【文献】
ティックコーポレーション株式会社|製品情報|超音波アトマイザー,URL,http://www.ticjapan.com:80/japanese/products/atmizer.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記塗布装置(8、9)が、前記コーティング剤ノズルと前記構成部品との間で細かく砕けて滴(70)になる少なくとも1つの連続的なコーティング剤ジェット(70’)を排出するように設けられた、
ことを特徴とする請求項1に記載のコーティング機器。
前記塗布装置(8、9)が、前記コーティング剤および/または前記コーティング剤ジェット(70’)に前記振動を印加するように設けられた振動発生器(SE、SE’)を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコーティング機器。
お互いに独立して作動し得る少なくとも3つのコーティング剤ノズル配置(BA1、BA2、BA3)が設けられ、外側の前記コーティング剤ノズル配置(BA1、BA3)が、重ね合わせが最適化された層厚さ分布を生み出すように設けられ、かつ、内側の前記コーティング剤ノズル配置が本質的には均質な層厚さ分布を生み出すように設けられ、および/または、
鋭角なコーティングを可能にするために、少なくとも1つの外側のコーティング剤ノズル配置(BA1、BA3)がスイッチオフされ得る、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のコーティング機器。
前記コーティング剤が前記塗布装置(8、9)および/または前記構成部品にフィードされる前記コーティング剤の圧力および/または投入圧力がコントロール可能である、
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のコーティング機器。
前記コーティング剤ノズルおよび/またはコーティング剤ノズル配置(BA1、BA2、BA3)が保持要素の上に配置され、かつ、前記保持要素が、素早く交換できる機器によって、交換可能に前記塗布装置(8、9)に固定された、
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のコーティング機器。
前記塗布装置(8、9)が、その出口側で前記塗布装置(8、9)に接続され、かつ、その入口側で個々のコーティング剤が供給され得る少なくとも1つの塗料変換器(13)に割り当てられ、前記塗料変換器(13)が前記コーティング剤のうち1つを選択し、選択された前記コーティング剤を前記塗布装置(8、9)に供給し得る、および/または、
フラッシング剤/溶媒、および/または、パルス状空気によって前記塗布装置(8、9)を清掃することを可能にするために、前記塗料変換器(13)がフラッシング/溶媒接続部、および/または、パルス状空気接続部を有し、および/または、
前記塗料変換器が、直線運動または回転運動を経て、それぞれのコーティング剤フィードラインにドッキングされ得るドッキング塗料変換器である、
ことを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載のコーティング機器。
コーティング剤、パルス状空気および/またはフラッシング剤/洗浄剤用の脱気開口部および/または前記戻りラインが、前記コーティング剤ノズルおよび/または保持要素用のコーティング剤フィード部に配置された、
ことを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載のコーティング機器。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の説明を考慮すると、上述の課題または短所を解決または克服する必要性があることは、本開示に基づいて当業者にとって明らかである。本発明は、従来技術に関するこの必要性および他の必要性に関連し、それは本開示に基づいて当業者に明らかにされる。
【0014】
上記記載から生じる目的は、原則として、独立項の特徴によって実現され得る。しかしながら、本発明は、先に引用された従来技術の課題または短所の全てを改善する態様に限定されるものではない。本発明はまた、以下に記載する例示的態様に対する包括的な保護をも主張する。
【0015】
本発明によれば、コーティング剤を用いて構成部品をコーティングするための、より具体的には、塗料を用いて、車両部品および/または車両の付属部品(例:バンパー、ミラー筐体、バンパーステッカーなど)を塗装するだけでなく、他の車両または車両部品をも塗装するコーティング機器が提供される。コーティング機器は、少なくとも1つのノズルまたはコーティング剤開口部(例:塗布するため、排出するため、等)からコーティング剤を排出するように構成され、かつ、配置された少なくとも1つの塗布装置を備える。
【0016】
塗布装置は、たとえば、具体的には、コーティング剤の滴を生成するために、または、コーティング剤および/または少なくとも1つのコーティング剤ジェットが細かく砕けて滴になることを可能にするために、振動および/または不安定性(Instability)を、コーティング剤および/または少なくとも1つのコーティング剤ジェットに印加するように構成され、かつ、配置され得る。本発明の一部として、少なくとも1つのコーティング剤ジェットが異なる特徴をもって生成され得る。
【0017】
一つの具体的な好ましい例示的態様に関して、細かく砕けて滴になるように、コーティング剤の滴を生成するために、または、コーティング剤を排出するために(具体的には、コーティング剤ノズルおよび/または塗布装置から)および/または好ましくはコヒーレントまたは連続的なコーティング剤ジェットを排出するために(具体的にはコーティング剤ノズルおよび/または塗布装置から)、振動または不安定性を、コーティング剤および/または少なくとも1つの好ましいコヒーレントまたは連続的なコーティング剤ジェットに印加するために、塗布装置が構成され、配置され得る。このように、コーティング剤ノズルまたは塗布装置から排出中および/または排出前のコーティング剤ジェットは連続的であり、構成部品までの途中で(具体的には、コーティング剤ノズルまたは塗布装置の下流で)細かく砕けて滴になることがあり得る。
【0018】
それゆえに、塗布装置は、好ましくは、細かく砕けて滴になる少なくとも1つのコヒーレントまたは連続的なコーティング剤ジェットを排出するように構成され、配置され得る。ここで、具体的には、コヒーレントなコーティング剤ジェットは、塗布装置、具体的には少なくとも1つのコーティング剤ノズル、と構成部品との間において、細かく砕け得る、または、滴を形成し得る。
【0019】
塗布装置は、好ましくは、振動発生器(Schwingungserzeuger)および/または不安定性発生器および/または振動発生器(Vibrationserzeuger)(以下、振動発生器(Schwingserzeuger))を備える。さらに、塗布装置は、複数のコーティング剤ノズル(好ましくは1つのレベルに)を備えるスリットおよび/または中空状円筒ノズルまたは円錐ノズルまたは保持要素(例:コーティング剤ノズルプレート)を備え得る。少なくとも1つのコーティング剤ノズルの後方または下流側に1つ以上のコーティング剤の列を有するために、塗布装置は構成され、配置されることが好ましい。
【0020】
具体的には、コーティング剤の滴を生成するために、および/または、コーティング剤または好ましくは連続的なコーティング剤ジェットが細かく砕けて滴になることを可能にするために、振動および/または不安定性を生成するように、または、振動および/または不安定性をコーティング剤および/またはコーティング剤ジェットに与えるように振動発生器が設けられる。振動および/または不安定性が、直接的および/または間接的に、コーティング剤またはコーティング剤ジェットに印加され得る。好ましい例示的態様に関して、振動および/または不安定性を少なくとも部分的に塗布装置(たとえば、塗布装置の筐体、少なくとも1つのコーティング剤ノズルを有する保持要素または塗布装置の他の部分)に印加するように、または、その内部でそれらを合わせるように振動発生器が設けられる。具体的には、コーティング剤の排出前および/またはコーティング剤ノズルにおいて、振動および/または不安定性のコーティング剤への印加が起こり得る一方、コーティング剤ノズルからのコーティング剤の排出後に滴への細砕が好ましくは起こり得る。
【0021】
既述のように、具体的には、好ましくは、いわゆる「レイリー不安定性」またはいわゆる「レイリー崩壊」に基づいて、コーティング剤および/または好ましくはコヒーレントなコーティング剤ジェットが細かく砕けて滴になる、または、滴を形成するために、塗布装置が構成され、配置される。そのような滴の生成の構造、原理および/または機能は、具体的には、たとえば、気液混合物を生成するために燃料に振動を印加し、単分散崩壊を実行するように燃料を刺激し得る内燃エンジンの分野によってよく知られている。車両部品の塗装中に、向上した塗布効率がこの方法で実現され得ることもまた驚きであり、予測し得ない発見だった。
【0022】
塗布装置は、略同一サイズの(たとえば、略同じ直径)、および/または、略離散または略均一な滴分布の滴を有利に生成し得る。具体的には所定の方法で、ある(離散した)滴のサイズを有する滴サイズ分布を生成することもまた有利であり得る。ここで、混合物内の個々の滴サイズの割合は、所定の方法で異なり得る(例:30μmが50%、20μmと40μmがそれぞれ25%ずつ)。塗布装置は、所定の滴サイズおよび/または所定の滴分布または滴サイズ分布を有利に生成し得る。
【0023】
従来の回転アトマイザーにおいては、ベルカップの端における剪断力によって塗料が霧化される。空気アトマイザーに関しては、それは空気の運動エネルギーによるものである。エアレス原理は、材料の圧力による塗料の霧化に基づく。ここで、塗料は、ノズルにおいて圧力をかけられ、霧化される。このように、車両部品をコーティングする従来のアトマイザーは、通常、異なる滴サイズの広範囲にわたる分布を生み出す。これらは通常、数μmから150μmの範囲である。平均値(d50)は、通常、10μmから40μmの範囲である。分離システムへのキャビン空気によって、より小さな滴がより容易に実現される。より大きな滴は外観を損ない(たとえば、もちろん、金属効果、故障など)、表面の欠陥(窪み、凹みなど)にさえ至り得る。20〜40μmの直径を有する滴はまた、より小さい滴またはより大きな滴よりも、静電チャージを印加するのに、より容易である。
【0024】
本発明に係るコーティング機器を用いることによって、たとえば、好ましくは自動車および/または車両部品の連続塗装用の塗装装置を作り出すことが可能であり、それは、好ましくは、排出部がなく、より小さなフィード空気プラントを伴って運転される。オーバースプレーが全く生まれないか、または、ほんのわずかなオーバースプレーしか生まれ得ないことを意味する、目標とされるある滴直径の生成を通して塗布効率は向上し得て、目標とされる方法で、塗料のトーン、光沢、効果に影響を与え得る。本発明に係るコーティング機器を用いることによって、フィード空気プラントがより一層小さくなることが有利にあり得る。塗布される塗料の量がより少なくなることによって、塗装キャビンにおいて置換されるのに必要とされる空気量がより少なくなる、または、再循環される空気のより多くの量が用いられ得て(用いられる新しい空気のより低い割合)、そのことによって、吸引された空気の加熱または調節が消費するエネルギーがより少なくなる。さらに、理想的な場合、排出部が完全に取り除かれることが可能であるが、本発明は、排出部を全く有しない装置に限定されるものではなく、むしろ、より小さな寸法の排出システムを伴う装置をも含むものである。
【0025】
