(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
給紙トレイ上に積載された用紙を、用紙幅方向に沿って設置した捌きローラと捌き部材との間で1枚ずつ捌いて印刷部に搬送し、前記印刷部で前記用紙上にインク画像を印刷した後に、印刷済みの用紙を前記印刷部よりも下流の用紙搬送路に沿って設置した折りローラ対により折り処理を行う用紙折り装置において、
前記折りローラ対のうち少なくとも一方の折りローラは、前記用紙幅方向において前記捌きローラの幅と対応する位置に小径部が形成され、且つ、前記小径部以外の部分に大径部が形成されていることを特徴とする用紙折り装置。
前記捌きローラに接する前記用紙の一方の面を印刷面としたときに、前記折りローラ対のうち少なくとも一方の折りローラは前記印刷面と接する側に設置されていることを特徴とする請求項1記載の用紙折り装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記した特許文献1に記載されたシート折り装置では、印刷済みのシートに対して第1〜第3折りローラによりZ折り処理を施す際に、前述したようにシートの中央部のみに折りローラ対の大径部を接触させ、且つ、シートの両端部は折りローラ対に接触させていないので、シートの中央部に対してシートの両端部では速度差が生じないが、シートの両端部側に折り圧力が加わらないために折があまくなってしまうという問題が生じる。
【0009】
一方、一般的な画像形成装置では、給紙トレイ上に積載された用紙(シート)を、用紙幅方向と直交する用紙幅方向の中央部位と対応して設置した捌きローラと捌き部材との間で1枚ずつ捌いて印刷部に搬送し、この印刷部でインクを用いて用紙上にインク画像を印刷している。この際、捌きローラに接する用紙の一方の面はインク画像を印刷する印刷面側に設定されている。
【0010】
ここで、用紙の一方の面が捌きローラに接したときに摩擦により紙粉が発生し、この紙粉が一方の面中で用紙幅方向の中央部位に付着した状態でインク画像を印刷すると、一方の面中で用紙幅方向の中央部位に付着した紙粉がインクと混ざって汚れがひどくなる。
【0011】
そして、画像形成装置内の印刷部で印刷された印刷済みの用紙に対してこの印刷部よりも下流の用紙搬送路に沿って一対以上設置した折りローラ対により折り処理を行うと、用紙の一方の面中で用紙幅方向の中央部位に付着した汚れが折りローラ対の用紙幅方向の中央部位に転写される。
【0012】
これにより、折りローラ対の用紙幅方向の中央部位に転写された汚れが堆積することにより、この折りローラ対の用紙幅方向の中央部位が大径になり、折りローラ対の用紙幅方向の中央部位のローラ周速度がこの折りローラ対の両端部より速くなる。
【0013】
この結果、シートの中央部位のみに折りローラ対の大径部を接触させ、且つ、シートの両端部を折りローラ対に接触させていない引用文献1の場合とは異なって、上記した画像形成装置内では折りローラ対の用紙幅方向の中央部位のローラ周速度がこの折りローラ対の両端部より速くなることにより用紙の用紙幅方向の中央部位に折り皺が発生するという問題が生じる。
【0014】
そこで、給紙トレイ上に積載された用紙を、用紙幅方向に沿って設置した捌きローラと捌き部材との間で1枚ずつ捌いて印刷部に搬送し、印刷部で用紙上にインク画像を印刷した後に、印刷済みの用紙を印刷部よりも下流の用紙搬送路に沿って設置した折りローラ対により折り処理を行う際に、引用文献1で生じる用紙の両端部側の折があまくなる問題を解決でき、且つ、画像形成装置内の捌きローラで生じた紙粉とインクとが混ざった汚れが印刷済みの用紙の印刷面に付着しても、折りローラ対のうちで捌きローラの幅と対応する位置に汚れが転写されないように構成した用紙折り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、請求項1記載の発明は、給紙トレイ上に積載された用紙を、用紙幅方向に沿って設置した捌きローラと捌き部材との間で1枚ずつ捌いて印刷部に搬送し、前記印刷部で前記用紙上にインク画像を印刷した後に、印刷済みの用紙を前記印刷部よりも下流の用紙搬送路に沿って設置した折りローラ対により折り処理を行う用紙折り装置において、
