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特許6231652貯蓄および投資システム、方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6231652
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】貯蓄および投資システム、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20120101AFI20171106BHJP
【FI】
   G06Q40/02
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-255501(P2016-255501)
(22)【出願日】2016年12月28日
【審査請求日】2016年12月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】594103301
【氏名又は名称】三井住友カード株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】397077955
【氏名又は名称】株式会社三井住友銀行
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】道幸 貴史
(72)【発明者】
【氏名】信川 享介
(72)【発明者】
【氏名】関田 和孝
(72)【発明者】
【氏名】小西 裕二
【審査官】 塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表平11−505343(JP,A)
【文献】 特開2012−242953(JP,A)
【文献】 特開2007−233491(JP,A)
【文献】 米国特許第08416924(US,B1)
【文献】 ネストエッグ、更新系APIと接続した自動貯金サービス「finbee(フィンビー)」の サービス提供を本日から開始,[online],株式会社ネストエッグ,2016年12月26日,[2017年6月29日検索],インターネット,URL,https://finbee.jp/news/20161226/
【文献】 買えば買うほどお金が貯まる“魔法のカード”に、悩み解消のヒントがある!,[online],株式会社オールアバウト ,2015年 8月28日,[2017年6月29日検索],インターネット,URL,https://form.allabout.co.jp/tips/2505/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗端末から、デビットカードの利用情報を受信する利用情報受信部と、
前記受信した利用情報に基づいて、資金移動させる金額を決定する算出部と、
前記デビットカードに関連付けられた支払い口座の情報および前記デビットカードに関連付けられた資金移動先の口座の情報を格納したデータベースと、
前記決定した資金移動させる金額を、前記支払い口座から前記資金移動先の口座へ資金移動させる資金移動部であって、前記決定した資金移動させる金額が、資金移動の種類ごとに事前に定められた最低金額よりも小さい場合に、資金移動を中止するかまたは前記最低金額分を資金移動させる、資金移動部
を備えたことを特徴とする支払い口座管理サーバ。
【請求項2】
前記算出部は、
前記支払い口座の入出金明細を解析して前記デビットカードを利用するユーザの収入と支出との差額に基づいて資金移動すべき目標金額を決定し、前記目標金額および前記デビットカードの利用回数にさらに基づいて、前記資金移動させる金額を決定することを特徴とする請求項1に記載の支払い口座管理サーバ。
【請求項3】
前記算出部は、
過去の利用情報を解析して前記デビットカードを利用するユーザの生活水準を推測し、前記生活水準にさらに基づいて、前記資金移動させる金額を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の支払い口座管理サーバ。
【請求項4】
前記利用情報は、前記デビットカードの利用額を含み、
前記算出部は、
予め登録された単位の金額になるように前記利用額を切り上げて、切り上げた金額から前記利用額を減算した金額を、前記資金移動させる金額として決定する
あるいは、
前記デビットカードの前記利用額にかかわらず定額を前記資金移動させる金額として決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の支払い口座管理サーバ。
【請求項5】
支払い口座管理サーバによって実行される方法であって、前記支払い口座管理サーバは、デビットカードに関連付けられた支払い口座の情報および前記デビットカードに関連付けられた資金移動先の口座の情報を格納したデータベース、を備え、前記方法は、
店舗端末から、前記デビットカードの利用情報を受信するステップと、
前記受信した利用情報に基づいて、資金移動させる金額を決定するステップと、
前記決定した資金移動させる金額を、前記支払い口座から前記資金移動先の口座へ資金移動させるステップであって、前記決定した資金移動させる金額が、資金移動の種類ごとに事前に定められた最低金額よりも小さい場合に、資金移動を中止するかまたは前記最低金額分を資金移動させる、ステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
