(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1回の通信が、無線ベアラセットアップメッセージ、物理チャネル再構成メッセージ、トランスポートチャネル再構成メッセージ、無線ベアラ再構成メッセージ、および、CELL_DCH状態以外の状態から前記CELL_DCH状態に前記UEを遷移させるためのメッセージのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
第1のシステム情報ブロック(SIB)が、隣接セルのリストおよび事前構成の対象となる前記隣接セルに対応するフラグを含み、第2のSIBが、前記ターゲットセル事前構成情報を含む、請求項4に記載の方法。
前記ターゲットセルが前記ユーザ機器に関連付けられた前記アクティブセットの一部ではないにもかかわらず、前記イベント1dメッセージが送信され得る、請求項1に記載の方法。
前記第1のセルが十分なサービスをもはや提供していないと判断するステップが、前記ユーザ機器と前記第1のセルとの間の無線周波数(RF)シナリオが劣化していること、前記第1のセルに隣接する1つまたは複数のセルからの干渉が増大していること、前記ユーザ機器が前記サービングセルから離れ過ぎて位置していること、および前記第1のセルに関連付けられたパイロット信号品質が前記ターゲットセル用のパイロット信号品質よりも低いことのうちの少なくとも1つを判断するステップを含む、請求項1に記載の方法。
十分なサービスを提供することができるターゲットセルを識別するステップが、前記第1のセルのパイロット信号品質よりも高いパイロット信号品質を有するセルを識別するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面に関して下記に記載される発明を実施するための形態は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書に記載される概念が実践され得る唯一の構成を表すことは意図されていない。発明を実施するための形態は、様々な概念の完全な理解をもたらす目的で、具体的な詳細を含んでいる。しかしながら、これらの概念がこれらの具体的な詳細なしに実行され得ることが、当業者には明らかであろう。場合によっては、そのような概念を曖昧にすることを回避するために、周知の構造および構成要素がブロック図の形態で示されている。
【0014】
ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)についての第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)規格のリリース8は、拡張型サービングセル変更(E-SCC)と呼ばれる改善されたサービングセル変更動作を含む。E-SCCにより、極めて過酷な無線環境において、ボイスオーバIP(VoIP)および高速パケットアクセス(HSPA)上の回線交換のサービングセル変更のための信頼性が向上し(たとえば、呼中断が減少し)、干渉が減少する。このようにして、E-SCCにより、本質的にすべての無線状態において大容量のボイスオーバHSPAサービスが実現される。
【0015】
図1を参照すると、コールフロー100は、リリース8仕様の通りにE-SCCを実装するUMTSネットワーク内のサービングセル変更(SCC)を示す。この例では、120で、たとえば、ターゲットセル106などの、サービングセルまたはソースセル104に隣接するセルが、特定のしきい値を超えるパイロット信号電力を有するとき、ユーザ機器(UE)102は、110で、ターゲットセル106の増大した信号強度を示す無線リソース制御(RRC)測定報告メッセージを供給することができる。たとえば、UE102は、セル2(たとえば、ターゲットセル106)のパイロット信号電力が、デシベル(dB)単位の特定の信号強度Xを引いたセル1(たとえば、ソースセル104)のパイロット信号強度にほぼ等しい(たとえば、セル2≒セル1-Xdb)と判断する場合がある。そのようなメッセージは、(リリース8またはそれ以前の3GPPの仕様に詳細に記述されている)イベント1aの通知と呼ばれる場合がある。無線ネットワークコントローラ(RNC)108は、イベント1a通知を受信し、それに応答して、112で、RRCアクティブセット更新(ASU)メッセージをUE102に送ることができる。ここで、リリース8仕様によって記述されたE-SCCでは、RRCアクティブセット更新メッセージは、ターゲットセル106に関する事前構成情報を含み、次いでUE102は、ターゲットセル106がそのUE102用のサービングセルになるように、ターゲットセル106へのサービングセル変更を実行する場合に利用するために、事前構成情報を記憶することができる。この事前構成情報は、リリース8仕様が(ターゲットセル事前構成IEとも呼ばれる)「ターゲットセル事前構成情報」の情報要素(IE)と呼び、同様に「ターゲットセル事前構成情報」のIEの一部として含まれる他の情報の中でもとりわけ、ターゲットセル106によって送信される高速共有制御チャネル(HS-SCCH)順序に対応するHS-SCCHチャネル化コードインデックスを含む場合がある。
【0016】
118で、ターゲットセル106のパイロット信号強度がソースセル104のパイロット信号強度を特定の設定可能なしきい値だけ超えた(たとえば、118でターゲット>ソース)場合、およびそのとき、UE102は、ターゲットセル106がそのサービングセルまたはソースセルになることができるように、その通信インターフェースを構成することができる。したがって、UE102は、114で、UE102がソースセル104からターゲットセル106に切り替える準備ができていることの指示を含む第2のRRC測定報告メッセージをRNC108に送信することができ、この指示は、(リリース8仕様に詳細に記述されている)イベント1dの通知と呼ばれる場合がある。測定報告メッセージに応答して、RNC108は、次いで、116で、一例では情報の単一のビットにすぎない場合がある物理(PHY)レイヤ指示を送信するように、ターゲットセル106に命令し、ソースセル104からターゲットセル106にそのサービングセルを変更するように、UE102に命令することができる。UE102によってすでに受信されたRRCアクティブセット更新メッセージは、ターゲットセル106に関する情報を含んでいるので、UE102は、ターゲットセル106へのサービングセル変更を完了するために、ソースセル104からこれ以上の送信および/または情報(たとえば、RRCメッセージ)を要求しない。このようにして、E-SCCは、ソースセル104からターゲットセル106へのサービングセル変更を改善するように機能し、干渉時間が減少し、HSPAチャネルのハンドオーバのための信頼性が向上する。
【0017】
場合によっては、マイクロセル、ピコセル、またはフェムトセルなどの低電力セルが、マクロセルなどの高電力セルの極近傍に配置されたとき、またはUEが、十分な高速で低電力セルと高電力セルとの間をいずれかの方向に移動する場合、リリース8仕様に定義されているような、かつ
図1に関して上記に示されたようなE-SCC動作は、失敗し、潜在的に呼中断につながる可能性がある。
【0018】
たとえば、
図2は、リリース8仕様によるE-SCC動作が起こるとき、UE102がマクロセル104の近傍からピコセル106などの低電力ノードの近傍に移動するときに発生する可能性があるイベントのタイムライン234を示す。下記の説明では、たとえば、UE102は、タイムライン234上の様々な時刻として示された、各々の連続した時刻240、242、244、246、および248に、マクロセル104から離れてピコセル106に向かって移動すると仮定する。一態様では、UE102は
図1に示されたUE102であり得るし、マクロセル104は
図1に示されたソースセル104であり得るし、ピコセル106は
図1に示されたターゲットセル106であり得るし、RNC108は
図1に示されたRNC108であり得る。RNC108は、ネットワーク150とマクロセル104またはピコセル106のいずれかとの間の接続を介して、UE102に接続することができる。
【0019】
いくつかの態様では、UE102は、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、端末、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、または他の何らかの適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0020】
タイムライン234の開始時、たとえば時刻t0 240で、マクロセル104は、UE102用のサービングセルまたはソースセルである。UE102がピコセル106に向かって移動するとき、時刻t1 242で、UE102は、ピコセル106によって送信されたパイロット信号の強度が(ネットワーク150によって通信された、事前構成された、静的、動的、UE102によって決定された、などの場合がある)特定のしきい値を超えたことを検出する。それに応答して、UE102は、マクロセル104とのその接続を介して、ネットワーク150にイベント1aメッセージ262を報告して、UE102用のアクティブセットにピコセル106を追加するように、ネットワークに要求することができる。
【0021】
時刻t2 244で、UE102は、その現在のサービングセル、たとえばマクロセル104から、E-SCCにより、将来のサービングセル変更中にUE102によって将来使用するためのピコセル106に関する事前構成情報を含む、アクティブセット更新(ASU)メッセージ264を受信することができる。たとえば、ASUメッセージ264は、ピコセル106によって送信されるHS-SCCH順序に対応するHS-SCCHチャネル化コードインデックスを含む場合がある。リリース8仕様の通り、ASUメッセージ264に含まれる事前構成情報は、ターゲットセル事前構成情報IEと呼ばれる情報要素(IE)上で搬送される。
