(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231845
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】帯電装置およびそれを備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/02 20060101AFI20171106BHJP
【FI】
G03G15/02 101
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-214954(P2013-214954)
(22)【出願日】2013年10月15日
(65)【公開番号】特開2015-79060(P2015-79060A)
(43)【公開日】2015年4月23日
【審査請求日】2016年9月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】特許業務法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西山 武志
【審査官】
國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−211928(JP,A)
【文献】
特開平09−043939(JP,A)
【文献】
特開平10−104912(JP,A)
【文献】
特開平05−303263(JP,A)
【文献】
特開平07−281505(JP,A)
【文献】
特開2007−187716(JP,A)
【文献】
特開2007−171381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体を帯電させる帯電ローラと、
前記帯電ローラを支持する導電性の支持部材と、
前記帯電ローラに前記支持部材を通じて給電するための給電部材と、
を備え、
前記支持部材には、
前記帯電ローラの軸端部を受ける第1軸受部と、
前記第1軸受部の軸方向内端よりも軸方向内側に突出した係合突起と、
が形成されており、
弾性を有する導電性部材が、前記帯電ローラの軸部と前記支持部材の前記係合突起との間に取り付けられている、帯電装置。
【請求項2】
前記支持部材に支持され、前記帯電ローラをクリーニングするためのクリーニング部材をさらに備え、
前記係合突起は、前記クリーニング部材の軸端部を受ける第2軸受部である、請求項1に記載の帯電装置。
【請求項3】
前記導電性部材は、針金状部材である、請求項1又は2に記載の帯電装置。
【請求項4】
前記導電性部材は、スプリングの両端に引っ掛け部を備える構造を有する、請求項3に記載の帯電装置。
【請求項5】
前記導電性部材は、前記帯電ローラの軸部と前記支持部材の前記係合突起とにC字状もしくはS字状に掛けられる、請求項1〜4のいずれかに記載の帯電装置。
【請求項6】
前記帯電ローラの前記軸部または前記支持部材の前記係合突起には、前記導電性部材を引っ掛けるための溝が設けられている、請求項1〜5のいずれかに記載の帯電装置。
【請求項7】
前記導電性部材は、弾性を有する芯材の表面に導電性のコートが施された部材である、請求項1〜6のいずれかに記載の帯電装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の帯電装置を搭載した、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被帯電部に帯電を付与するための帯電装置及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成を行う画像形成装置は、回転駆動される感光体ドラムを帯電器により帯電し、前記感光体ドラムに画像情報に応じた光照射により静電潜像を形成し、現像装置によりこの静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成し、このトナー像を、中間転写体を介して、または直接シート材、用紙などの記録媒体に転写して画像を出力するようにされている。
【0003】
感光体ドラムを帯電させる帯電器に帯電ローラを使用する場合、確実に帯電ローラに給電させるためには、給電部材と常に導通が取れていることが重要である。
【0004】
