(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コーティングを適用する工程が、前記コーティングの段階的な原子層堆積を含み、前記コーティングの前記段階的な原子層堆積が、前記ロール形態の基材を通じて2つ又は3つ以上の反応性ガスを反復して送って、前記ロール形態の基材の少なくとも1つの端面上に2つ又は3つ以上の自己制限的な反応を誘導することを含む、請求項1に記載の方法。
前記基材が、複数の穿孔を更に含み、前記複数の穿孔のそれぞれが、前記第1の主表面と前記第2の主表面との間で延びる内周壁部を有し、任意に、前記複数の穿孔のうちの少なくとも1つが、前記複数の穿孔のうちの前記少なくとも1つの前記内周壁部に付着される穿孔くずを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書で使用するとき、末端値による数値範囲での記述には、その範囲内に包含されるあらゆる数値が含まれる(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.8、4、及び5等を含む)。
【0018】
特に指示がない限り、明細書及び実施形態に使用されている成分の量、性質の測定値などを表す全ての数は、全ての例において、用語「約」により修飾されていることを理解されたい。したがって、特に指示がない限り、先行の本明細書及び添付の実施形態の列挙に記載の数値的パラメータは、本開示の教示を利用して当業者により得ることが求められる所望の性質に応じて変化し得る近似値である。最低限でも、また、請求される実施形態の範囲への同等物の原則の適用を限定する試行としてではなく、少なくとも各数値パラメータは、報告された有効数字の数を考慮して、そして通常の概算方法を適用することによって解釈されなければならない。
【0019】
以降で定義される用語について、これらの定義は、次の用語集中の使用用語の変更への具体的な言及に基づいて請求項又は明細書中の他の場所に別の定義が提示されている場合を除き、請求項を含む明細書全体に適用されるものとする。
【0020】
用語
単語「a」、「an」、及び「the」は、「少なくとも1つの」と同じ意味で用いられ、記載された要素の1以上を意味する。
【0021】
用語「層」は、基材上の若しくは基材を覆っている任意の材料又は材料の組み合わせを指す。
【0022】
様々な層の位置を説明するための単語、例えば「頂上に」、「上に」、「被覆する」、「最も高い」、「覆う」、「下層の」などは、水平方向に配置された上向きの基材に対する層の相対位置を指す。基材、層、又は基材と層を含む物品は、製造中又は製造後に任意の特別な空間方向性を有さなければならないというわけではない。
【0023】
用語「コーティング」は、下層の基材に適用されて、それに接着された材料の比較的薄い層を指す。
【0024】
基材又は多層構造の別の層に対する層の位置を説明する「オーバーコート」又は「オーバーコートされた」という用語は、説明されている層が基材若しくは別の層の頂上にある又は覆っていることを意味するが、必ずしも基材又は他の層に隣接している又は接触していることを意味するものではない。
【0025】
用語「(コ)ポリマー」は、ホモポリマー及びコポリマーを含み、並びに、例えば、共押出によって又は例えばエステル交換をなどの反応によって、相溶性混合物中で形成され得るホモポリマー又はコポリマーを含む。「コポリマー」という用語は、ランダム及びブロックコポリマーの両方を含む。
【0026】
用語「非多孔性」とは、基材が細孔を実質的に含まないことを意味する。
【0027】
用語「多孔性」は、少なくともガスが開口部及び基材を通過することができるのに十分な開口部(即ち「細孔」)を、基材が含むことを意味する。
【0028】
用語「微小多孔性」とは、ガスが基材の細孔内を通過することができるように、基材が、1,000マイクロメートル以下の中央断面内寸(「メジアン細孔径」、例えば、円筒状細孔の場合の直径)を有する細孔を含むことを意味する。好ましい微小多孔性基材は、0.01マイクロメートル〜1,000マイクロメートル、より好ましくは0.1マイクロメートル〜100マイクロメートル、更により好ましくは0.2マイクロメートル〜20マイクロメートル、最も好ましくは0.3マイクロメートル〜3マイクロメートル、又は更に1マイクロメートルのメジアン細孔径を有する細孔を含む。本明細書を通して用いられる場合、メジアン細孔径は、ASTM規格F316−03に記載されているバブルポイント圧測定法を用いて決定され得る。
【0029】
用語「非セラミック」とは、コーティングの堆積の前の基材に関し、基材が、無機金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、又はその他のセラミック物質を実質的に含まないことを意味する。好ましい「非セラミック」基材は、セラミック物質を完全に含まない、より好ましくは、繊維性有機材料(例えば、ポリマー繊維、天然繊維、炭素繊維等)から本質的になる、更により好ましくは、有機材料からのみなる。
【0030】
基材に関して、用語「圧縮性材料」は、歯科用物品を歯牙構造上に配置する及び/又は位置付けるのに典型的に用いられる、圧力を加えると体積が著しく減少する材料を広く指す。歯科用物品を歯牙構造上に配置する又は位置付けるために典型的に用いられる力は一般に、0.106平方センチメートル(0.0164平方インチ)の面積の接着基部に適用された場合、0.5〜5重量ポンド(2.23〜22.2N)の範囲である。これは、0.2〜2.0メガパスカルの範囲の算出圧力に相当する。圧縮された体積/初期体積の比率(すなわち、圧縮度)は、使用される圧縮性材料に応じて変わる。一部の実施形態では、圧縮度は典型的には最高で0.9、最高で0.7、又は最高で0.5である。一部の実施形態では、圧縮度は、少なくとも0.001、少なくとも0.01、又は少なくとも0.1である。
【0031】
用語「穿孔くず」は、1つ又は2つ以上の穿孔(例、穴)が、例えばパンチングによって基材の主表面を通じて形成されたときに形成された基材断片を指す。完全にパンチングされた穿孔又は穴は、穿孔から完全に取り外されている穿孔くずを生じさせ、基材の穿孔くずの集合体(例、紙吹雪)を形成する。不完全にパンチングされた穿孔又は穴は一般的に、基材に付着したまま残る穿孔くずとなり、ここでは例えば、穿孔くずの露出した端部の周辺部の1つ又は2つ以上が、基材の主表面を通じて穴若しくは穿孔の内周壁部に付着したまま残る。
【0032】
次に本開示の様々な例示的実施形態について、具体的に図面を参照しながら説明する。開示内容の典型的な実施形態は、開示内容の趣旨及び範囲から逸脱することなく種々の変更及び修正を受けても良い。したがって、本開示の実施形態は以下に記述する例示的実施形態に限定されず、請求項及びそれと同等の任意のものに定められた制限によって支配されるものと理解されたい。
【0033】
ロール形態の基材にコーティングを適用する方法
ここで
図1を参照すると、ロール形態の基材にコーティングを適用するための例示の装置(すなわち反応容器)の断面側面図が例示されている。図示されている装置20は、本開示に関連したバッチ処理に適しており、入口24及び出口26を含む本体22を有する。入口24及び出口26は、ロール形態の基材30の反対側にあり、この基材は、反応性ガスが入口24においてD1の方向において導入され、ロール基材30を通過する際に化学反応を生じ、方向D2において出口26まで前述のガスが進むように配置される。示されている実施形態では、ロール基材30の外周の一部分は、両面フランジ32a、32a’、32b、及び32b’によって都合よく保持されるが、装置20の本体22において、ロール基材30を保持するために他の手段を使用できることが当業者には認識されよう。