【0022】
UE102がピコセル106に向かって移動し続けるとき、時刻t3 246で、UE102は、ピコセル106から受信されたダウンリンクが、UE102によってすべてのセルから受信されたダウンリンクの中で最も強いことを検出することができる。この状態に応答して、UE102は、マクロセル104とのその接続を介して、ネットワーク150にイベント1dメッセージ266を報告し、ピコセル106をUE102用のサービングセルにさせるサービングセル変更を開始するように、ネットワーク150に要求する。時刻t4 248で、UE102がマクロセル104を介してネットワーク150から、ピコセル106へのサービングセル変更を受けることを示す物理レイヤメッセージ268を受信したとき、UE102は、ピコセル106からのHS-SCCH順序をリッスンするために、ピコセル106に対応する、ASUメッセージ264に含まれるターゲットセル事前構成情報を利用することができる。HS-SCCH順序の復号に成功すると、サービングセル変更は成功である。
【0023】
上述されたE-SCC手順を考慮すると、3GPPのリリース8仕様の通り、サービングセル変更の成功は、UE102によるアクティブセット更新(ASU)メッセージ264の受信の成功に部分的に依存することに留意することができる。しかしながら、上記で説明されたように、ASUメッセージ264は、UE102の現在のサービングセル、たとえばマクロセル104からUE102に送信される。ASUメッセージ264がネットワーク150によってUE102に送られたときにサービングセルの強度(たとえば、Ec/Io)が弱いシナリオでは、ASUメッセージ264の受信および復号は失敗する可能性があり、したがって、UE102によるターゲットセル(たとえば、ピコセル106)の事前構成情報の受信が成功しないので、E-SCCはそれに応じて失敗する場合がある。さらに、上述されたE-SCC手順の場合、サービングセル変更をトリガするイベント1dメッセージ266は、現在の3GPPの仕様の通り、UE102のアクティブセット内にあるセル向けにのみ送ることができる。したがって、上述されたように、ASUメッセージ264がUE102に到達できなかった場合、ピコセル106は、UE102のアクティブセットへの追加に成功していないので、イベント1dは、サービングセル変更を開始するようにトリガされる可能性はない。
【0024】
したがって、本態様によれば、E-SCC手順は、サービングセル変更の成功がUEによるASUメッセージの受信に依存することを排除することによって、強化することができる。一態様では、ASUメッセージの送信より前に、UEで1つまたは複数の特定のターゲットセルを事前構成するために、適切な機構を利用することができる。別の態様では、イベント1dメッセージは、UEのアクティブセット内に含まれていないセルへのサービングセル変更を要求するために、UEによって送信することができる。
【0025】
さらなる態様では、従来(ASUメッセージの一部として)ターゲットセル事前構成情報IE上で搬送される情報は、UEとネットワークとの間の接続が確立されたときに、UEに送信することができる。ターゲットセル事前構成情報は、UE用の現在のサービングセルに基づいて選択および/または決定することができる、特定のターゲットセルに供給することができる。すなわち、サービングセルは、ターゲットセルのそのセットの中の特定のセルがUEのアクティブセット内にあるかどうかにかかわらず、ターゲットセル事前構成情報がUEに送信され得る、ターゲットセルのセットを含む場合がある。このようにして、イベント1dメッセージは、事前構成情報が受信されている任意のセルに向けて、UEによってネットワークに送信することができる。すなわち、リリース8仕様に記述されたE-SCC手順は、UEのアクティブセット内のセルのみにイベント1dメッセージを送信することにUEを制限するが、本開示によれば、UEは、そのアクティブセット内のセルのみにイベント1dを送ることに制限されず、むしろ、UEは、事前構成されている任意のセルに向けて、イベント1dをネットワークに送信することができる。
【0026】
一態様では、ターゲットセル事前構成情報は、動作の通常の成り行きに従って、サービングセルからUEにすでに送信されている、1つまたは複数のRRCメッセージ(たとえば、専用RRCメッセージ)の一部として、UEに送信することができる。そのようなRRCメッセージには、たとえば、無線ベアラセットアップメッセージ、物理チャネル再構成メッセージ、トランスポートチャネル再構成メッセージ、無線ベアラ再構成メッセージ、または、任意の他の状態から非アイドル状態(たとえば、セル専用チャネル(CELL_DCH)状態)にUEを遷移させる任意の適切なメッセージが含まれ得る。
【0027】
別の態様では、ターゲットセル事前構成情報は、UEの近傍にいるセル(たとえば、UEのサービングセルまたはソースセル)によってブロードキャストされたシステム情報ブロック(SIB)の一部として、UEに送信することができる。本開示の範囲内で任意の適切なSIBを利用することができるが、一例では、ブロードキャストされたSIB11を使用することができる。たとえば、各セルからブロードキャストされたSIB11は、通常、セルIDを含む、そのセルについてのネイバーのユニークなリストを含む。本開示によれば、セルIDは、たとえば、各セルが前もってなされる事前構成の対象となるかどうかを表すフラグ(たとえば、1ビットフラグ)に関連付けることができる。すなわち、SIB11内の特定のセルIDに対応するフラグがセットされている場合、セルは、そのセルへのサービングセル変更のための前もってなされる事前構成の対象となると判断することができる。
【0028】
図3を参照すると、コールフロー300は、本態様による、ソースセル304からターゲットセル306へのUE302のサービングセル変更を示す。より詳細には、コールフロー300は、UE302、ソースセル304、ターゲットセル306、ならびに、ネットワーク(図示せず)を介してソースセル304およびターゲットセル306に接続することができるRNC308の間の通信を含む。
【0029】
310で、UE302は、ソースセル304に保留接続する。その後しばらくしてから、312で、UE302は事前構成情報を受信し、事前構成情報は、そのような事前構成の対象となる隣接セル用のセルID、および隣接セルとの通信用の他の情報を含む場合がある。事前構成情報は、一態様では、1つもしくは複数の専用RRCメッセージに、かつ/または別の態様では、1つもしくは複数のSIBブロードキャストに含まれる場合があり、どちらもソースセル304を介してRNC308からUE302によって受信される。
【0030】
事前構成情報を受信した後、314で、UE302は、(事前構成情報内にネイバーのうちの1つとして含まれる場合がある)ターゲットセル306が、ソースセル304よりも高いパイロット信号電力を有すると判断する場合がある。一態様では、たとえば、ターゲットセル306がソースセル304よりも高いパイロット信号電力を有すると判断されると、UE302はまた、ソースセル304がUE302に十分なサービスを提供して、ソースセル304を介してネットワークへの接続に成功することがもはやできないと判断することができる。それに応答して、UE302は、識別されたターゲットセルが312で送られた事前構成情報に基づいて事前構成されているかどうかを判定することができる。ターゲットセルを識別すると、UE302は、316で、ネットワーク、たとえばRNC308にイベント1dメッセージを送ることができる。イベント1dメッセージは、識別されたターゲットセルに関係する情報、たとえばセルIDを含む場合がある。言い換えれば、それでも通常のイベント1aおよびアクティブセット手順が行われる可能性はあるが、ASUの失敗は、識別されたターゲットセルにイベント1dメッセージを送るUE302の能力に影響しないはずである。
【0031】
イベント1dメッセージを送ると、UE302は、318で、ターゲットセル306によってサービスされる準備をすることができる。次いで、UE302は、UE302がソースセル304からターゲットセル306へのサービングセル変更プロセスを実行できることのRNC308からのサービングセル変更指示を待機し、320で受信する。UE302は、322で、サービングセル変更手順を実行する。サービングセル変更が完了すると、324で、ターゲットセル306は、今やUE302用のサービングセルまたはソースセルである。
【0032】
図4を参照すると、本態様により、(
図3の)UE302がマクロセル304(たとえば、
図3のソースセル304)の近傍から、ピコセル306(たとえば、
図3のターゲットセル306)などの低電力ノードの近傍に移動するときに発生する場合があるイベントのタイムライン434が示される。さらに、
図4のネットワーク350は、
図3のRNC308(
図4には示されず)に接続することができる。
【0033】
下記の説明では、たとえば、UE302は、タイムライン434上の様々な時刻として示された、各々の連続した時刻440、442、444、および446に、マクロセル304から離れてピコセル306に向かって移動すると仮定する。しかしながら、UE302が連続した時間期間に、(したがって、UE302用のサービングセルまたはソースセルであり得る)ピコセル306から離れて、(したがって、潜在的なターゲットセルであり得る)マクロセル304に向かって移動するので、この例は非限定的である。
