(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両を取得する使用者に対する与信が完済されたことを証する完済通知書類に記載されている完済書類情報、及び、前記車両が公的機関に登録済であることを証する登録書類に記載されている登録書類情報を、前記使用者が入力するのを受け付ける端末装置と、
前記与信を行った金融機関から前記完済書類情報を受け付け、
前記金融機関から受け付けた完済書類情報を完済書類照合情報として記憶し、
前記完済書類情報及び前記登録書類情報を前記端末装置から受け付け、
前記端末装置から受け付けた完済書類情報及び登録書類情報が前記完済書類照合情報のうちに存在するか否かを判断する登録支援装置と、
前記端末装置から受け付けた完済書類情報及び登録書類情報が前記完済書類照合情報のうちに存在する場合、前記端末装置から受け付けた完済書類情報及び登録書類情報に係る車両についての前記完済書類照合情報を前記登録支援装置から受け付け、
前記使用者が前記車両についての前記公的機関における手続を行うために必要である必要書類を、前記受け付けた完済書類照合情報に基づき準備又は作成し、
前記準備又は作成した必要書類を前記使用者に送付する特定協力者サーバと、
を備えることを特徴とする登録支援システム。
車両を取得する使用者に対する与信が完済されたことを証する完済通知書類に記載されている完済書類情報を金融機関から受け付けたうえで、完済書類照合情報として記憶している記憶部と、
前記完済書類情報及び前記車両が公的機関に登録済であることを証する登録書類に記載されている登録書類情報を、前記使用者が操作する端末装置から受け付け、
前記端末装置から受け付けた完済書類情報及び登録書類情報が前記完済書類照合情報のうちに存在するか否かを判断し、
前記端末装置から受け付けた完済書類情報及び登録書類情報が前記完済書類照合情報のうちに存在する場合、前記端末装置から受け付けた完済書類情報及び登録書類情報に係る車両についての前記完済書類照合情報を特定協力者サーバに送信し、
前記使用者が前記車両についての前記公的機関における手続を行うために必要である必要書類を、前記送信した完済書類照合情報に基づき準備又は作成したうえで前記使用者に送付する処理を前記特定協力者サーバに実行させる所有権留保解除部と、
を備えることを特徴とする登録支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以降、本発明を実施するための形態(“本実施形態”という)を、図等を参照しながら詳細に説明する。以降では、車両を購入するための借入金を完済した車両の使用者が、自動車検査証の“所有者”を金融機関から自身に変更するための所有権留保解除手続を行う例を説明する。本実施形態における車両は、自動車を想定している。しかしながら、本発明の車両は、公的機関に対する登録の対象となり得る、自動車、軽自動車、自動二輪車等を含む概念である。
【0014】
(用語)
所有者とは、所有権留保解除手続を行う前の自動車検査証(以降“旧車検証”と呼ぶ場合がある)の“所有者の氏名又は名称”欄に記載された者である。所有者は、使用者(直ちに後記)が車両を購入するに際し、使用者に対し与信を行った金融機関でもある。本実施形態における“所有者”との命名は、あくまでも自動車検査証上の記載に基づく。ここでの所有者は、民法上の所有権者ではなく、民法上の抵当権者である。なお、リース契約の対象となる車両の自動車検査証上の所有者は、民法上の所有権者でもある。
【0015】
使用者とは、旧車検証の“使用者の氏名又は名称”欄に記載された者であり、所有権留保解除手続を行った後の自動車検査証(以降“新車検証”と呼ぶ場合がある)の“所有者の氏名又は名称”欄に記載された者である。使用者は、車両を運転(使用)しつつ、金融機関に対し借入金を所定の条件で返済する。使用者は、所有権留保解除手続を申請する者(申請者)でもある。使用者は、端末装置3(
図10)を運営する者でもある。
【0016】
特定協力者とは、所有者の立場で所有者についての書類を作成する者である。所有者は、これらの書類を作成する権限を特定協力者に委任している。特定協力者は、個人であっても法人であってもよい。特定協力者は、特定協力者サーバ4(
図10)を運営する者でもある。登録支援者とは、使用者が所有権留保解除手続の準備を行うためにアクセスするインターネット等のネットワーク上のサイトを運営する者であり、登録支援装置2(
図10)を運営する者でもある。公的機関とは、自動車検査証の作成及び登録を行う官公庁であり、例えば自動車についての公的機関は、国土交通省運輸支局である。
【0017】
(書類)
図1は、自動車検査証55(旧車検証)の一例である。請求項の“登録書類”には、自動車検査証55が相当する。公的機関は、自動車検査証55を作成・更新し、その記載内容を自身のサーバ等に登録する。自動車検査証55は、少なくとも次の事項(登録書類情報)を記載する。
・車両の登録番号55a
登録番号とは、ナンバープレートの記載内容である。登録番号は、車両を一意に特定する識別子でもある。
・車両の車台番号55b
車台番号とは、メーカが車両の生産段階で車両に刻印した、当該車両を一意に特定する識別子である。
・所有者の氏名又は名称55c、及び、住所55d
・使用者の氏名又は名称55e、及び、住所55f
・2次元コード61(詳細後記)
【0018】
図2は、所有権解除のご案内56(以降、“解案”と呼ぶ場合がある)の一例である。請求項の“完済通知書類”には、所有権解除のご案内56が相当する。所有者は、貸出金が完済されると、使用者に対して解案56を送付する。なお、本実施形態における“貸出金”は、使用者(借手)から見た“借入金”を所有者(貸手)の立場から表現したものである。つまり、貸出金は借入金と同義である。
