【実施例1】
【0022】
図1は、実施例1に係る画像投影装置の上視図である。
図2は、
図1の投射部近傍を拡大した図である。なお、実施例1の画像投影装置は、ユーザに画像を視認させるための画像用光線が当該ユーザの眼球の網膜に直接投射される、マクスウェル視を利用した網膜投影型ヘッドマウントディスプレイである。
【0023】
実施例1の画像投影装置100は、
図1のように、光検出器18、制御部20、投影部24および検出部26を備える。投影部24は、光源12、第1ミラー14、第2ミラー15、第3ミラー17、第4ミラー44、投射部16、位置調整部22を備える。光源12は、メガネ型フレームのツル30に配置されている。光源12は、制御部20の指示の下、例えば単一又は複数の波長の光線34を出射する。この光線34には、ユーザの眼球36の網膜38に画像を投影するための画像用光線と、ユーザの眼球36の瞳孔40の動き及びユーザの瞼の開閉を検出するための検出用光線と、が含まれる。検出用光線は、画像用光線と同じ光源12から出射されることから、画像用光線と同じく可視光である。光源12は、例えば赤色レーザ光(波長:610nm〜660nm程度)、緑色レーザ光(波長:515nm〜540nm程度)、及び青色レーザ光(波長:440nm〜480nm程度)を出射する。赤色、緑色、及び青色レーザ光を出射する光源12として、例えばRGB(赤・緑・青)それぞれのレーザダイオードチップと3色合成デバイスとマイクロコリメートレンズとが集積された光源が挙げられる。
【0024】
第1ミラー14は、メガネ型フレームのツル30に配置されている。第1ミラー14は、光源12から出射された画像用光線を、水平方向及び垂直方向に走査する。また、第1ミラー14は、光源12から出射された検出用光線を反射する。第1ミラー14は、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーである。なお、光源12から出射された光線34は、例えば第2ミラー15及び第3ミラー17で反射されて、第1ミラー14に入射する。
【0025】
図3(a)は、第1ミラーの振動を示す図である。
図3(a)と後述の
図3(b)とを用いて画像用光線と検出用光線について説明する。なお、
図3(a)及び
図3(b)では、説明の明瞭化のために検出用光線の個数を省略している。第1ミラー14によって画像用光線を走査して網膜38に画像を投影する方法として、画像の左上から右下まで光を高速に走査して画像を表示する方法(例えばラスタースキャン)がある。
図3(a)のように、第1ミラー14は、画像用光線34aを走査するために、網膜38に投影する画像の範囲(
図3(a)の破線範囲)よりも大きく、水平方向(第1方向)と垂直方向(第1方向に交差する第2方向)とに振動する。第1ミラー14の振動を符号50で示している。
【0026】
第1ミラー14が大きく振れた箇所で画像用光線34aを走査して網膜38に画像を投影する場合、画像の歪みが大きくなることから、画像用光線34aは、第1ミラー14の振れが小さい箇所で走査される。一方、検出用光線34bは、第1ミラー14の振動50のうち、画像用光線34aが走査されないタイミングで、第1ミラー14に入射する。言い換えると、光源12は、第1ミラー14の振動50において、網膜38に投影する画像の範囲に相当する期間では画像用光線34aを第1ミラー14に出射し、画像の範囲外の時間において検出用光線34bを第1ミラー14に出射する。
【0027】
図3(b)は、画像用光線と検出用光線の出射タイミングを示すタイミングチャートであり、第1ミラー14が
図3(a)の点Aから点Bまで振動した場合における画像用光線34aと検出用光線34bの光源12からの出射タイミングである。なお、検出用光線34bの光強度は、画像用光線34aと同じであってもよいし、異なっていてもよい。検出用光線34bの光強度は、後述する光検出器18で反射光46が検出できる程度の光強度であればよい。また、検出用光線34bは、単一波長の光線でよく、網膜38に投影する画像の1画素又は数画素相当の光線でよい。なお、