【0034】
UE302は、たとえば、高電力ノード(たとえば、マクロセル304)から低電力ノード(たとえば、ピコセル306)への、およびその反対のサービングセル変更のすべての態様を処理するように構成することができる、サービングセル変更事前構成コンポーネント410を含む場合があり、ここで、隣接セルと呼ばれる場合もある潜在的なターゲットセルは、現在のサービングセルまたはソースセル(たとえば、マクロセル304)から事前構成された隣接セルのうちの1つ(たとえば、ピコセル306)へのサービングセル変更を予想して、ネットワーク350によって事前構成される。
【0035】
サービングセル変更事前構成コンポーネント410は、セル、たとえばマクロセル304に保留接続するように構成された、キャンピングモジュール412を含む場合がある。したがって、
図4の本例では、時刻t0 440で、UE302は、マクロセル304に保留接続することができる。
【0036】
サービングセル変更事前構成コンポーネント410は、UE302の現在のサービングセルまたはソースセル、たとえばマクロセル304から通信462を受信するように構成された、事前構成情報モジュール414を含む場合がある。通信462は、事前構成の対象となる1つまたは複数の隣接セルについてのターゲットセル事前構成情報を含む場合がある。通信462は、任意のASUメッセージとは別に、たぶんそれよりも前にサービングセルによって送られ、UE302に到達することができる。一態様では、通信462は、前もってなされる構成の対象となる隣接セル用のターゲットセル事前構成IEを含む、1つまたは複数の専用RRCメッセージであり得る。ターゲットセル事前構成IEは、以下のタイプの専用RRCメッセージのうちの1つまたは複数の中に含まれる場合がある:無線ベアラセットアップメッセージ、物理チャネル再構成メッセージ、トランスポートチャネル再構成メッセージ、無線ベアラ再構成メッセージ、または任意の他の状態からCELL_DCH状態にUEを遷移させる任意の適切なメッセージ。
【0037】
別の態様では、通信462は、サービングセル(たとえば、マクロセル304)によってブロードキャストされた、1つまたは複数のシステム情報ブロック(SIB)であり得る。たとえば、ターゲットセル事前構成情報は、SIB送信の一部として、セル(たとえば、マクロセル304)によってブロードキャストされる場合がある。本開示の範囲内で任意の適切なSIBを利用することができるが、一例では、ブロードキャストされたSIB11を利用することができる。たとえば、各セルからブロードキャストされたSIB11は、通常、そのセル用のユニークなネイバーリストを含む。本態様によれば、SIB11の一部として送信された隣接セルのリストは、たとえば、対応するフラグ(たとえば、1ビットフラグ)とともに、名前付き隣接セルの各々についてのセルIDを含む場合がある。フラグがセットされたセルIDごとに、関連する隣接セルは、前もってなされる事前構成の対象となる。すなわち、ブロードキャストされたSIB11内のセルIDが、セットされたその対応するフラグを有する場合、セルは、E-SCC手順向けの前もってなされる事前構成の対象となると判断することができる。一態様では、隣接セルのリスト(たとえば、セルID)および対応するフラグは、あるSIBに含まれる場合があり、フラグがセットされたセルについてのターゲットセル事前構成情報は、別のSIBに含まれる場合がある。
【0038】
一態様では、事前構成情報モジュール414は、SIB11(たとえば、通信462)を受信するように構成され、SIB11内で識別されたセルのうちのどれが対応するフラグを含むか判断することができる。一態様では、事前構成情報モジュール414は、事前構成プロセスの対象となる隣接セルについての事前構成情報を記憶、または場合によっては保存し、一態様では、他の情報を廃棄するように構成することができる。代替として、一態様では、事前構成情報モジュール414は、SIB11内に含まれるすべての隣接セルについての情報のすべてを記憶するが、フラグによって示された事前構成情報を有するセルの個別のリストを維持するように構成することができる。
【0039】
図4の本例では、マクロセル304がUE302用のサービングセルであるとき、マクロセル304は、ネイバーリストを含むSIB11(たとえば、通信462)を送信することができる。ネイバーリストは、(たとえば、ピコセル306がUE302のアクティブリストに含まれていない場合でも)ピコセル306を含む場合がある。ピコセル306に対応するネイバーリスト内の項目は、ピコセル306が前もってなされる事前構成の対象となることを示す、対応するフラグを含む場合がある。当然、ピコセルに加えて1つまたは複数の他のセルは、ネイバーリスト内の同様にフラグがセットされた項目によって示されるように、前もってなされる事前構成の対象となる場合がある。
【0040】
事前構成情報モジュール414は、通信462を介して受信された事前構成情報を、(たとえば、データストア、メモリなどに)記憶することができる。事前構成情報は、現在のサービングセル(たとえば、マクロセル304)から事前構成された隣接セルのうちの1つへのサービングセル変更を実行するように、UE302を命令および許可する情報、ならびに通信462に含まれる、事前構成された隣接セルによってサービスされるべきUE302についての情報を含む場合がある。
【0041】
キャンピングモジュール412はまた、たとえば、UE302とサービングセルとの間の無線周波数(RF)シナリオが劣化した、たとえば隣接セルからの干渉が増大した、UE302がサービングセルから離れ過ぎて移動した、などであるので、現在のサービングセルがUE302に十分なサービスをもはや提供していないかどうか、およびそのときを判断するように構成することができる。一態様では、キャンピングモジュール412は、たとえば、他の何らかのセル(たとえば、ピコセル306)のパイロット信号品質(たとえば、Ec/Io)が、現在のサービングセル(たとえば、マクロセル304)のパイロット信号品質を超えたたかどうか、およびそのときを判断することによって、そうすることができる。たとえば、時刻t1 442で、たとえば、ピコセル306のパイロット信号品質がマクロセル304のパイロット信号品質よりも大きいので、キャンピングモジュール412は、マクロセル304がUE302に十分なサービスをもはや提供していないと判断する場合がある。それに応答して、キャンピングモジュール412は、セル劣化指示472を生成し、事前構成情報モジュール414に送るように構成することができる。一態様では、たとえば、セル劣化指示472は、検出された現在のサービングセル(たとえば、マクロセル304)よりも高い信号品質を有するセル(たとえば、ピコセル306)用の識別子(たとえば、セルID)を含む場合がある。セル劣化指示472を受信したことに応答して、事前構成情報モジュール414は、十分なサービスを提供することができる識別されたセルが、通信462内で受信された事前構成情報に基づいて事前構成されているかどうかを判定することができる。そうである場合、事前構成情報モジュール414は、識別されたセルが潜在的なターゲットセルであると判断することができる。
【0042】
図4の例ではピコセル306であり得る潜在的なターゲットセルを識別すると、事前構成情報モジュール414は、識別されたターゲットセルに関係する情報474を、同様にサービングセル変更事前構成コンポーネント410に含まれる場合があるサービングセル変更モジュール416に、通信することができる。識別されたターゲットセルの情報474は、たとえば、ターゲットセルに関連付けられた識別子(たとえば、セルID)、および通信462内で受信されたターゲットセルについての事前構成情報を含む場合がある。それに応答して、サービングセル変更モジュール416は、現在のサービングセル(たとえば、マクロセル304)から識別されたターゲットセル(たとえば、ピコセル306)へのサービングセル変更を要求するメッセージを生成するように構成することができる。メッセージは、たとえば、イベント1dメッセージであり得る。イベント1dメッセージ464は、UE302から(マクロセル304を介して)ネットワーク350に送ることができる。本態様によれば、ピコセル306がUE302用のアクティブセットに含まれていない場合でも、UE302はそれでも、イベント1dメッセージ464を生成し、送ることができる。
【0043】
イベント1dを生成すると、サービングセル変更モジュール416はまた、通信462に含まれるターゲットセルに関連付けられ、識別されたターゲットセルの情報474の一部としてサービングセル変更モジュール416に供給された事前構成情報に基づいて、識別されたターゲットセル(たとえば、ピコセル306)からサービスを受けることを始めるように、UE302を準備(たとえば、構成)するように構成することができる。サービングセル変更モジュール416は、現在のサービングセル(たとえば、マクロセル304)から識別されたターゲットセル(たとえば、ピコセル306)にハンドオーバし、ターゲットセル(たとえば、ピコセル306)によってサービスされる準備をするために、キャンピングモジュール412にターゲットセル構成情報476を供給することができる。
【0044】
UE302からイベント1dメッセージ464を受信したことに応答して、ネットワーク350は、UE302がサービングセル(たとえば、マクロセル304)からイベント1dメッセージ464内で識別されたターゲットセル(たとえば、ピコセル306)にサービングセル変更できることの指示を供給することができる。一態様では、サービングセル変更モジュール416は、サービングセル変更指示466を受信し、それに応答して、サービングセル変更手順をそれ相応に完了することができる。しかしながら、UE302とマクロセル304との間の無線周波数(RF)シナリオが困難であり(たとえば、UE302がサービングセル変更手順の最中であり)、おそらく劣化しているので、UE302は、UE302が通信することができる任意のセルから、サービングセル変更指示466を受信することができる。したがって、
