特許第6231572号(P6231572)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6231572マイクロ波周波数信号の電気光学的サンプリング用デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231572
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】マイクロ波周波数信号の電気光学的サンプリング用デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01P 1/15 20060101AFI20171106BHJP
   H01L 31/08 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   H01P1/15
   H01L31/08 Z
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-536150(P2015-536150)
(86)(22)【出願日】2013年10月11日
(65)【公表番号】特表2015-532556(P2015-532556A)
(43)【公表日】2015年11月9日
(86)【国際出願番号】EP2013071281
(87)【国際公開番号】WO2014057090
(87)【国際公開日】20140417
【審査請求日】2016年9月12日
(31)【優先権主張番号】1202715
(32)【優先日】2012年10月11日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】511148123
【氏名又は名称】タレス
(73)【特許権者】
【識別番号】509074014
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ・ピエール・エ・マリ・キュリ・(パリ・6)
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シルヴァン・コンブリエ
(72)【発明者】
【氏名】アルフレド・ドゥ・ロシ
(72)【発明者】
【氏名】シャルロット・トリポン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・シャズラ
【審査官】 岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−350120(JP,A)
【文献】 米国特許第4396833(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/10−1/15
H01L 31/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波信号を伝送するためのマイクロ波伝送線(20)を備えたマイクロ波周波数信号の電気光学的サンプリング用の電気光学的サンプリングデバイスであって、前記マイクロ波伝送線が、光学制御信号の影響下において伝導性にされて光学制御中断器スイッチとして機能する中断領域(22)を備え、該電気光学的サンプリングデバイスが、前記中断領域内にナノ構造化された半導体の層(32、42、52、72、82)を備え、前記ナノ構造化された半導体の層(32、42、52、72、82)がナノ構造(38)の規則的又は準規則的なタイル状パターンを備え、前記半導体が屈折率を有し、前記ナノ構造化された半導体の層(32、42、52、72、82)が、前記中断領域のレベルにおいて、懸架され又は前記半導体の屈折率よりも低い屈折率の誘電体(36)の上に配置され、前記ナノ構造化された半導体の層(32、42、52、72、82)が前記光学制御中断器スイッチとして機能することを特徴とする電気光学的サンプリングデバイス。
【請求項2】
前記ナノ構造化された半導体の層(32、42、52、72、82)が、前記ナノ構造のタイル状パターンの変更によって形成された少なくとも一つの共鳴光学キャビティ(44、54、74、86)を備えることを特徴とする請求項1に記載の電気光学的サンプリングデバイス。
【請求項3】
前記ナノ構造が孔であり、前記変更が、少なくとも一つの孔の省略、直径の変化、又は前記タイル状パターンに対する変位であることを特徴とする請求項2に記載の電気光学的サンプリングデバイス。
【請求項4】
前記変更が、前記タイル状パターンにおける一つ以上の孔の局所的又は周期的な省略であることを特徴とする請求項3に記載の電気光学的サンプリングデバイス。
【請求項5】
