特許第6231601号(P6231601)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビステオン グローバル テクノロジーズ インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許6231601-ジェスチャー認識入力の取得 図000002
  • 特許6231601-ジェスチャー認識入力の取得 図000003
  • 特許6231601-ジェスチャー認識入力の取得 図000004
  • 特許6231601-ジェスチャー認識入力の取得 図000005
  • 特許6231601-ジェスチャー認識入力の取得 図000006
  • 特許6231601-ジェスチャー認識入力の取得 図000007
  • 特許6231601-ジェスチャー認識入力の取得 図000008
  • 特許6231601-ジェスチャー認識入力の取得 図000009
  • 特許6231601-ジェスチャー認識入力の取得 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231601
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】ジェスチャー認識入力の取得
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/042 20060101AFI20171106BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   G06F3/042 460
   G06F3/041 595
【請求項の数】16
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-58368(P2016-58368)
(22)【出願日】2016年3月23日
(65)【公開番号】特開2016-181259(P2016-181259A)
(43)【公開日】2016年10月13日
【審査請求日】2016年3月23日
(31)【優先権主張番号】14/665,822
(32)【優先日】2015年3月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505450755
【氏名又は名称】ビステオン グローバル テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド ポール ラス
(72)【発明者】
【氏名】マシュー マーク ミコライチャク
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ ジョセフ コーナッキー
【審査官】 萩島 豪
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−518228(JP,A)
【文献】 特開2009−042796(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0084939(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0104860(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041 − 3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジェスチャー認識入力を取得するシステムであって、
命令群をジェスチャー認識取得装置に送信して、複数のLED及び複数の赤外線(IR)センサをパルス駆動する発光ダイオード(LED)サイクラーと、
前記複数のIRセンサで生成される複数のデータセットを前記ジェスチャー認識取得装置から受信する光検出器と、
前記複数のデータセットに基づく情報を受信する信号検出器と、
受信した前記情報を出力装置に送信するコマンド通信装置と、
を備え、
前記複数のLEDは、所定の集合パターンに分割され、前記LEDサイクラーは、前記複数のLEDを前記所定の集合パターンに従って点灯させることにより、前記複数のLEDを循環点灯させるように構成され、
前記所定の集合パターンは、互いに隣接して配置された2以上のLEDによって構成され、
前記ジェスチャー認識取得装置は、平面形状を有し、前記複数のIRセンサは、前記平面のほぼ中央に配置され、前記複数のLEDは、前記複数のIRセンサの周りに配置される、システム。
【請求項2】
