【文献】
“e-Japan 金融機関との連携によるマルチペイメントネットワークへの対応”,富士通ジャーナル,富士通株式会社,2006年 2月28日,第32巻, 第2号,pp.10〜11
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
金融機関の各店舗で受け付けられた領収済み払込書が搬送されて集約される事務センターに設置され、複数の前記領収済み払込書を連続して読み込むとともに、前記領収済み払込書に印字され、収納情報が数値化されたコード情報を読み取るOCR装置と、
前記事務センターに設置され、前記OCR装置から出力される前記コード情報それぞれを含む一括読取送信データを生成する端末装置と、
前記端末装置とネットワークを介して接続されるとともに、収納機関が接続されるマルチペイメントネットワークまたはネットワークを介して前記マルチペイメントネットワークに接続するための機能を提供する共同利用センターと接続される収納支援装置と、を有し、
前記OCR装置及び前記端末装置は、複数の各金融機関それぞれの前記事務センターに設置されており、
前記収納支援装置は、複数の前記各事務センターから受信した前記一括読取送信データを用いて、前記マルチペイメントネットワークを介して収納機関に送信するための一括消込データを、金融機関毎に生成する請求情報データ生成部と、
前記一括消込データを用いて、前記マルチペイメントネットワークを介して収納機関に送信した前記一括消込データを金融機関が確認するための連携確認用データを生成する連携確認用データ生成部と、
前記一括消込データそれぞれを前記マルチペイメントネットワーク又は前記共同利用センターに送信する第1送信制御を行うとともに、前記マルチペイメントネットワーク又は前記共同利用センターに前記一括消込データを送信するタイミングと同期させて、前記連携確認用データを各金融機関が指定する宛先それぞれに送信する第2送信制御を行う一括データ伝送制御部と、を含むことを特徴とする一括伝送方式の収納支援システム。
前記請求情報データ生成部は、前記第1集計情報と前記第2集計情報とが一致しないマッチング結果である場合、前記端末装置に、再度前記OCR装置の読み込みからの前記一括読取送信データの生成を促すメッセージを送信することを特徴とする請求項3に記載の一括伝送方式の収納支援システム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施形態につき、図面を参照して説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1から
図9は、第1実施形態を示す図である。
図1は、本実施形態の一括伝送方式収納支援システム(以下、収納支援システムと称する)のシステム構成図である。収納支援システムは、収納支援装置100、端末装置200及びOCR装置300を含んで構成されている。
【0020】
事務センターは、金融機関の複数の店舗(支店)の窓口で受け付けられた領収済み払込書を一括して取りまとめる機関であり、各店舗から領収済み払込書が事務センターに運搬(搬送)されて集約される。本実施形態の収納支援システムは、複数の各金融機関ぞれぞれの事務センターと連携し、金融機関側で特別なシステム構築などが不要な一括伝送方式の収納業務を支援する。
【0021】
端末装置200及びOCR装置300は、各金融機関の事務センターに設置される。OCR装置300は、複数の(領収済み)払込書を連続して読み込み、各払込書に印字された情報を読み取って文字データに変換するOCR機能を備えた情報読取装置である。OCR装置300は、端末装置200と有線又は無線で接続されており、読み取った文字データを端末装置200に出力する。
【0022】
端末装置200は、一括読取送信データを生成して収納支援装置100に送信する。端末装置200は、インターネット等のIP網と有線又は無線で収納支援装置100に接続することができ、必要に応じてSSL等の暗号化技術やVPN接続を適用して一括読取送信データを、収納支援装置100に送信することができる。
【0023】
なお、OCR装置300のOCR機能(自動文字認識機能)は、端末装置200側が備えるように構成することもできる。例えば、OCR装置200は、スキャナ機能のみを有し、読み込んだ払込書の画像データを生成し、画像データを端末装置200に出力する。端末装置200は、画像データ内の文字情報を文字データに変換するOCR機能を備え、払込書に対応する各画像データから必要な文字情報を文字データに変換する。
