特許第6231510号(P6231510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231510
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】外国語学習システム
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/06 20060101AFI20171106BHJP
   G09B 5/06 20060101ALI20171106BHJP
   G09B 7/06 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   G09B19/06
   G09B5/06
   G09B7/06
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-27524(P2015-27524)
(22)【出願日】2015年2月16日
(65)【公開番号】特開2016-151597(P2016-151597A)
(43)【公開日】2016年8月22日
【審査請求日】2015年8月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】515042959
【氏名又は名称】株式会社東京SIM外語研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】312001720
【氏名又は名称】株式会社シンドバッド・インターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】100071320
【弁理士】
【氏名又は名称】田辺 敏郎
(74)【代理人】
【識別番号】100126756
【弁理士】
【氏名又は名称】田辺 恵
(72)【発明者】
【氏名】上野 亘
【審査官】 櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−093882(JP,A)
【文献】 特開2001−331092(JP,A)
【文献】 特開2002−229434(JP,A)
【文献】 特開2002−258739(JP,A)
【文献】 特開2003−323102(JP,A)
【文献】 特開2003−323104(JP,A)
【文献】 特開2004−138964(JP,A)
【文献】 特開2004−302171(JP,A)
【文献】 特開2006−133521(JP,A)
【文献】 特開2007−087135(JP,A)
【文献】 特開2007−114599(JP,A)
【文献】 特開2007−140427(JP,A)
【文献】 特開2007−187939(JP,A)
【文献】 特開2008−306691(JP,A)
【文献】 特開2011−085641(JP,A)
【文献】 特開2011−128362(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0097693(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 5/00−7/12、19/00−19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習対象の言語である第一の言語の文を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第一の言語の文節情報と、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文に対応する文を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第二の言語の文節情報とを蓄積してなり、
第一の言語の文節情報を出力させる第一の言語の出力指示手段と、該文節に対応する文節の前記第二の言語の文節情報を出力させる第二の言語の出力指示手段を有し、前記第一の言語の出力指示手段が前記第一の言語の文節情報を出力させると、続いてこれに対応する第二の言語の出力指示手段が前記第二の言語の文節情報を出力させる動作を、第一の言語の語順通りに交互に繰り返す段階と、
学習対象の言語である第一の言語の文章を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第一の言語の文節情報を蓄積してなり、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文章に対応する発音時間分の無音情報を蓄積してなり、第一の言語の文節情報を出力させる第一の言語の出力指示手段と、無音情報の出力指示手段と、第一の言語の音声情報を出力させる第一の言語の出力指示手段と、当該第一の言語の音声情報の出力に連動して第一の言語の文字情報を出力あるいは変化させる出力指示手段と、無音情報の出力に連動して、第二の言語の文字情報を出力あるいは変化させる出力指示手段とを有し、第一の言語と第一の言語に対応する第二の言語の前記第一の言語の文章に対応する発音時間分の無音情報を出力する段階を有することを特徴とする外国語学習システム。
【請求項2】
学習対象の言語である第一の言語の文を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第一の言語の文節情報と、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文に対応する文を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第二の言語の文節情報とを蓄積してなり、
第一の言語の文節情報を出力させる第一の言語の出力指示手段と、該文節に対応する文節の前記第二の言語の文節情報を出力させる第二の言語の出力指示手段を有し、前記第一の言語の出力指示手段が前記第一の言語の文節情報を出力させると、続いてこれに対応する第二の言語の出力指示手段が前記第二の言語の文節情報を出力させる動作を、第一の言語の語順通りに交互に繰り返す段階と、
学習対象の言語である第一の言語の文章を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第一の言語の文節情報を蓄積してなり、第一の言語の文節情報を出力させる第一の言語の出力指示手段と、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文章に対応する発音時間分音声情報の出力を停止させる手段と、第一の言語の音声情報を出力させる第一の言語の出力指示手段と、当該第一の言語の音声情報の出力に連動して第一の言語の文字情報を出力あるいは変化させる出力指示手段と、音声情報の出力停止に連動して、第二の言語の文字情報を出力あるいは変化させる出力指示手段とを有し、第一の言語と第一の言語に対応する第二の言語の前記第一の言語の文章に対応する発音時間分の音声情報の出力停止状態を作り出す段階を有することを特徴とする外国語学習システム。
【請求項3】
前記第一の言語の出力指示手段が前記第一の言語の文節情報を出力させると、続いてこれに対応する第二の言語の出力指示手段が前記第二の言語の文節情報を出力させる動作を、文全体又は文章全体若しくは物語全体が終了するまで交互に繰り返すことを特徴とする請求項1または2に記載の外国語学習システム。
【請求項4】