図3(a)では、画像用光線34aは矩形状に走査される場合を例に示しているが、この場合に限られず、台形状に走査される場合など、その他の場合でもよい。
【0028】
図1及び
図2のように、第1ミラー14で走査された画像用光線34a及び第1ミラー14で反射された検出用光線34bは、第4ミラー44によって、メガネ型フレームのレンズ32に向かって反射される。投射部16が、レンズ32の眼球36側の面に配置されているため、第1ミラー14で走査された画像用光線34a及び第1ミラー14で反射された検出用光線34bは、投射部16に入射する。投射部16は、画像用光線34aが入射される第1領域16aでは、自由曲面又は自由曲面と回折面の合成構造をしたハーフミラーとなっている。これにより、投射部16に入射された画像用光線34aは、眼球36の瞳孔40近傍で収束した後に網膜38に投射される。よって、ユーザは、画像用光線34aで形成される画像を認識することができると共に、外界像をシースルーで視認することができる。一方、投射部16は、検出用光線34bが入射される第2領域16bでは、第1領域16aと光学的に不連続な形状をしたハーフミラーとなっている。これにより、検出用光線34bは、画像用光線34aが瞳孔40を通過して網膜38に投射される場合に、眼球36の虹彩42に投射される。このように、画像用光線34aが投射される眼球36の表面領域を第1表面領域36aとした場合に、検出用光線34bは、眼球36の第1表面領域36aから離れた第2表面領域36bに投射される。
【0029】
図4は、検出用光線の照射位置を示す眼球の正面図である。
図4を用いて、画像用光線34aと検出用光線34bの眼球36への投射について説明する。
図4のように、複数の検出用光線34bが、画像用光線34aが瞳孔40の中心近傍を通過して網膜38に投射される場合に、虹彩42に投射される。複数の検出用光線34bは、瞳孔40に対して複数の同心円状に散在し、瞳孔40の径方向に並んで、虹彩42に投射される。投射部16の第2領域16bが第1領域16aに光学的に不連続となっているため、画像用光線34aが瞳孔40を通過して網膜38に投射されつつ、複数の検出用光線34bが虹彩42に投射されることが可能となる。また、画像用光線34aと複数の検出用光線34bは、第1ミラー14の振動に対して所定のタイミングで光源12から出射される。すなわち、画像用光線34aと複数の検出用光線34bの相対的な出射タイミングは固定されている。このため、画像用光線34aと複数の検出用光線34bは、相対的な位置関係が固定されて、眼球36に投射される。また、
図3(a)のように、複数の検出用光線34bは、第1ミラー14の振動50の異なる位置で反射された光であることから、虹彩42の異なる位置に異なる時間(異なるタイミング)で投射される。すなわち、複数の検出用光線34bは、虹彩42の異なる位置に順々に投射される。
【0030】
図1及び
図2のように、光検出器18が、レンズ32のフレームに配置されている。光検出器18は、例えばフォトディテクタである。光検出器18は、複数の検出用光線34bが虹彩42で反射した反射光46を検出する。
図5は、反射光を検出する検出タイミングを示すタイミングチャートである。
図5を用いて、制御部20が光検出器18を用いて反射光46を検出する検出タイミングを説明する。なお、
図5では、説明の明瞭化のために検出用光線の個数を省略している。
図5のように、制御部20は、光源12から検出用光線34bを出射させたタイミングで、光検出器18を用いて反射光46の検出を行う。これにより、複数の検出用光線34bのうちのどの検出用光線34bの反射光46が検出されていないかが分かる。なお、光検出器18の性能などを考慮し、反射光46の検出の時間に幅を持たせてもよい。
【0031】
なお、
図1及び
図2では、光検出器18が、レンズ32の中央近傍に配置された場合を例に示したが、反射光46を検出できる場所であれば、例えばレンズ32のツル30近傍や鼻パッド(不図示)近傍などに配置されてもよい。なお、複数の検出用光線34bが虹彩42に投射される場合であっても、上述したように、複数の検出用光線34bは虹彩42に順々に投射されることから、1つの光検出器18で複数の検出用光線34bの反射光46を検出することができる。
