特許第6231851号(P6231851)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231851
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】洗浄水給水システムおよび衛生設備
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/01 20060101AFI20171106BHJP
   E03D 1/00 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   E03C1/01
   E03D1/00 A
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-226271(P2013-226271)
(22)【出願日】2013年10月31日
(65)【公開番号】特開2015-86597(P2015-86597A)
(43)【公開日】2015年5月7日
【審査請求日】2016年6月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 晴生
(72)【発明者】
【氏名】水野 智之
(72)【発明者】
【氏名】上田 江美
(72)【発明者】
【氏名】渡 光次郎
(72)【発明者】
【氏名】水野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】菊原 啓明
(72)【発明者】
【氏名】榊原 敬輔
【審査官】 七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−292000(JP,A)
【文献】 特開2013−104206(JP,A)
【文献】 特開2013−091928(JP,A)
【文献】 特開2015−010335(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/00− 1/10
E03D 1/00− 7/00
E03D 11/00−13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器と浴槽とが配管によって接続され、前記浴槽の水を前記便器に給水する洗浄水給水システムであって、
前記浴槽または浴室の利用状態を表す利用状態情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記利用状態情報に基づいて、前記浴槽の水を利用する可能性があると判定した場合に前記浴槽から前記便器への給水を禁止する禁止モードを備えた制御部と、
を有し、
前記利用状態情報は、前記浴槽が使用される可能性があるか否かを表す浴槽使用可能性信号であり、前記浴槽内の温度を検出する温度センサの検出結果、又は前記浴槽に湯張りしてからの経過時間である、
ことを特徴とする洗浄水給水システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記禁止モードのときに上水から前記便器に給水する、
ことを特徴とする請求項1に記載の洗浄水給水システム。
【請求項3】
前記便器の近傍に設けられ、前記禁止モードとなった場合に、禁止モードであることを報知する報知部を有する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の洗浄水給水システム。
【請求項4】
便器と浴槽とが配管によって接続され、前記浴槽の水を前記便器に給水する衛生設備であって、
前記浴槽または浴室の利用状態を表す利用状態情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記利用状態情報に基づいて、前記浴槽の水を利用する可能性があると判定した場合に前記浴槽から前記便器への給水を禁止する禁止モードを備えた制御部と、
を有し、
前記利用状態情報は、前記浴槽が使用される可能性があるか否かを表す浴槽使用可能性信号であり、前記浴槽内の温度を検出する温度センサの検出結果、又は前記浴槽に湯張りしてからの経過時間である、
ことを特徴とする衛生設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄水給水システムおよび衛生設備に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅などにおいて、浴槽と水洗式の便器とをポンプを介して接続し、浴槽内の残り湯などの水を、便器に洗浄水として給水して、便器から汚物を排出する洗浄水給水システムが知られている(例えば特許文献1、2参照)。この洗浄水給水システムは、上水の使用量を削減することを可能としながらも、便器の衛生環境の悪化を抑制することができるシステムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−104206号公報
