【実施例】
【0060】
実施例1:抗体発現および精製
重鎖および軽鎖の可変領域のポリペプチド、抗体Aの完全な重鎖および軽鎖アミノ酸配
列、およびそれをコードするヌクレオチド配列を、下記で「アミノ酸およびヌクレオチド
配列」と題した節において示す。さらに、抗体Aの軽鎖、重鎖、軽鎖可変領域、および重
鎖可変領域に関する配列番号を、表1に示す。
【0061】
これに限らないが、抗体Aを含めた、本発明の抗体は、本質的に以下のように作成およ
び精製してよい。適切な宿主細胞、例えばHEK293またはCHOは、最適な所定のH
C:LCベクター比(1:3または1:2など)またはHCおよびLCの両方をコードす
る単一ベクター系を用いて抗体を分泌するための発現系で一過的または安定的にトランス
フェクトしてよい。その中に抗体が分泌されている、浄化した培地を、多数の一般的に使
用される技術のいずれかを用いて精製してよい。例えば、培地は、好都合にはリン酸緩衝
食塩水(pH7.4)などの、適合した緩衝液で平衡化した、Fabフラグメントのため
のMabSelectカラム(GE Healthcare)、またはKappaSel
ectカラム(GE Healthcare)に適用してよい。カラムは、非特異的な結
合成分を除去するために洗ってよい。結合した抗体は、例えば、pH勾配(20mMのT
ris緩衝液pH7から10mMのクエン酸ナトリウム緩衝液pH3.0、またはリン酸
緩衝食塩水pH7.4から100mMのグリシン緩衝液pH3.0など)によって溶離し
てよい。抗体画分は、SDS−PAGEなどによって、検出してよく、次いでプールして
よい。さらなる精製は、意図する使用に応じて、任意である。抗体は、一般的な技術を用
いて濃縮および/または除菌ろ過してよい。可溶性凝集体およびマルチマーは、サイズ排
除、疎水性相互作用、イオン交換、マルチモード、またはヒドロキシアパタイトクロマト
グラフィーを含めた、一般的な技術によって有効に除去してよい。これらのクロマトグラ
フィーステップ後の抗体の純度は、95%より大きい。産生物は、−70℃で直ちに凍結
するかまたは凍結乾燥してよい。
【表1】
【0062】
アッセイ
結合キネティクス、親和性、および選択性
ヒト、カニクイザル(cynomolgous)、マウス、ウサギおよびイヌなどの可
溶性Ang2の複数種に関する結合キネティクス、親和性、および選択性は、当技術分野
において既知の方法に従ってBIAcore(登録商標) 2000、BIAcore(
登録商標) 3000、またはBIAcore(登録商標) T100(GE Heal
thCare)などの表面プラズモン共鳴(SPR)バイオセンサーの使用によって25
℃または37℃で本発明の抗体について測定してよい。
【0063】
ヒトAng2は、R&D Systemsから購入してよい。抗体の捕捉のためのプロ
テインA表面は、以下の方法を用いて調製してよい。CM4(Biacore #BR−
1005−34)またはCM5(Biacore #BR−1000−99)上の可溶性
プロテインA(Calbiochem、カタログ:539202)の固定化は、EDC/
NHSアミンカップリング法(Biacore # BR−1000−50)を用いて調
製してよい。簡単に言えば、EDC/NHSの1:1混合物を5μl/minまたは10
μL/minで7分間注入することによって4つ全てのフローセルの表面を活性化してよ
い。その後、可溶性プロテインAを、10mMの酢酸塩緩衝液、pH4.5で希釈して、
フローセル(Fc)2、3または4上に5μL/minまたは10μL/minの流速で
7分間固定化してよい。チップ表面上にまだ残っている未反応部位は、5μL/minま
たは10μL/minでのエタノールアミンの7分間注入でブロックしてよい。ランニン
グ緩衝液は、HBS−EP+(Biacore #BR−1006−69)であってよい
。抗体試料は、ランニング緩衝液への希釈によって1μg/mLまたは2μg/mLで調
製してよい。200nMから3.1nMにわたるAng2リガンドの不連続な濃度は、ラ
ンニング緩衝液への2倍の段階希釈を用いて調製してよい。それぞれの分析サイクルは、
一連の5つの別々のステップ、(1)別個のフローセル(Fc2、Fc3、およびFc4
)上への抗体の捕捉、(2)全てのFc上で50μL/minで250μL(表面接触時
間300秒)の不連続な濃度のAng2の(kinjectを用いる)注入、(3)解離
相を観測するために20分間の緩衝液流への戻し、(4)10mMグリシン、pH1.5
の10μL(表面接触時間30秒)注入でチップ表面の再生、(5)HBS−EP+ラン