更に、以前のデータセットと前記複数のデータセットとの間に差があるかどうかについて判断する変化検出器を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記情報はプロファイルデータであり、前記プロファイルデータは前記ジェスチャー認識取得装置上の被写体のデジタル表示である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記情報は、前記ジェスチャー認識取得装置上の被写体の姿勢に関連する特定のコマンドデータである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロファイルデータはデジタルディスプレイにレンダリングされる、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記特定のコマンドデータを用いて電子システムとのインターフェースを提供する、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記LEDサイクラーは、所定の時間が経過すると、前記複数のLEDを再び循環点灯させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
ジェスチャー認識入力装置を制御する方法であって:
1個よりも多くの発光ダイオード(LED)からなるグループであるLED集合体を点灯させ;
複数の赤外線(IR)センサを用いて、点灯された前記LED集合体に基づきIRセンサ検出を実行して、複数のデータセットのうちの少なくとも1つを生成し;
前記LED集合体を更に繰り返し点灯させるかどうかについて判断し、前記LED集合体を更に繰り返し点灯させないと判断すると、所定の時間長が経過するのを待機して、前記LED集合体を点灯させる操作に戻って前記LED集合体を第1LED集合体に設定し;
前記LED集合体を更に繰り返し点灯させると判断すると、前記LED集合体の増減指標であるステップカウントを1だけ増やす操作を繰り返し;
前記LED集合体を点灯させる操作に戻り、
前記LED集合体は、互いに隣接して配置された2以上のLEDによって構成され、
前記ジェスチャー認識入力装置は、平面形状を有し、前記複数のIRセンサは、前記平面のほぼ中央に配置され、前記LED集合体は、前記複数のIRセンサの周りに配置される、方法。
【請求項9】
更に、前記複数のデータセットを処理する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記複数のデータセットに対する処理では:
前記複数のデータセットを受信し;
受信した前記複数のデータセットに基づき対応情報を取り出し;
前記対応情報を出力装置に送信する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記対応情報は、ジェスチャー認識入力装置上の被写体に関連するジェスチャーに対応する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記対応情報は、前記ジェスチャー認識入力装置上の被写体に関連する位置に対応する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記対応情報は、前記ジェスチャー認識入力装置上の被写体に関連するジェスチャー及び位置に対応する、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
更に、受信した前記複数のデータセットが、以前に受信した複数のデータセットと異なっているかどうかについて判断する、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
電子システムとのインターフェースを提供するジェスチャー認識入力装置であって、
複数の発光ダイオード(LED)と;
複数の赤外線(IR)センサと、を備え、
前記複数のLEDを所定のパターンで点灯/消灯させ、前記複数のIRセンサは情報を収集し、収集された前記情報を用いて、前記電子システムに対するジェスチャー認識制御を行ない、
前記複数のLEDは、所定の集合パターンに分割され、この所定の集合パターンに従って点灯されることにより循環点灯され、
前記所定の集合パターンは、互いに隣接して配置された2以上のLEDによって構成され、
前記ジェスチャー認識入力装置は、平面形状を有し、前記複数のIRセンサは、前記平面のほぼ中央に配置され、前記複数のLEDは、前記複数のIRセンサの周りに配置される、ジェスチャー認識入力装置。
【請求項16】
前記所定のパターンは、前記ジェスチャー認識入力装置の開発者により設定可能である、請求項15に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジェスチャー認識入力(gesture-based inputs)の取得に関する。
【背景技術】
【0002】
インターフェースは本質的に、一層複雑になり、かつ一層二面性を持つようになっている。システムと対話する複数の方法を提供することがごく当たり前になっている。従って、システムのユーザは、システムを操作する第1の方法または第2の方法の選り好みをする可能性がある。特定の例では、移行を第1の方法と第2の方法との間で行なうためには、トグルスイッチが必要になる。他の例では、第1の方法及び第2の方法の両方をユーザが同時に利用する可能性もある。
【0003】
1つのこのような入力方法が、ジェスチャー認識入力である。ジェスチャー認識入力により、動きを身体の一部(普通、手)のような手の振りから検出することができ、検出された動き、またはジェスチャーに基づいて、コマンドが開始される。これらのジェスチャー認識入力では、ユーザがタッチ面、パッド、またはデバイスに触れる必要がない。