図4の例では、時刻t3 446で、UE302は、ピコセル306によってサービスされている。
【0045】
図5を参照すると、隣接セルへのサービングセル変更のために事前構成するための方法500は、本態様により、
図3および
図4のUE302によって実行することができる。より詳細には、方法500の態様は、
図4のサービングセル変更事前構成コンポーネント410、事前構成情報モジュール414、キャンピングモジュール412、および/またはサービングセル変更モジュール416によって実行することができる。
【0046】
510で、方法500は、第1のセルに保留接続することを含む。たとえば、キャンピングモジュール412は、マクロセル304に保留接続するように構成することができる。
【0047】
520で、方法500は、事前構成の対象となる1つまたは複数の隣接セルについてのターゲットセル事前構成情報を含む、少なくとも1回の通信を受信することを含む。たとえば、UE302は、事前構成情報モジュール414で、事前構成の対象となる、ピコセル306を含む1つまたは複数の隣接セルについてのターゲットセル事前構成情報を含む通信462を、マクロセル304(たとえば、現在のサービングセル)から受信することができる。一態様では、事前構成情報モジュール414は、通信462に含まれる事前構成情報を記憶するように構成することができる。
【0048】
一態様では、少なくとも1回の通信は、専用無線リソース制御(RRC)メッセージを含み、専用RRCメッセージは、無線ベアラセットアップメッセージ、物理チャネル再構成メッセージ、トランスポートチャネル再構成メッセージ、無線ベアラ再構成メッセージ、および、CELL_DCH状態以外の状態からCELL_DCH状態にUEを遷移させるためのメッセージのうちの少なくとも1つであり得る。
【0049】
別の態様では、少なくとも1回の通信は、1つまたは複数のシステム情報ブロック(SIB)を含み、その結果、1つまたは複数のSIBは、ターゲットセル事前構成情報とともに、隣接セルのリストおよび事前構成の対象となる隣接セルに対応するフラグを含む。
【0050】
530で、方法500は、第1のセルが十分なサービスをもはや提供していないと判断することを含む。たとえば、キャンピングモジュール412は、ピコセル306用のパイロット信号品質がマクロセル304用のパイロット信号品質よりも大きく、したがって、マクロセル304が十分なサービスをもはや提供していないと判断するように構成することができる。それに応答して、キャンピングモジュール412は、事前構成情報モジュール414にセル劣化指示472を通信するように構成することができる。
【0051】
540で、方法500は、十分なサービスを提供することができるターゲットセルを識別することを含み、ターゲットセルは、事前構成の対象となる1つまたは複数の隣接セルのうちの1つであり、ユーザ機器に関連付けられたアクティブセットの一部ではない。たとえば、事前構成情報モジュール414は、キャンピングモジュール412からセル劣化指示472を受信することができ、十分なサービスを提供することができるターゲットセル(たとえば、ピコセル306)を識別する。事前構成情報モジュール414は、識別されたターゲットセル(たとえば、ピコセル306)が、通信462内で受信された事前構成情報に基づいて事前構成されたかどうかを判定するように構成することができる。ターゲットセル(たとえば、ピコセル306)は、事前構成の対象となる、ネイバーリスト内の隣接セルのうちの1つと判断され得る。ターゲットセル(たとえば、ピコセル306)は、UE302用のアクティブセット内にある必要はない。事前構成情報モジュール414は、識別されたターゲットセルの情報474をサービングセル変更モジュール416に供給するように構成することができ、識別されたターゲットセルの情報474は、ピコセル306に関連付けられた識別子(たとえば、セルID)およびピコセル306についての事前構成情報を含む。
【0052】
550で、方法500は、第1のセルからターゲットセルへのサービングセル変更を要求するメッセージを送信することを含み、メッセージはイベント1dメッセージである。たとえば、事前構成情報モジュール414から識別されたターゲットセルの情報474を受信したことに応答して、サービングセル変更モジュール416は、マクロセル304からピコセル306へのサービングセル変更を要求するイベント1dメッセージ464を生成し、ネットワーク350に送信するように構成することができる。
【0053】
560で、方法500は、ターゲットセルに関連付けられた事前構成情報に基づいて、ターゲットセルからサービスを受けるように構成することを含む。たとえば、イベント1dメッセージ464を送った後、サービングセル変更モジュール416は、キャンピングモジュール412にターゲットセル構成情報476を送って、ピコセル306へのサービングセル変更を実行し、ピコセル306によってサービスされるようにUE302を準備するように構成することができる。
【0054】
570で、方法500は、ターゲットセルへのサービングセル変更を実行する指示を受信することを含む。たとえば、UE302は、サービングセル変更モジュール416で、たとえばマクロセル304を介してネットワークから、サービングセル変更指示466を受信することができる。しかしながら、UE302とマクロセル304との間の無線周波数(RF)シナリオが困難であり(たとえば、UE302がサービングセル変更手順の最中であり)、おそらく劣化しているので、UE302は、UE302が通信することができる任意のセルから、サービングセル変更指示466を受信することができる。
【0055】
580で、方法500は、ターゲットセルへのサービングセル変更を実行することを含む。たとえば、サービングセル変更モジュール416は、サービングセル変更指示466を受信したことに応答して、ターゲットセル構成情報476に含まれる事前構成情報に基づいて、マクロセル304からピコセル306に、UE302のサービングセルを変更するように構成することができる。
【0056】
図6は、隣接セルへのサービングセル変更のために事前構成することについての態様を有する、処理システム614を使用する装置600用のハードウェア実装形態の一例を示す図である。いくつかの例では、装置600は、たとえば、
図3および
図4のUE302などの、セルラーワイヤレス通信ネットワーク内のワイヤレス通信用に構成されたUEであり得る。本開示の様々な態様によれば、要素または要素の任意の一部分または要素の任意の組合せを、1つまたは複数のプロセッサ604を含む処理システム614を用いて実装することができる。プロセッサ604の例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、状態機械、ゲート論理、個別ハードウェア回路、および本開示の全体にわたって記載された様々な機能を実行するように構成された他の適切なハードウェアが含まれる。
【0057】
この例では、処理システム614は、バス602によって全体的に表されるバスアーキテクチャを用いて実装することができる。バス602は、処理システム614の具体的な用途および全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続するバスおよびブリッジを含む場合がある。バス602は、(プロセッサ604によって全体的に表される)1つまたは複数のプロセッサ、メモリ605、および(コンピュータ可読媒体606によって全体的に表される)コンピュータ可読媒体を含む、様々な回路を互いにリンクさせる。バスはまた、
図4のキャンピングモジュール412、事前構成情報モジュール414、およびサービングセル変更モジュール416を含むサービングセル変更事前構成コンポーネント410を、メモリ605、プロセッサ604、およびコンピュータ可読媒体606にリンクさせることができる。一態様では、個別のエンティティであるというよりむしろ、サービングセル変更事前構成コンポーネント410は、メモリ605および/またはコンピュータ可読媒体606と連携して動作するプロセッサ604によって実施することができる。
【0058】
バス602はまた、タイミングソース、周辺機器、電圧調整器、および電力管理回路などの様々な他の回路をリンクさせることができ、これらの回路は当技術分野でよく知られており、したがってこれ以上は説明しない。バスインターフェース608は、バス602とトランシーバ610との間のインターフェースを実現する。トランシーバ610は、伝送媒体を介して様々な他の装置と通信するための手段を実現する。装置の性質に応じて、ユーザインターフェース612(たとえば、キーパッド、ディスプレイ、スピーカ、マイクロフォン、ジョイスティック)も設けることもできる。
【0059】
プロセッサ604は、バス602の管理、およびコンピュータ可読媒体606に記憶されたソフトウェアの実行を含む全体的な処理に関与する。ソフトウェアは、プロセッサ604によって実行されたとき、任意の特定の装置について隣接セルにサービングセル変更するための事前構成に関係するような、本明細書に記載された様々な機能を処理システム614に実行させる。コンピュータ可読媒体606は、ソフトウェアを実行するときにプロセッサ604によって操作されるデータを記憶するために使用される場合もある。
【0060】
