特許第6231573号(P6231573)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6231573複数の受信点を有する測定ノードを備えるシステムにおける測位の方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231573
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】複数の受信点を有する測定ノードを備えるシステムにおける測位の方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/06 20060101AFI20171106BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20171106BHJP
【FI】
   G01S5/06
   H04W64/00 130
   H04W64/00 173
【請求項の数】22
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2015-538617(P2015-538617)
(86)(22)【出願日】2013年10月25日
(65)【公表番号】特表2016-502651(P2016-502651A)
(43)【公表日】2016年1月28日
(86)【国際出願番号】IB2013059670
(87)【国際公開番号】WO2014064656
(87)【国際公開日】20140501
【審査請求日】2015年6月9日
(31)【優先権主張番号】61/718,894
(32)【優先日】2012年10月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/062,524
(32)【優先日】2013年10月24日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】シオミナ, イアナ
【審査官】 中村 説志
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/082002(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/081999(WO,A1)
【文献】 特表2001−520388(JP,A)
【文献】 特表2011−508873(JP,A)
【文献】 TRUEPOSITION,3GPP TSG-RAN WG2 MEETING #78 (R2-122116) [ONLINE],MOBILE COMPETENCE CENTRE,2012年 5月14日,V RAN WG2 N PRAGUE,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_78/Docs
【文献】 TRUEPOSITION,3GPP TSG RAN WG1 MEETING #68BIS (R1-121035),MOBILE COMPETENCE CENTRE,2012年 3月20日,V RAN WG1 N JEJU
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00− 5/14
G01S19/00−19/55
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線デバイスによって伝送されるアップリンク無線信号の測定を制御するためのネットワークノードにおける方法であって、前記測定は、前記無線デバイスからアップリンク無線信号を受信する2つ以上の受信点に関連付けられる測定ノードによって実行され、
前記測定ノードに関連付けられた2つ以上の受信点に関する受信点コンフィギュレーションであって、受信機無線周波数(RF)特性、周波数又は周波数範囲、受信帯域幅、無線周波数(RF)コンフィギュレーションパラメータ、アンテナコンフィギュレーション、アンテナパターンコンフィギュレーション、アンテナ偏波コンフィギュレーション、電波ビームコンフィギュレーション、アンテナアレイコンフィギュレーション、受信機タイプ、受信信号の測定の基準点、並びに前記受信点のロケーション又は設置に関連付けられるパラメータのうちのいずれか1つ又は複数を含む、受信点コンフィギュレーションを取得すること、
前記測定ノードから、異なる受信点からの信号についての測定を管理する前記測定ノードの能力を特徴づけるケーパビリティ情報を受信すること、
前記取得された受信点コンフィギュレーション及び前記受信されたケーパビリティ情報に基づいて、アップリンク測定を実行するための1つ又は複数の受信点を選択すること、及び
前記受信点と前記測定ノードの位置との間の距離に基づいて前記アップリンク測定を実行するために前記選択された受信点に対する検索ウィンドウパラメータをコンフィギュレーションすること
を含む方法。
【請求項2】
前記測定ノードからアップリンク測定の測定結果を受信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記選択された受信点が、前記測定ノードに関連付けられる2つ以上の受信点の1つのサブセットを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記取得された受信点コンフィギュレーションを別のノードに送信することをさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記取得された受信点コンフィギュレーションに基づいて、1つ又は複数の測定ノードから受信された測定結果を選択的に使用することをさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記受信点を選択することが、前記無線デバイスのためのサービングセルと前記サブセット内の前記受信点との間の関係に基づいて、受信点の前記サブセットを決定することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記受信点を選択することが、前記無線デバイスの概略ロケーションに基づいて、且つ前記サブセット内の前記受信点のロケーションに基づいて、受信点の前記サブセットを決定することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記受信点を選択することが、前記サブセット内の前記受信点に対応する測定パフォーマンス統計値にさらに基づいて、受信点の前記サブセットを決定することを含む、請求項3又はに記載の方法。
【請求項9】
前記受信点を選択することが、前記サブセット内の前記受信点に対応する測位パフォーマンス統計値にさらに基づいて、受信点の前記サブセットを決定することを含む、請求項3、又はに記載の方法。
【請求項10】
前記無線デバイスに対して測位のための測定を実行するために、前記決定されたサブセットに関連付けられる1つ又は複数の測定ノードをコンフィギュレーションすることをさらに含む、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記決定されたサブセットのための識別子を第2ネットワークノードに送信することをさらに含む、請求項から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
無線デバイスによって伝送されるアップリンク無線信号の測定を制御するように適合されたネットワークノードであって、前記測定が、前記無線デバイスからアップリンク無線信号を受信する2つ以上の受信点に関連付けられる測定ノードによって実行され、
前記ネットワークノードが、
ネットワークインタフェース回路、及び処理回路を備え、
前記処理回路が、
前記測定ノードに関連付けられた2つ以上の受信点に関する受信点コンフィギュレーションであって、受信機無線周波数(RF)特性、周波数又は周波数範囲、受信帯域幅、無線周波数(RF)コンフィギュレーションパラメータ、アンテナコンフィギュレーション、アンテナパターンコンフィギュレーション、アンテナ偏波コンフィギュレーション、電波ビームコンフィギュレーション、アンテナアレイコンフィギュレーション、受信機タイプ、受信信号の測定の基準点、並びに前記受信点のロケーション又は設置に関連付けられるパラメータのうちのいずれか1つ又は複数を含む、受信点コンフィギュレーションを取得し、
前記ネットワークインタフェース回路を介して、前記測定ノードから異なる受信点からの信号についての測定を管理する前記測定ノードの能力を特徴づけるケーパビリティ情報を受信し、
前記取得された受信点コンフィギュレーション及び前記受信されたケーパビリティ情報に基づいて、アップリンク測定を実行するための1つ又は複数の受信点を選択し、
前記受信点と前記測定ノードの位置との間の距離に基づいて前記アップリンク測定を実行するために前記選択された受信点に対する検索ウィンドウパラメータをコンフィギュレーションするように構成されている、ネットワークノード。
【請求項13】
前記処理回路が、前記ネットワークインタフェース回路を介して、前記測定ノードからアップリンク測定の測定結果を受信するようにさらに構成されている、請求項12に記載のネットワークノード。
【請求項14】
前記選択された受信点が、前記測定ノードに関連付けられる2つ以上の受信点のサブセットを含む、請求項12又は13に記載のネットワークノード。
【請求項15】
前記処理回路が、前記取得された受信点コンフィギュレーションを別のノードに送信するようにさらに構成されている、請求項12から14のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項16】
前記処理回路が、前記取得された受信点コンフィギュレーションに基づいて、1つ又は複数の測定ノードから受信された測定結果を選択的に使用するようにさらに構成されている、請求項12から15のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項17】
前記処理回路が、前記無線デバイスのためのサービングセルと前記サブセット内の前記受信点との間の関係に基づいて、受信点の前記サブセットを選択するように構成されている、請求項14に記載のネットワークノード。
【請求項18】
前記処理回路が、前記無線デバイスの概略ロケーションに基づいて、且つ前記サブセット内の前記受信点のロケーションに基づいて、受信点の前記サブセットを選択するように構成されている、請求項14に記載のネットワークノード。
【請求項19】
前記処理回路が、前記サブセット内の前記受信点に対応する測定パフォーマンス統計値にさらに基づいて、受信点の前記サブセットを選択するように構成されている、請求項14又は18に記載のネットワークノード。
【請求項20】
前記処理回路が、前記サブセット内の前記受信点に対応する測位パフォーマンス統計値にさらに基づいて、受信点の前記サブセットを選択するように構成されている、請求項1418又は19に記載のネットワークノード。
【請求項21】
前記処理回路が、前記無線デバイスに対して測位のための測定を実行するために、前記選択されたサブセットに関連付けられる1つ又は複数の測定ノードをコンフィギュレーションするようにさらに構成されている、請求項17から20のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項22】
前記処理回路が、前記選択されたサブセットのための識別子を第2ネットワークノードに送信するようにさらに構成されている、請求項17から21のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2012年10月26日に出願された米国仮出願第61/718,894号の利益及び優先権を主張するものである。この米国仮出願の全内容は参照により本願に組み込まれている。
【0002】
本開示は、概して無線通信ネットワークに関し、具体的には、無線伝送の測定に基づいてデバイスの測位を実行するネットワーク及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器の位置を判定する技術の開発によって、アプリケーション開発者及び無線ネットワーク事業者が、位置ベースサービス及びロケーションアウェアサービスを提供することが可能になった。これらの例には、案内システム、買い物支援、友人発見、プレゼンスサービス、コミュニティ及び通信サービス、並びにモバイルユーザにその周辺情報を与えたり、それらのサービスの拡張のためにこの情報を使用したりするその他の情報サービスが含まれる。
【0004】
これらの技術によって促進された商用サービスに加えて、位置ベースの緊急時サービスも展開している。幾つかの国の政府は、ネットワーク事業者に緊急通報の位置判定を可能にすることを特に要求している。例えば、米国の政府の要求では、モバイルネットワークは全ての緊急通報のうち一定の割合の位置判定ができなければならないと指定しており、さらに精度要件を含む。この要求では、室内環境と室外環境との区別がされていない。
