特許第6231607号(P6231607)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6231607少なくとも第1及び第2の区域を有する第1の主表面を有する物品およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231607
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】少なくとも第1及び第2の区域を有する第1の主表面を有する物品およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 59/04 20060101AFI20171106BHJP
【FI】
   B29C59/04 C
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2016-84502(P2016-84502)
(22)【出願日】2016年4月20日
(62)【分割の表示】特願2013-544531(P2013-544531)の分割
【原出願日】2011年12月1日
(65)【公開番号】特開2016-147499(P2016-147499A)
(43)【公開日】2016年8月18日
【審査請求日】2016年5月19日
(31)【優先権主張番号】61/422,804
(32)【優先日】2010年12月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/539,671
(32)【優先日】2011年9月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(72)【発明者】
【氏名】ランディ エス.ベイ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ エー.ドッケン,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ケー.ネルソン
(72)【発明者】
【氏名】ミカイル エル.ペクロフスキー
(72)【発明者】
【氏名】イリエス エイチ.ロムダン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ジェイ.テイス
(72)【発明者】
【氏名】オレスター ベンソン,ジュニア
【審査官】 大塚 徹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−230229(JP,A)
【文献】 特開2010−245094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 59/00 − 59/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1及び第2の区域を有する第1の主表面を有する物品であって、前記第1の区域が、複数の第1の構造を備え、かつ第1の表面粗さを有し、前記第2の区域が、複数の第2の構造を備え、かつ第2の表面粗さを有し、前記第1及び第2の区域が、1マイクロメートル以下の表面高さの差を有し、共に接合し、前記第1の表面粗さが、前記第2の表面粗さの100パーセントを超えず、前記少なくとも第1及び第2の区域の少なくとも一部分が、第1の像の少なくとも一部分を共に呈するそれらの間に表面粗さの相違を有し、前記表面粗さは、R、R、R、Rsk、Rku、Sdq、Sdr、Sds、Ssc、Sal、Str、Spk、S、又はSのうちの少なくとも1つであり、第1及び第2の区域のそれぞれは、ヘイズ値を有し、第1及び第2のヘイズ値は、それらの間に少なくとも1%の差異を有し、前記第1及び第2の区域のそれぞれは、可視透過率値を有し、第1及び第2の可視透過率値は、それらの間に少なくとも1%の差異を有する、物品。
【請求項2】
窪みを備えるパターン化された面を有する成形型を準備する工程と、
窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、第1の材料を前記成形型の前記面の一部分に適用する工程と、
ポリマー材料の表面と、前記窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンを有する前記成形型の前記面とを接触させて、前記物品を提供する工程と、を含む、請求項1に記載の物品を作製する方法。
【請求項3】
窪みを備えるパターン化された面を有する回転式成形型ロールを準備する工程と、
前記成形型ロールとニップロールとの間に送込みニップが存在するように、前記成形型ロールに対して位置付けられる回転式ニップロールを設ける工程と、
窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、第1の材料を前記成形型ロールの前記面に適用する工程と、
前記成形型ロール又はニップロールのうちの1つを駆動しながら、UV硬化性ポリマー材料の連続的流れ及びキャリアフィルムを前記送込みニップ内に導入する工程であって、前記キャリアフィルムが、前記UV硬化性ポリマー材料よりも前記ニップロールに近い、工程と、
前記UV硬化性ポリマー材料を硬化させて、
前記物品を提供する工程と、を含む、請求項1に記載の物品を作製する方法。
【請求項4】
窪みを備えるパターン化された面を有する回転式成形型ロールを準備する工程と、
前記成形型ロールとニップロールとの間に送込みニップが存在するように、前記成形型ロールに対して位置付けられる回転式ニップロールを設ける工程と、
窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、第1の材料を前記成形型ロールの前記面の一部分に適用する工程と、
前記成形型ロール又はニップロールのうちの少なくとも1つを駆動しながら、押出可能なポリマー材料の連続的流れを前記送込みニップ内に導入して、前記物品を提供する工程と、を含む、請求項1に記載の物品を作製する方法。
【請求項5】
パターン化された面を有する回転式成形型ロールを準備する工程と、
前記成形型ロールとニップロールとの間に送込みニップが存在するように、前記成形型ロールに対して位置付けられる回転式ニップロールを設ける工程と、
前記成形型ロール又はニップロールのうちの1つを駆動しながら、UV硬化性ポリマー材料の連続的流れ及びキャリアフィルムを前記送込みニップ内に導入する工程であって、前記キャリアフィルムが、前記UV硬化性ポリマー材料よりも前記ニップロールに近い、工程と、
前記UV硬化性ポリマー材料を硬化させて、
前記物品を提供する工程と、を含む、請求項1に記載の物品を作製する方法。
【請求項6】
パターン化された面を有する回転式成形型ロールを準備する工程と、
前記成形型ロールとニップロールとの間に送込みニップが存在するように、前記成形型ロールに対して位置付けられる回転式ニップロールを設ける工程と、
前記成形型ロール又はニップロールのうちの少なくとも1つを駆動しながら、押出可能なポリマー材料の連続的流れを前記送込みニップ内に導入して、前記物品を提供する工程と、を含む、請求項1に記載の物品を作製する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2011年9月27日に出願された米国特許仮出願第61/539671号の利益を主張し、かつ2010年12月14日に出願された米国仮特許仮出願第61/422804号の利益を主張し、これらの開示は、その全体として本明細書において参照することにより組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
表面上にインクを印刷することは、表面の外見を変化させるための一般的技術であるが、いくつかの材料は、インクとの接着が弱い。多くの場合において、インクに加えて材料を適用することは、潜在的な汚染源を生じる。
【0003】
しばしば、エッチング(成形エッチングを含む)及びフロスティングを使用して、テクスチャ表面を提供する。テクスチャ表面はまた、エンボス加工により、いくつかの表面(例えば、ポリマーフィルム)に適用することができる。これらの技術の欠点とは、それらが各像に対して比較的高価な特注の成形型を必要とし、像を迅速に変更する能力を顕著に制限することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
材料を追加することなく製造することができ、成形型表面の修正が一時的であり、かつ迅速で安価に変更することができる表面像に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本開示は、少なくとも第1及び第2の区域を有する第1の主表面を有する、第1の物品を説明し、第1の区域が、第1のピッチ及び第1の表面粗さ(すなわち、本明細書に使用される、R、R、R、Rsk、Rku、Sdq、Sdr、Sds、Ssc、Sal、Str、Spk、S、又はS)を有する複数の第1の構造を備え、第2の区域が、第2のピッチ及び第2の表面粗さを有する複数の第2の構造を備え、第1及び第2のピッチが同一であり(すなわち、第1及び第2のピッチのいずれも、第1及び第2のピッチの平均から2%を超えて異ならない(例えば、5つの無作為に選択された第1のピッチが、100.0、100.3、100.1、100.2、及び100.1であり、5つの無作為に選択された第1のピッチが、100.1、99.9、100.2、100.0、及び100.1である場合、第1及び第2のピッチの平均は、100.1である)、第1の表面粗さは、第2の表面粗さの50パーセントを超えず(いくつかの実施形態において、40、30、25、20、15、10、5、4、3、2パーセントを超えない、又は1パーセントさえも超えない)、少なくとも第1及び第2の区域の少なくとも一部分は、第1の像の少なくとも一部分を共に呈するそれらの間に表面粗さの相違を有する。いくつかの実施形態において、少なくとも第1及び第2の区域の少なくとも一部分は、第2、第3、第4、第5、及び/又はそれ以上の像の少なくとも一部分を共に呈するそれらの間に表面粗さの相違を有する(いくつかの実施形態において、相違は、少なくとも5又は10パーセントである)。典型的には、第1の外側表面には、インクがない。
【0006】
いくつかの実施形態において、第1の物品は更に、第3(第4、第5、又はそれ以上)のピッチ、及び第3(第4、第5、又はそれ以上)の表面粗さを有する、複数の第3の構造を備える第3(第4、第5、又はそれ以上)の区域を備え、第1、第2、第3(第4、第5、又はそれ以上)のピッチは、同一である。典型的には、第1の表面粗さは、第2及び第3(第4、第5、又はそれ以上)の表面粗さの50パーセントを超えない(いくつかの実施形態において、40、30、25、20、15、10、5、4、3、2パーセントを超えない、又は1パーセントさえも超えない)。いくつかの実施形態において、第1、第2、第3、第4、第5、及び/又はそれ以上の区域のうちの少なくとも2つの少なくとも一部分は、第2、第3、第4、第5、及び/又はそれ以上の像の少なくとも一部分を共に呈するそれらの間に表面粗さの相違を有する(いくつかの実施形態において、相違は、少なくとも5又は10パーセントである)。
【0007】