前記第二の言語の出力指示手段が前記第二の言語の文節情報を出力させると、続いてこれに対応する第一の言語の出力指示手段が前記第一の言語の文節情報を出力させる動作を、第一の言語の語順通りに交互に繰り返す段階を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の外国語学習システム。
【請求項5】
学習対象の言語である第一の言語の文を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字
からなる第一の言語の文節情報と、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文に対応する文を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第二の言語の文節情報と、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文に対応しない文を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第二の言語の文節情報を蓄積してなり、
第一の言語の文節情報を出力させる第一の言語の出力指示手段と、1つの該文節に対応する文節の選択肢と、1つあるいは複数の該文節に対応しない文節の選択肢を出力させる第二の言語の選択肢出力指示手段と、出力された文節の選択肢を選択させる手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の外国語学習システム。
【請求項6】
文節情報は、意味のまとまりを為すセンスグループ単位に区切られることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の外国語学習システム。
【請求項7】
文節情報は、コロケーション単位に区切られることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の外国語学習システム。
【請求項8】
文節情報の出力は、学習者の端末からの入力に応じて、学習者の端末に伝送されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の外国語学習システム。
【請求項9】
文節情報および文節の選択肢は学習者の端末のディスプレイ及び/又はスピーカーを通じて出力されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の外国語学習システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外国語学習システムに関し、とりわけ自身の母語とは文章を構成する文節の語順が異なる外国語を習得するのに適したシステムである。
【背景技術】
【0002】
学習者が外国語を学ぶ際に留意するべき点は様々あるが、一つ大きな問題となるのが、母語とは文章を構成する文節の語順が異なる文法の習得である。このような言語間の学習において一つの文章や物語をそのまま音読させたり、一つの文章や物語を母語の言語に翻訳させることにより多くの外国語学習は行われる。しかしながら、このような学習方法では、外国語を訳すことはできるようになるかもしれないが、リスニングとスピーキングの習熟は難しく、とりわけ外国語を母語とするネイティブとの会話(たとえば、英会話)ができるようなるには大きな労力と時間を有する。
【0003】
例えば、外国語学習システムについては、習熟度合いによって学習問題の出題数を決定し、この学習問題を順次ディスプレイに表示し、この表示内容に対する回答を受け付け、その正解の有無により学習問題を習熟状態にある問題と未習熟状態に分けるシステムが開発されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3820421号特許公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記外国語学習の問題点に基づき、外国語学習者が学習対象となる外国語の語順を崩すことなく、ネイティブの使う文章構造をできるだけ早くかつ正確に学習するシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の外国語学習システムは、学習対象の言語である第一の言語の文を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第一言語の文節情報と、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文に対応する文を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第二の言語の文節情報とを蓄積してなり、
第一の言語の文節情報を出力させる第一の言語の出力指示手段と、該文節に対応する文節の前記第二の言語の文節情報を出力させる第二の言語の出力指示手段を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の外国語学習システムの他の形態によれば、前記第一の言語の出力指示手段が前記第一の言語の文節情報を出力させると、続いてこれに対応する第二の言語の出力指示手段が前記第二の言語の文節情報を出力させる動作を、第一の言語の語順通りに交互に繰り返すことを特徴とする。
【0008】
前記第一の言語の出力指示手段が前記第一の言語の文節情報を出力させると、続いてこれに対応する第二の言語の出力指示手段が前記第二の言語の文節情報を出力させる動作を、文全体又は文章全体若しくは物語全体が終了するまで交互に繰り返すことを特徴とする。
【0009】
前記第二の言語の出力指示手段が前記第二の言語の文節情報を出力させると、続いてこれに対応する第一の言語の出力指示手段が前記第一の言語の文節情報を出力させる動作を、第一の言語の語順通りに交互に繰り返すことを特徴とする。
【0010】
前記第二の言語の出力指示手段が前記第二の言語の文節情報を出力させると、続いてこれに対応する第一の言語の出力指示手段が前記第一の言語の文節情報を出力させる動作を、文全体又は文章全体若しくは物語全体が終了するまで交互に繰り返すことを特徴とする。
【0011】
学習対象の言語である第一の言語の文を複数に区切った文節の音声情報と、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文に対応する文を複数に区切った文節の音声情報とを蓄積してなり、学習対象の言語である第一の言語の文を複数に区切った文節の文字情報と、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文に対応する文を複数に区切った文節の文字情報とを蓄積してなり、
第一の言語の音声情報を出力させる第一の言語の出力指示手段と、当該第一の言語の音声情報の出力に連動して第一の言語の文字情報を出力あるいは変化させる出力指示手段を有することを特徴とする。
【0012】
学習対象の言語である第一の言語の文を複数に区切った文節の音声情報と、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文に対応する文を複数に区切った文節の音声情報とを蓄積してなり、学習対象の言語である第一の言語の文を複数に区切った文節の文字情報と、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文に対応する文を複数に区切った文節の文字情報とを蓄積してなり、