処理システム内の1つまたは複数のプロセッサ604は、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、または他の名称で呼ばれるかどうかにかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するように広く解釈されるものとする。ソフトウェアは、コンピュータ可読媒体606に常駐することができる。コンピュータ可読媒体606は、非一時的コンピュータ可読媒体であり得る。非一時的コンピュータ可読媒体には、例として、磁気記憶デバイス(たとえば、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(たとえば、コンパクトディスク(CD)またはデジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(たとえば、カード、スティック、またはキードライブ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、リム-バルディスク、ならびに、コンピュータがアクセスし読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を記憶するための任意の他の適切な媒体が含まれる。コンピュータ可読媒体には、例として、搬送波、伝送路、ならびに、コンピュータがアクセスし読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を送信するための任意の他の適切な媒体も含まれ得る。コンピュータ可読媒体606は、処理システム614の中に存在する場合があり、処理システム614の外に存在する場合があり、または処理システム614を含む複数のエンティティに分散される場合がある。コンピュータ可読媒体606は、コンピュータプログラム製品において具現化することができる。例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料内のコンピュータ可読媒体を含む場合がある。当業者は、特定の適用例およびシステム全体に課される全体的な設計制約に応じて、本開示全体にわたって提示された、記載された機能を最善の形でどのように実装することができるかを認識されよう。
【0061】
本開示全体にわたって提示された様々な概念は、多種多様な電気通信システム、ネットワークアーキテクチャ、および通信規格にわたって実装することができる。ここで
図7を参照すると、限定ではなく説明のための例として、本開示の様々な態様は、隣接セルへのサービングセル変更のための事前構成用に構成された態様を有する、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)のシステム700を参照して示されている。UMTSネットワークは、コアネットワーク704、無線アクセスネットワーク(RAN)(たとえば、UMTS地上波無線アクセスネットワーク(UTRAN)702)、およびユーザ機器(UE)710という3つの対話するドメインを含む。UE710は、たとえば、
図3および
図4のUE302であり得る。UTRAN702に利用可能ないくつかのオプションの中で、この例では、図示されたUTRAN702は、電話、ビデオ、データ、メッセージング、ブロードキャスト、および/または他のサービスを含む様々なワイヤレスサービスを可能にするためのW-CDMAエアインターフェースを使用することができる。UTRAN702は、たとえば、
図3のRNC308であり得る、無線ネットワークコントローラ(RNC)706などのそれぞれのRNCによって各々が制御される、無線ネットワークサブシステム(RNS)707などの複数のRNSを含む場合がある。ここで、UTRAN702は、図示されたRNC706およびRNS707に加えて、任意の数のRNC706およびRNS707を含む場合がある。RNC706は、とりわけ、RNS707内で無線リソースを割り当て、再構成し、解放することに関与する装置である。RNC706は、任意の適切なトランスポートネットワークを使用する、直接物理接続、仮想ネットワークなどの様々なタイプのインターフェースを介して、UTRAN702内の他のRNC(図示せず)に相互接続される場合がある。
【0062】
RNS707によってカバーされる地理的領域は、いくつかのセルに分割される場合があり、無線トランシーバ装置が各セルをサービスする。無線トランシーバ装置は、通常、UMTS用途ではノードBと呼ばれるが、当業者により、基地局(BS)、トランシーバ基地局(BTS)、無線基地局、無線トランシーバ、トランシーバ機能、基本サービスセット(BSS)、拡張サービスセット(ESS)、アクセスポイント(AP)、または何らかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。明確にするために、各RNS707に3つのノードB708が示されているが、RNS707は、任意の数のワイヤレスノードBを含む場合がある。
図3および
図4のマクロセル304および/またはピコセル306であり得るノードB708は、任意の数のモバイル装置にコアネットワーク704へのワイヤレスアクセスポイントを提供する。モバイル装置の例には、携帯電話、スマートフォン、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ラップトップ、ノートブック、ネットブック、スマートブック、携帯情報端末(PDA)、衛星ラジオ、全地球測位システム(GPS)デバイス、マルチメディアデバイス、ビデオデバイス、デジタルオーディオプレーヤ(たとえば、MP3プレーヤ)、カメラ、ゲーム機、または任意の他の同様の機能デバイスが含まれる。モバイル装置は、通常、UMTS用途ではユーザ機器(UE)と呼ばれるが、当業者により、移動局(MS)、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末(AT)、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、端末、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、または何らかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。UMTSシステムでは、UE710は、ネットワークへのユーザの加入情報を含む汎用加入者識別モジュール(USIM)711をさらに含む場合がある。説明のために、1つのUE710がいくつかのノードB708と通信しているように示される。順方向リンクとも呼ばれるダウンリンク(DL)は、ノードB708からUE710への通信リンクを指し、逆方向リンクとも呼ばれるアップリンク(UL)は、UE710からノードB708への通信リンクを指す。
【0063】
コアネットワーク704は、UTRAN702などの1つまたは複数のアクセスネットワークとインターフェースすることができる。図示されたように、コアネットワーク704はUMTSコアネットワークである。しかしながら、当業者が認識するように、UMTSネットワーク以外のタイプのコアネットワークへのアクセスをUEに提供するために、本開示全体にわたって提示された様々な概念を、RANまたは他の適切なアクセスネットワークに実装することができる。
【0064】
図示されたUMTSコアネットワーク704は、回線交換(CS)ドメインおよびパケット交換(PS)ドメインを含む。回線交換要素のうちのいくつかは、モバイルサービス交換センタ(MSC)、ビジターロケーションレジスタ(VLR)、およびゲートウェイMSC(GMSC)である。パケット交換要素は、サービングGPRSサポートノード(SGSN)およびゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)を含む。EIR、HLR、VLR、およびAuCのようないくつかのネットワーク要素は、回線交換ドメインとパケット交換ドメインの両方によって共有される場合がある。
【0065】
図示された例では、コアネットワーク704は、MSC712およびGMSC714を用いて回線交換サービスをサポートする。いくつかの適用例では、GMSC714は、メディアゲートウェイ(MGW)と呼ばれる場合がある。RNC706などの1つまたは複数のRNCは、MSC712に接続される場合がある。MSC712は、呼設定機能、呼ルーティング機能、およびUEモビリティ機能を制御する装置である。MSC712はまた、UEがMSC712のカバレージエリア内にある継続時間の間加入者関連情報を含んでいる、ビジターロケーションレジスタ(VLR)を含む。GMSC714は、UEが回線交換ネットワーク716にアクセスするために、MSC712を介したゲートウェイを提供する。GMSC714は、特定のユーザが加入しているサービスの詳細を反映するデータなどの加入者データを含んでいる、ホームロケーションレジスタ(HLR)715を含む。HLRはまた、加入者固有の認証データを含んでいる、認証センタ(AuC)に関連付けられる。特定のUE向けの呼が受信されたとき、GMSC714は、HLR715に照会してUEの位置を特定し、その位置でサービスしている特定のMSCに呼を転送する。
【0066】
