(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同じ物を指し示す符号は異なる図面間において共通とする。
【0016】
また、図面において、大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状または値などに限定されない。例えば、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、または、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
【0017】
また本明細書等において、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域またはドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域又はソース電極)の間にチャネル領域を有しており、ドレインとチャネル領域とソースとを介して電流を流すことができるものである。
【0018】
ここで、ソースとドレインとは、トランジスタの構造または動作条件等によって変わるため、いずれがソースまたはドレインであるかを限定することが困難である。そこで、ソースとして機能する部分、及びドレインとして機能する部分を、ソースまたはドレインと呼ばず、ソースとドレインとの一方を第1電極と表記し、ソースとドレインとの他方を第2電極と表記する場合がある。
【0019】
また本明細書等において用いる「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【0020】
また本明細書等において、AとBとが接続されている、とは、AとBとが直接接続されているものの他、電気的に接続されているものを含むものとする。ここで、AとBとが電気的に接続されているとは、AとBとの間で、何らかの電気的作用を有する対象物が存在するとき、AとBとの電気信号の授受を可能とするものをいう。
【0021】
また本明細書等において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。また、構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。従って、明細書で説明した語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
【0022】
また本明細書等において図面における各回路ブロックの配置は、説明のため位置関係を特定するものであり、異なる回路ブロックで別々の機能を実現するよう図面で示していても、実際の回路や領域では、同じ回路や同じ領域内で別々の機能を実現しうるように設けられている場合もある。また図面における各回路ブロックの機能は、説明のため機能を特定するものであり、一つの回路ブロックとして示していても、実際の回路や領域では、一つの回路ブロックで行う処理を複数の回路ブロックで行うよう設けられている場合もある。
【0023】
また本明細書等において、電圧とは、ある電位と、基準電位(例えばグラウンド電位)との電位差のことを示す場合が多い。よって、電圧、電位、電位差を、各々、電位、電圧、電圧差と言い換えることが可能である。なお電圧とは2点間における電位差のことをいい、電位とはある一点における静電場の中にある単位電荷が持つ静電エネルギー(電気的な位置エネルギー)のことをいう。
【0024】
なお、一般に、電位や電圧は、相対的なものである。したがって、グラウンド電位は、必ずしも、0ボルトであるとは限定されない。
【0025】
また本明細書等において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、85°以上95°以下の場合も含まれる。
【0026】
また本明細書等において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
【0027】
(実施の形態1)
本実施の形態では、半導体装置の上面図、及び断面図、並びにデータの保持を可能にした半導体装置での回路図及びその上面図について説明する。
【0028】
なお、半導体装置とは、半導体素子を有する装置のことをいう。なお、半導体装置は、半導体素子を含む回路を駆動させる駆動回路等を含む場合がある。なお、半導体装置は、別の基板上に配置された駆動回路、電源回路等を含む場合がある。
【0029】
まず
図1(A)では、本発明の一態様に係る、半導体装置の一例を示す上面図について示す。また
図1(B)では、
図1(A)に示す一点鎖線A1−A2、A3−A4に対応する断面図を示す。なお、説明を容易にするため、
図1(A)においては、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜などを省略して示す。
【0030】
図1(A)に示す半導体装置の上面図は、半導体層11と、半導体層11上に設けられるソース電極12及びドレイン電極13と、半導体層11と重なるゲート電極15を有する。
【0031】
図1(A)では、半導体層11がゲート電極15と重畳する領域において、ゲート電極15が乗り上げる側の端面を一方の端面101、ゲート電極15が乗り越える側の端面を他方の端面102としている。また、半導体層11を乗り越えるゲート電極15の端面を端面103として示している。
【0032】
なお「端面」とは、エッチング等によってマスクパターンに応じた加工が施された際の外周部における、切り口の面のことをいう。電極又は半導体層をマスクパターンに応じて加工する場合、
図1(B)の端面101乃至103に示すように、切り口の面は斜めに切り立った形状、又は丸みを帯びた形状となる。この場合、
図1(B)の端面101乃至103に示すように、マスクパターンに従って加工された電極又は半導体層を上面から見た際に、電極又は半導体層の外周部に垂直な面を端面とする。
【0033】
なお半導体層11の幅は、ソース電極12及びドレイン電極13が設けられる方向(
図1(A)中、一点鎖線A1−A2が延在する方向)とは直行する方向(
図1(A)中、一点鎖線A3−A4が延在する方向)における幅のことである。半導体層11の幅は、最小加工寸法の線幅とすることが好ましい。
図1(A)においては、半導体層11の幅を最小加工寸法の線幅である’1F’として示している。
【0034】
また半導体層11の幅は、半導体層11の幅と同様に、最小加工寸法で形成されることが好ましい。同様にゲート電極15、ソース電極12及びドレイン電極13は、最小加工寸法で形成されることが好ましい。
【0035】
なお半導体層11は、酸化物半導体を有する半導体層であることが好ましい。酸化物半導体を有する半導体層11を用いる構成とすることで、リーク電流が極めて小さい半導体装置とすることができる。ここでは、リーク電流が小さいとは、室温においてチャネル幅1μmあたりの規格化されたリーク電流が10zA/μm以下であることをいう。リーク電流は小さいほど好ましいため、この規格化されたリーク電流値が1zA/μm以下、更に10yA/μm以下とし、更に1yA/μm以下であることが好ましい。なお、その場合のソースとドレイン間の電圧は、例えば、0.1V、5V、又は、10V程度である。
【0036】
図1(B)に示す半導体装置の断面図は、基板10上に設けられた半導体層11と、半導体層11上に設けられるソース電極12及びドレイン電極13と、半導体層11上、並びにソース電極12及びドレイン電極13上に設けられるゲート絶縁膜14と、ゲート絶縁膜14を介して半導体層11と重なるゲート電極15を有する。
【0037】
なお、基板10の上には、様々な絶縁膜や導電膜や半導体層や回路素子などが設けられている場合がある。一例として、絶縁膜99が設けられている場合の例を、
図16(A)に示す。なお、絶縁膜99は、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルを含む材料から一種以上選択して、単層で、または積層で用いればよい。
【0038】
図1(B)では、
図1(A)と同様に、半導体層11がゲート電極15と重畳する領域において、ゲート電極15が乗り上げる側の端面を一方の端面101、ゲート電極15が乗り越える側の端面を他方の端面102としている。また、半導体層11を乗り越えるゲート電極15の端面を端面103として示している。
【0039】
なお基板10に大きな制限はないが、少なくとも、後の熱処理に耐え得る程度の耐熱性を有している必要がある。例えば、ガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などを、基板10として用いてもよい。また、シリコンや炭化シリコンなどの単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウムなどの化合物半導体基板、SOI(Silicon On Insulator)基板などを適用することも可能であり、これらの基板上に半導体素子が設けられたものを、基板10として用いてもよい。
【0040】
