特許第6231561号(P6231561)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6231561電子用途のためのベンズイミダゾ[1,2−a]ベンズイミダゾール誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231561
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】電子用途のためのベンズイミダゾ[1,2−a]ベンズイミダゾール誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20171106BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20171106BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20171106BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   C07D487/04 136
   C07D487/04CSP
   C07D519/00 311
   H05B33/14 B
   H05B33/22 D
   C09K11/06 690
   C09K11/06 660
【請求項の数】17
【全頁数】102
(21)【出願番号】特願2015-520944(P2015-520944)
(86)(22)【出願日】2013年7月8日
(65)【公表番号】特表2015-529639(P2015-529639A)
(43)【公表日】2015年10月8日
(86)【国際出願番号】EP2013064395
(87)【国際公開番号】WO2014009317
(87)【国際公開日】20140116
【審査請求日】2016年7月5日
(31)【優先権主張番号】61/669,677
(32)【優先日】2012年7月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12175635.7
(32)【優先日】2012年7月10日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】12184786.7
(32)【優先日】2012年9月18日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/702,267
(32)【優先日】2012年9月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516264118
【氏名又は名称】ユー・ディー・シー アイルランド リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】トーマス シェーファー
(72)【発明者】
【氏名】フラヴィオ ルイス ベネディート
(72)【発明者】
【氏名】ウテ ハイネマイアー
(72)【発明者】
【氏名】ニコル ランガー
(72)【発明者】
【氏名】ハインツ ヴォレープ
(72)【発明者】
【氏名】テレサ マリナ フィグエイラ ドゥアルテ
(72)【発明者】
【氏名】渡部 惣一
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン レナーツ
(72)【発明者】
【氏名】ゲアハート ヴァーゲンブラスト
(72)【発明者】
【氏名】アネマリー ヴォレープ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーナ バードン
【審査官】 清水 紀子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/160757(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/035853(WO,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2012−0047038(KR,A)
【文献】 特開2010−040829(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/068376(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/130709(WO,A1)
【文献】 Kolesnikova, I. V et al.,Reaction of N-pentafluorophenylcarbonimidoyl dichloride with primary amine,Zhurnal Organicheskoi Khimii(Journal of Organic Chemistry of the USSR),1989年,Vol.25, No.8,p.1689-95
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
C09K 11/06
H01L 51/50
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物であって、前記式中、
1、R2、R3、R4、R5、R6、及びR7は相互に独立して、
・H、C1〜C25アルキル基、当該アルキル基は任意で、Eによって置換されていてよい、かつ/又はDによって中断されていてよい、
・C6〜C24アリール基、当該アリール基は任意で、Gによって置換されていてよい、又は
・C2〜C30ヘテロアリール基、当該ヘテロアリール基は任意で、Gによって置換されていてよい、
であり、
1は、式:
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
の基であり、
oは0又は1であり、pは0又は1であり、qは0又は1であり、rは0又は1であり、
1、A2、A3、及びA4は相互に独立して、
・C6〜C24アリーレン基、当該アリーレン基は任意で、Gによって置換されていてよい、又は
・C2〜C30ヘテロアリーレン基、当該ヘテロアリーレン基は任意で、Gによって置換されていてよい、
であり、
ここでA1、A2、A3、及びA4のうちの任意の隣接する2つの基の間の単結合は、1つ以上の基
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
によって中断されていてよく、
2は、式:
【化4】
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の基であり、
vは0又は1であり、sは0又は1であり、tは0又は1であり、uは0又は1であり、
5、A6、A7、及びA8は相互に独立して、
・C6〜C24アリーレン基、当該アリーレン基は任意で、Gによって置換されていてよい、又は
・C2〜C30ヘテロアリーレン基、当該ヘテロアリーレン基は任意で、Gによって置換されていてよい、
であり、
5、A6、A7、及びA8のうちの任意の隣接する2つの基の間の単結合は、1つ以上の基
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
によって中断されていてよく
15は、
・C6〜C24アリール基、当該アリール基は任意で、Gによって置換されていてよい、又は
・C2〜C30ヘテロアリール基、当該ヘテロアリール基は任意で、Gによって置換されていてよい、
であり、
16'は、
・C6〜C24アリール基、当該アリール基は任意で、Gによって置換されていてよい、又は
・C2〜C30ヘテロアリール基、当該ヘテロアリール基は任意で、Gによって置換されていてよい、
であり、
17、及びR18は相互に独立して、
・C1〜C25アルキル基、又は
・C6〜C24アリール基、当該アリール基は任意で、1つ以上のC1〜C25アルキル基によって置換されていてよい、
であり、
Dは、
【化6】
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であり、
Eは、−OR69、−SR69、−NR6566、−COR68、−COOR67、−CONR6566、−CN、又はハロゲンであり、
Gは、Eであるか、又はC1〜C18アルキル基、C6〜C24アリール基、Fによって置換されたC6〜C24アリール基、C1〜C18アルキル基、若しくはOによって中断されたC1〜C18アルキル基、C2〜C30ヘテロアリール基、若しくはFによって置換されたC2〜C30ヘテロアリール基、C1〜C18アルキル基、若しくはOによって中断されたC1〜C18アルキル基であり、
63及びR64は相互に独立して、
・H、C6〜C18アリール、又は
・C1〜C18アルキル若しくはC1〜C18アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール、
・C1〜C18アルキル、又は
・−O−によって中断されたC1〜C18アルキル
であり、
65及びR66は相互に独立して、
・C6〜C18アリール基、
・C1〜C18アルキル若しくはC1〜C18アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール、又は
・C1〜C18アルキル基、又は
・−O−によって中断されたC1〜C18アルキル基
であるか、又は、
65及びR66はともに、五員環若しくは六員環を形成し、
67は、
・C6〜C18アリール基、
・C1〜C18アルキル若しくはC1〜C18アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール基、
・C1〜C18アルキル基、又は
・−O−によって中断されたC1〜C18アルキル基
であり、
68は、
・H、
・C6〜C18アリール基、
・C1〜C18アルキル若しくはC1〜C18アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール基、
・C1〜C18アルキル基、若しくは
・−O−によって中断されたC1〜C18アルキル基
であり、
69は、
・C6〜C18アリール、
・C1〜C18アルキル若しくはC1〜C18アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール、
・C1〜C18アルキル基、若しくは
・−O−によって中断されたC1〜C18アルキル基
であり、
70及びR71は相互に独立して、C1〜C18アルキル基、C6〜C18アリール基、又は1〜C18アルキルによって置換されたC6〜C18アリール基であり、かつ、
72は、C1〜C18アルキル基、C6〜C18アリール基、又は1〜C18アルキルによって置換されたC6〜C18アリール基である、
前記化合物。
【請求項2】
式:
【化7】
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の化合物であり、
前記式中、X1及びX2は、請求項1で規定した通りである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の化合物であって、
1が、式:
【化8】
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の基であり、
oは0又は1であり、pは0又は1であり、qは0又は1であり、rは0又は1であり、A1、A2、A3、及びA4は相互に独立して、式:
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
の基であり、
16は、式:
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
の基であり、
16'は、式:
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
の基であり、
21及びR21'は相互に独立して、H、フェニル基、又はC1〜C18アルキル基であり、
22及びR23は相互に独立して、H、又は式:
【化12】
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の基であり、
XはO、S、又はNR24であり、かつ
24は、C6〜C24アリール基、又はC2〜C30ヘテロアリール基であり、これらの基は任意で、Gによって置換されていてよく、当該Gは、請求項1で規定した通りである、
前記化合物。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の化合物であって、
1は、式:
【化13】
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の基であり、
oは0又は1であり、pは0又は1であり、qは0又は1であり、rは0又は1であり、
1、A2、A3及びA4は相互に独立して、式:
【化14】
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の基であり、
16は、式:
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
の基であり、
16'は、式:
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
の基であり、かつ
21は、式:
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
の基である、
前記化合物。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の化合物であって、
1が、式:
【化18-1】
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【化18-2】
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の基である、前記化合物。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の化合物であって、
2が、式:
【化19】
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の基であり、
vは0又は1であり、sは0又は1であり、tは0又は1であり、uは0又は1であり、
5、A6、A7、及びA8は相互に独立して、
【化20】
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であり、
15は、式:
【化21】
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の基であり、
26、R27、R29、及びR32は相互に独立して、H、又は式:
【化22】
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の基であり、 R30、及びR33は相互に独立して、式:
【化23】
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の基であり、かつ
31は、式:
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
の基である、前記化合物。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項に記載の化合物であって、X2が、式:
【化25】
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の基であり、
vは0又は1であり、sは0又は1であり、tは0又は1であり、uは0又は1であり、
5、A6、A7、及びA8は相互に独立して、
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
15は、式:
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
の基である、前記化合物。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の化合物であって、
2が、式:
【化28-1】
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【化28-2】
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【化28-3】
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の基である、前記化合物。
【請求項9】
以下の化合物から選択される、請求項1から8までのいずれか1項に記載の化合物:
【化29】
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【表1-1】
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【表1-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表1-3】
[この文献は図面を表示できません]
【表1-4】
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【表1-5】
[この文献は図面を表示できません]
【表1-6】
[この文献は図面を表示できません]
【表1-7】
[この文献は図面を表示できません]
【表1-8】
[この文献は図面を表示できません]
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項に記載の化合物を含有する、電子デバイス。
【請求項11】
エレクトロルミネッセンスデバイスである、請求項10に記載の電子デバイス。
【請求項12】
請求項1から9までのいずれか1項に記載の化合物を含有する、正孔輸送層、電子/励起子ブロック層、又は発光層。
【請求項13】
請求項1から9までのいずれか1項に記載の化合物をホスト材料として、リン光発光体と組み合わせて含有する、請求項12に記載の発光層。
【請求項14】
請求項10又は11に記載の有機電子デバイスを有する、又は請求項12に記載の正孔輸送層、電子/励起子ブロック層、又は発光層を有する装置であって、据え置き型視覚的ディスプレイユニット、可搬型視覚的ディスプレイユニット、イルミネーションユニット、キーボード、被服物品、家具、及び壁紙から成る群から選択される、前記装置。
【請求項15】
電子写真用の光受容体、光電変換器、有機太陽電池、スイッチ素子、有機発光電界効果トランジスタ、イメージセンサ、色素レーザー、及びエレクトロルミネッセンスデバイスのための、請求項1から9までのいずれか1項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項16】
式:
【化30】
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の化合物の製造方法であって、
式:
【化31】
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の化合物をハロゲン化する工程を有し、
前記式中、X3は、Cl、Br、又はIであり、かつ
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びX1は、請求項1で規定した通りである、前記製造方法。
【請求項17】
式:
【化32】
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の化合物であって、
1は、請求項1で規定した通りであるか、又は式:
【化33】
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の基であり、
3は、
式:
【化34】
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の基、ここでR15'及びR16''は相互に独立して、Cl、Br、I、ZnX12であり、ここで12はハロゲン原子であり、
−SnR207208209、ここでR207、R208、及びR209は同一又は異なって、H又はC1〜C8アルキルであり、ここで2つの基は任意で、共通の環を形成し、これらの基は任意で、分枝状又は非分枝状であり、あるいは

【化35】
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であり、
ここでY1はそれぞれ独立して、C1〜C18アルキル基であり、
2はそれぞれ独立して、C2〜C10アルキレン基であり、
13、及びY14は相互に独立して、水素、又はC1〜C18アルキル基であり、
であり、かつ
p、q、r、A1、A2、A3、A4、s、t、u、v、A5、A6、A7、A8、R1、R2、R3、R4、R5、R6、及びR7は、請求項1で規定した通りである、前記化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式Iの化合物、当該化合物の製造方法、及び電子デバイス(特にエレクトロルミネッセンスデバイス)における当該化合物の使用に関する。エレクトロルミネッセンスデバイスにおける正孔輸送材料として使用する場合、式Iの化合物によって、エレクトロルミネッセンスデバイスの効率、安定性、製造性、又はスペクトル特性を改善させることができる。
【0002】
Khan, Misbahul Ain、Ribeiro, Vera Lucia Teixeiraは、Pakistan Journal of Scientific and Industrial Research 43 (2000) 168-170で、トリアルキルホスファイトを導入した脱酸素と、1−(o−ニトロフェニル)ベンズイミダゾール及び1−(o−アジドフェニル)ベンズイミダゾールの熱分解による、ベンズイミダゾ[1,2−a]ベンズイミダゾール