【0034】
例示目的で、
図1にバッチ処理が示されているが、連続処理が使用されてもよいということが理解されよう。例えば、基材30のロールは、(例、例えば図には示していないがコンベヤベルトによって)、ロール形態の基材にコーティング適用するためのチャンバ(例、反応器)内へ搬送されてもよい。更に、例示目的で単一のロール基材30が
図1に示されているが、ロール形態の2つ以上の基材が、例えば、複数の基材のロールをそれらの横方向端面上で積層することによって処理されてもよいということが理解される。
【0035】
ロール形態の基材にコーティングを適用する方法
ここで
図1を再び参照し、本開示は、ロール形態の基材30を処理する方法、より具体的には、ロール形態の基材30にコーティング25を適用する方法を特徴とし、この方法は、ロール形態の基材30を提供する工程であって、基材30は第1の端面30a及び前述の第1の端面と反対側の第2の端面30bを含み、基材30は、第1の主表面28a及び前述の第1の主表面28aと反対側の第2の主表面を含み(
図1には示されていない。
図2Aの28bを参照)、第1の主表面28a及び第2の主表面28bは、第1の端面30aと第2の端面30bとの間に延びる、工程と、ロール形態の基材30の少なくとも1つの端面30aにコーティング25を適用する工程と、を含む。一部の例示の実施形態では、本方法は、ロール形態の基材30の少なくとも1つの端面30aに、及び一方の主表面(28a及び/又は28b)の少なくとも一部分にコーティング25を適用する工程を含む。
【0036】
前述の例示の実施形態のいずれかにおいて、コーティング25は、第1の主表面28a及び第2の主表面28bのうちの少なくとも1つの一部分のみに適用されてもよい。これは、例えば、ロール基材30の反応性ガスに対する露出時間を制御することによって、又はインサートキャリアガス中の反応性ガスの濃度を制御することによって達成され、これによって、以下に詳述するように、反応性ガスが、ロール基材30の第1の端面30aを通過し、並びに第1の主表面28a及び第2の主表面28bにわたるとき、自己制限的な表面反応が生じる。そのような自己制限的な表面反応が使用されて、第1の端面30aから延びている第1の主表面28a及び第2の主表面28bのうちの少なくとも一方の部分のみをコーティング又は処理し、第2の端面30bから延びている第1の主表面28a及び第2の主表面28bのうちの少なくとも1つのその部分を未処理又はコーティングされないままにすることができる。
【0037】
ここで
図2Aを参照すると、ロール形態の基材30の両方の端面(30a及び30b)、並びに第1の主表面及び第2の主表面(28a及び28b)全体にコーティング25が適用されている、ロール形態の基材30を含む例示の物品(例、粘着テープ)を例示しながら、斜視図が示されている。
【0038】
ここで
図2Bを参照すると、ロール基材30’の少なくとも一方の端面30a上に、コーティング25を備える、ロール形態の別の基材30’を含む別の例示の物品(例えば粘着テープ)の斜視図が示されており、この物品は、本開示の他の例示の実施形態による、少なくとも1つのライナー(27a及び/又は27b)を含む。
図2Bに示されているように、2つのライナー、すなわち第1の主表面28aに隣接して配置され、この主表面に密接して接着されている一方のライナー27a、及び第2の主表面28bに隣接して配置され、この主表面に密接して接着されている他方のライナー27bは有利なことに、第1の端面30aだけに、並びに、必要に応じて、第1の主表面25a又は第2の主表面25bのいずれかにコーティング25を適用することなく、第2の端面30b(図に示さず)にコーティング25を選択的に適用するために使用されてもよい。
【0039】
図面に示されていない他の例示の実施形態では、コーティング25は、第1の主表面28a全体及び両方の端面(30a及び/又は30b)に適用される。前述の方法のいずれかの他の例示の実施形態では、コーティング25は、第2の主表面28b全体及び両方の端面(30a及び/又は30b)に適用される。
【0040】
図面に示されていない特定の代替的な例示の実施形態では、コーティング25は、ロール形態の基材30’の第1の主表面28a全体及び両方の端面(30a及び30b)に適用されてもよい。図面に示されていない他の代替的な例示の実施形態では、コーティングは、ロール形態の基材30’の第2の主表面28b全体及び両方の端面(30a及び30b)に適用されてもよい。
【0041】
少なくとも1つのライナー(27a及び/又は27b)を使用する前述の例示の実施形態のいずれかにおいて、コーティング25は、上記に例示し、下記に詳述される自己制限的な表面反応を使用して、第1の主表面28a又は第2の主表面28bのいずれか、又はこの両方の一部分のみに適用されてもよい。あるいは、第1のライナー27a及び/又は第2のライナー27bが選択されてもよく、これは第1の主表面28a及び/又は第2の主表面の一部分のみにわたって延びる。かかる実施形態は、図面には示していないが、前述の開示を鑑み、当業者のレベル内である。
【0042】
ここで
図3を参照すると、上面の詳細な斜視図が示されており、基材30の少なくとも1つの端面(30a及び/又は30b)並びに一方の主表面(28a及び/又は28b)の少なくとも一部分上にコーティング25を備える、ロール形態の更に他の基材30”を含む例示の物品(例、粘着テープ)を示しており、この基材30”は、複数の穿孔31、及び必要に応じて、この穿孔31のうちの少なくとも1つの内周壁部35に付着され、第1の主表面28aと第2の主表面28bとの間に延びる、少なくとも1つの穿孔くず29を含む。
【0043】
図3に示される特定の例示の物品では、コーティング25は、ロール形態の基材30”の両方の端面(30a及び30b)、第1の主表面及び第2の主表面(28a及び28b)全体、穿孔くずの露出端部を含む穿孔くず(29)、並びに穿孔31の内周壁部35に適用される。
【0044】
一部のそのような例示の実施形態では、複数の穿孔31のうちの少なくとも1つは、複数の穿孔31のうちの少なくとも1つの内周壁部35に付着される穿孔くず29を含む。特定のそのような例示の実施形態では、複数の穿孔31のそれぞれは、複数の穿孔31のそれぞれの対応する内周壁部35に付着される穿孔くず29を含む。前述のそのような方法のいずれかの更なる例示の実施形態では、それぞれの穿孔くず29は露出した端部外周部33を含み、コーティング25は、少なくとも1つの穿孔くず29の露出した端部外周部33に適用される。更なるそのような例示の実施形態では、コーティング25は、それぞれの穿孔くず29の露出した端部外周部33に適用される。
【0045】
前述の方法の更なる例示の実施形態では、コーティング25は、複数の穿孔31の少なくとも1つの内周壁部35の少なくとも一部分に適用される。一部のそのような例示の実施形態では、コーティング25は、複数の穿孔31の少なくとも1つの内周壁部35全体に適用される。更なるそのような例示の実施形態では、コーティング25は、複数の穿孔31のそれぞれの内周壁部35全体に適用される。
【0046】
複数の穿孔31及び対応する複数の穿孔くず29は、
