第1嵌合部43a,43bを嵌合した状態での外形形状は、楕円状のボール形状となるように形成されている。
【0027】
図1(c)に示すように第1嵌合部43aの嵌合突部45が上側を向いている場合には、移動部材40が嵌合突部45の先端から離れた位置に移動して、連結部17は、低保持力状態となる。一方、
図2(c)に示すように第1嵌合部43aの嵌合突部45が下側を向いている場合には、移動部材40が嵌合突部45の略先端に移動して、連結部17は、高保持力状態となる。このように、連結部17が高保持力状態と低保持力状態のどちらの状態になるのかは、第1嵌合部43aの嵌合突部45が向いている方向によって決まる。
【0028】
連結部17は、
図1及び
図7(a)に示すように、連結部17がスクリーン4の背面側にある間は、
図1(c)に示すような低保持力状態になっている。そして、スクリーン4の上昇に伴って連結部17が下降し、
図7(b)のように連結部17がウェイトバー5の直下にある遷移状態を経て、
図2及び
図7(c)に示す状態になる。
図7(c)の状態から、さらにスクリーン4を上昇させると、それに伴って連結部17が上昇し、
図3及び
図7(d)に示す全開状態になる。
図7(c)〜
図7(d)の状態では、連結部17は
図2(c)に示すような高保持力状態となっている。また、
図3及び
図7(d)の状態では、連結部17は、
図3(a)に示すようにサポート部材10lとサポート部材10rの間にあるが、この状態で、連結部17が低保持力状態にならないように、サポート部材10lとサポート部材10rの間において昇降コード7が傾斜している。また、ガイド部材8a,8b,8cは、
図3(c)に示すように、支軸58aと、これに対して回転可能に支持された回転部材58bとで構成され、回転部材58bの外周には、連結部17の外形に沿った形状の連結部当接面58cと、溝形状の昇降コード当接面58dが異なる高さ位置で設けられている。連結部17がガイド部材8a,8b,8cを通過する際には、昇降コード7が昇降コード当接面58dに当接しつつ、連結部17が連結部当接面58cに当接することによって、連結部17がスムーズにサポート部材10lとサポート部材10rの間に案内される。なお、回転部材58bの外周部材の形状は適宜変更可能である。
【0029】
スクリーン4の上昇に伴って昇降コード7に加わる張力が上昇する。従って、連結部17が低保持力状態である場合に、スクリーン4及びウェイトバー5によって昇降コード7に加えられる最大張力T1は、連結部17が
図7(b)に示す遷移状態にある場合に昇降コード7に加わる張力である。従って、連結部17が低保持力状態である場合の保持力TWは、最大張力T1で分離されないように設定すればよく、従って、保持力TW>最大張力T1となるように設定される。
【0030】
一方、連結部17が高保持力状態である場合に、スクリーン4及びウェイトバー5によって昇降コード7に加えられる最大張力T2は、
図7(d)に示すようにスクリーン4が全開状態にある場合に昇降コード7に加わる張力である。従って、連結部17が高保持力状態である場合の保持力TSは、最大張力T2で分離されないように設定すればよく、従って、保持力TS>最大張力T2となるように設定される。
【0031】
仮に、従来技術のように連結部17の保持力TPが変化しない場合、スクリーン4及びウェイトバー5の重量によって連結部17が分離されないようにするために、連結部17の保持力TPは、最低でも最大張力T2よりも大きくする必要があり、不意に連結部17が分離されることを防ぐために例えば2倍の余裕を持たせると、保持力TP=2×最大張力T2とする必要があった。一方、本実施形態では、同様に2倍の余裕を持たせた場合、保持力TW=2×最大張力T1、保持力TS=2×最大張力T2となり、最大張力T1<最大張力T2であるので、高保持力状態での保持力TSを従来と同じにしつつ、低保持力状態での保持力TWを従来技術よりも小さくすることが可能になる。
【0032】
次に、本発明の作用について説明する。
図8に示すように、スクリーン4の下端が比較的に低い位置にあって、連結部17が低保持力状態になっているときに異物Wが昇降コード7のループに引っ掛かったとする。この場合、異物Wに加わる重力によって昇降コード7には張力Tが加わる。この張力Tが、連結部17の低保持力状態での保持力TWよりも大きい場合、
図9に示すように、昇降コード7が連結部17で分離されてループが解除されて安全が確保される。張力Tの大きさが従来技術での保持力TPよりも大きい場合は、従来技術の構成でも安全が確保されていたが、張力Tの大きさが従来技術での保持力TPよりも小さい場合、従来技術の構成では昇降コード7が連結部17で分離されない可能性があった。このように本実施形態の構成によれば、従来よりも小さな荷重が加わった場合でも昇降コード7のループが解除されるので、従来よりも安全性が高められる。