【化1】
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の合成を記載している。
【0003】
Pedro Molina et al.はTetrahedron (1994) 10029-10036で、イソシアネート等価体を2つ有するビス(2−アミノフェニル)アミンから誘導されるビス(イミノホスホラン)のアザ−ウィティッヒ反応を報告しており、これによってベンズイミダゾ[1,2,a]ベンズイミダゾール誘導体が直接得られる:
【化2】
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【0004】
Kolesnikova, I.V.は、Zhurnal Organicheskoi Khimii 25 (1989) 1689-95で、5H−ベンズイミダゾ[1,2−a]ベンズイミダゾール1,2,3,4,7,8,9,10−オクタフルオロ−5−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)の合成を記載している:
【化3】
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【0005】
Achour, Reddouane、Zniber, RachidはBulletin des Societes Chimiques Beiges 96 (1987) 787-92で、ベンズイミダゾリノン誘導体から製造されるベンズイミダゾベンズイミダゾール
【化4】
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の合成を記載している。
【0006】
Hubert, Andre J.、Reimlinger HansはChemische Berichte 103 (1970) 2828-35で、ベンズイミダゾベンズイミダゾール
【化5】
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の合成を記載している。
【0007】
特開2001 160488号公報には、対向するカソードとアノードの間に、単層若しくは複層の有機化合物フィルムを備える発光層を有する、エレクトロルミネッセンス要素が記載されており、ここで少なくとも1つの有機化合物フィルムの層は、下記式の化合物を少なくとも1種含有する:
【化6】
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【0008】
以下の化合物が、明示的に開示されている:
【化7】
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【0009】
米国特許出願2010 0244006号明細書は、カソード、アノード、並びに、カソードとアノードとの間にある少なくとも1つの有機層を有する、エレクトロルミネッセンスデバイスに関する。少なくとも1つの有機層は、少なくとも1種の発光材料を含有する発光層を備える。下記式:
【化8】
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によって表される化合物は、少なくとも1つの有機層に含有されており、上記式中、nは2以上の整数を表し、Lはn価の結合基を表し、R1、R2、R3、及びR4は相互に独立して、水素原子又は置換基を表す。
【0010】
米国特許出願2010 0244006号明細書に記載された化合物は好ましくは、発光層中でホストとして使用する。米国特許出願2010 0244006号明細書に開示された化合物の例は、
【化9】
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である。
【0011】
韓国特許出願10 2011 0008784号明細書は、式:
【化10】
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の新規な有機ルミネッセンス化合物、及び当該化合物を有する、エレクトロルミネッセンスデバイスに関する。
【0012】
米国特許出願第2005 079387号明細書は、式Ar1−Ar2−Ar3の化合物を含有するイミダゾール環(青いルミネッセンスホスト化合物)、及び当該化合物を用いた、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイデバイスに関する。
【0013】
Ar2は、
【化11】
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の群から選択され、Ar1とAr3はそれぞれ独立して、
【化12】
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から選択され、上記式中、X’はO又はSである。
【0014】
米国特許出願2005 074632号明細書は、式
【化13】
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の化合物を含有するイミダゾール環、及び当該化合物を用いた、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイデバイスに関する。特に、イミダゾール環含有化合物は、単独で使用できるか、又は有機フィルム(例えばエレクトロルミネッセンス層)のための材料として、ドーパントと組み合わせて使用できる。
【0015】
Aは、
【化14】
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から成る群から選択され、Bは、
【化15】
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から成る群から選択される。Xは、−O−、−S−、−Se−、及び−NH−から成る群から選択される。
【0016】
特開2007 180147号明細書は、少なくとも1つの発光層を有する、アノードとカソードの間に挟まれた有機エレクトロルミネッセンス要素に関し、当該要素は、式1、2、3、又は4:
【化16】
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により表される化合物を含有する。Ar1〜Ar4は、芳香族基、又は複素環式芳香族基であり、R1〜R5は、H又は置換基であり、Z1は、5員又は6員の複素環を形成するのに必要な残基であり、L1、L2は、結合、又は結合基であり、X1〜X16は、炭素又は窒素である。新たな環は、Ar1、Ar2、Ar3、及びAr4の位置のいずれかに形成可能である。
【0017】
以下の化合物が、明示的に開示されている:
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
【0018】
米国特許第6551723号明細書は、発光層を有するエレクトロルミネッセンス素子、又は一対の電極の間に発光層を備える複数の有機化合物薄層を有する、エレクトロルミネッセンス素子に関し、ここで有機エレクトロルミネッセンスデバイス素子における少なくとも1つの層は、式(I)〜(VII)の複素環式化合物を少なくとも1種含有する:
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
【0019】
11、R12、R13、R21、R22,R31、R32、R41、R42、R51、R61、及びR71はそれぞれ独立して、水素原子又は置換基であり、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、及びZ7は、五員環又は六員環を形成するために必要な原子の基である。式(I)〜(VII)により表される化合物は特に、発光層及び/又は電子注入/輸送層に添加される。以下の化合物が、明示的に開示されている:
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
【0020】
国際特許出願第2011 160757号パンフレットは、アノード、カソード、及び少なくとも1つの有機層を有する電子デバイスに関し、前記有機層は、式:
【化20】
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の化合物を含有するものであり、上記式中、Xは単結合であってよく、Lは二価の基であってよい。以下の4Hイミダゾ[1,2−a]イミダゾール化合物が、明示的に開示されている:
【化21】
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【0021】
X. Wang et al.は、Org. Lett. 14 (2012) 452-455で、式:
【化22】
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の化合物を銅触媒により高効率で合成する方法を開示しており、ここでは式:
【化23】
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の化合物を、酢酸銅(Cu(OAc)2)/PPh3/1,10−フェナントロリン/酢酸ナトリウム、及び酸素の存在下、m−キシレン中(1atm)、高温下で反応させる(Web上で2011年12月29日に発表)。その他にも以下の化合物が、記載した合成法によって作製できる:
【化24】
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【0022】
国際特許出願第2012/130709号パンフレットは、4H−イミダゾ[1,2−a]イミダゾール
【化25】
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例えば
【化26】
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当該化合物の製造方法、及び電子デバイス(特にエレクトロルミネッセンスデバイス)における、当該化合物の使用に関する。
【0023】
国際特許出願第2013/050401号パンフレットには、式:
【化27】
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の4H−イミダゾ[1,2−a]イミダゾールが開示されており、上記式中、X6は、−N=であり、X7は−NR6−であるか、又はX7は、=N−であり、X6は、−NR6−であり、R6は、式
【化28】
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の基、例えば
【化29】
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であり、また上記化合物の製造、並びに電子デバイス(特にエレクトロルミネッセンスデバイス)における使用が記載されている。
【0024】
このような開発にも拘わらず、エレクトロルミネッセンスデバイスの効率、安定性、製造性、及び/又はスペクトル特性を改善させる新たな正孔輸送材料を含有する、有機発光デバイスに対する需要がある。
【0025】
従って本発明の目的は、上記従来技術に鑑み、OLEDで、また有機エレクトロニクスにおけるさらなる適用で使用するために適したさらなる材料を提供することである。より具体的には、正孔輸送材料、電子/励起子ブロック材料、及びOLEDで使用するためのマトリックス材料を提供することが可能になるべきである。この材料は特に、少なくとも1種のリン光発光体(特に、少なくとも1種の緑色発光体、又は少なくとも1種の青色発光体)を含有するOLEDに、適切であるべきである。この材料はさらに、良好な効率、良好な稼働寿命、及び熱的ストレスに対する高い安定性、及びOLEDの使用時と稼働時における低電圧を保証するOLEDを提供するために適切であるべきである。
【0026】
2,5−ジ置換された特定のベンズイミダゾ[1,2−a]ベンズイミダゾール誘導体は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスにおいて使用することが適切であると判明している。特に、特定の2,5−ジ置換された特定のベンズイミダゾ[1,2−a]ベンズイミダゾール誘導体は、適切な正孔輸送材料又はリン光発光体のための、効率及び耐久性が良好なホスト材料である。
【0027】
前記目的は、式:
【化30】
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の化合物によって解決され、
1、R2、R3、R4、R5、R6、及びR7は相互に独立して、
・H、C1〜C25アルキル基、当該アルキル基は任意で、Eによって置換されていてよい、かつ/又はDによって中断されていてよい、
・C6〜C24アリール基、当該アリール基は任意で、Gによって置換されていてよい、又は
・C2〜C30ヘテロアリール基、当該ヘテロアリール基は任意で、Gによって置換されていてよい、
であり、
1は、式:−(Ar1o−(A2p−(A3q−(A4r−R16'の基であり、
oは0又は1であり、pは0又は1であり、qは0又は1であり、rは0又は1であり、
1、A2、A3、及びA4は相互に独立して、
・C6〜C24アリーレン基、当該アリーレン基は任意で、Gによって置換されていてよい、又は
・C2〜C30ヘテロアリーレン基、当該ヘテロアリーレン基は任意で、Gによって置換されていてよい、
であり、
ここで前記基A1、A2、A3、及びA4は、1つ以上の基:−(SiR1718)−によって中断されていてよく、
2は、式:−(A5v−(A6s−(A7t−(A8u−R15、−NR1011、又はSi(R12)(R13)(R14
の基であり、
vは0又は1であり、sは0又は1であり、tは0又は1であり、uは0又は1であり、
5、A6、A7、及びA8は相互に独立して、
・C6〜C24アリーレン基、当該アリーレン基は任意で、Gによって置換されていてよい、又は
・C2〜C30ヘテロアリーレン基、当該ヘテロアリーレン基は任意で、Gによって置換されていてよい、
であり、
前記基A5、A6、A7、及びA8は、1つ以上の基
−(SiR1718)−
によって中断されていてよく、
10、及びR11は相互に独立して、
・C6〜C24アリール基、当該アリール基は任意で、Gによって置換されていてよい、若しくは
・C2〜C30ヘテロアリール基、当該ヘテロアリール基は任意で、Gによって置換されていてよい、
であるか、又は
10、及びR11は、これらが結合している窒素原子とともに、複素芳香族の環若しくは環系を形成し、
12、R13、及びR14は相互に独立して、
・C1〜C25アルキル基、当該アルキル基は任意で、Eによって置換されていてよい、かつ/又はDによって中断されていてよい、
・C6〜C24アリール基、当該アリール基は任意で、Gによって置換されていてよい、又は
・C2〜C30ヘテロアリール基、当該ヘテロアリール基は任意で、Gによって置換されていてよい、
であり、
15は、
・C6〜C24アリール基、当該アリール基は任意で、Gによって置換されていてよい、又は
・C2〜C30ヘテロアリール基、当該ヘテロアリール基は任意で、Gによって置換されていてよい、
であり、
16'は、
・C6〜C24アリール基、当該アリール基は任意で、Gによって置換されていてよい、又は
・C2〜C30ヘテロアリール基、当該ヘテロアリール基は任意で、Gによって置換されていてよい、
であり、
17、及びR18は相互に独立して、
・C1〜C25アルキル基、又は
・C6〜C24アリール基、当該アリール基は任意で、1つ以上のC1〜C25アルキル基によって置換されていてよい、
であり、
Dは、−CO−、−COO−、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、−NR65−、−SiR7071−、−POR72−、−CR63=CR64−、又は−C≡C−であり、
Eは、−OR69、−SR69、−NR6566、−COR68、−COOR67、−CONR6566、−CN、又はハロゲンであり、
Gは、Eであるか、又はC1〜C18アルキル基、C6〜C24アリール基、Fによって置換されたC6〜C24アリール基、C1〜C18アルキル基、Oによって中断されたC1〜C18アルキル基、C2〜C30ヘテロアリール基、若しくはFによって置換されたC2〜C30ヘテロアリール基、C1〜C18アルキル基、若しくはOによって中断されたC1〜C18アルキル基であり、
63及びR64は相互に独立して、
・H、C6〜C18アリール、又は
・C1〜C18アルキル若しくはC1〜C18アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール、
・C1〜C18アルキル、又は
・−O−によって中断されたC1〜C18アルキル
であり、
65及びR66は相互に独立して、
・C6〜C18アリール基、
・C1〜C18アルキル若しくはC1〜C18アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール、又は
・C1〜C18アルキル基、
・−O−によって中断されたC1〜C18アルキル基
であるか、又は、
65及びR66はともに、五員環若しくは六員環を形成し、
67は、
・C6〜C18アリール基、
・C1〜C18アルキル若しくはC1〜C18アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール基、
・C1〜C18アルキル基、又は
・−O−によって中断されたC1〜C18アルキル基
であり、
68は、
・H、
・C6〜C18アリール基、
・C1〜C18アルキル若しくはC1〜C18アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール基、
・C1〜C18アルキル基、
・−O−によって中断されたC1〜C18アルキル基
であり、
69は、
・C6〜C18アリール、
・C1〜C18アルキル若しくはC1〜C18アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール、
・C1〜C18アルキル基、又は
・−O−によって中断されたC1〜C18アルキル基
であり、
70及びR71は相互に独立して、C1〜C18アルキル基、C6〜C18アリール基、又はC1〜C18アルキルによって置換されたC6〜C18アリール基であり、かつ、
72は、C1〜C18アルキル基、C6〜C18アリール基、又はC1〜C18アルキルによって置換されたC6〜C18アリール基である。
【0028】
本発明の化合物は、電子光写真用の光受容体、光電変換器、有機太陽電池(有機の光起電素子)、スイッチング要素、例えばトランジスタ(例えば有機FETと有機のTFT)、有機発光電界効果トランジスタ(OLEFET)、イメージセンサ、色素レーザー、及びエレクトロルミネッセンスデバイス、例えば有機発光ダイオード(OLED)である。
【0029】
従って本発明のさらなる対象は、本発明による化合物を含有する、電子デバイスである。電子デバイスは好ましくは、エレクトロルミネッセンスデバイスである。
【0030】
式Iの化合物は原則的に、ELデバイスのあらゆる層で使用できるが、ホスト材料、正孔輸送材料、及び電子ブロック材料として使用するのが好ましい。式Iの化合物はとりわけ、青色光を出すリン光発光体用のホスト材料として用いる。
【0031】
従って本発明のさらなる対象は、本発明による式Iの化合物を含有する正孔輸送層である。
【0032】
本発明のさらなる対象は、本発明による式Iの化合物を含有する発光層である。この態様では式Iの化合物をホスト材料として、リン光性発光体と組み合わせて使用するのが好ましい。
【0033】
式Iの化合物は好ましくは、分子量が1500g/mol未満である。
【0034】
本発明のさらなる対象は、本発明による式Iの化合物を含有する電子ブロック層である。
【0035】
1、R2、R3、R4、R5、R6、及びR7は好ましくは、Hである。従って、式
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物が好ましく、上記式中、X1とX2は、先に定義の通りである。
【0036】
15とR16'(R16)は、C6〜C24アリール基(当該アリール基は任意で、Gによって置換されていてよい)、又はC2〜C30ヘテロアリール基(当該ヘテロアリール基は任意で、Gによって置換されていてよい)である。R16'がヘテロアリール基であって、当該ヘテロアリール基がベンズイミダゾ[1,2−a]ベンズイミダゾール骨格に直接結合している場合(o=p=q=r=0)、R16'は好ましくは、ヘテロアリール基の炭素原子によって、ベンズイミダゾ[1,2−a]ベンズイミダゾール骨格と結合されている。
【0037】
任意でGによって置換されていてよい、C6〜C24アリール基であるR15及びR16'は通常、フェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、ナフチル(特に1−ナフチル、若しくは2−ナフチル)、ビフェニル、ターフェニル、ピレニル、2−フルオレニル、9−フルオレニル、フェナントリル、又はアントリルであり、これらは非置換であるか、又は置換されていてよい。
【0038】
