(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の実施形態に従うと、アクティブマトリックスOLEDディスプレイを形成する方法が提供され、この方法はバックプレーンを提供するステップを含み、このステップは、バックプレーン基板を提供するステップと、バックプレーン基板とは別に形成された半導体粒子を提供するステップと、半導体粒子をバックプレーン基板上の予め定められた位置に位置決めするステップと、半導体粒子をバックプレーン基板の予め定められた位置にて動けないよう固定するステップと、半導体粒子を動けないよう固定するステップの後に、半導体粒子の断面を露出するように各々の半導体粒子の一部分を除去するステップであって、その断面は平面状表面である、ステップと、各平面状表面の上または直下に1つまたはそれ以上の制御可能ゲート電子コンポーネントを提供するステップであって、この制御可能ゲート電子コンポーネントはアクティブマトリックスOLEDディスプレイの画素を制御するように構成される、ステップとを含む。この方法はさらに、1つまたはそれ以上の画素領域を含むOLEDアセンブリを提供するステップを含み、このOLEDアセンブリは、画素領域の少なくとも1つが対応する1つまたはそれ以上の制御可能ゲート電子コンポーネントに電気的に接続されるようにしてバックプレーンに電気的に接続される。
【0014】
平面状表面は、最長寸法が15mm未満かつ1μmより大きくてもよく、バックプレーンを提供するステップはさらに、平面状表面に支持される各制御可能ゲート電子コンポーネントに少なくとも2つの電気的コンタクトを提供するステップを含んでもよい。
【0015】
本発明の別の実施形態に従うと、アクティブマトリックスOLEDディスプレイを形成する方法が提供され、この方法はバックプレーンを提供するステップを含み、このバックプレーンは、バックプレーン基板と、バックプレーン基板とは別に形成されてからバックプレーン基板の予め定められた位置に固定された半導体粒子とを含み、この半導体粒子は、半導体粒子の一部分を除去して半導体粒子の断面に平面状表面を露出するために平坦化され、このバックプレーンはさらに、平面状表面の上または直下の制御可能ゲート電子コンポーネントを含み、この制御可能ゲート電子コンポーネントはアクティブマトリックスOLEDディスプレイの1つまたはそれ以上の画素を制御するように構成される。この方法はさらに、1つまたはそれ以上の画素領域を含むOLEDアセンブリを提供するステップを含み、このOLEDアセンブリは、OLEDアセンブリの画素領域の少なくとも1つが制御可能ゲート電子コンポーネントに電気的に接続されるようにしてバックプレーンに電気的に接続される。
【0016】
OLEDアセンブリは、バックプレーン基板とは異なるOLED基板上にバックプレーンとは別に形成されてもよく、OLEDアセンブリは各画素領域に対応する1つまたはそれ以上の画素コンタクトを含み、バックプレーンに電気的に接続されたOLEDアセンブリを提供するステップは、OLEDアセンブリをバックプレーンに結合するステップを含んでもよく、この結合するステップは、画素領域の少なくとも1つに対応する画素コンタクトの少なくとも1つを制御可能ゲート電子コンポーネントに電気的に接続するステップを含む。
【0017】
この方法はさらに、結合するステップの前に、画素領域の少なくとも1つに対応する少なくとも1つの画素コンタクトを制御可能ゲート電子コンポーネントと整列させるために、OLEDアセンブリとバックプレーンとを互いに整列させるステップを含んでもよい。
【0018】
この方法はさらに、ともに結合されたOLEDアセンブリとバックプレーンとの間隙の少なくとも一部分に実質的に黒色のアンダーフィルを充填するステップを含んでもよい。
【0019】
電気的に接続するステップは、1つまたはそれ以上の画素コンタクトの少なくとも1つを制御可能ゲート電子コンポーネントに接続するために、伝導性エポキシ、はんだ、および低温はんだのうちの1つまたはそれ以上を用いるステップを含んでもよい。
【0020】
バックプレーンはさらに、バックプレーン基板と半導体粒子の少なくとも一部分とを被覆するコンフォーマルコーティングを含んでもよく、このコンフォーマルコーティングの一部分をさらに除去するために半導体粒子は平坦化されてもよく、平面状表面は最長寸法が15mm未満であってもよく、平面状表面の直下または上の半導体粒子の少なくとも一部分に第1のタイプの第1のドーパントがドープされてもよく、平面状表面の直下または上の半導体粒子の別の部分に第2のタイプの第2のドーパントがドープされてもよく、第1および第2のドーパントの一方はn型であり、さらに制御可能ゲート電子コンポーネントは、第1のドーパントに接触する平面状表面またはそれより上にある第1のコンタクトと、第2のドーパントに接触する平面状表面またはそれより上にある第2のコンタクトとを含んでもよく、電気的接続は、第1のコンタクトおよび第2のコンタクトのうちの一方と、少なくとも1つの画素領域との伝導性リンクを含んでもよい。
【0021】
本発明の別の実施形態に従うと、アクティブマトリックスOLEDディスプレイが提供され、このアクティブマトリックスOLEDディスプレイはバックプレーンを含み、このバックプレーンは、バックプレーン基板と、バックプレーン基板とは別に形成されてからバックプレーン基板の予め定められた位置に固定された半導体粒子とを含み、この半導体粒子は、半導体粒子の一部分を除去して半導体粒子の断面に平面状表面を露出するために平坦化され、このバックプレーンはさらに、平面状表面の上または直下の制御可能ゲート電子コンポーネントを含み、このアクティブマトリックスOLEDディスプレイはさらに、1つまたはそれ以上の画素領域を含むOLEDアセンブリを含み、このOLEDアセンブリは、OLEDアセンブリの少なくとも1つの画素領域が制御可能ゲート電子コンポーネントに電気的に接続されるようにしてバックプレーンに電気的に接続され、この電気的接続は、制御可能ゲート電子コンポーネントがOLEDアセンブリの少なくとも1つの画素領域を制御できるように構成される。
【0022】
アクティブマトリックスOLEDディスプレイはさらに、ともに結合されたOLEDアセンブリとバックプレーンとの間隙の少なくとも一部分を充填する実質的に黒色のアンダーフィルを含んでもよい。
【0023】
アクティブマトリックスOLEDディスプレイにおいて、バックプレーンはさらに、バックプレーン基板と半導体粒子の少なくとも一部分とを被覆するコンフォーマルコーティングを含んでもよく、このコンフォーマルコーティングの一部分をさらに除去するために半導体粒子は平坦化されてもよく、平面状表面は最長寸法が15mm未満であってもよく、平面状表面の直下または上の半導体粒子の少なくとも一部分に第1のタイプの第1のドーパントがドープされてもよく、平面状表面の直下または上の半導体粒子の別の部分に第2のタイプの第2のドーパントがドープされてもよく、第1および第2のドーパントの一方はn型であり、さらに制御可能ゲート電子コンポーネントは、第1のドーパントに接触する平面状表面またはそれより上にある第1のコンタクトと、第2のドーパントに接触する平面状表面またはそれより上にある第2のコンタクトとを含んでもよく、電気的接続は、第1のコンタクトおよび第2のコンタクトのうちの一方と、少なくとも1つの画素領域との伝導性リンクを含んでもよい。
【0024】
本発明の別の実施形態に従うと、イメージャが提供され、このイメージャは、フォトンを検出してそれに応答して電気的信号を生成するための検出器アセンブリと、バックプレーンとを含み、このバックプレーンは、バックプレーン基板と、バックプレーン基板とは別に形成されてからバックプレーン基板の予め定められた位置に固定された半導体粒子とを含み、この半導体粒子は、半導体粒子の一部分を除去して半導体粒子の断面に平面状表面を露出するために平坦化され、このバックプレーンはさらに、平面状表面の上または直下の制御可能ゲート電子コンポーネントを含み、このイメージャはさらに、制御可能ゲート電子コンポーネントと検出器アセンブリとの電気的接続を含み、この電気的接続は、制御可能ゲート電子コンポーネントが電気的信号をサンプリングできるように構成される。
【0025】
この検出器アセンブリはX線検出器であってもよい。
【0026】
このイメージャにおいて、バックプレーンはさらに、バックプレーン基板と半導体粒子の少なくとも一部分とを被覆するコンフォーマルコーティングを含んでもよく、このコンフォーマルコーティングの一部分をさらに除去するために半導体粒子は平坦化されてもよく、平面状表面は最長寸法が15mm未満であってもよく、平面状表面の直下または上の半導体粒子の少なくとも一部分に第1のタイプの第1のドーパントがドープされてもよく、平面状表面の直下または上の半導体粒子の別の部分に第2のタイプの第2のドーパントがドープされてもよく、第1および第2のドーパントの一方はn型であり、さらに制御可能ゲート電子コンポーネントは、第1のドーパントに接触する平面状表面またはそれより上にある第1のコンタクトと、第2のドーパントに接触する平面状表面またはそれより上にある第2のコンタクトとを含んでもよく、電気的接続は、第1のコンタクトおよび第2のコンタクトのうちの一方と、検出器アセンブリとの伝導性リンクを含んでもよい。
【0027】
本発明の別の実施形態に従うと、バックプレーンを製作する方法が提供され、この方法は、各々が1つの半導体粒子を受け取るように構成された1つまたはそれ以上の予め定められた位置を含むバックプレーン基板を提供するステップと、バックプレーン基板とは別に形成された半導体粒子を提供するステップと、半導体粒子をバックプレーン基板上に置くステップと、バックプレーン基板および半導体粒子を機械的に撹拌して、1つの半導体粒子が各位置を占有するようにさせるステップと、半導体粒子をバックプレーン基板のそれぞれの位置の各々に固定するステップと、この半導体粒子をそれぞれの位置の各々に固定するステップの後に、半導体粒子の断面を露出するように各々の半導体粒子の一部分を除去するステップとを含み、この断面は平面状表面である。
【0028】
この方法はさらに、各平面状表面の上または直下に少なくとも1つの制御可能ゲート電子コンポーネントを提供するステップを含んでもよい。
【0029】
機械的に撹拌するステップは、バックプレーン基板を振動させるステップを含んでもよい。
【0030】
機械的に撹拌するステップは、バックプレーン基板を1つまたはそれ以上の軸の周りに回転させるステップ、およびバックプレーン基板を1つまたはそれ以上の方向に平行移動させるステップのうちの1つまたはそれ以上を含んでもよい。
【0031】
固定するステップは、半導体粒子をバックプレーン基板上に置くステップの前に、各位置に接着剤を適用するステップを含んでもよく、この接着剤はそれぞれの位置の各々における少なくとも1つの半導体粒子をバックプレーン基板に固定するように構成される。
【0032】
固定するステップは、半導体粒子およびバックプレーン基板を加熱して、半導体粒子をバックプレーン基板に融合させるステップを含んでもよい。
【0033】
固定するステップは、機械的に撹拌するステップの後に、半導体粒子およびバックプレーン基板を少なくとも部分的に被覆するようにバックプレーン基板にコンフォーマルコーティングを適用するステップを含んでもよく、除去するステップはさらに、半導体粒子を被覆するコンフォーマルコーティングの少なくとも一部分を除去して平面状表面を露出するステップを含んでもよい。
【0034】
本明細書の別の実施形態に従うと、基板上に複数の電子デバイスを形成する方法が提供され、この方法は、基板とは別に形成された半導体粒子を提供するステップと、半導体粒子を基板上の予め定められた位置に位置決めするステップと、半導体粒子を基板の予め定められた位置にて動けないよう固定するステップと、半導体粒子を動けないよう固定するステップの後に、半導体粒子の断面を露出するように各々の半導体粒子の一部分を除去するステップであって、その断面は平面状表面である、ステップと、各平面状表面の上または直下に1つまたはそれ以上の制御可能ゲート電子コンポーネントを提供するステップとを含む。1つまたはそれ以上の制御可能ゲート電子コンポーネントを提供するステップは、各平面状表面に対して、平面状表面の第1の部分の上にドーパントを含む第1の量の第1の液体媒体を堆積させ、かつ平面状表面の第2の部分の上に第2の量の第1の液体媒体を堆積させるステップであって、第1の量は間隙によって第2の量と間隔を置かれる、ステップと、第1の量、第2の量、および対応する半導体粒子を加熱するステップであって、この加熱するステップは、ドーパントの少なくともいくらかを第1の液体媒体から平面状表面に拡散させるように構成される、ステップと、間隙内の平面状表面上に誘電材料を堆積させるステップと、平面状表面から第1の量および第2の量を選択的に除去するステップと、第1の部分および第2の部分の各々の上に電気的コンタクトを堆積させるステップと、誘電材料の上にさらなる電気的コンタクトを堆積させるステップとを含む。
