【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、加熱エレメントを覆い又は受容することを特に目的とした、本発明によるガラスセラミック物品(又は製品)、特にガラスセラミックプレート(本発明による物品は具体的にはクッキングプレート又はホブである)であリ、少なくとも1つの発光パターンを含む、少なくとも1つの発光(するように設計された)ゾーン(又は照明されるよう意図されたゾーン)、特に情報を表示するためのゾーン(例えば1以上の加熱ゾーンがオン状態であるかオフ状態であるかを標識記号又はアイコンによって、文字によって、又はこれに類似するものによって示すゾーン、あるいはオン/オフゾーン)を備た、物品であって、少なくとも1つのガラスセラミック基材と、少なくとも1つの光源(パターンを照明するように意図され配置されていて、この光源は特に基材の下面の下方に配置されている)、特に少なくとも1つの発光ダイオードと、少なくとも1つのエナメル被膜とを含み、該エナメル被膜が前記ゾーンのうちの少なくとも一部を被覆し(該エナメルは特に基材の上面に、特にスクリーン印刷によって被着されている)、そして該エナメル被膜の範囲内に前記パターンの形状で非被覆領域が形成されており、該エナメルの組成物が少なくとも1種のガラスフリット及び少なくとも1種の色素、そして任意選択的に少なくとも1種のビヒクル又はメジウムを含んでおり、該ガラスフリットが、重量百分率(フリットの総重量を基準として表す重量百分率又は質量百分率)として表される比率の下記組成、すなわち、
SiO
2 40〜55%
Al
2O
3 0〜10%
B
2O
3 25〜55%
Na
2O 0〜5%
K
2O 0〜5%
Li
2O 0〜10%
を有しており(又は、境界値を含めて上記範囲内の上記成分を含んでおり)、更に色素の割合がフリット/色素混合物の40〜65重量%(好ましくは45〜60重量%)であり、当該物品は更に前記エナメル被膜と向かい合う拡散ゾーンを含む、ガラスセラミック物品によって達成される。
【0011】
従って本発明によれば、ガラスセラミック上に、例えばクッキングプレートなどの上に、情報又は制御条件を表示することを目的とした発光用パターンを画定するため、このようなプレートの被膜としては知られておらず、且つ更に従来から使用されているエナメルよりも高い色素の比率を有する、特別な組成を有するフリットによって作られたエナメルが、ガラスセラミックの所望のパターンを組み入れるように意図された表面(又はゾーン)、特に上面に、特にスクリーン印刷によって被着される。このパターンは、被着されたエナメル被膜の範囲内に相応の形状の非被覆領域を形成することによって得られ、そして基材の一方の面上のこの被膜は、エナメル被膜と向かい合う拡散ゾーン、特にエナメル被膜とそれを照明するのを目的とする光源との間に、特に基材の反対側の面に(具体的には下面に)に位置する拡散ゾーンと組み合わされる。この拡散ゾーンは、特に、エナメル被膜と同じ形状及び/又は大きさ(又はほぼ同じ形状及び/又は大きさ)であり、この場合、2つのゾーンを完全に位置合わせする必要はない。このようにして得られた組み合わせには、光源によって放たれてパターン内に集中した光が非被覆領域内にだけ拡散し、そして得られたパターンの輪郭が特に鮮鋭であり、これによりパターンの下方にある斑点又はエレメントを知覚できなくするという効果がある。
【0012】
黒色ガラスセラミックの上面に塗布された上記のエナメルは、照明されていない状態では、クッキングプレートを被覆するための伝統的なエナメルのものと同程度の不透明性を有し、そしてこのエナメルがガラスセラミックの該当するゾーンを照明するために使用される光、特に赤色光にさらされた場合には、クッキングプレート用の伝統的なエナメルのものよりも大幅に高い不透明性を有する。ガラスセラミックの下面に黒色塗料をスクリーン印刷することは、この場合には不要である。
【0013】