任意でGによって置換されていてよい、C2〜C30ヘテロアリール基のR15及びR16'は、環原子を5〜7個有する環、又は縮合環系を表し、ここで窒素、酸素、又は硫黄が、あり得るヘテロ原子であり、これは通常、共役π電子を少なくとも6個有し、かつ原子を5〜30個有する複素環式の基であり、その例は例えば、チエニル、ベンゾチオフェニル、ジベンゾチオフェニル、チアントレニル、フリル、フルフリル、2H−ピラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、フェノキシチエニル、ピロールイル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ビピリジル、トリアジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルボリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソキサゾリル、フラザニル、ベンズイミダゾ[1,2−a]ベンズイミダゾ−5−イル、ベンズイミダゾ[1,2−a]ベンズイミダゾ−2−イル、カルバゾリル、又はフェノキサジニルであり、これらは非置換であるか、又は置換されていてもよい。
【0039】
6〜C24アリール基、及びC2〜C30ヘテロアリール基は、Gによって置換されていてよい。
【0040】
好ましいC2〜C30ヘテロアリール基は、ピリジル、トリアジニル、ピリミジニル、ベンズイミダゾ[1,2−a]ベンズイミダゾ−5−イル、
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
ベンズイミダゾ[1,2−a]ベンズイミダゾ−2−イル、
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
カルバゾリル、ジベンゾフラニルであり、これらは非置換であるか、又は特にC6〜C10アリールによって、若しくはC1〜C4アルキルによって置換されたC6〜C10アリールによって置換されていてよく、又はC2〜C14ヘテロアリールである。
【0041】
1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、及びA8は相互に独立して、C6〜C24アリーレン基(当該アリーレン基は任意で、Gによって置換されていてよい)、又はC2〜C30ヘテロアリール基(当該ヘテロアリール基は任意で、Gによって置換されていてよい)である。任意でGによって置換されていてよい、C6〜C24アリーレン基であるA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、及びA8は通常、フェニレン、4−メチルフェニレン、4−メトキシフェニレン、ナフチレン(特に1−ナフチレン若しくは2−ナフチレン)、ビフェニレン、ターフェニレン、ピレニレン、2−フルオレニレン、9−フルオレニレン、フェナントリレン、又はアントリレンであり、これらは非置換であるか、又は置換されていてよい。
【0042】
任意でGによって置換されていてよい、C2〜C30ヘテロアリーレン基であるA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、及びA8は、環原子を5〜7個有する環、又は縮合環系を表し、ここで窒素、酸素、又は硫黄が、あり得るヘテロ原子であり、これは通常、共役π電子を少なくとも6個有する、原子を5〜30個有する複素環式の基であり、その例は例えば、チエニレン、ベンゾチオフェニレン、ジベンゾチオフェニレン、チアントレニレン、フリレン、フルフリレン、2H−ピラニレン、ベンゾフラニレン、イソベンゾフラニレン、ジベンゾフラニレン、フェノキシチエニレン、ピローリレン、イミダゾリレン、ピラゾリレン、ピリジレン、ビピリジレン、トリアジニレン、ピリミジニレン、ピラジニレン、ピリダジニレン、インドリジニレン、イソインドリレン、インドリレン、インダゾリレン、プリニレン、キノリジニレン、キノリレン、イソキノリレン、フタラジニレン、ナフチリジニレン、キノキサリニレン、キナゾリニレン、シンノリニレン、プテリジニレン、カルボリニレン、ベンゾトリアゾリレン、ベンゾオキサゾリレン、フェナントリジニレン、アクリジニレン、ピリミジニレン、フェナントロリニレン、フェナジニレン、イソチアゾリレン、フェノチアジニレン、イソキサゾリレン、フラザニレン、カルバゾリレン、ベンズイミダゾ[1,2−a]ベンズイミダゾ−2,5−イレン、又はフェノキサジニレンであり、これらは非置換であるか、又は置換されていてもよい。
【0043】
好ましいC6〜C24アリーレン基は、1,3−フェニレン、3,3’−ビフェニレン、3,3’−m−ターフェニレン、2−フルオレニレン、9−フルオレニレン、フェナントリレンであり、これらは非置換であるか、又は置換されていてもよい。
【0044】
好ましいC2〜C30ヘテロアリーレン基は、ピリジレン、トリアジニレン、ピリミジニレン、カルバゾリレン、ジベンゾフラニレン、及びベンズイミダゾ[1,2−a]ベンズイミダゾ−2,5−イレン、
【化34】
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であり、これらは非置換であるか、又は特にC6〜C10アリールによって、若しくはC1〜C4アルキルで置換されたC6〜C10アリールによって置換されていてもよく、又はC2〜C14ヘテロアリールである。
【0045】
ベンズイミダゾ[1,2−a]ベンズイミダゾ−5−イル、ベンズイミダゾ[1,2−a]ベンズイミダゾ−2−イル、カルバゾリル、及びジベンゾフラニルは、C2〜C14ヘテロアリール基の例である。フェニル、1−ナフチル、及び2−ナフチルは、C6〜C10アリール基の例である。
【0046】
より好ましいC2〜C30ヘテロアリーレン基は、ベンズイミダゾ[1,2−a]ベンズイミダゾ−2,5−イレン、カルバゾリレン、及びジベンゾフラニレン(これらは任意で、C6〜C10アリールによって置換されていてよく、当該アリールは、1つ以上のC1〜C4アルキル基によって置換されていてよい)、又はジベンゾフラニルである。
【0047】
6〜C24アリーレン基、及びC2〜C30ヘテロアリーレン基は、Gによって置換されていてよい。
【0048】
1は好ましくは、式−A1−(A2p−(A3q−(A4r−R16、又は−(A1o−(A2p−(A3q−(A4r−R16'の基であり、oは0又は1であり、pは0又は1であり、qは0又は1であり、rは0又は1である。
【0049】
1、A2、A3、及びA4は相互に独立して、式:
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
の基であり、
16は、式:
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
の基であり、
16'は、式:
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
の基であり、
21及び21'は相互に独立して、H、フェニル基、又はC1〜C18アルキル基であり、
22及びR23は相互に独立して、Hであるか、又は式:
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
の基であり、
24は、C6〜C24アリール基、又はC2〜C30ヘテロアリール基であり、これらは任意で、Gによって置換されていてよく、ここでGは、請求項1に規定の通りである。
【0050】
より好ましくは、X1は、式−A1−(A2p−(A3q−(A4r−R16、又は−(A1o−(A2p−(A3q−(A4r−R16'の基であり、oは0又は1であり、pは0又は1であり、qは0又は1であり、rは0又は1である。
【0051】
1、A2、A3、及びA4は相互に独立して、式:
【化39】
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であり、
16は、式:
【化40】
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の基であり、
16'は、式:
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
の基であり、
21は、式:
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
の基である。
【0052】
最も好ましくは、X1は、式:
【化43】
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の基、特に
【化44-1】
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【化44-2】
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であり、
2は好ましくは、式−(A5v−(A6s−(A7t−(A8u−R15の基であり、vは0又は1であり、sは0又は1であり、tは0又は1であり、uは0又は1であり、
5、A6、A7、及びA8は相互に独立して、
【化45】
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であり、
15は、式:
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
の基であり、
26、R27、R29、及びR32は相互に独立して、Hであるか、又は式:
【化47】
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の基であり、
30、及びR33は相互に独立して、式:
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
の基であり、
31は式:
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
の基である。
【0053】
2はより好ましくは、式−(A5v−(A6s−(A7t−(A8u−R15の基であり、vは0又は1であり、sは0又は1であり、tは0又は1であり、uは0又は1であり、
5、A6、A7、及びA8は相互に独立して、
【化50】
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であり、
15は、式:
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
の基であり、
2の例は、式:
【化52】
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の基である。
【0054】
2は最も好ましくは、式:
【化53-1】
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【化53-2】
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【化53-3】
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【化53-4】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0055】
1とX2が前述の好ましい意味を有する、式(Ia)の化合物が好ましい。X1とX2が前述のより好ましい意味を有する、式(Ia)の化合物がより好ましい。X1とX2が前述の最も好ましい意味を有する、式(Ia)の化合物が最も好ましい。
【0056】
別の好ましい態様において本発明は、基:
【化54】
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を2つ有する、式(Ia)の化合物に関し、これはすなわち、式:
【化55】
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の化合物であり、ここでX2'は、式−(A8u−R15、−NR1011、又はSi(R12)(R13)(R14)であり、
4は、式−A1-(A2p−の基であり、
p、u、A1、A2、A8、R10、R11、R12、R13、R14、及びR15は、先に規定の通りである。基X2'は、異なっていてもよいが、同じであるのが好ましい。p、u、A1、A2、A8、R10、R11、R12、R13、R14、及びR15についての好ましい態様は、式(I)及び(Ia)の化合物とそれぞれ同じことが当てはまる。
【0057】
別の好ましい態様において本発明は、基:
【化56】
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を2つ有する式(Ia)の化合物に関し、これはすなわち式:
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物であり、
ここでX1'は、式−A1−R16、又は−(A4r−R16'の基であり、X5は、−A5−(A6s−の基であり、r、s、A1、R16、A4、R16'、A5、及びA6は、先に規定の通りである。X1'は異なっていてもよいが、同じであるのが好ましい。r、s、A1、R16、A4、R16'、A5、及びA6についての好ましい態様は、式(I)及び(Ia)の化合物とそれぞれ同じことが当てはまる。
【0058】
特に好ましい化合物の例は、請求項8に示した化合物A−1からA−45であり、これらはホスト材料として、また正孔輸送材料として特に適している。化合物A−1、A−2、A−9、A−10、A−11、A−24、A−42、A−43、A−44、及びA−45が、最も好ましい。好ましい化合物のさらなる例は、請求項8に示した化合物A−46からA−51である。
【0059】
ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素である。
【0060】
1〜C25アルキル(C1〜C18アルキル)は通常、可能であれば直鎖状又は分枝鎖状である。その例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、及び2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、又はオクタデシルである。C1〜C8アルキルは通常、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、及び2−エチルヘキシルである。C1〜C4アルキルは通常、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチルである。
【0061】
1〜C25アルコキシ基(C1〜C18アルコキシ基)は、直鎖状又は分枝鎖状のアルコキシ基であり、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、若しくはt−アミルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、ヘプタデシルオキシ、及びオクタデシルオキシである。C1〜C8アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、2−ペンチルオキシ、3−ペンチルオキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、1,1,3,3−テトラメチルブトキシ、及び2−エチルヘキシルオキシであり、好ましくはC1〜C4アルコキシ、例えば通常はメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシである。
【0062】
「シクロアルキル基」とは通常、C4〜C18シクロアルキル、特にC5〜C12シクロアルキル、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシルであり、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、又はシクロオクチルであり、これらは非置換であるか、又は置換されていてよい。
【0063】
任意で置換されていてよい、C6〜C24アリール基(C6〜C18アリール)は通常、フェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、ナフチル(特に1−ナフチル、又は2−ナフチル)、ビフェニル、ターフェニル、ピレニル、2−フルオレニル、9−フルオレニル、フェナントリル、又はアントリルであり、これらは非置換であるか、又は置換されていてよい。
【0064】
2〜C30ヘテロアリールは、環原子を5〜7個有する環、又は縮合環系を表し、ここで窒素、酸素、又は硫黄が、あり得るヘテロ原子であり、これは通常、共役π電子を少なくとも6個有する、原子を5〜30個有する複素環式の基であり、その例は例えば、チエニル、ベンゾチオフェニル、ジベンゾチオフェニル、チアントレニル、フリル、フルフリル、2H−ピラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、フェノキシチエニル、ピロールイル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ビピリジル、トリアジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、カルボリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソキサゾリル、フラザニル、4−イミダゾ[1,2−a]ベンズイミダゾリル、5−ベンズイミダゾ[1,2−a]ベンズイミダゾリル、カルバゾリル、又はフェノキサジニルであり、これらは非置換であるか、又は置換されていてもよい。
【0065】
上述の基についてあり得る置換基は、C1〜C8アルキル、ヒドロキシ基、メルカプト基、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオ、ハロゲン、ハロC1〜C8アルキル、又はシアノ基である。C6〜C24アリール(C6〜C18アリール)、及びC2〜C30ヘテロアリール基は好ましくは、1つ以上のC1〜C8アルキル基によって置換されている。
【0066】
基の中に置換基が一回以上現れる場合、これはそれぞれ異なっていてよい。「Gによって置換されている」という表現は、置換基Gが1つ以上、特に1〜3個存在し得ることを意味する。
【0067】
前述のように上記基は、Eによって置換されていてよく、かつ/又は所望の場合には、Dによって中断されていてよい。中断が可能なるのはもちろん、単結合によって相互に結合された炭素原子を、基が少なくとも2個有する場合のみである。C6〜C18アリールは、中断されない。中断されたアリールアルキルは、アルキル部分に単位Dを有する。1つ以上のEで置換された、かつ/又は1つ以上のDで中断されたC1〜C18アルキルは例えば、(CH2CH2O)1〜9−Rxであり、ここでRxは、H、又はC1〜C10アルキル、又はC2〜C10アルカノイル(例えばCO−CH(C25)C49)、CH2−CH(ORy')−CH2−O−Ry(ここでRyは、C1〜C18アルキル、C5〜C12シクロアルキル、フェニル、C7〜C15フェニルアルキルであり、Ry'はRyと同様の規定であるか、又はHである)、C1〜C8アルキレン−COO−Rz、例えばCH2COORz、CH(CH3)COORz、C(CH32COORz(ここでRzは、H、C1〜C18アルキル、(CH2CH2O)1〜9−Rxであり、Rxは、先の定義の通りである)、CH2CH2−O−CO−CH=CH2、CH2CH(OH)CH2−O−C(CH3)=CH2である。
【0068】
【化58】
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の合成は例えば、Achour, Reddouane;Zniber, Rachid, Bulletin des Societes Chimiques Beiges 96 (1987) 787-92に記載されている:
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
【0069】
式:
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
の適切な基礎骨格は、市販で手に入るか(特にXが、S、O、NHの場合)、又は当業者に公知の方法で得られる。国際特許出願第2010/079051号パンフレット、及び欧州特許第1885818号明細書を参照されたい。
【0070】
ハロゲン化は、当業者に公知の方法で行うことができる。式(II)の基礎骨格の3位及び6位(二臭素化)、又は3位若しくは6位(モノ臭素化)、2,8位(ジベンゾフランとジベンゾチオフェン)、又は3,6位(カルバゾール)における、臭素化又はヨウ素化が好ましい。
【0071】
任意で置換されていてよいジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、及びカルバゾールは、2,8位で(ジベンゾフランとジベンゾチオフェン)、又は3,6位で(カルバゾール)、臭素又はNBSによって、氷酢酸又はクロロホルム中で二臭化されていてよい。例えばBr2による臭素化は、氷酢酸中、又はクロロホルム中で低温下、例えば0℃で行うことができる。適切な方法は例えば、X=NPhについてはM. Park、J.R. Buck、C.J. RizzoがTetrahedron, 54 (1998) 12707-12714で、X=SについてはW. YangらがJ. Mater. Chem. 13 (2003) 1351で記載している。さらに、3,6−ジブロモカルバゾール、3,6−ジブロモ−9−フェニルカルバゾール、2,8−ジブロモジベンゾチオフェン、2,8−ジブロモジベンゾフラン、2−ブロモカルバゾール、3−ブロモジベンゾチオフェン、3−ブロモジベンゾフラン、3−ブロモカルバゾール、2−ブロモジベンゾチオフェン、及び2−ブロモジベンゾフランが、市販で手に入る。
【0072】
ジベンゾフランの4位におけるモノ臭素化(同様にジベンゾチオフェンについて)は、例えばJ. Am. Chem. Soc. 1984, 106, 7150に記載されている。ジベンゾフラン(ジベンゾチオフェン)は、当業者に公知の手順で3位でモノ臭素化されていてよく、この工程はニトロ化、還元、続いてザンドマイヤー反応を有する。
