特許第6231667号(P6231667)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6231667ナレッジポイント関係強度を測定する方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231667
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】ナレッジポイント関係強度を測定する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20171106BHJP
   G06N 5/02 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   G06F17/30 220Z
   G06F17/30 419B
   G06N5/02 120
【請求項の数】14
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-517320(P2016-517320)
(86)(22)【出願日】2013年12月5日
(65)【公表番号】特表2016-538611(P2016-538611A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(86)【国際出願番号】CN2013088625
(87)【国際公開番号】WO2015043068
(87)【国際公開日】20150402
【審査請求日】2016年5月24日
(31)【優先権主張番号】201310456247.X
(32)【優先日】2013年9月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515150025
【氏名又は名称】ペキン ユニバーシティ ファウンダー グループ カンパニー,リミティド
(73)【特許権者】
【識別番号】516020606
【氏名又は名称】ファウンダー アパビ テクノロジー リミティド
(73)【特許権者】
【識別番号】510117919
【氏名又は名称】ペキン ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】イエ マオ
(72)【発明者】
【氏名】ターン ジー
(72)【発明者】
【氏名】シュイ ジエンボー
【審査官】 山本 俊介
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第102622363(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0197878(US,A1)
【文献】 特開2011−164791(JP,A)
【文献】 特表2003−522993(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0231862(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第102385629(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
G06N 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全てのナレッジポイントに対するナレッジポイント明示的関係強度値を計算するとともにナレッジポイント関係強度行列Mを生成するステップと、
全てのナレッジポイントのナレッジポイント関係強度行列に従って重み付きの有向グラフGを作成するステップと、
前記重み付きの有向グラフGに従ってナレッジポイント黙示的関係強度値を計算するとともにナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを生成するステップと、
前記ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの各要素をトラバースするステップと、
IjiがMijより大きいか否かを決定するステップと、
Iji>Mijである場合、MijをMij=Ijiとして再指定し、前記ナレッジポイント関係強度行列Mを更新した後に前記ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの次の要素に進むステップと、
Iji<Mijである場合、前記ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの全ての要素をトラバースするまで前記ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの次の要素に進むステップと、
を備えることを特徴とするナレッジポイント関係強度を測定する方法。
【請求項2】
全てのナレッジポイントに対するナレッジポイント明示的関係強度値を計算するとともにナレッジポイント関係強度行列Mを生成するステップは、
ナレッジポイント前方明示的関係強度値を計算するステップと、
ナレッジポイント後方明示的関係強度値を計算するステップと、
前記ナレッジポイント前方明示的関係強度値及び前記ナレッジポイント後方明示的関係強度値に従って前記ナレッジポイント明示的関係強度値を計算するステップと、
前記ナレッジポイント明示的関係強度値に従って前記ナレッジポイント関係強度行列Mを生成するステップと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のナレッジポイント関係強度を測定する方法。
【請求項3】
前記ナレッジポイント前方明示的関係強度値の計算方法は、
【数1】
であり、fP(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでの前記ナレッジポイント前方明示的関係強度値であり、μは、前記ナレッジポイントoが前記ナレッジポイントoの関連したテキストに出現する回数であり、βは制御係数であり、0.5≦β≦2であり、i,jは、負でない整数であり、i,j=1,2,...,nであり、nは、ナレッジポイントの個数であり、
又は、
前記ナレッジポイント後方明示的関係強度値の計算方法は、
【数2】
であり、fN(i,j)は、前記ナレッジポイントoから前記ナレッジポイントoまでの前記ナレッジポイント後方明示的関係強度値であり、αは連関係数であり、1≦α≦5であり、αは、正の整数であり、fP(i,j)は、前記ナレッジポイントoから前記ナレッジポイントoまでの前記ナレッジポイント前方明示的関係強度値であることを特徴とする請求項2に記載のナレッジポイント関係強度を測定する方法。
【請求項4】
前記ナレッジポイント明示的関係強度値の計算方法は、
【数3】
であり、fE(i,j)は、レッジポイントoからレッジポイントoまでの前記ナレッジポイント明示的関係強度値であり、fP(i,j)は、前記ナレッジポイントoから前記ナレッジポイントoまでの前記ナレッジポイント前方明示的関係強度値であり、fN(i,j)は、前記ナレッジポイントoから前記ナレッジポイントoまでの前記ナレッジポイント後方明示的関係強度値であり、αは連関係数であり、1≦α≦5であり、αは、正の整数であることを特徴とする請求項2又は3に記載のナレッジポイント関係強度を測定する方法。
【請求項5】
前記重み付き有向グラフGは、エッジ、重み及び頂点を備え、前記エッジ及び前記重みの設定方法は、
Mij>0の場合には、前記重み付き有向グラフGのレッジポイントoからレッジポイントoまでのエッジの重みを-ln(Mij)に設定し、Mij=0の場合には、前記重み付き有向グラフGの前記ナレッジポイントoから前記ナレッジポイントoまでのエッジが存在し、Mijは、前記ナレッジポイントoから前記ナレッジポイントoまでの前記ナレッジポイント明示的関係強度値を表すことを備え、
前記重み付き有向グラフGの頂点は、Mの頂点と同一であり、
又は、
前記重み付き有向グラフGを行列として表し、
又は、
前記重み付き有向グラフGの前記ナレッジポイントoから前記ナレッジポイントoまでの最短の単純路の長さCijを、ダイクストラ法、SPFA、フロイド−ワーシャル法又はベルマン−フォード法を用いて計算することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のナレッジポイント関係強度を測定する方法。
【請求項6】
前記ナレッジポイント黙示的関係強度値の計算方法は、
【数4】