【0033】
また、
図2に示すように、スクリーン4の下端が比較的に高い位置にあって、連結部17が高保持力状態になっているときには、子供などの背の低いユーザーが昇降コード7に引っ掛かることがないので、連結部17の保持力が大きくても安全性に問題がなく、かつ、スクリーン4及びウェイトバー5によって昇降コード7に加えられる張力T2によって連結部17が分離されることがないので、昇降コード7が意図せず分離されることがなく、使用感が悪化することがない。
以上のように、本実施形態によれば、使用感を悪化させることなく安全性が高められる。
【0034】
本発明は、以下の実施態様でも実施することができる。
・ロールアップブラインド以外にも、昇降コードを用いて日射遮蔽材を昇降させる種々の日射遮蔽装置(例:横型ブラインド、たくし上げカーテン、プリーツスクリーン)にも適用可能である。
・上記実施形態では、第1嵌合部43a,43bの嵌合突部45を連結部材42の嵌合孔に挿入して、両者を相対回転させることによって両者を嵌合させているが、第1嵌合部43a,43bの嵌合突部45を連結部材42の嵌合孔に弾性的に嵌合させる(つまり、強い力を加えて押し込む)ようにしてもよい。
・上記実施形態では、操作部7aを操作することによってスクリーン4を昇降させていたが、ヘッドボックス1内に配置された巻取軸に対して昇降コード7の巻取り及び巻戻しを行うことによってスクリーン4を昇降させてもよい。
・上記実施形態では、移動部材40を重力の作用によって移動させることによって連結部17の保持力を変化させているが、移動部材40は、磁力の作用によって移動させるように構成してもよく、機械的な機構によって移動させるように構成してもよい。
【0035】
<第1実施形態の変形例1>
上記第1実施形態では、連結部17が低保持力状態ではスクリーン4の背面側に配置されており、スクリーン4の下側を通る際に連結部17の保持力が変化する構成になっているが、本変形例では、
図10に示すように、連結部17が低保持力状態ではスクリーン4の前面側に配置されており、連結部17がガイド部材8a,8bを通る際に、
図11(c)に示すように、移動部材40が移動して、連結部17が高保持力状態になるように構成されている。具体的には、
図10に示す状態では、第1嵌合部43aの嵌合突部45が上向きに向いているために移動部材40が嵌合突部45の先端から離れた位置に配置されていて連結部17が低保持力状態になる。一方、
図11に示す状態では、第1嵌合部43aの嵌合突部45が斜め下向きに向いているために移動部材40が嵌合突部45の略先端に移動して、連結部17が高保持力状態となる。
【0036】
<第1実施形態の変形例2>
上記第1実施形態では、連結部17は、第1嵌合部43a,43bと連結部材42からなる三部材構成であるが、本実施形態では、連結部17は、
図12に示すように、第1嵌合部43と第2嵌合部46からなる二部材構成である。第1嵌合部43は、第1実施形態の第1嵌合部43aと同様の構成を有しており、第2嵌合部46は、第1実施形態の第1嵌合部43bと、連結部材42とを合体させたような構成を有している。従って、本実施形態の第1嵌合部43と第2嵌合部46の嵌合構造は、第1実施形態の第1嵌合部43a,43bと連結部材42の嵌合構造と同様である。
【0037】
本実施形態の構成であっても、第1嵌合部43の嵌合突部45の向きによって、連結部17が高保持力状態と低保持力状態のどちらの状態になるのかが決まる。従って、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、スクリーン4の下端が比較的低い位置にあるときに連結部17が低保持力状態になり、スクリーン4の下端が比較的高い位置にあるときに連結部17が高保持力状態になることによって、使用感を悪化させることなく安全性が高められる。
【0038】
<第2実施形態>
第1実施形態では、昇降コード7を分断するように連結部17が設けられており、連結部17が分離されることによって昇降コード7が分断されて昇降コード7によって形成されるループ構造が解除されるようになっていた。本実施形態では、連結部17は昇降コード7の端部に設けられており、連結部17は、昇降コード7を別の部材に取着させるために用いられる。
【0039】
以下、
図13〜
図14を用いて、具体的な構成を説明する。以下の説明では、第1実施形態との共通点は適宜説明を省略する。
【0040】
本実施形態の日射遮蔽装置は、
図13〜
