(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基板に形成されたマウント凹部に搭載するための導電性ボールが供給される中央チャンバー、前記中央チャンバーを取り囲み、第1圧縮気体を前記中央チャンバーに輸送するように形成された内側チャンバー、前記内側チャンバーを取り囲み、第2圧縮気体を前記中央チャンバーに輸送するように形成された外側チャンバー、及び前記内側チャンバーの内部で円周方向に傾くように設置される複数のガイドピンを含む導電性ボール搭載ヘッドを備える導電性ボール搭載装置の制御方法であって、
(a)前記導電性ボールを前記中央チャンバーに供給する段階;
(b)前記内側チャンバーに前記第1圧縮気体を一定の圧力で供給する段階;
(c)前記(b)段階によって前記第1圧縮気体が供給される状態で、前記中央チャンバーの内部の導電性ボールを前記基板のマウント凹部に搭載するために前記導電性ボール搭載ヘッドを前記基板の上側に配置した状態で、前記第1圧縮気体及び第2圧縮気体によって前記中央チャンバーの内部の導電性ボールが前記中央チャンバーの内周面に沿って動きながら前記基板のマウント凹部に搭載可能な圧力(作業圧力)で前記外側チャンバーに前記第2圧縮気体を供給する段階;及び
(d)前記(b)段階によって前記第1圧縮気体が供給される状態で、前記導電性ボール搭載ヘッドの作業待機状態を維持するために前記第2圧縮気体の圧力を0より大きくて前記(c)段階の第2圧縮気体の圧力(作業圧力)より低い圧力(作業待機圧力)に維持する段階;を含むことを特徴とする、導電性ボール搭載装置の制御方法。
前記(d)段階は、前記導電性ボールの前記中央チャンバーの内周面で円周方向への運動を防止するために、前記作業待機圧力に下げることを特徴とする、請求項1に記載の導電性ボール搭載装置の制御方法。
前記圧力制御モジュールは、第1リレーと、第2リレーと、前記第1リレー及び第2リレーの出力信号によって前記第2圧縮気体の圧力を調節する電空レギュレーターとを含み、
前記第1リレー及び第2リレーのスイッチがオン(ON)にされれば、前記電空レギュレーターは前記第2圧縮気体を前記作業圧力で供給し、
前記第2リレーのスイッチがオン(ON)にされ、かつ前記第1リレーのスイッチがオフ(OFF)にされれば、前記電空レギュレーターは前記第2圧縮気体を前記作業待機圧力で供給することを特徴とする、請求項6に記載の導電性ボール搭載装置。
【背景技術】
【0002】
LSI(Large Scale Integration)、LCD(Liquid Crystal Display)を含めた半導体装置などを実装するとき、電気的な接続のために半田ボール(solder ball)のような導電性ボールを用いる場合が多い。
【0003】
直径が1mm程度以下の微細な粒子状の導電性ボールが基板に搭載されて基板の電気的実装に使用される。この際、基板上に半田付け用のフラックスをスクリーン印刷して、マウント凹部が形成されたマスクを配置した後、導電性ボールをマウント凹部に挿入する方法で導電性ボールがマウント凹部に搭載される。このような構成の外に、基板そのものにエッチングなどの方法でマウント凹部を形成し、このマウント凹部に導電性ボールを搭載する方法も用いられる。
【0004】
発明の背景となる技術として、特許文献1などに導電性ボールを基板に実装するためのいくつかの構成が開示されている。
【0005】
従来「スキージー(squeegee)」と呼ばれる構成を用いて導電性ボールを基板に対して移動させてマウント凹部に搭載する方法も用いられ、円筒状の導電性ボール搭載ヘッド内に導電性ボールを収容させた後、空気の流れによって導電性ボールを導電性ボール搭載ヘッドの内部に移動させてマウント凹部に搭載する方法も用いられた。
【0006】
このような従来の導電性ボール搭載装置は、複数枚の基板に対して順次ボール搭載作業を行う過程で、基板の交換などのために作業待機領域に搭載ヘッドを移しておく操作も行われる。
【0007】
このような従来の導電性ボール搭載装置は、作業待機状態でも導電性ボールが搭載ヘッドの内部の外側から内側に向かって螺旋形に高速で移動、旋回又は回転する。これにより、回転中の導電性ボールは酸化又は損傷したり、導電性ボールの損傷によって異物が発生したり、変色などの汚染が発生したりする。このように汚染した導電性ボールは製品不良を誘発するため再使用できないので、廃棄されてしまうという問題が発生する。