【特許文献2】特開2013−104207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、洗浄水給水システムにおいて、例えば浴槽に新しくお湯を溜めた場合に、便器の利用者が便器側から便器の洗浄の指示をしても、浴槽から洗浄水が供給されて便器が洗浄されないようにした方がよい場合もある。例えば、浴槽に新たに溜めた水は、入浴者が利用した後に便器の洗浄水として用いた方が、再利用の観点から望ましい。
【0005】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、浴槽水を便器の洗浄水として効率的に再利用することができる洗浄水給水システム、および衛生設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の洗浄水給水システムは、便器と浴槽とが配管によって接続され、前記浴槽の水を前記便器に給水する洗浄水給水システムであって、前記浴槽または浴室の利用状態を表す利用状態情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記利用状態情報に基づいて、前記浴槽の水を利用する可能性があると判定した場合に前記浴槽から前記便器への給水を禁止する禁止モードを備えた制御部と、を有し、前記利用状態情報は、前記浴槽が使用される可能性があるか否かを表す浴槽使用可能性信号であり、前記浴槽内の温度を検出する温度センサの検出結果、又は前記浴槽に湯張りしてからの経過時間である、ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の洗浄水給水システムは、前記利用状態情報は、前記浴槽が使用されているか否かを表す浴槽使用情報であり、前記制御部は、前記浴槽使用情報に基づいて、前記浴槽が使用されていることを判定した場合、前記禁止モードに移行する、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の洗浄水給水システムは、前記利用状態情報は、前記浴槽または浴室に人がいるか否かを表す人検出情報であり、前記制御部は、前記人検出情報に基づいて、前記浴槽または浴室に人がいると判定した場合、前記禁止モードに移行する、ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の洗浄水給水システムは、前記制御部は、前記禁止モードのときに上水から前記便器に給水する、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の洗浄水給水システムは、前記便器の近傍に設けられ、前記禁止モードとなった場合に、禁止モードであることを報知する報知部を有する、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の衛生設備は、便器と浴槽とが配管によって接続され、前記浴槽の水を前記便器に給水する衛生設備であって、前記浴槽または浴室の利用状態を表す利用状態情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記利用状態情報に基づいて、前記浴槽の水を利用する可能性があると判定した場合に前記浴槽から前記便器への給水を禁止する禁止モードを備えた制御部と、を有し、前記利用状態情報は、前記浴槽が使用される可能性があるか否かを表す浴槽使用可能性信号であり、前記浴槽内の温度を検出する温度センサの検出結果、又は前記浴槽に湯張りしてからの経過時間である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、制御部が、または浴室の利用状態を表す利用状態情報に基づいて、浴槽の水を利用する可能性があると判定した場合に浴槽から前記便器への給水を禁止する禁止モードを備えるようにしたので、浴槽水を便器の洗浄水として効率的に再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】洗浄水給水システムの構成を示す説明図である。
図2】制御装置19の動作を説明するフローチャートである。
図3】禁止モードを設定する時間帯について説明するための図である。
図4】便器3aの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、洗浄水給水システムの構成を示す説明図である。また、図2は、図2は、制御装置19の動作を説明するフローチャートである。以下、図1に示す洗浄水給水システムの構成について説明し、続いて、その制御動作について図2を参照して説明する。
図1では、洋風便器3(便器)と、浴槽2と、洗浄水給水システム1とからなる衛生設備100を示している。図1において、洗浄水給水システム1は、住宅などに設置される浴槽2内の残り湯などの水を、水洗式の便器としての洋風便器3に洗浄水として給水して、洋風便器3内から汚物を排出可能なシステムである。また、洗浄水給水システム1における制御装置19は、浴槽2内の水を、洋風便器3に洗浄水として給水するか否かの判定を実行する(詳細後述)。