図14に示すように、ヘッドボックス1に対して回転可能に支持された巻取軸10に対して昇降コード7の巻取り及び巻戻しを行う方式の日射遮蔽装置であり、例えば、ロールアップブラインド、横型ブラインド、たくし上げカーテン、プリーツスクリーンである。
図13は、昇降コード7が完全に巻き戻されて、日射遮蔽材が下限位置にまで下がっている状態を示し、
図14は、日射遮蔽材の下端が比較的高い位置になるまで昇降コード7が巻き取られた状態を示す。
図13の状態では、日射遮蔽材によって昇降コード7に加わる張力が比較的小さく、且つ子供などの背の低いユーザーが昇降コード7に引っ掛かりやすい。一方、
図14の状態では、日射遮蔽材によって昇降コード7に加わる張力が比較的大きい。
【0041】
巻取軸10は、駆動軸12の回転に伴って回転するように構成されており、駆動軸12には、駆動軸12の回転に伴って回転するネジ部材13が取着されている。ネジ部材13には、昇降コード7の巻取り方向へのネジ部材13の回転に伴って
図13(b)の矢印Y方向に移動するスライド部材14が取着されている。スライド部材14は、ネジ送り機構によってネジ部材13に対して直線的に相対移動する。
【0042】
ヘッドボックス1には、係合部材15が取着されている。係合部材15は、先端に係合部15aを有するアーム15bを備える。昇降コード7は、その一端がガイド部材8eによって転向されて巻取軸10に取着され、その他端には連結部17が設けられている。連結部17は、昇降コード7に設けられた係止部(例:結び玉)7aを連結部17に係止させることによって昇降コード7に取着される。連結部17がガイド部材8dによって転向されて係合部15aに対して係合されることによって、昇降コード7の他端がヘッドボックス1に対して取着される。具体的には、連結部17は、本体部17aと、本体部17aから延びる一対のアーム17bを備え、一対のアーム17bが係合部15aを弾性的に挟み込むことによって、
図13(b)に示すように、連結部17が係合部15aに係合される。
【0043】
図13(b)の状態では、一対のアーム17bの弾性力のみによって、一対のアーム17bと係合部15aの間の係合が保持されている状態であり、連結部17は、低保持力状態になっている。そして、昇降コード7によって形成されるループ構造に異物が引っ掛かることによって、連結部17の低保持力状態での保持力TWを超える張力Tが昇降コード7に加わると、一対のアーム17bが
図13(b)の矢印X方向に広がることによって一対のアーム17bと係合部15aの間の係合が解除され、昇降コード7によって形成されるループ構造が解除され、安全が確保される。
【0044】
また、駆動軸12を
図13(b)の矢印Z方向に回転させることによって、巻取軸10に対して昇降コード7を巻き取るとともに、スライド部材14を矢印Y方向に移動させる。スライド部材14には、一対のアーム17bの広がりを抑制できるサイズの開口部14bを備えており、
図14に示すように、スライド部材14が連結部17の位置に到達すると、一対のアーム17bが開口部14b内に配置されて、一対のアーム17bの広がりが抑制される。これによって、一対のアーム17bと係合部15aの間の係合が解除されにくくなり、連結部17は、高保持力状態になる。この状態での連結部17の保持力TSは、日射遮蔽材によって昇降コード7に加えられる最大張力T2よりも大きいので、張力T2によって連結部17が係合部15aから分離されることがなく、使用感が悪化することがない。
以上のように、本実施形態によれば、使用感を悪化させることなく安全性が高められる。
【0045】
本発明は、以下の実施態様でも実施することができる。
・連結部17と係合部材15の間の係合構造は、特に限定されず、別の係合構造であってもよい。例えば、係合部材15側に一対のアームを設け、連結部17には、この一対のアームによって挟まれる係止部を設けてもよい。
【0046】
<第3実施形態>
第1〜第2実施形態では、昇降コード7の非操作側の端部がヘッドボックス1に取着されていたが、本実施形態では、昇降コード7の非操作側の端部は、日射遮蔽材の下端近傍に取着されている。また、第1〜第2実施形態では、日射遮蔽材の上昇途中において連結部17の保持力が上昇するように構成されているが、本実施形態では、日射遮蔽材の上昇開始時点で保持力が上昇する。
【0047】
以下、
図15〜
図16を用いて、具体的な構成を説明する。以下の説明では、第1〜第2実施形態との共通点は適宜説明を省略する。
【0048】
