特許第6231593号(P6231593)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231593
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 24/60 20110101AFI20171106BHJP
   H01R 13/6594 20110101ALI20171106BHJP
【FI】
   H01R24/60
   H01R13/6594
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-26765(P2016-26765)
(22)【出願日】2016年2月16日
(65)【公開番号】特開2017-147070(P2017-147070A)
(43)【公開日】2017年8月24日
【審査請求日】2016年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】390012977
【氏名又は名称】イリソ電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】小黒 純
【審査官】 竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0270661(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3200315(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0194005(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0244110(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0316581(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0187086(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0220827(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 24/60 − 24/64
H01R 13/6594
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングの一方面に配列する複数の第1の端子と、
前記ハウジングの他方面に配列する複数の第2の端子とを備えるコネクタにおいて、
前記ハウジングが、
前記第1の端子を含む成形体でなる第1のハウジングと、
前記第2の端子を含む成形体でなる第2のハウジングと、
前記ハウジングに取付けるEMIプレートと、
前記第1のハウジングと前記第2のハウジングの外周に装着されてそれらの嵌合状態を維持するとともに、前記EMIプレートの外面と接触して前記ハウジングとの間で前記EMIプレートを保持する筒状のシールド部材と、
前記シールド部材の外周に装着されるとともに基板に固定する脚部を有するキャップ部とを備えており、
前記第1のハウジングと前記第2のハウジングは、前記第1のハウジングの他方面と前記第2のハウジングの一方面とが嵌合する嵌合部を有しており、
前記EMIプレートは固定片を有し、
前記ハウジングは前記固定片を圧入して前記EMIプレートを固定する穴部を有することを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記シールド部材は前記EMIプレートに対して接触する突起を有する請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第1の端子と前記第2の端子とが配列方向で同じ位置に配置される請求項1又は請求項2記載のコネクタ。
【請求項4】
前記第2の端子が、先端側に前記第2のハウジングから突出する接触片を有しており、前記接触片が、前記第1のハウジングの前記他方面側に前記接触片の先端側が当接するように付勢する付勢部を有する請求項1〜請求項3何れか1項記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続対象物と導通接触する複数の端子を備える小型のコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
接続対象物と導通接続するコネクタとしては、板状のハウジングの表裏両面側にそれぞれ端子列が配置されるものが知られている。こうしたコネクタに対しては、接続対象物がハウジングの表裏両面側から各端子に対して導通接触することで、高速なデータ転送が可能となっている(例として特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−338990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうしたハウジングに端子を固定する方法としては、一般的にハウジングに端子を固定するための固定孔を設け、この固定孔に端子を圧入する方法が採用されている。しかしこの場合には、端子を圧入する際に掛かる圧力によって端子が変形したり、損傷を生じたりする場合がある。特にコネクタが小型である場合には端子も小型化して外圧に弱くなるため、なおさら変形等を生じやすい。