図2に示すように、解案は、少なくとも次の事項(完済書類情報)を記載する。
・解案の作成日56a
・所有者の名称56b
・使用者の氏名又は名称56c、及び、住所56d
・車両の登録番号56e、及び、車台番号56f
・貸出金の識別番号56g
・所有権留保解除手続を使用者に依頼する文言56h
・2次元コード62(詳細後記)
【0019】
図3は、移転登録申請書32の一例である。特定協力者は、移転登録申請書32を作成し使用者に送付する。移転登録申請書32は、公的機関よってその書式・記載内容が定められおり、少なくとも次の事項を記載する。
・所有権留保解除手続を申請する旨の意思表示32a
・車両の登録番号32b、及び、車台番号32c
・所有者の氏名又は名称32d、及び、住所32e
・使用者(申請者)の氏名又は名称32f、及び、住所32g
なお、使用者は、移転登録申請書32を公的機関に提出する直前に押印する。
実際の移転登録申請書32は、本実施形態に直接関係しない部分も有する。
図3では、そのような部分に斜線が引かれている(
図4及び
図5においても同様)。
【0020】
図4は、手数料納付書33の一例である。特定協力者は、手数料納付書33を作成し使用者に送付する。手数料納付書33は、公的機関よってその書式・記載内容が定められおり、少なくとも次の事項を記載する。
・使用者の氏名又は名称33a
・車両の登録番号33b
・申請対象となる手続の種類33c(
図4では“移転登録である”)
・手続の手数料33d
なお、使用者は、手数料納付書33を公的機関に提出する直前に印紙を貼付する。
実際の手数料納付書33は、本実施形態に直接関係しない書類名等も記載している。
図4では、そのような書類名等を“*”で省略的に表現している。
【0021】
図5は、自動車取得税・自動車税申告書34(以降、“税申告書”と呼ぶ場合がある)の一例である。特定協力者は、税申告書34を作成し使用者に送付する。税申告書34は、公的機関よってその書式・記載内容が定められおり、少なくとも次の事項を記載する。
・車両の登録番号34a、及び、車台番号34p
・納税義務者(旧車検証の使用者)の氏名又は名称34b、及び、住所34c
・所有者(旧車検証の使用者)の氏名又は名称34d、及び、住所34e
・使用者(旧車検証の使用者)の氏名又は名称34g、及び、住所34f
・旧所有者(旧車検証の所有者)の氏名又は名称34h、及び、住所34i
・旧使用者(旧車検証の使用者)の氏名又は名称34j、及び、住所34k
なお、自動車取得税欄34m及び自動車税欄34nは、空欄である。なぜならば、所有権留保解除の際には、自動車取得税、自動車税ともに課税されないからである。ただし、リース契約の場合は、自動車取得税を記入する場合がある。
【0022】
図6は、譲渡証明書35の一例である。特定協力者は、譲渡証明書35を準備又は作成し使用者に送付する。譲渡証明書35は、少なくとも次の事項を記載する。
・車両の車台番号35a
・譲渡年月日35b
・譲渡人(旧車検証の所有者)の氏名又は名称35c、及び、住所35d、
なお、特定協力者は、所有者からの授権に基づき、印鑑を押印又は印刷する。
・譲受人(旧車検証の使用者)の氏名又は名称35e、及び、住所35f
【0023】
図7は、委任状36の一例である。特定協力者は、委任状36を準備又は作成し使用者に送付する。委任状36は、少なくとも次の事項を記載する。
・委任者(旧車検証の所有者)の氏名又は名称36a、及び、住所36b
なお、特定協力者は、所有者からの授権に基づき、印鑑を押印又は印刷する。
・受任者(旧車検証の使用者)の氏名又は名称36d、及び、住所36c
・委任者が受任者に与える権限36e
・車両の登録番号36f及び車台番号36g
【0024】
図8は、所有者の印鑑登録証明書37の一例である。特定協力者は、所有者の印鑑登録証明書37を準備し使用者に送付する。
図9は、使用者の印鑑登録証明書38の一例である。使用者は、自身の住所地の市役所等において自身の印鑑登録証明書38を取得する。印鑑登録証明書37及び38は、広く一般に知られたものであるので、その内容についての説明は省略する。ただし、印鑑登録証明書37及び38は、発行年月日を必ず記載している。そして、印鑑登録証明書37及び38を受け入れる公的機関は、印鑑登録証明書37及び38の有効期限(例えば発行年月日から3か月)を定めている。
【0025】
(一般的な所有権留保解除手続の流れ)
説明の都合上、まず、使用者が本実施形態の登録支援システムを使用することなく、所有権留保解除手続を独自で行う場合の流れを説明する。
〈第1段階〉使用者は、借入金を完済する。
〈第2段階〉使用者は、所有者から解案56を受け取る。
〈第3段階〉使用者は、
図9の使用者の印鑑登録証明書38を市役所等で取得する。
【0026】
〈第4段階〉使用者は、所有者が定める者に、以下の書類を送付する。なお、所有者が定める者とは、例えば前記した特定協力者である。
・
図1の自動車検査証55の写し
・
図2の解案56
・
図9の使用者の印鑑登録証明書38
【0027】
〈第5段階〉使用者は、所有者が定める者から、第4段階の書類と引き換えに譲渡書類を受け取る。譲渡書類とは、以下の3種類の書類である。
・
図6の譲渡証明書35
・
図7の委任状36
・
図8の所有者の印鑑登録証明書37
【0028】
〈第6段階〉使用者は、公的機関の記入作業スペースで、以下の書類を作成する。
・
図3の移転登録申請書32(備え付けのひな型に記入)
・
図4の手数料納付書33(備え付けのひな型に記入し、印紙を貼付)