【0035】
本明細書の別の実施形態に従うと、電子デバイスが提供され、この電子デバイスは基板と、基板とは別に形成されてから基板に固定された半導体粒子とを含み、この半導体粒子は、半導体粒子の一部分を除去して半導体粒子の断面に平面状表面を露出するために平坦化され、この電子デバイスはさらに、平面状表面の上または直下の制御可能ゲート電子コンポーネントを含む。この制御可能ゲート電子コンポーネントは、平面状表面の第1の部分の上にドーパントを含む第1の量の第1の液体媒体を堆積させ、かつ平面状表面の第2の部分の上に第2の量の第1の液体媒体を堆積させるステップであって、第1の量は間隙によって第2の量と間隔を置かれる、ステップと、第1の量、第2の量、および半導体粒子を加熱するステップであって、この加熱するステップは、ドーパントの少なくともいくらかを第1の液体媒体から平面状表面に拡散させるように構成される、ステップと、間隙内の平面状表面上に誘電材料を堆積させるステップと、平面状表面から第1の量および第2の量を選択的に除去するステップと、第1の部分および第2の部分の各々の上に電気的コンタクトを堆積させるステップと、誘電材料の上にさらなる電気的コンタクトを堆積させるステップとによって形成される。
【0036】
本明細書の別の実施形態に従うと、基板上に電子デバイスを形成する方法が提供され、この方法は、基板とは別に形成された半導体粒子を提供するステップと、半導体粒子を基板に動けないよう固定するステップと、動けないよう固定するステップの後に、半導体粒子の表面の第1の部分の上にドーパントを含む第1の量の第1の液体媒体を堆積させ、かつ表面の第2の部分の上に第2の量の第1の液体媒体を堆積させるステップであって、第1の量は間隙によって第2の量と間隔を置かれる、ステップと、第1の量、第2の量、および半導体粒子を加熱するステップであって、この加熱するステップは、ドーパントの少なくともいくらかを第1の液体媒体から表面に拡散させるように構成される、ステップと、間隙内の表面上に誘電材料を堆積させるステップと、表面から第1の量および第2の量を選択的に除去するステップと、第1の部分および第2の部分の各々の上に電気的コンタクトを堆積させるステップと、誘電材料の上にさらなる電気的コンタクトを堆積させるステップとを含む。
【0037】
この方法はさらに、第1の量および第2の量を堆積させるステップの前に、間隙内の表面上にバリアアイランドを形成するステップと、誘電材料を堆積させるステップの前に、表面からバリアアイランドを選択的に除去するステップとを含んでもよい。
【0038】
バリアアイランドを形成するステップは、間隙内の表面上にバリア材料を含む第3の量の第2の液体媒体を堆積させるステップを含んでもよい。
【0039】
バリアアイランドを形成するステップは、表面上に光反応性材料の層を堆積させるステップと、間隙の上にある光反応性材料の領域を、光反応性材料を変更するように構成された光に露出させるステップと、光反応性材料の層の未露出領域を表面から選択的に除去することによって、光によって変更された光反応性材料を含むバリアアイランドを形成するステップとを含んでもよい。
【0040】
誘電材料を堆積させるステップは、間隙内の表面上に、誘電材料を含む第4の量の第3の液体媒体を堆積させるステップを含んでもよい。
【0041】
第4の量は、約90°よりも小さい濡れ角にて第1の量および第2の量を濡らし得る。
【0042】
加熱するステップはさらに、表面からバリアアイランドを選択的に除去してもよい。
【0043】
第1の量および第2の量を堆積させるステップは、表面上に初期量の第1の液体媒体を堆積させるステップであって、この初期量は表面の第1の部分、表面の第2の部分、および第1の部分と第2の部分との間に配されたバリアアイランドを被覆する、ステップと、第1の液体媒体の1つまたはそれ以上の構成要素を少なくとも部分的に蒸発させることによって初期量の体積を低減させるために初期量を加熱することによって、バリアアイランドを露出させて、バリアアイランドによって互いに分離される第1の量および第2の量を形成するステップとを含んでもよい。
【0044】
この表面は、平面状表面を含んでもよい。
【0045】
平面状表面は、半導体粒子の平坦化された表面を含んでもよい。
【0046】
第1の量は、約0.1μmから約100μmの範囲の間隙によって、第2の量と間隔を置かれてもよい。
【0047】
第1の量を堆積させるステップ、第2の量を堆積させるステップ、誘電材料を堆積させるステップ、第1の部分および第2の部分の各々の上に電気的コンタクトを堆積させるステップ、およびさらなる電気的コンタクトを堆積させるステップのうちの1つまたはそれ以上に対して、印刷が用いられてもよい。
【0048】
印刷は、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スタンピング、オフセット印刷、およびインクジェット印刷のうちの1つまたはそれ以上を含んでもよい。
【0049】
本明細書の別の実施形態に従うと、電子デバイスを形成する方法が提供され、この方法は、第1の部分および第2の部分を含む表面を有する半導体基板を提供するステップであって、第1の部分は間隙によって第2の部分と間隔を置かれる、ステップと、間隙内の表面上にバリアアイランドを形成するステップと、表面の第1の部分の上にドーパントを含む第1の量の第1の液体媒体を堆積させ、かつ表面の第2の部分の上に第2の量の第1の液体媒体を堆積させるステップであって、第1の量はバリアアイランドによって第2の量から分離される、ステップと、第1の量、第2の量、および半導体基板を加熱するステップであって、この加熱するステップは、ドーパントの少なくともいくらかを第1の液体媒体から表面に拡散させるように構成される、ステップと、表面からバリアアイランドを選択的に除去するステップと、間隙内の表面上に誘電材料を堆積させるステップと、表面から第1の量および第2の量を選択的に除去するステップと、第1の部分および第2の部分の各々の上に電気的コンタクトを堆積させるステップと、誘電材料の上にさらなる電気的コンタクトを堆積させるステップとを含む。
【0050】
バリアアイランドを形成するステップは、間隙内の表面上にバリア材料を含む第3の量の第2の液体媒体を堆積させるステップを含んでもよい。
【0051】
バリアアイランドを形成するステップは、表面上に光反応性材料の層を堆積させるステップと、間隙の上にある光反応性材料の領域を、光反応性材料を変更するように構成された光に露出させるステップと、光反応性材料の層の未露出領域を表面から選択的に除去することによって、光によって変更された光反応性材料を含むバリアアイランドを形成するステップとを含んでもよい。
【0052】
誘電材料を堆積させるステップは、間隙内の表面上に、誘電材料を含む第4の量の第3の液体媒体を堆積させるステップを含んでもよい。
【0053】
第4の量は、約90°よりも小さい濡れ角にて第1の量および第2の量を濡らし得る。
【0054】
加熱するステップはさらに、表面からバリアアイランドを選択的に除去してもよい。
【0055】
第1の量および第2の量を堆積させるステップは、表面上に初期量の第1の液体媒体を堆積させるステップであって、この初期量は表面の第1の部分、表面の第2の部分、および第1の部分と第2の部分との間に配されたバリアアイランドを被覆する、ステップと、第1の液体媒体の1つまたはそれ以上の構成要素を少なくとも部分的に蒸発させることによって初期量の体積を低減させるために初期量を加熱することによって、バリアアイランドを露出させて、バリアアイランドによって互いに分離される第1の量および第2の量を形成するステップを含んでもよい。
【0056】
この表面は、半導体基板の平坦化された表面を含んでもよい。
【0057】
第1の量を堆積させるステップ、第2の量を堆積させるステップ、誘電材料を堆積させるステップ、第1の部分および第2の部分の各々の上に電気的コンタクトを堆積させるステップ、およびさらなる電気的コンタクトを堆積させるステップのうちの1つまたはそれ以上に対して、印刷が用いられてもよい。
【0058】
図面に従って、本発明の例示的実施形態を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0060】
ここで
図1をみると基板10が示され、この基板10はプラスチック、ガラス、半導体材料、または電子回路を支持するための任意のその他の好適な安定した材料であってもよい。基板10の上側表面にはグリッド14を有する接着層12が適用され、このグリッド14は、15mm未満、好ましくは2mm未満の直径を有する半導体球16を包含するために好適にサイズ決めされたグリッドエレメントの間に予め定められた間隙を有する。以後使用される半導体球という用語は、球、楕円体、および球の形成における欠陥により不完全であり得る半導体球様の物体を含むものとする。
図1に示される配置は、回路設計者が、球状半導体材料をどこに置くべきか、およびその結果として球が平坦化された後に球16の平面状表面に存在する半導体デバイスをどこに製作すべきかの決定における多くの制御を行うことを簡便に可能にする。グリッド開口部の間に同じ間隔を有するグリッドが示されているが、球をあらゆる所望のパターンで置くために不均一な間隔を有するグリッドが使用されてもよい。もし基板上に球を位置決めする前に平面状表面上に電子デバイスが製作されれば、球を方向付けることは非常に困難になる。したがって、半導体球16は最初に基板10に固定的に取り付けられた後に、シリコン電子機器の製作のために好適な球内部の高品質半導体材料の領域を露出するように平坦化される。例として、平面層およびその下に球の材料をドープすることによって、平面層にCMOSデバイスを形成できる。球状の粒子が詳細に記載されており、これは位置決めおよび平坦化のために特に便利であるが、粒子を簡便に基板に位置決めおよび固定できる限り、かつ電子デバイスを製作するための表面を提供するように粒子を平坦化できる限り、多くのその他の粒子形状が使用されてもよい。
【0061】
典型的に、ほとんどのチップベースの電子機器に対して、未使用チップ面積が最小限に低減されるため、デバイス密度は高い。その密度が高いために、アクティブデバイスが製作されていないことによって無駄にされる未使用の基板面積は小さい。ディスプレイおよびイメージャにおいて、デバイス面積は電子的でない要求によって規定される。その結果として、ディスプレイが大きくなるにつれてデバイス密度は低くなる。ある時点で、PC CPUにおける数億に比べて数個のデバイスまたは数百万のものを作るために低品質Siで数平方メートルをコートすることは、もはや望ましくない。本発明に従うと、高品質Siが必要なところにのみ置かれることによって、大型ディスプレイに対する合計ディスプレイ面積のより少ない部分が被覆される。この技術的変曲点は、より高速のOLEDデバイスに対する切迫した交差の結果として起こるはずである。OLEDは電流デバイスであり、アモルファスシリコン・オン・ガラスは必要とされる電流および速度を提供できない。
【0062】
本明細書において引用により援用される、カーソン(Carson)ら名義の1983年12月30日に出願された米国特許第4,614,835号「シリコン微粒子を用いた光起電力ソーラーアレイ(Photovoltaic Solar Arrays Using Silicon Microparticles)」に記載されるとおり、以前から大面積の光起電力パネルを製造するためにシリコン球が使用されてきた。光起電力の適用に対して、球の表面がアクティブ面積を形成する。シリコン球は低コストの粉末シリコンから作製でき、得られる二酸化ケイ素の再結晶化表面層は、かなりの不純物を除去できる。融解サイクルの繰り返しによって、全体の材料純度が改善し得る。多結晶粒子の場合であっても、その電子移動度はアモルファスシリコンの何倍にもなる。