第一の言語の音声情報を出力させる第一の言語の出力指示手段と、当該第一の言語の音声情報の出力に連動して第一の言語の文字情報を出力あるいは変化させる出力指示手段と、第二の言語の音声情報を出力させる第二の言語の出力指示手段と、当該第二の言語の音声情報の出力に連動して第二の言語の文字情報を出力あるいは変化させる出力指示手段とを有することを特徴とする。
【0013】
学習対象の言語である第一の言語の文章を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第一の言語の文節情報を蓄積してなり、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文章に対応する発音時間分の無音情報を蓄積してなり、
第一の言語の文節情報を出力させる第一の言語の出力指示手段と、無音情報の出力指示手段を有することを特徴とする。
【0014】
学習対象の言語である第一の言語の文を複数に区切った文節の音声情報と、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文章に対応する発音時間分の無音情報を蓄積してなり、第一の言語の音声情報を出力させる第一の言語の出力指示手段と、当該第一の言語の音声情報の出力に連動して第一の言語の文字情報を出力あるいは変化させる出力指示手段を有することを特徴とする。
【0015】
学習対象の言語である第一の言語の文章を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第一の言語の文節情報を蓄積してなり、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文章に対応する発音時間分の無音情報を蓄積してなり、
第一の言語の音声情報を出力させる第一の言語の出力指示手段と、当該第一の言語の音声情報の出力に連動して第一の言語の文字情報を出力あるいは変化させる出力指示手段と、無音情報の出力に連動して、第二の言語の文字情報を出力あるいは変化させる出力指示手段とを有することを特徴とする。
【0016】
学習対象の言語である第一の言語の文章を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第一の言語の文節情報を蓄積してなり、第一の言語の出力情報を出力させる第一の言語の出力指示手段と、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文章に対応する発音時間分出力を停止させる手段を有することを特徴とする。
【0017】
学習対象の言語である第一の言語の文を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字
からなる第一言語の文節情報と、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文に対応する文を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第二の言語の文節情報と、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文に対応しない文を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第二の言語の文節情報を蓄積してなり、
第一の言語の文節情報を出力させる第一の言語の出力指示手段と、1つの該文節に対応する文節の選択肢と、1つあるいは複数の該文節に対応しない文節の選択肢を出力させる第二の言語の選択肢出力指示手段と、出力された文節の選択肢を選択させる手段を有することを特徴とする。
【0018】
文節情報は、意味のまとまりを為すセンスグループ単位に区切られることを特徴とする。
【0019】
文節情報は、コロケーション単位に区切られることを特徴とする。
【0020】
文節情報の出力は、学習者の端末からの入力に応じて、学習者の端末に伝送されることを特徴とする。
【0021】
文節情報および文節の選択肢は学習者端末のディスプレイ及び/又はスピーカーを通じて出力されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明のシステムにより母語以外の外国語、とりわけ、母語と語順の異なる文章構造を持つ外国語の習得を早くかつ正確に行わせることができる外国語学習システムの提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の外国語学習システムの構造を示す模式図である。
図2】本発明の実施の形態にかかる外国語学習システムの「外国語→母語出力システム」の、日本語訳付フローチャート(a)、英文のみフローチャート(b)、画像イメージ(c)である。
図3】本発明の実施の形態にかかる外国語学習システムの「外国語→ポーズ出力システム出力システム」の日本語訳付フローチャート(a)、英文のみフローチャート(b)、画像イメージ(c)である。
図4】本発明の実施の形態にかかる外国語学習システムの「外国語出力システム」の日本語訳付フローチャート(a)、英文のみフローチャート(b)、画像イメージ(c)である。
図5】本発明の実施の形態にかかる外国語学習システムの「外国語出力速度可変システム」のフローチャート(a)、画面イメージ(b)である。
図6】本発明の実施の形態にかかる「母語→外国語出力システム」の日本語訳付フローチャート(a)、画像イメージ(b)である。
図7】本発明の実施の形態にかかる「母語→ポーズ→外国語出力システム」の日本語訳付フローチャート(a)、画像イメージ(b)である。
図8】本発明の実施の形態にかかる「テストシステム」のフローチャート(a)、画面イメージ(b)である。
図9】本発明の実施の形態にかかる「リーディング教材システム」の学習システムの概要図(a)、学習画面トップイメージである。
図10】本発明の実施の形態にかかる「リーディング教材システム」の学習手順、トレーニング内容を示すフローチャートである。
図11】本発明の実施の形態にかかる「リーディング教材システム」の講義動画遷移の一例を示すフローチャート(a)、講義画像再生イメージ(b)である。
図12】本発明の実施の形態にかかる「リーディング教材システム」の音声動画遷移の一例を示す音声動画再生イメージである。
図13】本発明の実施の形態にかかる「リスニング教材システム」の学習システムの概要図(a)、学習画面トップイメージである。
図14】本発明の実施の形態にかかる「リスニング教材システム」の学習手順、トレーニング内容を示すフローチャートである。
図15】本発明の実施の形態にかかる「リスニング教材システム」の講義動画遷移の一例を示すフローチャート(a)、講義画像再生イメージ(b)である。
図16】本発明の実施の形態にかかる「リスニング教材システム」の音声動画遷移の一例を示す音声動画再生イメージである。
図17】本発明の実施の形態にかかる「スピーキング教材システム」の学習システムの概要図(a)、学習画面トップイメージである。
図18】本発明の実施の形態にかかる「スピーキング教材システム」の学習手順、トレーニング内容を示すフローチャートである。
図19】本発明の実施の形態にかかる「スピーキング教材システム」の講義動画遷移の一例を示すフローチャート(a)、講義画像再生イメージ(b)である。