単純な、比較的安価なフィルターが、少ないオーバースプレーを分離するために用いられ得る。必要とされるプラントエンジニアリングは非常に単純であり、これによって維持コストが低減される。この方法で大量の塗料を節約することも可能である。
【0026】
用いられる塗料/コーティング剤(水性、溶媒含有など)に係るATEXガイドラインの適用が除かれ得る。これによって、用いられる構成部品の選択の顕著な単純化が可能になり、およびそれゆえに、従来のプロセスと比較して顕著なコスト面の効果が得られる。
【0027】
さらに、本発明に係るコーティング機器によって、塗装キャビン、コンベア、スキッド、ディスクなどの清掃(手動)が少なくなる状況が有利に可能となる。さらに、既述のプロセスにおいて、塗装キャビンのオーバースプレーを実行するために、および/または、噴霧ジェットを形成するために、および、回転アトマイザー(例:回転アトマイザー、空気アトマイザー)の空気タービンを駆動させるために必要とされる空気の量は、少ないか、全くないことさえある。
【0028】
空気モデルにおける回転アトマイザーによる塗料マッチングは、主に、たとえば回転速度を変えることによる滴のスペクトルの目標とされる変更を通して起こる。これらの変化は、たいてい、塗布効率におけるマイナスの効果を有し、それによって、実際に必要とされるよりも多いオーバースプレーが起こる状況に至るが、それもまた、本発明に係るコーティング機器によって防がれ得る。
【0029】
コーティング剤、具体的には、好ましくはコヒーレントなコーティング剤ジェットを排出するために、塗布装置は、構成され、配置される。コーティング剤、好ましくはコーティング剤ジェット、具体的には排出されたコーティング剤ジェットは、たとえば、中実のまたは完全な円筒ジェット、平面ジェット、ファンジェット、層状ジェット、本質的に三角形状のジェット、中空の円錐ジェットまたは中実の円錐ジェット、中空の円筒ジェット、コーティング剤ジェットシートおよび/またはコーティング剤薄膜であり得る。本質的には、部分的に矩形状またはピラミッド形状である噴霧パターンを塗布装置が生成することも可能である。それゆえに、コーティング剤、具体的にはコーティング剤ジェットは、それゆえに、本質的に、一次元として排出され得て、また、本質的に平面ジェットとしても排出され得る。
【0030】
コーティング剤ノズルまたは塗布装置と構成部品との間でまずは細かく砕けて、本質的に一次元、好ましくはコヒーレントなコーティング剤ジェットになる、少なくとも本質的には平坦でコヒーレントなコーティング剤ジェットを排出するように、塗布装置は、構成され、配置され得る。これらの一次元の、好ましくはコヒーレントなコーティング剤ジェットもまた、コーティング剤ノズルまたは塗布装置と構成部品との間で、細かく砕けて滴になり得る。
【0031】
たとえば、塗布装置の筐体を介して、および/または、コーティング剤ノズルを有する保持要素を介して、および/または、コーティング剤ノズルを介して、振動および/または不安定性を、間接的に、コーティング剤および/またはコーティング剤ジェットに印加する、または、与えるように、塗布装置は、好ましくは、構成され、配置され得る。この目的のために、たとえば、塗布装置の筐体、および/または、コーティング剤ノズルを伴う保持要素に、好ましくはその外側に、振動発生器、振動器などが接続され、または、取り付けられ得る。それゆえに、好ましくは、間接的な印加に関して、塗布装置の他の部分を介して、振動発生器から、コーティング剤および/またはコーティング剤ジェットに、振動および/または不安定性が伝播し得る。印加された振動および/または不安定性が、塗布装置に沿って、軸方向および/または放射方向に伝播することもあり得る。
【0032】
しかしながら、たとえば、音、超音波、ピエゾ素子、直接的な機械的または物理的な印加、たとえば、コーティング剤および/またはコーティング剤ジェットへの物理的な接触によって、本質的に直接的な振動および/または不安定性の、コーティング剤および/またはコーティング剤ジェットへの付与のために、塗布装置が構成され、配置されることもあり得る。この目的のために、塗布装置は、たとえば、音/超音波発生器、ピエゾ素子配置、機械的なコーティング剤衝撃機器などを含み得る。
【0033】
コーティング剤および/またはコーティング剤ジェットは、具体的には、好ましくは、コーティング剤ノズルによって本質的には連続的に(たとえば、メインニードルが時折閉まるので、好ましくは「本質的に」)移動し得る、および/または、本質的には連続的にコーティング剤ノズルから排出され得る。コーティング剤および/またはコーティング剤ジェットは、好ましくは、圧力によって、または、投入システム(Dosiersystem)によって移動する。
【0034】
本質的には同一のサイズ、および/または、本質的には同一の直径の滴を形成するために、かつ、本質的には離散または本質的にはコヒーレントな滴分布を形成するために、塗布装置が構成され、配置されることが好ましい。具体的には、約10μm、30μm、50μm、70μm、90μm、110μm、130μmまたは150μmよりも大きい、および/または、約20μm、40μm、60μm、80μm、100μm、120μm、140μmまたは160μmよりも小さい滴直径を有する滴を形成することが可能である。
【0035】
少なくとも1つのコーティング剤ノズルが、本質的には円形(例:円形ノズル)、楕円形、スリット形状である、および/または、本質的には円形スリットの形状であり得る。たとえば、コーティング剤ノズルは、平面ジェット、中空の円錐ジェット、中実の円錐ジェットまたは中実のジェットノズルまたは円錐ノズルを備え得る。
【0036】
塗布装置は、好ましくは、たとえば、ノズルの直径、スリット幅、形状または形成などに関して全て同一または異なり得る複数のコーティング剤ノズルを有する。コーティング剤ノズルは、約5μmと300μmとの間、約10μmと150μmとの間、または、約10μmと80μmとの間の直径および/またはスリット幅を有することが好ましい。
【0037】
異なるサイズのコーティング剤ノズルは、たとえば、ある領域または形状において均一に分配され得る、または、まとめられ得る。
【0038】
塗布装置は、少なくとも、複数のコーティング剤ノズルが配置されるコーティング剤ノズル配置(または、ノズル配列、ノズルの列など)を備え得る。コーティング剤ノズル配置が、同一または異なる形状を伴うコーティング剤ノズルを有することが好ましい。
【0039】
しかしながら、塗布装置は、複数のコーティング剤ノズルをそれぞれ伴う少なくとも2つのコーティング剤ノズル配置を備え得る。お互いに独立に作動し得る、および/または、お互いに独立した異なるコーティング剤または一般的な異なる流体媒体が供給され得る少なくとも2つのコーティング剤ノズル配置が設けられることが好ましい。それゆえ、一つのコーティング剤ノズル配置には、たとえば、好ましくは、特定の塗料(Farbe)、特定の塗料(Lack)または概して特定のコーティング剤が供給され得る一方、もう1つのコーティング剤ノズル配置には、たとえば、好ましくは、異なる塗料(Farbe)、異なる塗料(Lack)または概して異なるコーティング剤が供給され得る。さらに、たとえば、平行に、または、横方向に、少なくとも2つのコーティング剤ノズル配置が、配置され得る異なるレベルに設けられ得る。塗布装置を再配置することなく構成部品をコーティングすることを可能にするために、少なくとも2つのコーティング剤ノズル配置が、本質的には構成部品と相互補完的である形状を有し得る。さらに、少なくとも2つのコーティング剤ノズル配置が、1つ以上の軸においてお互いに対して相対的に回転し得て、それによって、より大きな柔軟性を得ることが有利に可能となる。お互いに独立に作動し得る、および/または、お互いに従属してコーティング剤が供給され得る、少なくとも2つのコーティング剤ノズル配置を塗布装置が備えることも可能であり、お互いに従属して作動し得る、および/または、お互いに独立してコーティング剤が供給され得る、少なくとも2つのコーティング剤ノズル配置が設けられることもあり得る。
【0040】
さらに、塗布装置は、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つのコーティング剤ノズル配置を備え、それはお互いのコーティング剤ノズルとは独立して作動または調節され得て(たとえば、調節可能または可変)、たとえば、外側のコーティング剤ノズルが内側のコーティング剤ノズルよりも少ないコーティング剤を排出し、それによって通路方向に対して横方向の好適な層厚さ分布に至るので、たとえば、重ね合わせが最適化された層厚さ分布を形成するように外側のコーティング剤ノズル配置が構成かつ配置され、本質的には均質な層厚さ分布を形成するように内側のコーティング剤ノズル配置が構成かつ配置される。所望の層厚さ分布が得られるように(たとえば、ガウス曲線の下の表面にわたって形成または分布された基本的なガウス曲線の形状、台形状、矩形状および/または三角形状)、少なくとも1つのコーティング剤ノズル配置のコーティング剤ノズルが配置されることも可能であり、たとえば、重ね合わせが最適化された層厚さ分布(たとえば、三角形)を形成するように外側のコーティング剤ノズル配置が構成かつ配置され、本質的には均質な層厚さ分布を形成するように内側のコーティング剤ノズル(たとえば、矩形状)が構成かつ配置され、単純な方法で、外側のコーティング剤ノズルが内側のコーティング剤ノズルよりも少ないコーティング剤を排出することが有利に可能となり得る。層厚さ分布がガウス正規分布となり得る。あるいは、層厚さ分布が台形状の分布を有するように、個々のコーティング剤ノズルによって排出されるコーティング剤の総量を選択することが可能である。隣接するコーティング剤通路の台形状の層厚さ分布の重ね合わせが一定の層厚さに至るように、隣接するコーティング剤の通路がお互いに重なり合うことが可能なので、そのような台形状の層厚さ分布が有利である。さらに、たとえば、鋭角なコーティングが可能になるように、たとえば、1つ以上のコーティング剤ノズル配置、具体的には外側のコーティング剤ノズル配置、がスイッチオンおよび/またはスイッチオフされ得ることも可能である。好ましくは外側のコーティング剤ノズル配置が、もう一つのコーティング剤ノズル配置よりも少ないコーティング剤をフィードすることも可能である。
【0041】
それゆえに、塗布装置が、好ましくは外側部分のうちの一つをスイッチオフし得て鋭角なコーティングを実行し得る、および、広い表面に以前および次の通路を重ね合わせ得る、という長所がある。
【0042】
コーティング剤が塗布装置および/または構成部品にフィードされるコーティング剤圧力および/または投入圧力が調節可能である(たとえば、調節可能または可変)ことが可能であり、たとえば、コーティング剤の滴のサイズが影響を受け得るという長所がある。
【0043】
塗装膜のある特性(たとえば、外観、含水率)を得るために、これは目標とされる方法で用いられ得る。好適に割り当てられた構成部品を用いることによって、塗装圧力は変化し、制御され得る。その変化は、印加されるコーティング剤(たとえば、個々の塗料(Farbe)または塗料(Lack)のトーン)によって変わり得る。それはまた、異なる位置における一つおよび同一の構成部品において異なり得る。このように、たとえば、「湿った」塗装をする、または、「乾いた」塗装をすることが可能である。
【0044】