【0073】
ジベンゾフラン又はジベンゾチオフェンの2位でのモノ臭素化、及びカルバゾールの3位でのモノ臭素化は、二臭素化と同様に行うが、臭素又はNBSを1等量だけ添加する点で異なる。
【0074】
代替的には、ヨウ化ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、及びカルバゾールを利用することもできる。この製造は特に、Tetrahedron. Lett. 47 (2006) 6957-6960、Eur. J. Inorg. Chem. 24 (2005) 4976-4984、J. Heterocyclic Chem. 39 (2002) 933-941、J. Am. Chem. Soc. 124 (2002) 11900-11907、J. Heterocyclic Chem, 38 (2001) 77-87に記載されている。
【0075】
求核性置換のためには、Cl若しくはFで置換されたジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、及びカルバゾールが必要である。塩素化は特に、J. Heterocyclic Chemistry, 34 (1997) 891-900、Org. Lett., 6 (2004) 3501-3504、J. Chem. Soc. [Section] C: Organic, 16 (1971) 2775-7、Tetrahedron Lett. 25 (1984) 5363-6、J. Org. Chem. 69 (2004) 8177-8182に記載されている。フッ素化は、J. Org. Chem. 63 (1998) 878-880、及びJ. Chem. Soc, Perkin Trans. 2, 5 (2002) 953-957に記載されている。
【0076】
基:
【化61】
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の導入は、塩基の存在下で行う。適切な塩基は当業者に公知であり、好ましくはアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物(例えばNaOH、KOH、Ca(OH)2)、アルカリ金属水素化物(例えばNaH、KH)、アルカリ金属アミド(例えばNaNH2)、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩(例えばK2CO3、又はCs2CO3)、及びアルカリ金属アルコキシド(例えばNaOMe、NaOEt)の群から選択される。加えて、上記塩基の混合物が適切である。特に好ましいのは、NaOH、KOH、NaH、又はK2CO3である。
【0077】
ヘテロアリール化は例えば、
【化62】
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を銅触媒によりカップリングして、式:
【化63】
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のハロゲン化化合物にすることにより行うことができる(ウルマン反応)。
【0078】
Nアリール化は例えば、H. Gilman及びD. A. ShirleyがJ. Am. Chem. Soc. 66 (1944) 888に、D. Li et al.が、Dyes and Pigments 49 (2001) 181 - 186、及びEur. J. Org. Chem. (2007) 2147-2151に開示している。この反応は、溶媒又は溶融体中で行うことができる。適切な溶媒は例えば、(極性)非プロトン性溶媒、例えばジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、NMP、トリデカン、又はアルコールである。
【0079】
9−(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)カルバゾール:
【化64】
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の合成は、国際特許出願第2010 079051号パンフレットに記載されている。2−ブロモ−8−ヨード−ジベンゾフラン:
【化65】
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の合成は、欧州特許第1885818号明細書に記載されている。
【0080】
式:
【化66】
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の化合物を合成するための経路としてあり得るのは、以下の反応式である:
【化67】
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【0081】
Angew. Chem. Int. Ed. 46 (2007)1627-1629、及びSynthesis 20 (2009) 3493を参照されたい。
【0082】
二ホウ酸若しくはジボロネート基を有するジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、及びカルバゾールは、経路の数を増加させることにより、直ちに作製できる。合成経路の概観は例えば、Angew. Chem. Int. Ed. 48 (2009) 9240 - 9261に記載されている。
【0083】
二ホウ酸又はジボロネート基を有するジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、及びカルバゾールは慣用の経路によって、ハロゲン化ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、及びカルバゾールを、(Y1O)2B−B(OY12
【化68】
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と、触媒(例えば[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、(Pd(Cl)2(dppf))錯体)、及び塩基(例えば酢酸カリウム)の存在下、溶媒(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、及び/又はトルエン)中で反応させることによって得られ(Prasad Appukkuttan et at., Syn-lett 8 (2003) 1204参照)、ここでY1はそれぞれ独立して、C1〜C18アルキル基であり、Y2はそれぞれ独立して、C2〜C10アルキレン基(例えば−CY34−CY56−、又は−CY78−CY910−CY1112−)であり、ここでY3、Y4,Y5、Y6,Y7,Y8、Y9、Y10、Y11、及びY12は相互に独立して、水素、又はC1〜C18アルキル基、特に−C(CH32C(CH32−、−C(CH32CH2C(CH32−、又は−CH2C(CH32CH2−であり、Y13及びY14は相互に独立して、水素、又はC1〜C18アルキル基である。
【0084】
二ホウ酸基又はジボロネート基を有するジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、及びカルバゾールは、ハロゲン化されたジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、及びカルバゾールを、アルキルリチウム試薬(例えばn−ブチルリチウム又はt−ブチルリチウム)と反応させ、それからホウ酸エステル、例えばB(イソプロポキシ)3、B(メトキシ)3、又は
【化69】
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と反応させる(Synthesis (2000) 442-446参照)。
【0085】
二ホウ酸又はジボロネート基を有するジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、及びカルバゾールはまた、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、及びカルバゾールを、リチウムアミド、例えばリチウムジイソプロピルアミド(LDA)と反応させ、それからホウ酸エステル、例えばB(イソプロポキシ)3、B(メトキシ)3、又は
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させる(J. Org. Chem. 73 (2008) 2176-2181参照)。
【0086】
二ホウ酸又はジボロネート基を有するジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、及びカルバゾール、例えば
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
は、等モル量のハロゲン化されたジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、及び4Hイミダゾ[1,2−a]イミダゾール、例えば
【化72】
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と、溶媒中、触媒の存在下で反応させることができる。触媒はμ−ハロ(トリイソプロピルホスフィン)(η3−アリル)パラジウム(II)型のものであり得る(例えば国際特許出願第99/47474号パンフレット参照)。
【0087】
好ましくは鈴木反応を、有機溶媒(例えば芳香族炭化水素若しくは通常の有機極性溶媒)の存在下で行い、そのような溶媒の例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、若しくはジオキサン、又はこれらの混合物であり、トルエンが最も好ましい。溶媒の量は通常、ホウ酸誘導体1molあたり1〜10lの範囲で選択する。この反応を、不活性雰囲気、例えば窒素又はアルゴンの下で行うことも好ましい。さらに、この反応を水性塩基(例えばアルカリ金属水酸化物、若しくはアルカリ金属炭酸塩)の存在下で行うことも好ましく、その例は、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、CS2CO3などであり、K2CO3水溶液を選択するのが好ましい。通常、塩基対ホウ酸若しくはホウ酸エステル誘導体のモル比は、0.5:1〜50:1の範囲で、特に1:1に選択する。反応温度は一般的に、40〜180℃の範囲で選択し、還流条件下であるのが好ましい。反応時間は好ましくは、1〜80時間の範囲、より好ましくは20〜72時間の範囲で選択する。好ましい態様において、カップリング反応のための、又は重縮合反応のための通常の触媒を使用し、これは国際特許出願第2007/101820号パンフレットに記載されている。パラジウム化合物は、閉鎖すべき結合の数に対して1:10000〜1:50の比、好ましくは1:5000〜1:200の比で、添加する。例えば、パラジウム塩(II)、例えばPdAc2、又はPd2dba3を用いて、
【化73】
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から成る群から選択される配位子を添加することが好ましく、前記式中、
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
である。配位子は、Pdに対して1:1〜1:10の比で添加される。触媒を、溶液又は懸濁液として添加することも好ましい。好ましくは、適切な有機溶媒(例えば上述のもの)を使用するのが好ましく、好ましくはベンゼン、トルエン、キシレン、THF、ジオキサン又はこれらの混合物を、より好ましくはトルエンを使用する。溶媒の量は通常、ホウ酸誘導体1molあたり1〜10lの範囲で選択する。有機塩基(例えばテトラアルキルアンモニウム水酸化物)、及び相転移触媒(例えばTBAB)は、ホウ素の活性を向上させることができる(例えばLead-beater & Marco; Angew. Chem. Int. Ed. Eng. 42 (2003) 1407、及びここで挙げられた文献を参照)。反応条件の他の変法は、T. I. WallowとB. M. NovakがJ. Org. Chem. 59 (1994) 5034-5037で、M. Remmers、M. Schulze、G. WegnerがMacromol. Rapid Commun. 17 (1996) 239-252で、またG. A. MolanderとB. CanturkがAngew. Chem., 121 (2009) 9404 - 9425で言及している。
【0088】
化合物A−42の合成経路としてあり得るのは、以下の反応式である:
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
【0089】
化合物B−1の合成経路としてあり得るのは、以下の反応式である:
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
【0090】
ハロゲン/金属交換は、nBuLi/THFを用いて−78℃で、又はtBuLi/THFを用いて−78℃で行われる。国際特許出願第2010/079051号パンフレットには、このような化合物の合成が記載されている。
【0091】
式:
【化77】
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の化合物は、式(I)の化合物を製造する際の新規の中間体であり、本発明のさらなる対象である。
・X1は先に規定の通りであるか、又はA1−(A2p−(A3q−(A4r−R16''の基であり、
・X3は、
−(A5v−(A6s−(A7t−(A8u−R15'の基、上記式中、R15'とR16''は相互に独立して、Cl、Br、I、ZnX12、ここでX12は、ハロゲン原子であり、
−SnR207208209、ここでR207、R208、及びR209は同一であるか又は異なって、H又はC1〜C8アルキルであり、ここで2つの基は任意で、共通の環を形成し、これらの基は任意で分枝状であるか、又は分枝鎖状であり、
−B(OH)2、−B(OY12
【化78】
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−BF4Na、又はBF4K、ここでY1はそれぞれ独立して、C1〜C18アルキル基であり、Y2はそれぞれ独立して、C2〜C10アルキレン基、例えば−CY34−CY5CY6、又は−CY78−CY910−CY1112−であり、ここでY3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9、Y10、Y11、及びY12は相互に独立して、水素又はC1〜C10アルキル基、特に−C(CH32C(CH32−、−C(CH32CH2C(CH32-、又は−CH2C(CH32CH2−であり、ここでY13及びY14は相互に独立して、水素、又はC1〜C10アルキル基である。
【0092】
p、q、r、A1、A2、A3、A4、s、t、u、v、A5、A6、A7、A8、R1、R2、R3、R4、R5、R6、及びR7は、先に規定の通りである。p、q、r、A1、A2、A3、A4、s、t、u、v、A5、A6、A7、A8、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びX1の好ましい態様については、式(I)の化合物について述べたのと同じことが当てはまる。
【0093】
中間体の例は、以下の通りである:
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
【0094】
式:
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法(上記式中、X3は、Cl、Br、又はIである)は、式:
【化81】
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の化合物のハロゲン化工程を有する。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びX1の好ましい態様については、式(I)の化合物と同じことが当てはまる。
【0095】
5−フェニルベンゾイミダゾロ[1,2−a]ベンズイミダゾールの臭素化は、カルバゾールの臭素化と同様に行うことができ、それは例えば、J. MaterがChem. 18 (2008)1296-1301に記載している:
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
【0096】
他の臭素化法は例えば、Helvetica Chimica Acta 89 (2006) 1123に、またSYNLETT 17 (2006) 2841-2845. 10.206に記載されている。
【0097】
ハロゲン化剤によって、式(III)の化合物を選択的にハロゲン化することにより、式(II)の化合物が得られる。ハロゲン化試薬は例えば、N−クロロスクシンイミド(NCS)(Synlett 18 (2005) 2837-2842)、Br2(Synthesis 10 (2005) 1619-1624)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)(Organic Letters 12 (2010) 2194-2197、Synlett (2006) 2841-2845)、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBH)(Organic Process Research & Development 10 (2006) 822-828、米国特許出願第2002/0151456号明細書)、CuBr2(Synthetic Communications 37 (2007) 1381-1388)、R4NBr3(Can. J. Chem. 67 (1989) 2062)、N−ヨードスクシンイミド(NIS)(Synthesis 12 (2001) 1794-1799、J. Heterocyclic Chem. 39 (2002) 933)、KI/KIO3(Org. Lett. 9 (2007) 797、Macromolecules 44 (2011) 1405-1413)、NaIO4/I2/H2SO4、又はNaIO4/KI/H2SO4(J. Heterocyclic Chem. 38 (2001) 77、J. Org. Chem. 75 (2010) 2578-2588)、一塩化ヨウ素(ICI:Synthesis (2008) 221-224)である。その他の方法は、J. Org. Chem. 74 (2009) 3341-3349、J. Org. Chem. 71 (2006) 7422-7432、Eur. J. Org. Chem. (2008) 1065-1071、Chem. Asian J. 5 (2010) 2162 - 2167、Synthetic. Commun. 28 (1998) 3225に記載されている。
【0098】
ハロゲン化で使用可能な溶媒の例は、ジメチルホルムアミド(DMF)、CH2Cl2、CHCl3、CCl4、エタノール(EtOH)、酢酸(AcOH)、H2SO4、C65Cl、及びこれらの混合物である。ハロゲン化は、酸及びルイス酸の存在下で行うことができ、それは例えば、H2SO4、ZrCl4、TiCl4、AlCl3、HfCl4、及びAlCl3である(Synlett 18 (2005) 2837-2842)。
【0099】
好ましいのは、式:
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を、NBSと溶媒(例えば、DMF、酢酸、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン、及びこれらの混合物)中、−40〜150℃の温度で反応させる。DMFが、好ましい溶媒である。
【0100】
ハロゲン化された中間体(III)(X3はCl、Br、又はIである)は、触媒(例えば[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、(Pd(Cl)2(dppf))錯体)、及び塩基(例えば酢酸カリウム)の存在下、溶媒(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、及び/又はトルエン中で、ハロゲン化された中間体(III)を
【化84】
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と反応させることによって、ホウ酸エステル中間体(III)に変換することができる(Prasad Appukkuttan et al., Synlett 8 (2003) 1204参照)。
【0101】
ホウ酸試薬の製造の概観は、Angew. Chem. 121 (2009) 9404 - 9425、Chem. Rev. 95 (1995) 2457-2483、Angew. Chem. Int. Ed. 41 (2002) 4176-4211、Tetrahedron 66 (2010) 8121 - 8136に記載されている。
【0102】
二ホウ酸又はジボロネート中間体(III)はまた、ハロゲン化された中間体(III)を、アルキルリチウム試薬(例えばn−ブチルリチウム若しくはt−ブチルリチウム)と反応させ、続いてホウ酸エステル、例えば
B(イソプロポキシ)3、B(メトキシ)3、又は
【化85】
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を反応させることによって製造することができる(Synthesis (2000) 442-446参照)。
