【文献】
Journal of Pharmaceutical Science,2008年,Vol.97, No.8,p.3051-3066
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要
本発明は、ヒトインターロイキン−4受容体α(hIL−4Rα)へ特異的に結合するヒト
抗体を含む薬学的製剤を提供することによって上述の要求を満たす。
【0008】
一局面において、(i)ヒトインターロイキン−4受容体α(hIL−4Rα)へ特異的に結合するヒト抗体;(ii)緩衝剤;(iii)有機共溶媒;(iv)熱安定剤;及び(v)粘度低下剤を含む、液体薬学的製剤が提供される。
【0009】
一実施態様において、抗体は約150mg/ml±50mg/mlの濃度で提供される。別の実施態
様において、抗体は約150mg/ml±15mg/mlの濃度で提供される。特定の実施態様におい
て、抗体は約150mg/mlの濃度で提供される。
【0010】
一実施態様において、抗体は、配列番号1〜8のアミノ酸配列のいずれか1つ又はそれ以上を含む。一実施態様において、抗体は、(a)それぞれ、配列番号2、配列番号3及び配列
番号4の配列を各々含む重鎖相補性決定領域1、2及び3(HCDR1−HCDR2−HCDR3)を含む重
鎖可変領域(HCVR);並びに(b)それぞれ、配列番号6、配列番号7及び配列番号8の配列を各々含む軽鎖相補性決定領域1、2及び3(LCDR1−LCDR2−LCDR3)を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む。特定の実施態様において、抗体は、HCVR及びLCVRを含み、これらの各々は、それぞれ、配列番号1及び配列番号5のアミノ酸配列を含む。
【0011】
一実施態様において、抗体は、配列番号9〜16のアミノ酸配列のいずれか1つ又はそれ
以上を含む。一実施態様において、抗体は、(a)それぞれ、配列番号10、配列番号11及び
配列番号12の配列を各々含む重鎖相補性決定領域1、2及び3(HCDR1−HCDR2−HCDR3)を含む重鎖可変領域(HCVR);並びに(b)それぞれ、配列番号14、配列番号15及び配列番号16
の配列を各々含む軽鎖相補性決定領域1、2及び3(LCDR1−LCDR2−LCDR3)を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む。特定の実施態様において、抗体は、HCVR及びLCVRを含み、これらの各々は、それぞれ、配列番号9及び配列番号13のアミノ酸配列を含む。
【0012】
一実施態様において、抗体は、配列番号17〜24のアミノ酸配列のいずれか1つ又はそれ以上を含む。一実施態様において、抗体は、(a)それぞれ、配列番号18、配列番号19及び
配列番号20の配列を各々含む重鎖相補性決定領域1、2及び3(HCDR1−HCDR2−HCDR3)を含む重鎖可変領域(HCVR);並びに(b)それぞれ、配列番号22、配列番号23及び配列番号24
の配列を各々含む軽鎖相補性決定領域1、2及び3(LCDR1−LCDR2−LCDR3)を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む。特定の実施態様において、抗体は、HCVR及びLCVRを含み、これらの各々は、それぞれ、配列番号17及び配列番号21のアミノ酸配列を含む。
【0013】
一実施態様において、液体製剤のpHは約pH 5.9±0.5である。特定の実施態様において
、液体製剤のpHは約pH 5.9±0.1である。一実施態様において、液体薬学的緩衝剤は、約pH 5.6から約pH 6.2まで緩衝し得る、1つ又はそれ以上の 緩衝剤を含む。
【0014】
一実施態様において、液体薬学的製剤は、少なくとも2つの緩衝剤を含む緩衝系を含む。一実施態様において、緩衝系は、3.6〜5.6の有効pH範囲を有する第1緩衝剤及び5.5〜7.4の有効pH範囲を有する第2緩衝剤を含む。一実施態様において、第1緩衝剤は 約4.8±0.3のpKaを有し、第2緩衝剤は約6.0±0.3のpKaを有する。特定の実施態様において、第1緩衝剤は酢酸緩衝剤であり、第2緩衝剤はヒスチジン 緩衝剤である。ある特定の実施態様において、酢酸塩は12.5mM±1.9mMの濃度で存在し、ヒスチジンは20mM±3mMの濃度で存在する。
【0015】
一実施態様において、有機共溶媒は、ポリオキシエチレン部分を含有する非イオン性ポリマーである。ある実施態様において、有機共溶媒は、ポリソルベート20、ポロキサマー181及びポリエチレングリコール3350のいずれか1つ又はそれ以上である。特定の実施態
様において、有機コポリマーはポリソルベート20である。
【0016】
一実施態様において、有機共溶媒は、約0.2%±0.03%〜約1%±0.15%「体積に対する重量」又は「w/v」の濃度で存在する;ここで、例えば、0.1g/ml=10%及び0.01g/ml=1%)。特定の実施態様において、有機共溶媒は、約0.2%±0.03% w/vの濃度であるポリソルベート20である。
【0017】
一実施態様において、熱安定剤は糖である。一実施態様において、糖は、スクロース、マンニトール及びトレハロースからなる群より選択される。特定の実施態様において、熱安定剤はスクロースである。
【0018】
一実施態様において、熱安定剤は、約0.9%±0.135% w/v〜約10%±1.5% w/vの濃度
で存在する。特定の実施態様において、熱安定剤は、約5%±0.75% w/vの濃度のスクロ
ースである。
【0019】
一実施態様において、粘度低下剤は、アルギニン塩酸塩、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛及び酢酸ナトリウムからなる群より選択される塩である。特定の実施態様において、粘度低下剤はL−アルギニン塩酸塩である。
【0020】
一実施態様において、粘度低下剤は、100mM以下である濃度で存在する。一実施態様に
おいて、粘度低下剤は、50mM±7.5mMの濃度で存在する。別の実施態様において、粘度低
下剤は、25mM±3.75mMの濃度で存在する。特定の実施態様において、粘度低下剤は、25mM±3.75mM L−アルギニン塩酸塩である。
【0021】
一実施態様において、液体薬学的製剤の粘度は、約35±3.5センチポアズ以下である。
一実施態様において、粘度は、約21.5±13.5センチポアズ、約11±1.1センチポアズ又は
約8.5±0.85センチポアズである。特定の実施態様において、液体薬学的製剤の粘度は約8.5±0.85センチポアズである。
【0022】
一実施態様において、液体薬学的製剤の質量オスモル濃度は約450mOsm/kg未満である
。一実施態様において、液体薬学的製剤の質量オスモル濃度は約290±20mOsm/kgである
。
【0023】
一実施態様において、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定した場合、抗hIL−4Rα抗体の天然形態の少なくとも90%又は少なくとも95%が、5℃での液体薬学的製剤の6
ヶ月間の保存後に液体薬学的製剤から回収される。特定の実施態様において、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定した場合、抗体の天然形態の少なくとも98%が5℃での6ヶ月間の保存後に回収される。
【0024】
一実施態様において、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定した場合、抗体の天然形態の少なくとも90%が45℃での8週間の保存後に液体薬学的製剤から回収される。
【0025】
一実施態様において、陽イオン交換クロマトグラフィーによって測定した場合、45℃での8週間の保存後に液体薬学的製剤から回収される抗体の45%未満が酸性形態である。
【0026】
一実施態様において、サイズ排除交換クロマトグラフィーによって測定した場合、25℃での6ヶ月間の保存後に液体薬学的製剤から回収される抗体の約4%未満が凝集している。
【0027】
一局面において、(i)約150mg/ml±50mg/mlのhIL−4Rαへ特異的に結合するヒト抗体
、ここで、抗体は、それぞれ、配列番号1及び配列番号5のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)及び軽鎖可変領域(LCVR)を含む;(ii)約12.5mM±2mM 酢酸塩;(iii)約20mM
±3mM ヒスチジン;(iv)約5%±0.75% (w/v) スクロース;(v)約0.2%±0.03% (w/v)
ポリソルベート20;及び(vi)約25mM±3.75mM アルギニンをpH約5.9±0.5で含む、液体薬
学的製剤が提供される。
【0028】
一実施態様において、液体薬学的製剤は、約8.5±0.85センチポアズ〜約11±1.1センチポアズの粘度を有する。特定の実施態様において、液体薬学的製剤の粘度は約8.5±0.85
センチポアズである。
【0029】
一実施態様において、液体薬学的製剤は生理学的に等張である。一実施態様において、液体薬学的製剤の質量オスモル濃度は約290±20mOsm/kgである。
【0030】
一実施態様において、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定した場合、抗hIL−4Rα抗体の天然形態の少なくとも約98%が5℃での6ヶ月間の保存後に液体薬学的製剤から
回収される。
【0031】
一実施態様において、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定した場合、抗hIL−4Rα抗体の天然形態の少なくとも約90%が45℃での8週間の保存後に液体薬学的製剤から回収される。
【0032】
一実施態様において、陽イオン交換クロマトグラフィーによって測定した場合、45℃での8週間の保存後に液体薬学的製剤から回収される抗体の45%未満が酸性形態である。
【0033】
