特許第6231400号(P6231400)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6231400交流直流変換装置及びそれを備えた電気機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231400
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】交流直流変換装置及びそれを備えた電気機器
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/12 20060101AFI20171106BHJP
【FI】
   H02M7/12 Q
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-34837(P2014-34837)
(22)【出願日】2014年2月26日
(65)【公開番号】特開2015-162910(P2015-162910A)
(43)【公開日】2015年9月7日
【審査請求日】2016年9月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100085501
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 静夫
(74)【代理人】
【識別番号】100128842
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 温
(74)【代理人】
【識別番号】100124132
【弁理士】
【氏名又は名称】渋谷 和俊
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩司
【審査官】 栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−018842(JP,A)
【文献】 特開平05−344732(JP,A)
【文献】 特開平11−027877(JP,A)
【文献】 特開2010−288428(JP,A)
【文献】 米国特許第06724643(US,B1)
【文献】 国際公開第2013/061469(WO,A1)
【文献】 特開2006−020405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/00−7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の整流平滑回路を備え、
前記複数の整流平滑回路が並列接続される交流直流変換装置であって、
前記交流直流変換装置の入力側に接続される交流電源と少なくとも第1の整流平滑回路との電気的接続をオン/オフすることができる第1の切替手段を備え、
前記交流直流変換装置の出力側に接続される負荷と、少なくとも前記第1の整流平滑回路との電気的接続をオン/オフすることができる第2の切替手段を備え、
前記第1の整流平滑回路及び第2の整流平滑回路が前記複数の整流平滑回路に含まれており、
前記第1の切替手段が、前記交流直流変換装置の入力側に接続される交流電源と、前記第1の整流平滑回路及び前記第2の整流平滑回路それぞれとの電気的接続をオン/オフすることができ、
前記第2の切替手段が、前記交流直流変換装置の出力側に接続される負荷と、前記第1の整流平滑回路及び前記第2の整流平滑回路それぞれとの電気的接続をオン/オフすることができ、
前記第1の整流平滑回路が全波整流方式を用いており、前記第2の整流平滑回路が倍電圧整流方式を用いていることを特徴とする交流直流変換装置。
【請求項2】
複数の整流平滑回路を備え、
前記複数の整流平滑回路が並列接続される交流直流変換装置であって、
前記交流直流変換装置の入力側に接続される交流電源と少なくとも第1の整流平滑回路との電気的接続をオン/オフすることができる第1の切替手段を備え、
前記交流直流変換装置の出力側に接続される負荷と、少なくとも前記第1の整流平滑回路との電気的接続をオン/オフすることができる第2の切替手段を備え、
前記第1の整流平滑回路が前記複数の整流平滑回路に含まれており、
前記第1の切替手段が、並列接続されておりそれぞれ損失特性が異なる複数の半導体スイッチを有し、及び/又は、前記第2の切替手段が、並列接続されておりそれぞれ損失特性が異なる複数の半導体スイッチを有することを特徴とする交流直流変換装置。
【請求項3】
前記第1の切替手段が、前記第1の整流平滑回路内に設けられる半導体スイッチ及び前記第2の整流平滑回路内に設けられる半導体スイッチを含む請求項に記載の交流直流変換装置。
【請求項4】
力率改善回路を備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の交流直流変換装置。
【請求項5】
前記交流直流変換装置の入力側に接続される交流電源との電気的接続が常時オンであり、前記交流直流変換装置の出力側に接続される負荷との電気的接続が常時オンである第3の整流平滑回路が前記複数の整流平滑回路に含まれている請求項1〜4のいずれか一項に記載の交流直流変換装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の交流直流変換装置と、
