(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取引先特定部は、前記入出金情報から抽出した電話番号に一致する電話番号が前記記憶部に記憶されていない場合、前記記憶部に記憶されている電話番号のうち、前記入出金情報から特定した電話番号と部分一致する電話番号に関連付けられている前記取引先識別情報を表示部に表示させるとともに、一の前記取引先識別情報の選択を受け付けることにより、前記取引先識別情報を特定する、
請求項6に記載の仕訳情報生成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、各種書類等に含まれる入出金の明細が異なる場合には、異なる仕訳パターンで仕訳情報を入力する場合がある。例えば、各種書類等に含まれる明細の件数が1件の場合と、各種書類等に含まれる明細の件数が10件の場合とで、異なる仕訳パターンで仕訳情報を入力する場合がある。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムは、入力元、日付、相手先、摘要、入金金額、出金金額のうちの1項目以上の項目の一致の度合いに応じて仕訳情報を生成するものであり、各種書類等に含まれる明細によって適切な仕訳情報を生成することができないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、適切な仕訳情報を生成することができる仕訳情報生成装置、仕訳情報生成システム、仕訳情報生成方法、及び仕訳情報生成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る仕訳情報生成装置は、入出金の明細を示す明細情報を一以上含む入出金情報を取得する取得部と、前記入出金情報に対応する取引先を識別する取引先識別情報を特定する取引先特定部と、前記入出金情報に含まれる前記取引先に対応する前記明細情報の量を示す情報を特定する量特定部と、前記取引先識別情報と、前記取引先に対応する一以上の仕訳パターンと、当該仕訳パターンに対応する仕訳情報の入力元となった過去の前記入出金情報に含まれる前記明細情報の量を示す情報とを関連付けて記憶する記憶部を参照し、特定された前記取引先識別情報と、特定された前記明細情報の量とに関連する仕訳パターンを前記入出金情報に対応する仕訳パターンとして特定するパターン特定部と、前記入出金情報と、特定された仕訳パターンとに基づいて、取得された前記入出金情報に対応する仕訳情報の少なくとも一部を生成する生成部と、を備える。
【0008】
前記量特定部は、前記明細情報の量を示す情報として、前記明細情報に基づいて前記明細の件数を特定してもよい。
前記取得部は、前記明細情報を示すテキスト情報を取得し、前記量特定部は、前記明細情報の量を示す情報として、前記テキスト情報のデータ量を特定してもよい。
【0009】
前記取得部は、伝票画像から前記入出金情報を取得し、前記量特定部は、前記明細情報の量を示す情報として、前記伝票画像のサイズを特定してもよい。
前記取得部は、伝票画像から前記入出金情報を取得し、前記量特定部は、前記明細情報の量を示す情報として、前記伝票画像の形状を特定してもよい。
【0010】
前記記憶部は、前記取引先識別情報と前記取引先の電話番号とを関連付けて記憶し、前記取得部は、前記入出金情報から前記取引先の電話番号を抽出し、前記記憶部において当該電話番号に関連付けられている前記取引先識別情報を特定してもよい。
【0011】
前記取引先特定部は、前記入出金情報から抽出した電話番号に一致する電話番号が前記記憶部に記憶されていない場合、前記記憶部に記憶されている電話番号のうち、前記入出金情報から特定した電話番号と部分一致する電話番号に関連付けられている前記取引先識別情報を表示部に表示させるとともに、一の前記取引先識別情報の選択を受け付けることにより、前記取引先識別情報を特定してもよい。
【0012】
本発明の第2の態様に係る仕訳情報生成システムは、端末と、仕訳情報生成装置とを備える仕訳情報生成システムであって、前記仕訳情報生成装置は、前記端末から、入出金の明細を示す明細情報を一以上含む入出金情報を取得する取得部と、前記入出金情報に対応する取引先を識別する取引先識別情報を特定する取引先特定部と、前記入出金情報に含まれる前記取引先に対応する前記明細情報の量を示す情報を特定する量特定部と、前記取引先識別情報と、前記取引先に対応する一以上の仕訳パターンと、当該仕訳パターンに対応する仕訳情報の入力元となった過去の前記入出金情報に含まれる前記明細情報の量を示す情報とを関連付けて記憶する記憶部を参照し、特定された前記取引先識別情報と、特定された前記明細情報の量とに関連する仕訳パターンを前記入出金情報に対応する仕訳パターンとして特定するパターン特定部と、前記入出金情報と、特定された仕訳パターンとに基づいて、取得された前記入出金情報に対応する仕訳情報の少なくとも一部を生成する生成部とを有し、前記端末は、前記入出金情報を前記仕訳情報生成装置に送信する送信部と、前記生成部が生成した前記仕訳情報の少なくとも一部を表示部に表示させる表示制御部とを有する。