別の態様において、本開示は、少なくとも第1及び第2の区域を有する第1の主表面を有する、第2の物品を提供し、第1の区域が、複数の第1の構造を備え、かつ第1の表面粗さ(すなわち、本明細書に使用され、R、R、R、Rsk、Rku、Sdq、Sdr、Sds、Ssc、Sal、Str、Spk、S、又はS)を有し、第2の区域が、複数の第2の構造を備え、かつ第2の表面粗さを有し、第1及び第2の区域は、高さ不連続線無しに共に接合し、第1の表面粗さは、第2の表面粗さの50パーセントを超えず(いくつかの実施形態において、40、30、25、20、15、10、5、4、3、2パーセントを超えない、又は更には1パーセントを超えない)、少なくとも第1及び第2の区域の少なくとも一部分は、第1の像の少なくとも一部分を共に呈するそれらの間に表面粗さの相違を有する。「高さ不連続線」は、印刷された、成形型を用いて機械的にエンボス加工された、又はマスクを用いてエッチングされた表面に生じる、「補助線」又は「欠陥線」等の表面の高さにおける著しい、又は急激な変化を指す。高さ不連続線は、2つの隣接区域の境界に沿って延在し、不連続線にわたる表面高さの変化は、1マイクロメートル以上である。いくつかの実施形態において、少なくとも第1及び第2の区域の少なくとも一部分は、第2、第3、第4、第5、及び/又はそれ以上の像を共に呈するそれらの間に表面粗さの相違を有する(いくつかの実施形態において、相違は、少なくとも5又は10パーセントである)。典型的には、第1の外側表面には、インクがない。
【0008】
いくつかの実施形態において、第2の物品は更に、複数の第3の構造を備え、かつ第3(第4、第5、又はそれ以上)の表面粗さを有する第3(第4、第5、又はそれ以上)の区域を備え、隣接区域が共に接合する場所に高さ不連続線は存在しない。典型的には、第1の表面粗さは、第2及び第3(第4、第5、又はそれ以上)の表面粗さの80パーセントを超えない(いくつかの実施形態において、90パーセントを超えない、又は80パーセントさえも超えない)。いくつかの実施形態において、第1、第2、第3、第4、第5、及び/又はそれ以上の区域のうちの少なくとも2つの少なくとも一部分は、第2、第3、第4、第5、及び/又はそれ以上の像の少なくとも一部分を共に呈するそれらの間に表面粗さの相違を有する(いくつかの実施形態において、相違は、少なくとも5又は10パーセントである)。いくつかの実施形態において、第1及び第2(第3、第4、第5、又はそれ以上)の構造は、ピッチを有し、ピッチは同一である。いくつかの実施形態において、第2の物品の第1の主表面は、マット仕上げの外見を有する。
【0009】
別の態様において、本開示は、本明細書に説明される物品の実施形態を作製する方法を説明し、前記方法は、
パターン化された面(例えば、窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンを有する成形型の面)を有する成形型を準備する工程と、
ポリマー材料の表面を接触させて、物品を提供する工程と、を含む。
【0010】
別の態様において、本開示は、本明細書に説明される物品を具現化する方法を説明し、前記方法は、
窪みを備えるパターン化された面を有する成形型(例えば、プレート又は回転式成形型(例えば、ベルト))を準備する工程と、
窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、第1の材料(例えば、散逸性材料(例えば、散逸性液体))を成形型の面の一部分に塗布する工程と、
ポリマー材料(例えば、コーティング可能又は紫外線(UV)硬化性ポリマー材料)の表面と、窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンを有する成形型の面とを接触させて、物品を提供する工程(ポリマー材料は、適用可能であれば、固化又は硬化される)とを含む。
【0011】
別の態様において、本開示は、本明細書に説明される物品を具現化する方法を説明し、前記方法は、
窪みを備えるパターン化された面を有する回転式成形型ロールを準備する工程と、
成形型ロールとニップロールとの間に送込みニップが存在するように、成形型ロールに対して位置付けられる回転式ニップロールを準備する工程と、
窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、第1の材料(例えば、散逸性材料(例えば、散逸性液体))を成形型ロールの面の一部分に、塗布する工程と、
成形型ロール又はニップロールのうちの少なくとも1つを駆動しながら、押出可能なポリマー材料の連続的な流れを送込みニップ内に導入して、物品を提供する工程と、を含む。
【0012】
別の態様において、本開示は、本明細書に説明される物品を具現化する方法を説明し、前記方法は、
パターン化された面を有する回転式成形型ロールを準備する工程と、
成形型ロールとニップロールとの間に送込みニップが存在するように、成形型ロールに対して位置付けられる回転式ニップロールを準備する工程と、
成形型ロール又はニップロールのうちの1つを駆動しながら、UV硬化性ポリマー材料の連続的流れ及びキャリアフィルムを送込みニップ内に導入する工程であって、キャリアフィルムが、UV硬化性ポリマー材料よりもニップロールに近い、工程と、
UV硬化性ポリマー材料を硬化させて、
物品を提供する工程と、を含む。
【0013】
別の態様において、本開示は、本明細書に説明される物品を具現化する方法を説明し、前記方法は、
窪みを備えるパターン化された面を有する回転式成形型ロールを準備する工程と、
成形型ロールとニップロールとの間に送込みニップが存在するように、成形型ロールに対して位置付けられる回転式ニップロールを準備する工程と、
窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、第1の材料(例えば、散逸性材料(例えば、散逸性液体))を成形型ロールの面の一部分に、塗布する工程と、
成形型ロール又はニップロールのうちの1つを駆動しながら、UV硬化性ポリマー材料(例えば、硬化性樹脂)の連続的流れ及びキャリアフィルムを送込みニップ内に導入する工程であって、キャリアフィルムが、UV硬化性ポリマー材料よりもニップロールに近い、工程と、
UV硬化性ポリマー材料を硬化させ、
物品を提供する工程と、を含む。
【0014】
別の態様において、本開示は、本明細書に説明される物品を具現化する方法を説明し、前記方法は、
パターン化された面を有する回転式成形型ロールを準備する工程と、
成形型ロールとニップロールとの間に送込みニップが存在するように、成形型ロールに対して位置付けられる回転式ニップロールを準備する工程と、
成形型ロール又はニップロールのうちの少なくとも1つを駆動しながら、押出可能なポリマー材料の連続的な流れを送込みニップ内に導入して、物品を提供する工程と、を含む。
【0015】
別の態様において、本開示は、本明細書に説明される物品を具現化する方法を説明し、前記方法は、
窪みを備えるパターン化された面を有する回転式成形型ロールを準備する工程と、
成形型ロールとニップロールとの間に送込みニップが存在するように、成形型ロールに対して位置付けられる回転式ニップロールを準備するする工程と、
窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、第1の材料(例えば、散逸性材料(例えば、散逸性液体))を成形型ロールの面の一部分に、塗布する工程と、
成形型ロール又はニップロールのうちの少なくとも1つを駆動しながら、押出可能なポリマー材料の連続的な流れを送込みニップ内に導入して、物品を提供する工程と、を含む。
【0016】
本明細書に説明される物品の代表的使用には、半透過反射器の成形型を使用しないマクロパターニング、再帰反射シーティングのカスタマイズされた外見、セキュリティー特徴部を組み込み(顕在的及び隠在的の両方)、散光器の装飾パターン、インク又は汚染のない医療用フィルムの像又はロゴ、より高い及び低い透過率(又はヘイズ若しくは反射率)の区域を有する光学フィルム、より高い及び低い切断強度での研磨材、より高い及び低い吸音力の区域を有する防音フィルム、より小さい孔及びより大きい孔の区域を有する穿孔ろ過フィルム、独自のデジタルIDを有するIDカード又はライセンスプレート、及びカスタマイズ像を有する消費者製品(例えば、マットテクスチャ上の商標の印)が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本明細書に説明される代表的物品の主表面の50倍の走査型電子顕微鏡デジタル画像。
図2図1に示される主表面の第1の区域の1000倍の走査型電子顕微鏡デジタル画像。
図3図1に示される主表面の第2の区域の1000倍の走査型電子顕微鏡デジタル画像。
図4A】本明細書に説明される物品を作製するための代表的装置の断面の概略図。
図4B】本明細書に説明される物品を作製するための代表的装置の断面の概略図。
図4C】本明細書に説明される物品を作製するための代表的装置の断面の概略図。
図4D】本明細書に説明される物品を作製するための代表的装置の断面の概略図。
図5】本明細書に説明される物品を作製するための別の代表的装置の断面の概略図。
図6】本明細書に説明される物品を作製するための別の代表的装置の断面の概略図。
図7】本明細書に説明される別の代表的物品の主表面の50倍のカメラデジタル画像。
図7A】第1の区域から第2の区域までの遷移を示す、861マイクロメートル×199マイクロメートルの面積の共焦点顕微鏡デジタル画像。
図8】770マイクロメートル×185マイクロメートルの面積の図7に示される主面積の第1の区域の共焦点顕微鏡デジタル画像。
図9】770マイクロメートル×185マイクロメートルの面積の図7に示される主面積の第2の区域の共焦点顕微鏡デジタル画像。
図10】代表的正の画像の概略図。
図11】代表的負の画像の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照すると、本明細書に説明される代表的物品の主表面は、第1の区域11及び第2の区域12と共に示される。第1及び第2の区域(それぞれ、11及び12)のより詳細な図は、それぞれ、図2及び3に示される。
【0019】
図7及び7Aを参照すると、本明細書に説明される別の代表的物品の主表面は、第1の区域311及び第2の区域312と共に示される。第1及び第2の区域(それぞれ、311及び312)のより詳細な図は、それぞれ、図8及び9に示される。
【0020】
いくつかの実施形態において、本明細書に説明される方法は更に、第1(及び/又は、存在する場合、第2(又はそれ以上))の材料(例えば、散逸性及び磁性材料)を、ロールが全回転(材料が所望のパターンで成形型ロールの面の一部分に塗布され、窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する)を完了する前に成形型ロールの面から取り外す工程を含む。
【0021】
散逸性材料(例えば、散逸性液体)は、例えば、エアノズルを介して熱風を吹き出す又は衝突させることによる対流加熱、スロットジェット若しくは穿孔プレート衝突、蒸気若しくは熱油で成形型ロールを加熱することによる導電加熱、又は、例えば、石英管ランプ若しくはプレートコイルによって提供された放射熱を使用することによる赤外線加熱等の従来の技術によって、成形型の面から取り外すことができる。熱風を液体の一側面上に吹き出す工程、及び熱油を使用する工程等の加熱技術の組み合わせも使用して、ロールを伝導的に加熱することができる。