例えば、本明細書等において、様々な基板を用いて、トランジスタを形成することが出来る。基板の種類は、特定のものに限定されることはない。その基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板の一例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチック、又はアクリル等の可撓性を有する合成樹脂などがある。貼り合わせフィルムの一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、又は塩化ビニルなどがある。基材フィルムの一例としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。特に、半導体基板、単結晶基板、又はSOI基板などを用いてトランジスタを製造することによって、特性、サイズ、又は形状などのばらつきが少なく、電流能力が高く、サイズの小さいトランジスタを製造することができる。このようなトランジスタによって回路を構成すると、回路の低消費電力化、又は回路の高集積化を図ることができる。
【0041】
なお、ある基板を用いてトランジスタを形成し、その後、別の基板にトランジスタを転置し、別の基板上にトランジスタを配置してもよい。トランジスタが転置される基板の一例としては、上述したトランジスタを形成することが可能な基板に加え、紙基板、セロファン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、特性のよいトランジスタの形成、消費電力の小さいトランジスタの形成、壊れにくい装置の製造、耐熱性の付与、軽量化、又は薄型化を図ることができる。
【0042】
なお、所定の機能を実現させるために必要な回路の全てを、同一の基板(例えば、ガラス基板、プラスチック基板、単結晶基板、又はSOI基板など)に形成することが可能である。こうして、部品点数の削減によるコストの低減、又は回路部品との接続点数の低減による信頼性の向上を図ることができる。
【0043】
なお、所定の機能を実現させるために必要な回路の全てを同じ基板に形成しないことが可能である。つまり、所定の機能を実現させるために必要な回路の一部は、ある基板に形成され、所定の機能を実現させるために必要な回路の別の一部は、別の基板に形成されていることが可能である。例えば、所定の機能を実現させるために必要な回路の一部は、ガラス基板に形成され、所定の機能を実現させるために必要な回路の別の一部は、単結晶基板(又はSOI基板)に形成されることが可能である。そして、所定の機能を実現させるために必要な回路の別の一部が形成される単結晶基板(ICチップともいう)を、COG(Chip On Glass)によって、ガラス基板に接続して、ガラス基板にそのICチップを配置することが可能である。または、ICチップを、TAB(Tape Automated Bonding)、COF(Chip On Film)、SMT(Surface Mount Technology)、又はプリント基板などを用いてガラス基板と接続することが可能である。このように、回路の一部が画素部と同じ基板に形成されていることにより、部品点数の削減によるコストの低減、又は回路部品との接続点数の低減による信頼性の向上を図ることができる。特に、駆動電圧が大きい部分の回路、又は駆動周波数が高い部分の回路などは、消費電力が大きくなってしまう場合が多い。そこで、このような回路を、画素部とは別の基板(例えば単結晶基板)に形成して、ICチップを構成する。このICチップを用いることによって、消費電力の増加を防ぐことができる。
【0044】
なお半導体層11に用いる酸化物半導体の材料は、例えば、In−M−Zn−O系材料を用いればよい。金属元素Mは、具体的にはAl、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、Sn、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、TaまたはWとすればよく、好ましくはAl、Ti、Ga、Y、Zr、CeまたはHfとする。なお酸化物半導体については、後の実施の形態で詳述する。
【0045】
なおソース電極12およびドレイン電極13には、酸化物半導体を用いた半導体層11から酸素を引き抜く性質を有する導電層を用いると好ましい。例えば、半導体層11から酸素を引き抜く性質を有する導電層として、Al、Ti、Cr、Ni、Mo、Ta、Wなどを含む、単体、窒化物、酸化物または合金を、単層で、または積層で用いればよい。
【0046】
なおゲート絶縁膜14は酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルを含む材料から一種以上選択して、単層で、または積層で用いればよい。
【0047】
なおゲート電極15は、Al、Ti、Cr、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Mo、Ag、TaおよびWを一種以上含む、単体、窒化物、酸化物または合金を、単層で、または積層で用いればよい。
【0048】
図1(A)、(B)で示したように本発明の一態様では、半導体層11を、酸化物半導体を有する半導体層とし、半導体層11の一方の端面101から他方の端面102に向けて、半導体層11を乗り越えるよう設けられるゲート電極15の端面103を、他方の端面102と一致するよう設けることを特徴とするものである。
【0049】
ただし、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、ゲート電極15の端面103は、半導体層11の端面102と一致していない場合もある。
【0050】
なお、
図1(B)では、半導体層11の上側に、ゲート電極15が設けられている場合の例を示したが、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されない。半導体層11の下側にゲート電極15Aが設けられていてもよい。その場合の例を、
図17(A)に示す。また、
図17(B)に示すように、半導体層11の上側と下側の両方に、ゲート電極が設けられていてもよい。それぞれのゲート電極は、同じ電位が供給されていてもよいし、一方には通常の信号が供給され、他方には、しきい値電圧を制御するための一定電圧が供給されていてもよい。
図17(C)には、ゲート電極15とゲート電極15Aとが、コンタクトホールを介して接続されている場合の例を示す。
【0051】
図1(A)、(B)で示した半導体装置の構成を、データの保持を可能にしたメモリセルに適用した場合の構成例について、
図2及び
図3を用いて説明する。
【0052】
図2(A)では、データの保持を可能にしたメモリセルMEM_A(第1のメモリセルともいう)及びメモリセルMEM_B(第2のメモリセルともいう)が隣接して設けられている回路図の一例を示している。また
図2(B)では、
図2(A)に示す回路図に対応する上面図を示す。また
図3(A)乃至(C)では、
図2(B)に示す一点鎖線B1−B2、B3−B4、B5−B6に対応する断面図を示す。なお、説明を容易にするため、
図2(B)においては、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜などを省略して示す。
【0053】
図2(A)に示す半導体装置の回路図で、メモリセルMEM_Aは、トランジスタTr1_A、トランジスタTr2_A、容量素子Cp_Aを有する。メモリセルMEM_Bは、トランジスタTr1_B、トランジスタTr2_B、容量素子Cp_Bを有する。
【0054】
なおトランジスタTr1_A、トランジスタTr2_A、トランジスタTr1_B及びトランジスタTr2_Bは、半導体層を、酸化物半導体を用いた半導体層としたトランジスタである。
図2(A)中では、チャネル形成領域に酸化物半導体を用いたトランジスタであることを示すため、当該トランジスタに「OS」という記号を付している。
【0055】
トランジスタTr1_Aは、ゲートがワード線WL_Aに接続され、ソース及びドレインの一方がビット線BLに接続され、ソース及びドレインの他方が容量素子Cp_Aの一方の電極及びトランジスタTr2_Aのゲートに接続される。容量素子Cp_Aは、他方の電極が容量線CL_Aに接続される。トランジスタTr2_Aは、ソース及びドレインの一方がビット線BLに接続され、ソース及びドレインの一方がソース線SLに接続される。
【0056】
トランジスタTr1_Bは、ゲートがワード線WL_Bに接続され、ソース及びドレインの一方がビット線BLに接続され、ソース及びドレインの一方が容量素子Cp_Bの一方の電極及びトランジスタTr2_Bのゲートに接続される。容量素子Cp_Bは、他方の電極が容量線CL_Bに接続される。トランジスタTr2_Bは、ソース及びドレインの一方がビット線BLに接続され、ソース及びドレインの一方がソース線SLに接続される。
【0057】
半導体層11と、半導体層11上に設けられるソース電極12及びドレイン電極13と、半導体層11と重なるゲート電極15を有する。
【0058】
なおメモリセルMEM_A及びメモリセルMEM_Bへのデータの書き込み動作及び読み出し動作については、特開2012−256813号公報等を参照すればよい。
【0059】
図2(B)に示すメモリセルMEM_A及びメモリセルMEM_Bの上面図では、メモリセルMEM_Aが有するトランジスタTr1_A、トランジスタTr2_A及び容量素子Cp_A、メモリセルMEM_Bが有するトランジスタTr1_B、トランジスタTr2_B及び容量素子Cp_Bの配置例を示している。また
図2(B)では、ワード線WL_A、ワード線WL_B、容量線CL_A、容量線CL_B、ビット線BL及びソース線SLの配置例を示している。
【0060】
なお
図2(B)に示すメモリセルMEM_A及びメモリセルMEM_Bの上面図では、ゲート電極15と同層の導電層を「GM」として示し、ソース電極12及びドレイン電極13と同層の導電層を「S/DM」として示し、半導体層11を「SEM」として示している。
【0061】