【0005】
そこで、ハウジングと端子とを一体成形する方法が考えられる。この方法によれば、大きな圧力を加えることなくハウジングに対して容易に端子を固定することができる。しかし、端子とハウジングとを一体成形する場合には樹脂を型に流し込む際に端子が樹脂に押されて移動しないように、端子を固定しておく必要がある。そのため、端子が二段に重なるように配置される場合には、一方の段の端子を固定しようとしても他方の段の端子が邪魔になり、端子の固定が困難になる。よって、上記コネクタのようにハウジングの表裏両面に端子が配列される場合には、ハウジングと端子とを一体成形することが困難になる場合がある、という課題がある。
【0006】
以上を背景になされたのが本発明であり、ハウジングの表裏両面に端子を備えており、端子をハウジングに固定する際に変形や損傷を生じないコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明は以下のように構成される。
すなわち、本発明はハウジングと、ハウジングの一方面に配列する複数の第1の端子と、ハウジングの他方面に配列する複数の第2の端子とを備えるコネクタについて、ハウジングが、第1の端子を含む成形体でなる第1のハウジングと、第2の端子を含む成形体でなる第2のハウジングとを備えており、第1のハウジングと第2のハウジングは、第1のハウジングの他方面と第2のハウジングの一方面とが嵌合する嵌合部を有することを特徴とするコネクタを提供する。
【0008】
ハウジングが第1のハウジングと第2のハウジングとを備えており、各ハウジングを、端子を含む成形体として設けることで端子が変形したり損傷を受けたりしていない状態でハウジングに対して固定することができる。また、端子を固定した状態の第1のハウジングと第2のハウジングとを、それぞれのハウジングが有する端子が設けられていない側の面同士で嵌合させることで、ハウジングの一方面と他方面の両面に端子を備えるコネクタとすることができる。
【0009】
前記本発明の第1の端子と前記第2の端子とが配列方向で同じ位置に配置されるとすることができる。
【0010】
これにより、接続対象物に対して表裏いずれの向きで嵌合させた場合であっても、第1の端子と第2の端子の双方を同様に接続対象物と導通接触させることができる。
【0011】
前記本発明の第2の端子が、先端側に前記第2のハウジングから突出する接触片を有しており、該接触片が、前記第1のハウジングの他方面上に配置されているものとすることができる。
【0012】
接触片が第1のハウジングの他方面上に配置されることで、接触片と第1の端子との間に第1のハウジングと第2のハウジングの双方が配置される場合と比較して、当該位置におけるハウジングを薄くすることができる。また、こうすることで仮に第1のハウジングと第2のハウジングの間に間隙が生じても、第1の端子と接触片の間隔が大きくなるなどの影響を与え難くすることができる。よって、接続対象物が各端子と導通接触し難くなるといった事態の発生を抑えることができる。
【0013】
前記本発明の第1のハウジングの他方面が、前記接触片の先端側を収容する端子溝を有するものとすることができる。
【0014】
これにより、第1のハウジングの他方面からの接触片の突出量を少なくし、コネクタを薄型化することができる。また接触片の先端側を端子溝に収容することで、接続対象物が接触片の先端に接触して座屈させるといった事態をより生じ難くすることができる。
【0015】
前記本発明の接触片が、前記第1のハウジングの他方面側に接触片の先端側が当接するように付勢する付勢部を有するものとすることができる。
【0016】
これにより、接触片の先端側を第1のハウジングの他方面側に当接させて、離間し難くすることができるため、接続対象物が接触片の先端側に接触して座屈させるといった事態をより生じ難くすることができる。
【0017】
前記本発明の第2のハウジングと前記第1のハウジングの嵌合状態を維持する保持部材をさらに備えるものとすることができる。
【0018】
これにより、第1のハウジングと第2のハウジングを離間し難くすることができる。
【0019】
前記本発明の保持部材がシールド部材であるものとすることができる。
【0020】
これにより、保持部材に、第1のハウジングと第2のハウジングの嵌合状態を維持する機能と、電磁的なシールド機能とを両立させることができる。よって、それらを別部材で設ける場合と比較して部品点数を減らすことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ハウジングの表裏両面に端子を備えていると共に、端子をハウジングに固定する際に変形や損傷等を生じないコネクタを実現することができる。よって、高速伝送が可能でありながらも小型のコネクタを精度よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】一実施形態のコネクタの正面、右側面、平面を示す斜視図。
図2図1のコネクタの分解説明図。
図3図2のコネクタ本体の正面、右側面、平面を示す斜視図。
図4図3のコネクタ本体の背面、右側面、底面を示す斜視図。
図5図3のコネクタ本体の分解説明図。