・
図5の税申告書34(備え付けのひな型に記入)
【0029】
〈第7段階〉使用者は、公的機関の窓口に対して以下の書類を提出する。
・
図1の自動車検査証55(旧車検証)の原本
・
図3の移転登録申請書32
・
図4の手数料納付書33
・
図5の税申告書34
・
図6の譲渡証明書35
・
図7の委任状36
・
図8の所有者の印鑑登録証明書37
・
図9の使用者の印鑑登録証明書38
【0030】
〈第8段階〉使用者は、新車検証の原本を公的機関から受け取る。
【0031】
前記で明らかなように、使用者は相当な手間と時間を課される。特に、第4段階〜第6段階において、書類の不備(欠落、書き間違い、書式相違等)が発生しやすく、その不備を治癒しているうちに相当の時間が徒過する。本実施形態の登録支援システムは、特に第4段階〜第6段階における手間を削減(自動化)する。
【0032】
そして、本実施形態の登録支援システムは、前記の第5段階及び第6段階の説明で記載した以下の書類を使用者に送付する。以降で“必要書類”というとき、それは、以下の6種類の書類を示す。
・
図3の移転登録申請書32(ひな型に記入済)
・
図4の手数料納付書33(ひな型に記入済)
・
図5の税申告書34(ひな型に記入済)
・
図6譲渡証明書35
・
図7の委任状36
・
図8の所有者の印鑑登録証明書37
【0033】
第2段階において、所有者が、解案56とともに、第5段階で送付するとされた書類35〜37も使用者に送付すれば前記手間は削減できる、との代案が一応は成り立ちそうである。さらに、第2段階において、所有者が、解案56とともに、第6段階で作成するとされた書類32〜34も使用者に送付すれば前記手間はさらに削減できる、との代案も成り立ちそうである。しかしながら、現実には印鑑登録証明書37の有効期限が存在し、法制・税制の変更に起因して、書類32〜34の書式(ひな型)の変更も発生する。したがって、前記した2つの代案は、手間の削減を保証するものではなく、場合によっては手間が増大する(下流段階で初めて不備が露見する)。やはり、使用者が所有権留保解除手続を行うタイミングで、その時点の最新の必要書類が作成されるべきであることが経験的にわかっている。
【0034】
(2次元コード)
自動車検査証55(
図1)及び解案56(
図2)には、2次元コード61及び62が記載されている。周知のように、既存のソフトウエアアプリケーションを使用することによって、任意の数字、文字及び記号からなる情報は、2次元コードに変換され得る。なお、2次元コードに変換される元の情報を、以降“埋め込み情報”と呼ぶ場合がある。また逆に、2次元コードは、埋め込み情報に変換され得る。解案56(
図2)の2次元コード62の埋め込み情報は、例えば、登録支援者が運営する“登録チャレンジサイト”へのアクセス情報(URL)、車両の登録番号及び車台番号である。自動車検査証55(
図1)の2次元コード61の埋め込み情報は、例えば、車両の登録番号及び車台番号である。
【0035】
(埋め込み情報の暗号化)
埋め込み情報の一部又は全部を暗号化することも可能である。例えば、埋め込み情報が英文字で記載されており、暗号化前の“a”は、暗号化後の“z”に対応し、暗号化前の“b”は、暗号化後の“y”に対応し、暗号化前の“c”は、暗号化後の“x”に対応し、・・・という変換ルールが定められているとする。すると、変換ルールによって、“abc”は“zyx”に暗号化され、“zyx”は“abc”に復号される。
【0036】
例えば“abc”が個人情報(氏名)である場合、これを暗号化することによって意味不明の文字(記号、数字)列に変換することができる。埋め込み情報を暗号化した者は、信頼できる者に変換ルールを知らせておく。変換ルールを知らされた者は、意味不明の埋め込み情報を有意な文字列に変換(復号)することができる。暗号化されていない埋め込み情報を2次元コードに変換することも可能であり、暗号化されている埋め込み情報を2次元コードに変換することも可能である。
【0037】
(登録支援システムの構成)
図10に沿って、登録支援システムの構成等を説明する。登録支援装置2は、一般的なコンピュータであり、中央制御装置11、キーボード、マウス等の入力装置12、ディスプレイ等の出力装置13、主記憶装置14、補助記憶装置15及び通信装置16を備える。これらの装置は、バスで相互に接続されている。補助記憶装置15は、完済書類照合情報31(詳細後記)を格納している。主記憶装置14における、所有権留保解除部21及び決済支援部22は、プログラムである。以降、“○○部は”と主体を記した場合は、中央制御装置11が、補助記憶装置15から各プログラムを読み出し、主記憶装置14にロードしたうえで、各プログラムの機能(詳細後記)を実現するものとする。
【0038】
端末装置3は、一般的な携帯型のコンピュータであり、中央制御装置41、ディスプレイ兼タッチパネルのような入出力装置42、カメラ43、主記憶装置44及び通信装置45を備える。端末装置3は、これらの他にも、図示しない補助記憶装置を備えていてもよい。これらの装置は、バス(図示せず)で相互に接続されている。主記憶装置44における、所有権留保解除部21及び決済支援部22は、プログラムである。登録支援装置2が記憶する同名、同符号のプログラムとの関係については後記する。
【0039】
