【実施例】
【0088】
以下に本発明の内容を、実施例、参考例、及び薬理試験例を挙げて、さらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は、その記載内容に限定されるものではない。
以下の実施例及び参考例における核磁気共鳴(
1H-NMR)スペクトルは、テトラメチルシランを標準物質としてケミカルシフト値をδ値(ppm)で記載した。分裂パターンは、一重線を「s」、二重線を「d」、三重線を「t」、四重線を「q」、五重線を「quin」、多重線を「m」、幅広い線を「br」で示した。質量分析は、エレクトロスプレーイオン化法(ESI)で行った。表中において、メチル基を「Me」、エチル基を「Et」で示した。
【0089】
[参考例1]
(S)−2−メチル−4−(3−メチルピロリジン−1−イル)安息香酸 メチルエステル
4−フルオロ−2−メチル安息香酸 メチルエステル(970mg)をN−メチル−2−ピロリドン(20mL)へ溶解し、炭酸カリウム(2.39g)存在下、(S)−3−メチルピロリジン塩酸塩(772mg)を加えた後、120℃で6時間撹拌した。反応液を室温へ戻し、酢酸エチルを加え、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/6)にて精製することにより、無色油状物として表記化合物(720mg)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.88(d,J=8.0Hz,1H),6.34-6.30(m,2H),3.82(s,3H),3.51-3.47(m,1H),3.45-3.39(m,1H),3.36-3.29(m,1H),2.92-2.88(m,1H),2.59(s,3H),2.45-2.32(m,1H),2.17-2.10(m,1H),1.68-1.58(m,1H),1.13(d,J=8.0Hz,3H).
ESI/MS(m/z)234(M+H)
+.
【0090】
[参考例2]
(S)−2−メチル−4−(3−メチルピロリジン−1−イル)安息香酸
(S)−2−メチル−4−(3−メチルピロリジン−1−イル)安息香酸 メチルエステル(710mg)をメタノール(7mL)へ溶解し、水(6mL)、水酸化リチウム一水和物(383mg)を加えた後、60℃で6時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、酢酸エチルを加え、5%クエン酸水溶液で酸性とした後、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮することにより、白色固体として表記化合物(660mg)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ12.36(brs,1H),8.00(d,J=8.0Hz,1H),6.36(d,J=8.0Hz,1H),6.31(s,1H),3.51-3.48(m,1H),3.47-3.41(m,1H),3.37-3.31(m,1H),2.93-2.89(m,1H),2.62(s,3H),2.42-2.35(m,1H),2.18-2.10(m,1H),1.68-1.59(m,1H),1.13(d,J=8.0Hz,3H).
ESI/MS (m/z)220(M+H)
+,218(M-H)
-.
【0091】
[参考例3]
4−ブロモ−2−メチル安息香酸 ベンジルエステル
4−ブロモ−2−メチル安息香酸(2.15g)を塩化チオニル(5.0mL)とN,N−ジメチルホルムアミド(100μL)に溶解し、50℃で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣を塩化メチレン(10mL)に溶解し、ベンジルアルコール(1.0mL)とピリジン(1.6mL)を加え、室温で30分間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、塩化メチレンで抽出した。有機相を水、飽和食塩水で順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/0-6/1)にて精製することにより、表記化合物(2.65g)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.82(d,J=8.4Hz,1H),7.47-7.30(m,7H),5.33(s,2H),2.58(s,3H).
【0092】
[参考例4]
4−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−3−メチル安息香酸 メチルエステル
4−ブロモ−2−メチル安息香酸 ベンジルエステル(4.86g)をジメチルスルホキシド(48mL)とメタノール(48mL)の混合溶媒に溶解し、酢酸パラジウム(358mg)と1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(657mg)とジイソプロピルエチルアミン(5.4mL)を加えた後、一酸化炭素で置換し、60℃で一晩撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を水、飽和食塩水で順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=24/1-3/1)にて精製することにより、表記化合物(3.91g)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.97(d,J=8.1Hz,1H),7.94-7.90(m,1H),7.87(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),7.49-7.43(m,2H),7.43-7.33(m,3H),5.36(s,2H),3.93(s,3H),2.63(s,3H).
ESI/MS(m/z)285(M+H)
+ .
【0093】
[参考例5]
4−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−3−メチル安息香酸
4−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−3−メチル安息香酸 メチルエステル(3.03g)をテトラヒドロフラン(30mL)と水(30mL)の混合溶媒に溶解し、水酸化リチウム一水和物(671mg)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に1M塩酸を加え、酸性とした後、酢酸エチルで抽出した。有機相を水、飽和食塩水で順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮することにより、白色固体として表記化合物(2.84g)を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO)δ13.21(s,1H),7.92(d,J=8.0Hz,1H),7.90-7.77(m,2H),7.53-7.30(m,5H),5.35(s,2H),2.55(s,3H).
ESI/MS(m/z)269(M-H)
-.
【0094】
[参考例6]
4−[(1−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバモイル]−2−メチル安息香酸 ベンジルエステル
4−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−3−メチル安息香酸(1.24g)をN,N−ジメチルホルムアミド(23mL)に溶解し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1.76g)と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.41g)とジイソプロピルエチルアミン(3.1mL)とDL−2−アミノ−1−プロパノール(730μL)を加え、40℃で一晩撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を水、飽和食塩水で順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=1/2)にて精製することにより、表記化合物(1.07g)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.90(d,J=8.1Hz,1H),7.60(s,1H),7.56(d,J=8.1Hz,1H),7.48-7.29(m,5H),6.71(brs,1H),5.32(s,2H),4.31-4.15(m,1H),3.73(dd,J=11.1,3.7Hz,1H),3.61(dd,J=11.1,5.5Hz,1H),3.37(brs,1H),2.56(s,3H),1.25(d,J=6.8Hz,3H).
ESI/MS(m/z)328(M+H)
+,326(M-H)
- .
【0095】
[参考例7]
2−メチル−4−[(1−オキソプロパン−2−イル)カルバモイル]安息香酸 ベンジルエステル
4−[(1−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバモイル]−2−メチル安息香酸 ベンジルエステル(1.07g)を塩化メチレン(16mL)に溶解し、デス・マーチン試薬(2.08g)を0℃で加えた後、室温で1時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、塩化メチレンで抽出した。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1-2/5)にて精製することにより、表記化合物(846mg)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ9.64(s,1H),7.98(d,J=8.1Hz,1H),7.68(s,1H),7.66-7.59(m,1H),7.48-7.31(m,5H),7.01(brs,1H),5.35(s,2H),4.79-4.62(m,1H),2.63(s,3H),1.49(d,J=7.4Hz,3H).
ESI/MS(m/z)326(M+H)
+,324(M-H)
- .
【0096】
[参考例8]
2−メチル−4−(4−メチルオキサゾール−2−イル)安息香酸 ベンジルエステル
トリフェニルホスフィン(2.05g)とヘキサクロロエタン(1.85g)をアセトニトリル(18mL)に溶解し、2−メチル−4−[(1−オキソプロパン−2−イル)カルバモイル]安息香酸 ベンジルエステル(846mg)のアセトニトリル溶液(8mL)を加え、室温で10分間撹拌した。ピリジン(1.3mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を水、飽和食塩水で順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=12/1-5/2)にて精製することにより、表記化合物(691mg)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.02(d,J=8.2Hz,1H),7.95-7.90(m,1H),7.89-7.82(m,1H),7.50-7.30(m,6H),5.36(s,2H),2.66(s,3H),2.26(d,J=1.2Hz,3H).