であり、fI(i,j)は、レッジポイントoからレッジポイントoまでの前記ナレッジポイント黙示的関係強度値であり、Cijは、前記重み付き有向グラフGの前記ナレッジポイントoから前記ナレッジポイントoまでの最短の単純路の長さを表し、
前記ナレッジポイントoから前記ナレッジポイントoまでに単純路が存在しない場合、fI(i,j)=0であり、ナレッジポイントからの黙示的関係強度の値を0に設定し、
黙示的関係強度の値fI(i,j)を、前記ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを生成するために行列に格納することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のナレッジポイント関係強度を測定する方法。
【請求項7】
制御係数β=1又は連関関数α=2であることを特徴とする請求項3〜のいずれか一項に記載のナレッジポイント関係強度を測定する方法。
【請求項8】
全てのナレッジポイントに対するナレッジポイント明示的関係強度値を計算するとともにナレッジポイント関係強度行列Mを生成するナレッジポイント関係強度行列生成モジュールと、
全てのナレッジポイントのナレッジポイント関係強度行列に従って重み付きの有向グラフGを作成する重み付きの有向グラフ作成モジュールと、
前記重み付きの有向グラフGに従ってナレッジポイント黙示的関係強度値を計算するとともにナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを生成するナレッジポイント黙示的関係強度行列生成モジュールと、
前記ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iをトラバースするとともに前記ナレッジポイント関係強度行列Mを更新する更新モジュールと、
を備え
前記更新モジュールは、
前記ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの各要素をトラバースする検索部と、
IjiがMijより大きいか否かを決定する決定部と、
Iji>Mijである場合、MijをMij=Ijiとして再指定し、前記ナレッジポイント関係強度行列Mを更新した後に前記ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの次の要素に進み、Iji<Mijである場合、前記ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの全ての要素をトラバースするまで前記ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの次の要素に進む更新部と、
を備えることを特徴とするナレッジポイント関係強度を測定するシステム。
【請求項9】
前記ナレッジポイント関係強度行列生成モジュールは、
ナレッジポイント前方明示的関係強度値を計算する前方明示的関係強度値計算部と、
ナレッジポイント後方明示的関係強度値を計算する後方明示的関係強度値計算部と、
前記ナレッジポイント前方明示的関係強度値及び前記ナレッジポイント後方明示的関係強度値に従って前記ナレッジポイント明示的関係強度値を計算する明示的関係強度値計算部と、
前記ナレッジポイント明示的関係強度値に従って前記ナレッジポイント関係強度行列Mを生成するナレッジポイント関係強度行列生成部と、
を備えることを特徴とする請求項に記載のナレッジポイント関係強度を測定するシステム。
【請求項10】
前記前方明示的関係強度値計算部は、前記ナレッジポイント前方明示的関係強度値を
【数5】
に従って計算し、fP(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでの前記ナレッジポイント前方明示的関係強度値であり、μは、前記ナレッジポイントoが前記ナレッジポイントoの関連したテキストに出現する回数であり、βは制御係数であり、0.5≦β≦2であり、i,jは、負でない整数であり、i,j=1,2,...,nであり、nは、ナレッジポイントの個数であり、
又は、
前記後方明示的関係強度値計算部は、前記ナレッジポイント後方明示的関係強度値を
【数6】
に従って計算し、fN(i,j)は、前記ナレッジポイントoから前記ナレッジポイントoまでの前記ナレッジポイント後方明示的関係強度値であり、αは連関係数であり、1≦α≦5であり、αは、正の整数であり、fP(i,j)は、前記ナレッジポイントoから前記ナレッジポイントoまでの前記ナレッジポイント前方明示的関係強度値であることを特徴とする請求項に記載のナレッジポイント関係強度を測定するシステム。
【請求項11】
前記ナレッジポイント関係強度行列生成モジュールは、前記ナレッジポイント明示的関係強度値を
【数7】
に従って計算し、fE(i,j)は、レッジポイントoからレッジポイントoまでの前記ナレッジポイント明示的関係強度値であり、fP(i,j)は、前記ナレッジポイントoから前記ナレッジポイントoまでの前記ナレッジポイント前方明示的関係強度値であり、fN(i,j)は、前記ナレッジポイントoから前記ナレッジポイントoまでの前記ナレッジポイント後方明示的関係強度値であり、αは連関係数であり、1≦α≦5であり、αは、正の整数であり、
又は、
制御係数β=1又は連関関数α=2であることを特徴とする請求項10のいずれか一項に記載のナレッジポイント関係強度を測定するシステム。
【請求項12】
前記重み付き有向グラフGは、エッジ、重み及び頂点を備え、前記エッジ及び前記重みの設定方法は、
Mij>0の場合には、前記重み付き有向グラフGのレッジポイントoからレッジポイントoまでのエッジの重みを-ln(Mij)に設定し、Mij=0の場合には、前記重み付き有向グラフGの前記ナレッジポイントoから前記ナレッジポイントoまでのエッジが存在し、Mijは、前記ナレッジポイントoから前記ナレッジポイントoまでの前記ナレッジポイント明示的関係強度値を表すことを備え、
前記重み付き有向グラフGの頂点は、Mの頂点と同一であり、
又は、
前記重み付き有向グラフGを行列として表し、
又は、
前記ナレッジポイント黙示的関係強度行列生成モジュールは、前記ナレッジポイント黙示的関係強度値を
【数8】
に従って計算し、fI(i,j)は、前記ナレッジポイントoから前記ナレッジポイントoまでの前記ナレッジポイント黙示的関係強度値であり、Cijは、前記重み付き有向グラフGの前記ナレッジポイントoから前記ナレッジポイントoまでの最短の単純路の長さを表し、
前記ナレッジポイントoから前記ナレッジポイントoまでに単純路が存在しない場合、fI(i,j)=0であり、ナレッジポイントからの黙示的関係強度の値を0に設定し、
黙示的関係強度の値fI(i,j)を、前記ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを生成するために行列に格納することを特徴とする請求項11のいずれか一項に記載のナレッジポイント関係強度を測定するシステム。
【請求項13】
前記重み付き有向グラフGのナレッジポイントoからナレッジポイントoまでの最短の単純路の長さCijを、ダイクストラ法、SPFA、フロイド−ワーシャル法又はベルマン−フォード法を用いて計算することを特徴とする請求項12のいずれか一項に記載のナレッジポイント関係強度を測定するシステム。
【請求項14】
全てのナレッジポイントに対するナレッジポイント明示的関係強度値を計算するとともにナレッジポイント関係強度行列Mを生成するステップと、
全てのナレッジポイントのナレッジポイント関係強度行列に従って重み付きの有向グラフGを作成するステップと、
前記重み付きの有向グラフGに従ってナレッジポイント黙示的関係強度値を計算するとともにナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを生成するステップと、
前記ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの各要素をトラバースするステップと、
IjiがMijより大きいか否かを決定するステップと、
Iji>Mijである場合、MijをMij=Ijiとして再指定し、前記ナレッジポイント関係強度行列Mを更新した後に前記ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの次の要素に進むステップと、
Iji<Mijである場合、前記ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの全ての要素をトラバースするまで前記ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの次の要素に進むステップと、
