特許第6231577号(P6231577)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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6231577消毒のための方法、装置、および逆流防止フラッシュ注射器アセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231577
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】消毒のための方法、装置、および逆流防止フラッシュ注射器アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/145 20060101AFI20171106BHJP
   A61M 5/315 20060101ALI20171106BHJP
   A61M 5/31 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   A61M5/145 500
   A61M5/315 512
   A61M5/31 502
【請求項の数】21
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-545175(P2015-545175)
(86)(22)【出願日】2013年11月26日
(65)【公表番号】特表2015-536211(P2015-536211A)
(43)【公表日】2015年12月21日
(86)【国際出願番号】US2013071892
(87)【国際公開番号】WO2014085396
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2016年11月28日
(31)【優先権主張番号】13/689,095
(32)【優先日】2012年11月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギルム イェマネ テケステ
【審査官】 鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0054440(US,A1)
【文献】 特表2012−525208(JP,A)
【文献】 特表2010−528773(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0083760(US,A1)
【文献】 国際公開第2011/011346(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0082911(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0039344(US,A1)
【文献】 米国特許第5647849(US,A)
【文献】 米国特許第4935009(US,A)
【文献】 米国特許第4875056(US,A)
【文献】 英国特許出願公開第2114006(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/145
A61M 5/31
A61M 5/315
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を保持するためのチャンバーを画成する内面を有する側壁と、外面と、開放近位端と、前記チャンバーと流体的に連通するその中を通る通路を有する遠位壁を含む遠位端と、を含む筒と、
前記筒内に配設される細長いプランジャロッドであって、前記筒に対するストッパーの移動によって前記チャンバーから流体を追い出すため前記筒の前記内面と流体密封して接触するように摺動可能に位置決めされた前記ストッパーを含む遠位端を備え、前記ストッパーは、ストッパー本体部および脱着可能なストッパー先端部を備える、プランジャロッドと、
ルアーコネクタを囲む外壁を備えるキャップであって、その中を通して流体連通するための通路を備え、前記通路は、前記プランジャロッドが十分に押下されたときに前記ストッパー先端部を受け入れて保持するように切り取られ、前記キャップを血管アクセスデバイスに解放可能に取り付けるための遠位端と、前記キャップを前記筒に解放可能に取り付けるための近位端と、をさらに備える、キャップと、
前記筒の外部にあるスリーブであって、遠位端と、近位端と、内面と、外面と、を有し、前記筒に関して遠位から近位の位置に摺動する、スリーブと、
ハブ内に収容された消毒剤を備える消毒システムであって、前記スリーブの近位への動きの後に解放される、消毒システムと
を備えることを特徴とするフラッシュ注射器アセンブリ。
【請求項2】
前記キャップは、前記血管アクセスデバイス上で補完的なネジ山と係合するようにネジ山が付けられていることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ注射器アセンブリ。
【請求項3】
前記キャップは、前記血管アクセスデバイスを締まり嵌めと係合させることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ注射器アセンブリ。
【請求項4】
前記キャップの前記通路の前記切り取りは、前記流体を前記注射器から出して空にした後であって前記キャップから遠ざかる前記プランジャロッドの移動の後に、前記キャップ内に前記ストッパー先端部を保持するのに十分なきつい締まり嵌めを形成することを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ注射器アセンブリ。
【請求項5】
前記ストッパー先端部は、前記ストッパー本体部上の補完的なネジ山と係合するネジ山を有することを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ注射器アセンブリ。
【請求項6】
前記ストッパー先端部は、締まり嵌めを使用して前記ストッパー本体部に固定されることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ注射器アセンブリ。
【請求項7】
前記ストッパー本体部は、熱可塑性エラストマー、天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性プラスチック材料、およびこれらの組み合わせからなる一覧から選択された材料から作られることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ注射器アセンブリ。
【請求項8】
前記ストッパー先端部は、熱可塑性エラストマー、天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性プラスチック材料、およびこれらの組み合わせからなる一覧から選択された材料から作られることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ注射器アセンブリ。
【請求項9】
前記スリーブは、前記筒の内容物に対する視認性をもたらすように1または複数の切欠をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ注射器アセンブリ。
【請求項10】
前記筒の前記外面は、遠位環状位置決め隆起部および近位環状位置決め隆起部の2つの環状位置決め隆起部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ注射器アセンブリ。
【請求項11】
前記スリーブの前記内面は、前記筒の外面上の前記環状位置決め隆起部と係合することによって前記筒に対する前記スリーブの前記位置を制御するための少なくとも1つの環状位置決め溝をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載のフラッシュ注射器アセンブリ。
【請求項12】
前記筒の前記外面は、前記筒の長さに沿って延在し、前記スリーブの前記内面上の対応する溝と係合する1または複数の隆起部を備えることを特徴とする請求項11に記載のフラッシュ注射器アセンブリ。
【請求項13】
前記プランジャは、すべてのフラッシング溶液が前記注射器から追い出された後であってプランジャが十分に押下されたときに、前記スリーブおよび前記筒に対し、前記スリーブが引っ込んで前記キャップを露出させる十分な長さのものであることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ注射器アセンブリ。
【請求項14】
