【文献】
M.Zhang.,et al,A tunable green alkaline-earth silicon-oxynitride solid solution (Ca1-xSrx)Si2O2N2:Eu2+ and its application in LED,Applied Physics B,2008年12月,Vol.B93, No.4,pages 829-835
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面において各層の厚さや大きさは、説明の便宜及び明確性のために誇張されるか、省略されるか、又は概略的に示された。また、各構成要素の大きさは、実際の大きさを全体的に反映するものではない。
【0015】
また、本発明による実施例の説明において、各基板の「上又は下(on or under)」に形成されるものと記載される場合において、上又は下(on or under)は、二つの同一の基板が互いに直接(directly)接触するか、又は一つ以上の別の基板が当該同一の基板の間に配置されて(indirectly)形成されることを全て含む。また、上又は下(on or under)と表現される場合、一つの基板を基準として上側方向だけではなく下側方向の意味も含まれる。
【0016】
以下、添付された図面を参照して、実施例による蛍光体とこれを含む発光装置を説明する。
【0017】
<蛍光体>
以下では、本発明の一実施例による蛍光体を具体的に説明することにする。
【0018】
本発明の一実施例による蛍光体は、紫外線及び紫外線に近い青色波長帯域でピーク(peak)波長を有する光によって励起され、緑色波長帯域と黄色波長帯域との間でピーク波長を有する光を放出する。本発明の一実施例による蛍光体は、400〜480nm波長帯域内でピーク波長を有する光によって励起され、500〜600nm波長帯域内でピーク波長を有する光を放出する。
【0019】
本発明の一実施例による蛍光体は、Ca,Sr及びEuの3つの成分を含有する三斜晶系結晶構造を有する蛍光体である。
【0020】
本発明の一実施例による蛍光体に含まれるCa,Sr及びEuのモル比をそれぞれx,y,zとする時、x+y+z=1であり、x,y,zを三角図法によって図示した時、三角図上で(0.45,0.55,0)、(0.75,0.25,0)、(0.75,0,0.25)、(0.5,0,0.5)、(0.45,0.05,0.5)の5つの点を実線で結ぶ領域において、線上及び内部に分布する。
図3は、x,y,zを三角図の座標軸で表わした図面である。本発明の一実施例による蛍光体に含まれるCa,Sr及びEuのモル比x,y,zは、
図3の三角図で実線で表示される領域において、線上及び内部に含まれる。
【0021】
本発明の一実施例による蛍光体は、オキシナイトライド(Oxy−nitride)系蛍光体である。
【0022】
前記実施例による蛍光体の化学式は、MSi
2N
2O
2,M=Ca
xSr
yEu
z(x+y+z=1)である。ここで、Ca,Sr及びEuのモル比をそれぞれx,y,zとする時、x+y+z=1であり、x,y,zを三角図法によって図示した時、三角図上で(0.45,0.55,0)、(0.75,0.25,0)、(0.75,0,0.25)、(0.5,0,0.5)、(0.45,0.05,0.5)の5つの点を実線で結ぶ領域において、線上及び内部に分布する。本発明の一実施例によるオキシナイトライド系蛍光体は、特に、このような組成である時、優れた発光特性を見せる。すなわち、実施例による蛍光体は、放出される光の強度と輝度が向上するという利点がある。また、周囲の温度に影響をあまり受けないという利点がある。
【0023】
また、上述のような本発明の一実施例による蛍光体の結晶構造は三斜晶系を有する。
【0024】
本発明の一実施例によるオキシナイトライド系蛍光体は、同範囲内でも、特にEuのモル費zが0.15以上0.4以下である場合、緑色波長帯域と黄色波長帯域のうち、特に黄色波長帯域に近いピーク波長を有する光を放出する。すなわち、上述のような本発明の一実施例による蛍光体は、特にEuのモル比zが0.15以上0.4以下である場合、500〜600nm波長帯域内でも、特に560nmに近いピーク波長を有する光を放出する。
