【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決するための本発明の一態様は、気体接触面及び液体接触面を有し、気体を上記気体接触面から上記液体接触面に向けて送気可能な多孔質の多孔質部材、を備え、上記多孔質部材の上記気体接触面側から供給された上記気体を、上記液体接触面から微小気泡化して、上記液体接触面に接する液体内に吹き込む微小気泡発生具であって、上記多孔質部材は、互いに三次元網目状に連結した多数の第1通気路を構成する多孔質セラミックスからなる第1多孔質層と、上記第1多孔質層よりも上記液体接触面側に一体に形成され、上記第1多孔質層よりも薄く、上記第1通気路に連通し、かつ、上記第1通気路よりも細径の多数の第2通気路を構成する第2多孔質層と、を有
し、上記第1多孔質層の厚みT1は、上記第2多孔質層の厚みT2の10倍以上である微小気泡発生具である。
【0008】
この微小気泡発生具では、多孔質部材を、比較的厚い多孔質セラミックスからなり、第1通気路を構成する第1多孔質層と、第1多孔質層に一体に形成され、第1多孔質層よりも薄いが、第1通気路よりも細径の第2通気路を構成する第2多孔質層とから構成している。このため、厚みの厚い多孔質セラミックスからなる第1多孔質層の存在によって、多孔質部材の強度を高くできる。その一方、第2多孔質層により、第1通気路よりも細径の第2通気路の径に対応する、微小な気泡を液体中に吹き込むことができる。
【0009】
なお、多孔質部材の形態としては、板状や球殻状、半球殻状などのドーム状、管状(筒状)などが挙げられる。なお、管状(筒状)には、円管状、角管状など、軸線方向に亘り横断面の形状が変化しない直管のほか、円錐台状、角錐台状など、軸線方向の一方側ほどテーパ状に窄まる形態であっても良い。さらに、管状(筒状)には、両端が開口した形態のほか、一端側が閉じてU字状或いは平板状の底部とされた有底筒状の形態も含まれる。
また、第1多孔質層をなす多孔質セラミックスの材質としては、例えば、アルミナ、チタニア、シリカ、ムライト、ジルコニアなどの酸化物セラミックスや、窒化ケイ素などの窒化物セラミックス、炭化ケイ素などの炭化物セラミックスが挙げられる。
さらに、第2多孔質層としては、第1多孔質層と同じく、互いに三次元網目状に連結した多数の第1通気路を構成する多孔質セラミックスからなるものが挙げられる。
この第2多孔質層をなす多孔質セラミックスの材質としては、第1多孔質層と同じく、アルミナ、チタニア、シリカ、ムライト、ジルコニアなどの酸化物セラミックスや、窒化ケイ素などの窒化物セラミックス、炭化ケイ素などの炭化物セラミックスが挙げられる。
【0010】
また、微小気泡を含ませる液体としては、純水、飲料水、海水、各種の培養液、各種の水溶液、各種の汚水などの水系の液体や、有機溶媒、油類など各種の液体が挙げられる。また、液体に微小気泡として含ませる気体としては、空気、酸素、オゾン、塩素ガス、水素など各種の気体が挙げられる。
【0011】
また、上述の微小気泡発生具であって、第1多孔質層の厚みが、第2多孔質層の3倍以上である微小気泡発生具とすると良い。
【0012】
この微小気泡発生具では、第1多孔質層の厚みが、第2多孔質層の3倍以上の厚さとされているので、多孔質部材の強度の大半は、第1通気路を構成する第1多孔質層が負担することとなり、十分な強度とすることができる。その一方で、第2多孔質層を有しているので、第2通気路による微小の気泡を形成できるにも拘わらず、第2多孔質層の厚みが薄いので、気体を微細な第2通気路を通すことに伴う圧力損失を抑制することができる。
【0013】
(2)さらに、上述の微小気泡発生具であって、前記第1通気路の平均孔径D1に対して、前記第2通気路の平均孔径D2が、D1/60〜D1/2である微小気泡発生具とすると良い。
【0014】
第2通気路の平均孔径D2が、D1/60を下回る(D2<D1/60)と、平均孔径D2とD1の差が大きくなりすぎ、熱膨張率や焼成時の焼成収縮率などの特性差が大きくなり、第2多孔質層に亀裂が生じるなどの不具合が生じやすくなる。一方、第2通気路の平均孔径D2が、D1/2を上回る(D2>D1/2)と、平均孔径D2とD1の差が小さすぎ、第1多孔質層の存在による圧力損失の影響が大きくなる。
これに対し、上述の微小気泡発生具では、平均孔径D2を、D1/60〜D1/2としている。このため、第2多孔質層に亀裂などが生じにくく、しかも、第1多孔質層の存在による圧力損失も抑制することができる。
【0015】
(3)また、前述の微小気泡発生具であって、前記多孔質部材の前記第2多孔質層は、前記第1多孔質層と同材質で、互いに三次元網目状に連結した多数の前記第2通気路を構成する多孔質セラミックスからなる微小気泡発生具とすると良い。
【0016】