一実施態様において、サイズ排除交換クロマトグラフィーによって測定した場合、25℃での6ヶ月間の保存後に液体薬学的製剤から回収される抗体の4%未満が凝集している。
【0034】
一局面において、少なくとも100mg/mlの安定な抗hIL−4Rα抗体を含有する、安定な低粘度等張液体薬学的製剤が提供される。一実施態様において、抗体は、約150mg/ml±50mg/mlの濃度で存在する。特定の実施態様において、抗体濃度は約150mg/ml±15mg/mlである。
【0035】
一実施態様において、抗体は、配列番号1〜8のアミノ酸配列のいずれか1つ又はそれ以上を含む。一実施態様において、抗体は、重鎖可変領域(HCVR)及び軽鎖可変領域(LCVR)を含み、ここで、HCVR/LCVR組み合わせは、それぞれ配列番号2 − 3 − 4/配列番号6
− 7 − 8のアミノ酸配列を含む、重鎖及び軽鎖相補性決定領域(HCDR1−HCDR2−HCDR3
/LCDR1−LCDR2−LCDR3)を含む。特定の実施態様において、抗体は、HCVR及びLCVRを含
み、これらの各々は、それぞれ、配列番号1及び配列番号5のアミノ酸配列を含む。
【0036】
ある実施態様において、製剤は、35±3.5センチポアズ未満、20±2センチポアズ未満、15±1.5センチポアズ未満、又は10±1センチポアズ未満の粘度を有する。特定の実施態様において、液体製剤は、約8.5±2.5センチポアズの粘度を有する。
【0037】
一実施態様において、製剤は、生理学的に適合性である容量オスモル濃度を有する。特定の実施態様において、製剤は、290±20mOsm/kgの質量オスモル濃度を含む。
【0038】
一実施態様において、抗体は、約5℃で少なくとも約6ヶ月間安定である。特定の実施態様において、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定した場合、抗体の少なくとも約98%が、5℃での約6ヶ月間の保存でその天然構造を保持している。
【0039】
一実施態様において、抗体は、約45℃での少なくとも約8週間の保存について安定であ
る。特定の実施態様において、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定した場合、抗
体の少なくとも約90%が、45℃での約8週間の保存でその天然構造を保持している。特定
の実施態様において、陽イオン交換クロマトグラフィーによって測定した場合、抗体の約45%未満が、45℃での約8週間の保存で酸性形態を含む。
【0040】
一実施態様において、抗体は、約25℃での少なくとも約6ヶ月間の保存について安定で
ある。特定の実施態様において、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定した場合、抗体の約4%未満が、25℃での約6ヶ月間の保存で凝集形態を含む。
【0041】
一実施態様において、製剤は、緩衝剤を含み、約pH 5.9±0.5のpHを有する。一実施態
様において、緩衝剤は、酢酸緩衝剤及びヒスチジン緩衝剤を含む。特定の実施態様において、酢酸塩は12.5mM±1.9mMの濃度で存在し、ヒスチジンは20mM±3mMの濃度で存在する。
【0042】
一実施態様において、製剤は、約0.2%±0.03%〜約1%±0.15% w/vの濃度で有機共溶媒を含む。一実施態様において、有機共溶媒は、ポリオキシエチレン部分を含有する非イオン性ポリマーである。ある実施態様において、有機共溶媒は、ポリソルベート20、ポロキサマー181及びポリエチレングリコール3350のいずれか1つ又はそれ以上である。特定
の実施態様において、有機共溶媒は、約0.2%±0.03% w/vの濃度のポリソルベート20で
ある。
【0043】
一実施態様において、製剤は、約0.9%±0.135% w/v〜約10%±1.5% w/vの濃度で熱
安定剤を含む。一実施態様において、熱安定剤は糖である。一実施態様において、糖は、スクロース、マンニトール及びトレハロースからなる群より選択される。特定の実施態様において、熱安定剤は、約5%±0.75% w/vの濃度のスクロースである。
【0044】
一実施態様において、製剤は、約100mM以下である濃度で粘度低下剤を含む。一実施態
様において、粘度低下剤はアルギニンである。特定の実施態様において、粘度低下剤は25mM±3.75mMのL−アルギニン塩酸塩である。
【0045】
特定の実施態様において、安定な低粘度等張液体薬学的製剤は、約8.5±2.5センチポアズの粘度及び約290±20mOsm/kgの質量オスモル濃度を有し、(i) 150mg/ml±15mg/mlの抗hIL−4Rα抗体、ここで、抗体は、HCVR及びLCVRを含み、これらの各々は、それぞれ、
配列番号1及び配列番号5のアミノ酸配列を含む;(ii) 12.5mM±1.9mM 酢酸塩;(iii) 20mM±3mM ヒスチジン;(iv) 0.2%±0.03% w/vのポリソルベート20;(v) 5%±0.75% w/vのスクロース;及び(vi) 25mM±3.75mMのL−アルギニン塩酸塩を含む。この実施態様によれば、(i)少なくとも約6ヶ月間5℃で維持すると、サイズ排除クロマトグラフィーによっ
て測定した場合に、抗体の少なくとも約98%がその天然構造を保持し、(ii)少なくとも約8週間45℃で維持すると、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定した場合に、抗体
の少なくとも約90%がその天然構造を保持し、(iii)約8週間45℃で維持すると、陽イオン交換クロマトグラフィーによって測定した場合に、抗体の約45%未満が酸性形態を含み、(iv)約6ヶ月間25℃で維持すると、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定した場合
に、抗体の約4%未満が凝集形態を含む。
【0046】
一局面において、前述の局面のいずれかの液体薬学的製剤は容器中に提供される。一実施態様において、容器はガラスバイアルである。別の実施態様において、容器はマイクロインフューザーである。別の実施態様において、容器は注射器である。ある特定の実施態様において、注射器はフルオロカーボンコーティングプランジャーを含む。ある特定の実施態様において、注射器は低タングステン注射器である。
【0047】
本発明の他の実施態様は、次の詳細な説明を検討することによって明らかとなる。
【発明を実施するための形態】
【0048】
詳細な説明
本発明を説明する前に、本発明は、このような方法及び条件は変化し得るので、記載される特定の方法及び実験条件に限定されないことが理解される。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書において使用される用語は、特定の実施態様を説明する目的のために過ぎず、限定的であるようには意図されないことも理解される。
【0049】
特に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書において使用される場合、用語「約」は、特定の記載の数値又は数値範囲を参照して使用される場合、値が記載の値とは1%だけ異なり得ることを意味する。例えば、本明
細書において使用される場合、表現「約100」は、99及び101並びに間の全ての値(例えば、99.1、99.2、99.3、99.4など)を含む。
【0050】
本明細書に記載のものと同様又は等価の任意の方法及び材料が本発明の実施又は試験において使用され得るが、好ましい方法及び材料をここで説明する。本明細書に記載される全ての刊行物は、説明のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0051】
薬学的製剤
本明細書において使用される場合、表現「薬学的製剤」は、少なくとも1つの活性成分(例えば、ヒト又は非ヒト動物において生物学的効果を発揮することができる小分子、高分子、化合物など)と、活性成分又は1つ又はそれ以上の追加の不活性成分と組み合わされた場合に、ヒト又は非ヒト動物への治療的投与に適している、少なくとも1つの不活性成分との組み合わせを意味する。用語「製剤」は、本明細書において使用される場合、特に指定されない限り、「薬学的製剤」を意味する。本発明は、少なくとも1つの治療用ポリペプチドを含む薬学的製剤を提供する。本発明のある実施態様によれば、治療用ポリペプチドは、ヒトインターロイキン−4受容体α(hIL−4Rα)へ特異的に結合する抗体又
はその抗原結合性フラグメントである。より具体的には、本発明は、(i)hIL−4Rαへ特異的に結合するヒト抗体;(ii)酢酸塩/ヒスチジン緩衝系;(iii)非イオン性界面活
性剤である有機共溶媒;(iv)炭水化物である熱安定剤;及び(v)粘度低下剤を含む薬学
的製剤を含む。本発明内に含まれる具体的で例示的な成分及び製剤を下記に詳細に説明する。
【0052】
hIL−4Rへ特異的に結合する抗体
本発明の薬学的製剤は、hIL−4Rαへ特異的に結合するヒト抗体又はその抗原結合性フ
ラグメントを含み得る。本明細書において使用される場合、用語「hIL−4Rα」は、イン
ターロイキン−4(IL−4)に特異的に結合するヒトサイトカイン受容体を意味する。あ
る実施態様において、本発明の薬学的製剤中に含有される抗体は、hIL−4Rαの細胞外ド
メインへ特異的に結合する。例示的なヒトIL−4受容体α(hIL−4Rα)アミノ酸配列は、配列番号25に記載される。hIL−4Rαに対する抗体は、米国特許第7,605,237号及び第7,608,693号に記載されている。hIL−4Rαの細胞外ドメインは、配列番号26のアミノ酸配列によって示される。
【0053】
用語「抗体」は、本明細書において使用される場合、ジスルフィド結合によって相互に連結された4つのポリペプチド鎖である2つの重(H)鎖及び2つの軽(L)鎖を含む免疫グロブリン分子、並びにその多量体(例えば、IgM)を指すように一般的に意図され;し