たとえば、滴のサイズおよび/または滴生成または滴分布コントロールまたは制御し得るために、好ましくは、以下のパラメータのうち少なくとも1つが調節され得る(たとえば、調節可能または可変)。コーティング剤の排出または出力速度、コーティング剤ノズルと構成部品との間の塗装隙間、コーティング剤圧力および/または投入圧力、振動および/または不安定性の規模または強さ、具体的には、振動および/または不安定性の振幅、振動および/または不安定性の周波数。好ましくは、コーティング剤および/または構成部品に特有の方法で、滴のサイズは必要に応じて最適となるように変化し得るので、このように、改良された外観、改良された塗料のトーン、改良された効果および/または改良された性能(輝度、波長など)が実現可能である。ここで、たとえ全ての個々のコーティング剤ノズルが一定の直径を有しているとしても、滴のサイズおよび/または滴の分布がコントロール可能または制御可能であり得ることがさらなる長所である。
【0045】
好ましくは、コーティング剤ジェットのコーティング剤の滴が、構成部品への途中、または、コーティング剤ノズルと構成部品との間で凝集しないように、塗布装置は構成され、配置される。構成部品への途中、一つのコーティング剤ノズルからのコーティング剤(またはコーティング剤の滴)がもう一つのコーティング剤ノズルからのコーティング剤(またはコーティング剤の滴)と凝集しない、または、第一のコーティング剤ジェットからのコーティング剤の滴が、第二のコーティング剤ジェットからのコーティング剤の滴と凝集しないことがさらに可能である。たとえば、コーティング剤の滴の排出速度、コーティング剤の滴のサイズ、コーティング剤ノズルの間のお互いの距離、および/または、コーティング剤ノズルと構成部品との間の塗装隙間がお互いに調整されるので、これが実現され得る。具体的には、液体シートまたは液体膜(たとえば、スリットノズルまたは中空の円筒ノズルによって形成される)が、振動の影響の下で、細かく砕けてコーティング剤の滴になることが可能であり、コーティング剤の滴が構成部品への途中で凝集しないことを特徴とする。
【0046】
コーティング剤ノズルおよび/またはコーティング剤ノズル配置は、好ましくは、保持要素(たとえば、コーティング剤ノズルプレート)または塗布器ヘッドに配置される。保持要素は、好ましくは、素早く交換できる機器によって、塗布装置に対して、交換可能に固定され得る。このように、たとえば、コーティング機器がボックスコンセプトに従って設計されるプラント内で用いられる場合にとりわけ有利である「サイクル」内のより大きな塗装表面用の保持要素に加えて、より小さな塗装表面(たとえば、入口ドアの端部)用の保持要素を用いることも可能である。保持要素は、色々な方法で設計され得る。しかしながら、振動および/または不安定性が本質的に均等に保持要素に伝達され得るように保持要素が構成され配置されることが好ましい。たとえば、保持要素はプレート型および/または平面型に設計され得るが、他の形状をも有し得る。
【0047】
振動および/または不安定性が、振動発生器から保持要素まで、定在波の形状で進み得る。
【0048】
ある例示的態様に関しては、調節可能なように(たとえば、調節可能または可変)異なる振動および/または不安定性を生成するように塗布装置が構成され配置される。それゆえに、たとえば、コーティング剤によって決まる、それぞれの構成部品によって決まる、または、コーティングされる構成部品の異なる部位によっても決まる様々な方法で適合されるさまざまな振動および/または不安定性が生成され得る。
【0049】
さらに、好ましくは、たとえば、コーティング剤ノズルのさまざまな数に対して、または、さまざまな製品パラメータ(流速、スループット量、粘性、表面張力)に対して塗布装置が適合され得るように、塗布装置が設計され、配置され得る。
【0050】
好ましくは、構成部品に対して塗布装置を移動させるために、多軸コーティングロボット(たとえば、手首部を含む)、ルーフマシンおよび/または側方マシンが構成され配置され得る。また、構成部品に対して塗布装置を移動させるために、好ましくは、多軸コーティングロボット(たとえば、手首部を含む)および/またはコンベア通路が構成され配置され得る。また、コーティング操作中に、構成部品および塗布装置の両方がお互いに対して移動することも可能であり、たとえば搬送ロボットによって構成部品が移動し、たとえばコーティングロボットによって塗布装置が移動する。また、塗布装置が1つ以上の回転軸に対して回転可能に実装され、コーティング中、または、連続コーティング操作中に、1つ以上の回転軸の周りを回転し得ることも可能である。
【0051】
コーティング機器は以下の構成部品のうち少なくとも1つを備え得る、および/または、塗布装置は以下の構成部品のうち少なくとも1つと動作可能なように接続される、または、接続可能であり得る。少なくとも1つの投入ポンプ、少なくとも1つの投入ピストン、少なくとも1つの塗料変換器(たとえば、ドッキング塗料変換器)、および/または、二成分または多成分塗料(塗料および硬化剤要素または概して異なるコーティング剤)用の少なくとも1つの混合器。少なくとも1つの塗料変換器が塗布装置に収容され得る(たとえば、一体化された塗料変換器)、または、好ましくは別個の部分として塗布装置の上流側に配置され得る。
【0052】
排出されたコーティング剤が被覆され得る空気または別の気体からなる被覆フローを排出するように、少なくとも1本の被覆フローノズルが設けられることが好ましい。排出されたコーティング剤を形成するために空気または別の気体からなるガイドフローを排出するように設けられた少なくとも1本のガイドフローノズルを利用可能にすることも可能である。さらに、たとえば、排出されたコーティング剤に影響を与えるために、好ましくはそれを乾燥させるおよび/または加熱するために、少なくとも1つの機能的開口部または機能的ノズルが、空気または流体フローまたは他の媒体を排出するために利用可能となることもあり得る。しかしながら、被覆フローノズルまたはガイドフローノズルから排出された気体が加熱および/または乾燥のために用いられることもあり得る。
【0053】
排出されたコーティング剤に影響を与えるために、塗布装置は、たとえば、少なくとも1つの、好ましくは1本以上のコーティング剤ノズルまたは1つ以上のコーティング剤ノズル配置の全ての側面に沿って延在し得る複数の被覆フローノズル、機能性ノズルおよび/またはガイド空気フローノズルを有し得る。そうすることで、被覆フローノズル、機能性ノズルおよび/またはガイド空気フローノズルは、本質的には一直線に配列され得る。具体的には、1つ以上のコーティング剤ノズルまたはコーティング剤ノズル配置の周囲にある1つ以上のリングまたは部分リングに配置された複数の被覆フローノズル、機能性ノズルおよび/またはガイド空気フローノズルを、塗布装置は有し得る。リングまたは部分リングは、異なる直径を有してもよいし、本質的に同一の直径を有してもよい。
【0054】
具体的には、本発明に係る塗布装置の被覆フローノズル、機能性ノズル、および/または、ガイド空気フローノズルを、独国特許出願第102007006547号明細書、欧州特許出願公開第1331037号明細書、国際公開第2008/061584号、欧州特許出願公開第1764157号明細書、国際公開第2008/068005号、国際公開第2008/095657号、および/または、国際公開第2009/149950号に開示されたように設計する、および/または、配置する、および/または、操作することが可能であり、それらの開示の全てが本明細書に加えられるべきである。
【0055】
塗布装置は、複数の振動発生器、たとえば、少なくとも1本のコーティング剤ノズルおよび/または少なくとも1つのコーティング剤ノズル配置に対してコーティング剤に振動を印加するために構成され配置された第一の振動発生器と、少なくとも1本の他のコーティング剤ノズルおよび/または少なくとも1つの他のコーティング剤ノズル配置に対してコーティング剤に振動を印加するために構成され配置されたもう1つの第二の振動発生器と、を備え得る。たとえば、塗料ベースおよび金属フレークがコーティング用に用いられる際、これが必要となり得る。こうするために、塗料ベースは、たとえば、ディスクフィルターを用いて、塗布装置内において、金属フレークから分離され得る。そうすることで、フレークなしの塗料ベースはより小さな直径を有するコーティング剤ノズルを介して好ましくは塗布され、金属フレークはより大きな直径を有するコーティング剤ノズルを介して塗布される(金属フレークが通過するようにサイズが決められる)。しかしながら、それは、具体的には、フレークの濃度が被覆層においてより大きいということが保証されるだけなので、必ずしも絶対に必要というわけではない。そうすることで、フレークが、主に、表面に対して平行にそれらを配列し、および/または、良好な型を生み出すように、既知の方法で塗布パラメータが好ましくは選択される。
【0056】
フレークまたは他の固体の塗料粒子が、確実に、または、機能に対して適切な方法で、コーティング剤ノズルを通して導かれ得るように、フレークまたは他の固体の塗料粒子を塗布するように設けられたコーティング剤ノズルの直径を選択することが好ましい。コーティング剤ノズルの直径は、好ましくは、少なくとも金属基礎塗料のフレークの最大直径と同じ大きさ、具体的には、フレークの最大直径のサイズの2倍またはさらには3倍、または、固体の塗料粒子の最大直径である。
【0057】
コーティング剤は、塗料、具体的には、基礎塗料、クリア塗料、効果塗料、雲母塗料、金属塗料、水性塗料、溶剤型塗料、および/または二成分塗料または多成分塗料であり得る。たとえば、コーティング剤は、液体であり、かつ、固体の塗料粒子、具体的には、顔料、金属フレークまたは金属粒子を含有する塗料である。その際、具体的には、塗料に、塗料内の固体の塗料粒子が印加され得るように、具体的にはコーティング剤ノズルがサイズ決めされることが必要である。固体の塗料粒子は、約4μm、5μmまたは6μmよりも大きな粒子サイズを有し得る。
【0058】
塗布装置は、少なくとも1m
2/分、2m
2/分、3m
2/分または4m
2/分または5m
2/分の表面コーティング性能を有し得る、および/または、好ましくは、少なくとも3μm、8μm、15μm、25μm、50μm、75μm、100μmまたはそれ以上のコーティング剤の層厚さを塗布し得る(基礎塗料および下塗剤が、たとえば、約25μmまで塗布される一方、たとえば、クリア塗料はたいてい約50μmまで塗布される)。
【0059】
さらに、塗布装置が、少なくとも50ml/分、100ml/分、150ml/分、200ml/分、300ml/分、400ml/分または500ml/分、1000ml/分まで、1500ml/分まで、またはさらに大きなコーティング剤排出を実現し得ることも可能である。
【0060】
少なくとも1つの塗料変換器(または複数の塗料変換器)が塗布装置に割り振られ得て、塗料変換器は、その外側で塗布装置に接続され、その内側で個々のコーティング剤が供給される。そして、塗料変換器は、コーティング剤のうちの一つを選択し、選択されたコーティング剤を塗布装置に供給し得る。さらに、塗料変換器に、その内側で個々の特殊塗料またはコーティング剤が供給され得る。また、コーティング剤(例:二成分塗料または多成分塗料)を供給するために、その内側で塗料変換器が混合器と接続され得る。戻りラインは、塗料変換器と塗布装置との間で分岐し得る。また、塗料変換器が、その外側で混合器と接続され得る。
【0061】
塗布装置は、1つ以上のノズルの列、具体的には、行と列の行列の形態で配置された複数のコーティング剤ノズルを有し得る。さらに、個々のノズル列におけるコーティング剤ノズルが塗料変換器によって共通にフィードされ得て、たとえば、塗料変換器がその内側で複数のコーティング剤フィードラインに接続され(たとえば、特殊塗料フィードライン)、そこを通って、コーティング剤(たとえば、特殊塗料)が塗料変換器にフィードされ得る。さらに、塗料変換器はその内側で混合器に接続され得て、それに個々のコーティング剤(例:二成分塗料または多成分塗料)がフィードされ得る。そうする際に、塗料変換器は、好ましくは、コーティング剤フィードラインのうちの一つからコーティング剤の一つを選択するか、または、混合器から混合されたコーティング剤を選択し、それをコーティング剤ノズルにフィードし得る。