【0004】
ジェスチャーは、ビデオカメラまたはモーション検出器で撮像される。従って、ビデオカメラで動きを撮像し、この動きを格納コマンドセンター(すなわち、プロセッサ及び記憶装置)に関連付け、そしてこの動きを操作に変換する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のジェスチャー認識入力システムは、画像/動画撮像方法を用いる。従来のジェスチャー認識システムに消費される処理量により、利用可能な処理能力及び記憶容量に負担が掛かる虞がある。画像またはリアルタイム動画は保存され、かつ処理されるので、高い処理能力を持つプロセッサ、及びデジタル記憶容量が必要となる。このように、従来のジェスチャー認識入力システムは、リソースを多量に消費すると同時に、実装するためのコストが高くなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下の説明は、ジェスチャー認識入力の取得に関するものである。例示的な実施形態は更に、システム、無線充電装置、ディスプレイ、またはこれらの組み合わせのいずれかに関するものである。
【0007】
本発明の更に別の特徴は、以下の説明に開示され、これらの特徴の一部は、この説明から明らかになる、または本発明を実施することにより認識することができる。
【0008】
ジェスチャー認識入力を取得するシステムが本明細書に組み込まれる。前記システムは、命令群をジェスチャー認識取得装置に送信して複数のLED及び複数の赤外線(IR)センサをパルス駆動する発光ダイオード(LED)サイクラー(cycler)と;前記複数のIRセンサで生成される複数のデータセットをジェスチャー認識取得装置から受信する光検出器と;前記複数のデータセットを利用した情報を受信する信号検出器と;受信した前記情報を出力装置に送信するコマンド通信装置と、を含む。
【0009】
ジェスチャー認識入力装置を制御する方法が本明細書に組み込まれる。前記方法では、発光ダイオード群(LED群)からなり、かつ1個よりも多くのLEDからなるLEDグループであるLED集合体を点灯させ;赤外線(IR)センサ検出を、前記LED集合体を点灯させることにより実行して、複数のデータセットの少なくとも1つのデータセットを生成し;LED集合体を更に繰り返し点灯させるかどうかについて判断し、LED集合体を更に繰り返し点灯させないと判断すると、所定の時間長が経過するのを待機して、前記LED集合体を点灯させる操作に戻って、前記LED集合体を第1LED集合体に設定し;LED集合体を更に繰り返し点灯させると判断すると、前記LED集合体の増減指標であるステップカウントを1だけ増やす操作を繰り返し、そして前記LED集合体を点灯させる操作に戻る。
【0010】
電子システムとのインターフェースを提供するジェスチャー認識入力装置が本明細書に組み込まれる。前記装置は、複数の発光ダイオード(LED群)と;複数の赤外線(IR)センサと、を含む。更に、前記複数のLEDを所定のパターンで点灯/消灯させ、前記複数のIRセンサは情報を収集し、前記収集情報を用いて、前記電子システムに対するジェスチャー認識制御を行なう。
【0011】
これまでの概要説明、及び以下の詳細な説明は共に、例示的かつ説明的であり、本発明についての更なる説明を請求内容通りに行なうために用いられることを理解されたい。他の特徴及び態様は、以下の詳細な説明、図面、及び請求項から明らかになる。
【0012】
詳細な説明では、以下の図面が参照され、これらの図面では、同様の参照番号は同様にアイテムを指している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】例示的なコンピュータを示すブロック図である。
図2】本明細書において開示される種々態様によるジェスチャー認識入力を取得するシステムの一例を示している。
図3A】本明細書において開示される種々態様によるジェスチャー認識入力装置の例示的な実施形態を示している。
図3B】本明細書において開示される種々態様によるジェスチャー認識入力装置の例示的な実施形態を示している。
図4】本明細書において開示される種々態様によるジェスチャー認識入力システムを制御する方法400の一例を示している。
図5】本明細書において開示される種々態様による光センサデータを処理する方法の一例を示している。
図6A】本明細書において開示される種々態様による図2に図示されるシステムの1つの実施形態の例を示している。
図6B】本明細書において開示される種々態様による図2に図示されるシステムの1つの実施形態の例を示している。
