(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
(3S,11aR)-N-[(2,4-ジフルオロフェニル)メチル]-2,3,5,7,11,11a-ヘキサヒドロ-6-ヒドロキシ-3-メチル-5,7-ジオキソ-オキサゾロ[3,2-a]ピリド[1,2-d]ピラジン-8-カルボキサミド、化合物(I)とも呼ばれる式(I)の化合物は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に対する抗ウイルス活性が証明された。
【化1】
【0009】
本発明は、毎月1回又はそれより長い間隔での投与に適した、活性成分(3S,11aR)-N-[(2,4-ジフルオロフェニル)メチル]-2,3,5,7,11,11a-ヘキサヒドロ-6-ヒドロキシ-3-メチル-5,7-ジオキソ-オキサゾロ[3,2-a]ピリド[1,2-d]ピラジン-8-カルボキサミド、又はその医薬として許容される塩を含む医薬組成物を特徴とする。
【0010】
本発明のさらなる特徴は、これらの医薬組成物の使用方法である。
【0011】
本発明は、(3S,11aR)-N-[(2,4-ジフルオロフェニル)メチル]-2,3,5,7,11,11a-ヘキサヒドロ-6-ヒドロキシ-3-メチル-5,7-ジオキソ-オキサゾロ[3,2-a]ピリド[1,2-d]ピラジン-8-カルボキサミド、又はその医薬として許容される塩、及び界面活性剤系を含む医薬組成物を特徴とする。
【0012】
本発明は、治療有効量の(3S,11aR)-N-[(2,4-ジフルオロフェニル)メチル]-2,3,5,7,11,11a-ヘキサヒドロ-6-ヒドロキシ-3-メチル-5,7-ジオキソ-オキサゾロ[3,2-a]ピリド[1,2-d]ピラジン-8-カルボキサミド、又はその医薬として許容される塩、及び界面活性剤系を含む医薬組成物を特徴とする。
【0013】
医薬として許容される塩としては、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、又はカリウム塩及び溶媒和物、例えば、水和物若しくはアルコレートなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
「治療有効量」という用語は、本明細書において使用する場合、ヒト又は他の哺乳動物において疾病を軽減又は逆転又は治療するのに十分な量の薬物、化合物、組成物、製品又は医薬品を意味する。
【0015】
本発明は、対象、例えばヒトへの投与用の非経口医薬組成物を特徴とする。
【0016】
本発明は、毎月1回の投与用の、式(I)の化合物又はその医薬として許容される塩、及び界面活性剤系を含む長時間作用型の非経口医薬組成物を特徴とする。
【0017】
本発明は、隔月(2カ月毎に1回)投与用の、式(I)の化合物又はその医薬として許容される塩、及び界面活性剤系を含む長時間作用型の非経口医薬組成物を特徴とする。
【0018】
本発明は、3カ月毎(3カ月毎に1回)投与用の、式(I)の化合物又はその医薬として許容される塩、及び界面活性剤系を含む長時間作用型の非経口医薬組成物を特徴とする。
【0019】
本発明は、6若しくは12カ月毎に1回の又はこの範囲内の任意の時点での投与用のための、式(I)の化合物又はその医薬として許容される塩と界面活性剤系とを含む長時間作用型の非経口医薬組成物を特徴とする。
【0020】
本発明の組成物は、式(I)の化合物の徐放を実現する。したがって、薬物の治療レベルに達するために、式(I)の化合物は、有益なことに、おおよそ1〜3カ月以内、又はこの範囲内の任意の時点で該組成物から放出される。
【0021】
本発明の一実施形態は、1〜3カ月の期間にわたって式(I)の化合物の放出を実現する、式(I)の化合物及びポリマーの組合せを含む界面活性剤系を含む非経口投与に適した医薬組成物である。ポリマーの適切な組合せは、例えば、ポリソルベート20及びポリエチレングリコール(PEG)3350である。
【0022】
ポリマーの適切な組合せ、すなわち湿潤剤及び安定剤は、安定な懸濁液の製造に必要である。湿潤剤は、非イオン性及びアニオン性の界面活性剤のクラスから選択することができる。代表的な湿潤剤の例としては、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、脂肪酸のソルビタンエステル(SPAN)、ポロキサマー、例えば、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマーであるLUTROL(商標)F68、F108及びF127など、ドデシル硫酸ナトリウム及びラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0023】
