【文献】
J Y He、Fracture of micrometre−sized Ni/Au coated polymer particles、JOURNAL OF PHYSICS D:APPLIED PHYSICS、英国、2009.03.26発行、42(2009)085405、pp.1−5
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記被覆層は、Ni、Sn、Ag、Cu、Pd、Zn、W、P、BおよびAuよりなる群から選ばれる1種または2種以上の合金からなることを特徴とする、請求項1に記載のタッチスクリーンパネル用導電粒子。
前記導電粒子はTSP(Touch Screening Panel)用異方性導電フィルム(ACF)に含まれることを特徴とする、請求項1に記載のタッチスクリーンパネル用導電粒子。
【背景技術】
【0002】
導電粒子は、硬化剤、接着剤、樹脂バインダーと混合して分散した形で使用されるもので、異方性導電材料、例えば異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film)、異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste)、異方性導電インク(Anisotropic Conductive Ink)、異方性導電シート(Anisotropic Conductive Sheet)などとして幅広く用いられている。
【0003】
例えば、異方性導電材料は、LCD(Liquid Crystal Display)、AMOLED(Active Matrix Organic Light Emitting Diode)、PDP(Plasma Display Panel)などの平板ディスプレイパネルの組立に際して、基板上のTFT(Thin Film Transistor)とこれを駆動するためのドライバーIC(Integrated Circuit)との電気的接続や、TSP(Touch Screen Panel)の駆動モジュールと電極との接続などに用いられる。
【0004】
このような異方性導電材料として用いられる導電粒子は、ニッケル、銅、銀、金などの金属系;カーボン粉末、カーボン繊維、カーボンフレーク(flake)などのカーボン系;樹脂粒子に金属物質をコートまたはメッキして使用する複合系の粒子などが例示される。
【0005】
金属系粒子は、粒子全体が導電性を有し且つ粒度の分布が広いため、回路の微細ピッチや高精密を要求する分野よりは、回路のピッチが大きく高電流を要求するPDPに主に用いられている。
【0006】
カーボン系粒子は、金属系粒子より電気伝導度が低いため、高い電気伝導度を要求する分野には使用が制限される。
【0007】
一方、複合系粒子は、電気伝導度が前記金属系粒子とカーボン系粒子との中間程度であって、微粒子の分布を非常に狭くすることができるため、現在最も多く使われている導電粒子である。
【0008】
複合系導電粒子は、球状の樹脂上に無電解メッキ方法でニッケル−リンまたはニッケル−ホウ素またはニッケル−リン−タングステンまたはニッケル−ホウ素−タングステンなどの合金メッキ層を形成してそのまま使用し、或いは腐食防止および電気伝導度向上の目的で金または銀などの貴金属を最外殻に構成して使用することもある。
【0009】
最近、モバイル機器、特にスマートフォンの普及拡大により、導電粒子はTSP(Touch Screen Panel)分野で使用量が急激に増加しつつある。TSPは、ディスプレイ(display)面には互いに接触しない直角の透明電極を被せ、ディスプレイの縁部にはAg粉末またはCu粉末などの金属粉末、バインダーおよび溶媒を混合して製造されたペースト(paste)を用いて、駆動モジュールと連結することが可能な電極を形成する。
【0010】
形成された電極は、ディスプレイ(display)の特性上、高温で熱処理が不可能であるため、一般に揮発成分のみ無くす方法を使用する。よって、電極は非常に弱く形成