【0032】
CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ並びにRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等のメモリは、制御部20及び検出部26として機能する。プロセッサ及びメモリは、外部装置(例えば携帯端末など)に設けられている。プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムに従って、制御部20及び検出部26として機能する。制御部20と検出部26は異なるプロセッサにより機能してもよいし、同じプロセッサにより機能してもよい。
【0033】
制御部20は、投影部24を制御する。制御部20は、入力された画像データに基づく画像用光線34aと、瞳孔40の動き及び瞼の開閉を検出するための検出用光線34bと、を光源12から出射させる。また、制御部20は、検出部26での検出結果に基づいて、光源12及び第1ミラー14などを含む光学系を制御する。例えば、制御部20は、光源12からの画像用光線34a及び/又は検出用光線34bを含む光線の出射を制御する。例えば、制御部20は、位置調整部22を駆動させて第1ミラー14の位置を移動させると共に、第1ミラー14の移動に合わせて第3ミラー17と第4ミラー44の位置を移動させる制御を行う。
【0034】
検出部26は、光検出器18の検出結果に基づき、瞳孔40の動いた方向及び動きの速さ並びに瞼の開閉を検出する。
図6(a)から
図6(c)を用いて、光検出器18を用いた反射光46の検出について説明する。
図6(a)から
図6(c)は、投射部及び眼球の上視図である。
図6(a)は、画像用光線34aが瞳孔40を通過し、複数の検出用光線34bの全てが虹彩42に投射される場合を示す図である。
図6(b)は、眼球36が回転したことで、複数の検出用光線34bの一部が瞳孔40を通過して虹彩42に投射されなくなった場合を示す図である。
図6(c)は、瞼37が閉じたことで、複数の検出用光線34bの全てが虹彩42に投射されなくなった場合を示す図である。
【0035】
検出用光線34bが虹彩42に投射された場合は比較的大きな反射光46が生じる。一方、眼球36の回転によって検出用光線34bが瞳孔40を通過して網膜38に投射された場合や瞼37が閉じたことによって検出用光線34bが瞼37に投射された場合は反射光46が生じ難い。つまり、
図6(a)の場合には、光検出器18は、複数の検出用光線34bの全てにおいて比較的大きな反射光46を検出する。一方、
図6(b)の場合には、光検出器18は、複数の検出用光線34bのうちの一部において反射光46を検出しないことが起こり、
図6(c)の場合には、光検出器18は、複数の検出用光線34bの全てにおいて反射光46を検出しないことが起こる。すなわち、ユーザが眼球36を動かした場合には、光検出器18は複数の検出用光線34bのうちの一部の反射光46を検出しなくなる。ユーザが瞼37を閉じた場合には、光検出器18は複数の検出用光線34bの全ての反射光46を検出しなくなる。
【0036】
このように、光検出器18は、ユーザの眼球36において反射した複数の検出用光線34bの反射光46を検出する。画像用光線34aが照射された位置から反射光46を検出しなくなった検出用光線34bに対応する位置への方向は、瞳孔40が動いた方向に相当する。そこで、検出部26は、この方向を瞳孔40が動いた方向(すなわち、眼球36の回転方向)として検出する。また、
図4のように、複数の検出用光線34bは瞳孔40の径方向に並んで眼球36に投射される。瞳孔40の径方向に並ぶ検出用光線34bの間隔を予め設定しておくことで、光検出器18が瞳孔40の径方向のうちの内側に位置する検出用光線34bの反射光46を検出しなくなってからより外側に位置する検出用光線34bの反射光46を検出しなくなるまでの時間から、瞳孔40の動きの速さが分かる。例えば、瞳孔40が第1ミラー14による垂直方向の振動(垂直方向の走査)よりも長い時間をかけて検出用光線34b間の距離を移動した場合に、瞳孔40の動きの速さが分かる。そこで、検出部26は、光検出器18の検出結果に基づいて、瞳孔40の動きの速さを検出する。