本実施形態のたくし上げカーテンは、ヘッドボックス1からカーテン生地34が吊下支持され、カーテン生地34の下端にウェイトバー5が取着されている。カーテン生地34には、上下方向に略等間隔にリング18が取着されている。昇降コード7は、一端7bがカーテン生地34の下端近傍に取着され、他端は、リング18に挿通されてヘッドボックス1側に(ヘッドボックス1内に、又は第1実施形態のようにヘッドボックス1に取着された部材に)案内されている。昇降コード7の一端7bの近傍には連結部17が設けられている。連結部17の構成は、第1実施形態と同様である。
【0049】
図15は、カーテン生地34が下限位置にあり、昇降コード7は、張力が加わっていないたるんだ状態である。この状態では、連結部17は、第1嵌合部43aの嵌合突部45が上向きになっていて、低保持力状態になっている。また、この状態では、昇降コード7に張力が加わっていないので、連結部17の保持力を非常に小さくすることができ、安全性が高められる。
【0050】
次に、第1又は第2実施形態に示すような方式の操作方法で、昇降コード7をヘッドボックス1側から操作してカーテン生地34の上昇操作を開始すると、
図16に示すように、連結部17の向きが変わって、連結部17が高保持力状態に変化する。
【0051】
<第4実施形態>
本実施形態は、第3実施形態と同様にたくし上げカーテンに関するものであるが、連結部17の構成が異なっている。以下の説明では、第1〜第3実施形態との共通点は適宜説明を省略する。
本実施形態では、連結部17は、第2実施形態と同様に、昇降コード7の端部に設けられている。また、カーテン生地34の下端近傍には、リング20を介して、係合部19aを有する係合部材19が設けられている。連結部17と係合部19aの係合構造は、第2実施形態での連結部17と係合部15aの係合構造と同じであり、
図17の状態では、一対のアーム17bの弾性力のみによって、一対のアーム17bと係合部19aの間の係合が保持されている状態であり、連結部17は、低保持力状態になっている。そして、昇降コード7、リング20、及びカーテン生地34によって形成されるループ構造に異物が引っ掛かると、連結部17と係合部19aの間の係合が解除されて、係合部材19が連結部17から外れて、
図17(b)に示す状態となって、安全が確保される。
【0052】
一方、昇降コード7をヘッドボックス1側から操作してカーテン生地34を上昇させると、連結部17の位置も上昇し、
図18に示すように、連結部17がリング(高さ検知部材)18の開口部に入り込んだ状態となる。この状態では、リング18によって一対のアーム17bの広がりが抑制される。これによって、一対のアーム17bと係合部19aの間の係合が解除されにくくなり、連結部17は、高保持力状態になる。
【0053】
<第4実施形態の変形例1>
第4実施形態では、連結部17が一番下に設けられたリング18と係合して、連結部17の保持力が増大する構成であったが、連結部17がより高い位置にまで移動したときに連結部17の保持力を増大させたい場合もある。そこで、本変形例では、
図19(a)に示すように、下から一又は複数の(本変形例では2つの)リング18wの開口部サイズを連結部17に係合しないサイズにすることによって、連結部17がリング18wの位置に到達しても連結部17の保持力を変化させないように構成している。そして、
図19(b)に示すように、連結部17の保持力を変化させたい高さ位置に配置されているリング(高さ検知部材)18と、連結部17とを第4実施形態と同様に係合させることによって、連結部17の保持力を増大させている。このような構成によれば、任意の高さ位置で連結部17の保持力を増大させることができる。
なお、本変形例では、所定の高さ位置で連結部17の保持力を変化させるための高さ検知部材として、たくし上げカーテンのリング18を用いたが、本変形例の思想を横型ブラインドに適用する場合、連結部17をスラットに設けた昇降コード挿通孔に係合させることができる。つまり、スラットが高さ検知部材として利用可能である。例えば、下から10段目までのスラットの昇降コード挿通孔は連結部17とは係合しないサイズにし、その次にスラットの昇降コード挿通孔に連結部17を係合させて連結部17の保持力を高めることによって、下から11番目のスラットの高さ位置において、連結部17の保持力を増大させることができる。
【0054】
<第4実施形態の変形例2>
本変形例では、第1実施形態と同様に、連結部17内の移動部材40の移動によって、連結部17の保持力を変化させる。但し、第1実施形態では、重力の作用によって移動部材40を移動させたが、本実施形態では、磁力と重力の作用によって移動部材40を移動させる。
【0055】
以下、
図20〜
図21を用いて、本変形例の具体的な構成を説明する。
本変形例の基本構成は、第4実施形態の変形例1と同様であり、カーテン生地34に複数のリング18w、18が取着されている。下から一又は複数の(本変形例では2つの)リング18wの開口部は、連結部17が通り抜けるサイズになっており、その上のリング18の開口部は、連結部17に係合するサイズになっている。連結部17内には移動部材40が配置されている。