例えば、特許文献1では、帯電ローラへの給電としては、導電性樹脂材料で形成した樹脂ベアリング等の支持部材により帯電ローラの軸部を支持し、支持部材に給電している。また、特許文献2には、帯電ローラの軸部を導電性の支持部材に取り付けることにより、帯電ローラへの給電と帯電ローラによる感光体ドラムの帯電の安定性を図る点が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−62948号公報
【特許文献2】特開2008−90060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
帯電ローラの軸部は剛性を有し、帯電ローラは回転する必要があるため、上記特許文献のように帯電ローラの軸部を導電性の支持部材で受ける構成では、支持部材と帯電ローラの軸部との密着性は十分ではなく、特に感光体ドラムへの圧接時に、支持部材と帯電ローラの軸部との導通が不十分になり、その結果、給電不安定性のため画像不良となる問題があった。特に帯電ローラの軸部が、帯電ローラやクリーニングローラのプロセスユニットへの組み立て性の問題から、支持部材の軸受部が一部開いている状態での保持の場合に、または、軸受部への軸挿入保持の場合において、感光体ドラムに圧接時に、保持部材(導電樹脂)からの導通が稀に不十分となり、その結果、給電不安定のため画像不良を生じてしまう。
【0007】
また、感光体ドラムの取り付け前において、帯電ローラの取り付けのみでは、感光体ドラムが占めるべき空間が大きく空いており、上記のように支持部材の軸受部が閉じていない場合は、帯電ローラの軸部がフリーとなって外れやすく、ユニット組み立て時や部品交換時に不自由があった。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、帯電ローラが支持部材へ確実に支持されるとともに、帯電ローラと給電部材との導通の確実に取れる帯電装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る画像処理装置は、感光体を帯電させる帯電ローラと、帯電ローラを支持する導電性の支持部材と
、帯電ローラ
に支持部材を通じて給電するための給電部材と
、を備え
る。支持部材には、帯電ローラの軸端部を受ける第1軸受部と、第1軸受部の軸方向内端よりも軸方向内側に突出した係合突起と、が形成されている。そして、弾性を有する導電性部材が
、帯電ローラの軸部
と支持部材
の係合突起との間に取り付けられてい
る。
【0010】
帯電ローラ等を軸受に取り付け後、針金等の導通がとれる部材で帯電ローラと支持部材に取り付けることで、確実な導通が可能となり、給電が不安定にならない。すなわち、給電部から帯電部材への給電経路が、導電性の支持部材と帯電ローラの軸部との接点だけでなく、導電性部材と帯電ローラの軸部との接点でも可能になり、しかも導電性部材が弾性を有するため、導電性部材と帯電ローラの軸部との接点も可能になり、しかも導電性部材が弾性を有するため、導電性部材と帯電ローラの軸部との接点も強くかつ安定しているため、給電部から帯電部材への給電が安定する。
【0011】
また、支持部材の軸受部が開口している場合に、帯電ローラが外れやすく、ユニットの組み立て時及び部品交換時に不自由があったが、上記構成にすることでこの問題も解決できる。
【0012】
導電性部材は弾性を有するため、その弾性力を利用して、容易に取り付けが可能となり、かつ、取り付け後ははずれ難くなる。
【0013】
上記帯電装置はさらに、支持部材に支持され
たクリーニング部材を更に備えていてもよい。クリーニング部材は、帯電ローラをクリーニングするため
の部材
である。そして、係合突起は、クリーニング部材の軸端部を受ける第2軸受部
であってもよい。
【0014】
帯電ローラの軸部と支持部材の第2軸受部とを利用して、導電性部材を掛けることができるため、導電性部材に取り付けるための取付部を支持部材にわざわざ設けることが不要となる。また、帯電ローラの軸方向と垂直方向に導電性部材を掛けることが可能になるため、導電性部材を取り付けやすくなる。また、感光体の存在の有無に関係なく、導電性部材によって帯電ローラが支持部材に支持された状態が維持しやすくなるため、支持部材の第1軸受部が一部開口している場合に、帯電ローラが外れにくくなる。
【0015】
導電性部材には針金部状が用いられる。針金であれば、場所を取らず、取り付けも簡単である。導電性部材を、引っ張りバネの両端に引っ掛け部を備える構造とすれば、導電性部材が外れにくくなる。
【0016】
導電性部材は、帯電ローラの軸部と支持部材の第2軸受部にC字状に掛けるようにすると、導電性部材を取り付けしやすい。また、導電性部材は、帯電ローラの軸部と支持部材の第2軸受部にS字状に掛けるようにすると、帯電ローラとクリーニング部材を固定しやすい。