を備えるナレッジポイント関係強度を測定する方法を実行するコンピュータ実行可能命令を格納したコンピュータプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナレッジポイント関係強度を測定する方法及びシステムに関し、電気的なデジタルデータ処理の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ナレッジベースの経済の到来に伴い、デジタル出版物は、出版業界において必然的な流れである。多くの人々は、紙の読書から電子的な読書にシフトしている。電子書籍、雑誌、デジタル新聞のような多様な出版物のリソースは、多くの信頼できる知識を含み、高い用途の価値を有する。これらのデジタル出版物のリソースは、一般的には、書籍又は雑誌の文書及び記事の形態で知識及び情報を広げる。読者によって所望されるものは、文書それ自体ではなく、これらの文書から関係のあるナレッジポイントを直接取得することであり、すなわち、調査及び研究のために全ての関係のあるナレッジポイントを技術的に見つけだすことである。
【0003】
同一領域のナレッジポイントは、これらの間の関連を有する。同一テキストのナレッジポイント及びその説明から直接見つけることができる関係は、「明示的関係」と称され、異なるテキストのナレッジポイント及びその説明から間接的に見つけることができる関係は、「目次的関係」と称される。デジタル出版物のリソースとしてのエンサイクロペディアは、ナレッジポイントの要約を備える。エンサイクロペディアのナレッジポイント(項目)は、ナレッジポイント名及びその説明を記載し、他の関連のナレッジポイントは、一般的には、説明部分で言及される。例えば、エンサイクロペディア(中国の中国史のエンサイクロペディア)において、ナレッジポイント「始皇帝」は、「中国を統一した秦王朝の初代の皇帝であり、...呂不韋を王宮から追放して蜀に移し、...始皇三十四年、宰相である李斯の助言を採用した...」として説明されている(一部の内容を「...」で表すことによって省略している。)。ナレッジポイント「始皇帝」はナレッジポイント「呂不韋」との関連を有することを説明から学ぶことができる。同様に、ナレッジポイント「始皇帝」はナレッジポイント「李斯」との関連を有する。これらの関係は、ナレッジポイントと説明との間の存在する明示的関係である。しかしながら、明示的関係に加えて、複数の暗黙的関係が間接的にこれらの間に存在することがあり、暗黙的関係が明示的関係よりも忠実に表現していることがある。したがって、ナレッジポイントの明示的関係に基づいてナレッジポイントの間の暗黙的関係を更に掘り下げる必要があり、ナレッジポイント関係強度の更に良い測定を、ナレッジポイントの間の明示的関係及び暗黙的関係の総合的な考察に基づいて所得することができる。
【0004】
従来技術において、ナレッジポイント関係強度を測定する方法は、ナレッジポイントの間の明示的関係強度値を計算することと、ナレッジポイントの間の関係強度比を計算することと、ナレッジポイントの間の明示的関係強度値及びナレッジポイントの間の関係強度比に従ってナレッジポイントの間の暗黙的関係強度値を計算することと、ナレッジポイント関係強度値を計算することと、を備える。上記の方法において、ナレッジポイント関係強度の値は、各ナレッジポイントが関連のテキストに出現する回数に従って測定される。この方法を用いて関係強度の最大値を取得することができず、これによって、関係強度を決定するための絶対的な測定可能な値が欠如する。その一方で、暗黙的関係は、間接ナレッジポイントの間の関係強度及び関係強度比に従って取得され、関係強度比は、全ての関連のナレッジポイントの関係強度値の和に対するナレッジポイントの明示的関係強度値の比である。このように暗黙的関係強度を取得する方法は、全体のナレッジシステムの観点からナレッジシステムの全ての暗黙的関係を分析する代わりに相対的な方法でナレッジポイントの間の暗黙的関係を取得するだけである。さらに、他の間接的なナレッジポイントによって生じた更に強い関係が二つのナレッジポイントの間に生じ、それを、各ナレッジポイントが関連のテキストに出現する回数を計測する方法を用いて見つけることができない。したがって、全体のナレッジシステムの観点からナレッジポイントの関係強度を測定することが所望される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の解決すべき技術的な課題は、従来技術の関係強度の決定のための絶対的な測定可能な値の欠如、関係強度の不正確な測定又は一部の強力な関係強度を発見できないことの少なくとも一つである。全体のナレッジシステムの観点から関係強度を測定するために、関係強度の決定のために絶対的な測定可能な値を採用し、ナレッジポイント関係強度を測定する方法及びシステムを提供する。
【0006】
上記技術的な課題を解決するために、この開示は、以下の技術的解決法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ナレッジポイント関係強度を測定する方法は、全てのナレッジポイントに対するナレッジポイント明示的関係強度値を計算するとともにナレッジポイント関係強度行列Mを生成するステップと、全てのナレッジポイントのナレッジポイント関係強度行列に従って重み付きの有向グラフGを作成するステップと、重み付きの有向グラフGに従ってナレッジポイント黙示的関係強度値を計算するとともにナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを生成するステップと、ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iをトラバースするとともにナレッジポイント関係強度行列Mを更新するステップと、を備える。
【0008】
任意に、全てのナレッジポイントに対するナレッジポイント明示的関係強度値を計算するとともにナレッジポイント関係強度行列Mを生成するステップは、ナレッジポイント前方明示的関係強度値を計算するステップと、ナレッジポイント後方明示的関係強度値を計算するステップと、ナレッジポイント前方明示的関係強度値及びナレッジポイント後方明示的関係強度値に従ってナレッジポイント明示的関係強度値を計算するステップと、ナレッジポイント明示的関係強度値に従ってナレッジポイント関係強度行列Mを生成するステップと、を備える。
【0009】
任意に、ナレッジポイント前方明示的関係強度値の計算方法は、以下の通りである。
【0010】
【化1】
【0011】
fP(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント前方明示的関係強度値であり、μは、ナレッジポイントoがナレッジポイントoの関連したテキストに出現する回数であり、βは制御係数であり、0.5≦β≦2であり、i,jは、負でない整数であり、i,j=1,2,...,nであり、nは、ナレッジポイントの個数である。
【0012】
任意に、ナレッジポイント後方明示的関係強度値の計算方法は、以下の通りである。
【0013】
【化2】
【0014】
fN(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント後方明示的関係強度値であり、αは連関係数であり、1≦α≦5であり、αは、正の整数であり、fP(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント前方明示的関係強度値である。
【0015】
任意に、ナレッジポイント明示的関係強度値の計算方法は、以下の通りである。
【0016】
【化3】
【0017】
fE(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント明示的関係強度値であり、fP(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント前方明示的関係強度値であり、fN(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント後方明示的関係強度値であり、αは連関係数であり、1≦α≦5であり、αは、正の整数である。
【0018】