代表的な安定剤としては、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、多糖類、ヒアルロン酸、ポリビニルアルコール(PVA)及びポリビニルピロリドン(PVP)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
ポリマーの組合せの一例としては、湿潤剤としてのポリソルベート、例えば、ポリソルベート20又はポリソルベート60、及び安定剤としてのポリエチレングリコール(PEG)、例えば、PEG 3350、PEG4000又はPEG8000が挙げられる。
【0025】
本発明は、式(I)の化合物、又はその医薬として許容される塩、並びにポリソルベート20及びポリエチレングリコール(PEG)3350を含む非経口医薬組成物を特徴とする。
【0026】
本発明の一実施形態は、200nMまでナノ粉砕することができる、式(I)の化合物及び界面活性剤系を含む非経口投与用の医薬組成物である。
【0027】
本発明の一実施形態は、ボールミルにおいて10時間未満で200nMまでナノ粉砕することができる、式(I)の化合物及び界面活性剤系を含む非経口投与用の医薬組成物である。
【0028】
本発明の一実施形態は、0.1〜1.0μmの平均粒径までサイズを低減することができる、式(I)の化合物及び界面活性剤系を含む非経口投与用の医薬組成物である。
【0029】
本発明の一実施形態は、0.1〜0.5μm又は0.2〜0.4μmの平均粒径までサイズを低減することができる、式(I)の化合物及び界面活性剤系を含む非経口投与用の医薬組成物である。
【0030】
本発明の一実施形態は、湿式ビーズミルを使用して0.1〜1.0μmの平均粒径までサイズを低減することができる、式(I)の化合物及び界面活性剤系を含む非経口投与用の医薬組成物である。
【0031】
本発明の一実施形態は、高圧粉砕技術、例えば、マイクロ流動化装置又は他のローターステータータイプのミル若しくはジェットミルなどを使用して0.1〜1.0μmの平均粒径までサイズを低減することができる、式(I)の化合物及び界面活性剤系を含む非経口投与用の医薬組成物である。
【0032】
本発明の一実施形態は、一般に知られている滅菌技術、例えば、ガンマ線照射、電子ビーム照射及びオートクレーブ滅菌などに適した、式(I)の化合物及び界面活性剤系を含む非経口投与用の医薬組成物である。
【0033】
本発明の一実施形態は、無菌操作を使用して製造することができる、式(I)の化合物及び界面活性剤系を含む非経口投与用の医薬組成物である。
【0034】
本発明の一実施形態は、ガンマ線照射滅菌に適した、式(I)の化合物及び界面活性剤系を含む非経口投与用の医薬組成物である。
【0035】
本発明の一実施形態は、電子ビーム照射又はオートクレーブ滅菌による滅菌技術に適した、式(I)の化合物及び界面活性剤系を含む非経口投与用の医薬組成物である。
【0036】
本発明の一実施形態は、「すぐに使用できる」滅菌懸濁液又は再構成用の凍結乾燥物として提示することができる非経口投与用の医薬組成物である。
【0037】
一般に、本発明の医薬組成物は、0.1〜50重量%の式(I)の化合物を含む。一般に、本発明の医薬組成物は、0.1〜5%のポリソルベート20を界面活性剤として、及び0.1〜5%のポリエチレングリコールを含む。本発明の医薬組成物は、0.1〜10%のポリソルベート20を界面活性剤として、及び0.1〜10%のポリエチレングリコールを含み得る。
【0038】
本発明の組成物は、皮下又は筋肉内注射により投与することができる。本発明の組成物は、皮内若しくは硝子体内注射又は移植により投与することができる。本発明の組成物は、他の非経口投与経路により投与することができる。
【0039】
本発明の組成物の調製は、湿式ビーズミルを使用した粉砕により実施し、ガンマ線照射により滅菌することができる。
【0040】
本発明の別の特徴は、治療有効量の式(I)の化合物又はその医薬として許容される塩を含有する単純な剤形を提供することにより、患者の服薬遵守を強化することを目的としてHIVの治療レジメンを簡素化することである。
【0041】
本発明は、ヒトにおけるHIV感染症の治療方法も特徴とし、この方法は、本発明による組成物を前記ヒトに投与するステップを含む。本発明は、HIV感染症の治療における本発明による医薬組成物の使用を特徴とする。本発明は、薬物療法において使用するための本発明による薬剤の製造を特徴とする。
【0042】
本発明は、ヒトにおけるHIV感染症の治療方法も特徴とし、この方法は、錠剤又は溶液の形態の式(I)の化合物を用いた療法の前、最中、又は後に本発明による組成物を前記ヒトに投与するステップを含む。
【0043】