支払い口座管理サーバに請求項5に記載の方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デビットカードの利用に応じて貯蓄または投資をすることができるシステム、方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、現金のやりとり無しで決済がなされる、キャッシュレス決済が普及してきている。例えば、ユーザが店舗で商品を購入する際に、デビットカードを提示して支払いを行うことが増えている。デビットカードによる決済では、現金で代金を支払ったり釣り銭を受け取ったりする代わりに、デビットカードに紐付けられた預金口座から即時に代金が引き落とされて店舗へ支払われる。
【0003】
ユーザは、預金口座の現在の残高の範囲内でしかデビットカードを利用できないので、お金を使い過ぎる心配がない。また、わざわざ現金を引き出す必要がないので、ATMを探さなくて済み、ATMの利用手数料を気にしなくてよいという利点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、デビットカードではお釣りが発生しないため、財布の中に小銭が溜まることがない。そのため、ユーザが従来慣れ親しんできた、小銭をコツコツと貯金するという習慣の継続が難しくなっている。キャッシュレスになっても少額ずつ貯金をしたいと考えている人は多い。また、多額の定期預金、外貨預金、投資信託には抵抗があるが、日々の生活で溜まる小銭程度であればやってみたいと考えている人も多いものの、少額の資金運用をするユーザに対して銀行員などが対面して相談を行うのではコストに見合わず、金融機関としてもユーザに積極的に勧めがたいという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、デビットカードのようなキャッシュレスの決済であっても小銭を貯めて貯蓄または投資をすることができるシステム、方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、本発明の一態様である、支払い口座管理サーバは、店舗端末から、デビットカードの利用情報を受信する利用情報受信部と、前記受信した利用情報に基づいて、資金移動させる金額を決定する算出部と、前記デビットカードに関連付けられた支払い口座の情報および前記デビットカードに関連付けられた資金移動先の口座の情報を格納したデータベースと、前記決定した資金移動させる金額を、前記支払い口座から前記資金移動先の口座へ資金移動させる資金移動部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、デビットカードの利用に連動して貯蓄または投資をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態にかかる貯蓄および投資システムの全体の概要図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる貯蓄および投資システムの支払い口座管理サーバの機能ブロック図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる貯蓄および投資システムの支払い口座データベース(支払い口座)の例である。
図4】本発明の一実施形態にかかる貯蓄および投資システムの支払い口座データベース(入出金明細)の例である。
図5】本発明の一実施形態にかかる貯蓄および投資システムの貯蓄・投資用口座データベースの例である。
図6】本発明の一実施形態にかかる貯蓄および投資システムの支払い口座データベース(入出金明細)の別の例である。
図7】本発明の一実施形態にかかる貯蓄および投資システムにおける処理の流れの例を示すシーケンス図である。
図8】本発明の一実施形態にかかる貯蓄および投資システムにおける処理の流れの別の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書において、「貯蓄または投資」とは、銀行や証券会社などの金融機関が取り扱う、定期預金、積立預金、外貨預金、株式投資、投資信託などの金融商品により、デビットカードに紐付けられた預金口座内の資金を運用することを言う。金融商品は、ここに挙げた例に限らず、デビットカードに紐付けられた預金口座内の資金を運用することができるものであれば他のものでもよい。なお、ユーザは事前に、貯蓄または投資をするために必要な口座(例えば、銀行の定期預金用の口座、外貨預金用の口座、投資信託用の口座、証券会社の証券口座、銀行や証券会社のNISA口座など)を開設しているものとする。なお、本発明は、デビットカードの利用に応じて「貯蓄または投資」をする場合に限らず、デビットカードの利用に応じて「寄付」をする場合(つまり、寄付を受け付けている口座へ、デビットカードに紐付けられた預金口座内の資金を振り込む場合)などにも適用することができる。
【0010】