前記折りローラ対のうち少なくとも一方の折りローラは、前記用紙幅方向において前記捌きローラの幅と対応する位置に小径部が形成され、且つ、前記小径部以外の部分に大径部が形成されていることを特徴とする用紙折り装置である。
【0016】
また、請求項2記載の発明は、前記捌きローラに接する前記用紙の一方の面を印刷面としたときに、前記折りローラ対のうち少なくとも一方の折りローラは前記印刷面と接する側に設置されていることを特徴とする請求項1記載の用紙折り装置である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の用紙折り装置によると、印刷済みの用紙に対して折りローラ対により折り処理を行う際に、折りローラ対のうち少なくとも一方の折りローラは、用紙幅方向において捌きローラの幅と対応する位置に小径部が形成され、且つ、小径部以外の部分に大径部が形成されている。
【0018】
この結果、印刷済みの用紙の印刷面に捌きローラで生じた紙粉とインクとが混ざった汚れが付着しても、折りローラ対のうちで少なくとも一方の折りローラは、捌きローラの幅と対応する位置に形成した小径部に汚れが転写されず、この小径部のローラ径が大径にならないので、折りローラ対は用紙幅方向において速度差が生じないために用紙に折り皺が発生しない。
【0019】
また、折りローラ対のうちで少なくとも一方の折りローラの小径部は、例えば、捌きローラの幅よりも僅かに幅広く形成されているので、用紙の幅方向の両端部側の折りもあまくなることがなく、用紙幅方向に沿って良好に折り処理を行うことができる。
【0020】
また、請求項2記載の用紙折り装置によると、捌きローラに接する用紙の一方の面を印刷面としたときに、折りローラ対のうち少なくとも一方の折りローラは印刷面と接する側に設置されているので、折りローラ対のうち少なくとも一方の折ローラの小径部に汚れが転写されないので、用紙に対して折り皺の抑制に効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明に係る用紙折り装置の一実施形態について、
図1〜
図6を参照して詳細に説明する。
【0023】
本発明に係る用紙折り装置は、給紙トレイ上に積載された用紙を、用紙幅方向に沿って設置した捌きローラと捌き部材との間で1枚ずつ捌いて印刷部に搬送し、印刷部で用紙上にインク画像を印刷した後に、印刷済みの用紙を印刷部よりも下流の用紙搬送路に沿って設置した折りローラ対により折り処理を行うように構成されている。
【0024】
ここで、本発明に係る用紙折り装置を説明する前に、この用紙折り装置を適用した封書作成システムについて
図1及び
図2を用いて説明する。
【0025】
図1は本発明に係る用紙折り装置を適用した封書作成システムを示している。また、
図2(a),(b)は
図1に示した画像形成装置内で内容物用紙及び封筒用紙を印刷したときに、第1,第2捌きローラによって生じた紙粉とインクとが混ざった汚れがインク画像面中央部位に付着した状態をそれぞれ示している。
【0026】
図1に示す如く、封書作成システム1は、内容物用紙P1及び封筒用紙P2にインクジェット方式で印刷を行うための画像形成装置10と、この画像形成装置10から送られた印刷済みの内容物用紙P1を折り畳んで内容物Bを形成し、且つ、印刷済みの封筒用紙P2を封筒状に折り畳んだ後に、内容物Bを折り畳んだ封筒Eに内包して封書Fを作成する封書作成装置50とで構成されている。
【0027】
(画像形成装置)
画像形成装置10は、第1筐体11内の下方部位に第1給紙部20が設置され、且つ、第1筐体11内の左方部位に第2給紙部30が設置されている。