ニング緩衝液の15μL(表面接触時間45秒)注入でチップ表面の平衡化、からなって
いてよい。結果として得られるデータは、標準的な二重参照(double−refer
encing)を用いて処理してBiacore 2000 Evaluationソフ
トウェア、バージョン4.1を用いて1:1結合モデルに適合させ、会合速度(k
on、
M
−1s
−1単位)、解離速度(k
off、s
−1単位)を決定してよい。平衡解離定数
(K
D)の計算は、以下の関係、K
D=k
off/k
onから計算してよく、かつモル単
位で示される。
【0064】
H1H685P−293HEKは、HCVR配列(国際公開第2011014469号
の配列番号18)およびLCVR配列(国際公開第2011014469号の配列番号2
0)を利用する293HEK細胞において発現されたヒトIgG1 Ang2抗体である
。3.19.3−293HEKは、Ang2に結合しかつ3.19.3 HCVR配列(
国際公開第2009097325号の配列番号2)およびMEDI1 LCVR配列(国
際公開第2009097325号の配列番号3)を利用する293HEK細胞において発
現されたヒトIgG1抗体である。
【0065】
本質的に本アッセイに記載のように実施された実験において、抗体Aは、H1H685
P−293HEKおよび3.19.3−293HEKよりもそれぞれ、約4倍および8倍
低いK
DでヒトAng2に結合する(表2)。
【0066】
本質的に本アッセイに記載のように実施された実験において、抗体Aは、ヒト、カニク
イザル、マウス、ウサギおよびイヌAng2にそれぞれ、80、107、109、210
および140pMの親和性で結合する(表3)。
【表2】
【表3】
【0067】
Kinexaでの親和性測定
KinExA 3200解析装置(Sapidyne Inst.Inc.)を用いて
結合キネティクスを測定してよい。簡単に言えば、ヒトAng2は、セファロースビーズ
に共有結合する場合がありかつ遊離Mabのビーズへの結合がKinExA 3200上
で検出され得る。K
Dを測定するために、段階的に減少して希釈したヒトAng2と共に
Mab(1pM、2pM、または5pM)を含有する個々の試験管を、1mg/mlのB
SAを含有するPBS中で25℃で数日間インキュベーションしてよい。インキュベーシ
ョン後、それぞれ平衡した試料における遊離Mabを測定してよい。K
d値は、KinE
xAソフトウェアでN曲線分析を用いて決定してよい。
【0068】
本質的に本アッセイに記載のように実施された実験において、抗体Aは、H1H685
P−293HEKよりも約8倍低いK
DでヒトAng2に結合する(表4)。
【表4】
【0069】
抗体Aは、固相ELISAアッセイによってヒトAng2のヒトTie2への相互作用を
阻害する
本発明の抗体によるヒトAng2のその受容体ヒトTie2への結合のブロックは、固
相のin vitroでのELISAアッセイにおいて測定してよい。
【0070】
アッセイのために、高結合96−ウェルELISAプレート(Costar #259
2)を、4μg/ml(100μl中)の組換えヒトTie2−Fc(R&D Syst
ems #313−TI)で、室温で一晩コーティングしてよい。プレートを、TBST
(0.05% Tween 20を含有するTris緩衝食塩水)で3回洗ってよく次い
で300μl/ウェルのブロッキング緩衝液(0.5% BSA/D−PBS)(BSA
:Jackson ImmunoResearch #001−000−162、IgG
非含有、プロテアーゼ非含有)でオービタルシェーカー上で室温で1〜2時間ブロックし
てよい。ブロッキングステップ中、別個のポリプロピレンマルチウェルプレートにおいて
、75μlの2×試験抗体(ブロッキング緩衝液で段階的に希釈した1:3)に、75μ
lの2×ビオチン化ヒトAng2(R&D Systems #BT623)(やはりブ
ロッキング緩衝液で希釈)を加えてよい。抗体/ビオチン化Ang2混合物を、次いで3
7℃で1時間インキュベーションしてよい(最終ビオチン化Ang2濃度は100ng/
mlであった)。ブロッキング溶液を、Tie2−FcコーティングしたELISAプレ
ートから除去してよく、その後ウェル当り50μlの抗体/ビオチン化Ang2混合物を
(複製のウェルにおいて)加えてよい。次いでプレートを、オービタルシェーカー上で、
プレートシーラーで覆って、室温で2時間インキュベーションしてよい。次いでプレート
を3回洗ってよく、その後ウェル当り100μlのストレプトアビジン−HRP(R&D