また、「デビットカード」とは、ユーザが実店舗やインターネット上の店舗への支払いのために利用することができるカードのことを言う。ユーザから店舗へ支払われるべき代金が、デビットカードに紐付けられた預金口座から即時に引き落とされる。なお、デビットカードに紐付けられた預金口座を管理するサーバ(銀行のサーバ)と各店舗に設置される端末(決済端末)との間に、デビットカードに関する処理を実行するサーバ(後述する利用情報管理サーバ102)を設置してもよい。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態にかかる貯蓄および投資システムの全体の概要図である。貯蓄および投資システム100は、ユーザがデビットカードを利用することに連動して貯蓄または投資をすることができるシステムである。貯蓄および投資システム100は、店舗端末101、利用情報管理サーバ102、支払い口座管理サーバ103、貯蓄・投資用口座管理サーバ104、受付サーバ105から構成される。ユーザ106は、デビットカード107で支払いを行うことができる。また、ユーザ106は、ユーザ端末108で本発明に係るサービスを申し込むことができる。
【0012】
本発明に係るサービスの流れの例を説明すると、まず、ユーザ106は、支払いの際に店舗でデビットカード107を提示する。店舗に設置された店舗端末101は、利用情報管理サーバ102へ、デビットカード107による支払いの詳細(以下、「利用情報」ともいう)のデータを送信する。利用情報管理サーバ102は、支払い口座管理サーバ103へ、店舗端末101から受信した利用情報のデータを送信する。支払い口座管理サーバ103は、デビットカード107に紐付けられた預金口座(以下、「支払い口座」ともいう)を管理するコンピュータである。そして、支払い口座管理サーバ103は、デビットカード107の利用に応じて、支払い口座内の資金の一部を、貯蓄・投資用口座管理サーバ104が管理する口座へ資金移動(例えば、振込や振替)させることができる。このように、ユーザ106がデビットカード107を利用すると、自動的に貯蓄または投資が行われる。以下、各サーバおよび端末について説明する。
【0013】
店舗端末101は、ユーザ106がデビットカード107で支払いを行うことができる店舗に設置される。店舗端末101は、デビットカード107による決済を実行するための端末である。具体的には、店舗端末101は、利用情報管理サーバ102へ、デビットカード107による支払いの詳細(つまり、利用情報)のデータを送信することができる。「利用情報」には、デビットカード107を特定するためのデータ(例えば、カード番号)が含まれ得る。また、「利用情報」には、デビットカード107が利用された店舗(以下、「利用店」ともいう)を示すデータ、および、デビットカード107で決済された金額(つまり、ユーザ106から店舗へ支払われる代金の額。以下、「利用額」ともいう)を示すデータが含まれ得る。また、「利用情報」には、デビットカード107が利用された日付や日時(以下、「利用日」や「利用日時」ともいう)を示すデータが含まれ得る。なお、本明細書では、実店舗でデビットカードを利用する場合を説明するが、本発明は、インターネット上の店舗でデビットカードを利用する場合にも適用することができる。
【0014】
利用情報管理サーバ102は、各店舗から送られてきた利用情報を管理するためのコンピュータである。具体的には、利用情報管理サーバ102は、店舗端末101から、利用情報のデータを受信することができる。また、利用情報管理サーバ102は、支払い口座管理サーバ103へ、店舗端末101から受信した利用情報のデータを送信することができる。例えば、利用情報管理サーバ102は、店舗端末101を管理しているクレジットカード会社に設置される。なお、利用情報管理サーバ102を省いて、店舗端末101が支払い口座管理サーバ103へ利用情報のデータを直接送信するようにしてもよい。
【0015】
支払い口座管理サーバ103は、デビットカード107に紐付けられた預金口座(つまり、支払い口座)を管理するためのコンピュータである。この支払い口座から、デビットカード107により支払われた代金、および、貯蓄または投資をするための資金が引き落とされる。支払い口座管理サーバ103は、デビットカード107の利用情報に基づいて貯蓄または投資をする金額を決定し、その金額を貯蓄・投資用口座管理サーバ104が管理する口座へ資金移動(例えば、振込や振替)させることができる。例えば、支払い口座管理サーバ103は、支払い口座が開設されている銀行に設置される。以下、図2を参照しながら、支払い口座管理サーバ103について説明する。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態にかかる貯蓄および投資システムの支払い口座管理サーバ103の機能ブロック図である。支払い口座管理サーバ103は、利用情報受信部201、算出部202、資金移動部203、支払い口座データベース204、貯蓄・投資用口座データベース205を備える。以下、それぞれについて説明する。
【0017】
利用情報受信部201は、利用情報管理サーバ102から、利用情報のデータを受信することができる。上述のとおり、利用情報受信部201は、店舗端末101から、利用情報のデータを直接受信するようにしてもよい。
【0018】