【0017】
帯電ローラの軸部または支持部材の第2軸受部に導電性部材を引っ掛けるための溝が形成されると、導電性部材が横に移動しにくくなり、帯電ローラの回転が安定する。
【0018】
導電性部材は、芯材の表面に導電性のコートが施されたものを使用してもよい。これによると、導電性の効果が高まり、帯電ローラへの給電を確実に行えるようになる。
【0019】
上述した導電性部材を備える帯電装置は、画像形成装置に搭載されることで、給電部材から帯電ローラに確実に給電され、感光体ドラムの帯電不良を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図4】プロセスユニット筐体における帯電ローラおよびクリーニングローラの支持部を軸方向内側から見た斜視図である。
【
図6】帯電ローラへの給電する経路を説明する模式図である。
【
図7】第1の実施形態に係る、導電性部材の取付構造を帯電ローラの軸方向内側から見た断面図である。
【
図8】第1実施形態の取付構造を示す側面図である。
【
図9】第1の実施形態の変形例を示す
図7に対応する断面図である。
【
図10】第2の実施形態に係る、導電性部材の取付構造を帯電ローラの軸方向内側から見た断面図である。
【
図11】第3の実施形態に係る、導電性部材の取付構造を帯電ローラの軸方向内側から見た断面図である。
【
図12】第4の実施形態に係る、導電性部材の取付構造を示す側面図である。
【
図13】第4の実施形態の変形例を示す
図12に対応する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0022】
<第1の実施形態>
図1はプロセスユニット10の平面図、
図2はプロセスユニットの
図1におけるx−x線断面図、
図3はプロセスユニットの
図1におけるz−z線断面図である。プロセスユニット10は本発明の帯電装置の一例である。プロセスユニット10は感光体ドラム1と、その周囲に配置される複数の機能部と、がユニット筐体11に対して一体化されたユニットである。機能部には、感光体ドラム1の回転方向に沿って、クリーニングブレード2、帯電ローラ3、および現像ローラ4、クリーニングローラ5などが設置される。
【0023】
図2に示すように、帯電ローラ3は感光体ドラム1に圧接されて感光体ドラム1の回転に従動して回転する。このとき、帯電ローラ3の表面が一様に帯電されていることで、感光体ドラム1の表面が帯電される。帯電ローラ3は回転中心に軸部31を備え、
図3に示すように、帯電ローラ3の軸方向両端面から突出する軸部31を介してユニット筐体11の両側内面に配置される導電性の支持部材12に回転自在に支持される。軸部31は導電性を有する材料で形成される。この支持構造については後述する。
【0024】
帯電ローラ3は、導電性支持体を基体としてその外周面上に弾性層が形成され、この弾性層上に抵抗層が形成されている。この実施形態では、帯電ローラの外径は14mmとなっている。上記導電性支持体としては、例えば、鉄、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル等の金属材料の丸棒を用いることができる。なお、防錆や耐傷性付与のために、これらの金属表面にメッキ処理を施してもよい。ただし、導電性を損なわないことが必要である。
【0025】
上記弾性層は、被帯電体としての感光体ドラム1に対する給電や、帯電ローラ3の感光体ドラム1に対する良好な均一密着性を確保するために、適当な導電性と弾性とを有している。
【0026】
具体的には、上記弾性層としては、例えば天然ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等の合成ゴム、あるいはポリアミド、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の弾性材料中に、カーボンブラック、グラファイト、導電性金属酸化物等の電子電導機構を有する導電剤、アルカリ金属塩や四級アンモニウム塩等のイオン電導機構を有する導電剤などを適宜添加したものを用いる。
【0027】
なお、帯電ローラ3と感光体との均一密着性を確保するためには、上記弾性層を研磨して、軸方向の中央部が一番太く、中央部から両端部に行くにつれて細くなる形状(いわゆるクラウン形状)に形成することが好ましい。
【0028】