任意に、重み付き有向グラフGは、エッジ、重み及び頂点を備え、エッジ及び重みの設定方法は、Mij>0の場合には、重み付き有向グラフGのナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのエッジの重みを-ln(Mij)に設定し、Mij=0の場合には、重み付き有向グラフGのナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのエッジが存在し、Mijは、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント明示的関係強度値を表すことを備え、重み付き有向グラフGの頂点は、Mの頂点と同一である。
【0019】
任意に、重み付き有向グラフGを行列として表す。
【0020】
任意に、ナレッジポイント黙示的関係強度値の計算方法は、以下の通りである。
【0021】
【化4】
【0022】
fI(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント黙示的関係強度値であり、Cijは、重み付き有向グラフGのナレッジポイントoからナレッジポイントoまでの最短の単純路の長さを表し、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでに単純路が存在しない場合、fI(i,j)=0であり、ナレッジポイントからの黙示的関係強度の値を0に設定し、黙示的関係強度の値fI(i,j)を、ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを生成するために行列に格納する。
【0023】
任意に、ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iをトラバースするとともにナレッジポイント関係強度行列Mを更新するステップは、ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの各要素をトラバースするステップと、IjiがMijより大きいか否かを決定するステップと、Iji>Mijである場合、MijをMij=Ijiとして再指定し、ナレッジポイント関係強度行列Mを更新した後にナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの次の要素に進むステップと、Iji<Mijである場合、ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの全ての要素をトラバースするまでナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの次の要素に進むステップと、を備える。
【0024】
任意に、最短の単純路の長さCijを、ダイクストラ法、SPFA、フロイド−ワーシャル法又はベルマン−フォード法を用いて計算する。
【0025】
任意に、制御係数β=1又は連関関数α=2である。
【0026】
本発明の他の態様によれば、全てのナレッジポイントに対するナレッジポイント明示的関係強度値を計算するとともにナレッジポイント関係強度行列Mを生成するナレッジポイント関係強度行列生成モジュールと、全てのナレッジポイントのナレッジポイント関係強度行列に従って重み付きの有向グラフGを作成する重み付きの有向グラフ作成モジュールと、重み付きの有向グラフGに従ってナレッジポイント黙示的関係強度値を計算するとともにナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを生成するナレッジポイント黙示的関係強度行列生成モジュールと、ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iをトラバースするとともにナレッジポイント関係強度行列Mを更新する更新モジュールと、を備えるナレッジポイント関係強度を測定するシステムを設ける。
【0027】
任意に、ナレッジポイント関係強度行列生成モジュールは、ナレッジポイント前方明示的関係強度値を計算する前方明示的関係強度値計算部と、ナレッジポイント後方明示的関係強度値を計算する後方明示的関係強度値計算部と、ナレッジポイント前方明示的関係強度値及びナレッジポイント後方明示的関係強度値に従ってナレッジポイント明示的関係強度値を計算する明示的関係強度値計算部と、ナレッジポイント明示的関係強度値に従ってナレッジポイント関係強度行列Mを生成するナレッジポイント関係強度行列生成部と、を備える。
【0028】
任意に、ナレッジポイント前方明示的関係強度値の計算方法は、以下の通りである。
【0029】
【化5】
【0030】
fP(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント前方明示的関係強度値であり、μは、ナレッジポイントoがナレッジポイントoの関連したテキストに出現する回数であり、βは制御係数であり、0.5≦β≦2であり、i,jは、負でない整数であり、i,j=1,2,...,nであり、nは、ナレッジポイントの個数である。
【0031】
任意に、ナレッジポイント後方明示的関係強度値の計算方法は、以下の通りである。
【0032】
【化6】
【0033】
fN(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント後方明示的関係強度値であり、αは連関係数であり、1≦α≦5であり、αは、正の整数であり、fP(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント前方明示的関係強度値である。
【0034】
任意に、ナレッジポイント明示的関係強度値の計算方法は、以下の通りである。
【0035】
【化7】
【0036】
fE(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント明示的関係強度値であり、fP(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント前方明示的関係強度値であり、fN(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント後方明示的関係強度値であり、αは連関係数であり、1≦α≦5であり、αは、正の整数である。
【0037】
任意に、重み付き有向グラフGは、エッジ、重み及び頂点を備え、エッジ及び重みの設定方法は、Mij>0の場合には、重み付き有向グラフGのナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのエッジの重みを-ln(Mij)に設定し、Mij=0の場合には、重み付き有向グラフGのナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのエッジが存在し、Mijは、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント明示的関係強度値を表すことを備え、重み付き有向グラフGの頂点は、Mの頂点と同一である。
【0038】
任意に、重み付き有向グラフGを行列として表す。
【0039】
任意に、ナレッジポイント黙示的関係強度値の計算方法は、以下の通りである。
【0040】
【化8】
【0041】
fI(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント黙示的関係強度値であり、Cijは、重み付き有向グラフGのナレッジポイントoからナレッジポイントoまでの最短の単純路の長さを表し、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでに単純路が存在しない場合、fI(i,j)=0であり、ナレッジポイントからの黙示的関係強度の値を0に設定し、黙示的関係強度の値fI(i,j)を、ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを生成するために行列に格納する。
【0042】
任意に、更新モジュールは、ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの各要素をトラバースする検索部と、IjiがMijより大きいか否かを決定する決定部と、Iji>Mijである場合、MijをMij=Ijiとして再指定し、ナレッジポイント関係強度行列Mを更新した後にナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの次の要素に進み、Iji<Mijである場合、ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの全ての要素をトラバースするまでナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの次の要素に進む更新部と、を備える。