【0024】
収納支援装置100は、収納機関(収納機関の通信サーバ)が接続されるマルチペイメントネットワーク(MPN)、またはマルチペイメントネットワーク(MPN)に接続するための機能を提供する共同利用センターと接続される。
【0025】
MPNは、日本マルチペイメントネットワーク運営機構が運営する収納業務の効率化を図るための仕組みであり、金融機関と収納機関とを接続するために構築された専用ネットワークである。つまり、金融機関は、MPNを利用した一括伝送方式の収納業務を行うにあたり、通信サーバを導入して、MPNと一対一の専用ネットワーク接続環境を構築する必要がある。
【0026】
一方で、MPNへのネットワーク接続環境を提供する共同利用センターがある。共同利用センターは、各金融機関が共同してMPNを利用できる環境を提供するので、MPNと一対一の専用ネットワーク接続環境を構築するための通信サーバの導入が必要ない。
【0027】
しかしながら、金融機関は、共同利用センターに対して、一対一の通信環境の構築が必要となり、通信サーバ同様のシステム構築等のインフラ整備が必要となる。すなわち、金融機関は、共同利用センターに対して専用のシステム連携が必要となり、MPN同様に、一括伝送方式の収納業務を導入するにあたり、特別なシステム環境の構築が必要となる。
【0028】
また、MPN及び共同利用センターは、あくまでも収納機関との間の専用ネットワークの接続及びその環境を提供するだけであり、一括伝送方式の収納業務を導入するにあたっては、MPN又は共同利用センターとの間の通信環境の整備に加えて、払込書を一括して読み込み、かつ一括消込データを生成・送信する環境の整備(導入)が必要となる。このため、金融機関は、容易にかつ安価に一括伝送方式の収納業務を導入することができず、各金融機関にとってハードルが高いものとなっていた。
【0029】
これに対して本実施形態の収納支援システムでは、金融機関がインターネット等のIP網で収納支援装置100に接続するだけで、一括伝送方式の収納業務を導入できるシステム環境を提供し、収納支援装置100が、MPN又は共同利用センターとの間の接続を金融機関毎に代理して行う。すなわち、各金融機関は、MPN又は共同利用センターとの間で、一括伝送方式の収納業務に関連した専用ネットワークへの登録を従来通り行う必要があるものの、登録した専用ネットワークへの接続環境は、収納支援装置100が一括して管理・運営し、各金融機関は、インターネット等のIP網で収納支援装置100に接続するだけでよい。
【0030】
図2は、収納支援システムを含む一括伝送方式全体のネットワーク構成図である。
図2の例は、共同利用センターを介した接続態様を示している。本実施形態の収納支援装置100は、共同利用センターとの間で複数の各金融機関の接続経路それぞれを予め構築しており、各事務センターからIP網を介して送られてくる一括読込送信データに基づいて、MPNを介して収納機関に送信するための一括消込データを各金融機関別に生成する。そして、金融機関毎に構築されているMPNとの接続経路で複数の金融機関それぞれの一括消込データを送信する。
【0031】
このため、金融機関は、端末装置200及びOCR装置300を導入するだけで、特別なシステム構築や払込書を一括して読み込み、かつ一括消込データを生成・送信するシステム環境の整備が不要となり、容易にかつ安価に一括伝送方式の収納業務を導入することができる。
【0032】
なお、MPNから収納機関側のネットワーク及びシステムに関しては、非特許文献1に記載の従来の一括伝送方式の仕組みと同様であるので、詳細な説明は省略するが、
図1に示すように、収納機関側にも、金融機関とは別に、MPNに接続するための機能を提供する共同利用センターがある。各収納機関は、MPNに直接に又は共同利用センターを介して接続し、金融機関から伝送される一括消込データを受信して、所定の消込処理(例えば、請求書番号に相当する納付番号などをキーに、払込書に対応した請求マスタ情報と一括消込データとをマッチングして、受領済み払込書を消し込む処理)を行うことができる。
【0033】