ESI/MS(m/z)308(M+H)
+ .
【0097】
[参考例9]
2−メチル−4−(4−メチルオキサゾール−2−イル)安息香酸
2−メチル−4−(4−メチルオキサゾール−2−イル)安息香酸 ベンジルエステル(69.0mg)をメタノール(8mL)に溶解し、1M水酸化ナトリウム水溶液(4mL)を加え、50℃で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣に1M塩酸を加え、酸性とした後、析出した結晶をろ取し、水で洗浄することにより、白色結晶として表記化合物(429mg)を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO)δ7.97(q,J=1.2Hz,1H),7.93(d,J=8.1Hz,1H),7.90-7.86(m,1H),7.86-7.79(m,1H),2.59(s,3H),2.18(d,J=1.2Hz,3H).
ESI/MS(m/z)218(M+H)
+,216(M-H)
- .
【0098】
[参考例10]
1−トシル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 エチルエステル
(2−アミノフェニル)メタノール(13.4g)をクロロホルム(400mL)に溶解し、0℃に冷却した。ピリジン(11mL)とp−トルエンスルホニルクロリド(24.8g)を加え、室温で17時間撹拌した。反応液を水で希釈し、6M塩酸を加え、酸性とした後、クロロホルムで抽出した。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮することにより、N−[2−(ヒドロキシメチル)フェニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミドを得た。
上記のN−[2−(ヒドロキシメチル)フェニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド(32.0g)をアセトン(480mL)に溶解し、酸化マンガン(IV)(75.0g)を加え、24時間加熱還流した。反応液をろ過した後、酢酸エチルで洗浄した。ろ液を減圧濃縮し、残渣を水で希釈し酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮することにより、N−(2−ホルミルフェニル)−4−メチルベンゼンスルホンアミドを得た。
上記のN−(2−ホルミルフェニル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド(24.0g)をN,N−ジメチルホルムアミド(300mL)に溶解し、ブロモ酪酸エチル(36.4g)と炭酸カリウム(36.1g)を加え、80℃で36時間撹拌した。反応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮することにより、4−[N−(2−ホルミルフェニル)−4−メチルフェニルスルホンアミド]酪酸 エチルエステルを得た。
上記の4−[N−(2−ホルミルフェニル)−4−メチルフェニルスルホンアミド]酪酸 エチルエステルを炭酸ジエチル(480mL)に溶解し、20%ナトリウムエトキシド−エタノール溶液(43.1g)を加え、室温にて4時間撹拌した。反応液を水で希釈し、6M塩酸を加え、酸性とした後、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮することにより得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/10-1/4)にて精製することにより、黄白色油状物として表記化合物(18.2g)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ6.97-6.87(m,1H),6.61-6.53(m,1H),6.48(d,J=7.9Hz,1H),3.86(s,1H),3.14-3.00(m,2H),2.86-2.76(m,2H),1.86-1.74(m,2H),1.69-1.60(m,2H).
【0099】
[参考例11]
2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル
1−トシル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 エチルエステル(18.2g)を酢酸(180mL)に溶解し、硫酸(90mL)と水(9mL)を加え、90℃で36時間撹拌した。反応液を0℃に冷却し塩化メチレンと水で希釈した。混合溶液に5M水酸化ナトリウムを加え、中和した後、塩化メチレンで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮することにより、2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸を得た。
上記の2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸をメタノール(180mL)に溶解し、硫酸(10mL)を室温にて滴下した後、17時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し得られた残渣を水で希釈した後、5M水酸化ナトリウムを加え、中和した後、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮することにより得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/10-1/4)にて精製することにより、黄白色固体として表記化合物(8.30g)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.65(s,1H),7.29-7.23(m,1H),7.13-7.06(m,1H),6.78-6.72(m,1H),6.63-6.57(m,1H),4.55(s,1H),3.80(s,3H),3.42-3.34(m,2H),2.89-2.83(m,2H).
【0100】
[参考例12]
1−トシル−3,4−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−5(2H)−オン
3,4−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−5(2H)−オン(10.0g)をピリジン(30mL)に溶解し、p−トルエンスルホニルクロリド(13.6g)を氷浴下で加え、室温で12時間撹拌した。反応液に水(60mL)を加え、室温で40分間撹拌した。得られた結晶をろ取し水で洗浄後、乾燥することで淡黄白色固体として表記化合物(18.9g)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.71(ddd,J=7.8,1.7,0.4Hz,1H),7.59(d,J=8.3Hz,2H),7.55-7.46(m,2H),7.41-7.35(m,1H),7.23-7.30(m,2H),3.86(t,J=6.6Hz,2H),2.45-2.39(m,5H),2.00-1.91(m,2H).
ESI/MS(m/z)316(M+H)
+ .
【0101】
[参考例13]
5−オキソ−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル
1−トシル−3,4−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−5(2H)−オン(47.3g)を炭酸ジメチル(300mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(48.6g)を室温で加え70℃で40分間撹拌した。その後室温まで冷却し反応液を氷水に注いだ後、酢酸エチルで抽出し、水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた残渣にメタノールを加え、析出した結晶をろ取し表記化合物(43.8g)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ11.9(brs,1H),7.81-7.10(m,8H),4.10(t,J=6.4Hz,2H),3.75-3.69(m,3H),2.57-2.17(m,5H).
【0102】
[参考例14]
4−メチル−5−オキソ−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)
5−オキソ−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(100mg)をアセトン(2mL)に溶解し、炭酸カリウム(74.1mg)、ヨウ化メチル(33μL)を加え、1.5時間加熱還流した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した後、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。反応液を減圧濃縮後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1-2/1)で精製し、白色固体として表記化合物(99.2mg)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.55(d,J=8.4Hz,2H),7.46-7.31(m,4H),7.28-7.21(m,2H),4.08-3.99(m,1H),3.87-3.77(m,1H),3.61(s,3H),2.47-2.31(m,4H),1.89-1.78(m,1H),1.31(s,3H).
ESI/MS(m/z)388(M+H)
+.
ここで、「ラセミ」は、例えば下記式;
【0103】
【化27】
【0104】
が示すように、四級炭素原子が不斉炭素である時、四級炭素原子においてラセミ化合物であることを表す。また、同化合物、及び4位の四級炭素原子が同様にラセミである原料を用いて得られる以下の化合物は、その命名の末尾に(ラセミ)と表記する。
【0105】
[実施例1]
4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)
4−メチル−5−オキソ−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ:74.0mg)を塩化メチレン(2mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(29μL)、トリエチルシラン(120μL)、メタンスルホン酸(19μL)、三ふっ化ほう素ジエチルエーテル錯体(36μL)を氷浴下加え、そのまま30分間撹拌し、室温で2時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した後、水、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。反応液を減圧濃縮後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1-1/1)で精製し、表記化合物(34.2mg)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.62(d,J=8.3Hz,2H),7.33-7.06(m,6H),4.14-3.37(m,5H),2.69(d,J=13.8Hz,1H),2.53-2.37(m,4H),2.21-2.09(m,1H)1.83-1.54(m,1H),1.12(brs,3H).