図3(A)に示す断面図は、基板10上に設けられた半導体層121と、半導体層122と、導電層123と、導電層124と、ビット線BLと、ソース線SLと、ゲート絶縁膜14と、導電層125と、導電層126と、を有する。
【0062】
図3(B)に示す断面図は、基板10上に設けられた半導体層121と、ビット線BLと、ソース線SLと、ゲート絶縁膜14と、導電層125と、を有する。
【0063】
図3(C)に示す断面図は、基板10上に設けられた半導体層127と、導電層123と、ビット線BLと、ゲート絶縁膜14と、ワード線WL_Aと、容量線CL_Aと、を有する。
【0064】
図3(A)乃至(C)において半導体層121と、半導体層122及び半導体層127は、同じ層に形成される半導体層であり、
図2(B)で示した半導体層「SEM」に相当する半導体層である。導電層123、導電層124、ビット線BL及びソース線SLは、同じ層に形成される導電層であり、
図2(B)で示した導電層「S/DM」に相当する半導体層である。導電層125、導電層126、ワード線WL_A及び容量線CL_Aは、同じ層に形成される導電層であり、
図2(B)で示した導電層「GM」に相当する半導体層である。
【0065】
図2(B)、
図3(A)では、半導体層121及び半導体層122が導電層125及び導電層126と重畳する領域において、導電層125及び導電層126の端面は、半導体層121及び半導体層122の端面と一致するよう設けている。そのため、
図3(A)に示すようにゲート電極として機能する導電層125及び導電層126の間の距離を最小加工寸法以上、離間して設ける構成とすることができる。そのため、集積度に優れ、又はレイアウト面積の縮小を図ることのできる、半導体装置とすることができる。
【0066】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0067】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で説明した半導体装置の構成とは異なる構成の半導体装置について説明する。本実施の形態では、実施の形態1と同様に、半導体装置の上面図、及び断面図、並びにデータの保持を可能にした半導体装置での回路図及びその上面図について説明する。なお繰り返しの説明になる場合は説明を省略し、上記実施の形態1の記載を援用する場合がある。
【0068】
まず
図4(A)では、本発明の一態様に係る、半導体装置の一例を示す上面図について示す。また
図4(B)では、
図4(A)に示す一点鎖線C1−C2、C3−C4に対応する断面図を示す。なお、説明を容易にするため、
図4(A)においては、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜などを省略して示す。
【0069】
図4(A)に示す半導体装置の上面図は、半導体層11と、半導体層11上に設けられるソース電極12及びドレイン電極13と、半導体層11と重なるゲート電極15を有する。
【0070】
図4(B)に示す半導体装置の断面図は、基板10上に設けられた半導体層11と、半導体層11上に設けられるソース電極12及びドレイン電極13と、半導体層11上、並びにソース電極12及びドレイン電極13上に設けられるゲート絶縁膜14と、ゲート絶縁膜14を介して半導体層11と重なるゲート電極15を有する。
【0071】
図4(A)、(B)で示したように本発明の一態様では、半導体層11を、酸化物半導体を有する半導体層とし、半導体層11の一方の端面101から他方の端面102に向けて、半導体層11を乗り越えるよう設けられるゲート電極15の端面103を、他方の端面102から幅ΔWだけ半導体層11の内側となるようにして、半導体層11上となるよう設けることを特徴とするものである。
【0072】
半導体層11がシリコンの半導体装置の場合、ゲート電極15をマスクとして不純物元素を導入する工程を経るため、ゲート電極15が重畳しない領域が導体となる。この場合、ゲート電極15に印加する電圧によって行う、半導体装置の導通状態と導通状態との切り替えが困難となる。
【0073】
一方で酸化物半導体を有する半導体層11では、ゲート電極15をマスクとして不純物元素を導入する工程を経ない。その結果、ゲート電極15と重畳しない領域において、ゲート電極15を重畳することなく高抵抗な領域とすることができる。そのためゲート電極15を重畳しなくても、半導体装置の導通状態と導通状態との切り替えを実現することができる。
【0074】
ただし、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、ゲート電極15が、半導体層11を乗り越えて、ゲート電極15の端面103が、半導体層11の外側に配置されている場合もある。
【0075】
なお、
図17(A)(B)(C)においても、ゲート電極の端面を、半導体層11の端面102から幅ΔWだけ半導体層11の内側となるようにして、半導体層11上となるよう設けることも可能である。例えば、
図17(A)に適用した場合の例を、
図18(A)に示す。
図17(B)において、ゲート電極15とゲート電極15Aのいずれか一方、または、両方の端面が、半導体層11の端面102から幅ΔWだけ半導体層11の内側となるようにして、半導体層11上となるよう設けることも可能である。その場合の例を、
図18(B)(C)に示す。なお、ゲート電極15とゲート電極15Aのいずれか一方が、半導体層11を乗り越えて、ゲート電極15とゲート電極15Aのいずれか一方の端面103が、半導体層11の外側に配置されている場合もある。
【0076】
図4(A)、(B)で示した半導体装置の構成を、データの保持を可能にしたメモリセルに適用した場合の構成例について、
図5及び
図6を用いて説明する。
【0077】
図5(A)では、
図2(A)と同様の、データの保持を可能にしたメモリセルMEM_A(第1のメモリセルともいう)及びメモリセルMEM_B(第2のメモリセルともいう)が隣接して設けられている回路図の一例を示している。また
図5(B)では、
図5(A)に示す回路図に対応する上面図を示す。また
図6(A)乃至(C)では、
図5(B)に示す一点鎖線D1−D2、D3−D4、D5−D6に対応する断面図を示す。なお、説明を容易にするため、
図5(B)においては、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜などを省略して示す。
【0078】
図5(B)、
図6(A)では、半導体層121及び半導体層122が導電層125及び導電層126と重畳する領域において、導電層125及び導電層126の端面は、半導体層121及び半導体層122上となるように設けている。そのため、
図6(A)に示すようにゲート電極として機能する導電層125及び導電層126の間の距離を最小加工寸法より大きく、離間して設ける構成とすることができる。そのため、集積度に優れ、又はレイアウト面積の縮小を図ることのできる、半導体装置とすることができる。加えて、酸化物半導体を有する半導体層では、ゲート電極と重畳しない領域において、ゲート電極を重畳することなく高抵抗な領域とすることができ、不要な半導体装置の導通状態を抑制することができる。
【0079】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0080】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1及び実施の形態2で説明した半導体装置における変形例について説明する。また以下では、
図7乃至
図9を参照して変形例1乃至3について説明する。本実施の形態では、実施の形態1の
図1及び実施の形態2の
図4での説明と同様に、半導体装置の上面図、及び断面図について説明する。なお繰り返しの説明になる場合は説明を省略し、上記実施の形態1及び実施の形態2の記載を援用する場合がある。
【0081】
〈変形例1〉
図7(A)では、本発明の一態様に係る、半導体装置の一例を示す上面図について示す。また
図7(B)では、
図7(A)に示す一点鎖線E1−E2、E3−E4に対応する断面図を示す。なお、説明を容易にするため、
図7(A)においては、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜などを省略して示す。
【0082】
図7(A)、(B)は、
図1(A)、(B)で説明した半導体装置において、ソース電極12及びドレイン電極13にゲート電極15から長さΔLだけ離間して設ける構成例を示す上面図及び断面図である。
【0083】
図7(A)、(B)では、ソース電極12及びドレイン電極13の双方をゲート電極15から長さΔLだけ離間して設ける点で
図1(A)、(B)と異なる。なおソース電極12及びドレイン電極13は、一方のみをゲート電極15から離間して設ける構成としてもよい。
【0084】
ソース電極12及びドレイン電極13の端面の位置は、
図1(A)、(B)で説明したゲート電極15の端部に揃えて形成することが好ましい。一方で微細化した半導体装置を作製するためのプロセスでは、プロセスによる一定のずれを許容する必要がある。微細化した半導体装置を作製するためのプロセスでは、長さΔLだけソース電極12及びドレイン電極13を離間させてもトランジスタとしての機能を維持することが可能である。
【0085】
ソース電極12及びドレイン電極、並びにゲート電極15を重畳させない半導体層11では、電極を重畳させる場合に比べて高抵抗な半導体層とすることができる。そのため
図7(A)、(B)に示す構成とすることで、リーク電流を低減させることができ、スイッチング特性に優れた半導体装置とすることができる。