かし、重鎖のみからなる(即ち、軽鎖を欠いている)免疫グロブリン分子もまた、用語「抗体」の定義内に包含される。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書においてHCVR又はV
Hと略される)及び重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2及びCH
3を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書においてLCVR又はV
Lと略される)及び軽鎖
定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つのドメイン(CL1)を含む。V
H及びV
L領域は、フ
レームワーク領域(FR)と呼ばれる、より保存されている領域が散在する、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる、超可変性の領域へさらに細分され得る。各V
H及びV
Lは、以下の順
序でアミノ末端からカルボキシ末端へ配置された、3つのCDR及び4つのFRから構成され
ている:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。
【0054】
特に指定されない限り、用語「抗体」は、本明細書において使用される場合、完全な抗体分子並びにその抗原結合性フラグメントを包含するように理解される。用語、抗体の「抗原結合性部分」又は「抗原結合性フラグメント」(又は単に「抗体部分」又は「抗体フラグメント」)は、本明細書において使用される場合、hIL−4Rα又はそのエピトープへ
特異的に結合する能力を保持する抗体の1つ又はそれ以上のフラグメントを指す。
【0055】
「単離抗体」は、本明細書において使用される場合、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を指すように意図される(例えば、hIL−4Rαに特異的に結合
する単離抗体は、hIL−4Rα以外の抗原に特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。
【0056】
用語「特異的に結合する」などは、抗体又はその抗原結合性フラグメントが、生理学的条件下で比較的安定である抗原との複合体を形成することを意味する。特異的結合は、少なくとも約1x10
-6M又はそれ以上の解離定数を特徴とし得る。2つの分子が特異的に結合
するかどうかを測定するための方法は、当技術分野において周知であり、これらとしては、例えば、平衡透析、表面プラズモン共鳴などが挙げられる。しかし、hIL−4Rαに特異
的に結合する単離抗体は、他の種由来のIL−4R分子(オルソログ)などの、他の抗原に対して交差反応性を有し得る。本発明の文脈において、hIL−4Rα並びに1つ又はそれ以上
の追加の抗原へ結合する多重特異性(例えば、二重特異性)抗体は、hIL−4Rαに「特異
的に結合する」と見なされる。さらに、単離抗体は、他の細胞物質及又は化学物質を実質的に含まない場合がある。
【0057】
本発明の薬学的製剤中に含まれ得る例示的な抗hIL−4Rα抗体は、US 7,605,237及びUS 7,608,693に記載されており、この開示は参照によりその全体が組み入れられる。
【0058】
本発明のある実施態様によれば、抗hIL−4Rα抗体は、IGHV3−9サブタイプのものであ
る重鎖可変領域及びIGKV2−28サブタイプのものである軽鎖可変領域を含むヒトIgG1であ
る(Barbie and Lefranc, The Human Immunoglobulin Kappa Variable (IGKV) Genes and
Joining (IGKJ) Segments, Exp. Clin. Immunogenet. 1998; 15:171-183;及びScaviner, D. et al., Protein Displays of the Human Immunoglobulin Heavy, Kappa and Lambda Variable and Joining Regions, Exp. Clin. Immunogenet., 1999; 16:234-240を参照
のこと)。
【0059】
ある実施態様において、抗hIL−4Rαは、生殖細胞系IGHV3−9配列又は生殖細胞系IGKV2−28配列と比べて抗体の露出面での電荷変化を生じさせる少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。生殖細胞系IGHV3−9及びIGKV2−28配列、並びに本明細書において示されるアミ
ノ酸位置割り当て番号は、Lefranc, M.-P., et al., IMGT(登録商標), the international ImMunoGeneTics information system(登録商標), Nucl. Acids Res, 37, D1006-D1012 (2009)に記載されるような、国際免疫遺伝学(IMGT)情報システムに適合する。ある実施態様において、露出面は、相補性決定領域(CDR)を含む。ある実施態様において、
アミノ酸置換は、(a)IGHV3−9のCDR2内の(例えば、58位での)中性アミノ酸の代わりに
塩基性アミノ酸置換、(b)IGHV3−9のCDR3内の(例えば、107位での)酸性アミノ酸の代わりに中性アミノ酸置換、及び(c)IGKV2−28のCDR1内の(例えば、33位での)塩基性アミノ酸の代わりに中性アミノ酸置換からなる群より選択される。特に環境界面での(例えば、
CDRにおける)、抗体の電荷分布の独特な置換は、溶液中における抗体安定性のための予
測不能の状態を作ると予想される。
【0060】
ある実施態様において、抗hIL−4Rα抗体は、生殖細胞系IGHV3−9配列又は生殖細胞系IGKV2−28配列と比べて抗体の可変領域のフレームワーク領域内のねじれ歪みの変化を引き起こす少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。ある実施態様において、アミノ酸置換は、(a)IGHV3−9のフレームワーク領域3(FR3)中の(例えば、96位での)非プロリンアミノ
酸の代わりにプロリン置換、及び(b)IGKV2−28のフレームワーク領域2(FR2)中の(例えば、46位での)プロリンの代わりに非プロリンアミノ酸置換からなる群より選択される。溶媒とのCDR境界面に影響を与える、特にフレームワーク領域内での、ペプチド鎖が回転
する能力の変化は、溶液中における抗体安定性のための予測不能の状態を作ると予想される。
【0061】
本発明のある実施態様によれば、抗hIL−4Rα抗体又はその抗原結合性フラグメントは
、配列番号2の重鎖相補性決定領域(HCDR)1、配列番号3のHCDR2、及び配列番号4のHCDR3を含む。ある実施態様において、抗hIL−4Rα抗体又はその抗原結合性フラグメントは、
配列番号1のHCVDを含む。
【0062】
本発明のある実施態様によれば、抗hIL−4Rα又はその抗原結合性フラグメントは、配
列番号6の軽(κ)鎖相補性決定領域(LCDR)1、配列番号7のLCDR2、及び配列番号8のLCDR3を含む。ある実施態様において、抗hIL−4Rα抗体又はその抗原結合性フラグメントは
、配列番号5のLCVDを含む。
【0063】
本発明のある他の実施態様によれば、抗hIL−4Rα抗体又はその抗原結合性フラグメン
トは、配列番号10のHCDR1、配列番号11のHCDR2、配列番号12のHCDR3、配列番号14のLCDR1、配列番号15のLCDR2、及び配列番号16のLCDR3を含む。ある実施態様において、抗hIL−4Rα抗体又はその抗原結合性フラグメントは、配列番号9のHCVD及び配列番号13のLCVDを含む。
【0064】
本発明のある他の実施態様によれば、抗hIL−4Rα抗体又はその抗原結合性フラグメン
トは、配列番号18のHCDR1、配列番号19のHCDR2、配列番号20のHCDR3、配列番号22のLCDR1、配列番号23のLCDR2、及び配列番号24のLCDR3を含む。ある実施態様において、抗hIL−4Rα抗体又はその抗原結合性フラグメントは、配列番号17のHCVD及び配列番号21のLCVDを
含む。
【0065】
本明細書の実施例において使用される非限定的で例示的な抗体は、「mAb1」と呼ばれる。この抗体はまた、US 7,608,693においてH4H098Pと呼ばれる。mAb1(H4H098P)は、配列番号1/5を有するHCVR/LCVRアミノ酸配列対、及び配列番号2 − 3 − 4/配列番号6 − 7 − 8によって示されるHCDR1−HCDR2−HCDR3/LCDR1−LCDR2−LCDR3ドメインを含む。
【0066】
本発明の実施において使用され得る別の非限定的で例示的な抗体は、「mAb2」と呼ばれる。この抗体はまた、US 7,608,693においてH4H083Pと呼ばれる。mAb2(H4H083P)は、配列番号9/13を有するHCVR/LCVRアミノ酸配列対、及び配列番号10 − 11 − 12/配列番
号14 − 15 − 16によって示されるHCDR1−HCDR2−HCDR3/LCDR1−LCDR2−LCDR3ドメインを含む。
【0067】
本発明の実施において使用され得るさらに別の非限定的で例示的な抗体は、「mAb3」と呼ばれる。この抗体はまた、US 7,608,693においてH4H095Pと呼ばれる。mAb3(H4H095P)は、配列番号17/21を有するHCVR/LCVRアミノ酸配列対、及び配列番号18 − 19 − 20/配列番号22 − 23 − 24によって示されるHCDR1−HCDR2−HCDR3/LCDR1−LCDR2−LCDR3ド
メインを含む。
【0068】
本発明の薬学的製剤中に含有される抗体又はその抗原結合性フラグメントの量は、製剤に望まれる特定の性質、並びに製剤が使用されるように意図される特定の状況及び目的に応じて変化し得る。ある実施態様において、薬学的製剤は、約100±10mg/mL〜約200±20mg/mLの抗体;約110±11mg/mL〜約190±19mg/mLの抗体;約120±12mg/mL〜約180±18mg/mLの抗体;約130±13mg/mL〜約170±17mg/mLの抗体;約140±14mg/mL〜約160±16mg/mLの抗体;又は約150±15mg/mLの抗体を含有し得る液体製剤である。例えば、本発