【0005】
多くの環境において、周知の全地球測位システム(GPS)などの全地球ナビゲーション衛星システム(GNSS)に基づく測位方法を用いて位置を正確に推定することができる。しかしながら、GPSベース測位は、特に都市環境及び/又は室内環境において十分なパフォーマンスを発揮できない場合が多い。
【0006】
GPS技術を補強するために、さらに無線ネットワークによって補完的測位方法を提供することができる。モバイル端末ベースのGNSS(GPSを含む)に加えて、以下の方法が、現在利用可能であるか、又は近日中に第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって開発されたロングタームエボリューション(LTE)標準に含まれることになるだろう。
・ セルID(CID)、
・ ネットワークベースの到来角度(AoA)を含む拡張セルID(E−CID)、
・ 衛星信号に基づく、アシスト型GPS(A−GPS)を含むアシスト型GNSS(A−GNSS)、
・ 観測到来時間差(OTDOA)、
・ アップリンク到達時間差(UTDOA)‐現在標準化中。
【0007】
幾つかの測位技法は、到来時間差(TDOA)又は到来時間(TOA)測定に基づいている。例として、OTDOA,UTDOA、GNSS、及びアシスト型GNSS(A−GNSS)が含まれる。これらの技法の測位結果の典型的な(ただし、唯一ではない)フォーマットは、不確定な円/楕円/楕円体を有する楕円体点であり、これは、複数の双曲線弧(例えば、OTDOA又はUTDOA)又は円/弧(例えば、UTDOA、GNSS、又はA−GNSS)の交差の結果である。
【0008】
適応拡張セルID(AECID)などの幾つかの技法は、以上の方法のいずれかの混合である場合があり、それゆえ「ハイブリッド」測位方法とみなされる。これらの方法を用いると、測位結果は、ほとんどどのような形状にもなりうるが、多くの場合は多角形になりがちである。
【0009】
セルラベースの測位方法は、(例えば、衛星ベースの方法とは反対に)、アンカーノードの位置の知識、すなわち(例えば、OTDOA用に)測定信号の伝送の起点となる固定位置、又は(例えば、OTDOA用に)モバイルデバイスによって伝送される信号が測定される固定位置に依存する。これらの固定位置は、例えば、OTDOA用の基地局又はビーコン装置の位置、UTDOA用のロケーション測定ユニット(LMU)アンテナ位置、並びにE−CID用の基地局位置に対応しうる。アンカーノードの位置は、さらにAECID、ハイブリッド測位などを拡張するために使用してもよい。
【0010】
測位アーキテクチャ
3GPPでは、位置ベースサービスは、位置サービス(LCS)として知られている。LTE測位アーキテクチャにおける3つの主要なネットワーク要素は、LCSクライアント、LCSターゲット、及びLCSサーバである。LCSサーバは、物理エンティティ又は論理エンティティであり、測定値及び他の位置情報を収集することにより、LCSターゲットデバイスの測位を管理し、必要なときにターゲットデバイスの測定を支援し、LCSターゲットの位置を推定する。LCSクライアントは、ソフトウェアエンティティ及び/又はハードウェアエンティティであり、1つ又は複数のLCSターゲット、すなわち測位されているエンティティのために位置情報を取得する目的でLCSサーバと協力して動作する。LCSクライアントは、ネットワークノード、外部ノード(すなわち、セルラネットワークの外部のネットワーク)、公衆安全アクセスポイント(PSAP)、ユーザ機器(又はエンドユーザ無線局に対する3GPP用語では「UE」)、無線基地局(又はLTEシステムにおける「eNodeB」)などの中に存在してよい。場合によっては、LCSクライアントは、LCSターゲット自体の中に存在する。LCSクライアント(例えば、外部LCSクライアント)は、位置情報を取得するために、LCSサーバ(例えば、測位ノード)に要求を送信する。LCSサーバは、受信した要求を処理且つ処置し、測位結果(時には速度推定値を含む)をLCSクライアントに送信する。
【0011】
場合によっては、位置計算は、LTEにおける発展型サービングモバイルロケーションセンター(E−SMLC)又はセキュアユーザプレーンロケーション(SUPL)ロケーションプラットフォーム(SLP)などの測位サーバによって行われる。他の場合、位置計算はUEによって行われる。後者の手法はUEベース測位モードとして知られている一方で、前者の手法は、ネットワークベース測位、すなわち、LMU又はeNodeBなどのネットワークノードから収集された測定値に基づくネットワークノードにおける位置計算、及び測位ネットワークノードにおける位置計算がUEから受信された測定値に基づくUEアシスト測位の両方を含む。
【0012】
LTE測位プロトコル(LPP)は、UEとE−SMLCとの間の制御プレーンシグナリングのための測位プロトコルであり、E−SMLCに用いられてUEに支援データを提供し、且つUEに用いられてE−SMLCに測定値を報告する。LPPは、SUPLのコンテクストにおけるユーザプレーンにおいてなど、制御プレーン領域の外部において利用することもできるように設計されている。LPPは、現在ダウンリンク測位に使用されている。
【0013】
LTE測位プロトコルAと呼ばれることもあるLTE測位プロトコルアネックス(LPPa)は、eNodeBとE−SMLCとの間のプロトコルであり、制御プレーンの測位プロシージャについてのみ仕様化されるが、eNodeBに情報を問い合わせることによってユーザプレーンの測位も支援することができる。例えば、LPPaは、OTDOA測位用のセル内の測位参照シンボル(PRS)のコンフィギュレーション、又はUTDOA測位用のUEのサウンディング参照信号(SRS)のコンフィギュレーション、及び/又はeNodeB測定値などの情報を読み出すために使用することができる。LPPaは、ダウンリンク測位及びアップリンク測位のために使用してもよい。
【0014】
図1は、現在3GPPで議論されているUTDOAアーキテクチャを示し、これは、無線アクセスネットワーク(RAN)及びコアネットワークに設けられたノード、並びに外部LCSクライアントを含む。アップリンク(UL)測定は、原則的に、図示のLTEのeNodeB110などのいずれかの無線ネットワークノードによって実行してもよく、UL測位アーキテクチャは、ロケーション測定ユニット(LMU)として知られる特定のUL測定ユニットをさらに含み、これは、図1に示されるUE130などのターゲットUEによって伝送される信号を測定する論理及び/又は物理ノードである。幾つかのLMUの配置オプションが可能である。例えば、図1を参照すると、LMU120aは、eNodeB110と一体化し、LMU120bは、eNodeB110と幾つかの機器、例えば少なくともアンテナを共有する。その一方で、LMU120cは、スタンドアロン物理ノードであり、固有の無線コンポーネントと固有の1つ又は複数の無線アンテナを備える。
【0015】
UTDOAアーキテクチャは完成されていないが、LMUと測位ノードとの間の通信のための通信プロトコルが制定される可能性があり、既存のLPPa又は類似するプロトコルに追加されるUL測位をサポートするために幾つかの拡張策があるかもしれない。
【0016】
LTEでは、UL相対的到来時間(relative time−of−arrival:RTOA)測定として知られるUTDOA測定は、サウンディング参照信号(SRS)に対して実行される。SRS信号を検出するためには、LMU120は、受信信号に対して相関関係にあるSRSシーケンスを生成するために多数のSRSパラメータを必要とする。これらのパラメータは、必ずしもLMU120に知られているわけではない。したがって、LMUが、SRSシーケンスを生成し、UEによって伝送されるSRS信号を検出することを可能にするためには、SRSパラメータは、測位ノードによってLMUに伝送される支援データ内に提供されなければならない。これらの支援データは、SLmAPを介して提供される。しかしながら、これらのパラメータは、概して測位ノードに知られていないことがあり、このため、測位ノードは、UEによってSRSが送信されてLMUによって測定されるように、SRSをコンフィギュレーションするeNodeBから、この情報を取得しなければならない。この情報(例えば、SRS伝送コンフィギュレーション又は更新SRSコンフィギュレーション)は、LPPaにおいて提供されなければならない。
【0017】
UL/UTDOA測位のために、LPPaを介してeNodeBからE−SMLCへ通知されうる例示的なパラメータは、例えば、以下の表1に示されるパラメータを備えてよい。これらのパラメータの多くは、3GPPに関する文献の最新版、3GPP TS 36.211に記載されており、これは、www.3gpp.orgで入手可能である。
【0018】
【0019】
E−SMLCから1つ又は複数のLMUにSLmAPを介して通知されうる例示的なパラメータは、例えば、以下の表2に示されるパラメータを備えてよい。同様に、これらのパラメータの多くは、3GPPに関する文献の最新版、3GPP TS 36.211に記載されており、これは、www.3gpp.orgで入手可能である。
【0020】
【0021】
UL測位及びUTDOAのための測定は、UL伝送に対して実行される。このようなUL伝送は、例えば参照信号の伝送又はデータチャネルの伝送を含みうる。UL−RTOAは、現在標準化されているUTDOA timing measurementであり、サウンディング参照信号(SRS)に対して実行されうる。測定結果は、例えばSLmAPを介して、測定ノード(例えばLMU)によって測位ノード(例えばE−SMLC)に通知される。
【0022】
図2は、ダウンリンク(DL)測位のために3GPPにおいて議論されている現在のアーキテクチャを示し、これも同様に、無線アクセスネットワーク(RAN)及びコアネットワークに設けられたノード、並びに外部LCSクライアントを含む。このアーキテクチャは、図1に示されるUL測位アーキテクチャに見られる同じコンポーネントを数多く含むことが理解されるであろう。しかしながら、図2で2つの追加のコンポーネントが示される。それらは、サービングゲートウェイ(S−GW)及びパケットデータネットワークゲートウェイ(PDN GW又はP−GW)である。これらのゲートウェイは、E−UTRANネットワークとパケットデータネットワーク(PDN)それぞれに向かうUEのインターフェースを終端させる。
【0023】
LPPは、現在ダウンリンク測位に使用されている。LPPメッセージは、さらにLPP拡張パケットデータユニット(EPDU)を含むことができ、LPPeと定義されるオープンモバイルアライアンス(OMA)LPP拡張は、この可能性を利用する。現在、LPP及びLPPeは、主にダウンリンク測位のために使用されているが、LPPaは、DL測位とUL測位の両方に使用してもよい。
【0024】
測位結果
測位結果は、セルID、パワーレベル、受信された無線信号の強度又は品質などを含む、取得した測定値を処理した結果である。測位結果は、測定を行った無線ノード(例えば、UE又はeNodeB又はLMU)から受信された無線測定値(例えば、タイミングアドバンス測定値及びRTTなどのタイミング測定値、又は受信された信号強度などのパワーベース測定値、又は到来角度測定値などの方位測定値)に基づくことが多い。
【0025】
測位結果は、幾つかの所定のフォーマットの1つに含められて、ノード間で交換することができる。通知された測位結果は、例えば、ユニバーサルジオグラフィカルエリア記述(GAD)の7つの形の1つに対応する所定のフォーマットで表される。
【0026】
現在、測位結果は、以下の間で信号送信することができる。
・ LCSターゲット(例えばUE)とLCSサーバ(例えばLPPプロトコルを通して)、
・ 2つの測位ノード、例えば、E−SMLC又はSLP(例えば専用インターフェースを通して)、
・ 測位サーバ(例えばE−SMLC)と他のネットワークノード(例えば、モビリィティ管理エンティティ(MME)、モバイル交換センター(MSC)、ゲートウェイモバイル位置情報センター(GMLC)、オペレーション及びメンテナンス(O&M)ノード、自己組織化ネットワーク(SON)ノード、及び/又はドライブ試験の省力化(minimization of drive tests:MDT)ノード)、
・ 測位ノードとLCSクライアント(例えば、E−SMLCと公衆安全アクセスポイント(PSAP)の間、又はSLPと外部LCSクライアントの間、又はE−SMLCとUEの間)。
【0027】
緊急測位では、LCSクライアントは、PSAPの中に存在しうることに留意されたい。
【0028】
UL測位の結果は、少なくとも1つのUL測定値に基づく。UL測定値は、さらにハイブリッド測位のために使用してもよい。UL測定値は、測位結果を取得するために、他の測定値と一緒に用いてもよい。