【0086】
〈変形例2〉
図8(A)では、本発明の一態様に係る、半導体装置の一例を示す上面図について示す。また
図8(B)では、
図8(A)に示す一点鎖線F1−F2、F3−F4に対応する断面図を示す。なお、説明を容易にするため、
図8(A)においては、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜などを省略して示す。
【0087】
図8(A)、(B)は、
図1(A)、(B)で説明した半導体装置において、半導体層11の膜厚を厚膜化し、ゲート電極15における端面103を半導体層11の一方の端面101から長さΔGIだけ離間して設ける構成例を示す上面図及び断面図である。
【0088】
図8(A)、(B)では、ゲート電極15における端面103を半導体層11の一方の端面101から長さΔGIだけ離間して設ける点で
図1(A)、(B)と異なる。
【0089】
ゲート電極15における端面103の位置は、
図1(A)、(B)で説明した半導体層11の他方の端面102に揃えて形成することが好ましい。一方で微細化した半導体装置を作製するためのプロセスでは、プロセスによる一定のずれを許容する必要がある。微細化した半導体装置を作製するためのプロセスでは、長さΔGIだけ半導体層11の一方の端面101から離間させてもトランジスタとしての機能を維持することが可能である。
【0090】
厚膜化した半導体層11では、ゲート電極15に印加される電圧がゲート絶縁膜14を介して加わり、厚さ方向で流すべき電流を確保することができる。そのため
図8(A)、(B)に示す構成とすることで、最少加工寸法をより小さくすることができ、集積度に優れ、レイアウト面積の縮小が図られた半導体装置とすることができる。
【0091】
また、半導体層11は、単膜の酸化物半導体で構成されているとは限らず、積層された複数の酸化物半導体で構成されていても良い。例えば半導体層11が、3層に積層されて構成されている場合の半導体層11の構成例を、
図8(C)に示す。
【0092】
図8(C)に示す断面図では、半導体層11として、半導体層OS1乃至半導体層OS3が、順に積層されている。
【0093】
そして、半導体層OS1及び半導体層OS3は、半導体層OS2を構成する金属元素の少なくとも1つを、その構成要素に含み、伝導帯下端のエネルギーが半導体層OS2よりも0.05eV以上、0.07eV以上、0.1eV以上又は0.15eV以上、かつ2eV以下、1eV以下、0.5eV以下又は0.4eV以下、真空準位に近い半導体層である。さらに、半導体層OS2は、少なくともインジウムを含むと、キャリア移動度が高くなるため好ましい。
【0094】
なお、半導体層OS3は、ソース電極12の上に設けられていてもよい。一例として、半導体層11とソース電極12の上に、半導体層11Aが設けられている場合の例を、
図16(B)に示す。
【0095】
〈変形例3〉
図9(A)では、本発明の一態様に係る、半導体装置の一例を示す上面図について示す。また
図9(B)では、
図9(A)に示す一点鎖線G1−G2、G3−G4に対応する断面図を示す。なお、説明を容易にするため、
図9(A)においては、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜などを省略して示す。
【0096】
図9(A)、(B)は、
図1(A)、(B)で説明した半導体装置において、半導体層11並びにソース電極12及びドレイン電極13と、基板10との間に下地絶縁層17を設ける構成例を示す上面図及び断面図である。
【0097】
図9(A)、(B)では、半導体層11並びにソース電極12及びドレイン電極13と、基板10との間に下地絶縁層17を設ける点で
図1(A)、(B)と異なる。
【0098】
下地絶縁層17は、基板10からの不純物の拡散を防止する役割を有するほか、半導体層11に酸素を供給する役割を担うことができる。したがって、下地絶縁層17は酸素を含む絶縁層であることが好ましい。例えば、化学量論的組成よりも多い酸素を含む絶縁層であることがより好ましい。
【0099】
下地絶縁層17に含まれる過剰酸素は、材料の化学量論的組成を超えて含まれる酸素である。従って、過剰酸素は、熱などのエネルギーを与えられると放出する性質を有する。過剰酸素は化学量論的組成に対して過剰に含まれるものであるため、放出することによって失われても、膜質を低下させることがない。
【0100】
下地絶縁層17を設けることで半導体層11では、不純物元素の混入や、半導体層への酸素の供給を図ることによる高品質な半導体層とすることができる。そのため
図9(A)、(B)に示す構成とすることで、トランジスタ特性に優れた半導体装置とすることができる。
【0101】
以上、本実施の形態で説明した半導体装置の構成は、適宜変形例同士を組み合わせて実施することができる。その場合、上記実施の形態1及び実施の形態2で説明した半導体装置とすることによる効果に加えて、変形例毎に説明した効果が加わり、性能に優れた半導体装置とすることができる。
【0102】
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
【0103】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1乃至3で説明した半導体装置の作成方法について説明する。本実施の形態では一例として、実施の形態3の
図9で示した半導体装置の作成方法について
図10、
図11を用いて説明する。なお繰り返しの説明になる場合は説明を省略し、上記実施の形態1乃至3の記載を援用する場合がある。
【0104】
まず、基板10上に下地絶縁層17を成膜する(
図10(A)参照)。
【0105】
下地絶縁層17は、スパッタリング法、CVD法、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、ALD法またはパルスレーザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法を用いて成膜すればよい。
【0106】
次に、下地絶縁層17の表面を平坦化するために、CMP処理を行ってもよい。CMP処理を行うことで、下地絶縁層17の平均面粗さ(Ra)を1nm以下、好ましくは0.3nm以下、さらに好ましくは0.1nm以下とする。上述の数値以下のRaとすることで、半導体層11の結晶性が高くなる場合がある。Raは原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)にて測定可能である。
【0107】
次に、下地絶縁層17に酸素を添加することにより、過剰酸素を含む絶縁層を形成しても構わない。酸素の添加は、プラズマ処理またはイオン注入法などにより行えばよい。酸素の添加をイオン注入法で行う場合、例えば、加速電圧を2kV以上100kV以下とし、ドーズ量を5×10
14ions/cm
2以上5×10
16ions/cm
2以下とすればよい。
【0108】
次に、下地絶縁層17上に半導体層11をスパッタリング法、CVD法、MBE法、ALD法またはPLD法を用いて成膜する(
図10(B)参照)。このとき、下地絶縁層17を適度にエッチングしてもよい。下地絶縁層17を適度にエッチングすることで、後に形成するゲート電極層410で半導体層11を覆いやすくすることができる。なお、半導体装置を微細化するために、半導体層11の加工時にハードマスクを用いてもよい。
【0109】
また、半導体層11として、半導体層OS1、半導体層OS2、および半導体層OS3を含めた積層膜を形成する場合、各層を大気に触れさせることなく連続して成膜すると好ましい。
【0110】
不純物の混入を低減し、結晶性の高い酸化物半導体を用いた半導体層11とするために、半導体層11は、基板温度を100℃以上、好ましくは150℃以上、さらに好ましくは200℃以上として成膜する。また、成膜ガスとして用いる酸素ガスやアルゴンガスは、露点が−40℃以下、好ましくは−80℃以下、より好ましくは−100℃以下にまで高純度化したガスを用いる。なお、不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い(酸素欠損の少ない)ことを高純度真性または実質的に高純度真性と呼ぶ。
【0111】
半導体層11の形成後に、第1の加熱処理を行ってもよい。第1の加熱処理は、250℃以上650℃以下、好ましくは300℃以上500℃以下の温度で、不活性ガス雰囲気、酸化性ガスを10ppm以上含む雰囲気、または減圧状態で行えばよい。また、第1の加熱処理の雰囲気は、不活性ガス雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために酸化性ガスを10ppm以上含む雰囲気で行ってもよい。第1の加熱処理によって、半導体層11の結晶性を高め、さらに下地絶縁層17から水素や水などの不純物を除去することができる。
【0112】
次に、半導体層11上に導電膜を成膜し、該導電膜を分断するようにエッチングし、ソース電極12およびドレイン電極13を形成する(
図10(C)参照)。導電膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、ALD法またはPLD法を用いて成膜すればよい。
【0113】
なお、導電膜をエッチングする際、ソース電極12およびドレイン電極13の端部が丸みを帯びる(曲面を有する)場合がある。また、導電膜をエッチングする際、下地絶縁層17が適度にエッチングされていてもよい。
【0114】
次に、半導体層11上、ソース電極12上およびドレイン電極13上に、ゲート絶縁膜14を形成する(