上記抵抗層は、弾性層に接して形成され、弾性層中に含有される軟化油や可塑剤等の帯電ローラ表面へのブリードアウトを防止するとともに、帯電ローラ全体の電気抵抗を調整するために設けられる。上記抵抗層としては、導電性または半導電性を有する材料が用いられる。
【0029】
例えば、エピクロルヒドリンゴム、NBR、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー等、あるいはこれらの混合材料、または共重合体からなる材料に、電子電導機構を有する導電剤(例えば、導電性カーボン、グラファイト、導電性金属酸化物、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄粉等)、イオン電導機構を有する導電剤(例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩等)を適宜添加したものを用いる。
【0030】
この場合、所望の電気抵抗を得るために、上記各種導電剤を2種以上併用してもよい。ただし、環境変動や感光体ドラムの汚染を考慮すると、電子電導機構を有する導電剤を用いることが好ましい。
【0031】
図2に示すように、クリーニングローラ5は帯電ローラ3に密着されて帯電ローラ3の回転に従動して回転する。このとき、帯電ローラ3の表面のトナー汚れなどがきれいにクリーニングされる。クリーニングローラ5は、弾性発泡体(スポンジ層)からなる円筒部材と、円筒部材を軸方向に貫通する金属性の軸部51を備える。
図3に示すように、クリーニングローラ5の軸方向両端面から突出する軸部51を介して上記支持部材12に回転自在に支持される。この支持構造については後述する。クリーニングローラは本発明のクリーニング部材の一例である。クリーニング部材は回転しない、固定式のものでも構わない。
【0032】
次に、帯電ローラ3とクリーニングローラ5の支持構造について
図4、
図5を用いて説明する。支持部材12は
図5に示すように全体が板状であり、上部に帯電ローラ3の軸端部(軸部31の端部)を受ける第1軸受部121が円弧状に形成される。第1軸受部121は、支持部材12に上面側に開放された切り欠き形状であり、
図4に示すようにその上方から帯電ローラ3の軸端部が挿入されて支持されるようになっている。
【0033】
また支持部材12の内側面には、
図5に示すように、第1軸受部121の下方に、クリーニングローラ5の軸端部(軸部51の端部)を受ける第2軸受部122が形成される。第2軸受部122は第1軸受部121の軸方向内端(すなわち、支持部材12の内側面。)よりもクリーニングローラ5の軸方向内側に突出する筒状に形成される。第2軸受部122は上面側に開放された筒状をなしており、
図5に示すように、その上方からクリーニングローラ5の軸端部が挿入されて支持されるようになっている。
【0034】
また
図5に示すように、支持部材12は下端部に突起部123を有する。支持部材12は軸受部121,122が形成された内側面の幅方向(同図では左右方向)両端縁にガイドリブ124(同図では左側のガイドリブのみが示されている。)が設けられる。
【0035】
一方、ユニット筐体11の側壁内面側には、
図4に示すように、支持部材12を装着するための凹部がリブ状の底床111,左側壁112,右側壁113によって一体的に形成されている。底床111は、支持部材12の突起部123に対向するように凸設された突起部114を有する。左側壁112,右側壁113は、支持部材12のガイドリブ124がスライドさせるガイド溝115(同図では左側のガイド溝のみが示されている。)を有する。
【0036】
この支持部材12が装着される凹部は上面側に開放されており、支持部材12は、突起部114,123に嵌合されるスプリング13によって上方に付勢されるように装着される。このときガイドリブ124がガイド溝115に係合されることで支持部材12は幅方向の移動が規制され、スプリング13によって感光体ドラム1の下方から感光体ドラム1の求心方向に付勢される。これにより、支持部材12に支持される帯電ローラ3およびクリーニングローラ5が感光体ドラム1に向けて付勢される。
【0037】
スプリング13は導電性の材料からなる付勢手段の一例である。付勢手段としてはスプリングに限らず弾性部材なども使用可能である。スプリング13の一端はユニット筐体11の側壁の外側へ延出され、給電部材(不図示。)と電気的に接続されている。帯電ローラ3への給電は、
図6に示すように、給電部材14からスプリング13、支持部材12、そして帯電ローラ3に供給される。
【0038】