【0063】
本発明に従うと、電子デバイスに対して、たとえば球などの半導体粒子の断面の平坦な表面を用いてデバイスを製作する方が、湾曲した外表面よりも好ましいことが発見された。平坦な表面は標準的なリソグラフィ技術の使用を可能にし、トランジスタ、相互接続などの製作を可能にする。たとえば、直径20ミクロンのシリコン球は、デバイス製作のための最大面積A=πxr
2=約314ミクロン
2を提供する。こうした面積内で、1ミクロンのオーダのゲート長を有する多くのトランジスタを製作できる。大面積ディスプレイに対して、各画素には数個のトランジスタしか必要ではなく、画素サイズはディスプレイサイズに対応しない。高品位(High Definition:HD)が標準解像度である(例、1920x1080画素)。加えて、高品質単結晶シリコンの1つの平坦面積は2画素以上を処理でき、さらにたとえばセルフテストならびにディスプレイ性能モニタリングおよび補正などの付加的機能を提供できる。
【0064】
たとえば切断されて平坦化された球などの平坦化粒子の平坦な断面を使用することによって、標準的なフォトリソグラフィ製作技術の使用が可能になる。さらに、平坦化によって、球または楕円体は内側領域を露出するためにエッチングまたは研磨されるために、球または楕円体の表面にある欠陥が除去される。好都合なことに、球は別のプロセスで精製されるので、ガラス基板は標準的なシリコン処理温度よりも低い温度で融解するためにアモルファスシリコン・オン・ガラス基板には利用できない高温プロセスを用いて、高純度単結晶材料を実現できる。このことは、たとえばプラスチックなどのより低融解温度の基板にとってさらに重要である。切断球または他の形状の平坦化粒子がそれらの平面状表面のすぐ下または上にドープされるか、または複数回ドープされて、n型およびp型材料のリングまたは断面が露出されるときには「ウェル」を形成してもよい。プロセスのもっと後の方でドープが起こってもよい。これによって、
図5に示されるとおりのCMOSデバイスの製作が可能になる。ある領域をドープするための好ましいやり方はイオン注入によるものであるが、平坦化表面にドーパントをスピンコートすることによってドープが達成されてもよい。頂部表面の端縁または球状表面の任意の場所から接触され得る基板コンタクトを形成するために、外表面が高度にドープまたは金属化されてもよく、これは有効なバックサイドである。本明細書において用いられるコンタクトという用語は物理的ワイヤであってもよいし、リードまたはワイヤまたはデバイスが電気的接触を行い得るためのたとえば伝導性コンタクトパッドなどの金属化コンタクト領域であってもよい。
【0065】
本発明は、好ましくは非シリコン基板である基板上の既知の場所における球状シリコン粒子を提供する。基板上のシリコン球の位置決めは、いくつかの技術のいずれかによって行われ得る。その技術のほとんどは、球を置くべき複数の場所によって基板をパターン形成することを伴う。最初に基板に金属または誘電グリッドが永続的または一時的に適用されてもよいし、標準的なフォトリソグラフィ技術が用いられてもよい。代替的には、球を配置するためにドット、くぼみ、またはその他のパターンの接着剤が適用されてもよい。以後の電子的処理に適切に適合した、室温における融点または接着性を有する接着性材料が選択されるべきである。
【0066】
堆積または適用されるグリッドに対する代替形として、半導体球を固定するための接着剤を中に堆積させるために基板に孔を作製するための標準的なリソグラフィ技術を用いて、基板が直接パターン形成されてもよい。いくつかの実施形態においては、焼成可能なセラミック材料が基板として使用されてもよい。パンチングまたは穿孔を含むがそれに限定されない技術を用いて、グリーンすなわち未焼成のセラミックに孔が作製されてもよい。
【0067】
別の実施形態においては、本明細書において引用により援用されるそれぞれ2001年8月29日および8月23日に出願されたナッペンバーガー(Knappenberger)らの米国特許第6,464,890号および第6,679,998号に記載されるとおり、マスクを形成するために用いられる非半導体球の代わりに半導体表面に単層を形成するために、シリコン粒子が用いられてもよい。粒子が予め定められたサイズである限り、その後の処理によって、必要な場所にたとえば球状粒子などの平坦化シリコン粒子を提供できる。
【0068】
図1には、金属グリッド14が接着層12とともに使用される例示的技術が示される。その後、機械的振動を用いて球をグリッド上で動き回らせることによってグリッド開口部を完全に占有させるように、十分な量の球16が表面に置かれる。機械的振動は、基板と、壁と、カバーとによって定められる体積でシリコン球16を動き回らせる。球がまだ利用可能である限り、球16は非常に短時間のうちに、利用可能なグリッドの場所に遭遇する確率が1になる程度にまで動き回る。振動の代わりおよび/または振動に加えて、他のタイプの機械的撹拌が使用され得ることが予期される。たとえば、上に球を置かれた基板は、1つもしくはそれ以上の軸の周りに回転されるか、および/または1つもしくはそれ以上の方向に平行移動されてもよい。
【0069】
図2は、グリッドを有するガラス基板上に作製されたこうしたデバイスの顕微鏡写真を示す。この例示的な場合には、ガラス球が使用され、それらは直径20ミクロンである。グリッド上でガラス球を動き回らせるために、機械的振動を用いた。次いで、グリッドの頂部表面から球を取り除くことを助けるために、グリッドに高電圧(V≦12kV)を加えた。いくつかの過剰な球および汚れも見られるが、これらはクリーンルーム環境において低減もしくは排除されるか、および/またはその後の処理ステップにおいて除去されるだろう。
【0070】
大きい面積に対しては、表面を一方向に横切る稠密な線として球を適用し、次いで波によって基板の表面を横切るように振動させてもよい。いくつかの実施形態においては、基板および半導体粒子を機械的に撹拌する前に、基板の表面を実質的または全体的に被覆するように基板表面上に半導体粒子を置いてもよい。
【0071】
機械的撹拌を用いる類似の技術が使用されることによって、基板は、半導体粒子を少なくとも部分的に受け取るために予め定められた位置に貫通孔を含んでもよいことが予期される。基板の一方の面に接着剤の層が適用されてもよく、その接着層が貫通孔の一方の端部を覆ってもよい。半導体粒子は、接着層を有する面と対向する基板の他方の面に置かれてもよく、次いで基板と半導体粒子とを機械的に撹拌することによって、半導体粒子が基板の孔を少なくとも部分的に占有するようにさせてもよい。半導体粒子は、孔を通じて接近可能な接着層の部分に付着でき、結果として孔の中に保持および/または固定される。接着層は、ガラスペーストまたは当業者に公知のその他の好適な接着剤を含んでもよい。
【0072】
代替的には、以後参考文献1と呼ばれる「パターン形成した電極上に微小球を集めるためのプロセスの力学(Mechanics of a process to assemble microspheres on a patterned electrode)」、ティン・チュア(Ting Zhua)、ジーガン・スオブ(Zhigang Suob)、アダム・ウィンクルマン(Adam Winkleman)およびジョージ(George)M.ホワイトサイズ(Whitesides)、アプライド・フィジックス・レターズ(APPLIED PHYSICS LETTERS)88,144101(2006)に記載されるとおり、基板上の粒子を動かすために外部電極を用いて電界を適用してもよい。このアプローチにおいては、誘電基板の下に置かれた底部電極を用いて電位が生成され、対電極として伝導性グリッドが用いられる。グリッドの孔は、中に球が落ち得る電位ウェルを生じる。孔の周りの電界勾配は、粒子に作用する正味の力を生成するために十分である。十分に大きい印加電界(KV)のために、粒子は孔の中に移動され得る。球が電位ウェルに遭遇するように球を動き回らせるために、最初に振動が必要とされてもよい。
【0073】
別のアプローチにおいては、レーザー印刷に用いられるものと類似のプロセスが使用され得る。レーザープリンタにおいては、摩擦電気によって生成された電荷がトナー粒子に適用される。帯電したトナー粒子は、次いで静電気によって帯電した(ドラム)基板に適用される。レーザー印刷においては、トナー粒子は次いで静電気によって帯電した基板、典型的には紙に移される。レーザー印刷において、レーザーは帯電したドラムにパターンを書込むために用いられるが、そのパターンは生産環境において変化しないため、レーザーがグリッドに置き換えられ得る。第1世代レーザープリンタにおいて、約16ミクロンというトナー粒子サイズは、
図2の球と同じオーダであった。帯電した球を引き寄せるために誘電基板の下の電極に電圧を加え、グリッドに反対の極性を加えることによって、球は孔に選択的に引き寄せられる。このアプローチは、参考文献1に記載されるアプローチの向上として示され得る。
【0074】
本発明の代替的実施形態においては、説明されたレーザー印刷と完全に類似して、球の配列が、レーザープリンタドラムと類似の働きをする第1の基板から、帯電した紙と類似の働きをする別の未パターン形成基板に移されてもよい。代替的には、第2の未パターン形成基板上の接着剤または球に適用された接着剤が、たとえばより高い融解温度、より大きい接着性または静電引力などを有するときにも、第1の基板から第2の基板への配列の転移が達成され得る。
図1の例示的デバイスは接着層を用いているが、基板またはグリッド下層は熱軟化層であってもよく、たとえば上昇温度における熱可塑性層であるために球がコンタクトに接着し、基板が周囲温度に冷却されたときに所定の場所に残ってもよい。接着剤は、基板に適用された薄い層であってもよい。球のサイズが比較的小さいことは、接着剤の小さい層厚に対して顕著なコンタクト面積が達成されることを意味する。
【0075】
シリコンはガラスよりも高い融解温度を有するため、ガラスを軟化するために十分に加熱して、二酸化ケイ素でコートされるかまたは酸化物を剥ぎ取られた球をガラスに直接接着させれば、ガラス基板を直接使用でき、もっと高い処理後温度を受け得るアセンブリを提供できる。このことは、レーザー印刷と同様に静電引力を用いて配列粒子をパターン形成基板から未パターン形成ガラスに移すことによって達成できる。粒子をガラスに直接固定することによって、より高温の処理に対するウィンドウを、半導体球の断面内部が露出される点まで拡張できる。他の基板に対しても同じ印刷プロセスが使用され得る。
【0076】
球状粒子16およびグリッド14を被覆するSiO
2のコーティング層18を示す
図3aに示されるとおり、球16が所定の位置にくると、コンフォーマルコーティング18が適用され、その後にたとえば化学機械的研磨などの標準的な平坦化技術の修正形を用いて平坦化が行われる。
図3bは、
図3aと同じ配列の平坦化後、半球の形の切断球の上にデバイスが製作される前の様子を示す。集積回路製作に用いられる標準的な平坦化技術が使用され得る。このプロセスにおいては、平坦化が複数回起こり得る。なぜなら、複数の層が連続的に堆積される際に、トポグラフィがプロセスによって支持されるものを超え得るために、コンフォーマル誘電コーティングの適用後にそれは次いで平坦化され、伝導性コーティングが適用されるときにも次いで平坦化されるためである。層間の接続は、リソグラフィによって定められた場所に孔またはビアを開けて、層間に伝導性接続またはプラグを堆積させることによって作られる。このことは特に有利である。平坦化金属層の場合、必要な相互接続を形成するためにこの層がパターン形成される。本発明においては、本明細書において引用により援用される1983年12月15日に出願された「多重レベル相互接続金属化システムの平坦化(Planarization of multi−level interconnected metallization system)」と題する米国特許第4,470,874号に記載されるとおりの先行技術の、下にあるエレメントすべてを露出しない表面平坦化とは対照的に、半導体粒子の内部断面を露出するように平坦化のプロセスが行われる。