本明細書における「治療」への言及は、確立した疾病、感染症又はそれらの症状の治療にまで及ぶことが当業者により理解されよう。
【0044】
本発明は、ヒトにおけるHIV感染症の予防方法も特徴とし、この方法は、本発明による組成物を前記ヒトに投与するステップを含む。本発明は、HIV感染症の予防における本発明による医薬組成物の使用を特徴とする。本発明は、予防的薬物療法において使用するための本発明による薬剤の製造を特徴とする。
【0045】
本発明は、ヒトにおけるHIV感染症の治療又は予防方法も特徴とし、この方法は、錠剤又は溶液の形態の式(I)の化合物を用いた療法の前、最中、又は後に本発明による組成物を前記ヒトに投与するステップを含む。
【0046】
式(I)の化合物の調製方法は、参照により本明細書に組み込むWO 2006/116764、WO2010/011814、WO2010/068262、及びWO2010/068253に記載されている。
【0047】
本発明の医薬組成物は、非経口投与に適した医薬組成物として提示する。該組成物としては、安全かつ有効量の他の活性成分、例えば、抗菌剤、抗ウイルス剤、又は保存剤なども挙げることができる。
【0048】
治療において使用するために必要とされる活性成分の量は、治療される状態の性質並びに患者の年齢及び状態を包含する様々な因子に応じて変動し、最終的に主治医、獣医又は医療関係者の自由裁量によるものであることが当業者により理解されよう。
【0049】
本発明の組成物により、複数の投薬レジメンからの患者の自由度を大きくすることが可能となり、複雑な毎日の投薬時間及びスケジュールを覚えておくのに必要とされる努力が軽減される。本発明の組成物は、特に、毎月、隔月若しくは3カ月毎、又は6若しくは12カ月毎を包含する30日間〜365日間の任意の間隔での単一用量としての投与に適している。
【0050】
有益なことに、本発明の組成物は、1カ月当たり1回投与することができる。
【0051】
本発明の組成物は、好都合なことに、例えば、単位剤形当たり約1mg〜約800mg、100mg〜約800mg、約100mg〜約600mg又は約100mg〜約400mgの式(I)の化合物を含有する単位剤形での投与を可能にする。
【0052】
本発明の組成物は、多剤治療レジメンの成分として他の医薬製剤と組み合わせて使用することができる。
【0053】
本発明の組成物は、治療有効量の式(I)の化合物又はその医薬として許容される塩と、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、インテグラーゼ阻害剤の1種以上の治療有効量とを含む製造品としてパッケージ化することもできる。非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤の一例は、リルピビリン塩酸塩(TMC-278)である。
【0054】
包装材料には、医薬組成物に関連した表示及び情報が印刷されていてもよい。さらに、製造品は、製品情報を含有する小冊子、報告書、注意書き、パンフレット、又はリーフレットを含有し得る。この形態の医薬品情報は、医薬産業において「添付文書」と呼ばれている。添付文書は、医薬製造品に添付するか又は医薬品製造品内に同梱することができる。添付文書及び任意の製造品表示は、医薬組成物に関連した情報を提供する。その情報及び表示は、医療従事者及び患者が利用する様々な形態の情報を提供し、組成、その投薬量及び規制機関、例えば、米国食品医薬品機関(United States Food and Drug Agencies)などにより規定されている様々な他のパラメーターを記載している。
【0055】
本発明は、以下の実施形態をさらに提供する:
(a)HIV感染症の長期間の治療、又はHIVに感染する危険性がある個人におけるHIV感染症の予防用の、有効量の式(I)の化合物又はその医薬として許容される塩を含む非経口医薬組成物であって、少なくとも1週間の時間間隔で断続的に投与される組成物。
【0056】
(b)2週間毎に1回投与される、(a)による組成物。
【0057】
(c)毎月1回投与される、(a)による組成物。
【0058】
(d)対象における式(I)の化合物の血漿濃度が、重大な副作用を引き起こす血漿レベルである最大血漿レベルと、式(I)の化合物がHIV感染症の有効な治療又は予防を可能にする最低血漿レベルである最小血漿レベルとの間のレベルに長期間維持されるように、式(I)の化合物又はその医薬として許容される塩の有効量が選択される、(a)〜(c)のいずれか一つによる組成物。
【0059】
(e)対象の血漿レベルが約150ng/ml以上、特に約600ng/ml以上のレベルで維持される、(d)による組成物。
【0060】
(f)皮下又は筋肉内に投与される、(a)〜(e)のいずれか一つによる組成物。
【0061】