図6C】本明細書において開示される種々態様による図2に図示されるシステムの1つの実施形態の例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、添付の図面を参照しながら以下に更に完全な形で説明され、これらの図面では、本発明の例示的な種々実施形態が図示されている。しかしながら、本発明は、多くの異なる構成で具体化することができるので、本明細書において開示される種々実施形態に限定されるものと解釈されてはならない。限定されるのではなく、これらの例示的な実施形態は、本開示が包括的なものとなって、本発明の範囲をこの技術分野の当業者に全て伝えるように提供される。本開示の目的のために、“at least one of each”とは、該当する表現に続いて列挙される構成要素群の任意の組み合わせが、列挙される複数の構成要素の組み合わせを含むことを意味する。例えば、“at least one of X, Y, and Z”とは、Xのみ、Yのみ、Zのみを意味するか、または2つ以上のアイテムX、Y、及びZの任意の組み合わせを意味すると解釈されることになる(例えば、XYZ、XZ、YZ、X)。これらの図面、及び詳細な説明の全体を通じて、異なることが記載されていない限り、同じ図面参照番号は、同じ構成要素群、特徴群、及び構造群を指していると理解される。これらの構成要素の相対的サイズ及び表示は、明瞭性、図示性、及び簡便性のために誇張されている可能性がある。
【0015】
ジェスチャー認識入力システム、及びジェスチャーを認識する入力装置は、種々の入力関連操作に用いることができる。四肢、例えば手は、振る、または動かすことができ、手の振り、または手の動きを特定の操作またはコマンドに対応付ける。操作またはコマンドは、プロセッサまたは計算装置により解釈されて、促される操作に対応付けることができる。
【0016】
例えば、手を1つの位置から別の位置に動かすと、ポインタの動きをデジタルディスプレイ上で模擬することができる。更に、手の形を変えて、コマンドまたは他の操作を表わすことができる。例えば、ポインタの場合、手を閉じると、ポインタの現在位置に関連するアイコンを実行することができる。ジェスチャー認識制御装置が公知であるので、詳細な説明は省略する。
【0017】
しかしながら、背景技術の節で説明したように、従来のジェスチャー認識入力/制御装置またはジェスチャー認識入力/制御システムは、画像撮像装置または動画撮像装置を用いている。これらの装置を実装すると、コストが高くなる、かつ/またはリソースを多量に消費する(すなわち、プロセッサの処理能力の大部分を消費する)可能性がある。従って、実装すると、少なくとも上に列挙した理由から不満が生じる。
【0018】
本明細書において開示されるのは、発光ダイオード(LED)及び光センサを利用するジェスチャー認識入力システム、方法、または装置である。本明細書において開示される考え方を用いて、実装されるジェスチャー認識入力システムを簡略化することができ、コスト面で低減することができ、そしてジェスチャー認識入力システムによって、正確なジェスチャー検出を更に効果的に実現する。
【0019】
本明細書において開示される種々態様は、入力インターフェースを用いる、または利用するいずれの場所でも、またはいずれの状況でも採用することができる。本明細書において提供されるインターフェースは、スタンドアローンの機器として提供することができ、既存の電子システムに組み込むことができる、または新規設計電子システム内に設けることができる。
【0020】
図1は、例示的なコンピュータ100を示すブロック図である。コンピュータ100は、チップセット104に接続される少なくとも1つのプロセッサ102を含む。チップセット104は、メモリコントローラハブ120と、入力/出力(I/O)コントローラハブ122と、を含む。メモリ106及びグラフィックスアダプター112はメモリコントローラハブ120に接続され、ディスプレイ118はグラフィックスアダプター112に接続される。記憶装置108、キーボード110、ポインティングデバイス114、及びネットワークアダプター116は、I/Oコントローラハブ122に接続される。コンピュータ100の他の実施形態は、異なるアーキテクチャを有することができる。
【0021】
記憶装置108は、ハードドライブ、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD−ROM)、DVD、または固体メモリ装置のような非一時的なコンピュータ可読記憶媒体である。メモリ106は、プロセッサ102が使用する命令群及びデータを保持する。ポインティングデバイス114は、マウス、トラックボール、または他の種類のポインティングデバイスであり、キーボード110と組み合わせて使用されてデータをコンピュータ100に入力する。ポインティングデバイス114は更に、ゲームシステム制御装置とすることができる、またはゲームシステムを制御するために使用されるいずれかの種類のデバイスとすることができる。例えば、ポインティングデバイス114は、生体認証走査を用いて特定ユーザを検出する動画撮像装置または画像撮像装置に接続することができる。特定ユーザは、モーションまたはジェスチャーを行なってポインティングデバイス114に指示することにより、コンピュータ100の種々の形態を制御することができる。
【0022】