図3に例示されるように、いずれかの形状、例えば三角形、円形、矩形、正方形、多角形等を有してもよい。複数の穿孔31及び複数の穿孔くず29が任意のプロセスによって、例えば、穿孔31及び対応する穿孔くず29の所望の形状に一致するダイ(図示せず)を用いたパンチングによって作製されてもよい。
【0047】
ロール基材30(若しくは30’若しくは30”)にコーティング25を適用するために、様々なコーティング方法を使用してもよい。一部の例示の実施形態では、コーティング25を基材30(若しくは30’若しくは30”)に適用する工程は、原子層堆積、分子層堆積、又はこれらの組み合わせを使用して実施される。1つの特に好ましい方法は、例えば、WO 2011/037831号(Dodge)及びPCT国際公開番号WO 2011/037798号(Dodge)に記載されているような段階的原子層堆積(ALD)である。
【0048】
ALDコーティング法は、ロール基材30(若しくは30’若しくは30”)にコテーティング25を適用するための他の技術と比較して、利点をもたらす。第一に、この方法は、コーティングを構築するのに自己制限的で連続的な表面反応プロセスを用い、これにより、最終的な厚さに対して正確な制御を可能にする。第二に、この方法は、多孔質材料及び構成体に浸透してコーティングできる反応性ガスを採用している。例えば、2つ又は3つ以上の反応性ガスは、ロール基材を繰り返し送達して、ロール基材の表面上に2つ又は3つ以上の自己制限的反応を引き起こすことができる。堆積が非方向性であり、堆積装置と基材の間に視線(a line of sight)を必要としないことから、優れた柔軟性及び実質的に均一の厚さを有するナノスケールコーティングが可能となる。最後に、ALDは、様々な化学的に異なる材料のコーティングを耐性させるために使用することができる。
【0049】
本開示の物品へのコーティングの適用は、基材に損傷を与えない任意の有用な温度で行うことができる。いくつかの実施形態では、この方法は、例えば、約300℃以下、約200℃以下、約70℃以下、又は更に約60℃以下の温度で行われる。
【0050】
本開示の有用な実施形態において、基材は多孔性ポリマー基材であり、より好ましくは微小多孔性高分子基材、更により好ましくは微小多孔性繊維状ウェブである。そのような実施形態では、基材又は細孔の熱変形を生じさせないように、多孔性ポリマー基材の融解温度未満の温度で処理が行われるのが好都合な場合が多い。例えば、本開示の方法は、基材の構造的一体性のために望ましい場合は、例えば、300℃未満、250℃未満、200℃未満、150℃未満、100℃未満、約70℃以下、又は更には約60℃以下で操作されてもよい。
【0051】
入口及び出口を有する反応器の中で本開示に従って物品を作製する場合、少なくとも第2の基材の少なくとも一部分を、第2の基材もまた入口を出口から分離するように配置することが可能であり、また場合により好都合である。3つ又は4つ以上の基材を、この方法を用いて同時に成功裏に処理することができることが証明されている。
【0052】
基材は、バッチ処理で処理することができ、又は基材はステップアンドリピートの類のプロセスで処理されてもよく、あるいは、ロール形態の基材が、ロール基材を処理するために構成された反応器の処理ゾーン内へ搬送される(例えば、コンベヤベルトによって)連続的動作プロセスにおいて、基材は処理することができる。一部の例示の実施形態では、本開示の方法は、ロールが定置されている間に、ロール形態の基材の少なくとも1つの端面を処理することを含んでもよい。あるいは、ロールが好適な搬送装置によって搬送されている間に、基材の少なくとも1つの端面が処理されてもよい。いずれのシナリオにおいても、処理される端面と反応器の入口との間の間隙、並びに、処理に対する端面の露出時間は、例えば所望の処理の度合い、ロール基材の寸法、及び/又は基材の組成物に関する様々な要因によって選択され得る。
【0053】
この方法の1つの好都合な変形は、反応器自体が最終消費者を対象とした製品の中に組み込まれるようなバッチ反応器の中でプロセスを実行することである。例えば、反応器はフィルタ本体の形態であってもよく、フィルタ本体、及びコーティングがその場で提供される多孔性非セラミックは、最終消費者に販売されるフィルタの一部であり得る。いくつかの実施形態では、複数のフィルタを、直列又は並列に接続された流路の中で同時に処理することができる。
【0054】
前述の方法のいずれかの特定の実施形態では、コーティングを適用する工程は、コーティングの段階的な原子層堆積を含み、コーティングの段階的な原子層堆積は、ロール形態の基材を通じて2つ又は3つ以上の反応性ガスを反復して送って、ロール形態の基材の少なくとも1つの端面及び一方の主表面の少なくとも一部分上に2つ又は3つ以上の自己制限的な反応を誘導することを含む。自己制限的で連続的なコーティングの適用の有用な議論は、例えば6,713,177号、同第6,913,827号、及び同第6,613,383号に見出すことができる。
【0055】
ALD反応の分野に精通している者は、上述のコーティングを生成するために、第1及び第2の反応性ガスのどちらが本発明の方法による自己制限的な反応にとって適切な選択であるのかを容易に決定することができる。例えば、アルミニウム含有化合物が所望の場合、トリメチルアルミニウム又はトリイソブチルアルミニウムガスを、2種類の反応ガスの一方として使用してもよい。所望のアルミニウム含有化合物が酸化アルミニウムの場合、その繰り返しにおけるもう一方の反応ガスは、水蒸気又はオゾンであり得る。所望のアルミニウム含有化合物が窒化アルミニウムの場合、その繰り返しにおけるもう一方の反応ガスは、アンモニア又は窒素/水素プラズマであり得る。所望のアルミニウム含有化合物が硫化アルミニウムの場合、その繰り返しにおけるもう一方の反応ガスは、硫化水素であり得る。
【0056】
同様に、アルミニウム化合物の代わりにケイ素化合物がコーティングにおいて望ましい場合、2種類の反応ガスの一方は、例えば、テトラメチルシラン又は四塩化ケイ素であり得る。上記で組み込まれた引例は、所望の最終結果に応じた好適な反応ガスに関する更なるガイダンスを提供する。
【0057】
本方法の単一繰り返しは、ある目的に適している場合がある分子単層を形成することができるが、本方法の多くの有用な実施形態は、実施工程を少なくとも8回、10回、20回、又はそれ以上の繰り返しだけ繰り返す。各繰り返しは、コーティングに厚みを加えてゆく。したがって、いくつかの実施形態では、繰り返しの回数は、多孔性非セラミック基材に所定の気孔率又は平均内部細孔径が得られるように選択される。いくつかの実施形態では、実施する繰り返しの回数を制御することによって、所望の気孔率(例えば、所望の平均内部細孔径)を達成するために、コーティングを用いて多孔性非セラミック基材の気孔率を制御可能に低減する(例えば、基材の見掛け孔径を制御する)ことができる。例えば、コーティングは、多孔性非セラミック基材の気孔率を5%以上、25%以上、又は更に50%以上低減することができる。同様に、基材が細孔を含む場合、コーティングは、平均内部細孔径を5nm以上低減してもよい。
【0058】
ある用途では、この方法を適用する目的は、基材の内部表面上に親水性を得るためである。こうした用途では、当該工程は、例えば、72ダイン/cm(一般に用いられる親水性の定義)を目標とするような表面エネルギーが達成されるまで繰り返される。更に、出口に最も近い多孔性非セラミック基材の外部表面は、72ダイン/cmを超える表面エネルギーを有することもまた望ましくあり得、そのような場合には、当該実施工程は、目標が達成されるまで繰り返される必要がある。いくつかの特定の実施形態では、内部表面を親水性とする一方で、出口に最も近い多孔性非セラミック基材の外部表面を疎水性(例えば、72ダイン/cm未満)のままとするのが望ましい場合がある。
