特許第6231568号(P6231568)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6231568鏡筒駆動装置を迅速及び全面に検測可能な装置で鏡筒駆動装置を検測する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231568
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】鏡筒駆動装置を迅速及び全面に検測可能な装置で鏡筒駆動装置を検測する方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20060101AFI20171106BHJP
【FI】
   G02B7/02 C
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-531438(P2015-531438)
(86)(22)【出願日】2013年8月16日
(65)【公表番号】特表2015-528591(P2015-528591A)
(43)【公表日】2015年9月28日
(86)【国際出願番号】CN2013081596
(87)【国際公開番号】WO2014040472
(87)【国際公開日】20140320
【審査請求日】2015年9月10日
(31)【優先権主張番号】201210340581.4
(32)【優先日】2012年9月14日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515047138
【氏名又は名称】愛佩儀光電技術(深▲せん▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】劉 錦潮
(72)【発明者】
【氏名】劉 志遠
(72)【発明者】
【氏名】鈔 晨
(72)【発明者】
【氏名】麦 練智
【審査官】 川俣 洋史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−237379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02
G01B 9/02
G01B 11/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒駆動装置を迅速及び全面に検測可能な装置で鏡筒駆動装置を検測する方法であって、該方法は、
A.鏡筒駆動装置をフレーム上に載置させることにより、錐形体を鏡筒駆動装置の鏡筒内に位置させるステップと、
B.カメラで錐形体で反射された鏡筒内部の特徴表示映像を収集するステップと、
C.鏡筒駆動装置内の鏡筒の移動及び/又は鏡筒の傾斜角度を変更するステップと、
D.鏡筒の移動及び/又は鏡筒の傾斜角度を変更した後、カメラで錐形体で反射された鏡筒内部の特徴表示映像を再び収集するステップと、
E.カメラに写った鏡筒内部の特徴表示映像の変化により、式 di−ei=Δdi=kΔpi、i[1、4]を算出するステップであって、この式において、diは鏡筒の底部とフレームとの間の距離であり、eiは鏡筒の移動及び/又は鏡筒の傾斜角度が変更されていない時の鏡筒の底部とフレームとの間の距離であり、Δpiは鏡筒の移動及び/又は鏡筒の傾斜角度が変更された後、画像中の特徴表示映像の位置が、鏡筒の移動及び/又は鏡筒の傾斜角度が変更されていない時の位置に相対する変化(単位は画素である)であり、kは画素と目標物理距離との間の関係係数である、ステップと、
F.Δdiによって鏡筒の移動Sと傾斜角θx及びθyを計算して得るステップであって、S=(Δdi)/4であり、θx=tan−1(d3−d4)/aであり、θy=tan−1(d1−d2)/aであり、かつこの式において、aは鏡筒の直径であり、d1は鏡筒が第一位置に位置する時の鏡筒底部の最高点とフレームとの間の距離であり、d2は鏡筒が第一位置に位置する時の鏡筒底部の最低点とフレームとの間の距離であり、d3は鏡筒が第二位置に位置する時の鏡筒底部の最高点とフレームとの間の距離であり、d4は鏡筒が第二位置に位置する時の鏡筒底部の最低点とフレームとの間の距離である、ステップと、