特定協力者サーバ4は、一般的なコンピュータであり、中央制御装置51、補助記憶装置52及び通信装置53を備える。これらの装置は、バス(図示せず)で相互に接続されている。補助記憶装置52は、移転登録申請書32、手数料納付書33及び自動車取得税・自動車税申告書34を格納している。これらは、車両の登録番号等の情報を未だ記載していない状態のひな型(電子データ)である。特定協力者内の任意の箇所に、譲渡証明書35、委任状36及び印鑑登録証明書37が実物の書類として保管されている。特定協力者は、所有者から、予めこれらの書類を受け取り、保管しておく。譲渡証明書35、委任状36及び印鑑登録証明書37が、電子データとして補助記憶装置52に格納されていてもよい(詳細後記)。
【0040】
金融機関サーバ5は、所有者が運営するサーバである。金融機関サーバ5は、解案56(
図2)に記載されている事項を記憶している。端末装置3を操作する使用者は、登録支援装置2が提供するサービスの対価を、登録支援者に支払う。対価の支払いには、例えばクレジットカード決済が利用される。
図10の決済サーバ6は、クレジット会社のサーバである。登録支援装置2、端末装置3、特定協力者サーバ4、金融機関サーバ5及び決済サーバ6は、インターネット等のネットワーク7を介して通信可能に接続されている。登録支援装置2、端末装置3、特定協力者サーバ4及び決済サーバ6は、登録支援システム1を構成する。
【0041】
(完済書類照合情報)
図11に沿って、完済書類照合情報31を説明する。完済書類照合情報31においては、解案作成日覧101に記憶された解案作成日に関連付けて、使用者名欄102には使用者名が、使用者住所欄103には使用者住所が、貸出金番号欄104には貸出金番号が、所有者名欄105には所有者名が、登録番号欄106には登録番号が、車台番号欄107には車台番号が、埋め込み情報欄108には埋め込み情報が、変換ルール欄109には変換ルールが、送付済みフラグ欄110には送付済フラグが、使用者名欄111には使用者名が、使用者住所欄112には使用者住所が、所有者名欄113には所有者名が、送付希望日時欄114には送付希望日時が記憶されている。
【0042】
解案作成日欄101の解案作成日は、所有者が解案56を作成した年月日である。
使用者名欄102の使用者名は、使用者の氏名又は名称である。
使用者住所欄103の使用者住所は、使用者の住所である。
貸出金番号欄104の貸出金番号は、貸出金を一意に特定する識別子である。
所有者名欄105の所有者名は、所有者の氏名又は名称である。
登録番号欄106の登録番号は、車両の登録番号(ナンバープレート)である。
車台番号欄107の車台番号は、メーカが車両の生産段階で車両に刻印した、当該車両を一意に特定する識別子である。
解案作成日覧101〜車台番号欄107の情報は、解案56に記載されている。金融機関サーバ5は、これらの情報を暗号化したうえで(詳細後記)、登録支援装置2に予め送信しておく。暗号化する主体は、金融機関又は金融機関が定める任意の者である。
【0043】
埋め込み情報欄108の埋め込み情報は、解案56に記載されている2次元コード62の内容であり、本実施形態では、車両の登録番号(☆)及び車台番号(★)を暗号化した情報である。
変換ルール欄109の変換ルールは、暗号化(復号)のルールである。暗号化した主体は、登録支援者に対して変換ルールを予め通知している。
送付済みフラグ欄110の送付済フラグは、必要書類が使用者に送付されたことを示す任意の文字列(ここでは“Sent”)である。
【0044】
使用者名欄111の使用者名、使用者住所欄112の使用者住所及び所有者名欄113の所有者名は、それぞれ、使用者名欄102の使用者名、使用者住所欄103の使用者住所及び所有者名欄105の所有者名と同じである。しかしながら、使用者名欄111〜所有者名欄113の情報は、使用者が端末装置3の入出力装置42に対して直接入力した情報である。
送付希望日時欄114の送付希望日時は、使用者が必要書類を受け取ることを希望する日時である。この送付希望日時も、使用者が端末装置3の入出力装置42に対して直接入力した情報である。
完済書類照合情報31のレコード(行)の数は、使用者に送付された解案56の数に等しい。
【0045】
(完済書類照合情報の推移)
図12に沿って、完済書類照合情報31のレコードの推移を説明する。より具体的には、
図11のレコード121aが時系列で変化し又は活用されて行く様子を説明する。
(フェーズ1:レコード121b)登録支援装置2は、金融機関サーバ5から解案56(
図2)に記載されている情報を受け取ると、レコード121bを作成する。登録支援装置2は、受け取った情報を解案作成日欄101〜車台番号欄107に記憶する。フェーズ1においては、これらの情報は、暗号化されたままである。
【0046】
(フェーズ2:レコード121c)登録支援装置2は、暗号化されている情報を予め知らされている変換ルール(“ルールA”)を用いて復号する。すると、解案作成日欄101〜車台番号欄107に記憶されている情報は、人間が理解可能な文字列等に変換される。
【0047】
(フェーズ3:レコード121d)使用者は、解案56に記載されている2次元コード62を端末装置3のカメラ43で撮像する。なお、ここでの2次元コード62の埋め込み情報は、暗号化されている。そして、端末装置3は、2次元コード62の埋め込み情報を登録支援装置2に送信する。登録支援装置2は、2次元コード62の埋め込み情報を復号し、復号後の情報(車両の登録番号及び車台番号の組合せ)を検索キーとして、完済書類照合情報31を検索する。そして、登録支援装置2は、該当したレコードの埋め込み情報欄108に暗号化された状態の埋め込み情報を記憶する。フェーズ3においては、登録支援装置2は、使用者が撮像した解案56が、偽造されたものではなく、かつ、借入金が完済された車両についてのものであることを確認したことになる。なお、2次元コード62の埋め込み情報は、車両の登録番号及び車台番号に限定されない。埋め込み情報は、例えば、車両の登録番号、車台番号及び使用者名の3種類であってもよい。この場合、登録支援装置2は、これら3種類の情報の組合せを検索キーとすることになる。