図20】本発明の実施の形態にかかる「スピーキング教材システム」の音声動画遷移の一例を示す音声動画再生イメージである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1に示すように、本発明の外国語学習システム構造1は、中央演算装置21及びデータベース22からなる本部システム2、学習者が保有するキーボードやタッチパネルなどの入力手段とディスプレイやスピーカーなどの出力手段を備えたコンピュータ、タブレット型端末、携帯電話端末などの学習端末3、そして、本部システムと端末間を繋ぐ専用回線あるいはインターネット回線などの通信回線4で構成されている。
【0025】
本発明の外国語学習システム構造1は、外国語の学習において効果を高めたい技能、すなわち、リーディング、リスニング、スピーキングの各技能に応じて構成されるリーディング教材システム、リスニング教材システム、スピーキング教材システムから構築されている。これらの各教材システムは、本発明にかかるいくつかのバリエーションをもつ外国語学習システムを組み合わせて構成されている。各教材を構成する外国語学習システムのバリエーションとしては、後に詳述する「外国語→母語出力システム」、「外国語→ポーズ出力システム」、「外国語出力システム」、「外国語出力速度可変システム」、「母語→外国語出力システム」、「母語→ポーズ→外国語出力システム」、「テストシステム」が挙げられる。以降、本実施例において外国語が英語であり、母語が日本語である場合を例に説明する。なお、このシステムが他の言語間においても使用できることはいうまでもない。
【0026】
(外国語→母語出力システム)
各教材システムを構成する外国語学習システムの概要について説明する。第一の外国語学習システムは、学習対象の言語である第一の言語の文を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第一言語の文節情報と、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文に対応する文を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第二の言語の文節情報(以下、センスグループという。)、とを蓄積してなり、第一の言語の文節情報をディスプレイ或いはスピーカーより出力させる第一の言語の出力指示手段と、該文節に対応する文節の前記第二の言語の文節情報をディスプレイ或いはスピーカーより出力させる第二の言語の出力指示手段を有することを特徴とする外国語学習システムである。すなわち第一の言語が英語の場合を例に挙げれば、英語の文章を文節で区切り、第一の言語たる英語を出力し、英語の語順の通りに第二の言語たる日本語の文節(訳文)を出力するシステムである。(以下、外国語→母語出力システムと呼ぶ。)(また、本実施例の図中では外国語→母語出力システムをHOPシステムと称している。)
【0027】
初期状態において、英語の文、「Japanese car companies build some of their cars right here in the United States, but they managed to avoid the troubles plaguing GM(登録商標), Ford(登録商標),Chrysler(登録商標).」が、「Japanese car companies build some of their cars(第一センスグループ)/ right here in the United States,(第二センスグループ)/ but they managed to avoid the troubles (第三センスグループ)/ plaguing GM(登録商標), Ford(登録商標),Chrysler(登録商標).(第四センスグループ)」の各文節に区切られた音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第一言語の文節情報がデータベース22に蓄積されている。また、これに、対応する日本語の文「日本の自動車会社は一部の車を組み立てています(第一センスグループ)/まさにここアメリカで(第二センスグループ)/しかし彼らは厄介な事態をうまく回避してきました(第三センスグループ)/GM(登録商標)、フォード(登録商標)、クライスラーを(登録商標)苦しめている。(第四センスグループ)」の各文節に区切られた音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第二言語の文節情報がデータベース22に蓄積されている。このような情報コンテンツの蓄積の仕方は、あらかじめ文節が交互に出力される状態の一つの情報コンテンツに作られて蓄積される場合、あらかじめ文節に区切った複数の情報コンテンツとして蓄積され交互に出力するプログラムが構築されている場合、文章全体あるいは文の情報コンテンツとして蓄積され、文章あるいは文を所定のルールに基づいて区切るプログラムにより文章全体あるいは文を文節に区切り、外国語と母語の対応する文節を紐づけて出力するプログラムが構築される場合もある。ここでセンスグループの区切り方の一例としてはコロケーション(意味のかたまり)ごとに区切ることが望ましい。たとえば、外国語が英語の場合、(1)主語・動詞をひとまとめにする。(2)前置語句をひとまとめにする。(3)「that節」が入る場合は、その中で主語・動詞などの区切りを入れる。というのが文節を区切り文節情報を作成するルールの一例である。
【0028】
外国語→母語出力システムの動作について図2(a)に基づき説明する。まず、音声動作について説明すれば、中央演算装置21は、端末3からスタート動作の入力(再生ボタンが押される。)が送達されると、動画を開始する(出力1)。次に、第一の言語のセンスグループ、第二の言語のセンスグループの順で文節情報音声を出力する(出力2)。さらに、文の全てが出力されるまで文節情報音声出力(出力2)を繰り返す(出力3)。たとえば、上記例を参照すれば、中央演算装置21は、「Japanese car companies build some of their cars(第一センスグループ)/日本の自動車会社は一部の車を組み立てています(第一センスグループ)」、「right here in the United States,(第二センスグループ)/まさにここアメリカで(第二センスグループ)」、「but they managed to avoid the troubles /しかし彼らは厄介な事態をうまく回避してきました(第三センスグループ)」、「plaguing GM(登録商標), Ford(登録商標),Chrysler(登録商標)./GM(登録商標)、フォード(登録商標)、クライスラーを(登録商標)を苦しめている。(第四センスグループ)」の順に音声を出力する。
【0029】