を含み、
鏡筒駆動装置を迅速及び全面に検測可能な前記装置は、鏡筒駆動装置を固定するフレーム、錐形体及びカメラを含み、錐形体の外表面は鏡面であり、錐形体はフレーム上に取付けられ、カメラは錐形体の上方に設けられることを特徴とする鏡筒駆動装置を迅速及び全面に検測可能な装置で鏡筒駆動装置を検測する方法。
【請求項2】
前記ステップAにおいて、錐形体の尖端部は鏡筒駆動装置の鏡筒の中心線に位置することを特徴とする請求項に記載の鏡筒駆動装置を迅速及び全面に検測可能な装置で鏡筒駆動装置を検測する方法。
【請求項3】
前記錐形体の斜面角度は、該斜面での反射で鏡筒駆動装置内部の光線をカメラ内に反射することを満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の鏡筒駆動装置を迅速及び全面に検測可能な装置で鏡筒駆動装置を検測する方法
【請求項4】
前記錐形体の斜面角度は45度であることを特徴とする請求項に記載の鏡筒駆動装置を迅速及び全面に検測可能な装置で鏡筒駆動装置を検測する方法
【請求項5】
前記錐形体は支持物上に固定装着され、該支持物はフレーム上に固定装着されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の鏡筒駆動装置を迅速及び全面に検測可能な装置で鏡筒駆動装置を検測する方法
【請求項6】
前記錐形体は円錐体、四角錐体又は三角錐体であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の鏡筒駆動装置を迅速及び全面に検測可能な装置で鏡筒駆動装置を検測する方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鏡筒駆動装置の検測装置及びこの方法に関し、特に鏡筒駆動装置を迅速及び全面に検測可能な装置、システム及びこの方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタル映像技術の益々の発展に伴い、デジタルカメラ、デジタルビデオなどのデジタル映像装置は人々の生活に広く応用され、デジタル映像装置の画素も益々増加している。現在、二百万以上の画素を有している高画素カメラを採用する大部分のデジタル装置はいずれも、鏡筒駆動装置で鏡筒の位置を移動させることにより、自動合焦を実現し、写真又は動画の品質を向上させる目的を実現する。このような高画素カメラがデジタル装置に用いられる例が増加しているので、所定の鏡筒駆動装置の需要も増加している。鏡筒駆動装置を大量生産する過程において、鏡筒駆動装置を迅速及び全面に検測可能な検測方法を採用することにより、この品質を確保することができる。鏡筒駆動装置を全面に検測するとき、検測すべき項目は、鏡筒駆動装置と鏡筒移動(鏡筒とイメージセンサとの間の相対的距離)との間の関係の検測に加え、鏡筒の傾斜程度の検測を更に含む。なぜなら、鏡筒の傾斜程度が大きすぎると、映像の中心部分が焦点合致状態になることができるが、映像の辺縁が焦点外れ状態になり、映像の品質に影響を与えるおそれがある。また、様々な鏡筒駆動装置において、傾斜式防震鏡筒駆動装置(例えば、特許文献1と特許文献2)は、鏡筒の傾斜程度を変更することによって、光学式手振れ補正の効果を奏する。このような鏡筒駆動装置において、鏡筒の傾斜程度が光学式手振れ補正の効果に直接に影響を与えるので、鏡筒の傾斜程度が重要な役割をしている。
【0003】
鏡筒駆動装置を全面に検測する従来の方法として、まず鏡筒を鏡筒駆動装置内に取付けた後、色々な方法で鏡筒の移動と鏡筒の傾斜程度を検測する。例えば、鏡筒の上部において距離センサーを使用し鏡筒の上部位置を検出することにより鏡筒の移動を計算する。次に、仮設鏡筒の下方に一層の反射膜を鍍金し、この反射膜にレーザーを放射し、かつこの反射膜に反射されるレーザーの位置により、鏡筒の傾斜角を計算する。
【0004】