まず、洋風便器3、浴槽2、洗浄水給水システム1の順番にその構成について説明する。
【0015】
洋風便器3は、陶磁器で構成され、かつ、図1に示すように、便鉢4と、リム5と、便鉢4と排水口6とを連通したトラップ部7とを一体に備えている。リム5は、便鉢4の上縁の内面に設けられている。
【0016】
トラップ部7は、一端が便鉢4の底部に開口しかつ他端が排水口6に連通した通路である。トラップ部7は、便鉢4の底部に開口しかつ一端から他端に向かうにしたがって徐々に上方に向かう上昇域部7aと、上昇域部7aから下方に向かい排水口6に連通した下降域部7bとを一体に備えて、洋風便器3を所謂サイホン洗い落とし形式の便器としている。
【0017】
浴槽2は、浴槽2内の水を浴槽2外へ供給可能な吸込口10と、一方の端部が吸込口10に連結され、他方の端部がポンプ13に連結された連結配管12と、連結配管12に連結されたポンプ13とを備えている。ポンプ13は、制御装置19からの駆動信号に基づいて駆動することで、連結配管12を介して吸込口10から吸い込んだ浴槽2内の水を、リム側給水配管31、リム用給水管15を介して、洋風便器3のリム5の内面に供給する。
【0018】
また、図1に示すように、照度センサ51、人体検知センサ52、温度センサ53が設けられる。
照度センサ51は、浴槽2が設置される浴室内の照度を検出する。この照度センサ51は、例えば浴室内の設置された照明装置の近傍に設けられる。照度センサ51の検出結果は、制御装置19に入力される。
人体検知センサ52は、例えばドップラーセンサであり、送信器から対象物(ここでは浴槽2内)に向けマイクロ波を発射し、反射されたマイクロ波を受信することによって対象物を検出するセンサである。人体検知センサ52の検出結果は、制御装置19に入力される。
温度センサ53は、サーミスタなど温度に応じて抵抗値が変化するセンサであり、浴槽2内の水の温度を検出する。温度センサ53の検出結果は、制御装置19に入力される。なお、温度センサ53は、浴槽2内の水の温度が検出できれば、浴槽2の内周面に設けられてもよいし、浴槽2に連結され、浴槽2内の水が供給される配管に設けられてもよい。
【0019】
洗浄水給水システム1は、図1に示すように、給水管としてのリム用給水管15と、上水給水部16と、浴槽内水給水部17と、スイッチ装置18と、制御装置19とを備えている。
リム用給水管15は、一端が洋風便器3のリム5に連結されて、洋風便器3に連結されている。リム用給水管15は、上水給水部16及び浴槽内水給水部17から給水される洗浄水をリム5の内面に導いて、洋風便器3に給水する。
【0020】
上水給水部16は、上水管20と、開閉弁としてのリム用開閉弁21と、開放弁としてのリム用バキュームブレーカ23と、リム側連結配管25とを備えている。
上水管20は、上水道からの上水が給水される。上水管20は、リム用開閉弁21に連結され、上水道からの上水を、洗浄水として、リム用開閉弁21、リム側連結配管25、リム用バキュームブレーカ23及びリム用給水管15を介して、洋風便器3に給水する。
また、リム用開閉弁21は、上水管20と、リム側連結配管25の一端とが連結されて、上水管20とリム用給水管15との間に設けられている。リム用開閉弁21は、上水管20からリム側連結配管25を介してリム用給水管15に亘る上水の流路を開閉する。
また、リム用バキュームブレーカ23は、リム側連結配管25の他端と、リム用給水管15の他端とが連結されている。こうして、リム用バキュームブレーカ23は、上水管20とリム用給水管15との間でかつリム用開閉弁21よりも洋風便器3寄りに設けられている。リム用バキュームブレーカ23は、リム側連結配管25内の上水の圧力がリム用給水管15内の水の圧力よりも低下しても即ちリム側連結配管25や上水管20側が負圧となっても、リム用給水管15内の水がリム側連結配管25や上水管20側に逆流することを防止する。
また、リム側連結配管25は、一端がリム用開閉弁21に連結し他端がリム用バキュームブレーカ23に連結されている。
【0021】
以上の構成により、上水給水部16は、リム用開閉弁21が開くと、上水管20からの上水をリム側連結配管25、リム用バキュームブレーカ23及びリム用給水管15を介して、洋風便器3のリム5の内面から洋風便器3の周方向に給水する。上水給水部16は、洋風便器3の便鉢4の内面において、上水を周方向に流して、上水により洋風便器3の便鉢4の内面を洗浄する。
【0022】
このように、上水給水部16は、リム用給水管15等を介して洋風便器3に連結されて、洗浄水としての上水を、リム用給水管15等を介して洋風便器3に給水する。また、上水給水部16は、前述したリム用開閉弁21を備えて、洋風便器3のリム5に洗浄水としての浴槽2内の水を給水可能である。このように、本実施形態の洋風便器3は、上水道からの上水を一旦タンクなどに溜めることのない、所謂、タンクレス洋風便器となっている。
【0023】
次に、浴槽内水給水部17は、前述したポンプ13と、配管28と、流量検出手段としての流量計29と、リム側給水配管31とを備えている。