【0028】
上記した第1給紙部20は、内容物用紙P1を積載した第1給紙トレイ21が上下方向に複数並設されている。
【0029】
また、複数の第1給紙トレイ21上に積載した内容物用紙P1の最上位には、第1給紙ローラ22がそれぞれ設けられていると共に、各第1給紙ローラ22よりも用紙搬送方向の下流に沿って幅狭い第1捌きローラ23と第1捌き部材24とが上下に対向してそれぞれ設けられている。
【0030】
上記した内容物用紙P1は、用紙搬送方向の長さが長尺であり且つ用紙搬送方向と直交する用紙幅方向の幅は短尺である。
【0031】
また、第1給紙ローラ22及び第1捌きローラ23は、内容物用紙P1の幅方向の中央部位と対応して不図示の駆動源を共用して回転自在に設けられており、且つ、用紙幅方向の幅W1(
図2)が幅狭く設定されている。
【0032】
そして、第1給紙トレイ21上に積載した内容物用紙P1を第1給紙ローラ22で給紙した後に、給紙した内容物用紙P1を第1捌きローラ23と第1捌き部材24との間に挟み込んで摩擦力により捌くことで最上位の内容物用紙P1のみが第1給紙搬送路25の分岐路25aに選択的に送り出されている。
【0033】
この際、内容物用紙P1が第1捌きローラ23と第1捌き部材24との間で1枚ずつ捌かれているときに、内容物用紙P1のうちで第1捌きローラ23と接する一方の面の用紙幅方向の中央部位に摩擦により紙粉が発生したまま、この一方の面が印刷面となって後述する印刷部40に送られている。
【0034】
一方、上記した第2給紙部30は、封筒用紙P2を積載した第2給紙トレイ31が設置されている。
【0035】
また、第2給紙トレイ31上に積載した封筒用紙P2の最上位には、第2給紙ローラ32が設けられていると共に、第2給紙ローラ32よりも用紙搬送方向の下流に幅狭い第2捌きローラ33と第2捌き部材34とが上下に対向して設けられている。
【0036】
上記した封筒用紙P2は、用紙搬送方向の長さが長尺であり且つ用紙搬送方向と直交する用紙幅方向の幅は内容物用紙P1の幅よりは幅広いが短尺である。
【0037】
また、第2給紙ローラ32及び第2捌きローラ33は、封筒用紙P2の幅方向の中央部位と対応して不図示の駆動源を共用して回転自在に設けられており、且つ、用紙幅方向の幅W1(
図2)が幅狭く設定されている。
【0038】
そして、第2給紙トレイ31上に積載した封筒用紙P2を第2給紙ローラ32で給紙した後に、給紙した封筒用紙P2を第2捌きローラ33と第2捌き部材34との間に挟み込んで摩擦力により捌くことで最上位の封筒用紙P2のみが第2給紙搬送路35に送り出されている。
【0039】
この際、封筒用紙P2が第2捌きローラ33と第2捌き部材34との間で捌かれているときに、封筒用紙P2のうちで第2捌きローラ33と接する一方の面の用紙幅方向の中央部位に摩擦により紙粉が発生したまま、この一方の面が印刷面となって後述する印刷部40に送られている。
【0040】
また、第1,第2給紙搬送路25,35の各下流端はレジストローラ対36の直前で合流している。
【0041】
そして、第1給紙搬送路25に送られた内容物用紙P1及び第2給紙搬送路35に送られた封筒用紙P2は、回転停止中のレジストローラ対36に突き当たってループが形成されて、このループにより各用紙P1,P2の先端位置がレジストローラ対36に対して揃うようになる。この後、所定時間経過してレジストローラ対36を回転させることにより、このレジストローラ対36で各用紙P1,P2の斜行が補正されて印刷部40に送られる。
【0042】
上記した印刷部40は、第1筐体11の上方部位に設置されており、内容物用紙P1及び封筒用紙P2に対して両面印刷を可能とするために印刷搬送路41がループ状に形成されている。
【0043】
また、ループ状の印刷搬送路41内の下方には、C(シアン),K(ブラック),M(マゼンタ),Y(イエロー)の各インク色に対応して複数のライン型インクジェットヘッド42C,42K,42M,42Yが用紙搬送方向の上流側から下流側に向かって順に設置されている。