【0037】
また、光検出器18が複数の検出用光線34bの全ての反射光46を検出しない場合は、ユーザの瞼37が閉じていることに相当する。そこで、検出部26は、光検出器18が複数の検出用光線34bの全ての反射光46を検出しない場合は、ユーザの瞼37が閉じていると検出する。
【0038】
なお、上述の記載から明らかなように、光検出器18が反射光46を検出しないとは、所定値以上の大きさの反射光46を検出しないことをいう。すなわち、光検出器18が検出する反射光46の強度が所定値以下のとき、検出部26は、反射光46を検出しないと判定できる。
【0039】
実施例1における制御部20及び検出部26の動作について説明する。
図7は、実施例1における制御部及び検出部の動作を示すフローチャートである。
図7のように、光検出器18による検出用光線の検出に基づいて、検出部26は、瞳孔40が動いた方向及び瞳孔40の動きの速さを検出する(ステップS10)。ここでは、検出部26が検出した瞳孔40の動いた方向が第1の方向であったとする。
【0040】
次いで、制御部20は、検出部26で検出された瞳孔40の動きの速さを判定する(ステップS12)。瞳孔40の動きの速さが第1の速さ未満であった場合、制御部20は、ユーザの網膜38に投影されている画像に対して第1の制御を行う(ステップS14)。瞳孔40の動きが第1の速さ以上且つ第2の速さ未満であった場合、制御部20は、ユーザの網膜38に投影されている画像に対して第2の制御を行う(ステップS16)。瞳孔40の動きが第2の速さ以上であった場合、制御部20は、ユーザの網膜38に投影されている画像に対して第3の制御を行う(ステップS18)。
【0041】
以上のように、実施例1によれば、投影部24は、画像を形成する画像用光線34aをユーザの眼球36の瞳孔40に投射することにより、眼球36の網膜38に画像を投影する。
図7のステップS10のように、検出部26は、ユーザの瞳孔40が動いた方向と動きの速さとを検出する。ステップS12〜S18のように、制御部20は、ユーザの瞳孔40が同じ方向に異なる速さで動いたときに異なる画像の制御を行う。これにより、瞳孔40の速さに応じて画像の制御を行うことができるため、複数の異なる画像の制御が可能となる。
【0042】
また、実施例1によれば、光検出器18は、瞳孔40の径方向に並んで眼球36の虹彩42に投射される複数の検出用光線34bの反射光46を検出する。検出部26は、光検出器18による複数の検出用光線34bの反射光46の検出結果に基づき、瞳孔40が動いた方向及び瞳孔40の動きの速さを検出する。これにより、瞳孔40の動いた方向及び動きの速さを精度良く検出することができ、ユーザの意図に沿った画像の制御を精度良く行うことができる。
【0043】
また、実施例1によれば、
図4のように、複数の検出用光線34bは、瞳孔40の周りを囲んで、瞳孔40に対して複数の同心円状で虹彩42に投射される。これにより、瞳孔40の動いた方向及び動きの速さを精度良く検出することができる。
【0044】
また、実施例1によれば、画像用光線34aと複数の検出用光線34bとは、同じ光源12から出射される。これにより、画像用光線34aと複数の検出用光線34bとで光学系を共有できるため、画像投影装置の小型化が可能となる。
【0045】
なお、
図7では、瞳孔40が同じ方向に異なる速さで動いたときに異なる制御をすることを説明したが、これに加えて、瞳孔40が異なる方向に動いたときに異なる制御をするようにしてもよい。このことを、
図8を用いて説明する。
図8は、実施例1における制御部及び検出部の動作を示すフローチャートである。
図8のように、光検出器18による検出用光線34bの検出に基づいて、検出部26は、瞳孔40が動いた方向及び瞳孔40の動きの速さを検出する(ステップS30)。ここでは、検出部26が検出した瞳孔40の動きの速さが第1の速さであったとする。
【0046】