【0077】
シリコン球はランダムな方向付けで置かれるが、Siの移動度の異方性は小さいため、製作して得られるデバイスは、アモルファスシリコンまたはポリシリコンを用いて作製されたデバイスよりも性能がずっと高くなる。しかし、適用の要求が低く、たとえば高速デバイスを必要としないときなどは、ポリシリコンまたは非球状粒子が用いられてもよい。
【0078】
球状粒子が好ましいが、特定の適用の性能要求に対して適切であれば、単結晶または多結晶の粉末シリコンが用いられてもよい。加えて、最終デバイスにおいて異なる機能を実現するために、異なるサイズまたは、たとえばドープもしくは結晶の品質もしくはIII−Vなどの原子種などの異なる材料特性の粒子、たとえばGaAs、または光源として使用するための四元合金、またはSiGeなどの粒子を配置するために、複数の配置サイクルが用いられてもよい。
【0079】
露出したシリコン表面にデバイスを製作するため、ならびにデバイス機能のために必要とされる相互接続およびその他のエレメントの製作のために、標準的なフォトリソグラフィ技術が用いられる。本発明は、ほぼ従来のCMOSデバイスを製作することを可能にする。加えて、その他のプロセスを使用することが有利であってもよい。本発明は、使用できるプロセスのタイプを本質的に制限しない。たとえば、別々のシリコン粒子を用いてnウェルおよびpウェルを達成するために、n型およびp型シリコンの粒子を別々のステップで堆積させてもよい。従来のCMOSにおいて、
図5aに示されるnウェルは、全体的なp型基板の中に製作する必要がある。ここで
図5bをみると、p型の球を形成するためにp型材料をドープした球状粒子内に製作された、
図5aと類似のデバイスが示されている。この図面には半球状半導体デバイス50が示され、ここで平坦化された球56は、ソース(source:S)と、ドレイン(drain:D)と、ゲート(Gate:G)とに加えて、示されるとおりにデバイスがドープされたウェル内にあるために基板バイアスを形成するコンタクトBを有するゲート半導体トランジスタデバイスを形成する。この場合は、平坦化半導体球内に単一のデバイスが形成されている。デバイスからB、S、DおよびGに伸びる線の各々は電気的コンタクトである。単結晶粒子の中/上に製造され得る別個のデバイスの数は、平坦化領域のサイズに大きく依存する。たとえば、デバイスが1μmのゲート長および1μmのビア孔を有するとき、全体のデバイスは5μm×5μmデバイスであってもよい。しかし、直径20μmの球は300μm
2より大きい表面積を有するため、いくつかのデバイスを収容できる。たとえば、2×2画素配列、または単一画素およびたとえば生存期間制御などのための付加的な回路が組み込まれ得る。球サイズに対する考慮事項はコスト、信頼性および収率である。
図5aに示されるデバイスは、たとえば
図3bなどに示される平面状球のいずれかまたはすべての上に製作され得る。
【0080】
トランジスタ55a、55bの記号表示を
図5cおよび
図5dに示す。同じ球の中にNMOSおよびPMOSデバイスを達成するために、さらなるドープが起こる。
図5cにおいて、たとえばトランジスタなどの制御可能機能デバイスの配列が製作され得る。平坦化球56の配列58には示されていないが、デバイスの配列が同じプロセス内で製造される。つまり、すべてのトランジスタに対するドープが同時に行われる。デバイスが製作された後に、平坦化球の頂部の真上にパシベーション層59が適用される。この層59がアクティブデバイスの上に置かれる前の状態が示されている。本発明の利点は任意のサイズの配列を製造できることであるが、配列を切断して、所望の場所に置くことのできるより小さな機能単位にすることが望ましくてもよい。この場合には、シリコンウェハを切断するための現行手段が用いられ得る。
【0081】
結果として得られる電子アセンブリを、次いでたとえばディスプレイまたはイメージャなどのさまざまなデバイスに対する基礎として使用できる。
【0082】
本発明の局面に従うと、たとえばプラスチック、マイラー(商標)、ポリイミドまたはその他の適用に適切な材料などの非ガラス基板を用いて、製造のコスト減少だけでなく、柔軟かつ成形可能なデバイスの実現を可能にしてもよい。半導体粒子の寸法が低減すると、最小曲げ半径も低減する。基板の厚さよりも小さいシリコン粒子に対して、機械的特性はデバイスの非シリコン元素によって大きく規定されるため、柔軟または成形可能またはそれらの組み合わせにできる。さらに、機械的剛性がデバイス内の位置の関数として規定される、デバイス全体にわたって機械的特性が変動するようなデバイスも製作され得る。
【0083】
本発明のさらなる変形においては、シリコンウェハを切断して好ましいサイズのデバイスにするのと同じやり方で、大きい基板を切断して小さいデバイスを形成してもよい。このデバイスは基板よりも小さい。コストおよび性能が非シリコン基板の使用を可能にするときに、この技術が適用可能である。たとえば多くのシリコンデバイスにおいて、コンタクトパッドおよび相互接続に占有される面積は、デバイス面積と同じオーダであり得る。他の適用においては、高い熱伝導性を有する基板を用いることによって、デバイス性能が向上され得る。ここで粒子の球状の裏面はより大きい表面を提供し、ここを通じて熱が除去され得る。
【0084】
これまでに言及したとおり、本発明はさらに、類似の製作方法を用いた太陽電池の製造を可能にする。ここで
図4aから
図4fをみると、太陽電池を製造するプロセスが示されており、ここで
図4aに示されるp型材料をドープした球16は、グリッド14による開口部の中に置かれており、それらを支持する光透過性基板10に固定されている。
図4bにおいて、球およびグリッドはSiO
2の層43にコートされ、
図4cにおいて、金属化層45が適用される。
図4dにおいて、この構造は平坦化され、球は平面状の上側表面47を有する。
図4eにおいて、ビアおよび伝導性プラグ構成48が提供される。加えて
図4eには示されないが、平面状表面のすぐ下の平面状領域にn型材料がドープされ、その後の
図4fのステップにおいて、すべての相互接続がpおよびn材料に接触する平面状の上側表面上にあるようにして、相互接続46および49が形成される。この上側平坦化表面は、実際にはソーラーパネルの裏面を形成する。
【0085】
平坦化粒子または平面状表面を有する粒子という用語は、好ましい実施形態において平面状表面の15mmの最長寸法と、平面状表面に垂直な少なくとも1μmの深さ(depth:d)とを有する粒子を示す。好ましくはこれらの粒子は球、楕円体、または不完全な球もしくは楕円体である。しかし、その他の粒子形状も本発明の範囲内である。
図6aから
図6dは、さまざまな粒子形状60を例示しており、さらに粒子の平面状表面に垂直な深さ(d)を示している。
【0086】
図5dに示される電子デバイスを含むがそれに限定されない、前述の説明に従って製作された電子デバイスの配列は、アクティブマトリックス電気光学デバイスに対するバックプレーンとして用いられ得る。これらの電気光学デバイスは、ディスプレイおよびイメージャを含み得るが、それらに限定されない。これらのデバイスにおいて、半導体粒子の平坦化断面において平面状表面の上および/または下に製作された制御可能ゲート電子コンポーネントは、電気光学デバイスの光学部分の1つまたはそれ以上の画素に電気的に接続されてもよい。光学部分は、ディスプレイの場合には発光部分、および/またはイメージャの場合には光検出部分を含んでもよい。トランジスタを含むがそれに限定されない制御可能ゲート電子デバイスは、ディスプレイの場合には発光画素を制御および/もしくは電力供給するため、ならびに/またはイメージャの場合には光検出画素から電気的信号をサンプリングするために使用されてもよい。
【0087】
図7は、発光アセンブリに電気的に接続されたバックプレーン705を含むディスプレイ700の断面を概略的に表している。この発光アセンブリは有機発光ダイオード(OLED)アセンブリ715を含んでもよいがこれに限定されず、この場合にはディスプレイ700はアクティブマトリックスOLEDディスプレイであり得る。以下の説明はOLEDアセンブリに言及しているが、発光アセンブリは当業者に公知の任意の好適なエレクトロルミネセントアセンブリであり得ることが予期される。
【0088】
ディスプレイ700に対するバックプレーンアセンブリは、基板10に固定されたたとえば平坦化球56などの平坦化半導体粒子を含んでもよい。基板10をここからは「バックプレーン基板10」と呼ぶ。この説明の目的に対し、基板10およびバックプレーン基板10は互いに交換可能であり得る。平坦化球56の平坦化断面における平面状表面の上および/または下に、トランジスタ55aを含むがそれに限定されない1つまたはそれ以上の制御可能ゲート電子コンポーネントが形成されてもよい。
図7においては、平坦化球56当り1つのトランジスタ55aしか示されていないが、バックプレーン705の1つまたはそれ以上の半導体粒子の平坦化断面における平面状表面の上および/または下に、2つまたはそれ以上の制御可能ゲート電子コンポーネントが形成されてもよい。さらに、これらの制御可能ゲート電子コンポーネントは、異なる種類のトランジスタを含むがそれらに限定されない、異なるタイプおよび設計のものであってもよい。制御可能ゲート電子コンポーネントはさらに、任意のリソグラフィによってパターン形成された回路エレメントを含んでもよい。以下の説明はトランジスタ55aに言及しているが、当業者に公知である任意のタイプおよび/または種類の好適な回路エレメントおよび/または電子コンポーネントが、トランジスタ55aの代わりおよび/またはそれに加えて使用され得ることが予期される。
【0089】
平坦化球56の平坦化断面における平面状表面の上および/または下に、コンタクト710が形成されてもよい。コンタクト710はトランジスタ55aと電気的に接触している。付加的および/または代替的に、コンタクト710は1つもしくはそれ以上の他の回路エレメントおよび/または回路エレメントの組み合わせと電気的に接触していてもよい。こうした回路エレメントはコンデンサを含んでもよいが、これに限定されない。
図7においてはトランジスタ55aに対して1つのコンタクト710しか示されていないが、トランジスタの設計ならびに/またはトランジスタ55aとOLEDアセンブリ715の画素との間に必要とされる接続の数およびタイプに従って、各トランジスタに対して2つまたはそれ以上のコンタクトが形成され得ることが予期される。コンタクト710は、金属材料を含むがそれに限定されない伝導性材料の堆積層を含んでもよい。付加的および/または代替的に、コンタクト710は、銀エポキシを含むがそれに限定されない金属充填エポキシ、炭素充填エポキシ、およびインジウムまたはインジウム−スズ合金を含む低温はんだを含んでもよい。
【0090】
OLEDアセンブリ715は、OLED基板720と、1つまたはそれ以上の電極と接触する1つまたはそれ以上の有機発光層740とを含んでもよい。一実施形態において、OLEDアセンブリ715は、1つまたはそれ以上の画素領域725、730を含んでもよい。画素領域725、730の1つまたはそれ以上は、OLED基板720上に堆積された第1の電極735と、第1の電極735上に堆積された1つまたはそれ以上の有機発光層740と、有機発光層740の1つの上に堆積された第2の電極745とを、第1の電極735および第2の電極745の間に有機発光層740の少なくとも1つを挟むようにして含んでもよい。
図7では、各画素領域725、730がそれ自身の第1の電極735、有機発光層740および第2の電極745のスタックを有することを示しているが、第1の電極735および有機発光層740の1つまたはそれ以上が複数の画素領域にまたがってもよいことが予期される。OLEDアセンブリ715の特定のアーキテクチャおよびジオメトリが示されて説明されているが、当業者に公知であるOLEDアセンブリ715の異なるアーキテクチャおよびジオメトリがディスプレイ700に用いられてもよいことが予期される。
【0091】