図示されたコアネットワーク704はまた、サービングGPRSサポートノード(SGSN)718およびゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)720を用いて、パケット交換データサービスをサポートする。汎用パケット無線サービス(GPRS)は、標準の回線交換データサービスで可能な速度より高い速度で、パケットデータサービスを提供するように設計されている。GGSN720は、パケットベースネットワーク722への接続をUTRAN702に提供する。パケットベースネットワーク722は、インターネット、プライベートデータネットワーク、または何らかの他の適切なパケットベースネットワークであり得る。GGSN720の主要な機能は、パケットベースネットワーク接続をUE710に提供することである。データパケットは、MSC712が回線交換ドメインにおいて実行するのと同じ機能をパケットベースドメインにおいて主に実行するSGSN718を介して、GGSN720とUE710との間で転送することができる。
【0067】
UTRAN702は、本開示によって利用することができるRANの一例である。
図8を参照すると、限定ではなく例として、UTRANアーキテクチャにおけるRAN800の簡略化された概略図が示されている。システムは、セルラー領域(セル)802、804、および806を含む複数のセルを含み、セルの各々は、1つまたは複数のセクタを含む場合がある。セルは、(たとえばカバレージエリアによって)地理的に定義される場合があり、かつ/または、周波数、スクランブリングコードなどによって定義される場合がある。すなわち、図示された地理的に定義されたセル802、804、および806は、各々、たとえば異なるスクランブリングコードを利用することによって、複数のセルにさらに分割される場合がある。たとえば、セル804aは第1のスクランブリングコードを利用する場合があり、セル804bは、同じ地理的領域にあって、
図3および
図4のマクロセル304および/またはピコセル306であり得る同じノードB844によってサービスされているが、第2のスクランブリングコードを利用することによって区別することができる。
【0068】
セクタに分割されたセルでは、1つのセル内の複数のセクタは、アンテナのグループによって形成することができ、各アンテナはセルの一部分にあるUEとの通信に関与する。たとえば、セル802では、アンテナグループ812、814、および816は、各々異なるセクタに対応することができる。セル804では、アンテナグループ818、820、および822は、各々異なるセクタに対応することができる。セル806では、アンテナグループ824、826、および828は、各々異なるセクタに対応することができる。
【0069】
セル802、804、および806は、各セル802、804、または806の1つまたは複数のセクタと通信中であり得る、いくつかのUEを含む場合がある。たとえば、UE830および832はノードB842と通信中であり得るし、UE834および836はノードB844と通信中であり得るし、UE838および840はノードB846と通信中であり得る。ここで、各ノードB842、844、および846は、それぞれのセル802、804、および806の中のすべてのUE830、832、834、836、838、および840に、コアネットワーク704(
図7参照)へのアクセスポイントを提供するように構成することができる。UE830、832、834、836、838、および840は、たとえば、
図3および
図4のUE302であり得る。
【0070】
ソースセルとの呼の間、または任意の他の時間に、UE836は、ソースセルの様々なパラメータならびに隣接するセルの様々なパラメータを監視することができる。さらに、これらのパラメータの品質に応じて、UE836は、隣接するセルのうちの1つまたは複数との通信を維持することができる。この時間の間、UE836は、アクティブセット、すなわちUE836が同時に接続されるセルのリスト(すなわち、ダウンリンク専用物理チャネルDPCHまたはフラクショナルダウンリンク専用物理チャネルF-DPCHをUE836に現在割り当てているUTRANセルが、アクティブセットを構成することができる)を保持することができる。
【0071】
UTRANエアインターフェースは、W-CDMA規格を利用するシステムなどの、スペクトル拡散直接シーケンス符号分割多元接続(DS-CDMA)システムであり得る。スペクトル拡散DS-CDMAは、チップと呼ばれる一連の擬似ランダムビットとの乗算を介して、ユーザデータを拡散させる。UTRAN702用のW-CDMAエアインターフェースは、そのようなDS-CDMA技術に基づいており、さらに周波数分割複信(FDD)を必要とする。FDDは、ノードBとUEとの間のアップリンク(UL)およびダウンリンク(DL)に異なるキャリア周波数を使用する。DS-CDMAを利用し、時分割複信(TDD)を使用するUMTS用の別のエアインターフェースは、TD-SCDMAエアインターフェースである。本明細書に記載された様々な例は、W-CDMAエアインターフェースを指す場合があるが、基礎をなす原理は、TD-SCDMAエアインターフェースまたは任意の他の適切なエアインターフェースに等しく適用可能であることを、当業者は認識されよう。
【0072】
高速パケットアクセス(HSPA)エアインターフェースは、ユーザのためにスループットの向上および待ち時間の低減を可能にする、UE710とUTRAN702との間の3G/W-CDMAエアインターフェースに対する一連の拡張を含む。以前の規格に対する他の修正の中でも、HSPAは、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)、共有チャネル送信、および適応変調コーディングを利用する。HSPAを定義する規格は、HSDPA(高速ダウンリンクパケットアクセス)およびHSUPA(拡張アップリンクまたはEULとも呼ばれる高速アップリンクパケットアクセス)を含む。
【0073】
リリース5のHSDPAと、以前に規格化された回線交換エアインターフェースとの間の、ダウンリンク上の1つの差異は、HSDPAにはソフトハンドオーバがないことである。このことは、HSDPAチャネルが、HSDPAサービングセルと呼ばれる単一のセルからUEに送信されることを意味する。ユーザが移動するにつれて、またはあるセルが別のセルよりも好ましくなるにつれて、HSDPAサービングセルは変わる可能性がある。それでも、UEは、関連するDPCH上でソフトハンドオーバの状態にある場合があり、複数のセルから同じ情報を受信する。
【0074】
リリース5のHSDPAでは、任意の瞬間に、UE710は1つのサービングセル、すなわちEc/IoのUE測定値の通りアクティブセット内の最強のセルを有する。3GPP TS 25.331のリリース5で定義されたモビリティ手順によれば、HSPDAサービングセルを変更するための無線リソース制御(RRC)シグナリングメッセージは、より強いセルであるとしてUEが報告するセル(すなわち、ターゲットセル)ではなく、現在のHSDPAサービングセル(すなわち、ソースセル)から送信される。
【0075】
ワイヤレス電気通信システムでは、通信プロトコルアーキテクチャは、特定の用途に応じて様々な形態を呈する場合がある。たとえば、3GPPのUMTSシステムでは、シグナリングプロトコルスタックは、非アクセス層(NAS)およびアクセス層(AS)に分割される。NASは、UE710とコアネットワーク704(
図7参照)との間のシグナリングのために上位レイヤを提供し、回線交換プロトコルおよびパケット交換プロトコルを含む場合がある。ASは、UTRAN702とUE710との間のシグナリングのために下位レイヤを提供し、ユーザプレーンおよび制御プレーンを含む場合がある。ここで、ユーザプレーンまたはデータプレーンはユーザトラフィックを搬送し、一方、制御プレーンは制御情報(すなわち、シグナリング)を搬送する。
【0076】
図9を参照すると、レイヤ1、レイヤ2、およびレイヤ3の3つのレイヤを有するASが示されている。レイヤ1は最下位レイヤであり、様々な物理レイヤの信号処理機能を実装する。レイヤ1は、本明細書では物理レイヤ906と呼ばれる。レイヤ2 908と呼ばれるデータリンクレイヤは、物理レイヤ906の上にあり、物理レイヤ906にわたって、たとえば
図3および
図4のUE302などのUEと、たとえば
図3および
図4のマクロセル304および/またはピコセル306などの基地局またはノードBとの間のリンクに関与する。
【0077】
レイヤ3において、RRCレイヤ916は、UEとノードBとの間の制御プレーンのシグナリングを処理する。RRCレイヤ916は、高次レイヤのメッセージのルーティング、ブロードキャスト機能およびページング機能の処理、無線ベアラの確立および構成などのための、いくつかの機能エンティティを含む。
【0078】
図示されたエアインターフェースでは、L2レイヤ908はサブレイヤに分割される。制御プレーンでは、L2レイヤ908は、2つのサブレイヤ、すなわち、媒体アクセス制御(MAC)サブレイヤ910および無線リンク制御(RLC)サブレイヤ912を含む。ユーザプレーンでは、L2レイヤ908は、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)サブレイヤ914をさらに含む。図示されていないが、UEは、ネットワーク側のPDNゲートウェイで終端するネットワークレイヤ(たとえば、IPレイヤ)、および接続の他の端部(たとえば、遠端のUE、サーバなど)で終端するアプリケーションレイヤを含む、L2レイヤ908の上のいくつかの上位レイヤを有する場合がある。
【0079】
PDCPサブレイヤ914は、様々な無線ベアラと論理チャネルとの間の多重化を実現する。PDCPサブレイヤ914はまた、無線送信のオーバーヘッドを低減するための上位レイヤのデータパケットのヘッダ圧縮、データパケットの暗号化によるセキュリティ、および、ノードB間のUEのハンドオーバのサポートを実現する。
【0080】