【0008】
また、従来技術においては、作業待機状態でも導電性ボールが続いて搭載ヘッドの内部で回転する状態なので、静電気が発生してボール搭載効率又は収率が落ちることができる。
【0009】
また、従来技術において、導電性ボール搭載の際、相対的に高価な装備によって作られた高価の窒素ガスを圧力調節せずに使うから、実際にボール搭載作業が行われない作業待機状態で相対的に窒素ガスなどの消耗量が多い欠点がある。
【0010】
また、従来技術においては、窒素などの圧縮気体の消耗量を減らすための方法として、圧縮気体供給の遮断が行われてきた。しかし圧縮気体の供給を遮断すれば、導電性ボールが慣性によって搭載ヘッドの外部に飛び出すか、あるいはボール群集領域の外側に分散してしまうという問題があった。
【0011】
このような場合、搭載ヘッドの外部に飛び出した導電性ボールがマスク、基板、又は基板を支持する真空ブロック(vacuum block)に流れることもあり得る。このように真空ブロックに流入した導電性ボールは真空ブロックの装置欠陷を引き起こすか、あるいは基板又はマスクに製品不良及びマスク損傷などを引き起こす問題がある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明による導電性ボール搭載装置及びその制御方法を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の一実施例による導電性ボール搭載装置の構成図である。
【0023】
図1を参照すれば、この実施例の導電性ボール搭載装置は、導電性ボール搭載ヘッドH(以下、「搭載ヘッドH」と略称する)、制御部90、ヘッド移送ユニット91、圧縮気体供給部T、及び圧力制御モジュール200を含む。
【0024】
この実施例の説明において、第1圧縮気体及び第2圧縮気体はこの実施例の場合では窒素ガスであるが、導電性ボール搭載作業に使われる不活性気体の群から選択されるいずれか一種の不活性ガスであってもよい。
【0025】
搭載ヘッドHは、ヘッド本体10、内側部材20、外側部材30及びリテーナー40を含む。
【0026】
ヘッド本体10は円筒状に形成され、その上側には、内側部材20及び外側部材30と結合するためのフランジが形成される。ヘッド本体10の円筒状部材の内側には中央チャンバー11が形成される。基板100に搭載されるための導電性ボール102が中央チャンバー11に供給されて待機する。
【0027】
ヘッド本体10の外側には内側部材20が設けられる。内側部材20は円筒状に、ヘッド本体10の外周面を円周方向に取り囲むように形成される。ヘッド本体10の外周面と内側部材20の内周面の間には内側チャンバー21が形成される。
【0028】
内側チャンバー21は中央チャンバー11を取り囲んで、第1圧縮気体を中央チャンバー11に輸送するように形成されている。また、内側チャンバー21の上部から第1圧縮気体が流入して内側チャンバー21の下部に噴射される。内側チャンバー21は下側に流路が狭く形成された内側ノズル22を含む。内側ノズル22は内側部材20の内側下方に45度で傾く方向に伸びるように形成される。
【0029】
内側部材20の外側には外側部材30が設けられる。外側部材30は円筒状に、内側部材20の外周面を円周方向に取り囲むように形成される。内側部材20の外周面と外側部材30の内周面の間には外側チャンバー31が形成される。
【0030】
外側チャンバー31は内側チャンバー21を取り囲んで、第2圧縮気体を中央チャンバー11に輸送するように形成されている。
【0031】
外側チャンバー31の上部から第2圧縮気体が流入して外側チャンバー31の下部に噴射される。外側チャンバー31は下側に流路が狭く形成された外側ノズル32を含む。外側ノズル32は外側部材30の内側下方に45度で傾く方向に伸びるように形成される。
【0032】
リテーナー40はキャップ部41及び排出部42を含む。キャップ部41は円筒状に形成され、ヘッド本体10の中央チャンバー11に挿入される。排出部42は網状に形成され、キャップ部41の下面に結合される。
【0033】
ここで、排出部42はリテーナー40のキャップ部41の下端に位置しているが、導電性ボール102保持容量を考慮してキャップ部41の内周面中間位置又はキャップ部41の上端に位置することもできる。
【0034】