【0029】
アップリンク測位のための測定
表題に示唆されているように、アップリンク測位(例えばUTDOA)のための測定は、アップリンク伝送上で実行される。このようなアップリンク伝送は、例えば、物理信号又はチャネル伝送の1つ又は複数、例えば、参照信号伝送、ランダムアクセスチャネル伝送、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)伝送、又はデータチャネル伝送を含みうる。LTEアップリンクで伝送される参照信号の幾つかの例は、SRS及び復調用参照信号である。
【0030】
UL相対的到来時間(RTOA)は、現在標準化されているUTDOAタイミング測定である。この測定は、サウンディング参照信号(SRS)について実行することができ、SRSは、周期的な伝送のためにコンフィギュレーションされることができる。SRSは通常複数回伝送されるが、1回伝送されることもありうる。SRS伝送は、下記の2つのトリガータイプのいずれかによってトリガーされることができる。
・ トリガータイプ0:eNodeBからの上位層シグナリング。
・ トリガータイプ1:ダウンリンク制御チャネルシグナリングを介する(FDD及びTDD用のDCIフォーマット0/4/1A、並びにTDD用のDCIフォーマット2B/2C)。
【0031】
他の例示的なアップリンク測定は、3GPP TS36.214で規定されているアップリンク測定である。これらの測定は、受信信号強度、受信信号品質、到来角度(AoA)、eNodeB受信から送信までの(Rx−Tx)タイミング(eNodeB receive−to−transmit (Rx−Tx) timing)、相対的到来時間(RTOA)の測定、及び無線ネットワークノード(例えば、eNodeB又はLMU)によって実行される他の測定を含む。他の周知の測定には、UL TDOA、UL TOA、UL伝搬遅延などがある。
【0032】
マルチアンテナシステム
マルチアンテナシステムは、シングルユーザ多入力多出力(SU−MIMO)又はマルチユーザMIMO(MU−MIMO)技法、送信ダイバーシティ、受信ダイバーシティ、ビームフォーミング、現在3GPPで標準化されているようなアンテナアレイシステム、マルチポイント通信(例えば、協調マルチポイント、又はCoMP)、分散アンテナシステム(DAS)などの1つ又は複数のマルチアンテナ伝送技法及び/又はマルチアンテナ受信技法を使用することができる。1つのノードに関連付けられるアンテナは、例えば、同一場所に設置されるか、疑似的に同一場所に設置(例えば遅延スプレッドなどの幾つかのチャネル属性に基づいて)されるか、或いは同一場所に設置されないことがある。
【0033】
マルチアンテナシステムは、さらにリモート無線ユニット(RRU)又はリモート無線ヘッド(RRH)を配置することができる。RRUは、単一のユニットであり、RFフロントエンド機能のみが実装されていて、リンク(例えば、ファイバ又は無線リンク)を通して他のベースバンド・プロセス部(ベースバンドユニット、すなわちBBU)に接続される。機能の分散に応じて、RRUは、幾つかのベースバンド機能も含むことができる。RRUは、RRHとも呼ばれうる。
【0034】
マルチアンテナシステムは、複数のキャリア周波数又はコンポーネントキャリア(CC)で(並びに/又は異なるRF帯で)作動するマルチキャリアシステムをさらに備えることができる。マルチキャリアシステムは、以下で説明されるように、キャリアアグリゲーション(CA)を使用することができる。キャリアアグリゲーションでは、異なるCCが同一場所に設置される場合もあるし、同一場所に設置されない場合もある。
【0035】
マルチキャリア又はキャリアアグリゲーションの概念
ある技術の中でピーク速度を高めるために、マルチキャリア又はキャリアアグリゲーションと呼ばれるソルーションが知られている。マルチキャリア又はキャリアアグリゲーションシステムにおける各キャリアは、一般的にコンポーネントキャリアと称され、セルと呼ばれるときもある。簡単に言うと、コンポーネントキャリアは、マルチキャリアシステムにおける個別のキャリアである。キャリアアグリゲーションという用語は、(例えば同じ意味で呼ばれる)「マルチキャリアシステム」、「マルチセルオペレーション」、「マルチキャリアオペレーション」、「マルチキャリア」伝送及び/又は受信という用語でも呼ばれる。キャリアアグリゲーションは、アップリンクとダウンリンク方向におけるシグナリング及びデータの伝送に使用される。コンポーネントキャリアの1つは、プライマリコンポーネントキャリア(PCC)、又は単純にプライマリキャリア又はさらにアンカーキャリアである。残りのものは、セカンダリコンポーネントキャリア(SCC)、又は単純にセカンダリキャリア又はさらに補助キャリアと呼ばれる。概して、プライマリコンポーネントキャリア又はアンカーコンポーネントキャリアは、必須のUE固有シグナリングを運ぶ。プライマリコンポーネントキャリアは、キャリアアグリゲーションにおいてアップリンクとダウンリンクの方向の両方に存在する。ネットワークは、異なるプライマリキャリアを同じセクタ又はセルにおいて動作する異なるUEに対して割り当てることができる。
【0036】
キャリアアグリゲーションにおいては、UEは、ダウンリンク及び/又はアップリンクにおいて2つ以上のサービングセルを有する。すなわち、PCCとSCCそれぞれについて動作する1つのプライマリサービングセルと1つ又は複数のセカンダリサービングセルである。サービングセルは、プライマリセル(PCell)又はプライマリサービングセル(PSC)と同じ意味で呼ばれる。同様に、セカンダリサービングセルは、セカンダリセル(SCell)又はセカンダリサービングセル(SCC)と同じ意味で呼ばれる。用語に関わらず、PCell及びSCellは、UEがデータを受信及び/又は送信することを可能にする。より具体的には、PCell及びSCellは、UEによるデータの受信及び/又は送信のために、ダウンリンク及びアップリンクにおいて存在する。残りの非サービングセルは、近傍セルと呼ばれる。
【0037】
CAに属する複数のコンポーネントキャリアは、同じ周波数帯域(帯域内キャリアアグリゲーション)、又は異なる周波数帯域(帯域間キャリアアグリゲーション)、又はそれらのいずれかの組み合わせ(例えば、帯域Aにおいて2つのコンポーネントキャリア、帯域Bにおいて1つのコンポーネントキャリア)に属することができる。さらに、帯域内キャリアアグリゲーションにおけるコンポーネントキャリアは、周波数ドメインにおいて隣接するか、又は隣接しないことがある(帯域内非隣接キャリアアグリゲーション)。帯域内隣接アグリゲーション、帯域内非隣接アグリゲーション、及び帯域内アグリゲーションのうちのいずれかの2つを含むハイブリッド・キャリアアグリゲーションもさらに可能である。異なる技術のキャリア間のキャリアアグリゲーションを使用することは、「マルチRAT(無線アクセス技術)キャリアアグリゲーション」、又は「マルチRATマルチキャリアシステム」、又は単純に「RAT間キャリアアグリゲーション」とも呼ばれる。例えば、WCDMAのキャリアとLTEのキャリアは、アグリゲーションされることができる。もう1つの例が、LTE周波数分割複信(FDD)モードのキャリアとLTE時分割複信(TDD)モードのキャリアのアグリゲーションである。これはさらに同じ意味でマルチデュプレックスキャリアアグリゲーションシステム(multi−duplex carrier aggregation system)と呼ぶことができる。さらに別の例は、LTEキャリア及びCDMA2000キャリアのアグリゲーションである。明瞭性のために、記載されたような同じ技術内のキャリアアグリゲーションは、「RAT内」キャリアアグリゲーション又は単純に「単一RAT」キャリアアグリゲーションとみなすことができる。
【0038】
キャリアアグリゲーション内のコンポーネントキャリアは、同じ場所すなわち無線ネットワークノード(例えば、無線基地局、中継装置、モバイル中継装置)に設置される場合もあり、設置されない場合もある。例えば、複数のコンポーネントキャリアが、異なる位置から出る場合がある(例えば、同一場所に設置されない複数の基地局から、又は基地局及びリモート無線ヘッド(RRH)から、又は複数のリモート無線ユニット(RRU)において)。組み合わされたキャリアアグリゲーション及びマルチポイント通信技術の良く知られている例としては、分散アンテナシステム(DAS)、リモート無線ヘッド(RRH)、リモート無線ユニット(RRU)、及び協調マルチポイント(CoMP)伝送が含まれる。本明細書に記載の技術は、マルチポイントキャリアアグリゲーションシステム、並びにキャリアアグリゲーションがないマルチポイントシステムにも適用される。マルチキャリアオペレーションは、マルチアンテナ伝送に関連付けて使用することもできる。例えば、各コンポーネントキャリア上の信号は、2つ以上のアンテナを通してeNodeBによってUEに伝送することができる。
【0039】
多種多様な配置及びマルチアンテナ配列によって、測位のための測定の選択及びコンフィギュレーションが複雑になる。したがって、測位用の測定ノードを選択してコンフィギュレーションするための技法の改善が必要とされる。
【発明の概要】
【0040】
本明細書に記載される解決策の特定の実行形態は、測定ノードが複数アンテナと関連付けられる特定のシステムで生じる幾つかの問題に対処することができる。このようなシステムにおいて、ある無線デバイスのためのUL測定を実行するのに適切な受信アンテナのセットを、例えば、どのようにして選択し且つどのようにしてコンフィギュレーションするかは、簡単ではない場合がある。特に、複数の受信点がLMUに関連付けられるとき、以下の点について簡単でない場合がある。
・ UEのための測位ノードにおいてどのようにLMUを選択するか、
・ UEによって伝送されるUL無線信号について測定を実行するために、どの受信点(例えば、アンテナ、アンテナポート、RRHなど)を使用するか。
【0041】
以下の方法(互いに組み合わせることもできる)を含む、様々な技法が以下で詳細に開示されている。
・ 複数の受信点を有する測定ノードを配置する方法、
・ UL測定を実行するために受信点を決定する方法、
・ 複数の受信点に関連付けられる測定ノードを有する配置における検索ウィンドウ調整、及び
・ 複数の受信点を有する測位ノードを有する配置において測定を管理する方法。
【0042】
ネットワークノードによって実行される例示的な方法は、無線デバイスによって伝送される無線信号の測定を制御するための方法であり、前記測定は、2つ以上の受信点に関連付けられる測定ノードによって実行される。この例示的な方法は、2つ以上の受信点に関連付けられる少なくとも1つの測定ノードのために受信点コンフィギュレーションを取得することから開始し、取得されたコンフィギュレーションに基づいて測定を実行するために1つ又は複数の受信点を選択することへと続く。次いで、選択された受信点は、測定を実行するようにコンフィギュレーションされる。幾つかの実施形態では、この例示的な方法は、少なくとも1つの測定ノードから測定値を受信することをさらに含むことができる。幾つかの実施形態では、選択された受信点は、同じ測定ノードに関連付けられる2つ以上の受信点のサブセットを含む。選択された受信点は、同じロケーション又は異なるロケーションに関連付けられることができる。
【0043】
無線デバイスによって伝送される無線信号を測定するように適合される測定ノードにおける実行形態に適切な関連方法は、測定ノードに関連付けられる、2つ以上の同一場所に設置されない受信点のために受信点コンフィギュレーションを取得するところから開始する。この方法は、取得したコンフィギュレーションを使用して少なくとも1つの測定を実行することへと続く。幾つかの実施形態では、この例示的な方法は、測定値を、別のノード、例えば測位ノードに送信することへと続く。幾つかの実施形態では、少なくとも測定を実行することは、選択的に測定を実行することを含む。幾つかの実施形態では、受信点コンフィギュレーションを取得することは、別のノードから受信点コンフィギュレーションを受信することを含む。これらの実施形態又はいずれかの他の実施形態において、受信点コンフィギュレーションは、受信機無線周波数(RF)特性、周波数又は周波数範囲、受信帯域幅、無線周波数(RF)コンフィギュレーションパラメータ、アンテナコンフィギュレーション、アンテナパターンコンフィギュレーション、アンテナ偏波コンフィギュレーション、電波ビームコンフィギュレーション、アンテナアレイコンフィギュレーション、受信機タイプ、受信信号の測定の基準点、並びに受信点のロケーション又は設置に関連付けられるパラメータのいずれか1つ又は複数を含むことができる。
【0044】