明の製剤は、hIL−4Rαへ特異的に結合する抗体又はその抗原結合性フラグメントを約90mg/mL;約95mg/mL;約100mg/mL;約105mg/mL;約110mg/mL;約115mg/mL;約120mg/mL;約125mg/mL;約130mg/mL;約131mg/mL;約132mg/mL;約133mg/mL;約134mg/mL;約135mg/mL;約140mg/mL;約145mg/mL;約150mg/mL;約155mg/mL;約160mg/mL;約165mg/mL;約170mg/mL;約175mg/mL;約180mg/mL;約185mg/mL;約190mg/mL;約195mg/mL;又は約200mg/mL含み得る。
【0069】
賦形剤及びpH
本発明の薬学的製剤は、1つ又はそれ以上の賦形剤を含む。用語「賦形剤」は、本明細書において使用される場合、所望のコンシステンシー、粘度又は安定効果を提供するために製剤へ添加される任意の非治療剤を意味する。
【0070】
ある実施態様において、本発明の薬学的製剤は、例えばボルテックスなどの荒い取り扱いの条件下でhIL−4Rα抗体を安定させる種類及び量の少なくとも1つの有機共溶媒を含
む。ある実施態様において、「安定させる」によって意味されるものは、荒い取り扱いにわたっての抗体の総量(モルに基づく)のうちの2%を超える凝集した抗体の形成の防止
である。ある実施態様において、荒い取り扱いは、抗体及び有機共溶媒を含有する溶液を約120分間ボルテックスすることである。
【0071】
ある実施態様において、有機共溶媒は、非イオン性界面活性剤、例えば、アルキルポリ(エチレンオキシド)である。本発明の製剤中に含まれ得る具体的な非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリソルベート、例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート28、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、及びポリソルベート85;ポロキサマー、例えば、ポロキサマー181、ポロキサマ
ー188、ポロキサマー407;又はポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。ポリソル
ベート20はまた、TWEEN 20、ソルビタンモノラウレート及びポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートとして公知である。ポロキサマー181はまたPLURONIC F68として公知で
ある。
【0072】
本発明の薬学的製剤中に含有される有機共溶媒の量は、製剤に望まれる特定の性質、並びに製剤が使用されるように意図される特定の状況及び目的に応じて変化し得る。ある実施態様において、製剤は、界面活性剤を約0.1%±0.01%〜約2%±0.2%含有し得る。例
えば、本発明の製剤は、ポリソルベート20又はポロキサマー181を約0.09%;約0.10%;
約0.11%;約0.12%;約0.13%;約0.14%;約0.15%;約0.16%;約0.17%;約0.18%;約0.19%;約0.20%;約0.21%;約0.22%;約0.23%;約0.24%;約0.25%;約0.26%;約0.27%;約0.28%;約0.29%;又は約0.30%含み得る。例えば、本発明の製剤は、PEG 3350を約0.5%;約0.6%;約0.7%;約0.8%;約0.9%;約1%;約1.1%;約1.2%;約1.3%;約1.4%;約1.5%;約1.6%;約1.7%;約1.8%;約1.9%;又は約2.0%含み得る。
【0073】
IL−4Rα抗体を安定させる例示的な有機共溶媒としては、0.2%±0.02% ポリソルベート20、0.2%±0.02% ポロキサマー181、又は1%±0.1% PEG 3350が挙げられる。
【0074】
本発明の薬学的製剤はまた、熱的ストレス条件下でhIL−4Rα抗体を安定させる種類及
び量の1つ又はそれ以上の熱安定剤を含み得る。ある実施態様において、「安定させる」によって意味されるものは、抗体及び熱安定剤を含有する溶液が約45℃で約28日間まで維持される場合、約92%を超える抗体を天然構造で維持することである。ある実施態様において、「安定させる」によって意味されるものは、抗体及び熱安定剤を含有する溶液が約45℃で約28日間まで維持される場合、約5%未満の抗体が凝集していることである。
【0075】
ある実施態様において、熱安定剤は、スクロース、トレハロース及びマンニトール、又はそれらの任意の組み合わせより選択される糖又は糖アルコールであり、製剤中に含有されるその量は、製剤が使用される特定の状況及び意図される目的に応じて変化し得る。ある実施態様において、製剤は、約2.5%〜約10%糖又は糖アルコール;約3%〜約9.5%糖
又は糖アルコール;約3.5%〜約9%糖又は糖アルコール;約4%〜約8.5%糖又は糖アルコール;約4.5%〜約8%糖又は糖アルコール;約5%〜約7.5%糖又は糖アルコール;約5.5
%〜約7%糖又は糖アルコール;又は約6.0%〜約6.5%糖又は糖アルコールを含有し得る
。例えば、本発明の薬学的製剤は、約2.5%± 0.375%;約3%±0.45%;約3.5%±0.525%;約4.0%±0.6%;約4.5%±0.675%;約5.0%±0.75%;約5.5%±0.825%;約6.0%±0.9%;約6.5%±0.975%;約7.0%±1.05%;約7.5%±1.125%;約8.0%±1.2%;8.5%±1.275%;約9.0%±1.35%;又は約10.0%±1.5%糖又は糖アルコール(例えば、スクロース、トレハロース又はマンニトール)を含み得る。
【0076】
本発明の薬学的製剤はまた、安定なpHを維持しhIL−4Rα抗体を安定させるに役立つ、
緩衝剤又は緩衝系を含み得る。ある実施態様において、「安定させる」によって意味されるものは、抗体及び緩衝剤を含有する溶液が約45℃で約14日間まで維持される場合、3.0
%±0.5%未満の抗体が凝集していることである。ある実施態様において、「安定させる
」によって意味されるものは、抗体及び緩衝剤を含有する溶液が約25℃で約6ヶ月間まで
維持される場合、3.7%±0.5%未満の抗体が凝集していることである。ある実施態様において、「安定させる」によって意味されるものは、抗体及び緩衝剤を含有する溶液が約45℃で約14日間まで維持される場合、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定した場合、少なくとも95%±0.5%の抗体がその天然構造であることである。ある実施態様におい
て、「安定させる」によって意味されるものは、抗体及び緩衝剤を含有する溶液が約25℃で約6ヶ月間まで維持される場合、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定した場合
、少なくとも96%±0.5%の抗体がその天然構造であることである。ある実施態様におい
て、「安定させる」によって意味されるものは、抗体及び緩衝剤を含有する溶液が約45℃で約14日間まで維持される場合、陽イオン交換クロマトグラフィーによって測定した場合、少なくとも62%±0.5%の抗体がその中性構造であることである。ある実施態様におい
て、「安定させる」によって意味されるものは、抗体及び緩衝剤を含有する溶液が約25℃で約6ヶ月間まで維持される場合、陽イオン交換クロマトグラフィーによって測定した場
合、少なくとも54%±0.5%の抗体がその中性構造であることである。「中性構造」によ
って意味されるものは、一方側においてより「塩基性の」ピーク及び他方側においてより「酸性の」ピークが一般的に接している主要ピーク中のイオン交換樹脂より溶出する抗体のフラクション(faction)である。
【0077】
本発明の薬学的製剤は、約5.2〜約6.4のpHを有し得る。例えば、本発明の製剤は、約5.2;約5.3;約5.4;約5.5;約5.6;約5.7;約5.8;約5.9;約6.0;約6.1;約6.2;約6.3;又は約6.4のpHを有し得る。ある実施態様において、pHは約5.3±0.2;約5.9±0.2;又は
約6.0 ±0.2である。
【0078】
ある実施態様において、緩衝剤又は緩衝系は、pH 5.2〜6.4の範囲と完全に又は部分的
に重複する緩衝範囲を有する少なくとも1つの緩衝剤を含む。一実施態様において、緩衝剤又は緩衝系は2つの緩衝剤を含み、第1のものは、3.6〜5.6内の有効pH範囲を有し、第2
のものは、5.5〜7.4内の有効pH範囲を有する。一実施態様において、第1緩衝剤は約4.8±0.3のpKaを有し、第2緩衝剤は約6.0±0.3のpKaを有する。ある実施態様において、緩衝系は、酢酸緩衝剤及びヒスチジン緩衝剤を含む。ある実施態様において、ヒスチジンは、モルで酢酸塩1部当たり約1.3〜1.9部で存在する。ある実施態様において、ヒスチジンは、
モルで酢酸塩1部当たり約1.6±0.25部で存在する。ある実施態様において、酢酸塩は、約2.5mM〜約22.5mM;約3.0mM〜約22mM;約3.5mM〜約21.5mM;約4.0mM〜約21.0mM;約4.5mM
〜約20.5mM;約5.0mM〜約20mM;約5.5mM〜約19.5mM;約6.0mM〜約19.0mM;約6.5mM〜約18.5mM;約7.0mM〜約18.0mM;約7.5mM〜約17.5mM;約8.0mM〜約17mM;約8.5mM〜約16.5mM;約9.0mM〜約16.0mM;約9.5mM〜約15.5mM;約10.0mM〜約15.0mM;約10.5mM〜約14.5mM;約12.5mM±1.875mM;約11.0mM〜約14.0mM;約11.5mM〜約13.5mM;又は約12.0mM〜約13.0mM