算出部202は、利用情報受信部201が受信した利用情報のデータに基づいて、資金移動させる金額(例えば、貯蓄または投資、あるいは寄付をする金額。以下、「貯蓄額または投資額」ともいう)を決定して、その貯蓄額または投資額を支払い口座データベース204に格納することができる。具体的には、算出部202は、利用情報受信部201が受信した利用情報に含まれるカード番号などによって、利用されたデビットカード107を特定することができる。また、算出部202は、貯蓄・投資用口座データベース205を参照して、利用されたデビットカード107に対して登録されている「貯蓄・投資額の算出方法」を特定することができる。また、算出部202は、特定した「貯蓄・投資額の算出方法」に従って、貯蓄額または投資額を算出することができる。以下、「貯蓄・投資額の算出方法」として4つの例を説明する。
【0019】
<貯蓄・投資額の算出方法(その1)>
この例は、現金での支払い時の釣り銭を貯金することを想定したものである。具体的には、算出部202は、予め登録された単位の金額になるように利用額を切り上げて、切り上げた金額から利用額を減算した金額を、貯蓄額または投資額として決定することができる。例えば、利用額が1,296円だったとする。また、1,000円単位の金額になるように利用額を切り上げるよう登録されていたとする。そうすると、算出部202は、利用額(1,296円)を予め登録された単位(1,000円)の金額になるように切り上げて(1,296円を2000円に切り上げて)、切り上げた金額から利用額を減算(2,000円―1,296円)した金額(704円)を、貯蓄額または投資額として決定する。なお、1,000円単位に限らず、100円単位、10,000円単位などの任意の単位を採用してよい。別の実施形態として、算出部202は、固定された金額(例えば、常に5,000円)から利用額を減算した金額を、貯蓄額または投資額として決定するようにしてもよい。
【0020】
<貯蓄・投資額の算出方法(その2)>
この例は、利用額にかかわらず、ユーザ106がデビットカード107を利用するたびに定額を貯蓄または投資をするものである。具体的には、算出部202は、ユーザ106がデビットカード107を利用するたびに、予めユーザ106や銀行などによって登録された金額(例えば、100円)を貯蓄額または投資額として決定することができる。
【0021】
<貯蓄・投資額の算出方法(その3)>
この例は、その1とその2を組み合わせたものであり、500円玉貯金を想定したものである。具体的には、算出部202は、その1で算出された金額が所定の金額(例えば、500円)以上である場合に、その所定の金額を貯蓄額または投資額として決定することができる。
【0022】
<貯蓄・投資額の算出方法(その4)>
この例は、AI(人工知能)を活用して貯蓄額または投資額を決定するものである。上述のとおり、少額の資金運用をするユーザに対して銀行員などが対面して相談を行うのではコストに見合わないため、AI(人工知能)の技術を適用することによって、低コストでユーザ106に適切な貯蓄額や投資額を提案することができる。
【0023】
例えば、AI(人工知能)の技術を適用して、算出部202は、過去の利用情報を解析してユーザ106の生活水準を推測し、ユーザ106の生活水準を勘案した貯蓄額または投資額を決定することができる。また、算出部202は、ユーザ106によって登録された目標金額を達成するために適した貯蓄額または投資額を決定することができる。以下、「定期的に貯蓄または投資をする場合」と、「デビットカード107を利用するたびに貯蓄または投資をする場合」とに分けて説明する。
【0024】
「定期的に貯蓄または投資をする場合」について説明する。算出部202は、定期的に(例えば、ひと月に1回)、ユーザ106の収支の差分を、貯蓄額または投資額として決定することができる。例えば、算出部202は、支払い口座データベース204を参照して、「ユーザ106の支払い口座に振り込まれたその月の給与の金額」から「デビットカード107の利用額のその月の総額」を減額した差額がゼロより大きい場合に、その差額を貯蓄額または投資額として決定することができる。あるいは、算出部202は、支払い口座データベース204を参照して、「ユーザ106の支払い口座に振り込まれたその月の給与の金額」から「ユーザ106の支払い口座から出金された金額(デビットカード107の利用額、ATMなどで引き出された金額、他の口座へ振込・振替された金額など)のその月の総額」を減額した差額がゼロより大きい場合に、その差額を貯蓄額または投資額として決定することができる。あるいは、算出部202は、所定の日(例えば、給料日の前日)におけるユーザ106の支払い口座の残高を貯蓄額または投資額として決定することができる。また、算出部202は、差額や残高のうち所定の割合(例えば、収支の差分の8割)の金額を貯蓄額または投資額として決定することができる。
【0025】
「デビットカード107を利用するたびに貯蓄または投資をする場合」について説明する。算出部202は、ユーザ106がデビットカード107を利用するたびに、そのユーザ106のその利用に見合った貯蓄額または投資額を決定することができる。具体的には、算出部202は、ユーザ106の収入面と支出面との両方を解析することができる。
【0026】
収入については、算出部202は、支払い口座データベース204を参照して、ユーザ106の支払い口座に振り込まれた金額(例えば、所定の振込元から振り込まれた給与、生活費、小遣いなどの金額)を解析することができる。例えば、算出部202は、振り込まれた金額の増減、振り込まれた回数、頻度などを解析することができる。