【0062】
塗布装置は、好ましくは、複数の(同一または異なる)コーティング剤ノズルを有し得て、それは、少なくとも1つ、好ましくは複数のノズルの列、具体的には行と列の行列の形態で配置され得て、それぞれのノズルの列が複数のコーティング剤ノズルを備え得る。コーティング剤ノズルまたはノズルの列は、たとえば、「交互配列(千鳥状)」またはお互いにずらして配置され得て、コーティング剤の滴は、好ましくは、構成部品上に均等に重なり合う。ここで、塗布されるコーティング剤がフィードされ得るコーティング剤供給ラインに、個々のノズル列のコーティング剤ノズルが共通して接続され得る。さらに、塗料変換器、さらに、ドッキング塗料変換器(回転または直線)および/または混合器によって、共通のコーティング剤供給ラインがフィードされ得る。
【0063】
塗料変換器によって直接、かつ、複数のコーティング剤フィードラインによって直接フィードされ得る塗布装置が設けられ得る。また、複数のコーティング剤フィードラインによって共通に、および/または、塗料変換器によって共通に直接フィードされる複数の塗布装置も設けられ得る。また、複数の離隔したコーティング剤フィードラインによってフィードされる複数の塗布装置および/またはコーティング剤ノズル配置が設けられ得て、そのそれぞれが塗料変換器に割り当てられ得る。また、複数の離隔したコーティング剤フィードラインによってフィードされる塗布装置および/またはコーティング剤ノズル配置を設けることも可能であり、そのそれぞれが塗料変換器に割り当てられ得る。さらに、少なくとも1つの塗布装置および/または少なくとも1つのコーティング剤ノズル配置が、少なくとも1つの、好ましくは複数のコーティング剤フィードラインによって直接フィードされ得て、そのそれぞれが好ましくは投入装置(例:投入ポンプ)に割り当てられ得る。さらに、複数のコーティング剤フィードラインのどちらかから、および/または、複数の塗料変換器のどちらかからコーティング剤が送られるかを設定するために、塗布装置は、一体化された切り替え機器を備え得る。
【0064】
コーティング剤と接触する表面の部位、具体的には、塗布装置および/またはコーティング剤ノズルの表面の内側部位が、磨耗減少コーティング、好ましくは耐磨耗コーティング、具体的にはDLC(DLC:ダイヤモンド状カーボン)コーティング、ダイヤモンドコーティング、タングステンカーバイド、または、硬質材料および軟質材料から作られた複合材料、PVDコーティング(PVD:物理気相成長)、清掃容易(Easy−to−Clean)コーティング)、および/または、流線型構造、具体的には、鮫肌構造またはさざ波構造またはゴルフボール構造によって、少なくとも一部がコーティングされ得る。
【0065】
コーティング機器は、たとえば、好ましくは高電圧を用いての、具体的には1つ以上の外部電極(例:複数のフィンガー電極または電極リング、それは複数の電極を備え、電極は好ましくは塗布装置の周囲に均等に配置される)によって外部チャージ用の、および/または、1つ以上のコンタクトまたは内部電極による直接チャージまたは内部チャージ用の、静電コーティング剤チャージ用システムを備え得る。電極は、好ましくは高圧電極である。回転アトマイザー用の外部チャージおよび内部チャージは従来技術によって既知である。向上した離隔および/または向上したコーティング剤歩留まりおよび/または向上した塗布効率を実現するために、コーティング剤チャージシステムが構成され配置される。
【0066】
さらに、調節可能(たとえば、コントロール可能または可変)であり得る塗布装置の塗布効率の向上のため、圧縮空気支持部が設けられ得る。
【0067】
コーティング剤ノズルは、異なるサイズおよび/または異なって形成され得て、たとえば、円筒形状または円形状または矩形状、テーパ形状および/または拡大形状、(例:円錐形状の)本質的には一定の出口(たとえば、円筒出口)を有するテーパ、(たとえば円錐形状の)本質的には一定の入口(たとえば、円筒入口)を有する拡大形状および/またはラバルまたはベンチュリノズルとして形成され得る。コーティング剤ノズルは、さらに、一緒に接続される1つ以上の膨らみ部またはチャンバーを含み得る。円形ノズルまたはスリットノズルが設けられ得る。
【0068】
塗料変換器および/または塗布装置、具体的には、コーティング剤を運ぶまたは含む部分(たとえばライン)に、それを清掃するためのフラッシング剤/溶媒および/またはパルス状空気が印加され得ることもあり得る。このために、コーティング機器は、好適なバルブを有するフラッシング剤/溶媒ラインシステムおよび/またはパルス状空気ラインシステムを備え得る。
【0069】
コーティング剤と接する部位および/またはそれぞれの表面は、たとえば、塗料または媒体の急速な変化がなされ得るように、好ましくは設計されるべきであり、たとえば、少ない量、滑らかな表面、ギザギザがないこと、単純な洗浄能力、などが提供されるべきである。
【0070】
充填およびフラッシングはバイパス(通気口、戻りライン)によって加速され得る。この開口部は、追加して、真空源に接続され得る。それゆえに、フラッシング剤/溶媒および/またはパルス状空気(好ましくは不要な塗料とともに)が、コーティング剤ノズルから排出される、または、もう一つの出口を介して戻りラインを通って、または、両方を介して廃棄され得る。すなわち、好ましくは、最初は戻りラインを介して溶媒とともに塗料の主な部分が廃棄され、次にコーティング剤ノズルをも介してコーティング剤ノズル洗浄溶媒/パルス状空気が廃棄され得る。
【0071】
たとえば、投入ポンプ、投入ピストン、塗料変換器、ドッキング塗料変換器、静的ミキサー(たとえば、二成分システムまたは多成分システム用、または、概してコーティング剤)、ガイド空気システムまたは被覆空気システム、切り替えバルブを伴う単一回路システムまたは二回路システム、および好ましくは離隔したコントローラーを介してコントロール可能なロボットなどの、複数の、好ましくは塗装分野における全ての、既知の使用済の構成部品に、塗布装置は接続され得る。
【0072】
さらに、塗布装置、具体的には振動発生器のための電気的絶縁または隔離を利用可能にし得る。
【0073】
さらに、コーティング機器は、コーティング剤および/またはフラッシング剤/溶媒またはガイド空気フローおよび/または被覆フローもコントロールする温度コントロール機器を備え得る。
【0074】
最後に、本発明はまた、好ましくは本明細書に記載されたコーティング機器によって、コーティング剤を用いて構成部品をコーティングする、具体的には、塗料を用いて、車両部品および/またはその付属部品(例:バンパー、ミラー筐体、バンパーステッカーなど)だけでなく他の車両または車両部品をも塗装するコーティング方法をも含み、少なくとも1つの塗布装置が、少なくとも1つのコーティング剤ノズルからコーティング剤を排出する(例:排出、塗布、など)。
【0075】
具体的には、コーティング剤の滴を生成するために、または、コーティング剤および/または少なくとも1つのコーティング剤ジェットを細かく砕いて滴にすることを可能にするために、塗布装置は、コーティング剤および/または少なくとも1つのコーティング剤ジェットに、振動および/または不安定性を印加し得る。
【0076】
好ましくは、コーティング剤の滴を生成するために、または、排出されたコーティング剤および/または排出された好ましくは連続的またはコヒーレントなコーティング剤ジェットを細かく砕いて滴にすることを可能にするために、塗布装置は、コーティング剤および/または少なくとも1つの好ましくは連続的またはコヒーレントなコーティング剤ジェットに、振動および/または不安定性を印加し得る。
【0077】
さらなる方法のステップが、コーティング機器の本開示から、具体的には、コーティング機器の機能から直接的に生じる。
【0078】
たとえば、独国特許出願第102006012389号明細書に記載されたような機器を用いて、具体的には、それゆえに、少なくとも1つの環状ギャップが作られる場所と駆動装備との間にあり、そこには少なくとも1つの円周状の狭窄部が少なくとも1つの環状ギャップに作成可能である、少なくとも2つの環状ギャップ部品の同心円状の配置によって、振動および/または不安定性が生成され得る。そうすることで、駆動装備は、たとえば、狭窄部が少なくとも1つの環状ギャップの周りを回るように、環状ギャップ部品のうちの少なくとも1つにギャップ振動が生成され得る振動源を含み得る。第一の環状ギャップ部品および第二の環状ギャップ部品によって区画される第一の環状ギャップが設けられ得て、第一の環状ギャップ部品および第二の環状ギャップ部品のうちの少なくとも1つのギャップ振動の励振のための振動源が設けられる。第二の環状ギャップ部品と、第二の環状ギャップ部品を取り囲む第三の環状ギャップ部品とによって区画される第二の環状ギャップが好ましくは設けられ得て、第二の環状ギャップ部品のギャップ振動の励振のための振動源が設けられる。第二の環状ギャップ部品が、第一の環状ギャップ部品が配置される通路を有することも可能である。たとえば、独国特許第4441553号明細書に記載された機器を用いて、振動および/または不安定性が生成されることも可能である。独国特許第4441553号明細書は、筐体(本発明に関しては、好ましくは塗布装置の筐体)による初期圧力の下、音速cで移動する液体(本発明に関しては、好ましくは塗料)から滴を形成する機器が開示されており、そこを通って液体入口から液体出口まで液体が誘導され得て、そこにおいて、最小周波数fMINより大きな周波数による好適な振動励振によって液体が印加され得る。そして、液体の振動は、液体出口における滴のための少なくとも一つの出口開口部における細かく砕けて滴になるプロセスをコントロールし、かつ、振動の震えが好ましくは液体入口と液体出口との間の筐体を介して少なくとも1つの出口開口部から液体までのc/(2fMIN)よりも大きな合算された距離であり得る振動を生成するために、液体の外側に配置された振動発生器が用いられる。また、さらに、層流の誘導が起こり、液体の横方向の振動モードが防止されるように、筐体の内側部分が設計される。しかしながら、本発明に関しては、これらの技術は、コーティングのため、具体的には、車両、好ましくは車両部品の塗装のために用いられる。
【0079】
コーティング機器は複数の塗布装置を備え得る。
【0080】
本発明の他の有利な発展形が従属項において特徴づけられるか、図面に基づいて本発明の好ましい例示的態様の記載とともに以下により詳細に説明される。
【発明を実施するための形態】
【0082】
図2における断面図は、本発明に係る塗装装置を示し、それは
図1に示される従来型の塗装装置と部分的に一致するので、重複を避けるために、上述の記載が参照され、対応する細部に対して同一の参照符号が用いられる。
【0083】
本発明に係る塗装装置の特別な特徴は、まず、塗装ロボット3、4は塗布機器としての回転アトマイザーを有しないが、塗布装置8、9を有し、そのそれぞれが振動発生器SEを備え、液滴発生器または塗布ヘッドとして設計され得るという事実にある。それぞれの塗布装置8、9は、回転アトマイザーの90%超過よりもかなり高い塗布効率を有する。このように、塗布装置8、9が、コーティング剤の滴、具体的には、本質的に等しいサイズを有し、かつ、本質的に離散した、または、均質な滴分布を有する塗料の滴を形成することができるので、少ないオーバースプレーを実現することが可能になる。コーティング操作中に本質的に連続して、塗布装置8、9がコーティング剤を塗布および排出することが好ましい。
【0084】