【0044】
そして、複数のライン型インクジェットヘッド42C,42K,42M,42Yにより内容物用紙P1及び封筒用紙P2の各一方の面上にカラーでインク画像を印刷している。
【0045】
この際、ループ状の印刷搬送路41から分岐して接続搬送路43が第1筐体11の右方に形成されており、印刷済みの内容物用紙P1及び封筒用紙P2は接続搬送路43を通って後述する封書作成装置50に送られる。
【0046】
この際、
図2(a),(b)に示す如く、画像形成装置10内で内容物用紙P1及び封筒用紙P2に対してインク画像をそれぞれ印刷したときに、前述したように、用紙幅方向が幅狭い第1,第2捌きローラ23,33によって生じた紙粉が内容物用紙P1及び封筒用紙P2の各インク画像面中で用紙幅方向の中央部位に付着し、この紙粉がインクと混ざって汚れとなり、この汚れが各用紙P1,P2上に第1,第2捌きローラ23,33の各幅で用紙搬送方向に沿って付着したまま封書作成装置50に送られている。
【0047】
図1に戻り、ループ状の印刷搬送路41から分岐して排紙用の排紙搬送路44が第1筐体11の左上方に形成されている。
【0048】
更に、ループ状の印刷搬送路41中に含まれた両面印刷用のスイッチバック搬送路45が第1筐体11の右方に設けたケース46内に進入した後に第1,第2給紙搬送路25,35の各下流端に合流している。
【0049】
この際、ループ状の印刷搬送路41から分岐する各分岐点及びスイッチバック搬送路45にはフラッパ47が搬送路切り替え可能にそれぞれ設けられている。
【0050】
更に、第1筐体11の上面には操作パネル48が設けられており、且つ、第1筐体11内には、第1,第2給紙部20,30と、印刷部40と、不図示の用紙搬送手段とを制御する第1制御部49が設置されている。
【0051】
(封書作成装置)
封書作成装置50は、第2筐体51の左方部位に画像形成装置10の接続搬送路43と接続する接続搬送路52が設けられており、且つ、接続搬送路52の下流端は内容物用紙搬送路53と、封筒用紙搬送路54とに分岐されている。
【0052】
この際、内容物用紙搬送路53と封筒用紙搬送路54との分岐点に設けたフラッパ55の作用により両用紙搬送路53,54が選択的に切り替え可能になっている。
【0053】
そして、画像形成装置10から印刷済みの内容物用紙P1が封書作成装置50内に送られた場合に、印刷済みの内容物用紙P1は接続搬送路52を通ってフラッパ55の作用により内容物用紙搬送路53に送られ、この内容物用紙搬送路53に沿って設けた整合部56で複数枚集積して整合される。
【0054】
この後、整合部56で整合された複数枚の印刷済みの内容物用紙P1は、整合部56内に開閉可能に設けたゲート57を通り抜けて、この整合部56の下流端側に設けた内容物用紙折り部60に送られる。
【0055】
そして、内容物用紙折り部60で複数枚の印刷済みの内容物用紙P1に対して重ね折りして内容物Bを形成し、この内容物Bを内容物搬送路69を介して後述する第2封筒用紙折り部80に送っている。
【0056】
上記した内容物用紙折り部60は、本発明に係る用紙折り装置の一例であり、これについては後で詳述する。
【0057】
一方、画像形成装置10から印刷済みの封筒用紙P2が封書作成装置50内に送られた場合に、印刷済みの封筒用紙P2は接続搬送路52を通ってフラッパ55の作用により封筒用紙搬送路54に送られる。
【0058】
上記した封筒用紙搬送路54には、用紙搬送方向の上流から下流に向かって第1,第2,第3封筒用紙折り部70,80,90が順に設置されている。
【0059】
そして、第1封筒用紙折り部70で印刷済みの封筒用紙P2に対して1回目の折り曲げとして前折り行っている。
【0060】
この後、第2封筒用紙折り部80で印刷済みの封筒用紙P2に対して2回目の折り曲げを行いながら内容物搬送路69を介して送られた内容物Bを封入している。