【0103】
式Iの化合物は、中間体と適切な補助反応体から出発して得ることができ、例えばスズキカップリング反応、スティルカップリング反応、又は根岸カップリング反応によって得られる。
【0104】
式:
【化86】
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の化合物の製造方法(X1は、先に規定の通り)は、
(a)式:
【化87】
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の化合物を、H3PO4、ポリリン酸、CH3SO3H/P25、CH3SO3H、又は硫酸の中で加熱して、式:
【化88】
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の化合物を得る工程、及び
(b)式XIの化合物を反応させて、式(I)の化合物にする工程を有することができる。工程b)の様々な例は、前述の通りである。工程a)において、沸点が140℃超の溶媒(例えば、キシレン、又はメシチレン)、又は当該溶媒の混合物が存在していてよい。式:
【化89】
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の化合物を、不活性ガス雰囲気(例えば窒素又はアルゴン)の下、140℃超、好ましくは160℃超、より好ましくは180℃超の温度で、30分から3週間、好ましくは1〜48時間、撹拌する。
【0105】
式Iの化合物は、電荷担体の伝導性が必要とされる用途、特に有機エレクトロニクス適用における用途、例えばスイッチング要素、例えば有機トランジスタ、例えば有機FET、及び有機TFT、有機太陽電池、及び有機発光ダイオード(OLED)で用いるために特に適していることが判明しており、式Iの化合物は特に適切には、OLEDで発光層におけるマトリックス材料として、及び/又は正孔及び/又は励起子ブロック材料として、及び/又は電子及び/又は励起子ブロック材料として適しており、特にリン光発光体と組み合わせて用いられる。式Iの本発明による化合物をOLEDにおいて用いると、効率が良く、寿命が長く、特に使用電圧と稼働電圧が低いOLEDが得られる。式Iの本発明による化合物は、青色及び緑色発光体(例えば明るい青色若しくは深青色の発光体)のためのマトリックス及び/又は正孔/励起子ブロック材料として、特に適しており、これらは特に、リン光発光体である。式Iの化合物はさらに、スイッチング要素、及び有機太陽電池から選択される有機エレクトロニクス適用において、半導体/補完的な材料として使用できる。
【0106】
式Iの化合物は、マトリックス材料、及び/又は正孔/励起子ブロック材料、及び/又は電子/励起子ブロック材料、及び/又は正孔注入材料、及び/又は電子注入材料、及び/又は正孔伝導性材料(正孔輸送材料)、電子伝導性材料(電子輸送材料)として、好ましくはマトリックス材料、及び/又は電子/励起子ブロック材料、及び/又は正孔輸送材料として、有機電子用途、特にOLEDにおいて使用できる。本発明による式Iの化合物はより好ましくは、有機エレクトロニクス用途、特にOLEDにおいて使用される。
【0107】
OLEDの発光層又は発光層のうち1つにおいて、発光材料を式Iの化合物のマトリックス材料、及びさらなるマトリックス材料(例えば正孔伝導性=正孔輸送性が良好なもの)と合わせることが可能である。これにより、発光層の量子効率が高まる。
【0108】
式Iの化合物を発光層においてマトリックス材料として、さらにまた正孔/励起子ブロック材料として、及び/又は電子/励起子ブロック材料として用いる場合、化学的な同一性、又は材料の類似性に基づき、発光層と、隣接する正孔/励起子ブロック材料との間でインターフェースが改善され、これにより、同じ輝度で電圧の減少と、OLEDの寿命延長につながる。さらに、正孔/励起子ブロック材料、及び/又は電子/励起子ブロック材料について同じ材料を用いることにより、OLEDの製造工程が簡略化できる。式Iの化合物のいずれかの材料を蒸着するために、同じ原料が使用できるからである。
【0109】
有機電子デバイスの適切な構造は当業者に公知であり、以下で説明する。
【0110】
有機トランジスタは一般的に、
・正孔輸送能力及び/又は電子輸送能力を有し、有機層から作製される半導体層、
・導電層から作製されるゲート電極、及び
・半導体層と、導電層との間に導入される絶縁層
を有する。ソース電極とドレイン電極が、トランジスタ要素を作製するため、この配置に設けられている。加えて、当業者に公知のさらなる層が、有機トランジスタに存在していてよい。
【0111】
有機太陽電池(光起電変換要素)は一般的に、並列に配置された2枚の板状電極の間に有機層を有する。有機層は、櫛形電極に配置構成されていてもよい。有機層の位置については特に制限が無く、また電極の材料についても、特に制限は無い。しかしながら、並列に配置された板状電極を用いる場合、少なくとも1つの電極は好ましくは、透明電極(例えばITO電極、又はフッ素ドープされた酸化スズ電極)から作製されている。有機層は2枚のサブレイヤーから、すなわち、p型半導体特性若しくは正孔輸送能力を有する層と、n型半導体特性若しくは電子輸送能力を有する層から作製されている。加えて、当業者に公知のさらなる層が、有機太陽電池に存在していてよい。正孔輸送能力を有する層は、式Iの化合物を有することができる。
【0112】
式Iの化合物が、発光層(好ましくはマトリックス材料として)と、電子ブロック層(電子/励起子ブロック材料として)の両方に存在していることも、同様に可能である。
【0113】
本発明はさらに、
・アノードAn、
・カソードKa、
・前記アノードAnと前記カソードKaとの間に配置された発光層E、及び
・任意で、少なくとも1つのさらなる層、当該層は、少なくとも1つの正孔/励起子ブロック層、少なくとも1つの電子/励起子ブロック層、少なくとも1つの正孔注入層、少なくとも1つの正孔伝導層、少なくとも1つの電子注入層、及び少なくとも1つの電子伝導層から成る群から選択される、
を有する、有機発光ダイオードをもたらし、ここで少なくとも1種の化合物Iが、発光層Eに、かつ/又は少なくとも1つのさらなる層に存在する。式Iの少なくとも1つの化合物は好ましくは、発光層及び/又は正孔ブロック層に存在する。
【0114】
本願はさらに、式Iの化合物を少なくとも1つ有する発光層に関する。
【0115】
本発明によるOLEDの構造
よって本発明による有機発光ダイオード(OLED)は、一般的に以下の構造を有する:アノード(An)、及びカソード(Ka)、並びに前記アノード(An)と、前記カソード(Ka)との間に配置された発光層E。
【0116】
本発明によるOLEDは例えば、好ましい態様において、以下の層から作製されていてよい:
1.アノード
2.正孔伝導層
3.発光層
4.正孔/励起子ブロック層
5.電子伝導層
6.カソード。
【0117】
上記構造とは異なる層順も可能であり、当業者には公知である。例えば、OLEDは上記層を全て有していなくてもよい。例えば、(1)(アノード)、(3)(発光層)、及び(6)(カソード)という層を有するOLEDも同様に適切であり、この場合、層(2)(正孔伝導層)、及び(4)(正孔/励起子ブロック層)、及び(5)(電子伝導層)の機能は、隣接する層が引き受ける。層(1)、(2)、(3)、及び(6)を有するOLED、又は層(1)、(3)、(4)、(5)、及び(6)を有するOLEDも、同様に適切である。加えてOLEDは、正孔伝導層(2)と発光層(3)との間に、電子/励起子ブロック層を有することができる。
【0118】
上記機能の複数(電子/励起子ブロック性、正孔/励起子ブロック性、正孔注入性、正孔伝導性、電子注入性、電子伝導性)を1つの層にまとめて、この層に存在する唯一の材料に担わせることもできる。例えば1つの態様において、正孔伝導層で使用する材料は同時に、励起子及び/又は電子をブロックすることができる。
【0119】
さらに、先に特定したOLEDの各層は逆に、2つ以上の層から作製されていてよい。正孔伝導層は例えば、電極から正孔が注入される層と、正孔注入層から発光層へと正孔を輸送する層とから作製されていてよい。電子伝導層は同様に、複数の層(例えば電極によって電子が注入される層、及び電子注入層から電子を受け取り、その電子を発光層に輸送する層)から成っていてよい。これらの層はそれぞれ、エネルギーレベル、熱抵抗、及び電荷担体移動性、並びに有機層若しくは金属電極で特定される層のエネルギー差といった要因に従って選択される。当業者は、本発明に従い発光物質として使用される有機化合物に最適に適合するように、OLEDの構造を選択することができる。
【0120】
特に効率的なOLEDを得るためには例えば、正孔伝導層のHOMO(最高被占軌道)を、アノードの機能に適合させるのが望ましく、電子伝導層のLUMO(最低空軌道)は、カソードの機能に適合させるのが望ましい(上記層が本発明によるOLED内に存在する場合)。
【0121】
アノード(1)は、正の電荷担体をもたらす電極である。これは例えば、金属、様々な金属の混合物、金属合金、金属酸化物、又は様々な金属酸化物の混合物を含有する材料から作製されていてよい。代替的に、アノードは導電性ポリマーであってよい。適切な金属には、金属、主族の金属合金、遷移金属合金、及びランタノイド合金が含まれ、特に元素周期表のIb族、IVa族、Va族、及びVIa族の金属、及びVIIIa族の遷移金属である。アノードが透明であるのが望ましい場合、一般的には周期表(IUPAC)のIIb族、IIIb族、及びIVb族の混合金属酸化物(例えばインジウムスズ酸化物:ITO)が使用される。同様にアノード(1)は有機材料、例えばポリアニリンを含有することもできる(例えばNature, Vol.357、p. 477-479(1992年、6月11日号)に記載)。作製された光を放出可能にするためには、アノード又はカソードの少なくとも一方が、少なくとも部分的に透明であるのが望ましい。アノード(1)のために使用する材料は、好ましくはITOである。
【0122】
本発明によるOLEDの層(2)のための適切な正孔伝導材料は、例えばKirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, 4th edition, Vol. 18, p. 837-860, 1996年に開示されている。正孔輸送分子及び正孔輸送ポリマーはともに、正孔輸送材料として使用できる。正孔輸送分子は通常、以下の群から選択される:トリス[N−(1−ナフチル)−N−(フェニルアミノ)]トリフェニルアミン(1−NaphDATA)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(TAPC)、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ビス−(4−エチルフェニル)−[1,1’−(3,3’−ジメチル)ビフェニル]−4,4’−ジアミン(ETPD)、テトラキス(3−メチルフェニル)−N,N,N’,N’−2,5−フェニレンジアミン(PDA)、α−フェニル−4−N,N−ジフェニルアミノスチレン(TPS)、p−(ジエチルアミノ)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン(DEH)、トリフェニルアミン(TPA)、ビス[4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル](4−メチルフェニル)メタン(MPMP)、1−フェニル−3−[p−(ジエチルアミノ)スチリル]−5−[p−(ジエチルアミノ)フェニル]ピラゾリン(PPR、又はDEASP)、1,2−トランス−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)シクロブタン(DCZB)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TTB)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(TDTA)、4,4’、4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、N,N’−ビス(ナフタレン−2−イル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン(β−NPB)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−スピロビフルオレン(スピロ−TPD)、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−スピロビフルオレン(スピロ−NPB)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−ジメチルフルオレン(DMFL−TPD)、ジ[4−(N,N−ジトリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−ジメチルフルオレン、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−2,2−ジメチルベンジジン、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)、4,4’,4’’−トリス(N−3−メチルフェニル−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン、4,4’,4’’−トリス(N−(2−ナフチル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン、ピラジノ[2,3−f][1,10]フェナントロリン−2,3−ジカルボニトリル(PPDN)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メトキシフェニル)ベンジジン(MeO−TPD)、2,7−ビス[N,N−ビス(4−メトキシフェニル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン(MeO−スピロ−TPD)、2,2’−ビス[N,N−ビス(4−メトキシフェニル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン(2,2’−MeO−スピロ−TPD)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ[4−(N,N−ジトリルアミノ)フェニル]ベンジジン(NTNPB)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ[4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル]ベンジジン(NPNPB)、N,N’−ジ(ナフタレン−2−イル)−N,N’−ジフェニルベンゼン−1,4−ジアミン(β−NPP)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−ジフェニルフルオレン(DPFL−TPD)、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−ジフェニルフルオレン(DPFL−NPB)、2,2’,7,7’−テトラキス(N,N−ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン(スピロ−TAD)、9,9−ビス[4−(N,N−ビス(ビフェニル−4−イル)アミノ)フェニル]−9H−フルオレン(BPAPF)、9,9−ビス[4−(N,N−ビス(ナフタレン−2−イル)アミノ)フェニル]−9H−フルオレン(NPAPF)、9,9−ビス[4−(N,N−ビス(ナフタレン−2−イル)−N,N’−ビスフェニルアミノ)フェニル]−9Hフルオレン(NPBAPF)、2,2’,7,7’−テトラキス[N−ナフタレニル(フェニル)アミノ]−9,9’−スピロビフルオレン(スピロ−2NPB)、N,N’−ビス(フェナントレン−9−イル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン(PAPB)、2,7−ビス[N,N−ビス(9,9−スピロビフルオレン−2−イル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン(スピロ−5)、2,2’−ビス[N,N−ビス(ビフェニル−4−イル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン(2,2’−スピロ−DBP)、2,2’−ビス(N,N−ジフェニルアミノ)−9,9−スピロビフルオレン(スピロBPA)、2,2’,7,7’−テトラ(N,N−ジオリル)アミノスピロビフルオレン(スピロ−TTB)、N,N,N’,N’−テトラナフタレン−2−イルベンジジン(TNB)、ポルフィリン化合物、及びフタロシアニン(例えば銅フタロシアニン、及び酸化チタンフタロシアニン)。正孔輸送ポリマーは通常、ポリビニルカルバゾール、(フェニルメチル)ポリシラン、及びポリアニリンから成る群から選択される。同様に、正孔輸送分子をポリマー(例えばポリスチレン及びポリカーボネート)にドープすることによって、正孔輸送ポリマーを得ることも可能である。適切な正孔輸送分子は、前述のものである。
【0123】
さらに1つの態様では、カルベン錯体を正孔伝導材料として使用でき、少なくとも1つの正孔伝導材料のバンドギャップは一般的に、使用される発光材料のバンドギャップよりも大きい。本発明の文脈において「バンドギャップ」とは、三重項エネルギーを意味すると理解されるべきである。適切なカルベン錯体は例えば、国際特許出願第2005/019373号パンフレットA2、国際特許出願第2006/056418号パンフレットA2、国際特許出願第2005/113704号パンフレット、国際特許出願第2007/115970号パンフレット、国際特許出願第2007/115981号パンフレット、及び国際特許出願第2008/000727号パンフレットに記載されたカルベン錯体である。適切なカルベン錯体の例は、下記式のIr(dpbic)3である:
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
これは例えば、国際特許出願第2005/019373号パンフレットに開示されている。原則的に、正孔伝導層は式Iの化合物を少なくとも1種、正孔伝導材料として有することができる。
【0124】
発光層(3)は、少なくとも1つの発光材料を含有する。これは原則的に、蛍光又はリン光放出物質であってよく、適切な放出材料は、当業者に公知である。少なくとも1つの発光材料は好ましくは、リン光放出物質である。使用するのが好ましいリン光放出化合物は、金属錯体をベースとしており、特にRu、Rh、Ir、Pd、及びPtの金属錯体、特にIr錯体が、より重要である。式Iの化合物は、発光層におけるマトリックスとして使用できる。
【0125】
本発明によるOLEDで使用するのに適切な金属錯体は、例えば国際特許出願第02/60910号パンフレットA1、米国特許出願第2001/0015432号明細書A1、米国特許出願第2001/0019782号明細書A1、米国特許出願第2002/0055014号明細書A1、米国特許出願第2002/0024293号明細書A1、米国特許出願第2002/0048689号明細書A1、欧州特許出願第1 191 612号明細書A2、欧州特許出願第1 191 613号明細書A2、欧州特許出願第1 211 257号明細書A2、米国特許出願第2002/0094453号明細書A1、国際特許出願第02/02714号パンフレットA2、国際特許出願第00/70655号パンフレットA2、国際特許出願第01/41512号パンフレットA1、国際特許出願第02/15645号パンフレットA1、国際特許出願第2005/019373号パンフレットA2、国際特許出願第2005/113704号パンフレットA2、国際特許出願第2006/115301号パンフレットA1、国際特許出願第2006/067074号パンフレットA1、国際特許出願第2006/056418号パンフレット、国際特許出願第2006121811号パンフレットA1、国際特許出願第2007095118号パンフレットA2、国際特許出願第2007/115970号パンフレット、国際特許出願第2007/115981号パンフレット、国際特許出願第2008/000727号パンフレット、国際特許出願第2010/129323号パンフレット、国際特許出願第2010/056669号パンフレット、及び国際特許出願第10086089号パンフレットといった文献に記載されている。
【0126】
さらなる適切な金属錯体は、市販で手に入る金属錯体のトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)、イリジウム(III)トリス(2−(4−トリル)ピリジナト−N,C2')、ビス(2−フェニルピリジン)(アセチルアセトナト)イリジウム(III)、イリジウム(III)トリス(1−フェニルイソキノリン)、イリジウム(III)ビス(2,2’−ベンゾチエニル)ピリジナト−N,C3'(アセチルアセトナト)、トリス(2−フェニルキノリン)イリジウム(III)、イリジウム(III)ビス(2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2)ピコリネート、イリジウム(III)ビス(1−フェニルイソキノリン)(アセチルアセトネート)、ビス(2−フェニルキノリン)(アセチルアセトナト)イリジウム(III)、イリジウム(III)ビス(ジベンゾ[f,h]キノキサリン)(アセチルアセトネート)、イリジウム(III)ビス(2−メチルジベンゾ[f,h]キノキサリン)(アセチルアセトネート)、及びトリス(3−メチル−1−フェニル−4−トリメチルアセチル−5−ピラゾリノ)テルビウム(III)、ビス[1−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)イソキノリン](アセチルアセトナト)イリジウム(III)、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト)(アセチルアセトナト)イリジウム(III)、ビス(2−(9,9−ジヘキシルフルオレニル)−1−ピリジン)(アセチルアセトナト)イリジウム(III)、ビス(2−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ピリジン)(アセチルアセトナト)イリジウム(III)である。