【0013】
本発明の第3の態様に係る仕訳情報生成方法は、コンピュータにより実行される、入出金の明細を示す明細情報を一以上含む入出金情報を取得するステップと、前記入出金情報に対応する取引先を識別する取引先識別情報を特定するステップと、前記入出金情報に含まれる前記取引先に対応する前記明細情報の量を示す情報を特定するステップと、前記取引先識別情報と、前記取引先に対応する一以上の仕訳パターンと、当該仕訳パターンに対応する仕訳情報の入力元となった過去の前記入出金情報に含まれる前記明細情報の量を示す情報とを関連付けて記憶する記憶部を参照し、特定された前記取引先識別情報と、特定された前記明細情報の量とに関連する仕訳パターンを前記入出金情報に対応する仕訳パターンとして特定するステップと、前記入出金情報と、特定された仕訳パターンとに基づいて、取得された前記入出金情報に対応する仕訳情報の少なくとも一部を生成するステップと、を備える。
【0014】
本発明の第4の態様に係る仕訳情報生成プログラムは、コンピュータを、入出金の明細を示す明細情報を一以上含む入出金情報を取得する取得部、前記入出金情報に対応する取引先を識別する取引先識別情報を特定する取引先特定部、前記入出金情報に含まれる前記取引先に対応する前記明細情報の量を示す情報を特定する量特定部、前記取引先識別情報と、前記取引先に対応する一以上の仕訳パターンと、当該仕訳パターンに対応する仕訳情報の入力元となった過去の前記入出金情報に含まれる前記明細情報の量を示す情報とを関連付けて記憶する記憶部を参照し、特定された前記取引先識別情報と、特定された前記明細情報の量とに関連する仕訳パターンを前記入出金情報に対応する仕訳パターンとして特定するパターン特定部、及び、前記入出金情報と、特定された仕訳パターンとに基づいて、取得された前記入出金情報に対応する仕訳情報の少なくとも一部を生成する生成部、として機能させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、適切な仕訳情報を生成することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[仕訳情報生成装置1の概要]
図1は、本実施形態に係る仕訳情報生成システムSの概要を示す図である。
仕訳情報生成システムSは、仕訳情報生成装置1と、仕訳情報生成装置1と通信可能なユーザ端末2とを備え、領収書等の紙媒体に含まれる入出金情報や銀行システムから出力される入出金情報に基づいて仕訳情報を生成するシステムである。
【0018】
仕訳情報生成装置1は、例えば、個人事業主や中小企業向けの会計サービスを提供するサーバであり、例えば、当該会計サービスを提供するサービス提供業者によって運営される。ユーザ端末2は、例えば、個人事業主や中小企業が使用するコンピュータであり、パーソナルコンピュータや、スマートフォン等である。
【0019】
なお、
図1の説明では、仕訳情報生成装置1が、一のユーザが使用するユーザ端末2から入力される入出金情報に基づいて、当該ユーザに対応する仕訳情報を生成する例を説明するが、仕訳情報生成装置1は、複数のユーザのそれぞれが使用するユーザ端末2から入力される入出金情報に基づいて、複数のユーザのそれぞれに対応する仕訳情報を生成してもよいものとする。
【0020】
仕訳情報生成装置1は、領収書等の紙媒体の伝票を示す伝票画像に含まれる入出金情報、又は銀行システムから取得された入出金情報をユーザ端末2から取得する(
図1の(1))。仕訳情報生成装置1は、取得した入出金情報に対応する取引先と、入出金情報に含まれる明細を示す明細情報の量とを特定する(
図1の(2))。ここで、取引先は、ユーザ端末2を使用するユーザの取引相手である。
【0021】
仕訳情報生成装置1は、取引先と、過去の仕訳結果に対応する仕訳パターンと、当該仕訳パターンに対応する入出金情報に含まれる明細の量とを関連付けて記憶する仕訳パターン記憶部111から、特定した取引先と、明細情報の量とに対応する仕訳パターンを特定し(