の濃度で存在する。ある実施態様において、ヒスチジンは、約10mM〜約30mM;約11mM〜約29mM;約12mM〜約28mM;約13mM〜約27mM;約14mM〜約26mM;約15mM〜約25mM;約16mM〜約24mM;約17mM〜約23mM;約18mM〜約22mM;又は約19mM〜約21mMの濃度で存在する。ある実施態様において、緩衝系は、約5.9のpHで、約12.5mMの酢酸塩及び約20mMのヒスチジンを
含む。
【0079】
本発明の薬学的製剤はまた、低粘度を維持するのに又は高濃度のタンパク質(例えば、一般的に>100mg/mlのタンパク質)を含有する製剤の粘度を低下させるのに役立つ、1
つ又はそれ以上の賦形剤を含み得る。ある実施態様において、製剤は、約35センチポアズ未満、約30センチポアズ未満、約25センチポアズ未満、約20センチポアズ未満、約15センチポアズ未満、約14センチポアズ未満、約13センチポアズ未満、約12センチポアズ未満、約10センチポアズ未満、又は約9センチポアズ未満に液体製剤の粘度を維持するに十分な
量でアルギニンを含む。
【0080】
ある実施態様において、本発明の薬学的製剤は、約25mM±3.75mM、約50mM±7.5mM、又
は約100mM±15mMの濃度で、好ましくはL−アルギニン塩酸塩として、アルギニンを含有する。ある実施態様において、アルギニンは、約20mM〜約30mM、約21mM〜約29mM、約21.25mM〜約28.75mM、約22mM〜約28mM、約23mM〜約27mM又は約24mM〜約26mMで存在する。
【0081】
例示的な製剤
本発明の一局面によれば、薬学的製剤は、(i)約100mg/ml以上の濃度の、hIL−4Rαへ
特異的に結合するヒト抗体(例えば、mAb1、mAb2又はmAb3[上記参照]);(ii)約5.9±0.6で十分な緩衝を提供する緩衝系;(iii)特に熱安定剤として役立つ糖;(iv)抗体の構造
的完全性を保護する、有機共溶媒;及び(v)皮下注射について扱いやすい粘度を維持する
に役立つ、アミノ酸を含む、低粘度の、一般的に生理学的に等張な液体製剤である。
【0082】
一実施態様によれば、薬学的製剤は、(i)約100mg/ml〜約200mg/mlの濃度の、hIL−4Rαへ特異的に結合し置換IGHV3−9タイプ重鎖可変領域及び置換IGLV2−28タイプ軽鎖可変
領域を含むヒトIgG1抗体(例えば、mAb1);(ii)約pH 5.9±0.6で有効に緩衝する、酢酸
塩及びヒスチジンを含む緩衝系;(iii)熱安定剤としてのスクロース;(iv)有機共溶媒と
してのポリソルベート;及び(v)粘度低下剤としてのアルギニンを含む。
【0083】
一実施態様によれば、薬学的製剤は、(i)約150mg/ml±25mg/mlの濃度の、hIL−4Rα
へ特異的に結合し、配列番号2のHCDR1、配列番号3のHCDR2、配列番号4のHCDR3、配列番号6のLCDR1、配列番号7のLCDR2、及び配列番号8のLCDR3を含む、ヒトIgG1抗体;(ii)約pH 5.9±0.3で有効に緩衝する、約12.5mM±1.9mMの酢酸塩及び約20mM±3mMのヒスチジン;(iii)約5% w/v±0.75% w/vのスクロース;(iv)約0.2% w/v±0.03% w/vのポリソルベート20;及び(v)約25mM±3.75mMのL−アルギニン塩酸塩としてのアルギニンを含む。
【0084】
下記に示す実施例を含む、本発明によって包含される薬学的製剤の追加の非限定的な例
を本明細書の他の箇所に記載する。
【0085】
薬学的製剤の安定性及び粘度
本発明の薬学的製剤は、典型的に高レベルの安定性を示す。用語「安定な」は、薬学的製剤を参照して本明細書において使用される場合、薬学的製剤中の抗体が、規定条件下での保存後に許容できる程度の化学構造又は生物学的機能を保持していることを意味する。そこに含有される抗体が規定量の時間の保存後に100%のその化学構造又は生物学的機能
を維持していないとしても、製剤は安定であり得る。ある状況下で、規定量の時間の保存後の約90%、約95%、約96%、約97%、約98%又は約99%の抗体の構造又は機能の維持は、「安定」とみなされ得る。
【0086】
安定性は、特に、規定温度での規定量の時間の保存後に製剤中に残っている天然抗体のパーセンテージを測ることによって、測定され得る。天然抗体のパーセンテージは、特に、サイズ排除クロマトグラフィー(例えば、サイズ排除高速液体クロマトグラフィー[SE−HPLC])によって測定され得る。「許容できる程度の安定性」は、その句が本明細書において使用される場合、抗体の天然形態の少なくとも90%が、所定温度での規定量の時間の保存後に製剤中において検出され得ることを意味する。ある実施態様において、天然形態の抗体の少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%が、規定温度での規定量の時間の保存後に製剤中において検出され得る。その
後に安定性が測定される規定量の時間は、少なくとも2週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少
なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも10ヶ月、少なくとも11
ヶ月、少なくとも12ヶ月、少なくとも18ヶ月、少なくとも24ヶ月、又はそれ以上であり得る。安定性を評価する場合に薬学的製剤が保存され得る規定温度は、約−80℃〜約45℃の任意の温度、例えば、約−30℃、約−20℃、約0℃、約4〜8℃、約5℃、約25℃、又は約45℃での保存であり得る。例えば、薬学的製剤は、5℃での3ヶ月間の保存後に約90%、95%、96%、97%又は98%を超える天然抗体がSE−HPLCによって検出される場合、安定とみなされ得る。薬学的製剤はまた、5℃での6ヶ月間の保存後に約90%、95%、96%、97%又は98%を超える天然抗体がSE−HPLCによって検出される場合、安定とみなされ得る。薬学的製剤はまた、5℃での9ヶ月間の保存後に約90%、95%、96%、97%又は98%を超える天然抗体がSE−HPLCによって検出される場合、安定とみなされ得る。薬学的製剤はまた、25℃での3ヶ月間の保存後に約90%、95%、96%又は97%を超える天然抗体がSE−HPLCによっ
て検出される場合、安定とみなされ得る。薬学的製剤はまた、25℃での6ヶ月間の保存後
に約90%、95%、96%又は97%を超える天然抗体がSE−HPLCによって検出される場合、安定とみなされ得る。薬学的製剤はまた、25℃での9ヶ月間の保存後に約90%、95%、96%
又は97%を超える天然抗体がSE−HPLCによって検出される場合、安定とみなされ得る。
【0087】
安定性は、特に、規定温度での規定量の時間の保存後に製剤中において凝集体を形成している抗体のパーセンテージを測ることによって、測定され得、ここで、安定性は、形成されるパーセント凝集体に反比例する。凝集抗体のパーセンテージは、特に、サイズ排除クロマトグラフィー(例えば、サイズ排除高速液体クロマトグラフィー[SE−HPLC])によって測定され得る。「許容できる程度の安定性」は、その句が本明細書において使用される場合、多くとも5%の抗体が、所定温度での規定量の時間の保存後に製剤中において
凝集形態で検出されることを意味する。ある実施態様において、許容できる程度の安定性は、多くとも約5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.1%の抗体が、所定温度での規
定量の時間の保存後に製剤中において凝集体で検出され得ることを意味する。その後に安定性が測定される規定量の時間は、少なくとも2週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ
月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも10ヶ月、少なくとも11ヶ月、
少なくとも12ヶ月、少なくとも18ヶ月、少なくとも24ヶ月、又はそれ以上であり得る。安
定性を評価する場合に薬学的製剤が保存され得る温度は、約−80℃〜約45℃の任意の温度、例えば、約−30℃、約−20℃、約0℃、約4〜8℃、約5℃、約25℃、又は約45℃での保存であり得る。例えば、薬学的製剤は、5℃での3ヶ月間の保存後、約5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%未満の抗体が凝集形態で検出される場合、安定とみなされ得る。薬学
的製剤はまた、5℃での6ヶ月間の保存後、約5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.1
%未満の抗体が凝集形態で検出される場合、安定とみなされ得る。薬学的製剤はまた、5
℃での9ヶ月間の保存後、約5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.1%未満の抗体が凝集形態で検出される場合、安定とみなされ得る。薬学的製剤はまた、25℃での3ヶ月間の
保存後、約5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.1%未満の抗体が凝集形態で検出さ
れる場合、安定とみなされ得る。薬学的製剤はまた、25℃での6ヶ月間の保存後、約5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.1%未満の抗体が凝集形態で検出される場合、安定とみなされ得る。薬学的製剤はまた、25℃での9ヶ月間の保存後、約5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.1%未満の抗体が凝集形態で検出される場合、安定とみなされ得る。
【0088】