【0059】
多くの好都合な実施形態では、多孔性非セラミック基材は、コーティングがひとたび所望の基材表面に適用されてしまえば、その最終用途に適している。しかしながら、コーティングに二次加工を実施するのが有用な場合がある。二次加工は、反応器の中又は別の好都合な装置の中のいずれかで行われ得る。例えば、基材の端面のうちの一方若しくは両方、又は基材の主表面でさえも処理されている場合でさえも(例、親水性にされている)、基材の外側表面の一方又は両方を、最終的なサイズコーティングで実質的に処理して、主表面の一方若しくは両方を疎水性にすることができる。この技術は、例えば、液体水を通さずにガス及び水分だけを通す必要がある気管内チューブのための通気フィルタを調製するために用いられ得る。
【0060】
実施することができる別の二次加工は、コーティングに化学部分をグラフトすることである。例えば、ポリエチレンイミン配位基及びビグアニド配位基から選択されるグラフト化配位基(grafted ligand group)を用いた本開示によるココーティングを有する多孔性(コ)ポリマー基材を提供するために外挿することができる技術の議論は、米国特許出願公開第2010/0075131号及び同第2010/0075560号に見出すことができる。放射又は粒子エネルギーによるグラフティングを用いて、シランなどの他の有用な配位子、抗体などの生物活性部分、キレート剤、及び触媒コーティングを結合させることもまた可能である。
【0061】
材料
様々な材料が前述の方法を実施する際に有用である。かかる材料は、基材及びコーティングを含むものとして分類されてもよい。
【0062】
基材
前述の方法のいずれかにおいて、基材は、剛性支持体、可撓性フィルム、繊維ウェブ、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0063】
好適な剛性支持体には、ガラス、木、金属、処理された金属(自動車及び船舶表面を備えるものなど)、(コ)ポリマー材料、及び繊維強化(コ)ポリマー材料などの複合材料が挙げられるがこれらに限定されない。
【0064】
有用可撓性基材としては、紙、ポリコートクラフト紙、スーパーカレンダー仕上げされたクラフト紙若しくはグラシンクラフト紙;ポリ(プロピレン)などの(コ)ポリマーフィルム、2軸配向ポリプロピレン、ポリ(エチレン)、ポリ(塩化ビニル)、ポリカーボネート、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリエステル[例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)]、ポリ(エチレンナフタレート)、DuPontのKAPTON(商標)などのポリアミドフィルム、セルロースアセテート、及びエチルセルロースが挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
更に、好適な基材は、(剛性若しくは可撓性)金属、金属箔、金属化(コ)ポリマーフィルム、又はセラミックシート材料から形成されてもよい。基材はまた、布製裏打ち、例えば、合成繊維の糸から形成された織物、不織ウェブ又は基材、又はこれらの組み合わせの形状をとってもよい。
【0066】
本開示に関連して、基材の物理トポロジーは重要でない。最終用途に応じて、基材は、平坦、プリーツ状、管状、多孔質、細い中空糸の形態、単一若しくは束にされた(potted)繊維カートリッジ、又は任意のその他の有用な形体であってもよい。
【0067】
いくつかの代表的実施形態では、基材は、表面処理(例えば、コロナ処理又は火炎処理)されてもよく、あるいはプライマー又は印刷受容層でコーティングされてもよい。特定の代表的実施形態では、多層基材を使用してもよい。
【0068】
一部の例示の実施形態では、基材は多孔性、より好ましくは微小多孔性である。特定の例示の実施形態では、基材は(コ)ポリマーを更に含む。前述の方法を用いて多孔性(コ)ポリマー基材を使用する場合、熱誘起相分離(TIPS)、蒸気誘起相分離(VIPS)などの誘起相分離法、又は、米国特許第7,842,214号に記載の相分離を誘起する共キャスティング法(co-casting method)によって多孔性にされた基材を使用することが好都合であり得る。
【0069】
本開示と共に使用するための(コ)ポリマー材料から多孔性基材を形成する他の方法は、本発明を用いる当業者には明らかであろう。例えば、ステッチボンドウェブ又はヒドロエンタングルド(hydro-entangled)ウェブなどの短繊維不織布、並びに、メルトブローンウェブ又はスパンボンドウェブなどのスパンレイド不織布を使用してもよい。他の用途では、天然繊維、炭素繊維、融解された金属、又はガラスなどの非ポリマー非セラミック材料が好適であり得る。
【0070】
現在好ましい実施形態では、ロール基材30は、標準的なメルトブロー繊維形成プロセスを用いて作製される(コ)ポリマー材料を含む微小多孔性不織布繊維ウェブである。このようなプロセスは、米国特許出願公開第2006/0096911号(Breyら)に記載されている。吹込マイクロファイバーは一般に溶融(コ)ポリマーにより作られ、溶融ポリマーは成形型に入り、成形型を通って流れ、その流れは成形型の幅を横切って成形型の空洞に分配される。(コ)ポリマーは、一連の孔を通ってフィラメントとして成形型を出る。一実施形態では、加熱された気流は、成形型出口を形成する一連の(コ)ポリマーの孔と隣接している空気分流板及びエアナイフアセンブリを通過する。この加熱された気流を、温度と速度の両方を調節することで、(コ)ポリマーフィラメントを所望の繊維直径まで細くする。このとき、繊維をこの乱流気流において、回転している表面に向かって運ぶことができ、この表面において繊維を回収して織布を作る。
【0071】
あるいは、不織布材料は、当該技術分野において既知の他の数多くの製造法のいずれかを用いて製造され得る。例えば、これらの繊維は、電界紡糸又はスパンボンドであり得る。更なる代替として、これらの繊維は引き寄せられて短繊維ウェブを形成し、その後、より短い長さに切断されて不織布ウェブに加工され得る。
【0072】
不織布材料は、不織布材料のバルクを通して樹脂が浸透できるほど高度に開放構造であるので、歯科用ロール基材として特に好適であり得る。不織布はまた、Davies,C.N.「The Separation of Airborne Dust and Particles」(Institution of Mechanical Engineers,London Proceedings 1B,1952)により測定されるような広範囲の有効繊維直径(EFD)を有するように製造され得る。複合材の密度、質感及び取り扱い性を調節するのにEFDを使用できることは有利である。一部の実施形態では、不織布の平均EFDは、少なくとも0.1マイクロメートル、少なくとも0.5マイクロメートル、少なくとも1.0マイクロメートル、少なくとも2マイクロメートル、又は少なくとも2.5マイクロメートルである。一部の実施形態では、不織布の平均EFDは、最大で20マイクロメートル、最大で15マイクロメートル、最大で10マイクロメートル、最大で8マイクロメートル、又は最大で6マイクロメートルである。