OLED基板720は、有機発光層740から放射される光を少なくとも部分的に透過する材料を含んでもよい。OLED基板720は、ガラス、プラスチック、およびポリイミドを含むがそれらに限定されない材料を含んでもよい。第1の電極735は、有機発光層740から放射される光を少なくとも部分的に透過する導電性材料を含んでもよい。第1の電極735は、酸化インジウムスズ(indium tin oxide:ITO)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、OLED基板720は第1の電極としても機能してもよい。第2の電極745は、アルミニウムおよび/または銅を含むがそれらに限定されない伝導性材料の層を含んでもよい。
【0092】
隣り合う画素領域725、730は、別々の第1の電極735、別々の有機発光層740、および/または別々の第2の電極745のうちの1つまたはそれ以上によって、互いに区別されてもよい。いくつかの実施形態において、画素領域725、730の1つまたはそれ以上の各々が2つまたはそれ以上の別個の第2の電極を有してもよく、それらがそれぞれの画素領域に対する画素コンタクトの役割をしてもよい。
図7において、OLED基板720を横切る点線は、各画素領域725、730のおおよその境界を定めるものである。これらの点線は例示の目的のためのものであって、必ずしもOLEDアセンブリ715の物理的特徴を表すものではない。
【0093】
アクティブマトリックスOLEDディスプレイは、画素領域725、730の少なくとも1つが、対応する制御可能ゲート電子コンポーネントの1つまたはそれ以上、たとえばトランジスタ55aなどに電気的に接続されるように、バックプレーン705をOLEDアセンブリ715に電気的に接続することによって形成され得る。
図7においては、画素領域725がトランジスタ55aのただ1つのコンタクト710に接続されるものとして示されている。他の実施形態において、画素領域をトランジスタに接続するその他のやり方は、以下を含んでもよいがそれらに限定されない。すなわち、1つの画素領域が複数のトランジスタコンタクトおよび/または複数のトランジスタに接続されてもよい;1つのトランジスタコンタクト710および/または1つのトランジスタ55aが画素領域725の複数の別々の第2の電極、すなわち画素コンタクトに接続されてもよい;ならびに、1つのトランジスタ55aが複数の異なる画素領域725、730に接続されてもよい。
【0094】
OLEDアセンブリ715は、1つまたはそれ以上の伝導性リンク750を通じてバックプレーン705に電気的に接続されてもよい。伝導性リンク750は、トランジスタ55aを対応する画素領域725に接続してもよい。伝導性リンク750は、コンタクト710と第2の電極745との間の導電性ブリッジを含んでもよい。伝導性リンク750は、軟質および/または柔軟な伝導性リンクを含んでもよい。伝導性リンク750は、たとえば銀エポキシなどの伝導性エポキシ、はんだ、および低温はんだのうちの1つまたはそれ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態において、トランジスタ55aは予め形成されたコンタクト710を有さなくてもよく、伝導性リンク750が第2の電極745をトランジスタ55aに接続してもよい。いくつかの実施形態において、画素領域725は第2の電極745を含まなくてもよく、伝導性リンク750がコンタクト710および/またはトランジスタ55aを少なくとも1つの有機発光層740に直接接続してもよい。
【0095】
軟質および/または柔軟な伝導性リンク750を用いることによって、伝導性リンク750が第2の電極745および有機発光層740を突き破る結果として伝導性リンク750が有機発光層740を損傷する可能性、および/または伝導性リンク750が第1の電極735との電気的短絡を引き起こす可能性を低減できる。比較的低温で適用できる伝導性リンク750を用いることによって、温度感受性であり得る有機発光層740の熱による劣化および損傷の可能性を低減できる。
【0096】
上述の伝導性リンク750を用いてバックプレーン705をOLEDアセンブリ715に電気的に接続することによって、アクティブマトリックスOLEDディスプレイ700を形成できる。これら2つを接続する前に各画素領域725、730が対応するトランジスタ55aと隣接することを可能にするために、バックプレーン705をOLEDアセンブリ715に結合する前に、バックプレーン705とOLEDアセンブリ715とを互いに整列させてもよい。この整列は、バックプレーン705およびOLEDアセンブリ715の一方または両方の光学的または物理的マーカを用いて行われてもよい。加えてこの整列は、バックプレーン705およびOLEDアセンブリ715を、それらの互いに対する位置を定めるジグに入れることによって行われてもよい。
【0097】
バックプレーン705が伝導性リンク750によってOLEDアセンブリ715に結合されるとき、バックプレーン705とOLEDアセンブリ715との間に間隙760が残ることがある。バックプレーン705とOLEDアセンブリ715との接続をさらに機械的に強化するために、これらの間隙760にバックフィル材料を部分的または完全に充填してもよい。加えて、OLEDディスプレイ700によって生成される画像に干渉し得るバックプレーン基板10からのあらゆる可視反射を低減および/または除去するために、バックフィル材料は不透明、光散乱性、および/または光吸収性であってもよい。いくつかの実施形態において、バックフィル材料は実質的に黒色であってもよい。実質的に黒色であることは、バックプレーンへの入射光の十分に小さい部分を反射することを含んでもよく、よってこの反射光は、OLEDディスプレイ700によって生成される画像とのヒト可視の干渉を構成しない。
【0098】
OLEDディスプレイ700の製作の際に、バックプレーン705およびOLEDアセンブリ715を別々に形成してから、ともに結合してもよい。たとえば、前述の説明に従ってバックプレーン705を形成してもよい。OLEDアセンブリ715はバックプレーン705とは別に、バックプレーン基板10とは異なるOLED基板720上に形成されてもよい。バックプレーン705の形成とは別にOLEDアセンブリ715を形成することによって、製作プロセスの各部分を独立して最適化できる。加えて、この2つに分かれた製作プロセスによって、OLEDアセンブリプロセスおよびバックプレーン製作プロセスに対する別々の品質管理が可能になる。バックプレーン705またはOLEDアセンブリ715のバッチにおける欠陥は、ディスプレイ700全体に影響するのではなく、そのサブコンポーネントのみに影響する。
【0099】
加えて、OLEDアセンブリ715を別に製作することによって、有機発光層740を含む画素領域725、730の異なるコンポーネントの形成に対するより良好な制御を可能にできる。OLED基板720および/または第1の電極735は、堆積される基板の不均一性に敏感であり得る有機発光層740を堆積させるために、たとえばより平坦または平滑な、より好適な基板を構成できる。さらに、有機発光層740のより一貫した堆積によって、第1の電極735および第2の電極745、伝導性リンク750、ならびに/またはコンタクト710の間の電気的接触を可能にする、有機発光層740の損傷によってもたらされ得るパンチスルー電気的短絡の可能性を低減できる。
【0100】
OLEDディスプレイ700を動作するために、第1の電極735および第2の電極745の間に電位を加えることによって、有機発光層740に電位を加える。第1の電極735はバックプレーン705上のトランジスタ、電源、および/もしくは電気リードに接続されてもよく、ならびに/または、第1の電極735はバックプレーン705とは独立した電源および/もしくは電気リードに接続されてもよい。第2の電極745はトランジスタ55aに接続されてもよい。次いで、有機発光層740の1つまたはそれ以上がヒト可視光を放射してもよく、このヒト可視光は第1の電極735およびOLED基板720を通ってOLEDアセンブリ715の外へ、発光の方向755に放射されてもよい。トランジスタ55aは、輝度およびオン/オフ状態を含むがそれらに限定されない画素領域725、730の放射属性を制御するために、有機発光層740に電力供給するか、および/またはそれに印加される電力を制御してもよい。
【0101】
図7〜
図10は3つの有機発光層740を示しているが、3つより少ないかまたは多い有機発光層が使用され得ることが予期される。複数の有機発光層740が存在するとき、それらの層は異なる材料を含んでもよい。
【0102】
いくつかの実施形態において、各画素領域725、730は1色のみを放射してもよい。他の実施形態において、画素領域725、730は複数の色を放射してもよい。たとえば、各画素領域725、730は、各々が1色を放射する複数のサブ画素領域を有してもよい。たとえば、各サブ画素は赤色、緑色、および青色の光のうちの1つを放射してもよい。画素領域725、730がサブ画素領域を有するとき、各サブ画素領域は自身の別個の第2の電極745、すなわち自身の別個のサブ画素コンタクトを有してもよい。各サブ画素領域は、1つまたはそれ以上の対応するトランジスタによって制御されてもよい。
【0103】
図8は、アクティブマトリックスOLEDディスプレイであり得るアクティブマトリックスディスプレイ800の断面を示す。ディスプレイ800におけるバックプレーン705はディスプレイ700と同じであり、バックプレーン基板10に固定された平坦化球56の平面状表面の上および/または下に形成されたトランジスタ55aおよびコンタクト710を含む。ディスプレイ800がディスプレイ700と異なる点は、ディスプレイ800においては発光アセンブリがバックプレーン705上に直接堆積されていることである。たとえば、有機発光層740は平坦化球56の平面状表面の上に直接堆積されることによって、有機発光層740の少なくとも1つがトランジスタ55aのコンタクト710と電気的に接触していてもよい。
【0104】
第1の電極735は、有機発光層740の1つおよび/または一番外側のものの上に堆積されてもよい。有機発光層740および第1の電極735は、異なるトランジスタ55aの各々の上に別個のスタックを形成するものとして示されているが、有機発光層740および/または第1の電極735の1つまたはそれ以上が、複数のトランジスタ55aにまたがる層として堆積されてもよいことが予期される。
【0105】
いくつかの実施形態において、有機発光層740は、平坦化球56の平面状表面の上に加えて、平坦化球56の平面状表面の外側のバックプレーン基板10の表面上に堆積されてもよい。いくつかの実施形態において、バックプレーン基板10の表面は、たとえば有機発光層740などの以後の層を堆積させる前にバックプレーン基板10の表面の多孔性を低減および/または除去するために、たとえばガラスのカプセル材料、ガラス化されたガラス、および/またはプラスチックなどの材料でコートされてもよい。いくつかの実施形態においては、有機発光層740および第1の電極735を堆積させる前に、コンタクト710の上に第2の電極層が堆積されてもよい。
【0106】
第1の電極735はバックプレーン705上のトランジスタ、電源、および/もしくは電気リードに接続されてもよく、ならびに/または、第1の電極735はバックプレーン705とは独立した電源および/もしくは電気リードに接続されてもよい。コンタクト710と第1の電極735との間に電位が加えられるとき、有機発光層は発光の方向755にヒト可視光を放射してもよい。ディスプレイ700と同様に、ディスプレイ800の画素領域805、810の各々は1色のみを放射しても、複数の色を放射してもよい。ディスプレイ800の一部として他の層が堆積されてもよいことが予期され、これらの層はパシベーション層、封入層、および/または保護層を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0107】