図3は、金融機関の事務センターのシステム構成及び端末装置200の構成ブロックを示す図である。事務センターでは、まず、各店舗から運搬される領収済み払込書を仕分けする。例えば、一括伝送方式での消し込みが可能な払込書と、そうでない払込書を選別する仕分け作業を行う。なお、仕分け作業として、収納機関別に払込書を仕分けすることもできる。次に、事務センターは、OCR装置300に仕分けした複数の払込書をセットし、連続して読み込ませて、一括読込送信データを生成する。
【0034】
端末装置200は、収納支援装置100との間のIP網を介した接続及びデータ通信を制御する通信装置210と、制御装置220と、記憶装置230とを含んで構成されている。制御装置220は、OCR装置300の読取動作を制御するデータ読取制御部221と、OCR装置300から出力された収納情報が数値化された文字データ(OCR読取データ)を用いて、一括読取送信データを生成する一括データ生成部223と、生成された一括読取送信データを通信装置210を介して収納支援装置100に伝送する送信制御部223と、を含んで構成されている。また、記憶装置230には、
図6(a)に示すような金融機関別の識別情報が予め記憶されている。
【0035】
まず、作業者は、OCR装置300に仕分けした複数の払込書をセットした後に、端末装置200から一括読取処理を開始するための読取操作入力を行う。読取操作入力に基づいて、データ読取制御部221は、OCR装置300に読取動作を開始する制御信号を出力し、OCR装置300が連続読取動作を開始する。
【0036】
OCR装置300は、読取動作に応じて読み取った各払込書のOCR読取データそれぞれを端末装置200に出力する。ここで、OCR読取データについて、
図4を参照して説明する。OCR読取データとは、払込書に予め印字された一括伝送方式に使用される収納情報の数値化された文字コードである。当該文字コードは、納付書や請求書などの払込書の所定の位置に予め印字される規格化された収納情報を表すコード情報である。
【0037】
図4に示すように、文字コードは数値の羅列であり、所定の文字数で区切られている。文字コード内には収納情報として、チェックデジット1(CD1)、加入者口座番号、公金番号、払込金額、払込料金負担区分、収納機関番号、印紙税区分、税目・料金番号、加入者使用桁、チェックデジット2(CD2)、納付番号、確認番号、加入者使用桁が含まれている。本実施形態では、これらの収納情報のうち、少なくとも払込金額、請求元である収納機関の識別情報である収納機関番号、収納機関が発行した払込書を識別するための納付番号を含む文字コードを、OCR読取データとして抽出することができる。
【0038】
端末装置200は、一括読取送信データの金融機関を識別するために、予め与えられた金融機関コードを設定することができる。一括データ生成部223は、OCR装置300の読取動作に対して自動的に、または一括読取送信データの生成指示の操作入力に基づいて、
図4に示すように、複数のOCR読取データが羅列されたデータ部に、設定された金融機関コードをヘッダーに付けた一括読取送信データを生成することができる。
【0039】
仕分けした複数の払込書を複数回に分けて読み込む場合、一括データ生成部223は、読み取られた各OCR読取データのデータ群を、記憶装置230に記憶しておき、例えば、一括読取送信データの生成指示の操作入力に基づいて、各OCR読取データのデータ群を連結して一まとまりのデータ部を生成し、金融機関コードをヘッダーに付けた1つの一括読取送信データを生成することができる。
【0040】
なお、一括読取送信データは、分割することもできる。すなわち、複数回に渡って読み取られた各OCR読取データのデータ群それぞれに金融機関コードを付与し、複数の一括読取送信データを生成することもできる。この場合、端末装置200は、複数の一括読取送信データを一度に収納支援装置100に送信したり、一括読取送信データが生成される度に個別に送信したりして、任意のタイミングで生成された一括読取データが収納支援装置100に送信されるように制御することができる。また、端末装置200は、収納支援装置100に送信された一括読取送信データを、記憶装置230に記憶することができる。
【0041】
また、本実施形態では、事務センターにFAX装置400が置かれており、FAX装置400で一括読取送信データの各払込書の集計情報を、収納支援装置100を運営する運営者に送信する。収納業務は、収納機関に対する払込書の消し込みと合わせて、払い込まれた払込金を収納機関に資金移動する。このため、事務センターでは、各店舗から収集された払込書の仕分け作業を行うと共に、消し込み対象の複数の払込書の件数及び合計払込金額を集計し、集計情報を作成する。