RLCサブレイヤ912は、一般に、(肯定応答および再送信処理がエラー訂正に使用され得る)確認型モード(AM)、非確認型モード(UM)、およびデータ転送用の透過型モードをサポートし、上位レイヤのデータパケットのセグメント化およびリアセンブリ、ならびにMACレイヤでのハイブリッド自動再送要求(HARQ)による、順序の乱れた受信を補償するデータパケットの並べ替えを実現する。確認型モードでは、RNCおよびUEなどのRLCピアエンティティは、とりわけ、RLCデータPDU、RLCステータスPDU、およびRLCリセットPDUを含む、様々なRLCプロトコルデータユニット(PDU)を交換することができる。本開示では、「パケット」という用語は、RLCピアエンティティ間で交換される任意のRLCのPDUを指す場合がある。
【0081】
MACサブレイヤ910は、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化を実現する。MACサブレイヤ910はまた、1つのセルの中の様々な無線リソース(たとえば、リソースブロック)の複数のUEの間での割振りに関与する。MACサブレイヤ910はまた、HARQ動作に関与する。
【0082】
図10は、隣接セルへのサービングセル変更のために事前構成することについての態様を有する、例示的なUE1050と通信している例示的なノードB1010のブロック図である。ノードB1010は、
図3および
図4のマクロセル304および/またはピコセル306であり得るし、UE1050は、
図3および
図4のUE302であり得る。ダウンリンク通信では、送信プロセッサ1020は、データソース1012からデータを受信し、コントローラ/プロセッサ1040から制御信号を受信することができる。送信プロセッサ1020は、データ信号および制御信号、ならびに基準信号(たとえば、パイロット信号)のための様々な信号処理機能を実現する。たとえば、送信プロセッサ1020は、誤り検出のための巡回冗長検査(CRC)コード、順方向誤り訂正(FEC)を容易にするコーディングおよびインターリービング、様々な変調方式(たとえば、二位相偏移変調(BPSK)、四位相偏移変調(QPSK)、M-位相偏移変調(M-PSK)、M-直角位相振幅変調(M-QAM)など)に基づいた信号配列へのマッピング、直交可変拡散率(OVSF)による拡散、ならびに、一連のシンボルを生成するスクランブリングコードとの乗算を実現することができる。チャネルプロセッサ1044からのチャネル推定値は、送信プロセッサ1020のためのコーディング方式、変調方式、拡散方式、および/またはスクランブリング方式を決定するために、コントローラ/プロセッサ1040によって使用することができる。これらのチャネル推定値は、UE1050によって送信される基準信号から、またはUE1050からのフィードバックから導出することができる。送信プロセッサ1020によって生成されたシンボルは、フレーム構造を作成するために、送信フレームプロセッサ1030に供給される。送信フレームプロセッサ1030は、コントローラ/プロセッサ1040からの情報でシンボルを多重化することによって、このフレーム構造を作成し、一連のフレームをもたらす。次いで、これらのフレームは送信機1032に供給され、送信機1032は、アンテナ1034を介したワイヤレス媒体によるダウンリンク送信のために、増幅、フィルタリング、およびキャリア上へのフレームの変調を含む、様々な信号調整機能を実現する。アンテナ1034は、たとえば、ビームステアリング双方向適応アンテナアレイまたは他の同様のビーム技術を含む、1つまたは複数のアンテナを含む場合がある。
【0083】
UE1050において、受信機1054は、アンテナ1052を介してダウンリンク送信を受信し、その送信を処理してキャリア上に変調された情報を復元する。受信機1054によって復元された情報は、受信フレームプロセッサ1060に供給され、受信フレームプロセッサ1060は、各フレームを構文解析し、フレームからの情報をチャネルプロセッサ1094に供給し、データ信号、制御信号、および基準信号を受信プロセッサ1070に供給する。次いで、受信プロセッサ1070は、ノードB1010内の送信プロセッサ1020によって実行された処理の逆を実行する。より詳細には、受信プロセッサ1070は、シンボルを逆スクランブルおよび逆拡散し、次いで、変調方式に基づいて、ノードB1010によって送信された、最も可能性の高い信号配置点を決定する。これらの軟判定は、チャネルプロセッサ1094によって計算されたチャネル推定値に基づく場合がある。次いで、軟判定は、データ信号、制御信号、および基準信号を復元するために、復号およびデインターリーブされる。次いで、フレームの復号に成功したかどうかを判定するために、CRCコードが検査される。次いで、復号に成功したフレームによって搬送されたデータがデータシンク1072に供給され、データシンク1072は、UE1050および/または様々なユーザインターフェース(たとえば、ディスプレイ)において動作しているアプリケーションを表す。復号に成功したフレームによって搬送された制御信号は、コントローラ/プロセッサ1090に供給される。受信プロセッサ1070によるフレームの復号に失敗すると、コントローラ/プロセッサ1090はまた、肯定応答(ACK)プロトコルおよび/または否定応答(NACK)プロトコルを使用して、それらのフレームに対する再送信要求をサポートすることができる。
【0084】
アップリンクでは、データソース1078からのデータおよびコントローラ/プロセッサ1090からの制御信号が、送信プロセッサ1080に供給される。データソース1078は、UE1050で動作しているアプリケーションおよび様々なユーザインターフェース(たとえばキーボード)を表す場合がある。ノードB1010によるダウンリンク送信に関して記載された機能と同様に、送信プロセッサ1080は、CRCコード、FECを容易にするコーディングおよびインターリービング、信号配列へのマッピング、OVSFによる拡散、ならびに、一連のシンボルを生成するスクランブリングを含む、様々な信号処理機能を実現する。ノードB1010によって送信された基準信号から、または、ノードB1010によって送信されたミッドアンブルに含まれているフィードバックから、チャネルプロセッサ1094によって導出されたチャネル推定値は、適切なコーディング方式、変調方式、拡散方式、および/またはスクランブリング方式を選択するために使用することができる。送信プロセッサ1080によって生成されたシンボルは、フレーム構造を作成するために、送信フレームプロセッサ1082に供給される。送信フレームプロセッサ1082は、コントローラ/プロセッサ1090からの情報でシンボルを多重化することによって、このフレーム構造を作成し、一連のフレームをもたらす。次いで、このフレームは送信機1056に供給され、送信機1056は、アンテナ1052を介したワイヤレス媒体によるアップリンク送信のために、増幅、フィルタリング、およびキャリア上へのフレームの変調を含む、様々な信号調整機能を実現する。
【0085】
アップリンク送信は、UE1050での受信機機能に関して記載されたのと同様の方式で、ノードB1010において処理される。受信機1035は、アンテナ1034を介してアップリンク送信を受信し、その送信を処理してキャリア上に変調された情報を復元する。受信機1035によって復元された情報は、受信フレームプロセッサ1036に供給され、受信フレームプロセッサ1036は、各フレームを構文解析し、フレームからの情報をチャネルプロセッサ1044に供給し、データ信号、制御信号、および基準信号を受信プロセッサ1038に供給する。受信プロセッサ1038は、UE1050内の送信プロセッサ1080によって実行された処理の逆を実行する。次いで、復号に成功したフレームによって搬送されたデータ信号および制御信号は、それぞれデータシンク1039およびコントローラ/プロセッサに供給することができる。フレームの一部が受信プロセッサによる復号に失敗すると、コントローラ/プロセッサ1040はまた、肯定応答(ACK)プロトコルおよび/または否定応答(NACK)プロトコルを使用して、それらのフレームに対する再送信要求をサポートすることができる。
【0086】
コントローラ/プロセッサ1040および1090は、それぞれノードB1010およびUE1050での動作を指示するために使用することができる。たとえば、コントローラ/プロセッサ1040および1090は、タイミング、周辺インターフェース、電圧調整、電力管理、および他の制御機能を含む、様々な機能を実現することができる。メモリ1042および1092のコンピュータ可読媒体は、それぞれノードB1010およびUE1050のためのデータおよびソフトウェアを記憶することができる。ノードB1010にあるスケジューラ/プロセッサ1046は、UEにリソースを割り振り、UE用のダウンリンク送信および/またはアップリンク送信をスケジュールするために使用することができる。
【0087】
本出願で使用する「構成要素」、「モジュール」、「システム」などの用語は、限定はしないが、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアの組合せ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアなどのコンピュータ関連エンティティを含むものとする。たとえば、構成要素は、プロセッサ上で動作しているプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータであり得るが、これらに限定されない。例として、コンピューティングデバイス上で動作しているアプリケーションとコンピューティングデバイスの両方は、構成要素であり得る。1つまたは複数の構成要素は、プロセスおよび/または実行スレッド内に存在することができ、1つの構成要素は、1つのコンピュータ上に局在化され、かつ/または2つ以上のコンピュータ間に分散される場合がある。加えて、これらの構成要素は、様々なデータ構造を記憶している様々なコンピュータ可読媒体から実行することができる。これらの構成要素は、信号によって、ローカルシステム、分散システム内の別の構成要素と対話し、かつ/またはインターネットなどのネットワークを介して他のシステムと対話する1つの構成要素からのデータなどの、1つまたは複数のデータパケットを有する信号に従うことなどによって、ローカルプロセスおよび/またはリモートプロセスによって通信することができる。