配管28は、一端がポンプ13に連結され、他端が流量計29に連結している。この配管28の一部は、洋風便器3よりも高い位置まで立ち上げられている。
流量計29は、配管28の他端側に設けられ、配管28内を流れる水により回転される羽根車などを備えて、配管28内の水の流量を検出する。流量計29は、検出した配管28内の水の流量を示す流量信号を、制御装置19に対して出力する。
また、リム側給水配管31は、一端が流量計29に連結され、他端がリム用給水管15の経路の一部に連結している。
【0024】
このように、リム側給水配管31がリム用給水管15に連結されることで、浴槽内水給水部17は、上水給水部16のリム用開閉弁21及びリム用バキュームブレーカ23よりもリム用給水管15の洋風便器3側に連結している。
【0025】
次に、スイッチ装置18は、洋風便器3の便鉢4の側方の住宅内壁面などに設けられ、洗浄水を洋風便器3に供給する指示の入力を受けつける。
制御装置19は、図示しないRAM、ROM、CPU、入出力ポートなどを備えた演算装置である。制御装置19の入力ポートには、流量計29、スイッチ装置18、照度センサ51、人体検知センサ52、温度センサ53が接続される。また、制御装置19の出力ポートには、リム用開閉弁21、リム用バキュームブレーカ23、ポンプ13が接続されている。
【0026】
制御装置19は、制御部19aおよび取得部19bを有している。取得部19bは、浴槽2または浴槽2が配置される浴室の利用状態を表す利用状態情報(スイッチ装置18の出力信号、照度センサ51のセンサ値、人体検知センサ52のセンサ値、温度センサ53のセンサ値)を取得し、制御部19aに対して出力する。
制御部19aは、取得部19bが取得した利用状態情報に基づいて、浴槽2の水を利用する可能性があると判定した場合に、浴槽2から洋風便器3への給水を禁止する禁止モードを備える。また、制御部19aは、禁止モードの他に、浴槽2の水を洋風便器3に供給する浴槽水利用モードや、上水を洋風便器3に給水する上水モードを備えており、利用状況情報に応じて、禁止モード、浴槽水利用モード、上水モードのいずれかのモードへ移行する。
【0027】
ここで、利用状態情報は、浴槽が使用されているか否かを表す浴槽使用信号(浴槽使用情報)であり、制御装置19は、当該浴槽使用信号に基づいて、浴槽2が使用されていることを判定した場合、上水から浴槽内の水へと切り替える制御を行わない。浴槽が使用されているか否かを表す浴槽使用信号とは、本実施形態では、照度センサ51の検出結果と人体検知センサ52の検出結果とである。
制御装置19は、照度センサ51の検出結果に基づいて、上水から浴槽内の水へと切り替える制御を行うか否かを判定する。制御装置19は、照度センサ51の検出照度が所定の照度未満である場合には、浴室の照明が消灯され、浴槽2を利用している人がいないと判定する。一方、制御装置19は、照度センサ51の検出照度が所定の照度以上である場合には、浴室の照明が点灯され、浴槽2を利用している人がいると判定する。なお、照度センサ51に代えて、浴室の照明装置をオン(点灯)またはオフ(消点)する信号(浴槽の利用者が入力する信号)を、検出信号として用いてもよい。すなわち、制御装置19は、浴室の照明装置がオフしている場合、浴室の照明が消灯され、浴槽2を利用している人がいないと判定する。一方、制御装置19は、浴室の照明装置がオンしている場合、浴室の照明が点灯され、浴槽2を利用している人がいると判定する。
【0028】
また、制御装置19は、人体検知センサ52の検出結果に基づいて、上水から浴槽内の水へと切り替える制御を行うか否かを判定する。制御装置19は、人体検知センサ52の検出結果が所定の閾値以上である場合には、浴槽2を利用している人がいると判定する。一方、制御装置19は、人体検知センサ52の検出結果が所定の閾値未満である場合には、浴槽2を利用している人がいないと判定する。
【0029】
また、利用状態情報は、浴槽2が使用される可能性があるか否かを表す浴槽使用可能性信号(人検出情報)であり、制御装置19は、当該浴槽使用可能性信号に基づいて、浴槽2が使用される可能性があると判定した場合、上水から浴槽内の水へと切り替える制御を行わない。浴槽2が使用される可能性があるか否かを表す浴槽使用可能性信号とは、本実施形態では、温度センサ53の検出結果と浴槽2に湯張りしてからの経過時間とである。
制御装置19は、温度センサ53の検出結果に基づいて、上水から浴槽内の水へと切り替える制御を行うか否かを判定する。制御装置19は、温度センサ53の検出結果が所定の温度以上である場合には、浴槽2が使用される可能性があると判定する。一方、制御装置19は、温度センサ53の検出結果が所定の温度未満である場合には、浴槽2が使用される可能性がないと判定する。
【0030】
また、制御装置19は、浴槽2が湯張りされてからの経過時間を内部のタイマにより、湯張りが完了してからの経過時間を計測しており、当該経過時間に基づいて、上水から浴槽内の水へと切り替える制御を行うか否かを判定する。制御装置19は、湯張りが完了してからの経過時間が所定時間(例えば30分)未満である場合には、浴槽2が使用される可能性があると判定する。一方、制御装置19は、湯張りが完了してからの経過時間が所定時間以上である場合には、浴槽2が使用される可能性がないと判定する。