ESI/MS(m/z)374(M+H)
+.
【0106】
[実施例2]
4−メチル−2,3,4,5,−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)
4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ:434mg)をメタノール(12mL)に溶解し、マグネシウム(283mg)を加え、60℃で30分間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、室温で1時間撹拌した後、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/2)にて精製することにより、黄色油状物として表記化合物(255mg)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.09(dd,J=7.4,1.6Hz,1H),7.04(td,J=7.4,1.6Hz,1H),6.81(td,J=7.4,1.2Hz,1H),6.67(dd,J=7.4,1.2Hz,1H),3.71(brs,1H),3.62(s,3H),3.18-3.05(m,3H),2.79(d,J=13.7Hz,1H),2.26(dddd,J=13.9,7.0,2.6,1.1Hz,1H),1.70(ddd,J=13.9,9.1,3.2Hz,1H),1.24(s,3H).
ESI/MS(m/z)220(M+H)
+.
【0107】
[実施例3]
4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(ラセミ)
4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ:4.82g)をテトラヒドロフラン(35mL)とメタノール(35mL)の混合溶媒に溶解し、1M水酸化ナトリウム(37mL)を加え、50℃で11時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。水相に6M塩酸を加え、酸性とした後、塩化メチレンで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、白色固体として表記化合物(3.92g)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.62(d,J=8.3Hz,2H),7.27-7.12(m,6H),3.98-3.49(m,2H),2.71(d,J=14.0Hz,1H),2.49(d,J=14.0Hz,1H),2.43(s,3H),2.19-2.13(m,1H),1.78-1.71(m,1H),1.16(brs,3H).
ESI/MS(m/z)360(M+H)
+,358(M-H)
-.
【0108】
[参考例15]
N−[(R)−2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル]−4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド(キラルA)
[参考例16]
N−[(R)−2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル]−4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド(キラルB)
4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(ラセミ:1.00g)をN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解し、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(563mg)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(800mg)、そして(R)−(−)−2−フェニルグリシノール(572mg)を加え、室温で3時間撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出した後、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)にて精製することにより、無色油状物として表記化合物[参考例15(キラルA):526mg、参考例16(キラルB):629mg]を得た。
参考例15(キラルA):
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.59(d,J=8.3Hz,2H),7.32-7.23(m,9H),7.17(td,J=7.4,1.4Hz,1H),7.09(dd,J=7.4,1.4Hz,1H),6.96(brs,1H),6.16(d,J=6.9Hz,1H),4.94-4.90(m,1H),3.88-3.74(m,1H),3.81(dd,J=5.3,5.3Hz,2H),3.63-3.49(m,1H),2.64(d,J=14.3Hz,1H),2.52(d,J=14.3Hz,1H),2.40(s,3H),2.29-2.23(m,1H),1.72-1.65(m,1H),1.12(brs,3H).
ESI/MS(m/z)479(M+H)
+,477(M-H)
-.
参考例16(キラルB):
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.62(d,J=8.3Hz,2H),7.37-7.20(m,9H),7.17(d,J=8.0Hz,2H),7.12(dd,J=7.0,1.8Hz,1H),6.16(d,J=6.9Hz,1H),4.96-4.92(m,1H),3.78-3.74(m,4H),2.64(d,J=14.1Hz,1H),2.59-2.53(m,1H),2.42(s,3H),2.27-2.22(m,1H),1.70-1.62(m,1H),1.11(brs,3H).
ESI/MS(m/z)479(M+H)
+,477(M-H)
-.
【0109】
ここで、「キラルA」は、例えば下記式;
【化28】
が示すように、四級炭素原子が不斉炭素である時、四級炭素原子において光学活性な高極性異性体であることを表す。また、同化合物、及び同様に四級炭素原子において光学活性な高極性異性体を原料として得られる以下の化合物は、その命名の末尾に(キラルA)と表記する。
【0110】
ここで、「キラルB」は、例えば下記式;
【化29】
が示すように、四級炭素原子が不斉炭素である時、四級炭素原子において光学活性な低極性異性体であることを表す。また、同化合物、及び同様に四級炭素原子において光学活性な低極性異性体を原料として得られる以下の化合物は、その命名の末尾に(キラルB)と表記する。
【0111】
[実施例4]
4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(キラルA)
N−[(R)−2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル]−4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド(キラルA:526mg)をメタノール(11mL)に溶解し、濃硫酸(2.2mL)を加え、80℃で11時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製することにより、無色油状物として表記化合物(434mg)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.62(d,J=8.3Hz,2H),7.28-7.25(m,2H),7.23-7.14(m,3H),7.12-7.08(m,1H),4.00-3.87(m,1H),3.64-3.48(m,1H),3.53(s,3H),2.69(d,J=13.8Hz,1H),2.47(d,J=13.8Hz,1H),2.43(s,3H),2.18-2.13(m,1H),1.76-1.70(m,1H),1.12(brs,3H).
ESI/MS(m/z)374(M+H)
+.
【0112】
[実施例5]
4−メチル−2,3,4,5,−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(キラルA)
4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)の代わりに、4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(キラルA)を用いて、実施例2と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.09(dd,J=7.4,1.4Hz,1H),7.04(td,J=7.4,1.4Hz,1H),6.81(td,J=7.4,1.4Hz,1H),6.67(dd,J=7.4,1.4Hz,1H),3.71(brs,1H),3.62(s,3H),3.18-3.05(m,3H),2.79(d,J=13.7Hz,1H),2.26(dddd,J=13.9,7.0,2.6,1.1Hz,1H),1.70(ddd,J=13.9,9.1,3.2Hz,1H),1.24(s,3H).
ESI/MS(m/z)220(M+H)
+.
【0113】
[参考例17]
1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 エチルエステル(ラセミ)
1−トシル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 エチルエステル(631mg)をエタノール(8mL)に溶解し、10%パラジウム炭素(63.0mg)を加え、水素雰囲気下、50℃で14.5時間撹拌した。パラジウム炭素をセライトろ過した後、濾液を減圧濃縮することにより、白色固体として表記化合物(634mg)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.66-7.58(m,2H),7.31-7.23(m,3H),7.22-7.12(m,3H),4.20-3.96(m,2H),3.65-3.38(m,1H),2.75-2.57(m,2H),2.55-2.45(m,1H),2.42(s,3H),2.15-1.96(m,3H),1.19(t,J=7.1Hz,3H).