内側ノズル22と外側ノズル32を介して中央チャンバー11の内部に流入した第1圧縮気体及び第2圧縮気体が網状の排出部42を介してキャップ部41の内周面に排出される。中央チャンバー11に収容された導電性ボール102は排出部42にかかり、外部に離脱することが防止され、中央チャンバー11の内部に集まる。排出部42は合成樹脂材で形成されてもよいし、あるいはステンレススチール材で形成されてもよい。排出部42がステンレススチール材でなる場合にはテフロン(登録商標)のような合成樹脂材で被覆して使うことも可能である。
【0035】
内側チャンバー21又は内側ノズル22にはガイド部材50が取り付けられる。例えば、ガイド部材50は内側チャンバーの内部に内側ノズル22から円周方向に傾くように設けられ、内側ノズル22を介して噴射される第1圧縮気体の噴射方向を案内する。
【0036】
第1圧縮気体の噴射方向の案内はガイド部材50に設けられた複数のガイドピン51によってなされる。ガイドピン51は内側ノズル22の延長方向に対して円周方向に傾くように形成され、第1圧縮気体を反時計方向に回転させるように案内する。ガイドピン51は内側ノズル22の延長方向に対して反時計方向に30度傾くように形成される。内側ノズル22から噴射される第1圧縮気体はガイド部材50のガイドピン51によって円周方向に傾くように案内される。すなわち、内側ノズル22から噴射される第1圧縮気体は反時計方向に回転しながら中央チャンバー11に流入する。
【0037】
中央チャンバー11のリテーナー40の下部に導電性ボール102を供給するためのボール供給管61は、例えば
図1のようにリテーナー40の内側に設けられるか、中央チャンバー11側に導電性ボール102を供給することができるようにヘッド本体10の設計が変更されている場合、ヘッド本体10に設けられることもできる。
【0038】
ボール供給管61がキャップ部41の側壁に設けられる場合には、導電性ボール102がヘッド本体10の内周面とキャップ部41の外周面の間の空間を介して排出部42の下部空間に流入するようにボール供給管61がキャップ部41に配置される。
【0039】
基板100は図示されていない真空ブロック(vacuum block)などの作業台上に置かれてよい。ここで、基板100上には図示されていない半田付け用フラックスがスクリーン印刷されることができ、やはり図示されていないマウント凹部が形成されたマスクが置かれてもよい。
【0040】
制御部90は後述する圧力制御モジュール200と搭載ヘッドHを移送させるためのヘッド移送ユニット91を制御する手段である。
【0041】
ヘッド移送ユニット91は多軸移送機構によって基板100上でX軸、Y軸及びZ軸方向に搭載ヘッドHを移送する。
【0042】
制御部90は搭載ヘッドHに供給される第1圧縮気体及び第2圧縮気体の圧力値をそれぞれ別個にチェックするように構成され、そのチェック結果によってヘッド移送ユニット91を制御する。すなわち、制御部90は、作業待機領域又は基板100の上側位置などの作業領域内で、搭載ヘッドHを基板100に対して移送するようにヘッド移送ユニット91を制御する。
【0043】
圧縮気体供給部Tは、窒素を貯蔵する貯蔵施設と、導電性ボール搭載作業に必要な窒素の圧縮気体を作る圧縮機と、圧縮気体を貯蔵する圧力タンクと、圧力タンクから搭載ヘッド40までの圧縮気体の移送経路となる複数の流路71、72を含んでよい。ここで、流路71、72は複数の可撓性圧力ホース、配管部材、計測器などを通称するもので、第1圧縮気体供給用第1流路71、及び第2圧縮気体供給用第2流路72を含む。
【0044】
第1流路71は圧縮気体供給部Tと内側チャンバー21を連結するように形成される。
【0045】
第2流路72は圧縮気体供給部Tと外側チャンバー31を連結するように形成される。この際、第2圧縮気体は圧縮気体供給部Tに連結された第2流路72の一端から圧力制御モジュール200の電空レギュレーターの給気ポートに流入し、電空レギュレーターの内部の給気用電磁バルブと排気用電磁バルブの圧力調節を受けた後、電空レギュレーターの排気ポート及び第2流路72の他端を介して外側チャンバー31側に供給される。
【0046】
圧力制御モジュール200は第2流路72に結合され、圧縮気体供給部Tの第2圧縮気体の圧力を搭載ヘッドHの作動状況に対応して調節する。例えば、圧力制御モジュール200は、第1リレー240及び第2リレー241の出力信号(スイッチオン/オフ)によって第2圧縮気体の圧力を調節して搭載ヘッドHの外側チャンバー31側に供給する電空レギュレーター220を含んでよい。