また、図2(C)に基づき、上記音声動作と連動する文字動作について説明すれば、中央演算装置21は、端末3からスタート動作の入力(再生ボタンが押されたこと。)が送達されると、動画を開始する(出力1)。次に、第一言語のセンスグループ文節情報音声の出力に合わせて、第一の言語のセンスグループの文節情報の文字色を変更させる(出力2)。さらに、第二の言語のセンスグループ文節情報音声の出力に合わせて、第二の言語のセンスグループの文節情報の文字をフェードインなどの手法により表示する。文の全てが出力されるまで上記出力(出力2)を繰り返し音声に合わせて画像の文字色を変更させる(出力3)。たとえば、上記例を参照すれば、中央演算装置21は、「Japanese car companies build some of their cars(第一センスグループ)/日本の自動車会社は一部の車を組み立てています(第一センスグループ)」、「right here in the United States,(第二センスグループ)/まさにここアメリカで(第二センスグループ)」、「but they managed to avoid the troubles/しかし彼らは厄介な事態をうまく回避してきました(第三センスグループ)」」「 plaguing GM(登録商標), Ford(登録商標),Chrysler(登録商標).(第三センスグループ)/GM(登録商標)、フォード(登録商標)、クライスラーを(登録商標)苦しめている(第四センスグループ)。」の順に第一の言語の文字色を変更させ、次に第二の言語の文字を表示させる。
【0030】
このように、センスグループごと一文が出力されると、中央演算装置21は、次の画面に遷移させる動作をし、文章の全てが出力されると動作を終了する。以上が、外国語→母語出力システムの動作である。
【0031】
上記外国語→母語出力システムの動作のバリエーションとしては、図2(b)(英文のみ)に示すように、日本語訳を表示しないシステムとしてもよく、この場合第二の言語の音声を出力する際に第二言語の文字を表示させない構成してもよい。
【0032】
(外国語→ポーズ出力システム)
第二の外国語学習システムは、図3に示すように学習対象の言語である第一の言語の文章を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第一言語の出力情報を蓄積してなり、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文章に対応する文章を複数に区切った文節の発音時間の無音情報を蓄積してなり、第一の言語の出力情報をディスプレイ或いはスピーカーより出力させる第一の言語の出力指示手段と、該文節に対応する文節の前記第二の言語の出力情報をディスプレイ或いはスピーカーより出力させずに無音状態をつくる第二の言語の出力指示手段を有することを特徴とする外国語学習システムである。(以下、外国語→ポーズ出力システムと呼ぶ)。(また、本実施例の図中では外国語→母語出力システムをSKIPシステムと称している。)
【0033】
外国語→ポーズ出力システムの動作について図3(a)に基づき説明する。まず、音声動作について説明すれば、中央演算装置21は、端末3からスタート動作の入力(再生ボタンが押される。)が送達されると、動画を開始する(出力1)。次に、第一言語のセンスグループ、次に、これに対応する第二言語のセンスグループの発音時間分の無音情報の順で文節情報音声を出力する(出力2)。さらに、出力2を文の全てが出力されるまで文節情報音声出力と無音状態の出力を繰り返す(出力3)。たとえば、上記例を参照すれば、中央演算装置21は、「Japanese car companies build some of their cars(第一センスグループ)/ポーズ(n秒) (第一センスグループ)」、「right here in the United States,(第二センスグループ)/ポーズ(n秒) (第二センスグループ)」、「but they managed to avoid the troubles /ポーズ(n秒) (第三センスグループ)」、「plaguing GM(登録商標), Ford(登録商標),Chrysler(登録商標)./ポーズ(n秒)(第四センスグループ)」の順に音声を出力する。
【0034】
また、図3(C)に基づき、上記音声動作と連動する文字動作について説明すれば、中央演算装置21は、端末3からスタート動作の入力(再生ボタンが押される。)が送達されると、動画を開始する(出力1)。次に、第一言語のセンスグループ文節情報音声の出力に合わせて、第一言語のセンスグループの文節情報の文字色を変更させる(出力2)。さらに、無音情報の出力すなわちポーズ状態に合わせて、第二言語のセンスグループの文節情報の文字をフェードインなどの手法により表示する。出力2を文の全てが出力されるまで音声に合わせて画像の文字色を変更させる(出力3)。たとえば、上記例を参照すれば、中央演算装置21は、「Japanese car companies build some of their cars(第一センスグループ)/日本の自動車会社は一部の車を組み立てています(第一センスグループ)」、「right here in the United States,(第二センスグループ)/まさにここアメリカで(第二センスグループ)」、) 「but they managed to avoid the troubles/しかし彼らは厄介な事態をうまく回避してきました(第三センスグループ)」、「plaguing GM(登録商標), Ford(登録商標),Chrysler(登録商標).(第四センスグループ)/GM(登録商標)、フォード(登録商標)、クライスラーを(登録商標)(第四センスグループ)苦しめている。」の順に第一言語の文字色を変更させ、次に第二言語の文字を表示させる。
【0035】
外国語→ポーズ出力システムの動作の第一のバリエーションとしてポーズの状態を作り出すために無音情報を出力する手段のほか、第二の言語の発音時間に対応する時間分、音声情報の出力を停止させるプログラムを構築する構成も採用することもできる。
【0036】
外国語→ポーズ出力システムの文字動作のバリエーションとして、図3(b)(英文のみ)に示すように、日本語訳を表示しないシステムとし、ポーズ状態の際に第二言語の文字を表示させない構成としてもよい。
【0037】
(外国語出力システム)
第三の外国語学習システムは、図4に示すように、学習対象の言語である第一の言語の文章をそのまま出力させる外国語学習システムである入力動作に基づきデータベースに蓄積された第一の言語の音声情報がそのまま出力される。(以下、外国語出力システムと呼ぶ)。(また、本実施例の図中では外国語→母語出力システムをJUMPシステムと称している。)
【0038】
まず、図4(a)に基づき、音声動作について説明すれば、中央演算装置21は、端末3からスタート動作の入力(再生ボタンが押される。)が送達されると、動画を開始する(出力1)。次に、第一言語の音声を出力する(出力2)。さらに、出力2を文の全てが出力されるまで行う。
【0039】
また、上記音声動作と連動する文字動作について説明すれば、中央演算装置21は、端末3からスタート動作の入力(再生ボタンが押される。)が送達されると、動画を開始する(出力1)。次に、第一言語のセンスグループ文節情報音声の出力に合わせて、第一言語のセンスグループの文節情報の文字色を変更させ、同時に、第二言語のセンスグループの文節情報の文字をフェードインなどの手法により表示する(出力2)。
【0040】
外国語出力システムの文字動作のバリエーションとして、図4(b)(英文のみ)に示すように、日本語訳を表示しない構成としてもよい。
【0041】
(外国語出力速度可変システム)