前記スリーブの前記遠位端は、前記消毒システム上で補完的なネジ山と係合するようにネジ山が付けられていることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ注射器アセンブリ。
【請求項15】
前記スリーブの前記遠位端は、締まり嵌めを使用して前記消毒システムに取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ注射器アセンブリ。
【請求項16】
前記消毒システムは、使用前の前記消毒システムおよび消毒剤を運ぶ媒質を保護するための取り外し可能なカバーをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ注射器アセンブリ。
【請求項17】
前記消毒剤は、アルコール、防腐剤ゲル、およびこれらの組み合わせからなる一覧から選択される材料から作られることを特徴とする請求項16に記載のフラッシュ注射器アセンブリ。
【請求項18】
前記キャップの前記通路は、抗菌剤でコーティングされることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ注射器アセンブリ。
【請求項19】
血管アクセスデバイスをフラッシングする方法であって、
(a)請求項1に記載のフラッシュ注射器アセンブリを提供するステップと、
(b)片手を使用して、保護カバーを前記フラッシュ注射器アセンブリの遠位端から取り外し、それによって、前記注射器アセンブリの前記遠位端のところで収容されている消毒剤を露出するステップと、
(c)片手を使用して、前記消毒剤をVADコネクタに塗布するステップと、
(d)同じ手を使用して前記消毒システムを押し出すステップと、
(e)前記フラッシュ注射器アセンブリを前記血管アクセスデバイスに結合するステップと、
(f)片手を使用して、前記フラッシュ注射器アセンブリを保持し、前記プランジャを押下して、前記チャンバー内に収容されているフラッシュ溶液で前記血管アクセスデバイスをフラッシングするステップと、
(g)同じ手を使用して、前記筒が空になった後も前記プランジャを押下し続け、前記ストッパー先端部を前記血管アクセスデバイス内に埋め込み、前記スリーブを引っ込めて前記キャップを露出させるステップと、
(h)前記埋め込まれたストッパー先端部を含む前記キャップを前記フラッシュ注射器アセンブリから分離するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項20】
(i)前記埋め込まれたストッパー先端部を含む前記キャップを取り外すステップと、
(j)ステップ(a)から(h)を繰り返すステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
フラッシングする前に血管アクセスデバイスを滅菌する方法であって、
(a)保護カバーを請求項16に記載の前記注射器アセンブリの遠位端から取り外して前記注射器アセンブリの前記遠位端のところで収容されている消毒剤を露出させるステップと、
(b)前記消毒剤をVADコネクタに塗布するステップと、
(c)前記スリーブを押下して、前記消毒剤または消毒剤を運ぶ媒質および消毒剤貯蔵槽を押し出すステップと
を備えることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般的に、血管アクセスデバイス(VAD)中の血液逆流を防止するための装置および方法に関する。より具体的には、本発明の実施形態は、血流感染症(CRBSI)のリスクを低減するための技術、およびIVコネクタ洗浄、逆流防止、コネクタキャッピング技術、注射器アセンブリのうちの1または複数を含む静脈(IV)ライン開通性の維持に向けられ、特に、末梢カテーテルおよび中心静脈カテーテルなどの血管アクセスデバイス(VAD)用の、フラッシュ手順で使用するための注射器アセンブリに向けられる。
【背景技術】
【0002】
VADは一般的に使用されている治療用デバイスであるが、CDCによれば、2009年のアメリカ国内のICUにおける1,800件の血流感染症の原因とされている。CDCはまた、死亡率が12〜25%であることも報告している(例えば、非特許文献1参照)。同じ論文において、CDCは、付加的な血流感染症および死亡を通常の病室および外来診療におけるVAD使用に起因すると考えている。
【0003】
適切に維持されていないと、末梢カテーテルおよび中心静脈カテーテルを含むVADは、血餅で封止されるか、または感染を広げる可能性がある。VADが適切に使用され、封止または感染されないことを確実にするために、プロトコル(protocol)が開発されている。これらのプロトコルは、VADを滅菌することと、カテーテルをフラッシュ溶液でフラッシングすることとを含む。VADプロトコルでは、通常、カテーテル留置の後、輸液の前、ならびに薬物投与、血液採取、輸血、および非経口的栄養法の前後にフラッシュ手順が実施されることを推奨している。これらのフラッシュ手順の目標は、カテーテル開通性を確認し、薬物配合禁忌を回避し、完全な薬物用量投与を確実にし、血栓形成を防止し、血流感染症のリスクを最小にすることである。それぞれのフラッシュ手順が実施される前に、VADは滅菌されるべきである。最近の調査では、30%の確率で、フラッシングする前にVADを滅菌する活動はなく、またVADを滅菌しようと試みるときに、多くの場合に、無菌技術の条件を完全には満たしていなかったと報告している。
【0004】
カテーテルは、さまざまな流体を充填された注射器アセンブリを使用してフラッシングされる。いくつかの場合において、異なる流体は、プロトコルに従って順次注入される。例えば、食塩水の後にヘパリンなどの抗凝血薬が続く。LV.ラインをフラッシングするために使用される注射器のサイズは、カテーテルのサイズおよび長さを含むさまざまな要因によって変化する。典型的には、1ml、3ml、5ml、および10mlの容積の注射器が使用される。
【0005】
フラッシュ手順において、一般的に「逆流」と称される、血液をそれが血栓を作りカテーテルを封止する可能性のあるカテーテル内に引き戻すこと、をしないようにすることが重要である。カテーテル内への血液逆流を防止するために、使用者は、フラッシュ手順においてライン内に陽圧を維持するよう奨励される。これは、フラッシュ手順において注射器プランジャロッドに圧力をそのまま印加しながらIVラインをクランプで締め付けることとLV.ポートから注射器およびカニューレを引き抜くこととを伴い得る。注射器を弾性ストッパーと共に使用する場合、ストッパーは、多くの場合に、それがフラッシュ手順の完了時に注射筒の遠位端と接触するときに圧縮される。使用者が、フラッシュ手順が完了された後にプランジャへの圧力を緩和すると、ストッパーは拡大してそれの通常サイズに戻り、それによって、カテーテルから液体を注射筒内に引き込む。これは望ましいことではないが、ストッパーが血液をカテーテル遠位端のところでカテーテル内に入れさせる可能性があり(逆流)、次回VADが使用されるまでストッパーが静止したままになるからである。
【0006】
IVラインは、現在では、過去にはカテーテル維持に専念していた人々だけでなく、さまざまな医療サービス従事者によってフラッシングされている。外来診療の場合、患者は彼ら自身が、彼らの自分のカテーテルをフラッシングすることすらできる。これらのあまり経験のない人々は、ストッパーにかかっている圧縮力を、時期を早めて解放したり、またはストッパーを変形させる過剰な力を使用したりすることもあり得、いずれも血液をカテーテルに引き込み、血液の逆流を引き起こす可能性がある。したがって、VADを滅菌することを促し、フラッシュプロトコルに正確に従わなくてもフラッシング手順において血液の逆流を低減するか、またはなくすのに役立つフラッシュ注射器アセンブリが必要である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】MMWR Morb. Mortal Wkly. Rep. 2011;60:243−248.
【発明の概要】
【0008】