【0047】
以下、前述したように構成されたこの実施例の導電性ボール搭載装置による導電性ボール搭載装置の制御方法について説明する。
【0048】
図2は
図1に示した導電性ボール搭載装置によって実施される導電性ボール搭載装置の制御方法を説明するための流れ図である。
【0049】
図1又は
図2を参照すれば、搭載ヘッドHは導電性ボールをマウントするための基板100の周辺又は基板100の上側から離れた作業台(例えば、真空ブロック)上の作業待機領域に配置される。
【0050】
ボール供給ユニット(図示せず)は導電性ボール102をボール供給管61側に供給する((a)段階;S100)。これにより、導電性ボール102はボール供給管61を介して排出部42の下側の中央チャンバー11に供給される。
【0051】
ついで、事前に設定された一定の圧力を有する第1圧縮気体を、第1流路71を介して内側チャンバー21に供給する((b)段階;S200)。この際、内側チャンバー21に供給された第1圧縮気体は内側ノズル22を介して中央チャンバー11に流入する。
【0052】
このように、第1圧縮気体が内側チャンバー21に供給される状態で、作業圧力で外側チャンバー31に第2圧縮気体を供給する((c)段階;S300)。この際、作業圧力は中央チャンバー11の内部の導電性ボール102が中央チャンバー11の内周面に沿って動きながら基板100のマウント凹部に搭載可能な程度の圧力に設定される。作業圧力は導電性ボール102の大きさと作業環境によって多様に設定できる。一般的に、作業圧力が外側チャンバー31に加われば、中央チャンバー11の内部の導電性ボール102が中央チャンバー11の下側に速く動く。
【0053】
内側チャンバー21に供給された第1圧縮気体と外側チャンバー31に供給された第2圧縮気体は当該内側ノズル22と外側ノズル32を介してヘッド本体10の下面と基板100の間の空間に噴射される。
【0054】
この際、前述したように、内側ノズル22と外側ノズル32はそれぞれ半径方向に傾くように形成されているので、内側ノズル22と外側ノズル32から噴射された圧縮気体は中央チャンバー11に移動する高速の気流を形成する。
【0055】
また、高速の気流によって、ヘッド本体10の外側の気体もヘッド本体10と基板100が対向面の間の空間を介して中央チャンバー11の内部に流れる。すなわち、内側ノズル22と外側ノズル32から噴射される圧縮気体の高速気流によってヘッド本体10の外部からヘッド本体10の内部の中央チャンバー11への外部気体の流れも誘導可能なものである。特に、内側ノズル22と外側ノズル32の二重構造によって圧縮気体を中央チャンバー11に噴射することにより、ヘッド本体10の外部気体が中央チャンバー11の内部に流れる効果をより向上させることができる利点がある。
【0056】
特に、内側ノズル22に設けられたガイド部材50の作用によって、内側ノズル22から噴射される第1圧縮気体は反時計方向に回転しながら中央チャンバー11に流入する。結果として、中央チャンバー11の内部で第2圧縮気体及び第1圧縮気体は螺旋形に中心部に向かって流れる。
【0057】
そして、中央チャンバー11に流入した圧縮気体はリテーナー40の排出部42を通過してヘッド本体10の外部に排出される。
【0058】
この際、中央チャンバー11の内部の圧縮気体の螺旋形流れによって、導電性ボール102は中央チャンバー11の外側から内側に向かって螺旋形に移動、旋回、及び回転のいずれか一つの動きを持つ。
【0059】
このような状態で、制御部90はヘッド移送ユニット91を制御して搭載ヘッドHを作業領域に移送する((e)段階;S400)。すなわち、ヘッド移送ユニット91を作動させて搭載ヘッドHを基板100の上側(作業領域)に移送する。
【0060】
このように、搭載ヘッドHが基板100の上側に配置されれば、中央チャンバー11の内部の圧縮気体の流れによって導電性ボール102は基板100に形成されたマウント凹部にそれぞれ搭載される。
【0061】
基板100に導電性ボール102を搭載する作業が完了すれば、制御部90はヘッド移送ユニット91を制御して搭載ヘッドHを作業待機領域に移送する((f)段階;S500)。
【0062】