【0127】
さらに、以下の市販で手に入る材料が、適している:
トリス(ジベンゾイルアセトナト)モノ(フェナントロリン)ユーロピウム(III)、トリス(ジベンゾイルメタン)−モノ(フェナントロリン)ユーロピウム(III)、トリス(ジベンゾイルメタン)モノ(5−アミノフェナントロリン)−ユーロピウム(III)、トリス(ジ−2−ナフトイルメタン)モノ(フェナントロリン)ユーロピウム(III)、トリス(4−ブロモベンゾイルメタン)モノ(フェナントロリン)ユーロピウム(III)、トリス(ジ(ビフェニル)メタン)モノ(フェナントロリン)ユーロピウム(III)、トリス(ジベンゾイルメタン)モノ(4,7−ジフェニルフェナントロリン)ユーロピウム(III)、トリス(ジベンゾイルメタン)モノ(4,7−ジメチルフェナントロリン)ユーロピウム(III)、トリス(ジベンゾイルメタン)モノ(4,7−ジメチルフェナントロリン二硫酸)ユーロピウム(III)ジナトリウム塩、トリス[ジ(4−(2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ)ベンゾイルメタン)]モノ(フェナントロリン)ユーロピウム(III)、及びトリス[ジ[4−(2−(エトキシエトキシ)エトキシ)ベンゾイルメタン]]モノ(5−アミノフェナントロリン)ユーロピウム(III)、オスミウム(II)、ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(4−t−ブチルピリジル)−1,2,4−トリアゾラト)ジフェニルメチルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(4−t−ブチルピリジル)−1,2,4−トリアゾラト)ジフェニルメチルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(2−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール)ジメチルフェニルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(4−t−ブチルピリジル)1,2,4−トリアゾラト)ジメチルフェニルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(2−ピリジル)−ピラゾラト)ジメチルフェニルホスフィン、トリス[4,4’−ジ−t−ブチル(2,2’)−ビピリジン]ルテニウム(III)、オスミウム(II)ビス(2−(9,9−ジブチルフルオレニル)−1−イソキノリン(アセチルアセトネート))。
【0128】
発光層は好ましくは式:
【化91】
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の化合物を含有し、これは国際特許出願第2005/019373号パンフレットA2に記載されており、ここで記号は、以下の意味を有する:
・Mは、Co、Rh、Ir、Nb、Pd、Pt、Fe、Ru、Os、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Cu、Ag、及びAuから成る群から選択される金属原子であり、各金属原子は、どのような酸化状態であってもよく、
・カルベンは、荷電されていない、又はモノアニオン性の、単座、二座、又は三座のカルベン配位子であり、このカルベン配位子は、ビスカルベン配位子又はトリスカルベン配位子であってもよく、
・Lは、モノアニオン性、又はジアニオン性の配位子であり、単座又は二座であり得、
・Kは、ホスフィン、ホスホネートとその誘導体、アルセネートとその誘導体、ホスフィット、CO、ピリジン、ニトリル、及びM1とπ錯体を形成する共役ジエンから成る群から選択される荷電されていない単座又は二座の配位子であり、
・n1は配位子Lの数であり、ここでn1は少なくとも1であり、n1>1の場合、式Iの錯体におけるカルベン配位子は、同じであるか、又は異なり、
・m1は配位子Lの数であり、ここでm1は0、又は1以上であり、m1>1の場合、配位子Lは、同じであるか、又は異なり、
・oは配位子Kの数であり、ここでoは0、又は1以上であり、o>1の場合、配位子Kは、同じであるか、又は異なり、
ここでn1+m1+oの合計は、酸化状態と金属原子の配位数に、そしてカルベン配位子の配座数に依存しており、L及びKはまた、配位子、カルベン、及びLの電荷に依存しているが、n1は少なくとも1である。
【0129】
三重項放出物質として適切なカルベン錯体は例えば、国際特許出願第2006/056418号パンフレットA2、国際特許出願第2005/113704号パンフレット、国際特許出願第2007/115970号パンフレット、国際特許出願第2007/115981号パンフレット、及び国際特許出願第2008/000727号パンフレット、国際特許出願第2009/050281号パンフレット、国際特許出願第2009/050290号パンフレット、国際特許出願第2011/051404号パンフレット、及び国際特許出願第2011/073149号パンフレットに記載されている。
【0130】
より好ましいのは、一般式:
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
の金属カルベン錯体であり、これは米国特許第61/286046号明細書、同第61/323885号明細書、及び欧州特許第10187176.2(PCT/EP2010/069541)に記載されており、上記式中、M、n1、Y、A2、A3、A4、A5、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59、K、L、m1、及びoは、それぞれ以下のように規定される:
・Mは、Ir、又はPtであり、
・n1は、1、2、及び3から選択される整数であり、
・Yは、NR51、O、S、又はC(R252であり、
・A2、A3、A4、A5はそれぞれ独立して、N又はCであり、ここで2つのAは、窒素原子であり、少なくとも1つの炭素原子が、環中の2つの窒素原子の間に存在しており、
・R51は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基(任意で少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてよく、また任意で少なくとも1つの官能基を有していてよく、1〜20個の炭素原子を有する)、シクロアルキル基(任意で少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてよく、また任意で少なくとも1つの官能基を有していてよく、3〜20個の炭素原子を有する)、置換若しくは非置換のアリール基(任意で少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてよく、また任意で少なくとも1つの官能基を有していてよく、6〜30個の炭素原子を有する)、置換若しくは非置換のヘテロアリール基(任意で少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてよく、また任意で少なくとも1つの官能基を有していてよく、5〜18個の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する)であり、
・R52、R53、R54、及びR55はそれぞれ、A2、A3、A4、及び/又はA5がNであれば、自由電子対であるか、又はA2、A3、A4、及び/又はA5がCであれば、それぞれ独立して、水素、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基(任意で少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてよく、また任意で少なくとも1つの官能基を有していてよく、1〜20個の炭素原子を有する)、シクロアルキル基(任意で少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてよく、また任意で少なくとも1つの官能基を有していてよく、3〜20個の炭素原子を有する)、置換若しくは非置換のアリール基(任意で少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてよく、また任意で少なくとも1つの官能基を有していてよく、6〜30個の炭素原子を有する)、置換若しくは非置換のヘテロアリール基(任意で少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてよく、また任意で少なくとも1つの官能基を有していてよく、5〜18個の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する)、ドナー作用若しくはアクセプタ作用を有する基であるか、又は
・R53及びR54はA3及びA4とともに、置換されていてもよい不飽和環を形成し、この不飽和環は、任意で少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてよく、合計で5〜18個の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有し、
・R56、R57、R58、及びR59はそれぞれ独立して、水素、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基(任意で少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてよく、また任意で少なくとも1つの官能基を有していてよく、1〜20個の炭素原子を有する)、シクロアルキル基(任意で少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてよく、また任意で少なくとも1つの官能基を有していてよく、3〜20個の炭素原子を有する)、シクロヘテロアルキル基(任意で少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてよく、また任意で少なくとも1つの官能基を有していてよく、3〜20個の炭素原子を有する)、置換若しくは非置換のアリール基(任意で少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてよく、また任意で少なくとも1つの官能基を有していてよく、6〜30個の炭素原子を有する)、置換若しくは非置換のヘテロアリール基(任意で少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてよく、また任意で少なくとも1つの官能基を有していてよく、合計5〜18個の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する)、ドナー作用若しくはアクセプタ作用を有する基であるか、又は
・R56とR57、R57とR58、又はR58とR59は、それらが結合している炭素原子とともに、飽和、不飽和、又は芳香族の環を形成し、この環は、任意で少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてよく、合計5〜18個の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有し、かつ/又は
・A5がCであれば、R55とR56はともに、飽和若しくは不飽和の、直鎖若しくは分枝鎖状の橋かけ部を形成し、この橋かけ部は任意で、ヘテロ原子、芳香族単位、複素環式芳香族単位、及び/又は官能基を有していてよく、合計で1〜30個の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有し、これらには任意で、置換若しくは非置換の、炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する5〜8員環が縮合されていてよく、
・R25は独立して、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基(任意で少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてよく、また任意で少なくとも1つの官能基を有していてよく、1〜20個の炭素原子を有する)、シクロアルキル基(任意で少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてよく、また任意で少なくとも1つの官能基を有していてよく、3〜20個の炭素原子を有する)、置換若しくは非置換のアリール基(任意で少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてよく、また任意で少なくとも1つの官能基を有していてよく、6〜30個の炭素原子を有する)、置換若しくは非置換のヘテロアリール基(任意で少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてよく、また任意で少なくとも1つの官能基を有していてよく、5〜18個の炭素原子及び/又はヘテロ原子を有する)であり、
・Kは、荷電されていない単座又は二座の配位子であり、
・Lは、モノアニオン性又はジアニオン性の配位子であり、好ましくはモノアニオン性の配位子であり、これは単座又は二座であってよく、
・m1は、0、1、又は2であり、ここでm1が2の場合、配位子Kは同じであるか又は異なり、
・oは0、1、又は2であり、ここでoが2の場合、配位子Lは同じであるか、又は異なる。
【0131】
式IXの化合物は好ましくは、下記式の化合物である:
【化93-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化93-2】
[この文献は図面を表示できません]
【化93-3】
[この文献は図面を表示できません]
【化93-4】
[この文献は図面を表示できません]
【化93-5】
[この文献は図面を表示できません]
【化93-6】
[この文献は図面を表示できません]
【化93-7】
[この文献は図面を表示できません]
【0132】
ホモレプチックな金属カルベン錯体は、fac異性体、又はmer異性体の形で存在し得るが、fac異性体が好ましい。
【0133】
ヘテロレプチックな金属錯体の場合、4種の異なる異性体が存在し得るが、擬fac異性体が好ましい。
【0134】
発光層は、発光材料に加えて、さらなる成分を含有することができる。例えば蛍光染料が、発光材料の放出色を変えるため、発光層中に存在していてよい。好ましい態様においてはさらに、マトリックス材料が使用できる。このマトリックス材料は、ポリマー、例えばポリ(N−ビニルカルバゾール)、又はポリシランであってよい。しかしながらマトリックス材料は小さな分子であってよく、例えば4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(CDP=CBP)、又は第三級芳香族アミン(例えばTCTA)であり得る。本発明の好ましい態様では、式Iの化合物を少なくとも1種、マトリックス材料として使用する。
【0135】
好ましい態様において発光層は、少なくとも1種の前記発光材料2〜40質量%、好ましくは5〜35質量%と、少なくとも1種の上記マトリックス材料(1つの態様では少なくとも1種の式Iの化合物)60〜98質量%、好ましくは75〜95質量%とから作製されており、ここで発光材料とマトリックス材料は合計で、100質量%となる。
【0136】
特に好ましい態様において、発光層は式Iの化合物、例えば
【化94】
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と、2種のカルベン錯体、好ましくは式
【化95】
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のものを含有する。
上記態様において、発光層は2〜40質量%、好ましくは5〜35質量%が、
【化96】
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から、そして60〜98質量%、好ましくは65〜95質量%が、式Iの化合物
【化97】
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から作製され、ここでカルベン錯体と式Iの化合物は合計で、100質量%となる。
【0137】
よって、マトリックス材料、及び/又は正孔/励起子ブロック材料、及び/又は電子/励起子ブロック材料、及び/又は正孔注入材料、及び/又は電子注入材料、及び/又は正孔伝導材料、及び/又は電子伝導材料として、好ましくはマトリックス材料及び/又は正孔/励起子ブロック材料として、OLEDにおいて式Iの化合物とともに使用するのに適切な金属錯体は例えばまた、国際特許出願第2005/019373号パンフレットA2、国際特許出願第2006/056418号パンフレットA2、国際特許出願第2005/113704号パンフレット、国際特許出願第2007/115970号パンフレット、国際特許出願第2007/115981号パンフレット、及び国際特許出願第2008/000727号パンフレットに記載されたカルベン錯体である。ここで上記国際特許出願の開示については明示的に言及され、これらの開示内容は、本願の内容に組み込まれるとみなされるべきである。
【0138】
正孔/励起子ブロック層(4)が、式Iの化合物を含有しない場合、OLEDは(正孔ブロック層が存在する場合)、OLEDで通常使用される正孔ブロック材料を有し、それは例えば、2,6−ビス(N−カルバゾリル)ピリジン(mCPy)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(バソクプロイン(BCP))、ビス(2−メチル−8−キノリナト)−4−(フェニルフェニラト)アルミニウム(III)(BAlq)、フェノチアジンS,S−二酸化物誘導体、及び1,3,5−トリス(N−フェニル−2−ベンジルイミダゾリル)ベンゼン(TPBI)であり、TPBIは、電子伝導材料としても適している。さらなる適切な正孔ブロック材料、及び/又は電子伝導材料は、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、8−ヒドロキシキノリノラトリチウム、4−(ナフタレン−1−イル)−3,5−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾール、1,3−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−t−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール、6,6’−ビス[5−(ビフェニル−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−2−イル]−2,2’−ビピリジル、2−フェニル−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2,7−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]−9,9−ジメチルフルオレン、1,3−ビス[2−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン、2−(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、トリス(2,4,6−トリメチル−3−(ピリジン−3−イル)フェニル)ボラン、2,9−ビス(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、1−メチル−2−(4−(ネフタレン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾ[4,5−f][1,10]フェナントロリンである。さらなる態様においては、カルボニル基を有する基によって結合された、芳香族環又は複素芳香族環を有する化合物(国際特許出願第2006/100298号パンフレットに開示)、並びにジシリルカルバゾール、ジシリルベンゾフラン、ジシリルベンゾチオフェン、ジシリルベンゾホスホール、ジシリルベンゾチオフェンS−酸化物、及びジシリルベンゾチオフェンS,S−二酸化物から選択されるジシリル化合物(例えばPCT出願のPCT/EP2008/058207、及びPCT/EP2008/058106で特定、これらはまだ本願の優先日時点では未公開)、及びジシリル化合物(国際特許出願第2008/034758号パンフレットに開示)が、発光層(3)における正孔/励起子ブロック層(4)として、又はマトリックス材料として使用できる。
【0139】