本発明の1または複数の実施形態は、筒、細長いプランジャロッド、キャップ、スリーブ、および消毒システムを備えるフラッシュ注射器アセンブリに向けられる。筒は、流体を保持するためのチャンバーを画成する内面を有する側壁と、外面と、開放近位端と、チャンバーと流体的に連通するその中を通る通路を有する遠位壁を含む遠位端と、を含む。細長いプランジャロッドは、筒内に配設される。プランジャロッドは、筒に対するストッパーの移動によってチャンバーから流体を追い出すため筒の内面と流体密封して接触するように摺動可能に位置決めされたストッパーを含む遠位端を備える。ストッパーは、ストッパー本体部および脱着可能なストッパー先端部を備える。キャップは、ルアーコネクタを囲む外壁を備える。キャップは、その中を通して流体連通するための通路を備え、そこでは、通路は、プランジャロッドが十分に押下されたときにストッパー先端部を受け入れて保持するように切り取られている(undercut)。キャップは、キャップを血管アクセスデバイス(VAD)に解放可能に取り付けるための遠位端と、キャップを筒に解放可能に取り付けるための近位端と、をさらに備える。スリーブは、筒の外部にあり、遠位端と、近位端と、内面と、外面と、を有する。スリーブは、筒に関して遠位から近位の位置に摺動する。消毒システムは、ハブ内に収容された消毒剤を備え、そこでは、消毒システムは、スリーブの近位への動きの後に解放される。
【0009】
いくつかの実施形態では、キャップは、VAD上で補完的なネジ山と係合するようにネジ山が付けられている。1または複数の実施形態において、キャップは、締まり嵌めでVADと係合する。いくつかの実施形態において、キャップの通路は、抗菌剤でコーティングされる。
【0010】
いくつかの実施形態では、キャップの通路を切り取ることで、流体を注射器から出して空にした後であってキャップから遠ざかるプランジャロッドの移動の後に、キャップ内にストッパー先端部を保持するのに十分なきつい締まり嵌めを形成する。
【0011】
1または複数の実施形態において、ストッパー先端部は、ストッパー本体部上の補完的なネジ山と係合するネジ山を有する。いくつかの実施形態では、ストッパー先端部は、締まり嵌めを使用してストッパー本体部に固定される。詳細な実施形態において、ストッパー本体部は、熱可塑性エラストマー、天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性プラスチック材料、およびこれらの組み合わせからなる一覧から選択された材料から作られる。いくつかの実施形態において、ストッパー先端部は、熱可塑性エラストマー、天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性プラスチック材料、およびこれらの組み合わせからなる一覧から選択された材料から作られる。
【0012】
1または複数の実施形態において、筒の外面は、遠位環状位置決め隆起部および近位環状位置決め隆起部の2つの環状位置決め隆起部をさらに備える。いくつかの実施形態では、スリーブの内面は、筒の外面上の環状位置決め隆起部と係合することによって筒に対するスリーブの位置を制御するための少なくとも1つの環状位置決め溝をさらに備える。詳細な実施形態において、筒の外面は、筒の長さに沿って延在し、スリーブの内面上の対応する溝と係合する1または複数の隆起部を備える。
【0013】
いくつかの実施形態では、プランジャは、すべてのフラッシング溶液が注射器から追い出された後にプランジャが十分に押下されたときに、スリーブおよび筒に対し、スリーブが引っ込んでキャップを露出させる十分な長さのものである。
【0014】
いくつかの実施形態では、スリーブは、筒の内容物に対する視認性をもたらすように1または複数の切欠をさらに備える。1または複数の実施形態において、スリーブの遠位端は、消毒システム上で補完的なネジ山と係合するようにネジ山が付けられている。特定の実施形態において、スリーブの遠位端は、締まり嵌めを使用して消毒システムに取り付けられる。
【0015】
いくつかの実施形態では、消毒システムは、使用前の消毒システムおよび消毒剤を運ぶ媒質を保護するための取り外し可能なカバーをさらに備える。1または複数の実施形態において、消毒剤は、アルコール、防腐剤ゲル、およびこれらの組み合わせからなる一覧から選択される材料から作られる。
【0016】
本発明の追加の実施形態は、VADをフラッシングする方法に向けられる。本明細書で説明されているようなフラッシュ注射器アセンブリが実現される。保護カバーは、フラッシュ注射器アセンブリの遠位端から片手を使用して取り外され、それによって、注射器アセンブリの遠位端のところで収容されている消毒剤を露出する。消毒剤は、片手を使用してVADコネクタに塗布される。同じ手で、消毒システムを押し出す。フラッシュ注射器アセンブリは、VADに結合される。片手を使用して、フラッシュ注射器アセンブリが保持され、プランジャが押下されて、チャンバー内に収容されているフラッシュ溶液でVADをフラッシングする。同じ手を使用して、筒が空になった後もプランジャを押下し続け、ストッパー先端部をVAD内に埋め込み、スリーブを引っ込めてキャップを露出させる。埋め込まれたストッパー先端部を含むキャップは、フラッシュ注射器アセンブリから分離される。
【0017】
いくつかの実施形態では、この方法は、埋め込まれたストッパー先端部を含むキャップを取り外すことと、フラッシュ注射器アセンブリからストッパー先端部を含むキャップを分離するステップを繰り返すこととを備える。
【0018】
本発明のさらなる実施形態は、筒、キャップ、解放可能な消毒システム、細長いプランジャロッド、スリーブ、および一定量のフラッシュ溶液を備えるフラッシュ注射器アセンブリに向けられる。筒は、流体を保持するためのチャンバーを画成する内面を有する側壁と、外面と、開放近位端と、それから遠位に延在する先端部を持ち、チャンバーと流体的に連通するその中を通る通路を有する遠位壁を含む遠位端と、を含む。筒は、1または複数の環状位置決め不連続部を収容する外面をさらに備える。キャップは、長さを画成する遠位端および近位端と、不規則な形状である外壁と、チャンバーから患者の血管アクセスデバイス(VAD)への流体的連通をもたらす輪郭形状を付けられた中心通路と、を備える。キャップは、キャップをVADに解放可能に取り付ける遠位端環状路と、キャップを筒に解放可能に取り付ける近位端環状路と、をさらに備える。解放可能な消毒システムは、消毒剤を備える。細長いプランジャロッドは、筒内に配設され、遠位部分および近位部分を備える。プランジャロッドは、筒に対するストッパーの移動によってチャンバーから流体を追い出すため筒内面と流体密封して接触するように摺動可能に位置決めされたストッパーを含む遠位端をさらに備える。ストッパーは、遠位面と近位面とを有する。ストッパーの遠位面は、プランジャロッドが十分に押下されたときにストッパーから脱着可能であり、キャップ内に着座可能である輪郭形状を付けられたストッパー先端部をさらに備える。スリーブは、筒の外部にあり、内面と、外面と、少なくとも1つのフランジを含む開放近位端と、スリーブに対してキャップを収容し、キャップの回転を防止するように不規則な内面を持つ陥凹部を画成する開放遠位端と、を有する。遠位端は、解放可能な消毒システムにさらに接続される。スリーブは、筒上の1または複数の環状不連続部に補完的であって、スリーブに対して筒の遠位への動きを一緒に制御する1または複数の環状位置決め不連続部をさらに備える。一定量のフラッシュ溶液は、ストッパーと筒の遠位壁との間のチャンバー内にある。
【0019】
いくつかの実施形態では、キャップの遠位端環状路は、真っすぐな内壁、およびVADを補完するようにネジ山が付けられた外壁をさらに備え、遠位端環状路は、キャップの長さより短く延在する。
【0020】
1または複数の実施形態において、キャップの近位端環状路は、真っすぐな外壁、および筒に解放可能に取り付けられる内壁をさらに備え、近位端環状路は、キャップの長さより短く延在する。詳細な実施形態において、キャップの近位端環状路は、締まり嵌めおよびネジ山が付けられたコネクタのうちの1または複数によって筒に取り付けられる。
【0021】
いくつかの実施形態では、キャップの輪郭形状を付けられた中心通路は、筒とVADとの間に流体接続を確立するようにキャップの全長にわたって延在し、中心通路の輪郭形状は、ストッパー先端部の外面の輪郭形状を補完するように近位端の近くで切り取られる。詳細な実施形態において、キャップの輪郭形状を付けられた中心通路は、抗菌剤でコーティングされる。
【0022】
1または複数の実施形態において、ストッパー、またはストッパーの任意の部分は、ストッパーから脱着可能であり、VAD内に埋め込まれることが可能である。いくつかの実施形態では、ストッパーは、ネジ山が付けられた接続部と締まり嵌めのうちの1または複数によってストッパー先端部を保持するための空洞を有する。詳細な実施形態において、ストッパー先端部の遠位端の輪郭形状は、キャップの中心通路の輪郭形状を補完し、フラッシュ注射器アセンブリが取り外された後にVAD内にストッパー先端部を保持するのに十分なように、それと共に締まり嵌めを形成するように構成される。特定の実施形態において、ストッパー先端部は、VAD上のそれらを補完するストッパー先端部上のネジ山を使用してストッパーに螺合可能に取り付けられ、これにより、両方とも、施術者による1回の動きで取り外され得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、筒上の環状位置決め不連続部は、遠位環状位置決め隆起部および近位環状位置決め隆起部の2つの環状位置決め隆起部を備え、スリーブ上の不連続部は、筒上の環状位置決め隆起部と相互作用するよう構成された溝を備える。