次いで、制御部20は、検出部26で検出された瞳孔40の動いた方向を判定する(ステップS32)。瞳孔40の動いた方向が第1の方向であった場合、制御部20は、ユーザの網膜38に投影されている画像に対して第2の制御を行う(ステップS34)。瞳孔40の動いた方向が第2の方向であった場合、制御部20は、ユーザの網膜38に投影されている画像に対して第4の制御を行う(ステップS36)。瞳孔40の動いた方向が第3の方向であった場合、制御部20は、ユーザの網膜38に投影されている画像に対して第5の制御を行う(ステップS38)。
【0047】
このように、制御部20は、瞳孔40が異なる方向に動いたときには異なる画像の制御を行ってもよい。
図7で説明した瞳孔40が同じ方向に異なる速さで動いたときに異なる画像の制御を行うことに、
図8で説明した瞳孔40が異なる方向に動いたときに異なる制御を行うことを加えることで、より多くの異なる画像の制御が可能となる。例えば、瞳孔40が同じ方向に3通りの速さで動いたときにそれぞれ異なる画像の制御をし、且つ瞳孔40が同じ速さで3つの異なる方向に動いたときにそれぞれ異なる画像の制御をすることで、9つの異なる画像の制御が可能となる。
【0048】
なお、実施例1において、画像の第1の制御から第5の制御は、画像の投影位置に関する制御及び画像の内容に関する制御の少なくとも一方を含むことができる。画像の投影位置に関する制御には、例えば画像用光線34aの投射位置を移動させる制御が含まれる。この点の詳細については後述する。画像の内容に関する制御には、例えば静止画を別の静止画に切り替える場合や、動画を停止や早送り等する場合や、カメラからの画像を別のカメラからの画像に切り替える場合や、画像を拡大・縮小する場合や、シースルーで見えている外界の画像にアイコンなどを重畳させる場合や、画像の色や明るさ等を変更する場合など、投影されている画像を現在の状態から意図的に変える制御が含まれる。
【0049】
例えば、動画の画像が投影されている場合、瞳孔40の動きの速さに応じて(画像の第1の制御から第3の制御で)、動画の再生速度や早送り・巻き戻し速度を変えてもよい。例えば瞳孔40の動きの速さに応じて、画像の縮小率や拡大率を変えてもよい。例えば瞳孔40の動きの速さに応じて、画像の色や明るさを変えてもよい。
【0050】
なお、実施例1では、瞳孔40の動きの速さを3段階に分けた場合を例に示したが、2段階や4段階以上に分けてもよい。同様に、瞳孔40の動いた方向を3段階に分けた場合を例に示したが、2段階や4段階以上に分けてもよい。
【0051】
なお、実施例1では、瞳孔40の動いた方向及び動きの速さを、画像用光線34aと同じ光源12から出射された複数の検出用光線34bの反射光46に基づき検出している。しかしながら、瞳孔40の動いた方向及び動きの速さはその他の方法で検出してもよい。例えば、複数の検出用光線34bは赤外線などの画像用光線34aと別の光源から出射された光でもよい。
【実施例2】
【0052】
実施例2に係る画像投影装置は、実施例1の
図1と同じであるため説明を省略する。
図9は、実施例2における制御部及び検出部の動作を示すフローチャートである。
図10(a)から
図10(c)は、実施例2における瞳孔の動きと画像用光線の制御とを示す眼球の上視図である。
図11は、実施例2における瞳孔の動きと画像の制御とを示す図である。
【0053】
図10(a)のように、瞳孔40が動く前において、制御部20は、瞳孔40内で画像用光線34aが集束し、網膜38に画像用光線34aが投射されるように、投影部24を制御している。画像用光線34aは、瞳孔40のほぼ正面から入射し且つ瞳孔40のほぼ中心を通過する。
【0054】
図9のように、光検出器18による検出用光線34bの検出に基づいて、検出部26は、瞳孔40が動いた方向及び瞳孔40の動きの速さを検出する(ステップS50)。次いで、制御部20は、瞳孔40の動きの速さが所定の速さ以上であったか否かを判定する(ステップS52)。瞳孔40の動きの速さが所定の速さ以上であった場合(ステップS52:Yes)、制御部20は、投影部24を制御して、網膜38に投影されている画像の内容に関する制御を行う(ステップS54)。例えば、