(g)ポリソルベート及び/又はポリエチレングリコールを含む前述の界面活性剤系を含む、(a)〜(f)のいずれか一つによる組成物。
【0062】
(h)上記(a)〜(g)のいずれかによる医薬組成物を含む、ヒトにおけるHIV感染症の治療又は予防方法。
【0063】
投与される式(I)の化合物の用量(本発明において使用するための非経口組成物中の化合物(I)の量である)は、対象における化合物(I)の血漿濃度が長期間、最小血漿レベルより高く維持されるように選択することができる。「最小血漿レベル」(又はC
min.)という用語は、この文脈において、効果のある最低血漿レベル、すなわち、HIV感染症の有効な予防又は治療を可能にする化合物(I)の血漿レベルを指す。HIVに感染した個人からHIVに感染していない個人へのHIVの伝染の場合、これが、前記伝染を阻害するのに有効な最低血漿レベルである。
【0064】
対象における化合物(I)の血漿レベルは、約170ng/ml、約700ng/ml、又は約1000ng/mlの最小血漿レベルより高いレベルで維持することができる。最小血漿レベルより低いレベルでは、薬物はもはや有効でない可能性があり、それによりHIV感染症の伝染の危険性が高まり、HIVに感染した対象の治療にとって最適以下であり得るので、対象における化合物(I)の血漿レベルは、これらの最小血漿レベルより高く維持することができる。化合物(I)の血漿レベルは、安全域を維持しながらHIV変異の発現を回避するために、より高いレベルで維持することができる。
【0065】
化合物(I)の投与モードの利点は、C
maxが比例して高くなることなく高いC
minレベルを達成できることであり、これにより、C
maxに付随する潜在的な副作用を緩和することができる。
【0066】
投与される有効量の化合物(I)は、対象における血漿濃度が最大血漿レベル(又はC
max)と最小血漿レベル(又はC
min)の間のレベルに長期間維持されるように選択することができる。
【0067】
一部の実施形態において、対象における化合物(I)の血漿レベルは、最小血漿レベル(又は上で規定したC
min)と、化合物(I)の比較的低い最大血漿レベル(又はC
max)(化合物(I)が治療的に作用する最低血漿レベルに対応するレベルと定義される)との間に維持することができる。化合物(I)が治療的に作用する最低レベルは、HIVのウイルス量が相対的に低く、例えば、ウイルス量(規定体積の血清中の、ウイルスRNAのコピー数として表す)が約200コピー/ml未満、特に約100コピー/ml未満、より具体的には50コピー/ml未満、特にHIVアッセイの検出限界未満となるような、HIVに感染した個人におけるHIVの複製の阻害に有効な最低血漿レベルである。
【0068】
上述の通り、化合物(I)の血漿レベルは、投与される各非経口投薬量の活性成分の量に左右される。しかし、それは、投与の頻度(すなわち、投与と投与の間の時間間隔)にも左右される。血漿レベルを所望の値に導くために、両パラメーターを使用することができる。その用量は、投与の頻度が低いほど高いものとすることができる。
【0069】
化合物(I)の血漿レベルは、最大値未満又は最小値を超えたままであるべきであるが、それらは、相対的に短い期間(可能な限り短いものとすることができる)の間、最大値を超えるか又は最小値未満に低下してもよい。したがって、最大及び最小血漿レベルは、特定の期間の間の平均血漿レベルと表すことができる。
【0070】
場合によっては、投与の直後に小さい初期血漿中濃度ピークが存在することができ、その後、血漿レベルは、定常状態に達する。
【0071】
投与される用量は、約1mg/日〜約50mg/日、好ましくは3mg/日〜約30mg/日に基づいて計算することができる。これは、約7mg〜約350mg、好ましくは約20mg〜約200mgの週単位の用量、又は約30mg〜約1500mg、好ましくは約90mg〜約900mgの月単位の用量に対応する。他の投与レジメンの用量は、1日量に投与と投与の間の日数を乗算することにより容易に計算することができる。
【0072】
投与される用量は、約0.001mg/kg/日〜約1mg/kg/日、好ましくは0.05mg/kg/日〜約0.5mg/kg/日に基づいて計算することができる。これは、約0.5mg〜約500mg、好ましくは約20mg〜約200mgの週単位の用量、又は約30mg〜約1500mg、好ましくは約90mg〜約900mgの月単位の用量に対応する。他の投与レジメンの用量は、1日量に投与と投与の間の日数を乗算することにより容易に計算することができる。
【0073】