ついで、搭載ヘッドHの作業待機状態を維持するために第1圧縮気体の供給を維持した状態で、第2圧縮気体の圧力を0より大きくて作業圧力より低い圧力(作業待機圧力)に調節する操作を実施する((d)段階;S600)。このように、第2圧縮気体の圧力は作業待機圧力に下げられる。導電性ボール102の回転によって導電性ボール102に作用する遠心力は、第1圧縮気体及び第2圧縮気体によって導電性ボール102に作用する中央チャンバー11の中心方向力より小さくなって作業待機圧力を下げるものである。このように、第2圧縮気体の圧力を作業圧力から作業待機圧力に下げることにより、中央チャンバー11の内周面に対する導電性ボール102の円周方向運動を防止することができる。
【0063】
第2圧縮気体の圧力を作業圧力と作業待機圧力に調節することは
図3に示した圧力制御モジュール200によってなされることができる。
【0064】
図3は
図1に示した圧力制御モジュールの構成を説明するためのブロック図である。
【0065】
図3を参照すれば、圧力制御モジュール200は、電源供給部210、電空レギュレーター220、第1ポテンショメーター230、第2ポテンショメーター231、第1リレー240、及び第2リレー241を含む。
【0066】
電源供給部210は外部交流220V電源をポテンショメーター230、231用の直流5V電源に変換するSMPS(Switching Mode Power Supply)と、電空レギュレーターの作動電源として直流24V電源を供給するための手段である。
【0067】
特に、この実施例の電源供給部210は精密変換が要求される第1ポテンショメーター230及び第2ポテンショメーター231に接続され、一般的なアダプダ形式の電源装置に比べて電源供給をはるかに安定化させることができ、かつ一般的な線形方式の電源装置に比べて装置の大きさ及び費用に対する電源供給効率を高めるとともに安定した電源供給作動を実現することができる。
【0068】
第1ポテンショメーター230と第2ポテンショメーター231はそれぞれ調節角度360度でポテンショメーター用調節シャフトを回転操作することができる精密可変抵抗器である。ここで、第1ポテンショメーター230は電空レギュレーター220から排出される第2圧縮気体の作業圧力の大きさを比例制御する。
【0069】
また、第2ポテンショメーター231は電空レギュレーター220から排出される第2圧縮気体の作業待機圧力の大きさを比例制御する。
【0070】
電空レギュレーター220は、第1リレー240及び第2リレー241で発生した出力信号によって第2流路72の一端から輸送された第2圧縮気体の圧力を調節して第2流路72の他端に排出し、最終的に搭載ヘッドHの外側チャンバー31側に圧力の調節された第2圧縮気体を供給することができる。
【0071】
すなわち、第1リレー240及び第2リレー241がスイッチオン(ON)されれば、電空レギュレーター220は第2圧縮気体を(c)段階の作業圧力で供給する。
【0072】
また、第2リレー240がスイッチオン(ON)され、第1リレー241がスイッチングオフ(OFF)されれば、電空レギュレーター220は第2圧縮気体を(d)段階の作業待機圧力で供給する。
【0073】
また、第1リレー240がスイッチングオフ(OFF)である場合、第2リレー241のスイッチオン(ON)又はスイッチングオフ(OFF)に関係なく、第2圧縮気体の供給が完全に遮断され、搭載ヘッドHの内側チャンバー21の圧力は0となり得る。
【0074】
このような構成により、圧力制御モジュール200は搭載ヘッドHの内側チャンバー21に第1圧縮気体が一定の圧力で供給される状態で、導電性ボール102を基板100のマウント凹部に搭載するための作業状態である場合、中央チャンバー11の内部の導電性ボール102が中央チャンバー11の内周面に沿って動きながら基板100のマウント凹部に搭載可能な圧力(作業圧力)で外側チャンバー31に第2圧縮気体を供給する。
【0075】
また、圧力制御モジュール200は、搭載ヘッドHが作業待機状態である場合、第2圧縮気体を作業圧力より低い圧力(作業待機圧力)で供給する。このように、作業待機状態で第2圧縮気体の圧力を作業待機圧力に低めて供給することにより、導電性ボール102の回転と衝突を防止して導電性ボール102の酸化、損傷、異物発生、変色、及び静電気発生を防止することができる利点がある。また、第2圧縮気体の圧力を低めて第2圧縮気体の消耗量を減少させることで、高価な窒素ガスである第2圧縮気体の過消費を防止する利点がある。また、空気の代わりに窒素ガスを使えば静電気発生防止によって歩留り(yield)を向上させることができる利点がある。