エナメルは、特にスクリーン印刷することによって、あるいは転写法又はエナメルジェットによって、容易に被着することができ、そして割れ又は膨れを生じさせることなしに(前記組成物は特に膨張率が小さい)、不透明な薄層(有利には焼成後1〜6μm、特に2〜5μm)を得ることを可能にする。ガラスフリットは、小さな厚さでの被着に適合し、そしてガラス基材上に被着したエナメルにひび又は割れを生じさせることなしに、所望の遮蔽効果に適合するエナメル中の色素の割合(好ましくは焼成後の厚さ2〜5μmでスクリーン印刷するための)を可能にする。更に、エナメル組成物の粘度は、良好な塗布を可能にし、最終製品におけるエナメルの比較的明るく平滑な外見を保証し、得られた層は良好な機械的強度を有する。エナメルは、光分散のリスクなしに、セラミック化済みの基材上で、エナメルの熱処理に一般に用いられる700〜800℃程度の温度で、(後で)都合よく焼成してもよく、あるいは、セラミック化前に前駆ガラス(又はマザーガラス)上に被着させそしてセラミック化する間に都合よく焼成してもよい。
【0014】
エナメルは、本発明により規定される組成を有するのが有利である。それは特に、ガラスフリット(又はガラス粒子、それらがガラスマトリクスを形成することになる)と色素(特に着色剤としての色素、これらの色素は任意選択的にフリットの一部を形成してもよい)とを含む粉末によって形成される(基材への塗布及び焼成の前に)。フリット及び色素は金属酸化物をベースとしており、そしてメジウム又は「ビヒクル」が基材へのエナメルの塗布と予備的な付着を可能にする。
【0015】
エナメル組成物のガラスフリットは、SiO
2の比率が45〜50%、及び/又はAl
2O
3の比率が2〜8%、有利には3〜6%、及び/又はB
2O
3の比率が27〜50%、有利には27〜45%であることが好ましく、この場合B
2O
3の比率は30%よりも高く、特に31%よりも高く、又は32%よりも高く、あるいは更に有利には33%よりも高く、特に34%よりも高くてよい。
【0016】
また、ガラスフリットは、2〜3%の範囲の比率のNa
2O、及び/又は0.5〜3%、有利には1〜2%の範囲の比率のK
2O、及び/又は2〜6%、有利には3〜5%の範囲の比率のLi
2Oを含むことも好ましい。
【0017】
確実なハンドリング及び粘性などの点から見て良好な特性を得るために、エナメル組成物は次の構成成分、すなわちZrO
2、BaO、MgO、CaO及びSrOのうちの少なくとも1種を含まないことも好ましい。更に、エナメルがTiO
2を含む場合には、フリット中のその比率は5重量%未満、有利には2重量%未満、更には1重量%未満である。
【0018】
選択したエナメル組成物のガラスフリットは、
SiO
2 45〜50%
Al
2O
3 2〜8%、有利には3〜6%
B
2O
3 27〜50%、有利には27〜45%
Na
2O 2〜3%
K
2O 0.5〜3%、有利には1〜2%
Li
2O 2〜6%、有利には3〜5%
からなることが好ましい。
【0019】
上記組成を有するガラスフリット(又はガラス粒子)に加えて、本発明により規定されるエナメルは他の成分を含んでもよい。本発明によるエナメルは、特に、既に上記した少なくともいくつかの色素を含み、エナメルの全フリット/色素中のフリットに一般的に添加される1種以上の色素の比率は概ね、全フリット/色素を基準として表して、40重量%と65重量%の間(境界値を含む)、好ましくは45重量%と60重量%の間である。色素は特に、金属酸化物、例えばクロム酸化物、銅酸化物、鉄酸化物、コバルト酸化物、ニッケル酸化物、亜鉛酸化物、マンガン酸化物、セリウム酸化物、チタン酸化物などを含有する化合物、又はアルミニウムをベースとする化合物などから選択することができ(特に所望の色合いに応じて)、及び/又はそれらはクロム酸銅、クロム酸コバルトなどから選択することもできる。
【0020】
本発明により規定されるエナメルは、少なくとも1種の不透明な黒色色素、例えばクロム、鉄、コバルト及びニッケルの酸化物をベースとするもの、又はクロムと銅のCr−Cuスピネル(例えばスピネルV7709という呼称でFerro(TM)社によって市販されている黒色色素、又はBK1Gという呼称でSheperd Colors社によって市販されている黒色色素など)を含むのが好ましい。エナメルは、MnO
2、Fe
2O
3及び/又はCoOをベースとする色素、あるいは、NiO(緑色)、Cr
2O
3(緑色)、TiO