図6図5の第1の分割体の正面、右側面、平面を示す斜視図。
図7図5の第1の分割体の正面、右側面、底面を示す斜視図。
図8図5の第1の分割体の分解説明図。
図9図5の第2の分割体の正面、右側面、平面を示す斜視図。
図10図5の第2の分割体の正面、右側面、底面を示す斜視図。
図11図5の第2の分割体の分解説明図。
図12図5の第1の分割体と第2の分割体の嵌合方法を示す断面図。
図13図1のコネクタを示す断面図。
図14】変形例のコネクタを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明のコネクタの一実施形態を図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態では基板Pに実装されて、接続対象物(図示略)と導通接触するUSBコネクタ(ユニバーサルシリアルバス)であるコネクタ1を例として説明する。
【0024】
本明細書、特許請求の範囲、図面では、図1で示すコネクタ1が備える第1の端子7及び第2の端子11の配列方向に沿う幅方向をX方向、接続対象物のコネクタ1への挿入方向をY方向、コネクタ1の高さ方向をZ方向とする。また、高さ方向Zにおけるコネクタ1の平面側を「上側」、コネクタ1の底面側を「下側」として説明する。さらに、前後方向Yにおける接続対象物の挿入方向手前側を「前側」、挿入方向奥側を「後側」として説明する。しかし、これらの上下方向、前後方向の説明は本発明のコネクタの使用方向や実装方法を限定するものではない。
【0025】
実施形態〔図1図13〕:
コネクタ1は、図1図2で示すようにコネクタ本体2と、カバー部3とを有する。
【0026】
〔コネクタ本体〕
コネクタ本体2は、図3図5で示すように第1の分割体4と、第2の分割体5とを備える。また後述するように、第1の分割体4が備える第1のハウジング6と、第2の分割体5が備える第2のハウジング10とが互いに固定されることで、ハウジング2Aが形成されている。
【0027】
〔第1の分割体〕
第1の分割体4は、図6図8で示すように第1のハウジング6と、第1の端子7の成形体でなる。また、本実施形態の第1の分割体4はさらに第1のEMIプレート8と、中間プレート9とを備える。
【0028】
第1のハウジング6は、ベース部6aと、接点保持部6bとを有する。ベース部6aには、第1の端子7がインサート成形されて保持されている。また接点保持部6bは、第1のハウジング6においてベース部6aよりも前側に配置されており、平板状でなる。「第1のハウジングの一方面」としての接点保持部6bの天面部6cには、第1の端子7が配置されている。第1のハウジング6の「他方面」としての底面部6dには、後述する第2のハウジング10を収容する装着凹部6d3が形成されている。また装着凹部6d3の幅方向Xにおける両側には、固定穴6d1が1つずつ設けられている。さらに第1のハウジング6の底面部6dには、端子溝6d2が形成されている。端子溝6d2は後述する第2の端子11を1つずつ収容する。
【0029】
第1の端子7は、SMT(Surface Mount Technology)タイプのピン状端子である。この第1の端子7は導電性の金属片を折り曲げた略L字状でなり、一端側から順に基板接続部7aと、ハウジング保持部7bと、接触部7cとを有する。基板接続部7aは基板Pに半田付けされる。ハウジング保持部7bは、第1のハウジング6のベース部6aの内部で保持される。
【0030】
第1のEMIプレート8は、導電性金属板を折り曲げて形成されており、ベース部6aと、接点保持部6bとにまたがって取り付けられている。第1のEMIプレート8の幅方向Xにおける両端には固定片8aが設けられており、第1のハウジング6の上部に設けられる穴部(図示略)に圧入することで、第1のEMIプレート8を第1のハウジング6に対して固定することができる。
【0031】
中間プレート9は平板状でなり、第1のハウジング6とインサート成形による成形体として設けられている。また、中間プレート9は第1のハウジング6において高さ方向Zにおける略中央に配置されている。しかし、第1のハウジング6の下側には装着凹部6d3が設けられることで、中間プレート9は装着凹部6d3からは露出している。
【0032】
中間プレート9は、先端側かつ幅方向Xにおける両端側に、幅方向Xに沿って外側に突出する突出部9aを有しており、接続対象物とコネクタ1との嵌合時には、突出部9aが接続対象物に設けられる被係止部(図示略)に係止する。こうしてコネクタ1が接続対象物に対して抜け止めされる。また、中間プレート9は、後端に脚部9bを有する。この脚部9bが基板Pに半田付けされることで、中間プレート9がグランド接地される。
【0033】
〔第2の分割体〕
第2の分割体5は、図9図11で示すように第2のハウジング10と、第2の端子11の成形体でなる。また、本実施形態の第2の分割体5はさらに第2のEMIプレート12を備える。
【0034】
