【実施例1】
【0019】
図1は、実施例1に係る画像投影装置の上視図である。
図2は、
図1の投射部近傍を拡大した図である。なお、実施例1の画像投影装置100は、ユーザに画像を視認させるための画像用光線が当該ユーザの眼球36の網膜38に直接投射される、マクスウェル視を利用した網膜投影型ヘッドマウントディスプレイである。
【0020】
実施例1の画像投影装置100は、
図1のように、光検出器18、制御部20、投影部24および検出部26を備える。投影部24は、光源12、第1ミラー14、第2ミラー15、第3ミラー17、第4ミラー44、投射部16、位置調整部22を備える。光源12は、メガネ型フレームのツル30に配置されている。光源12は、制御部20の指示の下、例えば単一又は複数の波長の光線34を出射する。この光線34には、ユーザの眼球36の網膜38に画像を投影するための画像用光線と、ユーザの眼球36の瞳孔40の位置及びユーザの瞼の開閉の少なくとも一方を検出するための検出用光線と、が含まれる。検出用光線は、画像用光線と同じ光源12から出射されることから、画像用光線と同じく可視光である。光源12は、例えば赤色レーザ光(波長:610nm〜660nm程度)、緑色レーザ光(波長:515nm〜540nm程度)、及び青色レーザ光(波長:440nm〜480nm程度)を出射する。赤色、緑色、及び青色レーザ光を出射する光源12として、例えばRGB(赤・緑・青)それぞれのレーザダイオードチップと3色合成デバイスとマイクロコリメートレンズとが集積された光源が挙げられる。
【0021】
第1ミラー14は、メガネ型フレームのツル30に配置されている。第1ミラー14は、光源12から出射された画像用光線を、水平方向及び垂直方向に走査する。また、第1ミラー14は、光源12から出射された検出用光線を反射する。第1ミラー14は、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーである。なお、光源12から出射された光線34は、例えば第2ミラー15及び第3ミラー17で反射されて、第1ミラー14に入射する。
【0022】
図3(a)は、第1ミラーの振動を示す図である。画像用光線と検出用光線とについて説明する。第1ミラー14によって画像用光線を走査して網膜38に画像を投影する方法として、画像の左上から右下まで光を高速に走査して画像を表示する方法(例えばラスタースキャン)がある。
図3(a)のように、第1ミラー14は、画像用光線34aを走査するために、網膜38に投影する画像の範囲(
図3(a)の破線範囲)よりも大きく、水平方向(第1方向)と垂直方向(第1方向に交差する第2方向)とに振動する。第1ミラー14の振動を符号50で示している。
【0023】
第1ミラー14が大きく振れた箇所で画像用光線34aを走査して網膜38に画像を投影する場合、画像の歪みが大きくなることから、画像用光線34aは、第1ミラー14の振れが小さい箇所で走査される。一方、検出用光線34bは、第1ミラー14の振動50のうち、画像用光線34aが走査されないタイミングで、第1ミラー14に入射する。言い換えると、光源12は、第1ミラー14の振動50において、網膜38に投影する画像の範囲に相当する期間では画像用光線34aを第1ミラー14に出射し、画像の範囲外の時間において検出用光線34bを第1ミラー14に出射する。
【0024】
図3(b)は、画像用光線と検出用光線の出射タイミングを示すタイミングチャートであり、第1ミラー14が
図3(a)の点Aから点Bまで振動した場合における画像用光線34aと検出用光線34bの光源12からの出射タイミングである。なお、検出用光線34bの光強度は、画像用光線34aと同じであってもよいし、異なっていてもよい。検出用光線34bの光強度は、後述する光検出器18で反射光46が検出できる程度の光強度であればよい。
【0025】
第1ミラー14には、1又は複数の検出用光線34bが入射される。
図3(a)及び
図3(b)では、6つの検出用光線34bが第1ミラー14に入射される場合を例に示している。検出用光線34bは、単一波長の光線でよく、網膜38に投影する画像の1画素又は数画素相当の光線でよい。なお、
図3(a)では、画像用光線34aは矩形状に走査される場合を例に示しているが、この場合に限られず、台形状に走査される場合など、その他の場合でもよい。
【0026】
図1及び