Systems #DY998、ブロッキング緩衝液で1:200希釈してよい)を加
えてよい。次いでプレートを、オービタルシェーカー上で、プレートシーラーで覆って、
室温で45分間インキュベーションしてよい。次いでプレートを、再び3回洗ってよい。
【0071】
次いでプレートを、ウェル当り100μlのOne Component TMB基質
(室温に温めてよい)(Surmodics/BioFX Labs #TMBW−10
00−01)を加えることにより構築してよい。構築は、室温で10分間進行させてよい
(プレートをアルミニウム箔で覆ってよい)。構築は、ウェル当り100μlの酸性停止
液(TMB停止液、Surmodics/BioFX Labs #LSTP−1000
−01)で停止してよい。プレートは、オービタルシェーカー上で混合してよくその後そ
れらを、SOFTmax PRO 5.4.1ソフトウェア(Molecular De
vices Corp.)を用いて、ELISAリーダー(Molecular Dev
ices SpectraMax 190)上で450nmで読み取ってよい。A450
値は、Tie−2−Fcに結合したままのビオチン化Ang2の量を反映する。A450
値の減少は、Tie−2−Fcに結合しているビオチン化Ang2のブロッキングを反映
した。
【0072】
Tie−2に結合しているAng2の阻害に関するIC50値は、対数変換したX値を
用いて、GraphPad Prism 6で計算してよい。非線形回帰(曲線適合)解
析(シグモイド型用量反応、可変傾斜)を、対数変換したxデータ上で実行してIC50
値を得てよい。実験を2回以上実施する場合、実験間の幾何平均IC50値(および95
%信頼区間)を計算してよい。
【0073】
本質的に本アッセイに記載のように実施された実験において、抗体Aは、用量依存的方
法でTie−2へのAng2の結合を特異的にブロックし、0.027nM(95%信頼
区間0.00089〜0.8029nM)の幾何平均IC50値(n=2)を結果として
生じた。抗体AおよびH1H685P−293HEKは、同等な中和IC50値を有した
。
【0074】
Ang2誘発性のTie−2のリン酸化の中和であるがAng1媒介性のリン酸化ではな
い。
本発明の抗体によるin vitroでのヒトTie−2の細胞ベースの阻害は、An
g1およびAng2が結合して用量依存的方法でヒトTie−2リン酸化を誘導する細胞
アッセイにおいて測定してよい。in vitroでの細胞アッセイを、用量依存的方法
においてAng2を選択的中和するがTie−2受容体のAng1媒介リン酸化は中和し
ない抗体Aの能力を評価するために用いてよい。Ang2抗体、Ang1/2交差反応性
の抗体、および対照ヒトIgG
4 PAAアイソタイプ抗体が、それぞれ陽性および陰性
対照として含まれていてよい。
【0075】
CHO−Tie−2細胞株は、完全長ヒトTie−2受容体(C末端における3X F
LAGタグを有する)の安定的トランスフェクションによって生成してよい。CHO−T
ie−2細胞は、Hams F−12(CellGro/Mediatech #10−
080−CV)、10%熱不活性化FBS(Life Technologies/In
vitrogen #10082−147)、1X抗生物質−抗真菌剤(Life Te
chnologies/Invitrogen #15240−062)、1.25mg
/mlのG418(Corning Cellgro #30−234−CI)、10μ
g/mlのピューロマイシン(Calbiochem #540411)、および0.0
78%炭酸水素ナトリウム(Thermo Hyclone #SH30033.01)
の完全培地において維持してよい。
【0076】
アッセイのために、CHO−Tie−2細胞を、ポリ−リジンコーティングした96−
ウェルプレート(BD Biocoat #356640)の内側の60ウェル内に、(
100μlの成長培地中で)ウェル当り10,000細胞に再懸濁させてよい。200μ
lのD−PBSを、蒸発を低減するために周辺部ウェル内に入れてよい。細胞を、37℃
、95%RH、5%CO
2で一晩インキュベーションしてよい。翌日、細胞を1回洗って
よく培地を0.1%BSA(Sigma #A7979、低エンドトキシン)を含有する
100μlの無血清成長培地で置換してよい。次いで細胞を、無血清培地内で37℃、9
5%RH、5%CO
2で7.5から24時間飢餓にさせてよい。飢餓期間中、抗体(6×
最終濃度)を、0.1%BSAを含有する無血清成長培地でポリプロピレンプレートにお