されている。このため、TSPと駆動モジュールとを連結するための導電粒子は、非常に柔らかくて変形し易いことが求められた。なぜなら、一般な導電粒子は、TSPに接合ボンディングを行う場合、ペーストから形成された電極が簡単に破損して短絡となり、或いは抵抗が急激に増加するという問題点があるためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前述した問題点を解決するために導出されたもので、その目的は、接続抵抗が低くかつ誤作動が少ない、タッチスクリーンパネル用導電粒子を提供することにある。本発明の他の目的は、前述した導電粒子を用いた異方性導電材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明のある観点によれば、樹脂微粒子、および前記樹脂微粒子の外面に形成される被覆層を有する導電粒子であって、下記式1によるV値が6≦V≦25であり、変曲点発生力が1.0〜15mNである、タッチスクリーンパネル用導電粒子を提供する。
【0014】
(式1)
V(%)=Sv/D*100
【0015】
(式中、Svは導電粒子に外力(load)を増加させるときに導電粒子の変形増加率(=△圧縮変形量/△外力)の増加が発生する時点の圧縮変形量を示し、Dは導電粒子の平均直径(μm)を示す。)
【0016】
この際、前記導電粒子の平均直径は4〜16μmであることが好ましい。
【0017】
また、前記被覆層は30〜400nmの厚さを有することが好ましい。
【0018】
また、前記被覆層は表面に高さ50nm〜500nmの突起を備えることが好ましい。
【0019】
また、前記突起は前記被覆層と同一の物質からなることが好ましい。
【0020】
この際、前記被覆層は、Ni、Sn、Ag、Cu、Pd、Zn、W、P、BおよびAuよりなる群から選ばれる1種または2種以上の合金からなることが好ましい。
【0021】
また、前記被覆層の外面には、Au、Pt、AgおよびPdよりなる群から選ばれる1種または2種以上の合金からなる追加の被覆層をさらに含むことができる。
【0022】
また、前記導電粒子はTSP(Touch Screening Panel)用異方性導電フィルム(ACF)に含まれ得る。
【0023】
本発明の他の観点によれば、前述した導電粒子を含む異方性導電材料を提供する。
【0024】
本発明の別の観点によれば、前述した導電粒子または異方性導電材料を含む電子装置を提供する。
【発明の効果】
【0025】
本発明のある観点による導電粒子は、外力が加えられたときに圧縮変形が調節されるため、回路の接続不良または抵抗の急激な増加による回路の誤作動を起こさない。また、本発明の他の観点による異方性導電材料は、電気抵抗が低くかつ導電信頼性に優れる導電粒子を用いることにより、優れた電気抵抗及び導電信頼性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明をさらに具体的に説明する前に、本明細書に使用された用語は、特定の実施例を記述するためのものに過ぎず、特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。本明細書に使用されるすべての技術用語および科学用語は、特に言及がない限りは、当該技術分野における通常の技術を有する者に一般に理解されることと同一の意味を有する。
【0028】
本明細書および請求の範囲の全般にわたって、特に言及がない限り、「含む(comprise、comprises、comprising)という用語は、言及された物、段階または一群の物、および段階を含むことを意味し、任意のある他の物、段階または一群の物または一群の段階を排除する意味で使用されたものではない。
【0029】
一方、本発明の様々な実施例は、明確な反対の指摘がない限り、いかなる他の実施例と組み合わせてもよい。特に、好適または有利であることを示すいかなる特徴も、好適または有利であることを示す他のいかなる特徴と組み合わせてもよい。
【0030】
本発明の一実施例に係る導電粒子は樹脂微粒子と被覆層を含む。樹脂微粒子は単量体の重合体からなる。その材料は、非制限的に、スチレン系、アクリル系、ジビニルベンゼン系などの単量体またはそれらの変形した単量体または前記単量体の混合された単量体を用いて、重合して得られる重合体を使用することが好ましい。例えば、エチルアクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、イソオクチルアクリレート、メチルメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、ジビニルベンゼンなどの単量体を単独で使用し或いは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0031】
