(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231565
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】マルチ受信アンテナシステムにおけるチャネル推定方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04B 7/0413 20170101AFI20171106BHJP
【FI】
H04B7/0413 210
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-526871(P2015-526871)
(86)(22)【出願日】2013年8月16日
(65)【公表番号】特表2015-532036(P2015-532036A)
(43)【公表日】2015年11月5日
(86)【国際出願番号】CN2013081683
(87)【国際公開番号】WO2014026650
(87)【国際公開日】20140220
【審査請求日】2016年7月21日
(31)【優先権主張番号】201210294420.6
(32)【優先日】2012年8月17日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509024525
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100080001
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100093023
【弁理士】
【氏名又は名称】小塚 善高
(74)【代理人】
【識別番号】100117008
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 章子
(72)【発明者】
【氏名】熊 高才
(72)【発明者】
【氏名】秦 洪峰
(72)【発明者】
【氏名】肖 悦
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 宏志
【審査官】
太田 龍一
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2012/0147761(US,A1)
【文献】
Gunther Auer,Analysis of pilot-symbol aided channel estimation for OFDM systems with multiple transmit antennas,2004 IEEE INTENATIONAL CONFERENCE ON COMMUNICATIONS; ICC 2004,2004年 6月20日
【文献】
Jan-Jaap van de Beek etal,On Channel Estimation in OFDM System,Proceedings of Vehicular Technology Conference (VTC'95),1995年 9月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/04
H04J 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
最小二乗法チャネル推定アルゴリズムを用いて、受信したパイロット信号にチャネル推定を行って、推定値
を得るステップ、
次元チャネル自己相関行列
と送信アンテナiからいずれかの受信アンテナへのチャネル周波数ドメイン自己相関行列
(ここで、
で、
は送信端のアンテナ数量である)とを取得し、干渉及び雑音を除去した後の重み値行列Wを演算するステップと、
行列Wを用いて推定値
に補正を行って補正後の推定値
を得るステップと、を含
み、
前記演算で得られる干渉及び雑音を除去した後の重み値行列は
であって(ここで、
は自己相関行列
の前のK行と前のK列の要素からなるサブ行列であって、Kはユーザが占めるサブ搬送波の数量で、
は白色雑音のパワーで、
は単位行列である)、
前記取得した送信アンテナiからいずれかの受信アンテナへのチャネル周波数ドメイン自己相関行列は
であって(ここで、
は対角行列で、
は対角行列
の共役転置行列で、行列
の第l個の対角要素は
である)、
前記取得した
次元チャネル自己相関行列
である(ここで、Mはサイクリックプレフィックスの長さで、
は
点FFT変換行列で、
は
の共役転置行列である)マルチ受信アンテナシステムにおけるチャネル推定方法。
【請求項2】
前記補正後のチャネル推定値は
である請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
最小二乗法チャネル推定アルゴリズムを用いて、受信したパイロット信号にチャネル推定を行って、推定値
を得る初期推定モジュールと、
次元チャネル自己相関行列
と送信アンテナiからいずれかの受信アンテナへのチャネル周波数ドメイン自己相関行列
(ここで、
で、
は送信端のアンテナ数量である)とを取得し、干渉及び雑音を除去した後の重み値行列Wを演算する重み値演算モジュールと、
行列Wを用いて、前記推定値
に補正を行って、補正後の推定値
を得る推定補正モジュールと、を含
み、
前記演算モジュールが演算して得た干渉及び雑音を除去した後の重み値行列は
であって(ここで、
は自己相関行列
の前のK行と前のK列の要素からなるサブ行列で、Kはユーザが占めるサブ搬送波の数量で、
は白色雑音のパワーで、
は単位行列である)、