図1の(3))、特定された仕訳パターンに基づいて、取得された入出金情報に対応する仕訳情報の少なくとも一部を生成して出力する(
図1の(4))。
【0022】
入出金情報に含まれる明細の量が異なる場合、同じ取引先の入出金情報であっても仕訳パターンが異なる場合がある。例えば、入出金情報に含まれる明細の量が少ない場合には、当該入出金情報に対応する仕訳パターンが一の仕訳パターンとなり、明細の量が多い場合には、当該入出金情報に対応する仕訳パターンが複数の仕訳パターンとなる場合がある。これに対して、仕訳情報生成装置1は、仕訳パターン記憶部111を参照することで、取得した入出金情報に含まれる明細の量に対応する仕訳パターンを特定して、適切な仕訳情報を生成することができる。
【0023】
[仕訳情報生成装置1の構成]
続いて、仕訳情報生成装置1の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る仕訳情報生成装置1の構成を示す図である。
【0024】
仕訳情報生成装置1は、記憶部11と、制御部12とを備える。
記憶部11は、例えば、ROM、RAM及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部11は、制御部12が実行するプログラムを記憶する。例えば、記憶部11は、制御部12を、取得部121、取引先特定部122、量特定部123、パターン特定部124、生成部125、出力部126、及び記憶制御部127として機能させる仕訳情報生成プログラムを記憶する。また、記憶部11は、仕訳パターン記憶部111と、仕訳情報記憶部112とを備える。
【0025】
図3は、仕訳パターン記憶部111に記憶されている情報の一例を示す図である。
図3に示すように、仕訳パターン記憶部111は、取引先を識別する取引先識別情報と、当該取引先に対応する一以上の仕訳パターンと、当該仕訳パターンに対応する仕訳情報の入力元となった過去の入出金情報に含まれる明細の件数とを関連付けて記憶する。ここで、明細の件数は、過去の入出金情報に含まれる明細情報の量を示す情報である。仕訳パターンは、例えば、借方の勘定科目と、貸方の勘定科目と、摘要とを関連付けた情報である。なお、明細件数には、
図3に示すように、明細件数の範囲が記憶されていてもよい。
仕訳パターン記憶部111は、仕訳情報記憶部112に記憶されている情報に基づいて定期的に更新される。
【0026】
図4は、仕訳情報記憶部112に記憶されている情報の一例を示す図である。
図4に示すように、仕訳情報記憶部112は、取引先識別情報と、明細件数と、仕訳情報とを関連付けて記憶する。
明細件数は、仕訳情報の入力元となった入出金情報に含まれる明細の件数である。
仕訳情報は、入出金が行われた日付(例えば、伝票日付)と、借方の勘定科目及び金額と、貸方の勘定科目及び金額と、摘要とを関連付けた情報である。仕訳情報は、ユーザ端末2において仕訳情報が入力されたことに応じて仕訳情報記憶部112に記憶される。
【0027】
制御部12は、例えばCPUである。制御部12は、記憶部11に記憶されている各種プログラムや、通信ネットワークを介して外部機器から取得したプログラムを実行することにより、仕訳情報生成装置1に係る機能を制御する。制御部12は、仕訳情報生成プログラムを実行することにより、取得部121、取引先特定部122、量特定部123、パターン特定部124、生成部125、出力部126、及び記憶制御部127として機能する。
【0028】
以下に、制御部12が備える機能の詳細についてフローチャートを参照しながら説明する。
図5は、仕訳情報生成装置1における処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図5の説明では、一のユーザ端末2から入出金情報を取得する際の処理の流れについて説明するが、仕訳情報生成装置1は、複数のユーザ端末2のそれぞれについて、フローチャートに示される処理を行うものとする。
【0029】
まず、取得部121は、入出金の明細を示す明細情報を一以上含む入出金情報を取得する(S1)。具体的には、取得部121は、仕訳情報生成装置1にインターネット等の通信ネットワークによって接続されたユーザ端末2に操作画面を表示させて、当該操作画面を介して入出金情報の選択操作や、入出金情報を仕訳情報生成装置1に送信する送信操作を受け付ける。ユーザ端末2は、送信部として機能し、選択操作及び送信操作を受け付けたことに応じて、入出金情報を含み、領収書やレシート等の紙媒体をスキャニング又は撮影することによって生成された伝票画像を仕訳情報生成装置1に送信する。取得部121は、ユーザ端末2から送信された伝票画像を受信する。