被覆層は、Ni、Sn、Ag、Cu、Pd、Zn、W、P、BおよびAuよりなる群から選ばれる1種または2種以上の合金からなる。すなわち、被覆層は、金属、例えば金、銀、ニッケル、銅、錫、亜鉛、チタンなどの単一金属からなってもよく、錫−鉛、錫−銅、錫−亜鉛、ニッケル−リン、ニッケル−ホウ素、ニッケル−タングステンなどの合金からなってもよい。
【0032】
被覆層の厚さは30〜400nm程度であることが好ましい。被覆層の厚さが30nm未満の場合は、抵抗値が増加し、被覆層の厚さが400nmを超える場合は、被覆層の剥離が起こるため、製品の信頼性が低下する。特に好ましい厚さは100〜250nmである。
【0033】
被覆層の表面には突起が突設されてもよい。突起の高さは、特に限定されないが、好ましい突起の高さは50nm〜500nmである。これは、突起の高さが前述の範囲を外れると、金属酸化層とバインダー樹脂を壊すことが可能な効果が弱くなるためである。一方、さらに好ましい突起の高さは100〜300nmである。被覆層の厚さは、例えば以下のように測定される。すなわち、Particle Size Analyzer(BECKMAN MULTISIZER TM3)を用いてメッキ前の微粒子の直径mode値とメッキ後の導電粒子の直径mode値とを測定し、これらの差の1/2を被覆層の厚さとする。なお、測定の対象となる粒子の数は例えば150,000個である。以下の実施例及び比較例では、この方法により被覆層の厚さを測定した。実施例及び比較例では、測定対象となる粒子の数を150,000個とした。
【0034】
突起の高さは、例えば以下の方法により測定される。すなわち、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いて導電粒子の球状の仮想地平線から10個の突起の高さを測定し、その平均値(算術平均値)を突起の高さとする。実施例及び比較例では、この方法により突起の高さを測定した。
【0035】
突起の形状は、特に限定されないが、凸形状であることが好ましい。このような硬度を備える材料としては、被覆層と同一の物質が挙げられる。具体的には、Ni、Sn、Ag、Cu、Pd、Zn、W、P、BおよびAuよりなる群から選ばれる1種または2種以上の合金が挙げられる。突起は被覆層と異なる材料で構成されていてもよい。すなわち、突起は、主に金属であって、例えば金、銀、銅、ニッケル、チタン、ビスマス、アンチモンなどの単一金属からなってもよく、または銅−亜鉛、銅−錫、ニッケル−リン、ニッケル−タングステン、ニッケル−ホウ素などの合金からなってもよい。好ましい金属はニッケル、金、銀、パラジウム、タングステンなどである。
【0036】
前述した導電粒子の表層に、金、銀、白金、パラジウムなどの貴金属を含む追加の被覆層を備えてもよい。これは導電粒子の伝導度を高め、酸化防止の効果も得ることができるためである。前記層の形成方法は、特に限定されるものではなく、一般なスパッタリング、メッキ、蒸着の技術を使用することができる。
【0037】
本発明の実施例に係る導電粒子は、外力が加えられると、外力が益々強くなることにより、初期には外力が増加するにつれて変形増加率が一定に増加し、ある時点には小さい外力でも変形増加率が急激に増加する変曲点が発生する。この際、変曲点以前までは弾性変形が行われ、変曲点より後は塑性変形が主に行われる。
【0038】
この際、本発明の実施例に係る導電粒子は、下記式1による変曲開始変形率(V)値が6≦V≦25であることを満足する。Vが6未満の場合、外力によって持続的に変形が行われて第1電極と第2電極間の距離が非常に近くなるため、小さい外力が加わっても、第1電極が第2電極を破壊する問題点が発生し、導電粒子の耐久性が非常に脆弱であるため、異方性導電材料の製造過程または接合ボンディングの際に容易に溶解または変形が生ずる可能性がある。