【0031】
このように、制御装置19は、浴槽2の状態を検出する利用状態情報に基づいて、上水から浴槽内の水へと切り替えるか否かを決定する。本実施形態では、制御装置19は、浴槽使用信号に基づいて浴槽2が使用されていることを判定した場合と、浴槽使用可能性信号に基づいて浴槽2が使用される可能性があると判定した場合とでは、上水から浴槽内の水へと切り替える制御を行わない。一方、制御装置19は、浴槽使用信号に基づいて浴槽2が使用されていないことを判定し、かつ、浴槽使用可能性信号に基づいて浴槽2が使用される可能性がないと判定した場合、上水から浴槽内の水へと切り替える制御を行う。
【0032】
また、制御装置19は、後述するように、浴槽内水給水部17から洋風便器3に給水して洋風便器3内の汚物を排出する動作を行なうとともに、汚物の排出動作完了後に、上水給水部16から洋風便器3に給水する制御を行う。これにより、上水により洋風便器3の底部に封水Hが形成される。なお、本実施形態では、浴槽内水給水部17から洋風便器3に給水して洋風便器3内の汚物を排出する動作を行なう際、浴槽内水給水部17のみから洋風便器3に給水するできない場合、例えば、浴槽内水給水部17から洋風便器3に給水している最中に浴槽2内の水がなくなった場合、その後に上水給水部16から洋風便器3に給水する。また、浴槽内水給水部17内の水がない場合には、上水給水部16のみから洋風便器3に給水する。
【0033】
続いて、洗浄水給水システム1の制御動作について図2を参照して説明する。図2は、制御装置19の動作を説明するフローチャートである。制御装置19は、図2のフローチャートに示す処理を繰り返し実行する。
制御装置19は、スイッチ装置18から洗浄する動作を開始するための信号が入力したか否かを判定する(ステップS1)。制御装置19は、スイッチ装置18から洗浄する動作を開始するための信号が入力していないと判定すると(ステップS1−No)、ステップS1を繰り返す。一方、制御装置19は、スイッチ装置18から洗浄する動作を開始するための信号が入力していると判定すると(ステップS1−Yes)、ステップS2に進む。
【0034】
ステップS2では、制御装置19は、照明が点灯中であるか否かを判定する。制御装置19は、照度センサ51の検出照度が所定の照度未満である場合には、浴室の照明が消灯され、浴槽2を利用している人がいないと判定し(ステップS2−No)、ステップS3に進む。一方、制御装置19は、照度センサ51の検出照度が所定の照度以上である場合には、浴室の照明が点灯され、浴槽2を利用している人がいると判定し(ステップS2−Yes)、ステップS1に戻る。
【0035】
ステップS3では、制御装置19は、浴室に人がいるか否かを判定する。制御装置19は、人体検知センサ52の検出結果が所定の閾値以上である場合には、浴槽2を利用している人がいると判定し(ステップS3−Yes)、ステップS1に戻る。一方、制御装置19は、人体検知センサ52の検出結果が所定の閾値未満である場合には、浴槽2を利用している人がいないと判定し(ステップS3−No)、ステップS4に進む。
【0036】
ステップS4では、制御装置19は、浴槽内の水の温度は所定温度以上か否かを判定する。制御装置19は、温度センサ53の検出結果が所定の温度以上である場合には、浴槽2が使用される可能性があると判定し(ステップS4−Yes)、ステップS1に戻る。一方、制御装置19は、温度センサ53の検出結果が所定の温度未満である場合には、浴槽2が使用される可能性がないと判定し、ステップS5に進む。
【0037】
ステップS5では、制御装置19は、浴槽2を湯張りしてから所定期間が経過したか否かを判定する。制御装置19は、湯張りが完了してからの経過時間が所定時間未満である場合には、浴槽2が使用される可能性があると判定し、ステップS1に進む。一方、制御装置19は、湯張りが完了してからの経過時間が所定時間以上である場合には、浴槽2が使用される可能性がないと判定し、ステップS6に進む。
【0038】
ステップS2〜S5において、制御装置19は、浴槽2が使用されていると判定した場合(ステップS2−Yes、ステップS3−Yes)と、浴槽2が使用される可能性があると判定した場合(ステップS4−Yes、ステップS3−No)とでは、禁止モードに移行し、上水から浴槽内の水へと切り替える制御を行わない。一方、制御装置19は、浴槽2が使用されていないと判定し(ステップS2−No、ステップS3−No)、かつ、浴槽2が使用される可能性がないと判定した場合(ステップS4−No、ステップS3−Yes)、ステップS6に進み、浴槽水利用モードによって、上水から浴槽内の水へと切り替える制御を行う。
【0039】