【0048】
(フェーズ4:レコード121e)使用者は、自動車検査証55(
図1)に記載されている2次元コード61を端末装置3のカメラ43で撮像する。なお、ここでの2次元コード61の埋め込み情報は、暗号化されていないものとする。そして、端末装置3は、2次元コード61の埋め込み情報を登録支援装置2に送信する。登録支援装置2は、2次元コード61の埋め込み情報である登録番号及び車台番号の組合せを検索キーとして、完済書類照合情報31を検索する。該当したレコードを発見することができれば、登録支援装置2は、使用者が撮像した自動車検査証55が、偽造されたものではなく、かつ、借入金が完済された車両についてのものであることを確認したことになる。なお、2次元コード61の埋め込み情報は、車両の登録番号及び車台番号に限定されない。埋め込み情報は、例えば、車両の登録番号、車台番号及び使用者名の3種類であってもよい。この場合、登録支援装置2は、これら3種類の情報の組合せを検索キーとすることになる。
【0049】
(フェーズ5:レコード121f)使用者は、自身の氏名、自身の住所、所有者名及び送付希望日時を端末装置3の入出力装置42に入力する。そして、端末装置3は、これらの情報を登録支援装置2に送信する。登録支援装置2は、受け取った情報を、使用者名欄111〜送付希望日時欄114に記憶する。そして、登録支援装置2は、使用者名欄111〜所有者名欄113の情報を、使用者名欄102、使用者住所欄103及び所有者名欄105に記憶されている情報と照合する。照合の結果、比較対象同士が完全一致すれば問題はない。たとえ完全一致しなくても、その差異が軽微(誤字等)である場合、登録支援装置2は、使用者に再入力を促してもよいし、促すまでもなく自動的に修正してもよい。差異が大きい(使用者が引っ越した、使用者の姓が変わった等)場合については、後記する。
【0050】
(フェーズ6:レコード121g)登録支援装置2は、必要書類を使用者に送付する旨の指示を特定協力者サーバ4に送信し、送付済フラグ欄110に“Sent”を記憶する。
【0051】
(処理手順)
図13及び
図14に沿って、処理手順を説明する。処理手順を開始する前提として、金融機関サーバ5は、借入金を完済した使用者に解案56を送付する都度、当該解案56に記載された情報を暗号化したうえで、登録支援装置2に送信しているものとする。そして、登録支援装置2は、受信した情報を復号したうえで、完済書類照合情報31(
図11)を補助記憶装置15に最新の状態で記憶しているものとする。いま、ある使用者が解案56を受け取り、所有権留保解除手続を行うとする。
【0052】
ステップS201において、端末装置3は、解案56(
図2)の2次元コード62を読取る。具体的には、端末装置3のカメラ43は、解案56に記載されている2次元コード62を読取る。当該2次元コード62の埋め込み情報は、登録支援装置2へのアクセス情報(URL)、車両の登録番号及び車台番号である。これらのうち、車両の登録番号及び車台番号は、金融機関又は金融機関が定める任意の者によって暗号化されている。
【0053】
ステップS202において、端末装置3は、登録支援装置2にアクセスする。具体的には、端末装置3は、ステップS201において読取ったアクセス情報を使用して、登録支援装置2にアクセスする。
【0054】
ステップS203において、端末装置3は、必要に応じてアプリケーションを取得する。ここでのアプリケーションとは、所有権留保解除部21及び決済支援部22(
図10)そのものである。所有権留保解除部21及び決済支援部22は、もともと登録支援装置2の補助記憶装置15に格納され、当該処理手順に示される各装置、各サーバの各処理を実行する主体となる。通常、使用者は、それらを、それらが登録支援装置2の主記憶装置14にロードされている状態で(無料又は有料で)活用できれば充分である。しかしながら使用者は、それらを登録支援者から買い取り、端末装置3にダウンロードすることもできる。
【0055】
具体的には、使用者が希望する場合、端末装置3は、自身の入出力装置42に表示されたアイコン等を使用者が操作し、所有権留保解除部21及び決済支援部22を登録支援装置2から端末装置3にダウンロードするのを受け付ける。すると、その後、当該処理手順に示される各装置、各サーバの各処理を実行する主体は、端末装置3の主記憶装置44に記憶されている状態の所有権留保解除部21及び決済支援部22となる。このようなダウンロードを使用者が希望しない場合、ステップS203は省略される。以降では、ステップS203が省略されたものとして説明を続ける。
【0056】
ステップS204において、登録支援装置2の所有権留保解除部21は、2次元コード62の埋め込み情報を受信する。具体的には、所有権留保解除部21は、ステップS201において読取られた埋め込み情報のうち暗号化されている部分を端末装置3から受信する。
【0057】
ステップS205において、所有権留保解除部21は、完済書類照合情報31(
図11)を参照する。具体的には、第1に、所有権留保解除部21は、完済書類照合情報31のレコードのうち、以下の条件を満たすレコードを検索する。なお、以下の条件を満たすレコードを“手続対象レコード”と呼ぶ場合がある。
・ステップS204において受信した情報をそのレコードの変換ルールで復号した結果が、そのレコードの登録番号及び車台番号に一致すること。
・そのレコードに送付済フラグが記憶されていないこと。