従来の検測方法において、仮設鏡筒を鏡筒駆動装置に取付けて検測するとき、仮設鏡筒を鏡筒駆動装置に挿入した後、鏡筒駆動装置から仮設鏡筒を取り出す必要があるので、以下のような問題を起こすおそれがある。
【0005】
一、仮設鏡筒を挿入するか或いは取り出すことにより、所定の道具を使用する必要があり、手間及び時間がかかるので、検測のコストが増加するとともに作業費用が増加し、かつ鏡筒駆動装置の生産効率が低下する。
【0006】
二、仮設鏡筒を挿入するか或いは取り出すとき、鏡筒駆動装置と仮設鏡筒に摩損が発生するおそれがある。これにより、鏡筒駆動装置を生産するときの不良品比率が増加し、かつ検測コスト及び作業費用が増加するおそれがある。
【0007】
鏡筒駆動装置を検測するとき、摩損によって発生したほこりが鏡筒駆動装置内に入るおそれがあり、かつこの鏡筒駆動装置をカメラモジュールへ取り付けるとき、該鏡筒駆動装置内のほこりがイメージセンサに付着するおそれがある。これにより、カメラの撮影品質に影響を与え、カメラモジュールの不良品比率が増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0237517号明細書
【特許文献2】中国特許第200810090504.1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した従来技術の鏡筒駆動装置が有している問題を解決するため、本発明は鏡筒駆動装置を迅速及び全面に検測可能な装置及びこの方法を提供する。すなわち、錐形体の鏡面で鏡筒駆動装置の鏡筒内の映像を反射し、カメラでこの映像を収集することにより、鏡筒駆動装置の移動状況を算出する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述した技術問題を解決するため下記の技術事項、すなわち鏡筒駆動装置を迅速及び全面に検測可能な装置を採用する。この装置は、鏡筒駆動装置を固定するフレーム、錐形体及びカメラを含む。該錐形体の外表面は鏡面であり、該錐形体はフレーム上に取付けられ、カメラは錐形体の上方に設けられる。
【0011】
上述した鏡筒駆動装置を迅速及び全面に検測可能な装置を採用するシステムであり、このシステムは、検測装置、コントロールパネル及びパソコンを含む。パソコンは制御指令をコントロールパネルに送信する。コントロールパネルで鏡筒駆動装置の移動を制御することにより、カメラは錐形体で反射される光線を収集し、かつこれらをパソコンに送信して検測処理を行う。
【0012】
上述した鏡筒駆動装置を迅速及び全面に検測可能な前記装置で鏡筒駆動装置を検測する方法であり、この方法は下記のステップを含む。すなわち、
A.鏡筒駆動装置をフレーム上に載置させることにより、錐形体を鏡筒駆動装置の鏡筒内に位置させるステップと、
B.カメラで錐形体で反射された鏡筒内部の特徴表示映像を収集するステップと、
C.鏡筒駆動装置内において鏡筒の移動及び/又は鏡筒の傾斜角度を変更するステップと、
D.鏡筒の移動及び/又は鏡筒の傾斜角度を変更した後、カメラで錐形体で反射された鏡筒内部の特徴表示映像を再び収集するステップと、
E.カメラに写った鏡筒内部の特徴表示映像の変化により、式 di-ei=Δdi=kΔpi, i [1, 4]を算出するステップであって、この式において、diは鏡筒の底部とフレームとの間の距離であり、eiは鏡筒の移動及び/又は傾斜角度を変更していない時の鏡筒の底部とフレームとの間の距離であり、Δpiは鏡筒の移動及び/又は鏡筒の傾斜角度を変更した後、画像中の特徴表示映像の位置が鏡筒の移動及び/又は鏡筒の傾斜角度を変更していない時の位置に相対する変化(単位は画素である)であり、kは画素と目標物理距離との間の関係係数であるステップと、
F.Δdiによって鏡筒の移動Sと傾斜角θx及びθyを計算して得るステップであって、S=(Δdi)/4であり、θx=tan−1(d3−d4)/aであり、θy=tan−1(d1−d2)/aであり、かつこの式において、aは鏡筒の直径であり、d1は鏡筒が第一位置に位置する時の鏡筒底部の最高点とフレームとの間の距離であり、d2は鏡筒が第一位置に位置する時の鏡筒底部の最低点とフレームとの間の距離であり、d3は鏡筒が第二位置に位置する時の鏡筒底部の最高点とフレームとの間の距離であり、d4は鏡筒が第二位置に位置する時の鏡筒底部の最低点とフレームとの間の距離であるステップとを含む。