【0022】
磁性材料は、例えば、電子写真プロセスと同様に、表面場又は帯電を変化させることにより、成形型の面から取り外すことができる。
【0023】
本明細書に説明される物品を作製するための代表的鋳造装置20は、図4に示される。散逸性液体36は、散布器35を介して、形成窪み27(例えば、角錐要素形成窪み)の一部分37を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、成形型25の面の一部分に塗布される。材料24の表面40、及び窪みの少なくとも部分的に充填された部分を有する成形型の面は、接触して、物品31を提供する。物品31は、パターン化された成形型25との接触を解かれ、複製された表面40のいくつかは、所望のパターンのより滑らかなテクスチャ41を有する。任意に、散逸性材料(示される液体)36は、例えば、周囲条件又は強制乾燥(例えば、熱の有無での(例えば、送風機を介する)気流の強化)により、蒸気42として取り外される。
【0024】
本明細書に説明される物品を作製するための代表的鋳造装置120は、図5に示される。散逸性材料(示される液体)136は、散布器135を介して、形成窪み127(例えば、角錐要素形成窪み)の一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、成形型ロール125の面の一部分に塗布される。鋳造装置120は、成形型ロール125でニップされた弾力性ロール139(例えば、ゴムコーティングされたローラー)を含む。ポリマー材料124をニップ122の中に押し出すための押出しダイ126が、ニップされたロールに隣接して設置されている。ポリマー材料124は、ニップ122に進入し、ポリマー材料124は、形成窪み127の中に流入し、散逸性液体136を含有する形成窪み127を不完全に充填する。その後、ポリマー材料124は、それが冷却し、凝固し始めると、成形型ロール125の外側表面の周囲に搬送される。通常、成形型ロール125はチルドロールであり、内部水冷される機能を有する。その後、押出しフィルム131は、成形型ロール125との接触を解かれ、巻取りなどの更なる下流プロセスのために搬送される。
【0025】
本明細書に説明される物品を作製するための別の代表的鋳造装置220は、図6に示される。散逸性液体236は、散布器235を介して、形成窪み227(例えば、角錐要素形成窪み)の一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、成形型ロール225の面の一部分に塗布される。オーバーレイフィルム221は、ガイドローラー222に沿って、又は材料のストックロールからニップローラー223(例えば、ゴムコーティングされたローラー)まで引出され、そこで、オーバーレイフィルム221は、コーティングダイ226を介してパターン化された成形型ロール225に事前に適用された好適なUV硬化性ポリマー材料(例えば、硬化性樹脂)224と接触する。成形型225の形成窪み227の上に延在する余分なUV硬化性ポリマー材料は、ニップローラー223を、事実上、成形型225の形成要素の高さ未満である隙間設定に設定することによって、最小限化される。隙間設定がニップローラー223に圧力を印加することによって達成し得ることは理解されよう。この様式で、ニップローラー223と成形型225との間の境界面における機械力は、最小量のUV硬化性ポリマー材料224が成形型225の窪み227の上に延在することを保証する。オーバーレイフィルム221の可撓性に応じて、オーバーレイフィルム221は、任意に、鋳造及び凝固中、又は硬化中にオーバーレイフィルム221に構造的及び機械的耐久性を提供する好適なキャリアフィルム228で支持されてもよい。キャリアフィルム228は、得られた物品が成形型225から取り外された後、オーバーレイフィルム221から剥離される、又は得られた物品の更なるプロセスのために手付かずのままであってもよい。かかるキャリアフィルムの使用は、低弾性率のオーバーレイフィルムにおいて特に好ましい。
【0026】
要素アレイを形成する硬化性ポリマー材料は、1つ以上のステップにおいて硬化することができる。例えば、放射線源(例えば、129、229)は、一次硬化ステップにおいてオーバーレイフィルム(例えば、121、221)を通過して、硬化性ポリマー材料の性質に応じて、硬化性ポリマー材料(例えば、硬化性樹脂)を化学線(例えば、紫外線、可視光線等)に暴露させる。当業者が理解することができるように、選択されたオーバーレイフィルムは、硬化性ポリマー材料を硬化する際に使用されてもよい化学線のすべての可能な波長に対して完全に、又は100パーセント透明である必要はない。
【0027】
あるいは(A1tematively)、硬化は、米国特許第5,435,816号(Spurgeonら)に開示されるもの等の透明な成形型ロール(例えば、25、125、225)を通過する照射によって実施することができる。成形型(例えば、25、125、225)は、所望の要素(例えば、角錐要素)を形成するために好適な形状及び寸法を有する、複数の窪み開口部を上に有する成形表面を有する。窪み、したがって、得られた要素は、例えば、それぞれ1つの角錐を有する3面ピラミッド等の角錐要素(例えば、米国特許第4,588,258号(Hoopman)に開示されるもの等)が、各要素がそれぞれ2つの角錐(例えば、米国特許第4,938,563号(Nelsonら)に開示されるもの等)を有するように、2つの矩形側面を有する矩形の基部及び2つの三角形側面を有する、又はそれぞれ少なくとも1つの角錐を有する他の所望の形状(例えば、米国特許第4,895,428号(Nelsonら)に開示されるもの等)の角錐要素であってもよい。任意の角錐要素を本開示に従い使用してもよいことを当業者は理解されよう。成形型の窪みの形状、したがって、得られた物品構造もまた、例えば、湾曲側面のプリズム、切頭ピラミッド、小型レンズ、微小針、締結具、茎部、微小流量チャネル、及び様々な他の幾何形状であってもよい。表面のピッチは、1つの窪み又は構造から次の隣接する窪み又は構造までの反復距離を指す。
【0028】
成形型は、用いられるプロセスの必要性に依って、多くの異なる形状で使用することができる。平坦プレート又は挿入部は、典型的には、打ち抜き、圧縮成形、又は射出成形プロセスに使用される。ローラー又はシリンダーは、典型的には、コーティング、エンボス加工、及びフィルム押出し等の連続的プロセスに使用される。いくつかの連続的プロセスは、追加のプロセスステップを統合するため、又は共に接合されている薄い成形型プレートの使用を可能にするために、ベルト形状の成形型を用いる。
【0029】
成形型ロール(例えば、25、125、225)は、複合物品の加工中に窪みが不必要に変形しないよう、かつ、要素アレイが凝固又は硬化中にそこから分離することができるようでなければならない。
【0030】
成形型ロール(例えば、25、125、225)を形成する際に有用な材料は、好ましくは、ばり形成なくきれいに機械加工し、低延性及び低粒状性を呈し、溝形成後に寸法精度を維持する。成形型は、ポリマー、金属、複合材、又はセラミック材料から作製することができる。いくつかの実施形態において、硬化性ポリマー材料の硬化は、成形型を通過する放射線を適用することによって実施される。かかる例において、成形型は、そこを通してポリマー材料の照射を可能にするように十分に透明でなければならない。かかる実施形態のための成形型を作製することができる材料の具体例には、ポリオレフィン及びポリカーボネートが挙げられる。しかしながら、金属成形型は、それらが所望の形状に形成することができるため、一般的に好ましい。一次硬化は、要素を完全に、又は部分的に硬化することができる。
【0031】
第2の放射線源(例えば、230)を提供して、物品(例えば、231)が成形型(例えば、225)から取り外された後に、ポリマー材料を硬化することができる。第2の硬化工程の範囲は。多くの変動、とりわけ、材料の供給速度、ポリマー材料の組成、硬化性ポリマー材料に使用される架橋開始剤の性質、及び成形型の幾何形状に依存する。具体例には、電子ビーム露光及び化学線(例えば、紫外線、可視光線、及び赤外線)が挙げられる。
【0032】
成形型(例えば、225)(tooling(e.g., 231))からの物品(例えば、231)の取り外しは、典型的には、もしあれば、物品の個々の要素の間に存在する、要素間の最小限のランド領域を破壊するのに十分な機械的応力を生成する。分離された、分離性要素の独立した性質、及び各独立した要素のオーバーレイフィルムへの強力な結合は、物品に実質的な可撓性を与えてもよく、例えば、角錐要素では、機械的変形圧力を受けた後、高いレベルの再帰反射性能を保持する。物品(例えば、231)の熱処理は、それが成形型から取り外された後に、任意に実施されてもよい。加熱は、オーバーレイフィルム又は要素に発達したであろう圧力を緩和させ、未反応部分及び反応副産物を払い落とす役割を果たす。典型的には、かかる処理には、物品を昇温状態(例えば、対象の硬化性ポリマー材料のガラス転移温度の上)まで加熱することが伴う。
【0033】
オーバーレイフィルムは、アイオノマーエチレンコポリマー、可塑化されたハロゲン化ビニルポリマー、酸性官能性エチレンコポリマー、脂肪族ポリウレタン、芳香族ポリウレタン、他の光透過性エラストマー、及びそれらの組み合わせを含む、かかる目的のために使用される任意の従来のフィルムであることができる。
【0034】
キャリアフィルムは、ポリエステルフィルム、酢酸セルロースフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、印刷紙、クラフト紙、セキュリティーペーパー、パッケージ紙、アルミホイル、及び銅箔を含む、かかる目的のために使用される任意の従来のフィルム、紙、又はホイルであることができる。
【0035】
代表的ポリマー材料には、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、スチレンアクリロニトリルコポリマー、スチレン(メタ)アクリレートコポリマー、ポリメチルメタクリレート、スチレン無水マレイン酸コポリマー、有核半結晶性ポリエステル、ポリエチレンナフタレートのコポリマー、ポリイミド、ポリイミドコポリマー、ポリエーテルイミド、ポリスチレン、シンジオクタクチック(syndiodactic)ポリスチレン、ポリフェニレンオキサイド、アクリロニトリルとブタジエンとスチレンとのコポリマー、機能的に修飾されたポリオレフィン、及びポリウレタンが挙げられる。
【0036】
代表的UV硬化性ポリマー材料には、化学線(例えば、電子ビーム、紫外線、又は可視光線)への曝露により、フリーラジカル重合機構によって架橋されることが可能な反応性樹脂系が挙げられる。これらの材料はまた、熱反応開始剤(例えば、過酸化ベンゾイル)の追加で熱的に重合されてもよい。放射線開始のカチオン重合性樹脂を使用してもよい。要素アレイを形成するために好適な反応性樹脂は、光開始剤と、アクリレート基を有する少なくとも1つの化合物との混合物であってもよい。好ましくは、樹脂混合物は、照射時に架橋ポリマー網状組織の形成を確実にするために、一官能性、二官能性、又は多官能性化合物を含有する。
【0037】