図4はx,y,zを三角図の座標軸で表わした図面であり、このように黄色波長帯域に近いピーク波長を有する光が放出される場合の範囲を実線で表示したものである。
図4において、本発明の一実施例による蛍光体に含まれるCa,Sr及びEuのモル比x,y,zは、実線で表示される領域において線上及び内部に含まれる。
【0025】
前記オキシナイトライド蛍光体は、三斜晶系結晶構造の中でも特に本発明の発明者が発見した所定の結晶構造を有する場合に、発光特性がより優れている。三斜晶系結晶構造の中でも特に優れた発光特性を見せる場合を、本明細書上では三斜晶系ベータ(β)と称し、そうではない場合を三斜晶系アルファ(α)と称することにする。しかし、本発明の作用と効果が享有される結晶構造として、本明細書において全般的に記述している概念に含まれるものならば、あえて特定の名称に限定されるものではない。
【0026】
本発明の実施例による蛍光体、すなわち、三斜晶系ベータ(β)の結晶構造を有する蛍光体は、そうでない場合に比べて放出される光の強度と輝度が向上するという利点がある。また、三斜晶系ベータ(β)の結晶構造を有する蛍光体は、そうでない場合に比べて周囲温度に影響をあまり受けないという利点がある。
【0027】
実施例による蛍光体の発光効率を評価する方法のうちの一つとして、量子効率、さらに細部的には、内部量子効率(Internal Quantum Efficiency)を採用することができる。実施例による蛍光体は、所定の結晶構造、すなわち、三斜晶系ベータ(β)の場合に、そうでない場合に比べて内部量子効率が優れている。
【0028】
表1は、Ca,Sr及びEuのモル比x,y,zを多様な値として実験した結果、三斜晶系ベータ(β)の場合を○で、三斜晶系アルファ(α)の場合を×で表示した表である。表1に示された結果を、x,y,zを三角図の座標軸で表わした図面に表示すると、
図5のとおりである。
【表1】
【0029】
図6は、
図5に示された三斜晶系ベータ(β)の場合を含む領域を実線で表示した三角図である。
図6に示されているように、実施例による蛍光体は、Caのモル比x、Srのモル比y、Euのモル比zを三角図の座標軸で表わした場合、x,y,zの座標値がそれぞれA(0.45,0.55,0)、B(0.75,0.25,0)、C(0.7,0,0.3)、D(0.5,0,0.5)の4つの座標点を頂点とする領域において、領域の線上及び内部に位置する。表1及び
図6から分かるように、実施例による蛍光体は、このような範囲にある場合、特に優れた発光特性を見せる。例えば、前記範囲に含まれる蛍光体は内部量子効率に優れる。
【0030】
図6に示されているような領域にある蛍光体は、所定の結晶構造、すなわち、三斜晶系ベータ(β)の結晶構造を見せる一方、領域外にある蛍光体はそうではない。
【0031】
結晶構造を確認するには、X線回折分析法(XRD)を採用することができる。XRD分析を行う場合、実施例による蛍光体が有する結晶構造、すなわち、三斜晶系ベータ(β)は、そうではない結晶構造、すなわち、三斜晶系アルファ(α)とは異なる分析結果を見せる。
【0032】
図7は、x,y,zを座標軸とする三角図において、三斜晶系ベータ(β)に属する所定のサンプルAと三斜晶系アルファ(α)に属する所定のサンプルBを表示したものである。
【0033】
図8は、
図7のサンプルAに対してXRD分析結果を示したグラフである。
図9は、
図7のサンプルBに対してXRD分析結果を示したグラフである。
図8及び
図9のXRD分析結果から分かるとおり、実施例による三斜晶系ベータ(β)の結晶構造は、そうでない場合と異なる分析結果を見せる。
【0034】
実施例によるオキシナイトライド系蛍光体は、三斜晶系ベータ(β)の結晶構造を見せる同範囲内でも、特に、Euのモル比zが0.15以上0.4以下である場合、緑色波長帯域と黄色波長帯域のうち、特に黄色波長帯域に近いピーク波長を有する光を放出する。すなわち、前記オキシナイトライド蛍光体は、特に、Euのモル比zが0.15以上0.4以下である場合、500〜600nm波長帯域内でも、特に560nmに近いピーク波長を有する光を放出する。