【0030】
そして、取得部121は、伝票画像に対して光学文字認識(OCR:Optical Character Recognition)処理を行い、伝票画像に含まれているテキスト情報を入出金情報として取得する。ここで、入出金情報には、取引先の名称、取引先の電話番号、入出金が行われた日付、及び入出金の明細を示す明細情報が含まれているものとする。
【0031】
なお、取得部121は、伝票画像を取得し、当該伝票画像に対して光学文字認識処理を行うことにより入出金情報を取得したが、これに限らない。例えば、取得部121は、伝票画像から予め光学文字認識処理によって抽出された入出金情報と、伝票画像とを取得してもよい。
【0032】
また、取得部121は、伝票画像に含まれているテキスト情報を入出金情報として取得したが、これに限らず、銀行システムから取得された、銀行口座への入出金を示すFBデータやCSVデータを入出金情報としてユーザ端末2から取得してもよい。
【0033】
続いて、取引先特定部122は、入出金情報に対応する取引先を識別する取引先識別情報を特定する(S2)。具体的には、取引先特定部122は、取得した入出金情報から、電話番号を示す情報を抽出する。例えば、取引先特定部122は、テキスト情報としての入出金情報から、数字及びハイフンから構成される文字列を取得し、当該文字列が電話番号の正規表現に対応している場合、当該文字列からハイフンを除去した文字列を、電話番号を示す情報として抽出する。
【0034】
記憶部11には、取引先識別情報と、電話番号とを関連付けた情報が記憶されており、取引先特定部122は、記憶部11を参照し、入出金情報から抽出された電話番号に関連付けられている取引先識別情報を抽出する。
【0035】
取引先特定部122は、入出金情報から抽出した電話番号に一致する電話番号が記憶部11に記憶されていない場合、記憶部11を参照し、当該電話番号と部分一致する電話番号を特定する。ここで、入出金情報から抽出した電話番号と部分一致する電話番号は、例えば、入出金情報から抽出した電話番号と所定数(例えば1つ)だけ数字が異なる電話番号である。取引先特定部122は、特定した電話番号に関連付けられている取引先識別情報をユーザ端末2の表示部に表示させるとともに、一の取引先識別情報の選択を受け付けることにより、取得された入出金情報に対応する取引先識別情報を特定する。このようにすることで、OCR処理において電話番号を誤認識した場合であっても、正しい取引先を選択することができる。
【0036】
また、記憶部11に、地名等のキーワードを記憶させるとともに、取引先の取引先識別情報と、取引先の住所と、電話番号とを関連付けて記憶させておいてもよい。そして、取引先特定部122は、入出金情報から電話番号と、キーワードとを抽出し、これらの情報に基づいて取引先識別情報を特定するようにしてもよい。例えば、取引先特定部122は、入出金情報から抽出した電話番号と部分一致する電話番号と、抽出したキーワードを含む住所とに関連付けられている取引先識別情報を特定する。そして、取引先特定部122は、特定した取引先識別情報をユーザ端末2の表示部に表示させるとともに、一の取引先識別情報の選択を受け付ける。このようにすることで、入出金情報に対応する取引先を精度良く特定することができる。
【0037】
続いて、量特定部123は、入出金情報に含まれる取引先に対応する明細情報の量を示す情報を特定する(S3)。具体的には、量特定部123は、明細情報に基づいて、入出金情報に含まれる入出金の明細の件数を特定する。
【0038】
ここで、銀行システムから取得された入出金情報には、複数の取引先識別情報が含まれている場合がある。そこで、量特定部123は、入出金情報に複数の取引先識別情報が含まれている場合には、複数の取引先識別情報のそれぞれに関連付けられている明細情報に基づいて、複数の取引先識別情報のそれぞれに対応する明細情報の量を示す情報を特定してもよい。
【0039】
なお、量特定部123は、明細情報の量を示す情報として、明細情報に対応するテキスト情報のデータ量を特定してもよい。
また、量特定部123は、取得部121が伝票画像から入出金情報を取得した場合には、明細情報の量を示す情報として、伝票画像のサイズを特定するようにしてもよい。また、量特定部123は、明細情報の量を示す情報として、伝票画像の形状を特定するようにしてもよい。伝票画像は、矩形形状であることから、量特定部123は、伝票画像の形状として、伝票画像における短手方向の辺の長さと、長手方向の辺の長さとの比率を伝票画像の形状を示す情報として特定するようにしてもよい。