本明細書で使用可能な、フリーラジカル機構によって重合可能な樹脂の代表的実施例としては、エポキシ類、ポリエステル類、ポリエーテル類、及びウレタン類、エチレン系不飽和化合物類、少なくとも1つのペンダントアクリレート基を有するアミノプラスト誘導体類、少なくとも1つのペンダントアクリレート基を有するイソシアネート誘導体類、アクリレート化エポキシ類以外のエポキシ樹脂類、並びにこれらの混合物及び組み合わせから誘導されるアクリル系樹脂が挙げられる。本明細書では、用語「アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの両方を包含するために使用される。
【0038】
窪みを少なくとも部分的に充填するための材料(永久的又は一時的に(すなわち、取り除くことできる散逸性材料等))には、エポキシ、ウレタン、アクリレート、及びワックスが挙げられる。いくつかの実施形態において、材料は、散逸性固体(例えば、犠牲結合剤(例えば、ポリプロピレンカーボネート又はポリエチレンカーボネート)及び水溶性材料(例えば、ポリビニルアルコール及びポリエチレンオキシド)及び散逸性液体(例えば、ジオール(例えば、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、及びエチレングリコール)、水溶液及び水性溶液、鉱油(石油化学)、有機油(脂質)、有機溶媒(例えば、エタノール)、並びにそれらの混合物である。いくつかの実施形態において、散逸性液体は、プロピレングリコール、プロピレングリコール及びエタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール及びエタノール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコール及びエタノール、エチレングリコール、エチレングリコール及びエタノール、水、並びに水及びエタノールからなる群から選択される液体を含む)。いくつかの実施形態において、材料は、鉄、ニッケル、フェライト、マグネタイト、サマリウムコバルト、及びネオジム・鉄・ホウ素から作製された粉末等の磁性材料である。
【0039】
材料として窪みを少なくとも部分的に充填する技術には、当前記技術分野において、一般に既知の技術が挙げられる。窪みの一部部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、散逸性液体を成形型ロールの面の一部分に塗布するための代表的方法には、接触印刷、非接触印刷、パターンコーティング、及びそれらの組み合わせを介する方法が挙げられる。接触印刷の例には、成形型と直接接触する表面の印刷、直接オフセットフレキソ、直接オフセットグラビア、直接オフセットリソグラフ、直接オフセットスクリーン印刷が挙げられる。非接触印刷の例には、インクジェット、スプレー、音響沈着、静電付着、及びデジタル蒸着が挙げられる。パターンコーティングの例には、パターン化されたダイ(大きな矩形向け)及び針(下流線向け)が挙げられる。印刷技術の組み合わせの一例は、成形型上ではなく、トランスファーロール上のインクジェットである。様々な印刷技術のいずれかを使用して(sued)、例えば、永久的及び半永久的に、又は一時的に材料を付着させてよい。
【0040】
いくつかの実施形態において、第2(又はそれ以上)の材料は更に、窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで成形型の面の一部分に塗布されてもよい。
【0041】
典型的には、Ra及びRz表面粗さは、200マイクロメートルを超えない(いくつかの実施形態において、175、150、100、75、70、60、50、40、30、25を超えない、又は更には20マイクロメートルを超えない、いくつかの実施形態において、20マイクロメートル〜175マイクロメートル、20マイクロメートル〜150マイクロメートル、20マイクロメートル〜100マイクロメートル、20マイクロメートル〜75マイクロメートル、又は更には20マイクロメートル〜50マイクロメートルの範囲)。
【0042】
典型的には、R表面粗さは、100マイクロメートルを超えない(いくつかの実施形態において、90、80、75、70、60、50、40、30、25、20を超えない、又は更には10マイクロメートルを超えない、いくつかの実施形態において、10マイクロメートル〜100マイクロメートル、10マイクロメートル〜75マイクロメートル、10マイクロメートル〜50マイクロメートル、又は更には10マイクロメートル〜25マイクロメートルの範囲)。
【0043】
は、平均平面に対して測定され、評価面積内で記録された表面高さの絶対値の算術平均であり、
【0044】
【数1】
式中、Zは、平均平面に対して測定された表面高さであり、N及びMは、x方向及びy方向のデータ点の数である。
【0045】
は、平均平面に対して測定され、評価面積内で記録された表面高さの二乗平均平方根であり、
【0046】
【数2】
式中、Zは、平均平面に対して測定された表面高さの偏差であり、N及びMは、x方向及びy方向のデータ点の数である。
【0047】
は、評価面積内の10個の最大の山〜谷分離の平均最大表面高さであり、
【0048】
【数3】
式中、Hは、山高さであり、Lは、谷高さであり、H及びLは、平均平面に対応する。Rは、視界に存在する表面高さの範囲を包含する。実施例に使用されるVeeco Instruments、Santa Barbara,CAの「VISION FOR PROFILERS」(バージョン4.20)ソフトウエアは、各H又はL地点の周囲の11×11区域を除外して、すべての山又は谷地点が1つのスパイク又は孔から放出するのを回避することに留意する。
【0049】
sk又は歪度は、平均線の周囲のプロファイルの対称の測定値である。Rskは、R、R等の同一の値を有する表面に対する対称的プロファイルについての情報を提供する。負の歪み値は、谷優勢を示し、正の歪み値は、山優勢の表面に対して観測される。
【0050】
【数4】
式中、Zは、平均平面に対して測定された表面高さの偏差であり、Rは、上述の定義のとおりであり、N及びMは、x方向及びy方向のデータ点の数である。
【0051】
ku、又はカートシスは、データセットにおける高さ値の広がりの測定値であり、平均平面の周囲の表面の尖りの測定値である。それは、観測された高さのランダム性の測定値でもある。
【0052】
【数5】
式中、Zは、平均平面に対して測定された表面高さの偏差であり、Rは、上述の定義のとおりであり、N及びMは、x方向及びy方向のデータ点の数である。
【0053】
dqは、表面を含むRMS勾配とも知られる二乗平均平方根(RMS)表面傾斜である。Sdqは、表面を含む勾配の一般的測定値である。そのため、上述の定義のとおり、同様の平均粗さR(S)を有する表面特徴部を区別するために使用することができる。測定された範囲にわたって評価されると、Sdqは、以下のとおり表される:
【0054】
【数6】
式中、Zは、平均平面に対して測定された表面高さ偏差である。
【0055】
drは、展開界面面積比である。サンプル面積にわたる表面の界面面積の増分の比率である。完全に平坦な表面は、0%のSdrを有するであろう。Sdrは、一般に、R(S)に無関係の表面テクスチャの空間的複雑さと共に増大する。それは、
【0056】
【数7】
dsのように定義され、サミット密度は、表面を構成する単位面積当たりのサミットの数である。サミットは、山に由来する。山は、すべての8つの最近接点を上回る任意の点として定義される。山は、3D測定面積を含む、少なくとも1%の最小X及びY寸法により余儀なく分離させられる。更に、サミットは、平均平面上の5%のRである閾値を上回る場合のみ見出される。
【0057】
【数8】
scは、SDS算出で見出されるサミットを含む平均サミット曲率である。Sscは、異なる荷重条件下での表面の弾性及び可塑性変形の程度の予測に役立つことができる。サミット特性のみにわたって評価されたとき、Sscは、以下のとおり表される:
【0058】
【数9】
alは、最速減衰の自己相関の長さである。新たな位置が本来の位置と最小相関を有するように、最適な方向の表面上の距離の測定値である。Salは、本来の位置とは統計的に異なるテクスチャを見出せる表面に沿った距離の定量的測定値である。
【0059】
【数10】
ACFは、自己相関関数である。
【0060】
tr(テクスチャアスペクト比)は、表面テクスチャの空間的等方性又は指向性の測定値である。
【0061】
【数11】
ACFは、自己相関関数である。優位な加工模様を有する表面では、Strは、ゼロに向かう傾向がある。加工模様を有さない、又は空間的等方性の表面では、Strは、1.00と同等である。
【0062】
pkは、表面の山高さであり、ならし運転期間中に、磨り減る表面の主要平坦部分上の山の予想値である。
【0063】
は、コア粗さ深度であり、表面の作業部分の深度である。換言すれば、軸受面積曲線の主要平坦部分である。
【0064】
表面材料体積は、0%〜10%の軸受面積比の表面山内に含まれる材料の量である。
【0065】
Y交差は、Y方向に走査したとき、データがゼロを交差する回数の測定値である。これは、単位長さ当たりの交差数として報告される。
【0066】
表面粗さは、試験区域にわたってデータを収集するために、共焦点顕微鏡(Keyence Corporation、Elmwood Park、NJから「KEYENCE VK9710」の商標名で入手可能)を使用して、上記の説明を用いて取得することができ、次いで、Veeco Instruments、Santa Barbara、CAから「VISION FOR PROFILERS」(バージョン4.20)の商標名で市販されるソフトウエアで分析される。試験面積のサイズ及び配向は、第1及び第2の区域の両方において同一でなければならず、試験面積のサイズは、約200×200マイクロメートルでなければならない。いくらか大きい又は小さい試験面積寸法は、試験面積が重複することなく完全に各区域内に適合し、4つ以上の微小構造を有する試験区域を作成することを確実にするために選択されてもよい。7つの表面粗さ測定値を平均化して、表面の表面粗さが決定された。
【0067】
第1及び第2の区域(及び任意の追加の区域)の様々な構成のいずれかを提供することができる。例えば、いくつかの実施形態において、区域は、円形、楕円形、正方形、矩形、三角形、英数字等の様々な幾何形状のいずれかであってもよい。別の態様において、例えば、いくつかの実施形態において、第2の区域のマトリックス内に複数の第1の区域が存在する。いくつかの実施形態において、第1の区域のマトリックス内に複数の第2の区域が存在する。いくつかの実施形態において、第1及び第2の区域(及び、存在する場合、任意に他の区域)の少なくとも一部分は、少なくとも第1(第2、第3、又はそれ以上)の像又はしるし(例えば、世界中のいかなる国、領土(米国を含む)等で画定される登録商標又は登録された著作権を含む、商標又は著作権付き材料であってもよい)を集合的に呈する。第1及び第2の区域(任意の追加の区域)の構成は、典型的には、物品内に要素を作成するために使用される成形型の配置、及び/又は物品を作製するためのプロセスにおいて使用される散逸性流体のパターンによって作成される。
【0068】
いくつかの実施形態において、画像は、例えば、正画像又は負画像であってもよい。代表的正画像は、図10に図示される。代表的負画像は、図11に図示される。