この微小気泡発生具では、第2多孔質層を、第1多孔質層と同材質の多孔質セラミックスで構成したので、第1多孔質層と第2多孔質層との層同士の親和性が高く、両者を強固に一体化した多孔質部材とすることができ、耐久性や信頼性の高い微小気泡発生具とすることができる。
具体的には、第1多孔質層と第2多孔質層を、いずれもアルミナやチタニアとするものが挙げられる。
【0017】
(4)さらに、上述のいずれかに記載の微小気泡発生具であって、前記多孔質部材は、前記気体接触面である内側面と、前記液体接触面である外側面と、を含み、管状の管状多孔質部材であり、上記管状多孔質部材は、一方端が閉塞されてなる微小気泡発生具とすると良い。
【0018】
この微小気泡発生具は、管状多孔質部材の内側面に気体を圧送することで、管状多孔質部材が浸漬された液中に、微小気泡を容易に発生させることができる。
なお、外側面が液体接触面である管状多孔質部材としては、多孔質材で構成され1本の穴が穿孔された単管状としても、多孔質材からなり互いに離間した複数の穴が穿孔された多穴管状としても良い。この管状多孔質部材の一方端は閉塞されてなるが、別途形成した閉塞部材で、管状多孔質部材の一方端部を閉塞しても良いし、管状多孔質部材自身を、一方端を自身で閉塞する有底筒状の形態に構成することもできる。さらには、第2多孔質層が、管状の管状多孔質部材の外周面に沿って形成された構成とするとよい。第2多孔質層を形成しやすい上、第2多孔質層の厚みを揃えやすい。
【0019】
(5)さらに、上述のいずれかに記載の微小気泡発生具であって、前記管状多孔質部材は、自身の一方端が閉じた有底筒状である微小気泡発生具とすると良い。
【0020】
この微小気泡発生具では、管状多孔質部材自身を、一方端が閉じた有底筒状の形態としている。これにより、別途形成した閉塞部材で、管状多孔質部材の一方端部を閉塞する必要が無く、また、多孔質部材の表面積を増加させることができ、一方端部からも気泡を発生させることができ、更に微小気泡の発生効率を高くすることができる。
【0021】
(6)前述の(1)から(3)のいずれかに記載の微小気泡発生具であって、前記多孔質部材は、前記気体接触面である外側面と、前記液体接触面である内側面と、を含み、単管状または多穴管状の管状多孔質部材である微小気泡発生具とすると良い。
あるいは、気体接触面及び液体接触面を有し、気体を上記気体接触面から上記液体接触面に向けて送気可能な多孔質の多孔質部材、を備え、上記多孔質部材の上記気体接触面側から供給された上記気体を、上記液体接触面から微小気泡化して、上記液体接触面に接する液体内に吹き込む微小気泡発生具であって、上記多孔質部材は、互いに三次元網目状に連結した多数の第1通気路を構成する多孔質セラミックスからなる第1多孔質層と、上記第1多孔質層よりも上記液体接触面側に一体に形成され、上記第1多孔質層よりも薄く、上記第1通気路に連通し、かつ、上記第1通気路よりも細径の多数の第2通気路を構成する第2多孔質層と、を有し、前記多孔質部材は、前記気体接触面である外側面と、前記液体接触面である内側面と、を含み、多穴管状の管状多孔質部材である微小気泡発生具としても良い。
【0022】
この微小気泡発生具では、管状多孔質部材の単管内または多穴管内を流れる液体に周囲から微小気泡を吹き込むことができる。このため、液体内に均一に微小気体を包含させることができる。
【0023】
なお、内側面が液体接触面である管状多孔質部材としては、各孔の内周面にそって第2多孔質層を設けたものが挙げられる。また、多穴管状の管状多孔質部材としては、1つの管状多孔質部材内に、2つ以上の穴(貫通穴)を設けたものが挙げられ、例えば、7孔や19孔や37孔などの多数の貫通穴を有する管状多孔質部材が挙げられる。
【0024】
(7)さらに、(1)〜(6)のいずれかに記載の微小気泡発生具であって、前記液体に触れる部位を、いずれも非金属で構成してなる微小気泡発生具とすると良い。
【0025】
半導体の製造ラインで使用する純水や各種薬液中に微気泡を含ませたい場合などにおいて、微小気泡発生具が、金属材の露出した構成である場合には、液体中に金属イオンが溶出する不具合が生じることがある。
これに対し、この微小気泡発生具では、液体に触れる部位を、いずれも非金属で構成しているので、液体中に金属イオンが溶出する不具合を生じることがない。
【0026】
なお、非金属の材料としては、例えば、アルミナ,チタニア,ムライト,ジルコニア,窒化ケイ素などのセラミックス、PTFE,PFAなどのフッ素樹脂のほか、PE,PP,ABS,PET,アクリルなどの熱可塑性樹脂などが挙げられる。
【0027】
(8)さらに他の解決手段は、前述の(1)〜(3)のいずれかに記載の微小気泡発生具と、外部から供給された前記気体を、前記多孔質部材の前記気体接触面に供給する気体供給路を構成する気体供給路部材と、外部から供給された前記液体を上記多孔質部材の上記液体接触面に接するように供給し、微小気泡を含む微小気泡含有液体が排出されるように上記液体が流れる流路を構成する液流通部材と、を備える微小気泡含有液体の生成装置である。