外国語出力システムの動作のバリエーションとして、図5に示すように第一の言語の音声情報の発音速度(出力速度)を変化させるシステムが構築される。この外国語出力速度可変システムの一つの構成は、あらかじめ発音速度の異なる複数の音声情報コンテンツをデータベースに蓄積しておき、端末からの入力の伝達に応じて初男速度の異なる音声情報を順番に出力するものである。他の構成はあらかじめ一つの音声情報の情報コンテンツをデータベースに蓄積しておき、音声情報の出力速度を変動させるプログラムを構築することにより発音速度を変動させるものである。(以下、外国語出力速度可変システムと呼ぶ)。(また、本実施例の図中では外国語出力速度可変システムをHYPER SPEEDシステムと称している。)
【0042】
速度変化の一例としては、外国語すなわち第一の言語のネイティブの一般的な発声速度を100%としたときに、外国語→ポーズ出力システム(150%)、外国語出力システム(150%)、外国語出力システム(180%)、外国語出力システム(200%)、外国語出力システム(100%)の順に発音速度を変動させる。これにより、とりわけリスニングの力をつけることができることが実証されている。
【0043】
(母語→外国語出力システム)
第四の外国語学習システムは、学習対象の言語である第一の言語の文を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第一言語の文節情報と、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文に対応する文を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第二の言語の文節情報(以下、センスグループという。)、とを蓄積してなり、第二の言語の文節情報をディスプレイ或いはスピーカーより出力させる第二の言語の出力指示手段と、該文節に対応する文節の前記第二の言語の文節情報をディスプレイ或いはスピーカーより出力させる第一の言語の出力指示手段を有することを特徴とする外国語学習システムである。すなわち第一の言語が英語の場合を例に挙げれば、英語の文章を文節で区切り、英語の語順の通りに第二の言語たる日本語の文節(訳文)を出力し続いて、第一の言語たる英語を出力するシステムである。(以下、外国語→母語出力システムと呼ぶ。)(以下、母語→外国語出力システムと呼ぶ)。(また、本実施例の図中では母語→外国語出力システムをReverse HOPシステムと称している。)
【0044】
初期状態において、英語の文、「Japanese car companies build some of their cars right here in the United States, but they managed to avoid the troubles plaguing GM(登録商標), Ford(登録商標),Chrysler(登録商標).」が、「Japanese car companies build some of their cars(第一センスグループ)/ right here in the United States,(第二センスグループ)/ but they managed to avoid the troubles (第三センスグループ)/ plaguing GM(登録商標), Ford(登録商標),Chrysler(登録商標).(第四センスグループ)」の各文節に区切られた音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第一言語の文節情報がデータベース22に蓄積されている。また、これに、対応する日本語の文「日本の自動車会社は一部の車を組み立てています(第一センスグループ)/まさにここアメリカで(第二センスグループ)/しかし彼らは厄介な事態をうまく回避してきました(第三センスグループ)/GM(登録商標)、フォード(登録商標)、クライスラーを(登録商標)苦しめている。(第四センスグループ)」の各文節に区切られた音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第二言語の文節情報がデータベース22に蓄積されている。このような情報コンテンツの蓄積の仕方は、あらかじめ文節が交互に出力される状態の一つの情報コンテンツに作られて蓄積される場合、あらかじめ文節に区切った複数の情報コンテンツとして蓄積されている場合、文章全体あるいは文の情報コンテンツとして蓄積され、文章あるいは文を所定のルールに基づいて区切るプログラムにより文章全体あるいは文を文節に区切り、外国語と母語の対応する文節を紐づけて出力されるように構成される場合もある。ここでセンスグループの区切り方の一例としてはコロケーション(意味のかたまり)ごとに区切ることが望ましい。たとえば、外国語が英語の場合、(1)主語・動詞をひとまとめにする。(2)前置語句をひとまとめにする。(3)「that節」が入る場合は、その中で主語・動詞などの区切りを入れる。というのが文節を区切り文節情報を作成するルールの一例である。
【0045】
図6に基づき母語→外国語出力システムの動作について説明する。まず、音声動作について説明すれば、中央演算装置21は、端末3からスタート動作の入力(再生ボタンが押される。)が送達されると、動画を開始する(出力1)。次に、第二言語のセンスグループ、第一言語のセンスグループの順で文節情報音声を出力する(出力2)。さらに、出力2を文の全てが出力されるまで文節情報音声出力を繰り返す(出力3)。たとえば、上記例を参照すれば、中央演算装置21は、「日本の自動車会社は一部の車を組み立てています(第一センスグループ) /Japanese car companies build some of their cars(第一センスグループ)」、「まさにここアメリカで(第二センスグループ)/right here in the United States,(第二センスグループ)」、「しかし彼らは厄介な事態をうまく回避してきました(第三センスグループ)/but they managed to avoid the troubless」、「GM(登録商標)、フォード(登録商標)、クライスラーを(登録商標)を苦しめている。(第四センスグループ)/plaguing GM(登録商標), Ford(登録商標),Chrysler(登録商標).」の順に音声を出力する。
【0046】
また、上記音声動作と連動する文字動作について説明すれば、中央演算装置21は、端末3からスタート動作の入力(再生ボタンが押されたこと。)が送達されると、動画を開始する(出力1)。次に、第二言語のセンスグループ文節情報音声の出力に合わせて、第二言語のセンスグループの文節情報の文字色を変更させる(出力2)。さらに、第一言語のセンスグループ文節情報音声の出力に合わせて、第一言語のセンスグループの文節情報の文字をフェードインなどの手法により表示する。出力2を文の全てが出力されるまで音声に合わせて画像の文字色を変更させる(出力3)。
【0047】
このように、センスグループごと一文が出力されると、中央演算装置21は、次の画面に切り替える動作をし、文章の全てが出力されると動作を終了する。以上が、母語→外国語出力システムの動作である。
【0048】
上記母語→外国語システムの動作のバリエーションとしては日本語訳を表示しないシステムの場合には、第二の言語の音声を出力する際に第二言語の文字を表示させない構成としてもよい。
【0049】
(母語→ポーズ→外国語出力システム)