【0069】
いくつかの実施形態において、第1の区域は、半透明である、及び/又は第2の区域は、透明である。いくつかの実施形態において、第1及び第2の区域の両方は、半透明である。
【0070】
更に、任意の他の区域は、存在する場合、独立して半透明又は透明であることができる。区域の半透明度は、例えば、ポリマー材料内の着色剤、顔料、充填剤等の存在によって、及び/又は物品を作製するプロセスにおける散逸性流体の使用による効果によって影響を受けることがある。
【0071】
典型的には、物品の第1の外側表面には、インクがない。標準的印刷用途において、インクは、基材に追加される、「着色剤」、「半透明化剤」、又は「不透明化剤」であることができる。「着色剤」という用語は、薬剤でコーティングされた、又は含浸された領域内の基材の色を変化させる特性を有する化学薬剤を指す。「半透明化剤」という用語は、その薬剤でコーティングされた、又は含浸された基材の領域の半透明性を増大させる特性を有する化学薬剤を指す。同様に、「不透明化剤」という用語は、その薬剤でコーティングされた、又は含浸された基材の不透明性を増大させる(すなわち、半透明性を低下させる)特性を有する化学薬剤を指す。
【0072】
いくつかの実施形態において、本明細書に説明される物品の第1及び第2の区域のそれぞれは、ヘイズ値を有し、第1及び第2のヘイズ値は、それらの間に少なくとも1%の差異を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に説明される物品の第1及び第2の区域のそれぞれは、可視透過率値を有し、第1及び第2の可視透過率値は、それらの間に少なくとも1%の差異を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に説明される物品の第1及び第2の区域のそれぞれは、鮮明値を有し、第1及び第2の鮮明値は、それらの間に少なくとも1%の差異を有する。
【0073】
いくつかの実施形態において、物品の第1の主表面は、上にハードコートを有する。ハードコートを提供するための市販される材料には、California Hardcoating Co.,San Diego,CAから、「PERMANEW」の商標名で入手可能なもの、及びMomentive Performance Materials,Albany,NYから「UVHC」の商標名で入手可能なもの等、液体樹脂ベースの材料が挙げられる。ハードコート材料は、例えば、従来の液体コーティング技術を用いて、表面に適用し、熱又はUV処理のいずれかで硬化することができる。
【0074】
いくつかの実施形態において、物品は、着色剤又は顔料のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、物品は、不透明の充填剤を含む。代表的着色剤及び顔料には、二酸化チタン、フタロシニアンブルー、赤色酸化鉄、様々な粘土、炭酸カルシウム、雲母、シリカ、及びタルクが挙げられる。代表的な充填剤には、ガラスビーズ又はガラス繊維、カーボンブラック、凝集粒子及び鉱物強化材が挙げられる。着色剤、顔料、及び/又は充填剤は、例えば、従来の技術を使用してそれらをポリマー材料中に添加することにより、本明細書に説明される物品中に組み込むことができる。
【0075】
いくつかの実施形態において、成形型ロールのパターン化された面の窪みは、0.1マイクロメートル〜1000マイクロメートルの範囲のピッチを有する。いくつかの実施形態において、窪みは、0.05マイクロメートル〜1000マイクロメートルの範囲の開口部を有する。いくつかの実施形態において、窪みは、0.02マイクロメートル〜500マイクロメートルの範囲の深度を有する。
【0076】
いくつかの実施形態において、物品に関して第1及び第2のピッチ(及び、存在する場合、任意の他のピッチ)、及び、成形型内の窪みのピッチは、それらが典型的には、成形型(例えば、25、125)から得られるため、0.1マイクロメートル〜1000マイクロメートルの範囲である。
【0077】
本明細書に説明される物品の代表的使用には、半透過反射器の成形型を使用しないマクロパターニング、再帰反射シーティングの特化された外見、セキュリティー特徴部の組み込み(顕在的及び隠在的の両方)、散光器の装飾パターン、インク又は汚染のない医療用フィルムの像又はロゴ、より高い及び低い透過率(又はヘイズ若しくは反射率)の区域を有する光学フィルム、より高い及び低い切断強度での研磨材、より高い及び低い吸音力の区域を有する防音フィルム、より小さい孔及びより大きい孔の区域を有する穿孔ろ過フィルム、独自のデジタルIDを有するIDカード又はライセンスプレート、及び特注の像(例えば、マットテクスチャ上の商標の印)を有する消費者製品が挙げられる。
【0078】
代表的実施形態
1A.少なくとも第1及び第2の区域を有する第1の主表面を有する物品であって、前記第1の区域が、第1のピッチ及び第1の表面粗さを有する複数の第1の構造を備え、前記第2の区域が、第2のピッチ及び第2に表面粗さを有する複数の第2の構造を備え、前記第1及び第2のピッチが同一であり、前記第1の表面粗さの測定値が、前記第2の表面粗さの測定値の50パーセントを超えず、前記少なくとも第1及び第2の区域の少なくとも一部分が、第1の像の少なくとも一部分を共に呈するそれらの間に表面粗さの相違を有する、物品。
【0079】
2A.前記第1の表面粗さ測定値が前記第2の表面粗さ測定値の30パーセントを超えない、実施形態1Aに記載の物品。
【0080】
3A.前記第1及び第2の表面粗さの間の前記表面粗さの差異が、少なくとも5パーセントである、実施形態1A又は2Aに記載の物品。
【0081】
4A.前記第1及び第2の表面粗さが、R、R、R、又はSdsのうちの少なくとも1つである、先述の実施形態のいずれかに記載の物品。
【0082】
5A.第1の像が、英数字、第1の商標しるし、又は第1の著作権付きしるしのうちの少なくとも1つを含む、先述の実施形態のいずれかに記載の物品。
【0083】
6A.前記第2の区域が透明である、先述の実施形態のいずれかに記載の物品。
【0084】
7A.前記第1の区域が半透明である、先述の実施形態のいずれかに記載の物品。
【0085】
8A.前記第2の区域が半透明である、先述の実施形態のいずれかに記載の物品。
【0086】
9A.前記第1及び第2の区域のそれぞれが、ヘイズ値を有し、前記第1及び第2のヘイズ値が、それらの間に少なくとも1%の差異を有する、先述の実施形態のいずれかに記載の物品。
【0087】
10A.前記第1及び第2の区域のそれぞれが、可視透過率値を有し、前記第1及び第2の可視透過率値が、それらの間に少なくとも1%の差異を有する、先述の実施形態のいずれかに記載の物品。
【0088】
11A.前記第1及び第2の区域のそれぞれが、鮮明値を有し、前記第1及び第2の鮮明値が、それらの間に少なくとも1%の差異を有する、先述の実施形態のいずれかに記載の物品。
【0089】
12A.前記第1の外側表面にはインクがない、先述の実施形態のいずれかに記載の物品。
【0090】
13A.前記第1及び第2のピッチが0.1マイクロメートル〜1000マイクロメートルの範囲である、先述の実施形態のいずれかに記載の物品。
【0091】
14A.前記第2の区域のマトリックス内に複数の第1の区域が存在する、先述の実施形態のいずれかに記載の物品。
【0092】
15A.前記第1の区域のマトリックス内に複数の第2の区域が存在する、実施形態1A〜13Aのいずれかに記載の物品。
【0093】
16A.前記第1の表面粗さが200マイクロメートルを超えない、先述の実施形態のいずれかに記載の物品。
【0094】
17A.前記第1の区域が電気的機能面積を含む、先述の実施形態のいずれかに記載の物品。
【0095】
18A.前記第1の区域が金属を含む、先述の実施形態のいずれかに記載の物品。
【0096】
19A.前記第1の区域が半金属を含む、先述の実施形態のいずれかに記載の物品。
【0097】
20A.前記第1及び第2の区域が異なる誘電特性を有する、先述の実施形態のいずれかに記載の物品。
【0098】
21A.前記物品の前記第1の主表面が上にハードコートを有する、先述の実施形態のいずれかに記載の物品。
【0099】
22A.着色剤又は顔料のうちの少なくとも1つを含む、先述の実施形態のいずれかに記載の物品。
【0100】
23A.不透明の充填剤を含む、先述の実施形態のいずれかに記載の物品。
【0101】
1B.
窪みを備えるパターン化された面を有する成形型を準備する工程と、
窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、第1の材料を前記成形型の前記面の一部分に塗布する工程と、
ポリマー材料の表面と、前記窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンを有する前記成形型の前記面とを接触させて、前記物品を提供する工程と、を含む、実施形態1A〜23Aのいずれかに記載の物品を作製する方法。
【0102】
2B.前記成形型の前記パターン化された面の前記窪みが0.1マイクロメートル〜1000マイクロメートルの範囲のピッチと、0.05マイクロメートル〜1000マイクロメートルの範囲の開口部と、0.02マイクロメートル〜500マイクロメートルの範囲の深度とを有する、実施形態1Bに記載の方法。
【0103】
3B.窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、前記第1の材料を、前記成形型の前記面の一部分に塗布する工程が、接触印刷、非接触印刷、パターンコーティング、又はそれらの組み合わせを介して実施される、実施形態1B又は2Bに記載の方法。
【0104】
4B.窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、第2の材料を、前記成形型の前記面の一部分に塗布する工程を更に含む、実施形態1B〜3Bのいずれかに記載の方法。
【0105】
5B.前記第1の材料が散逸性材料である、実施形態1B〜4Bのいずれかに記載の方法。
【0106】
6B.前記第1の散逸性材料が液体である、実施形態5Bに記載の方法。
【0107】
7B.前記第1の散逸性液体は、プロピレングリコール、プロピレングリコール及びエタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール及びエタノール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコール及びエタノール、エチレングリコール、エチレングリコール及びエタノール、水、並びに水及びエタノールからなる群から選択される液体を含む、実施形態6Bに記載の方法。
【0108】
8B.前記第1の材料が磁性材料である、実施形態1B〜4Bのいずれかに記載の方法。
【0109】
9B.前記成形型が回転式成形型(例えば、ベルト)である、実施形態1B〜8Bのいずれかに記載の方法。
【0110】
10B.前記成形型がプレートである、実施形態1B〜8Bのいずれかに記載の方法。
【0111】
11B.提供される前記窪みの少なくとも一部分が、前記第1の材料を適用する前に、所望のパターンで、材料で少なくとも部分的に充填される、実施形態1B〜10Bのいずれかに記載の方法。
【0112】
1C.