【0013】
本発明が上述した技術問題を解決するため採用する技術事項は下記の事項を更に含む。
【0014】
前記錐形体の斜面角度は、この斜面での反射で鏡筒駆動装置内部の光線をカメラ内に反射することを満たす。
【0015】
前記錐形体の斜面角度は45度である。
【0016】
前記錐形体は支持物上に固定装着され、該支持物はフレーム上に固定装着される。
【0017】
前記錐形体は円錐体、四角錐体又は三角錐体である。
【0018】
前記ステップAにおいて、錐形体の尖端部は鏡筒駆動装置の鏡筒の中心線に位置する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の効果は下記のとおりである。本発明は、仮設鏡筒を鏡筒内に取付ける必要がなく、鏡筒駆動装置を載置台に載置させることのみで検測可能であり、かつ錐形体の鏡面が鏡筒の中心に位置するので、鏡筒と接触しない。したがって、仮設鏡筒の使用よって発生する3つの問題を避けることができる。本発明は、従来の技術よりコストを低減し、検測の速度と鏡筒駆動装置及びカメラモジュールの良品率とを向上させることができる。仮設鏡筒及び他の仮設部品(仮設とは検測が終わった後撤去することを意味する)を鏡筒駆動装置に取付けなくても、鏡筒駆動装置の検測を実施することができる。本発明により、迅速な検測方法を獲得し、量産時の検測及び制御に有利な影響を与え、生産品の品質の向上を図ることができる。また、本発明は全面な検測を実現することができ、検測項目は色々な状態に制御された鏡筒の移動及び傾斜角度などの検測を含む。
【0020】
以下、図面及び具体的な実施形態により本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明のシステムを示すフローチャートである。
図2】本発明の上部構造を示す図である。
図3】本発明の断面構造を示す図である。
図4】本発明の第一実施例に係る構造を示す図である。
図5】本発明の第二実施例に係る構造を示す図である。
図6】本発明の第一使用状態における構造を示す図である。
図7】本発明の第二使用状態における構造を示す図である。
図8】本発明のシステムを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
下記の実施例は本発明の好適な実施例であり、原理及び基本構造が本発明の実施例と同様であるか或いは類似する実施例などがあってもいずれも本発明に含まれる。
【0023】
図2図5を参照すると、本発明の鏡筒駆動装置を迅速及び全面に検測可能な装置は、鏡筒駆動装置を固定するフレーム4、錐形体2及びカメラ1を含む。錐形体2の外表面は鏡面であり、鏡筒7内の所定の映像を反射することができる。本実施例において、錐形体2の斜面(すなわち、錐形体2の周辺の外表面)の角度は、この斜面での反射で鏡筒駆動装置の鏡筒7内部の光線をカメラ1内に反射することを満たさなければならない。したがって、カメラ1は錐形体2で反射される鏡筒7内部の光線を収集し、後続の計算作業を行うことができる。本実施例において、錐形体2の斜面角度が45度であることが好ましい。本発明において、錐形体2として方錐8を採用でき、この構造は図4の通りであり、錐形体2として三角錐9を採用することもでき、この構造は図5の通りである。他の実施例において、錐形体2として円錐体又は他の構造を有する錐形体を採用することもできる。本実施例において、錐形体2は支持物3上に固定装着され、支持物3はフレーム4上に固定装着される。具体的な実施例において、実際の需要によって、支持物3を設けるかどうかを決めるとともに支持物3の高さを決めることができる。カメラ1が錐形体2の真上に設けられることによって、錐形体2で反射される光線を収集することができる。
【0024】