【0024】
1または複数の実施形態において、筒の外面は、筒の周りに相隔てて並ぶ1または複数の直線状の不連続部であって、筒の長さに沿って走り、スリーブの内面上の対応する不連続部と係合する1または複数の直線状の不連続部をさらに備える。
【0025】
本発明の追加の実施形態は、フラッシングする前にVADコネクタを滅菌する方法に向けられる。保護カバーは、本明細書で説明されているような注射器アセンブリの遠位端から取り外され、注射器アセンブリの遠位端のところで収容されている消毒剤を露出する。消毒剤がVADコネクタに塗布され、スリーブが押下されて、消毒剤または消毒剤を運ぶ媒質および消毒剤貯蔵槽を押し出す。
【0026】
本発明のさらなる実施形態は、患者によって身に着けられている間にVADコネクタの汚染を防止する方法に向けられる。この方法は、埋め込まれているプランジャ先端部を収容しVADコネクタに接続されるルアーキャップを残して、VADコネクタを細菌または他の汚染物質との接触から保護することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0027】
したがって、本発明の上記の特徴が得られ、詳細に理解され得る仕方、上で簡単にまとめられている本発明のより具体的な説明は、添付図面に例示されているそれの実施形態への参照によってなされているものとしてよい。しかし、添付図面は本発明の典型的な実施形態のみを例示しており、したがって、本発明の範囲を制限するものとみなされないが、それは本発明が他の同様に効果的な実施形態を認めることができるからであることに留意されたい。
図1】本発明の1または複数の実施形態によるフラッシュ注射器アセンブリの斜視図である。
図2】本発明の1または複数の実施形態による注射筒の斜視図である。
図3】本発明の1または複数の実施形態による注射筒の側断面図である。
図4A】本発明の1または複数の実施形態によるキャップの遠位斜視図である。
図4B】本発明の1または複数の実施形態によるキャップの近位斜視図である。
図5】本発明の1または複数の実施形態によるキャップの断面図である。
図6】本発明の1または複数の実施形態によるスリーブの斜視図である。
図7】本発明の1または複数の実施形態によるスリーブの断面図である。
図8】本発明の1または複数の実施形態によるストッパーの遠位斜視図である。
図9】本発明の1または複数の実施形態によるストッパーの断面図である。
図10】本発明の1または複数の実施形態による脱着可能なストッパー先端部の遠位斜視図である。
図11】本発明の1または複数の実施形態による脱着可能なストッパー先端部の断面図である。
図12】本発明の1または複数の実施形態によるフラッシュ注射器アセンブリの斜視図である。
図13】本発明の1または複数の実施形態によるフラッシュ注射器アセンブリの断面図である。
図14】本発明の1または複数の実施形態によるVADを洗浄する前のフラッシュ注射器アセンブリおよびVADの斜視図である。
図15】本発明の1または複数の実施形態によるVADを洗浄する前のフラッシュ注射器アセンブリおよびVADの拡大断面図である。
図16】本発明の1または複数の実施形態によるVADを洗浄するフラッシュ注射器アセンブリの断面図である。
図17】本発明の1または複数の実施形態によるVADを洗浄するフラッシュ注射器アセンブリの拡大断面図である。
図18】本発明の1または複数の実施形態による消毒システムを係脱するためにスリーブを引っ込めた後のフラッシュ注射器アセンブリの断面図である。
図19】本発明の1または複数の実施形態による係脱後のフラッシュ注射器アセンブリおよび消毒システムの拡大断面図である。
図20】本発明の1または複数の実施形態によるストッパーおよび脱着可能なストッパー先端部の拡大断面図である。
図21】本発明の1または複数の実施形態によるフラッシュ注射器アセンブリに接続されているVADの断面図である。
図22】本発明の1または複数の実施形態によるフラッシュ注射器アセンブリに接続されたVADの拡大断面図である。
図23】本発明の1または複数の実施形態による初期位置でVADに接続されたフラッシュ注射器アセンブリの断面図である。
図24】本発明の1または複数の実施形態によるフラッシングにおけるVADに接続されたフラッシュ注射器アセンブリの断面図である。
図25】本発明の1または複数の実施形態によるフラッシング後のVADに接続されたフラッシュ注射器アセンブリの断面図である。
図26】本発明の1または複数の実施形態によるストッパー先端部がキャップと係合されている状態のフラッシング後のVADに接続されたフラッシュ注射器アセンブリの拡大断面図である。
図27】本発明の1または複数の実施形態によるキャップが露出されている状態の初期引き抜き段階におけるフラッシング後のVADに接続されたフラッシュ注射器アセンブリの断面図である。
図28】本発明の1または複数の実施形態によるキャップがスリーブの下から露出されている状態のフラッシング後のVADに接続されたフラッシュ注射器アセンブリの拡大断面図である。
図29】本発明の1または複数の実施形態による取り外しにおけるプランジャロッド、スリーブ、および筒の拡大断面図である。
図30】本発明の1または複数の実施形態によるスリーブが引っ込められてVADから取り出されキャップおよびストッパー先端部をVAD内に残している状態のフラッシュ注射器アセンブリの斜視図である。
図31】本発明の1または複数の実施形態による切り離し後のフラッシュ注射器アセンブリおよびVADの断面図である。
図32】本発明の1または複数の実施形態によるキャップとキャップ内に埋め込まれているストッパー先端部とを伴うフラッシュ注射器アセンブリに接続されたVADの拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本発明は、以下の説明で述べられている構造またはプロセスステップの詳細に限定されないことは理解されるであろう。本発明は、他の実施形態を利用することができ、またさまざまな仕方で実施されるか、または実行され得る。
【0029】
本発明の実施形態は、血液逆流の防止、カテーテル容積式コネクタの必要性をなくすこと、IVコネクタのキャッピングによるIVコネクタの保護のうちの1または複数を可能にする弁および栓を持つ注射器アセンブリに向けられる。
【0030】
これらのデバイスは、IVカテーテル内腔内への血液逆流を防止し、カテーテルフラッシング手順の後に、IVカテーテル容積式コネクタまたは弁の必要性をなくし、および/またはIVコネクタにキャップを付けることによってIVコネクタを汚染から保護することができる。これらのシステムは、カテーテル滞留時間を延ばし、Cathflo(登録商標)(t−PA、Alteplase)の使用を低減し、IVコネクタにキャップを付けてコネクタ入口の細菌定着のリスクを低減する可能性を有する。1または複数の実施形態は、コネクタを消毒/洗浄し、IVラインをフラッシングし、逆流を防止し、コネクタ入口表面にキャップを付け/封止するためのシステムに向けられる(例えば、微生物がIVラインに入るか、またはコネクタ入口表面に生息するのを防止するため)。
【0031】
図は、施術者が消毒剤を塗布するのを忘れることができないように位置決めされたVADコネクタフラッシングと一体化された一体化汚染防止デバイスを備える注射器アセンブリの実施形態を示している。当業者であれば、図示されている注射器アセンブリが、単なる1つの実施形態であること、および注射器アセンブリが異なる構造および構成要素を有することができることを理解するであろう。したがって、本発明の1または複数の実施形態は、筒110、細長いプランジャロッド120、キャップ130、および弁140を含むフラッシュ注射器アセンブリ100に向けられる。
【0032】
図2および3を参照すると、筒110は、流体を保持するためのチャンバー114を画成する内面112を有する側壁111、外面113、開放近位端115、および遠位端116を有している。遠位端116は遠位壁117を含み、その中を通る通路118はチャンバー114と流体的に連通し、チャンバー114内の流体が通路118を通ってチャンバーから出ることを可能にする。いくつかの実施形態では、筒110は、プランジャロッドの移動の方向と反対の向きの力をもたらすためにフランジを含まない。