本発明によるOLEDの層(5)のための適切な電子伝導材料は、金属がキレート化されたオキシノイド化合物を含有し、それは例えば、2,2’,2’’−(1,3,5−フェニレン)トリス[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール](TPBI)、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)、フェナントロリンベースの化合物、例えば2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DPPA=BCP)、又は4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DPA)、及びアゾール化合物、例えば2−(4−ビフェニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキシダゾール(PBD)、及び3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、8−ヒドロキシキノリノラトリチウム(Liq)、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BPhen)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−(フェニルフェノラト)アルミニウム(BAlq)、1,3−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン(Bpy−OXD)、6,6’−ビス[5−(ビフェニル−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−2−イル]−2,2’−ビピリジル(BP−OXD−Bpy)、4−(ナフタレン−1−イル)−3,5−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾール(NTAZ)、2,9−ビス(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(NBphen)、2,7−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]−9,9−ジメチルフルオレン(Bby−FOXD)、1,3−ビス[2−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン(OXD−7)、トリス(2,4,6−トリメチル−3−(ピリジン−3−イル)フェニル)ボラン(3TPYMB)、1−メチル−2−(4−(ナフタレン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾ[4,5−f][1,10]フェナントロリン(2−NPIP)、2−フェニル−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(PADN)、2−(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(HNBphen)である。層(5)は、電子輸送性を容易にし、またOLEDの層の界面で励起子が消滅するのを防止するために、バッファ層又はバリア層として役立つ。層(5)は好ましくは、電子の移動性を改善し、励起子の消滅を減少させる。好ましい態様では、TPBIを電子伝導材料として使用する。別の好ましい態様では、BCPを電子伝導材料として使用する。原則的に、電子伝導層は式Iの化合物を少なくとも1種、電子伝導材料として有することができる。
【0140】
正孔伝導材料及び電子伝導材料として述べた材料の他にも、幾つかの機能を満たすものがある。例えば幾つかの電子伝導材料は、HOMOが低い場合、同時に正孔ブロック材料である。これらは例えば、正孔/励起子ブロック層(4)で使用できる。しかしながら同様に、層(4)が無くて済むように、正孔/励起子ブロック材料としての機能を、層(5)により取り入れることも可能である。
【0141】
電荷輸送層はまた、使用する材料の輸送特性を改善するため、第一に層厚をよりたっぷりととるため(ピンホールや短絡の回避)、また第二にデバイスの稼働電圧を最小化するために、電子的にドープすることができる。例えば、正孔伝導材料は、電子受容体によってドープすることができ、例えばフタロシアニン又はアリールアミン(例えばTPD又はTDTA)は、テトラフルオロテトラシアンキノジメタン(F4−TCNQ)によって、又はMoO3若しくはWO3によってドープできる。電子導電材料は例えば、アルカリ金属によってドープでき、例えばAlq3はリチウムでドープできる。さらに、電子伝導材料は塩によって、例えばCs2CO3、又は8−ヒドロキシキノラトリチウム(Liq)によってドープできる。電子ドープは当業者に公知であり、例えばW. Gao、A. Kahn著、J. Appl. Phys., Vol. 94, No.1、p-doped organic layers(2003年7月1日刊行)、A. G. Werner、F. Li, K. Harada、M. Pfeiffer、T. Fritz、K. Leo著、Appl. Phys. Lett., Vol. 82, No. 25(2003年6月23日刊行)、及びPfeifferら著、Organic Electronics 2003, 4, 89 - 103に開示されている。正孔伝導材料は例えば、カルベン錯体(例えばIr(dpbic)3)に加えて、MoO3、又はWO3によってドープできる。電子伝導層は例えば、Cs2CO3でドープされたBCPを含有することができる。
【0142】
カソード(6)は、電子又は負の電荷を導入するために用いる電極である。カソードのための適切な材料は、元素周期表(旧版IUPAC)のIa族のアルカリ金属(例えばLi、Cs)、IIa族のアルカリ土類金属(例えばカルシウム、バリウム、又はマグネシウム)IIb族の金属(ランタニドとアクチニド、例えばサマリウムを含む)から成る群から選択される。さらに、金属(例えばアルミニウム又はインジウム)、及び上記全ての金属の組み合わせを使用することもできる。さらに、アルカリ金属、特にリチウム含有有機金属化合物、又はアルカリ金属フッ化物(例えばLiF、CsF、又はKF)を有機層とカソードとの間に適用して、稼働電圧を低下させることができる。
【0143】
本発明によるOLEDはさらに、当業者に公知のさらなる層を有することができる。例えば、正電荷の輸送を容易にする層、及び/又は層のバンドギャップを相互に適合させる層を、層(2)と発光層(3)との間に適用できる。このさらなる層は代替的に、保護層として使用できる。同様にさらなる層が、負電荷の輸送を容易にするため、かつ/又は層の間のバンドギャップを相互に適合させるために、発光層(3)と層(4)の間に存在していてよい。この層は代替的に、保護層として使用できる。
【0144】
好ましい態様において本発明によるOLEDは、層(1)〜(6)に加えて、以下の層を少なくとも1つ有する:
・アノード(1)と正孔輸送層(2)との間にある、厚さが2〜100nm、好ましくは5〜50nmの正孔注入層、
・正孔輸送層(2)と、発光層(3)との間にある電子ブロック層、
・電子輸送層(5)とのカソード(6)との間にある電子注入層。
【0145】
正孔注入層のための材料は、以下のものから選択できる:銅フタロシアニン、4,4’,4’’−トリス−(N−3メチルフェニル−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、4,4’,4’’−トリス(N−(2−ナフチル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(2T−NATA)、4,4’,4’’−トリス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(1T−NATA)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(NATA)、酸化チタンフタロシアニン、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)、ピラジノ[2,3−f][1,10]フェナントロリン−2,3−ジカルボニトリル(PPDN)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メトキシフェニル)ベンジジン(MeO−TPD)、2,7−ビス[N,N−ビス(4−メトキシフェニル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン(MeO−スピロ−TPD)、2,2’−ビス[N,N−ビス(4−メトキシフェニル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン(2,2’−MeO−スピロ−TPD)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ−[4−(N,N−ジトリルアミノ)フェニル]ベンジジン(NTNPB)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ−[4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル]ベンジジン(NPNPB)、N,N’−ジフェニルベンゼン−1,4−ジアミン(α−NPP)。原則的に、正孔注入層は式Iの化合物を少なくとも1種、正孔注入材料として有することができる。さらに、ポリマーの正孔注入材料が使用でき、それは例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、自己ドープポリマー、例えばスルホン化ポリ(チオフェン−3−[2[(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−2,5−ジイル])(Flextronics社から市販で得られる導電性インクのPlexcore(登録商標)OC)、及びコポリマー、例えばポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSSとも呼ばれる)である。
【0146】
電子注入層のための材料としては例えば、LiFが選択できる。原則的に、電子注入層は式Iの化合物を少なくとも1種、電子注入材料として有することができる。
【0147】
当業者は、適切な材料をどのように選択すべきか、(例えば、電気化学に基づき)分かっている。個々の層のための適切な材料は当業者に公知であり、例えば国際特許出願第00/70655号パンフレットに開示されている。
【0148】
さらに、本発明によるOLEDで使用される層の幾つかは、電荷輸送の効率を高めるために、表面処理されていてよい。上記各層のための材料選択は好ましくは、高効率で寿命の長いOLEDを得ることによって決定される。
【0149】
本発明によるOLEDは、当業者に公知の方法によって製造できる。一般的に本発明によるOLEDは、各層を適切な基板に、連続的に蒸着させることによって製造される。適切な基板は例えば、ガラス、無機半導体、又はポリマーシートである。蒸着のためには、公知の技術を使用することができ、それは例えば、熱蒸着、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)などである。代替的な方法においてOLEDの有機層は、適切な溶媒における溶液又は分散液から塗布することができ、この際には当業者に公知の塗布技術を用いる。
【0150】
一般的に各層は、以下のような厚さを有する:
・アノード(1)50〜500nm、好ましくは100〜200nm、
・正孔伝導層(2)5〜100nm、好ましくは20〜80nm、
・発光層(3)1〜100nm、好ましくは10〜80nm、
・正孔/励起子ブロック層(4)2〜100nm、好ましくは5〜50nm、
・電子伝導層(5)5〜100nm、好ましくは20〜80nm、
・カソード(6)20〜1000nm、好ましくは30〜500nm。
本発明によるOLEDにおいてカソードに対して、正孔と電子を再結合する帯域の相対的な位置、ひいてはOLEDの放出スペクトルは、様々な要因の中でも、各層の相対的な厚さによって影響を受けることがある。これはつまり、好ましくは再結合帯域の位置が、ダイオードの光共振特性に、ひいては発光体の放出波長に適合しているように、電子輸送層の厚さが選択されるということである。OLEDにおける各層の層厚の比は、使用する材料による。使用するさらなる層の層厚は、当業者に公知である。電子伝導層、及び/又は正孔伝導層の厚さは、電気的にドープされた場合に特定される厚さより厚くてもよい。
【0151】
OLEDの少なくとも1つの層で、好ましくは発光層で(好ましくはマトリックス材料として)、かつ/又は正孔/励起子ブロック層で式Iの化合物を使用することにより、効率がよく、使用電圧と稼働電圧が低いOLEDを得ることができる。しばしば、式Iの化合物を用いて得られるOLEDはさらに、寿命が長い。OLEDの効率はさらに、OLEDの他の層を最適化することによって改善できる。例えば、高効率のカソード(例えばCa又はBa)を、適切であればLiFの中間層と組み合わせて、使用できる。稼働電圧を低減させる、又は量子効率を向上させる、三次元構造化した基板、及び新規の正孔輸送材料は、同様に本発明によるOLEDで使用できる。その上、異なる層のエネルギーレベルを調整するため、そしてエレクトロルミネッセンスを容易にするために、さらなる層がOLEDに存在していてよい。
【0152】
OLEDはさらに、第二発光層を少なくとも1つ有する。OLEDの放出全体は、少なくとも2つの発光層の放出から構成されていてよく、白色光を有していてもよい。
【0153】
OLEDは、エレクトロルミネッセンスが有用なあらゆる装置で使用できる。適切なデバイスは好ましくは、据え置き型、及び可搬型の視覚ディスプレイユニット、及びイルミネーションユニットから選択される。据え置き型のディスプレイユニットは例えば、コンピュータの視覚的ディスプレイユニット、テレビ、プリンタにおける視覚的ディスプレイ、台所取り付け品、並びに広告パネル、イルミネーション、及び情報パネルである。可搬型のディスプレイユニットは例えば、携帯電話における視覚的ディスプレイ、タブレット型パソコン、ラップトップ型パソコン、デジタルカメラ、MP3プレーヤー、バスや電車における車両表示と目的地表示である。本発明によるOLEDが使用可能なさらなるデバイスは例えば、キーボード、被覆物品、家具、壁紙である。
【0154】
本発明はさらに、据え置き型視覚的ディスプレイユニット、例えばコンピュータの視覚的ディスプレイユニット、テレビ、プリンタにおける視覚的ディスプレイユニット、台所取り付け品、及び広告パネル、イルミネーション、情報パネル、及び可搬型視覚的ディスプレイユニット、例えば携帯電話、タブレット型パソコン、ラップトップ型パソコン、デジタルカメラ、MP3プレーヤー、バスや電車における車両表示と目的地表示、キーボード、被覆物品、家具、壁紙から成る群から選択されるデバイスであって、本発明による有機発光ダイオード少なくとも1種、又は本発明による発光層を少なくとも1つ有するデバイスに関する。
【0155】
以下の例は、単に説明のために例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。別記しない限り、全ての部とパーセンテージは、質量に対するものである。
【0156】
実施例
例1
【化98】
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a)6H−ベンズイミダゾロ[1,2−a]ベンズイミダゾール5.00g(24.1mmol)、2−ブロモジベンゾフラン6.56g(26.5mmol)、炭酸カリウム5.00g(36.2mmol)、及びヨウ化銅(I)920mg(4.8mmol)を1−メチル−2−ピロリドン(NMP)50ml中に入れた混合物をアルゴン下、200℃で24時間撹拌する。この反応混合物を20℃に冷却し、ジクロロメタン100mlを添加する。反応混合物は、シリカゲルによりジクロロメタンで濾過する。有機相は水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒は留去する。生成物は、メチルエチルケトン(MEK)で浸出させ、濾別する(収量2.50g(28%))。
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【化99】
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b)5−ジベンゾフラン−2−イルベンズイミダゾロ[1,2−a]ベンズイミダゾール3.00g(8.03mmol)をアルゴン下、50℃でDMF15mlに溶解させる。N−ブロモスクシンイミド2.14g(12.1mmol)を添加する。反応混合物をアルゴン下、50℃で18時間、撹拌する。沈殿した生成物を濾別し、DMF、エタノール、水、そして再度エタノールで洗浄する(収量2.85g(78%))。
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【化100】
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c)2−ブロモ−5−ジベンゾフラン−2−イル−ベンズイミダゾロ[1,2−a]ベンズイミダゾール1.50g(3.32mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,3,2−ジオキサボロラン1.50g(1.59mmol)、三塩基性リン酸カリウム一水和物4.02g(16.6mmol)、ジオキサン15ml、キシレン50ml、及び水10mlを、アルゴンで脱気する。2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(SPhos)82mg(0.20mmol)、及び酢酸パラジウム(II)7.4mg(0.033mmol)を添加する。この反応混合物をアルゴンで脱気し、22時間、100℃でアルゴン下に撹拌する。1%のシアン化ナトリウム溶液を40ml加え、反応混合物を1時間還流させ、20℃に冷却し、生成物を濾別する。この生成物を水とエタノールで洗浄し、MEK中に浸出させる(収量:1.05g(38.5%))。
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【0157】
例2
【化101】
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a)ヨードベンゼン19.7g(96.5mmol)、炭酸セシウム31.4g(96.5mmol)、ヨウ化銅(I)2.30g(12.1mmol)、及びL−プロリン2.78g(24.1mmol)を、DMSO150ml中の5H−ベンズイミダゾ[1,2−a]ベンズイミダゾール10.0g(48.3mmol)に、窒素下で添加する。反応混合物を26時間、120℃で撹拌し、Hyfloによりトルエンで濾過する。有機相は水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒は真空で除去する。この生成物をシリカゲルによりトルエンで濾過し、ジエチルエーテルで浸出する(収量:7.77g(57%))。
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【化102】
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b)この反応は、例1b)に従って行う。
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【化103】
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【0158】
c)2−ブロモ−5−フェニル−ベンズイミダゾロ[1,2−a]ベンズイミダゾール1.50g(4.14mmol)、三塩基性リン酸カリウム一水和物5.02g(20.7mmol)、ジオキサン15ml、トルエン50ml、及び水12mlを、9−[8−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ジベンゾフラン−2−イル]カルバゾール2.23g(4.56mmol)に加える。この混合物を、アルゴンで脱気する。2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(SPhos)100mg(0.250mmol)、及び酢酸パラジウム(II)93mg(0.042mmol)を添加する。この反応混合物をアルゴンで脱気し、21時間、100℃でアルゴン下に撹拌する。1%のシアン化ナトリウム溶液を40ml加え、反応混合物を1時間還流させる。有機相を分離し、再結晶した生成物を濾別し、エタノール、水、そしてエタノールで洗浄する。生成物はトルエンから再結晶する(収量1.52g(60%))。
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【0159】
例3
【化104】
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a)1−ブロモ−3−ヨード−ベンゼン7.78g(25mmol)、炭酸セシウム16.3g(50.0mmol)、ヨウ化銅(I)1.24g(6.50mmolg)、及びL−プロリン1.50g(13.0mmol)を、ジメチルスルホキシド(DMSO)100ml中の5H−ベンズイミダゾ[1,2−a]ベンズイミダゾール5.18g(25.0mmol)に、窒素下で添加する。反応混合物を18時間、100℃で撹拌し、水に注ぐ。有機相はジクロロメタンで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒は留去する。シリカゲルでトルエンによるカラムクロマトグラフィーにより、生成物が得られる(収量:8.35g(92%))。