振動発生器SEを有する塗布装置8、9は、コーティング剤に、振動および/または不安定性を印加し、コーティング剤の滴を形成する、および/または、コーティング剤が細かく砕けて滴になることを可能にする。具体的には、コーティング剤ノズルまたは塗布装置8、9から出てくる、最初はコヒーレントな、または、連続的なコーティング剤ジェットがあり、それが構成部品に向かう途中、または、塗布装置8、9もしくはコーティング剤ノズルと構成部品との間で細かく砕けて滴になる。
【0085】
一方、本質的に同じサイズおよび/または本質的に均質な滴分布の滴の塗布または形成によって、
図1に係る従来型の塗装装置に関して、排出部システム7を不要とし得るという長所がもたらされる。
【0086】
その代わりに、
図2における本発明に係る塗装装置は塗装キャビン2の下に空気抜き器10を有し、それは、フィルター天井11を通して、塗装キャビン2から下向きにキャビン空気を抜く。ここで、フィルター天井11は、従来型の塗装装置において必要とされていた排出部7なしで、キャビン空気から少量のオーバースプレーを濾過する。カートリッジフィルター、フリース、フィルターマット、カードボードフィルター等のような品目がフィルターエレメンツとして用いられ得る。
【0087】
図3Aは、塗布されるコーティング剤が塗料変換器13によって供給される塗布装置8(9)を示す。入口側において、塗料変換器13は複数のコーティング剤供給ライン(塗料1から塗料7まで)に接続され、そこから塗料変換器13は塗布装置8(9)にコーティング剤を供給するための1つを選択し得る。
【0088】
図3Bは、少なくとも2つ、たとえば3つのコーティング剤供給ライン(塗料5から塗料7まで)によって、塗布されるコーティング剤(いわゆる「ハイランナー」)を直接供給される塗布装置8(9)と、分離された塗料変換器13とを示す。
【0089】
入口側において、たとえば、塗料変換器13は4本のコーティング剤供給ライン(塗料1から塗料4)に接続され得て、そこから塗料変換器13は、塗布装置8にコーティング剤を供給するための1つを選択し得る。
【0090】
コーティング剤供給ラインが、塗布装置8についての直接供給のために、塗布装置8と直接接続され、たとえば、全てのコーティング剤が、有利にはフラッシングされる必要がない離隔された投入装置(例:投入ポンプ)に割り当てられ得ることが好ましい。
【0091】
図4Aはコーティング剤ノズル16.1〜16.5のグループを示し、それは共通して塗料変換器17の出口に接続され、およびそれゆえに操作中に同一のコーティング剤を塗布する。
【0092】
入口側では、塗料変換器17が、多数の、たとえば7本の、コーティング剤供給ラインに接続される。示される5本のコーティング剤ノズルは、複数のコーティング剤のノズルの配置の一例である。
【0093】
図4Bは、
図3Bおよび
図4Aにおける例示的態様の変形例を示し、重複を避けるために上述の記載が参照され、対応する細部に対して同一の参照符号が用いられる。
【0094】
図4Bは、具体的には、2本以上の、具体的には4本の直接的なコーティング剤供給ライン(塗料5〜塗料8)および離隔された塗料変換器17を有する塗布装置8のグループ(2つ以上、具体的には4つ)を示す。
【0095】
それぞれの塗布装置8が、塗料変換器17の出口に、および/または、好ましくは4本のコーティング剤供給ライン(いわゆる「ハイランナー」のために)に共通して接続され、およびそれゆえに運転中に同一のコーティング剤を塗布することが好ましい。
【0096】
図5は、塗布装置8、9におけるノズル配置のさらなる例示的態様を示し、いくつかの、たとえば4つのノズル列28.1〜28.4が
図5に示され、そのそれぞれが多数のコーティング剤ノズル29を有する。ここで、全てのコーティング剤ノズル29および全てのコーティング剤列28.1〜28.4には、混合器31および塗料変換器30から同一のコーティング剤が共通して供給される。
【0097】
入口側では、塗料変換器30が、複数のコーティング剤(たとえば、塗料または特殊塗料S1〜S3)または複数のコーティング剤供給ラインおよび混合器31と接続される。混合器31は、その入口側で複数のコーティング剤、具体的には、二成分または多成分塗料(たとえば、基礎塗料および硬化剤)用の少なくとも2つの構成部品(K1、K2)と接続される。
【0098】
図6に示される例示的態様は、
図5に例証される上述の例示的態様と部分的に一致し、重複を避けるために上述の記載が参照され、対応する細部に対して同一の参照符号が用いられる。
【0099】
本例示的態様の特徴は、ノズル28.1〜28.4の全ての列において、全てのコーティング剤ノズル29が、同一のコーティング剤がそれを介して供給され、かつ、第一の成分および少なくとも1つの第二の成分(たとえば、基礎塗料および硬化剤)用のフィードラインを伴う混合器(
図6において図示せず)が割り当てられる共通のコーティング剤供給ライン31と接続されることである。
【0100】
図7は、本発明に係る塗装装置の塗布装置8、9用のノズル配置34を示し、矢印が、塗布装置8、9の前進方向、すなわち圧力の方向を示す。
【0101】
図面から、ノズル配置34がいくつかのノズル列35.1〜35.7を有し、そのそれぞれがいくつかのコーティング剤ノズル36を備えることが理解され得る。
【0102】
全体のノズル配置34の中において、コーティング剤ノズル36は、ここで、一様なサイズのノズル開口部を有する。
【0103】
隣接するノズル列35.1〜35.7は、お互いに対して、長軸方向に、ノズルの幅の半分ずつずれて(オフセットされて)配置され、それによって、ノズル配置34の中のコーティング剤ノズル36の最大充填密度が得られる。
【0104】
図8は、上記され、かつ、
図7に示されたノズル配置とかなりの部分が一致するノズル配置34の派生を示し、重複を避けるために上述の記載が参照される。
【0105】
本例示的態様の特徴は、個々のノズル36が実質的により小さいノズルのサイズを有することである。
【0106】
本例示的態様のさらなる特徴は、隣接するノズルがお互いに対してずれていないことである。
【0107】
図9は、相対的に大きなノズル開口部を有する5つの平行なノズル列38.1〜38.5と、相対的に小さなノズル開口部を有する4つのノズル列39.1〜39.4と、を有するノズル配置37のさらなる例示的態様を示す。
【0108】
図10に係る例示的態様は、上述の
図9に係る例示的態様と大部分一致し、重複を避けるために上述の記載が参照され、対応する細部に対して同一の参照符号が用いられる。
【0109】
本例示的態様の特徴は、より大きなノズル開口部を有するノズル列38.1〜38.5が、お互いに対して、長軸方向に、ノズルの幅の半分ずつずれて配置されることである。
【0110】
最後に、
図11は、合計で4個の塗布装置47〜50を有する塗布装置配置46を示し、それは、たとえば曲線状の構成部品51の表面へのよりよい適応を可能にするために、それらが、お互いに対して回転可能であるか、または、たとえば、曲線状の構成部品の表面に適切に配列される。
【0111】
非常に簡素化された形態で、
図12は、部品表面60の上の予め決定されたコーティング剤通路に沿って塗布装置59を移動させる、多軸ロボット58を有する、本発明に係るコーティング機器を示し、ロボット58はロボットコントローラー61によって操作され、手首部を有し得る。塗布装置59が部品表面60の上の予め決定されたコーティング剤通路に沿って誘導され、コーティング剤通路が蛇行するパターンでお互いに隣接するように、ロボットコントローラー61はロボット58をコントロールする。
【0112】
ある特徴は、光学センサー62もまた、運転中に、位置および以前のコーティング通路のコースを検出する塗布装置59に取り付けられ、現在のコーティング剤通路が以前のコーティング通路に対して、正確に一直線に並べられ得ることである。
【0113】
図13は、非常に簡素化された形態で、いくつかの、好ましくは3本の分離されたコーティング剤供給ライン63〜65を有し、そのそれぞれが塗布されるコーティング剤の一成分を供給する、本発明に係るコーティング機器の変形例を示す。
【0114】
出口側において、コーティング剤供給ライン63〜65は、個々の成分を混合して、それが次に塗布装置67に供給されるコーティング剤混合物にする混合器66に接続される。それゆえに、コーティング剤の個々の成分の混合が、塗布装置67による塗布の前に起こる。
図13に示される成分3は選択的である。
【0115】
図14は、コーティング剤、または、コヒーレントなコーティング剤ジェット70’に振動を印加する塗布装置69の模式図を示す。コーティング剤、または、コヒーレントなコーティング剤ジェット70’はコーティング剤ノズル72から排出され、それは、コーティング剤ノズル72と部品表面71との間で、細かく砕けて滴70になる。矢印Fは、コーティング剤ノズル72において、または、コーティング剤ノズル72を備える保持要素によって、コーティング剤、または、コーティング剤ジェット70’に、振動、周波数、および/または、不安定性が印加されることを模式的に示す。
【0116】
さらに、塗布装置69は、少なくとも1つの、好ましくは多数の被覆ノズル73を有し、それらは、コーティング剤ノズル72、または、複数のコーティング剤ノズルを、たとえばリング状に取り囲み、個々のコーティング剤の滴70を取り囲むリング状の被覆フローを排出する。
【0117】
一方、これは、個々のコーティング剤の滴70を区切り、かつ、排出されたコーティング剤および/または排出されたコーティング剤の滴70を保護するのに役立つ。
【0118】
他方、被覆フローノズル73から排出された被覆フローは、部品表面71の方向に向けて、コーティング剤の滴70へ向けて進み、および、そのことによって、塗布効率が向上する。
【0119】
同様に、1つ以上のガイドジェットノズル、具体的にはガイド空気ノズルもまた設けられ得て、そこからガイド空気が供給され、排出されたコーティング剤および/または排出されたコーティング剤の滴を保護する、または、それらを形成する、および/または、それらをガイドする。また、ある溶剤の排出のために、さらなる機能ノズルが設けられ得る。
【0120】
非常に簡素化された形態で、
図15は、2つの隣接した塗料通路の塗布中の塗布装置74を示し、現在の塗料通路における塗布装置74の位置がアポストロフィなしで示される一方、前の塗料通路における塗布装置74’の位置がアポストロフィ付きで示される。
【0121】
塗布装置74は、通路方向に対して横方向にお互いに隣り合って配置された複数のコーティング剤ノズル75を有し、塗布装置74の外側部分は、その内側部分よりもコーティング剤を排出しない。結果として、塗布装置74は、部品表面における台形状の層厚さ分布76を実現する。台形の層厚さ分布76が、次に、一定の層厚さに至る、前の塗料通路の台形状の層厚さ分布76’の上にも重ねられるので、これは有利である。
図20Aおよび
図21Aは、層厚さ分布の原理を理解するために、コーティング剤ノズル配置、または、コーティング剤ノズルを有する保持要素(ノズルプレート)のあり得る設計を示す。
【0122】
簡素化された形態で
図16は本発明に係るコーティング機器を示し、そこにおいて、塗装される構成部品77は塗装キャビンを通って直線コンベア通路78に沿って運ばれる。それは従来技術によって既知であり、およびそれゆえにより詳細には述べられる必要がない。
【0123】
入口79がコンベア通路78に架かり、コンベア通路78上で構成部品77に向かい、コーティング剤でこれらを塗装する多数の塗布装置80が入口に取り付けられる。
【0124】
図17は
図10の派生形を示し、重複を避けるために上述の記載が参照され、対応する細部に対して同一の参照符号が用いられる。
【0125】
本例示的態様の特徴は、個々のコーティング剤ノズルのかなり大きな充填密度である。
【0126】
図18は
図17の派生形を示し、重複を避けるために上述の記載が参照され、対応する細部に対して同一の参照符号が用いられる。
【0127】