図11のように、瞳孔40が動く前においては、ユーザの網膜38に静止画Aの画像80が投影されていたとする。瞳孔40が上方向に所定の速さ以上で動いたときは、制御部20はユーザの網膜38に静止画Bの画像80が投影されるようにする。瞳孔40が左方向に所定の速さ以上で動いたときは、制御部20はユーザの網膜38に静止画Cの画像80が投影されるようにする。瞳孔40が下方向に所定の速さ以上で動いたときは、制御部20はユーザの網膜38に静止画Dの画像80が投影されるようにする。瞳孔40が右方向に所定の速さ以上で動いたときは、制御部20はユーザの網膜38に静止画Eの画像80が投影されるようにする。
【0055】
瞳孔40の動きの速さが所定の速さ未満であった場合、ユーザは、画像の内容の制御を意図せず、別の理由によって瞳を動かしたことが想定される。画像投影装置100はユーザの頭及び/又は顔に固定されていることから、瞳孔40が動いたことが検出された場合は、瞳孔40はユーザの頭及び/又は顔に対して動いていることになる。このため、
図10(b)のように、瞳孔40が左方向52に動いた場合には、画像用光線34aの少なくとも一部が虹彩42に投射されてしまい、画像用光線34aの少なくとも一部が網膜38に投射されないことが生じる。
【0056】
図9のように、瞳孔40の動きの速さが所定の速さ未満であった場合(ステップS52:No)、制御部20は、画像が網膜38に投影されるように、画像の投影位置に関する制御を行う(ステップS56)。例えば、制御部20は、画像用光線34aが瞳孔40に投射されるように、投影部24を制御する。
図10(c)のように、制御部20は、矢印56のように、画像用光線34aの投射位置を瞳孔40の動いた左方向52に移動させる。これにより、画像用光線34aは瞳孔40のほぼ中心を通過するようになる。さらに、制御部20は、矢印58のように、画像用光線34aの照射方向を瞳孔40が動いた左方向に傾斜させる。これにより、画像用光線34aは瞳孔40のほぼ正面から入射する。よって、ユーザは、瞳孔40が動く前と同じ画像を視認できる。すなわち、
図11の場合では、ユーザは静止画Aの画像80を見続けることができる。
【0057】
ここで、
図9のステップS56の具体的な例を説明する。上述したように、制御部20は、検出部26での検出結果に基づいて、位置調整部22を駆動させて第1ミラー14の位置を移動させると共に、第1ミラー14の移動に合わせて第3ミラー17と第4ミラー44の位置を移動させる。これにより、画像用光線34aの走査の原点を移動させることができる。画像用光線34aの走査の原点が移動することで、画像用光線34a及び複数の検出用光線34bの眼球36への投射位置を移動させることができる。このことについて、
図12(a)から
図13を用いて説明する。
【0058】
図12(a)から
図13は、画像用光線と複数の検出用光線の眼球への投射位置の変化を説明する図である。なお、
図13は、
図12(a)と
図12(b)を合わせた状態を図示していて、
図12(a)の状態を点線で、
図12(b)の状態を実線で示している。
【0059】
図12(a)及び
図13の点線は、画像用光線34aが瞳孔40の中心近傍を通過する場合を示している。
図12(a)及び
図13の点線の状態から、
図12(b)及び
図13の実線のように、位置調整部22を駆動させて第1ミラー14の位置を移動させると共に、第1ミラー14の移動に合わせて第3ミラー17及び第4ミラー44の位置を移動させることで、画像用光線34aの走査の原点がOからO´に移動する。なお、走査の原点が移動しても、網膜38に投影される画像の中央部に対応する画像用光線34aの投射部16への入射位置はほとんど変化しないようにする。これは、網膜38に投影される画像の品質の劣化や、検出用光線34bの投射部16への入射位置の変化などを抑制するためである。
【0060】
このような画像用光線34aの走査の原点の移動によって、画像用光線34a及び検出用光線34bの投射部16への入射角度が変化し、その結果、画像用光線34a及び検出用光線34bの眼球36への投射位置が移動する。画像用光線34aと検出用光線34bは、互いの眼球36への投射位置の相対的な位置関係は固定されたまま連動して移動する。例えば、