2(白色)、Cr−Alスピネル(ピンク色)、Sn−Sb−V(灰色)、Ti−Sb−Ni(黄色)、Zr−V(黄色)、Co−Zn−Alスピネル(青色)、Zn−Fe−Crスピネル(褐色)、ケイ酸塩、例えばCa−Cr−Siガーネット(緑色)、Ca−Sn−Si−Cr(ピンク色)、ジルコンZr−Si−Fe(ピンク色)、Co−Zn−Si(紺青色)、及び/又はCo−Si(紺青色)など、をベースとする色素等を有利に含むこともできる。
【0021】
ガラスフリット及び色素は一般に、メジウム中に懸濁させる前には粉末の形態をなしている。粉末形態における全フリット/色素の粒度分布は一般に、粉末を構成する粒子の少なくとも90重量%が直径20μm未満、特に10μm未満となるように選択される。ガラスフリットと色素は、粒度分布が1〜6μmの範囲の粒子によって構成されていることが好ましい。色素の比率が40〜65%、好ましくは45〜60%、特に約50%であるこのようなエナメルによって、厚さを過度に大きくする必要なしに、ひいては基材とエナメルとの膨張率の差を制限することなしに、充分な不透明性を得ることが可能になり、これは割れ(冷却時のエナメル層の膨れ)を回避するのに寄与する。
【0022】
ガラスフリットは特に、適切な(天然又は合成の)出発材料の混合物を高温(1000℃を超える)で溶融させることにより得ることができる。この場合、フリットは、特に粉末を得る目的で、一般にエタノールなどの溶媒(これは後で蒸発させる)中で、粉砕され(例えば約10〜13μmまで)、及び/又は微粉砕され(もしくは摩砕され、例えば約3〜4μmまで)、この粉末に任意選択的に色素が添加される。その結果として得られた(該当する場合には粉砕溶媒の蒸発後の)粉末混合物(ガラス粉末+色素)を、その後メジウム中の懸濁液にすることによって、基材上に被着することができる組成物(ペースト)が得られる。
【0023】
被着の準備のできた形態のエナメル組成物は一般に、基材上に塗布するための所望の粘度の調節を可能にし、また基材と結合するのを可能にするメジウムを含む。フリット及び色素の粒子の良好な懸濁を保証するために選択され、そして後でエナメルの焼成中に消滅することになるこのメジウムは、伝統的なエナメル組成物において通常使用される任意の有機のメジウム又はバインダーでよく、そして特に、溶媒、希釈剤、油、例えば松根油及びその他の植物油など、樹脂、例えばアクリル樹脂など、石油留分、皮膜形成材料、例えばセルロース材料など、を含むことができる。被着する準備のできた組成物中のメジウムの比率は好ましくは、前記組成物の40重量%と60重量%の間であり、好ましくは45重量%と55重量%の間である。
【0024】
従って、例えばプレートなどの本発明によるガラスセラミック物品上への被着前のエナメル組成物は一般に、被着の方法(特にスクリーン印刷)に適した粘度を有する、ペースト様のコンシステンシーの安定した液体/固体混合物の形態をなしている。
【0025】
非被覆領域(エナメル被膜の範囲内の、エナメルによって被覆されていない部分)は、例えば、被着後に除去されるマスクを用いてエナメル組成物の被着の間当該ゾーンをマスキングすること、又は例えば当該ゾーンでエナメルを被着するために用いられるスクリーン印刷用のスクリーンのます目をふさぐこと、又は被覆すべきゾーンをエナメルのジェットで正確に狙うことなどによって形成される。
【0026】
本発明の定義において示したように、本発明による物品はまた、エナメル被膜と向かい合う少なくとも1つの拡散ゾーン(又は光ディフューザ)を含んでおり、光源によって発せられた光は被照明パターンに到達する前にこの拡散ゾーンを通過する。このディフューザは一般に、ガラスセラミックの下面に位置する。この拡散ゾーンは、特に、光源によって発せられた放射線を所望の照明ゾーンに向けて抽出することを可能にするものであり、例えば1つ以上の拡散エレメント又は拡散用の処理によって形成され、そして特に、ガラスセラミックの表面に適用された(例えば下面に接着された)、及び/又はガラスセラミックと結合され又は組み合わされたエレメント(例えば導波路及び/又は光源など)の表面に適用された(例えば、拡散エレメントは光源上に被着されるか、又は当該光源を封入する)、少なくとも1つの層(又はフィルム、又はエレメント、特にポリマー、例えばポリ塩化ビニル(PVC)などの)の形態をなしており(又はそれによって部分的又は完全に構成されており)、及び/又は、例えば化学的攻撃(酸など)もしくは機械的攻撃(サンドブラストなど)などによって、ガラスセラミック(あるいは結合又は組み合わせたエレメント)の該当する表面を差別的に処理又は構造化したものである。