前記タイル状パターンが六角パターンの周期的繰り返しであり、各六角パターンの中心の孔の省略によって形成された複数の共鳴キャビティを備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の電気光学的サンプリングデバイス。
【請求項6】
前記共鳴光学キャビティが、0.8μm〜1.6μmの範囲内の波長を有する光学制御信号に対する線形又は非線形吸収を提供することを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の電気光学的サンプリングデバイス。
【請求項7】
前記共鳴光学キャビティが、前記ナノ構造化された半導体の層(32、42、52、72、82)に対して垂直入射する光学制御信号の吸収を促進する結合デバイスを備えることを特徴とする請求項2から6のいずれか一項に記載の電気光学的サンプリングデバイス。
【請求項8】
前記ナノ構造化された半導体の層(32、42、52、72、82)を形成する半導体が、III‐V族半導体のアロイであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電気光学的サンプリングデバイス。
【請求項9】
前記ナノ構造化された半導体の層(32、42、52、72、82)が、100nm〜400nmの厚さを有することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電気光学的サンプリングデバイス。
【請求項10】
前記光学制御信号が所定の波長を有し、前記タイル状パターンが、前記光学制御信号の波長及び前記ナノ構造化された半導体の層を形成する半導体の屈折率に基づいて選択された周期を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の電気光学的サンプリングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波周波数信号の電気光学的サンプリング用デバイスに関し、マイクロ波信号を伝送するためのマイクロ波伝送線を備える。
【0002】
本発明は、マイクロ波信号の電気光学的サンプルの分野に適用可能であり、そのマイクロ波信号の周波数帯は、数ギガヘルツ(GHz)から数百GHzにまで及ぶ。レーダー及び遠隔通信(テレコミュニケーション)の分野における多くの応用では、こうしたマイクロ波信号が用いられる。
【背景技術】
【0003】
マイクロ波信号のサンプリング用の既知の方法は、中断されたマイクロ波線によって行われ、マイクロ波電気信号をサンプリングするために、参照光学信号によって制御される中断器(インタラプタ)スイッチを用いるか、又は、周期的に非常に特殊な時間間隔で“開”状態と“閉”状態との間でスイッチングする超高速光学“ゲート”を用いる。タイミングのずれ(ジッター)を低減するため、モードロックされたレーザーが、光学制御信号を発生させるために用いられる。こうした光学信号制御中断器スイッチは、ピコ秒のオーダーの高速応答時間を有しなければならない。
【0004】
現状では、低温でエピタキシャルGaAs(ヒ化ガリウム)半導体(1.43eV(電子ボルト)の電子バンドギャップを有する)から製造された光学制御中断器スイッチが知られている。この半導体は、0.8μmの波長を有する高出力の光学信号によって伝導性にされる。0.8μmで伝送を行うモードロックされたレーザーは比較的高価であり、また、スイッチを有効にするために非常に高いピーク出力を必要とする。
【0005】
多くの研究が、1.5μmの波長に感度を有する光学制御中断器スイッチの開発に向けられており、その開発では、レーザー等の比較的高価ではない部品の利点を活かし、遠隔通信の分野において開発されたノウハウを利用している。特に、より小さな電子バンドギャップを有する半導体の利用が研究されてきた。
【0006】
しかしながら、こうした半導体内で発生するキャリアの再結合時間は、ピコ秒のオーダーのスイッチング時間の制約を満たすには十分ではなく、顕著な暗電流等の性能の劣化を伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2144099号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ピコ秒のオーダーのスイッチング時間を有しながら、より効率的で或る程度低い出力の制御信号を必要とするマイクロ波線用の光学制御中断器スイッチを提供することによって、既存のシステムの欠点を克服することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このため、本発明は、マイクロ波周波数信号の電気光学的サンプリング用の電気光学的サンプリングデバイスを提供し、その電気光学的サンプリングデバイスはマイクロ波信号を伝送するためのマイクロ波伝送線を備え、そのマイクロ波線は、光学制御信号の影響下において伝導性にすることができる中断領域を備えて、光学制御中断器スイッチとして機能する。