【0061】
その後、第3封筒用紙折り部90で印刷済みの封筒用紙P2に対して3回目の折り曲げを行って封筒Eを形成し、この封筒Eを後述する封緘部100に送っている。
【0062】
上記した第1,第2,第3封筒用紙折り部70,80,90は、本発明に係る用紙折り装置の他例であり、これについても後で詳述する。
【0063】
更に、封筒用紙搬送路54の最下流には、封緘部100が設置されている。この封緘部100では、封筒用紙P2のいずれかの端部に予め付着させた圧着糊に折り曲げ部位を重ね合わせて封緘部100内に設けた封緘ローラ対101で押圧することにより封筒Eが封緘されて、内容物Bを内包した封書Fが形成される。尚、封緘部100では、圧着糊のりを用いずに糊を塗布しても良い。
【0064】
この後、封緘部100で封緘された封書Fは封書搬送路102を経て封書収納部103内に収納されている。
【0065】
更に、第2筐体51内には、第1,第2,第3封筒用紙折り部70,80,90と、封緘部100と、不図示の用紙搬送手段とを制御する第2制御部104が設置されている。
【0066】
(本発明に係る用紙折り装置)
ここで、本発明に係る用紙折り装置について、先に示した
図1と、新たな
図3〜
図6とを併用して説明する。
【0067】
図3は
図1に示した本発明に係る用紙折り装置(内容物用紙折り部)の一例を拡大して示している。また、
図4は
図3に示した本発明に係る用紙折り装置(内容物用紙折り部)の一例において、折りローラ対を拡大して示している。
【0068】
また、
図5は
図1に示した本発明に係る用紙折り装置(封筒用紙折り部)の他例を拡大して示している。また、
図6は
図5に示した本発明に係る用紙折り装置(封筒用紙折り部)の他例において、折りローラ対を拡大して示している。
【0069】
まず、
図3に拡大して示す如く、本発明に係る用紙折り装置(内容物用紙折り部)60の一例では、封書作成装置50内に設けた整合部56の下流端側に不図示の駆動源によって時計方向に回転駆動される主折りローラ61と、この主折りローラ61と対をなして反時計方向に従動回転する第1副折りローラ62とが内容物用紙搬送路53を挟んで下方と上方に互いに対向して設けられている。
【0070】
また、主折りローラ61と第1副折りローラ62の各下流に第1ガイド板63と、この第1ガイド板63に沿って位置調整可能に移動する第1突き当て部材64とが設けられている。
【0071】
また、第1ガイド板63を挟んだ右側には主折りローラ61と対をなして反時計方向に従動回転する第2副折りローラ65が設けられている。また、主折りローラ61と第2副折りローラ65の各下流側に第2ガイド板66が設けられ、この第2ガイド板66に沿って位置調整可能に移動する第2突き当て部材67が設けられている。
【0072】
更に、第2ガイド板66を挟んだ右側には第2副折りローラ65と追従して時計方向に回転する第3副折りローラ68が設けられている。
【0073】
上記ように本発明に係る用紙折り装置(内容物用紙折り部)60を構成したときに、整合部56内に開閉可能に設けたゲート57を通り抜けた複数枚の印刷済みの内容物用紙P1は、主折りローラ61と第1副折りローラ62との間に送り込まれ、これらの内容物用紙P1の先端部が第1ガイド板63に沿いながら第1突き当て部材64に突き当たるので内容物用紙P1の先端部が停止する。
【0074】
この後、複数枚の印刷済みの内容物用紙P1は、主折リローラ61と第1副折りローラ62とで更に送り込まれるために、これらの内容物用紙P1の途中部位に1回目のタルミが生じ、この1回目のタルミ部位が主折リローラ61と第2副折りローラ65との間に引き込まれるために1回目の折りが形成される。
【0075】
そして、1回目の折り部位は第2ガイド板66に沿いながら第2突き当て部材67に突き当たって停止するが、主折リローラ61と第2副折りローラ65とが更に回転しているので、1回目の折りを経た内容物用紙P1の途中部位に2回目のタルミが生じる。