図11(A)参照)。ゲート絶縁膜14は、スパッタリング法、CVD法またはALD法を用いて成膜すればよい。
【0115】
次に、第2の加熱処理を行ってもよい。第2の加熱処理は、500℃未満、好ましくは400℃未満の温度で、不活性ガス雰囲気、酸化性ガスを10ppm以上含む雰囲気、または減圧状態で行えばよい。また、第2の加熱処理の雰囲気は、不活性ガス雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために酸化性ガスを10ppm以上含む雰囲気で行ってもよい。第2の加熱処理によって、ゲート絶縁膜14から水素や水などの不純物を除去することができる。
【0116】
次に、ゲート絶縁膜14上に導電膜を成膜し、該導電膜をエッチングし、ゲート電極15を形成する(
図11(B)参照)。
【0117】
以上の工程で、
図9(B)に示す半導体装置を作製することができる。
【0118】
また作製された半導体装置上には、層間絶縁層16を形成する。この場合、ゲート絶縁膜14上およびゲート電極15上に層間絶縁層16を形成する(
図11(C)参照)。層間絶縁層16は、スパッタ法、CVD法、MBE法、ALD法またはPLD法を用いて成膜すればよい。
【0119】
次に、第3の加熱処理を行ってもよい。第3の加熱処理は、第1の加熱処理と同様の条件で行うことができる。第3の加熱処理により、半導体層11の酸素欠損を低減することができる場合がある。
【0120】
層間絶縁層16は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルを含む材料から一種以上選択して、単層で、または積層で用いればよい。
【0121】
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
【0122】
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した半導体層11に用いることのできる酸化物半導体について説明する。
【0123】
トランジスタのチャネル形成領域となる半導体層に用いる酸化物半導体としては、少なくともインジウム(In)又は亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。特にIn及びZnを含むことが好ましい。また、それらに加えて、酸素を強く結びつけるスタビライザーを有することが好ましい。スタビライザーとしては、ガリウム(Ga)、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)及びアルミニウム(Al)の少なくともいずれかを有すればよい。
【0124】
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一種又は複数種を有してもよい。
【0125】
トランジスタのチャネル形成領域となる半導体層として用いられる酸化物半導体としては、例えば、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、In−Zn系酸化物、Sn−Zn系酸化物、Al−Zn系酸化物、Zn−Mg系酸化物、Sn−Mg系酸化物、In−Mg系酸化物、In−Ga系酸化物、In−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、Sn−Ga−Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、Sn−Al−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−Zr−Zn系酸化物、In−Ti−Zn系酸化物、In−Sc−Zn系酸化物、In−Y−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、In−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物等がある。
【0126】
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1、In:Ga:Zn=3:1:2、あるいはIn:Ga:Zn=2:1:3の原子数比のIn−Ga−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いるとよい。
【0127】
チャネル形成領域となる半導体層を構成する酸化物半導体膜に水素が多量に含まれると、酸化物半導体と結合することによって、水素の一部がドナーとなり、キャリアである電子を生じてしまう。これにより、トランジスタの閾値電圧がマイナス方向にシフトしてしまう。そのため、酸化物半導体膜の形成後において、脱水化処理(脱水素化処理)を行い酸化物半導体膜から、水素、又は水分を除去して不純物が極力含まれないように高純度化することが好ましい。
【0128】
なお、酸化物半導体膜への脱水化処理(脱水素化処理)によって、酸化物半導体膜から酸素が減少してしまうことがある。よって、酸化物半導体膜への脱水化処理(脱水素化処理)によって減少してしまった酸素を酸化物半導体に加える、又は酸素を供給し酸化物半導体膜の酸素欠損を補填することが好ましい。本明細書等において、酸化物半導体膜に酸素を供給する場合を、加酸素化処理、又は過酸素化処理と記す場合がある。
【0129】
このように、酸化物半導体膜は、脱水化処理(脱水素化処理)により、水素又は水分が除去され、加酸素化処理により酸素欠損を補填することによって、i型(真性)化又はi型に限りなく近く実質的にi型(真性)である酸化物半導体膜とすることができる。なお、実質的に真性とは、酸化物半導体膜中にドナーに由来するキャリアが極めて少なく(ゼロに近く)、キャリア密度が1×10
17/cm
3以下、1×10
16/cm
3以下、1×10
15/cm
3以下、1×10
14/cm
3以下、1×10
13/cm
3以下であることをいう。
【0130】
また、このように、i型又は実質的にi型である酸化物半導体膜を備えるトランジスタは、極めて優れたオフ電流特性を実現できる。例えば、酸化物半導体膜を用いたトランジスタがオフ状態のときのドレイン電流を、室温(25℃程度)にて1×10
−18A以下、好ましくは1×10
−21A以下、更に好ましくは1×10
−24A以下、又は85℃にて1×10
−15A以下、好ましくは1×10
−18A以下、更に好ましくは1×10
−21A以下とすることができる。なお、トランジスタがオフ状態とは、nチャネル型のトランジスタの場合、ゲート電圧が閾値電圧よりも十分小さい状態をいう。具体的には、ゲート電圧が閾値電圧よりも1V以上、2V以上又は3V以上小さければ、トランジスタはオフ状態となる。
【0131】
また、成膜される酸化物半導体は、例えば非単結晶を有してもよい。非単結晶は、例えば、CAAC(C Axis Aligned Crystal)、多結晶、微結晶、非晶質部を有する。
【0132】
酸化物半導体は、例えばCAACを有してもよい。なお、CAACを有する酸化物半導体を、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)と呼ぶ。
【0133】
CAAC−OSは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)による観察像で、結晶部を確認することができる場合がある。CAAC−OSに含まれる結晶部は、例えば、TEMによる観察像で、一辺100nmの立方体内に収まる大きさであることが多い。また、CAAC−OSは、TEMによる観察像で、結晶部と結晶部との境界を明確に確認できない場合がある。また、CAAC−OSは、TEMによる観察像で、粒界(グレインバウンダリーともいう。)を明確に確認できない場合がある。CAAC−OSは、例えば、明確な粒界を有さないため、不純物が偏析することが少ない。また、CAAC−OSは、例えば、明確な粒界を有さないため、欠陥準位密度が高くなることが少ない。また、CAAC−OSは、例えば、明確な粒界を有さないため、電子移動度の低下が小さい。
【0134】
CAAC−OSは、例えば、複数の結晶部を有し、当該複数の結晶部においてc軸が被形成面の法線ベクトル又は表面の法線ベクトルに平行な方向に揃っている場合がある。また、CAAC−OSは、例えば、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)装置を用い、out−of−plane法による分析を行うと、配向を示す2θが31°近傍のピークが現れる場合がある。また、CAAC−OSは、例えば、電子線回折パターンで、スポット(輝点)が観測される場合がある。なお、特に、ビーム径が10nmφ以下、又は5nmφ以下の電子線を用いて得られる電子線回折パターンを、極微電子線回折パターンと呼ぶ。また、CAAC−OSは、例えば、異なる結晶部間で、それぞれa軸およびb軸の向きが揃っていない場合がある。CAAC−OSは、例えば、c軸配向し、a軸又は/およびb軸はマクロに揃っていない場合がある。
【0135】
CAAC−OSに含まれる結晶部は、例えば、c軸がCAAC−OSの被形成面の法線ベクトル又は表面の法線ベクトルに平行な方向になるように揃い、かつab面に垂直な方向から見て金属原子が三角形状又は六角形状に配列し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状又は金属原子と酸素原子とが層状に配列している。なお、異なる結晶部間で、それぞれa軸およびb軸の向きが異なっていてもよい。本明細書において、単に垂直と記載する場合、80°以上100°以下、好ましくは85°以上95°以下の範囲も含まれることとする。また、単に平行と記載する場合、−10°以上10°以下、好ましくは−5°以上5°以下の範囲も含まれることとする。