【0114】
[実施例6]
4−フルオロ−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 エチルエステル(ラセミ)
1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 エチルエステル(ラセミ:1.00g)をテトラヒドロフラン(25mL)に溶解し、-78℃に冷却した。2Mリチウムジイソプロピルアミド−テトラヒドロフラン溶液(1.7mL)を-78℃で滴下した後、30分間撹拌した。N−フルオロベンゼンスルホンイミド(1.27g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を同温度で滴下し、10分間撹拌した後、-40℃に昇温してさらに10分間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/6)にて精製することにより、白色固体として表記化合物(936mg)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.66-7.61(m,2H),7.31-7.19(m,5H),7.16-7.11(m,1H),4.25-4.16(m,2H),3.63-3.41(m,1H),3.01-2.80(m,2H),2.56-2.37(m,4H),2.15-2.03(m,2H),1.30-1.25(m,3H).
ESI/MS(m/z)392(M+H)
+.
【0115】
[実施例7]
4−フルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)
4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)の代わりに、4−フルオロ−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 エチルエステル(ラセミ)を用いて、実施例2と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.65-7.60(m,2H),6.88(td,J=7.9,1.2Hz,1H),6.78(dd,J=7.9,1.2Hz,1H),3.82(s,3H),3.45-3.06(m,4H),2.28-2.46(m,1H),2.24-2.11(m,1H).
ESI/MS(m/z)224(M+H)
+.
【0116】
[実施例8]
4−フルオロ−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(ラセミ)
4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)の代わりに、4−フルオロ−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 エチルエステル(ラセミ)を用いて、実施例3と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.63(d,J=8.3Hz,2H),7.32-7.21(m,5H),7.17-7.12(m,1H),4.23(d,J=13.7Hz,1H),3.55-3.42(m,1H),3.05-2.87(m,2H),2.63-2.39(m,4H),2.16-2.09(m,1H).
ESI/MS(m/z)364(M+H)
+.
【0117】
[参考例18]
4−フルオロ−N−[(R)−2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル]−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド(キラルA)
[参考例19]
4−フルオロ−N−[(R)−2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル]−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド(キラルB)
4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(ラセミ)の代わりに、4−フルオロ−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(ラセミ)を用いて、参考例15、16と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物[参考例18(キラルA)、参考例19(キラルB)]を得た。
参考例18(キラルA):
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.59(d,J=8.3Hz,2H),7.46-7.17(m,10H),7.07-7.02(m,1H),7.01-6.94(m,1H),5.07-5.01(m,1H),4.35(d,J=14.8Hz,1H),3.92-3.86(m,2H),3.48-3.36(m,1H),2.91-2.73(m,1H),2.69-2.47(m,3H),2.39(s,3H),2.08-1.92(m,1H).
ESI/MS(m/z)483(M+H)
+.
参考例19(キラルB):
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.58(d,J=8.3Hz,2H),7.44(dd,J=7.8,1.4Hz,1H),7.39-7.21(m,9H),7.12(dd,J=7.4,1.5Hz,1H),7.00-6.97(m,1H),5.06-5.02(m,1H),4.32(dt,J=14.8,4.0Hz,1H),3.92-3.89(m,2H),3.39(dd,J=13.8,13.8Hz,1H),2.91-2.72(m,2H),2.58-2.41(m,1H),2.41(s,3H),2.03(dd,J=6.6,5.8Hz,1H),1.94-1.87(m,1H).
ESI/MS(m/z)483(M+H)
+.
【0118】
[実施例9]
4−フルオロ−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(キラルA)
N−[(R)−2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル]−4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド(キラルA)の代わりに、4−フルオロ−N−[(R)−2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル]−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド(キラルA)を用いて、実施例4と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.64(d,J=8.3Hz,2H),7.31-7.19(m,5H),7.13(dd,J=5.1,2.5Hz,1H),4.25-4.07(m,1H),3.77(s,3H),3.61-3.42(m,1H),3.09-2.80(m,2H),2.57-2.39(m,4H),2.15-2.04(m,1H).
ESI/MS(m/z)378(M+H)
+.
【0119】
[実施例10]
4−フルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(キラルA)
4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)の代わりに、4−フルオロ−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(キラルA)を用いて、実施例2と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.65-7.60(m,2H),6.88(td,J=7.9,1.2Hz,1H),6.78(dd,J=7.9,1.2Hz,1H),3.82(s,3H),3.45-3.06(m,4H),2.28-2.46(m,1H),2.24-2.11(m,1H).
ESI/MS(m/z)224(M+H)
+.
【0120】
[実施例11]
4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 エチルエステル(ラセミ)
N−フルオロベンゼンスルホンイミドの代わりに、ヨウ化メチルを用いて、実施例6と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.62(d,J=8.3Hz,2H),7.31-7.08(m,6H),4.08-3.86(m,3H),3.71-3.41(m,1H),2.67(d,J=13.9Hz,1H),2.52-2.39(m,4H),2.21-2.10(m,1H),1.82-1.63(m,1H),1.21-1.02(m,6H).
ESI/MS(m/z)388(M+H)
+.
【0121】
[実施例12]
4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 エチルエステル(ラセミ)
4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)の代わりに、4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 エチルエステル(ラセミ)を用いて、実施例2と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.12-7.06(m,1H),7.03(td,J=7.5,1.4Hz,1H),6.81(td,J=7.5,1.4Hz,1H),6.67(dd,J=7.5,1.4Hz,1H),4.06(q,J=7.2Hz,2H),3.71(brs,1H),3.20-3.63(m,3H),2.79(d,J=13.8Hz,1H),2.31-2.22(m,1H),1.74-1.64(m,1H),1.24(s,3H),1.19(t,J=7.2Hz,3H).
ESI/MS(m/z)234(M+H)
+.
【0122】
[参考例20]
1−(t−ブトキシカルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル
2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(114g)をテトラヒドロフラン(1.2L)へ溶解し、4−ジメチルアミノピリジン(6.85g)、二炭酸ジ−t−ブチル(490g)を加えた後、80℃で5時間撹拌した。その後、さらに4−ジメチルアミノピリジン(68.5g)、二炭酸ジ−t−ブチル(184g)を加え、80℃で15時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、酢酸エチルを加え、有機相を20%クエン酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮することにより、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/6)にて精製することにより、淡黄色固体として表記化合物(141g)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.67(s,1H),7.41-7.27(m,3H),7.19(t,J=8.0Hz,1H),3.82(s,3H),3.65(s,2H),2.89(t,J=4.0Hz,2H),1.47(s,9H).
ESI/MS (m/z)304(M+H)
+.
【0123】
[参考例21]
1−(t−ブトキシカルボニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル
1−トシル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 エチルエステルの代わりに、1−(t−ブトキシカルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステルを用いて、参考例17と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.26-7.12(m,4H),4.45-4.25(m,1H),3.69(s,3H),3.00-2.10(m,4H),2.10-2.00(m,2H),1.53-1.36(m,9H).
ESI/MS(m/z)306(M+H)
+.
【0124】
[実施例13]
1−(t−ブトキシカルボニル)−4−エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)
1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 エチルエステルの代わりに、1−(t−ブトキシカルボニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステルを、N−フルオロベンゼンスルホンイミドの代わりに、ヨウ化エチルを用いて、実施例6と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.21-7.08(m,4H),4.30(s,1H),3.59(s,3H),3.00-2.83(m,3H),2.23-2.18(m,1H),1.69-1.37(m,12H),0.85(t,J=8.0Hz,3H).