図9は、ディスプレイ700と類似のOLEDディスプレイを形成するために用いられるOLEDアセンブリの一部を形成し得る、画素領域905の断面を示す。画素領域905が画素領域725、730と類似している点は、画素領域905がOLED基板720と、OLED基板720上に形成された第1の電極735と、第1の電極735上に形成された有機発光層740と、有機発光層740上に形成された第2の電極910とを含むことである。画素領域905が画素領域725、730と異なる点は、第2の電極910がエクステンション915を含むことである。エクステンション915は、画素領域905の有機発光層740および第1の電極735を越えて伸びていてもよい。エクステンション915は、OLED基板720上に直接形成されてもよい。第2の電極910および/またはそのエクステンション915は、絶縁領域920によって第1の電極735と絶縁されてもよい。絶縁領域920は、第1の電極735と第2の電極910との電気的短絡を防ぐために十分に低い導電性を有する材料および/または媒体を含んでもよい。
【0108】
バックプレーン705に接続するとき、コンタクト710とエクステンション915との間に伝導性リンク750が形成されてもよい。接続点が第1の電極735から絶縁されるか、および/または空間的に取り除かれているため、接続プロセスの際のエクステンション915に対するあらゆる損傷は、第1の電極735と第2の電極910とのパンチスルー短絡を引き起こしにくい。加えて、エクステンション915が有機発光層740から空間的に取り除かれているため、接続プロセスの際のあらゆる熱的、機械的、および/または化学的損傷は、このタイプの損傷を受けやすいおそれのある有機発光層740を損傷しにくい。
【0109】
図10は、OLEDディスプレイであり得るアクティブマトリックスディスプレイ1000を示す。ディスプレイ1000がディスプレイ700と類似している点は、ディスプレイ1000が、OLED基板720と、第1の電極735と、有機発光層740と、第2の電極745とを有するOLEDアセンブリ715を含むことである。第1の電極735および第2の電極745を横切って画素領域725に電位が加えられるとき、有機発光層740はヒト可視光を放射でき、このヒト可視光は第1の電極735およびOLED基板720を通過して、発光の方向755に放射され得る。
【0110】
ディスプレイ1000はバックプレーンの構造がディスプレイ700とは異なっており、ディスプレイ1000においてはバックプレーン基板1005が1つまたはそれ以上のビア1015を含む。ビア1015は、バックプレーン基板1005の一方の面を対向する面と接続する貫通通路を含んでもよい。代替的および/または付加的に、ビア1015は、バックプレーン基板1005の一方の面を対向する面と接続する導電性経路を含んでもよい。バックプレーン1002は、バックプレーン基板1005に固定された平坦化球56の平面状表面の上および/または下に形成されたトランジスタ55aを含んでもよい。コンタクト1010はトランジスタ55aと電気的に連絡していてもよく、ビア1015を通って延在する中間部分1020を有し、トランジスタ55aが形成されている面と対向するバックプレーン基板1005の面の上または近くの端子部分1025において終端してもよい。ビア1015が導電性経路を含む実施形態において、コンタクト1010は、トランジスタ55aと導電性経路の第1の端部との間に伝導性リンクを含んでもよい。よって、バックプレーン基板1005の対向面の近くにある導電性経路の第2の端部は、コンタクト1010の端子部分1025の役割をしてもよい。これらの態様で、端子部分1025とトランジスタ55aとの間に導電性経路が提供され得る。いくつかの実施形態において、絶縁部分1030は、コンタクト1010のある部分を平坦化球56および/またはトランジスタ55aのある部分から電気的に絶縁してもよい。
【0111】
OLEDアセンブリ715は、第2の電極745とコンタクト1010の端子部分1025との間の伝導性リンク750を介して、バックプレーン1002に電気的に接続できる。このジオメトリは、OLEDアセンブリ715がバックプレーン1002のトランジスタ55aを有する面と対向する面に接続することを可能にする。トランジスタ55aの動作は熱を生じ得るため、OLEDアセンブリ715をバックプレーン1002のトランジスタ55aを有する面と対向する面に接続できることによって、OLEDアセンブリ715をトランジスタ55aから生じる熱から遠ざけて、少なくとも部分的に保護できる。特に、有機発光層740は熱による損傷および/または劣化を受けやすいおそれがあるため、熱を生じるトランジスタ55aからそれらを遠ざけることによって、熱損傷の可能性を低減し、OLEDアセンブリ715の寿命を延ばすことができる。
【0112】
図7〜
図10に関連して上述されるすべての実施形態において、たとえばOLEDアセンブリ715などの発光アセンブリを、ディスプレイの代わりにイメージャを得るためのフォトンを検出するための検出器アセンブリと置き換えてもよい。検出器アセンブリはフォトンを検出し、それに応答して電気的信号を生成できる。次いでその信号は、たとえばトランジスタ55aおよび/またはバックプレーン上のその他の好適な回路エレメントなどの制御可能ゲート電子コンポーネントによってサンプリングされ得る。イメージャの制御可能ゲート電子コンポーネントおよびその他の回路エレメントは、ディスプレイの制御可能ゲート電子コンポーネントおよび回路エレメントとは異なっていてもよいことが予期される。検出器アセンブリは、X線フォトンを変換し、それに応答して電気的信号を生成するためのX線検出器アセンブリであってもよい。検出器アセンブリは、外部事象を検出し、それに応答して電気的信号を生成するように構成された任意の検出器を含み得ることが予期される。たとえば、検出器はフォトンの入射以外の外部事象、たとえば分子、原子、および/または亜原子粒子との接触などを検出してもよい。検出器はバックプレーンの頂部に鉛直に一体化され得ると考えられる。
【0113】
図11a〜eは、半導体基板上に電子デバイスを形成するための方法1100のステップを示す。
図11aは、表面1107を有する半導体基板1105を示す。第1の量1110の液体媒体が表面1107の一部分1120に堆積される。第2の量1115の液体媒体が表面1107の一部分1125に堆積される。第1の量1110および第2の量1115は、間隙1130によって互いに間隔を置かれる。
【0114】
液体媒体は、半導体基板1105をドープするために構成されたドーパントを含む。液体媒体は有機成分と、ガラス前駆物質と、ドーパントとの混合物を含んでもよい。有機材料は、アルファ−テルピノール、イソプロピルアルコール、ポリビニルアルコール、デンプン、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ワックスエマルション、ポリエチレングリコール、リグノスルホナート、メチルセルロース、パラフィン、ポリアクリレート、または任意のその他の好適な材料を含んでもよい。一般的に、好適な有機材料は、以下の特徴の1つまたはそれ以上を有してもよい。すなわち、焼成後に最小量の灰を残すこと、低温にて容易に燃え尽きること、摩耗性でないこと、容易な分散を可能にすること、毒性でないこと、および安価であることである。ガラス前駆物質は、シリカまたは任意のその他の好適な材料を含んでもよい。ドーパントはホウ素、リン、または任意のその他の好適な材料を含んでもよい。液体媒体は、それが半導体基板1105に堆積される条件(例、温度および圧力)において、液体および/またはペーストであってもよい。
【0115】
付加的および/または代替的に、液体媒体は、高度にドープされたSiペーストを含むがそれに限定されない、任意のその他の好適な材料または複数の材料の混合物を含んでもよい。いくつかの実施形態において、液体媒体は、たとえば本明細書においてその全体が引用により援用される、日立化成テクニカルレポート(Hitachi Chemical Technical Report)No.56に記載される混合物などの、ドーパントと、樹脂と、溶剤との混合物を含んでもよい。さらに、液体媒体は溶剤に分散されたナノ粒子を含んでもよく、このナノ粒子には半導体基板をドープするために使用され得るドーパントがドープされることが予期される。たとえば、本明細書においてその全体が引用により援用されるヤン(Yang)、D.らの「シリコンペーストの使用によってシリコンウェハにホウ素をドープすること(Doping Silicon Wafers with Boron by Use of Silicon Paste)」、ジャーナル・オブ・マテリアルズ・サイエンス・アンド・テクノロジー(J.Mater.Sci.Technol.)、2013、29(7)、652−654を参照。液体媒体の別の例は、ハネウェル(Honeywell)社によって製造および販売されており、かつ本明細書においてその全体が引用により援用される「アドバンスドc−Siセルに対するハネウェル印刷可能ドーパント(Honeywell Printable Dopants for Advanced c−Si Cells)」と題する出版物に記載されている「印刷可能ドーパント」を含んでもよい。
【0116】
第1の量1110および第2の量1115は、液滴、小滴、グロビュール、小板、ソーサー、小塊、塊、一塗り、塗抹、または表面1107に堆積されて存在する液体媒体の任意のその他の量のうちの任意の1つの形であってもよい。第1の量1110および第2の量1115は、互いに同じ形状および/または量であってもよいし、互いに異なる形状および/または量であってもよい。
【0117】
第1の量1110および第2の量1115は液体媒体でできているため、それらは任意の好適な印刷技術を用いて表面1107に印刷されてもよい。印刷のためのいくつかの技術は、スクリーン印刷、インクジェット印刷、スタンピング、フレキソ印刷、グラビア印刷、およびオフセット印刷を含むが、それらに限定されない。一般的には、ドーパントを含む液体媒体の粘度、解像度および/または最小特徴サイズ、位置合わせの正確さ、ならびに印刷のスループットを含むがそれらに限定されないいくつかの要素に依存して、任意の好適な印刷技術が使用されてもよい。リソグラフィの代わりに印刷を使用できることによって、製作プロセスのコストを顕著に低減できる。
【0118】
上の説明はドーパントを含む液体媒体に向けられているが、ドーパントは半導体基板に静電気的に堆積される固体粒子の形であるか、および/またはこうした固体粒子に含まれてもよいことが予期される。上述のとおり、こうした堆積技術は、レーザー印刷においてトナー粒子をレーザープリンタのドラムから紙に移すために用いられる技術と類似のものであり得る。言い換えると、第1および第2の量を形成するために、ドーパントの固体粒子および/またはドーパントを含む固体粒子が半導体基板にレーザー印刷されてもよい。こうしたレーザー印刷技術は、いかなる液体またはペーストも半導体基板に移すことを必要としなくてもよい。加えて、電子デバイスの製作に関連して形成されるその他のコンポーネント(例、ゲート誘電体、ソースおよびドレインコンタクト、ゲートコンタクト、ならびにバリアアイランド)を半導体基板に印刷するために、類似のレーザー印刷技術が用いられてもよく、これらのコンポーネントについては以下により詳細に説明する。
【0119】
いくつかの実施形態において、半導体基板1105はプレドープされてもよく、液体媒体中のドーパントは半導体基板1105のドープの変更を可能にしてもよい。たとえば、半導体基板1105がpプレドープされるとき、液体媒体中のドーパントは半導体基板1105がnドープされることを可能にしてもよく、逆も同様である。
図11の例示的な図面において、半導体基板1105はプレドープされて、電界効果トランジスタ電子デバイスの伝導チャネルを形成するために使用されてもよく、この伝導チャネルはトランジスタのソースとドレインとの間に延在する。トランジスタのソースおよびドレインを形成するために半導体基板1105をさらにドープする(および/またはそのドープを変更する)ために、第1の量1110および第2の量1115からのドーパントが使用されてもよい。
【0120】
第1の量1110および第2の量1115が表面1107に堆積されると、第1の量1110および第2の量1115の各々の液体媒体からのドーパントの少なくともいくらかを表面1107に拡散させるために、基板1105と、第1の量1110と、第2の量1115とが加熱されてもよい。この加熱ステップは炉の中で行われてもよい。
図11bはこうした加熱ステップの後の基板1105を示しており、この図は第1の量1110から生じたドーパントでドープされた第1のドープ領域1135と、第2の量1115から生じたドーパントでドープされた第2のドープ領域1140とを示している。