【0136】
また、CAAC−OSは、例えば、欠陥準位密度を低減することで形成することができる。酸化物半導体において、例えば、酸素欠損は欠陥準位である。酸素欠損は、トラップ準位となることや、水素を捕獲することによってキャリア発生源となることがある。CAAC−OSを形成するためには、例えば、酸化物半導体に酸素欠損を生じさせないことが重要となる。従って、CAAC−OSは、欠陥準位密度の低い酸化物半導体である。又は、CAAC−OSは、酸素欠損の少ない酸化物半導体である。
【0137】
不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低い(酸素欠損の少ない)ことを高純度真性又は実質的に高純度真性と呼ぶ。高純度真性又は実質的に高純度真性である酸化物半導体は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる場合がある。従って、当該酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性(ノーマリーオンともいう。)になることが少ない場合がある。また、高純度真性又は実質的に高純度真性である酸化物半導体は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。従って、当該酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる場合がある。なお、酸化物半導体のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
【0138】
また、高純度真性又は実質的に高純度真性であるCAAC−OSを用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。
【0139】
酸化物半導体は、例えば多結晶を有してもよい。なお、多結晶を有する酸化物半導体を、多結晶酸化物半導体と呼ぶ。多結晶酸化物半導体は複数の結晶粒を含む。
【0140】
酸化物半導体は、例えば微結晶を有してもよい。なお、微結晶を有する酸化物半導体を、微結晶酸化物半導体と呼ぶ。
【0141】
微結晶酸化物半導体は、例えば、TEMによる観察像では、明確に結晶部を確認することができない場合がある。微結晶酸化物半導体に含まれる結晶部は、例えば、1nm以上100nm以下、又は1nm以上10nm以下の大きさであることが多い。特に、例えば、1nm以上10nm以下の微結晶をナノ結晶(nc:nanocrystal)と呼ぶ。ナノ結晶を有する酸化物半導体を、nc−OS(nanocrystalline Oxide Semiconductor)と呼ぶ。また、nc−OSは、例えば、TEMによる観察像では、結晶部と結晶部との境界を明確に確認できない場合がある。また、nc−OSは、例えば、TEMによる観察像では、明確な粒界を有さないため、不純物が偏析することが少ない。また、nc−OSは、例えば、明確な粒界を有さないため、欠陥準位密度が高くなることが少ない。また、nc−OSは、例えば、明確な粒界を有さないため、電子移動度の低下が小さい。
【0142】
nc−OSは、例えば、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する場合がある。また、nc−OSは、例えば、結晶部と結晶部との間で規則性がないため、巨視的には原子配列に周期性が見られない場合、又は長距離秩序が見られない場合がある。従って、nc−OSは、例えば、分析方法によっては、非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。nc−OSは、例えば、XRD装置を用い、結晶部よりも大きいビーム径のX線でout−of−plane法による分析を行うと、配向を示すピークが検出されない場合がある。また、nc−OSは、例えば、結晶部よりも大きいビーム径(例えば、20nmφ以上、又は50nmφ以上)の電子線を用いる電子線回折パターンでは、ハローパターンが観測される場合がある。また、nc−OSは、例えば、結晶部と同じか結晶部より小さいビーム径(例えば、10nmφ以下、又は5nmφ以下)の電子線を用いる極微電子線回折パターンでは、スポットが観測される場合がある。また、nc−OSの極微電子線回折パターンは、例えば、円を描くように輝度の高い領域が観測される場合がある。また、nc−OSの極微電子線回折パターンは、例えば、当該領域内に複数のスポットが観測される場合がある。
【0143】
nc−OSは、微小な領域において原子配列に周期性を有する場合があるため、非晶質酸化物半導体よりも欠陥準位密度が低くなる。但し、nc−OSは、結晶部と結晶部との間で規則性がないため、CAAC−OSと比べて欠陥準位密度が高くなる。
【0144】
なお、酸化物半導体が、CAAC−OS、多結晶酸化物半導体、微結晶酸化物半導体、非晶質酸化物半導体の二種以上を有する混合膜であってもよい。混合膜は、例えば、非晶質酸化物半導体の領域、微結晶酸化物半導体の領域、多結晶酸化物半導体の領域、CAAC−OSの領域、のいずれか二種以上の領域を有する場合がある。また、混合膜は、例えば、非晶質酸化物半導体の領域、微結晶酸化物半導体の領域、多結晶酸化物半導体の領域、CAAC−OSの領域、のいずれか二種以上の領域の積層構造を有する場合がある。
【0145】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0146】
(実施の形態6)
本実施の形態では、上記実施の形態1乃至3で説明した半導体装置の応用例について説明する。
【0147】
図12では、データの保持を可能にした半導体装置を記憶装置として用いる場合を説明する。
図12(A)では記憶装置のブロック図、
図12(B)では該記憶装置が有するメモリセルの回路図、について示す。
【0148】
図12(A)に示す記憶装置のブロック図では、一例として、メモリセルアレイ301、ロードライバ302及びカラムドライバ303を有する。
【0149】
メモリセルアレイ301は、アレイ状に並べられたメモリセルMEMを有する。
【0150】
ロードライバ302は、容量線CL、ワード線WLを制御するための駆動回路である。
【0151】
カラムドライバ303は、ソース線SL、ビット線BLを制御するための駆動回路である。
【0152】
図12(B)に示すメモリセルMEMの回路図では、トランジスタTr1、トランジスタTr2及び容量素子Cpを有する。
【0153】
トランジスタTr1は、ゲートがワード線WLに接続され、ソース及びドレインの一方がビット線BLに接続され、ソース及びドレインの他方が容量素子Cpの一方の電極及びトランジスタTr2のゲートに接続される。容量素子Cpは、他方の電極が容量線CLに接続される。トランジスタTr2は、ソース及びドレインの一方がビット線BLに接続され、ソース及びドレインの一方がソース線SLに接続される。
【0154】
なお
図12(B)で示すトランジスタTr1、トランジスタTr2及び容量素子Cpは、
図2(A)で説明したトランジスタTr1_A、トランジスタTr2_A、容量素子Cp_Aに相当する素子である。またワード線WL及び容量線CLは、
図2(A)で説明したワード線WL_A、容量線CL_Aに相当する配線である。
【0155】
そのため本発明の一態様による半導体装置を適用することで、記憶装置は、集積度に優れ、又はレイアウト面積の縮小を図ることのできる、記憶装置とすることができる。
【0156】
次いで
図13では、データの保持を可能にした半導体装置をPLD(Programmable Logic Device)が有するコンフィギュレーションデータを記憶できるスイッチに用いる場合を説明する。
図13(A)ではPLDのブロック図、
図13(B)では該PLDが有するコンフィギュレーションデータを記憶できるスイッチの回路図、について示す。
【0157】
図13(A)に示す記憶装置のブロック図では、一例として、ロジックアレイ401、ロードライバ402及びカラムドライバ403、コンフィギュレーション制御回路404、入出力回路405A及び入出力回路405Bを有する。
【0158】
ロジックアレイ401は、アレイ状に並べられたプログラマブルロジックエレメントPLE及びコンフィギュレーションデータを記憶できるスイッチRSを有する。
【0159】
ロードライバ402及びカラムドライバ403は、プログラマブルロジックエレメントPLE及びスイッチRSに記憶するコンフィギュレーションデータを制御するための駆動回路である。
【0160】
コンフィギュレーション制御回路404は、コンフィギュレーションデータの切り替えを制御するための回路である。入出力回路405A及び入出力回路405Bは、コンフィギュレーションデータに従って、データの入力又は出力の機能が切り替えられる回路である。
【0161】
図13(B)に示すスイッチRSの回路図では、トランジスタTr1及びトランジスタTr2を有する。
【0162】
トランジスタTr1は、ゲートがワード線WLに接続され、ソース及びドレインの一方がビット線BLに接続され、ソース及びドレインの他方がトランジスタTr2のゲートに接続される。トランジスタTr2は、ソース及びドレインの一方が入力端子INに接続され、ソース及びドレインの一方が出力端子OUTに接続される。また
図13(B)では、トランジスタTr1のソース及びドレインの他方と、トランジスタTr2のゲートが接続されるノードを、ノードFNとして示している。