【0035】
表2は、Ca,Sr及びEuのモル比x,y,zを多様な値として実験した結果、三斜晶系ベータ(β)でありながら黄色波長帯域に近いピーク波長を見せる場合のx,y,z座標値を表示したものである。また、
図10は、このように黄色波長帯域に近いピーク波長を有する光が放出される場合をプロッティングした三角図である。
図10において、円でプロッティングされた黄色波長帯域に近いピーク波長を有する光が放出される場合を示す。
図11は、x,y,zを三角図の座標軸で表わした図面であり、このように黄色波長帯域に近いピーク波長を有する光が放出される場合の範囲を実線で表示したものである。同図面において、本発明の一実施例による黄色波長帯域に近いピーク波長を有する光が放出される蛍光体に含まれるCa,Sr及びEuのモル比x,y,zは、実線で表示される領域において線上及び内部に含まれる。
【表2】
【0036】
以下では、実施例による蛍光体の製造方法について説明することにする。以下で説明する製造方法は一つの例であり、必ずしも以下で説明する具体的な方法だけによる必要はない。実施例による所定の組成を有する蛍光体、結晶構造を有する蛍光体を製造するために、以下で説明する製造方法のうち一部を変形することも可能である。
【0037】
アルカリ土類(alkali earths)金属Mの炭酸塩、二酸化ケイ素(SiO
2)、窒化ケイ素(Si
3N
4)及び酸化ユウロピウム(Eu
2O
3)を所定の割合で混合し、均一になるまで混ぜ合わせて混合物を準備する。アルカリ土類金属Mの炭酸塩の例としては、SrCO
3が挙げられる。原料としては、Ca,Sr,Si,Eu金属、酸化物、窒化物及び各種塩類などを用いてもよい。また、原料の全部又は一部を液体、例えば、その水溶液として混合してもよい。また、フラックス(flux)として作用するSrF
2,BaF,H
3BO
4,NaClなどを一緒に混合してもよい。
【0038】
前記混合物を窒化ホウ素(boron nitride)坩堝などに入れて、還元雰囲気又は不活性雰囲気で焼成して焼成物を生成する。窒化ホウ素坩堝の他にもアルミナ(Alumina)坩堝を使用することもできる。焼成温度は1400〜1700℃であり、さらに望ましくは、焼成温度は1450〜1600℃である。ここで、焼成温度が1400℃より低ければ、様々な原料が互いに反応しないことがあり、又は、三斜晶系結晶構造を有する蛍光体が得られないという問題があり、焼成温度が1700℃より高ければ様々な原料自体が分解されたり溶融するという問題がある。焼成温度が1450℃〜1600℃ の間ならば、様々な成分の未反応又は分解の確率を低くすることができる。
【0039】
還元雰囲気は、水素−質素(H
2−N
2)雰囲気、アンモニア雰囲気及び質素−アンモニア雰囲気のいずれか一つである。不活性雰囲気は、質素雰囲気又はアルゴン(Ar)雰囲気のいずれか一つである。不活性雰囲気でEu
3+がEu
2+に還元される。
【0040】
焼成過程は、前記原料の一部を混合して、これらを先に焼成処理し、得られた焼成物に残った原料を混合した後、焼成処理して目的の蛍光体を得ることもできる。
【0041】
焼成過程を介して得られた焼成物を粉砕し、例えば、pH<8の蒸留水、精製水等の不純物が除去された水で洗浄ができる。
【0042】
製造過程の具体的な一例として、次のような全体的な工程が挙げられる。すなわち、先にSrCO
3、SiO
2及びEu
2O
3を反応させてSr
2SiO
4:Euを得て、Sr
2SiO
4:Euを粉砕する。粉砕されたSr
2SiO
4:EuとSi
3N
4と反応させてSrSi
2O
2N
2:Euを得る。SrSi
2O
2N
2:Euを粉砕する。そして、粉砕されたSrSi
2O
2N
2:Euを、pHが8より小さくて不純物が最大限除去された蒸溜水又は精製水に洗浄する。
【0043】
下の第1ないし第4実施例は、ストロンチウム(Sr)のモル比を変化させながら、実施例による蛍光体を製造する場合の製造方法の一例である。ここで、ストロンチウム(Sr)の割合は、製造された蛍光体内のCa,Sr及びEuのモル比x,y,zの合計を1とした時のストロンチウム(Sr)が占める割合である。