【0073】
不織布マット又は布地は、熱可塑性ポリウレタン、ポリブチレン、ポリエステル、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)、ポリエステル、スチレン系コポリマー、ナイロン及びこれらの組み合わせなどの様々なポリマー成分のいずれかから製造することができる。歯科用複合材の用途において、ポリプロピレンは、最も硬化性の歯科用組成物の吸収に抵抗し、比較的高度の圧縮性をもたらすので、特に有利であることが見出された。
【0074】
微小多孔性不織布(コ)ポリマー材料が現に好ましいが、基材もまた他の微小多孔性材料から作製することができる。例えば、基材は、フォーム(例、セルロースフォーム、ガラスフォーム、ポリマーフォーム、及びこれらの組合せ)又はスポンジであってもよい。微小多孔性不織布材料はあるいは、ガラス繊維(例、ガラスウール)、セラミック繊維、綿繊維、セルロース繊維、織布マット、スクリム、及びこれらの組合せを含んでもよい。
【0075】
ポリマー材料から多孔性基材を形成する他の方法は、本開示を用いる当業者には明らかであろう。例えば、ステッチボンドウェブ又はヒドロエンタングルド(hydro-entangled)ウェブなどの短繊維不織布、並びに、メルトブローンウェブ又はスパンボンドウェブなどのスパンレイド不織布を使用してもよい。他の用途では、天然繊維、炭素繊維、融解された金属、又はガラスなどの非ポリマー非セラミック材料が好適であり得る。
【0076】
コーティング
前述の方法のいずれかにおいて、コーティングは、反応性ガスの化学反応により形成された無機材料を含むのが好ましい。必要に応じて、無機材料は、アルミニウム、ケイ素、チタン、スズ、亜鉛、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つ酸化物を含む。1つの現在好ましい実施形態では、ALDは、二成分反応2 Al(CH
3)
3+3H
2O→Al
2O
3+6 CH
4を使用してコンフォーマル酸化アルミニウム(Al
2O
3)コーティングを堆積させるために使用される。これは、以下の2つの表面半反応に分けることができる:
AlOH
*+Al(CH
3)
3→AlOAl(CH
3)
2*+CH
4 (1)
AlCH
3*+H
2O→AlOH
*+CH
4 (2)
【0077】
上記反応(1)及び(2)において、アスタリスクは、表面種を示す。反応(1)において、Al(CH
3)
3は、ヒドロキシル(OH
*)種と反応し、アルミニウムを付着させ、表面をメチル化する。反応(1)は、本質的に全てのヒドロキシル種がAl(CH
3)
3と反応した後、停止する。次に、反応(2)において、H
2Oは、AlCH
3*種と反応し、酸素を付着させ、表面を再ヒドロキシル化する。反応(2)は、本質的に全てのメチル種がH
2Oと反応した後、停止する。各反応は自己制限的であり、堆積は、原子層制御されながら生じる。
【0078】
一部の実施形態では、コーティングの厚さは、少なくとも0.5ナノメートル、少なくとも1ナノメートル、少なくとも2ナノメートル、少なくとも3ナノメートル、又は少なくとも4ナノメートルである。一部の実施形態では、コーティングの厚さは、最大で100nm、より好ましくは50nm、最大で20nm、最大で15nm、最大で10nm、又は最大で8nmである。ALDでのコーティング成長は、モニタされ、水晶振動子マイクロバランス法などの任意の既知の方法を用いて記録することができる。
【0079】
ALDを用いてコーティングできる材料としては、二元材料、すなわち、Q
x R
yの形式の材料が挙げられ、式中、QとRは異なる原子を表し、x及びyは静電気的に中性の材料をもたらすように選択される。好適な二元材料としては、無機酸化物(例えば、二酸化ケイ素及び金属酸化物(例えば、ジルコニア、アルミナ、シリカ、酸化ホウ素、イットリア、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、二酸化チタン及びこれらに類するもの))、無機窒化物(例えば、窒化ケイ素、AlN及びBN)、無機硫化物(例えば、硫化ガリウム、硫化タングステン及び硫化モリブデン)、並びに、無機リン酸が挙げられる。加えて、様々な金属コーティングもまた可能であり、例えば、コバルト、パラジウム、プラチナ、亜鉛、レニウム、モリブデン、アンチモン、セレン、タリウム、クロム、プラチナ、ルテニウム、イリジウム、ゲルマニウム、タングステン、並びに、これらの組み合わせ及び合金が挙げられる。
【0080】
自己制限的な表面反応はまた、有機ポリマーフィルム又はコーティングを成長させるために使用することができる。このタイプの成長は、分子断片が各反応サイクル中に堆積するので、多くの場合、分子層堆積(MLD)として記載される。MLD法は、ポリアミドなどのポリマーの成長のために開発されてきたものであり、反応物質としてジカルボン酸及びジアミンを使用する。ヘテロ二官能性及び開環前駆体と伴うMLDについての既知のアプローチも使用することができる。MLDに関する更なる詳細は、Georgeら,Accounts of Chemical Research(2009)42,498(2009)に記載されている。
【0081】
他の堆積方法もまた、ロール基材上へのコーティングの堆積に使用することができる。例えば、交互積層高分子電解質コーティングは、正確に制御された厚さを有するコーティングを調製するために使用することができる。この方法は、水溶液からのカチオン性高分子電解質層とアニオン性高分子電解質層を交互に積層して、表面コーティングを漸増式に構築することを伴う。交互積層高分子電解質コーティングに関する更なる詳細は、米国特許出願公開第2010/080841号(Porbeniら)に提供されている。
【0082】
原子層制御成長技術を介して適用され得るコーティングが好ましい。コーティングのうち、かかる方法で容易に適用されるのは、二成分物質、即ち、Q
x R
yの形の物質であり、Q及びRは異なる原子を表し、x及びyは、静電気的に中性の物質を反映する数字である。好適な二成分物質は、種々の無機酸化物(例えば、二酸化ケイ素、及びジルコニア、アルミナ、シリカ、酸化ホウ素、イットリア、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、TiO
2等などの金属酸化物など)、無機窒化物(例えば、窒化ケイ素、AlN、及びBNなど)、無機硫化物(例えば、硫化ガリウム、硫化タングステン、及び硫化モリブデンなど)、並びに無機りん酸である。更に、コバルト、パラジウム、プラチナ、亜鉛、レニウム、モリブデン、アンチモン、セレン、タリウム、クロム、プラチナ、ルテニウム、イリジウム、ゲルマニウム、及びタングステンなどの種々の金属コーティングが有用である。
【0083】
自己制限的で連続的なコーティングの適用の有用な議論は、例えば6,713,177号、同第6,913,827号、及び同第6,613,383号に見出すことができる。
【0084】
ALD反応の分野に精通している者は、上述のコーティングを生成するために、第1及び第2の反応ガスのどちらが自己制限的な反応にとって適切な選択であるのかを容易に決定することができる。例えば、アルミニウム含有化合物が所望の場合、トリメチルアルミニウム又はトリイソブチルアルミニウムガスを、2種類の反応ガスの一方として使用してもよい。所望のアルミニウム含有化合物が酸化アルミニウムの場合、その繰り返しにおけるもう一方の反応ガスは、水蒸気又はオゾンであり得る。所望のアルミニウム含有化合物が窒化アルミニウムの場合、その繰り返しにおけるもう一方の反応ガスは、アンモニア又は窒素/水素プラズマであり得る。所望のアルミニウム含有化合物が硫化アルミニウムの場合、その繰り返しにおけるもう一方の反応ガスは、硫化水素であり得る。