一旦投与されると、対象における化合物(I)の血漿レベルは、大体安定であり得る。血漿レベルの最初の上昇後、定常状態モードを長期間達成することができる。「定常状態」とは、対象の血漿中に存在する薬物の量が長期間にわたって大体同じレベルのままである状態を意味する。次いで、化合物(I)の血漿レベルは、経時的に徐々に低下することができ、最小血漿レベルに達すると、次いで、化合物(I)の次の用量を投与することができる。「大体同じレベルのままである」という用語は、許容される範囲内、例えば、約30%、約20%、又は約10%以内の血漿中濃度の小さい変動が存在し得ることを排除するものではない。
【0074】
化合物(I)の非経口組成物は、静脈内注射により、又は好ましくは皮下若しくは筋肉内投与により投与することができる。
【0075】
本発明は、活性成分化合物(I)の非経口組成物の使用に基づくものであり、したがって、担体の性質は、非経口投与への適合性に関して選択される。担体は、ほとんどの場合、滅菌水を含むが、例えば、溶解を促進するための他の成分を包含することができる。例えば、生理食塩水、グルコース溶液又は生理食塩水とグルコース溶液の混合物を担体が含む注射用の溶液又は懸濁液を調製することができる。さらに、担体は、上述の界面活性剤系、例えば、ポリソルベート及びポリエチレングリコールなどを含有し得る。
[発明の効果]
【0076】
本発明の化合物(I)を含む非経口医薬組成物は、長時間作用型である。したがって、該組成物は、従来の組成物又は化合物(I)と化学構造が同様の他の化合物と比較して長い時間間隔での投与によるHIV感染症の治療又は予防に有用である。本発明の組成物は、断続的に、例えば、1週間当たり1回、1カ月当たり1回、2カ月毎に1回、又は3カ月毎に1回患者に投与することができる。したがって、本発明の組成物及び本発明の組成物を使用した皮下(SC)又は筋肉内(IM)注射による投与は、薬剤(丸剤)の負荷又は患者の服薬遵守の難しさを顕著に低減することができる。さらに、本発明の組成物のそのような断続的な投与は、薬剤耐性HIVの出現の予防につながる適切な服薬遵守により療法を維持すること、及び療法の効力を長期間維持することに寄与することができる。
【実施例】
【0077】
以下の実施例は、本発明の範囲内の特定の実施形態をさらに説明及び証明するものである。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく多くの変更が可能であるので、各実施例は、単に例示のために示すものであり、限定するものと解釈されるものではない。
【0078】
[実施例1]
医薬組成物
【表1】
【0079】
製造プロセス
式(I)の化合物、マンニトール、ポリソルベート20、PEG 3350、及び注射用水を配合し、湿式ビーズミルを使用して粉砕した。得られた懸濁液を、3mLのUSPタイプIガラスバイアルに充填容量1.5mLで充填し、各バイアルに栓をして封止し、次いで、ガンマ線照射により最終滅菌する。
【0080】
[実施例2]
粒径
実施例1に記載のプロセスにより調製した式(I)の化合物の注射用の懸濁液の試料を29.9〜31.5kGy線量のガンマ線照射で照射した。粉砕時間は5時間であった。レーザー回折技術により求めた粒径は、以下の通りである:
X10=75nm
X50=157nm
X90=646nm
200nm未満のX50が達成された。
【0081】
[実施例3]
ガンマ線照射
実施例1に記載のプロセスにより調製した式(I)の化合物の注射用の懸濁液の試料を29.9〜31.5kGy線量のガンマ線照射で照射した。HPLCによりガンマ線照射前及びガンマ線照射後の試料を薬物関連不純物に関して試験した。
【0082】
合計の薬物関連不純物、%面積/面積
ガンマ線照射前 0.19
ガンマ線照射後 0.16
この配合物は、ガンマ線照射をしても安定である。
【0083】
[実施例4]
高圧マイクロ流動化装置を使用した製造プロセス
【表2】
【0084】
製造プロセス
式(I)の化合物、マンニトール、ポリソルベート20、PEG 3350、及び注射用水を配合し、マイクロ流動化装置M-110Pを使用してマイクロ流動化した。最小内部寸法が87μmの相互作用チャンバ(G10Z)に懸濁液を通し、50回通した後に、以下に列挙している粒径を得た:
X10=82nm
X50=221nm
X90=726nm
[実施例5]
ラット薬物動態
雄及び雌のラット(10/性別/群)に0(ビヒクル)、5、30、若しくは100mg/kgで皮下(SC)注射により、又は0(ビヒクル)、2.5、10、若しくは75mg/kgで筋肉内(IM)注射により、式(I)の化合物を1回与えた。投薬後、ラットを75〜76日間(SC、最初の5匹の対照ラット/性別を包含)又は84〜85日間(IM、残りの5匹の対照ラット/性別;IM)の無治療期間に保持した。ビヒクル対照ラットには、SC及びIM注射の両方を与えた。
図1〜4は、投与経路及び性別による血漿中濃度-時間プロファイルを示している。