ESI/MS(m/z)334(M+H)
+.
【0125】
[実施例14]
1−(t−ブトキシカルボニル)−4−エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(ラセミ)
4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)の代わりに、1−(t−ブトキシカルボニル)−4−エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)を用いて、実施例3と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.26-7.10(m,4H),4.29-2.83(m,4H),2.20-2.16(m,1H),1.68-1.37(m,12H),0.91-0.87(m,3H).
ESI/MS(m/z)320(M+H)
+,318 (M-H)
-.
【0126】
[参考例22]
4−エチル−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル]カルバモイル}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−1−カルボン酸 t−ブチルエステル(キラルA)
[参考例23]
4−エチル−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル]カルバモイル}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−1−カルボン酸 t−ブチルエステル(キラルB)
4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(ラセミ)の代わりに、1−(t−ブトキシカルボニル)−4−エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(ラセミ)を用いて、参考例15,16と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物[参考例22(キラルA)、参考例23(キラルB)]を得た。
参考例22(キラルA):
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.33-6.93(m,9H),6.31(s,1H),4.98(s,1H),4.30-3.83(m,3H),2.96-2.27(m,4H),1.68-1.37(m,13H),0.95-0.91(m,3H).
ESI/MS(m/z)439(M+H)
+,437(M-H)
-.
参考例23(キラルB):
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.35-7.14(m,9H),6.25(brs,1H),4.97-4.94(m,1H),4.36-4.23(m,1H),3.77-3.70(m,2H),3.00-2.95(m,2H),2.38-2.20(m,2H),1.71-1.53(m,3H),1.37(s,9H),0.86(t,J=7.7Hz,3H).
ESI/MS(m/z)439(M+H)
+,437(M-H)
-.
【0127】
[実施例15]
4−エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(キラルA)
N−[(R)−2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル]−4−メチル−1−トシル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド(キラルA)の代わりに、4−エチル−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル]カルバモイル}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−1−カルボン酸 t−ブチルエステル(キラルA)を用いて、実施例4と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.09(d,J=8.0Hz,1H),7.03(t,J=8.0Hz,1H),6.80(t,J=8.0Hz,1H),6.65(d,J=8.0Hz,1H),3.72(brs,1H),3.61(s,3H),3.22-2.83(m,4H),2.28-2.22(m,1H),1.76-1.51(m,3H),0.85(t,J=8.0Hz,3H).
ESI/MS(m/z)234(M+H)
+.
【0128】
[参考例24]
(S)−3−シアノ−2−メチルプロピル メタンスルホン酸エステル
(R)−3−ブロモ−2−メチル−1−プロパノール(30.1g)をジメチルスルホキシド(130mL)に溶解し、シアン化ナトリウム(10.1g)を加え、60℃で1.5時間撹拌した。反応液に水を加え、塩化メチレンで4回抽出した。有機相を水、飽和食塩水で順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮することにより、(S)−4−ヒドロキシ−3−メチルブタンニトリルを得た。
上記の(S)−4−ヒドロキシ−3−メチルブタンニトリルを塩化メチレン(400mL)に溶解し、トリエチルアミン(44mL)とメタンスルホニルクロリド(18.4mL)を0℃で加えた後、0℃で30分間撹拌した。反応液に1M塩酸を加え、酸性とした後、塩化メチレンで抽出した。有機相を水、飽和食塩水で順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮することにより、無色油状物として表記化合物(29.9g)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ4.25(dd,J=10.3,4.7Hz,1H),4.08(dd,J=10.3,7.5Hz,1H),3.06(s,3H),2.57-2.41(m,2H),2.41-2.25(m,1H),1.18(d,J=6.9Hz,3H).
【0129】
[参考例25]
(S)−N−(3−シアノ−2−メチルプロピル)−N−(2−ホルミルフェニル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド
N−(2−ホルミルフェニル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド(33.0g)と(S)−3−シアノ−2−メチルプロピル メタンスルホン酸エステル(23.3g)をN,N−ジメチルホルムアミド(480mL)に溶解し、臭化リチウム(15.6g)と炭酸カリウム(24.9g)を加え、70℃で18時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を水、飽和食塩水で順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1-1/2)にて精製することにより、黄色油状物として表記化合物(23.5g)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ10.45-10.38(m,1H),8.04(dd,J=7.1,2.3Hz,1H),7.56-7.45(m,2H),7.43-7.39(m,2H),7.28(d,J=8.3Hz,2H),6.82-6.71(m,1H),3.85-3.64(m,1H),3.50-3.21(m,1H),2.62-2.39(m,1H),2.45(s,3H),2.35(dd,J=6.4,2.4Hz,1H),2.13-1.95(m,1H),1.20-1.04(m,3H).
ESI/MS(m/z)357(M+H)
+.
【0130】
[参考例26]
(S)−3−メチル−1−トシル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボニトリル
(S)−N−(3−シアノ−2−メチルプロピル)−N−(2−ホルミルフェニル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド(17.7g)を炭酸ジエチル(830mL)に溶解し、20%ナトリウムエトキシド−エタノール溶液(24mL)を加え、室温にて4時間撹拌した。反応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮することにより得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/9-1/1)にて精製することにより、表記化合物(9.00g)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.65(dd,J=8.0,1.0Hz,1H),7.46-7.33(m,1H),7.42(d,J=8.4Hz,2H),7.29(td,J=7.5,1.0Hz,1H),7.21-7.18(m,3H),6.71(d,J=1.8Hz,1H),4.40(dd,J=13.5,4.2Hz,1H),3.23-3.01(m,2H),2.39(s,3H),1.21(d,J=6.6Hz,3H).
ESI/MS(m/z)339(M+H)
+,337(M-H)
-.
【0131】
[参考例27]
(S)−3−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル
1−トシル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 エチルエステルの代わりに、(S)−3−メチル−1−トシル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボニトリルを用いて、参考例11と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.62(s,1H),7.27(dd,J=7.8,1.6Hz,1H),7.11(ddd,J=8.3,7.2,1.6Hz,1H),6.73(ddd,J=7.8,7.2,1.2Hz,1H),6.69-6.61(m,1H),4.57(brs,1H),3.80(s,3H),3.42-3.25(m,2H),3.04(d,J=12.8Hz,1H),1.15(d,J=6.8Hz,3H).
ESI/MS(m/z)218(M+H)
+.
【0132】
[実施例16]
(3S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)
(S)−3−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(305mg)をテトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、二炭酸ジ−t−ブチル(1.1mL)、4−ジメチルアミノピリジン(305mg)を加え、17時間加熱還流した。反応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮することにより得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/4-1/2)にて精製することにより(3S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−メチル2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステルを得た。
上記の(3S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−メチル2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステルをエタノール(4mL)に溶解し、10%パラジウム炭素(30.0mg)を加えた。反応容器内を水素で置換した後、50℃で4時間撹拌した。反応容器内をアルゴンで置換した後、反応液をセライトでろ過し、酢酸エチルで洗浄した。ろ液に水を加え分液後、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮することにより、表記化合物(251mg)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.29-7.01(m,4H),4.54-3.91(m,1H),3.82-3.40(m,3H),3.27-2.07(m,5H),1.60-1.30(m,9H),1.13-0.79(m,3H).