【0085】
同様に、アルミニウム化合物の代わりにケイ素化合物がコーティングにおいて望ましい場合、2種類の反応ガスの一方は、例えば、テトラメチルシラン又は四塩化ケイ素であり得る。上記で組み込まれた引例は、所望の最終結果に応じた好適な反応ガスに関する更なるガイダンスを提供する。
【0086】
議論される反応ガスを伴う単一繰り返しは、ある目的に適し得る分子層を形成することができるが、この方法の多くの有用な実施形態は、実施工程を少なくとも8回、10回、20回、又はそれ以上の繰り返しを繰り返す。各繰り返しは、コーティングに厚みを加えてゆく。したがって、いくつかの実施形態では、繰り返しの回数は、多孔性非セラミック基材に所定の気孔率又は平均内部細孔径が得られるように選択される。いくつかの実施形態では、実施する繰り返しの回数を制御することによって、所望の気孔率(例えば、所望の平均内部細孔径)を達成するために、コーティングを用いて多孔性非セラミック基材の気孔率を制御可能に低減する(例えば、基材の見掛け孔径を制御する)ことができる。例えば、コーティングは、多孔性非セラミック基材の気孔率を5%以上、25%以上、又は更に50%以上低減することができる。同様に、基材が細孔を含む場合、コーティングは、平均内部細孔径を5nm以上低減してもよい。
【0087】
ある用途では、この方法を適用する目的は、基材の主表面上に、又は多孔質基材の内部表面上に親水性を得るためである。こうした用途では、当該工程は、例えば、72ダイン/cm(一般に用いられる親水性の定義)を目標とするような表面エネルギーが達成されるまで繰り返される。更に、出口に最も近く配置された基材の主表面は、72ダイン/cmを超える表面エネルギーを有することもまた望ましくあり得、そのような場合には、当該実施工程は、目標が達成されるまで繰り返される必要がある。対称的に、いくつかの特定の実施形態では、内部孔表面を親水性とする一方で、出口に最も近い基材の主表面を疎水性(例えば、72ダイン/cm未満)のままとするのが望ましい場合がある。
【0088】
ロール形態の物品
別の態様において、ロール形態の物品は、前述の方法のいずれかにより調製される。様々な現に好ましい実施形態では、本開示のロール基材は、裏打ち層、及びこの裏打ち層の主表面に配置された接着剤コーティングを含む粘着テープのロールであってもよい。粘着テープロールは、第2の主表面上に配置された剥離コーティング又は低粘着性バックサイズを更に含んでもよい。
【0089】
別の方法としては、粘着テープロールは、裏打ち層の接着剤コーティングされた主表面と接触する少なくとも1つの剥離ライナー(
図2Bの27a及び/又は27b)その主表面に剥離コーティングが付着し得るもの)を含んでもよい。別の例として、粘着テープロールは、その主表面それぞれの少なくとも一部分に付着された剥離コーティングと剥離コーティングのうち一方に配置された接着剤コーティングとを含む剥離ライナーを含んでもよい。
【0090】
好適な裏打ち層の例としては、限定されないが、セロハン、アセテート、繊維、ポリエステル、ビニル、ポリエチレン、例えば一軸配向ポリプロピレン及び2軸配向ポリプロピレンを包含するポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリイミド、紙(例えばポ、リエチレン塗装されたクラフト紙及びスーパーカレンダー仕上げされた若しくはグラシンクラフト紙)、織物ウェブ(例えば、綿、ポリエステル、ナイロン及びガラス)、不織ウェブ、箔(例えば、アルミニウム、鉛、銅、ステンレス鋼及び真鍮製の箔テープ)並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0091】
好適な剥離ライナー基材の例には、紙及びポリマーフィルムが挙げられる。好適な剥離コーティング組成物の例には、シリコーン、フルオロカーボン、及び例えばポリエチレン及びポリプロピレンを含むポリオレフィンが挙げられるがこれらに限定されない。裏打ち層及び剥離ライナー(存在する場合)は強化剤を包含することも可能であり、限定されないが、繊維、フィラメント(例えば、ガラス繊維フィラメント)、及び飽和剤が挙げられる(例えば、合成ゴムラテックスで飽和された紙裏打ち)。本開示の方法を使用する一般的なタイプの粘着テープとしては、マスキングテープ、絶縁用テープ、ダクトテープ、フィラメントテープ、医療テープ、転写テープなどが挙げられる。
【0092】
予期せぬ結果及び利点
本開示の例示の実施形態は、他の基材コーティング方法にまさる利点を有する。大半のこれまでのコーティング方法とは対称的に、一部の代表的な実施形態では、本開示の方法は、ロール形態の基材30(又は30’若しくは30”)の少なくとも1つの(若しくは両方の)端面(30a及び30b)、第1の主表面28a及び第2の主表面28bのうちの少なくとも1つの少なくとも一部分(若しくはその全体)、穿孔くず(29)の露出した端部を含む穿孔くず(29)、並びにいずれかの穿孔31の内周壁部35にコーティング25を選択的に適用する能力を提供する。
【0093】
更に、これまで開示されたシートコーティングプロセス又はこれまで開示されたロールツーロールウェブコーティングプロセスと比較して、ロール形態の基材にコーティングを適用する本開示の方法の使用には他の有意な利点が存在する。この利点には、一部の実施形態では、第1の主表面28a及び第2の主表面28bのうちの少なくとも一方の一部分のみを選択的に表面処理すること、ウェブの穿孔くず及び/又は穿孔の新しく形成されたダイカット端部を表面処理すること、並びにアセンブリプロセスの製造開始前に、部分的にダイカットされた穿孔くずを除去する可能性を回避すること(展開工程/巻き直し工程)が挙げられる。
【0094】
これらの利点には、いくつかの例示の実施形態では、不織布ウェブにおいて、それが反転されたときに、不織布ウェブの元の内面及び外面の全てに加えて、不織布ウェブの新しくダイカットされた穿孔くず/穿孔を表面処理し、ロール基材物品若しくはウェブ全体の改善された表面特性を提供する能力が更に挙げられる。他の利点は、ウェブとして基材を展開及び巻き直すことによって基材表面を露出させる必要なく、これらの表面の全てをコーティング、これによってアセンブリプロセスを製造する前に、ダイカット物品をうっかり除去する可能性を低減する、現在開示されている方法の能力である。基材の上に改善する表面処理を選択的に付与し、その一方でロール形態のままであることによって、現在開示の方法において実施される基材の展開又は巻き直しがないため、穿孔くず及びいずれかの付着した構成要素が除去される能力は排除される。
【0095】
更に、上記のとおり、本開示の例示の方法において、コーティングは、ポリマー(有機)又はセラミック(無機)のいずれであってもよい。特に、再付着性歯科用複合材料のための一時的な支持体として使用される基材に特に関して、例えば、無機コーティングを微小多孔性不織布ウェブに適用することは、1つ又は2つ以上の驚くべき技術的利点をもたらすことができる。第一に、ポリマー繊維の表面に無機材料が存在することは、繊維の表面の化学的性質を実質的に変化させる。無機コーティングは、ロール基材の湿潤時の挙動を高めるのに十分な量で存在し得る。薄層堆積について、修飾の量はまた、層の厚さを制御することにより調製することができる。