ここにおいても、特徴は、個々のコーティング剤ノズルの充填密度がかなり大きいことである。
【0128】
図19(a)から
図19(e)は、コーティング剤ノズルの長軸方向の部位のさまざまな形状を示す。
図19(a)から
図19(e)に示される長軸方向の部位は、円形状のノズルまたはスリット状のノズルであり得る。
【0129】
図19(a)は、円筒形状のノズル形状または一定のノズル形状を示す。
【0130】
図19(b)は、具体的には少なくとも2つの膨らみ部81および少なくとも1つの狭窄部82を有し、少なくとも、好ましくは2倍に広がった、また一方では狭まったノズル形状を示し、それは少なくとも2つの膨らみ部81の間、および、好ましくは、一定または円筒状の入口と、一定または円筒状の出口との間に配置される。
【0131】
図19(c)は、円錐状にテーパを有するまたは狭窄する入口と、円筒状または一定の出口を有するノズル形状を示す。
【0132】
図19(d)は、円筒状または一定の入口と、好ましくは円錐状に拡がった出口と、を有するノズル形状を示す。
【0133】
図19(e)は、ベンチュリノズルまたはラバルノズルを示す。
【0134】
図19(a)から
図19(e)に示されるノズル形状の断面は、好ましくは円形(円形ノズル)であるが、矩形(スリットノズル)であってもよい。一定のノズル形状または一定の入口および/または出口によって、コーティング剤ノズルの長軸方向における本質的には変化しない断面が意味される。
【0135】
塗布装置8、9のノズルの数および配置は、好ましくは、塗装される表面が一様に塗装されるように、不透明(deckend)かつ均質に形成されるべきである。こうするために、それぞれの塗布装置8、9に、あるサイズのノズルおよびノズル形状を有するノズルだけではなく、異なるサイズのノズルおよび異なるノズル形状をも取り付けられ得る。異なるサイズのノズルは、均一に分配され得る、または、ある領域または形状において一緒に集められ得る。塗布装置8、9のノズルのそれぞれの配置を通して、たとえば、コーティング操作中に、理想的な層厚さ分布を生み出すことが可能になる。
【0136】
図20Aは、複数のコーティング剤ノズル(黒い点として模式的に示される)を備えるコーティング剤ノズル配置BAの模式図を示す。本質的にはガウス正規分布を伴う層厚さ分布が形成されるように、コーティング剤ノズル配置BAが設けられる。具体的には、そのコーティング剤ノズルが、本質的にはガウス正規分布曲線に従う外形Uを形成し、外形Uによって取り囲まれる部位U’(ガウス曲線の下の表面)にわたって好ましくは分布されるように、コーティング剤ノズル配置BAが設けられる。重ね合わせに好適な全てのさらなるノズル配置(例:台形状または三角形状)が作り出され得る。
図20Aに示される矢印は、塗布装置8の前進方向を示す。
【0137】
図20Bは、層厚さ分布を介した断面の模式図を示し、それは
図20Aに係るコーティング剤ノズル配置BAによって作られる。断面は、
図20Aにおける外形Uと本質的には一致する本質的なガウス正規分布曲線に限定される。
【0138】
図20Cは、複数のコーティング剤ノズル(黒い点として模式的に示される)をも備える別のコーティング剤ノズル配置BAの模式図を示す。コーティング剤ノズルは矩形状の外形Uを作り出し、および、好ましくは、たとえばマトリクス形状で、外形Uによって取り囲まれる部位U’(矩形状の表面)にわたって分配される。そのような配置によって、鋭角な塗装が有利に可能になる。
【0139】
さらに、コーティング剤ノズルが円形の外形を生み出し、円形の表面にわたって分配されるコーティング剤ノズル配置(図示せず)も可能である。また、さらなる可能な配置も存在する。
【0140】
図21Aは、作動可能または調節可能な(たとえば、コントロール可能または可変な)お互いに独立した3つのコーティング剤ノズル配置BA1、BA2およびBA3の模式図を示す。コーティング剤ノズル配置BA1、BA2およびBA3のそれぞれは、複数のコーティング剤ノズル(黒い点として模式的に示される)を有する。そのコーティング剤ノズルが三角形状の外形を作り出し、かつ、好ましくは、三角形状の外形によって取り囲まれる部位にわたって分配されるように、外側のコーティング剤ノズル配置BA1が設けられる。そのコーティング剤ノズルが矩形状の外形を作り出し、かつ、好ましくは、矩形状の外形によって取り囲まれる部位にわたって分配されるように、真ん中のコーティング剤ノズル配置BA2が設けられる。そのコーティング剤ノズルが三角形状の外形を作り出し、かつ、好ましくは、三角形状の外形によって取り囲まれる部位にわたって分配されるように、もう一つの外側のコーティング剤ノズル配置BA3が設けられる。それらのコーティングノズルが全体として台形状の外形を作り出すように、3つのコーティング剤ノズル配置BA1、BA2およびBA3が設けられる。真ん中のコーティング剤ノズル配置BA2は、本質的には、表面コーティングのために設けられ、2つの外側のコーティング剤ノズル配置BA1、BA3は、本質的には、重ね合わせコーティングのために設けられる。外側のコーティング剤ノズル配置BA1、BA3はまた、重ね合わせのために適合する一つおきのノズル分布をも有し得る。
【0141】
図21Bは、3つ全てのコーティング剤ノズル配置BA1、BA2およびBA3が塗布する時の、
図21Aに係る3つのコーティング剤ノズル配置BA1、BA2およびBA3によって作られる層厚さ分布を介した断面の模式図である。層厚さ分布の断面は台形状である。
【0142】
図15と同様に、
図21Cは3つの隣接した塗料通路を示し、そのそれぞれが台形状の層厚さ分布76’、76’’および76’’’を有する。台形状の層厚さ分布が適宜重ね合わせられ、その結果、本質的に一定の層厚さに至り得るので、これは有利である。参照符号83が付けられたラインは、結果的な層厚さを示す。上述のように、台形形状は例示の形状に過ぎず、重ね合わせに関して他のいかなる適応する分布であってもよい。
【0143】
図21Aに示されるコーティング剤ノズル配置BA1、BA2およびBA3に関するさらなる長所は、具体的には、外側のコーティング剤ノズル配置BA1およびBA3がコントロールされ得る、たとえば、スイッチオンおよびスイッチオフされ得ることである。このように、
図21Dに示されるように、参照符号84が付けられた端部によって示されるように、鋭角なコーティングを実現することが可能である。
図21Dは、真ん中のコーティング剤ノズル配置BA2と、
図21Aの右側に示される外側のコーティング剤ノズル配置BA3とによって作り出される層厚さ分布を介した断面を示し、
図21Aの左側に示されるコーティング剤ノズル配置BA1はスイッチオフされ、およびそれゆえにコーティング剤を塗布しない。
【0144】
しかしながら、塗布装置が、コーティングされる表面に沿った個々のノズルによって作り出された「ライン」上でスキャンするか、または、重ね合わせが必要ではないように、コーティングされる表面の上を、ラインの塗布の間に移動することも可能である。
【0145】
好ましい滴への細砕が
図22Aに模式的に示される。
図22Aは、塗布装置8(9)のコーティング剤ノズルから排出されたコヒーレントなコーティング剤ジェット70’を示し、具体的には、好ましくはいわゆる「レイリー不安定性」またはいわゆる「レイリー崩壊」に基づいて、結合された振動および/または不安定性によって、どのように、排出されたコヒーレントなコーティング剤ジェット70’が細かく砕けて滴70になるかを示す。塗布装置8(9)は、本質的には等しいサイズの滴70を塗布し、
図22Aで理解され得るように、本質的には離散した、または、本質的には均一な滴分布が得られる。矢印Fは、コーティング剤ノズルにおける、または、コーティング剤ノズルを備える保持要素によって、コーティング剤またはコーティング剤ジェット70’に、振動、周波数および/または不安定性が印加されることを模式的に示す。
【0146】
別の好ましい滴の細砕は、非常に簡素化された形態で
図22Cに示される。
図22Cは、塗布装置8(9)のコーティング剤ノズルから排出されるコヒーレントな本質的には平坦なコーティング剤ジェット(たとえば、コーティング剤シートまたはコーティング剤薄膜。簡素化のために、これにも参照符号70’が付与される)を示し、結合された振動および/または不安定性のために、それは細かく砕けて滴になる(簡素化のため、これにも参照符号70が付与される)。
【0147】
平坦でコヒーレントなコーティング剤ジェット70’は細かく砕けて、コーティング剤ジェットを生成する(本質的には一次元で)複数の滴になる。また、
図22Cにおける矢印Fは、コーティング剤ノズルにおける、または、コーティング剤ノズルを備える保持要素によって、コーティング剤またはコーティング剤ジェットに、振動、周波数および/または不安定性が印加されることを模式的に示す。
【0148】
他方、
図22Bは、従来技術に係るコーティング剤の模式的な霧化を示す。異なるサイズのコーティング剤の滴(簡素化のため、これにも参照符号70が付与される)および増加したオーバースプレーに寄与する不均一な滴分布が理解され得る。
【0149】
そのような滴生成器の構造、原理および/または機能は、たとえば、独国特許第4441553号明細書、独国特許出願第102006012389号明細書、出版物の「Atomization and Sprays, vol. 7, pp. 43-75, 1997, "METHODS AND TOOLS FOR ADVANCED FUEL SPRAY PRODUCTION AND INVESTIGATION", G. Brenn, F. Durst, D. Trimis, and M. Weclas」および「Atomization and Sprays, vol. 15, pp. 661-685, 2005, "CONTROL OF SPRAY FORMATION BY VIBRATIONAL EXCITATION OF FLAT-FAN AND CONICAL LIQUID SHEETS", G▼u▲nter Brenn, Zeljiko Prebeg and Dirk Rensink, Alexander L. Yarin」によって既知であり、その開示内容は本明細書に完全に加えられるべきである。
【0150】
それぞれの振動発生器SEが、好ましくは塗布装置8(9)の筐体を介して、振動および/または不安定性をコーティング剤に与え得る。このために、振動発生器SEは、たとえば、塗布装置8、9のそれぞれの筐体の外側に水晶振動子として配置され得る、または、
図28に非常に簡素化された形態で示されるように、少なくともこの部位に振動を印加するために設けられ得る。しかしながら、別の方法として、または、追加として、滴が形成されることを可能にするために、振動発生器がそれぞれの塗布装置8、9の内側に一体化され、かつ、たとえば、音によって、または、物理的な接触またはピエゾ素子によって機械的に、コーティング剤に振動および/または不安定性を印加することが可能であり、それは、破線の矩形で記されたSE’によって非常に簡素化された形態で
図28に示される。
【0151】
細かく砕かれて滴になるべきコヒーレントまたは連続的なコーティング剤ジェットは多くの方法で利用可能であり得る。
図23(a)から
図23(e)は、コーティング剤ノズル(
図23(a)から
図23(e)では図示せず)から排出されるさまざまなコーティング剤ジェットと(簡素化のため、全て参照符号70’が付与される)、それぞれの噴霧ジェット断面70’’とを模式的に示す。
【0152】
図23(a)は、細かく砕けて滴になるように影響が与えられ得る、本発明に係る(本質的には一次元の)フルジェットを示す。
【0153】