【0133】
[実施例17]
(3S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−3,4−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)
(3S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(251mg)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、-78℃に冷却した。リチウムジイソプロピルアミド(1.8Mテトラヒドロフラン溶液)(870μL)を滴下し、30分間撹拌した。ヨウ化メチル(98μL)を加え、-40℃で1時間撹拌した。反応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮することにより得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/10-1/4)にて精製することにより、表記化合物(219mg)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.25-7.04(m,4H),4.22-4.04(m,1H),3.74(s,3H),3.23(d,J=13.2Hz,1H),2.71-2.35(m,3H),1.60-1.31(m,9H),0.85-0.69(m,3H).
【0134】
[実施例18]
(3S)−3,4−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)
(3S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−3,4−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ:219mg)を塩化メチレン(4.4mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(730μL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を0℃に冷却し塩化メチレンと水で希釈した。混合溶液に5M水酸化ナトリウムを加えて、中和した後、塩化メチレンで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮することにより、表記化合物(144mg)を得た。
ESI/MS(m/z)234(M+H)
+.
【0135】
[実施例19]
(3S)−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル
(3S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ:913mg)を塩化メチレン(9mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(3mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を0℃に冷却し塩化メチレンと水で希釈した。混合溶液に5M水酸化ナトリウムを加えて、中和した後、塩化メチレンで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮することにより、表記化合物(560mg)を得た。
ESI/MS(m/z)220(M+H)
+.
【0136】
[実施例20]
(
3R)−4−フルオロ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)
(3S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ:571mg)をテトラヒドロフラン(7mL)に溶解し、-78℃に冷却した。2Mリチウムジイソプロピルアミド−テトラヒドロフラン溶液(1.8mL)を-78℃で滴下した後、30分間撹拌した。N−フルオロベンゼンスルホンイミド(1.13g)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)を同温度で滴下し、10分間撹拌した後、-40℃に昇温してさらに10分間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/4)にて精製することにより、(3R)−1−(t−ブトキシカルボニル)−4−フルオロ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ:463mg)を得た。
上記の(3R)−1−(t−ブトキシカルボニル)−4−フルオロ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ:456mg)を塩化メチレン(5mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.7mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を0℃に冷却し塩化メチレンと水で希釈した。混合溶液に5M水酸化ナトリウムを加えて、中和した後、塩化メチレンで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮することにより、表記化合物(259mg)を得た。
ESI/MS(m/z)238(M+H)
+.
【0137】
[実施例21]
4−メチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)
2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)安息香酸(507mg)を塩化チオニル(5mL)に懸濁し、50 ℃で30分間撹拌した後、反応液を減圧濃縮した。得られた残渣を塩化メチレン(8mL)に溶解し、4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ:466mg)とピリジン(430μL)の塩化メチレン溶液(2mL)を加えた後、室温で3時間撹拌した。反応液に水を加え、塩化メチレンで抽出し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1-1/1)にて精製することにより、黄色油状物として表記化合物(848mg)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.84-7.42(m,2H),7.16-5.56(m,6H),6.27-6.19(m,1H),4.85-4.61(m,1H),3.79-3.44(m,4H),3.13-2.80(m,3H),2.53-2.29(m,6H),1.99-1.93(m,1H),1.43(brs,2H),1.06(brs,1H).
ESI/MS(m/z)418(M+H)
+.
【0138】
[実施例22]
4−メチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(ラセミ)
4−メチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2(3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ:848mg)をテトラヒドロフラン(5mL)とメタノール(5mL)の混合溶媒に溶解し、5M水酸化ナトリウム(2mL)を加え、50℃で3.5時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。水相に6M塩酸を加え、酸性とした後、塩化メチレンで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、白色固体として表記化合物(819mg)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.84-7.45(m,2H),7.21-6.55(m,6H),6.27-6.20(m,1H),4.87-4.61(m,1H),3.75-2.82(m,4H),2.53-2.28(m,6H),2.01-1.95(m,1H),1.50(brs,2H),1.10(brs,1H).
ESI/MS(m/z)404(M+H)
+,402(M-H)
-.
【0139】
[実施例23]
N−(2−アミノ−2−オキソエチル)−N,4−ジメチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド(ラセミ)
4−メチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(ラセミ:20.0mg)を塩化メチレン(1.5mL)に溶解し、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(13.4mg)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(19.0mg)、そしてN−メチルグリシンアミド塩酸塩(12.4mg)を加え、室温で17.5時間撹拌した。水を加え、塩化メチレンで抽出した後、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣を薄層シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=10/1)にて精製することにより、白色固体として表記化合物(2.00mg)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.84-7.44(m,2H),7.19-6.76(m,4H),7.11(dd,J=8.2,2.0Hz,1H),6.60(d,J=7.4Hz,1H),6.27-6.19(m,1H),5.56(brs,1H),5.33(brs,1H),4.96-4.82(m,1H),4.56-4.49(m,1H),4.18-3.94(m,2H),3.61-3.15(m,5H),2.93-2.88(m,1H),2.52-2.33(m,6H),1.95-1.89(m,1H),1.56(brs,2H),1.26(brs,1H).
ESI/MS(m/z)474(M+H)
+,472(M-H)
-.
【0140】
実施例21の方法を参考に、下記の反応式に従って化合物を合成した。合成した化合物とデータを表1及び表2に示した。
【化30】
【0141】
【表1】
【0142】
【表2】
【0143】
[実施例44]
4−メチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(キラルA)
4−メチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)の代わりに、4−メチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(キラルA)を用いて、実施例22と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.84-7.45(m,2H),7.21-6.55(m,6H),6.27-6.20(m,1H),4.87-4.61(m,1H),3.75-2.82(m,4H),2.53-2.28(m,6H),2.01-1.95(m,1H),1.50(brs,2H),1.10(brs,1H).
ESI/MS(m/z)404(M+H)
+,402(M-H)
-.
【0144】
[実施例45]
4−メチル−1−[2−メチル−4−(ピロリジン−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(キラルA)
4−メチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)の代わりに、4−メチル−1−[2−メチル−4−(ピロリジン−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(キラルA)を用いて、実施例22と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
ESI/MS(m/z)393(M+H)
+,391(M-H)
-.
【0145】
[実施例46]
4−メチル−1−[2−メチル−4−(4−メチルオキサゾール−2−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(ラセミ)
4−メチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)の代わりに、4−メチル−1−[2−メチル−4(4−メチルオキサゾール−2−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 エチルエステル(ラセミ)を用いて、実施例22と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.78(s,1H),7.50-7.37(m,2H),7.22-6.80(m,4H),6.62-6.57(m,1H),4.86-4.61(m,1H),3.49-3.47(m,1H),3.29-2.83(m,2H),2.53(s,3H),2.34-2.27(m,1H),2.20(d,J=1.2Hz,2H),2.10(s,1H),2.02-1.96(m,1H),1.50(brs,2H),1.10(brs,1H).