【0163】
図13(B)で示すスイッチRSは、ビット線BLに与えられるコンフィギュレーションデータを、トランジスタTr1を介してノードFNに取り込む。トランジスタTr1は半導体層に酸化物半導体を用いることでリーク電流を極めて小さくできるため、コンフィギュレーションデータに応じた電荷をノードFNに保持することができる。ノードFNに保持されたコンフィギュレーションデータに従ってスイッチRSは、入力端子INと出力端子OUTとの間の電気的な接続を制御することができる。
【0164】
トランジスタTr1及びトランジスタTr2は、
図2(A)で説明したトランジスタTr1_A、トランジスタTr2_Aに相当する素子である。またワード線WLは、
図2(A)で説明したワード線WL_Aに相当する配線である。
【0165】
そのため本発明の一態様による半導体装置を適用することで、スイッチRSを有するPLDは、集積度に優れ、又はレイアウト面積の縮小を図ることのできる、PLDとすることができる。
【0166】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0167】
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルの構成例について説明する。
【0168】
[構成例]
図19(A)は、本発明の一態様の表示パネルの上面図であり、
図19(B)は、本発明の一態様の表示パネルの画素に液晶素子を適用する場合に用いることができる画素回路を説明するための回路図である。また、
図19(C)は、本発明の一態様の表示パネルの画素に有機EL素子を適用する場合に用いることができる画素回路を説明するための回路図である。
【0169】
画素部に配置するトランジスタは、上記実施の形態に従って形成することができる。また、当該トランジスタはnチャネル型とすることが容易なので、駆動回路のうち、nチャネル型トランジスタで構成することができる駆動回路の一部を画素部のトランジスタと同一基板上に形成する。このように、画素部や駆動回路に上記実施の形態に示すトランジスタを用いることにより、信頼性の高い表示装置を提供することができる。
【0170】
アクティブマトリクス型表示装置のブロック図の一例を
図19(A)に示す。表示装置の基板800上には、画素部801、第1の走査線駆動回路802、第2の走査線駆動回路803、信号線駆動回路804を有する。画素部801には、複数の信号線が信号線駆動回路804から延伸して配置され、複数の走査線が第1の走査線駆動回路802、及び第2の走査線駆動回路803から延伸して配置されている。なお走査線と信号線との交差領域には、各々、表示素子を有する画素がマトリクス状に設けられている。また、表示装置の基板800はFPC(Flexible Printed Circuit)等の接続部を介して、タイミング制御回路(コントローラ、制御ICともいう)に接続されている。
【0171】
図19(A)では、第1の走査線駆動回路802、第2の走査線駆動回路803、信号線駆動回路804は、画素部801と同じ基板800上に形成される。そのため、外部に設ける駆動回路等の部品の数が減るので、コストの低減を図ることができる。また、基板800外部に駆動回路を設けた場合、配線を延伸させる必要が生じ、配線間の接続数が増える。同じ基板800上に駆動回路を設けた場合、その配線間の接続数を減らすことができ、信頼性の向上、又は歩留まりの向上を図ることができる。
【0172】
〔液晶パネル〕
また、画素の回路構成の一例を
図19(B)に示す。ここでは、VA型液晶表示パネルの画素に適用することができる画素回路を示す。
【0173】
この画素回路は、一つの画素に複数の画素電極層を有する構成に適用できる。それぞれの画素電極層は異なるトランジスタに接続され、各トランジスタは異なるゲート信号で駆動できるように構成されている。これにより、マルチドメイン設計された画素の個々の画素電極層に印加する信号を、独立して制御できる。
【0174】
トランジスタ716のゲート配線712と、トランジスタ717のゲート配線713には、異なるゲート信号を与えることができるように分離されている。一方、データ線として機能するソース電極層又はドレイン電極層714は、トランジスタ716とトランジスタ717で共通に用いられている。トランジスタ716とトランジスタ717は上記実施の形態で説明するトランジスタを適宜用いることができる。これにより、信頼性の高い液晶表示パネルを提供することができる。
【0175】
トランジスタ716と電気的に接続する第1の画素電極層と、トランジスタ717と電気的に接続する第2の画素電極層の形状について説明する。第1の画素電極層と第2の画素電極層の形状は、スリットによって分離されている。第1の画素電極層はV字型に広がる形状を有し、第2の画素電極層は第1の画素電極層の外側を囲むように形成される。
【0176】
トランジスタ716のゲート電極はゲート配線712と接続され、トランジスタ717のゲート電極はゲート配線713と接続されている。ゲート配線712とゲート配線713に異なるゲート信号を与えてトランジスタ716とトランジスタ717の動作タイミングを異ならせ、液晶の配向を制御できる。
【0177】
また、容量配線710と、誘電体として機能するゲート絶縁膜と、第1の画素電極層または第2の画素電極層と電気的に接続する容量電極とで保持容量を形成してもよい。
【0178】
マルチドメイン構造は、一画素に第1の液晶素子718と第2の液晶素子719を備える。第1の液晶素子718は第1の画素電極層と対向電極層とその間の液晶層とで構成され、第2の液晶素子719は第2の画素電極層と対向電極層とその間の液晶層とで構成される。
【0179】
なお、
図19(B)に示す画素回路は、これに限定されない。例えば、
図19(B)に示す画素に新たにスイッチ、抵抗素子、容量素子、トランジスタ、センサ、又は論理回路などを追加してもよい。
【0180】
〔有機ELパネル〕
画素の回路構成の他の一例を
図19(C)に示す。ここでは、有機EL素子を用いた表示パネルの画素構造を示す。
【0181】
有機EL素子は、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極の一方から電子が、他方から正孔がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、電子および正孔が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このような発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
【0182】
図19(C)は、適用可能な画素回路の一例を示す図である。ここではnチャネル型のトランジスタを1つの画素に2つ用いる例を示す。なお、本発明の一態様の金属酸化物膜は、nチャネル型のトランジスタのチャネル形成領域に用いることができる。また、当該画素回路は、デジタル時間階調駆動を適用することができる。
【0183】
適用可能な画素回路の構成及びデジタル時間階調駆動を適用した場合の画素の動作について説明する。
【0184】
画素720は、スイッチング用トランジスタ721、駆動用トランジスタ722、発光素子724及び容量素子723を有している。スイッチング用トランジスタ721は、ゲート電極層が走査線726に接続され、第1電極(ソース電極層及びドレイン電極層の一方)が信号線725に接続され、第2電極(ソース電極層及びドレイン電極層の他方)が駆動用トランジスタ722のゲート電極層に接続されている。駆動用トランジスタ722は、ゲート電極層が容量素子723を介して電源線727に接続され、第1電極が電源線727に接続され、第2電極が発光素子724の第1電極(画素電極)に接続されている。発光素子724の第2電極は共通電極728に相当する。共通電極728は、同一基板上に形成される共通電位線と電気的に接続される。
【0185】
スイッチング用トランジスタ721および駆動用トランジスタ722は上記実施の形態で説明するトランジスタを適宜用いることができる。これにより、信頼性の高い有機EL表示パネルを提供することができる。
【0186】
発光素子724の第2電極(共通電極728)の電位は低電源電位に設定する。なお、低電源電位とは、電源線727に設定される高電源電位より低い電位であり、例えばGND、0Vなどを低電源電位として設定することができる。発光素子724の順方向のしきい値電圧以上となるように高電源電位と低電源電位を設定し、その電位差を発光素子724に印加することにより、発光素子724に電流を流して発光させる。なお、発光素子724の順方向電圧とは、所望の輝度とする場合の電圧を指しており、少なくとも順方向しきい値電圧を含む。
【0187】
なお、容量素子723は駆動用トランジスタ722のゲート容量を代用することにより省略できる。駆動用トランジスタ722のゲート容量については、チャネル形成領域とゲート電極層との間で容量が形成されていてもよい。
【0188】
次に、駆動用トランジスタ722に入力する信号について説明する。電圧入力電圧駆動方式の場合、駆動用トランジスタ722が十分にオンするか、オフするかの二つの状態となるようなビデオ信号を、駆動用トランジスタ722に入力する。なお、駆動用トランジスタ722を線形領域で動作させるために、電源線727の電圧よりも高い電圧を駆動用トランジスタ722のゲート電極層にかける。また、信号線725には、電源線電圧に駆動用トランジスタ722の閾値電圧Vthを加えた値以上の電圧をかける。
【0189】