【0044】
<第1実施例>
16.35gのSrCO
3、12.04gのSiO
2、34.25gのSi
3N
4、4.10gのEu
2O
3及び33.26gのCaCO
3を混合して得られた混合物を窒化ホウ素坩堝に入れて、H
2−N
2混合ガスを用いた還元雰囲気と約1500℃で約6時間焼成した。その結果できた蛍光体に含まれたストロンチウムの割合は0.2375であった。
【0045】
<第2実施例>
21.43gのSrCO
3、11.83gのSiO
2、33.65gのSi
3N
4、4.03gのEu
2O
3及び29.05gのCaCO
3を混合して得られた混合物を窒化ホウ素坩堝に入れて、H
2−N
2混合ガスを用いた還元雰囲気と約1500℃で約6時間焼成した。その結果できた蛍光体に含まれたストロンチウムの割合は0.3135であった。
【0046】
<第3実施例>
26.33gのSrCO
3、11.63gのSiO
2、33.08gのSi
3N
4、3.96gのEu
2O
3及び24.99gのCaCO
3を混合して得られた混合物を窒化ホウ素坩堝に入れて、H
2−N
2混合ガスを用いた還元雰囲気と約1500℃で約6時間焼成した。その結果できた蛍光体に含まれたストロンチウムの割合は0.399であった。
【0047】
<第4実施例>
31.07gのSrCO
3、11.44gのSiO
2、32.53gのSi
3N
4、3.90gのEu
2O
3、21.06gのCaCO
3を混合して得られた混合物を窒化ホウ素坩堝に入れて、H
2−N
2混合ガスを用いた還元雰囲気と約1500℃で約6時間焼成した。その結果できた蛍光体に含まれたストロンチウムの割合は0.475であった。
【0048】
下の第1ないし第5比較例は、前記第1ないし第4実施例と比較するためのものである。
【0049】
<第1比較例>
10.44gのSiO
2、33.72gのSi
3N
4、3.94gのEu
2O
3、42.55gのCaCO
3を混合して得られた混合物を窒化ホウ素坩堝に入れて、H2−N2混合ガスを用いた還元雰囲気と約1500℃で約6時間焼成した。その結果できた蛍光体に含まれたストロンチウムの割合は0であった。
【0050】
<第2比較例>
35.65gのSrCO
3、11.25gのSiO
2、32.00gのSi
3N
4、3.83gのEu
2O
3、17.26gのCaCO
3を混合して得られた混合物を窒化ホウ素坩堝に入れて、H
2−N
2混合ガスを用いた還元雰囲気と約1500℃で約6時間焼成した。その結果できた蛍光体に含まれたストロンチウムの割合は0.551であった。
【0051】
<第3比較例>
40.09gのSrCO
3、11.07gのSiO
2、31.48gのSi
3N
4、3.77gのEu
2O
3、13.59gのCaCO
3を混合して得られた混合物を窒化ホウ素坩堝に入れて、H
2−N
2混合ガスを用いた還元雰囲気と約1500℃で約6時間焼成した。その結果できた蛍光体に含まれたストロンチウムの割合は0.627であった。
【0052】
<第4比較例>
44.38gのSrCO
3、10.89gのSiO
2、30.98gのSi
3N
4、3.71gのEu
2O
3、10.03gのCaCO
3を混合して得られた混合物を窒化ホウ素坩堝に入れて、H
2−N
2混合ガスを用いた還元雰囲気と約1500℃で約6時間焼成した。その結果できた蛍光体に含まれたストロンチウムの割合は0.7125であった。
【0053】
<第5比較例>
62.75gのSrCO
3、10.44gのSiO
2、33.72gのSi
3N
4、3.94gのEu
2O
3を混合して得られた混合物を窒化ホウ素坩堝に入れて、H
2−N
2混合ガスを用いた還元雰囲気と約1500℃で約6時間焼成した。その結果できた蛍光体に含まれたストロンチウムの割合は0.95であった。
【0054】
前記第1ないし第4実施例と前記第1ないし第5比較例を通じて、合計9種類の蛍光体を製造することができた。
【0055】
図12は、第1ないし第4実施例による蛍光体それぞれの励起スペクトラムであり、