【0088】
さらに、有線端末またはワイヤレス端末であり得る端末に関して、様々な態様が本明細書に記載される。端末はまた、システム、デバイス、加入者ユニット、加入者局、移動局、モバイル、モバイルデバイス、リモート局、リモート端末、アクセス端末、ユーザ端末、端末、通信デバイス、ユーザエージェント、ユーザデバイス、またはユーザ機器(UE)と呼ぶことができる。ワイヤレス端末は、携帯電話、衛星電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス接続機能を有するハンドヘルドデバイス、コンピューティングデバイス、またはワイヤレスモデムに接続された他の処理デバイスであり得る。その上、基地局に関して、様々な態様が本明細書に記載される。基地局は、ワイヤレス端末と通信するために利用することができ、アクセスポイント、ノードB、または何らかの他の用語で呼ばれる場合もある。
【0089】
その上、「または」という用語は、排他的な「または」ではなく、包括的な「または」を意味するものとする。すなわち、別段の規定がない限り、または文脈から明白でない限り、「XはAまたはBを使用する」という語句は、自然な包括的並べ替えのいずれかを意味するものとする。すなわち、「XはAまたはBを使用する」という語句は、以下の例のいずれかによって満足される。XはAを使用する、XはBを使用する、または、XはAとBの両方を使用する。加えて、本出願および添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」および「an」は、別段の規定がない限り、または単数形を対象とすることが文脈から明白でない限り、一般に、「1つまたは複数」を意味するものと解釈されるべきである。
【0090】
本明細書に記載された技法は、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMA、および他のシステムなどの様々なワイヤレス通信システムに使用することができる。「システム」および「ネットワーク」という用語は、しばしば互換的に使用される。CDMAシステムは、ユニバーサル地上波無線アクセス(UTRA)、cdma2000などの無線技術を実装することができる。UTRAは、広帯域CDMA(W-CDMA)およびCDMAの他の変形形態を含む。さらに、cdma2000は、IS-2000規格、IS-95規格、およびIS-856規格をカバーする。TDMAシステムは、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))などの無線技術を実装することができる。OFDMAシステムは、発展型UTRA(E-UTRA)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、IEEE802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、フラッシュOFDMなどの無線技術を実装することができる。UTRAおよびE-UTRAは、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)の一部である。3GPPロングタームエボリューション(LTE)は、ダウンリンク上ではOFDMAを採用し、アップリンク上ではSC-FDMAを採用する、E-UTRAを使用するUMTSのリリースである。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTE、およびGSM(登録商標)は、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)と命名された組織からの文書に記述されている。加えて、cdma2000およびUMBは、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と命名された組織からの文書に記述されている。さらに、そのようなワイヤレス通信システムは、不対無認可スペクトル、802.xxワイヤレスLAN、BLUETOOTH(登録商標)、および任意の他の短距離または長距離のワイヤレス通信技法をしばしば使用する、ピアツーピア(たとえば、モバイルツーモバイル)アドホックネットワークシステムを追加として含む場合がある。
【0091】
いくつかのデバイス、構成要素、モジュールなどを含む場合があるシステムに関して、様々な態様または特徴が提示される。様々なシステムが、追加のデバイス、構成要素、モジュールなどを含む場合があり、かつ/または図に関連して説明されたデバイス、構成要素、モジュールなどのすべてを含むとは限らないことを、理解および諒解されたい。これらの手法の組合せも使用することができる。
【0092】
本明細書で開示された実施形態に関して記載された様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または、本明細書に記載された機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで実装または実施することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装することができる。加えて、少なくとも1つのプロセッサは、上述されたステップおよび/またはアクションのうちの1つまたは複数を実行するように動作可能な、1つまたは複数のモジュールを備える場合がある。
【0093】
さらに、本明細書で開示された態様に関して記載された方法またはアルゴリズムのステップおよび/またはアクションは、直接ハードウェア内で、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール内で、またはその2つの組合せで具現化することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体内に存在することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、かつ記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合することができる。代替として、記憶媒体はプロセッサと一体であり得る。さらに、いくつかの態様では、プロセッサおよび記憶媒体はASIC内に存在することができる。加えて、ASICはユーザ端末内に存在することができる。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末内に個別構成要素として存在することができる。加えて、いくつかの態様では、方法またはアルゴリズムのステップおよび/またはアクションは、コンピュータプログラム製品に組み込まれ得る、機械可読媒体および/またはコンピュータ可読媒体上のコードおよび/または命令の1つまたは任意の組合せまたはセットとして存在することができる。
【0094】
1つまたは複数の態様では、記載された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せに実装することができる。ソフトウェアに実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとして、コンピュータ可読媒体上に記憶するか、または、コンピュータ可読媒体上で送信することができる。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体とコンピュータ通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気記憶デバイス、または、命令もしくはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを搬送もしくは記憶するために使用することができ、コンピュータによってアクセスすることができる、任意の他の媒体を含むことができる。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と呼ぶことができる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)、およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、通常、データをレーザで光学的に再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0095】
上記の開示は、例示的な態様および/または実施形態を説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、記載された態様および/または実施形態の範囲から逸脱することなく、様々な変更および改変を本明細書で行うことができることに留意されたい。さらに、記載された態様および/または実施形態の要素は、単数形で記載または特許請求されている場合があるが、単数形に限定することが明示的に述べられていない限り、複数形が考えられる。加えて、任意の態様および/または実施形態の全部または一部は、別段に記載されていない限り、任意の他の態様および/または実施形態の全部または一部とともに利用することができる。