無線デバイスによって伝送される無線信号を測定するように適合される測定ノードにおける実行形態に適切な別の関連する方法は、無線デバイスからの無線信号の測定を実行するために検索ウィンドウ情報を受信することから開始する。この方法は、検索ウィンドウ情報に基づいて、少なくとも2つの異なる検索ウィンドウを使用して、測定ノードに関連付けられる少なくとも2つの受信点に対して測定を実行することへと続く。幾つかの実施形態では、検索ウィンドウ情報は、共通基準検索ウィンドウを含み、この場合、当該方法は、受信点の1つに関連付けられる少なくとも測定のために検索ウィンドウを取得するために基準検索ウィンドウを調整することをさらに含むことができる。これらの幾つかの実施形態では、共通基準検索ウィンドウは、測定ノードのロケーションに基づいており、基準検索ウィンドウを調整することは、受信点のロケーションに基づく。幾つかの実施形態では、検索ウィンドウ情報を受信することは、少なくとも2つの受信点のそれぞれについての検索ウィンドウパラメータを受信することを含み、且つ当該方法は、受信された検索ウィンドウパラメータに基づいて少なくとも2つの受信点のそれぞれに対して検索ウィンドウを決定することをさらに含む。幾つかの方法では、少なくとも2つの受信点に対する検索ウィンドウは、無線デバイスに対する1つ又は複数のモビリティパラメータに基づく。
【0045】
さらに別の関連する方法は、第1ネットワークノードにおける実行形態に適切であり、1つ又は複数の測定ノードに関連付けられる2つ以上の受信点に対する測定値を取得することから開始し、測定ノードの少なくとも1つは、受信点の2つ以上に関連付けられる。次に、測定値と受信点を関連付けるルールに基づいて、測定識別子が測定値に割り当てられ、各測定識別子は、1つ又は複数の受信点に対応する。最後に、測定値及びこれに対応する測定識別子は、第2ネットワークノードに転送される。幾つかの実施形態では、この方法は、受信点に対応する測定識別子を使用して2つ以上の受信点を特定する測定要求を第1に受信することをさらに含むことができる。
【0046】
以上で要約される方法の1つ又は複数を実行するように構成される装置及び/又はその変形例は、以下でさらに詳細に記載される。これらの装置は、測定ノード及び他のネットワークノードを備える。言うまでもなく、本発明は、以上で要約された方法、装置、特性、及び利点に限定されるものではない。実際には、当業者は、下記の詳細な説明を読み、添付の図面を参照することで、追加的な特性及び利点を認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】アップリンク測位のためのLTE測位アーキテクチャに従ってコンフィギュレーションされる例示的なネットワークにおける幾つかのノードを示す。
図2】ダウンリンク測位のためのLTE測位アーキテクチャに従ってコンフィギュレーションされる例示的なネットワークにおける幾つかのノードを示す。
図3A】複数の受信点に関連付けられる測定ノードに対する様々なネットワーク配置の選択肢を示す。
図3B】複数の受信点に関連付けられる測定ノードに対する様々なネットワーク配置の選択肢を示す。
図3C】複数の受信点に関連付けられる測定ノードに対する様々なネットワーク配置の選択肢を示す。
図3D】複数の受信点に関連付けられる測定ノードに対する様々なネットワーク配置の選択肢を示す。
図4A】複数の受信点コンフィギュレーションを制御する制御ユニットの例を示す。
図4B】複数の受信点コンフィギュレーションを制御する制御ユニットの例を示す。
図4C】複数の受信点コンフィギュレーションを制御する制御ユニットの例を示す。
図4D】複数の受信点コンフィギュレーションを制御する制御ユニットの例を示す。
図4E】複数の受信点コンフィギュレーションを制御する制御ユニットの例を示す。
図5】幾つかの実施形態による、例示的なモバイル端末(UE)のコンポーネントを示す。
図6】例示的な無線ネットワークノードのコンポーネントを示す。
図7】例示的なネットワークノードのコンポーネントを示すブロック図である。
図8】測定を制御するための例示的な方法を示すプロセスフロー図である。
図9】関連する方法を示すプロセスフロー図である。
図10】関連する方法を示すプロセスフロー図である。
図11】関連する方法を示すプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
3GPPのLTEの用語は、本発明を例示するために本開示において使用されているが、これは、本発明の範囲を、LTEシステム又はLTE無線アクセス技術(RAT)を使用するシステムに限定するとみなすべきではない。WCDMA、WiMAX、UMB、及びGSMに基づくシステムを含む他の無線システムも、本開示に含まれるアイデアを利用することによって利益を得ることができる。さらに、本明細書で開示される発明の技術は、単一RATシステムに限定されず、さらにマルチRATコンテクスト(multi−RAT context)に適用することができる。幾つかの他のRATの例には、LTE−Advanced、UMTS,HSPA、GSM、cdma2000、WiMAX、及びWiFiがある。本明細書に記載される実施形態は、さらにシングルキャリア、マルチキャリア、及びキャリアアグリゲーションネットワークに適用される。
【0049】
またさらに、本明細書に記載の技術及び装置は、単独の実施形態と見なすことができ、本明細書の記載が明白に他のものを示さない限り、いずれかの組み合わせとして使用することができる。
【0050】
「無線デバイス」と「UE」という用語は、以下の記述において同じ意味で使用される。UEは、無線インターフェースを装備し、少なくとも無線信号を生成し、且つそれを無線ネットワークノードに伝送することができる、いずれかのデバイスを含むことができる。幾つかの無線ネットワークノード、例えば、フェムト基地局、又は「ホーム基地局」、及びLMUは、UEのようなインターフェースを装備してもよく、場合によっては、UEが測位されるのと同じ態様で測位される必要がありうる。一般的に理解されるべきUEの例としては、無線PDA、無線装備ラップトップコンピュータ、携帯電話、無線センサ、固定中継ノード、携帯中継ノード、及びUEのようなインターフェースを装備するいずれかの無線ネットワークノード(例えば、スモールRBS、eNodeB、フェムトBS)がある。
【0051】
「無線ノード」は、無線信号を送信及び/又は受信する能力によって特徴付けられ、少なくとも送信アンテナ又は受信アンテナを備える。無線ノードは、UE又は無線ネットワークノードであることができる。無線ノードの幾つかの例としては、無線基地局(LTEにおけるeNodeB、又はUTRANにおけるNodeB)、中継装置、モバイル中継装置、リモート無線ユニット(RRU)、リモート無線ヘッド(RRH)、無線センサ、ビーコン装置、ダウンリンク信号を伝送することができる測定ユニット(例えばLMU)、ユーザ端末、無線PDA、携帯電話、スマートフォン、無線装備ラップトップコンピュータなどがある。
【0052】
「無線ネットワークノード」は、無線通信ネットワークにおける無線ノードであり、通常、固有ネットワークアドレスを有することに特徴付けられる。例えば、セルラネットワークにおけるモバイル機器は、ネットワークアドレスを有しない場合があるが、アドホックネットワークシステムに関わる無線デバイスは、ネットワークアドレスを有する可能性がある。無線ノードは、1つ又は複数の周波数において作動し、或いは無線信号を受信又は伝送することができ、単一RAT、マルチRAT、又はマルチスタンダードモードで作動することができる(例えば、デュアルモードユーザ機器は、WiFiとLTE、又はHSPAとLTE/LTE−Aのうちのいずれか1つ又は組み合わせで作動することができる)。eNodeB、RRH、RRU、LMU、又は伝送専用ノード/受信専用ノードを含む無線ネットワークノードは、固有のセルを生成してもよいし生成しなくてもよい。それは、さらに固有のセルを生成する別の無線ノードとセルを共有してもよい。2つ以上のセルが1つの無線ノードに関連付けられてもよい。さらに、例えば、UEが1つのプライマリセル(PCell)と1つ又は複数のセカンダリセル(SCell)を有することができるキャリアアグリゲーションシステムにおいて、(DL及び/又はULにおける)1つ又は複数のサービングセルをUEのためにコンフィギュレーションしてもよい。セルは、送信モードに関連付けられる仮想セルであってもよく、仮想セルは、例えば、セルIDによって特徴付けられるが、十分にセルのようなサービス提供をしない。
【0053】
「ネットワークノード」は、無線ネットワークノード又はコアネットワークノードであってよい。ネットワークノードの幾つかの非限定的な例としては、eNodeB、無線ネットワークコントローラ(RNC)、測位ノード、MME、PSAP、SONノード、MDTノード、及びO&Mノードがある。以下に記載されているような「連携ノード」は、ネットワークノードであってよいが、必ずしもネットワークノードであるとは限らない。
【0054】
本明細書の幾つかの実施形態に記載される「測位ノード」は、測位の機能を有するノードである。例えば、LTEにおいては、測位ノードは、ユーザプレーンにおける測位プラットフォーム(例えば、LTEにおけるSLP)、或いは制御プレーンにおける測位ノード(例えば、LTEにおけるE−SMLC)と理解することができる。SLPは、SUPLロケーションセンター(SLC)、及びSUPL測位センター(SPC)から構成されてよく、SPCは、E−SMLCとともに専用インターフェースをさらに有してもよい。測位の機能は、さらに2つ以上のノード間で分割してもよい。例えば、LMUとE−SMLCの間にゲートウェイノードが存在する場合があり、ゲートウェイノードは、無線基地局又は別のネットワークノードであってもよく、この場合、「測位ノード」という用語は、E−SMLCとゲートウェイノードに関連することができる。テスト環境において、測位ノードは、テスト機器によってシミュレーション又はエミュレートされてもよい。「測位ノード」という用語は、少なくとも幾つかの実施形態では、さらに「測位サーバ」という用語と同じ意味で使用することができる。測位サーバ又は測位ノードは、さらに無線デバイスにおいてコンフィギュレーションしてもよく、例えば、ネットワークノードである場合があるし、ネットワークノードでない場合もある。
【0055】
「測定ノード」は、測位測定を実行する無線ノードであり、無線デバイス又は無線ネットワークノード(例えば、LMU又はeNodeB)であってもよい。ダウンリンク測定は、通常、1つの無線ネットワークノードによって伝送される少なくとも信号/チャネルについて無線デバイスによって実行される測定である。アップリンク測定は、通常、1つ又は複数の無線デバイスによって伝送される少なくとも信号/チャネル上について無線ネットワークノードによって実行される測定である。さらに、アップリンク及びダウンリンクの両方の測定コンポーネント、例えば、Rx−Tx又はRTTを含む測定がある。幾つかのアップリンク測定では、通常、測定は、無線デバイスによって及びネットワークノード自身によって伝送される信号/チャネルについて無線ネットワークノードによって実行される。アップリンク測位のための測定、すなわち測位に使用することができる無線測定の幾つかの例としては、タイミング測定(例えば、TDOA、TOA、タイミングアドバンス(タイプ1)及びタイミングアドバンス(タイプ2)、無線ネットワークノードによって測定されるRTT、UTDOAのために定義されるUL RTOA、UL伝搬遅延など)、角度測定(例えば、AoA)、受信信号強度と受信信号品質の測定がある。これらの測定の幾つかは、3GPP TS 36.214で規定されており、その最新版はwww.3gpp.orgで見付けることができる。アップリンク測定は、少なくとも1つのアップリンク測定コンポーネント、例えば、2方向測定のアップリンク測定コンポーネントを有する測定を含んでよい。提案されている解決策を提供する特定のネットワークにおいて測定ノードを実装するために使用することができる例示的なネットワークノードは、以下でより詳しく説明される。
【0056】
本明細書で使用される「連携ノード(coordinating node)」という用語は、1つ又は複数の無線ノード間の無線リソースを連携させるネットワーク及び/又はノードである。連携ノードの例としては、ネットワーク監視及びコンフィギュレーションノード、OSSノード、O&Mノード、MDTノード、SONノード、測位ノード、MME、パケットデータネットワークゲートウェイ(P−GW)又はサービングゲートウェイ(S−GW)ネットワークノード 又はフェムトゲートウェイノードなどのゲートウェイノード、関係するより小さい無線ノードを連携させるマクロノード、リソースを他のeNodeBと連携させるeNodeBなどがある。提案されている解決策を提供する特定のネットワークにおいて連携ノードを実装するために使用することができる例示的なネットワークノードは、以下でより詳しく説明される。
【0057】