いて1:2で段階的に希釈してよい。ヒトAng2(R&D Systems #623
−AN、D−PBS/0.1%BSA中で再構成)およびヒトAng1(R&D Sys
tems #923−AN、D−PBS/0.1%BSA中で再構成)も、6×最終濃度
まで0.1%BSAを含有する無血清成長培地で希釈してよい。抗体およびAng2また
はAng1リガンドを、次いでポリプロピレンプレートにおいて1:1比で混合してよく
37℃で1時間インキュベーションしてよい。抗体/リガンド混合物を、次いでウェル当
り50μlで細胞に加えてよく(1処置当り3重のウェル)37℃、95%RH、5%C
O
2で13分間から21時間インキュベーションしてよい。抗体の最終濃度範囲は、0.
0625〜283nMであってよく、かつヒトAng2およびAng1の最終濃度は、そ
れぞれ、0.3μg/ml(約6nM)および0.5μg/ml(約8.9nM)であっ
てよい。インキュベーション時間後、培地を素早くかつ完全に細胞から除去してよく、か
つ新しく追加されたプロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤(1×プロテアーゼ阻害剤
カクテル、Sigma #P8340、1×ホスファターゼ阻害剤カクテル2、Sigm
a #P5726、1×ホスファターゼ阻害剤カクテル3、Sigma #P0044、
1mM最終活性化オルトバナジウム酸ナトリウム(EMD Chemicals #56
7540))を含有していてよいウェル当り60μlの1×冷Tris溶解緩衝液(Me
so Scale Discovery #R60TX、150mM NaCl、20m
M Tris pH7.5、1mM EDTA、1mM EGTA、1%Triton
X−100)に細胞を溶解してよい。次いでプレートを、氷上に10分間置いてよく、そ
の後それらを低速で4℃で25分間オービタルシェーカー上に置いてよい。次いでプレー
トを、密封して−80℃で凍結してよい。
【0077】
ホスホ−Tie−2(R&D Systemsのヒトホスホ−Tie−2 DuoSe
t ELISAキット、#DYC2720で)の分析の前日、高結合ELISAプレート
(Greiner BioOne、#655081)を、1×ELISAコーティング緩
衝液(Surmodics/BioFX Labs #COAT−1000−01)中4
μg/mlのマウス抗−ヒトトータルTie−2捕捉抗体で4℃で一晩コーティングして
よい。
【0078】
ホスホ−Tie−2測定の日、溶解産物を含有するプレートを、氷上で融解してよい。
コーティングしたELISAプレートを、洗浄緩衝液(0.05%Tween 20を含
有する1×TBST)で洗ってオービタルシェーカー上で(プレートシーラーで覆いなが
ら)室温で最低限1時間ウェル当り300μlのブロッキング緩衝液(1%BSA(Ja
ckson ImmunoResearch #001−000−162、IgG非含有
、プロテアーゼ非含有)、0.01%アジ化ナトリウム)でブロックしてよい。ブロッキ
ング中、溶解産物を、ポリプロピレンプレートにおいてプロテアーゼおよびホスファター
ゼ阻害剤を含有する冷溶解緩衝液で1:5または1:10希釈してよい。ELISAプレ
ートを、ブロックして4回洗ってよく、ウェル当り100μlの希釈した溶解産物(また
はホスホ−Tie−2 ELISA標準)を加えてシーラーで覆って、オービタルシェー
カー上で室温で2時間インキュベーションしてよい。プレートを、4回洗ってよくかつウ
ェル当り100μlのHRP複合化マウス抗−ホスホチロシン(推奨されるようにバイア
ル上で、TBST/0.1%BSAで希釈)を加えてよい。プレートを、次いでシーラー
で覆い、オービタルシェーカー上で室温で2時間インキュベーションしてよい。プレート
を、次いで6回洗ってよくかつウェルからの液体の除去を徹底させてよい。次いでプレー
トを、ウェル当り100μlのOne Component TMB基質(Surmod
ics/BioFX Labs #TMBW−1000−01)を加えることにより構築
してよい。プレートを、アルミニウム箔で覆って室温で20または30分間構築させてよ
い。構築は、ウェル当り100μlの酸性停止液(TMB停止液、Surmodics/
BioFX Labs #LSTP−1000−01)で停止してよい。プレートを、次
いでオービタルシェーカー上で混合してよい。ELISAプレートを、SOFTmax
PRO 5.4.1ソフトウェア(Molecular Devices Corp.)