【0076】
すなわち、この実施例において、第2圧縮気体の変化は
図4から確認することができる。
【0077】
図4は
図1に示した圧力制御モジュールによる第2圧縮気体の圧力変化を示すグラフである。
【0078】
図4を参照すれば、第2圧縮気体は、供給の完全遮断によって大きさが0である圧力(P1)と、0.04Mpa〜0.06Mpaの作業待機圧力(P2)と、0.14Mpa〜0.15Mpaの作業圧力(P3)とのいずれか一つに対応するように変換及び維持されることが繰り返されることができる。
【0079】
特に、作業待機圧力(P2)の0.04Mpa〜0.06Mpaの数値範囲は、その数値範囲を外れると導電性ボールが過度に作業待機領域の外に飛び出すか、飛び出す導電性ボールの数が急激に増加するが、0.04Mpa〜0.06Mpaの数値範囲内では導電性ボールが作業待機領域にきちんと整列されることができるという臨界的意味を持つ。
【0080】
一方、0.06Mpa超過かつ0.14Mpa未満の圧力範囲では導電性ボールが中央チャンバー内で動き始めるかあるいは次第に回転し始めるかあるいは大量の動きが発生した後に高速で(例えば、200mm/s)回転又は旋回することができる。
【0081】
0.06Mpaより大きくかつ0.14Mpa未満の圧力範囲で直ちに第2圧縮気体の供給が完全に遮断される場合、相対的に多くの導電性ボールが搭載ヘッドHの外部に飛び出すという問題が発生する。
【0082】
第2圧縮気体の圧力を作業待機圧力に調節しない場合、導電性ボールは中央チャンバー内で高速で回転してから中央チャンバーの下部を介して搭載ヘッドHの外に飛び出して散漫に配置されることができる。
【0083】
すなわち、従来の高速回転中の導電性ボールは、この実施例とは異なり、作業待機状態でも作業状態と同様に高速で回転しているため、有事時(例えば、安全事故、停電、基板交換など)に圧縮気体を圧力調節せずに遮断する場合、高速回転による回転慣性力によって安定化しない。また、安定化しなかった導電性ボールは放射方向又は任意の方向に過度に分散して搭載ヘッドHの外に飛び出す。
【0084】
しかし、この実施例の場合、第2圧縮気体の圧力を作業待機圧力に制御して回転慣性力が減少した導電性ボールは搭載ヘッドHの外部に排出されても、その排出された状態が整然として群集されるか整列された状態を維持しながら作業待機領域に配置されることができる。
【0085】
以上、本発明による導電性ボール搭載ヘッドについて好適な実施例を挙げて説明したが、本発明の範囲は上述の説明又は図示した例に限定されるものではない。
【0086】
例えば、ヘッド移送ユニット又は圧力制御モジュールによって行われる
図2に示した各段階は特定の手順に限定されないこともできる。すなわち、
図2のボール供給((a)段階;S100)は第1圧縮気体供給((b)段階;S200)と第2圧縮気体作業圧力供給((c)段階;S300)の間に行われるか、あるいは第2圧縮気体作業圧力供給((c)段階;S300)の後に行われることができる。
【0087】
また、第1圧縮気体の圧力も第2圧縮気体に使われたものと同一水準の圧力制御モジュール(図示せず)と結合して調節されることも可能である。
【0088】
また、制御部は、ヘッド移送ユニットの制御の際、搭載ヘッドを搭載待機領域又は作業領域に移送させるタイミングと、第2圧縮気体を作業待機圧力又は作業圧力に維持するタイミングは互いに同期化して同時に行われるかあるいは時間差を置いて行われることも可能である。
【0089】
また、以上では第2圧縮気体の圧力を作業圧力に高めた状態で搭載ヘッドを作業領域に移送し、作業が完了した後、搭載ヘッドを作業待機領域に移送してから第2圧縮気体の圧力を作業待機圧力に下げるものとして説明したが、作業待機領域で第2圧縮気体の圧力を作業圧力に先に高め、搭載ヘッドを作業領域に移送し、第2圧縮気体の圧力を作業待機圧力に低めた後、作業待機領域に移送する手順に本発明の導電性ボール搭載装置制御方法を実施することも可能である。
【0090】
また、以上では搭載ヘッドの中央チャンバー11にリテーナー40が取り付けられた場合を例として説明したが、中央チャンバーにリテーナーが設置されずに中央チャンバーの上側が網状の部材で覆われている形態の導電性ボール搭載装置を構成することも可能である。