前記重み値演算モジュールが取得した送信アンテナiからいずれかの受信アンテナへのチャネル周波数ドメイン自己相関行列は
であって(ここで、
は対角行列で、
は対角行列
の共役転置行列で、行列
の第l個の対角要素は
である)、
前記重み値演算モジュールが取得した
次元チャネル自己相関行列は
である(ここで、Mはサイクリックプレフィックスの長さで、
は
点FFT変換行列で、
は
の共役転置行列である)マルチ受信アンテナシステムにおけるチャネル推定装置。
【請求項4】
前記推定補正モジュールが補正した後のチャネル推定値は
である請求項
3に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチ受信アンテナ通信システムに関し、具体的に、多重搬送波マルチアンテナシステムにおけるチャネル推定技術に関する。
【背景技術】
【0002】
無線チャネルのドップラー効果やマルチパス現象によって受信信号の振幅や位相にひずみが発生したりコード間の干渉が発生したりする。多重搬送波通信システム(OFDMとSC−FDM)は、サイクリックプレフィックスを介して有効なコード間の干渉を防止する能力を得たが、マルチアンテナ(MIMO)システムはアンテナ間の減衰の独立性を介して、リングの安定性を向上させ、又はシステムの容量を増加させる。両方の結合によって無線チャネルの特徴の大きく開発し、そのデメリットを容量を増加させることのできる有益な要素に変換させたので、多重搬送波MIMOシステムは新世代の移動通信に汎用されている(例えば、LTEとWiMax)。
【0003】
送信信号を順調に回復するため、チャネル推定は多重搬送波MIMOシステム受信機における不可欠なステップである。多重搬送波システムのチャネル推定は主に、ブラインドチャネル推定とパイロット補助チャネル推定の2種類に分けられ、ここで、パイロット補助チャネル推定は一層高い推定正確度及び安定性が得られるので、実際のシステムに汎用されている。多重搬送波MIMOシステムは、伝統的な多重搬送波システム中のパイロット補助チャネル推定と異なって、複数のアンテナ間の通路のチャネル利得の取得に係わっているので、特別な案内方案をデザインしてマルチアンテナ間の干渉を回避する必要があり、本発明において以下のような周波数ドメイン符号分割パイロットをデザインする。
【0004】
【数1】
【0005】
【数2】
【0006】
先ず、現在よく見られるOFDM(同様に、SC−FDMに適用)における3種類のパイロットに基づくチャネル推定技術を説明する。
最小二乗法(LS)チャネル推定:LSチャネル推定は、OFDMシステムにおける最も基本的で、最も簡単なチャネル推定方法である。当該方法によると、パイロットサブ搬送波位置の受信信号を直接にパイロット信号の逆と掛け算してチャネルの推定値とし、LSチャネル推定もその他の更に複雑なチャネル推定技術の基礎ステップである。LSチャネル推定は演算複雑度が一番低いが、当該方法において雑音及びアンテナ間の干渉による推定性能の悪化を完全に考慮していなく、当該方法を用いるとシステムの性能に厳重な影響を与えることになる。
【0007】
離散フーリエ変換に基づく(DFT−Based)チャネル推定:DFT−Basedチャネル推定は、タイムドメインチャネルのベクトルエネルギーが集中している特徴を用いて、雑音の除去及び干渉の抑制処理を行う。先ず、周波数ドメインLSチャネル推定を行ってから、チャネル周波数ドメインの応答値にIDFT変換を行ってタイムドメインを得て、チャネルの衝撃応答にウィンドウ処理を行うことで雑音を抑制し、最終に、DFT変換を経て周波数ドメインを得て、最終的なチャネル周波数ドメイン応答推定値を得ることができる。DFT操作が高速の計算機実行方法を有するので、DFT−Based技術は複雑度が低く、ウィンドウ操作により雑音及びアンテナ間の干渉を有効に抑制できるが、タイムドメインチャネルのエネルギーの漏洩現象によって、当該技術は有用な情報の損失及び残りのアンテナ間の干渉の影響を避けることができなくなる。
【0008】
線形最小平均二乗誤差(LMMSE)チャネル推定:LMMSEアルゴリズムは、チャネル統計情報を用いて、最小平均二乗誤差の線形推定を得て、線形の最適な推定アルゴリズムである。LMMSEアルゴリズムは演算複雑度が高く、且つ、チャネルの統計情報で推定しなければならなく、これは実際に得られにくいものである。
【0009】
本発明の実施例において、実際のLMMSEチャネル推定であるPLMMSE(Practical LMMSE)技術を提供し、実際に実現可能なチャネル推定アルゴリズムであって、送信機のマルチアンテナが周波数ドメイン符号分割多重化を使用した場合に、正確なチャネル推定が得られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の実施例は、一層有効なチャネル推定を提供してMIMO検知を行う共に、少ない事前統計情報を必要とする実際のLMMSEチャネル推定アルゴリズムを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
【数3】
【0012】
【数4】
【0013】
前記PLMMSE技術は、上述したLS推定に基づいて行われ、以下のステップを含む:
【数5】
【0014】
【数6】
【0015】
【数7】
【0016】
【数8】
【発明の効果】
【0017】
メリット:
本発明の実施例は周波数ドメイン符号分割多重化案内配置場合のマルチアンテナのチャネル推定に応用でき、チャネル統計情報が把握できていない状況においても、できる限りLMMSE技術に接近する性能が得られ、且つステップが簡単である。本発明の実施例に提供されるPLMMSEチャネル推定は、DFT−Basedチャネル推定アルゴリズムに比べ、その性能が約1.5db向上される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の実施例の典型的な送信機の構造を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例の典型的な受信機の構造を示す図である。
【
図3】
図3は、チャネル推定操作を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、本発明の実施例に係るマルチ受信アンテナシステムにおけるチャネル推定装置の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、送信アンテナが二つである場合を例に本発明の実施例を詳しく説明する。
図1は、本発明の実施例の典型的な送信機の構造を示す図で、SC−FDMAに基づく送信アンテナ2受信アンテナ2のV−BLASTシステムベースバンドモデルにおいて、ユーザデータはモジュール1による直並列変換を経てから二つのパスに分けられてモジュール2による変調を経て、その後、モジュール3によって周波数ドメインにDFT(600点FFT変換を用いることができる)変換され、周波数ドメインにおいてモジュール5を用いて連合してパイロットを挿入する。周波数ドメインのシンボルとパイロットシンボルはサブ搬送波によるマッピングを経て他のユーザとの周波数分割多重化を実現し、また、モジュール6によってタイムドメインにIFFT(1024点IFFT変換)変換され、最後に、モジュール7においてCP(通常のCP又は非通常のCP)が付加された後、モジュール8によって周波数変換されてから送信される。
【0020】
図2は、本発明の実施例の典型的な受信機の構造を示す図で、受信端において、先ず、ダウンコンバート操作(モジュール18によって実現する、ここで、18はモジュール8に対応する逆プロセスを示し、他の番号も類似する)を行って、二つの受信アンテナがそれぞれモジュール17を用いてCPの除去処理を行い、モジュール16によって周波数ドメインにFFT変換させ、周波数ドメインにおいてモジュール15によりデマッピング操作を行って、減衰されたチャネル及び雑音の影響を受けた送信信号が得られ、この時、依然として分離している2パスの送信信号であって、その後、受信機がデータシンボルにモジュール14を用いてチャネル推定を行い、その後、モジュール13によりMIMO検知操作を行い、それから、分離された信号にそれぞれIDFT変換を行って、モジュール11により復調操作を行って各アンテナの送信データを得て、最終に、モジュール10により直並列変換を行って送信データを得る。
【0021】
図3は、本発明の実施例のチャネル推定操作を示すフローチャートである。具体的には以下のとおりである。
受信したパイロットシンボルに、ダウンコンバート、A/D、CPの除去、N点FFTの処理を行って逆多重化して
【数9】
を得て、LS推定を行って
【数10】
を得て、当該推定はモジュール21と22によって行い、本発明の実施例において提出する方案は、LS推定に基づいて行われるもので、具体的には以下のステップを含む。
【0022】
【数11】
ここで、MはCP長さである。当該行列はチャネルの統計情報を示し、モジュール23によって得られるものである。
【0026】
図4は、本発明の実施例に係るマルチ受信アンテナシステムにおけるチャネル推定装置の構造を示す図で、
図4に示すように、最小二乗法チャネル推定アルゴリズムを用いて、受信したパイロット信号にチャネル推定を行って、
【数15】
を得る初期推定モジュール410と、
【数16】
、及び、送信アンテナiからいずれかの受信アンテナへの
【数17】
を取得し、干渉及び雑音を除去した後の重み値行列Wを演算する
【数18】
重み値演算モジュール420と、前記重み値行列Wを用いて、
【数19】
に補正を行って補正後の
【数20】
を得る推定補正モジュール430と、を備える。
【0027】
前記重み値演算モジュール420が、演算して得た干渉及び雑音を除去した後の重み値行列は
【数21】
であることが好ましく、ここで、
【数22】
【0028】
前記重み値演算モジュール420が取得した送信アンテナiからいずれかの受信アンテナへのチャネル周波数ドメイン自己相関行列は
【数23】
であることが好ましく、ここで、
【数24】
【0030】
前記推定補正モジュール430が補正した後のチャネル推定値が
【数26】
であることが好ましい。
【0031】
上述において、具体的な実施例を介して本発明を詳しく説明し、上述の実施例の説明は当業者に本発明を製造及び応用させるためのものであって、当業者はこられの実施例の各種の修正を容易に理解できる。本発明は、LTEアップリンクチャネル推定の処理のみに限定されることなく、ダウンリンクチャネル又は更に多い送信アンテナの場合にも応用できる。本発明はこれらの例又はその中の一部の方面に限定されることがない。
【0032】
上述において本発明の一好適な実施例を明示及び説明したが、上述したように、本発明は上述の形態に限定されなく、他の実施例の排除を表するものでもなく、各種の組合せ、修正及び環境に応用でき、また、本発明の発明構想範囲内で、上記の示唆又は関連分野の技術又は知識を用いて改善することもできる。当業者が行う改善及び変更が本発明の精神及び範囲を超えないと、本発明の特許請求の範囲の保護範囲に所属される。
【符号の説明】
【0033】
410 初期推定モジュール
420 重み値演算モジュール
430 推定補正モジュール