【0033】
筒110の外面113は、結果として得られる注射器アセンブリ100の所望の摩擦の質に応じて滑らかであるか、またはざらつきがあるものとすることができる。例えば、ざらつきのある外面113は、使用者に滑らかな表面に比べて安定した安全な握りを提供することができる。それに加えて、外面113の凹凸または摩擦の感触は、注射筒110で使用される材料の化学組成によって修正され得る。
【0034】
筒110は、スリーブに対する筒の直線移動を制御し、それらに関する回転移動を制限する特徴も含み得る。スリーブに対する筒110の直線移動を制御するために、筒は、外面に少なくとも1つの環状位置決め隆起部167、168を含み得る。図1に示されている実施形態において、筒は、近位環状位置決め隆起部168および遠位環状位置決め隆起部167を含む。直線移動を制御するために、いくつかの実施形態の環状隆起部167、168は、スリーブの内面上の対応する特徴と係合することができる。いくつかの実施形態では、遠位環状位置決め隆起部167は、フラッシュ注射器アセンブリの出荷時にスリーブ160を位置決めする。1または複数の実施形態において、近位環状位置決め隆起部168は、消毒剤媒質が押し出された後に筒110に対してスリーブ160の移動を停止する。
【0035】
筒110に対するスリーブ160の回転移動を制御するために、筒は、例えば、実質的に筒110の近位端115から遠位端116の方へ延在するものとしてよい隆起部167を収容することができる。隆起部167は、筒110の長さの一部に沿って延在するものとしてよい。隆起部138は、筒110の長さに沿った任意の点から始まり、止まることができる。(1または複数の)隆起部138は、プランジャが押下されている間に筒110とスリーブ160との位置合わせを円滑にするようにスリーブ160の内面163上の対応する溝177と係合するようなサイズにされるものとしてよい。
【0036】
実施形態は、筒から延在してスリーブ内の溝と相互作用する隆起部を有するものとして説明され、図示されているが、これらの特徴が反転され得ることが当業者によって理解されるであろう。例えば、スリーブの内面上の少なくとも1つの環状位置決め隆起部と相互作用する少なくとも1つの環状位置決め溝が筒上にあるものとしてよい。いくつかの実施形態では、筒上に少なくとも1つの環状位置決め不連続部およびスリーブの内面上に少なくとも1つの補完的な環状位置決め不連続部があるものとしてよい。同様に、筒は、スリーブの内面上の補完的な不連続部と相互作用する筒の長さに沿って延在する直線不連続部を収容することができる。
【0037】
筒110は、筒110から遠位に延在する先端部119も含み得る。先端部119は、筒110の残り部分の外径と異なるか、または同じである外径を有することができる。例えば、図に示されているように、先端部119の外径は、先端部119の近位にある筒部分よりも小さい外径を有する。筒110の先端部119は、ルアースリップ接続部(図示せず)または先端部119を同心円状に囲む、もしくは先端部内にある係止するルアー型カラーを含み得る。図に示されている先端部119は、先端部の内側にあるルアーロック型コネクタ127である。
【0038】
細長いプランジャロッド120は、図1および8から9に示されているように、筒110内に配設される。プランジャロッド120は、近位端122および遠位端123を持つ細長い本体部分121を含む。
【0039】
プランジャロッド120の細長い本体部分121は、近位端122から遠位端123に延在する軸方向の長さを有する。本体部分121は、円筒形または他の形状であってよい、単一の梁または特徴を含み得る。図に示されているように、本体部分121は、2つの垂直方向に交差する梁124、125によって形成される。梁は、プラス形または十字形の形状にされた断面を有するものとしてよい。図示されている実施形態において、2つの交差する梁124、125は交差して筒110の内面112に面する4つの四分円の輪郭を示す外面を形成し、プランジャロッド120の近位端122から遠位端123まで軸方向の長さに沿って伸びる。図面は、十字形の断面を持つプランジャロッドの実施形態を示しているが、プランジャロッドの形状および/または断面は、任意の好適な形状または断面であってよく、また本発明の実施形態は、図面に示されている形状に限定されないことは当業者によって理解されるであろう。
【0040】
プランジャロッド120は、細長い本体部分121の近位端122のところにサムプレス126も含み得る。サムプレス126の形状は、フラッシュ注射器アセンブリ100の所望の用途に応じて変わり得る。図面に示されているサムプレス126は丸形であるが、これは1つの可能な形状を単に代表しているだけであることは当業者によって理解されるであろう。他の形状は、限定はしないが、正方形、長方形、三角形、卵形、五角形、六角形、および十字形を含む。いくつかの実施形態におけるサムプレス126の形状は、プランジャロッド120、筒110、または他の構成要素の細長い本体部分121の形状に実質的に一致する。
【0041】
いくつかの実施形態では、サムプレスは、その上に複数の隆起部127を有する。隆起部127は、使用者が表面に増大された摩擦係数をもたらすことによって筒110に関して遠位にプランジャロッド120を圧迫する能力を高めることができる。隆起部127の形状または隆起部のパターンは、プランジャロッド120の所望の使用法に応じて変更され得る。例えば、隆起部127は、一連の平行線または、デザイン上湾曲していていもよい。1または複数の実施形態において、隆起部127は、ロゴを形成するような形状にされる。隆起部127は、プランジャロッド120と一体に形成され得るか、またはプランジャロッドに取り付けられている別々の個片であってもよい。隆起部127の表面は、プランジャロッドと異なるざらつきがあるか、または同じであってもよい。ざらつきがある表面を持つ隆起部127は、滑らかな隆起部に比べて摩擦係数の増大をもたらし得る。
【0042】
ストッパー150は、プランジャロッド120の遠位端123に接続され得る。ストッパー150の形状およびサイズは、例えば、筒110およびプランジャロッド120の形状およびサイズに応じて任意の形状またはサイズであってよい。プランジャロッド120は、ストッパー150が筒110の内面112と流体密封して接触するように、また筒110に対するプランジャロッド120の遠位移動がストッパー150が流体を筒110から押し出すことを引き起こすように筒110内に摺動可能に位置決めされる。いくつかの実施形態では、ストッパー150は、筒110に対するストッパー150の移動によってチャンバー114から流体を追い出すため筒110の内面112と流体密封して接触するように摺動可能に位置決めされる。
【0043】
図1に示されているプランジャロッド120は、プランジャロッド120の遠位端123上のコネクタ128を含む。図示されているコネクタ128は、ストッパー150、または他の構成要素がストッパー150上のネジ山との協働的な相互作用によって取り付けられ得るスクリューネジ山129を含む。スクリューネジ山129に加えて他の種類のコネクタ128があることは、当業者によって理解されるであろう。例えば、コネクタは、コネクタ128の外面の周りに1または複数の軸方向に相隔てて並べられたリングを含み得る。相隔てて並べられたリングは、ストッパー150をプランジャロッド120の遠位端123に貼り付けるためにストッパー150内の1または複数の溝と協働的に相互作用し得る。
【0044】
ストッパー150は、任意の好適な手段によって細長いプランジャロッド120の遠位端123に接続され得る。いくつかの実施形態では、ストッパー150は、図9に示されているような、補完的なスクリューネジ山の相互作用などの機械的接続、および圧入接続によって接続されている。ストッパー150は、一体成形品であるか、または複数の個片であるものとしてよい。いくつかの実施形態では、ストッパー150は、図1、10、および11に示されているように、ストッパー本体部151および脱着可能なストッパー先端部155を有する複数の個片である。1または複数の実施形態において、ストッパー150は、円錐状の形状にされた遠位表面152を含み、筒110は、遠位壁117のところの円錐状の形状にされた内面を含む。当業者は、円錐状の形状にされることは、円錐台形も含み得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、ストッパー150は、ストッパー150が筒110の遠位端116を通してチャンバー114の内容物を追い出すのに効果があるように筒110の遠位端の形状に補完的である形状を含む。ストッパー150は、流体をチャンバー114内に引き込み、チャンバー114から追い出すため筒110の内面112と流体密封して係合するように摺動可能に位置決めされ得る。注射器アセンブリがメーカーから事前充填されている場合、ストッパー150は、流体を筒110内に引き込むために使用される、または引き込むことができる、必要はない。