グラフィックスアダプター112は、画像及び他の情報をディスプレイ118に表示する。ネットワークアダプター116は、コンピュータシステム100を1つ以上のコンピュータネットワークに接続する。
【0023】
コンピュータ100は、コンピュータプログラムモジュール群を実行して、本明細書において説明される機能を実現するように適合させる。本明細書において使用されるように、“module”という用語は、指定される機能を実現するために使用されるコンピュータプログラムロジックを指す。従って、モジュールは、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアで実行することができる。1つの実施形態では、プログラムモジュール群は、記憶装置108に格納され、メモリ106に読み込まれ、そしてプロセッサ102で実行される。
【0024】
本明細書において開示されるエンティティ及びプロセスが使用するコンピュータの種類は、エンティティが要求する実施形態及び処理能力によって変わり得る。コンピュータ100は、移動体装置、タブレット、スマートフォン、または上に挙げた構成要素群を有するいずれかの種類の計算装置とすることができる。例えば、ハードディスク、固体メモリ、または記憶装置のようなデータ記憶装置は、複数のブレードサーバを備える分散データベースシステムに格納することができ、これらのブレードサーバは、一体となって動作して本明細書において記載される機能を実現する。これらのコンピュータからは、上に記載したコンポーネント群のうちの幾つかのコンポーネントを削除することができ、幾つかのコンポーネントとして、キーボード110、グラフィックスアダプター112、及びディスプレイ118を挙げることができる。
【0025】
コンピュータ100は、本明細書において開示されるコンテンツ共有サービスを提供するサーバ(図示せず)として機能することができる。コンピュータ100は、他のコンピュータ100のデバイス群とのクラスタリングを行なってサーバを構成することができる。サーバを構成する種々のコンピュータ100のデバイス群は、互いにネットワークを介して通信することができる。
【0026】
図2は、ジェスチャー認識入力を取得するシステム200を示している。システム200は、上に説明したコンピュータ100のようなデバイス上で実現することができる。システム200は、発光ダイオード(LED)サイクラー210と、光検出インターフェース220と、変化検出器230と、信号検出器240と、そしてコマンド通信装置250と、を含む。
【0027】
システム200は、ジェスチャー認識入力装置260(このジェスチャー認識入力装置は図3A図3Cに更に詳細に図示されている)、永続ストア205、及び出力装置のような図2に示す他の構成要素群に有線接続されるか、または無線接続される。出力装置は、ディスプレイ280または電子システム270の一方または両方を含むことができる。永続ストア205は、記憶装置108に関して上に列挙した記憶装置群のいずれかの記憶装置とすることができる。
【0028】
LEDサイクラー210は、LED制御データ211をジェスチャー認識インターフェース装置260に送信する。LED制御データ211は、ジェスチャー認識インターフェース装置260に格納されているLED群のうちのいずれのLEDを点灯させるべきかに関する情報を含む。例えば、ジェスチャー認識インターフェース装置260は、LED群からなるLEDパターン(図3A図3Cに示すような)を含むことができる。LED制御データ211により、LED群からなるLED集合体を所定の時間長で点灯させることができる。本開示において記載される方法に説明されているように、ジェスチャー認識インターフェース装置260に格納されている複数のLEDは、異なる個数、または同じ個数の個々のLEDを含む特定の個数のLED集合体が点灯するように点灯パターンにて循環点灯させることができる。
【0029】
LED制御データ211によって更に、ジェスチャー認識インターフェース装置260に格納されている赤外線(IR)光センサ群からなる光センサ集合体を作動させることができる。IR光センサ群が作動すると、光検出データ221が更に生成される。光検出データ221を1つしか図示していないが、LED群が点灯状態になって循環点灯するたびに個々のデータセットを生成することができる。循環点灯させる点灯期間とは、一連のLEDまたは複数のLED(すなわち、LED集合体)が同時に点灯する期間として定義される。従って、以下に更に説明されるように、LED群からなるLED集合体が作動するか、または点灯すると、これらのIRセンサを更に作動させて、被写体(すなわち、四肢または手)による反射に由来する検出光を検出するために用いることができる。
【0030】
光検出器220は、光検出データ221をジェスチャー認識インターフェース装置260から受信する。上に説明したように、データ221は、LEDサイクラー210を作動させるたびにそれぞれ受信することができる。例えば、ジェスチャー認識インターフェース装置260が、24個のLEDを格納している場合、1つのLED集合体は、3個のLEDを含むことができる。従って、LEDサイクラー210は、LED群の全てを、8種類の異なる点灯期間で循環点灯させることができる。このようにして、光検出データ221について8種類の異なるデータセットが存在することになる。これらの異なるデータセットを互いに重畳させて、全ての相対発光度データをジェスチャー認識入力装置260について生成することができる。