図13は、第1ないし第4実施例による蛍光体それぞれの発光スペクトラムである。
図13の発光スペクトラムは、第1ないし第4実施例による蛍光体が、460nmの光によって励起された場合の発光スペクトラムである。
図12及び
図13において、横軸は波長(nm)であり、縦軸は1で標準化された強度(intensity)である。
【0056】
図12及び
図13を参照すると、第1ないし第4実施例による蛍光体は、紫外線と紫外線帯域に近い青色可視光線帯域の光によって励起され、緑色(green)から黄色(yellow)の可視光線帯域の光を放出できることが分かる。
【0057】
図14は、第1ないし第4実施例と第1ないし第5比較例のストロンチウム比率による内部量子効率を示すグラフである。内部量子効率は、吸収される光に対する放出される光の割合を意味する。
【0058】
図14において横軸はストロンチウムの割合を示し、縦軸の量子効率値は第3実施例を基準とした相対的な値である。
図14を参照すると、ストロンチウムの比率が0.25より大きいか同じであり、0.55より小さいか同じ範囲で量子効率が高いことが分かる。
【0059】
図15は、第1ないし第4実施例と第1ないし第5比較例のX線回折パターンを示すグラフである。
図15のグラフにおいて、x軸はX線の入射角度を示し、y軸は回折性の強度(intensity)を示す。ここで、X線は0.05〜0.25nm波長を有する電磁波である。
【0060】
図15のx軸の2θを参照すると、第1ないし第4実施例の蛍光体の結晶構造は三斜晶系ベータ(β)であって、第2ないし第5比較例の蛍光体の結晶構造である三斜晶系アルファ(α)と異なることが分かる。
【0061】
図16は、x,y,zを三角図の座標軸で表わした三角図上に、第1ないし第4実施例と第1ないし第5比較例をプロッティングしたものである。第1ないし第4実施例は、本発明の実施例による蛍光体の範囲内に属することが分かる。
【0062】
なお、下の表3は、第1ないし第4実施例と第1ないし第5実施例の結晶構造と格子定数を示す表である。
【表3】
【0063】
図14、
図15及び表3を参照すると、ストロンチウム(Sr)の比率が25〜55%である時、すなわち、第1ないし第4実施例による蛍光体が三斜晶系ベータ(β)に該当することが分かる。
【0064】
そして、格子定数の差を通じて、第1ないし第4実施例による蛍光体の三斜晶系ベータ(β)は、第2ないし第5比較例による蛍光体の三斜晶系アルファ(α)と異なることが分かる。一般的に、よく知られたSrSi
2N
2O
2の結晶構造は三斜晶系アルファ(α)である。したがって、第1ないし第4実施例による蛍光体の結晶構造は、SrSi
2N
2O
2の結晶構造と異なることが分かる。
【0065】
また、表3を参照すると、第1ないし第4実施例による蛍光体の三斜晶系ベータ(β)結晶構造の単位格子の体積は、700Å
3以上である。すなわち、三斜晶系ベータ(β)の単位格子の体積は、三斜晶系アルファ(α)の単位格子の体積の2倍以上である特徴を有する。
【0066】
また、第1ないし第4実施例による蛍光体は、CaSi
2N
2O
2:Eu及びSrSi
2N
2O
2:Euより高い発光輝度を有する。
【0067】
<発光装置>
図1は、実施例による発光装置の断面図である。
図1に示された発光装置は、表面実装タイプの発光装置である。
【0068】
図1を参照すると、実施例による発光装置は、ボディー(body)100、第1及び第2リードフレーム110a,110b、発光素子120、ワイヤー(wire)130及び光透過樹脂140を含む。
【0069】
ボディー100には、第1及び第2リードフレーム110a,110bが配置され、ボディー100は、発光素子120、ワイヤー130及び光透過樹脂140を収納するリセス(recess)を有する。
【0070】
第1及び第2リードフレーム110a,110bは、互いに離隔してボディー100のリセスの底に配置される。第1リードフレーム110a上には、発光素子120が配置される。第1リードフレーム110aは、発光素子120の一電極とワイヤー130を通じて電気的に連結される。第2リードフレーム110bは、 発光素子120の他の一電極とワイヤー130を通じて電気的に連結される。