前記交流直流変換装置から直流電圧が供給される負荷とを備えることを特徴とする電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流電圧を直流電圧に変換する交流直流変換装置及びそれを備えた電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な交流直流変換装置では、整流平滑回路の出力が1つであるため、入力電圧である交流電圧が出力電圧である直流電圧よりも低い場合に電流導通条件が制限されてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−261077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、従来の一般的な交流直流変換装置では、入力電圧である交流電圧が出力電圧である直流電圧よりも低い場合における力率向上に限界があった。なお、昇圧用の短絡回路やリアクタを設けることで出力電圧である直流電圧を変化させることができるが、交流直流変換装置のコストアップや大型化を招いてしまう。
【0005】
また、特許文献1では、全波整流方式と倍電圧整流方式の切り替えが可能であり、2つの出力コンデンサが直列接続されている交流直流変換装置が提案されている。特許文献1で提案されている交流直流変換装置は、出力電圧が常に2つの出力コンデンサからなる直列回路の両端電圧であるため、従来の一般的な交流直流変換装置と同様に入力電圧である交流電圧が出力電圧である直流電圧よりも低い場合における力率向上に限界があった。
【0006】
本発明は、上記の状況に鑑み、力率低下を抑制して高効率な変換動作を行うことができる交流直流変換装置及びそれを備えた電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明に係る交流直流変換装置は、複数の整流平滑回路を備え、前記複数の整流平滑回路が並列接続される交流直流変換装置であって、前記交流直流変換装置の入力側に接続される交流電源と少なくとも第1の整流平滑回路との電気的接続をオン/オフすることができる第1の切替手段を備え、前記交流直流変換装置の出力側に接続される負荷と、少なくとも前記第1の整流平滑回路との電気的接続をオン/オフすることができる第2の切替手段を備え、前記第1の整流平滑回路が前記複数の整流平滑回路に含まれている構成(第1の構成)とする。
【0008】
上記第1の構成の交流直流変換装置において、前記第1の切替手段が、前記交流直流変換装置の入力側に接続される交流電源と、前記第1の整流平滑回路及び第2の整流平滑回路それぞれとの電気的接続をオン/オフすることができ、前記第2の切替手段が、前記交流直流変換装置の出力側に接続される負荷と、前記第1の整流平滑回路及び前記第2の整流平滑回路それぞれとの電気的接続をオン/オフすることができ、前記第2の整流平滑回路が前記複数の整流平滑回路に含まれており、前記第1の整流平滑回路が全波整流方式を用いており、前記第2の整流平滑回路が倍電圧整流方式を用いている構成(第2の構成)が好ましい。
【0009】
上記第1または第2の構成の交流直流変換装置において、前記第1の切替手段が、前記第1の整流平滑回路内に設けられる半導体スイッチ及び前記第2の整流平滑回路内に設けられる半導体スイッチを含む構成(第3の構成)が好ましい。なお、半導体スイッチとしては、例えばトライアック、サイリスタ、トランジスタなどが利用できる。トライアックやトランジスタなどの双方向半導体スイッチを整流素子として使用する場合、逆方向に相当する半周期において双方向半導体スイッチが常時オフ状態になるように制御すればよい。
【0010】
上記第1〜第3のいずれかの構成の交流直流変換装置において、力率改善回路を備える構成(第4の構成)が好ましい。なお、力率改善回路としては、例えば(i)リアクタのみ、(ii)リアクタとスイッチング素子を利用する簡易PAM方式、(iii)リアクタとスイッチング素子を全波領域で使用するアクティブフィルタ方式、(iv)アクティブフィルタ方式を並列使用するインターリーブ方式、などが利用できる。
【0011】
上記第1〜第4のいずれかの構成の交流直流変換装置において、前記交流直流変換装置の入力側に接続される交流電源との電気的接続が常時オンであり、前記交流直流変換装置の出力側に接続される負荷との電気的接続が常時オンである第3の整流平滑回路が前記複数の整流平滑回路に含まれている構成(第5の構成)であってもよい。
【0012】
上記第1〜第5のいずれかの構成の交流直流変換装置において、前記第1の切替手段が、並列接続されておりそれぞれ損失特性が異なる複数の半導体スイッチを有し、及び/又は、前記第2の切替手段が、並列接続されておりそれぞれ損失特性が異なる複数の半導体スイッチを有する構成(第6の構成)が好ましい。
【0013】