【0027】
この拡散ゾーンは、特に、光源と被照明ゾーンとの間に配置されて、一般にガラスセラミックと、及び/又は任意選択的に、結合又は組み合わされた別のエレメントと、一体になっている。任意選択的に、拡散ゾーン(又は抽出手段又は抽出面)は、これに代えて又はこれに加えて、ガラスセラミック(又は結合又は組み合わされたエレメント)の厚さ内に、所望に応じて例えば内部レーザーエッチング技術などによって、設けてもよい。
【0028】
本発明による物品はまた、少なくとも1つ又は2つ以上の光源(その数と配置は照明を均一にするため様々でよい)を含む。光源は、ディスプレイタイプの1以上の構造体(例えばいわゆる「7セグメント」タイプの発光ダイオードを含む)、あるいは感知ボタン及びデジタル表示部を備えた電子制御パネルなどに組み込み、それと一体にすることができる。既に述べたように、光源は、所望により下記で述べるように1以上の光導波路と組み合わされた、多かれ少なかれ間隔をあけた発光ダイオードによって形成されるのが有利である。ダイオードは、特に大きさ、効率、寿命、及び環境条件(熱など)に対する耐性の点で、本発明において有利である。
【0029】
ダイオードは封入されてもよく、すなわちそれらは半導体部品と、この半導体部品を封入するパッケージ(例えばエポキシ又はナイロン又はシリコーンタイプの樹脂でできた)とを含むことができる。ダイオードは、例えば大きさが100μm又は1mm程度で、任意選択的に最小限の(例えば保護用の)封止を施された、コリメーティングレンズなしの半導体チップであってもよい。
【0030】
ダイオードは、支持体又はバー又はベースによって支持されてもよい。この場合、ベースは、放出された放射線をより良好に導くためラッカーもしくは塗料及び/又は鏡面層で被覆され、及び/又は白色のもしくは金属のリフレクタと一体にされた、(平面状又は傾斜した)処理された面及び/又はより良好な発光効率のために反射性にされた面を有することができる。
【0031】
光源の(プレート又は物品の別の構成部品、例えば制御パネルとの)集成は、溶接、クリップ止め、接着などによって、場合によっては別の構成部品を用いて、行うことができ、例えば、異形金属材の底部にそれ自体が載置された支持材に溶接したダイオードを、その異形材のクリップ止め又は接着によって取り付けることができる。光源の位置決め(特にプレートに対する)は、ガラスセラミックを通して表示が可能になるようになされる。
【0032】
光源、並びにそれらの給電及び作動は、要件に応じて所望の照明ゾーンを同時に又は別個に照明するのを可能にするように、独立であってもなくてもよい。
【0033】
光源は、任意の制御システムにより、例えば1以上の電磁式押しボタンによって又は感知ボタンによって始動することができ、そして具体的には、光源はガラスセラミック上の適切な操作ゾーンの(又は操作ゾーン上の)位置に指を置くことにより容量式のメカニズムによって作動させることができる。この操作ゾーンは、具体的には本発明による(照明されるように意図される)前述の発光ゾーンに対応して、ガラスセラミックの表面に表示される。指(電気の導体)のタッチが静電容量を変化させ電荷がそれに移動して、静電容量の変化が測定システムによって検出され、そして測定システムが特に関連する光源を作動させる。
【0034】
既に述べたように、物品は、光源に加えて、物品の1つの部分から別の部分へ光を伝播する(特に全内部反射によって又は金属反射によって)のを目的とする少なくとも1つの導波路を含むことができ、この場合、光源は、導波路がその光線を伝送し、光源が例えば導波路の側面又は端部を介して発光するとともにそこに結合されるように、導波路に取り付けられてその光線をそこに放射することによりそれと共働する。この導波路は、透きとおっており又は透明であるのが有利であり、一般には基材の下面に取り付けられる(別々に設計された後で集成される)。それは、有機物及び/又はプラスチック(例えばポリカーボネート又はポリメチルメタクリレートPMMAで作製される)であってもよく、又は無機物であってもよく、好ましくは無機物であり、特にそれはガラスである。