続いて、制御装置19は、浴槽2内の水を洋風便器3へ給水する(ステップS6)。制御装置19は、リム用開閉弁21を閉じて、ポンプ13を駆動して、吸込口10を通して浴槽2内の水を吸い込む。そして、制御装置19は、浴槽2内の水をリム5の内面から洋風便器3の周方向に給水する。即ち、洋風便器3の便鉢4の内面は浴槽2内の水により洗浄される。
【0040】
次に、制御装置19は、給水中に流量計29が水量を検知しているか否かを判定する(ステップS7)。制御装置19は、流量計29が水量を検知している場合、流量計29が検出した配管28内の水の流量を示す流量信号に基いて、流量計29が配管28内の水の流れを検出しているか否か、即ち浴槽2内の水が洋風便器3に給水されているか否かを判定する。制御装置19は、流量計29が水の流れを検出していると判定した場合(ステップS7−Yes)、ステップS8に進む。一方、制御装置19は、流量計29が水の流れを検出していないと判定した場合(ステップS7−No)、ステップS9に進む。
【0041】
ステップS8では、制御装置19は、浴槽2内の水が洋風便器3に所定量給水されたか否かを判定する。制御装置19は、流量計29が検出した配管28内の水の流量を示す流量信号(流量の積算値)に基いて、リム5に便鉢4の内面を洗浄するのに十分でかつ汚物をトラップ部7から排水口6を通して排出するのに十分な所定量(予め設定された流量)の洗浄水として、浴槽2内の水が給水されたか否かを、所定の基準値と比較することで判定する。制御装置19は、所定量の浴槽2内の水が給水されていないと判定した場合(ステップS8−No)、ステップS6に戻る。一方、制御装置19は、所定量の浴槽2内の水が給水されたと判定した場合(ステップS8−Yes)、ステップS13に進む。こうして、制御装置19は、所定量の浴槽2内の水が給水されるまで、ステップS6からステップS8を繰り返す。これにより、リム5への給水による便鉢4の内面の洗浄と汚物のトラップ部7からの排出動作が完了する。
【0042】
ステップS9では、制御装置19は、上水を洋風便器3に給水する。制御装置19は、ステップS6からステップS8を繰り返している間に浴槽2内の水が洋風便器3に給水されなくなったと判定する(ステップS7−No)。制御装置19は、ポンプ13を停止し、リム用開閉弁21を開き、上水道からの上水をリム5の内面に給水する。
【0043】
続いて、ステップS10では、制御装置19は、浴槽2内の水と上水とを合わせた、前述の所定量の洗浄水が洋風便器3に給水されたか否かを、所定の基準値と比較することで判定する。制御装置19は、合わせた所定量の洗浄水が洋風便器3に給水されていないと判定した場合、ステップS9に戻る。一方、制御装置19は、合わせた所定量の洗浄水が洋風便器3に給水されたと判定すると、ステップS11に進む。こうして、制御装置19は、合わせた所定量の洗浄水が洋風便器3に給水されるまで、ステップS9及びステップS10を繰り返す。これにより、リム5への給水による便鉢4の内面の洗浄と汚物のトラップ部7からの排出動作が完了する。
【0044】
このように、制御装置19は、ステップS6からステップS10の間には、上水給水部16と浴槽内水給水部17とのうちの少なくとも一方から、或いは浴槽内水給水部17および上水給水部16からこの順番に洋風便器3に給水する。
【0045】
ステップS11では、制御装置19は、上水を封水として供給する。制御装置19は、リム用開閉弁21を開いて、上水をリム5の内面即ち洋風便器3に給水する。こうして、制御装置19は、汚物のトラップ部7からの排出動作が完了した後に、リム5の内面即ち洋風便器3に給水する。上水が洋風便器3の底部に溜まり、洋風便器3の底部に封水Hが形成される。
【0046】
次に、制御装置19は、封水Hとして十分な第2の所定量の上水が給水されたか否かを、所定の基準値と比較することで判定する(ステップS12)。制御装置19は、封水Hとして十分な第2の所定量の上水が給水されていないと判定した場合(ステップS12−No)、ステップS11に戻る。一方、制御装置19は、封水Hとして十分な第2の所定量の上水が、給水されたと判定した場合(ステップS12−Yes)、リム用開閉弁21を閉じて、ステップS1に戻る。
【0047】
ステップS13では、制御装置19は、上水を封水として供給する。制御装置19は、所定量の浴槽2内の水が給水されたと判定した場合(ステップS8−Yes)、ポンプ13を停止し、リム用開閉弁21を開き、上水をリム5の内面即ち洋風便器3に給水する。こうして、制御装置19は、汚物のトラップ部7からの排出動作が完了した後に、リム5の内面即ち洋風便器3に給水する。上水が洋風便器3の底部に溜まり、洋風便器3の底部に封水Hが形成される。
【0048】
次に、制御装置19は、封水Hとして十分な第2の所定量の上水が給水されたか否かを、所定の基準値と比較することで判定する(ステップS14)。制御装置19は、封水Hとして十分な第2の所定量の上水が給水されていないと判定した場合(ステップS14−No)、ステップS13に戻る。一方、制御装置19は、封水Hとして十分な第2の所定量の上水が、給水されたと判定した場合(ステップS14−Yes)、リム用開閉弁21を閉じて、ステップS1に戻る。