窪みを備えるパターン化された面を有する回転式成形型ロールを準備する工程と、
前記成形型ロールとニップロールとの間に送込みニップが存在するように、前記成形型ロールに対して位置付けられる回転式ニップロールを準備する工程と、
窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、第1の材料を前記成形型ロールの前記面の一部分に適用する工程と、
成形型ロール又はニップロールのうちの1つを駆動しながら、連続的にUV硬化性ポリマー材料の連続的な流れ及びキャリアフィルムを送込みニップ内に導入する工程であって、キャリアフィルムが、UV硬化性ポリマー材料よりもニップロールに近い、工程と、
UV硬化性ポリマー材料を硬化させて、
物品を提供する工程と、を含む、実施形態1A〜23Aのいずれかに記載の物品を作製する方法。
【0113】
2C.窪みの一部分を少なくとも部分的に充填するための所望のパターンで、前記成形型ロールの前記面の一部分への前記第1の材料の塗布からのロールの全回転を完了する前に、前記第一の材料を前記成形型ロールの面から取り外す工程を更に含む、実施形態1Cに記載の方法。
【0114】
3C.前記成形型ロールの前記パターン化された面の前記窪みが0.1マイクロメートル〜1000マイクロメートルの範囲のピッチと、0.05マイクロメートル〜1000マイクロメートルの範囲の開口部と、0.02マイクロメートル〜500マイクロメートルの範囲の深度を有する、実施形態1C又は2Cに記載の方法。
【0115】
4C.窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、前記第1の材料を、前記成形型ロールの前記面の一部分に適用する工程が、接触印刷、非接触印刷、パターンコーティング、又はそれらの組み合わせを介して実施される、実施形態1C〜3Cのいずれかに記載の方法。
【0116】
5C.窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、第2の材料を、前記成形型の前記面の一部分に適用する工程を更に含む、実施形態1C〜4Cのいずれかに記載の方法。
【0117】
6C.前記第1の材料が散逸性材料である、実施形態1C〜5Cのいずれかに記載の方法。
【0118】
7C.前記第1の散逸性材料が液体である、実施形態6Cに記載の方法。
【0119】
8C.前記第1の散逸性液体は、プロピレングリコール、プロピレングリコール及びエタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール及びエタノール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコール及びエタノール、エチレングリコール、エチレングリコール及びエタノール、水、並びに水及びエタノールからなる群から選択される液体を含む、実施形態7Cに記載の方法。
【0120】
9C.前記第1の材料が磁性材料である、実施形態1C〜5Cのいずれかに記載の方法。
【0121】
10C.提供される前記窪みの少なくとも一部分が、前記第1の材料を塗布する前に、所望のパターンに特定材料で少なくとも部分的に充填される、実施形態1C〜9Cのいずれかに記載の方法。
【0122】
1D.
窪みを備えるパターン化された面を有する回転式成形型ロールを準備する工程と、
成形型ロールとニップロールとの間に送込みニップが存在するように、成形型ロールに対して位置付けられる回転式ニップロールを準備する工程と、
窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、第1の材料を前記成形型ロールの前記面の一部分に塗布する工程と、
成形型ロール又はニップロールのうちの少なくとも1つを駆動しながら、押出可能なポリマー材料の連続的な流れを送込みニップ内に導入して、物品を提供する工程と、を含む、実施形態1A〜23Aのいずれかに記載の物品を作製する方法。
【0123】
2D.窪みの一部分を少なくとも部分的に充填するための所望のパターンで、前記成形型ロールの前記面の一部分への前記第1の材料の塗布からのロールの全回転を完了する前に、前記第一の材料を前記成形型ロールの面から取り外す工程を更に含む、実施形態1Dに記載の方法。
【0124】
3D.前記成形型ロールの前記パターン化された面の前記窪みが0.1マイクロメートル〜1000マイクロメートルの範囲のピッチと、0.05マイクロメートル〜1000マイクロメートルの範囲の開口部と、0.02マイクロメートル〜500マイクロメートルの範囲の深度を有する、実施形態1D又は2Dに記載の方法。
【0125】
4D.窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、前記第1の材料を、前記成形型ロールの前記面の一部分に塗布する工程が、接触印刷、非接触印刷、パターンコーティング、又はそれらの組み合わせを介して実施される、実施形態1D〜3Dのいずれかに記載の方法。
【0126】
5D.窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、第2の材料を、前記成形型の前記面の一部分に塗布する工程を更に含む、実施形態1D〜4Dのいずれかに記載の方法。
【0127】
6D.前記第1の材料が散逸性材料である、実施形態1D〜5Dのいずれかに記載の方法。
【0128】
7D.前記第1の散逸性材料が液体である、実施形態6Dに記載の方法。
【0129】
8D.前記第1の散逸性液体は、プロピレングリコール、プロピレングリコール及びエタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール及びエタノール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコール及びエタノール、エチレングリコール、エチレングリコール及びエタノール、水、並びに水及びエタノールからなる群から選択される液体を含む、実施形態7Dに記載の方法。
【0130】
9D.前記第1の材料が磁性材料である、実施形態1D〜5Dのいずれかに記載の方法。
【0131】
10D.提供される前記窪みの少なくとも一部分が、前記第1の材料を適用する前に、所望のパターンで、材料で少なくとも部分的に充填される、実施形態1D〜9Dのいずれかに記載の方法。
【0132】
1E.
パターン化された面(例えば、前記窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンを有する前記成形型の前記面)を有する成形型を準備する工程と、
ポリマー材料の表面を接触させて、物品を提供する工程と、を含む、実施形態1A〜23Aのいずれかに記載の物品を作製する方法。
【0133】
1F.
パターン化された面を有する回転式成形型ロールを準備する工程と、
前記成形型ロールとニップロールとの間に送込みニップが存在するように、前記成形型ロールに対して位置付けられる回転式ニップロールを準備する工程と、
前記成形型ロール又はニップロールのうちの1つを駆動しながら、UV硬化性ポリマー材料の連続的な流れ及びキャリアフィルムを送込みニップ内に導入する工程であって、前記キャリアフィルムが、前記UV硬化性ポリマー材料よりも前記ニップロールに近い、工程と、
前記UV硬化性ポリマー材料を硬化させて、
物品を提供する工程と、を含む、実施形態1A〜23Aのいずれかに記載の物品を作製する方法。
【0134】
1G.
パターン化された面を有する回転式成形型ロールを準備する工程と、
前記成形型ロールとニップロールとの間に送込みニップが存在するように、前記成形型ロールに対して位置付けられる回転式ニップロールを準備する工程と、
前記成形型ロール又はニップロールのうちの少なくとも1つを駆動しながら、押出可能なポリマー材料の連続的な流れを送込みニップ内に導入して、物品を提供する工程と、を含む、実施形態1A〜23Aのいずれかに記載の物品を作製する方法。
【0135】
1H.少なくとも第1及び第2の区域を有する第1の主表面を有する物品であって、前記第1の区域が、複数の第1の構造を備え、かつ第1の表面粗さを有し、前記第2の区域が、複数の第2の構造を備え、かつ第2の表面粗さを有し、前記第1及び第2の主表面が高さ不連続線なく共に接合し、前記第1の表面粗さが前記第2の表面粗さの100パーセントを超えず、少なくとも第1及び第2の区域の少なくとも一部分が、第1の像の少なくとも一部分を共に呈するそれらの間に表面粗さの相違を有する、物品。
【0136】
2H.前記第1の表面粗さが前記第2の表面粗さの80パーセントを超えない、実施形態1Hに記載の方法。
【0137】
3H.前記第1及び第2の表面粗さの間の表面粗さの差異が、少なくとも5パーセントである、実施形態1H又は2Hに記載の物品。
【0138】
4H.前記第1及び第2の表面粗さが、R、R、R、又はSdsのうちの少なくとも1つである、実施形態1H〜3Hのいずれかに記載の物品。
【0139】
5H.前記第1の像が、英数字、第1の商標しるし、又は第1の著作権付きしるしのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1H〜4Hのいずれかに記載の物品。
【0140】
6H.前記第2の区域が透明である、実施形態1H〜5Hに記載の物品。
【0141】
7H.前記第1の区域が半透明である、実施形態1H〜6Hに記載の物品。
【0142】
8H.前記第2の区域が半透明である、実施形態1H〜7Hに記載の物品。
【0143】
9H.前記第1及び第2の区域のそれぞれがヘイズ値を有し、前記第1及び第2のヘイズ値がそれらの間に少なくとも1%の差異を有する、実施形態1H〜8Hに記載の物品。
【0144】
10H.前記第1及び第2の区域のそれぞれが可視透過率値を有し、前記第1及び第2の可視透過率値がそれらの間に少なくとも1%の差異を有する、実施形態1H〜9Hに記載の物品。
【0145】
11H.前記第1及び第2の区域のそれぞれが鮮明値を有し、前記第1及び第2の鮮明値がそれらの間に少なくとも1%の差異を有する、実施形態1H〜10Hに記載の物品。
【0146】
12H.前記第1の外側表面にはインクがない、実施形態1H〜11Hに記載の物品。
【0147】
13H.前記第1及び第2のピッチが0.1マイクロメートル〜1000マイクロメートルの範囲である、実施形態1H〜12Hに記載の物品。
【0148】
14H.前記第2の区域のマトリックス内に複数の第1の区域が存在する、実施形態1H〜13Hに記載の物品。
【0149】
15H.前記第1の区域のマトリックス内に複数の第2の区域が存在する、実施形態1H〜14Hに記載の物品。
【0150】
16H.前記第1の表面粗さが200マイクロメートルを超えない、実施形態1H〜15Hに記載の物品。
【0151】
17H.前記第1の区域が電気的機能面積を含む、実施形態1H〜16Hに記載の物品。
【0152】
18H.前記第1の区域が金属を含む、実施形態1H〜17Hに記載の物品。
【0153】
19H.前記第1の区域が半金属を含む、実施形態1H〜18Hに記載の物品。
【0154】
20H.前記第1及び第2の区域が異なる誘電特性を有する、実施形態1H〜19Hに記載の物品。
【0155】
21H.前記物品の前記第1の主表面がその上にハードコートを有する、実施形態1H〜20Hに記載の物品。
【0156】
22H.着色剤又は顔料のうちの少なくとも1つを含む、実施形態1H〜21Hに記載の物品。
【0157】
23H.不透明の充填剤を含む、実施形態1H〜22Hに記載の物品。
【0158】
24H.前記第1及び第2の構造のそれぞれがピッチを有し、かつ前記ピッチが同一である、実施形態1H〜23Hに記載の物品。
【0159】
1I.