図23(b)は、平坦ジェットおよび/または層状ジェット、または三角形ジェットの形状での本質的には平面的なジェット(たとえば、コーティング剤シートまたはコーティング剤薄膜)を示し、それは本発明に従って影響を受け得て、細かく砕けて滴になる、および/または、細かく砕けて滴になる複数のコーティング剤ジェット(好ましくは本質的には一次元の)に細砕される。
【0154】
図23(c)は中空の円錐ジェットを示し、
図23(d)は中実の円錐ジェットを示し、
図23(e)は中空の円筒ジェットを示す。それらはまた、本発明に従って影響を受け得て、細かく砕けて滴になる、および/または、細かく砕けて滴になる複数のコーティング剤ジェット(好ましくは本質的には一次元の)に細砕される。
【0155】
円形の噴霧ジェット断面を形成するだけでなく、本質的に矩形の噴霧ジェット断面を形成することも可能である。
【0156】
図24(a)および
図24(b)は、それぞれ、非常に簡素化された形態で塗布装置8(9)を示す。それぞれの塗布装置8(9)は、一つのレベルに複数のコーティング剤ノズルを有する。
【0157】
図25(a)および
図25(b)は、それぞれ、非常に簡素化された形態で別の塗布装置8(9)を示す。それぞれの塗布装置8(9)は、ギャップノズルまたはスリットノズルを有する。
【0158】
図26(a)および
図26(b)は、それぞれ、非常に簡素化された形態で、さらに別の塗布装置8(9)を示す。それぞれの塗布装置8(9)は、円形ノズルまたは円錐ノズルを有する。
【0159】
図24(a)、
図25(a)および
図26(a)に示される塗布装置に関しては、コーティング剤またはコーティング剤ジェット85に対する振動および/または不安定性の印加がなく、そのため、コーティング剤ジェット85が細かく砕けて滴にならない。
【0160】
他方、
図24(b)、
図25(b)および
図26(b)に示される塗布装置に関しては、コーティング剤またはコーティング剤ジェット86に対する振動および/または不安定性の印加があり、そのため、コーティング剤ジェット86が細かく砕けて滴になる。
図25(b)および
図26(b)においては、図示されるより顕著な滴ジェット86が現実にあるはずだが、もはや目に見えないだろうから無視されていた。
【0161】
図27A、
図27Bおよび
図27Cは、具体的には、ノズルプレート用の保持要素、および/または、複数のコーティング剤ノズルの領域におけるさまざまな塗布装置の断面の模式図を示す。保持要素89、および、保持要素89に向けて開口しているコーティング剤供給部87が具体的に示され得る。1つ以上のコーティング剤ノズルにコーティング剤を供給するために、コーティング剤供給部87は、好ましくは、コーティング剤の流れの方向に向けて(
図27Aにおける矢印を参照)、または、少なくとも1つのコーティング剤ノズルに向けて拡がる。
【0162】
図27Bおよび
図27Cに示されるように、塗布装置は、少なくとも1本の脱気出口パイプおよび/または戻りライン接続部または脱気開口部88を有し得る。
図27Bにおける脱気出口パイプまたは戻りライン接続部88が、コーティング剤供給部87上に、または、少なくともこれと隣接して配置される一方、
図27Cにおいては、脱気出口パイプまたは戻りライン接続部88は、コーティング剤ノズルに隣接して、または、保持要素に隣接して、または、保持要素上に配置され得る。
【0163】
既に上述された
図28は、複数の最初はコヒーレントなコーティング剤ジェット70’を生成する塗布装置8(9)を示し、それらは、振動発生器SEまたはSE’によって生成される振動および/または不安定性によって細かく砕けて滴になる。さらに、
図28に示される塗布装置8は、高電圧をチャージする静電コーティング剤用のシステム、好ましくは、(排出される)コーティング剤の外部チャージ用の静電コーティング剤チャージシステムAAを備える。コーティング剤チャージシステムAAは、複数のフィンガー電極または電極リングを備え得て、そこに多数の電極が組み込まれる。フィンガー電極、電極リング、および/または、電極Eは、好ましくは塗布装置8の筐体の外側に配置され、具体的には、少なくとも1つのコーティング剤ノズルから排出されるコーティング剤にチャージするために、電極Eは塗布装置8の周囲に等間隔をおいて配置される。
【0164】
(まだ排出されていない)コーティング剤の、直接チャージ用の静電式コーティング剤チャージシステムDAが設けられることも可能であり、それは参照符号DAがつけられた破線の矩形によって
図28において示される。そうすることで、まだ排出されていないコーティング剤は、塗布装置8の内側で一体化された、チャージされるべき少なくとも1つの電極を通過する。大きくなった離隔、向上したコーティング剤の歩留まり、および/または、向上した塗布効率を実現するために、コーティング剤チャージシステムAA、DAが構成され、配置される。
【0165】
図29は、お互いから完全に離隔され、そのそれぞれの塗料変換器A、Bをそれぞれ伴う複数の、好ましくは2本のコーティング剤供給ラインを有する複数の、好ましくは3つの塗布装置8を示し、一つの塗料変換器または一つのコーティング剤供給ラインがコーティング剤を塗布装置8に導く間に、もう一つの塗料変換器またはもう一つのコーティング剤供給ラインが準備され得る。それゆえに、第一の塗料変換器Aを介して、または、第二の塗料変換器Bを介してのどちらかで、それが塗布される。戻りラインRFA、RFBは、塗布装置8と、それぞれの塗料変換器A、Bとの間のコーティング剤供給ラインにそれぞれ取り付けられ得る。
【0166】
図30は、お互いから完全に離隔され、そのそれぞれの塗料変換器A、Bをそれぞれ伴う2つのコーティング剤供給ラインを有する塗布装置8を示し、一つの塗料変換器または一つのコーティング剤供給ラインがコーティング剤を塗布装置8に導く間に、もう一つの塗料変換器またはもう一つのコーティング剤供給ラインが準備され得る。戻りラインRFA、RFBは、塗布装置8と、それぞれの塗料変換器A、Bとの間のコーティング剤供給ラインにそれぞれ取り付けられ得る。また、ここで、第一の塗料変換器A、または、第二の塗料変換器Bのどちらかを介して、それが塗布される。
【0167】
図31は、2本の離隔されたコーティング剤供給ラインと、一体化された切り替え装置と、を示し、その切り替え装置は、多数のコーティング剤供給ラインのどちらか、および/または、コーティング剤がその後で排出される多数の塗料変換器A、Bのどちらかを設定する。2本のコーティング剤供給ラインはお互いから完全に離隔され、塗布装置8に向けて開口し、それぞれが塗料変換器A、Bを有する。
図29および
図30に係る例示的態様と同様に、ここにおいても、それぞれの塗料変換器A、Bと、塗布装置8との間に戻りラインRFA、RFBを設けることが可能であり、また、ここにおいても、第一の塗料変換器A、または、第二の塗料変換器Bのどちらかを介して、それが塗布される。
【0168】
上述された好ましい例示的態様は必要に応じてお互いに組み合わせられ得る。本発明は上述の好ましい例示的態様に限定されるものではなく、むしろ複数の変形や改良が可能であり、それもまた本発明の概念を用いるものであり、それゆえに、保護の範疇に入る。具体的には、本発明は、独立項の主題が参照するものとは独立する従属項の主題に対しても保護を主張する。
【0169】
(付記)
(1)コーティング剤を用いて構成部品をコーティングする、具体的には、塗料を用いて車両部品、および/または、車両付属品を塗装するコーティング機器であって、
少なくとも1つのコーティング剤ノズル(16.1〜16.6、29、36)から前記コーティング剤を排出する少なくとも1つの塗布装置(8、9)を備え、
前記コーティング剤および/または少なくとも1つのコーティング剤ジェット(70’)が細かく砕けて滴(70)になることが可能となるために、前記塗布装置(8、9)が、前記コーティング剤および/または前記少なくとも1つのコーティング剤ジェットに振動を印加するように設けられた、
ことを特徴とするコーティング機器。
(2)前記塗布装置(8、9)が、前記コーティング剤ノズルと前記構成部品との間で細かく砕けて滴(70)になる少なくとも1つのコヒーレントなコーティング剤ジェット(70’)を排出するように設けられた、
ことを特徴とする付記(1)に記載のコーティング機器。
(3)前記少なくとも1つのコーティング剤ジェットが、本質的には一次元のジェット、本質的には平面的なジェット、液体シート、または、中空の円筒ジェットである、
ことを特徴とする付記(1)または(2)に記載のコーティング機器。
(4)前記塗布装置(8、9)が、その内側において混合器(31)に取り付けられた、
ことを特徴とする付記(1)乃至(3)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(5)前記塗布装置(8、9)が、
具体的には、
前記塗布装置(8、9)の筐体を介して、および/または、
前記少なくとも1つのコーティング剤ノズルを有する保持要素および/または前記コーティング剤ノズルを介して、
前記コーティング剤および/または前記コーティング剤ジェット(70’)に振動を印加するように設けられた振動発生器(SE、SE’)を備える、
ことを特徴とする付記(1)乃至(4)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(6)ピエゾ素子によって前記振動が発生可能である、
ことを特徴とする付記(1)乃至(5)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(7)前記塗布装置(8、9)が、
本質的には同一の直径である滴(70)を生成するように、または、
ある滴サイズの所定の混合物を生成するように、
設けられた、
ことを特徴とする付記(1)乃至(6)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(8)前記少なくとも1つのコーティング剤ノズルが、本質的には円形またはスリット状であり、
約5μmから約300μmの間、
約10μmから約150μmの間、
約10μmから約80μmの間、
の直径またはスリット幅を有する、
ことを特徴とする付記(1)乃至(7)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(9)前記塗布装置(8、9)が、具体的には行と列の行列の形態で、複数のノズル列(28.1〜28.4)に配置された複数のコーティング剤ノズル(29)を有する、
ことを特徴とする付記(1)乃至(8)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(10)前記構成部品に対して前記塗布装置(8、9)を移動させるために、多軸コーティングロボットまたはマシン、具体的にはルーフマシンおよび/または側方マシンが設けられ、および/または、
前記塗布装置(8、9)に対して前記構成部品を移動させるために、多軸ハンドリングロボットおよび/またはコンベア通路が設けられた、
ことを特徴とする付記(1)乃至(9)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(11)前記塗布装置(8、9)が、
複数のコーティング剤ノズルをそれぞれ伴う、少なくとも1つのコーティング剤ノズル配置または複数のコーティング剤ノズル配置(BA1、BA2、BA3)、および/または、
お互いに独立して作動し得て、かつ、お互いに独立してコーティング剤が供給され得る、少なくとも2つのコーティング剤ノズル配置(BA1、BA2、BA3)、および/または、
異なるレベルに配置された少なくとも2つのコーティング剤ノズル配置、および/または、
前記塗布装置(8、9)を再配置することなく前記構成部品をコーティングすることを可能にするために、本質的には前記構成部品と相互補完的である外形を有する少なくとも2つのコーティング剤ノズル配置、および/または、