図2のように、第1ミラー14で走査された画像用光線34a及び第1ミラー14で反射された検出用光線34bは、第4ミラー44によって、メガネ型フレームのレンズ32に向かって反射される。投射部16が、レンズ32の眼球36側の面に配置されているため、第1ミラー14で走査された画像用光線34a及び第1ミラー14で反射された検出用光線34bは、投射部16に入射する。投射部16は、画像用光線34aが入射される第1領域16aでは、自由曲面又は自由曲面と回折面の合成構造をしたハーフミラーとなっている。これにより、投射部16に入射された画像用光線34aは、眼球36の瞳孔40近傍で収束した後に網膜38に投射される。よって、ユーザは、画像用光線34aで形成される画像を認識することができると共に、外界像をシースルーで視認することができる。一方、投射部16は、検出用光線34bが入射される第2領域16bでは、第1領域16aと光学的に不連続な形状をしたハーフミラーとなっている。これにより、検出用光線34bは、画像用光線34aが瞳孔40を通過して網膜38に投射される場合に、眼球36の虹彩42に投射される。このように、画像用光線34aが投射される眼球36の表面領域を第1表面領域36aとした場合に、検出用光線34bは、眼球36の第1表面領域36aから離れた第2表面領域36bに投射される。
【0027】
図4は、検出用光線の照射位置を示す眼球の正面図であり、画像用光線34aと検出用光線34bの眼球36への投射について説明する図である。
図4のように、検出用光線34bは、画像用光線34aが瞳孔40の中心近傍を通過して網膜38に投射される場合に、虹彩42に投射される。投射部16の第2領域16bが第1領域16aに光学的に不連続となっているため、画像用光線34aが瞳孔40を通過して網膜38に投射されつつ、検出用光線34bが虹彩42に投射されることが可能となる。また、画像用光線34aと検出用光線34bは、第1ミラー14の振動に対して所定のタイミングで光源12から出射される。すなわち、画像用光線34aと検出用光線34bの相対的な出射タイミングは固定されている。このため、画像用光線34aと検出用光線34bは、相対的な位置関係が固定されて、眼球36に投射される。また、
図3(a)のように、複数の検出用光線34bは、第1ミラー14の振動50の異なる位置で反射された光であることから、虹彩42の異なる位置に異なる時間(異なるタイミング)で投射される。すなわち、複数の検出用光線34bは、虹彩42の異なる位置に順々に投射される。
【0028】
図1及び
図2のように、光検出器18が、レンズ32のフレームに配置されている。光検出器18は、例えばフォトディテクタである。光検出器18は、検出用光線34bが虹彩42で反射した反射光46を検出する。
図5は、反射光を検出する検出タイミングを示すタイミングチャートであり、制御部20が光検出器18を用いて反射光46を検出する検出タイミングを説明する図である。
図5のように、制御部20は、光源12から検出用光線34bを出射させたタイミングで、光検出器18を用いて反射光46の検出を行う。これにより、複数の検出用光線34bのうちのどの検出用光線34bの反射光46が検出されていないかが分かる。なお、光検出器18の性能などを考慮し、反射光46の検出の時間に幅を持たせてもよい。
【0029】
なお、
図1及び
図2では、光検出器18が、レンズ32の中央近傍に配置された場合を例に示したが、反射光46を検出できる場所であれば、例えばレンズ32のツル30近傍や鼻パッド(不図示)近傍などに配置されてもよい。なお、複数の検出用光線34bが虹彩42に投射される場合であっても、上述したように、複数の検出用光線34bは虹彩42に順々に投射されることから、1つの光検出器18で複数の検出用光線34bの反射光46を検出することができる。
【0030】
CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、およびRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等のメモリは制御部20および検出部26として機能する。プロセッサおよびメモリは、外部装置(例えば携帯端末など)に設けられている。プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムに従って、制御部20および検出部26として機能する。制御部20と検出部26は異なるプロセッサにより機能してもよいし、同じプロセッサにより機能してもよい。
【0031】