本発明による物品は、それぞれが1以上の発光ゾーンに割り当てられた複数の導波路を含んでもよく、あるいは任意選択的に開口を備えた、単一の導波路を含んでもよい。導波路は、接着及び/又はクリップ止めによって、又は封入などによって、基材に固定してもよい。導波路の集成は、基材上で又は物品の別の部品上で直接行ってもよく、あるいは物品を取り付ける支持体上で行ってもよく、そして例えば導波路は、基材を搭載する調理機器のケーシングに固定してもよい(この場合、ケーシングは任意選択的に物品の一部を形成することができる)。導波路は、とりわけ、基材が暗色を有する場合において特に、光を所望の照明ゾーンに向かってより良好に案内するのを可能にする。所望により、導波路の端部の幾何学的形状と粗さを、光の制御された局所的抽出を可能にするように設定してもよい。
【0035】
本発明による物品は、有利には、クッキングプレート、あるいは表示部又は機能的もしくは装飾的な性質を持つ少なくとも1つの発光ゾーンを有するガラスセラミック物品、あるいは(主に)表示目的(装飾的及び/又は機能的な)の物品又はモジュール又は集成体又はシステムであることができる。
【0036】
「ガラスセラミック物品」という用語は、ガラスセラミックそれ自体から作られた物品だけではなく、同じ用途に適した他の任意の類似の材料(例えば任意選択的に強化されたガラス)、特に耐高温性であり、及び/又は特にゼロ又は擬似ゼロの膨張率(例えば輻射リングで使用されるガラスセラミックプレートの場合のように15×10
-7K
-1未満)の材料で作られた物品をも意味するものとする。しかしながら、好ましくは、それはガラスセラミックそれ自体から作られた物品である。
【0037】
好ましくは、本発明による物品は、ガラスセラミックプレート(一般に3mmと4mmの間、特にほぼ4mm程度の厚さを有する)によって作製される(基材として)。このプレートは平面状、又は主としてもしくは実質的に平面状(特にプレートの対角線の曲率が0.1%未満、好ましくはほぼゼロ)であり、クッキングプレートとしての使用を意図するものである。このようなプレートは一般に、前記プレート及び加熱エレメント、例えば輻射又はハロゲン熱源又は誘導加熱エレメントを含むクッキングトップ又はキッチントップに組み入れることを意図するものである。
【0038】
プレートは一般に、使用位置における「上」面(可視の面)と、使用位置における別の「下」面(多くの場合、例えば調理器具のフレーム又はケーシング内に隠される)と、側面(又は端部もしくは厚み)とを有している。上面は一般に平面状且つ平滑であるが、しかし凸状の少なくとも1つのゾーン、及び/又は凹状の少なくとも1つのゾーン、及び/又は少なくとも1つの開口(例えばプレートが大気ガスバーナーの受容を目的とした開口を有する場合)があってもよい。下面は、具体的に言うと、平滑であっても、又は例えば圧延により得られる、機械強度を増大させる斑点を備えていてもよい。任意選択的に、斑点の場合、必要ならば下面にインデックス樹脂を被着してそれを平滑にしてもよい。
【0039】
本発明の1つの実施態様では、本発明に従って記述される発光ゾーンは、特に触ることで当該ゾーンの位置の特定を可能にするように(そのような寸法の)、1つ以上の凸部及び/又は好ましくは凹部でできた起伏部内に位置しており、この起伏部は例えば1以上の幾何学的パターンの形態をなしている。このタイプの起伏部は、ガラスセラミックを研削又は研磨することによって作ることができ、あるいは、特定の追加工程を実施する必要なしに、プレートがぴったり一致しなければならない支持体表面又は成形面もしくはプレス面の幾何学的形状を適合させることによって作ることができる。触る位置の表面構造は、起伏部の幾何学的形状を適切に選択することによって容易に得られる。最適条件の触る位置とするために、起伏部の高さは例えば少なくとも0.1mmに等しく、好ましくは少なくとも0.2mmとすることができ、この高さは例えば2mmを超えず、特に1mm未満である。起伏部の「高さ」は、プレートの平面に対して垂直方向の寸法、すなわちその最高の箇所と最低の箇所とのレベル差を意味するものとする。
【0040】