少なくとも1つの軸において、お互いに相対的に回転し得る少なくとも2つのコーティング剤ノズル配置、
を備える、
ことを特徴とする付記(1)乃至(10)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(12)お互いに独立して作動し得る少なくとも3つのコーティング剤ノズル配置(BA1、BA2、BA3)が設けられ、外側の前記コーティング剤ノズル配置(BA1、BA3)が、重ね合わせが最適化された層厚さ分布を生み出すように設けられ、かつ、内側の前記コーティング剤ノズル配置が本質的には均質な層厚さ分布を生み出すように設けられ、および/または、
鋭角なコーティングを可能にするために、少なくとも1つの外側のコーティング剤ノズル配置(BA1、BA3)がスイッチオフされ得る、
ことを特徴とする付記(1)乃至(11)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(13)前記コーティング剤が前記塗布装置(8、9)および/または前記構成部品にフィードされる前記コーティング剤の圧力および/または前記投入圧力がコントロール可能である、
ことを特徴とする付記(1)乃至(12)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(14)以下のパラメータ
前記コーティング剤の排出速度、
前記振動の振幅、
前記振動の周波数、
のうち少なくとも1つが調節可能である、
ことを特徴とする付記(1)乃至(13)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(15)コーティング剤ジェットからの前記コーティング剤の滴が、前記構成部品への途中で凝集しない、または、
第一のコーティング剤ジェットからの前記コーティング剤の滴が、別の第二のコーティング剤ジェットからのコーティング剤の滴と凝集しない、
ことを特徴とする付記(1)乃至(14)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(16)前記コーティング剤ノズルおよび/または前記コーティング剤ノズル配置(BA1、BA2、BA3)が保持要素の上に配置され、かつ、好ましくは、前記保持要素が、素早く交換できる機器によって、交換可能に前記塗布装置(8、9)に固定された、
ことを特徴とする付記(1)乃至(15)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(17)前記コーティング機器が以下の構成部品のうち少なくとも1つを備え、および/または、前記塗布装置(8、9)が以下の構成部品
少なくとも1つの投入装置、好ましくは少なくとも1つの投入ポンプまたは少なくとも1つの投入ピストン、
少なくとも1つの塗料変換器、
二成分塗料もしくは多成分塗料または異なるコーティング剤用の少なくとも1つの混合器、
のうち少なくとも1つと動作可能なように接続され、または、動作可能なように接続可能である、
ことを特徴とする付記(1)乃至(16)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(18)前記塗布装置(8、9)が、
排出された前記コーティング剤が被覆され得る、空気または他の気体からなる被覆フローを排出するように設けられた少なくとも1つの被覆フローノズルを有し、および/または、
排出された前記コーティング剤が影響を受け得る、空気または他の気体からなるガイド空気フローを排出するように設けられた少なくとも1つのガイド空気フローノズルを有し、および/または、
少なくとも1つのコーティング剤ノズルおよび/またはコーティング剤ノズル配置の周囲にある1つ以上のリングまたは部分リングに配置された複数の被覆フローノズルおよび/またはガイド空気フローノズルを有し、および/または、
前記コーティング剤ノズル配置の少なくとも一方または全面に沿って本質的には直線配置に延びる複数の被覆フローノズルおよび/またはガイド空気フローノズルを有する、
ことを特徴とする付記(1)乃至(17)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(19)第一の振動発生器(SE、SE’)が、少なくとも第一のコーティング剤ノズルおよび/またはコーティング剤ノズル配置用の前記コーティング剤に対する印加のために設けられ、
別の第二の振動発生器(SE、SE’)が、少なくとも1つの他のコーティング剤ノズルおよび/または別のコーティング剤ノズル配置用の前記コーティング剤に対する印加のために設けられた、
ことを特徴とする付記(5)乃至(18)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(20)前記コーティング剤が、自動車塗料、基礎塗料、クリア塗料、効果塗料、雲母塗料、金属塗料、水性塗料または溶剤型塗料であり、かつ、好ましくは、前記固体の塗料粒子が、約4μm、5μmまたは6μmよりも大きな粒子サイズを有する、
ことを特徴とする付記(1)乃至(19)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(21)前記塗布装置(8、9)が、少なくとも、1m
2/分、2m
2/分、3m
2/分、4m
2/分または5m
2/分の表面コーティング性能を実現し、および/または、
前記塗布装置(8、9)が、少なくとも、50ml/分、100ml/分、150ml/分、200ml/分、300ml/分、400ml/分または500ml/分の表面コーティング排出を実現する、
ことを特徴とする付記(1)乃至(20)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(22)前記塗布装置(8、9)が、その出口側で前記塗布装置(8、9)に接続され、かつ、その入口側で個々のコーティング剤が供給され得る少なくとも1つの塗料変換器(13)に割り当てられ、前記塗料変換器(13)が前記コーティング剤のうち1つを選択し、選択された前記コーティング剤を前記塗布装置(8、9)に供給し得る、および/または、
フラッシング剤/溶媒、および/または、パルス状空気によって前記塗布装置(8、9)を清掃することを可能にするために、前記塗料変換器(13)がフラッシング/溶媒接続部、および/または、パルス状空気接続部を有し、および/または、
前記塗料変換器が、直線運動または回転運動を経て、それぞれの前記コーティング剤フィードラインにドッキングされ得るドッキング塗料変換器である、
ことを特徴とする付記(1)乃至(21)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(23)個々の前記ノズル列(28.1〜28.4)の前記コーティング剤ノズル(29)および/または前記塗布装置(8、9)が、共通して塗料変換器(30)によってフィードされる、
ことを特徴とする付記(1)乃至(22)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(24)個々の前記ノズル列(28.1〜28.4)の前記コーティング剤ノズル(29)が、塗布される前記コーティング剤が供給され得るコーティング剤供給ライン(31)に共通して接続され、および/または、
共通の前記コーティング剤供給ライン(31)が、塗料変換器および/または混合器によって供給され得る、
ことを特徴とする付記(1)乃至(23)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(25)それぞれが塗料変換器または投入装置に割り当てられる複数の離隔されたコーティング剤フィードラインによって供給され得る少なくとも1つの塗布装置が設けられ、および/または、
前記コーティング剤が送られるのは、複数の前記コーティング剤フィードラインのどちらかからか、および/または、複数の前記塗料変換器のどちらかからかを設定するために、少なくとも1つの塗布装置が、一体化された切り替えモジュールを備える、
ことを特徴とする付記(1)乃至(24)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(26)前記塗布効率および/または前記コーティング剤の歩留まりを向上させるための静電式コーティング剤チャージシステム、具体的には外部チャージシステム(AA)および/または直接チャージシステム(DA)が設けられ、好ましくは、前記外部チャージシステム(AA)が複数の外部電極(E)を備え、および/または、前記直接チャージシステム(DA)が1つ以上の内部電極を備える、
ことを特徴とする付記(1)乃至(25)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(27)少なくとも1つの前記コーティング剤ノズル、具体的にはその長軸部位または断面部位が、
円筒形状である、または、
膨らみ部の間に狭窄部(81)を伴う少なくとも2つの膨らみ部(82)を備え、または、
円筒状の出口を有しつつ、円錐状に次第に幅が狭くなり、または、
円筒状の入口を有しつつ、円錐状に次第に幅が広くなり、または、
ラバルノズルまたはベンチュリノズルである、
ことを特徴とする付記(1)乃至(26)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(28)前記塗布装置(8、9)が、コーティング剤、パルス状空気および/またはフラッシング剤/洗浄剤用の少なくとも1つの戻りラインを備え、好ましくは、コーティング剤、パルス状空気および/またはフラッシング剤/洗浄剤用の脱気開口部および/または戻りラインが、前記コーティング剤ノズルおよび/または前記保持要素用の前記コーティング剤フィード部に配置された、
ことを特徴とする付記(1)乃至(27)のいずれか1に記載のコーティング機器。
(29)コーティング剤を用いて構成部品をコーティングする、具体的には、塗料を用いて車両部品および/または付属品を塗装するコーティング方法であって、
好ましくは付記(1)乃至(28)のいずれか1に記載のコーティング機器を用い、
少なくとも1つの塗布装置(8、9)が前記コーティング剤を少なくとも1つのコーティング剤ノズル(16.1〜16.6、29、36)から排出し、
前記コーティング剤および/または少なくとも1つのコーティング剤ジェット(70’)が細かく砕けて滴(70)になることを可能にするために、前記塗布装置(8、9)が、前記コーティング剤および/または前記少なくとも1つのコーティング剤ジェットに振動を印加する、
ことを特徴とするコーティング方法。
(30)前記塗布装置(8、9)が、前記コーティング剤ノズルと前記構成部品との間で細かく砕けて滴(70)になる少なくとも1つのコヒーレントなコーティング剤ジェット(70’)を排出する、
ことを特徴とする付記(29)に記載のコーティング方法。
(31)少なくとも1つの振動発生器(SE、SE’)が、
前記塗布装置(8、9)の前記筐体を介して、および/または、
前記コーティング剤ノズルを有する前記保持要素を介して、
前記コーティング剤および/または前記少なくとも1つのコーティング剤ジェット(70’)に振動を印加する、
ことを特徴とする付記(29)または(30)に記載のコーティング方法。
(32)前記振動がピエゾ素子によって生成される、
ことを特徴とする付記(29)乃至(31)のいずれか1に記載のコーティング方法。
(33)前記塗布装置(8、9)が本質的には同一の直径を有する滴(70)を生成し、または、
ある滴のサイズの所定の混合物を生成する、
ことを特徴とする付記(29)乃至(32)のいずれか1に記載のコーティング方法。
(34)付記(1)乃至(28)のいずれか1に記載のコーティング機器を備える塗装キャビン。
(35)前記塗装キャビンが排出システムを有しない、
ことを特徴とする付記(34)に記載の塗装キャビン。