【0071】
発光素子120はボディー100のリセスに配置され、第1リードフレーム110a上に配置される。発光素子120は、第1及び第2リードフレーム110a,110bに印加される電圧によって光を発生する。
【0072】
発光素子120は、発光ダイオードであってもよい。具体的に、水平型チップ、フリップチップ及び垂直型チップのいずれか一つで具現された発光ダイオードである。
【0073】
発光素子120に電圧が印加されれば、発光素子120は400〜480nm帯域でピーク(peak)波長を有する光を放出することができる。ここで、発光素子120は、紫外線又は紫外線に近い青色波長の光を放出するInGaN発光ダイオードチップである。
【0074】
発光素子120は、発光ダイオードの代わりに、同一の波長帯域でピーク波長を有するレーザーダイオード、側面発光レーザーダイオード、無機電界発光素子、有機電界発光素子であってもよい。
【0075】
ワイヤー130は、ボディー100のリセスに配置され、第1及び第2リードフレーム110a,110bと発光素子120を電気的に連結させる。
【0076】
光透過樹脂140は、ボディー100のリセスに配置される。光透過樹脂140は、発光素子120とワイヤー130をモルディングする。光透過樹脂140は、発光素子120から放出される光を透過させる。光透過樹脂140は、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、ヨウ素樹脂及びアクリル樹脂であってもよい。
【0077】
光透過樹脂140は、図面に示されているように、発光素子120の周囲を全体的にモルディングすることができるが、必要に応じて発光素子120の所定の発光部位に部分的にモルディングすることができる。一例として、発光素子120が小出力発光素子である場合には、発光素子120を全体的にモルディングするのがよいが、高出力発光素子である場合には、蛍光体141の均一分散のために発光素子120を部分的にモルディングするのがよい。
【0078】
光透過樹脂140は、実施例による蛍光体141を有する。蛍光体141は、発光素子120から放出された光のうちの一部の光によって励起され、発光素子120から放出された光の波長と異なる波長を有する光を放出する。蛍光体141は、単一の蛍光体であってもよく、様々な種類の蛍光体であってもよい。例えば、蛍光体141は、黄色、緑色及び赤色蛍光体のうち1以上を含んでいてもよい。黄色蛍光体は、青色光(430nm〜480nm)に応答し、540nmから585nmの範囲で主波長を有する光を放出する。前記緑色蛍光体は、青色光(430nm〜480nm)に応答し、510nmから535nmの範囲で主波長を有する光を放出する。前記赤色蛍光体は、青色光(430nm〜480nm)に応答し、600nmから650nmの範囲で主波長を有する光を放出する。前記黄色蛍光体は、シリケイト系又はYAG系蛍光体であってもよく、前記緑色蛍光体はシリケイト系、ナイトライド系又はスルフィド系蛍光体であってもよく、前記赤色蛍光体は、ナイトライド系又はスルフィド系蛍光体であってもよい。
【0079】
図2は、他の実施例による発光装置の断面図である。
図2に示された発光装置は、バーチカルランプタイプの発光素子である。
【0080】
図2に示された発光装置は、第1及び第2リードフレーム210a,210b、発光素子220、ワイヤー230、光透過樹脂240及び外装材250を含む。
【0081】
第1及び第2リードフレーム210a,210bが互いに離隔して配置される。第1リードフレーム210a上に発光素子220が配置される。第1リードフレーム210aは、発光素子220の一電極とワイヤー230を介して電気的に連結される。第2リードフレーム210bは、発光素子220の他の電極とワイヤー230を介して電気的に連結される。
【0082】
発光素子220は、第1リードフレーム210a上に配置され、発光素子220は、第1及び第2リードフレーム210a,210bに印加される電圧によって光を発生する。