【0027】
支出については、算出部202は、利用情報のデータを解析することができる。例えば、算出部202は、利用情報に含まれる利用店と、利用額と、利用日(あるいは利用日時)とのうちの少なくとも1つを解析することができる。また、算出部202は、ユーザが店舗でデビットカード107を利用した回数や頻度などを解析することができる。さらに、算出部202は、支出の解析により、そのユーザ106の生活水準を推測することができる。生活水準とは、ユーザ106がどのような生活を過ごしているかを示すものである。なお、算出部202は、貯蓄額または投資額を算出する対象となるユーザ106の過去の利用情報を解析してもよいし、すべてのユーザ106の過去の利用情報を解析してもよいし、所定のグループに属するユーザ106の過去の利用情報を解析してもよい。例えば、所定のグループは、貯蓄額または投資額を算出する対象となるユーザ106と同一または類似するユーザ情報(性別、年齢、職業、住所など)や同一または類似する利用情報(よく利用する店舗の傾向、利用額、利用する日にちや時間帯など)を有するユーザ106のグループである。
【0028】
算出部202は、上述のように収入と支出を解析して、貯蓄または投資をする金額を決定することができる。例えば、算出部202は、そのユーザ106の生活水準を勘案した貯蓄額または投資額を決定することができる(例えば、生活水準に対して収入の割合が高い場合には、貯蓄額または投資額を増やすなど)。また、算出部202は、所定の期間(目標期間)内に貯蓄または投資される金額が、ユーザ106によって登録された目標金額となるように、貯蓄額または投資額を決定することができる。
【0029】
例えば、算出部202は、収入(給与など)とデビットカード107による支出との過去の差額を勘案して、そのユーザが所定の期間(例えば、一か月間)内に貯蓄または投資すべき目標金額を決定することができる。あるいは、算出部202は、収入(給与など)と全ての支出(デビットカード107による支出、ATMなどで引き出された金額、他の口座へ振込・振替された金額などの総額)との過去の差額を勘案して、そのユーザが所定の期間(例えば、一か月間)内に貯蓄または投資すべき目標金額を決定することができる。また、算出部202は、所定の日(例えば、給料日の前日)におけるユーザ106の支払い口座の過去の残高を勘案して、そのユーザが所定の期間(例えば、一か月間)内に貯蓄または投資すべき目標金額を決定することができる。そして、算出部202は、そのユーザが所定の期間(例えば、一か月間)にデビットカード107を利用する回数を勘案して、所定の期間(例えば、一か月間)に目標金額を達成できるように、デビットカード107を利用するたびに貯蓄または投資する金額を決定することができる。この際、算出部202は、デビットカード107が所定の店舗で利用された場合、デビットカード107の利用額が所定の金額以上である場合、デビットカード107が所定の回数や頻度以上で利用された場合などに、貯蓄額または投資額を増やす(または減らす)ことができる。このように、算出部202は、種々の解析を組み合わせて、適切な貯蓄額または投資額を決定することができる。
【0030】
図2に戻る。支払い口座データベース204は、デビットカード107に紐付けられた預金口座(つまり、支払い口座)に関する情報を格納したデータベースである。以下、図3および図4を参照しながら、支払い口座データベース204について説明する。
【0031】
図3は、本発明の一実施形態にかかる貯蓄および投資システムの支払い口座データベース(支払い口座)204の例である。支払い口座データベース204は、図3に示されるように、デビットカード107を特定するためのデータ(例えば、カード番号)と、支払い口座を特定するためのデータ(例えば、支店名、口座番号)とを紐付けて管理している。この支払い口座から、デビットカード107により支払われた代金、および、資金移動させる(例えば、貯蓄または投資、あるいは寄付をする)ための資金が引き落とされる。
【0032】
図4は、本発明の一実施形態にかかる貯蓄および投資システムの支払い口座データベース(入出金明細)の例である。支払い口座データベース204は、図4に示されるように、支払い口座ごとに、入出金の明細を管理している。具体的には、「取引日」は、取引が行われた日付や日時を示す。例えば、「取引日」には、デビットカード107の利用日や利用日時、資金移動(例えば、振込や振替)された日、給与などの振込日のデータが格納される。「取引内容」は、その取引の内容を示す。例えば、「取引内容」には、デビットカード107の利用店、給与などの振込元のデータが格納される。「出金額」は、その取引で出金された金額を示す。例えば、「出金額」には、デビットカード107の利用額、貯蓄・投資用口座管理サーバ104が管理する口座へ資金移動(例えば、振込や振替)された金額のデータが格納される。「入金額」は、その取引で入金された金額を示す。例えば、「入金額」には、振り込まれた給与などの金額のデータが格納される。「取引後残高」は、その取引(つまり、入金または出金)が実行された後の口座の残高を示す。
【0033】
図2に戻る。貯蓄・投資用口座データベース205は、デビットカード107の利用に応じて行われる貯蓄および投資に関する情報を格納したデータベースである。以下、図5を参照しながら、貯蓄・投資用口座データベース205について説明する。