上記目的を達成するために本発明に係る電気機器は、上記第1〜第6のいずれかの構成の交流直流変換装置と、前記交流直流変換装置から直流電圧が供給される負荷とを備える構成(第7の構成)とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る交流直流変換装置及びそれを備えた電気機器によると、並列接続されている複数の整流平滑回路に含まれる第1の整流平滑回路の入出力側両方の電気的接続をオフすることができるので、複数の整流平滑回路それぞれに設けられる出力コンデンサの充電電圧を低く抑える制御が可能である。当該制御を行うことで入力電圧が低い状況でも電流を流すことができるので、入力電圧が低い状況における力率低下を抑制して高効率な変換動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係る交流直流変換装置の構成を示す図である。
図2A】整流平滑回路の一例を示す図である。
図2B】整流平滑回路の他の例を示す図である。
図2C】整流平滑回路の更に他の例を示す図である。
図3A】接続切替回路の一例を示す図である。
図3B】接続切替回路の他の例を示す図である。
図3C】接続切替回路の更に他の例を示す図である。
図3D】接続切替回路の更に他の例を示す図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る交流直流変換装置の構成を示す図である。
図5】本発明の第3実施形態に係る交流直流変換装置の構成を示す図である。
図6】本発明の第4実施形態に係る交流直流変換装置の構成を示す図である。
図7】本発明の第4実施形態に係る交流直流変換装置が備える第1の整流平滑回路と第4の整流平滑回路に同一の負荷が別々に付いた状況を示す図である。
図8図7に示す状況における各部の電流電圧波形を示す図である。
図9】本発明の第5実施形態に係る交流直流変換装置で用いる接続切替回路の一例を示す図である。
図10】空気調和機の冷凍サイクルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。
【0017】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る交流直流変換装置の構成を示す図である。本実施形態に係る交流直流変換装置は、第1の整流平滑回路1と、第2の整流平滑回路2と、第3の整流平滑回路3と、接続切替回路4とを備えている。
【0018】
第1〜第3の整流平滑回路1〜3それぞれの一方の入力端は交流電源P1の一端に接続され、第1〜第3の整流平滑回路1〜3それぞれの他方の入力端は交流電源P1の他端に接続されている。第1〜第3の整流平滑回路1〜3はそれぞれ、入力側に接続される回路(図1においては交流電源P1)との電気的接続をオン/オフすることができる整流平滑回路である。第1〜第3の整流平滑回路1〜3それぞれの整流方式は特に限定されない。第1の整流平滑回路1に設けられる出力コンデンサは単数であっても複数であってもよい。第2の整流平滑回路2に設けられる出力コンデンサの個数、第3の整流平滑回路3に設けられる出力コンデンサの個数もそれぞれ単数、複数のいずれであってもよい。
【0019】
接続切替回路4は、出力側に接続される回路(図1においてはインバータ回路5)と、複数の整流平滑回路(本実施形態では第1〜第3の整流平滑回路1〜3)それぞれとの電気的接続をオン/オフすることができる。
【0020】
本実施形態に係る交流直流変換装置では、第1の整流平滑回路1と交流電源P1との電気的接続、第2の整流平滑回路1と交流電源P1との電気的接続、第3の整流平滑回路3と交流電源P1との電気的接続、第1の整流平滑回路1とインバータ回路5との電気的接続、第2の整流平滑回路2とインバータ回路5との電気的接続、及び第3の整流平滑回路1とインバータ回路5との電気的接続をそれぞれ独立してオン/オフすることができる。
【0021】
インバータ回路5は、本実施形態に係る交流直流変換装置の出力電圧(=接続切替回路4の出力電圧)を三相モータ駆動電圧に変換する三相出力のインバータ回路であり、三相モータ駆動電圧によって三相モータ6を駆動する。
【0022】
制御部7は、第1〜第3の整流平滑回路1〜3、接続切替回路4、及びインバータ回路5を制御するものであって、例えばマイクロコンピュータなどによって構成するとよい。
【0023】
制御部7の制御例としては、本実施形態に係る交流直流変換装置において、交流電源P1から出力される交流電圧の位相を検出する位相検出部、第1の整流平滑回路1の出力電圧を検出する第1の電圧検出部、及び第2の整流平滑回路2の出力電圧を検出する第2の電圧検出部、第3の整流平滑回路3の出力電圧を検出する第3の電圧検出部を設け、制御部7が、位相検出部及び第1〜第3の電圧検出部の検出結果に基づいて第1〜第3の整流平滑回路1〜3及び接続切替回路4を制御する態様が考えられる。
【0024】
制御部7は、例えば交流電源P1から出力される交流電圧の半周期を、最も近いゼロクロス点との位相差(絶対値)が第1の所定値未満の区間、最も近いゼロクロス点との位相差(絶対値)が第1の所定値以上第2の所定値(>第1の所定値)未満の区間、最も近いゼロクロス点との位相差(絶対値)が第2の所定値以上の区間の三種類に分類する。この場合、制御部7は、最も近いゼロクロス点との位相差(絶対値)が第1の所定値未満の区間において、一つの出力コンデンサの充電電圧が最も低い整流平滑回路と交流電源P1とを電気的に接続する。また、制御部7は、最も近いゼロクロス点との位相差(絶対値)が第1の所定値以上第2の所定値(>第1の所定値)未満の区間において、一つの出力コンデンサの充電電圧が二番目に低い整流平滑回路と交流電源P1とを電気的に接続する。また、制御部7は、最も近いゼロクロス点との位相差(絶対値)が第2の所定値以上の区間において、一つの出力コンデンサの充電電圧が最も高い整流平滑回路と交流電源P1とを電気的に接続する。