安定性は、特に、抗体の主要フラクション(「中性構造」)よりもイオン交換の間より酸性のフラクション(「酸性形態」)で移動する抗体のパーセンテージを測ることによって、測定され得、ここで、安定性は、酸性形態の抗体のフラクションに反比例する。理論によって拘束されることを望まないが、抗体の脱アミド化は、非脱アミド化抗体と比べて抗体をより負に帯電させ、従ってより酸性にさせ得る(例えば、Robinson, N., Protein Deamidation, PNAS, April 16, 2002, 99(8):5283-5288を参照のこと)。「酸性化」又
は「脱アミド化」抗体のパーセンテージは、特に、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、陽イオン交換高速液体クロマトグラフィー[CEX−HPLC])によって、測定され得る
。「許容できる程度の安定性」は、その句が本明細書において使用される場合、多くとも45%の抗体が、規定温度での規定量の時間の保存後に製剤中においてより酸性の形態で検出されることを意味する。ある実施態様において、許容できる程度の安定性は、多くとも約45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.1%の抗体が、所定温度での規定量の時間の保存後に製剤中において酸性形態で
検出され得ることを意味する。その後に安定性が測定される規定量の時間は、少なくとも2週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少な
くとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月
、少なくとも10ヶ月、少なくとも11ヶ月、少なくとも12ヶ月、少なくとも18ヶ月、少なくとも24ヶ月、又はそれ以上であり得る。安定性を評価する場合に薬学的製剤が保存され得る温度は、約−80℃〜約45℃の任意の温度、例えば、約−30℃、約−20℃、約0℃、約4〜8℃、約5℃、約25℃、又は約45℃での保存であり得る。例えば、薬学的製剤は、5℃での3ヶ月間の保存後に約15%、14%、13%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3
%、2%、1%、0.5%又は0.1%未満の抗体がより酸性の形態である場合、安定とみなされ得る。薬学的製剤はまた、25℃での3ヶ月間の保存後に約18%、17%、16%、15%、14%
、13%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%又は0.1%
未満の抗体がより酸性の形態である場合、安定とみなされ得る。薬学的製剤はまた、45℃での8週間の保存後に約45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.1%未満の抗体がより酸性の形態である場合、安定とみなされ得る。薬学的製剤はまた、40℃での2週間の保存後に約20%、19%、18%、17%、16%
、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1
%、0.5%、又は0.1%未満の抗体がより酸性の形態で検出され得る場合、安定とみなされ得る。
【0089】
本発明の製剤の安定性を評価するために他の方法、例えば、熱安定性を測定するための示差走査熱量測定(DSC)、機械的安定性を測定するための制御撹拌、及び溶液濁度を測
定するための約350nm又は約405nmでの吸光度が使用され得る。例えば、本発明の製剤は、約5℃〜約25℃での6ヶ月以上の保存後、製剤のOD
405の変化が時間ゼロでの製剤のOD
405か
ら約0.05未満(例えば、0.04、0.03、0.02、0.01、又はそれ以下)である場合、安定とみなされ得る。
【0090】
安定性はまた、その標的への抗体の生物活性又は結合親和性を測定することよって評価され得る。例えば、本発明の製剤は、規定量の時間(例えば、1〜12ヶ月)の間の例えば5℃、25℃、45℃などでの保存後、製剤内に含有される抗IL−4Rα抗体が、その保存の前の抗体の結合親和性の少なくとも90%、95%、又はそれ以上である親和性でIL−4Rαへ結合する場合、安定とみなされ得る。結合親和性は、例えば、ELISA又はプラズモン共鳴によ
って測定され得る。生物活性は、IL−4Rα活性アッセイ、例えば、抗IL−4Rα抗体を含む製剤とIL−4Rαを発現する細胞とを接触させることによって測定され得る。このような細胞への抗体の結合は、直接的に、例えばFACS分析によって、測定され得る。あるいは、IL−4Rαシステムの下流の活性が、抗体及びIL−4Rαアゴニストの存在下で測定され、抗体の非存在下でのIL−4Rαシステムの活性と比較され得る。ある実施態様において、IL−4Rαは細胞に対して内因性であり得る。他の実施態様において、IL−4Rαは細胞において異所発現され得る。
【0091】
製剤中の抗体の安定性を評価するための追加の方法は、下記の実施例において示される。
【0092】
本発明の液体薬学的製剤は、ある実施態様において、低〜中レベルの粘度を示し得る。「粘度」は、本明細書において使用される場合、「動粘度」又は「絶対粘度」であり得る。「動粘度」は、重力の影響下での流体の抵抗性流動の指標である。等しい体積の2つの流体を同一の毛細管粘度計へ置き、重力によって流動させる場合、粘性流体は、毛細管を通って流動するためにより低粘性の流体よりも長い時間を要する。例えば、ある流体がその流動を完了するために200秒を要し、別の流体が400秒を要する場合、第2の流体は、動
粘度スケールで第1のものの2倍粘性である。力学的又は単純粘度と時には呼ばれる、「絶対粘度」は、動粘度及び流体密度の積である(絶対粘度=動粘度×密度)。動粘度の寸法はL
2/Tであり、ここで、Lは長さであり、Tは時間である。一般的に、動粘度は、センチ
ストークス(cSt)で表される。動粘度のSI単位はmm
2/sであり、これは1cStである。絶
対粘度は、センチポアズ(cP)の単位で表される。絶対粘度のSI単位はミリパスカル−秒(mPa−s)であり、ここで、1cP=1mPa−sである。
【0093】
本明細書において使用される場合、低レベルの粘度は、本発明の流体製剤を参照して、約15センチポアズ(cP)未満の絶対粘度を示す。例えば、本発明の流体製剤は、標準粘度測定技術を使用して測定される場合に、製剤が約15cP、約14cP、約13cP、約12cP、約11cP、約10cP、約9cP、約8cP、又はそれ以下の絶対粘度を示すならば、「低粘度」を有すると見なされる。本明細書において使用される場合、中レベルの粘度は、本発明の流体製剤を参照して、約35cP〜約15cPの絶対粘度を示す。例えば、本発明の流体製剤は、標準粘度測定技術を使用して測定される場合に、製剤が約34cP、約33cP、約32cP、約31cP、約30cP、約29cP、約28cP、約27cP、約26cP、約25cP、約24cP、約23cP、約22cP、約21cP、約20cP、約19cP、18cP、約17cP、約16cP、又は約15.1cPの絶対粘度を示すならば、「中粘度」を有すると見なされる。
【0094】
下記の実施例において説明するように、本発明者らは、高濃度の抗hIL−4Rα抗体(例
えば、約100mg/mlから少なくとも200mg/mLまで)を含む低〜中粘度の流体製剤が、抗体を約25mM〜約100mMのアルギニンと共に処方することによって得ることができるという驚
くべき発見をした。さらに、スクロース含有量を約10%未満へ調節することによって製剤の粘度をさらに大きな程度まで減少させ得ることをさらに発見した。
【0095】
薬学的製剤用の容器及び投与方法
本発明の薬学的製剤は、医薬及び他の治療用組成物の保存に適した任意の容器内に含有され得る。例えば、薬学的製剤は、バイアル、アンプル、注射器、カートリッジ、又はボトルなどの、規定の体積を有する密閉及び殺菌されたプラスチック又はガラス容器内に含有され得る。例えば、透明又は不透明(例えば、琥珀色)ガラス又はプラスチックバイアルを含む、種々のタイプのバイアルが、本発明の製剤を含有するために使用され得る。同様に、任意のタイプの注射器が、本発明の薬学的製剤を含有又は投与するために使用され得る。
【0096】
本発明の薬学的製剤は、「通常のタングステン」注射器又は「低タングステン」注射器中に含有され得る。当業者によって認識されるように、ガラス注射器を作製するプロセスは、ガラスに穴をあけるように機能する熱いタングステンロッドを使用し、それによって、液体が注射器から引き出され放出され得る穴を作製することを一般的に必要とする。このプロセスは、注射器の内部表面上における微量のタングステンの堆積をもたらす。その後の洗浄及び他のプロセッシング工程が、注射器中のタングステンの量を減らすために使用され得る。本明細書において使用される場合、用語「通常のタングステン」は、注射器が、500十億分率(ppb)を超えるタングステンを含有することを意味する。用語「低タングステン」は、注射器がタングステンを500 ppb未満含有することを意味する。例えば、
低タングステン注射器は、本発明によれば、約490、480、470、460、450、440、430、420、410、390、350、300、250、200、150、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10 ppb未満又はそれ以下のタングステンを含有し得る。
【0097】
注射器において使用されるゴムプランジャー、及びバイアルの開口部を閉じるために使用されるゴム栓は、注射器又はバイアルの医薬内容物の汚染を防ぐために、又はそれらの安定性を保つために、コーティングされ得る。従って、ある実施態様に従う、本発明の薬学的製剤は、コーティングされたプランジャーを含む注射器内に、又はコーティングされたゴム栓で密封されているバイアル内に、含有され得る。例えば、プランジャー又は栓は、フルオロカーボンフィルムでコーティングされ得る。本発明の薬学的製剤を含有するバイアル及び注射器と共の使用に適したコーティングされた栓又はプランジャーの例は、例えば、米国特許第4,997,423号;第5,908,686号;第6,286,699号;第6,645,635号;及び第7,226,554号に記載されており、これらの内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に