【0039】
また、Vが25を超過する場合は、導電粒子の変形に必要な力が大きいため、前述した電極の破壊が起こるため、抵抗が急激に増加し或いは短絡が起こるという問題点がある。また、弾性変形による回復力が強いため、ACF接合ボンディングの際に外力が除去された後にも、電極を押し上げる効果が起こり、これは短絡或いは抵抗増加をもたらす。
【0040】
(式1)
V(%)=Sv/D*100
【0041】
ここで、Svは25℃に加熱した導電粒子に加える外力を増加させるときに導電粒子の変形増加率(△圧縮変形量/△外力)の増加が発生する時点の圧縮変形量を示し、Dは導電粒子の平均直径(μm)を示す。導電粒子の加熱は例えばホットプレートによって行われる。
【0042】
さらに、導電粒子の変曲点発生力は、1.0〜15mNである。ここで、変曲点発生力は、上記の変曲点が得られた際の外力を意味する。このように、本実施形態の導電粒子は、変曲点発生力が非常に小さい。したがって、本実施形態の導電粒子は、タッチパネル用の導電粒子として特に好適である。タッチパネルに与えられる外力は小さいことが多いからである。本実施形態の導電粒子をタッチパネル用の導電粒子に適用することで、タッチパネルの電極の破壊を防ぎつつ、電極同士の短絡を防止することができる。変曲開始変形率(V)値に必要なデータ及び変曲点発生力は微小圧縮試験機(MCT、Micro Compress Tester)を用いて得ることができる。これを
図1及び
図2を参照して説明する。
図1は微小圧縮試験機によって0.33mN/secの速度で力を増加させて最大50mNまで加えたときの変形量を示すグラフであり、
図2は
図1の変形量を説明するための説明図である。この際、圧縮変形量(S)とは、力(F)を加えるときに力の印加方向に導電粒子の高さが減少した分のことをいう。
【0043】
このことから、導電粒子に対して50mNの力で圧縮試験を行う場合、導電粒子は、初期に変形し始めて変形増加率が一定に維持され、ある時点には変形増加率(△圧縮変形量/△外力)の増加が発生するが、この時点の一定の力(F1)に該当する圧縮変形量(Sv)を求めることができる。
【0044】
例えば、平均直径(D)8μmの導電粒子に対して最大50mNの荷重で圧縮試験を行うとき、導電粒子の変形増加率の増加が発生する時点である、グラフ上の変曲点が生ずる地点における圧縮変形量を求めることができる。さらに、この地点における外力、すなわち変曲点発生力を測定することができる。
【0045】
一方、導電粒子は、サイズは非制限的であるが、4〜16μmの平均直径を有するように製造されることが好ましい。導電粒子のサイズが4μm未満の場合は、TSPの電極材料として用いられる金属粉末のサイズと類似し或いはそれよりやや大きいため、TSP用電極の破壊を起こして接続信頼性を低下させ、導電粒子のサイズが16μmを超える場合は、一定の電極面積に存在する導電粒子の数が少なくて抵抗が増加する現象を示すおそれがある。
【0046】
前述した導電粒子の平均直径は、例えば粒子サイズ分析器(Particle Size Analyzer)(BECKMAN MULTISIZER TM3)を用いて測定されたモード値である。この際、測定された導電粒子の数は150,000個が好ましい。
【0047】
以下に
図3〜
図8を参照しながら、本発明に係る導電粒子が作用する段階別メカニズムについて説明する。各図面は第1電極と第2電極との間にACFが位置した状態を示す。第1電極はFPCB(フレキシブルプリント基板)に位置し、第2電極はTSP基板上に位置する。TSP基板の第2電極はペーストを用いて形成された電極であって、非常に小さい力でも電極が破壊される傾向がある。
【0048】
図3は電極の間における電極間の接合のための予備接合段階であって、この段階は作業の便利性と電極の正確な位置決めを図るためである。この際、第1電極と第2電極との間に力が加えられず、導電粒子と電極とは未だ接触していない。
【0049】
図4は電極の間に力が加わり始める段階であって、第1電極に力を加えることにより、第1電極と第2電極との間にある導電粒子が各電極に接触する状態である。電極の間への力の印加は治具(Jig)などを介して行われる。
【0050】