【0121】
ドープ領域の形状およびサイズは、ドーパントの性質、基板1105の組成、および加熱プロファイル(例、経時的温度)を含むがそれらに限定されない複数の要素に依存する。
図11b(および以後すべての図面)に示されるドープ領域1135、1140の形状および相対的なサイズは単に例示の目的のためのものであって、限定することは意図されない。さらに、第1の量1110および第2の量1115の形状およびサイズは、
図11a(加熱前)と
図11b(加熱後)とで変化しないものとして示されている。これは単に例示を簡単にするためのものであって、第1の量1110および第2の量1115の形状、サイズ、状態、および/または組成は加熱ステップの後に変化し得ることが予期される。
【0122】
いくつかの実施形態においては、ドーパントを第1の量1110および第2の量1115から表面1107に駆動するために、加熱の代わりにレーザー光線を表面1107上に方向付けてもよい。ドープを促進するためにレーザーを用いることによって、半導体基板1105全体を高温に加熱することを回避でき、可塑性および/または柔軟な基板の使用を可能にできる。
【0123】
基板1105が液体媒体からのドーパントによってドープされると、表面1107上の間隙1130内に誘電材料1145が堆積されてもよい(間隙1130は
図11cには示されていないが、
図11aに示されている)。
図11cは、間隙1130内に堆積された誘電材料1145を示す。誘電材料1145は、酸化アルミニウム、たとえばポリイミドなどのプラスチック、または任意のその他の好適な誘電材料を含んでもよい。いくつかの実施形態において、誘電材料1145は、たとえば本明細書においてその全体が引用により援用されるコ(Ko)、F.らの「可塑性薄層トランジスタ適用に対するゲート誘電体としてのポリスチレン−ブロック−ポリ(メチルメタクリレート)複合材料フィルム(Polystyrene−block−poly(methylmethacrylate)composite material film as a gate dielectric for plastic thin−film transistor applications)」RSCアドバンシズ(RSC Adv.)、2014、4、18493に記載される材料などの、ポリスチレン−ブロック−ポリ(メチルメタクリレート)複合材料を含んでもよい。加えて、半導体基板上の間隙内に誘電材料を成長させてもよいことが予期される。たとえば、半導体基板がシリコンを含む実施形態において、誘電材料として酸化ケイ素(SiO
2)層を間隙内に成長させてもよい。
【0124】
第1の量1110および第2の量1115は、間隙1130内の誘電材料1145の堆積に対するテンプレートの役割をしてもよい。いくつかの実施形態において、誘電材料1145は、間隙1130内の表面1107上に誘電材料を含むある量の液体および/またはペーストを堆積させることによって堆積されてもよい。こうした誘電材料を含む液体/ペースト量は、間隙1130内の表面1107上に液体/ペーストを印刷することによって堆積されてもよい。誘電材料が印刷される実施形態において、誘電材料を含有する液体/ペーストは、それが表面1107上に転移および/または印刷される条件において液体/ペーストの状態であってもよい。誘電材料1145は、第1の量1110および第2の量1115に関連して上述した技術を用いて印刷されてもよい。
【0125】
誘電材料1145は特定の形状(例、平坦な頂部および湾曲した側部)を有するものとして示されているが、誘電材料1145は任意のその他の好適な形状を有してもよいことが予期される。たとえば、誘電材料1145が第1の量1110および/または第2の量1115との大きな濡れ角を有するとき(すなわち、誘電材料が第1および第2の量を容易に濡らさないとき)、誘電材料1145は凸形状を有してもよい。
【0126】
誘電材料1145が堆積されると、第1の量1110および第2の量1115が表面1107から選択的に除去されてもよい。
図11dは、第1の量1110および第2の量1115が選択的に除去されたときの半導体基板1105を示す。たとえば、そのままの半導体基板1105および誘電材料1145を残しながら第1の量1110および第2の量1115を除去するために、選択的ウェット化学エッチングが使用されてもよい。第1の量1110、第2の量1115、半導体基板1105、および誘電材料1145の組成に依存して、任意の好適な選択的除去法が使用されてもよいことが予期される。たとえば、第1の量1110および第2の量1115がシリカ/ガラスを含み、半導体基板1105がシリコンを含み、誘電材料1145がポリイミドを含むとき、表面1107から第1の量1110および第2の量1115を選択的に除去するために、たとえばフッ化水素酸またはその他の好適な酸などのウェット化学エッチング剤が用いられてもよい。
【0127】
第1の量1110および第2の量1115が選択的に除去されると、表面1107の第1の部分1120および第2の部分1125(
図11aに示されている)の上に電気的コンタクト1150、1155が堆積されてもよい。加えて、誘電材料1145の上に電気的コンタクト1160が堆積されてもよい。
図11eは、電気的コンタクト1150、1155、1160の堆積後の半導体基板1105を示す。
図11eは、電気的コンタクト1150が第1の部分1120全体を被覆し、電気的コンタクト1155が第2の部分1125全体を被覆するものとして示しているが、電気的コンタクト1150が第1の部分1120を部分的に被覆してもよいし、かつ/または電気的コンタクト1155が第2の部分1125を部分的に被覆してもよいことが予期される。電気的コンタクト1160は、電気的コンタクト1150および1155と電気的に接触しないように堆積される。
【0128】
これらの電気的コンタクト1150、1155、1160は、第1の量1110および第2の量1115に関連して上述した技術を用いて印刷されてもよいし、任意のその他の好適な技術を用いて形成されてもよい。電気的コンタクト1150、1155、1160の1つまたはそれ以上は金属、金属粒子、または任意のその他の好適な伝導性材料を含んでもよい。
【0129】
図11eに示される構造は電界効果トランジスタを形成してもよく、ここで電気的コンタクト1150はドレインコンタクト(
図11eにおいて「D」と示される)の役割をし、電気的コンタクト1155はソースコンタクト(
図11eにおいて「S」と示される)の役割をし、電気的コンタクト1160はゲートコンタクトの役割をし、誘電材料1145はゲートバリアの役割をする。トランジスタの伝導チャネルは、ドープ領域1135および1140の間の、半導体基板1105の内側(すなわち表面1107の下)の領域を含んでもよい。
【0130】
方法1100および以下に考察されるその他の方法によって製作される電界効果トランジスタ(field effect transistor:FET)は、リソグラフィによって製作されるFETおよび薄層トランジスタ(thin−film transistors:TFT)よりも利点を有し得る。リソグラフィによって製作されるFETに関して、伝統的なリソグラフィは非常に高価であり得るのに対し、方法1100(および以下に考察されるその他の方法)は、材料プリンタ(例、デスクトップインクジェットプリンタ)および炉を用いて安価に行われ得る。TFTに関して、それらの製作は低い熱収支(過剰な熱はその薄層コンポーネントを損傷するおそれがあるため)によって制限されることがあり、かつTFT自体が、FETを形成する薄層の品質が不十分であり得ることによる限定された性能(例、比較的低い電子移動度)を有し得る。これに対し、方法1100(および以下に記載されるその他の方法)によってFETを製作することによって、熱収支が高くなり得る。なぜなら、1)高温に対して脆弱であり得る薄層は存在せず、かつ2)半導体基板1105は高い電子移動度を有し得る高品質結晶半導体を含んでもよく、TFTの薄層よりも高温に対する感受性が低くなり得るためである。
【0131】
一般的に、電子デバイス(例、FET)の(ソースとドレインとの間に伝導チャネルを形成するために用いられる)半導体基板が印刷されるとき、こうしたデバイスは、印刷によって典型的に達成され得る半導体材料の低い電子移動度によって限定された性能を有し得る。これに対し、方法1100(および以下に記載されるその他の方法)において、(伝導チャネルを形成するために用いられる)半導体基板1105は印刷される必要がなく、比較的高い電子移動度を有する高品質結晶半導体材料であり得る。このやり方で、方法1100は、印刷エレクトロニクスの低コストの利点と、上に他のコンポーネントを印刷できる高品質結晶半導体基板を用いることによって可能にされる高性能(例、高い電子移動度)およびより高い熱収支とを組み合わせる。
【0132】
半導体基板1105は、電子デバイスを形成するために好適な任意の半導体材料を含み得る。いくつかの実施形態において、半導体基板1105は、たとえば
図5bに示される平坦化球56などの、別の基板に固定された平坦化半導体粒子を含んでもよい。半導体基板1105の他の例は、
図3および
図4に示される平坦化球16を含み得るが、それらに限定されない。
【0133】
いくつかの実施形態において、半導体基板1105は、他方の基板に堆積された粒子状/粉末半導体前駆物質を加熱することによって別の(例、非半導体)基板上にインサイチュで形成された半導体材料の平坦化アイランドを含んでもよい。加熱によって粒子を融解および融合してモルテングロビュールを形成してもよい。グロビュールを冷却することによって、モルテングロビュールを凝固および結晶化して、他方の基板に固定された半導体材料の結晶アイランドを形成してもよい。半導体アイランドを形成するこの方法は、どちらも本明細書においてその全体が引用により援用される米国特許第9,396,932号および米国特許出願第15/184,429号に記載されている。平坦化されるとき、こうした半導体アイランドは半導体基板1105の役割をし得る。
【0134】
特定の状況においては、半導体アイランドのインサイチュ形成によって、米国特許出願第15/184,429号に記載されるとおりのディスク形状の半導体アイランドが得られてもよい。こうした状況の非限定的な例は、(大気中またはモルテングロビュールに接触する別の材料中の)酸素の存在下で、アルミナ基板上のシリコン前駆物質(粉末または小片)をシリコンの融点(例、1500℃)よりも高い温度まで加熱することを含む。これらの条件下で、結晶シリコンアイランドとアルミナ基板との間にシリカを含むディスク/層が形成してもよく、この結晶シリコンアイランドはディスク形状であってもよい。こうしたディスク形状のシリコンアイランドが(任意には研磨および/または平坦化の後に)半導体基板1105として用いられてもよい。
【0135】
表面1107は平面状表面を含んでもよい。半導体基板1105が平坦化半導体粒子を含む実施形態において、表面1107は、平坦化半導体粒子の平坦化された断面において形成された平面状表面を含んでもよい。さらに、
図11a〜eは表面1107が平面状であることを示しているが、表面1107は湾曲してもよいことが予期される。たとえば、表面1107は半導体粒子の湾曲するかもしくは別様に非平面状の外表面、または柔軟な半導体基板の湾曲表面を含んでもよい。半導体基板1105は、シリコンを含むがそれに限定されない多結晶または単結晶半導体材料を含んでもよい。半導体基板1105は、方法1100のステップが行われる前にプレドープされてもよい。
【0136】
いくつかの実施形態において、半導体基板1105は半導体ウェハを含んでもよいし、別の基板とは分離して形成されてからその別の基板に固定された半導体粒子以外のその他の好適な多結晶または単結晶半導体基板を含んでもよい。
【0137】
いくつかの実施形態において、(電気的コンタクト1160によって形成される)ゲートコンタクトは、誘電材料1145の堆積の後、第1の量1110および第2の量1115の選択的除去の前に堆積されてもよい。これらの実施形態において、電気的コンタクト1160は、第1の量1110および第2の量1115を選択的に除去するために使用される選択的除去法に対して耐性があり、かつ/またはその影響を受けないように選択される。