【0031】
このようにして、手または四肢のような被写体(object)をジェスチャー認識インターフェース装置260の上に載置することにより、光検出データ221の異なる読み取り値を、被写体の位置、及びジェスチャー認識入力装置260からの被写体の相対距離に基づいて生成することができる。これは、ジェスチャー認識入力装置260上に設けられるLED群から光が被写体に照射されて反射され、次にこの反射光が種々のセンサによって検出されるからである。
【0032】
変化検出器230は、前のデータセット231を永続ストア205から取り出し、光検出データ221(合成データ)が異なっているかどうかを判断する。前のデータセット231は、LEDサイクラー210及び光検出器220の前回の動作から得られる光検出データ221とすることができる。
【0033】
差がない判断されると、システム200は動作の継続を停止する。しかしながら、差が所定の閾値を上回っている場合、信号検出器240はプロファイルデータ241を永続ストア205から取り出す。プロファイルデータ241は、光検出データ221に基づいた所定の被写体、及び被写体の位置に対応する。例えば、手または四肢がジェスチャー認識入力装置260の上に載置される場合、プロファイルデータ241は、特定の位置の手または四肢に関連する取り出しデータとすることができる。
【0034】
別の例では、プロファイルデータ241は、ルックアップテーブル206(永続ストア205に格納されている)を相互参照することにより得られ、特定のコマンドデータ242を取り出すために用いることができる。特定のコマンドデータ242は、電子システム270を制御するための操作に対応させることができる。特定のコマンドデータ242は、回転、画面切り替え、方向指示などのようなジェスチャー認識制御システムに関連する特定の操作に対応させることができる。従って、システム200は、被写体の位置、及び被写体の対応付け対象のジェスチャー(すなわち、方向指示、画面回転、画面切り替え、指なぞりなど)の両方を認識することができる。
【0035】
コマンド通信装置250は、信号検出器240から取り出したデータを出力装置に送信する。図2に示すように、出力装置は、電子システム270またはディスプレイ280とすることができる。
【0036】
例えば、コマンドデータ252(コマンドデータ241を利用して処理されている)を用いてコマンドとして機能させることにより、電子システム270を動作させて電子システム270と対話することができる。電子システム270が無線システムまたは娯楽システムであるシナリオでは、画面回転モーション(システム200で取得される)が、無線システムまたは娯楽システムに関連するノブの動きを模擬することができる。
【0037】
別の例では、出力装置はディスプレイ280とすることができる。ディスプレイ280は、電子システム270に接続される任意の電子ディスプレイ280とするか、または個別に提供することができる。表示データ251(プロファイルデータ241をソースとする)を用いて、ディスプレイ280は、ジェスチャー認識入力装置260で取得される被写体の電子表現をレンダリングすることができる。
【0038】
上に開示される種々態様を用いると、被写体に関連する位置及びジェスチャーを、受信する記録発光データを利用して確認することができる。
【0039】
図3A及び図3Bは、ジェスチャー認識入力装置260の例示的な実施形態を示している。ジェスチャー認識入力装置260は、24個のLED(301〜324の参照番号が付されている)と、4個のIR光センサ(330〜333)と、を含む。実装するLED群及びIR光センサ群の個数は、単なる例示に過ぎない。図示のLED群は赤外線LEDであり、これらの赤外線LEDは、IR光センサ群を使用することにより補完される。
【0040】
上に説明したように、LED群からなるLED集合体は、システム200の開発者により選択することができる。例えば、図3Bに示す状況では、LED301〜324は、8個の同等のLED集合体に分割される。8個の同等のLED集合体を個々に循環点灯させ、この場合、IRセンサ群の各IRセンサを作動させて8個の同等のLED集合体に関連する読み取り範囲の物体を取得する。
【0041】
LED群を作動させて点灯させる時間長は、システム200の開発者により設定することができる。また、上に説明したように、種々の並べ替え、及び組み合わせは、システム200または装置260の開発者により採用することができる。
【0042】
図4は、ジェスチャー認識入力システムを制御する方法400を示している。方法400は、図1に関して上に説明したコンピュータのようなコンピュータ上で実行することができる。
【0043】