【0028】
この微小気泡含有液体の生成装置では、前述の(1)〜(3)のいずれかの微小気泡発生具のほか、気体供給路部材及び液流通部材を備えるので、液体を供給すると共に、適切な気圧の気体を供給することで、微小気泡を含んだ微小気泡含有液体を確実に生成することができる。
【0029】
気体供給路部材は、気体を多孔質部材の気体接触面に供給する気体供給路を構成する部材であり、微小気泡発生具の多孔質部材の形態に応じてその形状を選択すると良く、多孔質部材に接続する管状の形態や、多孔質部材を内側に収容して覆う形態などが挙げられる。
また、液流通部材は、液体が多孔質部材の液体接触面に接するように供給するほか、生成された微小気泡含有液体が排出されるように、微小気泡発生具の多孔質部材の形態に応じて、流路を構成する液流通部材の形状を選択すると良く、多孔質部材を内側に収容して覆う形態や、多孔質部材に接続する管状の形態などが挙げられる。
【0030】
(9)あるいは、(4)または(5)に記載の微小気泡発生具と、前記管状多孔質部材の他方端部に接続して、上記管状多孔質部材の前記内側面に、外部から供給された前記気体を供給する気体供給路を構成する気体供給路部材と、外部から供給された前記液体を上記管状多孔質部材の前記外側面に接するように供給し、微小気泡を含む微小気泡含有液体が排出されるように上記液体が流れる流路を構成してなり、上記管状多孔質部材を、径方向外側から離間しつつ取り囲み、上記管状多孔質部材の全周にわたり、上記管状多孔質部材の上記外側面との間にも、上記流路を構成する包囲流路構成部を含む液流通部材と、を備える微小気泡含有液体の生成装置とすると良い。
【0031】
この微小気泡含有液体の生成装置では、前述の(4)または(5)の微小気泡発生具のほか、上述の気体供給路部材及び液流通部材を備えるので、液体を供給すると共に、適切な気圧の気体を供給することで、微小気泡を含んだ微小気泡含有液体を確実に生成することができる。しかも、管状多孔質部材の全周にわたり、管状多孔質部材の外側面との間にも流路を構成するので、管状多孔質部材の全周から微小気泡を発生させて、効率よく、液体に微小気泡を含ませることができる。
【0032】
(10)さらに、(9)に記載の微小気泡含有液体の生成装置であって、前記管状多孔質部材は、円管状であり、前記液流通部材の前記包囲流路構成部が、円管状で、上記管状多孔質部材と同芯に配置されてなる微小気泡含有液体の生成装置とすると良い。
【0033】
この装置では、筒状多孔質部材が円管状であるので、形成
が容易である上、周囲の包囲流路構成部との間に構成する円筒状の流路を流れる液体中に、周方向に均一に微小気泡を含ませることができる。
【0034】
(11)さらに、(6)に記載の微小気泡発生具と、前記管状多孔質部材を、径方向外側から離間しつつ取り囲み、上記管状多孔質部材の前記外側面との間に包囲空間を構成して、外部から供給された上記気体を前記外側面に供給する気体供給路を構成する気体供給路部材と、上記管状多孔質部材の他方端側から、外部から供給された前記液体を、上記管状多孔質部材の上記内側面内に供給する液供給路を構成する液供給路部材と、上記管状多孔質部材内を通って一方端から排出される、微小気泡を含む微小気泡含有液体を排出する液排出路を構成する液排出路部材と、を備える微小気泡含有液体の生成装置とすると良い。
【0035】
この微小気泡含有液体の生成装置では、前述の(6)の微小気泡発生具のほか、上述の気体供給路部材及び液流通部材を備えるので、液体を供給すると共に、適切な気圧の気体を供給することで、微小気泡を含んだ微小気泡含有液体を確実に生成することができる。しかも、単管状または多穴管状の管状多孔質部材を用い、管状多孔質部材の内側面に液体を供給するので、単管または多穴管の内周(内側面)から微小気泡を発生させて、効率よく、液体に微小気泡を含ませることができる。
【0036】
さらに、(8)〜(11)のいずれかに記載の微小気泡含有液体の生成装置であって、前記液体に触れる部位を、いずれも非金属で構成してなる微小気泡含有液体の生成装置とすると良い。
【0037】
半導体の製造ラインで使用する純水や各種薬液中に微気泡を含ませたい場合などにおいて、微小気泡含有液体の生成装置が、金属材の露出した構成である場合には、液体中に金属イオンが溶出する不具合が生じることがある。
これに対し、この生成装置では、液体に触れる部位を、いずれも非金属で構成しているので、液体中に金属イオンが溶出する不具合を生じることがない。
【0038】
なお、非金属の材料としては、例えば、アルミナ,チタニア,ムライト,ジルコニア,窒化ケイ素などのセラミックス、PTFE,PFAなどのフッ素樹脂のほか、PE,PP,ABS,PET,アクリルなどの熱可塑性樹脂などが挙げられる。