を用いて、ELISAリーダー(Molecular Devices Spectra
Max 190)上で450nmで読み取ってよい。試料のホスホ−Tie−2値は、標
準曲線(4パラメータロジスティック適合)から得て、5または10の希釈係数を掛けて
よい。阻害パーセントは、以下の式によって計算してよい:(Ang2単独処置の処置平
均pTie2値のpTie2値)/(平均培地単独pTie2値−Ang2単独処置の平
均pTie2値)*100。
【0079】
Ang2誘導性ホスホ−Tie−2の阻害についてのIC50値は、対数変換したX値
を用いて、GraphPad Prism 4で計算してよい。非線形回帰(曲線適合)
解析(シグモイド型用量反応、可変傾斜)を、対数変換したxデータ上で実行してIC
5
0値を得てよい。実験を2回以上実施した場合、実験間の幾何平均IC
50値(および9
5%信頼区間)を計算してよい。
【0080】
本質的に本アッセイに記載のように実施された実験において、抗体Aは、CHO−Ti
e−2細胞におけるヒトAng2誘導性ホスホ−Tie−2を0.773nMのIC50
(95%信頼区間0.412〜1.45nM)(n=3)で用量依存的に中和した。さら
には、抗体Aは、抗−Ang1/2交差反応性抗体3.19.3−293HEKと比較し
た場合にCHO−Tie−2細胞におけるヒトAng1誘導性ホスホ−Tie−2を中和
しなかった。抗体AおよびH1H685P−293HEKは、同等なAng2中和IC5
0値を有した。
【0081】
Ang2誘導性血管構築の抑制
Ang2抗体によるin vivoでの生理学的血管新生の抑制を、マウス網膜におけ
る血管構築のモデルにおいて測定してよい。前述のアッセイを、マウス網膜における生理
学的血管新生を抑制する本発明の抗体の能力を調査するために用いてよい。
【0082】
本アッセイのために、妊娠した雌がマウスの子を産んだ日をP0(出生後日数0)と記
録してよい。出産後、2日および4日(P2およびP4)で子に、ビヒクル対照(PBS
)または10mg/kgの抗体Aを注射してよい。P5でマウスを、と殺してよく目を採
取してよくホルマリン中で5時間固定してよくPBSで洗ってよい。
【0083】
次いで網膜を、切開してよく、1:200で希釈した抗−CD31(BD Pharm
ingen、clone MEC 13.3、カタログ553370)、および1:20
0で希釈した抗−SMA−FTIC(Sigma、Clone1A4 カタログF377
7)で染色してよい。抗−CD31処理した網膜のために1:400で希釈した抗−Ra
t Alexa−647(Jackson Immuno Research、カタログ
712−606−153)を、二次抗体として用いてよい。網膜の取得は、Nikon
Tiを用いて行ってよく、かつ血管進行、出芽している端細胞の数、および再形成集網叢
の血管密度の定量化は、FIJIソフトウェアを用いて実施してよい。高倍率画像は、共
焦点Nikon A1を用いて取得しよい。
【0084】
本質的に本アッセイに記載のように実施された実験において、抗体Aは、PBS対照群
と比較した場合に3mg/kg、10mg/kgおよび30mg/kgにおいて同様に血
管進行が抑制され、内皮細端細胞の数および血管密度が共に減少し、ならびに周皮細胞到
達範囲が増加した。本データは、PBS対照群と比較した場合全ての処置群についてp<
0.0001で統計的に有意であった(表5)。
【表5】
【0085】
PC3前立腺がん異種移植モデルにおける抗体AのIn Vivoでの抗血管新生効果
Ang2抗体およびVEGFR2抗体と併用したAng2抗体の抗血管新生効果を、P
C3前立腺がん異種移植モデルにおいて評価してよい。
【0086】
マウス10匹/群で無作為化した、体積約250mm
3のPC3異種移植腫瘍を担持す
るマウスを、対照IgG1、DC101(抗−VEGFR2マウス抗体)、抗体A、DC
101+抗体Aで6日間処置してよい(2QW、20mg/kg)。6日間後、腫瘍を収
集し、固定化して解体してよい。解体した腫瘍を、CD105のために染色して総血管領
域を決定してよい。
【0087】
本質的に記載の通りに実施された実験において、総血管領域は、対照IgG1群と比較
した場合、DC101処置群において65%減少し、抗体A処置群において69%減少し
、および併用処置群において84%減少した。IgG1対照群と比較した場合、これらの
結果は、全ての処置群についてp<0.0001で統計的に有意であった。
【0088】
抗体Aおよび抗−VEGFR2抗体はin vivoで腫瘍成長を阻害する
本発明の抗体の有効性は、in vivoでの異種移植モデルによって測定してよい。
DC101(抗−VEGFR2マウス抗体)、抗体Aおよびその併用の抗腫瘍有効性は、