【0076】
更に、2回目のタルミ部位が第2副折りローラ65と第3副折りローラ68との間に引き込まれるために、2回目の折りが形成されて重ね折りした内容物Bが得られ、この内容物Bは内容物搬送路69に向けて搬送される。
【0077】
ところで、画像形成装置10内で内容物用紙P1の一方の面に対してインク画像を印刷したときに、前述したように、内容物用紙P1の一方の面となるインク画像面中で用紙幅方向の中央部位は用紙幅方向が幅狭い第1捌きローラ23によって生じた紙粉とインクとが混ざって汚れがひどくなった状態で印刷済みの内容物用紙P1が封書作成装置50内に送られている。
【0078】
そして、一方の面中で用紙幅方向の中央部位に汚れが付着した内容物用紙P1に対して用紙折り装置(内容物用紙折り部)60で折り処理を行うと、一対以上の折りローラ対の用紙幅方向の中央部位に汚れが転写されてしまうので中央部位のローラ径が大径となり、前述したように折りローラ対の用紙幅方向において中央部位と両端部位とで速度差が生じるために内容物用紙P1に折り皺が発生する。
【0079】
そこで、本発明では、上記した折り皺の発生を抑制するために、用紙折り装置(内容物用紙折り部)60内の主折リローラ61と第1副折りローラ62とによる折りローラ対61,62のうち少なくとも一方の折りローラ(第1副折りローラ)62は、用紙搬送方向と直交する用紙幅方向の中央部位に小径部62aを第1捌きローラ23の幅よりも僅かに幅広く形成し、且つ、小径部62aの両側に大径部62bを用紙幅方向に沿って形成している。
【0080】
また、他方の折りローラ(主折リローラ)61は、両端部間を一方の折りローラ62の大径部62bと同径に形成している。
【0081】
この結果、印刷済みの内容物用紙P1の印刷面中央部位に第1捌きローラ23で生じた紙粉とインクとが混ざった汚れが付着しても、折りローラ対61,62のうちで少なくとも一方の折りローラ62は、第1捌きローラ23の幅と対応して用紙幅方向の中央部位に形成した小径部62aに汚れが転写されず、この小径部62aのローラ径が大径にならないので、折りローラ対61,62は用紙幅方向の中央部位と両端部との間で速度差が生じないために内容物用紙P1に折り皺が発生しない。
【0082】
また、折りローラ対61,62のうちで少なくとも一方の折りローラ62の小径部62aは、第1捌きローラ23の幅よりも僅かに幅広く形成されているので、内容物用紙P1の幅方向の両端部側の折りもあまくなることがなく、用紙幅方向に沿って良好に折り処理を行うことができる。
【0083】
より具体的には、
図3,
図4に拡大して示す如く、用紙折り装置(内容物用紙折り部)60内の折りローラ対61,62のうちで主折リローラ61は、内容物用紙P1の用紙幅方向に沿って直径φDで大径部61aが長尺に形成されている。
【0084】
一方、折りローラ対61,62のうちで第1副折りローラ62は、内容物用紙P1の用紙幅方向の中央部位に直径φdで小径部62aが第1捌きローラ23の幅W1(
図2)よりも僅かに幅広い幅W2(=W1mm+5〜10mm程度)に形成され、且つ、小径部62aの両側に直径φdよりも大径な直径φDで大径部62bが用紙幅方向に沿って形成されている。
【0085】
この際、先に
図2(a)に示したように、内容物用紙P1のうちで第1捌きローラ23と接する一方の面となるインク画像面側の汚れがひどいので、このインク画像面側と接する第1副折りローラ62の中央部位に小径部62aを形成した方が、第1副折りローラ62の小径部62aに汚れが転写されないので、内容物用紙P1に対して折り皺の抑制に効果がある。
【0086】
図3に戻り、上記と同様に、主折リローラ61と第2副折りローラ65とによる折りローラ対61,65のうちで第2副折りローラ65の中央部位に小径部65aを第1捌きローラ23の幅よりも僅かに幅広く形成し、且つ、小径部65aの両側に大径部65bを用紙幅方向に沿って形成している。