組み入れられる。本発明の文脈において使用され得る特定の例示的なコーティングされたゴム栓及びプランジャーは、West Pharmaceutical Services, Inc. (Lionville, PA)から入手可能な、商品名「FluroTec(登録商標)」で市販されている。
【0098】
本発明のある実施態様によれば、薬学的製剤は、フルオロカーボンコーティングプランジャーを含む低タングステン注射器内に含有され得る。
【0099】
薬学的製剤は、非経口経路、例えば、注射(例えば、皮下、静脈内、筋内、腹腔内など)又は経皮、経粘膜、経鼻、経肺又は経口投与によって患者へ投与され得る。多数の再使用可能なペン又はオートインジェクター送達デバイスが、本発明の薬学的製剤を皮下に送達するために使用され得る。例としては、AUTOPEN(商標)(Owen Mumford, Inc., Woodstock, UK)、DISETRONIC(商標)ペン(Disetronic Medical Systems, Bergdorf, Switzerland)、HUMALOG MIX 75/25(商標)ペン、HUMALOG(商標)ペン、HUMALIN 70/30(商標)ペン(Eli Lilly and Co., Indianapolis, IN)、NOVOPEN(商標)I、II及びIII(Novo
Nordisk, Copenhagen, Denmark)、NOVOPEN JUNIOR(商標)(Novo Nordisk, Copenhagen, Denmark)、BD(商標)ペン(Becton Dickinson, Franklin Lakes, NJ)、OPTIPEN(
商標)、OPTIPEN PRO(商標)、OPTIPEN STARLET(商標)、及びOPTICLIK(商標)(sanofi-aventis, Frankfurt, Germany)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の薬学的組成物の皮下送達における適用を有する使い捨てのペン又はオートインジェクター送達デバイスの例としては、SOLOSTAR(商標)ペン(sanofi-aventis)、FLEXPEN(商標)
(Novo Nordisk)、及びKWIKPEN(商標)(Eli Lilly)、SURECLICK(商標)オートイン
ジェクター(Amgen, Thousand Oaks, CA)、PENLET(商標)(Haselmeier, Stuttgart, Germany)、EPIPEN(Dey, L.P.)、及びHUMIRA(商標)ペン(Abbott Labs, Abbott Park,
IL)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0100】
本発明の薬学的製剤を送達するためのマイクロインフューザー(microinfusor)の使用もまた本明細書において考えられる。本明細書において使用される場合、用語「マイクロインフューザー」は、長時間(例えば、約10、15、20、25、30分又はそれ以上)にわたって大量(例えば、約2.5mL又はそれ以上まで)の治療製剤を徐々に投与するように設計さ
れた皮下送達デバイスを意味する。例えば、U.S. 6,629,949;US 6,659,982;及びMeehan
et al., J. Controlled Release 46:107-116 (1996)を参照のこと。マイクロインフューザーは、高濃度(例えば、約100、125、150、175、200mg/mL又はそれ以上)又は粘性溶
液中に含有される多量の治療用タンパク質の送達に特に有用である。
【0101】
一実施態様において、抗IL−4Rα抗体を約150mg/ml±15mg/ml含有する液体薬学的製
剤は、オートインジェクター中の充填済み注射器からおよそ1ml±0.15mlの量で皮下投与
される。別の実施態様において、製剤は、マイクロインフューザーデバイスから約1ml〜2.5mlの量で投与される。製剤は、マイクロインフューザーにおける使用のためのポーチ又はカートリッジ中に予め充填され得る。
【0102】
薬学的製剤の治療使用
本発明の薬学的製剤は、特に、IL−4Rαの活性化によって媒介される疾患又は障害を含む、IL−4活性に関連する任意の疾患又は障害の治療、予防又は改善に有用である。本発
明の薬学的製剤の投与によって治療又は予防され得る例示的で非限定的な疾患及び障害としては、様々なアトピー性疾患、例えば、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、喘息、及び他のIgE/Th2媒介疾患が挙げられる。
【0103】
従って、本発明は、IL−4活性又はIL−4Rα活性化に関連する任意の疾患又は障害(上
述の例示的な疾患、障害及び状態のいずれかを含む)を治療、予防又は改善する方法を含む。本発明の治療方法は、本明細書に開示される抗hIL−4Rα抗体を含む任意の製剤を被
験体へ投与する工程を含む。薬学的製剤が投与される被験体は、例えば、このような治療、予防又は改善の必要があるか、又はそうでなければIL−4又はIL−4Rα媒介活性の阻害
又は減少から利益を得る、任意のヒト又は非ヒト動物であり得る。例えば、被験体は、上述の疾患又は障害のいずれかと診断されるか、又は上述の疾患又は障害のいずれかに冒される危険性があると思われる、個体であり得る。本発明はさらに、IL−4活性又はIL−4R
α活性化に関連する任意の疾患又は障害(上述の例示的な疾患、障害及び状態のいずれかを含む)の治療、予防又は改善のための医薬の製造における本明細書に開示される薬学的製剤のいずれかの使用を含む。
【0104】
実施例
下記の実施例は、本発明の方法及び組成物の製造及び使用方法の完全な開示及び説明を当業者に提供するために示され、本発明者らが本発明とみなすものの範囲を限定するようには意図されない。使用した数(例えば、量、温度など)に関して精度を確実にするように努力したが、いくらかの実験誤差及び偏差が考慮されるべきである。特に示されない限り、部はモル部であり、分子量は平均分子量であり、温度は摂氏度であり、圧力は大気圧又は大気圧付近においてである。
【0105】
初期製剤開発作業は、皮下注射のために質量オスモル濃度及び粘度を維持しながら、タンパク質と適合性でありかつその安定性を増大させる賦形剤を同定するために、mAb1(本発明の抗IL−4Rα抗体)の液体製剤中の有機共溶媒、熱安定剤、及び緩衝剤をスクリーニ
ングすることを必要とした。最大のタンパク質安定性のための最適pHを決定するために、緩衝剤条件も調べた。
【0106】
実施例1.有機共溶媒
撹拌ストレスへ供される場合、mAb1が不安定であることが観察された。逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)及びサイズ排除高速液体クロマトグラフィー(SE−HPLC)による分析によって、mAb1が室温でボルテックスされた場合、タンパク質の減少及びタンパク質凝集体の増加が示された(表1、「共溶媒無し」データを参照のこと)。SE−HPLC
及びRP−HPLCによって測定されたように、mAb1溶液への有機共溶媒の添加は、タンパク質を分解から防いだ(表1)。しかし、一部の有機共溶媒の添加は、mAb1の熱安定性を減少
させることが観察された(表2)。熱的ストレス後にRP−HPLCによって測定した場合、タ
ンパク質回収の減少が、PEG 3350 (3%)及びPEG 300 (10%及び20%)を含有する製剤において観察された(表2)。さらに、SE−HPLCによって測定した場合、共溶媒を含有しない
製剤においてよりも、PLURONIC F68 (ポロキサマー181) (0.2%)、PEG 300 (10%及び20
%)、及びプロピレングリコール(20%)を含有する製剤において、より多くの凝集体が形
成された。ポリソルベート20 (0.2%)及びポリソルベート80 (0.2%)は、撹拌及び熱的ストレスに対して同等の安定性を提供した。
【0107】
表1に従って、2mlガラスバイアル中の10mMリン酸塩, pH 6.0及び様々な有機共溶媒中の15mg/mlのmAb1 0.3mlを、約120分間のボルテックスへ供した。濁度を405nmでの光学密度(OD)によって評価し、出発物質と比較しての405nmでのODの相対変化として報告した。
回収された総mAb1のパーセントを逆相HPLC(RP−HPLC)によって測定した。パーセント天然及び凝集mAb1をサイズ排除HPLC(SE−HPLC)によって測定した。「出発物質」結果に示されるSE−HPLC結果は、ボルテックス無しでの各製剤の値の平均値である。
【0109】
表2に従って、2mlガラスバイアル中の10mMリン酸塩, pH 6.0及び様々な有機共溶媒中の15mg/mlのmAb1 0.3mlを、約45℃で約28日間維持した。濁度を405nmでの光学密度(OD)
によって評価し、出発物質と比較しての405nmでのODの相対変化として報告した。回収さ
れた総mAb1のパーセントを逆相HPLC(RP−HPLC)によって測定した。パーセント天然及び凝集mAb1をサイズ排除HPLC(SE−HPLC)によって測定した。「出発物質」結果に示されるSE−HPLC結果は、熱的ストレス無しでの各製剤の値の平均値である。
【0111】
実施例2.熱安定剤
糖、アミノ酸、及び無機塩などの様々な熱安定剤を、約45℃で維持した場合のmAb1の分解を阻害する能力について調べた。調べた熱安定剤の概要を表3に示す。スクロース又は
トレハロースのいずれかを含有した製剤は、高温でインキュベートされた場合、溶液中のmAb1について最大の安定効果を有した(SE−HPLCによって測定した場合)。モノクローナル抗体製剤における安全な使用歴を有したので、スクロースを安定剤として選択した。
【0112】