【0025】
そして、制御部7は、例えば負荷損失が少なくなるように整流平滑回路とインバータ回路5を電気的に接続する。なお、制御部7は、交流電源P1と電気的に接続されている整流平滑回路を、インバータ回路5と電気的に接続する整流平滑回路の候補から除外するようにしてもよい。
【0026】
本実施形態に係る交流直流変換装置によると、第1〜第3の整流平滑回路1〜3の入出力側両方の電気的接続をオフすることができるので、第1〜第3の整流平滑回路1〜3それぞれに設けられる出力コンデンサの充電電圧を低く抑える制御が可能である。当該制御を行うことで入力電圧が低い状況でも電流を流すことができるので、入力電圧が低い状況における力率低下を抑制して高効率な変換動作を行うことができる。また、当該制御を行うことで第1〜第3の整流平滑回路1〜3に設けられる出力コンデンサの容量を非常に小さくすること及び第1〜第3の整流平滑回路1〜3に設けられる出力コンデンサの使用率を向上することができる。さらに、当該制御を行うことで出力電圧を変化させるためのリアクタの廃止や容量低減が可能となる。
【0027】
また、本実施形態に係る交流直流変換装置によると、交流電源P1と電気的に接続されている整流平滑回路を、インバータ回路5と電気的に接続する整流平滑回路の候補から除外することで、第1〜第3の整流平滑回路1〜3に設けられる出力コンデンサの容量を小さくした場合でも、交流電源P1の周波数に影響されない出力電圧を得ることができる。
【0028】
また、第1の整流平滑回路1に全波整流方式を用い、第2の整流平滑回路2に倍電圧整流方式を用いた場合、本実施形態に係る交流直流変換装置の入力電圧が低い状態でも、第2の整流平滑回路2の出力電圧を使用して、本実施形態に係る交流直流変換装置の出力電圧を高くすることができる。例えば、インバータ回路5では、PWM(Pulse Width Modulation)制御により直流電圧を正弦波状電圧に変換しているが、第1の整流平滑回路1の出力電圧の使用と、第2の整流平滑回路2の出力電圧の使用と、第1の整流平滑回路1の出力電圧と第2の整流平滑回路2の出力電圧との差分の使用(各出力回路のプラス側出力の両端を出力とし、各出力回路のマイナス側出力の両端を短絡することで出力できる。)とを切り替えることで、インバータ回路5でのスイッチング周波数を減少させても、インバータ回路5が正弦波状電圧を生成することができる。
【0029】
次に、入力側に接続される回路との電気的接続をオン/オフすることができる整流平滑回路の一例を図2Aに示す。図2Aに示す整流平滑回路は、全波整流方式を用いており、入力端子TIN1及びTIN2と、サイリスタTH1,TH2及びダイオードD1,D2からなるブリッジ回路と、出力コンデンサC1と、出力端子TOUT1及びTOUT2と、制御端子TCNT1及びTCNT2とを備えている。
【0030】
入力端子TIN1がサイリスタTH1のアノード及びサイリスタTH2のカソードに接続され、入力端子TIN2がダイオードD1のアノード及びダイオードD2のカソードに接続されている。また、出力端子TOUT1がサイリスタTH1及びダイオードD1の各カソード並びに出力コンデンサC1の一端に接続され、出力端子TOUT2がサイリスタTH2及びダイオードD2の各アノード並びに出力コンデンサC1の他端に接続されている。
【0031】
制御端子TCNT1への入力信号(制御電圧)にてサイリスタTH1のオン/オフを切り替えることができ、制御端子TCNT2への入力信号(制御電圧)にてサイリスタTH2のオン/オフを切り替えることができる。サイリスタTH1及びTH2をオフ状態にすることで、図2Aに示す整流平滑回路と図2Aに示す整流平滑回路の入力側に接続される回路との電気的接続をオフすることができる。一方、サイリスタTH1及びTH2をオン状態にすることで、図2Aに示す整流平滑回路と図2Aに示す整流平滑回路の入力側に接続される回路との電気的接続をオンすることができる。
【0032】
入力側に接続される回路との電気的接続をオン/オフすることができる整流平滑回路の他の例を図2Bに示す。図2Bに示す整流平滑回路は、半波整流方式を用いており、入力端子TIN3及びTIN4と、サイリスタTH3と、出力コンデンサC2と、出力端子TOUT3及びTOUT4と、制御端子TCNT3とを備えている。
【0033】
入力端子TIN3がサイリスタTH3のアノードに接続され、サイリスタTH3のカソードが出力コンデンサC2の一端及び出力端子TOUT3に接続されている。また、入力端子TIN4が出力コンデンサC2の他端及び出力端子TOUT4に接続されている。
【0034】
制御端子TCNT3への入力信号(制御電圧)にてサイリスタTH3のオン/オフを切り替えることができる。サイリスタTH3をオフ状態にすることで、図2Bに示す整流平滑回路と図2Bに示す整流平滑回路の入力側に接続される回路との電気的接続をオフすることができる。一方、サイリスタTH3をオン状態にすることで、図2Bに示す整流平滑回路と図2Bに示す整流平滑回路の入力側に接続される回路との電気的接続をオンすることができる。