皮下トリプルネガティブ患者由来乳がんモデル(EL1997)および皮下卵巣異種移植
モデル(SKOV3x.1)において評価してよい。担腫瘍マウスを、週2回の頻度で腹
腔内注射によって、PBSで希釈した抗体で処置してよい。腫瘍成長は、処置の過程中に
週2回の腫瘍体積の三次元キャリパー測定によって判定してよい。
【0089】
EL1997トリプルネガティブ乳がん患者由来の異種移植:n=マウス7匹/群で無
作為化した約350mm
3の体積でEL1997トリプルネガティブ乳がん患者由来の異
種移植片(TNBC PDX)を担持する免疫不全マウスを、ビヒクル対照、20mg/
kgでDC101単剤療法、20mg/kgで抗体A単剤療法、それぞれ100mg/k
gおよび10mg/kgでシクロホスファミドおよびドキソルビシン併用、それぞれの単
剤療法濃度で投薬されるDC101および抗体A併用またはシクロホスファミド、ドキソ
ルビシン、DC101および抗体A併用で処置してよい。処置は、連続した4週間で週に
2回投与してよい。
【0090】
本質的に記載の通りに実施された実験において、DC101および抗体A単剤療法処置
群は、それぞれ、35.2%および56.7%のT/C%(腫瘍体積における変化)を示
した。2種の抗体、DC101および抗体Aの併用は、19.9%のT/C%をもたらし
た。さらに、シクロホスファミド、ドキソルビシン、DC101および抗体Aの併用は、
DC101および抗体Aの併用と比較した場合に統計的に有意な(p=0.0019)腫
瘍体積の減少を伴って、0.4%のT/C%をもたらした。化学療法剤単独、シクロホス
ファミドおよびドキソルビシンの併用処置は、32%の%TCをもたらした。これらの結
果は、DC101または抗体Aでの単剤療法処置は、有効であり、かつ併用においてはよ
り大きな有効性の可能性を有し、これは化学療法剤の追加でさらに強化されることを示す
。
【0091】
SKOV3x.1卵巣異種移植:n=マウス10匹/群で無作為化した、体積約350
mm
3でSKOV3x.1卵巣異種移植片を担持する免疫不全マウスを、ビヒクル対照、
3、10または30mg/kgで抗体A単剤療法、25mg/kgでパクリタキセル単剤
療法またはそれぞれ25mg/kgおよび10mg/kgでパクリタキセルおよび抗体A
の併用で処置してよい。処置は、週に2回で4週間投与してよい。
【0092】
本質的に記載の通りに実施された実験において、結果は、それぞれ抗体Aの用量3、1
0および30mg/kgについて39.1、32.5および27.3のT/C%値ならび
に対照と比較して<0.001のp値で25mg/kgのパクリタキセル単剤療法につい
て20.3のT/C%を示した。25mg/kgのパクリタキセルおよび10mg/kg
の抗体Aの併用は、ビヒクル対照群と比較した場合に7.1%のT/C%を示して、2種
の単剤療法の有効性を強化した。
【0093】
SKOV3x.1卵巣異種移植:n=マウス10匹/群で無作為化した、体積約250
mm
3でSKOV3x.1卵巣異種移植片を担持する免疫不全マウスを、ビヒクル対照、
20mg/kgでDC101単剤療法、25mg/kgでパクリタキセル単剤療法、それ
ぞれ25mg/kgでDC101および抗体A併用、またはそれぞれの単剤療法濃度で投
薬されるパクリタキセル、DC101および抗体A併用で処置してよい。処置は、週に2
回で4週間投与してよい。
【0094】
本質的に記載の通りに実施された実験において、DC101の単剤療法処置は、9.6%のT/C%をもたらした一方で、2種の抗体、DC101および抗体Aの併用は、ビヒクル対照群と比較した場合に0.1%の改善されたT/C%をもたらした。パクリタキセル、DC101および抗体Aの併用は、パクリタキセル単剤療法について17.8%のT/C%と比較して約−33%の腫瘍退縮をもたらした。これらの結果は、異種移植モデルにおいてDC101でのVEGFR2阻害が、抗体Aと併用してより大きい有効性の可能性を有することを示す。この併用の利益は、統計的に有意な腫瘍体積における退縮に繋がる化学療法剤の追加でさらに強化される。
アミノ酸およびヌクレオチド配列
配列番号1 (抗体AのHCVR)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTDYNMVWVRQAPGQGLEWMGYIDPYNGGTGYNQKFEGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARTRDRYDVWYFDVWGQGTLVTVSS
配列番号2 (抗体AのHC)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTDYNMVWVRQAPGQGLEWMGYIDPYNGGTGYNQKFEGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARTRDRYDVWYFDVWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG
配列番号3 (抗体AのLCVR)
DIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCKASQDVYIAVAWYQQKPGKAPKLLIYWASTRDTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYSSYPPTFGGGTKVEIK
配列番号4 (抗体AのLC)
DIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCKASQDVYIAVAWYQQKPGKAPKLLIYWASTRDTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYSSYPPTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号5 (抗体AのLCのDNA)
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCTTCCGTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGTAAGGCCAGTCAGGATGTGTATATTGCTGTAGCCTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTATTGGGCATCCACCCGGGACACTGGGGTCCCATCAAGGTTCAGCGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGAAGATTTTGCAACTTACTATTGTCACCAATATAGCAGCTATCCTCCTACGTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAAACGGACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGC
配列番号6 (抗体AのHCのDNA)
CAGGTTCAGCTGGTGCAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGTTACTCATTCACTGACTACAACATGGTGTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGATATATTGATCCTTACAATGGTGGTACTGGCTACAACCAGAAGTTCGAGGGCAGAGTCACCATGACCACAGACACATCCACGAGCACAGCCTACATGGAGCTGAGGAGCCTGAGATCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGAACGAGGGATAGGTACGACGTCTGGTACTTCGATGTCTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCGCTAGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGGCCGCCGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAAAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGT
配列番号7 (ヒトAng2)
YNNFRKSMDSIGKKQYQVQHGSCSYTFLLPEMDNCRSSSSPYVSNAVQRDAPLEYDDSVQRLQVLENIMENNTQWLMKLENYIQDNMKKEMVEIQQNAVQNQTAVMIEIGTNLLNQTAEQTRKLTDVEAQVLNQTTRLELQLLEHSLSTNKLEKQILDQTSEINKLQDKNSFLEKKVLAMEDKHIIQLQSIKEEKDQLQVLVSKQNSIIEELEKKIVTATVNNSVLQKQQHDLMETVNNLLTMMSTSNSAKDPTVAKEEQISFRDCAEVFKSGHTTNGIYTLTFPNSTEEIKAYCDMEAGGGGWTIIQRREDGSVDFQRTWKEYKVGFGNPSGEYWLGNEFVSQLTNQQRYVLKIHLKDWEGNEAYSLYEHFYLSSEELNYRIHLKGLTGTAGKISSISQPGNDFSTKDGDNDKCICKCSQMLTGGWWFDACGPSNLNGMYYPQRQNTNKFNGIKWYYWKGSGYSLKATTMMIRPADF
配列番号8 (抗体AのLCDR1)
KASQDVYIAVA