【0040】
例えば、紙媒体が店舗等において商品の購入時に発行されるレシートである場合、レシートを示す伝票画像のサイズ及び伝票画像の形状は、購入した商品の品目数に応じて異なる。また、購入した商品の品目数と、仕訳パターンとは関連性があることから、仕訳情報生成装置1は、レシート等を示す伝票画像の大きさ及び伝票画像の形状を特定することにより、当該レシート等に示される入出金情報に対応する仕訳パターンを特定することができる。
【0041】
なお、量特定部123が明細情報の量を示す情報として、明細情報に対応するテキスト情報のデータ量、伝票画像のサイズ、又は伝票画像の形状を特定する場合、仕訳パターン記憶部111、及び仕訳情報記憶部112は、明細情報の量を示す情報として、明細情報に対応するテキスト情報のデータ量、伝票画像のサイズ、又は伝票画像の形状を示す情報を記憶するものとする。
【0042】
続いて、パターン特定部124は、仕訳パターン記憶部111を参照し、取引先特定部122によって特定された取引先識別情報と、量特定部123により特定された明細情報の量とに関連する仕訳パターンを、取得部121が取得した入出金情報に対応する仕訳パターンとして特定する(S4)。
【0043】
例えば、
図3に示す情報が仕訳パターン記憶部111に記憶されている場合において、特定された取引先識別情報が「A」、明細件数が10件である場合、パターン特定部124は、取得された入出金情報に対応する仕訳パターンとして、借方が通信費、貸方が現金、摘要が切手である仕訳パターンと、借方が消耗品費、貸方が現金、摘要が備品である仕訳パターンとを特定する。また、特定された取引先識別情報が「A」、明細件数が2件である場合、パターン特定部124は、取得された入出金情報に対応する仕訳パターンとして、借方が消耗品費、貸方が現金、摘要が備品である仕訳パターンを特定する。
【0044】
なお、パターン特定部124は、取引先識別情報と明細情報の量とに基づいて仕訳パターンを特定したが、これらの情報と、入出金情報に含まれる他の情報とに基づいて仕訳パターンを特定するようにしてもよい。
【0045】
例えば、仕訳パターン記憶部111に、取引先識別情報、明細情報の量、入出金の日付、入出金の合計金額、品目、及び摘要の少なくともいずれかに仕訳パターンを関連付けて記憶しておく。そして、パターン特定部124は、特定した取引先識別情報に関連付けられている仕訳パターンのうち、入出金情報に含まれる明細の明細情報の量、入出金の日付、入出金の合計金額、品目、及び摘要の少なくともいずれかとの一致度に基づいて仕訳パターンを特定するようにしてもよい。このようにすることで、仕訳情報生成装置1は、明細情報の量のみで入出金情報に対応する仕訳パターンを特定する場合に比べて、精度良く入出金情報を特定することができる。
【0046】
続いて、生成部125は、取得された入出金情報と、特定された仕訳パターンとに基づいて、取得された入出金情報に対応する仕訳情報の少なくとも一部を生成する(S5)。具体的には、生成部125は、入出金情報に含まれる金額を示す情報に基づいて、入出金金額を特定し、当該入出金金額を借方及び貸方の金額とする。そして、生成部125は、特定された仕訳パターンに含まれる勘定科目及び摘要と、借方及び貸方の金額とを含む仕訳情報を生成するようにしてもよい。生成部125は、取得された入出金情報に対応して複数の仕訳パターンが特定された場合には、それぞれの仕訳パターンに対応する金額が不明であることから、借方及び貸方の金額を示す情報が含まれないように仕訳情報を生成してもよい。
【0047】
続いて、出力部126は、生成部125が生成した仕訳情報の少なくとも一部を示す情報をユーザ端末2に出力する(S6)。ユーザ端末2は、表示制御部として機能し、仕訳情報の少なくとも一部を示す情報を受信すると、当該情報を表示部に表示させる。
図6は、ユーザ端末2に表示される仕訳情報の入力領域の一例を示す図である。
図6(a)は、特定された取引先識別情報が「A」、明細件数が10件である場合の画面表示例であり、
図6(b)は、特定された取引先識別情報が「A」、明細件数が2件である場合の画面表示例である。
図6に示すように同じ取引先に対応する入出金情報に基づく仕訳であっても、明細情報の量に基づいて異なる仕訳パターンによる仕訳が行われていることが確認できる。
【0048】
図6(a)に示すように、複数の仕訳パターンが特定された場合には、それぞれの仕訳パターンに対応する仕訳の金額欄が空白であり、ユーザ端末2のユーザによる金額の入力が必要であることが確認できる。また、