【0035】
入力側に接続される回路との電気的接続をオン/オフすることができる整流平滑回路の更に他の例を図2Cに示す。図2Cに示す整流平滑回路は、倍電圧整流方式を用いており、入力端子TIN5及びTIN6と、サイリスタTH4及びTH5と、出力コンデンサC3及びC4と、出力端子TOUT5及びTOUT6と、制御端子TCNT4及びTCNT5とを備えている。
【0036】
入力端子TIN5がサイリスタTH4のアノード及びサイリスタTH5のカソードに接続され、入力端子TIN6が出力コンデンサC3及びC4の各一端に接続されている。また、出力端子TOUT5がサイリスタTH4のカソード及び出力コンデンサC3の他端に接続され、出力端子TOUT6がサイリスタTH5のアノード及び出力コンデンサC4の他端に接続されている。
【0037】
制御端子TCNT4への入力信号(制御電圧)にてサイリスタTH4のオン/オフを切り替えることができ、制御端子TCNT5への入力信号(制御電圧)にてサイリスタTH5のオン/オフを切り替えることができる。サイリスタTH4及びTH5をオフ状態にすることで、図2Cに示す整流平滑回路と図2Cに示す整流平滑回路の入力側に接続される回路との電気的接続をオフすることができる。一方、サイリスタTH4及びTH5をオン状態にすることで、図2Cに示す整流平滑回路と図2Cに示す整流平滑回路の入力側に接続される回路との電気的接続をオンすることができる。
【0038】
なお、上述した図2A図2Cに示す整流平滑回路では半導体スイッチとしてサイリスタを利用したが、サイリスタ以外の半導体スイッチ(例えばトライアック、トランジスタなど)を利用してもよい。ただし、トライアックやトランジスタなどの双方向半導体スイッチを整流素子として使用する場合、逆方向に相当する半周期において双方向半導体スイッチが常時オフ状態になるように制御する。
【0039】
次に、第1〜第3の整流平滑回路1〜3の全てが全波整流回路又は同一極性の半波整流回路である場合、負極ライン(グランドライン)を共通で使用することができるので、接続切替回路4の構成として例えば図3Aに示す構成や図3Bに示す構成を採用することができる。図3Aに示す構成では半導体スイッチを用いており、図3Bに示す構成ではリレースイッチを用いている。
【0040】
一方、第1〜第3の整流平滑回路1〜3の少なくとも一つが倍電圧整流回路である場合、負極ライン(グランドライン)を共通で使用することができないので、接続切替回路4の構成として例えば図3Cに示す構成や図3Dに示す構成を採用するとよい。図3Cに示す構成ではリレースイッチを用いており、図3Dに示す構成では半導体スイッチを用いている。
【0041】
なお、上述した図3A及び図3Dに示す接続切替回路では半導体スイッチとしてトランジスタを利用したが、トランジスタ以外の半導体スイッチ(例えばサイリスタ、トライアックなど)を利用してもよい。
【0042】
また、図3A図3Dにおいて、V1+は第1の整流平滑回路1の正極出力端子から出力される電圧を示しており、V1-は第1の整流平滑回路1の負極出力端子から出力される電圧を示しており、V2+は第2の整流平滑回路2の正極出力端子から出力される電圧を示しており、V2-は第2の整流平滑回路2の負極出力端子から出力される電圧を示しており、V3+は第3の整流平滑回路3の正極出力端子から出力される電圧を示しており、V3-は第3の整流平滑回路3の負極出力端子から出力される電圧を示している。
【0043】
<第2実施形態>
図4は、本発明の第2実施形態に係る交流直流変換装置の構成を示す図である。図4において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。本実施形態に係る交流直流変換装置は、簡易PAM(Pulse Amplitude Modulation)回路8と、第1の整流平滑回路1と、第2の整流平滑回路2と、接続切替回路4とを備えている。
【0044】
簡易PAM回路8は、図4に示すようにリアクタ、ダイオードブリッジ回路、及びトランジスタによって構成されており、当該リアクタと当該トランジスタを利用して電流の導通角を増やしたり、また出力電圧を昇圧したりする回路である。当該リアクタの一端は交流電源P1の一端及び第2の整流平滑回路2の一方の入力端に接続され、当該リアクタの他端は第1の整流平滑回路1の一方の入力端及び当該ダイオードブリッジ回路の一方の入力端に接続されている。第1の整流平滑回路1の他方の入力端、第2の整流平滑回路2の他方の入力端、及び当該ダイオードブリッジ回路の他方の入力端は交流電源P1の他端に接続されている。当該ダイオードブリッジ回路の両出力端は当該トランジスタを介して接続されている。
【0045】
制御部7の制御動作は第1実施形態と若干異なっている。本実施形態において制御部7は、例えば交流電源P1から出力される交流電圧の半周期を、最も近いゼロクロス点との位相差(絶対値)が第3の所定値未満の区間、最も近いゼロクロス点との位相差(絶対値)が第3の所定値以上の区間の二種類に分類する。この場合、制御部7は、最も近いゼロクロス点との位相差(絶対値)が第3の所定値未満の区間において、一つの出力コンデンサの充電電圧が低い方の整流平滑回路と交流電源P1とを電気的に接続する。また、制御部7は、最も近いゼロクロス点との位相差(絶対値)が第3の所定値以上の区間において、一つの出力コンデンサの充電電圧が高い方の整流平滑回路と交流電源P1とを電気的に接続する。