第2に、所有権留保解除部21は、手続対象レコードの埋め込み情報欄108に、埋め込み情報のうち暗号化されている部分をそのまま記憶する。
【0058】
ステップS206において、所有権留保解除部21は、該当するレコードが存在するか否かを判断する。具体的には、所有権留保解除部21は、手続対象レコードが存在する場合(ステップS206“Yes”)、ステップS207に進み、手続対象レコードが存在しない場合(ステップS206“No”)、処理手順を終了する。処理手順を終了する直前に、所有権留保解除部21は、“私どもではあなたのお車の手続ができません”、“○○社のホームページで手続が可能な場合があります”のようなメッセージを、端末装置3の入出力装置42に表示してもよい。
【0059】
ステップS207において、所有権留保解除部21は、サービス内容、利用規約等を表示する。具体的には、所有権留保解除部21は、サービス内容、利用規約等を端末装置3の入出力装置42に表示する。所有権留保解除部21は、サービス内容の表示として、例えば以下のようなメッセージを表示してもよい。
・“最近あなたの住所が変わった場合、住所の繋がりのわかる書類を別途用意して頂く場合があります”
・“ご結婚等により最近あなたの姓が変わった場合、姓の繋がりのわかる書類を別途用意して頂く場合があります”
【0060】
ステップS208において、所有権留保解除部21は、同意が得られたか否かを判断する。具体的には、第1に、所有権留保解除部21は、“あなたはサービス内容及び利用規約に同意されますか?”というメッセージを端末装置3の入出力装置42に表示する。
第2に、所有権留保解除部21は、同意する旨の操作信号が端末装置3から送信されてきた場合(ステップS208“Yes”)、ステップS209に進む。所有権留保解除部21は、同意しない旨の操作信号が端末装置3から送信されてきた場合(ステップS208“No”)、処理手順を終了する。処理手順を終了する直前に、所有権留保解除部21は、“ご希望に添えずに申し訳ありません”、“○○社のホームページもお試しください”のようなメッセージを、端末装置3の入出力装置42に表示してもよい。
【0061】
ステップS209において、所有権留保解除部21は、自動車検査証55の準備を促す。具体的には、所有権留保解除部21は、例えば“お車の自動車検査証の2次元コードを読取ってください”というメッセージを端末装置3の入出力装置42に表示する。
【0062】
ステップS210において、端末装置3は、自動車検査証55の2次元コード61を読取る。具体的には、端末装置3のカメラ43は、自動車検査証55に記載されている2次元コード61を読取る。当該2次元コード61の埋め込み情報は、車両の登録番号及び車台番号である。埋め込み情報は暗号化されていないものとする。
【0063】
ステップS211において、登録支援装置2の所有権留保解除部21は、完済書類照合情報31(
図11)を参照する。具体的には、第1に、所有権留保解除部21は、ステップS210において読取られた埋め込み情報を端末装置3から受信する。
第2に、所有権留保解除部21は、完済書類照合情報31のレコードのうち、以下の条件を満たすレコードを検索する。
・ステップS211の“第1”において受信した埋め込み情報が、そのレコードの登録番号及び車台番号に一致すること。
・そのレコードに送付済フラグが記憶されていないこと。
【0064】
ステップS212において、所有権留保解除部21は、該当するレコードが存在するか否かを判断する。具体的には、所有権留保解除部21は、ステップS211の“第2”において該当したレコードが手続対象レコードである場合(ステップS212“Yes”)、ステップS213に進む。所有権留保解除部21は、ステップS211の“第2”において該当したレコードが手続対象レコード以外のレコードである場合、又は、そもそも該当するレコードが存在しない場合(ステップS212“No”)、処理手順を終了する。処理手順を終了する直前に、所有権留保解除部21は、“自動車検査証を取り違えていませんか?”、“既に手続が終了していませんか?”のようなメッセージを、端末装置3の入出力装置42に表示してもよい。
【0065】
ステップS213において、所有権留保解除部21は、使用者名等の入力を促す。具体的には、所有権留保解除部21は、例えば次のメッセージを端末装置3の入出力装置42に表示する。
・“あなたのお名前とご住所を入力してください”
・“あなたがご利用になっていた金融機関をプルボックスの例から選択してください”
・“必要書類をご自宅で受け取りたい時間帯を入力してください”
【0066】
ステップS214において、端末装置3は、使用者名等の入力を受け付ける。具体的には、端末装置3は、使用者が入出力装置42を介して自身の氏名及び住所を入力し、金融機関名を選択し、送付希望日時を入力するのを受け付ける。
【0067】
ステップS215において、登録支援装置2の所有権留保解除部21は、使用者名等を修正する。具体的には、第1に、所有権留保解除部21は、ステップS214において入力(選択)された情報を端末装置3から受信し手続対象レコードに記憶する。
第2に、所有権留保解除部21は、ステップS215の“第1”において受信した情報のうち、氏名、住所及び金融機関名を、手続対象レコードのそれぞれ使用者名欄102、使用者住所欄103及び所有者名欄105の情報と比較する。
【0068】
第3に、所有権留保解除部21は、ステップS215の“第2”における比較の結果、差異を発見した場合、例えば“ご住所が金融機関さまから頂いたものと異なりますので再入力してください”等のメッセージを端末装置3の入出力装置42に表示する。差異が住所の誤記等軽微なものである場合、所有権留保解除部21は、再入力を促すまでもなく郵便局等の公開情報を参照して自動的に修正してもよい。