【0034】
図5は、本発明の一実施形態にかかる貯蓄および投資システムの貯蓄・投資用口座データベース205の例である。貯蓄・投資用口座データベース205は、図5に示されるように、デビットカード107ごとに、貯蓄および投資に関する情報を管理している。具体的には、貯蓄・投資用口座データベース205は、デビットカード107を特定するためのデータ(「カード番号」など)を格納することができる。また、貯蓄・投資用口座データベース205は、そのデビットカード107の利用に応じて、貯蓄または投資をする金額をどのように算出するかを示す「貯蓄・投資額の算出方法」のデータを格納することができる。「貯蓄・投資額の算出方法」として、例えば、上述の<貯蓄・投資額の算出方法(その1)〜(その4)>が採用されうる。また、貯蓄・投資用口座データベース205は、そのデビットカード107の利用に応じて、どのような貯蓄または投資をするかを示す「貯蓄・投資の種類」のデータを格納することができる。「貯蓄・投資の種類」として、例えば、銀行の定期預金、積立預金、外貨預金、投資信託、証券会社の株式投資、投資信託などがある。あるいは、「貯蓄・投資の種類」として、義援金などの寄付をすることを示すデータを格納することもできる。また、貯蓄・投資用口座データベース205は、「貯蓄・投資の種類」で登録された貯蓄または投資、あるいは寄付をするために必要な口座を特定するためのデータ(例えば、銀行の定期預金用の口座、外貨預金用の口座、投資信託用の口座、NISA口座、証券会社の証券口座、NISA口座、寄付を受け付けている口座など)を格納することができる。また、貯蓄・投資用口座データベース205は、ユーザ106によって登録された、デビットカード107の利用に応じて貯蓄または投資したい金額(目標金額)、および、目標金額を達成するために貯蓄または投資する期間(目標期間)のデータを格納することができる。また、貯蓄・投資用口座データベース205は、ユーザの属性を示す「ユーザ情報(例えば、ユーザ106の性別、年齢、職業、住所など)」のデータを格納することができる。「ユーザ情報」のデータは、AI(人工知能)を活用して貯蓄額または投資額を決定する際に使用される。
【0035】
図2に戻る。資金移動部203は、算出部202が決定した資金移動させる金額(例えば、貯蓄または投資、あるいは寄付をする金額)を貯蓄・投資用口座管理サーバ104が管理する口座へ資金移動(例えば、振込や振替)させることができる。以下、資金移動方法として2つの例を説明する。なお、以下の<資金移動方法(その1)〜(その2)>と、上述の<貯蓄・投資額の算出方法(その1)〜(その4)>とは、任意の組み合わせが可能である。なお、資金移動部203は、デビットカード107で決済された金額を店舗の口座へ入金させることができる。店舗の口座への入金は、従来どおりの処理であるので説明を省略する。
【0036】
<資金移動方法(その1)>
この例では、デビットカード107が利用されるたびに、資金移動が実行される。具体的には、資金移動部203は、利用情報受信部201が受信した利用情報に含まれるカード番号などによって、利用されたデビットカード107を特定することができる。また、資金移動部203は、支払い口座データベース204を参照して、利用されたデビットカード107に紐付けられた支払い口座を特定することができる。また、資金移動部203は、貯蓄・投資用口座データベース205を参照して、利用されたデビットカード107に紐付けられた貯蓄・投資用口座を特定することができる。また、資金移動部203は、算出部202が算出した貯蓄額または投資額を、特定した支払い口座から特定した貯蓄・投資用口座へ資金移動させることができる。このように、資金移動部203は、デビットカード107が利用されるたびに即時に資金移動を実行することができる。
【0037】
例えば、図4を参照しながら、<資金移動方法(その1)>を説明すると、ユーザ106は、2016年12月5日に「○○商店」という店舗において、デビットカード107で1,500円の支払いをしている。この支払いと同時に500円が貯蓄されている(つまり、貯蓄用口座へ振り替えられている)。その後、2016年12月6日に「○○株式会社」から100,000円が振り込まれている。その後、2016年12月7日に「××商店」という店舗において、デビットカード107で2,800円の支払いをしている。この支払いと同時に200円が貯蓄されている(つまり、貯蓄用口座へ振り替えられている)。
【0038】
<資金移動方法(その2)>
この例では、貯蓄額または投資額のデータを蓄積しておいて、後でまとめて資金移動が実行される。具体的には、資金移動部203は、定期的に(例えば、ひと月に1回、一週間に1回)、所定の期間(例えば、一ヶ月間、一週間)に算出部202が決定した貯蓄額または投資額の合計額を算出することができる。また、資金移動部203は、算出した貯蓄額または投資額の合計額を、支払い口座から貯蓄・投資用口座へ資金移動させることができる。例えば、資金移動部203は、ユーザ端末108へ合計額を提示した後、ユーザ端末108からの資金移動の依頼に応答して、資金移動を実行することができる。なお、支払い口座と貯蓄・投資用口座の特定の仕方については、<資金移動方法(その1)>と同じであるので説明を省略する。
【0039】