図5は電極の間に力がさらに加わる段階であって、第1電極に力がさらに加わることにより導電粒子の変形が発生する段階である。この際、導電粒子が変形しなければ、
図6に示すように、導電粒子が電極を入り込む現象が発生し、これにより第2電極に亀裂が発生して不良の原因となる。よって、本発明で提示した圧縮変形量(Sv)が重要な意味を持つ。
【0051】
図7は電極の間に加わる力が除去される段階であって、異方性導電フィルム用樹脂は硬化が進み、導電粒子は変形した状態をそのまま維持する。
【0052】
図8はACF用樹脂が完全に硬化した段階であって、電極の間の導電粒子が第1電極と第2電極との間を電気的に安全に接続する。
【0053】
本実施形態の導電粒子は、TSP用異方性導電フィルム(ACF)に含まれてもよく、他の異方性導電材料に含めてもよい。また、導電粒子を含む異方性導電材料(ACF含む)は、各種の電子装置(例えばタッチスクリーンパネル)等に適用出来る。ここで、導電粒子を異方性導電材料に含める方法、及び異方性導電材料を電子装置に適用する方法は特に制限されず、従来の方法が任意に適用される。
【実施例】
【0054】
(実施例1)
(前処理)
脱イオン水1600gに分散安定剤「PVP−30K」15gを溶かした。該溶液にポリスチレンモノマー85gとメチルメタクリレートモノマー85gを入れて攪拌しながら懸濁液を作った。該懸濁液に重合剤としての過酸化ベンゾイル(Benzoyl peroxide)を1.5g添加し、攪拌してよく混合させた。モノマー懸濁液を85℃で加熱して重合反応を行い、反応が完結するまで12時間を維持した。合成が完了した後、懸濁液中の微粒子に対して濾過、洗浄、分級、乾燥工程を行って平均直径7.7μmのコア樹脂微粒子を得た。
【0055】
(活性化核形成処理)
一方、樹脂粒子に突起があるように無電解メッキを施す場合は、メッキの際に還元された金属粒子がくっ付く活性化核を樹脂コアの表面に処理する追加の工程が必要である。例えば、アルカリ溶液または酸溶液でエッチングした樹脂コア粒子に対して、脱イオン水に塩酸(HCl)と塩化錫(SnCl
2)を溶かした溶液でセンシタイジング(sensitizing)を行い、脱イオン水に塩酸と塩化パラジウム(PdCl
2)を溶かした溶液でアクセレレイション(acceleration)を行う。前記センシタイジングは絶縁物質の表面にSn
2+イオンを吸着させる工程であり、アクセレレイションはSn
2++Pd
2+→Sn
4++Pd
0で表示される反応によって無電解メッキの触媒核(活性化核)を形成するための触媒処理工程である。本実施例1では、この方法により活性化核を形成した。
【0056】
(メッキ処理)
次に、3Lの反応器に脱イオン水2200mLを投入し、Ni塩として硫酸ニッケル240g、錯化剤として酢酸ナトリウム5g、安定剤としてPb−酢酸塩0.002g、および界面活性剤として3gのPEG−400を順次脱イオン水に溶解させてメッキ液(a)を製造した。前述した活性化核形成処理を済ませた、平均直径7.7μmのコア樹脂樹脂粒子50gをメッキ液(a)に入れ、ホモジナイザー(homogenizer)を用いて5分間分散処理を行った。分散処理の後、アンモニア水を用いてpHを6.5にした。
【0057】
1Lのビーカーに脱イオン水300mL、還元剤として次亜リン酸ナトリウム260g、安定剤としてPb−酢酸塩0.001gを順次溶解させて溶液(b)を得た。
【0058】
前記3Lの反応器の温度を65℃に維持し、250rpmで攪拌しながら前記溶液(b)を定量ポンプで初期5分間20mL/minの速度で添加した後、残りは8mL/minで投入した。(b)溶液が全て投入されると、20分間反応を維持させて平均直径8.01μm、Sv1.51μm、V18.9%の導電粒子を製造した。Ni被覆層の層厚は155nm、突起の高さは356nmであった。
【0059】
この際、コア樹脂微粒子及び導電粒子の平均直径は、Particle Size Analyzer(BECKMAN MULTISIZER TM3)を用いて測定されたモード値を用いた。測定されたコア樹脂微粒子及び導電粒子の数は150,000個であった。また、導電粒子の平均直径は、突起を除いた部分の平均直径である。
【0060】