ESI/MS(m/z)405(M+H)
+,403(M-H)
-.
【0146】
[実施例47]
1−[2−クロロ−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(キラルA)
4−メチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)の代わりに、1−[2−クロロ−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(キラルA)を用いて、実施例22と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.84-7.70(m,1H),7.64-7.60(m,1H),7.52-6.83(m,6H),6.30-6.21(m,1H),4.80-4.59(m,1H),3.51-2.77(m,3H),2.47-1.95(m,5H),1.62-1.07(m,3H).
ESI/MS(m/z)424(M+H)
+,422(M-H)
-.
【0147】
[実施例48]
1−[2−クロロ−4−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾイル]−4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(ラセミ)
4−メチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)の代わりに、1−[2−クロロ−4−(3−フルオロプロポキシ)ベンゾイル]−4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 エチルエステル(ラセミ)を用いて、実施例22と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.38-6.78(m,6H),6.54(d,J=8.5Hz,1H),4.83-4.51(m,3H),4.16-3.97(m,2H),3.76-3.48(m,1H),3.28-2.77(m,2H),2.44-2.21(m,1H),2.13(quin,J=5.9Hz,1H),2.07(quin,J=5.9Hz,1H),2.02-1.95(m,1H),1.47(brs,2H),1.08(brs,1H).
ESI/MS(m/z)420(M+H)
+,419(M-H)
-.
【0148】
[実施例49]
1−[2−クロロ−4−(ピロリジン−1−イル)ベンゾイル)−4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(ラセミ)
4−メチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)の代わりに、1−[2−クロロ−4−(ピロリジン−1−イル)ベンゾイル]−4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)を用いて、実施例22と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.19(d,J=7.3Hz,1H),7.07-6.92(m,2H),6.85-6.81(m,1H),6.75(d,J=8.5Hz,1H),6.36(d,J=2.3Hz,1H),6.11(dd,J=8.5,2.3Hz,1H),4.84-4.78(m,1H),4.63-4.57(m,1H),3.52-3.49(m,1H),3.18-3.15(m,4H),3.10-3.08(m,1H),2.41-2.23(m,2H),1.95(ddd,J=6.6,3.3,3.3Hz,4H),1.46(brs,2H),1.09(brs,1H).
ESI/MS(m/z)413(M+H)
+,411(M-H)
-.
【0149】
[実施例50]
1−(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)−4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(ラセミ)
4−メチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)の代わりに、1−(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)−4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)を用いて、実施例22と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.20(d,J=7.5Hz,1H),7.13-6.81(m,4H),6.77(d,J=2.5Hz,1H),6.53(dd,J=8.5,2.5Hz,1H),4.82-4.58(m,1H),3.80(t,J=6.6Hz,2H),3.50(d,J=13.7Hz,1H),3.27-3.04(m,2H),2.45-2.24(m,1H),2.02-1.94(m,1H),1.73(sext,J=7.2Hz,2H),1.47(brs,2H),1.08(brs,1H),0.98(t,J=7.2Hz,3H).
ESI/MS(m/z)402(M+H)
+,400(M-H)
-.
【0150】
[実施例51]
1−[2−クロロ−4−(オキサゾール−2−イル)ベンゾイル]−4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(ラセミ)
4−メチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)の代わりに、1−[2−クロロ−4−(オキサゾール−2−イル)ベンゾイル]−4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)を用いて、実施例22と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.95(brs,1H),7.71-7.68(m,1H),7.68(s,1H),7.22(s,1H),7.22-7.00(m,3H),6.98-6.89(m,2H),4.83-4.62(m,1H),3.54-3.50(m,1H),3.31-3.08(m,2H),2.49-2.29(m,1H),2.06-1.98(m,1H),1.49(brs,2H),1.09(brs,1H).
ESI/MS(m/z)411(M+H)
+,409(M-H)
-.
【0151】
[実施例52]
1−[2−クロロ−4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(ラセミ)
4−メチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)の代わりに、1−[2−クロロ−4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)を用いて、実施例22と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.83(d,J=2.5Hz,1H),7.68(d,J=1.7Hz,1H),7.67-7.65(m,1H),7.38-7.34(m,1H),7.21-6.86(m,5H),6.44(dd,J=2.5,1.7Hz,1),4.84-4.61(m,1H),3.53-3.50(m,1H),3.32-3.07(m,2H),2.48-2.24(m,1H),2.05-1.98(m,1H),1.49(brs,2H),1.09(brs,1H).
ESI/MS(m/z)410(M+H)
+,408(M-H)
-.
【0152】
[実施例53]
4−メチル−1−[4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(キラルA)
4−メチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(キラルA)の代わりに、4−メチル−1−[4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(キラルA)を用いて、実施例22と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.07-7.90(m,1H),7.76-7.75(m,1H),7.61-7.48(m,1H),7.37-6.87(m,4H),6.79-6.72(m,1H),6.33-6.24(m,1H),4.81-4.60(m,1H),3.47-2.82(m,3H),2.39-1.97(m,5H),1.64-1.09(m,3H).
ESI/MS(m/z)458(M+H)
+,456(M-H)
-.
【0153】
[実施例54]
4−フルオロ−1−[2−メチル−4−(ピロリジン−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(キラルA)
4−メチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)の代わりに、4−フルオロ−1−[2−メチル−4−(ピロリジン−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(キラルA)を用いて、実施例22と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.24-7.16(m,1H),7.14-6.94(m,2H),6.76-6.47(m,2H),6.37-6.23(m,1H),6.09-5.94(m,1H),5.03-4.82(m,1H),3.78-2.86(m,7H),2.71-2.38(m,4H),2.29-2.13(m,1H),2.09-1.84(m,4H).
ESI/MS(m/z)397(M+H)
+.
【0154】
[実施例55]
(3S)−3,4−ジメチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(ラセミ)
4−メチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)の代わりに、(3S)−3,4−ジメチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾロ−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)を用いて、実施例22と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
ESI/MS(m/z)418(M+H)
+,416(M-H)
-.
【0155】
[実施例56]
(3S)−1−[2−クロロ−4−(ピロリジン−1−イル)ベンゾイル]−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(ラセミ)
4−メチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)の代わりに、(3S)−1−[2−クロロ−4−(ピロリジン−1−イル)ベンゾイル]−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)を用いて、実施例22と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.18(d,J=7.3Hz,1H),7.08-6.93(m,2H),6.90-6.72(m,2H),6.38-6.36(m,1H),6.15-6.09(m,1H),6.15-6.09(m,1H),4.96(d,J=12.0Hz,1H),3.40-3.29(m,1H),3.18-3.15(m,4H),2.96-2.90(m,1H),2.50-2.42(m,2H),2.23-2.17(m,1H),1.97-1.93(m,4H),1.17-1.04(m,3H).
ESI/MS(m/z)413(M+H)
+,411(M-H)
-.