本発明の様々な実施形態に関連して以下に記載されるシグナリングは、ダイレクトリンク又は論理リンクのいずれかを介する(例えば、上位層プロトコルを介してもよいし、1つ又は複数のネットワーク及び/又は無線ノードを介してもよいし、これらの組み合わせを介してもよい)。例えば、連携ノードからのシグナリングは、別のネットワークノード、例えば無線ネットワークノードを通過してもよい。
【0058】
本明細書の記載で使用される「サブフレーム」という用語(通常LTEに関連する)は、時間ドメインにおける例示的リソースであり、一般的には、いずれかの所定の時間の例又は期間でありうる。本明細書で使用される「測定」という用語は、測定プロセス、又はその測定プロセスの結果を指すことがある。場合によっては、「測定値」という用語は、測定プロセスの結果を指すために使用される。同様に、「補正」という用語は、補正プロセスを指すことがあるし、他の何らかの値の補正に使用される値、すなわち「補正値」を指すことがある。
【0059】
関連する技術及び装置の背景及び説明を提供する目的で、2012年12月10日に出願された国際特許出願番号PCT/SE2012/051364号、及び2013年5月3日に出願された国際特許出願番号PCT/SE2013/050496号は、それぞれ内容全体が参照により本願に組み込まれている。さらに、3GPP標準文献TS 36.211「Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E−UTRA); Physical Channels and Modulation」11.0.0版(2012年9月)、及び3GPP TS 36.214「Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E−UTRA); Physical Layer; measurements」 11.0.0版(2012年9月)は、両方とも本開示のために背景と文脈を提供する目的で、具体的には、本明細書で使用されているような信号名、パラメータ名などの多くを定義する目的で、内容全体が参照により組み込まれている。
【0060】
UL測位のための測定ノード選択
UL/UTDOA測位では、E−SMLCは、UEによって伝送されるUL無線信号についての無線測定を実行する支援無線ネットワークノード(例えばLTEにおけるLMU)を選択する。選択された測定ノードには、測定ノードが測定をコンフィギュレーションし実行するのに必要な支援データが(例えばSLmAPを通して)提供される。支援データは、汎用データ及び伝送されたUL無線信号のコンフィギュレーションを含んでよい。UL無線信号コンフィギュレーションがE−SMLCとLMUの間の進行中の測定報告処理の間に変化するとき、E−SMLCは、更新されたコンフィギュレーションを測定ノードに送信してもよい。
【0061】
測位ノードは、例えば、LMU又はO&MノードからのLMUロケーション情報をさらに含むことができるLMU情報を受信する。したがって、LMU選択は、例えばLMUロケーション情報に基づくことができる。しかしながら、LMUロケーションは、例えば、アンテナが測定ノードから遠隔にあるとき、受信アンテナのロケーションを正確に反映する場合もあるし、反映しない場合もある。さらに、1つのLMUが、複数のアンテナに関連付けてもよく、この場合もやはり、複数のアンテナがLMUと正確に同じロケーションである場合もあるし、そうでない場合もあり、さらに互いに同一場所に配置される場合もあるし、そうでない場合もあり、或いは異なるカバレージ又はサービング領域を有する場合がある(例えば、マルチセクタ及び/又は分散アンテナを有するeNodeBに一体化されるLMU)。
【0062】
本明細書に詳述される解決策の特定の実行形態は、測定ノードが複数アンテナと関連付けられる特定のシステムで生じる幾つかの問題に対処することができる。このようなシステムにおいて、ある無線デバイスのためのUL測定を実行するのに適切な受信アンテナのセットを、例えば、どのようにして選択し且つどのようにしてコンフィギュレーションするかは、簡単ではない場合がある。
【0063】
特に、複数の受信点がLMUに関連付けられるとき、以下の点について簡単でない場合がある。
・ UEのために測位ノードにおいてLMUをどのように選択するか、
・ UEによって伝送されるUL無線信号について測定を実行するために、どの受信点(例えば、アンテナ、アンテナポート、RRHなど)を使用するか。
【0064】
以下の説明では、幾つかの関連する技術が論じられている。便宜上、これらは、幾つかのグループに分類されており、「グループ1」、「グループ2」などと指定される。こうした分類は、技法を説明する目的では役立つが、以下の説明又は技法の仕様で他のことが明らかに示されていない限り、異なる分類の技法を互いに組み合わせて使用することができることを理解されたい。同様に、ある技法の変形例が、以下の記載において説明されるとき、同じ変形例又は類似する変形例は、以下で使用される説明上の同じ分類に入るかどうかに関わらず、類似する技法又は関連する技法にも広く適用することができる。
【0065】
グループ1の技法:複数の受信点を有する測定ノードを配置する方法
この分類の幾つかの技法によると、第1ノード(例えば、測定ノード、LMU、eNodeB、測位ノード、SONノード、連携ノード、O&Mノード)は、無線デバイスを測位するための少なくとも1つのUL測定を測定ノードによって実行するための受信点コンフィギュレーションを取得する。これらの技法は、例えば、複数の受信点がその測定ノード(例えば、LMU,eNodeB、AP)に関連付けられるときに特に関連性がある。本明細書で使用されるように、「受信点」という用語は、
・ 受信アンテナ、
・ 受信アンテナ要素、
・ 受信アンテナポート(物理的又は論理的)、又は受信機ポート、
・ 受信アンテナパネル、
・ アンテナシステム、
・ アンテナアレイ、
・ DASにおいて無線信号を受信する要素、
・ CoMPシステムのおける受信点、
・ 無線デバイスによって伝送される電波を受信するポイント、
・ 無線信号を受信することに関連付けられるネットワーク要素、
・ 無線ネットワークノード(例えば、eNodeB、RBS、WLANアクセスポイント、中継装置、フェムトBS、RRH、RRUなど)又は(例えば、マルチホップ無線ネットワークにおいて)無線信号を受信する別の無線デバイス
・ ネットワーク要素又はノード要素の受信チェーンであって、それを介して受信された無線信号特性が無線信号処理ユニットに送達される、ネットワーク要素又はノード要素の受信チェーン、
・ 受信された信号測定に対する基準点、
・ 無線信号を受信することに関連付けられるロケーション又は設置点
のいずれか1つ又は複数を指すことができることに留意されたい。
【0066】
特定の実施形態では、取得された受信点コンフィギュレーションは、別のノードから受信されてもよいし、メモリ(例えば、第1ノードがアクセス可能なローカルメモリ要素)から読み取られてもよいし、これらに加えまたはこれらに代えていずれかの他の適切な態様で第1ノードによって取得されてもよい。したがって、特定の実施形態では、受信点コンフィギュレーションを取得することは、例えば、第1ノードが、第2ノードから受信点コンフィギュレーションを受信すること、又はメモリから記憶された受信点コンフィギュレーションを読み出すことを含む。受信点コンフィギュレーションを取得することは、例えば、UL測定を実行するのに使用される受信点(又はそれらの識別子)の1つ又はそのセットを取得することを含むことであってもよい。受信点のセットを取得することは、(例えば、いずれかの無線デバイス又は特定のタイプの無線デバイスのための)測定ノードに関連付けられるすべての受信点のセット、或いはすべての利用可能な受信点のセットから選択された1つ又は複数の受信点を取得することを含みうる。さらに、測定ノードが2つ以上の受信点をサポートできるかどうかを示す測定ノードケーパビリティがあってもよく、イベント、トリガー条件、又はこのノードからの要求の下で、このケーパビリティは別のノード(例えば、測位ノード)にシグナリングされてよい。このケーパビリティに応じて、他のノードは、例えば、状況に応じて、特定の測位セッションに関連する受信点のサブセットを選択するか、測定IDを決定することができる。ここに開示されている技法の幾つかの実施形態では、受信点のセットを取得することは、測定ノードに関連付けられる受信点の数を取得すること、及び/又はセットにおける受信点の識別情報を取得することを含みうる。
【0067】
受信点コンフィギュレーションを取得することは、代替的に、又は追加的に、例えば、受信点に関連付けられる1つ又は複数のコンフィギュレーションパラメータを取得することを含んでもよい。前記パラメータは、少なくとも1つの受信無線信号特性、又は信号が受信されるチャネルの特性(例えば、位相、振幅、受信電力、受信エネルギー、受信信号品質、受信信号の伝搬遅延又はタイミング、伝搬路、マルチパスプロフィールなど)を決定する。受信点コンフィギュレーションパラメータの幾つかの例としては、
・ 受信機無線周波数(RF)特性(例えば、www.3gpp.orgで入手可能な3GPP文献、3GPP TS 36.104で規定されているような)、
・ 周波数又は周波数範囲、
・ 受信帯域幅、
・ 無線周波数(RF)コンフィギュレーションパラメータ、例えば、受信感度、信号分割、増幅、アイソレーションなどに関連付けられるパラメータ
・ アンテナコンフィギュレーション(機械的な傾き、電気的な傾き、方位、アンテナ利得)、
・ アンテナパターンコンフィギュレーション、
・ アンテナ偏波コンフィギュレーション、
・ 電波ビームコンフィギュレーション(例えば、利得、幅、水平方向、垂直方向、マルチビームコンフィギュレーション)、
・ アンテナアレイコンフィギュレーション
・ 受信機タイプ(例えば、信号がどれだけ弱まると予測されるかに応じて、または干渉キャンセル/干渉抑制/干渉除去などの干渉処理(interference handling)が必要であるかどうかに応じて、等)
・ 受信信号の測定の基準点(例えば、基準点がコンフィギュレーション可能であるかどうか)、並びに
・ 前記受信点のロケーション又は設置に関連付けられるパラメータ(例えば、調整可能でありうる高さ)
がある。
【0068】
幾つかの実施形態では、UL測定を実行するのに使用される受信点(又はそれらの識別子)のセットを取得すること、並びに受信点に関連付けられる1つ又は複数のコンフィギュレーションパラメータを取得することは、両方とも実行してよい。場合によっては、これらのことは、単一のノード又は複数のノードによって、2つ(又はそれより多くの)ステップで実行してよい。幾つかの実施形態では、第1の取得の結果は、第2の取得オペレーションを実行する異なるノードに記憶及び/又はシグナリングされてよい。
【0069】
測位されている無線デバイスによって伝送される無線信号は、受信無線信号及び/又は受信無線信号特性が測定ノードと共有された或いは測定ノードに通信した後に、受信点の1つ又は複数によって受信される(例えば、1つ又は複数の無線リンク及び/又はケーブルを介して、直接的に、或いは別のノード又はユニットを介して、例えば、ゲートウェイ又はAntenna Sharing Unit(ASU)を介して)。測定ノードは、次いで、少なくとも受信無線信号及び/又はその特性に基づいて、1つ又は複数のUL測定を実行する。
【0070】
複数の受信点に関連付けられる測定ノードを備えるネットワーク配置の幾つかの例が図3A、3B、3C,及び3Dにおいて示される。図3Aは、分散アンテナを有する屋内システム、或いは無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)アクセスポイントを有する屋内システムを示す。複数アンテナ又は複数アクセスポイントは、直接的に或いは1つ又は複数の他のノードを通して、測定ノード(例えば、LMU)に接続される複数の受信点をなす。図3Bに示される例示的な配置では、測定ノード(例えば、LMU)は、eNodeBと同じ位置に配置されているか、eNodeBと一体化されている。このeNodeBは、指向性アンテナを備える3つのセクタ分割アンテナシステムを有する。したがって、3つの受信点(アンテナの3つのセクタ)は、単一の測定ノードに関連付けられる。図3Bで示されているように、測位されているUEは、測定を実行中のeNodeBに加えて、又はその代わりに、別のeNodeBによってサーブされてもよい。
【0071】
図3Cでは、測定ノード(例えば、LMU)は、複数の無線基地局(eNodeBs)とアンテナを共有しており、さらにゲートウェイを介して幾つかの無線基地局に接続されている。最後に、図3Dでは、スタンドアロン測定ノード(例えば、LMU)は、固有のアンテナを有するが、同様にアンテナを共有する別のeNodeにさらに接続される。
【0072】