アナログ階調駆動を行う場合、駆動用トランジスタ722のゲート電極層に発光素子724の順方向電圧に駆動用トランジスタ722の閾値電圧Vthを加えた値以上の電圧をかける。なお、駆動用トランジスタ722が飽和領域で動作するようにビデオ信号を入力し、発光素子724に電流を流す。また、駆動用トランジスタ722を飽和領域で動作させるために、電源線727の電位を、駆動用トランジスタ722のゲート電位より高くする。ビデオ信号をアナログとすることで、発光素子724にビデオ信号に応じた電流を流し、アナログ階調駆動を行うことができる。
【0190】
なお、画素回路の構成は、
図19(C)に示す画素構成に限定されない。例えば、
図19(C)に示す画素回路にスイッチ、抵抗素子、容量素子、センサ、トランジスタ又は論理回路などを追加してもよい。
【0191】
図19で例示した回路に上記実施の形態で例示したトランジスタを適用する場合、低電位側にソース電極(第1の電極)、高電位側にドレイン電極(第2の電極)がそれぞれ電気的に接続される構成とする。さらに、制御回路等により第1のゲート電極の電位を制御し、第2のゲート電極には図示しない配線によりソース電極に与える電位よりも低い電位など、上記で例示した電位を入力可能な構成とすればよい。
【0192】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0193】
(実施の形態8)
本実施の形態では、上述の実施の形態で説明した半導体装置を電子部品に適用する例、及び該電子部品を具備する電子機器に適用する例について、
図14、
図15を用いて説明する。
【0194】
図14(A)では上述の実施の形態で説明した半導体装置を電子部品に適用する例について説明する。なお電子部品は、半導体パッケージ、又はIC用パッケージともいう。この電子部品は、端子取り出し方向や、端子の形状に応じて、複数の規格や名称が存在する。そこで、本実施の形態では、その一例について説明することにする。
【0195】
上記実施の形態で説明した半導体装置は、組み立て工程(後工程)を経て、プリント基板に脱着可能な部品が複数合わさることで完成する。
【0196】
後工程については、
図14(A)に示す各工程を経ることで完成させることができる。具体的には、前工程で得られる素子基板が完成(ステップS1)した後、基板の裏面を研削する(ステップS2)。この段階で基板を薄膜化することで、前工程での基板の反り等を低減し、部品としての小型化を図るためである。
【0197】
基板の裏面を研削して、基板を複数のチップに分離するダイシング工程を行う。そして、分離したチップを個々にピックアップしてリードフレーム上に搭載し接合する、ダイボンディング工程を行う(ステップS3)。このダイボンディング工程におけるチップとリードフレームとの接着は、樹脂による接着や、テープによる接着等、適宜製品に応じて適した方法を選択する。なお、ダイボンディング工程は、インターポーザ上に搭載し接合してもよい。
【0198】
次いでリードフレームのリードとチップ上の電極とを、金属の細線(ワイヤー)で電気的に接続する、ワイヤーボンディングを行う(ステップS4)。金属の細線には、銀線や金線を用いることができる。また、ワイヤーボンディングは、ボールボンディングや、ウェッジボンディングを用いることができる。
【0199】
ワイヤーボンディングされたチップは、エポキシ樹脂等で封止される、モールド工程が施される(ステップS5)。モールド工程を行うことで電子部品の内部が樹脂で充填され、機械的な外力により、内蔵される回路部やワイヤーを保護することができ、また水分や埃による特性の劣化を低減することができる。
【0200】
次いでリードフレームのリードをメッキ処理する。そしてリードを切断及び成形加工する(ステップS6)。このめっき処理によりリードの錆を防止し、後にプリント基板に実装する際のはんだ付けをより確実に行うことができる。
【0201】
次いでパッケージの表面に印字処理(マーキング)を施す(ステップS7)。そして最終的な検査工程(ステップS8)を経て電子部品が完成する(ステップS9)。
【0202】
以上説明した電子部品は、上述の実施の形態で説明した半導体装置を含む構成とすることができる。そのため、集積度に優れ、又はレイアウト面積の縮小を図ることのできる半導体装置を有する電子部品を実現することができる。該電子部品は、上記実施の形態で説明した半導体装置を含むため、小型化が図られた電子部品である。
【0203】
また、完成した電子部品の斜視模式図を
図14(B)に示す。
図14(B)では、電子部品の一例として、QFP(Quad Flat Package)の斜視模式図を示している。
図14(B)に示す電子部品700は、リード701及び半導体装置703を示している。
図14(B)に示す電子部品700は、例えばプリント基板702に実装される。このような電子部品700が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板702上で電気的に接続されることで電子部品が実装された基板(実装基板704)が完成する。完成した実装基板704は、電子機器等の内部に設けられる。
【0204】
次いで、コンピュータ、携帯情報端末(携帯電話、携帯型ゲーム機、音響再生装置なども含む)、電子ペーパー、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、デジタルビデオカメラなどの電子機器に、上述の電子部品を適用する場合について説明する。
【0205】
図15(A)は、携帯型の情報端末であり、筐体901、筐体902、第1の表示部903a、第2の表示部903bなどによって構成されている。筐体901と筐体902の少なくとも一部には、先の実施の形態に示す半導体装置を有する実装基板が設けられている。そのため、小型化が図られた携帯型の情報端末が実現される。
【0206】
なお、第1の表示部903aはタッチ入力機能を有するパネルとなっており、例えば
図15(A)の左図のように、第1の表示部903aに表示される選択ボタン904により「タッチ入力」を行うか、「キーボード入力」を行うかを選択できる。選択ボタンは様々な大きさで表示できるため、幅広い世代の人が使いやすさを実感できる。ここで、例えば「タッチ入力」を選択した場合、
図15(A)の右図のように第1の表示部903aにはキーボード905が表示される。これにより、従来の情報端末と同様に、キー入力による素早い文字入力などが可能となる。
【0207】
また、
図15(A)に示す携帯型の情報端末は、
図15(A)の右図のように、第1の表示部903a及び第2の表示部903bのうち、一方を取り外すことができる。第1の表示部903aもタッチ入力機能を有するパネルとし、持ち運びの際、さらなる軽量化を図ることができ、一方の手で筐体902を持ち、他方の手で操作することができるため便利である。
【0208】
図15(A)は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報を操作又は編集する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することができる。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成としてもよい。
【0209】
また、
図15(A)に示す携帯型の情報端末は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により、電子書籍サーバから、所望の書籍データなどを購入し、ダウンロードする構成とすることも可能である。
【0210】
更に、
図15(A)に示す筐体902にアンテナやマイク機能や無線機能を持たせ、携帯電話として用いてもよい。
【0211】
図15(B)は、電子ペーパーを実装した電子書籍であり、筐体911と筐体912の2つの筐体で構成されている。筐体911及び筐体912には、それぞれ表示部913及び表示部914が設けられている。筐体911と筐体912は、軸部915により接続されており、該軸部915を軸として開閉動作を行うことができる。また、筐体911は、電源916、操作キー917、スピーカー918などを備えている。筐体911、筐体912の少なくとも一には、先の実施の形態に示す半導体装置を有する実装基板が設けられている。そのため、小型化が図られた電子書籍が実現される。
【0212】
図15(C)は、テレビジョン装置であり、筐体921、表示部922、スタンド923などで構成されている。テレビジョン装置の操作は、筐体921が備えるスイッチや、リモコン操作機924により行うことができる。筐体921及びリモコン操作機924には、先の実施の形態に示す半導体装置を有する実装基板が搭載されている。そのため、小型化が図られたテレビジョン装置が実現される。
【0213】
図15(D)は、スマートフォンであり、本体930には、表示部931と、スピーカー932と、マイク933と、操作ボタン934等が設けられている。本体930内には、先の実施の形態に示す半導体装置を有する実装基板が設けられている。そのため小型化が図られたスマートフォンが実現される。
【0214】
図15(E)は、デジタルカメラであり、本体941、表示部942、操作スイッチ943などによって構成されている。本体941内には、先の実施の形態に示す半導体装置を有する実装基板が設けられている。そのため、小型化が図られたデジタルカメラが実現される。
【0215】
以上のように、本実施の形態に示す電子機器には、先の実施の形態に係る半導体装置を有する実装基板が搭載されている。このため、このため、小型化が図られた電子機器が実現される。