【0010】
電気光学的サンプリングデバイスは、中断領域内に、ナノ構造の周期的又は準周期的なタイル状パターン(pavage,敷き詰め)を備えたナノ構造化された半導体の層を備え、その半導体は或る屈折率を有し、ナノ構造化された半導体の層は、中断領域のレベルにおいて、懸架され、又は半導体の屈折率よりも低い屈折率の誘電体の上に配置され、ナノ構造化された半導体の層が、光学制御中断器スイッチとして機能することができる。
【0011】
有利には、本発明に係る電気光学的サンプリングデバイスは、ナノ構造化された半導体の薄層を使用することによって形成された光学信号制御中断器スイッチを含むことによって、制御信号によって与えられる光閉じ込め効果を増強し、電気伝導を開始させ、そして中断器スイッチを閉じるのに必要な出力を低下させることができる。また、ナノ構造化は、半導体の表面/体積比を増大させて、発生するキャリアの再結合率、つまりは中断器スイッチのスイッチング速度を増大させることができる。
【0012】
一つの特徴によると、ナノ構造化された半導体の層は、ナノ構造のタイル状パターンの変更によって形成された少なくとも一つの共鳴光学キャビティを備える。
【0013】
有利には、一つ以上の共鳴光学キャビティを使用することで、非線形効果、特に、二光子吸収を得ることができ、1.5μmの光学制御信号を使用することが可能になる。
【0014】
本発明に係る電気光学的サンプリングデバイスは、以下の特徴のうち一つ以上を独立して又は組み合わせて有することができる:
‐ ナノ構造が孔であり、変更が、少なくとも一つの孔の省略、直径の変化、タイル状パターンに対する変位であること;
‐ 変更が、タイル状パターンの一つ以上の孔の局所的又は周期的省略であること;
‐ タイル状パターンが、六角パターンの周期的繰り返しであり、本デバイスが、各六角パターンの中心の孔を省略することによって形成された複数の共鳴キャビティを備えること;
‐ 共鳴光学キャビティが、0.8μm〜1.6μmの範囲内の波長を有する光学制御信号に対する線形又は非線形吸収を提供すること;
‐ 共鳴光学キャビティが、ナノ構造化された半導体の層に対して垂直入射する光学制御信号の吸収を促進することができる結合デバイスを備えること;
‐ 層を形成する半導体が、III‐V族半導体のアロイであること;
‐ ナノ構造化された半導体の層が100nm〜400nmの範囲内の厚さを有すること;
‐ タイル状パターンが、光学制御信号の波長と、ナノ構造化された半導体の層を形成する半導体の屈折率とに基づいて選択された対応周期を有すること。
【0015】
本発明の他の特徴及び利点は、添付図面を参照して、以下の単に情報目的であって限定的なものではない説明から明らかになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】電気光学的サンプリング鎖の概略的な例である。
図2】電気光学的サンプリングデバイスの概略斜視図である。
図3】本発明の第一実施形態に係る電気光学的サンプリングデバイスの断面図である。
図4】本発明の第二実施形態に係る電気光学的サンプリングデバイスの断面図である。
図5】導波路に基づいて光学的に制御される共鳴光学キャビティを有する第三実施形態に係る電気光学的サンプリングデバイスの平面図である。
図6】垂直入射に基づいた光学制御での共鳴光学キャビティを有する第四実施形態に係る電気光学的サンプリングデバイスの平面図である。
図7】本発明の第五実施形態に係る電気光学的サンプリングデバイスの平面図である。
図8】本発明の第六実施形態に係る電気光学的サンプリングデバイスの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、アナログ/デジタル変換回路1を表し、マイクロ波信号RFがフィルタ10の入力部に到達しており、そのフィルタ10は、所定の周波数帯においてその信号をフィルタリングすることができる。電気光学的サンプリングデバイス12は、S/H(“サンプル(sample)とホールド(hold)”)を表し、例えばモードロックされたレーザーによって周期的に送られる光学パルス14によって制御され、フィルタリングされた信号RFをサンプリングする性能を提供する。光学信号14は、フィルタリングされた信号RFのサンプリングのタイミングを決めるクロック信号である。典型的には、こうした信号の周波数は数十GHzのオーダーである。結果として得られるサンプリングされた信号は、アナログ・デジタル変換器16に送られ、結果として得られるデジタル信号が信号プロセッサ18に送られる。
【0018】