【0045】
ストッパー150は、筒110の内面112との封止をもたらすのに適している材料から作られ得る。例えば、ストッパー150は、熱可塑性エラストマー、天然ゴム、合成ゴム、または熱可塑性プラスチック材料、およびこれらの組み合わせから作られ得る。ストッパー150は、一緒に結合されている同じまたは異なる材料の別々の構成要素から一体に形成されるか、または構成されるものとしてよい。プランジャロッド120は、ポリプロピレン、ポリエチレン、および同様のものなどのストッパー150に比べて硬質である材料から作られ得る。材料は、使用されている手順に適合するように選択されるべきである。
【0046】
図8および9に示されているように、ストッパーは、遠位端に空洞153を含むものとしてよく、これにより、脱着可能なストッパー先端部155がそれに接続され得る。脱着可能なストッパー先端部155は、限定はしないが、スクリューネジ山または締まり嵌めを含む任意の好適な接続部によってストッパー150に接続され得る。図8および9に示されているストッパー150は、脱着可能なストッパー先端部155と協働的に相互作用することができるスクリューネジ山154を空洞153内に含む。
【0047】
図10および11に示されているように、脱着可能なストッパー先端部155は、近位端157および遠位端158を持つ本体部156を含む。図に示されている先端部155の近位端157は、ストッパー150上の補完的なネジ山と相互作用することができるスクリューネジ山159を含む。以下でさらに説明されているように、スクリューネジ山の協働的な性質は、通常の使用において脱着可能なストッパー先端部155をストッパー150に保持し、必要になったときにストッパー150から脱着可能なストッパー先端部155を解放するように克服され得ることは当業者によって理解されるであろう。
【0048】
脱着可能なストッパー先端部155の遠位端158は任意の好適な形状であってよい。例えば、図11に示されているように、先端部155の遠位端158は、合わせ面との密着接続を形成するようにより小さな直径の領域を持つ牽引ヒッチのような形状にされ得る。以下でさらに説明されているように、使用時に、先端部155のより大きな直径の端部がVAD、または他の接続部内に入り、より小さな直径の部分によって適所でくさび形になり、これにより、ストッパーの引き込み後に、先端部のスクリューネジ山が乗り越えられ、先端部をストッパーから解放し、先端部をVAD内にくさび形状に残す。
【0049】
いくつかの実施形態では、脱着可能なストッパー先端部155の遠位端158は、輪郭形状を付けられた先端部を備える。輪郭形状を付けられた先端部は、プランジャロッドが十分に押下されたときにVAD内に着座可能なようなサイズおよび形状にされ得る。例えば、脱着可能なストッパー先端部は、血管アクセスデバイスの端部上にその後残され得るキャップ130内の対応する形状にされ切り取られた領域192内に着座され、これにより、VADを組み合わされたキャップ130および脱着可能なストッパー先端部155で封止することができる。輪郭形状を付けられた遠位端158を持つ脱着可能なストッパー先端部155は、キャップ130の中心通路134の輪郭形状を補完し、フラッシュ注射器アセンブリ100が取り外された後にVAD内に脱着可能なストッパー先端部を保持するのに十分なように、それと共に締まり嵌めを形成するように構成される。例えば、中心通路134は、図5を参照して説明されている切り取られた領域192を含み得る。
【0050】
1または複数の実施形態において、ストッパー150またはストッパーの一部(例えば、脱着可能なストッパー先端部155)は、ストッパー150から、またはプランジャロッド120から脱着されるものとしてよく、またVAD内に、またはキャップ130内の好適な切り取られた領域192内に埋め込まれ得る。
【0051】
さまざまな実施形態のキャップ130は、近位端132、遠位端133、および遠位端133から遠位に延在する先端部136を持つ本体部131を含む。遠位端133および近位端132は、キャップ130の長さを画成する。図4A、4B、および5は、それぞれ、本発明の1または複数の実施形態によるキャップ130の遠位図、近位図、および断面図を示している。アセンブリ後に、キャップ130の近位端132は、筒110の遠位端116に隣接する。キャップ130は、先端部136を通って延在する通路134およびキャップ130の本体部131を備える。通路134は、筒110のチャンバー114とキャップ130の遠位端133に取り付けられているデバイスとの間の流体的連通を可能にする。したがって、チャンバー114内の流体が筒110の遠位端を通って追い出され、キャップ130を通り遠位端133から近位端132に追い出されるようにすることが可能である。
【0052】
キャップ130の断面形状は、限定はしないが、三角形、正方形、五角形、六角形、七角形、八角形、対称または非対称多角形を含む任意の好適な形状であってよい。キャップ130の形状は、使用者に対して心地よい感触をもたらし、また使用者がキャップを接続するか、または筒110から切り離すことを容易に行えるようにする増強された把持能力をもたらし得る。いくつかの実施形態では、キャップ130は、不規則な形状にされている。本明細書および付属の請求項で使用されているように、「不規則な形状にされている」という言い回しは、断面形状が断面の周りの自由な回転妨げる表面または縁を備えることを意味する。例えば、六角形または卵形の形状は、「不規則」とみなされる。
【0053】
図5に示されているように、通路134の遠位端は、脱着可能なストッパー先端部と協働的に相互作用して封止を形成するように輪郭形状を付けられ得る。この輪郭形状を付けられた領域は、切り取られた領域192と称され得るが、輪郭形状は、切り取られた輪郭形状に限定されないことは当業者によって理解されるであろう。いくつかの実施形態では、キャップ130の輪郭形状を付けられた中心通路は、筒110とVADとの間に流体接続を確立するようにキャップ130の全長にわたって延在しており、中心通路の輪郭形状は、ストッパー先端部または脱着可能なストッパー先端部の外面の輪郭形状を補完するように近位端の近くで切り取られる。
【0054】
キャップ130は、図4Aおよび5に示されているように、遠位端133上のルアーコネクタ135を含む。ルアーコネクタ135は、キャップ130、および接続されている筒110が、一致するルアー型接続部で血管アクセスデバイス(VAD)または他の好適なデバイスに解放可能に接続可能であるようにすることが可能である。図示されているルアーコネクタ135は、スクリューネジ山を備えるルアーロック型コネクタである。しかし、ルアーコネクタは、スクリューネジ山なしのルアースリップ型コネクタであってもよい。いくつかの実施形態では、キャップ130の遠位端133は、VADに解放可能に取り付ける環状路を含み、近位端132は、キャップ130を筒110に解放可能に取り付ける環状路を有する。環状路はいずれも、キャップが筒110およびVADのうちの1または複数にねじ込まれることを可能にするように適合された少なくとも1つのスクリューネジ山を含み得る。いくつかの実施形態では、キャップは、VAD上の補完的なネジ山と係合するか、またはVADを締まり嵌めと係合させることができる。
【0055】
それに加えて、図4Bおよび5に示されているような、キャップ130の近位端132は、好適なコネクタ137を介して筒110に解放可能に取り付け可能である。好適なコネクタ137は、限定はしないが、ルアースリップおよびルアーロック型コネクタを含む。図4Bは、いくつかの実施形態によるキャップ130の近位端132を示している。図4Bに示されているコネクタ137は、スクリューネジ山を備えるルアーロック型コネクタである。
【0056】
通路134は、滑らかであるか、凹凸があるか、コーティングされているか、または未コーティングであるものとしてよい。いくつかの実施形態では、通路134の内面は、抗菌剤でコーティングされる。
【0057】