制御部20は投影部24を制御する。制御部20は、入力された画像データに基づく画像用光線34aと、瞳孔40の位置を検出するための検出用光線34bと、を光源12から出射させる。また、制御部20は、光検出器18での検出結果に基づいて、光源12及び第1ミラー14などを含む光学系の少なくとも一方を制御する。例えば、制御部20は、光源12からの画像用光線34a及び/又は検出用光線34bを含む光線の出射を制御する。例えば、制御部20は、位置調整部22を駆動させて第1ミラー14の位置を移動させると共に、第1ミラー14の移動に合わせて第3ミラー17と第4ミラー44の位置を移動させる制御を行う。
【0032】
検出部26は、光検出器18の検出結果に基づき瞳孔の動いた方向を検出する。
図6(a)および
図6(b)を用いて、光検出器18を用いた反射光46の検出について説明する。
図6(a)および
図6(b)は、投射部および眼球の上視図である。
図6(a)は、画像用光線34aが瞳孔40を通過し、検出用光線34bが虹彩42に投射される場合を示す図である。
図6(b)は、眼球36が回転したことで、検出用光線34bの一部が瞳孔40を通過して網膜38に投射される場合を示す図である。
【0033】
図6(a)のように、検出用光線34bが虹彩42に投射された場合は比較的大きな反射光46が生じる。一方、
図6(b)のように、眼球36の回転によって検出用光線34bが瞳孔40を通過して網膜38に投射された場合、反射光46が生じ難い。つまり、
図6(a)の場合には、光検出器18は比較的大きな反射光46を検出するが、
図6(b)の場合には、光検出器18は反射光46を検出しないことが起こる。したがって、ユーザが眼球36を動かした場合には、光検出器18は複数の検出用光線34bのうちの一部の検出用光線34bの反射光46を検出しなくなる。このように、光検出器18は、ユーザの眼球において反射した検出用光線34bの反射光を検出する。
図4において、画像用光線34aが照射された位置から反射光46を検出しなくなった検出用光線34bに対応する位置への方向は、瞳孔40が動いた方向に相当する。そこで、検出部26は、この方向をユーザの顔に対する瞳孔40が動いた方向(すなわち眼球36の回転方向)として検出する。瞳孔40の位置によりユーザの視線がわかる。なお、上述の記載から明らかなように、光検出器18が反射光46を検出しないとは、所定値以上の大きさの反射光46を検出しないことをいう。すなわち、光検出器18が検出する反射光46の強度は所定値以下のとき、検出部26は、反射光46を検出しないと判定できる。
【0034】
実施例1における制御部20および検出部26の動作について説明する。
図7は、実施例1における制御部20および検出部26の動作を示すフローチャートである。
図8(a)から
図8(d)は、実施例1における眼球36の動きと画像用光線34aの制御を示す眼球36の上視図である。
図9(a)および
図9(b)は、実施例1におけるユーザが視認する座標系における網膜38に投影された画像を示す図である。
図9(a)および
図9(b)は、それぞれ瞳孔が動く前および瞳孔が動いた後を示す。
【0035】
図8(a)に示すように、瞳孔40が動く前において、制御部20は、瞳孔40内で画像用光線34aが収束し、網膜38に画像用光線34aが照射されるように、投影部24を制御する。画像用光線34aは瞳孔40のほぼ正面から入射しかつ瞳孔40のほぼ中心を通過する。
図9(a)に示すように、ユーザが視認する座標系(投射部16をユーザが視認した座標系に相当する)では、画像80の中心(網膜38の位置Qに相当する位置)に画素P1、画像80の左側に画素P2が位置している。このとき、ユーザの画像80上の視線の位置は画素P1である。
図8(a)のように、網膜38の位置Qには、画素P1に相当する画像用光線34aが照射される。位置Qの右側に画素P2に相当する画像用光線34aが照射される。
【0036】
図7に示すように、光検出器18が検出用光線を検出することで、検出部26は、ユーザの顔に対し瞳孔40の動いた方向を検出する(ステップS10)。
図8(b)に示すように、瞳孔40は左方向52に動いている。画像投影装置100は、ツル30によりユーザの頭に固定されている。よって、瞳孔40は、ユーザの頭および/または顔に対し動いている。これにより、画像用光線34aの少なくとも一部が虹彩42に照射されてしまい、画像用光線34aの少なくとも一部は網膜38に照射されない。
【0037】
図7に示すように、制御部20は、画像用光線34aが瞳孔40に照射されるように、投影部24を制御する(ステップS12)。