例えば、図6を参照しながら、<資金移動方法(その2)>を説明すると、ユーザ106は、2016年12月5日に「○○商店」という店舗において、デビットカード107で1,500円の支払いをしている。この支払いと同時に500円の貯蓄額が支払い口座データベース204に格納される(しかし、貯蓄用口座へは振り替えられない。よって、残高は変更されない)。その後、2016年12月6日に「○○株式会社」から100,000円が振り込まれている。その後、2016年12月7日に「××商店」という店舗において、デビットカード107で2,800円の支払いをしている。この支払いと同時に200円の貯蓄額が支払い口座データベース204に格納される(しかし、貯蓄用口座へは振り替えられない。よって、残高は変更されない)。その後、2016年12月9日に、所定の期間に算出部202が決定した貯金額または投資額の合計額(500円+200円)が算出されて、算出された合計額(700円)が振り替えられる(よって、残高は変更する)。
【0040】
このように、後で資金移動が実行されると、実際に資金移動を実行する時には残高が不足している場合(上述の例で言うと、2016年12月9日に残高が700円未満である場合)がある。そのため、支払い口座の残高が貯蓄・投資額のその時点までの合計額(つまり、資金移動されていない貯蓄・投資額の合計額)よりも小さくなった時に、ユーザ106に電子メールなどでその旨を知らせるようにしてもよい。あるいは、実際に貯蓄または投資をする金額(つまり、資金移動させる金額)を残高の範囲内となるように減額できるようにしてもよい。
【0041】
あるいは、<資金移動方法(その2)>の変形例として、蓄積された貯金額または投資額(つまり、支払い口座データベース204に格納されるだけで資金移動はなされない貯金額または投資額)分については支払い口座から出金できないようにしてもよい。
【0042】
図1に戻る。貯蓄・投資用口座管理サーバ104は、定期預金、外貨預金などの貯蓄や株式投資、投資信託などの投資に利用される口座を管理するためのコンピュータである。具体的には、貯蓄・投資用口座管理サーバ104が管理する口座に、例えば、貯蓄または投資、あるいは寄付をする金額が資金移動される。例えば、貯蓄・投資用口座管理サーバ104は、銀行や証券会社などに設置される。
【0043】
受付サーバ105は、本発明に係るサービスの申込みを受け付けるためのコンピュータである。具体的には、受付サーバ105は、ユーザ端末108から、申込みのためのデータ(例えば、貯蓄・投資額の算出方法、貯蓄・投資の種類、貯蓄・投資用口座、目標金額や目標期間)を受信することができる。
【0044】
以上のように、各サーバおよび端末は構成される。上記のほかに、以下のような機能を追加することもできる。
【0045】
<少額の貯蓄・投資額に対応するための機能>
貯蓄・投資の種類によっては、預入できる最低金額が決まっている場合がある(例えば、外貨預金では1通貨単位以上など)。算出部202が決定した貯蓄・投資額が最低金額よりも小さい場合、資金移動部203が資金移動を実行しないようにしてもよい。あるいは、算出部202が決定した貯蓄・投資額が最低金額よりも小さい場合、資金移動部203が最低金額を資金移動させるようにしてもよい。
【0046】
<貯蓄・投資の付加サービスと連動した機能>
デビットカード107の利用に応じて、貯蓄および投資の付加サービスをユーザ106に提供するようにしてもよい。例えば、デビットカード107を利用した回数の合計が所定の値を超えた場合、デビットカード107を利用した頻度が所定の値を超えた場合などに、ユーザ106に対して、IPO(新規公開株)の抽選の確率を変動させるなどのサービスを提供するようにしてもよい。
【0047】
図7は、本発明の一実施形態にかかる貯蓄および投資システムにおける処理の流れの例を示すシーケンス図である。これは、上記の<資金移動方法(その1)>の場合であり、デビットカード107が利用されるたびに、資金移動が実行される。
【0048】
ステップ701において、受付サーバ105は、ユーザ端末108から、申込みのためのデータを受信する。受付サーバ105は、受信した申込みのためのデータを、貯蓄・投資用口座データベース205に格納する。
【0049】
ステップ702において、支払い口座管理サーバ103は、店舗端末101から、利用情報のデータを受信する。支払い口座管理サーバ103は、受信した利用情報のデータを、支払い口座データベース204に格納する。
【0050】
ステップ703において、支払い口座管理サーバ103は、デビットカード107で決済された金額を店舗の口座へ入金する。店舗の口座への入金は、従来どおりの処理であるので説明を省略する。なお、支払い口座から引き落としができなかった場合は、支払い口座管理サーバ103は、店舗端末101へエラーを送信する。
【0051】
ステップ704において、支払い口座管理サーバ103は、ステップ702で受信した利用情報のデータに基づいて、貯蓄額または投資額を決定する。
【0052】
ステップ705において、支払い口座管理サーバ103は、ステップ702で受信した利用情報のデータに基づいて、支払い口座および貯蓄・投資用口座を特定する。
【0053】
ステップ706において、支払い口座管理サーバ103は、ステップ705で特定した支払い口座の残高から、ステップ704で決定した貯蓄額または投資額分を減額する。