多くの応用、特にレーダー及び遠隔通信の分野において、このようにマイクロ波信号のアナログ・デジタル変換を行う電気光学的処理鎖を用いることができる。
【0019】
図2は、電気光学的サンプリングデバイス12の詳細を示し、これは、一実施形態におけるマイクロ波線用の光学的に制御された中断器スイッチである。
【0020】
本実施形態では、マイクロ波信号RFが、マイクロ波線と称される伝送線20にわたって運ばれ、そのマイクロ波線20は、幅Lgの中心中断領域22にわたって中断されている。金属導体製のマイクロ波線20は、半導体基板24の上に在る。マイクロストリップ構造におけるマイクロ波伝播の場合、アセンブリ全体が、接地面として機能する導電層26の上に在る。マイクロストリップ構図の周知の変形例である共平面(コプラナー)構造におけるマイクロ波伝送線の場合、接地面は、伝送線の両面に位置する。
【0021】
中心中断領域22内の領域28は、非限定的に球状で示されているが、これは、光学信号14の照射によって伝導性になる領域である。
【0022】
従って、適切な出力及び波長の光学信号が、所定の入射角に沿って送られて、領域22に照射されると、領域28が伝導性になる。即ち、光が吸収されると、キャリア(電子又は正孔)が放出されて、再結合するように移動し、マイクロ波線20の二つの部分の間において領域28を伝導性にして、中心中断領域22と共に連続的な伝送線となり、閉じた光学制御中断器スイッチとして機能する。
【0023】
逆に、領域22に光学信号が照射されない場合、領域28は非伝導性であり、好ましくは、非伝導状態に対する顕著な抵抗を保証する低い暗電流を有する。
【0024】
本発明によると、光学制御中断器スイッチの機能は、ナノ構造化された半導体の層の挿入によって行われ、そのナノ構造化は、図3から図8の例に示されるように、マイクロ波線の二つの部分の間に位置する中断領域22の少なくとも一つの部分にわたって存在する。
【0025】
そこで、図3に示される第一実施形態によると、電気光学的サンプリングデバイス30は、半導体の層32を含み、その層32は、中断領域22のレベルにおいて、中断領域の両側に対して、マイクロ波線20の二つの端部の間に位置する領域の少なくとも一つの部分にわたってナノ構造を有する。層32は、マイクロ波線20と半導体で形成された基板の層24との間に挿入される。
【0026】
本実施形態では、ナノ構造化された材料層32は、マイクロ波伝導部20のレベルにおいて犠牲層34の上に在る。犠牲層34は誘電体製である。
【0027】
ナノ構造化された材料層32は、懸架されて、上下の空気に囲まれている。より一般的には、層32は、誘電体36の上に在り、その誘電体36の屈折率は、層32を形成する半導体の屈折率よりも低く、例えば、SiO(二酸化シリコン)、SiN(窒化シリコン)、Al(酸化アルミニウム)である。この場合、犠牲層34は、同一の誘電体36製となり得る。
【0028】
このような低い屈折率を有する誘電体36は、層32の上にも配置可能である。一変形例によると、孔に、上述の誘電体36と同様の低い屈折率を有する誘電体が充填される。
【0029】
層32の半導体は、III‐V族半導体アロイ、好ましくはヒ化ガリウム(GaAs)やリン化インジウム(InP)であるか、又は、GaAs又はInPと格子整合したIII‐V族アロイである。
【0030】
ナノ構造38は、好ましくは、上述のタイプの半導体の膜に形成された孔であり、以下で説明され特に図5に示されるように、周期的又は準周期的にタイル状に繰り返される。
【0031】
そのタイル状パターン(pavage,敷き詰め)は、好ましくは六角形である。一変形例では、タイル状パターンは、正方形であるか、又は、ペンローズタイル等の組み合わせ型である。
【0032】
タイル状パターンの周期aは、一方向に沿って連続する二つの孔の中心間距離であり、250〜600ナノメートル(nm)である。孔の直径は、周期aの0.4〜0.8倍のオーダーである。この例では、孔は円形断面を有しているが、一変形例では、他の幾何学的形状も想定可能である。しかしながら、円形は実施し易さという利点を有する。
【0033】
ナノ構造のレベルにおける光学制御信号によるエネルギーの吸収を増強するため、好ましくは、周期aを、λ/nのオーダーとし、ここで、λは光学制御信号の波長であり、nは層32を形成する半導体の屈折率である。従って、好ましくは、ナノ構造の繰り返し周期は、光学制御信号の波長に基づいて選択される。
【0034】
層32を形成する膜は、130nm〜400nmの間の厚さ、例えば200nmの厚さを有する。一般的には、膜の厚さは周期aの0.3〜1倍のオーダーである。
【0035】