有利な実施態様によれば、プレート上の起伏部の周囲は本質的に平滑な表面状態にあり、起伏部はそこから連続して変動を生じる。プレートは、特に当該ゾーンにおいて、所望の幾何学的形状を有する支持体面又は成形面もしくはプレス面を使用して、押込み、成形又はプレス作業により付形することができる。この場合、ガラスセラミックプレートの材料が塑性変形を可能にするのに充分高い温度にある限り、押込み、成形又はプレスは、通常のガラスセラミックプレート製造方法のいずれの時点で実施してもよい。
【0041】
本発明による物品は、特に、本質的に視感透過率が0.8%〜40%、好ましくは0.8〜5%、特に0.8〜2%であり、可視範囲内にある波長625nmについての光透過率(所定の波長での透過強度と入射強度との比を求めることによって周知の方法で測定する)が少なくとも3.5%である、任意のガラスセラミックをベースとする。「本質的に」という語は、プレート自体がいかなる被膜の存在もなしにこのような透過率を示すことを意味するものとする。視感透過率は、D65光源を使用して標準規格ISO 9050:2003(光透過率にも言及している)に従って測定される。視感透過率は、直接透過及び可能性のある拡散透過の両方を考慮に入れた、全透過率(特に可視範囲全体にわたって積分され、人間の目の感度曲線で重み付けされる)であり、測定は例えば積分球を備えた分光光度計を用いて実施される。必要な場合、所定の厚さでの測定値はその後標準規格ISO 9050:2003に従って4mmの基準厚に換算される。
【0042】
本発明は、このような透過率の基準を有する特に黒色又は褐色の外見を備えた暗色プレートに特に有利に適用されるが、しかしこのような基準を有する使用ガラスセラミックは透明なガラスセラミックであってもよい。本発明による解決手段は、この範囲のプレートに、プレートの他の特性を劣化させるおそれなしにシンプルに適応される。
【0043】
本発明による物品は、任意選択的に、上述の構成要素以外のエレメント及び/又は層を含んでもよい。例えば、クッキングモジュールの場合、物品は1以上の付加的な機能性又は装飾性エレメント(フレーム、1以上のコネクタ、1以上のケーブル、1以上の制御エレメント)などを備えて(又は組み合わされて)いてもよい。それはまた、エナメル、塗料などをベースとする種々の機能的及び/又は装飾的な被膜を含んでいてもよい。例えば、基材の面のうちの1つは、例えば装飾のため又は隠蔽のため(例えば光源が直接見えるのを回避するため)に、少なくとも1種の他のエナメルの層などを有していてもよい。
【0044】
本発明はまた、本発明による少なくとも1つの物品(例えば調理器具、作り付けクッキングトップ、オーブンなど)を有する、調理用及び/又は高温維持用の機器(又は装置)であって、任意選択的に1以上の加熱エレメント、例えば1以上の輻射又はハロゲンエレメント及び/又は1以上の大気ガスバーナー及び/又は1以上の誘導加熱手段などを有する、機器(又は装置)にも関する。本発明による物品は、本発明の定義において上述したエレメントに加えて1以上の加熱エレメントを有する調理機器を構成してもよい。本発明は同様に、単一のプレートを有する調理機器及び複数のプレートを有する機器を包含するものであって、これらのプレートのそれぞれは任意選択的に単一のリング又は複数のリングを有する。「リング」という用語は、調理する場所を意味するものとする。本発明はまた、ハイブリッド調理機器にも関し、そのクッキングプレートは複数のタイプのリング(ガスリング、輻射リング、ハロゲンリング又は誘導リング)を有している。
【0045】
調理機器は一般に、内部加熱エレメントに加えて、制御及び/又は監視手段も含み、内部エレメントはガラスセラミック基材によって覆われており、表示部又は発光ゾーンが当該基材を通して見える。
【0046】