第五の外国語学習システムは、学習対象の言語である第一の言語の文を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第一言語の文節情報と、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文に対応する文を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第二の言語の文節情報(以下、センスグループという。)、と、第二の言語の発音時間分に対応する無音情報を蓄積してなり、第二の言語の文節情報をディスプレイ或いはスピーカーより出力させる第二の言語の出力指示手段と、無音情報を出力する手段と、該文節に対応する文節の前記第一の言語の文節情報をディスプレイ或いはスピーカーより出力させる第一の言語の出力指示手段を有することを特徴とする外国語学習システムである。すなわち第一の言語が英語の場合を例に挙げれば、英語の文章を文節で区切り、英語の語順の通りに第二の言語たる日本語の文節(訳文)を出力し続いて、ポーズを挟んで、第一の言語たる英語を出力するシステムである。(以下、母語→ポーズ→外国語システムと呼ぶ)。(また、本実施例の図中では母語→ポーズ→外国語システムをReverse HOP with Pause(RHP)システムと称している。)
【0050】
母語→ポーズ→外国語出力システムについて、外国語が英語であり、母語が日本語である場合を例に説明する。初期状態において、英語の文、「Japanese car companies build some of their cars right here in the United States, but they managed to avoid the troubles plaguing GM(登録商標), Ford(登録商標),Chrysler(登録商標).」が、「Japanese car companies build some of their cars(第一センスグループ)/ right here in the United States,(第二センスグループ)/ but they managed to avoid the troubles (第三センスグループ)/ plaguing GM(登録商標), Ford(登録商標),Chrysler(登録商標).(第四センスグループ)」の各文節に区切られた音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第一言語の文節情報がデータベース22に蓄積されている。また、これに、対応する日本語の文「日本の自動車会社は一部の車を組み立てています(第一センスグループ)/まさにここアメリカで(第二センスグループ)/しかし彼らは厄介な事態をうまく回避してきました(第三センスグループ)/GM(登録商標)、フォード(登録商標)、クライスラーを(登録商標)苦しめている。(第四センスグループ)」の各文節に区切られた音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第二言語の文節情報がデータベース22に蓄積されている。また第一の言語の発音時間分に対応する無音情報がデータベース22に蓄積されている。このような情報コンテンツの蓄積の仕方は、あらかじめ文節が交互に出力される状態の一つの情報コンテンツに作られて蓄積される場合、あらかじめ文節に区切った複数の情報コンテンツとして蓄積されている場合、文章全体あるいは文の情報コンテンツとして蓄積され、文章あるいは文を所定のルールに基づいて区切るプログラムにより文章全体あるいは文を文節に区切り、外国語と母語の対応する文節を紐づけて出力されるように構成される場合もある。ここでセンスグループの区切り方の一例としてはコロケーション(意味のかたまり)ごとに区切ることが望ましい。たとえば、外国語が英語の場合、(1)主語・動詞をひとまとめにする。(2)前置語句をひとまとめにする。(3)「that節」が入る場合は、その中で主語・動詞などの区切りを入れる。というのが文節を区切り文節情報を作成するルールの一例である。
【0051】
図7に基づき、母語→ポーズ→外国語システムの動作について説明する。まず、音声動作について説明すれば、中央演算装置21は、端末3からスタート動作の入力(再生ボタンが押される。)が送達されると、動画を開始する(出力1)。次に、第二の言語のセンスグループ、第一の言語のセンスグループの順で文節情報音声を出力する(出力2)。さらに、出力2を文の全てが出力されるまで文節情報音声出力を繰り返す(出力3)。たとえば、上記例を参照すれば、中央演算装置21は、「日本の自動車会社は一部の車を組み立てています(第一センスグループ) /ポーズ状態(n秒)/Japanese car companies build some of their cars(第一センスグループ)」、「まさにここアメリカで(第二センスグループ)/ポーズ状態(n秒)/right here in the United States,(第二センスグループ)」、「しかし彼らは厄介な事態をうまく回避してきました(第三センスグループ)/ポーズ状態(n秒)/but they managed to avoid the troubless」、「GM(登録商標)、フォード(登録商標)、クライスラーを(登録商標)を苦しめている。(第四センスグループ)/ポーズ状態(n秒)/plaguing GM(登録商標), Ford(登録商標),Chrysler(登録商標).」の順に音声を出力する。
【0052】
また、上記音声動作と連動する文字動作について説明すれば、中央演算装置21は、端末3からスタート動作の入力(再生ボタンが押されたこと。)が送達されると、動画を開始する(出力1)。次に、第二の言語のセンスグループ文節情報音声の出力に合わせて、第二の言語のセンスグループの文節情報の文字色を変更させる(出力2)。さらに、第一の言語のセンスグループ文節情報音声の出力に合わせて、第一の言語のセンスグループの文節情報の文字をフェードインなどの手法により表示する。出力2を文の全てが出力されるまで音声に合わせて画像の文字色を変更させる(出力3)。
【0053】
このように、センスグループごと一文が出力されると、中央演算装置21は、次の画面に切り替える動作をし、文章の全てが出力されると動作を終了する。以上が、母語→ポーズ→外国語出力システムの動作である。
【0054】
上記母語→ポーズ→外国語出力システムの動作のバリエーションとしての日本語訳を表示しないシステムの場合には、第二の言語の音声を出力する際に第二言語の文字を表示させない構成としてもよい。
【0055】
(テストシステム)
さらに本発明の外国語学習システムに任意で設けられるシステムとして、学習者の学習効果を測定するためのテストシステムを構築してもよい。テストシステムは、学習対象の言語である第一の言語の文を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第一言語の文節情報と、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文に対応する文を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第二の言語の文節情報と、学習者の母語である第二の言語の前記第一の言語の文に対応しない文を複数に区切った文節の音声及び/又は映像及び/又は文字からなる第二の言語の文節情報を蓄積してなり、第一の言語の出力情報をディスプレイ或いはスピーカーより出力させる第一の言語の出力指示手段と、1つの該文節に対応する文節の選択肢と、1つあるいは複数の該文節に対応しない文節の選択肢をディスプレイ或いはスピーカーより出力させる第二の言語の選択肢出力指示手段と、出力された文節の選択肢を選択させる手段を有する。