いくつかの実施形態では、キャップ130は、真っすぐな内壁232と、VAD上のネジ山を補完するように、または締まり嵌めを形成するようなネジ山を付けられた外壁233とを備える遠位端環状路231を含む。遠位端環状路231は、キャップ130の長さよりも短く延在しているものとしてよい。例えば、遠位端環状路231は、キャップ130の長さの約90%未満、またはキャップ130の長さの約80%未満、またはキャップ130の長さの約70%未満、またはキャップ130の長さの約60%未満、またはキャップ130の長さの約50%未満の長さに延在しているものとしてよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、キャップ130は、真っすぐな外壁236、および筒110に解放可能に取り付けられる内壁237を備える近位端環状路235を含む。近位端環状路235は、キャップ130の長さよりも短く延在しているものとしてよい。例えば、近位端環状路235は、キャップ130の長さの約90%未満、またはキャップ130の長さの約80%未満、またはキャップ130の長さの約70%未満、またはキャップ130の長さの約60%未満、またはキャップ130の長さの約50%未満の長さに延在しているものとしてよい。近位端環状路235は、ネジ山が付けられた接続部または締まり嵌めのうちの1または複数によって筒に接続され得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、フラッシュ注射器100は、スリーブ160および消毒システム170を含む。図1および6から7に示されているように、スリーブ160は、筒110と同軸であり、筒110の外部にあり、近位端161、遠位端162、内面163、および外面164を有する。スリーブ160は、筒110に対して遠位位置から近位位置に摺動することができる。いくつかの実施形態のスリーブは、フラッシュ注射器アセンブリ100の使用前にキャップ130を覆う。図7に示されているように、スリーブ160は、キャップ130を取り囲むようなサイズにされた遠位端162上の空洞166を含み得る。フラッシュ注射器アセンブリ100は、すでに適所にあるスリーブ160と共に、または別々の構成要素としてパッケージングされ得る。スリーブは、以下で説明されている消毒剤キャリア175を係脱し、および/または血管アクセスデバイス接続部のフラッシングが完了するまでキャップ130を覆うために使用され得る。
【0060】
スリーブ160の形状は、デバイスの使用に応じて変わり得る。例えば、図面に示されているように、スリーブ160は筒110のように丸形であり、筒110の周りに嵌合するようなサイズにされている。スリーブ160は、筒110およびその中の内容物の視認を可能にする1または複数の切欠165を有する。スリーブは、限定はしないが、1つ、2つ、3つ、および4つの切欠を含む任意の数の切欠165を有することができる。例えば、図に示されているスリーブ160は、スリーブ160の反対側に2つの切欠165を有する。特定の動作理論に束縛されることなく、これらの切欠は、筒の内容物のより高い視認性をもたらし、および/またはスリーブの柔軟性を高めて、スリーブをより容易に筒の外面に適合させることを可能にし、および/またはスリーブに対する筒の動きを円滑にすると考えられている。
【0061】
スリーブ160の遠位端162は、いくつかの実施形態において、消毒システム170を取り付けるために使用され得るネジ山が付けられた部分169を有する。ネジ山が付けられた部分169が図示されているが、限定はしないが、締まり嵌めを含む他の取り付け機構も使用され得ることは、当業者によって理解されるであろう。
【0062】
いくつかの実施形態では、スリーブ160の内面163は、プランジャが押下されている間に筒とスリーブの位置合わせを円滑にするように筒110の外面上の対応する(1または複数の)隆起部138と係合する1または複数の溝171を備える。1または複数の実施形態において、プランジャは、プランジャが十分に押下されたときに、フラッシング溶液がVAD内に押し通された後に、スリーブが引っ込んで、それにより、キャップを露出させるようなスリーブおよび筒に対する十分な長さのものである。
【0063】
いくつかの実施形態では、スリーブは、筒110の外部にあり、少なくとも1つのフランジを含む開放近位端161、およびキャップを収容するように陥凹部166を内面と共に画成する開放遠位端を有する。詳細な実施形態において、陥凹部166は、スリーブに対するキャップの回転を防止するように不規則な形状にされている。例えば、陥凹部166は、六角形の形状を付けられたキャップと一致する六角形の形状を有するものとしてよい。
【0064】
1または複数の実施形態において、スリーブ160は、実質的にスリーブの近位端からスリーブの遠位端の方へ走る反対側に(約180°離して)位置決めされた2つの直線状の溝177を備える。直線状の溝177は、筒110の外面上の隆起部138と相互作用するように構成され得る。
【0065】
図1を参照すると、消毒システム170は、ハブ180内に収容されている消毒剤キャリア175上に消毒剤を備える。ハブ180は、近位面181および遠位面182を有し、カバー185内に嵌合するようなサイズにされている。ハブ180は、例えば、熱可塑性プラスチック材料を含む任意の好適な材料から作られ得る。ハブ180の遠位面182は、実質的に平坦であるか、または陥凹セクションを有することができる。
【0066】
消毒剤キャリア175は、消毒媒質を血管アクセスデバイスに運び、供給することができる任意の好適な材料であるものとしてよい。消毒剤キャリア175は、限定はしないが、医療グレードの接着剤またはテープを含む任意の好適な手段によってハブ180の遠位面182に接着され得る。1または複数の実施形態において、消毒剤キャリア175は、ハブ180の遠位面182内の陥凹部内に嵌合するようなサイズにされ、接着剤または締まり嵌めのいずれかによってそこに固定され得る。
【0067】
消毒剤は、血管アクセスデバイスとの接続部を洗浄することができる任意の好適な組成物であってよい。1または複数の実施形態において、消毒剤キャリア175は、消毒剤を備える溶液で飽和されるか、または湿潤される。いくつかの実施形態では、消毒剤は、アルコールおよび防腐剤ゲルなどの1または複数の消毒材料を備える。いくつかの実施形態の消毒剤キャリア175は、VADの入口を消毒するために十分な消毒剤を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、消毒システム170は、取り外し可能なカバー185をさらに備える。取り外し可能なカバー185は、消毒剤キャリア175を含む使用前の消毒システムを保護することができる。取り外し可能なカバー185は、締まり嵌め、または補完的なリトレッド(complement retreads)の係合を通じて、のうちの1または複数によってスリーブ160と共にいずれかのハブ180に接続され得る。
【0069】
消毒システム170は、多数の構成でフラッシュ注射器アセンブリ100の遠位端上に組み立てられ得る。1または複数の実施形態において、消毒システム170は、消毒剤キャリア175がハブ180の遠位面182上の陥凹部内に嵌合されるように配置構成される。ハブ180の近位面181は、キャップ130の遠位端133に隣接して位置決めされ、補完的なスクリューネジ山または締まり嵌めのいずれかによるスリーブ160の遠位端162の内面との係合によって適所に保持される。カバー185は、消毒剤キャリア175およびハブ180の上に位置決めされ、補完物またはスクリューネジ山または締まり嵌めのうちの1または複数によってスリーブ160の遠位端162に取り付けられる。1または複数の実施形態において、消毒システム170は、締まり嵌め(または締まり嵌め)によってスリーブ160の遠位端162に取り付けられる。いくつかの実施形態では、消毒システム170は、補完的なネジ山の係合によってスリーブ160の遠位端162に取り付けられる。
【0070】
1または複数の実施形態において、筒110の外面113は、図1および2に示されているように、少なくとも1つの環状隆起部167を含む。環状隆起部167は、筒110に対するスリーブ160の自発的移動に対して妨害をもたらすようなサイズにされる。この文は、例えば、スリーブ160の内面163上の補完的な特徴の間の締まり嵌めまたは協働的な相互作用によってもたらされ得る。いくつかの実施形態では、筒110の外面113は、図1から8に示されているように、少なくとも2つの環状隆起部167、168を含む。図1を参照すると、環状位置決め隆起部は、遠位環状位置決め隆起部167および近位環状位置決め隆起部168を備えている。また図1に示されているように、スリーブ160は、少なくとも1つの環状位置決め溝171を含む。少なくとも1つの環状位置決め溝171は、筒110の外面113上の少なくとも1つの環状位置決め隆起部167、168と係合することによって筒110に対するスリーブ160の位置を制御するのを助けるようなサイズにされ、位置決めされる。