これらの図を見るとわかるように、測定ノードが複数に受信点に関連付けられるとき(又は、同じ意味で、複数の受信点が測定ノードに関連付けられるとき)、あるUEに対してUL測定を実行するために、関連付けられた受信点のすべてを常に使用することは、最適でないかもしれない。
【0073】
複数の受信点に対する受信点コンフィギュレーションは、いずれかの幾つかのノードによって、取得及び/又は使用されうる。ノードにおいて実行されうる例示的なオペレーションは、例えば以下のいずれか1つ又は複数の受信点コンフィギュレーションを取得することを含む。
・ 例えば、利用可能な受信点のセットから以前に取得した結果に基づいて決定されたセットから、又は所定のセットから、受信点コンフィギュレーションを決定、計算、特定、又は選択すること、
・ 1つ又は複数の入力パラメータ又は条件に基づいて、どの受信点を使用するか又はそれらのコンフィギュレーションを決めること
・ 受信点コンフィギュレーションを獲得すること(例えば、測位ノード、O&Mノードなどの別のノードからの要求に応答して、内部メモリ又は外部メモリ、テーブル、データベースから)
・ 別のノードから受信点コンフィギュレーションを受信すること。
【0074】
他の例示的オペレーションは、例えば以下のいずれか1つ又は複数の取得された受信点コンフィギュレーションを使用することを含む。
・ 取得された受信点コンフィギュレーションに基づいて、アップリンク測定のために受信点及び/又は測定ノードを選択すること。一例では、測定ノードのセットは、受信点コンフィギュレーションを取得する前に及び/又は受信点を選択する前に、選択される。別の例では、(例えば特定のUEに対してLMUを支援する)測定ノードのセットは、受信点コンフィギュレーションを取得した後に及び/又は受信点を選択した後に、選択される。
・ 受信点コンフィギュレーションに基づいてデータを少なくとも1つの第2ノード(例えば、測定ノード、eNodeB又はDAS管理ノードなどの受信点コンフィギュレーションを制御するノード、別の測位ノード、SONノード、MDTノード、O&Mノード)に送信すること。このデータは、例えば、測定ノードに送信されるアップリンク伝送信号コンフィギュレーションを含む支援データであってもよい。このデータは、無線デバイスの概略ロケーションの領域(例えば、サービングセル、セルセクタなど)に関連付けられた、決定された受信点のセットであってもよく、これらのデータは、例えば、無線デバイスに対するSRS伝送信号コンフィギュレーションと共に(例えばLPPaを介して)サービングeNodeBから測位ノードに送信されてもよい。このデータは、アップリンク測定を実行するために又は無線機器をコンフィギュレーションするためにデータを受信するノードにおいて使用されてもよく、決定された受信点コンフィギュレーション、例えば、決定された受信点のセット及び/又は決定された受信点に対するコンフィギュレーションパラメータを含むことができ、これは、1つ又は複数の測定ノードに関連付けられることができる。例えば、測位ノードは、データを(例えばSLmAPを介して)LMUに通知してもよいし、測位ノードは、データを(例えばLPPaを介して)LMUとアンテナを共有するeNodeBに通知してもよい。
・ 測位される無線デバイスによって伝送される無線信号を受信するために、決定された受信点をコンフィギュレーションすること。例えば、関連するノードは、関連する受信点に対して受信点コンフィギュレーションの1つ又は複数のパラメータを設定することによって受信点をコンフィギュレーションすることができ(例えば、コンフィギュレーションパラメータを示す情報を、受信点或いはそれらの受信点に関連付けられた測定ノード又は他のノードに伝送することによって)、それにより、無線デバイスによって伝送される無線信号を受信及び/又は処理することが容易となる。
・ 決定された受信点のセットに含まれる受信点からのみ、(例えば測定ノードにおいて)受信無線信号、受信無線信号特性、又はサンプルを選択的に取得及び/又は使用し、且つそれらをアップリンク測定値を取得するために処理ユニットにおいて使用すること。
・ 例えば、決定された受信点のセットに含まれる受信点のみから(例えば、測定ノード又は測位ノードにおいて)アップリンク測定値を選択的に使用し、且つそれらを無線デバイスのための位置計算のために使用すること。
【0075】
取得された受信点コンフィギュレーションは、例えばデータベース、或いは内部メモリ又は外部メモリの中に記憶してもよく、その後、測位のために(例えば、他の無線デバイスの測位のために)、又は無線リソース管理(RRM)、自己組織化ネットワーク(SON)管理、ドライブ試験の省力化(MDT)、ネットワーク管理、セル計画又は最適化などの他の目的のために使用してもよい。
【0076】
上記の機能性は、例えば、複数の受信点構成を制御する制御ユニットの例を示す図4Aから図4Eで図示されているように、一つ又は複数の制御ユニットにおいて実行することができる。これらの制御ユニットは、上記のステップの1つ又は複数を実行することができる。これらは、機能ブロック、適切なソフトウェアでコンフィギュレーションされるプロセッサ、ハードウェアユニット、又はソフトウェアベース処理とハードウェアベース処理の組み合わせに相当していてもよい。幾つかの例では、制御ブロックは、同じ位置に配置されたLMU及びRBSソルーションのために使用されるAntenna Sharing Unit(ASU)を含んでよい。特定の実施形態では、この制御ユニットは、プロセッサ(例えば、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は記載された機能を実行するように構成される他の電子回路)に相当していてもよい。制御ユニットの物理コンポーネントは、単一のノードに配置されてもよく、又はネットワークの複数のノードを通して分散されてもよい。
【0077】
グループ2の技法:アップリンク測定を実行するために受信点を決定する方法
以下に記載される様々な技法は、1つ又は複数のアップリンク測定を実行するために使用される特定の受信点を決定、すなわち特定又は選択するために使用されうる。アップリンク測定を実行するために受信点の1つ又はセットを決定することは、例えば、
・ 所定のルール(例えば、1つのロケーションから又は小領域につき1つの受信点)、
・ 予めコンフィギュレーションされた又は動的にコンフィギュレーションされた関係構造(以下に記載のアプローチ1を参照)、
・ 測定パフォーマンス統計値(以下に記載のアプローチ2を参照)、
・ 測位パフォーマンス統計値(以下に記載のアプローチ3を参照)、又は
・ 上記のいずれかの組み合わせ
に基づくことができる。
【0078】
測位方法及び測位のための測定のタイプに応じて、1つ又は複数の受信点がアップリンク測定に使用されてもよい。
【0079】
アプローチ1:サービングセル情報に基づいた決定
モバイル端末(3GPP技術においてはUE)のためのサービングノード又はサービングセルは、通常、測位セッションが開始するときに覚知される。この知識は、受信点のセットを決定するために利用することができる。
【0080】
このアプローチによると、受信点のセットを決定するためには、ノード(以下に記載のグループ1の技法に従って受信点のセットを取得した同じノードでありうる)は、サービングノード又は測位されている無線デバイスのセル識別情報と、関連付けられた受信点のリストとの間の関係を用いることができる。このリストは、例えば好適な順序で、又は受信点に対して割り当てられた優先順位で並べることができる。好適な順序又は優先順位は、幾つかの無線デバイスを測位するために必要な受信点が少なくてもよいときに利用することができる。このようにして、例えば、N個の「最善な」受信点(例えば、リストにおける最初のN個の受信点)が選択されうる。リスト及び受信点の優先順位は、例えば、測位される無線デバイスのタイプにさらに依存してもよい。無線デバイスのタイプは、例えば、無線デバイスの伝送能力によって異なる場合がある。したがって、例えば、最大出力電力33dBmを有する無線デバイスについて選択された受信点のリスト又は候補の受信点のリストは、最大出力電力23dBmを有する無線デバイスについてのリストよりも、長いことがある。別の例では、リスト及び受信点の優先順位は、ターゲット測位のQoS(例えば、不確実性と信頼性)に依存してもよい。
【0081】
サービングノード又は測位されている無線デバイスのセル識別情報と、関連付けられた受信点のリストとの間の関係は、テーブル又はリストのセット(例えば、サービングセル/ノードそれぞれに対して1つのリスト)などのいずれかの様々な構造又は形式を有することができる。その関係の構造は、異なる測位のための測定のタイプ又は測位方法に応じて、異なってもよい。
【0082】
ノードは、上記の関係を構築及び維持することができ、例えば、セルと関連付けられたリストに受信点を追加してもよいしそこから除外してもよい。受信点を特定の関係に追加する又はそこから除外することは、いずれかの幾つかの理由に基づく場合があり、例えば、測定品質統計値(以下のアプローチ2を参照)、又は測位の正確性(以下のアプローチ3を参照)などに基づく。ノードは、別のノード(例えば、近傍ノード、MME、O&Mノード、SONノード、測位ノードなど)から少なくとも1つのセル/ノードに対する受信点のリストを取得してもよいし、内部又は外部データベース、メモリ、コンピュータ可読媒体などから上記の関係を獲得してもよい。幾つかの実施形態では、ノードは、例えばX2、LPPa、SLmAPなどを介して、別のノードに上記関係を通知してもよい。
【0083】
アプローチ2:測定パフォーマンス統計値に基づいた決定
この実施形態によると、ノード(以上に記載のグループ1の技法に従って受信点のセットを取得した同じノードでありうる)は、測位されている無線デバイスの概略ロケーションを示す情報、例えば、以下のいずれか1つ又は複数を考慮しながら、測定パフォーマンス統計値を使用してUL測定に使用される受信点を決定する。
・ サービング又は近傍無線ネットワークノード又はセル識別情報(例えば、サービングセルECGI又はサービングセルPCI及びEARFCN)、
・ 地理的領域指標(例えば、ストリート、地域名、フロア、又は領域インデックス)、
・ 論理領域指標(例えば、論理領域特定、トラッキングエリア、セル又はセクタ)。
【0084】
統計値は、別のノードから取得してもよいし、データベース、内部メモリ又は外部メモリ、或いはコンピュータ可読媒体から獲得してもよい。これらの測定パフォーマンス統計値は、関係する測定の品質を示すいずれかの適切な情報、又は測定がどれだけ適切に実行されたかを示すいずれかの他の適切な指標を表してもよい。例えば、特定の実施形態では、測定パフォーマンス統計値は、測定の標準偏差に基づく特定の関連付けられたUL RTOA測定の品質を示すUL RTOA測定品質基準を表してもよい。
【0085】
幾つかの実施形態では、十分な統計値がない場合、測定ノードに関連付けられたすべての受信点を、アップリンク測定のために選択してもよい。この後、測定パフォーマンス統計値(例えば、UL RTOA測定品質基準)は、統計処理(例えば、グループ化、平均化など)を伴って又は伴わずに、データベースに記憶されてもよい。データベース内の例示的な記録は、例えば、以下のようにフォーマット化されてよい。
<受信点ID; UL測定品質; サービングセルECGI; [他のパラメータ]>。
【0086】
他のパラメータは、例えば、以下のいずれかの1つ又は複数の無線デバイスのロケーションをさらに詳述してよい。
・ セルへの距離又はセルへの距離を示す測定値(又は測定領域)、例えば、タイミング測定値(TA、eNodeB、Rx−Tx、RTT、TOA)、又は信号強度測定値、
・ 近傍セル又は無線ノードの識別子、
・ 方位測定又は測定範囲、例えば、到来角度(AoA)、
・ 環境の種類、例えば室内又は室外、
・ UE伝送ケーパビリティ又はパワークラス、並びに
・ UEの速度(例えば、ハイウェイは、UEがおそらく1つのセルにあって、他のセルにはないことを示してよい)。
【0087】
以上のパラメータは、ノードが何であるかによって(例えば、無線デバイスによって測定される、eNodeBによって測定される、或いは別のネットワークノードから又は無線デバイスから受信される)、1つ又は複数の異なるソースから取得することができる。例えば、ノードが測位ノードである場合、他のパラメータ/測定値は、無線デバイス及び/又はeNodeBから受信することができる。別の例では、ノードが測定ノード(例えば、LMU)である場合、測位されている無線デバイスに対する他の利用可能なパラメータ/測定値は、UL測定のための要求において、SLmAPを介して、測位ノードから受信することができる。以上のパラメータは、アプローチ1でもさらに使用してもよい。
【0088】