【0043】
任意に、最短の単純路の長さCijを、ダイクストラ法、SPFA、フロイド−ワーシャル法又はベルマン−フォード法を用いて計算する。
【0044】
任意に、制御係数β=1又は連関関数α=2である。
【0045】
この開示の上記の技術的解決法は、従来技術より優れた以下の利点の一つ以上を有する。
【0046】
(1)本開示の実施の形態において、ナレッジポイント関係強度を測定する方法は、全てのナレッジポイントに対するナレッジポイント明示的関係強度値を計算するとともにナレッジポイント関係強度行列Mを生成するステップと、全てのナレッジポイントのナレッジポイント関係強度行列に従って重み付きの有向グラフGを作成するステップと、重み付きの有向グラフGに従ってナレッジポイント黙示的関係強度値を計算するとともにナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを生成するステップと、ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iをトラバースするとともにナレッジポイント関係強度行列Mを更新するステップと、を備える。上記の技術的解決法は、従来技術の関係強度の決定のための絶対的な測定可能な値の欠如、関係強度の不正確な測定又は一部の強力な関係強度を発見できないことの問題を有効に回避することができる。
【0047】
(2)本開示の実施の形態によるナレッジポイント関係強度を測定する方法において、ナレッジポイント関係強度は、全体的なスペースのナレッジポイントの関係強度の測定及びナレッジポイントの関係強度値の範囲[0,1)へのマッピングによって有効に評価され、これによって、ナレッジポイント関係強度の強度レベルの決定を更に容易にする。
【0048】
(3)本開示の実施の形態によるナレッジポイント関係強度を測定する方法において、ナレッジポイント明示的関係強度値を、前方明示的関係強度値及び後方明示的関係強度値の計算によって取得し、この双方向的な関係強度評価方法は、明示的関係強度の精度を更に向上させることができる。
【0049】
(4)本開示の実施の形態によるナレッジポイント関係強度を測定する方法において、明示的関係行列を、ナレッジポイントの間の最短距離の計算を容易にする重み付きの有向グラフに変換し、それは、アルゴリズムの実現を簡単にするとともに演算効率を向上させる。
【0050】
(5)本開示の実施の形態によるナレッジポイント関係強度を測定する方法において、明示的関係強度値及び暗黙的関係強度値を、指数関数及び対数関数を用いて計算し、数学モデルを、これらの関数の特性及びその関係を用いて確立し、それは、精巧な形成、簡単なアルゴリズム及び容易な実現の観点から有利である。
【0051】
(6)本開示の実施の形態によるナレッジポイント関係強度を測定する方法において、明示的関係強度値及び黙示的関係強度値を、明示的関係強度行列及び黙示的関係強度行列にそれぞれ格納し、計算において都合良くアクセスすることができ、これによって、演算速度を更に向上させることができる。
【0052】
(7)本開示の実施の形態によるナレッジポイント関係強度を測定する方法において、ダイクストラ法が、最短の単純路の長さを計算する方法として使用され、これは、高速の演算速度、迅速な検索の能力及び向上した応答速度の観点から有利である。
【0053】
(8)本開示の実施の形態によるナレッジポイント関係強度を測定する方法において、SPFAが、最短の単純路の長さを計算する方法として使用され、このアルゴリズムは、キューを維持し、ソースナレッジポイントが、キューを初期化するときにキューに挿入される。ナレッジポイントは、隣接するポイントを緩和する度に取り出される。隣接するポイントが連続的に緩和される場合、それはキューに挿入される。アルゴリズムは、キューが空になるときに終了する。このアルゴリズムは、単純であり、演算速度が高速であり、応答速度を向上させることができる。
【0054】
(9)本開示の実施の形態によるナレッジポイント関係強度を測定する方法において、フロイド−ワーシャル法が、最短の単純路の長さを計算する方法として使用され、このアルゴリズムによって、任意の二つのポイントの間の最短距離を計算することができる。このアルゴリズムを、有向グラフ、負の重み付けされたエッジを有するグラフを含む任意のグラフで使用することができ、このアルゴリズムは、最短の副経路を見つけることによって最短経路を取得することができる。このアルゴリズムを容易に実現することができ、このアルゴリズムは、演算速度が高速であり、応答速度を向上させることができる。
【0055】
(10)本開示の実施の形態によるナレッジポイント関係強度を測定する方法において、ベルマン−フォード法が、最短の単純路の長さを計算する方法として使用され、このアルゴリズムは、単一ソースの最短経路計算に適しており、プログラム及び実現するのに容易である。
【0056】
(11)本開示の実施の形態によるナレッジポイント関係強度を測定する方法において、制御係数βを、前方明示的関係強度の計算に対して設定する。制御係数βを設定することによって、μの値によって生じる明示的関係強度への影響を有効に制御することができ、制御係数βの値を、最適化のために制御係数βを見つけるためのナレッジポイントのセットの特性に従って選択する。一般的に、制御係数βを1に設定するときに良好な影響を得ることができる。
【0057】
(12)本開示の実施の形態によるナレッジポイント関係強度を測定する方法において、連関係数αを、後方明示的関係強度の計算に対して設定する。連関係数αを設定することによって、前方明示的関係によって生じる後方明示的関係強度への影響を有効に制御することができ、1≦α≦5又は異なる値を、ナレッジポイントのセットの特性に従って選択することができる。一般的に、連関係数αを2に設定するときに良好な影響を得ることができる。
【0058】
(13)本開示の実施の形態によるナレッジポイント関係強度を測定するシステムにおいて、本発明のナレッジポイント関係強度を測定する方法を用いることによって、従来技術の関係強度の決定のための絶対的な測定可能な値の欠如、関係強度の不正確な測定又は一部の強力な関係強度を発見できないことの問題を有効に回避することができる。
【0059】
本発明の更に容易かつ更に明確な理解のために、本発明の更なる説明を、添付図面を参照しながら以下で行う。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1】本発明の一実施の形態によるナレッジポイント関係強度を測定する方法のフローチャートである。
図2】本発明の重み付きの有向グラフの一例の図である。
図3】本発明の一実施の形態によるナレッジポイント関係強度を測定するシステムの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
実施例1
図1は、本発明の一実施の形態によるナレッジポイント関係強度を測定する方法のフローチャートである。本実施の形態において、ナレッジポイントは、「始皇帝」、「秦王朝」、「100日のリフォーム」等の概念又は実体を表す知識交流単位である。本実施の形態において、ナレッジポイント名及びそれに関連したテキストを表1に示す。表1に示すように、記載を簡潔にするためにA,B及びCを付した三つのナレッジポイントが存在する。Nは、ナレッジポイント名A,B及びCを含まないテキストのブロックである。
【0062】
【表1】
【0063】
ナレッジポイント関係強度を測定する方法は、以下のステップを備える。
【0064】
S1:全てのナレッジポイントに対するナレッジポイント明示的関係強度値を計算するとともにナレッジポイント関係強度行列Mを生成する。
【0065】
一実施の形態において、ステップS1は、以下のステップを備える。
S11:ナレッジポイント前方明示的関係強度値を計算し、ナレッジポイント前方明示的関係強度値は、以下に従って計算される。
【0066】
【化9】
【0067】
fP(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント前方明示的関係強度値であり、μは、ナレッジポイントoがナレッジポイントoの関連したテキストに出現する回数であり、βは制御係数であり、0.5≦β≦2であり、i,jは、負でない整数であり、i,j=1,2,...,nであり、nは、ナレッジポイントの個数である。
【0068】