【0071】
いくつかの実施形態では、スリーブ160は、スリーブ160の近位端161に隣接する少なくとも1つのハンドル173をさらに備える。少なくとも1つのハンドル173は、筒110に対するスリーブ160の移動を助けるために使用者によって把持され得る領域をもたらす。
【0072】
フラッシュ注射器アセンブリ100のいくつかの実施形態は、ガスケット190をさらに備える。ガスケット190は、キャップ130と筒110の遠位壁117との間の筒110の、先端部119を含む、遠位部分の周りに嵌合するようなサイズにされる。ガスケット190は、限定はしないが、弾力性のあるゴムまたはプラスチックを含む、任意の好適な材料から作られ得る。ガスケット190は、筒110とスリーブ160との間に封止を形成するのを助け、環状位置決め隆起部167、168のところで筒110の外径に実質的に等しい外径を有するものとしてよい。いくつかの実施形態では、ガスケット190を必要とすることなく筒110とスリーブ160との間に締まり嵌めがある。
【0073】
そこで、本発明の1または複数の実施形態による注射器アセンブリの動作が、図12から32に関して説明される。図12から13は、初期状態にあるフラッシュ注射器アセンブリ100の一実施形態を示している。プランジャロッド120は、ストッパー150が筒110の近位端115に隣接するように位置決めされる。この位置において、チャンバー114は、最大有効容積を有し、薬剤でいっぱいであるか、または空であるものとしてよい。フラッシュ注射器アセンブリ100は反対の方法で動作可能であり、それにより初期状態において、プランジャロッド120は、空洞容積が最小にされるように最遠位の位置に位置決めされることは当業者によって理解されるであろう。それに加えて、プランジャロッド120は、最初に、最近位の位置と最遠位の位置との間の任意の点に位置決めされ、事前充填された薬剤のさまざまな用途および体積を可能にする。
【0074】
初期状態では、消毒システム170は、ハブ180がスリーブに接続され、消毒剤キャリア175はハブ180の遠位に位置決めされ、カバー185はハブ180と消毒剤キャリア175の両方を覆うようにスリーブ160の遠位端162に接続される。他の種類の接続も使用され得るが、図に示されている実施形態は、スリーブ160の外側およびハブ180の内面上のスクリューネジ山の協働的な相互作用によってスリーブ160に接続された消毒システム170を有する。
【0075】
図14および15に示されているように、カバー185の取り外しで、使用する消毒剤キャリア175を露出させる。ハブ180およびハブ180の遠位面182は、スリーブ160の遠位端162からわずかに突き出ているように見えるものとしてよい。図16および17に示されているように、消毒剤キャリア175が露出されている状態で、使用者は、消毒剤キャリア175をVAD199に接触させることによって血管アクセスデバイス199への接続部を洗浄することができる。
【0076】
図18および19を参照すると、血管アクセスデバイス199を洗浄した後、使用者は、筒110に対してスリーブ160上に近位に向けられた力を印加する。近位に向けられた力は、スリーブ160上のハンドル173の助けを借りてスリーブ160に印加され得る。この近位に向けられた力は、スリーブ160を、近位位置決め隆起部168が配置されている近位位置に遠位位置決め隆起部167が配置されている遠位位置からスリーブが摺動するように筒110に対して近位に摺動させる。筒110に対するスリーブ160の近位移動は、スリーブ160に対する筒110の遠位移動と同等である。スリーブに対する筒110の遠位移動は、キャップ130の先端部136に、ハブ180の近位面181を圧迫させ、ハブ180をスリーブ160の遠位端162から強制的に係脱させる。図示されている実施形態において、ハブ180は、ハブ180にかかる遠位に向けられた圧力がハブ180をねじる動きを必要とすることなくスリーブ160から押し出せるようにスリーブ160締まり嵌めの遠位端162に接続される。図19は、血管アクセスデバイス199を洗浄し、ハブ180を係脱した後のフラッシュ注射器アセンブリ100を示している。キャップ130の遠位端は、スリーブ160の遠位端162から延在しているように見えるものとしてよい。図20は、筒の外面上の停止部188に当たって静止する近位位置にあるスリーブ160を伴う筒およびスリーブの近位端を示している。停止部188は、スリーブが筒の長さに沿って遠くへ移動しすぎて、それにより筒から係脱されるのを防止するための追加の障害手段を実現する。
【0077】
消毒システム170が注射器アセンブリの遠位端から取り外された後、現在はきれいになっている血管アクセスデバイス199は、キャップ130の遠位端133に取り付けられ得る。図21から23は、消毒システム170の取り外しおよびキャップ130へのVAD199の取り付けの後のフラッシュ注射器アセンブリを示している。図24では、ストッパー150およびプランジャロッド120は、筒110の長さに沿った中ほどの点に示されている。これは、チャンバー114内の薬剤または溶液の一部がキャップ130を通して血管アクセスデバイス199内に追い出されたフラッシュ注射器アセンブリを表している。
【0078】
図25および26は、最遠位の位置にあるプランジャロッド120およびストッパー150を示している。ここで、脱着可能なストッパー先端部155の遠位端は、キャップ130の切り取られた領域192内に強制的に押し込まれている。図27および28は、スリーブの遠位端からキャップを露出させるように近位移動した後のスリーブ160を示している。図29は、キャップ130を露出させるように近位移動した後のスリーブ160、筒110、およびプランジャロッド120の近位端を示している。
【0079】
フラッシュ注射器が使用され、脱着可能なストッパー先端部155がキャップ130の切り取られた領域192内に強制的に押し込まれた後、図30から32に示されているように、130およびストッパー先端部155は、筒110の遠位端から解放され、血管アクセスデバイス199に取り付けられたままにされ得る。これは、汚染を防止し、将来洗浄が必要になる事態を最小限度に抑えるように、血管アクセスデバイス199からキャップを外すのに有効である。VAD199にキャップを付けることも、VAD199を通して血液が逆流するのを防止するのに役立つ。
【0080】
本発明の追加の実施形態は、VADをフラッシングする方法に向けられる。本明細書で説明されているような、フラッシュ注射器アセンブリは、フラッシュ注射器アセンブリの適切な動作に関する取扱説明書と共に提供される。次いで、フラッシュ注射器アセンブリは、提供された取扱説明書に従って使用される。
【0081】
本発明のさらなる実施形態は、本明細書で説明されているフラッシュ注射器アセンブリを提供するか、または受け入れることを備えるVADをフラッシングする方法に向けられる。フラッシュ注射器アセンブリの遠位端から保護カバー185を取り外し、それにより、消毒剤を運ぶ消毒剤キャリア175を露出させるために片手が使用される。消毒剤をVADコネクタに塗布するために、片手が使用される。注射器アセンブリの遠位端から消毒システム170を押し出すために、同じ手が使用される。フラッシュ注射器アセンブリは、VADに結合される。フラッシュ注射器アセンブリを保持し、プランジャを押下してVADを、注射筒(事前充填されているかまたは事前充填されていないかのいずれか)内に収容されているフラッシュ溶液でフラッシングするために、片手が使用される。同じ手を使用して、筒が空になった後もプランジャロッドが押下され続けてストッパー先端部をVAD内に埋め込み、スリーブを引っ込めてキャップ130を露出させる。埋め込まれたストッパー先端部を含むキャップは、フラッシュ注射器アセンブリから分離される。いくつかの実施形態では、埋め込まれたストッパー先端部を持つキャップは、VADから取り外されるものとしてよく、このプロセスは、別のフラッシュ注射器アセンブリで繰り返され得る。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図18
図19
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図25
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図32