第4に、所有権留保解除部21は、ステップS214において入力(選択)され、必要に応じステップS215の“第3”において修正(再入力)された情報を、手続対象レコードの使用者名欄111〜送付希望日時欄114に記憶する。
【0069】
ステップS216において、所有権留保解除部21は、最終的な申込を促す。具体的には、所有権留保解除部21は、例えば、“はい”ボタン、“いいえ”ボタン及び以下のメッセージを端末装置3の入出力装置42に表示する。
・“サービスをご利用になる場合は、「はい」ボタンを押下してください”
・“サービスをご利用にならない場合は、「いいえ」ボタンを押下してください”
【0070】
ステップS217において、所有権留保解除部21は、申込に至ったか否かを判断する。具体的には、ステップS216において“いいえ”ボタンが押下された場合(ステップS217“No”)、所有権留保解除部21は、処理手順を終了する。
一方、ステップS216において“はい”ボタンが押下された場合(ステップS217“Yes”)、所有権留保解除部21は、登録支援装置2の決済支援部22を起動する。決済支援部22は、“カード会社のアイコンを押下して決済画面に推移してください”というメッセージを端末装置3の入出力装置42に表示する。その後、決済支援部22は、端末装置3を決済サーバ6に接続すると同時に、決済サーバ6に決済情報を送信する。決済情報は、サービス代金及び登録支援者名を含む。次のステップS218(
図14)において、使用者は、決済サーバ6の画面を見ることになる。
【0071】
ステップS218において、決済サーバ6は、サービス代金、支払条件等を表示する。具体的には、第1に、決済サーバ6は、ステップS217において送信された決済情報を受信する。
第2に、決済サーバ6は、決済情報に含まれるサービス代金及び登録支援者名、並びに、以下のメッセージを端末装置3の入出力装置42に表示する。
・“弊社は当該金額を○○さまに支払い、当該金額を来月末日にあなたに請求します”
・“よろしければ、必要な情報を入力し、「決済確定」ボタンを押下してください”
【0072】
ステップS219において、端末装置3は、カード情報等の入力を受け付ける。具体的には、端末装置3は、使用者が入出力装置42を介して、クレジットカードの番号、パスワード、自身の氏名等、通常のカード決済に必要な情報を入力したうえで、“決済確定”ボタンを押下するのを受け付ける。
【0073】
ステップS220において、決済サーバ6は、決済を確定する。具体的には、決済サーバ6は、サービス代金の立替払い、サービス代金の請求期限の管理、サービス代金の請求、サービス代金の入金確認等、一連の処理を適宜のタイミングで実行する。サービス代金は、必要書類の準備又は作成、及び、登録支援装置2の運営に係る費用を含む。
【0074】
ステップS221において、登録支援装置2の決済支援部22は、申込手続完了画面を表示する。具体的には、決済支援部22は、以下のメッセージを含む申込手続完了画面を端末装置3の入出力装置42に表示する。
・“サービスのお申込と、代金のお支払い手続が終了しました”
・“ご指定の時間帯に必要書類がお手元に届くのをお待ちください”
・“あなたの印鑑登録証明書をご準備ください”
その後、決済支援部22は、登録支援装置2の所有権留保解除部21を再起動する。
【0075】
ステップS222において、所有権留保解除部21は、登録番号、金融機関名等を送信する。具体的には、所有権留保解除部21は、手続対象レコードの情報を特定協力者サーバ4に送信する。すると、特定協力者サーバ4は、手続対象レコードの情報を登録支援装置2から受信する。特定協力者が変換ルールを知っている場合、所有権留保解除部21は、手続対象レコードの情報を暗号化したまま送信してもよい。
【0076】
ステップS223において、所有権留保解除部21は、送付済フラグを記憶する。具体的には、所有権留保解除部21は、手続対象レコードに送付済フラグ“Sent”を記憶する。このタイミングで送付済フラグを記憶することは、間もなく特定協力者サーバ4が必要書類を使用者に送付するはずである、という信頼関係に基づく。所有権留保解除部21は、他のタイミング(例えばステップS225)で送付済フラグを記憶してもよい。
【0077】
ステップS224において、特定協力者サーバ4は、必要書類を準備又は作成する。具体的には、第1に、特定協力者サーバ4は、移転登録申請書32(
図3)、手数料納付書33(
図4)及び税申告書34(
図5)のそれぞれのひな型を、公的機関のホームページ等から取得する。これらのひな型は、電子データである。当然、公的機関のホームページは、最新の書式のひな型を準備しているものとする。
【0078】
第2に、特定協力者サーバ4は、ステップS224の“第1”において取得した3種類のひな型の各欄に、ステップS222において受信した情報を転記する。そして、特定協力者サーバ4は、手数料納付書33の印紙貼付欄に印紙の金額33dを記載する。なお、使用者は、公的機関等において印紙を購入し貼付することになるが、特定協力者が準備して貼付する場合もある。
【0079】
第3に、特定協力者サーバ4は、
図8の所有者の印鑑登録証明書37を金融機関サーバ5から取得することによって準備する。ここで取得する書類は、紙面の原本であってもよいし、所管の公的機関が認める場合は電子データであってもよい。いずれの場合であっても、金融機関サーバ5は、有効期限までの日数が充分長い所有者の印鑑登録証明書37を準備することが望ましい。
【0080】