利用可能な測定パフォーマンス統計値を考慮すると、幾つかの実施形態では、同じ領域又は類似する条件における無線デバイスに対するアップリンク測定品質の平均又はパーセンタイル値が閾値を上回る場合に、選択されたリストに受信点を含めてもよい。ドライブ試験に基づいて、又はリアルライフネットワークにおいて動的に、パフォーマンス統計値を収集してもよく、且つ評価をトレーニング段階の間に実行してもよい。類似するアプローチが、アプローチ1における関係のリストを生成するためにも使用されうることに留意されたい。
【0089】
アプローチ3:測位パフォーマンス統計値に基づいた決定
このアプローチによると、ノードは、測位パフォーマンス統計値に基づいて、受信点を決定/選択することができる。例えば、測位パフォーマンス統計値をある領域に関連付けられた受信点の各リストについて収集してもよい(例えば、以上のアプローチ1における関係の構造を参照)。これらの測位パフォーマンス統計値は、関連する受信点を使用して実行される測位の試みに対する成功又は失敗のレベルを示すいずれかの適切なテーブル情報、すなわち、これらの受信点に関する測位の試みに対する品質基準、及び/又は関連する受信点に関する測位の試みの結果のいずれかの他の指標を表してもよい。このような測位パフォーマンス統計値の具体的な例としては、限定されないが、平均値又はパーセンタイル値の正確性、測位エラーの測定値(例えば、割合、大きさ)、及び関連する受信点に関する測位の試みの成功率が含まれる。同じ領域に対して異なるセットを評価してもよく、且つ(例えば、平均値又はパーセンタイルの正確性、測位エラーなどの達成された測定パフォーマンス統計値に基づいて)最善のセットを選択又は優先してもよい。ドライブ試験に基づいて、又はリアルライフネットワークにおいて動的に、パフォーマンス統計値を収集してもよく、且つ評価をトレーニング段階の間に実行してもよい。また、類似するアプローチが、アプローチ1における関係リストを生成するためにも使用されうる。
【0090】
グループ3の技法:複数の受信点に関連付けられた測定ノードを有する配置における検索ウィンドウ調整
受信機の複雑さ及びリソース消費を減少させるために、検索ウィンドウをアップリンク測位のための測定のためにコンフィギュレーションしてもよい。例えば、現在、LMUには、測位ノードによるSLmAPを介した測定要求において検索ウィンドウが提供されうる。一例では、検索ウィンドウパラメータは、予測される伝播遅延(検索ウィンドウセンターに相当する)及び不確実性(検索ウィンドウのサイズに相当する)によって表すことができる。前者は、受信点とサービングeNodeBの間の距離を示し、後者は、UEとサービングeNodeBの間の距離に対応することができ、例えば、タイミングアドバンス(TA)測定によって決定することができる。
【0091】
複数の受信点が測定ノードに関連付けられるとき、同じ検索ウィンドウをすべての受信点に対して適用できない場合がある。検索ウィンドウが不正確にコンフィギュレーションされると、例えば、ピークが検索ウィンドウから外れるとき、無線信号が見落されたり、又は測定が不正確であったりすることがある。この問題を解決するために、幾つかの受信点に対して検索ウィンドウを調整しなければならない場合がある。「アプローチA」及び「アプローチB」と記載される2つのアプローチのいずれか又は両方を様々な実施形態において使用することができる。
【0092】
アプローチAは、測定受信機における補正に関する。共通基準検索ウィンドウが測定ノードに提供され、測定ノードすなわち受信機は、ある受信点を使用して測定を実行するとき、この受信点に対して、必要に応じて補正を検索ウィンドウに適用する。基準検索ウィンドウは、基準となるロケーション、例えば測定ノードのロケーションに関連付けられてよい。
【0093】
アプローチBでは、補正が別のノードによって実行される。このアプローチでは、測定ノードは、別のノード(例えば、測位ノード)から、異なる受信点に対応する異なる検索ウィンドウの計算を可能にする検索ウィンドウパラメータを受信する。検索ウィンドウパラメータは、例えば、少なくとも2つの異なる検索ウィンドウコンフィギュレーション、又は異なる受信点に対して異なる検索ウィンドウを導き出すために適用される少なくとも1つの補正係数を含んでよい。補正を正確に適用するためには、又は異なる検索ウィンドウを導き出すためには、他のノードは、測定ノードのロケーション(基準ロケーションであってもよい)だけではなく、さらに受信点のロケーションを認識していなければならない。
【0094】
両方のアプローチにおいて、補正値は、予めコンフィギュレーションされてメモリに記憶されてもよいし、別のノードから受信されてもよい。この補正値は、同一場所に設置される受信点に対して同じである場合があり、受信点ロケーションが基準ロケーションであるとき、補正がないすなわち補正値がゼロである場合がある。補正値は、例えば、受信点と基準ロケーションとの間の距離、及び/又はケーブルの長さに依存してもよい(したがって、それに基づいて計算されてよい)。受信点は、以上に記載されているように、例えばグループ1及び2からの技法を適用することによって、取得されて測定ノードに知られるようになっていればよい。
【0095】
幾つかの実施形態では、無線デバイスのモビリティを考慮して、例えば、速度ベクトル、速度、又は移動方向のうちのいずれか1つ又は複数に基づいて、補正の量をさらに調整してもよい。
【0096】
グループ4の技法:複数の受信点を有する測定ノードを有する配置において測定を管理する方法
このグループにおける技法によると、同じ測定ノードに関連付けられた複数の受信点を使用することを可能にするためには、異なる測定識別情報(例えば、測定ID)が、同じ測定ノード(例えば、LMU)に関連付けられる異なる受信点(アンテナセクタ、RRH、又はアンテナブランチ)に対応する測定値に割り当てられる。このようにして、同じ無線デバイスのアップリンク伝送のための受信信号の異なるサンプルが、測定ノードにおいて管理され、且つ異なる測定値を取得するために使用される場合があり、次いで、(例えば、SLmAPを介して)測位ノードに報告されることができる。測定IDは、UE固有又はUEのグループ毎であることができる。1つ又は複数の専用の測定IDは、特定のロケーションサービス、UL測定タイプ、特定のUEのタイプもしくはクライアントのタイプ、特定の測定コンフィギュレーション、又は特定のUL伝送タイプもしくはコンフィギュレーションのために取っておくか、又は予めコンフィギュレーションすることができる。幾つかの実施形態では、測定IDのセットは、異なる周波数及び/又は異なるRATにおいて再利用することができる。
【0097】
次いで、測定IDは、異なる受信点又はAntenna Sharing Unit(ASU)の対応するポートに対して、予め定められている方法又はコンフィギュレーション可能な方法で、関連付けられるか、又はマッピングされうる。
【0098】
このグループ4における技法は、グループ1から3からの技法と種々の方法で組み合わせることができる。1つのこのような組み合わされた実施形態では、受信点への測定IDのマッピングは、(例えば、グループ1及び/又はグループ2における技法に従って)取得ステップを実行するノードにおいて、受信点コンフィギュレーション(例えば、受信点のセット)を取得した後に行ってよい。マッピングは、予め定められてもよいし、コンフィギュレーション可能であってもよいし、別のノードより取得してもよい。マッピングは、異なる測定ノードに対して同じもよいし異なってもよいし、或いはサイト特有であってもよい。測定IDの予め定められた範囲が存在してもよい。測定IDのセットは、さらに測定ノード又はサイトに関連付けられた受信点の数の関数であってよい。それは、1つのUEについての測定が平行に実行されうるキャリアの数の関数であってもよい(例えば、アップリンクキャリアアグリゲーションにおけるUEのための2つのキャリア)。マッピングは、1つ又は複数のノード、例えば、測定ノード、測位ノード、O&Mノード、SONノード、eNodeB、制御ユニット(例えば、図4を参照)、並びに/或いはアンテナ共有モジュール(ソフトウェア及び/又はハードウェア)において実行/記憶/維持してよい。
【0099】
グループ4の技法による実行の一例によると、測位ノードは、1つ又は複数の測定ノードに対する受信点の1つ又は複数を取得することができ、且つ選択された受信点に基づいて測定IDを決定することができる。次いで、測定IDは、別のノード、例えば測定要求におけるLMUなどの測定ノードに送信することができる。次いで、UL測定は、前記決定された測定IDに従って実行することができる。例えば、測定ノード(例えば、測位ノード又は別のノードからマッピングを受信することによって、或いは予め定められたルールを適用することによって、測位ノードによって適用されるマッピングを認識しているであろう)は、UL測定値が、受信された測定IDに基づいて選択された受信点から取得されることを保証する。取得されたアップリンク測定値は、次いで、測位ノードに折り返し報告することができる。
【0100】
1つの実施形態では、測定要求及び測定報告には、常に最大でM個の測定IDが存在してもよい。Mは、当該領域において配置されたアンテナシステムに依存してもよい。例えば、M=1は、測定ノードが、その測定ノードに関連付けられる受信点のセットの中の1つの受信点(別のノードによって示される又はその測定ノードによって決定される)を常に使用する必要があることを示してもよい。測位されている同じ無線デバイスに対する異なる測定IDは、同じメッセージ又は異なるメッセージにおいて送信してよく、且つ同じ又は異なる手順及び/又は処理に関連付けてよい。
【0101】
測定ノードに関連付けられる受信点のセットは、別のノード、例えば、測位ノード、又はO&Mノード、又はeNodeBに知らせてよい。受信点のセットを取得すること(グループ1及び2を参照)は、測定ノード又はすべての利用可能な受信点のセットから選択された1つ又は複数の受信点に関連付けられるすべての受信点のセットを取得することを含んでよい。測定ノードが2つ以上の受信点をサポートする能力があるかどうかを示す、測定ノードケーパビリティがあってもよい。測定ノードに関連付けられる受信点が常に最大で1つある場合、測定IDは、マッピングなしで、例えばランダムに、又は測定を要求する際に例えば測位ノードによって決定されるいずれかの柔軟な順序で割り当てられてもよい。
【0102】
これらの技法の幾つかの実施形態によるネットワークノード(例えば、測位ノード)における例示的なステップは、以下の通りである。
1.測位される無線デバイスのために測定ノードのセット及び受信点のセットを取得する(グループ1及び2の技法を参照)。
2.選択された測定ノードそれぞれに対して、1つ又は複数の選択された受信点を測定IDの1つ又は複数にマッピングする。
3.選択された測定ノードそれぞれに、対応する1つ又は複数の測定IDを含む測定要求を送信する。
4.対応する1つ又は複数の測定IDを有する測定報告を受信する。
【0103】
同様に、これらの技法の幾つかの実施形態による測定ノードにおける例示的なステップは、以下の通りである。
1.1つ又は複数の測定IDを含む測定要求を受信する。
2.1つ又は複数の測定IDに対応する受信点から受信された無線信号を取得する(測定ノードは、測位ノードにおいて適用されるマッピングを知っているべきである。例えば、マッピングは、予め定められてもよいし、コンフィギュレーションされてもよい。あるいは、マッピングは、測定ノードと測位ノードの間で、いずれの方向においても、ダイレクトリンク(例えばSLmAP)を介して、又は別のノード(例えばO&M)を介して、交渉または交換されてもよい、或いは例えば、LPPa又はO&Mを介して、eNodeBと測位ノードの間で、交渉または折衝されてもよい)。
3.前記受信点からの受信信号を使用して測定を実行する。
4.測定に使用される受信点に対応する測定IDと共に、測定報告において測定値を測位ノードに報告する。
【0104】
例示的な方法
図8から図11におけるプロセスフロー図は、以上に記載の幾つかの技法の一般化された例を示す。図8では、例えば、グループ1の技法に従って、無線デバイスによって伝送される無線信号の測定を制御するための、ネットワークノードによって実行されるような方法を示す。測定は、2つ以上の受信点に関連付けられる測定ノードによって実行される。以上に記載のグループ1の技法の変形例は、図示のプロセスフローに等しく適用され、図示のプロセスは、以上に記載の他の技法とさらに組み合わせることができることが理解されるであろう。
【0105】
図8のプロセスフローは、ブロック810で示されるように、2つ以上の受信点に関連付けられる少なくとも1つの測定ノードのために受信点コンフィギュレーションを取得することから開始する。ブロック820で示されるように、この方法は、取得されたコンフィギュレーションに基づいて、測定を実行するために1つ又は複数の受信点を選択することへと続く。最後に、ブロック830で示されるように、選択された受信点は、測定を実行するようにコンフィギュレーションされる。
【0106】