第2のハウジング10は、ベース部10aを有する。ベース部10aには、第2の端子11がインサート成形されて保持されている。第2のハウジング10の「一方面」としての天面部10cにおいて、幅方向Xにおける両端側には、第1のハウジング6の固定穴6d1に挿入される凸部10c1が1つずつ形成される。この凸部10c1が固定穴6d1に圧入されることで第2のハウジング10が第1のハウジング6に対して固定される。こうして凸部10c1と固定穴6d1とが「嵌合部」として第1のハウジング6と第2のハウジング10とを互いに保持し、コネクタ本体2が形成される。なお、本実施形態のコネクタ1とは反対に第2のハウジング10が固定穴を有し、第1のハウジング6が凸部を有するものとしても良い。
【0035】
第2の端子11は、DIP(Dual Inline Package)タイプのピン状端子である。第2の端子11は導電性の金属片を折り曲げた略L字状でなり、一端側から順に基板接続部11aと、ハウジング保持部11bと、接触片11cとを有する。基板接続部11aは基板Pに半田付けされる。ハウジング保持部11bは、第2のハウジング10のベース部10aの内部で保持される。
【0036】
接触片11cは、ベース部10aの前端から、前方に向けて突き出すように形成されている。接触片11cは、第1のハウジング6と第2のハウジング10とが嵌合している状態で、第1のハウジング6の底面部6dに形成される端子溝6d2に収容される。接触片11cの下面には接点部11c2が形成されており、接点部11c2は底面部6dから下側に突出して接続対象物と導通接触する。
【0037】
接触片11cは、第1のハウジング6の底面部6dの側に向けて付勢する付勢部11c1を有する。付勢部11c1は、第1のハウジング6と第2のハウジング10の嵌合状態における第1のハウジング6の底面部6d側に向けて屈曲する屈曲部として形成される。また付勢部11c1は、接触片11cの基端部11c4または、基端部11c4と先端部11c3の間に設けられている。こうした付勢部11c1を有することで、第1のハウジング6と第2のハウジング10とが嵌合している状態で、接触片11cの先端部11c3を第1のハウジング6の底面部6dと当接させて、離間し難くすることができる。よって、接続対象物の嵌合時に、接続対象物が接触片11cの先端側に接触して座屈させるといった事態を生じ難くすることができる。
【0038】
第2のEMIプレート12は、導電性金属板を折り曲げて設けられており、第2のハウジング10の「他方面」としての底面部10dに固定されている。第2のEMIプレート12の幅方向Xにおける両端には固定片12aが設けられており、第2のハウジング10の下部に設けられる穴部(図示略)に圧入することで、第2のEMIプレート12を第2のハウジング10に対して固定することができる。
【0039】
〔カバー部〕
カバー部3は、シールド部材13と、キャップ部14とを備える。
【0040】
シールド部材13は、導電性金属板を折り曲げて形成される略楕円筒状でなり、コネクタ本体2の外形に沿う形状でなる。このコネクタ本体2がシールド部材13の内側に挿入されることでコネクタ本体2が外側から固定され、第1のハウジング6と第2のハウジング10同士が互いに嵌合している状態を維持することができる。またシールド部材13は基板Pに半田付けされる脚部13aを有している。シールド部材13の前端には開口部13bが形成されており、接続対象物と導通接触する際には開口部13bから接続対象物を挿入する。
【0041】
また、本実施形態のシールド部材13は、コネクタ本体2の外周を覆うことで、電磁的なシールド機能を発揮する。よって、第1のハウジング6と第2のハウジング10の嵌合状態を維持する機能と、シールド機能とを両立させることができるため、それらの機能を異なる部材に持たせる場合と比較して部品点数を減らすことができる。
【0042】
キャップ部14は導電性金属板を折り曲げて形成され、シールド部材13の外形に沿う略楕円筒状でなる。このキャップ部14は、シールド部材13の先端側に対して外側から取り付けられる。また、キャップ部14は基板Pに実装される脚部14aを有しており、この脚部14aによって、コネクタ1の先端側を基板Pに固定することができる。
【0043】
〔コネクタの組み立て方法の説明〕
まず、第1の分割体4を組み立てる。すなわち、第1のハウジング6と、第1の端子7と、中間プレート9とをインサート成形による成形体として形成する。その後、第1のEMIプレート8が有する固定片8aを、第1のハウジング6が有する穴部(図示略)に圧入して固定する。こうして第1の分割体4が形成される。さらに第2のハウジング10と第2の端子11とをインサート成形による成形体として形成する。そして、第2のハウジング10が有する穴部(図示略)に第2のEMIプレート12の固定片12aを圧入することで、第2のEMIプレート12を第2のハウジング10に対して固定する。こうして第2の分割体5が形成される。その後、第1の分割体4に対して第1のハウジング6の底面部6d側から第2の分割体5を取付ける(図12参照)。こうしてコネクタ本体2が完成する。
【0044】
また、キャップ部14をシールド部材13の先端側に取り付けることで、カバー部3を形成する。このカバー部3にコネクタ本体2を挿入することで、コネクタ1の組み立て作業が完了する(図13参照)。
【0045】
コネクタ本体2は、第1のハウジング6と第2のハウジング10とが嵌合して形成されるハウジング2Aを有する。ハウジング2Aの一面側であって特に、第1のハウジング6の接点保持部6bの天面部6cには第1の端子7が並列に配置され、他面側であって、特に第1のハウジング6の底面部6dには第2の端子11が並列に配置される。それらの第1の端子7と第2の端子11は幅方向Xで同じ位置に配置されるため、接続対象物に対して表裏いずれの向きからでも同様に導通接触することができる。