【0156】
[実施例57]
(3R)−1−[2−クロロ−4−(ピロリジン−1−イル)ベンゾイル]−4−フルオロ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸(ラセミ)
4−メチル−1−[2−メチル−4−(3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)の代わりに、(3R)−1−[2−クロロ−4−(ピロリジン−1−イル)ベンゾイル]−4−フルオロ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸 メチルエステル(ラセミ)を用いて、実施例22と同様の方法で反応を行うことにより、表記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.14(d,J=7.0Hz,1H),7.09-7.02(m,2H),6.88(d,J=7.3Hz,1H),6.76(d,J=8.4Hz,1H),6.35(d,J=2.2Hz,1H),6.12(dd,J=8.4,2.2Hz,1H),4.81-4.77(m,1H),3.71(dd,J=44.3,14.7Hz,1H),3.20-3.14(m,5H),2.89-2.74(m,2H),1.95(ddd,J=6.7,3.6,3.6Hz,4H),1.06(d,J=6.2Hz,3H).
ESI/MS(m/z)431(M+H)
+,429(M-H)
-.
【0157】
実施例22の方法を参考に、下記の反応式に従って化合物を合成した。合成した化合物とデータを表3に示した。
【化31】
【0158】
【表3】
【0159】
実施例23の方法を参考に、下記の反応式にしたがって化合物を合成した。合成した化合物を表4〜6に、データを表7〜9に示した。
【化32】
【0160】
【表4】
【0161】
【表5】
【0162】
【表6】
【0163】
【表7】
【0164】
【表8】
【0165】
【表9】
【0166】
薬理試験
(1)ヒトV2受容体発現細胞の作製
ヒトV2受容体コード領域を含むDNA断片を脊椎動物細胞の発現ベクターに挿入した。これを動物細胞に遺伝子導入し、細胞表面にヒトV2受容体を発現させた。発現ベクターはG418耐性マーカーとして機能するneo遺伝子を発現し得るので、G418含有培地で培養することによりヒトV2受容体安定発現細胞を選択的に得た。
【0167】
(2)V2受容体発現細胞におけるcAMP産生試験
上記方法により作成した、ヒトV2受容体発現細胞を回収し、インキュベーションバッファー(F-12培地、20mM HEPES)に再懸濁後、5μlの細胞を15,000細胞/ウェルの密度で384ウェルプレートに分配した。各ウェルに、アッセイバッファー(F-12培地、20mM HEPES、1mM IBMX)で希釈した化合物溶液または8-AVP((Arg
8)-バソプレシン)溶液5μl(計10μl/ウェル)を添加した(終濃度:15,000細胞/ウェル、500μM IBMX、1%ジメチルスルホキシド)。室温で30分間インキュベートした後、市販のHTRF cAMPキット(Cisbio社)を用いて、記載のプロトコールに従って、cAMP産生量を測定した。試験化合物のEC
50、Emax値を求めるために、Excel Fitを用いた。試験化合物のEmax値は、8-AVPによる最大反応を100%として算出し、試験化合物の濃度−反応曲線から50%の反応を示す値をEC
50値とし、得られたEC
50、Emax値を、表10に示した。
【0168】
その結果、今回試験を行った実施例全ての化合物が、V2受容体アゴニスト活性を持つことが分かった。
【0169】
【表10】
【0170】
(3)ラットPK試験
実験動物として、雄性Sprague-Dawely(Crj:CD(SD)IGS:日本チャールスリバー株式会社)ラットを7〜8週齢で使用した。ラットは一晩絶食させたものを用いた。試験化合物をDMSOに溶解後、PEGと生理食塩水を加え0.5mg/mLの濃度で調製し(20/20/60, v/v/v)、0.5mg/kgの用量で尾静脈内に投与した。投与後6〜8時間まで経時的に頸静脈よりヘパリン処理したシリンジで採血を行い、採取した血液を遠心して血漿を得た。血漿中薬物濃度はLC/MS/MSを用いて測定した。LC/MS/MS測定用サンプルは血漿に内標準物質とアセトニトリルを加え、除タンパクした後の上清を用いた。PKパラメータはノンコンパートメントモデルで解析した。クリアランス(CL
p)は投与量をAUC
0-∞で除して算出した。分布容積(Vd
ss)はCL
pに平均滞留時間(MRT)を乗じて算出した。得られたCLp、Vdssを、表11に示した。
【0171】
その結果、今回試験を行った実施例全ての化合物は、血漿クリアランス及び分布容積が良好であり、動態面において優れていることが分かった。
【0172】
【表11】
なお、比較化合物1とは、国際公開第2006/104008号公報記載の実施例4の化合物(化合物:N−(2−ヒドロキシエチル)−(R)−1−(2−クロロ−4−ピラゾール−1−イルベンゾイル)−3−メチル−1,2,3,5−テトラヒドロベンゾ[e]−1,4−ジアゼピン−4−カルボキサミド)を示す。
【0173】
(4)チトクロームP450(3A4)酵素阻害試験
96ウェルプレートを用いて、基質としてミダゾラム(2.5μM)、試験化合物(0.21〜50μM)、ヒト肝臓ミクロソームタンパク濃度0.1mg protein/mLを1.55mM NADP
+、3.3mMグルコース-6-ホスフェート、3.3mM MgCl
2および0.4Units/mlグルコース-6-ホスフェート デヒドロゲナーゼを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH=7.4)の総量500μl中を反応液とした。10分間37℃でインキュベーションし、4倍量の冷アセトニトリルを加えて反応を停止させた。その後、遠心分離(5000g x 10分 x 4℃)し、上清を採取しLC/MS/MSで代謝物の生成量を測定した。各濃度の阻害率は試験化合物を含まない値に対して算出し,代謝物の生成量を50%阻害する試験化合物の濃度ポイント上下を決定した。これら二つの試験化合物濃度と阻害率を用いて、IC
50を求めた。得られたIC
50値を、表12に示した。
【0174】
(5)チトクロームP450(2C9)酵素阻害試験
96ウェルプレートを用いて、基質としてスルファフェナゾール(10μM)、試験化合物(0.21〜50μM)、ヒト肝臓ミクロソームタンパク濃度0.1mg protein/mLを1.55mM NADP
+、3.3mMグルコース-6-ホスフェート、3.3mM MgCl
2および0.4Units/mlグルコース-6-ホスフェート デヒドロゲナーゼを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH=7.4)の総量500μl中を反応液とした。10分間37℃でインキュベーションし、4倍量の冷アセトニトリルを加えて反応を停止させた。その後、遠心分離(5000g x 10分 x 4℃)し、上清を採取しLC/MS/MSで代謝物の生成量を測定した。各濃度の阻害率は試験化合物を含まない値に対して算出し,代謝物の生成量を50%阻害する試験化合物の濃度ポイント上下を決定した。これら二つの試験化合物濃度と阻害率を用いて、IC
50を求めた。得られたIC
50値を、表12に示した。
【0175】
その結果、今回試験を行った実施例全ての化合物が、薬物代謝酵素CYP3A4及びCYP2C9に対して低い阻害作用を示すことが分かった。
【表12】
なお、比較化合物2とは、国際公開第97/22591号公報記載の実施例32の化合物(化合物:2−[(5R)−1−(2−クロロ−4−ピロリジン−1−イルベンゾイル)−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾアゼピン−5−イル]−N−イソプロピルアセトアミド)を示す。