【0056】
テストシステムは図8に示すように、端末3からの入力(再生ボタンを押す)が伝達されると、画像を動作させ、データベース22に蓄積された外国語の文字情報を画面の日左から一定の速さで流す(出力1)、次にデータベース22に蓄積された外国語の文字情報に対応する母語の文字情報を含む、母語の回答選択肢を表示させる。次に端末3から選択の入力(解答ボタンを押す)が伝達されると(入力2)、答えを表示させる(出力3)。出入力1、出入力2を設定された問題数繰り返し、設定された問題数の回答が入力されると、正解率を演算し、正解率を表示する(出力3)。任意の機能として、正答率に閾値を設定し(例えば60%)、正解率の閾値判断を行う。正解率が閾値未満と判断されれば、画面を再チャレンジ画面に遷移させ、データベース22に蓄積されている問題中、不正解であった問題、あるいはデータベース22に蓄積されている問題中表示されていない問題を抽出し、出入力1、出入力2を繰り返す。なお、正解率が閾値以上と判定された場合には次のトピック画面に遷移させる。
【0057】
外国語学習のリーディング、リスニング、スピーキングの各技能を高めるために各教材システムは上記外国語学習システムのバリエーションすなわち、外国語→母語出力システム、外国語→ポーズ出力システム、外国語出力システム、外国語出力速度可変システム、母語→外国語出力システム、母語→ポーズ→外国語出力システム、テストシステムを目的に応じて組み合わせることにより構築されている。上記外国語学習システムを組み合わせて構成されるリーディング、リスニング、スピーキング用の各教材についていくつかの組み合わせの例を示す。
【0058】
(リーディング教材)
リーディング教材システムについて、図9図12を例に説明する。リーディング教材システムは、上述した「外国語→母語出力システム」(図中のHOPボタンに対応)、「外国語→ポーズ出力システム」(図中のSKIPボタンに対応)、「外国語システム」(図中のJUMPボタンに対応)及び「テストシステム」(図中のTESTボタンに対応)の組み合わせからなり、端末3よりスタートの入力(講義を聞く)の入力があるとデータベース22に蓄積されてなる講義動画を出力する。続いて、「外国語→母語出力システム」「外国語→ポーズ出力システム」「外国語システム」及び「テストシステム」の入力(選択ボタンを押す)の伝達があると、上述した「外国語→母語出力システム」「外国語→ポーズ出力システム」「外国語システム」及び「テストシステム」の各システムを動作させる。
【0059】
図9に示すように、学習画面トップイメージから講義の内容、各外国語学習システムの選択入力ができるようになっている。図10左図に示す学習手順に応じて、リーディング教材システムは図10右図に示すように図9のLECTURE動画に示す講義コンテンツの出力がなされ、入力に応じて、図10に示す音声動画再生イメージのごとく「外国語→母語出力システム」「外国語→ポーズ出力システム」「外国語出力システム」及び「テストシステム」の出力を行う。このような外国語学習システムの組み合わせと順番で、学習者に学習させることで、外国語学習者のリーディング技能が飛躍的に伸びるという効果が得られる。
【0060】
(リスニング教材システム)
リーディング教材システムについて、図13図16を例に説明する。リスニング教材システムは、上述した「外国語→母語出力システム」(図中のHOPボタンに対応)、「外国語→ポーズ出力ボタンに対応」(図中のSKIPボタンに対応)、「外国語出力システム」(図中のJUMPボタンに対応)、「外国語速度可変システム」(図中のHyper Speedボタンに対応)及び「テストシステム」(図中のTESTボタンに対応)の組み合わせからなり、端末3よりスタートの入力(講義を聞く)の入力があるとデータベース22に蓄積されてなる講義コンテンツを出力し、「外国語→母語出力システム」「外国語→ポーズ出力システム」「外国語出力システム」「外国語速度可変システム」及び「テストシステム」の入力(選択ボタンを押す)の伝達があると、上述したそれぞれのシステムを動作させる。
【0061】
図13に示すように、学習画面トップイメージから講義の内容、各外国語学習システムの選択入力ができるようになっている。図14左図に示す学習手順に応じて、リスニング教材システムは図14右図に示すように図15のLECTURE動画に示す講義動画の出力がなされ、入力に応じて図16に示す音声動画再生イメージのごとく「外国語→母語出力システム」「外国語→ポーズ出力システム」「外国語出力システム」「外国語速度可変システム」及び「テストシステム」の出力を行う。このような外国語学習システムの組み合わせと順番で、学習者に学習させることで、外国語学習者のリスニング技能が飛躍的に伸びるという効果が得られる。「外国語速度可変システム」において通常より早い速度の外国語を聞かせることで、よりリスニング技能が向上する。
【0062】
(スピーキング教材システム)
スピーキング教材システムについて、図17図20を例に説明する。スピーキング教材システムは、上述した「外国語→母語出力システム」(図中のHOPボタンに対応)、「外国語→ポーズ出力システム」(図中のSKIPボタンに対応)、「外国語システム」、(図中のJUMボタンに対応)、「母語→外国語システム」(図中のReverse Hopボタンに対応)、「母語→ポーズ外国語システム」(図中のReverse Hop with Pause(RHP)ボタンに対応)、及び「テストシステム」(図中のTESTボタンに対応)の組み合わせからなり、端末3よりスタートの入力(講義を聞く)の入力があるとデータベース22に蓄積されてなる講義コンテンツを出力し、入力に応じて「外国語→母語出力システム」「外国語→ポーズ出力システム」「外国語システム」「母語→外国語システム」「母語→ポーズ外国語システム」及び「テストシステム」の入力(選択ボタンを押す)の伝達があると、上述したそれぞれのシステムを動作させる。
【0063】
図18に示すように、学習画面トップイメージから講義の内容、各外国語学習システムの選択入力ができるようになっている。図18左図に示す学習手順に応じて、スピーキング教材システムは図18右図に示すように図19のLECTURE動画に示す講義動画の出力がなされ、図20に示す音声動画再生イメージのごとく「外国語→母語出力システム」「外国語→ポーズ出力システム」「外国語システム」「母語→外国語システム」「母語→ポーズ外国語システム」及び「テストシステム」の出力を行う。このような外国語学習システムの組み合わせと順番で、学習者に学習させることで、外国語学習者のスピーキング技能が飛躍的に伸びるという効果が得られる。「母語→ポーズ外国語システム」により発音させることでよりスピーキング技能が向上する。
【0064】
なお、それぞれの技能の上達に際しては上記外国語学習システムの組み合わせが好適であることが実証されているが、外国語学習システムの組み合わせやその出力順はこれに限られるものではない。また、本実施例では英語の一文を例に説明したが言語、文章はこれに限られるものではない。
【符号の説明】
【0065】
1 外国語学習システム
2 本部システム
21 中央演算装置
22 データベース
3 端末
4 通信手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20