【0046】
そして、制御部7は、例えば負荷損失が少なくなるように整流平滑回路とインバータ回路5を電気的に接続する。なお、制御部7は、交流電源P1と電気的に接続されている整流平滑回路を、インバータ回路5と電気的に接続する整流平滑回路の候補から除外するようにしてもよい。
【0047】
さらに、制御部7は、簡易PAM回路8内のトランジスタのオンデューティーを制御する。
【0048】
本実施形態に係る交流直流変換装置によると、簡易PAM回路8を搭載しているので、第1実施形態と比較してより一層力率を向上できる。
【0049】
<第3実施形態>
図5は、本発明の第3実施形態に係る交流直流変換装置の構成を示す図である。図5において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。本実施形態に係る交流直流変換装置は、第1の整流平滑回路1と、第2の整流平滑回路2と、接続切替回路4とを備えている。本実施形態において、第1の整流平滑回路1及び第2の整流平滑回路2はそれぞれ、全波整流方式を用いており、ブリッジ回路と、出力コンデンサと、それらの間に設けられるアクティブフィルタ方式の力率改善回路9とを備えている。
【0050】
制御部7の制御動作は第2実施形態とほぼ同様である。本実施形態では、制御部7は簡易PAM回路8内のトランジスタのオンデューティーを制御するのではなく、アクティブフィルタ方式の力率改善回路9内のトランジスタのオン/オフを制御する。
【0051】
本実施形態に係る交流直流変換装置によると、アクティブフィルタ方式の力率改善回路9を搭載しているので、第1実施形態と比較してより一層力率を向上できる。
【0052】
<第4実施形態>
図6は、本発明の第4実施形態に係る交流直流変換装置の構成を示す図である。図6において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。本実施形態に係る交流直流変換装置は、第1の整流平滑回路1と、第4の整流平滑回路10と、スイッチSW1とを備えている。第4の整流平滑回路10は、入力側に接続される回路との電気的接続をオン/オフすることができない整流平滑回路であり、請求項に記載されている「前記交流直流変換装置の入力側に接続される交流電源との電気的接続が常時オンであり、前記交流直流変換装置の出力側に接続される負荷との電気的接続が常時オンである第3の整流平滑回路」の一例である。
【0053】
本実施形態に係る交流直流変換装置では、スイッチSW1がオン状態のときに第1の整流平滑回路1の出力と第4の整流平滑回路10の出力とが合成されてインバータ回路5に供給され、スイッチSW1がオフ状態のときに第4の整流平滑回路10の出力のみがインバータ回路5に供給される。
【0054】
制御部7は、第1の整流平滑回路1に設けられる出力コンデンサの充電電圧を低く抑える制御を行う。すなわち、制御部7は、交流電源P1から出力される交流電圧の半周期を、最も近いゼロクロス点との位相差(絶対値)が第1の所定値未満の区間T1〜T4、最も近いゼロクロス点との位相差(絶対値)が第1の所定値以上の区間の二種類に分類し、最も近いゼロクロス点との位相差(絶対値)が第1の所定値未満の区間T1〜T4において、第1の整流平滑回路1と交流電源P1とを電気的に接続し、最も近いゼロクロス点との位相差(絶対値)が第1の所定値以上の区間において、第1の整流平滑回路1と交流電源P1とを電気的に接続しない。なお、最も近いゼロクロス点との位相差(絶対値)が第1の所定値未満の区間T1〜T4それぞれにおいて、第1の整流平滑回路1と交流電源P1とを電気的に接続するサブ区間と第1の整流平滑回路1と交流電源P1とを電気的に接続しないサブ区間とを周期的に繰り返すようにし、最も近いゼロクロス点との位相差(絶対値)が第1の所定値以上の区間において、第1の整流平滑回路1と交流電源P1とを電気的に接続しないようにしてもよい。
【0055】
ここで、説明の便宜上、第1の整流平滑回路1と第4の整流平滑回路10に同一の負荷(インバータ回路5及び三相モータ6)が別々に付いた状況、すなわち図7に示す状況を用いて説明を行う。
【0056】
図8は、図7に示す状況における各部の電流電圧波形を示す図である。波形W1は交流電源P1の出力電圧波形であり、波形W2は第1の整流平滑回路1の出力コンデンサの電圧波形であり、波形W3は第4の整流平滑回路10の出力コンデンサの電圧波形であり、波形W4は第1の整流平滑回路1の入力電流波形であり、波形W5は第4の整流平滑回路10の入力電流波形である。
【0057】
第4の整流平滑回路10のみでは、力率改善回路を設けていないため、電流が流れる期間は非常に短くなるが、本実施形態では第1の整流平滑回路1を設けているので、電流が流れる期間を拡大することができる。
【0058】