図8(c)に示すように、制御部20は、矢印56のように、画像用光線34aの照射位置を瞳孔40の動いた方向52に移動させる。これにより、画像用光線34aは瞳孔40のほぼ中心を通過する。さらに、制御部20は、矢印58のように、画像用光線34aの照射方向を瞳孔40が動いた方向に傾斜させる。これにより、画像用光線34aは瞳孔40のほぼ正面から入射する。網膜38の位置Qに画像80の画素P1が照射され、位置Qの右側に画素P2が照射される。よって、ユーザは、
図9(a)のように、瞳孔40が動く前と同じ画像80が視認できる。
【0038】
しかし、ユーザは眼球36を回転させ瞳孔40を動かすことで、画像80の左側に視線が動くことを期待している。例えば、ユーザは、
図9(a)の画素P1を画像80の中心として視認している。瞳孔40を動かすことにより画素P2を画像80の中心として視認することを期待している。よって、ユーザは画像80に違和感を覚えてしまう。
【0039】
そこで、
図7のように、制御部20は画像80を移動させる(ステップS14)。
図9(b)に示すように、制御部20は、ユーザが視認する座標系において、瞳孔40の動いた方向52の反対の方向54に画像80を移動させる。これにより、画素P2が画像80の中心となり、画素P1が画像80の右側となる。
図8(d)に示すように、網膜38の中心の位置Qに画素P2の画像用光線34aが照射され、位置Qの左側に画素P1が照射される。すなわち、ユーザの画像80上の視線は画素P2となる。よって、ユーザは視認することを期待した画素P2が中心の画像80を視認することができる。以上、瞳孔40が左右方向に動いた場合を例に説明したが、瞳孔40が上下方向または斜め方向に動いた場合も同様である。また、制御部20は、ステップS14、S12の順番で実行してもよいし、ステップS12とS14を同時に実行してもよい。
【0040】
以上のように、実施例1によれば、投影部24は、画像80を形成する画像用光線34aをユーザの眼球36の瞳孔40に照射することにより、眼球36の網膜38に画像80を投影する。
図7のステップS10のように、検出部26はユーザの顔に対し瞳孔40の動いた方向を検出する。ステップS12のように、制御部20は、検出された瞳孔の動いた方向52に基づき、投影部24に、瞳孔40に画像用光線34aを照射させる。
図9(a)および
図9(b)、
図7のステップS14のように、制御部20は、投影部24にユーザが視認する座標系において瞳孔40が動く前に画像80が投影された位置に対し瞳孔の動いた方向52と逆の方向54に画像80を移動させる。これにより、ユーザは違和感なく、ユーザの網膜38に画像80を適切に投影することができる。
【0041】
また、
図8(c)のように、制御部20は、矢印56のように眼球36において画像用光線34aを照射する位置を瞳孔が動いた方向52に移動させる。制御部20は、矢印58のように画像用光線34aが眼球36に入射する方向を瞳孔が動いた方向52に傾斜させる。これにより、画像用光線34aを適切に網膜38に照射できる。
【0042】
さらに、制御部20は、瞳孔40が動く前の画像80の中心位置の画素P1が照射されている網膜38内の位置Qに、瞳孔40が動くことによりユーザが視認した画像80内のユーザの視線の位置の画素P2が照射されるように投影部24を制御する。これにより、ユーザは違和感なく、ユーザの網膜38に画像80を適切に投影することができる。
【0043】
実施例1では、
図4のように、投影部24は、ユーザの眼球36において画像用光線34aが照射される第1領域から離れた第2領域に検出用光線34bを照射する。検出用光線34bは画像用光線34aと同じ光源12から出射される。検出部26は、検出用光線34bがユーザの眼球36で反射した反射光の検出結果に基づきユーザの顔に対し瞳孔の動いた方向52を検出する。これにより、検出用光線34bと画像用光線34aとで光源12等の光学系を共有できる。よって、画像投影装置の小型化が可能となる。
【0044】
実施例1においては、瞳孔40の動いた方向を、画像用光線34aと同じ光源12から出射された検出用光線34bの反射光に基づき検出している。瞳孔40の動いた方向はその他の方法で検出してもよい。例えば、検出用光線34bは赤外線等画像用光線34aと別の光源12から出射された光でもよい。
【実施例3】
【0049】
実施例3は、
図7のステップS14の具体的な例である。実施例3に係る画像投影装置は、実施例1の