【0049】
このように、洗浄水給水システム1は、洋風便器3と浴槽2とが配管によって接続され、浴槽2の水を洋風便器3に給水する洗浄水給水システムである。洗浄水給水システム1は、制御装置19(取得部19bと制御部19a)を有する。取得部19bは、浴槽2または浴室の利用状態を表す利用状態情報を取得する。制御部19aは、取得部19bが取得した利用状態情報に基づいて、浴槽2の水を利用する可能性があると判定した場合に浴槽2から洋風便器3への給水を禁止する禁止モードを備える。
利用状態情報は、浴槽が使用されているか否かを表す浴槽使用信号(照度センサ51の検出結果と人体検知センサ52の検出結果)、または、浴槽2が使用される可能性があるか否かを表す浴槽使用可能性信号(温度センサ53の検出結果と浴槽2に湯張りしてからの経過時間)である。
制御装置19は、浴槽2が使用されていることを判定した場合と、浴槽2が使用される可能性があると判定した場合とでは、上水から浴槽内の水へと切り替える制御を行わない。
そのため、浴槽に新たに溜めた水が、浴槽の利用者に用いられることなく、便器の洗浄水として用いられることはない。つまり、入浴者が利用した後に便器の洗浄水として用いることができる。また、便器の利用者が便器側から便器の洗浄の指示をするときに、浴槽の利用者が浴槽を現に使用している場合、浴槽水が便器に洗浄水として供給されてしまうことはない。つまり、浴槽の利用者に対して不快感などを与えることはない。このように、本発明によれば、浴槽水を便器の洗浄水として効率的に再利用することができる、また、浴槽の使用者の利便性を向上させることができる。
【0050】
また、制御装置19が汚物の排出動作完了後に上水給水部16から給水させる。このために、汚物の排出動作完了後に洋風便器3の底部に溜められる所謂封水Hが、上水給水部16からの上水のみで構成されることとなる。したがって、洋風便器3を長時間使用しない場合であっても、封水Hに雑菌が繁殖することを抑制することができる。よって、上水の使用量を削減することを可能としながらも、洋風便器3の衛生環境の悪化を抑制することができる。
【0051】
また、洗浄水給水システム1では、汚物の排出動作完了前には、浴槽内水給水部17と上水給水部16とのうち少なくとも一方に給水させることで、汚物の排出動作を行なう。このために、汚物の排出動作に用いられる洗浄水として、浴槽2内に残り湯などが溜まっている場合には、洗浄水として浴槽2内の水を用いることができ、浴槽2内に残り湯などが溜まっていない場合には、洗浄水として上水を用いることができる。したがって、汚物の排出動作に、浴槽2内の水を用いることができるので、上水の使用量を削減することを可能とすることができる。
【0052】
また、洗浄水給水システム1では、浴槽内水給水部17が上水給水部16よりもリム用給水管15の洋風便器3側に連結しているので、浴槽内水給水部17が、洗浄水としての浴槽2内の水を、直接、洋風便器3に洗浄水として給水することができる。したがって、薬剤を添加することなく、洗浄水として用いる残り湯などの浴槽2内の水を長期に亘って溜めておくことを抑制することができて、雑菌が繁殖することを抑制することができる。したがって、上水の使用量を削減することを可能としながらも、コストの高騰と洋風便器3の衛生環境の悪化を抑制することができる。
【0053】
また、洗浄水給水システム1では、上水給水部16の上水管20とリム用給水管15とに亘る流路を開閉可能なリム用開閉弁21よりもリム用給水管15の洋風便器3側に浴槽内水給水部17が連結しているので、リム用開閉弁21により、上水給水部16の上水管20と浴槽内水給水部17とを確実に分離することができる。
【0054】
また、洗浄水給水システム1では、リム用開閉弁21の洋風便器3側に設けられたリム用バキュームブレーカ23よりも更にリム用給水管15の洋風便器3側に浴槽内水給水部17が連結しているので、リム用バキュームブレーカ23により、上水給水部16の上水管20などが負圧となっても、リム用バキュームブレーカ23を超えて、浴槽2内の水が上水管20などに逆流することを防止できる。
【0055】
また、洗浄水給水システム1では、洋風便器3が上水道からの上水を一旦タンクなどに溜めることのない所謂タンクレス洋風便器となっており、浴槽内水給水部17が、洗浄水としての浴槽2内の水を、直接、洋風便器3に洗浄水として給水することができるので、タンク内での雑菌の繁殖を確実に防止することができ、洋風便器3の衛生環境の悪化を確実に抑制することができる。なお、本実施形態では、上水給水部16がリム5のみに上水を供給可能としたが、ジェット孔を有する便器にも適用することができる。ジェット孔は、トラップ部7の一端と相対する便鉢4の底面に設けられ、トラップ部7の上昇域部7aに向けて洗浄水を流出させる。便器は、ジェット孔から洗浄水が流出されることで、トラップ部7に所謂サイホン効果を生じて、汚物を排出する。本発明では、上水給水部16がリム5とジェット孔との双方に上水を供給可能としても良い。
【0056】