【0042】
本実施形態では、後述するように、一括伝送方式での消し込みを希望する複数の払込書に対し、事務センター(金融機関)から集計情報を収納支援装置100(運営者)に提供し、収納支援装置100側でも受信した一括読取送信データから払込書の件数及び合計払込金額を集計して両者をマッチングすることで、資金移動に対する消し込みの一致性を確保する。
【0043】
なお、事務センターから集計情報を送信する手段として、FAX装置400を一例に挙げたが、これに限るものではない。例えば、端末装置200や他の通信機能を備えた情報端末から、集計情報を電子的に収納支援装置100に送信することもできる。
【0044】
図5は、本実施形態の収納支援装置100の構成ブロック図である。収納支援装置100は、受信部111、第1送信部112及び第2送信部113を通信装置と、制御装置120と、記憶装置130と、を含んで構成されている。
【0045】
受信部111は、上述したようにIP網を介して複数の金融機関ぞれぞれと接続され、複数の各金融機関から送信される一括読取送信データを受信する。第1送信部112も上述したように、金融機関別に予め接続チャネルが構築された通信経路で共同利用センターと接続し、各金融機関の一括消込データをMPNに送出する。第2送信部113は、金融機関が指定する所定のサーバや他の情報通信端末と接続し、連携確認用データを送出する。
【0046】
記憶装置130は、
図6(a)に示す金融機関情報、
図6(b)の収納機関情報、及び
図6(c)の金融機関別一括伝送連携情報をそれぞれ記憶している。
図6(a)の金融機関情報は、端末装置200との間で共有され、例えば、収納支援装置100から端末装置200に予め割り当てることができる。収納機関情報は、各収納機関別に割り当てられる収納機関番号と収納機関の名称などの情報で構成されている。
【0047】
なお、金融機関情報は、事務センターの識別情報として位置付けることもできる。すなわち、一括伝送方式の収納業務は、金融機関で領収済み払込書が集約される事務センターを相手に行い、MPNまたは共同利用センターは、金融機関が指定する事務センターを特定(識別)できればよいためである。したがって、一の金融機関に複数の事務センターがある場合、1つの金融機関コードを割り当て、それらが共有して使用することもできる。
【0048】
また、一括伝送方式の収納業務を取り扱う事務センターを、金融機関の店舗と捉えることもできる。この場合、金融機関コードと事務センターの店舗コードとを予め紐付けて記憶しておき、一括伝送方式の収納業務を取り扱った事務センターを特定する情報として利用することができる。例えば、後述するMPNを介した一括伝送方式で予め規格化されたデータフォーマットで構成される一括消込データ(データレコード部)に、金融機関コードとは別に事務センターの店舗コードを含ませるように構成することもできる。
【0049】
制御装置120は、請求情報データ生成部121、連携確認用データ生成部122及び一括データ伝送制御部123を含んで構成されている。
【0050】
請求情報データ生成部121は、複数の前記各事務センターから受信した一括読取送信データを用いて、MPNを介して収納機関に送信するための一括消込データを、金融機関毎に生成する。
図7(a)は、一括消込データの一例を示す図である。
【0051】
一括消込データは、MPNを介した一括伝送方式で予め規格化されたデータフォーマットで構成されている。一括消込データは、主にヘッダー部と、データレコード部と、トレーラレコード部と含んでおり、データレコード部に複数の各払込書のOCR読取データが格納される。
図7(a)に示すように、ヘッダー部としては、共同利用センターコード、収納機関番号、金融機関コードなどが格納される。データレコード部には、各収納機関番号別の払込書の納付番号、納付金(払込金)、納付金区分などが格納される。また、トレーラレコード部には、データレコード部に格納されたデータレコード数、すなわち、払込書の件数とその納付額合計などが格納される。
【0052】