本実施の形態において、制御係数βを1に設定する。他の実施の形態において、制御係数βを0.5,0.7,1.2,1.5のような異なる値に設定してもよい。制御係数βは、明示的関係強度のμの値の影響を制御する。ユーザは、領域のナレッジポイントの特性に従って制御係数βの値を選択することができ、領域のナレッジポイントの特性に従って最適な制御係数βを見つけることができる。
【0069】
表1に示すように、ナレッジポイントBは、ナレッジポイントAの関連のテキストに2回出現し、ナレッジポイントAからナレッジポイントBまでの前方明示関係強度fP(A,B)は、以下の通りである。
【0070】
【化10】
【0071】
S12:ナレッジポイント後方明示的関係強度値を計算し、ナレッジポイント後方明示的関係強度値は、以下に従って計算される。
【0072】
【化11】
【0073】
fN(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント後方明示的関係強度値であり、αは連関係数であり、1≦α≦5であり、αは、正の整数であり、fP(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント前方明示的関係強度値である。
【0074】
本実施の形態において、連関係数αを2に設定する。他の実施の形態において、連関係数αを1,1.5,3,4,5のような異なる値に設定してもよい。連関係数αは、後方明示的関係強度への前方明示的関係強度の影響を制御し、αの値が小さくなるに従って、前方明示的関係強度によって生じた後方明示的関係強度への影響は大きくなり、αの値が大きくなるに従って、前方明示的関係強度によって生じた後方明示的関係強度への影響は小さくなる。
【0075】
表1において、ナレッジポイントAからナレッジポイントBまでの後方明示的関係強度fN(A,B)は、以下の通りである。
【0076】
【化12】
【0077】
S13:ナレッジポイント前方明示的関係強度値及びナレッジポイント後方明示的関係強度値に従ってナレッジポイント明示的関係強度値を計算し、ナレッジポイント明示的関係強度値は、以下に従って計算される。
【0078】
【化13】
【0079】
fE(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント明示的関係強度値であり、fP(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント前方明示的関係強度値であり、fN(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント後方明示的関係強度値であり、αは連関係数であり、1≦α≦5であり、αは、正の整数である。
【0080】
ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでの明示的関係が存在しない場合、Eijは0である。本実施の形態において、ナレッジポイントからの明示的関係強度値を0に設定する。他の実施の形態において、ナレッジポイントからの明示的関係強度値を1に設定してもよいが、それは、現実的な意味を有しない。
【0081】
表1において、ナレッジポイントAからナレッジポイントBまでの明示的関係強度fE(A,B)は、以下の通りである。
【0082】
【化14】
【0083】
ナレッジポイントA、ナレッジポイントB及びナレッジポイントCの間の明示的関係強度値を、ステップS11〜S13に従って順次計算する。
【0084】
本実施の形態のナレッジポイント関係強度を測定する方法を用いることによって、ナレッジポイント明示的関係強度を、前方明示的関係強度値及び後方明示的関係強度値を計算することによって取得し、このような双方向的な関係協働評価方法は、明示的関係強度の精度を更に向上させることができる。
【0085】
S14:ナレッジポイント明示的関係強度値に従ってナレッジポイント関係強度行列Mを生成する。
【0086】
表2に示すように、(明示的関係強度値を格納する)ナレッジポイント関係強度行列Mを、表1に示すようなナレッジポイントA,B及びCの間の明示的関係強度値に従って生成する。
【0087】
【表2】
【0088】
S2:ナレッジポイント関係強度行列Mに従って重み付きの有向グラフGを作成する。
【0089】
重み付き有向グラフGは、エッジ、重み及び頂点を備える。
【0090】
エッジ及び重みは、以下の方法で設定される。
Mij>0の場合には、重み付き有向グラフGのナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのエッジの重みを-ln(Mij)に設定し、Mij=0の場合には、重み付き有向グラフGのナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのエッジが存在し、Mijは、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント明示的関係強度値を表すことを備える。
【0091】
重み付き有向グラフGの頂点は、Mの頂点と同一である。本発明において、明示的関係行列を、ナレッジポイントの間の最短距離の計算及びアルゴリズムの実現を容易にするとともに演算効率を向上させる重み付き有向グラフに変換する。重み付き有向グラフGを行列として表す。表2に示すようなナレッジポイント関係強度行列に基づいて構成される重み付き有向グラフGを、表3に示す。
【0092】
【表3】
【0093】
表3のnullは、エッジが存在しないことを表す。
【0094】
別の実施の形態において、重み付き有向グラフGを図2のように表すことができる。図2に示すように、ナレッジポイントの間の明示的関係を、重み付け値を有するエッジとして視覚的に表すことができ、ナレッジポイントは、重み付き有向グラフの頂点となる。
【0095】
S3:重み付きの有向グラフGに従ってナレッジポイント黙示的関係強度値を計算するとともにナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを生成する。
【0096】
ナレッジポイント黙示的関係強度値は、以下に従って計算される。
【0097】
【化15】
【0098】
fI(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント黙示的関係強度値であり、Cijは、重み付き有向グラフGのナレッジポイントoからナレッジポイントoまでの最短の単純路の長さを表し、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでに単純路が存在しない場合、fI(i,j)=0であり、ナレッジポイントからの黙示的関係強度の値を0に設定し、黙示的関係強度の値fI(i,j)を、ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを生成するために行列に格納する。
【0099】
最短の単純路の長さCijを計算するためにダイクストラ法を用いてもよく、これは、高速の演算速度を有し、高速の検索及び向上した応答速度を実現することができる。
【0100】
本開示の実施の形態によるナレッジポイント関係強度を測定する方法において、明示的関係強度値及び暗黙的関係強度値を、指数関数及び対数関数を用いて計算し、数学モデルを、これらの関数の特性及びその関係を用いて確立し、それは、精巧な形成、簡単なアルゴリズム及び容易な実現の観点から有利である。
【0101】
表1に示すナレッジポイントA,B及びCの間の黙示的関係強度に基づいて生成したナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを、表4に示す。
【0102】
【表4】
【0103】
S4:ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iをトラバースするとともにナレッジポイント関係強度行列Mを更新する。
【0104】
一実施の形態において、ステップS4は、以下のステップを備える。
【0105】
S41:ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの各要素をトラバースする。
【0106】
S42:IjiがMijより大きいか否かを決定する。
【0107】
S43:Iji>Mijである場合、ナレッジポイント関係強度行列Mを更新するためにMijをMij=Ijiとして再指定するとともにステップS41に戻り、Iji<Mijである場合、ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの全ての要素をトラバースするまでステップS41に戻る。