表3に従って、2mlガラスバイアル中の10mM酢酸塩, pH 5.3及び様々な熱安定剤中の25mg/mlのmAb1 0.3mlを、約45℃で約28日間維持した。濁度を405nmでの光学密度(OD)によ
って評価し、出発物質と比較しての405nmでのODの相対変化として報告した。濁度は全て
のサンプルについてごくわずかであった。回収された総mAb1のパーセントを逆相HPLC(RP−HPLC)によって測定した。パーセント天然及び凝集mAb1をサイズ排除HPLC(SE−HPLC)によって測定した。酸性又は塩基性化学種を、それぞれ、主要ピークよりも早い又は遅い保持時間で陽イオン交換(CEX−HPLC)カラムから溶出するmAb1ピークの合計として定義
する。「出発物質」結果に示されるSE−HPLC結果は、熱的ストレス無しでの各製剤の値の平均値である。
【0114】
実施例3.緩衝剤及びpH
mAb1安定性に対するpH及び緩衝剤化学種の効果も調べた。15mg/mLのmAb1を、pH 4.5〜7.0の範囲の種々のpH値で種々の緩衝剤中においてインキュベートした。タンパク質安定
性をSE−HPLC及び陽イオン交換HPLC(CEX−HPLC)によってモニタリングした。mAb1をヒ
スチジン緩衝剤中においてpH 6.0で又は酢酸緩衝剤中においてpH 5.3で処方した場合、SE−HPLC及びCEX−HPLCの両方によって測定されたように、最大のタンパク質安定性が観察
された(表4及び表5)。酢酸緩衝系は、ヒスチジン緩衝剤を含有する製剤と比べてより広いpH安定性範囲及びより低い電荷変異体形成率を提供した(表5)。従って、酢酸緩衝剤
を、pH 5.3で、mAb1原薬の処方のために一部分選択した。
【0115】
表4に従って、2mlガラスバイアル中の10mMの様々な緩衝剤と組み合わされた、0.2%ポ
リソルベート20、15mg/mlのmAb1 0.3mlを、約45℃で約14日間維持した。濁度を405nmで
の光学密度(OD)によって評価し、出発物質と比較しての405nmでのODの相対変化として
報告した。濁度は全てのサンプルについてごくわずかであった。回収された総mAb1のパーセントを逆相HPLC(RP−HPLC)によって測定した。パーセント天然及び凝集mAb1をサイズ排除HPLC(SE−HPLC)によって測定した。酸性又は塩基性化学種を、それぞれ、主要ピークよりも早い又は遅い保持時間で陽イオン交換(CEX−HPLC)カラムから溶出するmAb1ピ
ークの合計として定義する。「出発物質」結果に示されるSE−HPLC結果は、熱的ストレス無しでの各製剤の値の平均値である。
【0117】
表5に従って、2mlガラスバイアル中の10mMの様々な緩衝剤と組み合わされた、0.2%ポ
リソルベート20、15mg/mlのmAb1 0.3mlを、約45℃で約14日間維持した。濁度を405nmで
の光学密度(OD)によって評価し、出発物質と比較しての405nmでのODの相対変化として
報告した。濁度は全てのサンプルについてごくわずかであった。回収された総mAb1のパーセントを逆相HPLC(RP−HPLC)によって測定した。パーセント天然及び凝集mAb1をサイズ排除HPLC(SE−HPLC)によって測定した。酸性又は塩基性化学種を、それぞれ、主要ピークよりも早い又は遅い保持時間で陽イオン交換(CEX−HPLC)カラムから溶出するmAb1ピ
ークの合計として定義する。「出発物質」結果に示されるSE−HPLC結果は、熱的ストレス無しでの各製剤の値の平均値である。
【0118】
製剤開発研究によって、塩基性条件(pH ≧ 6.5)下で、溶液中のmAb1は脱アミド化し
得ることが示された。逆に、pH 5.0未満で、mAb1の分子量変異体の形成率が増加することが観察された。これらのデータに基づいて、mAb1製剤のpHをpH 5.6〜pH 6.2.に維持した
。mAb1はこのpH範囲にわたって安定であることが観察された。
【0120】
mAb1の安定性に対するpH及び緩衝剤化学種の効果を、20mMヒスチジン pH 6、12.5mM酢
酸塩 pH 5.3、又は20mMヒスチジン及び12.5酢酸塩の組み合わせpH 5.9のいずれかを含有
する製剤においてさらに評価した(表6)。個々の緩衝系と比較して、およそpH 5.9でヒ
スチジン及び酢酸塩の両方を含有する製剤においてmAb1は最も安定であった。mAb1をこの組み合わせた緩衝系において処方した場合、最も遅い凝集速度が検出された(SE−HPLC)(表6)。
【0122】
表6に従って、2mlガラスバイアル中の様々な緩衝剤と組み合わされた、0.2%ポリソル
ベート20、10%スクロース、150mg/mlのmAb1 0.4mlを、約45℃で約14日間維持した。濁
度を405nmでの光学密度(OD)によって評価し、出発物質と比較しての405nmでのODの相対変化として報告した。濁度は全てのサンプルについてごくわずかであった。回収された総mAb1のパーセントを逆相HPLC(RP−HPLC)によって測定した。パーセント天然及び凝集mAb1をサイズ排除HPLC(SE−HPLC)によって測定した。酸性又は塩基性化学種を、それぞれ
、主要ピークよりも早い又は遅い保持時間で陽イオン交換(CEX−HPLC)カラムから溶出
するmAb1ピークの合計として定義する。「出発物質」結果に示されるSE−HPLC結果は、熱的ストレス無しでの各製剤の値の平均値である。
【0123】
実施例4.粘度及び浸透圧の制御
様々な賦形剤と高濃度のmAb1(即ち、150mg/ml、175mg/ml及び200mg/ml)との組み
合わせを、粘度及び浸透圧(質量オスモル濃度で表される)について評価した。スクロース、塩化ナトリウム及びL−アルギニン塩酸塩のレベルを調節し、多量のmAb1の容易で快
適かつ迅速な皮下送達を可能にする低粘度及び生理学的浸透圧で高濃度のmAb1を含有する製剤を開発した(表7)。25mMアルギニン、20mMヒスチジン、12.5mM酢酸塩、5%(w/v)ス
クロース、0.2%(w/v)ポリソルベート20、及び150mg/mL mAb1をpH 5.9で含有する液体製剤(製剤A)は、mAb1の安定性を維持しながら低粘度(約8.5センチポアズ)を有しかつ生理学的に等張(約293mOsm/kg)である最適化製剤を示す。
【0125】
実施例5.製剤Aのキャラクタリゼーション
mAb1液体製剤の開発の間に同定された主要な劣化経路は、凝集体、分解産物、及び電荷変異体の形成であった。これらの劣化産物の形成は、20mMヒスチジン、12.5mM酢酸塩、0.2%ポリソルベート20、5%スクロース及び25mM L−アルギニン塩酸塩をpH 5.9で含有する製剤中にmAb1を処方することによって最小化された。処方された150mg/mL mAb1は、可視の粒子を本質的に含まない、透明から僅かに乳白色の液体溶液であることが観察された。
【0126】
様々なストレス(25℃及び45℃インキュベーション)及びリアルタイム保存条件(5℃
)へ供された場合、処方されたmAb1は物理的及び化学的に安定であった(表8)。mAb1を25℃でインキュベートした(3ヶ月)か又は5℃で6ヶ月間保存した場合、外観は影響されなかった。さらに、溶液pH、濁度、又は回収されたmAb1の量に対する影響は観察されなかった。処方されたmAb1を25℃で3ヶ月間インキュベーションした後、SE−HPLCによって測定
した場合、抗体は顕著には劣化しておらず、CEX−HPLCによって測定した場合、3.3%以上が劣化していた。SE−HPLC及びCEX−HPLCによって測定した場合、45℃で8週間のインキュベーション後に劣化の増加が観察され、このことは、凝集体及び電荷変異体形成がmAb1抗体分子についての主要な劣化経路であることを示している。処方されたmAb1抗体を5℃で6
ヶ月間保存した場合、劣化は観察されなかった。
【0128】
表8に従って、OD=光学密度;RP−HPLC=逆相高速液体クロマトグラフィー;SE−HPLC
=サイズ排除高速液体クロマトグラフィー;及びCEX−HPLC=陽イオン交換高速液体クロ
マトグラフィー。酸性又は塩基性化学種を、それぞれ、主要ピークよりも早い又は遅い保持時間でCEX−HPLCカラムから溶出するmAb1ピークの合計として定義する。
【0129】
実施例6.容器
濾過滅菌した場合、mAb1を含有する製剤は安定であるとわかった。Millipore MILLIPAK濾過ユニットを臨床供給品の製造において使用し、一方、同一の組成のフィルターを調査研究において使用した(Millipore MILLEX DURAPORE)。
【0130】
5−mLガラスバイアルを最低2.5mLの150mg/mL mAb1、5%(w/v)スクロース、25mM L−アルギニン塩酸塩、0.2%(w/v)ポリソルベート20、12.5mM酢酸塩、20mMヒスチジン, pH 5.9で満たした。過多量の0.5mLの製剤を5−mLバイアル中に適用し、製剤2.0mLが取り出され
得ることを確実にした。この過多量は、mAb1又はmAb1を含有する製剤の製造の間の損失、製造の間の劣化、保存(シェルフライフ)の間の劣化を補う、又は使用期限を延長するように設計されなかった。
【0131】
ガラスバイアル中での保存と比較して、処方されたmAb1(製剤A)の安定性は、ポリプ
ロピレンチューブ、ポリスチレンチューブ、ポリカーボネートチューブ中、又はステンレ
ス鋼の断片を含有するガラスバイアル中において保存した場合、影響されなかった(表9)。
【0133】
表9に従って、150mg/mL mAb1、5%スクロース、25mMアルギニン塩酸塩、0.2% PS−20、20mMヒスチジン、12.5mM酢酸塩, pH 5.9を、40℃で14日間、様々な材料と共に/中でインキュベートした。OD=光学密度;RP−HPLC=逆相高速液体クロマトグラフィー;SE−HPLC=サイズ排除高速液体クロマトグラフィー;及びCEX−HPLC=陽イオン交換高速液体クロマトグラフィー。濁度を出発物質と比較しての405nmでのODの相対変化として報告する。酸性又は塩基性化学種を、それぞれ、主要ピークよりも早い又は遅い保持時間でCEX−HPLCカラムから溶出するmAb1ピークの合計として定義する。