図6(b)に示すように、一の仕訳パターンが特定された場合には、当該仕訳パターンに対応する仕訳の金額欄に、入出金情報に含まれる入出金の金額が入力されていることが確認できる。
【0049】
なお、ユーザ端末2において、仕訳情報の入力領域の近傍に、当該仕訳情報に対応する入出金情報、又は当該入出金情報に対応する伝票画像の表示要求を受け付けるためのボタン等を表示させるようにしておいてもよい。そして、出力部126は、当該ボタンを介して表示要求を受け付けたことに応じて、入出金情報又は伝票画像をユーザ端末2に表示させてもよい。このようにすることで、ユーザ端末2のユーザは、入出金情報又は伝票画像を確認しながら入出金に係る金額や、勘定科目等の訂正を容易に行うことができる。
S6の処理が終了すると、仕訳情報生成装置1は、
図5に示すフローチャートに係る処理を終了する。
【0050】
記憶制御部127は、ユーザ端末2において仕訳情報の訂正作業等が行われた後、仕訳情報を含み、仕訳情報の入力領域に入力された仕訳情報の登録を要求する登録要求をユーザ端末2から受信したことに応じて、当該仕訳情報と、当該仕訳情報の入力元となった入出金情報に対応する取引先識別情報と、明細情報の量とを関連付けて仕訳情報記憶部112に記憶させる。なお、記憶制御部127は、仕訳情報記憶部112に記憶されているこれらの情報に関連付けて入出金情報を記憶させてもよい。
【0051】
また、記憶制御部127は、定期的に仕訳情報記憶部112に記憶されている仕訳情報に基づいて仕訳パターン記憶部111に記憶されている仕訳パターンを更新する。例えば、取引先識別情報ごと、明細件数の範囲ごとに、最も多く出現する仕訳パターンを特定する。そして、記憶制御部127は、仕訳パターン記憶部111において、明細件数の範囲に関連付けられている仕訳パターンを、新たに特定した仕訳パターンに更新する。このようにすることで、仕訳情報生成装置1は、仕訳パターン記憶部111に記憶されている情報を最新の情報に維持することができる。
【0052】
[本実施形態における効果]
以上説明した通り、本実施形態に係る仕訳情報生成装置1は、取引先識別情報と、取引先に対応する一以上の仕訳パターンと、当該仕訳パターンに対応する仕訳情報の入力元となった過去の入出金情報に含まれる明細情報の量を示す情報とを関連付けて記憶する仕訳パターン記憶部111を参照し、特定された取引先識別情報と、特定された明細情報の量とに関連する仕訳パターンを、取得された入出金情報に対応する仕訳パターンとして特定し、取得された入出金情報と、特定された仕訳パターンとに基づいて、取得された入出金情報に対応する仕訳情報の少なくとも一部を生成する。このようにすることで、仕訳情報生成装置1は、仕訳パターン記憶部111を参照して、取得した入出金情報に含まれる明細の量に対応する仕訳パターンに基づいて適切な仕訳情報を生成することができる。
【0053】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0054】
例えば、上述の実施形態では、仕訳情報生成装置1の制御部12が、仕訳情報生成プログラムを実行することにより、制御部12を、取得部121、取引先特定部122、量特定部123、パターン特定部124、生成部125、出力部126、及び記憶制御部127として機能させたが、これに限らない。例えば、ユーザ端末2の制御部が、仕訳情報生成プログラムを実行することにより、制御部を、取得部121、取引先特定部122、量特定部123、パターン特定部124、生成部125、出力部126、及び記憶制御部127として機能させるようにしてもよい。
【解決手段】仕訳情報生成装置1は、入出金の明細を示す明細情報を一以上含む入出金情報を取得する取得部121と、入出金情報に対応する取引先を識別する取引先識別情報を特定する取引先特定部122と、入出金情報に含まれる明細情報の量を示す情報を特定する量特定部123と、取引先識別情報と、取引先に対応する一以上の仕訳パターンと、当該仕訳パターンに対応する仕訳情報の入力元となった過去の入出金情報に含まれる明細情報の量を示す情報とを関連付けて記憶する仕訳パターン記憶部111を参照し、特定された取引先識別情報と、特定された明細情報の量とに関連する仕訳パターンを入出金情報に対応する仕訳パターンとして特定するパターン特定部124と、入出金情報と、特定された仕訳パターンとに基づいて、取得された入出金情報に対応する仕訳情報の少なくとも一部を生成する生成部125と、を備える。