なお、上述した本発明の実施形態に係る洗浄水給水システム1は、上述した実施形態や
変形例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
【0057】
例えば、上述した制御装置19による、浴槽の状態を検出する利用状態情報に基づいて、禁止モードへ移行するか否かの決定において、以下に説明する変形例を用いてもよい。
例えば、スイッチ装置18の構成を、浴槽2の水を使用する場合、オン信号またはオフ信号のいずれか一方の信号を入力し、浴槽2の水を使用しない場合、オン信号またはオフ信号の他方の信号を入力する構成としてもよい。浴槽2の水を使用する場合、スイッチ装置18に便器の使用者が、オン信号またはオフ信号のいずれか一方の信号を入力すると、制御装置19により、浴槽の状態を検出する利用状態情報に基づいて、上水から浴槽内の水へと切り替えるか否かの決定が行われる。浴槽2の水を使用しない場合、スイッチ装置18に便器の使用者が、オン信号またはオフ信号の他方の信号を入力すると、制御装置19により、上水のみにより便器の洗浄が行われる構成としてもよい。
【0058】
また、浴槽2を使用する可能性があるか否かを判定するため、濁度計または水圧センサーを用いて検出結果を制御装置19に入力する構成としてもよい。
濁度計は、測定対象水(浴槽2内の水)に光を照射し、その透過光を検出したり、表面散乱光、前方散乱光又は後方散乱光を検出することにより濁度を検出する。この濁度計は、制御装置19に接続され、検出結果を制御装置19に対して出力する。
制御装置19は、濁度計の検出結果が所定の濁度未満である場合には、浴槽2が使用される可能性があると判定する。一方、制御装置19は、濁度計の検出結果が所定の濁度以上である場合には、浴槽2が使用される可能性がないと判定する。
【0059】
水圧センサは、浴槽2内の水位を水圧により検出する水位センサを用いて実現できる。
この水圧センサは、制御装置19に接続され、検出結果を制御装置19に対して出力する。制御装置19は、水圧センサの検出結果が所定の水圧以上である場合には、浴槽2内の水の水位が所定の水位以上であり、浴槽2が使用される可能性があると判定する。一方、制御装置19は、水圧センサの検出結果が所定の水圧未満である場合には、浴槽2内の水の水位が所定の水位未満であり、浴槽2が使用される可能性がないと判定する。
なお、これらの浴槽2を使用する可能性があるか否かの判定処理は、図2に示すステップS1とS6との間のいずれのタイミングで行ってもよい。
【0060】
また、制御装置19は、浴槽2に水を溜めて浴槽2を使用するある一日のうち、所定の期間、例えば夜の8時から10時までの間、スイッチ装置18を操作して、浴槽2の水を使用することを表す信号を入力しても、浴槽2の水を使用せず、上水を洋風便器3に供給する構成としてもよい。例えば、図3は、禁止モードを設定する時間帯について説明するための図である。図3においては、横方向に一日の時間帯を、縦方向に浴槽2の水の推移を示している。睡眠中の0時から4時の時間帯では、浴槽2の水が用いられることなく、水位は一定である。6時に、浴槽2の水が洋風便器3(洋風便器3)および洗濯の洗浄水として用いられ、浴槽2の水位が下がる。8時、および16時に、洋風便器3の洗浄水として用いられ、浴槽2の水位が下がる。18時に浴槽2の水が自動排水され、水位が0となる。この後、浴槽2に使用者が浴槽2に湯張りする。そして、入浴することが予定されている時間帯(20時〜22時)には、上述禁止モードを設定する構成としてよい。この時間帯では、浴槽2の水が洋風便器3の洗浄水として使用されることはない。この時間帯以外は禁止モードを解除する構成としてよい。図3においては、入浴時間帯が終了すると、まずトイレの使用の際は、禁止モードが解除されているので、浴槽2の水が洋風便器3の洗浄水として用いられ、浴槽2の水位が下がる。
【0061】
また、図1に示すように、禁止モードとなった場合に、禁止モードであることを報知する報知部61を、洋風便器3の近傍に設けてもよい。
【0062】
また、実施形態の説明では、洋風便器3をタンクレス洋風便器として説明したが、便器は、図4に示すタンク式便器であってもよい。図4は、便器3aの構成を示す図である。便器3aは、その底部に上水を蓄えるタンク71と、タンク71に蓄えられた入水を便器のリムの内面へと立ち上げるポンプ72とを有している。洗浄水給水システムの構成として、便器以外の他の部分は、上述した洗浄水給水システム1の構成と同様である。例えば、制御装置が、浴槽側に設けられるポンプ(図1に示すポンプ13)と、ポンプ72とを切り替えて、浴槽からの水と上水とを切り替える構成となっている。また、制御装置は、浴槽の水を利用する可能性があると判定した場合に浴槽から便器3aへの給水を禁止する禁止モードを備えている。
【符号の説明】
【0063】
1…洗浄水給水システム、2…浴槽、3…洋風便器、5…リム、16…上水給水部、17…浴槽内水給水部、19…制御装置、H…封水、51…照度センサ、52…人体検知センサ、53…温度センサ
図1
図2
図3
図4