また、圧縮変形量は、1辺の長さが50μmの平面圧子(Indenter)を用いて、微小圧縮試験機(FISHERSCOPE HM2000)で測定した。圧縮変形量は、5個の導電粒子を測定し、その平均値(算術平均値)とした。具体的に、25℃でホットプレートを加熱し、その上に導電粒子をのせ、圧子(Indenter)の下降速度を0.33mN/secにしてMAX 50mNの力で測定し、導電粒子の変形した圧縮変形量を測定した。また、変曲点が発生した際の外力を変曲点発生力として測定した。変曲点発生力については表1に他の実施例及び比較例とまとめて示す。
【0061】
(実施例2)
実施例1の前処理においてメチルメタクリレートモノマー140gとジビニルベンゼンモノマー10gを用いた他は、実施例1の前処理と同様の処理を行うことで、平均直径7.6μmのコア樹脂微粒子を作製した。その後、実施例1と同様の処理を行ったが、メッキ処理においては、溶液(b)を5分間20mL/minの速度で投入した後、残りは10mL/minの速度で投入した。これにより、平均直径8.05μm、Sv1.32μm、V16.4%、被覆層の層厚225nm、突起の高さ275nmの導電粒子を製造した。
【0062】
(実施例3)
実施例1の前処理においてヘキサンジオールジアクリレートモノマー85gとジビニルベンゼンモノマー85gを用いた他は実施例1の前処理と同様の処理を行うことで、平均直径10μmのコア樹脂微粒子を作製した。その後、実施例1と同様の処理を行ったが、メッキ処理においては、コア樹脂微粒子の使用量を30g、硫酸ニッケルの使用量を120g、次亜リン酸ナトリウムの使用量を140gに変更した。また、溶液(b)を5分間20mL/minの速度で投入した後、残りは12mL/minの速度で投入した。これにより、平均直径10.3μm、Sv1.61μm、V15.6%、被覆層の層厚150nmおよび突起の高さ72nmの導電粒子を製造した。
【0063】
(実施例4)
実施例1の前処理においてポリエチレングリコールジメタクリレート#400モノマー85gとエチルアクリレートモノマー85gとを用いた他は、実施例1の前処理と同様の処理を行うことで、平均直径9.66μmのコア樹脂微粒子を作製した。その後、実施例1と同様の処理を行ったが、メッキ処理においては、コア樹脂微粒子の使用量を30g、硫酸ニッケルの使用量を120g、次亜リン酸ナトリウムの使用量を140gに変更した。また、溶液(b)を5分間20mL/minの速度で投入した後、残りは9mL/minの速度で投入した。これにより、平均直径10.1μm、Sv0.62μm、V6.1%、被覆層の層厚220nmおよび突起の高さ157nmの導電粒子を製造した。
【0064】
(実施例5)
実施例1の前処理においてスチレンモノマー150gとジビニルベンゼンモノマー10gを用いた他は、実施例1の前処理と同様の処理を行うことで、平均直径14.9μmのコア樹脂微粒子を作製した。その後、実施例1と同様の処理を行ったが、メッキ処理においては、コア樹脂微粒子の使用量を30g、硫酸ニッケルの使用量を120g、次亜リン酸ナトリウムの使用量を140gに変更した。また、溶液(b)を5分間20mL/minの速度で投入した後、残りは8mL/minの速度で投入した。これにより、平均直径15.4μm、Sv3.4μm、V22.1%、被覆層の層厚250nmおよび突起の高さ184nmの導電粒子を製造した。
【0065】
(実施例6)
実施例1の前処理においてスチレンモノマー80gとメチルメタクリレートモノマー80gとを用いた他は実施例1と同様の処理を行うことで平均直径3.90μmのコア樹脂微粒子を作製した。その後、実施例1と同様の処理を行ったが、メッキ処理においては、コア樹脂微粒子の使用量を25g、硫酸ニッケルの使用量を120g、次亜リン酸ナトリウムの使用量を140gに変更した。また、溶液(b)を5分間20mL/minの速度で投入した後、残りは12mL/minの速度で投入した。これにより、平均直径4.08μm、Sv0.78μm、V19.5%、被覆層の層厚90nmおよび突起の高さ101nmの導電粒子を製造した。
【0066】
(実施例7)