請求情報データ生成部121は、事務センターから受信した一括読込送信データを用いて、まず、収納機関番号毎にOCR読取データを分類し、分類された収納機関番号毎にヘッダー部及びデータレコード部に格納される複数のデータレコードを生成する。また、収納機関番号毎にデータレコード部に格納されるレコード数をカウントすると共に、カウントされる対象レコードの払込金を合計した納付額合計を算出し、レコード件数及び納付額合計を含む集計データを収納機関別に算出する。また、すべての収納機関のレコード件数及び納付額合計を集計した集計データも算出することができる。
【0053】
連携確認用データ生成部122は、生成された一括消込データを用いて、MPNを介して収納機関に送信した一括消込データを金融機関が確認するための連携確認用データを生成する。
図7(b)は、連携確認用データの一例であり、一括消込データとほぼ同じデータである。連携確認用データ生成部122は、例えば、生成された一括消込データをコピーしてヘッダー部に金融機関が指定する連携確認用データの送付先(宛先)を付加して、連携確認用データを生成することができる。なお、なにも付加したり編集したりせず、一括消込データそのものを連携確認用データとして生成することも可能である。
【0054】
ここで、記憶装置130には、
図6(c)に示すように、金融機関別一括伝送連携情報が記憶されており、金融機関毎に連携確認用データの送付先が設定されている。この送付先は、金融機関が指定することができ、例えば、金融機関(事務センターを含む)の基幹システムの所定のサーバや他の情報通信端末などを指定することができる。また、本実施形態の端末装置200を指定することもできる。また、メールアドレスを指定することもでき、金融機関の特定の者に、連携確認用データを添付して送信することができる。
【0055】
そして、一括データ伝送制御部123は、一括消込データそれぞれをMPN又は共同利用センターに送信する第1送信制御を行うとともに、MPN又は共同利用センターに一括消込データを送信するタイミングと同期させて、連携確認用データを各金融機関が指定する宛先それぞれに送信する第2送信制御を行う。このとき、連携確認用データは、一括消込データの送信タイミングと同時に、第2送信部113を介して金融機関が指定するサーバ等に送信することができる。
【0056】
ここで、
図6(c)の金融機関別一括伝送連携情報には、第1送信制御の送信タイミングとして、金融機関毎に予め決められた締め時間情報が記憶されている。本実施形態では、締め時間までに受信した一括読取送信データを用いて、一括消込データを生成するとともに、一括データ伝送制御部123は、締め時間の各タイミングで、一括消込データそれぞれをMPN又は共同利用センターに送信するように第1送信制御を行う。この締め時間は、金融機関側で指定することができる。
【0057】
本実施形態では、収納支援装置100が一括消込データをMPNに送出するタイミングと同じタイミングで連携確認用データを、金融機関に送信している。このため、共同利用センターに一括消込データを伝送するタイミングとほぼ同時に連携確認用データを受信することができ、金融機関自身が直接MPNや共同利用センターに一括消込データを送出するのと同様に、請求情報データの一括データ伝送の処理完了確認ができる。
【0058】
また、金融機関毎に、締時間を設定しており、複数の金融機関が異なるタイミングでの一括伝送を行うことができる。このため、自行のタイムスケジュール(システム)を変更することなく、一括伝送方式を円滑に導入することができる。
【0059】
図8は、本実施形態の事務センターにおける一括読取送信データの生成処理及び送信処理を示すフローチャートである。なお、点線で囲まれたステップは、作業者による手作業等を示している。
【0060】
金融機関の各店舗は、窓口で受け付けた領収済み払込書を事務センターに送付する運搬処理を行う(S101)。事務センターでは、各店舗から運搬された領収済み払込書を仕分けし、収納機関別に払込書を仕分けするとともに、一括伝送方式での消し込みが可能な払込書と、そうでない払込書を選別する仕分け作業を行う(S301,S302)。なお、ステップS301、S302での仕分け作業では、作業者は、一括読取送信データの対象払込書の件数及び合計払込金額を集計し、集計情報を作成する。
【0061】
次に、作業者は、OCR装置300に仕分けした複数の払込書をセットし、端末装置200から一括読取処理を開始するための読取操作入力を行う。OCR装置300は、読取動作に応じて読み取った各払込書のOCR読取データそれぞれを端末装置200に出力する(S303)。
【0062】