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態に係る交流直流変換装置は、第1〜第3の整流平滑回路1〜3内の各半導体スイッチ、接続切替回路4内の各スイッチ、及びスイッチSW1の少なくとも一つに関して一個の当該スイッチの代わりに、並列接続されておりそれぞれ損失特性が異なる複数の半導体スイッチを用いる点で他の実施形態に係る交流直流変換装置と異なっており、それ以外の点は他の実施形態に係る交流直流変換装置のいずれかと同一にすればよい。なお、本実施形態で用いる半導体スイッチとしては、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、GaN系トランジスタ、SiC系トランジスタなどを挙げることができる。
【0059】
本実施形態に係る交流直流変換装置では、例えば、図3Aに示す接続切替回路4の代わりに図9に示す接続切替回路を用いるようにする。そして、図9に示す接続切替回路の各ラインにおいて、ライン上を流れる電流値に応じて損失特性が良好な方の半導体スイッチを用いるようにする。したがって、ライン上を流れる電流値を検出する電流検出部を設け、制御部7が電流検出部の検出結果に基づいて図9に示す接続切替回路を制御するようにすればよい。
【0060】
<第6実施形態>
上述した各実施形態に係る交流直流変換装置は、種々の電気機器に搭載し、当該電気機器の負荷を駆動することができる。本実施形態では、上述した各実施形態に係る交流直流変換装置を空気調和機に搭載する。
【0061】
ここで、空気調和機の冷凍サイクルを図10に示す。
【0062】
室外機100内には、圧縮機11と、四方弁12と、室外熱交換器13と、膨張弁14と、室外ファン15とが設けられる。室内機200内には、室内熱交換器16と、室内ファン17とが設けられる。上述した各実施形態での三相モータ6を圧縮機11内に設けられる圧縮機用モータとして使用する。
【0063】
圧縮機11は、冷媒管18内に冷媒を流通させ冷凍サイクルを運転する。
【0064】
室外熱交換器13及び室内熱交換器16は、冷媒管18に近接する多数のフィンを有しており、フィン間を通過する空気と熱交換を行う。
【0065】
圧縮機11には四方弁12及び冷媒管18を介して室外熱交換器13及び室内熱交換器16の各一端が接続される。室外熱交換器13及び室内熱交換器16の他端同士は膨張弁14及び冷媒管18を介して接続される。
【0066】
室外ファン15は室外熱交換器13に対向配置される。室外ファン15の駆動によって室外の空気が室外熱交換器13に供給され、室外熱交換器13と室外の空気との熱交換が促進される。室外熱交換器13と熱交換した空気は室外ファン15に面して室外機100の正面に開口する排気口を介して外部に排気される。
【0067】
室内熱交換器16及び室内ファン17は室内機200に設けた送風通路内に配される。室内ファン17の駆動によって室内の空気が送風通路に流入して室内熱交換器16に供給され、送風通路を流通する空気と室内熱交換器16とが熱交換される。室内熱交換器16と熱交換した空気は室内機200の正面下方に運転状態において開口し運転停止状態において閉口する吹出口を介して室内に送出される。
【0068】
暖房運転時には室外ファン15及び室内ファン17が駆動され、四方弁12が図中、実線で示すように切り替えられる。これにより、圧縮機11の駆動によって矢印Aに示す方向に冷媒が流通し、圧縮機11により圧縮された高温高圧の冷媒は室内熱交換器16で放熱しながら凝縮する。
【0069】
高温の冷媒は膨張弁14で低温低圧となり、室外熱交換器13に送られる。室外熱交換器13に流入する冷媒は吸熱しながら蒸発して低温のガス冷媒となり、圧縮機11に送られる。この冷凍サイクルにより、冷凍サイクルの高温部となる室内熱交換器16と熱交換した空気が室内ファン17により室内に送出され、室内の暖房が行われる。また、冷凍サイクルの低温部となる室外熱交換器13と熱交換した空気が室外ファン15により外部に排気される。
【0070】
冷房運転時には室外ファン15及び室内ファン17が駆動され、四方弁12が図中、破線で示すように切り替えられる。これにより、圧縮機11の駆動によって矢印Aと逆方向に冷媒が流通し、室内熱交換器16が冷凍サイクルの低温部となるとともに室外熱交換器13が冷凍サイクルの高温部となる。室内熱交換器16と熱交換した空気が室内ファン17により室内に送出され、室内の冷房が行われる。室内熱交換器16と熱交換した空気の水蒸気の凝集によって発生する水はドレイン管から外部に排出される。また、冷凍サイクルの高温部となる室外熱交換器13と熱交換した空気が室外ファン15により外部に排気される。
【0071】
なお、電気機器としては、室内機と室外機とからなる空気調和機以外に、一体型空気調和機、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、扇風機、ヒートポンプを搭載したタイプの除湿器などがある。
【0072】
<その他>