実施例1で製造された導電粒子にAuメッキを施すことで、平均粒径8.0μm、Sv1.5μm、V18.8%、Ni/Au被覆層の層厚150nmおよび突起の高さ340nmのNi/Au導電粒子を製造した。なお、Auメッキは、Ni金属との置換反応により行われた。このため、Ni/Au被覆層の厚さは、実施例1のNi被覆層の厚さと略同一となる。
【0067】
(実施例8)
活性化核形成処理を行わなかったこと、及びメッキ処理において溶液(b)を定量ポンプで20mL/minの速度で添加し、しかる後に、20分間反応を維持させたこと以外は実施例1と同様の処理を行った。これにより、平均直径8.2μm、Sv1.52μm、V18.5%および被覆層の層厚250nmを有する、突起のない導電粒子を製造した。
【0068】
(実施例9)
実施例8で製造された導電粒子にAuメッキを施すことで、平均直径8.2μm、Sv1.50μm、V18.3%およびNi/Au被覆層の層厚250nmを有する、突起のないNi/Au導電粒子を製造した。なお、Auめっきは、Ni金属との置換反応により行われた。このため、Ni/Au被覆層の厚さは、実施例8のNi被覆層の厚さと略同一になる。
【0069】
(実施例10)
実施例1の前処理で製造されたコア樹脂微粒子にCuメッキを施した。CuメッキはCuめっき液MS−KAPA(MSC社製)製品を使用した。これにより、平均直径7.9μm、Sv1.30μm、V16.5%および被覆層の層厚100nmを有する、突起のない導電粒子を製造した。
【0070】
(実施例11)
2Lの反応器にDIW(脱イオン水)500gおよびEtOH500gを仕込み、アクリルアミド2gと少量の界面活性剤を添加し、120mLのAg2gを溶液に添加した後、溶液を65℃に2時間維持した。その後、実施例8で製造された導電粒子20gを上記溶液に入れて250rpmで12時間維持することで、平均直径8.2μm、Sv1.43μm、V17.4%、被覆層の層厚250nmおよび突起の高さ120nmのNi/Ag突起付き導電粒子を製造した。
【0071】
(比較例1)
実施例1の前処理においてモノマーエチレングリコールジメタクリレート85gとジビニルベンゼンモノマー85gを用いた他は実施例1と同様の処理を行うことで平均直径8.8μmのコア樹脂微粒子を作製した。その後、実施例1と同様の処理を行ったが、メッキ処理においては、コア樹脂微粒子55gを用いた。これにより、平均直径9.1μm、Sv4.25μmおよびV46.7%の導電粒子を製造した。Ni被覆層の層厚は150nm、突起の高さは154nmであった。
【0072】
(比較例2)
実施例1の前処理においてエチレングリコールジメタクリレートモノマー100gとジビニルベンゼンモノマー60gとを用いた他は、実施例1の前処理と同様の処理を行うことで、平均直径4.0μmのコア樹脂微粒子を作製した。その後、実施例1と同様の処理を行ったが、メッキ処理においては、コア樹脂微粒子の使用量を30gとした。これにより、平均直径4.25μm、Sv2.55μm、V46.7%、被覆層の層厚125nmおよび突起の高さ135nmの導電粒子を製造した。
【0073】
(実験例)
(実験例1:接続抵抗の測定)
接続抵抗を測定するためにエポキシ樹脂と前記導電粒子を混合し、フィルム状に作って電極と接合させた後、初期抵抗を測定した。
【0074】
【表1】
【0075】
これによれば、本発明の実施例に係る6≦V≦25であり、かつ、変曲点発生力が1.0〜15mNであるものの抵抗が低いことが分かる。また、これらの条件が成立し、かつ、平均直径が4〜16μm、被覆層の厚さが30〜400nm、または突起の高さが50nm〜500nmとなる場合には、初期抵抗が特に低くなる。
【0076】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上述した実施例に限定されず、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の概念を外れることなく変形を加えることが可能である。それらの変形は本発明の範囲に属する。
【0077】
前述した発明に対する権利範囲は、特許請求の範囲によって定められるものであって、明細書本文の記載にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更はすべて本発明の範囲内のものである。