【0054】
ステップ707において、支払い口座管理サーバ103は、貯蓄・投資用口座管理サーバ104へ、ステップ704で決定した貯蓄額または投資額と、ステップ705で特定した貯蓄・投資用口座とを示すデータを送信する。
【0055】
ステップ708において、貯蓄・投資用口座管理サーバ104は、ステップ707で受信した貯蓄・投資用口座の残高を、ステップ707で受信した貯蓄額または投資額分増額する。このように、デビットカード107が利用されると即時に資金移動が実行される。
【0056】
図8は、本発明の一実施形態にかかる貯蓄および投資システムにおける処理の流れの別の例を示すシーケンス図である。これは、上記の<資金移動方法(その2)>の場合であり、貯蓄額または投資額のデータを蓄積しておいて、後でまとめて資金移動が実行される。
【0057】
ステップ801〜ステップ804は、図7のステップ701〜ステップ704と同じであるので説明を省略する。
【0058】
ステップ805において、支払い口座管理サーバ103は、ステップ804で決定した貯蓄・投資額を、支払い口座データベース204に格納のみする(つまり、この時点では貯蓄・投資用口座へは資金移動されない)。
【0059】
ステップ806において、支払い口座管理サーバ103は、所定の期間に決定した貯蓄額または投資額の合計額を算出する。そして、支払い口座管理サーバ103は、算出した合計額を示すデータをユーザ端末108へ送信する。なお、ステップ806は、定期的に(例えば、ひと月に1回、一週間に1回)実行される。
【0060】
ステップ807において、ユーザ端末108は、支払い口座管理サーバ103へ、ステップ806で提示された合計額の資金移動を実行するように依頼するデータを送信する。
【0061】
ステップ808〜ステップ811は、図7のステップ705〜ステップ708と同じであるので説明を省略する。このように、貯蓄額または投資額のデータを蓄積しておいて、後でまとめて資金移動が実行される。
【0062】
図7および図8において、支払い口座の残高が、店舗へ支払うべき金額と資金移動されるべき金額との合計未満であったときには、次のいずれかの処理が実行され得る。
【0063】
<デビットカードによる支払いも資金移動も不実行>
支払い口座の残高が、店舗へ支払うべき金額と資金移動されるべき金額との合計未満であったときには必ず、デビットカードによる支払いが実行されず、かつ、資金移動も実行されないようにする。
【0064】
<デビットカードによる支払いのみ実行>
支払い口座の残高が、店舗へ支払うべき金額と資金移動されるべき金額との合計未満であるが、店舗へ支払うべき金額以上であったときには、デビットカードによる支払いのみ実行して、資金移動を実行しないようにする。
【0065】
<デビットカードによる支払いと一部の資金移動を実行>
支払い口座の残高が、店舗へ支払うべき金額と資金移動されるべき金額との合計未満であるが、店舗へ支払うべき金額以上であったときには、デビットカードによる支払いを実行して、資金移動されるべき金額を減額させて(例えば、残高の8割)資金移動を実行するようにする。
【0066】
このように、本発明では、デビットカードを利用するだけで自動的に貯蓄または投資をすることができるので、キャッシュレスの決済であってもユーザが小銭を少しずつ貯めることができる。また、本発明はユーザがデビットカードを利用する動機づけとなり、デビットカードの利用を促進することができる。さらに、今まで外貨預金や株式・投資信託などに挑戦したくても踏ん切りがつかなかった人にとって、本発明はこれらを始めるきっかけとなる。
【0067】
ここまで、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態はあくまで例であり、本発明は上述した実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【0068】
また、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
【符号の説明】
【0069】
100 貯蓄および投資システム
101 店舗端末
102 利用情報管理サーバ
103 支払い口座管理サーバ
104 貯蓄・投資用口座管理サーバ
105 受付サーバ
106 ユーザ
107 デビットカード
108 ユーザ端末
201 利用情報受信部
202 算出部
203 資金移動部
204 支払い口座データベース
205 貯蓄・投資用口座データベース
【要約】
【課題】デビットカードのようなキャッシュレスの決済であっても小銭を貯蓄または投資をすることができるシステム、方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】店舗端末から、デビットカードの利用情報を受信する利用情報受信部と、前記受信した利用情報に基づいて、資金移動させる金額を決定する算出部と、前記デビットカードに関連付けられた支払い口座の情報および前記デビットカードに関連付けられた資金移動先の口座の情報を格納したデータベースと、前記決定した資金移動させる金額を、前記支払い口座から前記資金移動先の口座へ資金移動させる資金移動部と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8