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。例えば、整流平滑回路の個数は各実施形態に限定されるものではない。また、交流直流変換装置の低コスト化及び小型化の観点からは各実施形態と比較して不利になるが、入力側に接続される回路との電気的接続をオン/オフすることができる整流平滑回路の代わりに、入力側に接続される回路との電気的接続をオン/オフすることができない通常の整流平滑回路を用い、当該通常の整流平滑回路の入力側前段にスイッチを設けるようにしてもよい。また、第2実施形態において簡易PAM回路8を利用した構成を説明し、第3実施形態においてアクティブフィルタ方式の力率改善回路9を利用した構成を説明したが、簡易PAM回路やアクティブフィルタ方式の力率改善回路以外の力率改善回路(リアクタのみからなる力率改善回路、アクティブフィルタ方式を並列使用するインターリーブ方式の力率改善回路など)を利用するようにしてもよい。
【0073】
以上説明した交流直流変換装置は、複数の整流平滑回路(1,2,3)を備え、前記複数の整流平滑回路(1,2,3)が並列接続される交流直流変換装置であって、前記交流直流変換装置の入力側に接続される交流電源(P1)と少なくとも第1の整流平滑回路(1)との電気的接続をオン/オフすることができる第1の切替手段(TH1〜TH5)を備え、前記交流直流変換装置の出力側に接続される負荷(5,6)と、少なくとも前記第1の整流平滑回路(1)との電気的接続をオン/オフすることができる第2の切替手段(4)を備え、前記第1の整流平滑回路(1)が前記複数の整流平滑回路(1,2,3)に含まれている構成(第1の構成)である。
【0074】
このような構成によると、並列接続されている複数の整流平滑回路に含まれる第1の整流平滑回路の入出力側両方の電気的接続をオフすることができるので、複数の整流平滑回路それぞれに設けられる出力コンデンサの充電電圧を低く抑える制御が可能である。当該制御を行うことで入力電圧が低い状況でも電流を流すことができるので、入力電圧が低い状況における力率低下を抑制して高効率な変換動作を行うことができる。
【0075】
上記第1の構成の交流直流変換装置において、前記第1の切替手段(TH1,TH2,TH4,TH5)が、前記交流直流変換装置の入力側に接続される交流電源(P1)と、前記第1の整流平滑回路(1)及び第2の整流平滑回路(2)それぞれとの電気的接続をオン/オフすることができ、前記第2の切替手段(4)が、前記交流直流変換装置の出力側に接続される負荷(5,6)と、前記第1の整流平滑回路(1)及び前記第2の整流平滑回路(2)それぞれとの電気的接続をオン/オフすることができ、前記第2の整流平滑回路(2)が前記複数の整流平滑回路に含まれており、前記第1の整流平滑回路(1)が全波整流方式を用いており、前記第2の整流平滑回路(2)が倍電圧整流方式を用いている構成(第2の構成)が好ましい。
【0076】
このような構成によると、交流直流変換装置の入力電圧が低い状態でも、第2の整流平滑回路2の出力電圧を使用して、交流直流変換装置の出力電圧を高くすることができる。
【0077】
上記第1または第2の構成の交流直流変換装置において、前記第1の切替手段が、前記第1の整流平滑回路(1)内に設けられる半導体スイッチ及び前記第2の整流平滑回路(2)内に設けられる半導体スイッチを含む構成(第3の構成)が好ましい。
【0078】
このような構成によると、第1の切替手段として、整流平滑回路の外部にスイッチを設ける必要がなくなるので、交流直流変換装置の低コスト化及び小型化を図ることができる。
【0079】
上記第1〜第3のいずれかの構成の交流直流変換装置において、力率改善回路(8,9)を備える構成(第4の構成)が好ましい。
【0080】
このような構成によると、より一層力率を向上できる。
【0081】
上記第1〜第4のいずれかの構成の交流直流変換装置において、前記交流直流変換装置の入力側に接続される交流電源との電気的接続が常時オンであり、前記交流直流変換装置の出力側に接続される負荷との電気的接続が常時オンである第3の整流平滑回路が前記複数の整流平滑回路に含まれている構成(第5の構成)であってもよい。
【0082】
このような構成によると、第3の整流平滑回路自体に電流が流れる期間は非常に短いが、第1の整流平滑回路を設けているので、電流が流れる期間を拡大することができる。
【0083】
上記第1〜第5のいずれかの構成の交流直流変換装置において、前記第1の切替手段が、並列接続されておりそれぞれ損失特性が異なる複数の半導体スイッチを有し、及び/又は、前記第2の切替手段が、並列接続されておりそれぞれ損失特性が異なる複数の半導体スイッチを有する構成(第6の構成)が好ましい。
【0084】
このような構成によると、電流値に応じて損失特性が良好な半導体スイッチを用いるようにすることで、第1の切替手段及び/又は第2の切替手段の半導体スイッチにおける損失を低減することができ、交流直流変換装置の変換効率を向上することができる。
【0085】
以上説明した電気機器は、上記第1〜第6のいずれかの構成の交流直流変換装置と、前記交流直流変換装置から直流電圧が供給される負荷とを備える構成(第7の構成)である。
【符号の説明】
【0086】
1〜3 第1〜第3の整流平滑回路
4 接続切替回路
5 インバータ回路
6 三相モータ
8 簡易PAM回路
9 アクティブフィルタ方式の力率改善回路
10 第4の整流平滑回路
C1〜C4 出力コンデンサ
D1、D2 ダイオード
SW1 スイッチ
TH1〜TH5 サイリスタ
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10