【0083】
発光素子220は発光ダイオードであってもよい。具体的に、水平型チップ、フリップチップ及び垂直型チップのいずれか一つで具現された発光ダイオードである。
【0084】
発光素子220に電圧が印加されれば、発光素子220は、400〜480nm帯域でピーク(peak)波長を有する光を放出する。発光素子220は、紫外線と紫外線に近い青色波長の光を放出するInGaN発光ダイオードチップである。
【0085】
発光素子220は、発光ダイオードの代わりに、同一の波長帯域でピーク波長を有するレーザーダイオード、側面発光レーザーダイオード、無機電界発光素子、有機電界発光素子であってもよい。
【0086】
ワイヤー230は、第1及び第2リードフレーム210a,210bと発光素子220を電気的に結合する。
【0087】
光透過樹脂240は、第1リードフレーム210a上に配置され、発光素子220をモルディングする。また、光透過樹脂240は、発光素子220と連結されたワイヤー230の一部分も一緒にモルディングする。光透過樹脂240は、発光素子220から放出される光を透過させる。光透過樹脂240は、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、ヨウ素樹脂及びアクリル樹脂であってもよい。
【0088】
光透過樹脂240は、発光素子220の周囲を全体的にモルディングすることができるが、必要に応じて発光素子220の所定の発光部位に部分的にモルディングすることができる。
【0089】
光透過樹脂240は、実施例による蛍光体241を有する。蛍光体241は、発光素子220から放出された光のうちの一部の光によって励起され、発光素子220から放出された光の波長と異なる波長を有する光を放出する。蛍光体241は、単一の蛍光体であってもよく、様々な種類の蛍光体であってもよい。例えば、蛍光体241は、黄色、緑色及び赤色蛍光体のうち1以上を含んでいてもよい。黄色蛍光体は、青色光(430nm〜480nm)に応答し、540nmから585nmの範囲で主波長を有する光を放出する。前記緑色蛍光体は、青色光(430nm〜480nm)に応答し、510nmから535nmの範囲で主波長を有する光を放出する。前記赤色蛍光体は、青色光(430nm〜480nm)に応答し、600nmから650nmの範囲で主波長を有する光を放出する。前記黄色蛍光体は、シリケイト系又はYAG系蛍光体であってもよく、前記緑色蛍光体はシリケイト系、ナイトライド系又はスルフィド系蛍光体であってもよく、前記赤色蛍光体は、ナイトライド系又はスルフィド系蛍光体であってもよい。
【0090】
外装材250は、第1及び第2リードフレーム210a,210bの一部分と発光素子220、ワイヤー230及び光透過樹脂240の全体をモルディングする。したがって、外装材250の外側には、第1及び第2リードフレーム210a,210bの残り部分が出ている。
【0091】
以上において、本発明の実施例に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施例に含まれ、必ずしも一つの実施例にのみ限定される訳ではない。さらに、各実施例において例示された特徴、構造、効果などは、実施例が属する分野における通常の知識を持つ者によって、他の実施例についても組み合わせ又は変形されて実施可能である。したがって、このような組み合わせと変形に関係した内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【0092】
また、以上において実施例を中心に説明したが、これは単に例示であるだけであって、本発明を限定する訳ではなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性を外れない範囲で、以上において例示されない様々な変形と応用が可能であることが分かるはずである。例えば、実施例に具体的に示された各構成要素は、変形して実施することができる。そして、このような変形と応用に係る相違点は、添付の特許請求の範囲において規定する本発明の技術的範囲に含まれるものと解釈されるべきである。