幾つかの実施形態では、図示の方法は、少なくとも1つの測定ノードから測定値を受信することをさらに含んでよい。幾つかの実施形態では、選択された受信点は、同じ測定ノードに関連付けられる2つ以上の受信点のサブセットを含む。選択された受信点は、同じロケーション又は異なるロケーションに関連付けられうる。
【0107】
幾つかの実施形態では、図示の方法は、測定ノードからケーパビリティ情報を受信することをさらに含んでよく、ケーパビリティ情報は、異なる受信点からの信号についての測定を管理する測定ノードの能力を特徴付ける。これらの実施形態では、1つ又は複数の受信点を選択することは、受信されたケーパビリティ情報にさらに基づいてよい。
【0108】
幾つかの実施形態では、取得された受信点コンフィギュレーションは、別のノードに送信されてもよい。受信点コンフィギュレーションを取得することは、幾つかの実施形態では、別のノードから受信点コンフィギュレーションを受信すること、或いは他の実施形態では、例えば、メモリ又はデータベースから記憶された受信点コンフィギュレーションを読み出すことを含んでよい。
【0109】
幾つかの実施形態は、取得された受信点コンフィギュレーションに基づいて、1つ又は複数の測定ノードから受信された測定値を選択的に使用することを含む。
【0110】
様々な実施形態では、受信点コンフィギュレーションは、受信機無線周波数(RF)特性、周波数又は周波数範囲、受信帯域幅、無線周波数(RF)コンフィギュレーションパラメータ、アンテナコンフィギュレーション、アンテナパターンコンフィギュレーション、アンテナ偏波コンフィギュレーション、電波ビームコンフィギュレーション、アンテナアレイコンフィギュレーション、受信機タイプ、受信信号の測定の基準点、並びに受信点のロケーション又は設置に関連付けられるパラメータの1つまたは複数を含むことができる。
【0111】
幾つかの実施形態は、取得された受信点コンフィギュレーションに基づいて、1つ又は複数の測定ノードに対する1つ又は複数の検索ウィンドウパラメータをコンフィギュレーションすることをさらに含んでよい。
【0112】
受信点のサブセットを選択することは、幾つかの実施形態では、無線デバイスのためのサービングセルとサブセット内の受信点の間の関係に基づいて、受信点のサブセットを決定することを含んでよい。受信点のサブセットは、無線デバイスの概略ロケーションに基づいて、及びサブセット内の受信点ロケーションに基づいて、代替的に又は追加的に選択されてもよい。この選択は、幾つかの実施形態では、サブセット内の受信点に対応する測定パフォーマンス統計値に基づいてよい。幾つかのこれらの後者の実施形態は、無線デバイスに対して実行される測位のための測定のための測定パフォーマンス情報を受信すること、及び受信された測位パフォーマンス情報に基づいて測定パフォーマンス統計値を更新することをさらに含んでよい。
【0113】
幾つかの実施形態では、受信点のサブセットを選択することは、サブセット内の受信点に対応する測定パフォーマンス統計値にさらに基づいて、受信点のサブセットを決定することを含んでよい。幾つかのこれらの実施形態は、無線デバイスに対して実行される測位オペレーションのための測位パフォーマンス情報を受信すること、及び受信された測位パフォーマンス情報に基づいて測位パフォーマンス統計値を更新することをさらに含んでよい。
【0114】
幾つかの実施形態では、無線デバイスに対して測位のための測定を実行するために、選択されたサブセットに関連付けられる1つ又は複数の測定ノードをコンフィギュレーションすることをさらに含んでよい。これらの実施形態及びさらに別の実施形態は、選択されたサブセットのための識別子を第2ネットワークノードに送信することを含んでよい。
【0115】
図9は、関連する方法を示すプロセスフロー図であり、この方法は、無線デバイスによって伝送される無線信号を測定するように適合される測定ノードにおける実行形態に適切である。ブロック910に示されるように、この方法は、測定ノードに関連付けられる、2つ以上の同一場所に設置されない受信点のための受信点コンフィギュレーションを取得することから開始する。ブロック920に示されるように、この方法は、取得したコンフィギュレーションを使用して少なくとも1つの測定を実行することへと続く。
【0116】
幾つかの実施形態では、示された方法は、測定値を、別のノード、例えば測位ノードに送信することへと続く。幾つかの実施形態では、少なくとも測定を実行することは、選択的に測定を実行することを含む。
【0117】
幾つかの実施形態では、受信点コンフィギュレーションを取得することは、別のノードから受信点コンフィギュレーションを受信することを含む。これらの実施形態又はいずれかの他の実施形態において、受信点コンフィギュレーションは、受信機無線周波数(RF)特性、周波数又は周波数範囲、受信帯域幅、無線周波数(RF)コンフィギュレーションパラメータ、アンテナコンフィギュレーション、アンテナパターンコンフィギュレーション、アンテナ偏波コンフィギュレーション、電波ビームコンフィギュレーション、アンテナアレイコンフィギュレーション、受信機タイプ、受信信号の測定の基準点、並びに受信点のロケーション又は設置に関連付けられるパラメータのいずれか1つ又は複数を含んでよい。
【0118】
図10は、別の関連する方法を示し、この方法も、無線デバイスによって伝送される無線信号を測定するように適合される測定ノードにおける実行形態に適切である。ブロック1010で示されるように、この方法は、無線デバイスからの無線信号の測定を実行するために検索ウィンドウ情報を受信することから開始する。ブロック1020に示されるように、この方法は、検索ウィンドウ情報に基づいて、少なくとも2つの異なる検索ウィンドウを使用して、測定ノードに関連付けられる少なくとも2つの受信点に対して測定を実行することへと続く。
【0119】
幾つかの実施形態では、検索ウィンドウ情報は、共通基準検索ウィンドウを含み、この場合、当該方法は、受信点の1つに関連付けられる少なくとも測定値のために検索ウィンドウを取得するために基準検索ウィンドウを調整することをさらに含んでよい。これらの幾つかの実施形態では、共通基準検索ウィンドウは、測定ノードのロケーションに基づいており、基準検索ウィンドウを調整することは、受信点のロケーションに基づく。
【0120】
幾つかの実施形態では、検索ウィンドウ情報を受信することは、少なくとも2つの受信点のそれぞれについての検索ウィンドウパラメータを受信することを含み、且つ当該方法は、受信された検索ウィンドウパラメータに基づいて少なくとも2つの受信点のそれぞれに対して検索ウィンドウを決定することをさらに含む。幾つかの方法では、少なくとも2つの受信点に対する検索ウィンドウは、無線デバイスに対する1つ又は複数のモビリティパラメータに基づく。
【0121】
図11は、さらに別の関連する方法を示し、この方法は、第1ネットワークノードにおける実行形態に適切である。ブロック1110に示されるように、この方法は、1つ又は複数の測定ノードに関連付けられる2つ以上の受信点に対する測定値を取得することから開始する。測定ノードの少なくとも1つは、受信点の2つ以上に関連付けられる。次に、ブロック1120に示されるように、測定値と受信点を関連付けるルールに基づいて、測定識別子が測定値に割り当てられる。各測定識別子は、1つ又は複数の受信点に対応する。最後に、ブロック1130に示されるように、測定値及びこれに対応する測定識別子は、第2ネットワークノードに転送される。幾つかの実施形態では、図示の方法は、受信点に対応する測定識別子を使用して2つ以上の受信点を特定する測定要求を第1に受信することをさらに含んでよい。
【0122】
例示的実行形態
以上に記載されるように、記載の技法は、図8から図11に示される方法及びその変形例を含め、様々な要素を含む電気通信ネットワークにおいて実行されうる。例えば、図1に示されるように、提案された解決策の特定の実行形態は、ネットワークを利用してよい。このネットワークは、ユーザ機器(UE)の1つ又は複数の例をサーブし、且つ無線ネットワークノード(例えば、eNodeB)などのコンポーネント、及び様々な異なるタイプのネットワークノード(例えば、測位ノード、測定ノード、連携ノード)を含む。これらのコンポーネントは、ハードウェア及び/又はソフトウェアのいずれかの適切な組み合わせを含むデバイスに相当していてもよいが、図5から図7は、記載の技法の特定の実行形態における使用に適切でありうるこれらのデバイスの例示的な実施形態を示す。さらに、図1は、簡略化するために、様々なネットワークノードのそれぞれを別個のコンポーネントとして示す。しかし、これらのいずれかのネットワークノードは、同じ物理的デバイスを、ネットワークノードのうちの別のもの又は無線ネットワークノードのうちの任意のものとして表すことがある。例えば、特定の実施形態では、測定ノードは、eNodeB又は他の無線ネットワークノードの一部として実装されてもよい。
【0123】
図5は、例示的なUE500を示す。このUE500は、記載された解決策の特定の実行形態において利用することができる。例示的なUE500は、プロセッサ510(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、デジタルロジック、又は幾つかのこれらの組み合わせ)、メモリ520、トランシーバ530、及びアンテナ540を備える。特定の実施形態では、移動通信デバイス又は他の形態のUEによって提供されるような上述の機能の幾つか又は全ては、図5に示されるメモリ520などのコンピュータ可読媒体に記憶されている命令を実行するUEプロセッサ510によって提供してもよい。このような実施形態では、プロセッサ510及びメモリ520は共に1つの処理回路とみなすことができる。UEの代替実施形態は、図5に示したもの以外の追加のコンポーネントを備えてよい。追加のコンポーネントは、上述の機能のいずれか及び/又は上述の解決策をサポートするために必要ないずれかの機能を含む、UEの特定の態様の機能を提供する役割を果たしうる。
【0124】
同様に、図6は、例示的な無線ネットワークノード600を示す。この無線ネットワークノード600は、記載された技法の特定の実行形態において利用することができる。この例示的な無線ネットワークノード600は、プロセッサ610、メモリ620、トランシーバ回路630、アンテナ640、並びに無線通信ネットワークにおいて無線ネットワークノード600を他のノードに接続するネットワークインタフェース回路650を含む。特定の実施形態では、移動基地局、基地局コントローラ、NodeB、拡張NodeB、中継局、アクセスポイント、及び/又はいずれかの他のタイプの移動通信ノードによって提供される上述の機能の幾つかまたは全てを、図6に示すメモリ620などのコンピュータ可読媒体に記憶される命令を実行する基地局プロセッサ610によって提供することができる。このような実施形態においても、プロセッサ610及びメモリ620は共に1つの処理回路とみなすことができる。無線ネットワークノードの代替実施形態は、追加のコンポーネントを備えてもよい。追加のコンポーネントは、以上で特定された機能のいずれか及び/又は上述の解決策をサポートするために必要ないずれかの機能を含む追加の機能を提供する役割を果たす。
【0125】
図7は、例示的なネットワークノード700を示し、このネットワークノードは、記載された解決策の特定の実行形態において利用することができる。この例示的なネットワークノードの1つ又は複数の例は、記載された解決策を提供するようなコンポーネントを利用するネットワークにおける連携ノード、測位ノード、及び測定ノードのいずれか又は全てを、個別に又は一緒に、実行するために使用されうる。例示的なネットワークノード700は、プロセッサ710、メモリ720、及びネットワークインタフェース回路730を含む。特定の実施形態では、様々なタイプのネットワークノードによって提供される上述の機能の幾つか又は全ては、図7に示されるメモリ720などのコンピュータ可読媒体に記憶される命令を実行するノードプロセッサ710によって提供することができ、したがって、プロセッサ710とメモリ720は共に1つの処理回路を提供する。ネットワークノードの代替実施形態は、追加のコンポーネントを備えてよい。追加のコンポーネントは、以上で特定された機能のいずれか及び/又は上述の解決策をサポートするために必要ないずれかの機能を含む追加の機能を提供する役割を果たす。
【0126】
これらの変形例及び拡張例、並びに他の変形例及び拡張例を前提として、当業者であれば、前述の説明及び添付の図面が、データパケットネットワークにおける負荷分散を促進するために本明細書で教示されているシステム及び装置の非限定的な例を表すことを理解するであろう。そのため、本発明は前述の説明及び添付の図面によって限定されない。その代わりに、本発明は、以下の特許請求の範囲及びその法的均等物によってのみ限定される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11