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【化105】
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b)この反応は、例1b)に従って行うのだが、5−ジベンゾフラン−2−イルベンズイミダゾロ[1,2−a]ベンズイミダゾールではなく、5−(3−ブロモフェニル)ベンズイミダゾロ[1,2−a]ベンズイミダゾールを、開始材料として使用する点で異なる。
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【0160】
例4
【化106】
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a)酢酸10ml及び無水酢酸10ml中の、5−フェニルベンズイミダゾロ[1,2−a]ベンズイミダゾール(例2a)1.00g(3.53mmol)及びジアセトキシヨードベンゼン850mg(2.65mmol)を60℃に加熱し、それから25℃に冷却する。ヨウ素340mg(1.34mmol)を添加する。硫酸を10滴添加し、反応混合物を窒素下、25℃で18時間、撹拌する。生成物を濾別し、酢酸、エタノール、水、そして再度エタノールで洗浄する。生成物は、メチルエチルケトンで浸出させる(収量560mg(40%))。
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【化107】
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b)2−ヨード−5−フェニル−ベンズイミダゾロ[1,2−a]ベンズイミダゾール750mg(2.01mmol)、炭酸セシウム1.31g(4.02mmol)、ヨウ化銅(I)77mg(0.40mmol)、及びL−プロリン93mg(0.80mmol)を、ジメチルスルホキシド(DMSO)10ml中のカルバゾール460mg(221mmol)に、窒素下で添加する。反応混合物を23時間、120℃、窒素下で撹拌し、水に注ぎ、生成物を濾別する。シリカゲルでトルエンにより、それからトルエン/酢酸エチルによるカラムクロマトグラフィーによって、生成物が得られる。
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【0161】
例5
【化108】
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9−フェニル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)カルバゾールの合成は、国際特許出願第2012/023947号パンフレットA1に記載されている。2−ブロモ−5−ジベンゾフラン−2−イル−ベンズイミダゾロ[1,2−a]ベンズイミダゾール(例1c)1.30g(2.87mmol)、三塩基性リン酸カリウム一水和物3.21g(14.4mmol)、ジオキサン15ml、トルエン50ml、及び水10mlを、9−フェニル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)カルバゾール1.48g(3.45mmol)に加える。この混合物を、アルゴンで脱気する。2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(SPhos)71mg(0.17mmol)、及び酢酸パラジウム(II)6.5mg(0.029mmol)を添加する。この反応混合物をアルゴンで脱気し、6時間、100℃でアルゴン下に撹拌する。1%のシアン化ナトリウム溶液を40ml加え、反応混合物を1時間還流させる。水相はジクロロメタンで抽出し、20%のHClで洗浄する。有機相は硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を留去する。シリカゲルでトルエンによるカラムクロマトグラフィーにより、生成物が得られる。MS (APCI(pos), m/z): 615 (M+1)。
【0162】
例6
【化109】
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a)5−フェニルベンズイミダゾロ[1,2−a]ベンズイミダゾール5.00g(17.7mmol)、(ジアセトキシヨード)ベンゼン5.12g(15.9mmol)、及びヨウ素4.03g(15.9mmol)を、25℃で28時間撹拌する。反応混合物を、10%の次亜硫酸ナトリウム溶液に注ぐ。生成物を濾別し、水とエタノールで洗浄し、ジエチルエーテルで浸出し、濾別し、エーテルで洗浄し、メチルエチルケトン(MEK)で浸出する(収量:5.67g(87%))。
【化110】
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b)NMP150ml中の、2−ヨード−5−フェニル−ベンズイミダゾロ[1,2−a]ベンズイミダゾール5.00g(12.2mmol)、カルバゾール2.25g(13.4mmol)、炭酸カリウム2.53g(18.3mmol)、及びヨウ化銅470mg(2.44mmol)を窒素下、200℃で25時間撹拌する。溶媒は留去する。ジクロロメタンを添加し、有機相を水、30%のNaOH、水、及び1−アミノ−1−プロパノールの1モル水溶液で洗浄する。有機相は硫酸マグネシウムで乾燥させ、シリカゲルで濾過する。シリカゲルでトルエン/酢酸エチル(100:1)によるカラムクロマトグラフィーにより、生成物が得られる(収量:4.21g(77%))。
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【0163】
例7
【化111】
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a)酢酸100ml中の、カルバゾール76.9g(0.460mol)、及び1−ヨードピロリジン−2,5−ジオン(NIS)104g(0.460mol)を、窒素下、20℃で撹拌する。5時間後に、生成物を濾別する。炭2gを用いて、エタノール900mlから生成物を再結晶させる。エタノール溶液は、温かい状態で濾過する。エタノール溶液を20℃に冷却し、生成物を濾別する(収量59.5g(44%))。
【化112】
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b)テトロヒドロフラン(THF)中の、3−ヨード−9H−カルバゾール19.7g(67.0mmol)、及び鉱油中で60%の水素化ナトリウム2.95g(73.7mmol)を、50℃で窒素下、1時間撹拌する。THF100ml中の4−メチルベンゼンスルホニルクロリド12.8g(67.0mmol)を、20℃で添加する。反応混合物を1時間、20℃で撹拌し、それから1時間、50℃で撹拌する。溶液を濾過し、溶媒を留去する。酢酸エチル200mlを添加し、有機相をクエン酸溶液、炭酸水素ナトリウム、及び水で洗浄する。生成物が再結晶し始めるまで、溶媒を一部除去する。生成物を濾別し、メタノールで洗浄する(収量23g(79%))。
【化113】
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c)ジオキサン900ml中の、6H−ベンズイミダゾロ[1,2−a]ベンズイミダゾール36.0g(174mmol)、3−ヨード−9−(p−トリルスルホニル)カルバゾール77.8g(174mmol)、リン酸カリウム106g(0.500mol)、ヨウ化銅5.5g(28.9mmol)、及びトランスシクロヘキサン−1,2−ジアミン111g(0.972mol)を100℃で48時間、窒素下で撹拌する。生成物を濾別し、ジオキサンとエタノールで洗浄し、精製せずに次の反応工程で使用する。
【化114】
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d)エタノール500mlに水酸化カリウム溶液11.3g(202mmol)を入れた溶液を窒素下、5分以内に、沸騰しているエタノール500ml中の5−[9−(p−トリルスルホニル)カルバゾール−3−イル]ベンズイミダゾロ[1,2−a]ベンズイミダゾール53g(101mmol)に加える。5時間後に生成物を濾別し、エタノール、水、及びメタノールで洗浄する(収率32g(85.4%))。
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【化115】
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e)ジオキサン10ml中の、5−(9H−カルバゾール−3−イル)ベンズイミダゾロ[1,2−a]ベンズイミダゾール480mg(1.29mmol)、2−ヨード−5−フェニル−ベンズイミダゾロ[1,2−a]ベンズイミダゾール530mg(1.29mmol)、ヨウ化銅100mg(0.525mmol)、リン酸カリウム1.06g(5.00mmol)、及びトランスシクロヘキサン−1,2−ジアミン1.00g(8.76mmol)を窒素下で6時間、還流させる。生成物を濾別し、ジオキサンで洗浄し、それからメタノールで洗浄する(収率:440mg(52%))。
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【0164】
例8
【化116】
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DMSO10ml中の、2−ヨード5−フェニル−ベンズイミダゾロ[1,2−a]ベンズイミダゾール1.00g(2.44mmol)、6H−ベンズイミダゾロ[1,2−a]ベンズイミダゾール610mg(2.93mmol)、ヨウ化銅93mg(0.49mmol)、炭酸セシウム1.59g(4.489mmol)、及びL−プロリン113mg(0.98mmol)を150℃で窒素下、43時間、撹拌する。反応混合物を水に注ぎ、生成物を濾別する。生成物を水で洗浄する。シリカゲルでトルエン/酢酸エチル(19:1、その後1:1)によるカラムクロマトグラフィーによって、生成物が得られる(収量:220mg(18%))。
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【0165】
例9
【化117】
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2−ブロモ−5−フェニル−ベンズイミダゾロ[1,2−a]ベンズイミダゾール1.00g(2.76mmol)、2−ジベンゾフラン−4−イル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン1.15g(3.31mmol)、炭酸カリウム1.91g(13.8mmol)、ジオキサン10ml、キシレン30ml、及び水7mlを、アルゴンで脱気する。2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(SPhos)23mg(0.055mmol)、及び酢酸パラジウム(II)6.2mg(0.028mmol)を添加する。この反応混合物をアルゴンで脱気し、21時間、120℃でアルゴン下に撹拌する。1%のシアン化ナトリウム溶液を40ml加え、反応混合物を1時間還流させる。ジクロロメタンを添加し、有機相を分離する。有機相は硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を留去する。生成物はトルエンに浸出させ、濾別し、トルエンで洗浄する(収量:0.91g(73%))。
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【0166】
例10
【化118】
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a)5−(3,5−ジフェニルフェニル)ベンズイミダゾロ[1,2−a]ベンズイミダゾール4.70g(10.8mmol)、(ジアセトキシヨード)ベンゼン3.30g(10.2mmol)、及びヨウ素2.60g(10.3mmol)を、25℃で18時間撹拌する。反応混合物を、10%の次亜硫酸ナトリウム溶液に注ぐ。生成物を濾別し、水とエタノールで洗浄し、t−ブチルメチルエーテルで浸出し、濾別し、t−ブチルメチルエーテルで洗浄する(収率:5.64g(98%))。
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【化119】
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b)例6b)を繰り返すのだが、2−ヨード−5−フェニルベンズイミダゾロ[1,2−a]ベンズイミダゾールではなく、例10a)の生成物を使用する。
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【0167】
例11
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
例6b)を繰り返すのだが、2−ジベンゾフラン−4−イル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランではなく、9−フェニル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)カルバゾールを使用する。
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【0168】
適用例1
アノードとして使用するITO基板をまず、超音波浴内でアセトン/イソプロパノール混合物により清浄化する。あらゆる有機残渣を排除するため、この基板をオゾン炉内でさらに25分にわたって、連続的なオゾン流にさらす。この処理によりまた、ITOの正孔注入特性が改善される。それからPlexcore(登録商標)OC AJ20-1000(Piextronics Inc.社から市販で入手可能)をスピンコートし、乾燥させて正孔注入層を形成する(最大40nm)。
【0169】
それから、以下に記載する有機材料を蒸着によって清浄な基板に、約0.5〜5nm/分の速度で、約10-7〜10-9mbarで施与する。正孔輸送材料及び励起子ブロック材料としては
【化121】
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(その製造については、国際特許出願第2005/019373号パンフレットのIr錯体(7)を参照)を、厚さ20nmの基板に適用し、ここで最初の10nmは、伝導性を改善するために、MoOx(最大10%)でドープする。
【0170】
引き続き、発光化合物の
【化122】
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の化合物10質量%、Ir(dpbic)35質量%、及び
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物85質量%から成る混合物を、蒸着により厚さ40nmで施与する。続いて、材料(A−43)を蒸着により、厚さ5nmでブロック材料として施与する。その後、
【化124】
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50質量%、及びLiq
【化125】
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50質量%から成る厚さ20nmの電子輸送層が堆積される。最後に、2nmのKF層が、電子注入層として用いられ、厚さ100nmのAl電極により、デバイスが完成する。
【0171】
作製された部品は、ガラス蓋とゲッターで不活性窒素雰囲気中に封止される。OLEDの特性を決めるため、エレクトロルミネッセンススペクトルを、様々な電流と電圧で記録する。加えて、電流/電圧特性を、放出されるアウトプット光と組み合わせて、測定する。アウトプット光は光度計により較正して、光度パラメーターに変換できる。
【表1】
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1)外部量子効率(EQE)は、基板又はデバイスから逃げた生成光子の数/基板又はデバイスを通じて流れる電子の数である。
【0172】
適用例2
基板処理は、例1と同様に行う。
【0173】
それから、以下に記載する有機材料を蒸着によって清浄な基板に、約0.5〜5nm/分の速度で、約10-7〜10-9mbarで施与する。正孔輸送材料及び励起子ブロック材料として
【化126】
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(その製造については、国際特許出願第2005/019373号パンフレットのIr錯体(7)を参照)、厚さ20nmの基板に適用し、ここで最初の10nmは、伝導性を改善するために、MoOx(最大10%)でドープする。続いて、発光化合物の
【化127】
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10質量%、化合物Ir(dbic)35質量%、及び化合物(A−43)85質量%から成る混合物を、蒸着により厚さ40nmで施与する。続いて、材料(A−43)を蒸着により、厚さ5nmでブロック材料として施与する。その後、化合物(C−1)50質量%、及びLiq50質量%から成る、厚さ20nmの電子輸送層を堆積させる。最後に、2nmのKF層が電子注入層として用いられ、厚さ100nmのAl電極により、デバイスが完成する。
【0174】
作製された部品は、ガラス蓋とゲッターで不活性窒素雰囲気中に封止される。
【0175】
デバイスの特性付けは、例1と同様に行う。
【表2】
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1)外部量子効率(EQE)は、基板又はデバイスから逃げた生成光子の数/基板又はデバイスを通じて流れる電子の数である。
【0176】
適用例3
フォトルミネッセンス測定のための試料作製は周辺雰囲気で、溶液法によって行う。その後、化合物
【化128】
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96質量%、及び化合物
【化129】
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4質量%を、メチルエチレンクロリドに溶解させ、ドクターブレードで石英基板に堆積させる。
【0177】
フォトルミネッセンススペクトル、及びフォトルミネッセンス量子効率(PLQE)は、絶対量子収率測定システム「Quantaurus」(日本国、浜松ホトニクス社製)を用いて、室温、励起波長370nmで測定する。
【表3】
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【0178】
比較適用例1
デバイスの作製は適用例1と同様に行うが、化合物(A−43)を、化合物
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
に置き換える点で異なる。
【0179】
適用例4
デバイスは、比較適用例1と同様に作製するが、発光層において化合物V−1を、化合物
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
に置き換える点で異なる。
【0180】
下記の表によって、化合物A−24が、化合物V−1に比べて、より少ない電圧と、同等の量子効率で著しく青にシフトした色を示すことが、明らかに分かる。
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【0181】
適用例5
基板処理は、適用例1と同様に行う。
【0182】
それから、以下に記載する有機材料を蒸着によって清浄な基板に、約0.5〜5nm/分の速度で、約10-7〜10-9mbarで施与する。
【0183】
まず厚さ10nmの正孔輸送層
【化132】
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を、伝導性を改善するために、MoOx(最大10%)でドープした基板に堆積させる。材料
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
をブロック材料として、厚さ10nmで堆積させる。
【0184】
それから、発光化合物
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
10質量%、化合物Ir(dpbic)35質量%、及び化合物(V−1)85質量%から成る混合物を、蒸着により厚さ40nmで施与する。その後、化合物(C−1)50質量%、及びLiq50質量%から成る、厚さ20nmの電子輸送層を堆積させる。最後に、2nmのKF層が、電子注入層として用いられ、厚さ100nmのAl電極により、デバイスが完成する。作製された部品は、ガラス蓋とゲッターで不活性窒素雰囲気中に封止される。デバイスの特性付けは、例1と同様に行う。
【0185】
比較適用例2
デバイスは適用例5と同様に作製するが、ブロック材料A−51を、化合物
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
によって置き換える。
【0186】
以下の表に示すように化合物A−51によって、化合物V−2と比較して、より良好な正孔注入と電圧の削減につながり、またより良好な量子効率につながる。
【表5】
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