【0096】
更に、原子層堆積法は定量的堆積方法であり、したがって、物理的蒸着法又はスパッタリングなどの従来法よりも優れた層厚さに対する正確な制御をもたらす。湿潤時の挙動が調製されることは、繊維が硬化性成分(又は樹脂)により実質的に均質にコーティングされるのを確保する助けになり得る。濡れ性の向上はまた、不織布材料における樹脂の取り込み及び/又は飽和を促進し得る。これらの因子の全ては、接着性アセンブリの接着強度及び接着予測度に良い影響を与え得る。
【0097】
第二に、無機コーティングは、シラン処理(又はシラン化)などの更なる表面変性のための化学的性質をもたらし得る。有利なことに、シラン化表面は、基材と後で適用される接着剤との間の化学的結合を可能にし得る。既知の接着性アセンブリと違い、これらのアセンブリは、ロール基材と接着剤との間の機械的結合及び化学的結合の両方を可能にする。これは、接着強度を接着信頼性を著しく高めることができる。もたらされる歯科用複合体の独特の特徴は、共有結合が樹脂と無機コーティングの間の界面に生じるだけでなく、無機コーティングと不織布材料の繊維の間の界面にも生じることである。シラン処理の更なるオプション及び利点は、米国特許出願公開第2012/0070794号(Tzouら)に記載されている。
【0098】
第三に、無機コーティングは、樹脂と不織布材料の繊維との間で化学バリアとして機能する。これは、不織布マットがポリマーであり、オリゴマー、添加剤、安定剤又は他のポリマーを浸出できる小さな分子を含有し得る本件において、特に重要である。繊維を実質的に均一にコーティングすることにより、無機コーティングは、樹脂又は溶媒の存在下でこれらの抽出可能な成分が繊維から出るのを最小化又は防止することができる。更に、コーティングはまた、不織布繊維から拡散して樹脂重合を阻止し得る酸素などの特定のガスに対するバリアとして機能することができる。溶媒抽出実験は、ポリプロピレン繊維がコーティングされた接着性アセンブリが、ポリプロピレン繊維がコーティングされていない接着性アセンブリと比較して質量の喪失を低下させていることを示した(実施例を参照されたい)。
【0099】
第四に、ロール基材の1つ又は2つ以上の主表面をコーティングすることはまた、複合材全体における反発の程度を低減することができる。これは、反発が一般に最小化されるべきである歯科矯正用接着性装具に関して特に有益である。低反発は、装具の状態を可能な限り正確に表現するためだけでなく、反発時に複合材の中に空気が入ることから生じる複合材の空隙又は空洞化の危険性を和らげるためにも、望ましい。驚くべきことに、4〜8ナノメートルの厚さの範囲のコンフォーマルアルミナコーティングでコーティングされた不織布材料は、優れた濡れ性及びバリア特性を呈するだけでなく、同等のコーティングされていない材料と比較して反発低下を呈することが観察されている。
【0100】
最後に、不織布基材材料の少なくとも1つの主表面上の無機コーティングは、接着性アセンブリのバルク機械特性を変更するのに便利な機構をもたらす。例えば、ALDコーティングを使用して、不織布基材の繊維を強化して、これにより基材を強化することができるあるいは、これらのコーティングは、基材の透過性、あるいは、適合基材材料が圧縮され、その後、弛緩された場合に生じる反発のレベルを正確に変化させるために使用することができる。これらのそれぞれは、最適な接着材の取り扱いをもたらすために調整できる有意なバルク特性を表す。
【0101】
以上、本開示の典型的な実施形態について説明してきたが、以下の実施例によって以下に更に例示する。実施例は、本開示の範囲に限定を課すものと決して解釈すべきではない。逆に、言うまでもなく明らかであるが、本明細書中の説明を読むことによって、本開示の趣旨及び/又は添付の請求項の範囲を逸脱することなく当業者に示唆され得る様々な他の実施形態、修正、及びそれらの均等物を採用することができる。
【実施例】
【0102】
以下の実施例は、本開示の範囲内の例示の実施形態を示すことを目的とする。本開示の広い範囲に記載される数値範囲及びパラメータが近似値であるにも関わらず、特定の実施例に記載される数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、いずれの数値もそれらの各試験測定値において見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含む。最低限でも、また、特許請求の範囲への同等物の原則の適用を限定する試行としてではなく、少なくとも各数値パラメータは、報告された有効数字の数を考慮して、そして通常の概算方法を適用することによって解釈されなければならない。
【0103】
例示のALDコーティング装置及び手順
図1に全体的に示されているような反応器を、Kimball Physics Inc.(Wilton,NH)からConFlat両面フランジ(600−400−D CF)として市販の直径6インチ(15.24cm)の両面フランジを3枚使用して作製した。フランジのこの積層体の上流側になる方に、Kimball Physics Inc.から入手の、1/8”(0.32cm)NPT側孔を1つ有する直径6インチ(15.24cm)のConFlat両面フランジ(600DXSP12)を1つ取り付けた。この側孔は、プロセスの間の上部圧力(材料前)をモニタすることができるように、MKS Instruments(Andover,MA)から市販のBaratron(10torr(1.33kPa))圧力計を取り付けるために使用された。この要素の積層体の各末端部を、Kimball Physics Inc.から市販の直径6インチ(15.24cm)のConFlat Zero−Length Reducer Flange(600x275−150−0−T1)で塞いだ。積層体の接合点のそれぞれにおいて、適切な寸法の銅ガスケットを使用して良好な真空封止を形成した。
【0104】
要素のこの積層体に、第1の直径2.75インチ(7cm)のConFlat両面フランジ(275−150−D CF)を入口側に取り付け、続いて、直径2.75インチ(7cm)の1つの1/8”(0.32cm)NPT側孔(275DXSP12)を備えるConFlat両面フランジを取り付け、更に引き続き直径2.75インチ(7cm)のConFlat Solid/Blankフランジを取り付けた。1/8”(0.32cm)のNPT側孔は、以下に説明するように、反応ガスを導入するために使用された。
【0105】
要素のこの積層体の出口側に、25 ISO〜275 CF Reducer(QF25X275)を取り付け、続いて1/8”(0.32cm)NPT側孔(275DXSP12)を備える直径2.75インチ(7cm)のConFlat両面フランジを取り付け、次いで、ConFlat両面仕切りバルブを取り付け、再び、続いて1/8”(0.32cm)NPT側孔(275DXSP12)を備える、別の直径2.75インチ(7cm)のConFlat両面フランジを取り付けた。これに25 ISO〜275 CF Reducer(QF25X275)が続き、これは次いで可撓性ステンレス鋼の真空ホースによってXDS−5スクロールポンプ(パージ性能を備える)に接続した。
【0106】