配列番号9 (抗体AのLCDR2)
YWASTRDT
配列番号10 (抗体AのLCDR3)
HQYSSYPPT
配列番号11 (抗体AのHCDR1)
GYSFTDYNMV
配列番号12 (抗体AのHCDR2)
YIDPYNGGTGYNQKFEG
配列番号13 (抗体AのHCDR3)
ARTRDRYDVWYFDV
[1]
軽鎖(LC)および重鎖(HC)を含む、ヒトAng2(配列番号7)に結合する抗体であって、前記軽鎖が、それぞれ、アミノ酸配列KASQDVYIAVA(配列番号8)、YWASTRDT(配列番号9)、およびHQYSSYPPT(配列番号10)からなる軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、かつ前記重鎖が、それぞれ、アミノ酸配列GYSFTDYNMV(配列番号11)、YIDPYNGGTGYNQKFEG(配列番号12)、およびARTRDRYDVWYFDV(配列番号13)からなる重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含む、抗体。
[2]
軽鎖(LC)および重鎖(HC)を含む、抗体であって、前記軽鎖が、軽鎖可変領域(LCVR)を含みかつ前記重鎖が、重鎖可変領域(HCVR)を含み、前記LCVRが、配列番号3において与えられるアミノ酸配列を有し、かつ前記HCVRが、配列番号1において与えられるアミノ酸配列を有する、抗体。
[3]
前記LCが、配列番号4において与えられるアミノ酸配列を有し、かつ前記HCが、配列番号2において与えられるアミノ酸配列を有する、前記[1]または[2]のいずれか一つに記載の抗体。
[4]
それぞれの軽鎖が、配列番号4において与えられるアミノ酸配列を有し、かつそれぞれの重鎖が、配列番号2において与えられるアミノ酸配列を有する、2つの軽鎖および2つの重鎖を含む、前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の抗体。
[5]
前記重鎖のうちの1つが、前記軽鎖のうちの1つと鎖間ジスルフィド結合を形成し、かつ他方の重鎖が、他方の軽鎖と鎖間ジスルフィド結合を形成し、かつ前記重鎖のうちの1つが、他方の重鎖と2つの鎖間ジスルフィド結合を形成する、前記[1]〜[4]のいずれか一つに記載の抗体。
[6]
前記抗体が、グリコシル化されている、前記[1]〜[5]のいずれか一つに記載の抗体。
[7]
配列番号4のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列および配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むDNA分子を含む哺乳動物細胞であって、前記細胞が、配列番号4のアミノ酸配列を有する軽鎖および配列番号2のアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体を発現できる、哺乳動物細胞。
[8]
配列番号4のアミノ酸配列を有する軽鎖および配列番号2のアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体を産生するためのプロセスであって、前記抗体が発現されるような条件下で前記[7]に記載の哺乳動物細胞を培養するステップ、および前記発現された抗体を回収するステップを含む、プロセス。
[9]
前記[8]に記載のプロセスによって産生される抗体。
[10]
前記[1]〜[6]または[9]のいずれか一つに記載の抗体、および許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤を含む、医薬組成物。
[11]
有効量の前記[1]〜[6]または[9]のいずれか一つに記載の抗体を、それを必要とする患者に投与するステップを含む、がんを治療する方法。
[12]
前記がんが、乳がん、卵巣がん、胃がん、大腸がん、または肝細胞がんである、前記[11]に記載の方法。
[13]
有効量のラムシルマブを同時に、別々に、または連続的に投与するステップをさらに含む、前記[11]または[12]に記載の方法。
[14]
療法における使用のための、前記[1]〜[6]または[9]のいずれか一つに記載の抗体。
[15]
前記がんの治療における使用のための、前記[1]〜[6]または[9]のいずれか一つに記載の抗体。
[16]
前記がんが、乳がん、卵巣がん、胃がん、大腸がん、または肝細胞がんである、前記[15]に記載の使用のための抗体。
[17]
前記がんの治療における使用のための、ラムシルマブとの同時、別々、または連続した併用における前記[1]〜[6]または[9]のいずれか一つに記載の抗体。
[18]
前記がんが、乳がん、卵巣がん、胃がん、大腸がん、または肝細胞がんである、前記[17]に記載の使用のための併用。