【0087】
これにより、ローラ対61,65及びローラ対65,68でも内容物用紙P1に対して折り皺の発生を抑制できる。
【0088】
次に、本発明に係る用紙折り装置(第1,第2,第3封筒用紙折り部)70,80,90の他例のうちで封筒用紙P2に対して1回目の折り処理を行う第1封筒用紙折り部70では、
図5に拡大して示す如く、封書作成装置50内に設けた封筒用紙搬送路54の上流側に不図示の駆動源によって反時計方向に回転駆動される主折りローラ71と、この主折りローラ71と対をなして時計方向に従動回転する第1副折りローラ72とが封筒用紙搬送路54を挟んで右方と左方とに互いに対向して設けられている。
【0089】
また、主折りローラ71と第1副折りローラ72の各下流にガイド板73が設けられ、このガイド板73に沿って位置調整可能に移動する突き当て部材74が設けられている。
【0090】
また、ガイド板73を挟んだ右側には主折りローラ71と対をなして時計方向に従動回転する第2副折りローラ75が設けられている。
【0091】
上記ように本発明に係る用紙折り装置(第1封筒物用紙折り部)70を構成したときに、封筒用紙搬送路54に送られた印刷済みの封筒用紙P2は、主折りローラ71と第1副折りローラ72との間に送り込まれ、この封筒用紙P2の先端部がガイド板73に沿いながら突き当て部材74に突き当たるので封筒用紙P2の先端部が停止する。
【0092】
この後、印刷済みの封筒用紙P2は、主折リローラ71と第1副折りローラ72とで更に送り込まれるために、この封筒用紙P2の途中部位にタルミが生じ、このタルミ部位が主折リローラ71と第2副折りローラ75との間に引き込まれるために1回目の折りとして前折りが形成され、この後、第2封筒用紙折り部80へ搬送される。
【0093】
ここでも、画像形成装置10内で封筒用紙P2の一方の面に対してインク画像を印刷したときに、前述したように、封筒用紙P2の一方の面となるインク画像面中で用紙幅方向の中央部位は用紙幅方向が幅狭い第2捌きローラ33によって生じた紙粉とインクとが混ざって汚れがひどくなった状態で印刷済みの封筒用紙P2が封書作成装置50内に送られている。
【0094】
そして、一方の面中で用紙幅方向の中央部位に汚れが付着した封筒用紙P2に対して用紙折り装置(第1封筒用紙折り部)70で折り処理を行うと、一対以上の折りローラ対の用紙幅方向の中央部位に汚れが転写されてしまうので中央部位のローラ径が大径となり、前述したように折りローラ対の用紙幅方向の中央部位と両端部位とで速度差が生じるために封筒用紙P2に折り皺が発生する。
【0095】
そこで、本発明では、上記した折り皺の発生を抑制するために、用紙折り装置(封筒用紙折り部)70内の主折リローラ71と第1副折りローラ72とによる折りローラ対71,72のうち少なくとも一方の折りローラ(主折リローラ)71は、用紙搬送方向と直交する用紙幅方向の中央部位に小径部71aを第2捌きローラ33の幅よりも僅かに幅広く形成し、且つ、小径部71aの両側に大径部71bを用紙幅方向に沿って形成している。
【0096】
また、他方の折りローラ(第1副折りローラ)72は、両端部間を一方の折りローラ71の大径部71bと同径に形成している。
【0097】
この結果、印刷済みの封筒用紙P2の印刷面中央部位に第2捌きローラ33で生じた紙粉とインクとが混ざった汚れが付着しても、折りローラ対71,72のうちで少なくとも一方の折りローラ71は、第2捌きローラ33の幅と対応して用紙幅方向の中央部位に形成した小径部71aに汚れが転写されず、この小径部71aのローラ径が大径にならないので、折りローラ対71,72は用紙幅方向の中央部位と両端部との間で速度差が生じないために封筒用紙P2に折り皺が発生しない。
【0098】