窪みを備えるパターン化された面を有する成形型を準備する工程と、
窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、第1の材料を前記成形型の前記面の一部分に塗布する工程と、
ポリマー材料の表面と、前記窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンを有する前記成形型の前記面とを接触させて、前記物品を提供する工程と、を含む、実施形態1H〜24Hに記載の物品を作製する方法。
【0160】
2I.前記成形型の前記パターン化された面の前記窪みが0.1マイクロメートル〜1000マイクロメートルの範囲のピッチと、0.05マイクロメートル〜1000マイクロメートルの範囲の開口部と、0.02マイクロメートル〜500マイクロメートルの範囲の深度を有する、実施形態1Iに記載の方法。
【0161】
3I.窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、前記第1の材料を、前記成形型の前記面の一部分に塗布する工程が、接触印刷、非接触印刷、パターンコーティング、又はそれらの組み合わせを介して実施される、実施形態1I又は2Iに記載の方法。
【0162】
4I.窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、第2の材料を、前記成形型の前記面の一部分に適用する工程を更に含む、実施形態1I〜3Iのいずれかに記載の方法。
【0163】
5I.前記第1の材料が散逸性材料である、実施形態1I〜4Iのいずれかに記載の方法。
【0164】
6I.前記第1の散逸性材料が液体である、実施形態5Iに記載の方法。
【0165】
7I.前記第1の散逸性液体は、プロピレングリコール、プロピレングリコール及びエタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール及びエタノール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコール及びエタノール、エチレングリコール、エチレングリコール及びエタノール、水、並びに水及びエタノールからなる群から選択される液体を含む、実施形態6Iに記載の方法。
【0166】
8I.前記第1の材料が磁性材料である、実施形態1I〜4Iのいずれかに記載の方法。
【0167】
9I.前記成形型が回転式成形型(例えば、ベルト)である、実施形態1I〜8Iのいずれかに記載の方法。
【0168】
10I.前記成形型がプレートである、実施形態1I〜8Iのいずれかに記載の方法。
【0169】
11I.提供される前記窪みの少なくとも一部分が、前記第1の材料を塗布する前に、所望のパターンで、材料で少なくとも部分的に充填される、実施形態1I〜10Iのいずれかに記載の方法。
【0170】
1J.
窪みを備えるパターン化された面を有する回転式成形型ロールを準備する工程と、
前記成形型ロールとニップロールとの間に送込みニップが存在するように、前記成形型ロールに対して位置付けられる回転式ニップロールを準備する工程と、
窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、前記成形型ロールの前記面の少なくとも一部分に第1の材料を塗布する工程と、
前記成形型ロール又はニップロールのうちの1つを駆動しながら、UV硬化性ポリマー材料の連続的な流れ及びキャリアフィルムを送込みニップ内に導入する工程であって、前記キャリアフィルムが、前記UV硬化性ポリマー材料よりも前記ニップロールに近い、工程と、
前記UV硬化性ポリマー材料を硬化させて、
前記物品を提供する工程と、を含む、実施形態1H〜24Hのいずれかに記載の物品を作製する方法。
【0171】
2J.窪みの一部分を少なくとも部分的に充填するための所望のパターンで、前記成形型ロールの前記面の一部分への前記第1の材料の塗布からのロールの全回転を完了する前に、前記第一の材料を前記成形型ロールの面から取り外す工程を更に含む、実施形態1Jに記載の方法。
【0172】
3J.前記成形型ロールの前記パターン化された面の前記窪みが0.1マイクロメートル〜1000マイクロメートルの範囲のピッチと、0.05マイクロメートル〜1000マイクロメートルの範囲の開口部と、0.02マイクロメートル〜500マイクロメートルの範囲の深度を有する、実施形態1J又は2Jに記載の方法。
【0173】
4J.窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、前記第1の材料を、前記成形型ロールの前記面の一部分に塗布する工程が、接触印刷、非接触印刷、パターンコーティング、又はそれらの組み合わせを介して実施される、実施形態1J〜3Jのいずれかに記載の方法。
【0174】
5J.窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、前記第2の材料を、前記成形型の前記面の一部分に塗布する工程を更に含む、実施形態1J〜4Jのいずれかに記載の方法。
【0175】
6J.前記第1の材料が散逸性材料である、実施形態1J〜5Jのいずれかに記載の方法。
【0176】
7J.前記第1の散逸性材料が液体である、実施形態6Jに記載の方法。
【0177】
8J.前記第1の散逸性液体は、プロピレングリコール、プロピレングリコール及びエタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール及びエタノール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコール及びエタノール、エチレングリコール、エチレングリコール及びエタノール、水、並びに水及びエタノールからなる群から選択される液体を含む、実施形態7Jに記載の方法。
【0178】
9J.前記第1の材料が磁性材料である、実施形態1J〜6Jのいずれかに記載の方法。
【0179】
10J.提供される前記窪みの少なくとも一部分が、前記第1の材料を塗布する前に、所望のパターンで特定材料で少なくとも部分的に充填される、実施形態1J〜9Jのいずれかに記載の方法。
【0180】
1K.
窪みを備えるパターン化された面を有する回転式成形型ロールを準備する工程と、
前記成形型ロールとニップロールとの間に送込みニップが存在するように、前記成形型ロールに対して位置付けられる回転式ニップロールを準備する工程と、
窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、第1の材料を前記成形型ロールの前記面の一部分に塗布する工程と、
前記成形型ロール又はニップロールのうちの少なくとも1つを駆動しながら、押出可能なポリマー材料の連続的な流れを前記送込みニップ内に導入して、前記物品を提供する工程と、を含む、実施形態1H〜24Hのいずれかに記載の物品を作製する方法。
【0181】
2K.窪みの一部分を少なくとも部分的に充填するための所望のパターンで、前記成形型ロールの前記面の一部分への前記第1の材料の塗布からのロールの全回転を完了する前に、前記第一の材料を前記成形型ロールの面から取り外す工程を更に含む、実施形態1Kに記載の方法。
【0182】
3K.前記成形型ロールの前記パターン化された面の前記窪みが0.1マイクロメートル〜1000マイクロメートルの範囲のピッチと、0.05マイクロメートル〜1000マイクロメートルの範囲の開口部と、0.02マイクロメートル〜500マイクロメートルの範囲の深度を有する、実施形態1K又は2Kに記載の方法。
【0183】
4K.窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンで、第2の材料を、前記成形型の前記面の一部分に塗布する工程を更に含む、実施形態1K〜3Kのいずれかに記載の方法。
【0184】
5K.前記第1の材料が散逸性材料である、実施形態1K〜4Kのいずれかに記載の方法。
【0185】
6K.前記第1の散逸性材料が液体である、実施形態5Kに記載の方法。
【0186】
7K.前記散逸性液体は、プロピレングリコール、プロピレングリコール及びエタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール及びエタノール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコール及びエタノール、エチレングリコール、エチレングリコール及びエタノール、水、並びに水及びエタノールからなる群から選択される液体を含む、実施形態6Kに記載の方法。
【0187】
8K.前記第1の材料が磁性材料である、実施形態1K〜5Kのいずれかに記載の方法。
【0188】
9K.提供される前記窪みの少なくとも一部分が、前記第1の材料を塗布する前に、所望のパターンで特定材料で少なくとも部分的に充填される、実施形態1K〜8Kのいずれかに記載の方法。
【0189】
1L.
パターン化された面(例えば、前記窪みの一部分を少なくとも部分的に充填する所望のパターンを有する前記成形型の前記面)を有する成形型を準備する工程と、
ポリマー材料の表面を接触させて、前記物品を提供する工程と、を含む、実施形態1H〜24Hのいずれかに記載の物品を作製する方法。
【0190】
1M.
パターン化された面を有する回転式成形型ロールを準備する工程と、
前記成形型ロールとニップロールとの間に送込みニップが存在するように、前記成形型ロールに対して位置付けられる回転式ニップロールを準備する工程と、
前記成形型ロール又はニップロールのうちの1つを駆動しながら、UV硬化性ポリマー材料の連続的流れ及びキャリアフィルムを前記送込みニップ内に導入する工程であって、前記キャリアフィルムが、前記UV硬化性ポリマー材料よりも前記ニップロールに近い、工程と、
前記UV硬化性ポリマー材料を硬化させて、
前記物品を提供する工程と、を含む、実施形態1H〜24Hのいずれかに記載の物品を作製する方法。
【0191】
1N.