図1と同じであるため説明を省略する。以下、制御部20および検出部26の動作を説明する。
図12(a)および
図12(b)は、実施例3における眼球36の動きと画像用光線34aの制御を示す眼球36の上視図である。
図13は、実施例3における第1ミラー14の走査の範囲を示す図である。画像範囲62a内の画素P1およびP2を丸で示し、画像範囲62b内の画素P1およびP2を三角で示す。
【0050】
図12(a)に示すように、瞳孔40が動く前において、画素P1に相当する画像用光線34aは網膜38の位置Qに照射され、画素P2に相当する画像用光線34aは位置Qの右側に照射されている。
図13に示すように、走査範囲60は、
図3(a)において第1ミラー14が振動する範囲であり、投射部16上に照射される画像を眼球36側から見た座標系である。なお、光源12が光線を出射しないタイミングでは投射部16に光線は照射されないが、光線が照射されていると仮想して示している。画像範囲62aおよび62bは、光源12の画像用光線34aの出射と、第1ミラー14の走査と、のタイミングを異ならせることにより、走査範囲60の任意の位置に設定できる。
図12(a)のように瞳孔40が正面を向いているとき、
図13のように、例えば画像範囲62aは走査範囲60のほぼ中央に位置している。
【0051】
図12(b)に示すように、
図7のステップS10のように、検出部26は瞳孔40が方向52に動いたこと検出する。
図7のステップS12のように、制御部20は、画像用光線34aが瞳孔40に照射されるように投影部24を制御する。例えば、実施例2の方法を用いる。
図7のステップS14において、
図13のように、制御部20は、投影部24に画像範囲62aを画像範囲62bに移動させる。画像範囲の移動方向64は、瞳孔が動いた方向に対応する方向52aとは反対方向である。例えば画像範囲62aにおいて画素P1が位置していた走査範囲60内の位置に、画像範囲62bの画素P2が位置するように画像範囲を移動させる。
図12(b)のように、網膜38内の位置Qに画素P2に相当する画像用光線34aが照射される。これにより、ユーザが視認する画像上の視線は画素P2に位置し、ユーザには画素P2を中心に画像を視認できる。
【0052】
実施例3によれば、
図13のように、第1ミラー14(走査部)は光源12が出射する光線を走査し、光線が走査可能な走査範囲(第1範囲)より小さい画像範囲(第2範囲)に画像が形成されるように画像用光線34aを走査する。制御部20は、走査範囲60内において瞳孔が動いた方向に対応する方向52aと逆の方向64に画像範囲が移動するように投影部24を制御する。例えば、制御部20は、投射部16(ミラー)上の座標系において、方向52aと逆の方向に画像範囲を移動する。これにより、
図7のステップS14の動作を行なうことができる。よって、ユーザが見た方向の画像を網膜38に投影することができる。
【実施例4】
【0053】
実施例4は、
図7のステップS14の具体的な別の例である。実施例4に係る画像投影装置は、実施例1の
図1と同じであるため説明を省略する。以下、制御部20および検出部26の動作を説明する。
図14(a)および
図14(b)は、実施例4における眼球36の動きと画像用光線34aの制御を示す眼球の上視図である。
図15は、実施例4における画像データ範囲70を示す図である。
【0054】
図14(a)は、
図12(a)と同じであり説明を省略する。
図15に示すように、画像データ範囲70は、制御部20に入力される画像データの範囲である。画像範囲72aおよび72bは、画像データ範囲70内で制御部20が任意に設定した画像範囲である。
図14(a)のように瞳孔40が正面を向いているとき、例えば画像範囲72aは画像データ範囲70のほぼ中央に位置している。
【0055】
図14(b)に示すように、
図7のステップS12のように、制御部20は、画像用光線34aが瞳孔40に照射されるように投影部24を制御する。例えば、実施例2の方法を用いる。
図7のステップS14において、
図15のように、制御部20は、画像範囲72aを画像範囲72bに移動させる。画像範囲の移動方向74は、瞳孔40が動いた方向に対応する方向52aと同じ方向である。例えば、画像範囲72aでは、画素P1が中央に位置している。画像範囲72bでは、画素P2が中央に位置している。
図14(b)のように、網膜38内の位置Qに画素P2に相当する画像用光線34aが照射される。これにより、ユーザの視認する画像上の視線は画素P2に位置し、ユーザには画素P2を中心に画像を視認できる。