図12(a)及び
図13の点線のように、画像用光線34aが瞳孔40の中心近傍を通過していた状態から、
図12(b)及び
図13の実線のように、画像用光線34aが瞳孔40の中心よりも端側を通過する状態に変化する。このように、位置調整部22によって第1ミラー14の位置を移動させると共に、第1ミラー14の移動に合わせて第3ミラー17及び第4ミラー44の位置を移動させて、画像用光線34aの走査の原点を移動させることで、画像用光線34aと検出用光線34bの眼球36への投射位置を連動して移動させることができる。なお、第1ミラー14などは円弧状に移動する場合が好ましいが、
図13の矢印方向及び
図13の紙面に垂直方向(前記矢印に垂直方向)に直線状に移動する場合でもよい。この場合、位置調整部22として、2軸方向への移動を可能とする2軸アクチュエータ(例えば超音波アクチュエータ)を用いることができる。
【0061】
以上のように、実施例2によれば、制御部20は、瞳孔40の動きの速さが所定の速さ未満であったときには、網膜38に投影されている画像の投影位置に関する制御を行う。例えば、制御部20は、網膜38に投影されている静止画Aの画像80が投影され続けるように画像用光線34aの投射位置を移動させる。また、制御部20は、瞳孔40の動きの速さが所定の速さ以上であったときには、網膜38に投影されている画像の内容に関する制御を行う。例えば、制御部20は、網膜38に投影されている静止画Aの画像80を静止画B〜Eの画像80に切り替える。これにより、ユーザは瞳を速く動かすことで画像の内容に関する制御(例えば画像の切り替え)を行うことができると共に、ユーザが画像の内容の制御を意図せずに瞳を動かした場合に、瞳が動く前と同じ画像をユーザに視認させることができる。
【0062】
なお、実施例2では、ユーザの網膜38に静止画の画像80が投影されている場合を例に示したが、この場合に限られない。例えば動画の画像が投影されている場合でもよい。この場合、例えば瞳孔40が右方向に所定の速さ以上で動いたときは動画の早送りを行い、左方向に所定の速さ以上で動いたときは動画の巻き戻しを行うようにしてもよい。瞳孔40が上方向に所定の速さ以上で動いたときは動画を一時停止し、下方向に所定の速さ以上で動いたときは動画を停止させるようにしてもよい。例えばカメラからの画像が投影されている場合でもよい。この場合、例えばユーザの前方を撮影するカメラからの画像が投影されているときに、瞳孔40が右方向に所定の速さ以上で動いたときはユーザの後方を撮影するカメラからの画像に切り替えてもよい。
【0063】
なお、実施例2では、瞳孔40が上下左右の方向に動いた場合に画像の内容について異なる制御を行う場合を例に示したが、上下左右の4方向の他にも複数の方向に動いた場合に画像の内容について異なる制御を行ってもよい。
【0064】
なお、実施例2では、
図9のステップS56での画像の投影位置に関する制御において、瞳孔40の移動距離に対して画像用光線34aの投射位置の移動距離を少なくさせてもよい。このような制御は、例えば複数の検出用光線34bそれぞれに対して画像用光線34aの移動方向及び移動距離を定めたテーブル(
図14参照)を制御部20などに予め記憶させておき、光検出器18で検出されない検出用光線34bと上記テーブルとから求めた移動方向及び移動距離に従って画像用光線34aの投射位置を移動させることで行うことができる。これにより、例えば静止画の端に書かれた文字などをユーザに見やすくさせることができる。なお、画像用光線34aの投射位置の移動距離を少なくさせない場合でも、
図14に示すようなテーブルを予め準備しておいて、当該テーブルを用いて画像用光線34aの投射位置を移動させてもよい。
【実施例4】
【0068】
実施例4に係る画像投影装置は、実施例1の
図1と同じであるため説明を省略する。
図16は、実施例4における制御部及び検出部の動作を示すフローチャートである。
図17は、実施例4においてユーザの網膜に投影される画像を示す図である。
図16のように、制御部20は、例えば画像投影装置の起動時やユーザからの指示に応じて、複数のアイコンを含む画像をユーザの網膜38に投影する(ステップS70)。例えば、