第4に、特定協力者サーバ4は、ステップS222において受信した情報に基づき、車両についての譲渡証明書35(
図6)の紙面及び委任状36(
図7)の紙面を金融機関サーバ5から取得することによって準備する。所管の公的機関及び金融機関が認める場合、特定協力者サーバ4は、ステップS222において受信した情報に基づき、譲渡証明書35及び委任状36の電子データを自ら作成し、金融機関に代わり金融機関の印鑑(電子印鑑)を押印してもよい。
【0081】
ステップS225において、特定協力者サーバ4は、必要書類を送付する。具体的には、特定協力者サーバ4は、送付希望日時が到来すると、ステップS224の“第1〜第4”において準備・作成した必要書類を使用者に送付する。特定協力者サーバ4は、必要書類のすべて又は一部を電子データとして、端末装置3に送信してもよい。その後、処理手順を終了する。
【0082】
(必要書類送付タイミングの管理)
所有権留保解除部21は、例えばステップS223の処理を終了した時点において、以下の2つの処理を実行する。
・第1に、“必要書類送付タイマ”(図示せず)を起動する。
・第2に、ステップS225の処理を完了した旨の“送付完了報告”を登録支援装置2に送信することを特定協力者サーバ4に指示する。
所有権留保解除部21は、必要書類送付タイマの経過時間が所定の値(例えば60分)に達した時点において、送付完了報告を未だ受信していない場合、直ちにステップS224及びS225の処理を行う旨の指示を特定協力者サーバ4に送信する。なお、所有権留保解除部21は、必要書類送付タイマの起動時点を別の時点(例えば、ステップS216において「はい」ボタンが押下された時点、又は、送付希望日時)としてもよい。
【0083】
(住所の変更)
使用者“山本和夫”は、解案56を受け取った後間もなく住所を移転したとする。すると、手続対象レコードの使用者住所(欄103)は、“神奈川県横浜市・・・”である一方、ステップS214において受け付けた使用者住所は、例えば“神奈川県三浦市・・・”となる。この場合、ステップS215の“第3”において、登録支援装置2の所有権留保解除部21は、“移転後のご住所で必要書類を準備します。住所の繋がりがわかる公的書類を準備してください”というメッセージを端末装置3の入出力装置42に表示する。ステップS215の“第4”において、所有権留保解除部21は、“神奈川県三浦市・・・”を手続対象レコードの使用者住所欄112に記憶する。ステップS222において、所有権留保解除部21は、“神奈川県三浦市・・・”を含む手続対象レコードの情報を特定協力者サーバ4に送信する。ステップS224の“第2”において、特定協力者サーバ4は、ステップS224の“第1”において取得した3種類のひな型の各欄のうち、使用者の住所の欄に“神奈川県三浦市・・・”を転記する。
【0084】
(姓の変更)
使用者“磯野○子”は、解案56を受け取った後間もなく結婚し改姓したとする。すると、手続対象レコードの使用者名(欄102)は“磯野○子”である一方、ステップS214において受け付けた使用者名は、例えば“佐藤○子”となる。この場合、ステップS215の“第3”において、登録支援装置2の所有権留保解除部21は、“改姓後の姓で必要書類を準備します。姓の繋がりがわかる公的書類を準備してください”というメッセージを端末装置3の入出力装置42に表示する。ステップS215の“第4”において、所有権留保解除部21は、“佐藤○子”を手続対象レコードの使用者名欄111に記憶する。ステップS222において、所有権留保解除部21は、“佐藤○子”を含む手続対象レコードの情報を特定協力者サーバ4に送信する。ステップS224の“第2”において、特定協力者サーバ4は、ステップS224の“第1”において取得した3種類のひな型の各欄のうち、使用者の氏名の欄に“佐藤○子”を転記する。
【0085】
(実施形態の効果)
本実施形態の登録支援システムは、以下の効果を奏する。
(1)使用者は、自身の端末装置を使用して、自身の都合のよいタイミングに迅速かつ確実に、所有権留保解除に必要な最新の必要書類を入手できる。
(2)金融機関は、貸出金に係る個人情報等を保護することができる。
(3)使用者は、旧車検証及び解案に記載されている情報を迅速かつ正確に読取ることができる。
(4)金融機関は、偽造等された旧車検証・解案に基づき必要書類を発行すること、重複して必要書類を発行することを防止できる。
【0086】
(5)金融機関及び特定協力者は、紙面に代えて電子データを遣り取りすることでコストダウンを図ることができる。
(6)使用者は、極端に遅延して必要書類を受け取ることを防止できる。
(7)使用者は、申請書等、書式の変化が発生しやすい必要書類についても、最新のものを入手できる。
(8)使用者は、サービス代金の支払い手続を同時に行うことができる。
【0087】
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【解決手段】本発明の登録支援システム1は、車両を取得する使用者に対する与信が完済されたことを証する完済通知書類に記載されている完済書類情報、及び、車両が公的機関に登録済であることを証する登録書類に記載されている登録書類情報を、使用者が入力するのを受け付ける端末装置3と、端末装置から受け付けた完済書類情報及び登録書類情報が、金融機関から受け付けた情報内に存在するか否かを判断する登録支援装置2と、判断の結果、存在する場合、端末装置から受け付けた完済書類情報及び登録書類情報に係る車両についての情報を登録支援装置から受け付け、使用者が車両についての公的機関における手続を行うための必要書類を準備又は作成し、準備又は作成した必要書類を使用者に送付する特定協力者サーバ4と、を備える。