【0138】
いくつかの実施形態においては、第1および第2の量が堆積される前に、間隙内の表面上にバリアアイランドが堆積されてもよい。このバリアアイランドは、(他の要素の中でも)第1および第2の量の間の距離によって定められる間隙の長さを制御することを助け得る。間隙の長さは(他の要素とともに)半導体基板の内側のFETの伝導チャネルの長さを定めるため、間隙の長さを制御することによって、FETの伝導チャネルの長さおよび性能特性の制御を助け得る。
【0139】
いくつかの実施形態において、間隙の長さすなわち第1および第2の量の間の距離は、約0.1μmから約100μmの範囲であってもよい。他の実施形態において、間隙の長さすなわち第1および第2の量の間の距離は、約0.1μmから約10μmの範囲であってもよい。さらに他の実施形態において、間隙の長さすなわち第1および第2の量の間の距離は、約0.1μmから約5μmの範囲であってもよい。
【0140】
図12a〜fは、こうしたバリアアイランドを用いて電子デバイス(例、FET)を形成するための方法1200のステップを示す。
図12aは、間隙1130内の表面1107上に堆積されたバリアアイランド1205を示す。バリアアイランド1205は、第1の量1110および第2の量1115に対するバリアを形成でき、かつ以下により詳細に考察されるとおりに基板1105から選択的に除去され得る任意の好適な材料で形成されてもよい。いくつかの実施形態において、バリアアイランド1205は液体および/またはペーストの量として堆積されてもよい。(バリアアイランドを形成するために用いられる)バリア材料を含む液体/ペーストは、たとえばポリイミドなどのプラスチックなどの有機材料、または任意のその他の好適な材料を含んでもよい。バリア材料を含む液体/ペーストは、第1の量1110および第2の量1115の印刷に関連して上述したのと同じ方法を用いて、半導体基板1105上に印刷されてもよい。
【0141】
第1の量、第2の量、誘電材料、バリアアイランド、および電気的コンタクトの1つまたはそれ以上を、印刷技術を用いて堆積させてもよいが、これらのコンポーネントを印刷するために2つまたはそれ以上の異なる印刷技術が用いられてもよいことが予期される。
【0142】
間隙1130内にバリアアイランド1205を堆積させた後、
図12bに示されるとおり、表面1107の第1の部分1120および第2の部分1125の上に、それぞれ第1の量1110および第2の量1115が堆積されてもよい。上に考察したとおり、バリアアイランド1205は、第1の量1110および第2の量1115が間隙1130に(例、流れおよび/または広がることによって)侵入することを防ぐバリアの役割をし得る。
【0143】
次に、半導体基板1105、第1および第2の量1110および1115、ならびにバリアアイランド1205を加熱して、第1および第2の量1110および1115から少なくともいくらかのドーパントを表面1107に拡散させて、
図12cに示されるとおりのドープ領域1135および1140をそれぞれ形成してもよい。加えて、この加熱によってバリアアイランド1205を選択的に除去(例、燃焼)して、
図12dに示されるとおりに後で誘電材料1245を堆積させるために、間隙1130内の表面1107を空けてもよい。いくつかの実施形態において、バリアアイランド1205は、ウェット化学エッチングまたはその他の加熱以外の選択的除去法を用いて選択的に除去されてもよい。
【0144】
誘電材料1245は、誘電材料1145と類似の組成を有して、類似の態様で堆積されてもよい。誘電材料1245は、第1の量1110および第2の量1115との小さい濡れ角を有してもよい。誘電材料1245は、約90°よりも小さい濡れ角にて第1の量1110および第2の量1115を濡らしてもよい。言い換えると、誘電材料1245は第1の量1110および第2の量1115を容易に濡らし得る。このことによって、
図12d〜fに示されるとおりの誘電材料1245の形状、すなわち凹状の頂部および湾曲した側部を有する形状が定められ得る。
【0145】
誘電材料1245の堆積後、
図12d、
図12eおよび
図12fに示される方法1200のステップは、
図11c、
図11dおよび
図11eに示される方法1100のステップと概ね同様であるが、1つの相違点は、電気的コンタクト1260の形状が電気的コンタクト1160とは異なることである。電気的コンタクト1260の形状は、誘電材料1245の頂部表面の湾曲によって定められる。電気的コンタクト1260が液体として堆積および/または印刷される実施形態において、誘電材料1245の凹状の頂部は、この電気的コンタクトを電気的コンタクト1150および1155から遠ざけてプールおよび/または方向付けできる。このことが、電気的コンタクト1260と電気的コンタクト1150および1155それぞれとの間のあらゆる電気的短絡を防ぐことを助け得る。
【0146】
図11における誘電材料1145は、
図12における誘電材料1245とは異なる形状を有するものとして示されているが、方法1100および1200の一方または両方における誘電材料が、誘電材料1145または誘電材料1245のいずれか一方と類似の形状にされてもよいことが予期される。
【0147】
いくつかの実施形態において、バリアアイランド1205は誘電材料1245と同じ材料を含んでもよく、この場合のバリアアイランド1205は選択的に除去されずに、方法1200のステップ全体にわたって表面1107上に残る。しかしこれらの実施形態において、バリアアイランド1205は第1の量1110および第2の量1115の堆積前に堆積されているため、バリアアイランド1205は誘電材料1245と同じ形状を有さないことがある。
【0148】
いくつかの実施形態において、第1および第2の量の液体媒体は、半導体基板の表面に堆積された後に体積を低減されてもよい。この体積低減は、「ベークアウト」ステップの際に液体媒体の任意の揮発性成分の一部または全部が蒸発することを含むがそれに限定されない、さまざまな要素によるものであり得る。
図13a〜gは、電子デバイスを形成するための方法1300のステップを示しており、この方法はこの体積低減を使用するものである。
【0149】
第1に、
図13aに示されるとおり、表面1107上にバリアアイランド1205が堆積される。このステップは、
図12aに示される方法1200の第1のステップと類似のものであり得る。次に、
図13bに示されるとおり、(ドーパントを含む)液体媒体の初期量1305を表面1107上に堆積させて、表面1107の第1の部分1120および第2の部分1125を被覆し、かつ間隙1130を被覆するバリアアイランド1205を被覆してもよい。上に考察されるとおり、バリアアイランド1205は第1の部分1120と第2の部分1125との間隙1130内に配されてもよい。初期量1305の体積は、第1の量1110および第2の量1115を組み合わせた体積よりも大きい。
【0150】
上に考察されるとおり、ベークアウトステップの際に、初期量1305の体積は低減する。ベークアウトおよびそれに付随する体積低減は、予備的な加熱、または液体媒体の揮発性成分を少なくとも部分的に失うことによって初期量1305の体積低減をもたらし得る任意のその他のステップによるものであってもよい。
図13cは、ベークアウトの際に初期量1305の体積が低減された後に、予め覆われていたバリアアイランド1205が露出してもよく、かつ初期量1305がより小さい第1の量1110および第2の量1115を形成し得ることを示す。
図13cは、第1の量1110が第2の量1115と同じ形状およびサイズであることを示しているが、ベークアウトの結果として形成される第1および第2の量は互いに異なる形状およびサイズを有してもよいことが予期される。加えて
図13c〜eにおいて、第1の量1110および第2の量1115は、
図11a〜cおよび
図12b〜dの対応する第1および第2の量と類似の形状およびサイズであるものとして示されているが、(方法1300において)初期量1305の体積低減によって得られる第1および第2の量は、方法1100(
図11)および1200(
図12)において半導体基板1105上に堆積された第1および第2の量とは異なる形状および/またはサイズを有してもよいことが予期される。
【0151】
図13c〜13gに示される方法1300の最後の5ステップは、
図12b〜fに示される方法1200の最後の5ステップと同様であり得るため、ここで再び詳細な説明は行わない。
【0152】
いくつかの実施形態において、バリアアイランドは、半導体基板の表面上に光反応性材料の層を堆積させ、間隙の上にある光反応性材料の範囲を、光反応性材料を変更するための光に露出させ、光反応性材料の未露出領域を表面から選択的に除去することによって、光によって変更された光反応性材料を含むバリアアイランドを形成することによって形成されてもよい。光反応性材料は、たとえばShipley BPR(商標)−100フォトレジストなどのネガティブフォトレジストを含むがそれに限定されないフォトレジストを含んでもよい。光反応性材料を光に露出することは、高価および/または複雑なフォトリソグラフィ機器を必要とすることなく行われ得る。たとえば、光露出は、インクジェットプリンタのプリントヘッドに取り付けられたたとえばUV LEDまたはレーザーなどの光源を用いて行われ得る。
【0153】
図14a〜gは、光反応性材料の層を露出させてから未露出部分を選択的に除去することによってバリアアイランドを形成する方法1400におけるステップを示す。
図14aは、基板1105上に堆積された光反応性材料1405の層を示す。光反応性材料1405はスピンコートされてもよいし、任意のその他の好適な技術を用いて半導体基板上に堆積されてもよい。光反応性材料1405は、たとえばShipley BPR(商標)−100フォトレジストなどのネガティブフォトレジストを含むがそれに限定されない、フォトレジストまたは任意のその他の好適な材料を含んでもよい。
【0154】
次いで、間隙1130(
図14bに示される)の上にある光反応性材料の領域を、光反応性材料を変更するように構成された光に露出させてもよい。この露出および変更の後に、
図14bに示されるとおり、光反応性材料1405の層の未露出部分を選択的に除去して、光によって変更された光反応性材料を含むバリアアイランド1410を形成してもよい。たとえばミクロンまたはサブミクロンのスポットサイズを有するUVレーザーなどの光源を用いることによって、たとえばバリアアイランド1410などの小さい特徴を直接書込むことを可能にできる。選択的除去のステップは、光反応性材料1405の層の未露出部分を除去する一方で、光反応性材料の露出部分および半導体基板をそのまま残すことができる。選択的除去は、ウェット化学エッチングまたは任意のその他の好適な選択的除去法を含んでもよい。
【0155】
バリアアイランド1410が形成されると、
図14cに示されるとおり、表面1107の第1の部分1120の上に第1の量1110が堆積されてもよく、第2の部分1125の上に第2の量1115が堆積されてもよい。
図14c〜gに示される方法1400の最後の5ステップは、
図12b〜fに示される方法1200の最後の5ステップと同様であり得るため、ここで再び詳細な説明は行わない。
【0156】
たとえばFETなどのトランジスタを含むがそれに限定されない制御可能ゲート電子コンポーネントを形成および/または製作するために、方法1100、1200、1300および1400を使用してもよい。上に考察したとおり、平坦化半導体粒子である半導体基板においてこれらの方法を行ってもよく、これらの粒子は別の基板と分離して形成されてから、その別の基板に動けないよう固定される。たとえば、
図5c、
図7、
図8および
図10に示されるトランジスタ55a、55bは、方法1100、1200、1300および1400の1つまたはそれ以上を用いて形成されてもよい。
【0157】
本発明の上述の実施形態は、本発明の実施例となることが意図されており、本明細書に添付された請求項のみによって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によってこれらの実施形態に変更および修正が加えられてもよい。