ここで、データ読取制御部221は、OCR読取データに含まれるチェックデジット(CD1又は及びCD2)を用いて読み取った収納情報のデータチェック処理を行う(S304)。データチェック処理の結果、チェックNGであれば(S305のNO)、チェックNGと判別されたOCR読取データを、端末装置200に表示し、例えば、一括伝送方式では取り扱いできない払込書である旨を作業者に通知することができる(S312,エラー処理)。チェックデジットを用いたデータチェック処理は、コード情報に応じて予め設計された所定のアルゴリズムに基づいて遂行される。
【0063】
ステップS305において、チェックOKであると判別された場合、一括読取送信データを生成し(S306)、記憶装置230に記憶する(S307)。なお、一括読取送信データの詳細な生成処理については上述した通りである。端末装置200は、作業者の操作入力に基づいて(S308のYES)、生成された一括読取送信データを収納支援装置100に送信する(S309)。端末装置200は、終了指示が入力されたとき(S310のYES)、処理を終了する(S311)。
【0064】
図9は、本実施形態の収納支援装置100の処理フローを示すフローチャートである。
【0065】
収納支援装置100は、各事務センターから一括読取送信データをそれぞれ受信し、
図9に示す各ステップを実行する。収納支援装置100の制御装置120は、事務センター側のチェックデジットを用いたデータチェックに加えて、取り扱い収納機関のチェックを含むチェック処理を行う(S501)。
【0066】
図6(b)に示すように、予め設定された一括伝送可能な収納機関番号(収納機関の識別情報)を記憶している。制御装置120は、一括伝送可能な収納機関番号を参照し、受信した一括読取送信データの各OCR読取データ(コード情報)に含まれる収納機関番号を用いて、各払込書に対応するOCR読取データが一括伝送可能であるか否かを判別する(S502)。一括伝送が不能な収納機関番号に該当するOCR読取データが含まれている場合(S502のNO)、制御装置120は、エラー処理を行い(S503)、当該一括読取送信データをエラーデータとして処理を中断すると共に、事務センターの端末装置200に対して、一括読取送信データの再送通知を送信する(S504)。
【0067】
本実施形態では、一括読取送信データに取り扱い収納機関以外のデータなどのエラーデータが含まれている場合、事務センター側に、改めてエラーデータを含まない一括読取送信データを再送してもらうように制御する。例えば、収納支援システム側で、エラーデータを取り除いてエラーデータを含まない一括消込データを生成することも可能であるが、事務センターが送信した一括読取送信データと一括消込データとが一致しなくなる。つまり、本実施形態の収納支援システムは、金融機関側で生成された一括読込送信データを基準として、あえて収納支援装置100側でデータ編集を行わずに、再度OCR装置300の読み込みからの一括読取送信データの生成・送信を促すメッセージを出力する。このように構成することで、収納支援装置100を経由した一括伝送方式の収納処理において、データの完全性(改ざんされていない、金融機関以外の者によって変更されていないことを確実にしておくこと)を担保することができる。
【0068】
ステップS502において、チェック処理がOKである場合、請求情報データ生成部121は、事務センターから受信した一括読込送信データを用いて、収納機関番号毎にレコード数をカウントすると共に、カウントされる対象レコードの払込金を合計した納付額合計を算出し、集計データ(第1集計情報)を生成する(S505)。
【0069】
ここで、事務センター側では、ステップS301,302での仕分け作業において作成した一括伝送方式での消し込みを希望する複数の払込書に対する集計データ(第2集計情報)をFAX装置400で、収納支援装置100の運営者に送信する(S313)。事務センターから集計データを送信するタイミングは、例えば、一括読取送信データの送信処理後から締め時間までの間の任意のタイミングで行うことができる。また、上述のように、端末装置200や他の通信機能を備えた情報端末から、第2集計情報を電子的に収納支援装置100に送信することもできる。
【0070】