図1の通り、鏡筒駆動装置を迅速及び全面に検測可能な前記装置を採用するシステムを本発明は含む。該システムは、検測装置(すなわち、鏡筒駆動装置を迅速及び全面に検測可能な前記装置)、コントロールパネル及びパソコンを含む。コントロールパネルは検測される鏡筒駆動装置の移動を制御し、パソコンはコントロールパネルに制御指令を送信する。コントロールパネルで鏡筒駆動装置の移動(前後移動と傾斜移動)を制御することにより、カメラ1は錐形体2で反射される光線を収集し、かつこれらをパソコンに送信して検測処理を行う。
【0025】
図8を参照すると、本発明は、鏡筒駆動装置を迅速及び全面に検測可能な前記装置で鏡筒駆動装置を検測する方法を更に提供し、該方法は以下のステップAからFを含む。
【0026】
A.鏡筒駆動装置をフレーム4上に載置させ、錐形体2を鏡筒駆動装置の鏡筒7(鏡筒駆動装置は通常二種の部品すなわち鏡筒7とカバー6を含み、該鏡筒7はカバー6内に設けられる)内に位置させる。本実施例において、錐形体2の尖端部が鏡筒駆動装置の鏡筒7の中心線に位置すること、すなわち錐形体2の中心線と鏡筒7の中心線が重合することが好ましい。
【0027】
B.カメラ1は、錐形体2で反射された鏡筒7内部の特徴(例えば、ネジ又は特殊のマークなど)表示映像を収集する。この光線経路5は、図3図6及び図7を参照することができる。
【0028】
C.鏡筒駆動装置内の鏡筒7の移動及び/又は鏡筒7の傾斜角度を変更する。
【0029】
D.カメラ1は、鏡筒7の移動及び/又は鏡筒7の傾斜角度が変更された後、錐形体2で反射された鏡筒7内部の同一特徴表示映像を再び収集する。
【0030】
E.カメラ1に写った鏡筒7内部の特徴表示映像の変化により、次の式を得ることができる。
di-ei=Δdi=kΔpi, i [1, 4]
この式において、diは鏡筒7の底部とフレーム4との間の距離であり、eiは鏡筒7の移動及び/又は鏡筒7の傾斜角度が変更されていない時の鏡筒7の底部とフレーム4との間の距離である。Δpiは、鏡筒7の移動及び/又は鏡筒7の傾斜角度が変更された後、画像中の特徴表示映像の位置が、鏡筒7の移動及び/又は鏡筒7の傾斜角度が変更されていない時の位置に相対する変化である(Δpiの単位は画素である)。kは、画素と目標物理距離との間の関係係数であり、実験で獲得することができる。Δpiが大きければ大きいほど、画像中の特徴表示映像が中心に接近することを意味する。
【0031】
F、Δdiによって鏡筒7の移動Sと傾斜角θx及びθyを計算して得ることができる。図6図7を参照すると、
S=(Δdi)/4、
θx=tan−1(d3−d4)/a、
θy=tan−1(d1−d2)/aである。
この式において、aは鏡筒7の直径である。図6を参照すると、d1は、鏡筒7が第一位置に位置する時の鏡筒7底部の最高点とフレーム4との間の距離であり、d2は、鏡筒7が第一位置に位置する時の鏡筒7底部の最低点とフレーム4との間の距離である。図7を参照すると、d3は、鏡筒7が第二位置に位置する時の鏡筒7底部の最高点とフレーム4との間の距離であり、d4は、鏡筒7が第二位置に位置する時の鏡筒7底部の最低点とフレーム4との間の距離である。色々な状態に制御された鏡筒7の移動距離及び傾斜角度と標準数値を比較してみることにより、鏡筒駆動装置の品質を判断する。
【0032】
本発明は、従来の技術よりコストを低減し、検測の速度と鏡筒駆動装置及びカメラモジュールの良品率とを向上させることができる。仮設鏡筒及び他の仮設部品(仮設とは検測が終わった後撤去することを意味する)を鏡筒駆動装置に取付けない場合も、鏡筒駆動装置の検測を実現することができる。本発明によって迅速な検測方法を獲得し、かつ量産時の検測及び制御に有利な影響を与え、生産品の品質の向上を図ることができる。本発明は全面な検測を実現することができ、検測項目は色々な状態に制御された鏡筒の移動及び傾斜角度などを検測することを含む。
【符号の説明】
【0033】
1 カメラ
2 錐形体
3 支持物
4 フレーム
5 光線経路
6 カバー
7 鏡筒
8 方錐
9 三角錐
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8