有利には、半導体が、その半導体によって吸収される波長に対応する波長を有する光学制御信号によって制御される場合に、ナノ構造化は、線形吸収過程を加速させることを可能にする。従って、使用される半導体が0.8μmの吸収でのGaAsの場合であっても動作が改善される。
【0036】
また、ナノ構造化は、表面/体積比の増大が理由となって、光発生キャリアの再結合率を上昇させることを可能にし、これは、光学制御中断器スイッチを備えたサンプリングデバイス30の高速動作をもたらす。
【0037】
図4に示される第二実施形態では、本発明に係る電気光学的サンプリングデバイス40は、1.5μmの波長を有する光学制御信号での使用を可能にする。
【0038】
図4に示される実施形態では、ナノ構造化された材料層42は、タイル状パターンの局所的変更によって又はタイル状パターンへの欠陥の挿入によって形成された共鳴光学キャビティ44を備え、ここでは、二つのナノ構造38の間の一つの孔が省かれている。
【0039】
一変形例では、共鳴光学キャビティは、ナノ構造のサイズの局所的変更によって、又は、ナノ構造の変位によって、つまりナノ構造の周期の局所的変更によって得られる。
【0040】
共鳴光学キャビティは、電磁場の局所的閉じ込め及び二光子非線形吸収効果を可能にする。二光子吸収は、共鳴光学キャビティの周りのマイクロ波線の二つの部分20の間での中断領域22のみにおける1.5μmの波長の光学信号による励起によって生じる。何故ならば、層42を形成する半導体はこの波長では吸収を示さないからである。
【0041】
有利には、光学制御信号は、中断領域22のレベルにおいて局所的に有効なように作用し、光学制御信号のピーク出力が100mWに達すると、キャリアの放出効果が生じる。
【0042】
図5は、図4に示される実施形態に対応する第三実施形態を平面図で示し、ナノ構造化された層42を備え、タイル状パターンが六角パターンを有する。
【0043】
図5に示されるように、光学制御信号46は、ナノ構造化された層42の平面内の導波路48によって運ばれる。導波路48は、図5に示されるように孔が無い線によって形成される。
【0044】
一変形例では、制御信号は、下方の平面内に位置する導波路によって運ばれ得る。
【0045】
図6に示される実施形態に係る一変形例では、本発明に係る電気光学デバイス50は、マイクロ波線の中断領域に位置する共鳴キャビティ54を有するナノ構造化された層52を備え、その共鳴キャビティ54は、図3に示される実施形態のように孔を省くことによって形成される。光学制御信号56は、ナノ構造化された層52に実質的に垂直な方向に沿って垂直入射で送られ、結合は、特に特許文献1に記載されている“バンドの折り畳み”と称される技術を適用することによって有効とされる。この技術は、バンドの折り畳みを局所的に生じさせて、非常に狭い指向性円錐内に最大エネルギーを集束させるために、共鳴光学キャビティ46の周りのナノ構造のサイズを局所的に変更するものである。従って、図6に見て取れるように、規則的なタイル状パターンの孔よりも大きな直径を有する孔58と、規則的なタイル状パターンの孔よりも小さな直径を有する孔60とが、ナノ構造化された層52を形成する半導体膜に設けられる。これらの孔58、60は、共鳴キャビティ54に加えて、結合機構を形成し、垂直入射の光学信号の光子吸収を促進する。
【0046】
一変形例では、図6に示されるもののような結合デバイスの他の実施形態が動作可能に実施される。
【0047】
図7に示される第五実施形態によると、平面図で示される本発明に係る電気光学デバイス70において、ナノ構造化された層72が複数の共鳴光学キャビティ74を含む。キャビティは、グラファイト状構造に基づいて、規則的な六角タイル状パターンの中心の孔を系統的に省くことによって得られる。本実施形態では、省かれた孔の部分がそれぞれ単一の共鳴キャビティとして機能する。
【0048】
図8に示される第六実施形態によると、平面図で示される本発明に係る電気光学デバイス80において、ナノ構造化された層82は、基板84の上に懸架され、一次元的であり、共鳴光学キャビティ86を備え、その共鳴光学キャビティ86は、半導体の膜に規則的な周期でナノ構造化された線の孔の無い部分によって形成される。一変形例では、電気光学デバイスにおいて、複数のこうしたナノ構造化された線が、例えば平行に存在する。
【0049】
有利には、電気光学的サンプリングデバイスは、0.8μm〜1.6μmの波長を有する光学制御信号で、ピコ秒のオーダーのスイッチング時間で動作する。
【符号の説明】
【0050】
12 電気光学的サンプリングデバイス
14 光学信号
20 マイクロ波伝送線
22 中断領域
24 半導体基板
26 導電層
32 ナノ構造化された半導体の層
38 ナノ構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8