図20の状態では、移動部材40が重力の作用によって嵌合突部45の先端から離れた位置に配置されており、連結部17は、低保持力状態になっている。
【0056】
昇降コード7をヘッドボックス1側から操作してカーテン生地34を上昇させると、連結部17の位置も上昇し、
図21に示すように、連結部17が2つのリング18wを通過した後に、リング18に当接する。リング18と移動部材40は互いに磁力によって引きつけられる構成になっている。具体的には、リング18と移動部材40の両方が磁石であるか、何れか一方が磁石で他方が磁石に吸着する金属である。このため、連結部17がリング18に十分に近づくと移動部材40が磁力によって上昇して嵌合突部45の略先端に移動し、連結部17が高保持力状態となる。このような構成によれば、任意の高さ位置で連結部17の保持力を増大させることができる。
【0057】
<第2実施形態の変形例1>
本変形例では、基本構成が第2実施形態と同様である日射遮蔽装置に、第4実施形態の変形例2と同様の原理によって、連結部17の保持力を変化させる構成を適用したものである。但し、本変形例では、重力の作用は利用せずに、磁力の作用のみによって移動部材40を移動させる。
以下、
図22〜
図23を用いて、本変形例の具体的な構成を説明する。
本変形例の基本構成は、第2実施形態と同様であり、駆動軸12の回転に伴ってスライド部材14がネジ送り機構によって矢印Y方向に移動するように構成されている。連結部17内には移動部材40が配置されている。ガイド部材8dと移動部材40とは互いに磁力によって引きつけられる構成になっており、その作用によって、
図22の状態では、移動部材40が嵌合突部45の先端から離れた位置に配置されており、連結部17は、低保持力状態になっている。
【0058】
昇降コード7の巻取り方向に駆動軸12を回転させると、スライド部材14が矢印Y方向に移動して、連結部17に近づく。スライド部材14と移動部材40は互いに磁力によって引きつけられる構成になっている。このため、スライド部材14が連結部17に十分に近づいて、スライド部材14と移動部材40の間の引力が、ガイド部材8dと移動部材40の間の引力よりも大きくなると、移動部材40が嵌合突部45の略先端に移動し、連結部17が高保持力状態となる。このような構成によれば、任意の高さ位置で連結部17の保持力を増大させることができる。なお、駆動軸12を逆方向に回転させてスライド部材14を矢印Yの反対方向に移動させると、スライド部材14と移動部材40の間の引力が徐々に小さくなり、スライド部材14と移動部材40の間の引力が、ガイド部材8dと移動部材40の間の引力よりも小さくなると、移動部材40は、再度、
図22(b)に示すように、嵌合突部45の先端から離れた位置に移動して、連結部17が低保持力状態に戻る。
【0059】
なお、ここでは、磁力による引力によって移動部材40を移動させる具体例の説明を行ったが、磁力による斥力によって移動部材40を移動させることも可能である。
【0060】
<第2実施形態の変形例2>
本変形例では、スライド部材14と移動部材40が互いに磁力によって引きつけられる構成になっており、スライド部材14と移動部材40の間の引力によって移動部材40を移動させることによって連結部17の保持力を変化させる。
以下、
図24〜
図25を用いて、本変形例の具体的な構成を説明する。
本変形例の基本構成は、第2実施形態の変形例1と同様であり、駆動軸12の回転に伴ってスライド部材14がネジ送り機構によって矢印Y方向に移動するように構成されている。連結部17内には移動部材40が配置されている。スライド部材14と移動部材40が互いに磁力によって引きつけられる構成になっており、スライド部材14が
図24に示す位置にあるときは、移動部材40がスライド部材14に引きつけられることによって、移動部材40が嵌合突部45の先端から離れた位置に配置され、連結部17は、低保持力状態になる。
【0061】
昇降コード7の巻取り方向に駆動軸12を回転させると、スライド部材14が矢印Y方向に移動して、
図25に示すように連結部17を通り過ぎる。このとき、移動部材40は、スライド部材14の移動に伴って嵌合突部45の略先端に移動し、連結部17が高保持力状態となる。このような構成によれば、任意の高さ位置で連結部17の保持力を増大させることができる。なお、駆動軸12を逆方向に回転させてスライド部材14を矢印Yの反対方向に移動させると、この移動に伴って移動部材40が嵌合突部45の先端から離れた位置に移動して、連結部17が低保持力状態に戻る。