【0046】
本実施形態の第2のハウジング10は、第1のハウジング6よりも前後方向Yが短く形成されており、第2のハウジング10の前端は第1のハウジング6の前端よりも後側に配置されている。これに対し、仮に第2のハウジング10の前端が第1のハウジング6の前端と面一に設けられるものとする。この場合には、第1のハウジング6と第2のハウジング10の厚みが合わさることで、ハウジング2Aの前端側が高さ方向Zで大型化してしまう。また、例えば固定力が弱まって第1のハウジング6の前端部分と第2のハウジング10の前端部分とが離間すると、接続対象物が引っかかるなどして、嵌合が不完全になる場合も考えられる。これに対して本実施形態では、第1のハウジング6の前端と第2のハウジング10の前端とが前後方向Yで異なる位置に配置されることで、そうした事態の発生を抑えることができる。
【0047】
このように、第1のハウジング6が第2のハウジング10よりも大きく形成されていることで、本実施形態の第2のハウジング10は特に、第2の端子11を第1の分割体4に対して組み付けて保持する、端子保持用ハウジングとしての役割を担っている。これに対して本実施形態とは反対に、第1のハウジング6が第2のハウジング10よりも前後方向Yで小さく、第1のハウジング6の前端が第2のハウジング10の前端よりも後側に配置されるものとしても良い。この場合には、第1のハウジング6が第1の端子7を第2の分割体5に対して組み付けて保持する端子保持用ハウジングとしての役割を担う構成とすることもできる。
【0048】
また、第2の端子11の本数や形状が異なる第2の分割体5を用意することで、第1の分割体4を共通としつつも第2の分割体5が異なる、バリエーションのコネクタ1を容易に形成することができる。よって、そうした端子の形状等が異なるコネクタを別個形成する場合と比較して、低コストでバリエーションを増やすことができる。
【0049】
上述のように、本実施形態によれば、ハウジング2Aの表裏両面側に第1の端子7と第2の端子11とを配置しつつ、各端子7,11が座屈等による変形や損傷を受け難い小型のコネクタ1とすることができる。またコネクタ1は、第1の端子7と第1のハウジング6、第2の端子11と第2のハウジング10とをそれぞれ一体成形することで高い精度で製造が可能であり、規格外品を発生し難くすることができるため、効率よく製造することができる。
【0050】
変形例〔図14〕:
前記本実施形態では、第2の分割体5が、第2の端子11として、DIPタイプの端子を備えるコネクタ1を示した。しかし、図14で示すように第2の分割体5がSMTタイプの第2の端子15を備えるコネクタ17とすることもできる。これにより、第2の分割体5を交換することで、様々な実装方法に対応できるようにすることができる。
【0051】
前記本実施形態では、コネクタ本体2が「嵌合部」として第1のハウジング6の固定穴6d1と、第2のハウジング10の凸部10c1を有する例を示した。これに対し、第1のハウジング6と第2のハウジング10とが互いに固定される方法であれば他の構造でも良い。例えば装着凹部6d3の形状を第2のハウジング10の天面部10cの形状と同じがやや小さくし、第2のハウジング10を装着凹部6d3に圧入することで固定する構造を「嵌合部」として形成してもいい。
【0052】
前記本実施形態では、第2の端子11の接触片11cが屈曲部でなる付勢部11c1を有する例を示した。これに対して、付勢部11c1が湾曲部として形成されるものとしても良い。また別の例として、付勢部11c1が接触片11cの基端部11c4側から先端部11c3側にかけて弓なりに撓みつつ、第2のハウジング10との嵌合状態における第1のハウジング6の底面部6d側に向けて伸長して形成されるものとしても良い。付勢部11c1が上記いずれの形状でなる場合でも、前記嵌合状態で、接触片11cの先端部11c3を第1のハウジング6の底面部6dに確実に当接させることができる。
【符号の説明】
【0053】
1 コネクタ
2 コネクタ本体
2A ハウジング
3 カバー部
4 第1の分割体
5 第2の分割体
6 第1のハウジング
6a ベース部
6b 接点保持部
6c 天面部
6d 底面部
6d1 固定穴
6d2 端子溝
6d3 装着凹部
7 第1の端子
7a 基板接続部
7b ハウジング保持部
7c 接触部
8 第1のEMIプレート
8a 固定片
9 中間プレート
9a 突出部
9b 脚部
10 第2のハウジング
10a ベース部
10c 天面部
10c1 凸部
10d 底面部
11 第2の端子
11a 基板接続部
11b ハウジング保持部
11c 接触片
11c1 付勢部
11c2 接点部
11c3 先端部
11c4 基端部
12 第2のEMIプレート
12a 固定片
13 シールド部材
13a 脚部
13b 開口部
14 キャップ部
14a 脚部
15 第2の端子(変形例)
16 第2の分割体(変形例)
17 コネクタ(変形例)
P 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14