弾性および導電性を有する導電性部材15が、
図7、
図8に示すように、帯電ローラ3の軸部31と、支持部材12のクリーニングローラ5の軸受部である第2軸受部122と、に掛けられている。
【0039】
導電性部材15は弾性および導電性を有するものなら特に限定されないが、形状は針金のような0.2mm〜5mmぐらいの細いものが、場所を取らず、その上強度的にも十分であるため、より好ましい。材料は、導電性で強度があるものなら何でも良く、例えばステンレス等が用いられる。他にも、導電性部材15は、弾性を有する芯材の表面に導電性のコートが施された部材を採用することもできる。
【0040】
導電性部材15の弾性と強度は、適時決定されるが、手動で容易に取り付けられ、かつ、帯電ローラ3が回転して外れず、また、支持部材12の第1軸受部121から帯電ローラ3が容易に外れない程度のものがより好ましい。
【0041】
導電性部材15の長手方向の形状は色々考えられるが、本実施形態では
図7に示すよう帯電ローラ3の軸部31と支持部材12の第2軸受部122とに同じ側からC字状に掛けられるようになっている。なお、
図9の変形例に示すように、同じC字型であっても帯電ローラ3の軸部31と支持部材12の第2軸受部122との間で針金を曲げ込むことで途中に弾性を持たせ、導電性部材15の固定力を強化することも好ましい態様である。
【0042】
帯電ローラ3の軸部31、支持部材12の第2軸受部122には導電性部材15が掛かる部分は、導電性部材15が外れないように溝を設けることが好ましい。
【0043】
<第2の実施形態>
第2実施形態では
図10に示すように、針金状の導電性部材15が、帯電ローラ3の軸部31と支持部材12の第2軸受部122とに逆側からS字状に掛けられるようになっている。導電性部材15の引っ掛け部が受ける応力が打ち消し合うので脱落しにくくなる。
【0044】
<第3の実施形態>
第3実施形態では
図11に示すように、針金状の導電性部材15がスプリング16を備え、スプリング16の両端に帯電ローラ3の軸部31と支持部材12の第2軸受部122に掛けるための引っ掛け部が形成された構造である。スプリング16の弾性力によって導電性部材の固定力が強化される。
【0045】
<第4の実施形態>
第4実施形態では、支持部材12にクリーニングローラ5を支持する軸受部がなく、帯電ローラ3の軸部31と支持部材12との間に、導電性部材15が取り付けられている。導電性部材15の取り付け方は、
図12に示すように、帯電ローラ3の軸部31から支持部材12の外側面に跨るように斜めに掛け渡す態様や、
図13に示すように支持部材12の内側面に上記実施形態の第2軸受部様の係合突起126を設けて帯電ローラ3の軸部31と係合突起126とに掛けるようにしても良い。いずれにしても本実施形態のプロセスユニットではクリーニングローラ5は存在しないか、存在しても帯電ローラ3の支持部材とは異なる支持部材が別途用意されることになる。
【0046】
本発明によると、帯電ローラ3が支持部材12へ導電性部材15によって確実に支持されるとともに、帯電ローラ3と給電部材14との導通を確実に取ることが可能となる。
【0047】
<画像形成装置>
上記のプロセスユニットは、画像形成装置に搭載される。画像形成装置は給紙部、電子写真プロセス部、定着部、排紙部などを備える。プロセスユニットは電子写真プロセス部の一部として着脱自在に装着される。電子写真プロセス部は、帯電ローラによって感光体ドラムを帯電させ、レーザスキャニングユニット(LSU)によって所定の画像に対応した静電潜像を書込んだ後、現像ローラを介して現像剤(トナー)によって画像を感光体ドラム上に顕像化し、転写部によって可視像を記録媒体に転写する機能を有する。
【0048】
転写部の形態にはモノクロ画像のように感光体ドラムから直接記録媒体に転写する態様や、フルカラー画像のように中間転写ベルトなどの中間転写体に各色のトナー像を個別に一次転写した後、記録媒体に一括転写する態様など、目的や用途によって異なる形態がある。
【0049】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0050】
1…感光体ドラム
2…クリーニングブレード
3…帯電ローラ
4…現像ローラ
5…クリーニングローラ
10…プロセスユニット
11…ユニット筐体
12…支持部材
13…スプリング
14…給電部材
15…導電性部材
16…スプリング
31…軸部
51…軸部
114…突起部
115…ガイド溝
123…突起部
124…ガイドリブ
126…係合突起