【0056】
実施例4によれば、
図15のように、投影部24は、画像データ範囲70(第1範囲)の画像データのうち画像データ範囲70より小さい画像範囲72aおよび72b(第2範囲)の画像データにより画像を形成する。制御部20は、画像データ範囲内において瞳孔が動いた方向に対応する方向52aと同じ方向74に画像範囲を移動させる。これにより、
図7のステップS14の動作を行なうことができる。よって、ユーザが見た方向の画像を網膜38に投影することができる。
【0057】
画像範囲72aおよび72bが画像データ範囲70に含まれる例を説明したが、画像範囲72aおよび/または72bの一部は画像データ範囲70に含まれていなくてもよい。この場合、画像範囲72aおよび/または72bの一部は網膜38に投影されない。しかし、例えば画像範囲72aおよび/または72bの半分以上が網膜38に投影されれば、ユーザは大きな違和感をもたない。
【実施例5】
【0058】
図16(a)は、実施例5において制御部が有するテーブルを示す図、
図16(b)は、制御部および検出部の動作を示すフローチャートである。実施例5に係る画像投影装置は、実施例1の
図1と同じであるため説明を省略する。以下、制御部20および検出部26の動作を説明する。
図16(a)に示すように、複数の検出用光線34bに対応した画像を移動させる移動方向および移動量を予め定めておく。例えば検出用光線34bがAおよびBに対応し移動方向がそれぞれAAおよびBB並びに移動量がそれぞれaaおよびbbである。
図16(a)のテーブルは、例えば制御部20内または外のメモリ等に記憶されている。複数の検出用光線34bは、例えば
図3(a)および
図4のように互いに離れた位置に照射されている。移動方向は、例えば
図9(b)の方向54であり、移動量は
図9(b)において画像を移動させる量である。
【0059】
図16(b)に示すように、検出部26は、複数の検出用光線34bのうち反射されない検出用光線34bを検出する(ステップS20)。反射光が検出されない検出用光線34bは、瞳孔40に照射されていると考えられる。すなわち、反射光が検出されない検出用光線34bの位置に瞳孔40が位置していると考えられる。そこで、制御部20は、
図16(a)のテーブルから対応する移動方向および移動量を取得する(ステップS22)。制御部20は、取得した移動方向および移動量に画像が移動するように投影部24を制御する(ステップS24)。画像の移動方法は、例えば実施例3および実施例4の方法を用いる。
【0060】
実施例5によれば、
図16(a)のように、制御部20は、複数の検出用光線34bに対応し予め定めた画像の移動方向を有する。ステップS24のように、制御部20は、複数の検出用光線34bのうち眼球36で反射されない検出用光線に対応する画像の移動方向に画像が移動するように投影部24を制御する。このように、検出用光線34bに対応し、画像の移動方向を予め定めておくことにより、画像の移動の制御を簡単に行なうことができる。
【0061】
また、
図16(a)のように、制御部20は、複数の検出用光線34bに対応し予め定めた画像の移動方向および移動量を有する。ステップS24において、制御部20は、眼球36で反射されない検出用光線に対応する画像の移動方向および移動量に画像が移動するように投影部24を制御してもよい。
【0062】
実施例5では、異なる位置に照射される複数の検出用光線34bのうち1つが検出されないとき、対応する移動方向および移動量に画像を移動させる例を説明した。例えば、複数の検出用光線34bのうち2つまたは2以上が検出されないとき、検出されない検出用光線34bの間に瞳孔が動いたと仮定し、対応する移動方向および移動量に画像を移動させてもよい。
【0063】
画像投影装置としてめがね型のHMDを例に説明したが、HMD以外の画像投影装置でもよい。片方の眼球36の網膜38に画像を投影させる例を示したが、両方の眼球36の網膜38に画像を投影させてもよい。走査部として第1ミラー14を例に説明したが、走査部は光線を走査可能であればよい。例えば、走査部として、電気光学材料であるタンタル酸ニオブ酸カリウム(KTN)結晶等、その他の部品を用いてもよい。光線としてレーザ光を例に説明したが、レーザ光以外の光でもよい。
【0064】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。