操作410では、LED群からなる第1LED集合体を点灯させる。図3Bで説明したように、当該第1LED集合体は、方法400の開発者により事前に決定しておくことができる。方法400は操作420に進むことができる。
【0044】
操作420では、設置IRセンサ群を利用した検出を実行することができる。これらのIRセンサは、これらの設置LED(点灯するLED群からなるLED集合体)から放出される光がジェスチャー認識入力システム上の異物により反射される光を検出する。
【0045】
操作430では、循環点灯させるべきLED集合体が更にあるかどうかについて判断を行なう。循環点灯させるべきLED集合体が更にある場合、方法400は操作440に進む。循環点灯させるべきLED集合体が無い場合、方法400は操作445に進む。操作445では、所定の時間長が経過したかどうかの判断が行なわれ、所定の時間長が経過すると、方法400は操作410に戻る(操作410から、方法400が繰り返し実行される)。
【0046】
同時に、方法400は更に、方法500に進むことができる。方法500では、検出データ(操作420で検出される)を処理し、デジタル表示に変換するか、または電子システムの入力として用いるかのいずれかである。
【0047】
操作440では、ステップカウントを繰り返す。操作450では、LED群からなる現在のLED集合体を点灯させる(繰り返し周期に従って)。方法400は操作420に戻ることができる。
【0048】
図5は、光センサデータを処理する方法500を示している。光センサデータは、システム200または方法400(詳細には、操作430の後の段階)から供給されるようにすることができる。
【0049】
操作510では、光センサデータを受信する。光センサデータは、利用可能なLED群の循環点灯を利用した複数の反復読み取り値によって定義することができる。
【0050】
操作520では、現時点で受信する光センサデータと前の記録データとの差を比較する。差がない場合、方法は終了560に進む。差がある場合、方法500は操作530に進む。
【0051】
操作530では、光センサデータに関連する被写体の対応ジェスチャーまたは対応位置を取り出す。操作530は、4つの異なる操作に分岐する。1)ジェスチャーが異なっているという判定541;2)位置が異なっているという判定542;両方とも異なっている(541及び542)という判定;または異なっていない(543及び544)という判定。異なっていないという判定が行われる場合、方法500は終了560に進む。
【0052】
操作550では、取り出し対象のジェスチャー情報または位置情報のいずれかに関連する対応コマンドを取り出す。図示されていないが、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画像を、このような画像または画像データを受信することができる電子ディスプレイに送信することができる。
【0053】
取り出したコマンドは、電子システムに送信することができ、インターフェースコマンドまたは入力コマンドとして用いることができる。
【0054】
図6A図6Cは、本明細書において開示される種々態様によるシステム200の1つの実施形態の種々の例を示している。システム200は図示されていないが、システム200は、図6A図6Cに図示される構成要素群の全てに接続される。
【0055】
図6Aに示すように、ディスプレイ280が提供され、ジェスチャー認識入力装置260が更に提供される。ディスプレイ280上に、貼り付け可能なGUI610を貼り付ける。図6Aに示す状態では、ジェスチャー認識入力装置260の上には被写体または四肢が載っていない。
【0056】
図6Bでは、手600をジェスチャー認識入力装置280の上に載せる。手600を開く。それに応じて、本明細書において開示される種々態様を用いて、デジタルハンド620をディスプレイ280上に表示する。
【0057】
図6Cでは、手600でこの時点において、指差しジェスチャーを行ない、手を動かして、デジタルハンド620を動かすことにより、手をGUI610に重ねる。GUI610に触れると(すなわち、影で指示される)、デジタルハンド620も指差し姿勢の状態となることが分かる。
【0058】
本明細書において開示される種々態様では、LED群、IRセンサ群と、LED群及びIRセンサ群を制御するアルゴリズムと、を用いて、ジェスチャー検出情報に変換されるデータを受信する構成を想到することができる。従って、本明細書において開示される種々態様を用いて、画像撮像装置及び動画撮像装置をジェスチャー認識検出装置から削除することができるので効果的である。これにより、更に堅牢でコスト効率の高い実施形態を実現することができる。
【0059】
この技術分野の当業者であれば、種々の変形及び変更を本発明に対して、本発明の思想または範囲から逸脱しない限り行なうことができることを理解できるであろう。従って、本発明は、本発明の変形及び変更を、これらの変形及び変更が添付の請求項、及びこれらの請求項の均等物の範囲に含まれる場合に包含するものである。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図6C