図17のように、制御部20は、1番〜9番のアイコン82が3行3列で縦横に並んだ画像80をユーザの網膜38に投影する。
【0069】
次いで、制御部20は、検出部26が瞳孔40の動いた方向及び動きの速さを検出したか否かを判定する(ステップS72)。検出部26は、光検出器18による検出用光線34bの検出に基づいて、瞳孔40が動いた方向及び瞳孔40の動きの速さを検出する。瞳孔40の動きが検出されない場合(ステップS72:No)、制御部20は、複数のアイコンのうちの初期設定のアイコンを選択する(ステップS74)。例えば、
図17において、初期設定のアイコンが1番のアイコン82である場合、制御部20は1番のアイコン82を選択する。なお、制御部20は選択しているアイコンがユーザに分かるように、アイコンの色を変えたり、アイコンを点滅させたり、アイコンを丸印で囲んだりしてもよい。
【0070】
瞳孔40の動きが検出された場合(ステップS72:Yes)、制御部20は、画像用光線34aが瞳孔40に投射されるように、投影部24を制御する(ステップS76)。ステップS76は、実施例3の
図9のステップS56と同じ方法によって行う。これにより、ユーザは、瞳孔40が動く前と同じ画像を視認できる。
【0071】
次いで、制御部20は、瞳孔40の動いた方向及び動きの速さに応じたアイコンを選択する(ステップS78)。例えば、
図17において、制御部20は、瞳孔40が左方向に動いた場合には2番のアイコンを選択し、瞳孔40が所定の速さ以上で左方向に動いた場合には3番のアイコンを選択する。制御部20は、瞳孔40が上方向に動いた場合には4番のアイコンを選択し、瞳孔40が所定の速さ以上で上方向に動いた場合には7番のアイコンを選択する。制御部20は、瞳孔40が左上方向に動いた場合には5番のアイコンを選択し、瞳孔40が所定の速さ以上で左上方向に動いた場合には9番のアイコンを選択する。制御部20は、瞳孔40が所定の速さ以上で左方向に動いた後に上方向に動いた場合には6番のアイコンを選択し、瞳孔40が所定の速さ以上で上方向に動いた後に左方向に動いた場合には8番のアイコンを選択する。
【0072】
次いで、制御部20は、ユーザからの指示に基づき、選択したアイコンを起動する(ステップS80)。例えば、制御部20は、検出部26によってユーザの瞼37が所定時間以上閉じたことが検出された場合に、選択したアイコンを起動する。
【0073】
以上のように、実施例4によれば、
図17のように、ユーザの網膜38に投影される画像は、複数のアイコン82を含んだ画像80である。制御部20は、
図16のステップS78のように、瞳孔40の動いた方向及び動きの速さに応じて、複数のアイコン82の中から1つのアイコンを選択する。これにより、ユーザは瞳の動かす方向及び速さを変えることだけで、複数のアイコンの中から1つのアイコンを選択することが可能となる。
【0074】
なお、実施例4では、
図16のステップS78において、瞳孔40が動いた方向と反対方向のアイコンが選択される場合を例に示したが、瞳孔40が動いた方向と同じ方向のアイコンが選択される場合でもよい。
【0075】
なお、実施例3及び実施例4において、光検出器18が複数の検出用光線34bのうちの2つ又は2つ以上の検出用光線34を検出しない場合、検出されない検出用光線34bの間の中間の位置を求め、当該中間の位置の方向に、画像用光線34aの投射位置を移動させてもよい。
【0076】
なお、実施例1から実施例4では、画像投影装置としてメガネ型のHMDを例に説明したが、HMD以外の画像投影装置でもよい。片方の眼球36の網膜38に画像を投影させる例を示したが、両方の眼球36の網膜38に画像を投影させてもよい。走査部として走査ミラーを例に説明したが、走査部は光線を走査可能であればよい。例えば、走査部として、電気光学材料であるタンタル酸ニオブ酸カリウム(KTN)結晶など、その他の部品を用いてもよい。光線としてレーザ光を例に説明したが、レーザ光以外の光でもよい。
【0077】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。