パターン化された面を有する回転式成形型ロールを準備する工程と、
前記成形型ロールとニップロールとの間に送込みニップが存在するように、前記成形型ロールに対して位置付けられる回転式ニップロールを準備する工程と、
前記成形型ロール又はニップロールのうちの少なくとも1つを駆動しながら、押出可能なポリマー材料の連続的な流れを前記送込みニップ内に導入して、前記物品を提供する工程と、を含む、実施形態1H〜24Hのいずれかに記載の物品を作製する方法。
【0192】
本発明の利点及び実施形態は、以下の実施例により更に例示されるが、これらの実施例に列挙したその特定の材料及び量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を過度に限定すると解釈されるべきではない。すべての部及びパーセンテージは、特に記載されていない限り、重量に基づく。
【実施例】
【0193】
(実施例1)
実施例1を、0.14ミリメートル(0.0055インチ)の厚さのポリ(メチルメタクリレート)(Arkema Inc.,Philadelphia,PAから商標名「PLEXIGLASS VO44」を入手)フィルムを、1分間当たり9.1メートル(1分間当たり30フィート)で押出し鋳造することによって調製した。押出されるポリ(メチルメタクリレート)の温度は、約243℃(470°F)であった。押出されたフィルムを、140マイクロメートルのピッチ交差パターンを作成するダウンウェブネジ切り及びクロスウェブネジ切りの両方を有する、254ミリメートル(10インチ)の直径のダイヤモンド切削ロールの表面の中にニップした。ローラー内部を流れる水温を82℃(180°F)に設定した。
【0194】
プロピレングリコール(CAS登録番号:57−55−6、Alfa Aesar、Ward Hill、MAから入手)とエタノール(CAS登録番号:64−17−5、Branntag Great Lakes、Wauwatosa、WIから入手)の混合物を、1:1の重量比で調製した。流体混合物のフィルムを、Mayerロッド(Number RDS 22)でガラスプレートの上に広げた。フレキソプレート(Southern Graphics、Brooklyn Park、MNから商標名「KODAK NX.045 PLATE」を入手)を、片持ちペイントローラー上に貼り付け、ガラスプレート上に回転させ、流体の薄層をフレキソパターンに転写した。
【0195】
フレキソプレート及び流体層を有するペイントローラーを、次いで、フィルムの押出し鋳造中にダイヤモンド切削ロールに対して1回転押圧し、流体のパターンをフィルムに転写した。フィルムを収集し、フレキソパターンの単一の鮮明な像を観察した。
【0196】
共焦点顕微鏡(Keyence Corporation、Elmwood Park、NJから商標名「KEYENCE VK9710」)を使用して、フィルムの両方の区域内の200マイクロメートル×200マイクロメートルの面積の粗さパラメーターを測定した。Veeco Instruments、Santa Barbara、CAから「VISION FOR PROFILERS」(バージョン4.20)の商標名で市販されるソフトウエアを使用してデータを分析し、以下の結果(サンプル当たり7つの測定に基づく)が生じた。
【0197】
【表1】
(実施例2)
実施例2を、ダイヤモンド切削ロールの温度を71℃(160°F)に設定したことを除き、実施例1に説明されるとおり調製した。
【0198】
鮮明な像の後、2番目に鮮明度の低い像を観察した。
【0199】
(実施例3)
実施例3を、ダイヤモンド切削ロールの温度を60℃(140°F)に設定したことを除き、実施例1に説明されるとおり調製した。
【0200】
鮮明な像の後、2つの他の鮮明度の低い像を観察した。
【0201】
(実施例4)
実施例4を、ダイヤモンド切削ロールの温度を49℃(120°F)に設定したことを除き、実施例1に説明されるとおり調製した。
【0202】
鮮明な像の後、3つの他の鮮明度の低い像を観察した。
【0203】
(実施例5)
実施例5を、0.27ミリメートル(0.0106インチ)の厚さのポリカーボネート(Bayer Corp.、Pittsburgh、PAから商標名「MAKROLON OD2015」を入手)を、成形型ロール上に押出し鋳造したことを除き、実施例1に説明されるとおり調製した。散逸性液体は、脱イオン水であり、約1ミリメートルの幅及び30センチメートルの長さのストライプで小さなブラシを用いてダイヤモンド切削ロール表面に適用した。
【0204】
鮮明な像の後、第2の像は観察しなかった。
【0205】
(実施例6)
実施例6を、プロピレングリコール(CAS登録番号:57−55−6、Alfa Aesarから入手)を散逸性液体として使用したことを除き、実施例5に説明されるとおり調製した。
【0206】
鮮明な像の後、1つの他の鮮明度の低い像を観察した。
【0207】
(実施例7)
実施例7を、エチレングリコール(CAS登録番号:107−21−1、Mallinckrodt Baker、Phillipsburg、NJから入手)を散逸性液体として使用したことを除き、実施例5に説明されるとおり調製した。
【0208】
鮮明な像の後、5つの他の鮮明度の低い像を観察した。
【0209】
(実施例8)
実施例8を、ジエチレングリコール(CAS登録番号:111−46−6、Alfa Aesarから入手)を散逸性液体として使用したことを除き、実施例5に説明されるとおり調製した。
【0210】
鮮明な像の後、4つの他の鮮明度の低い像を観察した。
【0211】
(実施例9)
実施例9を、トリエチレングリコール(CAS登録番号:112−27−6、Alfa Aesarから入手)を散逸性液体として使用したことを除き、実施例5に説明されるとおり調製した。
【0212】
鮮明な像の後、6つの他の鮮明度の低い像を観察した。
【0213】
(実施例10)
実施例10を、0.24ミリメートル(0.0095インチ)の厚さのポリエチレンテレフタレートコポリマー、PETG(Eastman Chemical Company、Kingsport,TNから商標名「EASTAR 6763」を入手)フィルムを、1分間当たり6.1メートル(1分間当たり20フィート)で押出し鋳造することによって調製した。押出されるPETGの温度は、約260℃(500°F)であった。押出されたフィルムを、140マイクロメートルのピッチ交差パターンを作成するダウンウェブネジ切り及びクロスウェブネジ切りの両方を有する、305ミリメートル(12インチ)の直径のダイヤモンド切削ロールの表面の中にニップした。ローラー内部を流れる水温を54℃(130°F)に設定した。
【0214】
インクジェット印刷装置(FUJIFILM Dimatix、Inc.、Santa Clara、CAから商標名「SPECTRA SE128」を入手)を使用して、押出プロセス中にプロピレングリコール(CAS登録番号:57−55−6、Alfa Aesarから入手)のパターンをダイヤモンド切削ロール上に転写させた。5ミリメートル×40ミリメートルの寸法の一連のテキスト文字を、49℃のインクジェットヘッド温度で、装置によって転写した。フィルムを収集し、テキスト文字の鮮明な像並びに反復された像を観察した。
【0215】
共焦点顕微鏡(「KEYENCE VK9710」)を使用して、フィルムの両方の区域内の212マイクロメートル×283マイクロメートルの面積の粗さパラメーターを測定した。「VISION FOR PROFILERS」(バージョン4.20)の商標名で市販されるソフトウエアを使用してデータを分析し、以下の結果(サンプル当たり7つの測定に基づく)が生じた。
【0216】
【表2】
(実施例11)
実施例11を、0.32ミリメートル(0.0125インチ)の厚さのポリプロピレン(Total Petrochemicals USA Inc.、Houston、TXから商標名「TOTAL POLYPROPYLENE 5724」を入手)フィルムを、1分間当たり6.8メートル(1分間当たり22.5フィート)で押出し鋳造することによって調製した。押出されるポリプロピレンの温度は、約218℃(425°F)であった。押出されたフィルムを、ビーズブラストマットテクスチャを有する305ミリメートル(12インチ)の直径のロールの表面の中にニップした。ローラー内部を流れる水温を52℃(125°F)に設定した。
【0217】
フレキソプルーフ器具(R K Print Coat Instruments of Litlington、United Kingdomから商標名「ESIPROOF」を入手)を使用して、コーティング及び硬化プロセス中にプロピレングリコール(CAS登録番号:57−55−6、Alfa Aesarから入手)のパターンをマットテクスチャロールの上に転写した。プルーフ器具は、直線のセンチメートル当たり80セル(直線のインチ当たり200セル)を有するアニロックスロール、及びCaliber Engraving、Brea、CAによって表面上に刻まれた一連の20ミリメートル幅の「3M」ロゴを有するゴムパターンロールを使用した。ホットエアガン(Steinel America Inc.、Bloomington、MNから商標名HG 2310 LCDを入手)を316℃(600°F)に設定し、それを使用してフィルム剥離位置とパターン転写位置との間のマットテクスチャロールの表面上に熱風を吹きつけた。フィルムを収集し、反復像のないロゴの鮮明な像を観察した。
【0218】
共焦点顕微鏡(「KEYENCE VK9710」)を使用して、フィルムの両方の区域内の770マイクロメートル×185マイクロメートルの粗さパラメーターを測定した。「VISION FOR PROFILERS」(バージョン4.20)の商標名で市販されるソフトウエアを使用してデータを分析し、以下の結果(サンプル当たり7つの測定に基づく)が生じた。
【0219】
【表3】
(実施例12)
実施例12を、プルーフ器具が、刻まれたパターンを有さないゴムロールを使用し、フィルム上に連続ストライプ像をもたらしたことを除き、実施例11に説明されたとおりに調製した。ヘイズメーター(BYK Gardner USA、Silver Springs、MDから商標名「HAZE−GARD PLUS」を入手)を使用して、以下のフィルムの光学特性を測定した(データは、16の測定値の平均及び標準偏差を表す)。
【0220】
【表4】
本開示の範囲及び趣旨から外れることなく、本発明の予測可能な修正及び変更が当業者には自明であろう。本発明は、説明を目的として本出願に記載される各実施形態に限定されるべきものではない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図7A
図8
図9
図10
図11