【0108】
表5は、表1のナレッジポイントA,B及びCの間の関係強度の更新した値を示す。
【0109】
【表5】
【0110】
表2の複数の値が黙示的関係強度値によって更新されるとともに関係強度の全ての値が[0,1)の範囲内にあることが表5から分かる。
【0111】
実施例2
ステップS3を除いて、本実施の形態の他のステップは、実施例1と同一である。
【0112】
S3:重み付きの有向グラフGに従ってナレッジポイント黙示的関係強度値を計算するとともに領域のナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを生成する。
【0113】
領域のナレッジポイント黙示的関係強度値は、以下に従って計算される。
【0114】
【化16】
【0115】
fI(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント黙示的関係強度値であり、Cijは、重み付き有向グラフGのナレッジポイントoからナレッジポイントoまでの最短の単純路の長さを表す。ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでに単純路が存在しない場合、fI(i,j)=0であり、ナレッジポイントからの黙示的関係強度の値を0に設定し、黙示的関係強度の値fI(i,j)を、ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを生成するために行列に格納する。
【0116】
SPFAを、最短の単純路の長さを計算する方法として使用する。このアルゴリズムは、キューを維持し、ソースナレッジポイントが、キューを初期化するときにキューに挿入される。ナレッジポイントは、隣接するポイントを緩和する度に取り出される。隣接するポイントが連続的に緩和される場合、それはキューに挿入される。アルゴリズムは、キューが空になるときに終了する。このアルゴリズムは、単純であり、演算速度が高速であり、応答速度を向上させることができる。
【0117】
実施例3
ステップS3を除いて、本実施の形態の他のステップは、実施例1と同一である。
【0118】
S3:重み付きの有向グラフGに従ってナレッジポイント黙示的関係強度値を計算するとともに領域のナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを生成する。
【0119】
領域のナレッジポイント黙示的関係強度値は、以下に従って計算される。
【0120】
【化17】
【0121】
fI(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント黙示的関係強度値であり、Cijは、重み付き有向グラフGのナレッジポイントoからナレッジポイントoまでの最短の単純路の長さを表す。ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでに単純路が存在しない場合、fI(i,j)=0であり、ナレッジポイントからの黙示的関係強度の値を0に設定し、黙示的関係強度の値fI(i,j)を、ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを生成するために行列に格納する。
【0122】
フロイド−ワーシャル法を、最短の単純路の長さを計算する方法として使用する。このアルゴリズムによって、任意の二つのポイントの間の最短距離を計算することができる。このアルゴリズムを、有向グラフ、負の重み付けされたエッジを有するグラフを含む任意のグラフで使用することができ、このアルゴリズムは、最短の副経路を見つけることによって最短経路を取得することができる。このアルゴリズムを容易に実現することができ、このアルゴリズムは、演算速度が高速であり、応答速度を向上させることができる。
【0123】
実施例4
ステップS3を除いて、本実施の形態の他のステップは、実施例1と同一である。
【0124】
S3:重み付きの有向グラフGに従ってナレッジポイント黙示的関係強度値を計算するとともに領域のナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを生成する。
【0125】
領域のナレッジポイント黙示的関係強度値は、以下に従って計算される。
【0126】
【化18】
【0127】
fI(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント黙示的関係強度値であり、Cijは、重み付き有向グラフGのナレッジポイントoからナレッジポイントoまでの最短の単純路の長さを表す。ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでに単純路が存在しない場合、fI(i,j)=0であり、ナレッジポイントからの黙示的関係強度の値を0に設定し、黙示的関係強度の値fI(i,j)を、ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを生成するために行列に格納する。
【0128】
ベルマン−フォード法を、最短の単純路の長さを計算する方法として使用する。このアルゴリズムは、単一ソースの最短経路計算に適しており、プログラム及び実現するのに容易である。
【0129】
本開示の実施の形態によるナレッジポイント関係強度を測定する方法において、明示的関係強度値及び暗黙的関係強度値を、指数関数及び対数関数を用いて計算し、数学モデルを、これらの関数の特性及びその関係を用いて確立し、それは、精巧な形成、簡単なアルゴリズム及び容易な実現の観点から有利である。
【0130】
本開示の実施の形態によるナレッジポイント関係強度を測定する方法において、明示的関係強度値及び黙示的関係強度値を、明示的関係強度行列及び黙示的関係強度行列にそれぞれ格納し、計算において都合良くアクセスすることができ、これによって、演算速度を更に向上させることができる。
【0131】
ナレッジポイント関係強度を測定する方法は、全てのナレッジポイントに対するナレッジポイント明示的関係強度値を計算するとともにナレッジポイント関係強度行列Mを生成するステップと、全てのナレッジポイントのナレッジポイント関係強度行列に従って重み付きの有向グラフGを作成するステップと、重み付きの有向グラフGに従ってナレッジポイント黙示的関係強度値を計算するとともにナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを生成するステップと、ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iをトラバースするとともにナレッジポイント関係強度行列Mを更新するステップと、を備える。上記の技術的解決法は、従来技術の関係強度の決定のための絶対的な測定可能な値の欠如、関係強度の不正確な測定又は一部の強力な関係強度を発見できないことの問題を有効に回避することができる。
【0132】
実施例5
図3は、本発明の一実施の形態によるナレッジポイント関係強度を測定するシステムの構造図である。図3に示すように、ナレッジポイント関係強度を測定するシステムは、以下のものを備える。
【0133】
全てのナレッジポイントに対するナレッジポイント明示的関係強度値を計算するとともにナレッジポイント関係強度行列Mを生成するナレッジポイント関係強度行列生成モジュール31。
【0134】
一実施の形態において、ナレッジポイント関係強度行列生成モジュール31は、特に、以下のものを備える。
【0135】
ナレッジポイント前方明示的関係強度値を計算する前方明示的関係強度値計算部311。この場合、ナレッジポイント前方明示的関係強度値は、以下に従って計算される。
【0136】
【化19】
【0137】
fP(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント前方明示的関係強度値であり、μは、ナレッジポイントoがナレッジポイントoの関連したテキストに出現する回数であり、βは制御係数であり、0.5≦β≦2であり、i,jは、負でない整数であり、i,j=1,2,...,nであり、nは、ナレッジポイントの個数である。
【0138】
ナレッジポイント後方明示的関係強度値を計算する後方明示的関係強度値計算部312。この場合、ナレッジポイント後方明示的関係強度値は、以下に従って計算される。
【0139】
【化20】
【0140】