エナメル被膜と拡散ゾーンは、状況に応じて、ガラスセラミック基材を得るための前駆体ガラス(又はマザーガラス又はグリーンガラス)のセラミック化の前及び/又は後に、ガラスセラミック基材に加えることができる。念のために述べると、ガラスセラミックプレートは一般に次のように製造される。すなわち、ガラスセラミックを作るため選択された組成を有するガラスを溶融炉内で溶融させ、次いでロール間を通過させることにより溶融ガラスを圧延して標準的なリボン又はシートにし、そしてガラスリボンを切断して所望の寸法にする。続いて、こうして切断されたプレートをそれ自体周知の方法でセラミック化する。セラミック化は、選択された熱プロフィールに従ってプレートを焼成することによって、ガラスを「ガラスセラミック」と呼ばれる多結晶材料に変化させるものであり、この多結晶材料の熱膨張率はゼロ又は擬似ゼロであり、そしてそれは700℃までの範囲の熱応力に耐える。セラミック化は一般に、ガラス転移範囲の近くにあるのが一般的な核形成範囲に至るまで温度を徐々に上昇させる工程と、核形成の領域を数分で通過させる工程と、セラミック化の温度レベルまで温度を更に徐々に上昇させる工程と、セラミック化の温度レベルを数分間維持する工程と、次いで室温まで急速に冷却させる工程とを含む。任意選択的に、この方法はまた、例えばウォータージェット、ホイールを用いる機械的トレーシングなどでの、切断作業(一般にセラミック化前の)、そしてこれに続くドレッシング作業(研削、面取りなど)も含む。
【0047】
本発明に従って使用するエナメルは、小さい厚さをできる限り少ないパス数で被着するのを可能にする。そしてこれにより、エナメルのフレーキング及びガラスセラミックプレートの機械的損傷を回避することが可能になる。一般に、基材は、セラミック化前又はセラミック化後に、スクリーン印刷用スクリーン(例えばポリエステル又はポリアミドのフィラメント布帛で構成される)を用いて上面の相応するゾーンに上述の組成物を含むペーストをスクリーン印刷し、次いで約100〜150℃で乾燥して塗装される。
【0048】
選択したエナメルで被覆した基材(焼成後に得られる)は、特に下にあるエレメントを隠すのを可能にするような不透明性を有すると有利である。不透明性は、色の変化ΔE
*を測定(Byk−Gardner社のColor Guide 45/0比色計を用いて行われる反射比色分析)することによって評価される。色の変化ΔE
*は、不透明の白色背景上に配置した基材についてエナメルを支持する面とは反対側の基材面で測定した色と、不透明の黒色背景上に配置した基材についてのそれとの差に相当する(CIEによって1976年に設定された式に従い、ΔE
*=((L
W*−L
B*)
2+(a
W*−a
B*)
2+(b
W*−b
B*)
2)
1/2であり、L
W*、a
W*、b
W*は白色背景上での第1測定値の比色座標であり、L
B*、a
B*、b
B*は黒色背景上での第2測定値の比色座標である)。本発明によるエナメルで被覆されたガラスセラミック基材のΔE
*の値は、0.5以下、好ましくは0.4以下、特に0.1未満であると有利である。更に、使用するエナメルのL
*の値は25未満、又は21未満、好ましくは12と18の間であると有利であり、この値はガラス基材上のエナメルが多孔性でないことを表す。
【0049】
本発明による物品は、少なくとも1つの加熱ゾーンがオンであるかオフであるかを示すことが目的の少なくとも1つの発光ゾーン(オン/オフゾーンと呼ばれ、当該ゾーンの被照明パターンを画定する非被覆領域は、例えば、オン状態を示すアイコンの形態をなしている)を含んでいることが好ましい。本発明による物品はまた、前記ゾーンの上面に例えばスクリーン印刷によって被着された、本発明により規定されたエナメルを含むことも好ましく、このエナメル被膜は例えば円板の形をしていて、その中心に選択されたパターン(例えば上述のオン/オフパターン)に従って非被覆領域が形成されている。このパターンは、例えば、それが、例えば制御パネル上に位置する、オン/オフ制御ボタンであることを示すものであり、このボタンの操作は、例えばガラスセラミック上の当該ボタンに指を置くことにより静電容量のメカニズムに従ってなされる。それの操作によりLEDが点灯して光(例えば赤色)を発する。このLEDによって発せられた光は、光源の上方に位置する拡散ゾーンによって拡散され、このゾーンは例えば円筒形状(又は円形又は円板形状、直径が例えば上面にスクリーン印刷された円板のそれに相当する)を有する。この拡散用の円板は、例えば、ガラスセラミックの下面に接着される。LEDの光がスクリーン印刷されたオン/オフ円の下方で拡散されると、赤色光が非被覆ゾーンに現れる。
【0050】
本発明及びその利点は、下記の例を読むことでよりよく理解される。この例は例示のために提供されるにすぎず、本発明を限定するものではない。