第1のConFlat両面フランジ(275DXSP12)の第1の1/8”(0.32cm)のNPT側孔に(仕切り弁の前に)、反応器の排気圧読み取りのためのMKS Baratron(10torr(1.3kPa))計、サンプリング配管を備えるSRS PPR300残留ガスアナライザ、並びにニードル弁と直線に接続された粗引き/バイパス配管を備えるSRS PPR300残留ガスアナライザを取り付けた。ポンプの減速を可能にするために、仕切弁の周りにガスが流れるのを可能にするこのバイパス配管の設定は、表面処理中に反応器の圧力を大きくするのを可能にする二次ポンプ配管としても有用であることが分かった。第2のConFlat両面フランジ(275DXSP12)(仕切り弁に続く)の1/8”(0.32cm)のNPT側孔は、上記のニードル弁を含む、弁付き粗引き/バイパスラインのためのリエントリーポートとして使用した。
【0107】
反応性ガスの入口には、上述のような直径2.75インチ(7cm)のConFlat両面フランジの1/8”(0.32cm)NPT側孔が、上記のように入口側上で配置された。この入口ラインは、ガスマニホールドから供給され、ここではパージガス(プロセスガス用窒素(N
2))並びに第1の反応ガス及び第2の反応ガスの両方が流れる。更に、マニホールドは、パージガスラインがまずマニホールド内に入り、続いて第1の反応ガス及び第2の反応ガスのために入口ラインが入るように設計された。これは、マニホールドにおいてプロセス用ガス(N
2)がマニホールドから出るガスの連続的なポジティブ流量を維持するのを可能にし、他の反応ガスの供給ライン内に、いずれかの反応ガス逆流しないようにする。
【0108】
第1及び第2の反応ガスの入口ラインの不慮の交差汚染に対する更なる保護として、第1の反応ガスのラインは、普段は閉じている弁を通って方向付けられ、第2の反応ガスのラインは、普段は開いている弁を通って方向付けられた。こうした制御ポートの2つの弁は、2つのラインが前駆体ガスを反応器に同時に加えることができないのを確実にするために、同じスイッチによって相前後して作動されるように設定された。
【0109】
ラインのそれぞれは、前駆体ガスのそれぞれの流速を正確に制御するためのSS Metering Bellows−Sealed Valveタイプのインラインニードル弁を備えた別個の弁システムによって、オンとオフとを二次的に制御された。これら絞り弁のそれぞれの上流は、Swagelok Company(Solon,OH)から316L VIM/VAR UHP Diaphragm−Sealed Valveとして市販の流速制御弁であった。これら流速制御弁のそれぞれの上流は、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)からカタログ番号Z527068として市販の、容量300mLのステンレス鋼バブラーの形態の反応ガス供給タンクであった。
【0110】
上述されたこの反応器/装置は、反応器及びそのガス供給の温度を制御するために、従来型の様々なバンドヒータ、加熱テープ、及びカートリッジヒータを具備していた。
【0111】
本明細書で特定の代表的実施形態を詳細に説明したが、当然のことながら、当業者は上述の説明を理解した上で、これらの実施形態の代替物、変更物、及び均等物を容易に想起することができるであろう。したがって、本開示は本明細書で以上に述べた例示の実施形態に不当に限定されるべきではないと理解すべきである。更に、本明細書にて参照される全ての出版物、公開された特許出願及び交付された特許は、それぞれの個々の出版物又は特許が参照により援用されることを明確にかつ個別に指示したかのごとく、それらの全体が同じ範囲で、参照により本明細書に援用される。様々な代表的実施形態を上で説明した。これら及び他の実施形態は、開示される実施形態の以下の列挙の範囲内である。
本明細書に記載の実施態様の一部を[1]−[20]に記載する。
[項目1]
ロール形態の基材を提供する工程であって、前記基材は、
第1の端面及び
前記第1の端面と反対側の第2の端面を有し、
前記基材は、第1の主表面及び該第1の主表面と反対側の第2の主表面を有し、前記第1の主表面及び前記第2の主表面は、前記第1の端面と前記第2の端面との間に延びる、工程と、
前記ロール形態の基材の少なくとも1つの端面に、及び必要に応じて、一方の主表面の少なくとも一部分にコーティングを適用する工程と、を含む、方法。
[項目2]
前記コーティングを適用する工程が、原子層堆積、分子層堆積、又はこれらの組み合わせを使用して実施される、項目1に記載の方法。
[項目3]
前記コーティングを適用する工程が、前記コーティングの段階的な原子層堆積を含み、前記コーティングの前記段階的な原子層堆積が、前記ロール形態の基材を通じて2つ又は3つ以上の反応性ガスを反復して送って、前記ロール形態の基材の少なくとも1つの端面上に2つ又は3つ以上の自己制限的な反応を誘導することを含む、項目2に記載の方法。
[項目4]
前記コーティングが、前記第1の主表面又は前記第2の主表面のうちの1つの少なくとも一部分に適用される、項目1〜3のいずれか一項に記載の方法。
[項目5]
前記コーティングが、前記第1の主表面及び前記第2の主表面のそれぞれの少なくとも一部分に適用される、項目1〜4のいずれか一項に記載の方法。
[項目6]
前記コーティングが、前記第1の主表面全体及び前記両方の端面に適用される、項目1〜5のいずれか一項に記載の方法。
[項目7]
前記コーティングが、前記第2の主表面全体及び前記両方の端面に適用される、項目1〜6のいずれか一項に記載の方法。
[項目8]
前記基材が、複数の穿孔を更に含み、前記複数の穿孔のそれぞれが、前記第1の主表面と前記第2の主表面との間で延びる内周壁部を有する、項目1〜7のいずれか一項に記載の方法。
[項目9]
前記複数の穿孔のうちの少なくとも1つが、前記複数の穿孔のうちの前記少なくとも1つの前記内周壁部に付着される穿孔くずを含む、項目8に記載の方法。
[項目10]
前記複数の穿孔のそれぞれが、前記複数の穿孔のそれぞれの前記対応する内周壁部に付着される穿孔くずを含む、項目9に記載の方法。
[項目11]
それぞれの穿孔くずが露出した端部外周部を含み、更に、前記コーティングが、少なくとも1つの穿孔くずの前記露出した端部外周部に適用される、項目10に記載の方法。
[項目12]
前記コーティングが、それぞれの穿孔くずの前記露出した端部外周部に適用される、項目11に記載の方法。
[項目13]
前記コーティングが、前記複数の穿孔のうちの少なくとも1つの前記内周壁部の少なくとも一部分に適用される、項目8〜12のいずれか一項に記載の方法。
[項目14]
前記コーティングが、前記複数の穿孔のうちの少なくとも1つの前記内周壁部全体に適用される、項目13に記載の方法。
[項目15]
前記コーティングが、前記複数の穿孔のそれぞれの前記内周壁部全体に適用される、項目14に記載の方法。
[項目16]
前記基材が、可撓性フィルム、繊維ウェブ、又はこれらの組み合わせを含む、項目1〜15のいずれか一項に記載の方法。
[項目17]
前記基材が微小多孔性である、項目1〜16のいずれか一項に記載の方法。
[項目18]
前記基材が(コ)ポリマーを更に含む、項目1〜17のいずれか一項に記載の方法。
[項目19]
前記コーティングが無機材料を含み、必要に応じて、前記無機材料が、アルミニウム、ケイ素、チタン、スズ、亜鉛、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つの酸化物を含む、項目1〜18のいずれか一項に記載の方法。
[項目20]
項目1〜19のいずれか一項に記載の方法により調製された、ロール形態の物品。