また、折りローラ対71,72のうちで少なくとも一方の折りローラ71の小径部71aは第2捌きローラ33の幅よりも僅かに幅広く形成されているので、封筒用紙P2の幅方向の両端部側の折りもあまくなることがなく、用紙幅方向に沿って良好に折り処理を行うことができる。
【0099】
より具体的には、
図5,
図6に拡大して示す如く、用紙折り装置(封筒用紙折り部)70内の折りローラ対71,72のうちで主折リローラ71は、封筒用紙P2の用紙幅方向の中央部位に直径φdで小径部71aが第2捌きローラ33の幅W1(
図2)よりも僅かに幅広い幅W2(=W1mm+5〜10mm程度)に形成され、且つ、小径部71aの両側に直径φdよりも大径な直径φDで大径部71bが用紙幅方向に沿って形成されている。
【0100】
一方、折りローラ対71,72のうちで第1副折りローラ72は、封筒用紙P2の用紙幅方向に沿って直径φDで大径部71aが長尺に形成されている。
【0101】
この際、先に
図2(b)に示したように、封筒用紙P2のうちで第2捌きローラ33と接する一方の面となるインク画像面側の汚れがひどいので、このインク画像面側と接する主折りローラ71の中央部位に小径部71aを形成した方が、主折りローラ71の小径部71aに汚れが転写されないので、封筒用紙P2に対して折り皺の抑制に効果がある。
【0102】
図5に戻り、上記と同様に、主折リローラ71と第2副折りローラ75とによる折りローラ対71,75のうちで第2副折りローラ75は、両端部間を大径に形成するか、もしくは、中央部位を小径に形成してこの両側に大径に形成するかのいずれでも良い。
【0103】
また、
図1に示す如く、封筒用紙P2に対して2回目の折り処理を行う第2封筒用紙折り部80でも、上記した第1封筒用紙折り部70と同様に、不図示の駆動源によって回転駆動される主折りローラ81と、この主折りローラ71と対をなして従動回転する第1副折りローラ82と、主折りローラ81と第1副折りローラ82の各下流のガイド板83と、このガイド板83に沿って位置調整可能に移動する突き当て部材84と、主折りローラ81と追従して回転する第2副折りローラ85とが設けられている。
【0104】
この第2封筒用紙折り部80でも、折りローラ対81,82及び折りローラ対81,85のうち少なくとも一方の折りローラは、用紙搬送方向と直交する用紙幅方向の中央部位に小径部が第2捌きローラ33の幅よりも僅かに幅広く形成され、且つ、小径部の両側に大径部が用紙幅方向に沿って形成されることで、封筒用紙P2に対して折り皺の発生を抑制している。
【0105】
更に、封筒用紙P2に対して3回目の折り処理を行う第3封筒用紙折り部90でも、上記した第1,第2封筒用紙折り部70,80と同様に、不図示の駆動源によって回転駆動される主折りローラ91と、この主折りローラ91と対をなして従動回転する第1副折りローラ92と、主折りローラ91と第1副折りローラ92の各下流のガイド板93と、このガイド板93に沿って位置調整可能に移動する突き当て部材94と、主折りローラ91と追従して回転する第2副折りローラ95とが設けられている。
【0106】
この第3封筒用紙折り部90でも、折りローラ対91,92及び折りローラ対91,95のうち少なくとも一方の折りローラは、用紙搬送方向と直交する用紙幅方向の中央部位に小径部が第2捌きローラ33の幅よりも僅かに幅広く形成され、且つ、小径部の両側に大径部が用紙幅方向に沿って形成されることで、封筒用紙P2に対して折り皺の発生を抑制している。
【0107】
以上詳述した本発明に係る用紙折り装置(内容物用紙折り部)では、印刷済みの用紙に対して折りローラ対により折り処理を行う際に、折りローラ対のうち少なくとも一方の折りローラの用紙幅方向の中央部位に小径部を捌きローラの幅よりも僅かに幅広く形成し、且つ、小径部の両側に大径部を形成した例について説明したが、これに限定されることなく、折りローラ対のうち少なくとも一方の折りローラは、用紙幅方向において捌きローラの幅と対応する位置に小径部が形成され、且つ、小径部以外の部分に大径部が形成されるように構成すれば良いものである。