事務センターから第2集計情報を受信すると(S506)、収納支援装置100は、第1集計情報及び第2集計情報のマッチング結果に基づいて一括消込データの生成処理を行う。ここで、集計情報のマッチングは、例えば、運営者がFAX装置400で受信した第2集計情報を収納支援装置100に入力し、請求情報データ生成部121が、第1集計情報とマッチングし、マッチング結果(OK、NG)を判別することができる。また、別の例では、FAX装置400以外のデータ通信により第2集計情報を取得する場合には、運営者による入力操作なしに、請求情報データ生成部121が自動的に行うことができる。さらに別の例では、運営者が収納支援装置100側で集計された第1集計情報とFAX受信した第2集計情報とを目視で確認し、確認結果(マッチング結果)のみを運営者が収納支援装置100に入力するように構成してもよい。
【0071】
このように請求情報データ生成部121は、ステップS507において、受信した一括読込送信データから算出された第1集計情報と、事務センターから仕分け作業によって個別に集計された第2集計情報とが一致するか否かを判別し、第1集計情報と第2集計情報とが一致しないと判別された場合(S507のNO)、ステップS503及びS504と同様に、エラー処理を行い、一括読取送信データの再送通知処理を行う(S508,S509)。
【0072】
一方、一致する場合は(S507のYES)、一括消込データの生成処理及び連携確認用データの生成処理を行う(S510,S511)。そして、一括データ伝送制御部123は、金融機関が指定した締め時間となったとき(S512のYES)、一括消込データをMPN又は共同利用センターに送信し、かつ同時に連携確認用データを金融機関が指定する宛先に送信する(S513,S514)。一括データ伝送制御部123は、一括伝送方式の処理履歴として、一括消込データ及び連携確認用データを金融機関別に記憶装置130に記憶する(S515)。
【0073】
以上、実施形態において、上記収納支援装置100及び端末装置200は、ハードウェア構成として上述以外にも、液晶ディスプレイなどの表示装置、装置全体(各部)の制御を司るCPU、メモリ(主記憶装置)、マウス、キーボード、タッチパネル、スキャナ等の操作入力手段、プリンタ、スピーカなどの出力手段、補助記憶装置(ハードディスク等)等を備えることができる。
【0074】
また、本発明の各機能は、プログラムによって実現可能であり、各機能を実現するために予め用意されたコンピュータプログラムが補助記憶装置に格納され、CPU等の制御部が補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置に読み出し、主記憶装置に読み出された該プログラムを制御部が実行することで、コンピュータ装置に本発明の各部の機能を動作させることができる。他方、本発明の各機能は、各々個別の制御装置で構成することができ、複数の制御装置を直接に又はネットワークを介して接続して構成することもできる。
【0075】
また、上記プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で、コンピュータに提供することも可能である。コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD−ROM等の光ディスク、DVD−ROM等の相変化型光ディスク、MO(Magnet Optical)やMD(Mini Disk)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやリムーバブルハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。また、本発明の目的のために特別に設計されて構成された集積回路(ICチップ等)等のハードウェア装置も記録媒体として含まれる。
【解決手段】金融機関の各店舗で受け付けられた領収済み払込書を一括して読み込むOCR装置と、OCR装置から出力されたコード情報(収納情報)をそれぞれ含む一括読取送信データを生成する端末装置と、マルチペイメントネットワーク等と接続される収納支援装置と、を含んで構成される。OCR装置及び端末装置は、複数の各金融機関それぞれの事務センターに設置される。収納支援装置は、受信した一括読取送信データを用いて収納機関に送信するための一括消込データと連携確認用データとを生成する。そして、一括消込データを一括送信する第1送信制御と、一括送信のタイミングと同期させて、連携確認用データを各金融機関が指定する宛先それぞれに送信する第2送信制御と、を行う。