fN(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント後方明示的関係強度値であり、αは連関係数であり、1≦α≦5であり、αは、正の整数であり、fP(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント前方明示的関係強度値である。
【0141】
ナレッジポイント前方明示的関係強度値及びナレッジポイント後方明示的関係強度値に従ってナレッジポイント明示的関係強度値を計算する明示的関係強度値計算部313。この場合、ナレッジポイント明示的関係強度値は、以下に従って計算される。
【0142】
【化21】
【0143】
fE(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント明示的関係強度値であり、fP(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント前方明示的関係強度値であり、fN(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント後方明示的関係強度値であり、αは連関係数であり、1≦α≦5であり、αは、正の整数である。
【0144】
ナレッジポイント明示的関係強度値に従ってナレッジポイント関係強度行列Mを生成するナレッジポイント関係強度行列生成部314。
【0145】
全てのナレッジポイントのナレッジポイント関係強度行列に従って重み付きの有向グラフGを作成する重み付きの有向グラフ作成モジュール32。
【0146】
重み付き有向グラフGは、エッジ、重み及び頂点を備える。
【0147】
エッジ及び重みは、以下の方法で設定される。
【0148】
Mij>0の場合には、重み付き有向グラフGのナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのエッジの重みを-ln(Mij)に設定し、Mij=0の場合には、重み付き有向グラフGのナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのエッジが存在し、Mijは、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント明示的関係強度値を表すことを備え、重み付き有向グラフGの頂点は、Mの頂点と同一であり、重み付き有向グラフGを行列として表す。
【0149】
重み付きの有向グラフGに従ってナレッジポイント黙示的関係強度値を計算するとともにナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを生成するナレッジポイント黙示的関係強度行列生成モジュール33。
【0150】
ナレッジポイント黙示的関係強度値は、以下に従って計算される。
【0151】
【化22】
【0152】
fI(i,j)は、ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでのナレッジポイント黙示的関係強度値であり、Cijは、重み付き有向グラフGのナレッジポイントoからナレッジポイントoまでの最短の単純路の長さを表す。ナレッジポイントoからナレッジポイントoまでに単純路が存在しない場合、fI(i,j)=0であり、ナレッジポイントからの黙示的関係強度の値を0に設定し、黙示的関係強度の値fI(i,j)を、ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iを生成するために行列に格納する。
【0153】
最短の単純路の長さCijを計算するためにダイクストラ法を用いてもよく、これは、高速の演算速度を有し、高速の検索及び向上した応答速度を実現することができる。
【0154】
ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iをトラバースするとともにナレッジポイント関係強度行列Mを更新する更新モジュール34。
【0155】
一実施の形態において、更新モジュール34は、特に、
ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの各要素をトラバースする検索部341と、
IjiがMijより大きいか否かを決定する決定部342と、
Iji>Mijである場合、ナレッジポイント関係強度行列Mを更新するためにMijをMij=Ijiとして再指定するとともにナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの次の要素をトラバースし、Iji<Mijである場合、ナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの全ての要素をトラバースするまでナレッジポイント黙示的関係強度行列Iの次の要素に進む更新部343と、
を備える。
【0156】
本開示の実施の形態によるナレッジポイント関係強度を測定するシステムにおいて、本発明のナレッジポイント関係強度を測定する方法を用いることによって、従来技術の関係強度の決定のための絶対的な測定可能な値の欠如、関係強度の不正確な測定又は一部の強力な関係強度を発見できないことの問題を有効に回避することができる。
【0157】
明らかに、上記実施の形態は、明確に説明するために与えられる単なる例であり、本発明を限定するものではない。当業者は、余すところなく挙げられない及び挙げることができない上述した説明に基づいて他の変更又は変形を行うことができる。導き出されるこれらの明らかな変更又は変形は、本発明の保護範囲内にある。
【0158】
当業者は、本願の実施の形態を方法、システム又はコンピュータプログラムの製品として提供できることを理解すべきである。したがって、本願は、完全なハードウェアの形態の実施の形態、完全なソフトウェアの形態の実施の形態又はソフトウェアとハードウェアの組合せの形態の実施の形態を用いることができる。さらに、本願は、コンピュータによって実行することができるプログラムコードを備える(ディスク、メモリ、CD−ROM、光メモリ等を含むがそれに限定されない)一つ以上の記憶媒体で実行することができるコンピュータプログラムの製品の形態を用いることができる。
【0159】
本願を、本発明の実施の形態に従って方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照しながら説明した。フローチャートの各フロー及び/又はブロック図の各ブロック並びにフローチャートのフロー及び/又はブロック図のブロックの組合せをコンピュータプログラム命令によって実現することができる。そのようなコンピュータプログラム命令を、マシンを生成するために汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ又はプログラマブルデータ処理装置の他の任意のプロセッサに供給することができ、その結果、流れ図の一つ以上のフロー及び/又はブロック図の一つ以上のブロックで特定される機能を実現するデバイスが、コンピュータ又はプログラマブルデータ処理装置の他の任意のプロセッサによって実行される命令によって生成される。
【0160】
そのようなコンピュータプログラム命令を、コンピュータの読取可能なメモリに格納することもでき、これによって、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置を、コンピュータの読取可能なメモリに格納された命令が命令デバイスの製品を生成するような特定スタイルで作動させる。そのような命令デバイスは、流れ図の一つ以上のフロー及び/又はブロック図の一つ以上のブロックで特定される機能を実現することができる。
【0161】
そのようなコンピュータプログラム命令を、コンピュータによって実現されるプロセスを生成するためにコンピュータ又は他のプログラマブル装置で一連の動作ステップを実行するようにコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置にロードすることもでき、その結果、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置によって実行される命令は、流れ図の一つ以上のフロー及び/又はブロック図の一つ以上のブロックで特定される機能を実現する。
【0162】
本願の好適な実施の形態を既に説明したが、一旦当業者が基本的な独創的考えを理解すると、当業者は、他の変更及び変形をこれらの実施の形態に対して行うことができる。したがって、添付した特許請求の範囲は、本願の範囲内の好適な実施の形態並びに全ての変更及び変形を網羅するものとして解釈することを意図する。
図1
図2
図3